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極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 306

2025年07月25日 | 新錬金術時代

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝え
られる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊軍団
編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと兜(かぶと)を合体
させて生まれたキャラクタ
-。


季語と短歌:7月25日 】

     草も野も大暑に負けず伸び盛る 

                多嘉山 宇(気合鬼)
                                                  

                                             5日目に朝紅龍(左)を攻める草野。寄り切りで破る=IGアリーナ(撮影・中島信生)
                      大入り満員夏場
角川新書<br> 知らないと恥をかく世界の大問題〈16〉トランプの“首領モンロー主義時代”

角川新書
知らないと恥をかく世界の大問題〈16〉トランプの“首領モンロー主義時代
池上 彰【著】
出版社内容情報
アメリカの「第2期トランプ政権」が、古典的帝国主義の再来を決定づけた。
予測不能なトランプの行動に振り回される世界。アメリカ・ロシア・中国―
強権国の縄張り争いはますます熾烈になる。ジャングルのルールがまかり通
る「弱肉強食の時代」で混沌とする世界。日本はどう対応していけばいいの
か?世界、そして日本が抱える大問題を、歴史的な背景を交えながらわかり
やすく解説していく池上彰の人気新書「知ら恥」シリーズ最新第16弾。大転
換の時代に必読のニュース解説本の登場。内容説明古典的帝国主義が世界を
覆う。アメリカ・ロシア・中国―強権国
家の熾烈な縄張り争い。
著者略歴:1950年、長野県生まれ。ジャーナリスト、名城大学教授、東京科
学大
特命教授、東京大学客員教授、愛知学院大学特命教授、立教大学客員教
授。73年、慶應義塾大学卒業後、NHK入局。94年から11年間、「週刊こども
ニュース」のお父さん役として活躍。2005年に独立。
『そうだったのか!現
代史』『知らないと恥をかく世界の大問題』『世界
を動かす巨人たち』等の人
気シリーズはじめ、著書多数。
内容説明:
古典的帝国主義が世界を覆う。アメリカ・ロシア・中国―強権国家の熾烈な
縄張り争い。

目次
プロローグ 弱肉強食のジャングルに戻る世界
第1章 福音派とテクノ・リバタリアンの“ハイブリッド国家”へ
第2章 EUの試練
第3章 変わる中東のパワーバランス
第4章 転機を迎えた中国
第5章 核軍縮と逆行する世界
第6章 内憂外患の日本
エピローグ 「真理がわれらを自由にする」

■ ジャングルのルールが支配する世界へ
さて、私はこのところ毎年、この本のプロローグでイアン·ブレマー氏率い
る「ユーなりの視点を加えて世界の大問題を解説してきました。同社は1998
年にアメリカで設立されたコンサルティング会社で、世界の地政学リスクを
専門に扱っています。毎年1月にその年に予想されるリスクを発表していて、
これが当たるのです。彼らが2024年の10大リスクの1番目にあげていたのは、
「アメリカの敵はアメリカ」。どういうことかというと、「アメリカは国内で
民主党と共和党の対立が激しく分断が進んでいる。アメリカの選挙戦は現在
のところ、民主主義国家のものからはほど遠い。ジョー·バイデン大統領は
2期目終了時には86歳になる。アメリカ人の大多数は、トラプ、バイデンど
ちらも国のリーダーにはしたくないと考えている」。
どうですか? 結果、その片方のトランプ氏が大統領になり、2025年版の10大
スクを見ると、ほとんどがトランプがらみのものとなっています。
ユーラシア·グループが発表した2025年の10項目を並べてみると
「1.深まるGゼロ世界の混迷」

「2.トランプの支配」、
「3..米中決裂」、
「4 トランプノミクス」、
「5. ならず者国家のままのロシア」、
「6.追い詰められたイラン」、
「7.世界経済への負の押し付け」、
「8.制御不能なAI」、
「9 統治なき領域の拡大」、
「10 米国とメキシコの対立」、

思い返してみると、前回の大統領就任式ではバイデン氏の大統領就任を受け
カマラ·ハリス氏とヒラリー·クリントン氏が紫の服を着ていました。共和党
のシンボルカラーは赤、民主党のシンボルカラーは青。赤と青を合わせると
紫になる。赤でもない、青でもない、1つのアメリカだということを言いた
かったのでしょう。皮肉なことにその後も分断は深まるばかりで、いまとな
っては決して「紫」にはなりそうもないアメリカの姿があります。ユーラシ
ア·グループは、「私たちは再びジャングルのルールが支配する世界へと向か
っている」と分析します。「強者は好き勝手に行動し、弱者は耐えるしかな
い」ということです。たとえばトランプ氏は、2025年2月、「アメリカはガ
ザを所有する」と発言しました。ガザ住民約200万人をヨルダンやエジプト
に永続的に移住させ、その後、ガザを所有してリゾート開発を主導するとい
うのです。まさに、不動産業者の発想です。パレスチナの人たちは、このト
ランプ大統領のガザ住民移住計画についてどう思っているのか。もちろんア
ラブ諸国からは強い反発が起きています。イスラエルとイスラム武装組織ハ
マス(正式名称はイスラム抵抗運動)の戦闘でガザ地
区は瓦礫の山と化してし
まいました。アメリカはバイデン·民主党もトランプ·共和党もイスラエル支
持でした。これにはアメリカ人の中にも反発する人がいました。常に大国に
翻弄されてきた中東。トランプ政権誕生で中東情勢はどうなるのか。ユーラ

siア·グループは2025年版の世界10大リスクで、「追い詰められたイラン」を
億番目に挙げています。イランはアメリカを敵視しています。イランが支援
を続けてきたシリアのバッシャール·アル=アサド政権崩壊によって、13年間
続いてきたシリア内戦がどう収まるのかも気になるところです。世界が注視
している中東については第3章で詳しく解説します。


 Donald John Trump via Wikipedia

■「ドンの支配」のアメリカ
世界10大リスクの2番目は、日本語版では「トランプの支配」となっていま
すが、オリジナル版(英語版)では「ドンの支配(Ruie of Don)」という言葉を
使っています。ドナルドのドンと首領(独裁者)のドンを掛けている。言い得
て妙ですね
「ドンの支配」とはどんなものか。それは、1期目の経験を生かして、トラ
ンプが周囲を忠実な側近たちで固めたことです。トランプと周辺は、1期目
にいわゆる「ディープ·ステート(闇の政府)」によって自身の政策の実施が妨
害されたと思い込んでいます。「ディープ·ステート」を解体するために、司
法省やFBI(連邦捜査局)などの権力を持つ役所に側近を送り込み、官僚組織を
思うがままに動かそうとしているというのです。政権が発足するやいなや、
まさにそのように展開しています。「トランプは議会共和党を掌握し、最高
裁判所では保守派判事が6対3で多数を占めており、メディア環境ではX(ツイ
ッター)やポピュリストのポッドキャスト(インタシャルメディア)の影響力が
高まっており、トランプ2期目の政策推進を後押しするだろう」ーネットを
通して音声コンテンツ配信するソーでは、これからどうなるのか。「権力の
ある省庁を掌握することで自身と仲間たちを説明責任から守り、政治的敵対
者や批判者を迫害し、威嚇しようとするだろう。粛清や迫害が効果的に実施
されるかどうかは大した問題ではない。公然と脅したり調査によって平等を
揺るがすことになる」というのです。驚くべき慧眼と言わざるをえません。
いままさに、この予言が私たちの前で
の眼前で実現しつつあるの

です。

■ 列強がぶつかり合う帝国主義的な対立
先ほど述べた「ドンの支配」を「ドンロー主義」と称していたアメリカのメ
ディアがありました。ドン(首領·トランプ)による支配で、外交方針は「モン
ロー主義」を取るということに引っ掛けたのでしょう。言ってみれば「首領
モンロー主義」です。モンロー主義とは、1823年のジェイムズ·モンロー大
統領の「大統領教書」に示されたアメリカの外交理念のことです。南北アメ
リカ大陸をアメリカの影響圏とみなし、アメリカ以外の国には干渉しない。
その代わり、諸外国も南北アメリカには口を出すな。トランプ大統領もアメ
リカはアメリカさえよければいいのであって、選挙前から世界のことに関知
しない孤立主義をとるだろうと評されていました。世界を俯瞰してみると、
第2次世界大戦後の世界は、「資本主義」対「社会主義」、
「自由主義」対「
権威主義」といったイデオロギーの対立でしたが、今後は列強がぶつかり合
う帝国主義的な対立になるのではないか。そういう意味では、第1次世界大
戦前の状況と似ています。大国が資源や領土を奪い合う世界の復活です。

光文社古典新訳文庫<br> 帝国主義論

レーニンの『帝国主義論』によると、資本主義の発展段階が帝国主義です。
資本主義は、経済が発展すると生産力が高まりいろいろなモノをつくりすぎ
てしまったり、カネが余ってしまったりして、これが国内で消費できなくな
って海外に出ていき、植民地を獲得していく。これが帝国主義だというわけ
です。これって、いまの中国そのものではないですか。中国はつくりすぎた
鉄などを一帯一路で国外で使おうとしています。資源や領土を奪い合うのが
帝国主義。中国がそのメインプレイヤーであることは間違いないでしょう。
ユーラシア・グループは10大リスクの3番目に「米中決戦」を挙げていま
す。
トランプ大統領は国務長官に「アンチ中国」のマルコ·ルビオ上院議員を指名
しました。ルビオ氏は中国国内での人権弾圧を長年、調査し糾弾し、中国政
府から入国禁止措置を受けています。わかりやすくいえば「出禁」です。し
かし、国務長官とは日本でいう外務大臣ですから、米中外交を考えると中国
としては彼を入国禁止にするわけにはいきません。そこでマルコ·ルビオの
名前の中国語表記を「盧比奥」から「鲁比奥」に変えました。つまり“別人
”という扱いにして中国に入国できるようにしたのです。
中国は現在、世界第2位の経済大国であり、アメリカに取って代わることが
できる唯一の国といえます。アメリカとしては、中国がアメリカに代わる世
界覇権国になるのは許さない。ただトランプ大統領は、中国を叩きのめした
いのであって、習近平氏が独裁者として振る舞っていることには好意を持っ
ています。トランプ氏は、イデオロギーに関係なく「強い指導者」が好きな
のです。トランプ氏は、選挙前から全中国製品に60%の追加関税をかけると
公約していましたが、実際には、2025年4月10日の段階で、相互関税を含め
た追加関税が145%になると発表しました(その後5月12日に、米中双方、追
加関税115%下げで合意しましたが)。中国はいま、国内の不動産バブルが崩
壊し、中国経済はすでにデフレ入りしたと見ていいでしょう。中国経済から
目が離せません。日本にとっては中国の台湾政策も気になるところですが、
アメリカの国務省はHP(ホームページ)から「台湾の独立を支持しない」とい
う文言を削除しました。アメリカは台湾ではなく中国と正式な国交を結んで
います。これまでアメリカは中国を刺激しないように「台湾の独立」に反対
してきたのですが、その文言を削除したということは、台湾の独立を認める
つもりなのかと中国は強く反発しています。アメリカの台湾政策が変わるの
か。アメリカのトランプ政権による経済的圧力が見込まれる中、アメリカに
代わって覇権を狙う中国については第4章で見ていきましょう。

■ 戦争の終わらせ方
「戦争は始めるより、終わらせるほうが難しい」ー。2022年2月24日に始ま
たロシアのウクライナ侵攻から3年余り、戦争は一旦始めると本当に終わ
らせるのが難しいものです。理由は簡単で、始めるのは自分の独断で始めら
れても、終わらせるには相手の合意を取り付けなければならないからです。
トランプ氏は大統領に復帰したらウクライナ戦争を、「24時間で終わらせる
」と豪語していましたが、実際に再選を果たすと、「6カ月は欲しい」と修正
しました。

■ 支援の見返りにレアアースのディール
2025年2月18日、サウジアラビアの首都リヤドでウクライナ戦争の終結を協
議する初の高官会合が開かれました。会合は当事国であるウクライナ抜きで
行われました。
ロシアのウラジーミル·プーチン大統領はウクライナに軍事侵攻したとき、
短期決戦を想定していました。ガッンとやればすぐに降伏するだろうという
甘い見通しを持っていたのです。その証拠に、キーウに向かっていたロシア
の戦車部隊の兵隊たちは3日分の燃料と食料しか持っていませんでした。
圧倒的に優勢とみられたロシア軍に対し、ウクライナ軍は激しい抗戦を続け
ました。しかしロシアはウクライナ東部·南部4州の併合を一方的に宣言す
ると、その後も消耗戦で物量に勝るロシアが優位に立っています。2024年8
月には、ウクライナ軍が大規模な兵力を投じてロシア本土のクルスク州に侵
攻して一部を占領しましたが、その後
は後退を余儀なくされています。

ロシアが一部を占領しているウクライナの東部には、レアアースやリチウム、
チタン
のです。トランプ氏はデンマーク自治領のグリーンランドについて、
なんとトランプ氏は、レアーアースを要求します。ヨーロッパ各国が警戒心
を持ちます。
ここへきて、ヨーロッパ抜きで話をしようというのは本来の方
針と矛盾し、アメリカが関与することではないという言い方をしていたので、
関わりたくないのだと、
トランプ氏はそもそも、ウクライナの戦争はヨーロ
ッパの戦争だと主張してきた。

ウクライナのウォロディミル·ゼレンスキー大統領にしてみると、自分の頭越
しにアメリカとロシアが停戦に向けた協議をすることは実に不愉快だったに
違いありません。
アメリカはウクライナの最大支援国ですから、順序として
はアメリカとウクライナが先のはずでした。トランプ氏はそもそも、ウクラ
イナの戦争はヨーロッパの戦争だと主張してきました。アメリカが関与する
ことではないという言い方をしていたので、関わりたくないのだと思われて
きましたが、ここへきて、ヨーロッパ抜きで話をしようというのは本来の方
針と矛盾しますし、ヨーロッパ各国が警戒心を持ちます。なんとトランプ氏
は、「ウクライナが引き続きアメリカの支援を受けるためには、ロシアが一
部を占領しているウクライナの東部には、レアアースやリチウム、チタンな
どが埋蔵されているのです。レアースなどの重要鉱物資源を提供する必要が
ある」とディール(取引)を持ち掛けた。
                           この項つづく

    


✳️ 
蓄熱材料の結晶構造をX線回折により解明
横浜国立大学,パナソニック,大阪大学,高輝度光科学研究センタ(JASRI),
産業技術総合研究
所は,空調などに用いられる蓄熱材料「TBABハイドレート
(TBAB・26H2O)」の結晶構造を大型
放射光施設SPring-8における高精度
なX線回折実験により明らかにした。 2025.07.24

図. 本研究で解明されたTBABが占有する空間のサイズ。 従来12面体をTBABが占有することは報告されておらず、12面体を利用することによってTBABが高密度にパッキングされていることを本研究で明らかにした。
図. 本研究で解明されたTBABが占有する空間のサイズ。 従来12面体をTBAB
が占有することは報告されておらず、12面体を利用することによってTBABが
高密度にパッキングされていることを本研究で明らかにした。
展 望:「水素結合ネットワーク中へのイオンの収容」という構造的特徴は、
ハイドレートに限らず、水系高分子、界面活性剤、さらにはシリコン系クラ
スレートなど広範な水系構造材料の設計にも応用が可能です。また、得られ
た構造情報は、ハイドレートにおける準安定相の形成や相転移挙動の解明に
も寄与し、水の構造化という深淵な現象の理解にも貢献。カーボンニュート
ラル社会構築に向けた蓄熱技術開発においては正確な構造に基づく材料・プ
ロセス設計や性能評価にも活用され、将来的には、CO₂分離・貯蔵、省エネ
型空調など、多様な応用展開への橋渡しが期待される。
-------------------------------------------------------------------------------------
関連情報:
・掲載誌:Crystal Growth & Design
・表 題:Solving the 80-Year Structure Mystery: Definitive Crystal Stru‐
     cture of TBAB Hydrate Resolved with Synchrotron Radiation
・著 者:室町実大、安田伸広、増永啓康、菅原武、町田博宣
DOI :https://doi.org/10.1021/acs.cgd.5c00364新しいウィンドウが開きます

開発難しいとされたが…パナインダストリーが年内投入、「透明な電磁波シールド」実現

パナソニックインダストリーが発売する透明な電磁波シールド
✳️「透明な電磁波シールド」実現 年内投入
2025年内に透明度の高い電磁波シールドフィルムを発売する。電磁波を
遮断・減衰するシールド性能と透明度を両立したフィルムは開発が難しいと
されてきたが、独自の透明導電フィルムを活用し実現した。電磁波ノイズ対
策が必要な工場自動化(FA)機器向けなどで需要を見込み、28年度まで
に年間10億円超の売上高を目指す。厚さ50マイクロメートルの透明導電
フィルム「FineX」、同50マイクロメートルの光学用透明粘着シート
(OCA)、剥離用保護フィルムで構成する。2025年07月24日 ニュースイッチ

時速60km走行車に無線給電成功…大成建設、実用化へ一歩サニーソライト025年07月24日 ニュースイッチ
大成建設は電気自動車(EV)への無線給電が可能な次世代道路を使った実
証実験で、最高時速60キロメートルで車両に対し最大出力10キロワット
の連続無線給電に成功した。従来の国内の実証実験では、最高時速20キロ
メートル程度にとどまっていた。同社は今後、中型・商用車両などさまざま
なEVに対応可能な無線給電道路の実用化や、高速道路への本格適用に向け
た技術開発と実証に取り組む計画。最高時速60キロメートルで走行する車
両に連続無線給電を行った場合の伝送効率は平均66%(最大71%)。道
路側からの最大10キロワットの送電出力に対し、EV側で6キロ―7キロ
ワットの電力を連続受電できることを確認した。無線給電道路の施工や更新・
メンテナンスは、大型施工機械による在来工法とほぼ同じ施工法で対応でき
るなど、施工性や維持管理面にも優れる。

 水素吸蔵合金の利用イメージ(出所:FDK)
水素吸蔵合金の利用イメージ(出所:FDK)
✳️ 水素ステーション向け水素吸蔵合金 貯蔵量20%アップ
FDK(古河電工)は、水素貯蔵タンク向けに高容量の水素吸蔵合金を開発
「AB2型」と呼ばれるタイプの水素吸蔵合金で、水素貯蔵量を電池用途で主
流の「AB5型」に比べて約20%向上させた。2025年7月から一部の需要家に
向けてサンプル提供を、同年10月以降に量産出荷を開始する予定。同年7月
17日に発表。

新開発のAB2型水素吸蔵合金は、水素ステーションに設置した燃料電池など
での使用を想定したもの。現在、ニッケル水素電池の負極材として主流のA
B5型と比較して質量当たりの水素貯蔵量を約20%高めた。従来のAB5型は、
活性化が容易、反応速度が速い、リサイクルが容易といった利点を持つ半面、
タンクで使えるほどの水素貯蔵量は実現できていなかった。AB5型以外で水
素貯蔵量に優れる水素吸蔵合金もあるが、使用中に水素放出圧力が大きく低
下したり活性化プロセスが煩雑だったりと、使い勝手に課題があるという。

そこで開発品では、質量当たりの水素貯蔵量を増やしただけでなく、水素放
出圧力の安定性を高めて、使用前の活性化処理もしやすくした。水素貯蔵量
の体積効率は液体水素の約2倍で、高圧水素ガスの約7倍。日本の高圧ガス保
安法適用外となる1MPa未満の低平衡圧仕様と、海外向けの1MPa以上の高平
衡圧仕様のどちらにも対応する。

AB2型水素吸蔵合金は、MgZn2、ZrNi2のように化学組成がAB2で表される
水素吸蔵合金を指す。安定した水素化物を形成しやすい発熱型金属A〔マグ
ネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)など〕と、水素との親和力の弱い吸熱
型金属B〔ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)など〕で構成される。FDKは、水素吸
蔵合金を開発・製造する中国の包頭富士電気化学(旧社名:包頭三徳電池材
料)を2024年に子会社化し、水素貯蔵タンク用水素吸蔵合金の開発に取り
組んできた。

✳️関連特許事例
1️⃣ 特開2020-167030 ニッケル水素二次電池用の負極、この負極の製造方
法、この負極を用いたニッケル水素二次電池及び水素吸蔵合金粉末 FDK
株式会社
要約:
図1のごとく、ニッケル水素二次電池2に用いられる負極26は、負極芯体
と、この負極芯体に担持された負極合剤とを備えており、負極合剤は、水素
吸蔵合金
粒子の集合体である水素吸蔵合金粉末、結着剤及び増粘剤を含んで
おり、前記した水素吸蔵合金粒子は、体積平均粒径が40μm以下であり、塩
素の濃度が180ppm以上、780ppm以下である。製造性を十分に確
保しつつニッケル水素二次電池における充放電特性を高めることに貢献する
ことができるニッケル水素二次電池用の負極を提供する。
000004
図1 本発明の一実施形態に係るニッケル水素二次電池を部分的に破断して
示した斜視図
発明の効果:
二ッケル水素二次電池用の負極は、負極芯体と、前記負極芯体に担持された
負極合剤とを備えており、前記負極合剤は、水素吸蔵合金粒子の集合体であ
水素吸蔵合金粉末、結着剤及び増粘剤を含んでおり、前記水素吸蔵合金
子は、体積平均粒径が40μm以下であり、塩素の濃度が180ppm以上、
780ppm以下である。塩素の濃度を上記の範囲内とするには、低粒度の
水素吸蔵合金粒子が流出するほど過剰に洗浄する必要はないので、低粒度の
水素吸蔵合金の量を維持でき、水素吸蔵合金の反応面積の減少を抑え、所定
の充放電特性を得ることができる。また、塩素の濃度が上記の範囲内であれ
ば、結着剤及び増粘剤の機能を阻害せず、負極の製造性に影響を与えない。
このため、本発明によれば、製造性を十分に確保しつつニッケル水素二次電
池における充放電特性を高めることに貢献することができるニッケル水素二
次電池用の負極、この負極の製造方法、この負極を用いたニッケル水素二次
電池及び水素吸蔵合金粉末を提供することができる。
000005
図2 水素吸蔵合金粒子の構造を概略的に示した断面図
【符号の説明】2 ニッケル水素二次電池 22 電極群 24 正極 26    
負極 28 セパレータ 50   水素吸蔵合金粒子 52  Ni 54  表面層
56   コア部

000003
3.考察
  実施例1~4は、水素吸蔵合金粒子の表面における塩素の濃度が180p
pm~780ppmの範囲にある。この範囲に塩素の濃度であれば、負極合
剤ペーストの分離も起こらず、負極活物質の脱落も起きていないので、電池
の製造に適しているといえる。また、上記したような範囲に塩素の濃度を維
持するための洗浄では、体積平均粒径を34.2μm~35.2μm程度に維
持でき、得られる電池の充放電特性は良好な状態を維持できると考えられる。
【0116】
  特に、実施例1~3の電池は、塩酸による酸処理を行い、表面にNiリッ
チ層が形成されている水素吸蔵合金粒子を含んでいるので、酸処理が行われ
ておらず、表面にNiリッチ層が形成されていない水素吸蔵合金粒子を含ん
でいる実施例4の電池よりも充放電の反応性は高いと考えられる。
【0117】
  比較例1は、水素吸蔵合金粒子の表面における塩素の濃度が102ppm
である。この程度まで塩素の濃度を下げるには、洗浄の回数を多くせざるを
得ず、その結果、比較的粒径の小さい粒子が洗浄水とともに流出し、粒径の
大きな粒子の割合が増えてしまい、体積平均粒径が38.1μmと大きくな
っている。比較例1のように、水素吸蔵合金粒子の体積平均粒径が38.1
μmであると、得られる比較例1の電池の充放電特性は、水素吸蔵合金粒子
の体積平均粒径が34.2~35.2μmの実施例1~4の電池の充放電特
性と比べ、低下することが予想される。特に、0℃以下の低温環境下での充
放電特性に関しては、比較例1の電池は、実施例1~4の電池に比べて劣る
と考えられる。【0118】
  比較例2は、洗浄の回数を減らしているので、水素吸蔵合金粒子の体積平
均粒径が34.1μmであり、実施例3の水素吸蔵合金粒子の体積平均粒径よ
りも小さい状態を維持している。しかし、水素吸蔵合金粒子の表面における
塩素の濃度が870ppmであり、比較的多く塩素が残留している。このた
め、残留している塩素が負極合剤ペーストに含まれる結着剤や増粘剤の性質
を変化させてしまい、負極合剤ペーストを負極合剤成分と水分とに分離させ
てしまっている。このため、負極の製造が不可能であり、電池の製造には適
していないといえる。この状態の負極合剤ペーストを用いて負極の作製を試
みたが、得られた負極については、負極活物質の脱落が有り、電池の品質に
問題があるといえる。【0119】
  以上より、本発明によれば、製造性を十分に確保しつつニッケル水素二次
電池における充放電特性を高めることに貢献することができるニッケル水素
二次電池用の負極、この負極の製造方法、この負極を用いたニッケル水素二
次電池及び水素吸蔵合金粉末を提供できるといえる。



✳️ 福島で多発する子どもの甲状腺がん 原発事故から14年
                   2025年3月8日 北海道新聞
東京電力福島第1原発の事故からまもなく14年。福島県が事故当時18歳以
下の子どもに続ける甲状腺検査で、350人にがんが見つかっている。被ばく
との因果関係の議論が続く中、がんになった若者たちが支援や原因究明を求
めて声を上げている。北海道電力泊原発(後志管内泊村)で過酷事故が起き
れば、道内も被ばくの問題に直面する恐れがある。
福島県の甲状腺検査 2012年4月1日までに生まれた子ども38万人に実施。
2~5年ごとの超音波検査で5.1ミリ以上の結節などが見つかると2次検査に回
る。放射性ヨウ素は甲状腺に蓄積し、がんのリスクを高めることが分かって
いる。福島の原発事故では、被ばく予防に有効な安定ヨウ素剤は、一部の住
民にしか配布されなかった。

✳️ 福島・甲状腺がん 語りはじめた若者の声をきく NHK
                                                                         記事公開日:2023年10月13日
東京電力福島第一原発事故のあと、福島県が検査を続けてきた“子どもの甲
状腺がん”。今年7月までに316人が「がん」や「がん疑い」と診断され、8
割が甲状腺を摘出するなどの手術をおこないました。事故から12年がたった
いま、若者たちが自らの経験を語りはじめています。患者や家族はどのよう
な思いや「生きづらさ」を抱えてきたのか、埋もれてきた声にじっくりと耳
を傾けます。

  • 1.声をあげはじめた若者たち
  • 2.「生きづらさ」を知ってほしい
  • 3.それぞれが抱える不安とどう向き合うか
  • 4.声をあげにくい「空気」の存在
  • 5.周囲の理解で前向きに生きていける
  • 6.当事者の孤立をどのように防ぐか

体がだるい。眠い。目がまわる。やる気の低下など学校へ行くのが大変。
(17歳・女性)
手術後の声の変化はすごくつらい。大きな声を出せない。 (20代・女性)
術後から現在まで、精神的に病んでしまうことが定期的にある。 (24歳・
男性)
手術の傷があると女性は心理的に落ち込み、何事にも積極的になれない。
(20代・女性)
再発・転移の心配は尽きない。この先、出産できるのか。あと何年生きられ
るのか、いつも考えてしまう。 (26歳・女性)
手術のため仕事を辞め、就活中。薬を一生飲むので、金銭的・経済的に心配。
(28歳・男性)

画像

 ✳️ 子ども甲状腺がん裁判㊤  2025年6月25日 
 「311子ども甲状腺がん裁判」の第14回口頭弁論(島崎邦彦裁判長)
が2025年6月25日(水)に東京地裁で開かれた。86の傍聴席を目指
して、およそ160名が並び、抽選となった。

 原告側の光前幸一弁護士によると、甲状腺がんの原因が原発事故による被
曝かどうか、つまり被曝とり患の関係が唯一の争点となっている。

 被曝と甲状腺がんとは関係ないとする専門家5人の意見書を東京電力は出
してきた。疫学の専門家・祖父江友孝氏、東京大学医学部付属病院の中川恵
一氏、明石眞言氏、甲状腺臨床ではトップといわれる杉谷巌氏らだ。

 弁護団長の井戸謙一弁護士は「東電は福島でたくさん発見されている甲状
腺がんは潜在がんであると主張しています」。

 「東電の主張では、子どもは一定数もともと甲状腺がんを持っており、その
がんは悪さをせずに、場合によっては次第に小さくなる。スクリーニングし
ない限り、一生発見されないし、手術の必要もない」。

 しかし、こうした東電の言い分だと300数十名の患者が手術を受けたの
は必要がなかったということになり、このままでは大スキャンダルなので、
東電は杉谷巌医師の意見書を出してきたと井戸弁護士。
※「子ども甲状腺がん裁判㊦」も掲載

甲状腺がんの地域別罹患率(数/10万人)

出典:福島県「県民健康調査」検討委員会資料



                     
 

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エネルギーと環境 285

2025年07月05日 | 新錬金術時代

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと兜(か
ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:7月5日 】     夏帽子 季語 に対する画像結果
 
    
      夏帽子サングラスして期日前 

                                                    高山 宇(盛鬼)

🟡 日本発革命 ⓰
気候変動禍ゼロ・再エネ・人工燃料・超資源回収

1️⃣特開2023-137477 液体金属対流装置、海水淡水化システム及び海水
淡水化方法 国立大学法人東京工業大学
要約:海水から有価資源の分離回収をも行うための液体金属対流装置、
海水淡水化システム及び海水淡水化方法を提供する。液体金属対流装置
1は、液体金属対流ループを構成し、冷媒として液体錫を収容して矢印
に示すごとく対流循環させるようにする。液体金属対流装置1は、高温
配管11、低温配管12、海水接触室13、低温配管12の第1の場所
に設けられたアルカリ金属分離回収ユニット14、低温配管12の第2
の場所に設けられた重金属分離回収ユニット15及び高温配管11の第
3の場所に設けられたガス成分高温脱離ユニット16よりなる。海水
触室13の両端に高温配管11、低温配管12がループ状に接続されて
いる。高温配管11は少なくとも下部の一方側において、太陽光を直接
受けると共にパラボラ・ディッシュ型コレクタ2によって太陽熱を集め
て加熱される。
【選択図】  図1    


図1 本発明に係る海水淡水化システムの実施の形態を示す図
【符号の説明】1:液体金属対流装置 11:高温配管  12:低温配管
13:海水接触室 14:アルカリ金属分離回収ユニット 15:重金属
分離回収ユニット
16:ガス成分高温脱離ユニット 2:パラボラ・デ
ィッシュ型コレクタ
3:海水タンク 3a:海水供給ポンプ 4:淡水タ
ンク 5:熱交換器
発明の効果:  本発明によれば、海水の淡水化と同時に、高濃度塩水の
排出を抑えて海水に含まれ資源の回収を行うことができる。

特許請求範囲:
【請求項1】  上方が大気開放された海水接触室と、  前記海水接触室の
両端に接続された配管と  を具備し、前記海水接触室と前記配管とが冷
媒としての液体金属を収容して該液体金属を対流させるための液体金属
対流ループを構成し  さらに、前記海水接触室の下流側の前記配管の第
1の場所に前記液体金属に溶解したアルカリ金属を分離回収するための
アルカリ金属分離回収ユニットを具備する液体金属対流装置。
【請求項2】  さらに、前記海水接触室の下流側の前記配管の第2の場
所に前記液体金属に溶解した重金属を分離回収するための重金属分離回
収ユニットを具備する請求項1に記載の液体金属対流装置。
【請求項3】さらに、前記海水接触室の上流側の前記配管の第3の場所
に前記液体金属に溶解したガス成分を分離回収するためのガス成分高温
脱離ユニットを具備する請求項1に記載の液体金属対流装置。
【請求項4】前記アルカリ金属分離回収ユニットは前記アルカリ金属の
塩化物又は酸化物の生成反応式のギブズ自由生成エネルギーに従い前記
配管の所定位置に析出された前記塩化物又は酸化物を分離回収する請求
項1に記載の液体金属対流装置。
【請求項5】前記重金属分離回収ユニットは前記重金属の溶解度に従い
前記配管の所定位置に析出された前記重金属を分離回収する請求項2に
記載の液体金属対流装置。
【請求項6】前記海水接触室内の前記液体金属に海水を噴霧させ、該
が前記液体金属に直接接触するようにした請求項1~5のいずれかに
記載の液体金属対流装置。
【請求項7】請求項1に記載の液体金属対流装置と、前記配管の少なく
とも下方側の一部を加熱するための加熱手段とを具備する海水淡水化シ
ステム。
【請求項8】前記加熱手段は太陽熱を集熱するためのコレクタである請
求項7に記載の海水淡水化システム。
【請求項9】  さらに、前記海水接触室に前記海水を供給するための
供給手段と、前記海水噴霧室から淡水を回収するための淡水タンクと
  を具備する請求項7に記載の海水淡水化システム。
【請求項10】さらに、海水供給手段からの前記海水と前記淡水タンク
への前記淡水との熱交換を行うための熱交換器を具備する請求項9に記
載の海水淡化システム。
【請求項11】液体金属をループ状に収容する段階と、前記液体金属を
部分的に加熱させて前記液体金属を自然対流させる段階と、前記自然対
流された液体金属に海水を直接接触させて淡水を蒸発させると共に、前
記液体金属に前記海水のアルカリ金属、重金属及びガス成分を溶解させ
海水接触段階と、前記液体金属に溶解した前記アルカリ金属、重金属、
ガス成分の少なくとも1つを回収する有価資源回収段階とを具備する
淡水化方法。  

2️⃣ 特許第7284356号 陰イオンの分離方法 東邦アーステック
要約:有用な陰イオンの取得収率を向上させることができる陰イオンの
分離方法を提供すること。有用な陰イオンを含む原料液から、電気透析
法により陰イオンを製品液中に分離濃縮する陰イオンの分離方法であっ
て、電気透析法として、副原料室、第1の陰イオン交換膜、原料室兼副
塩室、第2の陰イオン交換膜、中間室、第3の陰イオン交換膜、製品室
、陽イオン交換膜までの4室4膜を一組として繰り返し配置される電気
透析槽を用い、原料室兼副塩室には、中間室を通過させた液もしくは、
中間室を通過させた液に原料液を加えた液を通過させ、中間室には、原
料液、もしくは希釈した製品液を通過させることを特徴とする陰イオン
の分離方法。

図1陰イオンの分離方法において用いる電気透析槽の構成例を示す模式図

発明の効果:本発明によれば、有用な陰イオンの取得収率を向上させ
ることができる陰イオンの分離方法を提供することができる。

特許請求の範囲:
【請求項1】  有用な陰イオンを含む原料液から前記有用な陰イオンを
製品液中に分離濃縮し、前記製品液中で、前記有用な陰イオンおよび対
となる陽イオンから、塩もしくは酸を合成する電気透析法であり、

  前記製品液中で前記有用な陰イオンと対となる陽イオンは、当該対と
なる陽イオンを含む副原料室液から供給されるものであり、

  前記電気透析法として、前記副原料室液が通過する副原料室、第1の
陰イオン交換膜、原料室、第2の陰イオン交換膜、中間室、第3の陰イ
オン交換膜、製品室、陽イオン交換膜までの4室4膜を一組として繰り
返し配置される電気透析槽を用いることを特徴とする陰イオンの分離方法。
【請求項2】  前記副原料室には、前記副原料室液を通過させ、  前記
料室
には、前記中間室を通過させた液もしくは、前記中間室を通過させ
た液に前記原料液を加えた液を通過させ、
  前記中間室には、前記原料液、もしくは希釈した前記製品液を通過させ、
  前記製品室には、前記製品液を希釈した液を通過させる、請求項1に
記載の陰イオンの分離方法。
【請求項3】  前記原料室の浸透圧が、常に、前記中間室及び前記副原
料室の浸透圧よりも高く保持されるように、前記電気透析槽の運転を行
う、請求項1又は2に記載の陰イオンの分離方法。
【請求項4】  前記副原料室を有する前記電気透析槽において、正極室
と接する室と、負極室と接する室が同じ室であり、両電極室に接する室
前記副原料室である請求項1又は2に記載の陰イオンの分離方法。
【請求項5】前記有用な陰イオンを含む前記原料液が、液晶画面偏光膜
製造時に発生する廃液であり、前記有用な陰イオンが、ヨウ化物イオン
である、請求項1又は2に記載の陰イオンの分離方法。

3️⃣特開平8-197049ミネラル成分の回収方法
要約:尿105はpH調整器101でpHをアルカリ性に調整されるの
で、それに含まれる二価イオンがリン酸塩を作り沈澱物となる。この沈
澱物は固液分離器102で分離される。その後、電気透析部103での処
理により電気透析部103から一価イオンを含む濃縮液108が排出さ
れ、温度差晶析部104に導かれる。90℃のタンク109にて濃縮さ
れ析出した塩化ナトリウムはフィルタ110で分離される。濃縮液10
8は、更にタンク111に供給され20℃に冷やされ、塩化カリウムを
析出させる。析出した塩化カリウムは、フィルタ112で除去される。


効果:尿に含まれる人間に有用なミネラル成分である塩化ナトリウム
を高効率かつ高純度に回収できる。

4️⃣特開2024-12760 金属回収システム及び金属回収方法 本田技研工業
株式会社 


図1 実施形態に係る金属回収システムの構成
符号の説明:  1…金属回収システム、2…ポンプ、3…逆浸透膜、4…
淡水化装置、5…金属イオン交換膜、5a、5b…電極、6…金属回収
装置、7…流量センサ、8…温度センサ、9…第1濃度センサ、10…
第2濃度センサ、11…還流路、12…排水路、13…制御弁、14…
淡水貯蔵槽、15…回収液貯蔵槽、16…メッシュフィルタ、17…取
水管、18…流入管、19…連絡管、20…排液管、30…制御装置、
31…プロセッサ、32…メモリ、33…ポンプ制御部、34…交換膜
制御部、35…弁制御部、40…オペレータ端末

発明の効果:本発明によれば、回収対象となる特定金属のイオンを含む
海水等の処理対象液から、効率的に上記特定金属を回収すると共に、処
理対象液の淡水化も行うことができる。


図2金属回収システムの動作の一例を示す図

図3 金属回収システムが実行する金属回収方法の処理の手順を示す
フロー図
発明を実施するための形態:
  以下、図面を参照して本発明の実施形態
について説明する。
  1.金属回収システムの構成:図1は、本発明の一実施形態に係る
属回収
システム1の構成を示す図である。金属回収システム1は、処理
対象液から淡水を得ると共に、回収対象である特定金属の金属イオンを
処理対象液から回収する。本実施形態では、例えば、処理対象液は、海
Sから取水された海水であり、回収対象である特定金属はリチウム(Li
)である。
金属回収システム1は、処理対象液を加圧して送り出すポンプ2と、ポ
ンプ2で加圧した処理対象液から逆浸透膜3により淡水を得る淡水化装
置4(?)と、処理対象液のうち淡水化装置4から排される排水液であ
る第1排液から、回収対象とする特定金属の金属イオンを金属イオン交
換膜5を用いて回収する金属回収装置6と、を有する。
淡水化装置4は、従来技術(例えば、上述の特許文献2に記載の技術▶️
特許第5974386号
)に従って、公知の逆浸透膜3を用いて処理対象液か
ら淡水を得る。また、金属回収装置6は、従来技術(例えば、上述の特
許文献1に記載の技術)に従い、公知の金属イオン交換膜5に設けられ
た電極5a、5bに通電することにより当該金属イオン交換膜5に電界
を印加して、処理対象液から金属イオンを回収する。本実施形態では、
金属イオン交換膜5は、リチウムイオンを回収するリチウムイオン交換
膜である。

 例えば、淡水化装置4において処理対象液から得られた淡水は、淡水貯
蔵槽14に貯蔵され、金属回収装置6により回収された金属イオンを含
む回収液は、回収液貯蔵槽15に貯蔵される。回収液貯蔵槽15に貯蔵
された回収液に含まれる金属イオンは、従来技術に従い、後処理工程に
おいて金属化合物や単体金属として取り出される。
金属属回収システム1は、また、ポンプ2から淡水化装置4へ流入する
処理対象液の流入流量を検知する流量センサ7と、金属イオン交換膜5
の温度である交換膜温度を検出する温度センサ8と、第1排液における
上記特定金属の金属イオン濃度である第1イオン濃度を検出する第1濃
度センサ9と、を備える。金属回収システム1は、また、淡水化装置4
から排される第1排液のうち金属回収装置6を通って当該金属回収装置
6から排される排水液である第2排液の、上記特定金属の金属イオン濃
度である第2イオン濃度を検出する第2濃度センサ10を備える。

金属回収
システム1は、また、第2排液をポンプ2の吸込口に還流する
還流路11と、第2排液を海Sへ戻す排水路12と、第2排液を還流路
11へ流入させるか又は排水路12へ流入させるかを制御する制御弁
13と、を備える。制御弁13は、例えば、アクチュエータを備えて流
路切替を行う電磁弁である。
図1において、海Sからの海水は、取水管17に挿入されたメッシュフ
ィルタ16により異物が除去され、処理対象液としてポンプ2の吸込口
に流入する。ポンプ2は、処理対象液を加圧して吐出口から出力し、加
圧された処理対象液を流入管18を介して淡水化装置4へ流入させる。
淡水化装置4から排される第1排液は連絡管19を介して金属回収装置
6へ流入する。金属回収装置6から排される第2排液は、排液管20を
通って制御弁13に流入し、還流路11又は排水路12を通って、ポン
プ2の吸込口に還流されるか、又は海Sへ戻される。還流路11及び排
水路12は、具体的には、取水管17等と同様の、パイプまたはチュー
ブで構成される管路である。
ここで、淡水化装置4と金属回収装置6とは、上記のように連絡管19
により直列に接続されているので、1台のポンプ2の通電を制御するこ
とにより、淡水化装置4への処理対象液の流入流量を制御することがで
きると共に、淡水化装置4から金属回収装置6へ流入する第1排液の流
量も制御することができる。
金属属回収システム1は、更に、金属回収装置6の金属イオン交換膜5
に電界を印加するための電極5a、5bへの通電制御、ポンプ2への通
電制御、及び制御弁13の流路切替制御を行う制御装置30を備える。
上記の構成を有する金属回収システム1では、淡水化装置4により処理
対象液から淡水を抽出し、当該淡水が抽出されて単位体積当たりの金属
イオンの含有量が豊富となった、淡水化装置4からの排液である第1排
液を、金属回収装置6に流入させる。このため、金属回収装置6では、
回収対象の金属を第1排液から効率的に回収することができる。その結
果、金属回収システム1では、処理対象液の淡水化と、処理対象液から
の効率的な金属回収とを同時に実現することができる。
【0022】
  2.制御装置:次に、金属回収システム1を構成する制御装置30に
ついて説明する。
  図1を参照し、制御装置30は、金属回収システム1のオペレータが
操作するオペレータ端末40と接続されている。オペレータ端末40は
、例えば、タッチパネルを備える。オペレータ端末40は、オペレータ
から入力される金属回収システム1についての稼働開始指示や稼働停止
指示等の動作指示を制御装置30へ入力する。オペレータ端末40は、
制御装置30からの指示により金属回収システム1の動作状態(例えば
、流量センサ7等の各センサのセンサデータや、制御弁13の状態など
)を示す監視画面を表示してもよい。

  制御装置30は、プロセッサ31と、メモリ32と、を備える。メモリ
32は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハ
ードディスク装置等により構成される。
 プロセッサ31は、例えば、CPU等を備えるコンピュータである。
プロセッサ31は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記
憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、プロセッサ
31は、機能要素又は機能ユニットとして、ポンプ制御部33と、交換
膜制御部34と、弁制御部35と、を備える。
ポンプ制御部33は、ポンプ2への通電を制御する。また、交換膜制御
部34は、金属イオン交換膜5に電界を印加する電極5a、5bへの通
電を制御する。弁制御部35は、制御弁13を制御して、第2排液の流
路を排水路12又は還流路11に切り替える。
プロセッサ31が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータで
あるプロセッサ31が、メモリ32に保存されたプログラムを実行する
ことにより実現される。なお、プログラムは、コンピュータ読み取り可
能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、プ
ロセッサ31が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以
上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
制御装置30の動作は、暖機運転と、通常運転と、回復運転と、に分け
られる。暖機運転は、金属回収システム1の稼働開始から、温度センサ
8により取得される交換膜温度が予め定められた所定の動作温度範囲
(以下、所定温度範囲ともいう)に達するまでの、暖機期間における動
作である。通常運転は、交換膜温度が上記所定温度範囲まで上昇した状
態である定格運転状態における動作である。また、回復運転とは、交換
膜温度が所定温度範囲を超えて上昇した異常状態を、定格運転状態に回
復させる動作である。ここで、所定温度範囲とは、所定温度範囲の上限
温度T1及び下限温度T2により規定される、当該上限温度T1以下で
あって且つ下限温度T2以上である温度範囲をいうものとする。

  以下、通常運転、暖機運転、及び回復運転に分けて、制御装置30が
備えるポンプ制御部33、交換膜制御部34、及び弁制御部35の動
作を更に説明する。
なお、通常運転、暖機運転、及び回復運転に共通する動作として、ポン
プ制御部33、交換膜制御部34、及び弁制御部35は、温度センサ8
により交換膜温度を所定の時間間隔で繰り返し取得する。また、ポンプ
制御部33は、淡水化装置4に流入する処理対象液の流入流量を、流量
センサ7から所定の時間間隔で取得し、交換膜制御部34は、淡水化装
置4から排されて金属回収装置6へ流入する第1排液の金属イオン濃度
(本実施形態では、リチウムイオン濃度。以下、同じ。)である第1イ
オン濃度を、第1濃度センサ9により所定の時間間隔で取得する。また、
弁制御部35は、金属回収装置6から排される第2排液の金属イオン濃
度である第2イオン濃度を、第2濃度センサ10により所定の時間間隔
で取得する。
【0030】  [2.1  通常運転での動作]
まず、通常運転での動作について説明する。
通常運転では、ポンプ制御部33は、淡水化装置4に流入する処理対
象液の流入流量が予め定めた第1流量F1となるように、ポンプ2の通
電を制御する。第1流量F1は、例えば、淡水化装置4における淡水化
処理の処理能力(例えば、時間当たりの処理水量)に基づいて定められ
る。これに加えて、第1流量F1は、金属回収装置6における処理能力
にも基づいて定められるものとしてもよい。
また、通常運転では、交換膜制御部34は、淡水化装置4から排されて
金属回収装置6へ流入する第1排液の金属イオン濃度である第1イオ
ン濃度に基づいて、金属イオン交換膜5の電極5a、5bへの通電電圧
(以下、膜電圧ともいう)を制御する。例えば、交換膜制御部34は、
第1イオン濃度が上昇するにつれて膜電圧を増加させ、金属イオン交換
膜5を介した金属イオンの回収率(すなわち、時間当たりの回収量)を
増加させる。この膜電圧の制御は、通常運転においては、その金属イオ
ン交換膜5について予め定められた所定の動作電圧範囲(以下、所定電
圧範囲ともいう)の範囲内で行われる。ここで、所定電圧範囲とは、所
定電圧範囲の上限電圧V1及び下限電圧V2により規定される、上限電
圧V1以下であって且つ下限電圧V2以上である電圧範囲をいうものと
する。
弁制御部35は、交換膜温度が所定温度範囲の上限温度T1以下である
ときは、金属回収装置6から排される第2排液の金属イオン濃度である
第2イオン濃度が予め定めた濃度閾値Cth以上であるときに、第2排
液が還流路11へ流れるように制御弁13を設定する。また、弁制御部
35は、通常運転においては、第2イオン濃度が上記予め定めた濃度閾
値Cth未満であるときに、第2排液が排水路12へ流れるように制御
弁13を設定する。これにより、第2排液において未だ金属イオン濃度
が濃度閾値Cthより高いときには、第2排液を取水管17に戻して還
流させ、第2排液に含まれる金属イオンを、再度、金属回収装置6に流
入させて回収することができるので、金属回収の効率を高めることがで
きる。【0033】
  [2.2  暖機運転での動作]
 次に、暖機運転での動作について説明する。
 一般に、金属イオン交換膜を用いる金属回収装置の暖機運転では、金
属イオン交換膜の電極に印加する電圧を徐々に上げ、イオン浸透処理に
伴って発生する熱により金属イオン交換膜の温度が均等に徐々に上がる
ように制御される。これは、電極への印加電圧を定格動作電圧範囲まで
急激に上げると、イオン浸透処理に伴って発生する熱により金属イオン
交換膜のうち処理対象液側の主面温度が上昇し、これに対向する回収液
側の主面温度との温度差が大きくなって、金属イオンの回収率(時間当
たりの回収量)が低下したり、温度勾配によりセル(金属イオン交換膜
と電極とで構成されるアセンブリ部分)の破損などにも影響を与える可
能性があるためである。
本実施形態の金属回収システム1では、特に、金属回収装置6における
金属イオン回収処理が、暖機期間においても安定に且つできるだけ高い
回収率で行われるように、金属イオン交換膜5の電極5a、5bに印加
する膜電圧を制御すると共に、ポンプ2の通電を制御して、処理対象液
の流路に沿って淡水化装置4の下流に接続された金属回収装置6への第
1排液の流入量を制御する。【0035】
 具体的には、まず、交換膜制御部34は、暖機運転において、交換膜温
度の時間当たりの温度上昇率が予め定めた範囲となるように、金属イオ
ン交換膜5の電極5a、5bに印加する膜電圧を制御する。例えば、交
換膜制御部34は、交換膜温度の時間当たりの温度上昇率が予め定めた
範囲になる値として予め定められた所定の電圧増加率で、時間と共に膜
電圧を上昇させる。【0036】
また、暖機運転においては、ポンプ制御部33は、淡水化装置4に流入
する処理対象液の流入流量が、上述した通常運転時において設定する第
1流量F1より少ない第2流量F2となるように、ポンプ2の通電を制
御する。したがって、淡水化装置4から金属回収装置6へ流入する第1
排液の流量も、通常運転の際の流量に比べて暖機運転の際の流量が少な
くなる。これにより、暖機運転の期間において金属回収装置6へ流入す
る冷たい第1排液の量を制限して、金属イオン交換膜5の温度を安定し
て増加させることができる。【0037】
特に、本実施形態では、上記第2流量F2は、交換膜温度の増加又は時
間経過に対し所定の流量増加率で単調増加する値に設定される。これに
より、暖機運転の開始から交換膜温度が上昇するにつれて又は時間が経
過するにつれて金属イオン交換膜5におけるイオン浸透処理の処理能力
が増加することに伴い、金属回収装置6に流入する第1排液の量を増加
させて、暖機運転中における金属イオンの回収率を向上することができ
る。【0038】
また、本実施形態では、特に、上記流量増加率は、交換膜温度が前記動
作温度範囲より低温の予め定めた温度閾値T3以上であるときは、交換
膜温度が温度閾値T3未満であるときに比べて大きな値に設定される。
これにより、流量増加率は、交換膜温度の上昇に伴って大きな値に変更
されるので、例えば、金属イオン交換膜5におけるイオン浸透処理の処
理能力の増加率が交換膜温度の増加に対して非線形に上がっていく場合
に、金属イオンの回収率を更に向上することができる。【0039】
 本実施形態では、流量増加率は、例えば、時間経過に対する増加率とし
て設定され、交換膜温度が温度閾値T3未満であるときは所定値k1に
設定され、交換膜温度が温度閾値T3以上であるときはk1より大きな
所定値k2に設定される。【0040】
弁制御部35は、通常運転における動作と同様に、交換膜温度が所定温
度範囲の下限温度T2未満となる暖機運転においては、第2排液の第2
イオン濃度が濃度閾値Cth以上であるときに、第2排液が還流路11
へ流れるように制御弁13を設定し、第2イオン濃度が上記濃度閾値C
th未満であるときに、第1
排液が排水路12へ流れるように制御弁13
を設定する。【0041】
暖機運転においては、金属イオン交換膜5は、交換膜温度が所定温度範
囲に到達していないため、イオン浸透処理の所定能力が小さく、第2排
液の第2イオン濃度は、通常運転時の濃度よりも大きくなる。このため、
第2排液の第2イオン濃度は、暖機運転の期間においては、通常運転に
おける値よりも大きくなり、従って、濃度閾値Cth以上のまま推移し
得る。その結果、弁制御部35は、制御弁13の状態を、第2排液が還
流路11へ流れる状態のままに維持することとなり得る。【0042】
第2排液は、金属回収装置6において、時間経過と共に温度上昇した金
属イオン交換膜5により暖められて排出されるので、上記のように暖機
運転の期間において第2排液を還流路11へ流したままにすることで、
金属回収装置6へ流入する第1排液の温度も徐々に上がることとなり、
金属イオン交換膜5の交換膜温度をゆるやかに上昇させることが容易と
なる。【0043】 次に、回復運転での動作について説明する。

 上述したとおり、金属イオン交換膜5の交換膜温度が所定温度範囲より
高温であるときに、回復運転が開始される。回復運転では、ポンプ制御
部33は、淡水化装置4へ流入する処理対象液の流入流量が、通常運転
における第1流量F1よりも多い第3流量F3となるように、ポンプ2
の通電を制御する。これにより、金属回収装置6へ流入する第1排液の
流量を増加させて、金属イオン交換膜5を速やかに冷却することができ
る。【0044】
また、弁制御部35は、回復運転では(すなわち、金属イオン交換膜5
の交換膜温度が所定温度範囲を超えたときは)、第2排液が排水路12
へ流れるように制御弁13を設定する。これにより、金属回収装置6の
内部で暖められた第2排液が還流して、温かい第1排液となって金属回
装置6へ再流入するのを防止し、金属イオン交換膜5を更に速やかに
冷却することができる。
【0045】ポンプ制御部33および弁制御部35における上記動作に
より、所定温度範囲を超えて高温となった金属イオン交換膜5は速やか
に冷却されるので、交換膜制御部34では、通常運転における動作を継
続するものとすることができる。すなわち、交換膜制御部34は、第1
排液の第1イオン濃度に基づき、所定電圧範囲内において、金属イオン
交換膜5の電極5a、5bに印加する膜電圧を制御する。【0046】

  3.金属回収システムの動作例
  次に、金属回収システム1の動作例について説明する。図2は、金属
回収
システム1の動作の一例を示す図である。図2には、図示上下方向
に並べて5つのグラフが示されている。図示上段より、図2の(a)は
、金属イオン交換膜5の交換膜温度の時間変化を示すグラフであり、
(b)は、金属イオン交換膜5の電極5a、5bに印加される膜電圧の
時間変化を示すグラフである。また、図2の(c)は、淡水化装置4に
流入する処理対象液の流入流量の時間変化を示すグラフであり、(d)
は、金属回収装置6から排される第2排液の第2イオン濃度の時間変化
を示すグラフである。また、図2の(e)は、制御弁13の設定状態の
時間変化を示すグラフである。【0047】

  図2の(a)、(b)、(c)、(d)、及び(e)に示す各グラフにおいて、
横軸は、同じ時刻の時間推移を表す時間軸である。なお、個々の時刻を
示す符号は、図2の(e)の時間軸にのみ示されている。【0048】
 図2(a)の交換膜温度グラフには、上限温度T1以下、下限温度T2
以上の範囲として規定される所定温度範囲と、温度閾値T3と、が示さ
れている。
また、図2(b)の膜電圧グラフには、上限電圧V1以下、下限電圧V
2以上の範囲として規定される所定電圧範囲が示されている。
  また、図2(e)の制御弁設定グラフでは、第2排液を還流路11へ
流す設定状態(以下、還流路接続ともいう)が高レベル状態として示
されており、第2排液を排水路12へ流す設定状態(以下、排水路接続
ともいう)が低レベル状態として示されている。【0049】
 図2において、金属回収システム1は、初期状態として稼働が停止した
状態であり、時刻t0において稼働が開始する。時刻t0において、交
換膜温度は所定温度範囲より低いため、制御装置30は、暖機運転を開
始する。【0050】
暖機運転を開始した制置30では、まず、弁制御部35は、時刻t0に
おいて金属回収装置6の第2排液の第2イオン濃度が濃度閾値Cthを
超えていることから(図2(d))、制御弁13を還流路接続の状態に設
定する(図2(e))。ここで、時刻t0までの期間の制御弁13の状態
は不定であってもよい。例えば、時刻t0までの期間の制御弁13の状
態は、その前の金属回収システム1の稼働停止時において設定された
状態であり得る。【0051】

 2.3  回復運転での動作:  また、制御装置30の交換膜制御部34
は、時刻t0において金属イオン交換膜5の電極5a、5bへの膜電圧
の印加を開始し、交換膜温度の時間当たりの温度上昇率が予め定めた範
囲となるように予め定められた所定の電圧増加率で、時間と共に膜電圧
を上昇させる(図2(b))。
【0052】       この項つづく 
🪄後は個別有価選別回収技術と光触媒製造技術とコンパクト化技術の
技術のみの最終戦にとなる。先を急ごう。                   

ト音記号 イラストや に対する画像結果 アンジェリーナ 佐野元春

1980年に、シングル『アンジェリーナ』でデビュー。詩人としてのメッ
セージを内包した歌詞、多様なリズムとアレンジ、ラップスポークン・
ワーズ
などの手法を実践。さまざまなジャンルの音楽を折衷させた曲を
数多く発表して作品の商業的ヒットに関係なく高い評価を得ている。現
在は独立系レーベル「Daisy Music」を主宰し、インターネットを通じ
た音楽活動等でも先駆的な試みを続けている。 

1980年2月からレコーディングに入り、そこで伊藤銀次と知り合う。同
年3月21日にシングル「アンジェリーナ」(EPIC・ソニー)でデビュー。
佐野は、「アンジェリーナ」を含んだデビュー当初の楽曲制作について「
作りたかったのは、オーディエンスまで巻き込んでいく音楽。洗濯機
放り込まれたような音楽を作りたかったんだ。言葉とビートメロディ
が一体化した表現。これをどうにかしたいと思って作ったのが『アン
ジェリーナ』であり、『ガラスのジェネレーション』だった」と語って
いる。

戦略は「政権交代」。テーマ
   は、
①環境、②働く者の賃上げ(民間ベース)、③格差の僅少化、
   ④失われ40年の解消(消費税率の引き下げ
)と積極的財政出動
   (未来国債の発行もしくは、高品位な令和所得倍増計画の発令)。
   取り合えず、「維新」「国民民主」に投票。(待ったなし!)

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                   レイチェル・カーソン 『沈黙の春』                                                   

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エネルギーと環境 69

2024年12月04日 | 新錬金術時代

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:12月5日】

          冬木立大根届けご返礼   

               高山 宇 (赤鬼)

【今日の短歌研究:能登半島地震⓶】

地震にすべて花散らしし山茶花の紅受け傍の大根揺るがず

                    三須恵子 『大根揺るがず』




✳️ カリウムイオンが赤く光る蛍光センサーを開発
11月30日、東京大学の研究グループは,生体内で重要な役割を担うカリウ
ムイオンに対する高性能な蛍光センサーを開発した。
【要点】
・タンパク質と合成蛍光分子を適切に組み合わせることで、カリウムイオ
 ンに対する高性能な蛍光センサーを開発
・有機合成化学とタンパク質工学を融合した設計戦略により、従来よりも
 明るくて使いやすい性質を持つセンサを開発
・細胞内のさまざまな場所で適用可能であり、医薬品候補化合物の評価な
 どに応用が可能に....。


図3:HaloKbpによるHeLa細胞イメージング;上:HaloKbp1bを導入した
HeLa細胞の蛍光画像。K+の有無で大きな蛍光強度変化が確認された。下:
ミトコンドリアに局在するHaloKbp1cと細胞質に局在する既存の緑色セン
サGINKO2の多重イメージング。K+溶液を加えた後(右)では、2色の蛍光が
共に強くなっている。スケールバーは10 μm。
【関連情報】
・プレスリリース 二刀流センサーで細胞を光らせろ!(2022/09/23)
【掲載論文】
・Journal of the American Chemical Society
・High-Performance Chemigenetic Potassium Ion Indicator
10.1021/jacs.4c10917



SP,蛍光フィルターセットを発表
11月22日、米MKS Instrumentsは,蛍光イメージングシステムに使用され
る高精度なシングルバンド光学フィルターセットである「Newport ODiate
蛍光フィルターセット」を発表した(製品ページ)。日本国内ではスペクト
ラ・フィジックスが販売。




 
12月3日、株式会社ジャパンディスプレイ、世界有数のディスプレイメーカ
ーInnolux Corporation(本国:台湾)(以下「Innolux」
)と、同社の子
会社で、世界をリードする車載ディスプレイソリューションの Tier1 サプ
ライ
ヤーであるCarUX Technology Pte. Ltd.(本国:シンガポール)(以下
「CarUX」といいます。)との間
で、eLEAP戦略提携の契約(以下「本契約」
といいます。)を本日付で締結。






同社は,OLED(有機EL)ディスプレーへのユーザーニーズに応えるため,
次世代OLED「eLEAP」を開発した。このOLEDは,世界で初めてHMO(High
Mobility Oxide)を採用した,世界初のマスクレス蒸着とフォトリソを組み
合わせた方式で画素を形成するOLED技術であり,従来のOLEDでは実現でき
ない低コストと高精細画素形成を可能としているという。

バックプレーン技術であるHMOは,高耐圧特性(高電圧/大電流)により特
に車載用途で求められるOLEDの高輝度化を実現。さらに高リフレッシュレー
ト駆動や,低周波駆動による低消費電力化が可能となった。
従来のOLEDと
比較して2倍の輝度,3倍の寿命を実現し,鮮やかさ,高解像度,高速応答
,かつ省電力といった高性能をより低コストで実現する。さらに,このOL
EDはGreenTechでもあり,その効率性の高い製造プロセスにより,従来の
OLEDと比較してCO2排出量を大幅に削減するとしている。
今回,eLEAP戦略提携の一環として,まずはCarUXと同社は32型高性能車載
用eLEAPディスプレーを共同で市場を開拓する予定。この最新鋭eLEAPディ
スプレーは,同社の既存32型車載用ハイエンドLCDディスプレーと比較して,
消費電力を76%も削減しながら,解像度を12%向上,輝度を15%増加,コ
ントラストを690倍に改善するという。

【関連特許最新技術】
1.特開2024-165246 表示装置及び表示装置の製造方法 株式会社ジャパン
ディスプレイ
【要約】
下図9のごとく、一実施形態によれば、表示装置は、基板と、前記基板の上
方において、画像を表示する表示領域及び前記表示領域よりも外側の周辺
領域に亘って配置された有機絶縁層と、前記表示領域において、前記有機
絶縁層の上に配置された下電極と、前記下電極の上に配置され、発光層を
含む有機層と、前記有機層の上に配置された上電極と、前記周辺領域に配
置され、第1下部と、前記第1下部の上に配置され前記第1下部の側面か
ら突出した第1上部と、を有する第1隔壁と、前記周辺領域に配置され、
前記有機絶縁層の開口に重なる金属層と、を備え、前記第1隔壁は、前記
開口に配置されてことで、信頼性の低下を抑制する。


図9. 周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領域の他の構成例を
示す平面図
【符号の説明】
  DSP…表示装置  10…基板   5…無機絶縁層  AP1、AP2、AP3…
開口   6…隔壁  61…下部  62…上部   7…隔壁  71…下部  72…上部
  SP1、SP2、SP3…副画素  201、202、203…表示素子(
機EL
素子)  LE1、LE2、LE3…下電極  UE1、UE2、UE3…
上電極  OR1、OR2、OR3…有機層  DA…表示領域  SA…周辺領域
  100…表示装置用マザー基板  PP…パネル部  MP…余白部  PD…パッ
ド  MT…金属層  IL…有機絶縁層  12…絶縁層  114…絶縁層
【発明の効果】
【特許請求の範囲】
【請求項1】  基板と、 前記基板の上方において、画像を表示する表示領域
及び前記表示領域よりも外側の周辺領域に亘って配置された有機絶縁層と、
  前記表示領域において、前記有機絶縁層の上に配置された下電極と、
  前記下電極の上に配置され、発光層を含む有機層と、
  前記有機層の上に配置された上電極と、
  前記周辺領域に配置され、第1下部と、前記第1下部の上に配置され前記
第1下部の側面から突出した第1上部と、を有する第1隔壁と、
  前記周辺領域に配置され、前記有機絶縁層の開口に重なる金属層と、を備え、
  前記第1隔壁は、前記開口に配置されている、表示装置。
【請求項2】平面視において、前記第1隔壁は、前記開口の縁に沿ったルー
プ状に形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】平面視において、前記第1隔壁は、前記開口の縁に沿って形成
された複数のセグメントを有している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】平面視において、前記第1隔壁は、格子状に形成されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】  基板と、前記基板の上方において、画像を表示する表示領域
及び前記表示領域よりも外側の周辺領域に亘って配置された有機絶縁層と、
  前記表示領域において、前記有機絶縁層の上に配置された下電極と、
  前記下電極の上に配置され、発光層を含む有機層と、
  前記有機層の上に配置された上電極と、
  前記周辺領域に配置され、第1下部と、前記第1下部の上に配置され前記
第1下部の側面から突出した第1上部と、を有する第1隔壁と、
  前記周辺領域に配置され、前記有機絶縁層の開口に重なる金属層と、を備え、
  前記第1隔壁は、前記有機絶縁層の上方に配置されている、表示装置。
【請求項6】平面視において、前記第1隔壁は、格子状に形成されている、
求項5に記載の表示装置。
【請求項7】 前記第1隔壁は、さらに、前記開口に配置されている、請求項
5に記載の表示装置。
【請求項8】  さらに、前記有機絶縁層を覆う無機絶縁層を備え、
  前記第1隔壁は、前記無機絶縁層の上に配置されている、請求項1または
5に記載の表示装置。
【請求項9】前記無機絶縁層は、前記表示領域に配置され、前記下電極に
重なる開口を有している、請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】さらに、前記無機絶縁層の上に配置され導電材料で形成さ
れた第2下部と、前記第2下部の上に配置され前記第2下部の側面から突
出した第2上部と、を有する第2隔壁を備え、前記下電極、前記有機層、
及び、前記上電極は、前記第2隔壁で囲まれ、前記上電極は、前記第2隔
壁の前記第2下部に接触している、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】  さらに、前記有機絶縁層を覆うとともに、前記有機絶縁層
の前記開口から露出した前記金属層を覆う無機絶縁層を備え、前記開口に
配置された前記第1隔壁は、格子状に形成され、前記無機絶縁層の上に配置さ
れている、請求項1または7に記載の表示装置。
【請求項12】前記有機絶縁層は、第1層と、前記第1層の上に位置する
第2層と、を有し、しかも、前記開口に向かって厚さが低減する階段状の
断面を有している、請求項1または5に記載の表示装置。
【請求項13】前記有機絶縁層は、単層体であり、前記開口に向かって厚
さが低減する階段状の断面を有している、請求項1または5に記載の表示装置。
【請求項14】  基板の上方に金属層を形成し、
  画像を表示する表示領域及び前記表示領域よりも外側の周辺領域に亘って
有機絶縁層を形成し、前記表示領域において、前記有機絶縁層の上に下電
極を形成し、前記周辺領域に位置する第1下部と、前記第1下部の上に位置
し前記第1下部の側面から突出した第1上部と、を有する第1隔壁を形成し、
  前記下電極の上に、発光層を含む有機層を形成し、
  前記有機層の上に上電極を形成し、前記有機絶縁層を形成する工程は、前
記周辺領域において、前記金属層に重なる開口を形成する工程を含む、表
示装置の製造方法。
【請求項15】前記第1隔壁は、前記開口に形成する、請求項14に記載
の表示装置の製造方法。
【請求項16】前記第1隔壁は、前記有機絶縁層の上方に形成する、請求
項14に記載の表示装置の製造方法。
【請求項17】前記下電極を形成した後であって前記第1隔壁を形成する
前に、前記有機絶縁層を覆うとともに、前記下電極に重なる開口を有する
無機絶縁層を形成する、請求項14に記載の表示装置の製造方法。
【請求項18】前記無機絶縁層を形成した後であって前記有機層を形成す
る前に、前記無機絶縁層の上に前記第1隔壁を形成するとともに、前記無
機絶縁層の上に位置し導電性を有する第2下部と、前記第2下部の上に位
置し前記第2下部の側面から突出した第2上部と、を有する第2隔壁を形
成し、前記有機層及び前記上電極は、前記第2隔壁をマスクとした蒸着に
よって形成する、請求項17に記載の表示装置の製造方法。
【請求項19】  前記上電極を形成した後に、
  前記第2隔壁をマスクとした蒸着を行い、前記上電極の上にキャップ層を
形成し、前記第2隔壁及び前記キャップ層を覆う封止層を形成する、請求項
18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】さらに、前記封止層の上に、パターニングしたレジストを形
成し、前記レジストをマスクとしたエッチングを行い、前記封止層の一部、
前記キャップ層の一部、前記上電極の一部、及び、前記有機層の一部を順
次除去する、請求項19に記載の表示装置の製造方法。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🪄紙面の都合上割愛(検索してpdfでコピーして下さい)。
【参考図一覧】
【図1】図1は、表示装置DSPの構成例を示す図である。


【図2】図2は、副画素SP1、SP2、SP3のレイアウトの一例を示
す図である。

【図3】図3は、図2中のA-B線に沿う表示装置DSPの概略的な断面図
である。


【図4】図4は、表示装置用マザー基板100の一例を示す平面図である。


【図5】図5は、パッドPDの一構成例を示す平面図である。

【図6】図6は、周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領域の一構
成例を示す平面図である。


【図7】図7は、図6のC-D線に沿った表示装置用マザー基板100の断
面図である。


【図8】図8は、周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領域の他の
構成例を示す平面図である。

【図10】図10は、図9のC-D線に沿った表示装置用マザー基板100
の断面図である。


【図11】図11は、周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領域の
他の構成例を示す平面図である。
【図12】図12は、周辺領域SAまたは余白部MPにおけるパッド領域
の他の構成例を示す平面図である。
【図13】図13は、図12のC-D線に沿った表示装置用マザー基板
100の断面図である。
【図14A】図14Aは、第1グループの一構成例を示す断面図である。
【図14B】図14Bは、他の構成例を示す断面図である。
【図14C】図14Cは、他の構成例を示す断面図である。
【図15A】図15Aは、他の構成例を示す断面図である。
【図15B】図15Bは、他の構成例を示す断面図である。
【図15C】図15Cは、他の構成例を示す断面図である。
【図16A】図16Aは、第2グループの一構成例を示す断面図である。
【図16B】図16Bは、他の構成例を示す断面図である。
【図16C】図16Cは、他の構成例を示す断面図である。
【図17A】図17Aは、他の構成例を示す断面図である。
【図17B】図17Bは、他の構成例を示す断面図である。
【図17C】図17Cは、他の構成例を示す断面図である。
【図18A】図18Aは、第3グループの一構成例を示す断面図である。
【図18B】図18Bは、他の構成例を示す断面図である。
【図18C】図18Cは、他の構成例を示す断面図である。
【図19A】図19Aは、他の構成例を示す断面図である。
【図19B】図19Bは、他の構成例を示す断面図である。
【図19C】図19Cは、他の構成例を示す断面図である。
【図20】図20は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図21】図21は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図22】図22は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図23】図23は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図24】図24は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図25】図25は、表示装置DSPの製造方法を説明するための図である。
【図26】図26は、図7に示したパッドPDに多層膜115が形成された
様子を説明するための断面図である。
                           この項つづく

図1 軽量な材料に放熱性を付与
高熱伝導CFRP(炭素繊維強化プラスチック)⓶
ハムカツサンド構造のCFRPで軽量構造と冷却性能の両立狙う
11月22日、軽量化が求められる製品では、しばしば部品の小型化や高密度
化などに伴って熱のコントロールも必要になる。例えば、電気自動車(EV)
やドローンは、モーターなどを効率的に冷却できるのが望ましい。ウエア
ラブル機器も軽い一方で、装着者がやけどをしないように動作時の温度を
抑制しなければならない。だから、軽量な構造用材料に高い熱伝導性を持
たせれば一石二鳥を狙える。東レはこの目的で「高熱伝導CFRP(炭素繊維
強化プラスチック)」を開発、2021年5月に発表した。CFRPに、金属以上
の高い熱伝導率を持つ物資を組み合わせた複合材料だ。熱伝導率の高さや
熱を伝える方向を調整できる特徴もあり、生産には既存のCFRPと同様の設
備が使える。

【関連特許最新技術】
1.特開2024-113762 金属含有皮膜を有する炭素繊維強化プラスチック
形体 国立大学法人東北大学・東レ株式会社
【要約】炭素繊維強化プラスチックの表面の少なくとも一部に、ポリアリ
ーレンエーテルケトン(PAEK)樹脂を0重量%を超えて2重量%以下含
む金属粒子が固相状態のまま1MPa以下の圧縮ガスと共に投射されること
により、熱伝導率が20.0W/Km以上の、前記金属粒子の金属および
PAEK樹脂から成る皮膜が形成されている成形体で、最適な混合比率で
金属粒子とPAEK粉末を混合し、炭素繊維強化プラスチック複合材料の
上に混合粉末を特定圧力の圧縮ガスと共に投射し、緻密で強固に密着した
金属含有皮膜が形成された成形体、とくにその金属含有皮膜により高熱伝
性を発現可能な成形体を提供する。


図1.本発明の成形体の熱伝導率を測定する際の成形体の配置方法と測定方
向の例を示す概略図

図2.本発明の実施例1における成形体の断面のデジタルマイクロスコープ
写真

【発明の効果】  本発明によれば、炭素繊維強化プラスチックの表面に、ポ
リアリーレンエーテルケトン(PAEK)樹脂を特定量含む金属粒子が固
相状態のまま特定の圧力以下の圧縮ガスと共に投射されることにより、
熱伝導
率の金属含有皮膜が形成された成形体は、炭素繊維強化プラスチッ
への金属含有皮膜の密着強度が高く、緻密に形成された金属含有皮膜に
より成形体を高熱伝導化できるため、パソコン筐体などの放熱部材として
好適に用いることができる。

表1.表1は実施例および比較例に用いた材料およびコールドスプレー条件と皮膜特性をまとめたもの

【産業上の利用可能性】  本発明に係る炭素繊維強化プラスチックに金属含
有皮膜を形成した成形体は高い熱伝導性を有することから、スマートフォン、
タブレット、携帯型パソコンなどの情報端末機器にてバッテリー、回路基板
等が搭載される筐体、筐体ケース、筐体等に一体的に取付けられる筐体表面
材、天板等の放熱材料として好適である。また、本発明に係る炭素繊維強化
プラスチック
に金属含有皮膜を形成した成形体は炭素繊維強化プラスチック
と金属含有皮膜の密着性が高いことから、自動車の補強用の金属-炭素繊維
強化プラスチック
接合材、炭素繊維強化プラスチックからなるバッテリーケ
ースの放熱材、水素などの気体を封入した金属-炭素繊維強化プラスチック
どの圧力容器等の一般産業用途へ適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】炭素繊維強化プラスチックの表面の少なくとも一部に、ポリア
リーレンエーテルケトン(PAEK)樹脂を0重量%を超えて2重量%以下
含む金属粒子が固相状態のまま1MPa以下の圧縮ガスと共に投射されるこ
とにより、熱伝導率が20.0W/Km以上の、前記金属粒子の金属および
PAEK樹脂から成る皮膜が形成されていることを特徴とする成形体。
【請求項2】前記投射がコールドスプレー法により行われている、請求項1
に記載の成形体。
【請求項3】前記圧縮ガスの温度が300℃以上460℃以下である、請
求項1に記載の成形体。
【請求項4】前記皮膜の電気抵抗率が2.0mΩ・cm以下である、請求項
1に記載の成形体。
【請求項5】前記皮膜の引張強度が10MPa以上である、請求項1に記載
の成形体。
【請求項6】前記金属粒子が球状である、請求項1に記載の成形体。
【請求項7】前記金属粒子の粒径が0.1μm以上、10μm未満である、請
求項6に記載の成形体。
【請求項8】前記金属粒子がCu、Alから選ばれる少なくとも1つから
なる、請求項1に記載の成形体。
【請求項9】前記皮膜と炭素繊維強化プラスチックが酸素原子または炭素
原子を介して結合している、請求項1に記載の成形体。
【請求項10】前記炭素繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂が熱
硬化性樹脂を含む、請求項1に記載の成形体。
【請求項11】前記炭素繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂が熱可塑
性樹脂を含む、請求項1に記載の成形体。

       「川の流れのように」美空ひばり  
             令和に聴きたい昭和の名曲 
     


Beautiful Relaxing Music - Stop Overthinking, Stress Relief Music, Sleep Music, Calming Musi



  今日の言葉:

 

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エネルギーと環境 ㊻

2024年10月30日 | 新錬金術時代

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井
伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(か
ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:10月30日】  

         母の命日や餡かけ冬瓜煮  
                   高山 宇 (赤鬼)

【今日の短歌研究:MLB2024】

ファンマナー史上最悪中なれど威風堂々わが道をゆく
三銃士翔平・ベッツ・フリーマン明日監督に優勝捧ぐ
勝敗は時の運なり適打でも無理はするなと吾が口を衝く
飛行距離三千五百(km)移動して最長七戦真剣勝負
西方のガザ、ウクライナ戦争と大統領(選挙)戦真っ最中
そういえば消費・分裂繰り返し辿るゴールも社会と同じ

⬛ 2025年、メモリ市場は20.5%成長へ

Gartnerによると、短期的にはメモリおよびGPUが世界半導体市場の成長
を後押しする。世界のメモリ市場は2025年に前年比20.5%増の成長を記録
し、1963億米ドル規模になると予測。2024年の供給不足が続くとNAND
型フラッシュメモリ(以下、NAND)価格は同年に60%上昇するが、2025
年には3%の下落に転じる見込みだという。Gartnerは2025年のNAND市場
は、供給の減少および価格環境の軟化によって前年比12%増の755億円と
なると予想。

DRAM市場については2025年、前年の901億米ドルから1156億米ドルにま
で拡大する。DRAMの需給は、供給不足の改善および、かつてないほどの
HBM(広帯域メモリ)生産と需要の増加、DDR5の価格上昇によって回復
する見込み。
via EE Times Japan 2024年10月29日

⬛ スペインで水害 95人死亡
スペイン東部バレンシア自治州で29日に豪雨による鉄砲水が発生し、同国
メディアによると、30日までに少なくとも95人が死亡。当局が行方不明者
を捜索、死者は増える恐れもある。
 


⬛ 今夏の熱中症搬送者数は過去最多の約10万人
24年5月から9月に熱中症で救急搬送された人の数が、全国の累計で9万7578人
だったと、総務省消防庁が発表。2023年の同じ時期よりも6000人以上多く、
2008年の調査開始以降、最も多い搬送者数です。 このうち、死亡した人が
120人、長期入院などの重症が2178人でした。 熱中症の発生場所は住宅の
中が38%と最も多く、搬送された人の57.4%が65歳以上の高齢者となって
います。 総務省消防庁は「今年は9月が過去最多の搬送人員になるなど非
常に厳しい暑さが長期間にわたって続いたことで救急搬送が増えた」と分
析。
viaFNNオンライン

 与那国町でのオスプレイ損傷
10月27日、与那国町で陸上自衛隊のオスプレイが離陸の際に地面と接触し、
機体が損傷したことについて、中谷防衛大臣は発生した27日の時点で航空
事故と認定していたことを明らかに。 日米共同統合演習に参加していた陸
上自衛隊のV22オスプレイは、27日与那国駐屯地から離陸しようした際、
機体が左右に揺れて左翼の下の部分が地面と接触し損傷した。 中谷防衛大
臣は29日の会見で、自衛隊における航空事故に該当すると述べ、発生した
27日時点で航空事故に認定していたと明らかに。 そのうえで地元の皆さま
に不安を与えた事は誠に遺憾だとしたうえで、早急に原因究明を図ると共に
丁寧な説明や適切な情報提供を行っていく。 防衛省は、原因の特定と対策
が取られるまで国内に配備された全てのオスプレイの訓練での飛行を停止
している。

与那国事故は「オスプレイ全体の問題ではない」 に対する画像結果

⬛ 
放射光顕微観察技術を世界で初めて開発
広島大学,量子科学技術研究開発機構,高エネルギー加速器研究機構物質
構造科学研究所は,放射光を用いた顕微実験技術とデータサイエンスの手
法を組み合わせ,銅酸化物が示す高温超伝導の強さを表す超伝導ギャップ
が,10μmほどの微小なスケールで,空間的に不均一であることを世界で
初めて可視化することに成功。


図1. 超伝導材料の高性能化に役立つ新手法
銅酸化物高温超伝導体の微小表面で超伝導ギャップの不均一性が存在して
いることを表した図。
(左)マイクロ集光放射光を用いた顕微光電子分光実験の概念図。
(中央)異なる位置で測定したエネルギー分布曲線で、超伝導ギャップの
大きさの空間依存性が確認できる。超伝導ギャップの空間分布図(右上)・
頻度分布図(右下)においても、不均一性が確認できる。



【完全循環水電解水素製造技術概論  ⒅】
このシリーズも昨日で終了した。つまり、炭素化合物などの地球温暖化防
止(ゼロ・カーボン/持続可能社会実現政策)の実現手法(カーボン・キ
ャプチャーと海水電解・電気泳動による有用資源回収及び淡水化並びに水
素製造と水素燃料及び炭化水素化合物の合成を再エネ由来(RE100)のコ
ンビナートの基本構想とその事業展開の考察を終え、⓵関連システムの製
造事業と②その販売事業及び⓷保全整備事業並びに④関連資材全般のリサ
イクル事業を含む具現化に移りたい。そのような背景があり、昨日は晴れ
晴れとした気分を満喫した。(了)

 今日のカバー曲集 『楓/小柳ゆき -スピッツ



   お・ま・け『スピッツ ”隠れた名曲” メドレー』

今日の寸評:

 

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エネルギーと環境 ㊺

2024年10月30日 | 新錬金術時代

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根
根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(か
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

 

全固体電池時代到来

全固体電池の設計が飛躍的に向上すれば、電気自動車の性能を阻む主要な
障壁が取り除かれ、将来のEVはより安全で、より効率的に、より長持ちす
るものとなる。
電気自動車(EV)の採用は、技術の進歩と持続可能な輸送に
対する消費者の関心の高まりに牽引されて、世界中で加速しているが、現
代のすべてのEVに電力を供給。現在のリチウムイオン電池は、依然として
重大な課題に直面している。高コスト、限られた走行距離、長い充電時間
が、依然として普及の最大の障害であり、バッテリーの寿命や安全性に関
する懸念も一因となっている。

そこで登場するのが、次世代のバッテリー。全固体電池は、EV業界のゲー
ムチェンジャーと見なされており、これらの問題の多くに対処することを
約束。可燃性の液体電解質を固体の電解質に置き換えることで、効率、エ
ネルギー密度、安全性を大幅に向上させることができる。全固体電池の開
発は、その可能性にもかかわらず、技術的なハードル、特に固体電解質が
電池の電極と出会う場所で発生する抵抗にで遅れてきた。この抵抗により、
電力を効果的に供給する能力が制限される可能性があります。
現在、マギ
ル大学の研究者たちは、最も根強い課題のひとつ
を克服できるブレークス
ルーを達成。彼らの新しく革新的なデザインは、少量のポリマーで満たさ
れた多孔質セラミックメンブレンを使用して、界面抵抗を排除し、リチウ
ムイオンがより自由に流れるようなる。


「これにより、バッテリーの性能が向上するだけでなく、業界の主要な目
標の1つである高電圧動作用の安定した界面が作製される」と、マギル大
学材料工学科のGeorge Demopoulos教授言う。
現在のリチウムイオン電
池セルは通常、3.6V〜3.7Vで動作、劣化のリスクがある前に最大4.2Vで動
作。対照的に、マギル大学で開発された全固体電池は、4.8Vの高電圧で大
幅な劣化なしに顕著な安定性を示す。このように高電圧を安全に処理する
能力は、電気自動車のバッテリーの航続距離と寿命を延ばすために重要。
研究者のテストでは、バッテリーは高いエネルギー密度を維持しながら、
200回以上の充電サイクルに耐えることを実証された。これは初期段階の
結果、さらなる開発とテストにより、通常は1,000〜
2,000サイクルの範囲
である現在のリチウムイオン電池セルに匹敵するか、
それを超える可能性
がある。原図
設計は、398 Wh/kgのエネルギー密度で達成し、高性能EVバ
ッテリーの米国先進バッテリー共同事業体の目標
である350 Wh/kgを含む、
現在の業界目標を上回わる。このブレーク
スルーは、これらの全固体電池
を動力源とする将来のEVが、車両の総重量
を減らしながら、1回の充電で
より遠くまで走行できる。


この研究は、今月、Cell Reports Physical Science誌に掲載されます。「こ
の発見により、電気自動車用の次世代のより安全で効率的なバッテリーの
構築に近づくことができる」と言う。

掲載論文
4.8-V all-solid-state garnet-based lithium-metal batteries with stable interface

⬛ 酸化タングステン(WO3) を使用しCZTS太陽電池を高効率化
10月28日、中国とマレーシアの研究者は、酸化タングステン緩衝層と裏面
磁場ケステライト層を特徴とする銅亜鉛スズ硫化物(CZTS)セルの新しい構
造を模倣実験した。この構成でシミュレートされたデバイスは、1.2Vの開
回路電圧と83.37%のフィルファクターを達成。
この構成でシミュレートさ
れたデバイスは、1.2Vの開回路電圧と83.37%のフィルファクターを達成。

Energy Reports誌に掲載された"Efficiency enhancement of CZTS solar cell
with WO3 bufferlayer using CZTSe BSF layer
"

【要約】
無毒で低コスト、バンドギャップ直接材料である銅亜鉛スズ硫化物(CZTS)
は有望な薄膜太陽電池の候補です。CZTS太陽電池の効率を向上させる努力
として、この作業は環境に優しい酸化タングステン(WO3)は、バンドギャ
ップが高く、電気伝導性に優れているため、バッファー層として使用され
ている。さらに、Cu2ZnSnSeの4(CZTSe)は、アブソーバー層とバックコン
タクト層の間に挟まれたバックサーフェスフィールド(BSF)層として使用
される。新構造 Pt/CZTSe/CZTS/WO3/ZnOが提案され、BSF層のある構造
とない構造の比較研究が行する。この研究では、太陽電池容量シミュレー
タ(SCAP-1D)シミュレーションソフトウェアを使用して、層の厚さ、動作
温度、さまざまなバックコンタクト層、アクセプター、およびBSF層の欠
陥がCZTS太陽電池の性能にどのように影響するかを調査します。WOを用
いたCZTS太陽電池の効率3提案された新しい構造では、29.37 % という高
い効率で大幅に改善される。
【鍵語】
CZTS太陽電池、WOの3バッファ層、CZTSe BSF層、SCAPS-1Dの効率向上
【緒言】省略
2.調査方法 
2.1 提案構造
図1(a)はBSF層のないセルを示しており、Moをバックコンタクト層、CZTS
をアブソーバー層、WOとしています3をバッファレイヤーとして、ZnOを
ウィンドウレイヤーとして使用。図1(b)は、(a)と同様の構造ですが、CZTS
とPtの間にBSF層としてCZTSe層を追加。追加のBSF層を挿入すると、p-p+
接合が形成され、内蔵電位が作成されます。これにより、バックコンタク
ト領域に強い電界が生成され、キャリアの再結合が最小限に抑えられ、光
電子の収集が促進されます。透明な窓層は、入射光の反射を減らし、より
多くの光がデバイスの吸収層に入ることを可能にし、それによって全体的
な効率を向上する。さらに、ウィンドウ層(ZnOのバンドギャップは3.3 eV)
は、高エネルギー光子を吸収するのに十分な高いバンドギャップを持っ。
(Ghosh et al., 2022) また、ウィンドウレイヤーは、時間の経過とともに
デバイスのパフォーマンスを低下させる可能性のある湿気や汚染物質など
の環境要因に対する保護バリアを提供する。The WO3バッファ層は、バン
ドミスマッチ、キャリア再結合、および界面化学反応の問題を効果的に軽
減し、それによりZTS太陽電池の電荷分離と収集の効率を向上できる。吸
収層の主な機能は、光子を吸収した後に電荷キャリアを生成し、大きな再
結合損失なしにそれぞれの電極に輸送する。バッファ層WO3はn型半導体
で、吸収層CZTSはp型。両者が接触すると、n型層からの電子がp型層に拡
散し、p型層からの正孔がn型層に拡散。この拡散は、電荷キャリアの濃度
勾配により発生。pn接合は、他のさまざまな太陽電池と同様に、吸収層
とバッファー層の間に形成され、これはデバイスにとって不可欠な部分(
Rao et al., 2016)。ZnO層は、反射防止コーティングと透明導電性酸化物
の両方として機能する(Hussain et al., 2015)。

図1
図1.提案された構造 (a) ZnO/WO3/CZTS/Pt および (b) ZnO/WO3/CZTS/
CZTSe/Pt.

本研究では、CZTS アブソーバーとのオーミック接触させる高い仕事関数
を持つ Pt を標準バックコンタクト層を選択 (Rachidy et al., 2022)。CZTSe
は、その優れた光電子特性、非毒性、および地球に豊富な成分(Rachidy et al.
, 2022
)により、BSF層として推奨。CZTS薄膜は、p型導電性を示し、太陽
電池の変換効率向上に最適な1.44〜1.51 eVのバンドギャップを有し、高い
光吸収性を示す。これまでの研究では、ZnOの優れた光学的および電気的
特性により、ZnOを利用することで太陽電池の性能を大幅に向上できる。
(Bencherif, 2022Paul et al., 2022)。本研究では窓層としてZnOを選択。

2.2. 数値シミュレーション
数値解析を活用することは、デバイスの機能を把握する上で貴重であると
証明されている。SCAPS-1Dソフトウェアは、実際に製造せずに提案の太
陽電池を分析ツールとして採用されている(Zhang et al., 2023)。材料パラ
メータは文献に基づいる。SCAPSにおける半導体のシミュレーションは、
連続方程式、ポアソン方程式、電子/正孔輸送方程式などの方程式に依存、
再結合メカニズムをモデル化する(Jamil et al., 2022)。


そしてGp電子と正孔の生成速度を表し、μnそしてμp電子と正孔の移動度
を表し、ξ電界を表し、Dは拡散係数、τ電子と正孔の寿命を示し、ε誘電率
を示し、ψ静電ポテンシャルを意味し、qは電子電荷、pt(x)そしてnt(x)はト
ラップされた電子と正孔の濃度を示し、NDそしてNあるドナー濃度とアク
セプター濃度を表す。(中略)

3.結果と考察
3.1 エネルギーバンドの図
ヘテロ接合における光生成キャリアのキャリアの再結合と輸送に影響を与
える重要なパラメータは、エネルギーバンドの配置です。BSF層を有する
CZTS太陽電池のエネルギーバンド図を図2に示します。バッファ層のエネ
ルギーバンドは、吸収層よりも低い。広帯域のエネルギーバッファ層を使
用すると、バッファ層によって吸収される光子の割合がごくわずかになる
可能性がある。オフセットバンドの伝導率が高いと電流が減少し、太陽電
池の効率が低下。したがって、光子の輸送を確保するためには、バンド伝
導オフセットを0.2〜0.5 eVの範囲にする必要がある
(Minemoto et al., 2001)。
バッファ層の伝導バンドオフセッ
トが小さいことが最適です。負のオフセ
ットは開回路電圧を低下させ、そ
れによって変換効率を低下させます。逆
に、伝導帯の正のオフセットが大
きいと、CZTS吸収体が生成する電子のエ
ネルギー障壁が生じます(Nagoya
et al., 2011)。CZTS/WOのインターフェ
ースに崖のような配置が現れる

CZTSのバンド伝導の最小値はWO3のバンド伝導の最小値よりも高いため
これは、負のバンド オフセットが存在し、再結合パスがインターフェイス
に存在することを意味します。負のバンドオフセットは、CZTS/WOで

インターフェーストラップ状態の形成につながる可能性がある。イン
ター
フェイス。これらの状態は、キャリアを捕獲し、組み換えの可能性を
高め
ることができる。界面トラップは、バンドギャップ内の中間エネル
ギー準
位として機能し、太陽電池の効率を低下させる非放射再結合プロセ
スを促
進。負のバンドオフセットによって引き起こされる再結合は
、直接的にVcc
太陽電池の(Wang et al., 2010)。その間、崖のような柵のため、光によっ
て活性化された電子がブロックされ、FF">FFのは限られる(Santoni et al., 2013)。
図3から、ドーピング濃度が増加すると組換えが減少することが明らかにな
うる。そこで、BSF層として高濃度にドープされたCZTSe層を用い、組換
え損失を克服する。
以下、紙面の都合で割愛
【掲載論文】
 ・https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352484724005365
・https://doi.org/10.1016/j.egyr.2024.08.045

⬛ 使用済みソーラーパネルから高純度シリコン粉末を回収する新技術

本研究では、廃ソーラーモジュールから高純度シリコン粉末を回収するた
めの太陽光発電(PV)リサイクルプロセスと技術の有効性を調査。従来の硝
酸溶解、溶媒および超音波照射、溶媒溶解などの複雑なプロセスの簡素化
を容易にするために、さまざまな機械的分離プロセスが確立されている。
これらのプロセスは、プロセスの効率と有効性を高める設計である。また、
リサイクルSi粉末からEVAを分離する方法を考案し、水素水溶液を使用し
WGSプロセス考案した。O2, HNO3、および異なる比重を持つNaCl。NaCl
溶液を使用するWGSプロセスは、優れた性能を示し、EVAの94%以上を除
必要なエネルギー入力を減らし、CO2の生成を73%削減熱プロセスと比較。
この技術は、循環型経済への移行を促進し、カーボンニュートラルな取り
組みを強化する。
本研究では、効率的PVリサイクルプロセス確立し、熱・
湿式重力分離プロセスを用いて太陽電池廃棄物モジュールから高純度シリ
コン粉末を回収する先進的リサイクル技術を開発する。

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エネルギ-と環境 ⑰

2024年09月17日 | 新錬金術時代
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。


【季語と短歌:9月17日】 

          本復や愛し千振長火照り 

                       高山 宇(赤鬼




歌集 極圏の光 中沢直人
言葉淡き地上にあれば手は常に強く握れと教えられたり

【今日の短歌研究:シュルレアリスム】
                         ラストベルト
                   
中沢直人(未来
・かばん
         騙し方の上手な順に手品師の名を並べゆく開票速報
      負け組が敗者を責める東京よラストベルトのように疲れて
     かといって正論で食べて行けますか姿勢よく立つ剥製の
朱鷺
     夢の中に知事の虫歯を削りおりアラブ髭濃き歯科医師として
   今頃になって気づいたように言う(彼は危ない) メディア殆し
   ミシガン湖うつろに光るホームレスを遠ざけるため
鵞鳥は飼われ
      起業家に問い詰められる翁見ゆ撤退を決めるのはあなただ


                 特集 シュルレアリスムとは何か
                 
解放すること、自分に帰ること
                           鈴木俊晴
アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」から百年となる今年、
京都、東京、三重を巡回した「シュルレアリスムと日本」展は展覧会じ
たいもさることながら、充実のカタログは最新の研究を踏まえつつさま
ざまな枝葉にも目配せがなされ、この領域に関心のある方であれば座右
に備えておくべき一冊となっていと鈴木俊晴氏が述べ(「総論 シュル
レアリスムとは何か」角川短歌 2024.9)、「全体について、具体的に
論じる」という題目は無理があり、「機能や有用性」に目を向けるべき
とし、シュルレアリスム(1920年代のパリで集団的・集中的に取り組ま
れた芸術運動。第一次世界大戦によって決定的にとなった近代文明の行
き詰まりと非人間性の反動として、先行するダダとともに世界的な広が
りを見せ、文学や美術の領域のみならずひろく今日の芸術のあり方を方
向づけ日本にもいくつか記憶すべき詩面が生み出されたがm1930年代後
半の全体化を生き延びることができず、1841年、シュルレアリスムの唱
導者であった瀧口修造と福沢一郎が治安維持法で検挙され美術史の変節
を記録される。

 シュルレアリズムは、いま日本の夜の中へ、溶 解の一途を辿つて
 ゐるのかも知れぬ。それは超現実が一つの純粋性に達する一形式で
 もあるからだ。それはたしかに可笑しな言ひ方ではある。やがて超
 現実といふ言葉は、滑稽とか不思議とか、また「今日は」といった
 日用語の中へ入ってしまふかも知れない。いや現に入りつつある。
 そうして、さりげない瞬間に、明日にでも一つの新しい形で私達を
 動かすであらう。
            瀧口修造「
シュルレアリズムの十年の記
                 「アトリエ」 1940年1月号


 日本でシュルレアリスムの解放する力が再び求められたのは、あるい
は本質的に機能しえたのは、戦後、1950年代だったと見る向きもある。
岡本太郎が戦前の絵画をふたたびやり直そうとし、現実に即そうとする
ルポルタ-ジュ絵画はそれゆえにむしろシュルレアリスムを拠り所とし
漫画家の水本しげるの「鬼太郎」の妖怪にマックス・エルンストらの絵
画表現を指示すると。塚本邦雄「『魚歌』うたまくら」『先駆的詩歌論』
圧縮された詩型である短歌において現実と超現実は隣り合わせに、とい
うより、定型詩あってはほとんど一体となって現れ、超現実を介し「解
放」した後、「早く、自分に帰りたい」と反復していると結ぶ。

【完全循環水電解水素製造技術概論 ⑤】
 
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
世界で電力を使えない人は6億7500万人です。
環境リスク本位制時代にあっては、完全循環利用が設計理念となる。
再生可能エネルギーシステム・燃料電池・蓄電池・脱二酸化炭素及びメ
タネ-ションシステム・電気自動車・水素燃料製造システム・水(海水
電解システム)など開発・生産段階から織り込んだ設計(経済の社会へ
の埋め込み政策)をシリ-ズで考察していく。今回は、4日目。

-----------------------------------------------------------
【鍵語】海水電解 水素製造 カ-ボンゼロ

1.特開2024-099995 水電解装置 トヨタ自動車株式会社
【要約】図1のごとく電解セルが積層された水電解スタックと、水電解

スタックに水を供給する給水側経路と、水電解スタックから生じた水素
を回収する水素側経路と、を有し、給水側経路には、水電解スタックに
水を供給する動力源であるポンプと、ポンプと水電解スタックとの間に
配置されるイオン交換器と、イオン交換器を通すことなくポンプからの
水を水電解スタックに流す経路であるバイパスと、バイパスに流れる水
の量を調整する弁と、弁の調整をする制御器とを備えたる水電解セルの
劣化を抑えつつも給水側経路の負荷を減らすことができる水電解装置を
提供する。

【符号の説明】 10…水電解装置、11…水電解セル、20…水電解ス
タック、21…タンク、22…ポンプ、23…冷却器、24…イオン交
器、25…気液分離器、26…弁、27…圧力計、28…気液分離器、
29…水素タンク、30…制御器
図1.電解装置10の構成を説明する概念図
【発明の効果】本形態の水電解装置50によれば、制御により、ポンプ
やイオン交換器への負担を抑えつつも、できるだけ水をイオン交換器に
通して可能な限り、水がイオン交換器に通る頻度を上げることができる。
一方、ポンプ22は過負荷である状態となることが抑制されるため、装
置の不具合回避や、必要以上に高い能力のポンプを用いることを回避す
ることもできる。

図2.水電解セル11の層構成を説明する断面図
  1.1.水電解スタック
 水電解スタック20は、上記したように複数の水電解セル11が積層さ

れ、その両端のそれぞれに配置されたエンドプレートで挟み込むように
構成されている。
上図2には1つの水電解セル11において水電解が行われる部位の断面

の一部を示した。水電解セル11は図2よりわかるように複数の層によ
る積層構造を有している。その層構成は公知の通りであり特に限定され
ることはないが、例えば図2に表れているように、水電解セル11は、
電解質膜12の一方側に水素極触媒層13、水素極拡散層15、水素極
セパレータ17が積層され、電解質膜12の他方側に酸素極触媒層14、
酸素極拡散層16、酸素極セパレータ18が積層されている。  水素極
セパレータ17は当該断面において波形状であり、水素極拡散層15と
の間に溝状の水素極流路17aを形成し、この水素極流路17aを水素
及び随伴水が流れて水素側経路に排出される。一方、酸素極セパレータ
18も当該断面において波形状であり酸素極拡散層16との間に溝状の
酸素極流路18aを形成する。給水側経路から酸素極流路18aに水が
供給されるとともに、酸素極流路18aから酸素及び残りの水が給水側
経路に排出される。
水電解スタック20の両極間に電源線を介して電源19が接続されてい
る。この電源19から水電解スタック20に電圧が印加されることで水
電解セル11で水電解が行われる。ここで電源19は公知の通りであり
水電解に用いられる通常の電源を適用することができる。
  1.2.給水側経路(酸素側経路)
給水側経路(酸素側経路)では、市水をイオン交換器に通す等して純水

にしてタンク21に貯水し、純水を水ポンプ22で冷却器23及びイオ
ン交換器24を通して水電解スタック20に供給する経路を有する。水
電解スタック20から出た酸素と水は気液分離器25に戻されて気液が
分離され、気体(酸素)は排出、液(水)は再度水電解に利用されるめ
21に戻される。これらの各部材は配管により連結され、必要な経路で
水及び酸素が流動できるように構成されている。
  1.4.制御器による制御
  1.5.効果、その他
本形態の水電解装置10によれば、制御により、ポンプの動力性能を最

大限に活用して可能な限り、水がイオン交換器に通る頻度を上げること
ができる。一方、ポンプ22は過負荷である状態となることが抑制され
るため、装置の不具合回避や、必要以上に高い能力のポンプを用いるこ
とを回避することもできる。
2.水電解装置の構成及び制御(形態2) 以下省略
【特許請求範囲】
【請求項1】水電解セルに水を供給するとともに電圧を付加して水素及
び酸素を得る水電解をする装置であっ前記水電解セルが積層された水電
解スタックと、前記水電解スタックに水を供給する給水側経路と、前記
水電解スタックから生じた水素を回収する水素側経路と、を有し、前記
給水側経路には、前記水電解スタックに水を供給する動力源であるポン
プと、前記ポンプと前記水電解スタックとの間に配置されるイオン交換
器と、前記イオン交換器を通すことなく前記ポンプからの水を前記水電
解スタックに流す経路であるバイパスと、前記バイパスに流れる水の量
を調整する弁と、前記弁の前記調整をする制御器と、を備え、前記制御
器は前記ポンプの吐出圧又は前記ポンプと前記イオン交換器との間の配
管内の圧力に基づいて前記弁の開度を調整する制御を行う、水電解装置。
【請求項2】水電解セルに水を供給するとともに電圧を付加して水素及

び酸素を得る水電解をする装置であって、前記水電解セルが積層された
水電解スタックと、前記水電解スタックに水を供給する給水側経路と、
前記水電解スタックから生じた水素を回収する水素側経路と、を有し、
前記給水側経路には、前記水電解スタックに水を供給する動力源である
ポンプと、前記ポンプと前記水電解スタックとの間に配置されるイオン
交換器と、前記イオン交換器を通すことなく前記ポンプからの水を前記
水電解スタックに流す経路であるバイパスと、前記バイパスに流れる水
の量を調整する弁と、前記弁の前記調整をする制御器と、を備え、前記
制御器は前記水電解スタックに供給される水に含まれるイオン量に基づ
いて前記弁の開度を調整する制御を行う、水電解装置。
【請求項3】前記制御器は前記水電解スタックに供給される水の導電率

を取得し、前記導電率の閾値に基づいて前記弁の開度の調整を行う、請
求項2に記載の水電解装置。
【請求項4】前記制御器は前記イオン交換器を挟んで上流側と下流側と
で水の導電率差を取得し、前記導電率差の閾値に基づいて前記弁の開度
の調整を行う、請求項2に記載の水電解装置。
2.特開2024-103338  水電解システム及びその制御方法 株式会社日
 立製作所
3.特開2024-110487 反応器およびカーボンリサイクルシステム 三菱
 重工業株式会社
4.特開2024-101685 電解合成装置  株式会社日阪製作所
5.特開2024-101171 気体貯蔵放出化合物 大成建設株式会社
6.特開2024-093404 水素製造装置 株式会社デンソー 他


【壁面、窓など期待が高まる「ペロブスカイト」】
DBJ、ペロブスカイト太陽電池の将来性を考察 リポート発行
8月20日、日本政策投資銀行(DBJ/東京都千代田区)は、ペロブスカイト太
陽電池の将来性についてまとめた調査リポートを発行。リポートでは、
普及や日本メーカーの競争力強化の観点から、同太陽電池の動向を整理
する。

太陽光発電は、発電コストの優位性などから、今後においてもさらなる
拡大が期待される。一方で、現在主流のシリコン系太陽光電池は、設置
適地の減少や系統混雑の増加や製造サプライチェーンの中国依存といっ
た課題に直面している。こうした状況の中、「ペロブスカイト」と呼ば

れる結晶構造を持つ化合物を用いたペロブスカイト太陽電池に注目が集
まっている。同太陽電池は、従来のシリコン系と比べて、柔軟性・軽量性・
透過性などに優れ、理論上の変換効率も高いことから、これまで耐荷重
や形状の問題から設置が難しかった場所への導入や設置面積当たりの発
電量増加が見込まれる。特に、電力需要地である住宅やオフィス・工場の
屋根・壁面・窓への導入と電力自家消費が増加すれば、系統混雑の緩和、
系統全体のコスト抑制につながる。
 また、ペロブスカイト太陽電池は主原料たるヨウ素を始めとした関連部

材についても日本企業が競争力を有する技術であり、サプライチェーンの
中国依存も少ない。これは日本政府が掲げる、CN実現と日本の産業競争
力の強化を両立させるというGX戦略の考え方にも合致し、製造コストについ
ても、中長期的にはシリコン系と比較して低減が期待できる。
 GX実現におけるペロブスカイト太陽電池の重要性に鑑み、日本政府によ
る政策的支援の枠組みも整いつつある。政府は2023年、30年を待たずに
GW級の量産体制を構築する方針を示し、量産技術の確立・生産体制整
備・需要の創出によって、ペロブスカイト太陽電池の国内サプライチェー

ン構築と社会実装に取り組む方針を示した。
現在は、グリーンイノベーション基金(G湛金)による技術開発支援「次世

代型太陽電池の開発プロジェクト」、GX経済移行債を用いた量産体制整
備に対する設備投資支援「GXサプライチェーン構築支援事業」などの支援
策に加え、需要創出に向けて、FIT ・ FIP制度の枠組の中でペロブスカ
イト太陽電池を念頭に置いた新たな発電設備区分の創設についての検討
が進んでいる。



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生成AIのインパクトはどのようなものか①

2024年07月24日 | 新錬金術時代
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんの
お誕生日は、2006年4月13日。


【季語と短歌:7月24日】

               捨てきれぬ野心手余す冷や奴 

【今日の短歌研究⑭】

   冷房を嫌いな猫が涼んでる僕を尻目に部屋を出て行く 
                         仁尾 智

猫のいる家に帰りたい

   早朝というより夜のおさんぽは出会う犬いぬまだ眠そうで
                        宮田 愛萌





はじめに
信じられないほど多くのことが起こっている。
その技術を使った驚くべきサービスが毎日のように開発されている。

研究者たちは、その技術により、長年の夢がまさに実現しつつあるこ
とに狂喜しながら、とてつもない速度で研究成果を量産。これを「人
類の歴史の転換点」あるいは「シンギュラリティー(技術的特異点)」
と呼ばれている。自律的な人工知能が自己フィードバックによる改良
を繰り返すことによって、人間を上回る知性が誕生するという仮説で
ある。人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイルが2045
にシンギュラリティーに到達すると予測していることから、「2045年
題」とも呼ばれている

しかし、良いことばかりでもない。もはや従来の教育は役に立たない
今度こそ、本当に自分たちの仕事がなくなってしまうかもしれないと
いう空気が蔓延しているとか。クリエイターたちは、自分たちの創造
的な仕事に対する脅威になりうると感じる。インターネット上に流れ
るデータは、もはや何が本物で何がつくられた偽物なのか、見分けが
つかない!。研究者や政治家は、この技術の発展が「人類にとって取
り返しのつかない事態を引き起こすかもしれない」と真剣に議論して
いると、著者今井翔太氏は「この歴史的な技術革命の主人公にして、
本書のテーマである技術こそが「生成AI(Ganarative AI)」である
と前説する。2022年11月に公開された言語生成AIであるGhatGPT
史上最速(5日!)で百万人のユーザーを獲得したサービスとなり、生成
AIブームの火付け役となる。また、ChatGPTと連動する形で、画像や音声な
どさまざまな分野の生成AIも爆発的に普及し、プロが生み出すのと遜色な
い品質の生成物が大量に生み出され、生成AIが生み出すであろう莫大な
恩恵(?)を享受しようとする流れと、脅威を抑えようとする流れが交錯し、
混沌とした渦をなすと指摘する。



生成AIは新たに文章や画像、音声などをつくり出すことができる人
工知能技術の一種で、ディープラーニング(深層学習)は、機械学習
という人工知能の要素技術のなかでも、特に人間の脳を模倣した深い
ニューラルネットワークを学習する手法を指し、現在の生成AIはこ
のディープラーニングによって実現されている。

ディープラーニングや機械学習のアプローチは、一般的に識別的なも

のと生成的なものに分けられ、これらを識別モデル、生成モデルと呼
ぶ。識別モデルは、画像のようなデータを文字通り「識別」するAI
を指し、顔認証やニュース記事の分類など、これまでにも馴染み深い
AIはこちらに属す。


一方で生成モデルは、データが生み出される背後にある構造や表現を

学習し、自身が学習したデータと似たデータを生成できるAIを指し
生成AIは一般的に、生成モデルのアプローチに属す。ただし、実は
「生成AI」という言葉は、研究者の間で元から使われていた用語で
なく、文章生成AIや画像生成AIなどの技術が同時進行的に普及し

た結果、それらをまとめて呼称するために特にメディアが使い始めた
用語であり、先ほど説明した生成モデルとは厳密に対応しない部分も
あり、また著書で言及する生成AIはもう少し広い概念として捕らえ
具体的には、生成AIの本体であるニューラルネットワークに加え、
そのニューラルネットワーク出力を起点にいくつかのツールや機能を
組み合わせて構成される生成システムも含めて「生成AI」と呼称す
る。
最も有名な生成AIである
ChatGPTも、言語を生成する本体は言語モ
デルと呼ばれるニューラルネットワークだが、対話形式のインターフ
ェースや拡張機能などは、システム的に実装したものである。

ところで、2013年時点で人工知能 (AI) 研究の世界的権威のレイ・カ
ーツワイル(Ray Kurzweil, 1948年2月12日 - )が、技術的特異点に
到達すれば、われわれの生物的な身体と脳が抱える限界を超えること
が可能になり、運命を超えた力を手にすることになると主張した「2
045年問題」がオーバーラップしている。
                        この項つづく

● 今日の言葉:則天去私
小さな私にとらわれず、身を天地自然にゆだねて生きて行くことであ
るが。彼女の書道作品で再浮上。「だれもが通る道」でもあり、彼女
もそうであったように、わたしも、涙もろくなっている。


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