プロヴァンスには
「枝切る者には富をやろう」
「裸にすれば服をやろう」
「足元掻けば口にあふれる油をやろう」
こんなオリーヴの言葉の諺がある。
オリーブの贈与(ギフト)へのなんと大らかな賛歌だ。わけがありプロヴァンス旅行計
画は頓挫したが再度チャレンジしてみたい。
Sicilian Swordnsh in FoiI Packets 1
シチリア風カジキマグロのホイル包み焼き(2人分)
“ The New Mediterranean ” Nancy Harmon Jenkins
『地中海健康料理』の著者ナンシー・ハーモン・ジェンキンズによれば、最後にあたふ
たする必要がなく、来客用にうってつけなのがこの料理であるという。
材 料:カジキマグロまたはマグロの切り身(ステーキ用)(厚さ4センチ弱のもの)
230グラム、小麦粉 少々、エクストラヴァージン・オリ-ヴ油 大さじ1~
2、タマネギ(薄切り) 小1個、ニンニク(みじん切り)1/2片、グリーン
オリーヴ(種ぬきを刻む)1/4カップ、レモンの皮 5センチ(細切りにする)
トマトピューレ小さじ1~2(辛口の白ワイン1カップで薄める)、塩、ひき
たての黒胡椒
作り方:
マグロの両面に小麦粉をふり、余分な粉を払いおとす。フライパンを強めの中火にかけ、
オリーヴ油大さじ1を熱してマグロの両面にこんがりと焼き色をつけ、取り出す。残っ
たフライパンに必要なら油を足して、火を弱めタママネギとニンニクをしんなりするま
で炒める。オリーヴの実とレモンの皮を加え、さらに2、3分炒める。 トマトピュー
レを加え、やや火を強めて煮つめ、ソースをつくる。四角く切ったアルミホイルの中央
にマグロを置いてソ-スをかけ、余裕をもたせて包み、端をきっちりと閉じる。オーブ
ンはあらかじめ220℃に熱しておく。マグロのホイル包みをオーブンシートまたは、浅
い耐熱皿にのせ、15分焼く。
Sicilian Swordnsh in FoiI Packets 2
Tunisian Fish with Harissa and Black Olives
ハリッサと黒オリーヴを使ったチュニジア風魚の煮込み(4~6人分)
チュニジア人は辛い料理を好む。料理研究家ポーラ・ウルファートお気に入りのこの一
品は、ハリッサというひりひりするような赤唐辛子ペーストを使った、魚とオリーヴの
料理でという。
材 料:身の締まった白身魚の切り身 約700グラム、塩、ひきたての胡椒、ハリッサ
小さじ1/2、ローリエ 1枚、小麦粉、大粒の黒オリーヴ(種ぬき、チュニジア
かギリシア産)1カップ、オリーヴ油 1/4カップ、タマネギ(みじん切り)
1/2カップ、(好みで)レモン汁 1/2個分、ニンニク(みじん切り)2片、パ
セリ(みじん切り)
作り方:魚の切り身に塩、胡檄をし、小麦粉をまぶす。大きめのフライパンでオリーヴ
油を熱し魚の両面にこんがりと焼き色をつける。魚をいったん温かい皿に移し、
大さじ2ぐらいの油を残して余分な泊をあける。タマネギとニンニクをフライ
パンに入れ、蓋をして、大さじ2ぐらいの油を残して余分な油をあける。玉葱
とニンニクをフライパンに入れ、蓋をして2~3分火を通す。トマトソース、
水1/2カップ、ハリッサ、ローリエを加え、10分煮る。黒オリーヴと魚を加え、
蓋をせずにさらに煮込む。魚がやわらかくなり、ソースがとろりとしたらでき
あがり。好みでレモン汁を加え、仕上げにパセリを散らす。
ローパ・ビエッハ
スペインはアンダルシア地方の料理だとか。「ローパ・ビエッハ」は「古着」という意
味だが、味のことをいっているのではない。スペイン風ホムス(ヒョコ豆のペースト)
ともいうべきこの料理の味の決め手は、シャープでフルーティなスペイン南部高地産の
オリーヴ油である。
材 料:ヒヨコ豆(乾燥)450グラム、タマネギ(薄切り)2個、(好みで)鶏もも肉
(皮なし) 小1本、好みで)仔牛肉または仔羊肉の薄切り 1枚、(好みで)
骨付きハムの残りの骨 1本、エクストラヴァージン・オリ一ヴ油 1カップ
完熟トマト(湯むきして刻む)4個、塩
作り方:ヒヨコ豆は一晩水につける。もどしたヒヨコ豆を鶏もも肉、仔牛または仔羊肉、
ハムの骨とともに、圧力鍋なら20~30分、ふつうの煮込み鍋なら1時間から1時間半か
けて煮込む(肉を入れると豆の味がよくなるが、省いてもよい)。豆がやわらかくなっ
たらつぶす。オリーヴ油でタマネギを炒め、しんなりしたらトマトを加えて火を弱め、
よく混ぜる。さらにつぶしたビヨコ豆を加えて混ぜ合わせる。必要ならオリーヴ油を足
し、塩で味をととのえる。
Lemon Blueberry Muffins
レモン・プルーベリー・マフィン(12個分)
国際オリーヴオイル協会のアーリーン・ワンダーマンは、オリーヴ油でパンやケーキを
焼くのが大好きだ。これは、彼女が『オリーヴ油-料理のプロのために』をまとめる際
に集めたレシピのひとつであるという。
材 料:風味のまろやかなオリーヴ油 1/2カップ、グラニュー糖 3/4カップ、レモン
皮(すりおろす) 1個分、卵(軽く泡立てる) 大1個、バターミルク(低
脂乳) 1カップ、無漂白の万能小麦粉 1~11/2カップ、コーンミール1/3
カップ、重曹 小さじ1、海塩 小さじ1/4、ブルーベリー 1カップ。
作り方:オープンを190℃に熱しておく。マフィン型12個の内側にオリーヴ油を塗る(あ
るいは紙ケースを敷く)。中くらいのボウルにオリーヴ油、グラニュー糖、レモ
ン皮、卵を入れて混ぜ、バターミルクを加える。粉類も合わせ、さっくりと混
ぜて、さらにブルーベリーを加える。生地をスプーンで型に入れ、オーブンの
中段で20分焼く。串を刺して何もつかなければ焼き上がり。天板ごと網にのせ、
5分間冷ます。つやがけしたい場合は、レモン汁大さじ3とグラニュー糖大さ
じ山盛り1を混ぜたものに、温かいマフィンの上部を浸す。
また、「ひとりぽっちのロンリー・ナイト」が似合うかな。とりあえず寝る準備をしよう。