極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ビットコインに信用不安

2014年02月28日 | 時事書評

 

 

 



 


【最新逆浸透膜技術】

●ポイント 30%の省エネ高透水と高耐久性

東レ株式会社は、独自の微細構造制御技術を駆使し、高い透水性能と耐久性を併せ持つ「超低圧高耐久性逆
浸透(RO)膜」を開発しことを公表。それによると、RO膜中に細孔(水分子を通しナトリウムイオン等を通さな
い微細な穴)を形成する技術を深化させ、優れた物質除去性能を維持し、透水性能を高めたことで低圧で水処
理が可能となり、約30%の省エネを達成。また、水処理プラント運転中に原水中の異物等で膜が汚れた際の
薬品洗浄に対する耐久性も高く、水質の悪い洗浄頻度が高いかん水淡水化や下廃水再利用などの用途で、水
処理コスト低減への寄与するもの期待されている。同社では2014年中の上市を目指し、市場が急速に拡大し
つつある中国、インドをはじめとするアジア、欧米などに向け、積極的に展開を図るという。

Wikipedia

 

先日、『水ビジネスと生物接触ろ過技術』で水ビジネスを特集しての今回の、逆浸透膜装置の改良技術開発
の公表となるが、同社によると、逆浸透膜(RO膜)は、世界の水問題(水不足、水質悪化など)を解決しうる
技術で世界中の水処理プラントで採用が進み、高品質の水を得るための物質除去性能、さらに省エネルギー
を実現する透水性能の向上が望まれている。近年はRO膜の用途拡大により下水など様々な水質の原水を処
する必要
が生じており、長期間にわたって高品質な水を安定的に供給するには、膜性能の安定性、特に薬品
洗浄による膜性能の劣化を抑制したいという要望が高まっているという。
 

特開2014-014739

これに対して東レは、これまで培ってきたサブナノメートル(オングストローム=百億分の1メートル)の
精度での細孔径の制御技術をベースに、周囲の環境変化の影響を受けにくくする細孔構造の安定化を図り、
2011年に耐久性を大幅に向上させた高耐久性RO膜を開発(上図、特許参考図参照)。今回、高耐久性RO膜の
新たな技術展開として、高透水性との両立に取り組み、本製品の開発に成功。今回開発した「超低圧高耐久
性逆浸透膜」の技術ポイントは下記の2点による細孔構造制御にあるという。

1.一次構造の制御による細孔構造安定化

RO膜の中核となる分離機能層は、細孔構造を持つ架橋ポリアミドという素材でできている。これまで、陽電
子消滅寿命測定法や分子動力学シミュレーションを駆使してRO膜の細孔構造を解析し、細孔径制御による高
ホウ素7)除去RO膜などを開発してきたが、今回、架橋ポリアミドの一次構造を核磁気共鳴分光法により詳細
に解析し、得られた情報をベースに一次構造を安定化する精密界面重合技術を確立。これにより、周囲の環
境変化時にも細孔構造が変化しにくく、酸、アルカリ、微量塩素等の薬品に対する耐久性に優れる分離機能
層の形成を実現。

※ 特開2012-135757 複合半透膜、複合半透膜エレメントおよび複合半透膜の製造方法
※ 精密界面重合技術(下図参照)

 


2.分子間相互作用の制御による細孔数増大

架橋ポリアミドの分子間相互作用を制御することにより、通常は水分子が透過しないポリアミド分子間の微

細な隙間を拡大して透水性の細孔数を増大し、低圧運転の可能な高透水性を達成。

逆浸透膜の開発は、1967年のデュポン社が 芳香族ポリアミド中空糸の逆浸透膜の開発に成功ことに始まるが、
東レは当初酢酸セルロース膜(CA膜)での事業展開された後に複合膜の実用化が進む。1976年、日本企業で
初めて逆浸透膜の事業化を発表し、同年末にIBMの野洲工場から初受注。IBMは、廃水を再利用するために、
その浄化膜として東レのCA膜を採用したが事業としてはまだ駆け出し程度、それを一変させたのが半導体製
造における超純水製造向け市場の急成長、「神風が吹く」。わたしも、1980年に入り工場排水のクローズド
化に伴い同社の逆浸透膜装置を導入したのを契機に膜濾過装置との仕事が増えていくという経験するが、装
置費と稼働費がべらぼうに高いという課題に何とかしてコスト逓減できないものかと頭を痛めて超純水製造
事業のコスト逓減・簡素化システムの研究をしていたが時間切れになってしまった。そんなことを思い出
ながら30%もの省エネルギー化と高耐久性に成功したことを知る。





【神戸製鋼 水素ステーションユニット販売開始】 

神戸製鋼は、 水素ステーションに必要とされる主要機器の一部を集約させる事で、大幅なコストダウンと
コンパクト化を可能にした「パッケージ型水素ステーションユニット(商品名:HyAC mini)」を開発したこ
とを公表。それによると、販売価格は2.5億円以下を想定しており、本製品をご採用いただく事で水素ステ
ーションの建設費用を従来比、約2割程度コストダウンする事に貢献でき、設置面積も各機器を個別に設置し
た場合と比較し約 50%(当社比)削減できるという。受注開始は本年4月を予定。

HyAC miniの特徴は、設置スペースが各機器を個別に設置した場合と比べ50%に削減したコンパクトな設計
であること(寸法:3.2m(W)×4.0m(L)×4.7m(H))、主要な機器(水素ステーション用高圧水素用圧
縮機、DCHE、冷凍機など)が自社製品であり、これまでの水素ステーションや化学プラント等での納入・運
用実績に基づいた高い信頼性を有すること、蓄圧器が追加でき拡張性の高いユニットであること、一時間あ
たり6台の燃料電池自動車(FCV)へ水素を充填することができること、などが挙げられている。水素ステ
ーション用大容量高圧水素圧縮機(HyAC)、マイクロチャネル熱交換器(DCHE)、 冷凍機といった主要機
器や超高圧部材に必要な特殊なステンレス鋼などの素材まで製造しており、加えて水素をFCVへ充填するた
めの最適な機器仕様を選定するシミュレーション技術を神鋼エンジニアリング&メンテナンスが開発してお
り、ハード及びソフト両面で水素ステーション建設において必要なアイテムを供給できる体制を構築してい
るろいう。 

 特開2013-130218

【符号の説明】

1,1a…ガス供給装置 3…タンク 4…圧縮機 5,5a,5b,5c…蓄圧器 7…初期充填リザー
バ 12…容量調整弁 13,13a,13b,13c…蓄圧器制御弁 22…充填圧力計 24…ノズル
26…制御装置 27…インバータ
 

上図の発明は、必要とされるガス供給量のピーク時には、圧縮機を蓄圧器で補助するので、圧縮機の容量が
小さくてよく、蓄圧器の容量も小さくてよい。このため、圧縮機を小型にすることや蓄圧器の設計圧を低く
することが可能なシステムで、ガス供給装置5が、圧縮機4蓄圧器5とを備え、予め、タンク3の容積に応
じて充填圧力と目標流量との関係を決定し、充填圧力を検出して目標流量を決定→目標流量にしたがって、
タンク3内に供給されるガスの流量を制御→目標流量が圧縮機4の最大吐出量以下である場合には、圧縮機
4のみからタンクにガスを供給し→目標流量が最大吐出量よりも多い場合には、圧縮機4および蓄圧器5を
空タンクにガスを供給することで、圧縮機を小型化しつつ蓄圧器の設計圧を低くできるガス充填装置を提供
するもの。

特開2013-224233

【符号の説明】

1 自己熱型改質器 2 反応室 3 混合ガス供給口 4 改質ガス排出口 5 酸化改質部 6 シフト反応
部、7、8、8’、17 配管 9、10、15、16 酸素含有ガス供給口 11、12 マスフローコント
ローラ、13 高温シフト触媒層 14 低温シフト触媒層 X 混合ガス Y 酸素含有ガス Z 改質ガス

上図の発明は、自己熱型改質器及び水蒸気改質方法により、高い転化率で水素を生成することができ、かつ
シフト反応部におけるシフト触媒の活性低下を抑制することができるというもので、酸化及び改質触媒を含
む酸化改質部、この酸化改質部の下流に位置し、シフト触媒を含むシフト反応部、及び酸化改質部に酸素含
有ガスを供給する酸素供給手段を備え、酸化改質部及びシフト反応部に炭化水素及び水蒸気の混合ガスを流
通させ炭化水素の水蒸気改質反応を行う自己熱型改質器。酸素供給手段が、酸化改質部内の上流側及び下流
側の少なくとも2箇所に配設される複数の酸素含有ガス供給口で構成あれている。

 

 

仮想通貨ビットコイン取引所「Mt.Gox(マウント・ゴックス)」が取引全面停止を表明したことを受
けて、ビットコインを
預けていた利用者が資金を回収できるのか注目されているが、法律や規制に詳しい専
門家の間では、資金回収は
難しいかもしれない、との意見が出ているとか(ロイター)。公共トランザクシ
ョンログを利用しているオープンソースプロトコルに基づくPeer to Peer型の決済網及び暗号通貨をさして
ビトコイン。ビットコインは極めて低いコストでの決済(およびマイクロペイメント)を権力機関や発行者
無しで平均10分程度の待機によって可能にする。ノードから別のノードへの貨幣の移動は電子署名された取
引で行われ、P2Pネットワーク内の全てのノードにブロードキャストされる。初期の通貨流通や、二重支払い
の検知のためプルーフ・オブ・ワーク(英語版)システムが用いられているという。日本では、このビット
コインは電磁的記録として扱われ通貨として認められておらず]、電子マネーとは異なり資金決済に関する
法律の対象とはならない。また、有体物でも知的財産でもないデジタルデータは、物や財物や民法上の動産
の範囲外と見なされる可能性があり、物権や窃盗罪などの法律の対象とならない可能性があり、つまり、電
磁的記録を対象とした刑法や財産を対象とした法律の対象とはなるというが、“信用”が揺らぐ事態となっ
たいま、このまま事態が復元できず、信用不安→信用恐慌→仮想通貨の消滅というお決まりのコースを辿る
公算が濃厚となる。これは残件扱いとしていずれまとめて考察することに。


コメント

僕ならこうするぞ!

2014年02月27日 | 政策論

 

 

 1999.09

【アベノミクス第三の矢 成長戦略論】


今夜は、吉本隆明著 『僕なら言うぞ!』の「第3章『不況』をさらに深刻にする奴ら」の状況
背景を補強することでさらに、現政権の"成長戦略"をについて考察していく



 ●古い資本主義をいまだ引きずる人々

  先ごろブリヂストソ・スポーツで「リストラ」された六十歳近い主査の人が、社長室で
 割腹自殺を遂げました。新聞報道では、抗議の声明文と労組宛の奮起を促す文書を配って
 いたといいます。この人の自殺と抗議を現在の「リストラ」された高齢者の今の社会への
 いちばん鋭い自己認識だと考えると、事態は賠く急迫感を帯びて見えます。
  政府の無能さと「不況」対策の誤りについては、一介の在野の物書きが何を言っても致
 し方がないことで、ただ罵倒し、捨てゼリフを浴びせるよりほかないでしょう。
  ただ何が間違いかは指摘しておいた方がいいと思います。
  第一は「不況」対策は一般の国民の個人消費の増加を第一義に考えること。
  第二に金融機関、企業体の改廃と整理はサラリーマン、労働者、国民一般の生活防衛を
 第一義として考え、首脳、幹部、役員の「リストラ」を主要な目標とすること。
  第三に「不況」対策は第三次産業(消費産業)の救済を第一義とすること。
  ちなみにこれは、先にも少し触れておいた自明の対策ですが、念のために改めて理由を
 述べておきます。
  まず金融機関や企業体を健全に整えて、それによってはじめて勤めている人、勤めたい
 人に職を安定供給できるという考え方は、古い資本主義での常識で。超(消費)資本主
 義に移りつつある先進国では、国民総生産のうちいちばん大きな割合を占めているのは個
 人消費だということは、データを見れば明らかです。
  また同じく、第三次の消費産業に60%から70%の人が勤めていることも、データ上
 はっきりしています。だから超(消費)資本主義に対応するためには、国民一般の個人消
 費の増大と、第三次産業の活性化を第一義にしなくてはならないのです。それなのに政府
 は今なお古い資本主義の時代のやり方を続けています。
  これでは無能だと言うほかありません。もちろん、それに対して何も言えない社民党や
 共産党も同類です。
  僕は、この自明のことを、ひとつやってみせてくれと言うだけです。そういうことを政
 府政党が実行できたら、本格的に個々の「リストラ」高齢者にも、少し余裕をもって対策
 が考えられそうです。僕は実感から友だちにすすめてみるんですが、熟年の人とか、定年
 退職した人じゃなきゃ雇わない、という会社をつくらないかということです。会社とまで
 いかなくても、共同出資でそういうのがやれないかなと思います。それは、条件として熟
 年の人とか、定年退職した人しか雇わない。また、そういう人だけが働ける会社を共同出
 資でつくっちゃうということなんです。
  それでもって、体は若いときほど使わなくてもいい。自分が長年やってきたこと、事務
 なら事務でもいいし、それこそ技術関係なら技術関係でもいいし、外交関係なら外交関係
 でもいいし、というふうにして、そういうことで、アイデアのきっかけみたいものを、例
 えば月に.在つぐらい考えた、ということだけで、給料は払う。それで、体はあまり動か
 さなくていい。そういう会社をつくったらどうだということです。
  2010年には四人に一人は扶養の必要な高齢者だ、と言ってるでしょう。そのときに
 は、その手の会社というのは、今も少しありますけど、今よりもっと意識的に、意図的に
 増えていくし、つくらなきゃしょうがないと思います。必ずできると思いますね。
  僕は、社長や重役で辞めた友だちにそういうことには慣れてるだろうから、やれと言っ
 てるんです。すると、故郷に帰れば金づるをつくれるからやれるけど、東京ではどうかな、
 なんてことを言って首をかしげてました。でも、そういうのをやるべきだと思います。
  そうすると、他のことは他のことで専門がいるでしょうけど、例えば、理工系のことを
 長年やってた人が、「リストラ」だとか老齢だというんで定年退職になっても、月に5つ
 ぐらいアイデアを考えることというのは、そんなに難しくはないでしょう。
  アイデアを考えたとして、じゃあそれをどうするのか。もし売りさばくというなら、僕
 は特許事務所で4、5年働いたことがありますから、実感として思うのですが、できそう
 ですね。
  つまり、アイデアを持って大会社の特許部に行って「このアイデアを買わないか」と言
 えば、買い叩きはするでしょうけど、いいと思うものは買おうということに交渉で行き着
 くことがでぎます。
  その手のことは、それぞれの専門で、自分が長年やってきたことの系統だったら、必ず
 できるし、役割分担でできるはずです。だから、退職した人だけの会社というのは、成立 
 しうると僕は思うわけです。そういう会社がこれからたくさんできると思いますね。だか
 ら本当に今、積極的につくっちゃったほうがいいんですよ。

                                                   吉本隆明著 『僕なら言うぞ!』


ここでは、産業構造の特徴を分析し、消費場面での景気刺激策の優先意義を説き、(1)国民
の個人消費の増加(2)国民の生活防衛を優先として金融機関、企業体の改廃と整理(3)第
三次産業(消費産業)の救済を掲げ、具体例として、高齢者の職域(企業体)の設立を挙げて
次のように展開しているする。


 ●定年退職した人だけの会社に勝算はあるか

  これは、他のことでもそうなんです。例えば、農業についてなら、現在日本の農業人口
 は約七%ぐらいですから、どうにかしないといけないに決まってるんですね。
  情けないことに、いちばん進歩的なのは農林水産省で、大規模農業経営に資本家が資本
 進出していいという法律が、今年ぐらいから実施されますよ。資本家が農産物市場に入っ
 てくるわけです。
  大規模農業になってコスト安にするため資本が入ってくるというのは必然ですけど、そ
 れよりも、こうなったら農家の人たちもセクト主義をやめたほうがいい。いっそ農家の大
 たち自体が同出資して、農作業を分担して、収獲物は自ら市場を開拓して売り、利益を
 平等に分配するというシステムをつくれば、外部の資本が入ってくるより、いいことだと
 思うんです。
  すでに共同経営をやってる農家の人たちもいますけど、農家の人はえてして土地が神様
 であるし、セクト主義で協力しにくいんです。それをやめて、協力してやっちゃおう、と
 いうふうになったら資本家の進出を少しでも排除できます。外部から資本が入ってくるの
 とどちらがいいかと対抗的に進めていって、利益は資本が入ってくるよりもっといい、と
 納得してやるやり方はできるはずです。僕はできるような気がしてしようがない。
  老齢の人はどうするか、定年退職の人はどうするか。実感からはもうひと働きしないと、
 なかなか隠居でぎないです。孫の世話をしてとか、盆栽をやってというひと昔前の老齢者
 の像は、今は成り立たないです。
  まだ体力はありますし、気力もあります。だからどんどんそうなるといいです。
  経済状態から言えば、「リストラ」されるのは、だいたい会社でも首脳部に近い年齢で、
 しかし首脳ではない人がいちぱんの対象でしょう。経済的に見て、先進資本主義国ではそ
 うなはずですよ。
  だから、今にたくさん、「リストラ」された熟年の人が、自分たちだけで会社的なもの
 をつくろうじゃないかという動きは大きくなりますし、それが受け皿になる可能性は増え 
 ていく一方だと思いますね。
  こういう状況は、僕らの時代の失業者と、今の失業者とは違いますね。また、違わねば
 ならない。昔とは違うはずだぜ、というか、俺たちそういうパワーがあるはずだぜ、とい
 う段階に来ていると思います。
  あんまり受け身にならなくてもいい、やりようによってはやれる段階にあるんじゃない
 でしょうか。
  だから、今言ったようなことは、うまく機能していって、軌道に乗る可能性は大いにあ
 るし、もう日本は、路頭に迷うとかいうことはなくなっていい段階に来ています。

                                                   吉本隆明著 『僕なら言うぞ!』


第三次産業だけでなく、農産物などの第一産業のリストラクチャリングも小異を捨て大同が大
切だとここでは説かれるわけだが、次の節で日本の文化精神風土では根本的なリストラクチャ
リング難しいとネガティブだ。

                              

 ●真のリストラ、ビッグバンは、日本じゃムリだね

  今、アメリカが日本の経済に要求していることは、むき出しに言ってしまえば二つあっ
 て、一つは、不況から速やかに脱出しろ、ということ。もう一つは、金融機関をはじめ、
 企業体も含めて、整理と改廃をしろ、つぶすところはつぶせ、助けるところは助けろ、無
 能な首脳は「リストラ」しろということ。この二つです。
  なぜ要求するかというのは自明のことで、日本経済は、世界経済の三分の一を受け持っ
 ているだけの規模がありますし、柱になってますから、これが本当に危なくなったら、世
 界経済全体が危なくなるからです。
  日本政府が愚図だったら、その次はアメリカが自腹を切って乗り出してきて、自分たち
 の金融専門家や経済専門家を日本に派遣して、その人たちの言うとおりにこうせい、ああ
 せい、というふうになるに決まってるわけですよ。これはアメリカが要求してることでも
 ありますし、G7が要求してることでもあります。
  だから、我々が自腹を切ってそんなことする前に、お前たちでちゃんとやれ、グズグズ
 するな、というのがアメリカの言ってることなんです。
  アメリカは外交辞令で言葉をやわらげたりして、いろんな人がいろんな言い方してます
 けど、むき出しに言えばそれだけですよ。
  日本の政府はアメリカの言うことを聞くには聞くでしょうが、デレデレしながらやるわ
 けです。
  なぜデレデレするかというのは、いろんな理由があるでしようけど、自民党だからとい
 うだけじゃないんです。これは共産党がやってもデレデレとしかできない。それはなぜか
 と言ったら、それが日本的経営方針とか、金融方針、日本の何とか方針というものの体質
 だと思います。

  要するに昨日までニコニコして飲み屋さんで談合して、もう少し考えてみてくれょとか
 何とか言ってたのが、急にキツネが憑いたみたいな顔して、あんたのところは駄目だから
 つぶすとは、やれないんですよ。日本人の社会関係はそうなってないんですね。金融機関
 と政府の間柄でさえそうなってない。それは日本ではできないですね。共産党もできませ
 んょ。だから、どこでもできないというくらい、過激なことを、アメリカは要求してきて
 いると思います。
  呑気でぼやっとしているやつは、僕らに言わせれば駄目なやつなんです。経済専門家で、
 第三の開国だ、とか言ってる人がいますが、冗談じゃないよ、第二の敗戦ですよ、今はね
  率直に言っちゃえば、これは敗戦なんです。つまり、近代日本の改革というのはいつで
 もそうなんだけど、明治以降、近代革命で日本の政党がやったものなんてないんですょ
 普通の民衆が騒いだり、下級武士や浪人が騒いだとかいうことはあるんだけど、政府政党
 が何かしたということはないんです。
  明治維新の革命の根本は、敗戦後の農地改革と同じなんですけど、地租改正なんです。
  つまり、それまでのアジア的農業、市場農業になっていなくて、貢納制といって現物で
 もって税金を納める。地代なんかも現物で納めるというやり方、徳川時代までそうだった
 
わけですけど、それを現物でなく金銭で地代を納めるやり方のほうが近代的だぞ、という 
 ふうに直した。これが地租改正です。農産物市場を開いて、農家は市場で農産物を売って
 そのお金で税金を納めてもいいよ、というふうに直したんです。
  つまり近代資本主義経済に直したわけです。それを誰がやったのかといったら、お雇い
 のヨーロッパの金融専門家や経済専門家が日本に来て、顧問になって、こうせい、ああせ
 いと言って地租改正をやったわけです。日本の近代資本主義の根本的な基礎はそれででき
 たわけです。
  これはいろいろ失敗して、農民なんかは、今まで物納制だったのが、急に変ったから、
 お金に換えるというやり方を知らない。だから地主さんに、この土地の収獲物をあげるか
 らお金を貸してくれ、というふうにして金を借りていった。地主のほうは少ししか貸さな
 いで、土地とか農産物はたくさん取り上げる。そうしたら農民が困窮しちゃって暴動を起
 こしたりしたわけです。
  いずれにしても、日本の近代資本主義革命の基礎をなしたのは明治六年の地租改正で、
 これをやったのはお臓い外国人の金融・経済専門家なんですよ。
 それでは、日本の現代革命というのはどうやったか。

  現代革命というのは何かと言ったら、資本主義革命であり、それは戦後の農地改革です。 
 農地改革って何かと言ったら、大地主の農地をけずってしまえ、と言って取っちゃったわ
 けですよ。それで、小作農に土地を与えて彼らを自作農にしました。
  これだけのことが日本の政党なんかにできるわけないんですね。共産党もできなかった。
 はるかに届かないところで指をくわえて見ているだけで、これだけの度胸あることをやっ
 ちゃうのは、アメリカ占領軍の軍政局しかなかったんです。
  どうして日本人にできないのか、僕にもわからない。そもそも、そういう発想がない、
  それは日本人の発想ではできないんだとしか言えません。日本人は六十年安保でせいぜ
 い時の岸総理を辞めさせるぐらいが精一杯だった。その程度なんです。現在も同じです

                                                   吉本隆明著 『僕なら言うぞ!』

次の節でも、「脱不況策」は(1)国民一般の個人消費を増大させる→第三次産業、消費産業
にとにかくあらゆる公
共資金を第一義的に投入する(お金を支払ったら政府から消費者や供給
者側に無償サービスを得られるような仕組み?)(2)
国民国家の経済バランスや金融バラン
スは考えない、
第二次産業の製造業・建設業その他みたいなのは放置)(3)減税は無駄だか
らやらない(4)金融機関や企業全体の整理改廃を断行(5)首脳部の「リストラ」と言う具
和に過激すぎる?提案を行う。

 ●僕なら言うぞ、不況はこうして脱出できる

  僕でも実感があるのは、太平洋戦争が敗北だと言うでしょう。僕は当時バリバリ硬派の
 学生でしてね、軍国主義の時代だったから、俺は降参するのは嫌だ、誰かが暴動を起こし
 たら俺は必ず参加する、と思ってたんです。

  だけど、そんなこと言うのは嘘で、それほどの気持があったのなら、お前が率先してや
 ったらよかったじゃないかと言われたら、そんな器量はぜんぜんなかったんです。誰かが
 やったら、軍隊でも青年将校でも何でもいいから、それがやったら、俺はやる、ちっとも
 降参する気はないんだ、ということだったんです。だけど実際は誰もやらないわけですよ。
  今だって、政府が不況を速やかに切り抜ける方策をやらないでグズグズして、「リスト
 ラ」サラリーマソがたくさん出て、生活に困って路頭に迷っているとき、進歩政党や進歩
 知識人が文句ひとつ言わないのはおかしい。せめて自分だけでも、機会と場所が奪われな
 い限り、このひどくいい加減な政府や政治政党に怒りをぶつけるつもりです。今は第二の
 敗戦、アメリカによる経済占領ですよ。
  これは、高等遊民の課題でもあるはずです。世界を見たら、高等遊民的職業に携わって
 いる人は、どこかでやっぱり、もしも今、この不況、お前が政府になって不況を脱しろと

 言われたら、俺ならどうするかなということは、本当はいつでも考えていて、実行できな
 きゃだめだぜ、という事態のはずなんです。だけど、自民党から共産党までの公認政党に
 一般のサラリーマンの不況対策を速やかにやれと言ったって、そんなの言うだけ無駄でぜ
 んぜんお話にならない。金融を扱うのに慣れてる自民党のほうがまだやるんじゃないの、
 
とその程度ですね。
  これはとんでもない情けない話です。
  経済専門家の愚図さも論外です。不況をどうやって脱するか、見識を示してくれと言っ
 ても、何にも言わないでおとなしくしてる。「第三の開国の時期なんだ」などと寝とぽけ
 たことばっかり言っています。でも、現在のような大不況時に見識を示し、何か提案でき
 なければ、生涯のいちばん重要な時期に専門家として沈黙していることになるわけで、死
 んだも同然ですよ。それを言えないのは、器量と見識がないからです。
  僕は第一の敗戦のときの見識の無さを情けなくおもって、半世紀のあいだ見識と器量を
 蓄えようとつとめてきました。だから第二の敗戦期の現在の不況を脱出するにはどうした
 らいいのか、自分の考えを率直に明言できます。
  不況から速やかに脱する方法はただ一つです。世界経済の規模で考えて、日本経済の不
 況をどう脱却するかといったら、それは、国民一般の個人消費を増大させることを第一義
 とする直接法をとることです。具体的には、第三次産業、消費産業にとにかくあらゆる公
 共資金を第一義的に投入することです。
  国民国家の経済のバランスや金融のバランスなんて考える必要はない。ただ消費産業に
 
投資して、何はともあれ国民の個人消費を増加させるようにします。第二次産業、つまり
 製造業・建設業その他みたいなのは放っとけばいい。港をつくったり、飛行場をつくった
 り、道路を改めたり、そんなのは無駄だからやらないほうがいいです。減税も無駄だから
 やらないでいいです。要するに、直接、消費産業に公共投資し、あとは金融機関や企業全
 体の整理改廃を断行することです。
  残るは首脳部の「リストラ」だけ。今は、政府は責任をとらず警察庁と検察庁とかが代
 わりに企業の首脳部の連中を検挙してみせたりしています。代わりにやってるんです。こ
 のごろ、企業の経営陣から、いろいろと逮捕される人が出ているでしょう。あれがそうで
 す。
  国民一般に対しては貸し渋りや厳しい担保を要求しているくせに、大企業や大資本に対
 しては甘い担保で融資し、不良債権をかかえることになった。そして今ごろになって金融
 機関の当時の責任者個人に罪を着せ、政府は知らんぷりをして、責任者を追いつめ自殺に
 導いたりしています。政府首脳は何をしているかといえば、アメリカヘ行って、大転換期
 で多少の犠牲は致し方ない、などと演説している。こんな男を許しているばかりか、支持
 率が52‰もあるということは、いったいどうしたことか。日本人の馬鹿さ加減は、背中
 
をどやしつけたくらいでは目が覚めないですよ。
  新聞記事を見ていると、不況を実感しているのは50%くらいだそうですから、実然し
 ていないあとの50%の愚かな連中が、現在の愚図で無能で、このどさくさに悪法を国会
 で承認させている戦後最悪の政府を支持している勘定になります。
  本当は政府とか大蔵省が責任を持ったらいいんだけど、彼らはできるだけそういうのは
 やりたくないわけですよ。仲良くしておいたほうがいい、みたいなのがありますからね。
  検察庁はそういう意味の利害関係はあんまりないから、やるわけです。
  本当はあれをやられるとファッショ的な国になっちゃうから、ものすごくよくないんで
 す。どうでもいいようなささいな違法をとらえて脅かしているのですから。
 それとは別に、「リストラ」について言えば、例えばここに従業員千人の企業があるとし
 ます。
  現在の失業率4.6%が全部「リストラ」されたと仮定しますと、1000人×0.0
 46ですから46人になります。一人の給与が平均50万円とすると、50万×46は2
 千三百万円です。1年では2億7千6百万円となります。
  従業員千人の会社が46人「リスとフ」して支出減は年間でざっと2~3億円。その

 り46人の人手が失われます。
  僕にはこれで従業員を「リストラ」したことに意味が生ずるのかどうかが、どうしても
 わかりません。僕はいつもそれが疑問で「リストラ」というのはただの名目ではないかと
 疑いを持っています。こんなものは重役の一人、二人が退職金を遠慮すればすむ額ではな
 いですか。

 ●無能な首脳部をリストラしろ

 本当は、アメリカの要求してることはそんなことではないはずです。何もサラリーマンを
「リストラ」しろとは言っていない。無能な首脳部を「リストラ」しろと言ってるんです。
 それから、駄目な銀行はつぶしちゃえ、助かりそうな銀行だけ助けろ。そして不況から速
 やかに脱しろということです。
  こんなことは、誰が考えたって、個人消費を増大させる以外に速やかに不況を脱する方
 法はないとわかりきってることで、アメリカが言ってることも、外交辞令の言葉を抜きに
 すれば、この一つを要求してるんです。こんなものは政府に変革する度胸さえあればでき
 ることです。
金利生活者、年金生活者は前よりもずっと増えているけど、こういう人たち
 は不況なんてあまり関係ない。政府がつぶれない限り年金はくれるわけだし、金利生活者
 は金利で生活すればいい。これは、銀行が全部つぶれたら別ですけど、そうじゃない限り
 は大丈夫なんだから、関係ねえやと思って、どうするかょく見ていてやろう、ぐらいに高
 見の見物だと思ってる人が、前より増えてることは確かです。
  普通の人にしても、手持ちの一千何百万円かを全部消費しちゃうまでは、誰が先に動き
 出すか見ていよう、とか思ってるわけです。首脳部がやられても、ざまあ・みろ、俺じゃ
 なくてよかった、みたいに思うだけですよ。これまでひどい目にあって我慢してきたので
 すから。
  どうすればいいか、速効性のある方策もわかってるのに、専門家は言わない。僕ら素人
 が言ったって、たわごとだと思っている。道路とか飛行場なら、つくっておけば、失敗し
 たって残るじゃないか、という守りの姿勢なんです。それだって実際は、何も守れちゃい
 ません。
  百貨店か何か直接個人消費に影響する第三次産業に全部公共投資しちゃうと、失敗した
 ら何も残らないから、一とんでもないことをしたもんだと非難されると思って、恐くて

 きないんです。政府も専門家も責任をとりたくないんです。

 ●いちばん駄目なのは、誰だ

  ある書店の広告雑誌に、政治・経済・社会現象についての短い文章をずっと書いてきま
 した。もう一年以トになりますけど、このごろはあまりの阿呆らしさに、いささか切れて
 きたから、かなり露骨な直接話法になってます。
  薄紙一枚はがせば事態ははっきり見えるはずなのに、専門的に責任ある人たちがそうせ
 ずに言葉の煙幕の背後にかくれているんです。
  こんなことを言っている間にも、テレビ報道は失業率が4.88パーセソトにハネ上っ
 た
こと、小渕首相がアメリカで、経済を立て直すには、失業率4.88ハーセントくらい
 の犠
牲はやむをえないと発言したことを、淡々と流している。こんな時代遅れの政治家を
 許容
していることに、あきれはてます。彼らは不況から脱出するのに不良金融機関を公共
 資金
で援助し、企業体はサラリーマンや労働者を「リストラーしてロ減らしを企図する。
 ある
いは、働いている人は20~30%くらいしかいない建設業に公共資金をつぎこんで
 不急
の道路や港を造ろうとしたりして、いちばん肝心なサラリーマンや労働者の個人消費
 の分引
を後まわしにしています。
  こんな疎遠な方法を恥ずかし気もなく採択している無能な政党や政治家を政府に戴いて、
 みんなケロリとしています。このように抗議も反抗もできないのは、僕らも含めた国氏一
 般が決定的に駄目な証拠でもあるんです。

                    「第2章 リストラ時代の大誤算」PP.44-62
                                                   吉本隆明著 『僕なら言うぞ!』


以上を彼の主張を、整頓しまとめると「赤字国債をバンバン発行してでも三次産業が活況する
ような公共投資政策」がベスト・ポリシーということになる。電気・ガス・上下水道・運輸・
通信・小売り・卸業・飲食・金融・保険・不動産・介護・医療・デパート・娯楽・教育・観光?
情報通信・公務サービスなどを刺激するということになるが具体的各論議論→合意形成となる
『高速道路無料化』のように利益者負担にしろとか、セクト主義百出する。尚、下図は、国際
貿易投資研究所の「サービス産業と日本の構造変化」資料から抜粋したもの。



基本原理あるいは原則は了解できる、やはり構造解析を踏まえ、ベスト・ポリシーにブラシ・
アップしたものを政府案としてまとめ合意形成するプロセスは欠かせない。そのためのマクロ
経済(あるいは複雑系・進歩経済学)は欠かせない手段と思えるし、アベノミクスでの「大胆
な金融政策」がその重要政策であることを実践的に認めている。極端なことを言えば、不要不
急のようにみえる「日本列島電線類埋設計画」(『電通線埋設化推進計画』『レジリエンス巡
礼の明日
』参照)などの一見直接的・即効性がないにように見えるが相乗効果への寄与率が高
い政策、つまり、同じくアベノミクスでの「機動的な財政政策」に織り込み絡める選択も残さ
れていると考える。本書を批評しながら『僕ならこう行うぞ!』としてこのブログで継続掲載
していくことに。  

                                                                                                       この項つづく  

 

【雪国対応型・太陽電池パネル取付台】

協和精工株式会社は、雪国対応型・太陽電池パネル取付台を独自開発し、新製品「スノーター
ン90」として2014年秋から販売開始すると公表。これは、パネル角度を自由に調節、雪を落と

し雪の反射光も有効活用、冬季の発電効率が向上させる機能をもつ。メーカは精密工具と時計
の製造メーカーである協和精工株式会社(http://www.kyowaseiko.co.jp/)。
「スノーターン
90」の特長は、“パネルの角度調節が自由”、“操作が容易”であることです。角度が変えら
れる太陽電池パネル取付台はこれまでもありました。しかし、従来品は、段階的にしか角度を
変えられなかったり、操作に電力や膨大な労力が必要で頻繁に角度調節ができなかったりとい
った課題があった。一方、「スノーターン90」は、独自の作動方法による手動式のため、小さ
な力で角度を細かくスムーズに調整でき、作業者一人で容易に操作できことが特徴である。

雪の重みや強風などで送電線が切断し停電が発生する恐れのある雪国では、非常事態での蓄電
方法として太陽光発電が有効と考えられているが、冬季、太陽電池パネルが雪で覆われてしま
うと発電不能状態になってしまうため、雪国では太陽光発電がなかなか普及しなかった。
「ス
ノーターン90」を導入すれば、降雪時にはパネルを垂直に立て積雪を防げるため、発電効率の
低下を回避できます。また、パネルの角度を無段階で自由に変えられるため、パネルを太陽の
向きに合わせたり雪の反射光をパネルに当てたりすることで発電効率を上げることも可能。

※ 独自に設計・開発した雪国対応型・太陽電池パネル取付台の実用新案登録証を2013年4月に
  取得(登録第3183334号)。第一号機は秋田県湯沢市役所に採用され、2013年12月、新庁舎屋
  上に設置した(新庁舎のオープンは本年2014年4月予定)。

協和精工では、2014年秋からの販売に向けて販売代理店(営業及び土木・建築の施工もできる
会社)の募集を今春から始める予定。今後は、販売代理店を通じて「スノーターン90」を受注
生産する。「スノーターン90」には、ビルの屋上や一般家庭の庭に設置できる「平面設置タイ
プ」と、垂直な壁にも設置できる「壁掛けタイプ」の2種類があり、どのメーカーの太陽電池
パネルにも対応可能。税抜販売価格は現在、検討中で、「平面設置タイプ」は1台100万円から
「壁掛けタイプ」は1台20万円からとなる予定です(使用材料により変化、太陽電池パネル代は
含まず)。当初は秋田県内を中心に営業を行い、「平面設置タイプ」の販売数10件程度を目指
す。

【符号の説明】

10…太陽電池パネル取付台、12…脚部、14…組付枠、16…角度変更装置、22…門型
フレーム、24…支え棹、28…延設部、30…土台、32…支持棹、33…取付棹、34…
保持棹、36…横部材、38…縦部材、40…ハンドル部、42…送りねじ部、46…作動腕、
48…連結棒、50…取付板、52…円盤部、54…持ち手部、56、58…取付具、60…
太陽電池パネル、70…固定具、72…固定棹、74…止め具、100…地面。


PM2.5の影響甚だしく、急性肺炎状態で打ち込み作業を終える。政府は何をしているのだろう。
目の前にある危機状態をあらゆる外交ルートを使い解決することが最大課題だろう。そんな思
いが、朦朧とした頭を過ぎるが今夜はこの辺で。

                                                                           

 

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水ビジネスと生物接触ろ過技術

2014年02月26日 | 極東アジア経済構想

 

【世界の水ビジネス市場】 

北九州市は、昨年6月20日に国内特許を所有する高度浄水処理設備「上向流式生物接触ろ過設備
(以下、U-BCF:Upward flow Bio Contact Filtration)をベトナム・ハイフォン市の浄水場に整備すると発
表。U-BCFは、微生物による自然浄化作用を利用し、カビ臭物質などの異臭味や黒水の原因となるマ
ンガン、アンモニア性窒素などを除去して、安全で良質な水を作る設備。ろ過槽内に充填した粒上活
性炭に原水を下から上に通水(上向流)して、粒上活性炭を流動させることで、粒上活性炭に生息する
微生物が汚濁物質を取り込み分解する。
U-BCFは、原水中の有機物を3~4割分解するとともに、多
量に塩素を消費するアンモニア性窒素や溶存マンガンを6
~9割除去することで、塩素の注入量を削
減でき。これらの効果により、発がん性が疑われているクロロホルムなどのトリハロメタンを大幅に
減らすことができる。その
北九州市とハイフォン市は、両市の発展に向けた交流、都市開発および環
境保全の調和を目指す技術協力の推進を目的とし、2009年4月に協定を締結。以降、北九州市は、ハ
イフォン市水道公社からの要請を受け、ハイフォン市が抱える水道原水問題の解決に向けて技術的支
援を実施してきた。このような技術協力により、ハイフォン市においても安価なランニングコストと
高い処理能力を備えるU-BCFが認められ、導入に至ったとしいう。

今回の事業において北九州市は、ハイフォン市水道公社が独自資金によりU-BCFの整備工事を発注す
KOBELCO Eco-solutions Vietnam(神鋼環境ソリューションベトナム現地法人)から、工事施工計画に
係る技術的な精査など技術アドバイサーとしての業務を受託、同事業を側面から支援する。導入施設
はビンバオ浄水場(処理能力5,000立方メートル/日)、工事予算は87億ベトナムドン(日本円4,002万円)。

 なお、神鋼環境ソリューションは、海外水ビジネスの推進を図るため、北九州市が2010年8月に設立
した同市海外水ビジネス推進協議会会員企業となっている。
また、北九州市水道局とハイフォン市水
道公社は2013年5月30日、水質汚染問題を抱えるベトナム国内の他の水道事業体に、U-BCFを普及さ
せていくための相互協力協定を締結。北九州市は今後も、これまで培ってきた技術とノウハウを活用
し、協議会と連携しながら水ビジネスに取り組んでいくとしている。



●特徴

①流動床であるため、接触ろ過層全体を有効に利用でき、生物処理効率が良い。
②小粒径の活性炭を利用することでろ材の表面積が大きくとれ、生物繁殖量が多くなるので生物処理
 効果 を高められる。
③付加的な要素として、活性炭自体が付着した生物により再生するので、活性炭の吸着能力が長期に
 わたり期待出来る。
④上向流であるため、濁度が高い原水を速いろ過速度で接触ろ過できるので、設置面積が少ない。
⑤濁質捕捉量が少ないため、損失水頭が低く自然流下方式が採用でき、中間ポンプなどの機器が不要
 である。
⑥原水を直接生物処理することでアンモニア性窒素などが生物酸化され、前塩素や中間塩素処理で注
 入す る次亜塩素酸ナトリウム量の低減と平滑化が得られる。

⑦下向流方式では、原水の濁質も除去するため、その後の凝集工程において、核となる物質がなく凝
 集阻 害を起こす事が多いが、U-BCF 処理水には濁質が存在するため、凝集性を悪化させない。加
 えて、生物 処理水の濁質は沈降性の良いものに変質するため凝集・沈澱処理に対し良好な影響を
 与える場合が多い。


●知財について

1.北九州市の事例研究

北九州市は、主要設備を株式会社神鋼ソリューションに依拠した設備として完成されているが、先願
特許として1998年に特開平10-258295「公共水道設備」を公開している(上図参照)。 塩素を用いた
滅菌装置の上流側に、活性炭層18に微生物を着床させて微生物濾過を行なう接触濾過装置12を設
けことで、活性炭を有効に利用して生物接触濾過を行い、従来では除去が困難なトリハロメタン前駆
物質等の有機物の除去も可能な公共水道設備を提案している。つまり、従来の活性炭濾過法に使用す
る活性炭は、活性炭を吸着材として使用し、水道水中に含まれる異臭物、色素、毒素を除去するもの
であり、その能力を十分に生かすために1~2ケ月で再度新しい活性炭に交換する必要があり、取り
替えた活性炭の再生が可能であるとしても、処理が高価になるという問題があった。また、従来例に
係る生物接触濾過法では、微生物により酸化分解され易いアンモニア性窒素や陰イオン界面活性剤等
の処理はできるものの、微生物の固定化担体がセラミックスや合成樹脂の加工品であるので、生活排
水に起因した、水道界で問題となっているトリハロメタン前駆物質等の有機物の処理については、僅
か数%に留まり、有効な除去は不可能であるという問題があった。この問題を解決する技術請求項は
以下のようになっている。

(1)活性炭を有効に利用して生物接触濾過を行い、従来では除去が困難なトリハロメタン前駆物質
  等の有機物の除去も可能な公共水道設備の提供を目的とする。
(2)活性炭層に使用する活性炭は、粒径0.2~2mmの粒状活性炭を主体とする。
(3)底部が入水部となってその上部に均等流発生層が、さらに、その上部に活性炭層が形成された
  上向流式生物接触濾過池である。
(4)接触濾過装置の下流側で、滅菌装置の上流側にはフロック形成池と、これに続く薬品沈澱池及
  び急速濾過池が設けている。


2.神鋼株式会社神鋼ソリューション(神鋼パンテツク株式会社)の事例研究

(1)特開2000-237738 気水分配装置及びその気水分配装置を用いた水処理装置


「特開2000-237738 気水分配装置及びその気水分配装置を用いた水処理装置」が神鋼パンテツク株式会社よ
り公開されている(上下図参照)。多数のオリフィス12を有する略逆V字状の複数の空気分散材10を、

隣接する空気分散材10、10の間に所定間隔11を設けて水平方向に配置し、空気分散材10の長手方向
にほぼ等間隔で仕切部材14が設けられている。空気分散材10の上部には有孔プレート13を備えること
で、濾過過程において装置に付着した夾雑物や懸濁物の除去作業が容易にできる、つまり、メンテナンスに
関わる気水分配装置及びその気水分配装置を用いた水処理装置が提案である。




(2)特開2009-202146 水処理装置及び水処理方法

次に、下図のように、(1)微生物担体を利用して被処理水を曝気処理する反応槽と、応槽の処理水を膜分離
する浸漬型膜分離装置が備えられた膜分離槽とが一体化された水処理装置で、(2)この反応槽と膜分離槽とは下端
部が開放された第一仕切により仕切られ、かつ、この開放部によって連通していて、(3)、反応槽は上端部及び下端
部が開放された第二仕切により、下部に第一散気装置を設置した前段領域と、膜分離槽に第一仕切を介して隣接す
る後段領域とに分けられ、(4)膜分離槽に近づくほど高さが増すように底面が傾斜している。ことを特徴と
する粒状活
性炭等を微生物担体として利用する反応槽と浸漬型膜分離装置とを組み合わせた、小型、かつ、省
エネルギーで分
解効率の高い水処理装置及び水処理方法が公開されている。このことで、応槽と膜分離槽とが
一体化しているため、設置スペースが小さくて済み、従来の生物接触ろ過装置及び活性炭ろ過装置の組み合わ
せた場合と比較して、1/3以下の設置面積で設備設計が可能である。また、粒状活性炭を好気性微生物の担
体とした場合には、有機物の好気性分解と吸着処理とを同時に行うことが可能であり、処理水の水質も高く、
原水の水質変動にも追従しやすくなるという。

 

(3)特開2010-069359 水処理装置及び水処理方法(上案の改良)

 

(4)特開2010-172843 水処理装置及び水処理方法

下図の水処理装置は、被処理水を曝気処理する反応槽が備えられた水処理装置で、反応槽は上端部及び下端
が開放された第一仕切により、下部に散気装置を設置した第一領域と、散気装置を設けない第二領域とに
分けられ、
円柱状の管中心部と、下端面が前記管中心部の径よりも大きな径を持つ管下部と、上端面が管中
心部の径よりも大きな径を持ち、かつ、前記管下部よりも長い管長を持つ管上部とを有しているエアリフト

管である、ことを特徴とした、反応槽と浸漬型膜分離装置とを組み合わせた、分解効率の高い水処理装置及
び水処理方法の提案であり、散気装置の形状により被処理液の流速が大きく、ブロア動力の軽減によるコス
ト削減できるという。

 

【世界の水ビジネス】 

2007年は36兆円の世界の水ビジネスは、25年には87兆円を超えると想定されていている(約2.4倍)。

※出典 第2 1 回原子力委員会資料第1-2 号資料 

今回考察した、北九州市とハイフォン市水道公社の事例は、まさに欧米先進国の巨大水ビジネス企業と韓国、
中国などのアジア新興国とが激しい受注合戦が繰り広げられる中で進行していたわけだ。その最中で、政治
的背景を除いた受注獲得理由を挙げるとしたら、(1)日本の公害で培ってきた事業体(企業)技術設計である
こと、(2)それは、従来のメーカサイドの設計、オゾン殺菌+膜+化学薬品による高度処理から流動活性生物
接触による高度処理を実現させことで、(3)安心安全で、美味しくて、イニシャルやランニングコスト逓減や充
実で親切なケアを実現させたことにあると思われる。 

今夜は水ビジネスを考えてみたわけだが、10数年水処理技術の経験はここでも活かされているとはいえ、短
時間で俯瞰しまとめ上げてみたわけだが少々骨が折れたものの懐かしくもある。発展途上国や新興国サイド
に立った産業基盤整備事業は益々必要とされるわけで、とりわけ日本の美味しい水製造技術の普及は多くの
国民の幸福度向上に寄与すると確信している次第。



午後から、喘息気味で咳き込む状態に陥る。データをみるて驚く!環境は正直だ、と思う。また、このままでは
殺される!とは誇張し過ぎだろうが、半分は真剣でもある。



  

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世界最高!耐熱バイオプラスチック

2014年02月25日 | 新弥生時代

 

金子准教授は「どんな構造にすれば、有効なバイオプラスチックができるか、分子設計に5年間
苦労した。この構造なら、バイオプラスチックの用途は飛躍的に拡大できる。透明性は思いもよ
らなかった。ガラスの代替材料としても活用できる」と話している。



【バイオプラスチック製法技術 高耐熱構造を実現!】

バイオプラスチックのほとんどは柔軟なポリエステルで耐熱性や力学物性が劣るため、その用途
が限られ、主に使い捨て分野で使用されているのが現状。例えば、ポリ乳酸は代表的なバイオポ
リエステルだが、その主骨格は一般的な工業用プラスチックに用いられる高分子に比べて柔軟で
あり、軟化温度は60℃程度(上表参考)で実用性に乏しかった。今回、北陸先端科学技術大学
金子達雄准教授らの研究グループは、天然物で香辛料のシナモン系分子を多く生産する微生物を
遺伝子組み換え、下記の反応式の光反応と高分子量化を行い、微生物由来のバイオプラスチック
であるポリイミドを世界初作製することに成功。

 

このポリイミドは、耐熱温度が従来報告されている最高耐熱の芳香族バイオポリエステルの30
5℃を超
える390-425℃を達成。これは鉛フリーはんだの融点(最高378℃)を超えて
いるため、電装部品での
使用が可能となり、線熱膨張係数(熱変化率)が40ppm/K以下と
金属並みに低く、金属代替材料として
自動車のエンジン周りなどに使用できる。また、10GPa
を超える高ヤング率(剛性の指標)、難燃性(自
己消火性)、細胞適合性、透明性、高屈折率、
紫外線分解性も確認しており、今後、自動車部品などの金
属やガラスを代替する物質として設計
する予定とか。将来的には、大気のCO2削減、運送機器の軽量化
、産業廃棄物削減など、さま
ざまな応用展開が期待できるという。

●開発背景

研究チームはこれまで、剛直な構造の桂皮酸(シナモン系分子)から得られるバイオポリエステ
ルにガラス繊維を混ぜ込むことで、305℃の耐熱温度を持つバイオプラスチックを作成してき
た。しかし高性能鉛フリーはんだの融点を超えるものではなく、また自動車エンジン周りで使用
できるレベルの低い線熱膨張係数(250℃までで50ppm/K以下)を持つものではなかっ
た。

今回のプロジェクトは、天然にはほとんど存在しないシナモン類であるアミノ桂皮酸(特別な放
線菌が作る抗生物質に含まれる)を大腸菌で生産する手法を開発。これは、石油化学的にも生産
できるが、工程数が多く極めてコスト高(約10万円/kg)となる。一方、遺伝子工学的手法
で作成すれば食品添加物並(約2~4千円/kg)となると予想。さらにこの物質に光を照射し、
化学重合することで耐熱温度390-420℃の高耐熱ポリイミドを作製。この値は高性能鉛フ
リーはんだの融点(最高378℃)超える。従って、電装部品で従来はバイオ由来品への変換が
不可能であったものが変換可能となり、同時に、エンジン周りの耐用温度である250℃までの
線熱膨張係数が金属並みの40ppm/K以下となった。さらに透明性も高く(透過率88%@
波長450nm)、すべての透明プラスチックの中で最高レベルの耐熱温度(390℃以上)と
剛性の指標であるヤング率(10GPa)に達することも分かりました。そのほかにも、高屈折
率(1.6)、紫外線分解性、自己消火性などの特殊な機能も持つ。


●作製方法

遺伝子工学的技術を用いて、大腸菌を papABCとPALという変換酵素の遺伝子群で操作し、
適切な培養条件で培養することで、天然にはほとんど存在しない4-アミノ桂皮酸の微生物生産
を行う
。また、4-アミノ桂皮酸を塩酸塩化した後、高圧水銀灯で照射させ光二量化し4,4’
-ジアミノトルキシリン酸という芳香族ジアミンが得られました。これをモノマー材料として用
い、さまざまなテトラカルボン酸二無水物と反応させて各種ポリアミド酸を得た。さらに、これ
らをキャスト法によりフィルム化して150-250℃の真空下で加熱処理することにより6種
類のポリイミドフィルムを作製した。

※“Biobased Polyimides from 4-Aminocinnamic Acid Photodimer”(4-アミノ桂皮酸光二量体から
  のバイオベースポリイミド)

●成果ポイント

1.天然には微量にしか存在しない4-アミノ桂皮酸を遺伝子組換え大腸菌から産出

4-アミノ桂皮酸は、抗生物質の構成要素として特殊な菌(放線菌)が産生するが、この大腸菌
を用いた
高効率な生産方法や条件はなかった。一般に甘味料のアスパルテームの合成の際に使用
される生合成
経路であるシキミ酸経路を、papABCPALという遺伝子群を用いた遺伝子
組換えにより制御(ATは大腸菌が持つ遺伝子)し導出した。その結果、芳香族アミンである
-アミノフェニルアラニン(4APhe
)の生産と4Pheの4-アミノ桂皮酸(4ACA)へ
の変換が可能となった。

2.微生物からは得ることの極めて困難な芳香族ジアミンを紫外線を利用し合成

芳香族アミン類は一般に微生物に対する毒性が高く、微生物生産は困難であり、アミノ基の2つ
置換された芳香族ジアミン類は微生物生産できない。一方、この芳香族ジアミンはポリイミド開
発で必須のモノマー。今までバイオポリイミドが開発することができなかった根本的な理由がこ
こにある。そこで、桂皮酸の光二量化という極めて効率の高い反応を利用。1.の方法で生産
できる4-アミノ桂皮酸を塩酸塩状態で紫外線照射を行うとほぼ100%の変換効率で4,4’
-ジアミノトルキシリン酸が得られることが分かり、これをエステル化することで芳香族ジアミ
ンとして利用できることを発見した(下図参照)。


 

3.史上最も高耐熱のバイオプラスチックを分子設計

2.で得られたバイオモノマーである芳香族ジアミンと種々のカルボン酸類を反応させることで
6種類のポリイミドを合成(下図参照)。中でもPI-1と記述したポリイミドで用いたカルボ
ン酸類である1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物も天然分子であるマレイ
ン酸の光二量化により得られることを確認したため、このポリイミドは完全なバイオポリイミド。
このPI-1の物性を以下に列挙。

※10%重量減少温度:390℃/引っ張り強度:75MPa/ヤング率:10GPa/屈折率
 :1.60/光透過率:88%(光の波長450nm)/ガラス転移温度:350℃以下で観
 察されず/線熱膨張係数:40ppm/K以下

 

光と熱で形状記憶するバイオフィルムを世界で初めて開発


鳥肌が立つような発明ですね。「新弥生時代」の産業イメージを発想して10年(ネオコンバー
テックも同様
)。夢が次々とこの日本で現実して来ている。実に面白い国ですね日本は。



ウクライナの政治危機は武力衝突に発展→体制崩壊→ヤヌコビッチ大統領逃亡→ ウクライナ警察
ヤヌコビッチ氏を指名手配。ウクライナは1917年のロシア革命や、第二次世界大戦に続く時代、暴
力は日常茶飯事。ウクライナの歴史は、旧ロシア帝国、革命以降のソ連と切り離しては語れず、ソ
連の独裁者、ヨシフ・スターリンが敵対者を次々に葬った大粛清。1932~33年には、スターリン主
導の集団農業化が失敗、「ホロドモール」という数百万人規模の大飢饉がウクライナを襲った。ク
レムリンの政治家にとって、ウクライナは重要な国。ソ連成立から崩壊までの歴史で果たした役割
を考えると、「新ソ連」構想においてウクライナは鍵となると言われている。いずれにしても、暴
力の連鎖を食い止めないと、クリミア半島周辺諸国は再び泥沼化する。政治・宗教権力のミスリー
ド禍を何としても食い止めなければと祈念する他ない。

 

コメント

七本槍浪漫回廊

2014年02月24日 | 世界歴史回廊

 




【慶長遣欧使節団の派遣の浪漫】




牡鹿半島にあった港・月浦(つきのうら)を、遠くイタリア、ローマへ向けて「サン・フアン・
バウティスタ号が出帆したのは、今から四百年前、1613年10月28日(慶長18年9月15日)のこと。
サン・フアン・バウティスタ」とは、「洗礼者聖ヨハネ」から名づけられ、その由来は造船に
携わったスペイン人ビスカイノと伊達政宗の江戸市中での出会いの日が、洗礼者聖ヨハネの祭日
に当たっていたからだといわれている。サン・フアン・バウティスタ号は「慶長遣欧使節」と称
される総勢180人を乗せ(仙台藩士の支倉六右衛門常長、今泉令史、松木忠作のほか、幕臣向井
将監の家来10人、宣教師ルイス・ソテロ、司令官ビスカイノをはじめとする南蛮人約40人、商人
などが乗り込む)スペイン・ローマを目指す。奥州仙台藩の初代藩主・伊達正宗からスペイン国
王・ローマ教皇にあてた親書に、仙台藩領内でのキリスト教の布教を許可し宣教師派遣の要請と、
スペインの植民地メキシコとの通商許可を目的てした。また、スペイン王国宛の協定案にはスペ
イン人に対する治外法権を認め、スペインと敵対関係にあるイギリス、オランダ人らが領内に渡
来した場合は崇敬しないとすることなどが記されていたという。

1614年10月5日、一行はスペインのサンルカールに無事入港。ソテロの出身地であるセビリアや、
首都マドリードなどでも、大歓迎され盛んなもてなしを受けた。翌1615年1月30日、スペインと
ポルトガル両国に君臨していたフェリーペ3世から、王宮で謁見を賜り、支倉常長は2月17日に
洗礼を受け、フィリッポ・フランシスコ・ファシクラとの洗礼名を受ける。
しかしマドリードに
は、日本の宗教弾圧の様子などが伝わっており、フェリーペ3世は、「宣教師の派遣は可。寄宿
舎、神学校の設置に関わる費用負担は不可。通商の件についてはオランダ人との交通や保護をし
ないことを前提に前向きに検討する」と返答し、使節らのローマ行きを許可。
ようやく地中海を
イタリアへと船を進めた使節は、ジェノヴァからローマに到着。10月29日、華々しいローマ入市
式の後、11月3日、教皇パウロ5世との謁見を果たしたのは、スペインに上陸してから1年余の
ことだった。

一行は、1618年4月にメキシコのアカプルコ港から、迎えのために再び太平洋を越えてきたサン・
フアン・バウティスタ号に乗ってマニラまで帆走。しかし、マニラについた一行は便船の都合も
つかず、長期間の滞在を余儀なくする。その間、スペインとオランダの衝突にまきこまれ、サン・
フアン・バウティスタ号はスペインに買い上げられ、スペイン艦隊に編成される。1620年9月22日、
政宗への良い知らせを持たないまま、ようやくの思いで支倉は日本にたどりつく。出帆400周年を
控えた2011年、東日本大震災による大津波が復元船サン・フアン・バウティスタ号とミュージア
ムを襲う。復元船の周囲を囲むドック棟が破壊され展示物の多くが流出。さらに復元船は4月末
の暴風の影響でマストが折れ、修復が始まるまでの間に本体の腐食が進み大規模な修復が必要な
状態になる。がれき撤去後の2012年4月には募金活動が始められ、この頃から復旧に向けた取組み
が本格化。同年6月からはサン・ファンパーク、ドック棟の工事が開始、復元船に使用される木
材も次々運び込まれ、ドック棟、復元船は、2013年秋の完成を目標に修復が進められる。同年6
月19日、仙台市博物館が所蔵する国宝「慶長遣欧使節関係資料」のうち3件が、ユネスコ記憶遺
産に登録された。




【シェリー樽熟成純米酒の誕生】

シェリーは世界で唯一、スペイン南部、アンダルシア州の南西の端にあるへレスという町を中心
にした限定地域で造られる白ワイン。へレス一帯で、原産地呼称の規定に従って、パロミノ、ペ
ドロ・ヒメネス、モスカテルの3種類の白ブドウを使い、アメリカン・オークの樽で最低3年、
特有のソレラ・システムによって熟成される酒精強化ワインである。シェリー(Sherry)とは英語
名で、スペイン語ではビノ・デ・へレス(Vino de Jerez)、つまりへレスのワインと呼ばれていた。

ヘレスのワインに関する最初の記述では、ヘレスのぶどうは紀元前1100年頃にフェニキア人によ
りこの地域にもたらされ。現在ヘレスがある地域をフェニキア人はセラと名づけましたが、この
ヘラから商売人のフェニキア人たちはワインを造り、ローマをはじめとする地中海地域全体に広
がる。紀元前138年頃、エスシピオン・エミリアノがベティカ(現在のアンダルシア地方)を平定。
そして、セレット(ローマ時代のヘレスの呼び名)地域と本国の首都ローマとの間の交易の流れ
も重要になり“セレットのワイン”の評判は国境を越える。711年、スペインではアラブの支配が
始まり、ヘレスでは5世紀以上も続くが、シェリシュ=アラブ人がヘレスにつけた名前=は、コ
ーランで禁止されていたにもかかわらず、ワイン生産の重要な中心地であり続ける。干しぶどう
の生産と医療目的のアルコール確保がある意味でぶどう栽培とワイン生産を維持がその口実とな
っていたという。
1264年に賢王といわれたアルフォンソ10世がヘレスを奪回し、ヘレスのワイン
は劇的に変化する。国王はヘレス・デ・ラ・フロンテラに自営のぶどう畑を持ち、自身で手入れ
していたという。
ヘレスのワインの輸出は増加し続け、ヨーロッパだけでなく、アメリカ発見に
ともない、ジェノバの商人たちは新大陸との交易目的ににヘレスのワイン産地に居を定め、マゼ
ランにヘレスのワイン=シェリーを417袋と253樽買い込み旅立たせが、その結果シェリーが世界
を一周した最初のワインとなる。

ぶどう栽培者に支配されたワイン関係業者のギルドは異なる収穫年のワインの貯蔵を規則で禁じ
ていたため、ワイン熟成できすにいたが、1775年、出荷業者の訴訟が起こり、何10年もかけた後、
ギルドによる厳しい活動制限規則が消滅し、これがワインの製産と交易上、最もこの地域のワイ
ンのアイデンティティを決定つけることとなった。シェリーの需要は19世紀を通して増加の一途
をたどり、1933年には原産地呼称統制委員会が生まれた。
 

  

【七本鎗 セブンスピアズ

賤ヶ岳合戦の武勇伝として語られる七本槍。これ以外にも、日本槍柱七本とか、小豆坂七本槍
どあるが、賤ヶ岳七本槍以前にも、この近江には姉川の七本槍というものもあったとか。これは
浅井・
朝倉軍と織田・徳川軍の間で大規模な戦闘が展開され、多数の死者が出たという激戦で、
地元では「三田村合戦」「野村合戦」と呼ばれていたものが、徳川時代になってから「姉川合戦」

と変えられているが「姉川合戦」の2ヶ月後、浅井・朝倉軍は大津まで遠征し「志賀の陣」を戦
っているこ
となどからこの戦いは小競り合い程度だったととの見方もある。ところで、徳川軍の
先陣を切った酒井隊
に続いて、小笠原隊が姉川を渡り、朝倉軍へと突入。その中で渡辺金大夫が
合戦も終った夜、信長は金
大夫を呼び寄せ、褒美を手渡たすが、その他の六名の門奈左近右衛門
・伊達与兵衛・伏木久内・中山是
非之助・吉原又兵衛・林平六が抗議し、結局、信長は後日この
六人にも褒美を出したといわれこれが先行し広まったとの説がある。このように七本槍伝説はこ
の地方か
ら広まったことには違いがないが、長浜は木之本町の冨田酒造の『七本槍』、特に山田
錦40%の袋吊り斗瓶取り、タンクの
両端に棒を渡し、モロミの入った酒袋をその棒に括りつけて、
酒袋から滴り落ち
る雫だけを18リットル瓶に集める手間隙の掛かる方法)大吟醸はメロンの芳香
があり「日本酒の会」も一押しだという。創業が天保年間、創業450年以上という歴史のある蔵で、

かの北大路魯山人も愛しラベルの文字も彼の篆刻を使っている。

    

【七本鎗 「純米 シェリー樽熟成 2010 純米」を注文!】

清酒「七本鎗」シチホンヤリは、天文年間(16世紀半ば)より地元の江州米を使った酒造りをし
てきました。今で言う地産地消、スローライフを地で行くような酒蔵の歴史。21世紀の今、井の
中の蛙も15代目となり漸く外界へ目を向けなんとしていると当主が語る
七本鎗。手間のかかる木
槽で搾ってこその旨さが七本鎗にある。共通しているのは香りを押さえてふくよかな味わいと切
れの良さ。そして冷やでもお燗でも美味しい辛口タイプで純米酒は幅広く料理に合う。


その冨田酒造が三年前、スペインから輸入したシェリー樽(オロロソ)に火入れの七本鎗純米を
入れ熟成させる。洋酒のBARのオーナーと話をしていた時に出た話題をきっかけにスタートした
挑戦だという。シェリーの香りと純米酒の旨味がバランスよく融合し新たな感覚のお酒になった
ということだ
。純米酒は2011年6月より数ヶ月の間樽熟成しその後瓶貯蔵していたもの。早速、
通販「酒のかわしま」にワンクリック注文する。配達され早速開封し頂く。辛口だが甘い!それ
が第一印象、そして、ボデガス テレサ・リベロ社のマンサニージャサンケーニャのようなワイ
ンの表面に浮かぶ酵母の膜独特のフロール香と酸味がしスムーズかだが、どのように表現して良
いのか独特の刺激が残る(少し改良の余地があるかな?)。勿論、ワインではなく、淡い琥珀色
の冨田酒造産日本酒であるが、シェリー酒と日本酒のコラボ意図の創作日本酒は成功したと思う。
これで日本酒のイメージが変わりアジアだけでなく欧米にも拡販できるだろう。

この創作日本酒に合う料理はと考えてみたが、冷蔵庫から市販のプロセスチーズとおかめ納豆を
とりだし肴として試食。チーズは想像していた通り違和感なし。納豆は出汁と芥子を和えて飲ん
でみたが、これは想像以上に美味いという感想だ。また、このお酒にはオリーブオイル(キャノ
ールオイルでも良い)たっぷりのスペイン料理のアヒージョや日本の一夜干しなどの魚介類の干

物との相性は良いだろう。左下の写真は、定番のエビのアヒージョだが、ブラックタイガー、に
んにく、
鷹の爪、アンチョビー、オリーブオイル、ローズマリー(タイム)、塩コショウ、パセ
リで簡単に調理できちゃうから、冷蔵庫にストックしておけば楽しめる。また、そのアレンジで
「味噌アヒージョ」(右下の写真)である。アンチョビ・塩胡・椒の替わりに八丁味噌の味
をつ
けた和風アヒージョ

  

勿論、特に近江の国の地酒は滋賀あふるる銘酒揃いだから日本酒に事欠かないことも大きな特徴
だが、今夜は。七本鎗 「純米 シェリー樽熟成 2010 純米」を1本頂きました。

 

コメント

発熱するスマホ

2014年02月23日 | 時事書評

 

 

 

【発熱するスマホ】 

国民生活センターは、スマートフォンの充電端子の焼損や、本体の発熱に関する相談が急増
ているとして、消費者に対し注意喚起を行うとともに、寄せられた相談内容をもとにした
調査
結果を公表した。国民生活センターでは、充電端子の取り扱いに毎回注意し、発熱した
本体は
肌に長時間接触させないよう案内している。今回対象となった「スマートフォンの充
電端子の
焼損や本体の発熱等」に関しては、2009年度~2013年度12月31日までの4年弱の間
に、合計1032
件の相談が寄せられた。このうちやけどや、やけどしそうになった「危害・危
険情報」に区分
される相談は268件。いずれも、2012年度から相談件数は急増しており、2013
年度は前年の同
時期と比較しても増加傾向にあるという

尚、調査では具体的な事例も紹介されており、充電端子部分が溶けて焼損したり、就寝中に本
体に
長時間触れて低温やけどを負った事例、通話中の発熱により頬に低温やけどを負った事例
などが明らかにされている。焼損の事例を受ける中で、個々の事例の原因調査や、事例を再現
するテストも実施している。ただし、焼損の事例では明確な原因の特定には至ってい
ないとい
う。電端子が焼損した1つの事例では、microUSB端子内部の5本の端子のうち、5V電源用
の1番ピン周辺の損傷が最も激しかった
。別のテストでは、この1番ピンを意図
的に破損させ
て充電すると、接点部が異常に過熱することも再現されている。一方で、300回のmicroUSB
子の挿抜テストでは、同型の製品において端子の損傷はみられなかったほか、調査を依頼され
た事例では、焼損した端子部分に異物の痕跡は確認できなかったという。  

 
本体が発熱するという事例では、依頼を受けて当該の端末を調査すると、ゲームやテレビ電話
を使用すると10分程度で本体上部が最大54℃、背面側で最大58℃にまで上昇。このとき、温度
の上昇を防ぐため、画面には警告が表示されてアプリが終了する仕組みになっていた。また、
バッテリー部分は発熱していなかったことから、発熱の主な原因はCPUへの負荷が増大したた
めとしている。国民生活センターでは、消費者に対し、スマートフォンを充電する際は、充電
端子の取り扱いに毎回注意するよう案内。低温やけどを防止するため、充電や使用中に肌に長
時間密着させないようにも案内している。

CPUの過負荷による発熱、低温火傷の体験はマイピーシーで経験済みである。使いう側のリテ
ラシーを上げて緊急避難するしかないが、余裕を持った熱設計にするためのメーカ努力と大事
に到らぬための取り決めルールを早急に決めることも大事だろうと感じた。 


 1999.09

【アベノミクス第三の矢 成長戦略論】

アベノミクスの「第1の矢(大胆な金融政策)」と「第2の矢(機動的な財政政策)」が経済
(生産物市場)の需要サイドに作用する一方、「第3の矢(民間投資を喚起する成長戦略)」
がその供給サイドに作用することによって、アベノミクスがめざすところの「成長による富の
創出」に寄与しようとしていることを説明した。そして、これらの3本の矢が一緒になって初
めて、日本経済の成長に寄与することを、報告書「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」とそれを
進めるための「日本再興戦略 中短期工程表」に示されている。また、この報告書に対する批
判も出そろっている。

 

ここでは、一旦、この報告書を離れ、過日、このブログの『未来共有への合意形成』で紹介し
たた吉本
隆明著の『僕なら言うぞ!!―世紀末ニッポンの正しい眺め方、つきあい方』の第三
章「『不況』をさらに深刻にする奴ら」を手がかりに"成長戦略"について考えを進める。


  ●国がなくなっても大丈夫

  まずこの不況のとらえ方に大きな前提があると思います。
  第一に、判断がどんなに遅くなってもいいですから、自分の直感に映った光景を信じる
 べきだと思います。自分が温泉や行楽地に遊びに行ってみたら、まるでさびれた死の街み
 たいで、うそ寒い思いが実感されたら、それが「不況」「大倒産時代」の本当の姿です。
 決してテレビや報道機関に出てくる明るい話とか希望的な観測や言論に惑わされないでも
 らいたいです。
  そうとうに見識のある専門家でも、自分が「不況」や「倒産」や「リストラ」でさしあ
 たり困っていないときは楽観的な言論になるものです。そんなものより、巷や繁華街や歓
 楽街で道を行く人や遊び人が、こそこそ、ひそひそと、何となくこう思えてならないと話
 している実感の方が正確です。何よりもそれは個人消費が低迷を続けている証拠ですから。
  僕の知人で、ボール箱をつくる中小企業をやってる人は、銀行が貸し渋っています、と
 話してました。
  銀行が貸し渋っているのは、一つは、貸すと返ってくる公算が少ないかもしれないとい
 うことで締めているのかな、という気もします。そうじゃなければ、日和見してる状態な
 のか、それとも、銀行にお金が本当になくて、少し大規模になると貸すだけの金もないの
 かな、とも思います。
  敗戦直後などは、四、五ヵ月、厳密に言わなければ一年か丁年半ぐらいですが、その間、
 日本国政府はなかったわけですよ。
  戦争やってたけど負けちゃったと言って、戦犯になりそうな人は逃げていなくなっちゃ
 うし、そうじゃない人だって、もう知らん顔して、ただただ責任逃れになってしまう。み
 んな投げ出して、それまで食糧の配給はどこそこがこうやってとか、どこそこが指示をし
 てとかやってたんだけど、誰も何も言わない期間が、ありました。
  だけど、人間というのは、国がなくなったって生きるもんだな、というのが僕の実感で
 した。
  なけなしの金や衣類を食糧に代えて食べつないでました。明日食うものがなきゃしょう
 がないからというんで、とにかくあり金をみんな集めて、僕らだったら京成電鉄沿線の千
 葉県の農家にお芋か何か買い出しに行って、それを食べるとか、それをまた近所で何かと
 物々交換して食いつなぐみたいなことをしてきたわけです。
  警察官も形の上では取り締まるために、ときどき電車の中で臨検みたいなのをするんだ
 けど、そんなことしたって、取り締まるほうだってやる気もないわけです。上で命令する
 政府がないんだし、それに自分たちも食べなくては生きられない点では同じですから、同
 情心もあります。つまり、無理なこと言う気もないから、あんまりやかましくないんです
 ね。みんな、どうせ食えねえんだから、といって連帯意識を持ってるから、臨検がどこそ
 こであるぞとかいうようなことも、ちゃんと自然に伝わってくるんです。
  そうすると、前の駅で降りて、ひと電車遅らせるとかして、それを逃れて運んできて、
 お金がなくなると、その次は衣料品で交換する。
  そうすると、食糧品は生きていく上で欠かせないものだから、農家は威張っちゃって、
 何て野郎だと思うんだけど、しょうがないんですね。頭下げて、俺のところでは売らねえ、
 と言われると、また次に行って頼むわけです。
  とにかく何とかして食いつないで、その間政府なんてのは何にもない。もちろん世話し
 てくれる人は誰もいないから、自分で食うよりしょうがないよなというんで、みんなで食
 いつないで、それでついに餓死したというのは、僕はあんまり聞いてないんですね。配絶
 品しか食べないで餓死したという裁判所の判事(注8)が新聞に出たりしたけど、それぐら
 いのことしかなくて、とにかく何とかかんとか、みんな食いつないでいた。
  厳密には数カ月、でも一年半ぐらいはそれでもって優に生きられるもんだ、というのが
 実感でした。
  そこまで開き直って覚悟を決められたら、現在の日本の生活水準なら、まだまだ何かや
 れる余地があるのではないでしょうか。
  例えば新しいベソチチャー企業を共同で工夫するなど、いろんなことができると思いま
 す。
 しかし正直に言って「不況」「大倒産時代」「リストラ」など、すべて政治・金融・企業
 体の首脳の無能さの責任であるとともに、そこから脱するカギを握っているのも、今のと
 ころそういう連中です。これはどうすることもできないほど口惜しいことですが、僕ちの
 いうことが消極的な口振りになってしまうのはそのためです。
  とはいえ、国民の上に立つ彼ら政府や政党などに、いい気になってもらっては困ります。
 知識人もそうです。よく知識人などが選挙に当選すると、「おめでとう」とか言って、万
 歳、万歳とやっているでしょう。何がおめでたいもんですか。当選したなら死ぬ気で政治
 をやれ、国民大衆のことを忘れるなと言いたいですね。
  こういう経験を積み重ねてゆくことで、無能で一般国民をないがしろにする首脳を政治
 から排除していくことがいずれできるようになると思います。

   ●みんなこうして喰いつないでいる

  できるだけ実感と経験に近いところを例にするのがいいと思いますから、出版と物書き
 の世界を例にとります。
  僕らの知っている出版社で、出版業としては大きいところ、例えば中央公論を例にとる
 と、読売新聞社と合併して吸収されています。社員を「リストラ」しないという条件だと
 報道されていました。これは名のある大出版社や、老舗といえる名跡の出版社だったら可
 能な「不況」の切り抜け方です。
  自己破産を宜して新社をつくり、借財を完済するというやり方は、「不況」でなくても
 行なわれてきました。
  名もない中小の出版社で、散十人から散人でやっているところは倒産するか、または開
 店休業状態にして在庫をさばくために、社員を「リストラ」縮小しつつ「不況」をやり過
 ごす方法をとっています。
  物書きから見ますと、資本主義はいい文学者、いい作品を金銭的にか、名声によってか、
 助けました。けれど超資本主義は消費者(読者)本位に動きますから、必ずしもいい文学
 者、いい作品を助けてくれません。その代わりに消費者(読者)の多い大衆性・娯楽性の
 ある作品を助けます。そのことが、消費者(読者)の少ない作品や作家を、ますます困難
 におとし入れているわけです。この現状に照らして、出版社はどうすればいいのでしょう
 か。
  一つは、たとえ読者がI人もいなくなっても、いい作品、いい作家を経済的に援助し、
 ますますいい作品を書けるように尊重することです。もう一つは、盛んなだけで大衆性・
 娯楽性で読者をたくさん得ているにすぎないように見える領域から、珠玉のような作品を
 発掘する努力を惜しまないことです。資本主義時代には活字など見向きもしなかった人が
 読者(消費者)として登場してきたのが、超資本主義社会の特徴ですから、必ずその領域
 にいい作品、作家が埋もれています。
  ところが今、一般的に出版社が使っている方法としては、社員の給与やボーナスを切り
 下げ、物書きには印税や原稿料の支払いを小刻みにし、遅延するというものです。理屈か
 らいえば支払いを小刻みにし、無限に遅延すれば、支払いはないことと同じになります。
  また、これまで堅い本ばかり出版し、それを誇りや自慢にしていた出版社が武家の商法
 で、急ごしらえの軟らかい本をつくったりして、じたばたしてみるという方法を採ってい
 るところもあります。
  物言きとしての僕自身、支払いが遅れがちで、寒い雰囲気がただよっています。
  また、自分でこの本はどのくらい売れるはずだという予測が、かなり正確に自己評価で
 きるのですが、それが発行部数を減らされたり、刻まれたりすることから「不況」を感知
 します。
  物言きとして「不況」に対応する方法は、今のところ1つしかありません。それは内容
 の程度を落とさないで、易しい文体表現を工夫して試ること。それだけの能のない話です。
 直版式の販売方法もとれないことはないのですが、これは気心の知れた出版、編集人の協
 力なしには、物書きには不可能に近い方法です。
  この「大不況」に遭遇して出版社を含む企業体のとっている対策はみんな間違っていま
 す。交際費、出張費を減額節約し、恒常消費を電燈の点滅までやかましく強い、支出は引
 き延ばし、社員を「リストラ」して減らす、というやり方です。
  「リストラ」の金銭的な効果がいかに少ないものか、そして心理的(精神的)な不安効
 果がいかに大きいものかについては、先に少し触れました。「リストラ」だけではなく、
 今ここにあげた節約の方法もまた、いかに無意味に近い支出節約にすぎないか。「リスト
 ラ」の場合と同じように考えてみると、よくわかります。
  僕が企業体の責任者だったら「不況」対策としてやってみたいことは、まるで反対のこ
 とです。
  社員の給与を増大させ、商品は多種多様化させ、安価でしかも品質を落とさないように
 する。あるいは社員には給与を増大させる代わりに、多少の創意や労働意欲を増進させて
 もらうことです。もちろんこれは政府が、第三次消費産業が求めるだけの公共投資をつぎ
 込むことが、大きな助けになることを前提とします。
  また、これは第三次産業のサラリーマソ、労働者が全体の60~70%になっていると
 いう現状認識がなければ、できるものではありません。しかし、僕ならそういう直接的か
 つ積極的な方策をとって個人消費の増大をはかるでしょう。
  僕には「不況」を防衛する一般国民という受身の場所しか持っていないのが残念でなり
 ませんが、為政者や金融・経済のエキスパートが本気になれば「不況」からすみやかに脱
 する手段は、まだいくらも残されているはずです
  これがもしも駄目で、今度はいよいよ日本の不況は窮まった、いよいよアメリカが乗り
 出してきた、金融専門家を送り出してきた、というふうになったら、敗戦の時と同じで、
 責任を持つやつが誰もいなくなっちゃって、どうしたらいいんだ、ということになりそう
 な気がしますね。
  そうなると、そうとう覚悟しないと、もしかしたら本当に食糧を食いっぱぐれちゃうよ、
 ということを誰もが考えなきやいけない、ということになるかもしれない。遂にそこまで
 行かない限りは、何かかんかして、便法を使って食っていくことは、不自由でもできない
 ことはないです。

  ●物書きとしての不況対策

 
  大きなことを言うな、お前はただの在野の▽介の物書きにすぎないのだ、まずお前が破
 産しないようにしろ、余計なおせっかいはするな、というところに還りましょう。
  お前は物言きとしてどんな「不況」対策をもっているのか、またどうしようと思ってい
 るのか、という問いは、自問自答の形でもやってきました。
  また「物書き」とは何なのか、職業として成り立つものか、時代の「不況」に遭遇して
 どう切り抜けるつもりか、これは他人から問われる前に、十分な答えを持っているはずの
 ものです。
  僕の物書きとしての「不況」対策は実行する段では難しいですが、言葉で言えば簡単で
 す。
  第一に、できるかぎり易しい表現の仕方をして、しかも少しも程度を落したり、読者を
 なめたような説教にならないことを心掛けること。
  第二はどんな分野のことについてもおそれや好き嫌いを排して、主題として立ち向かう
 こと。
  第三に、残業につぐ残業で仕事時間をのばすこと。
  これは今までも職業的には心がけてきたことですが、それを改めて意識的に試てみるこ
 と。それからどんな職業人でも同じですが、「不況」を正面に据えて、むだな心身の負担
 を重くしないことです。
  なぜ無能な政治家や官僚や経済人のお陰で俺がそんなことをしなければならないのかと
 考え出すと腹が立ってきますが、腹が立とうが、疲労が重なろうが、即物的に生きるぞと
 いうことを最優先します。
  本当に芸のない話ですが、身体さえ大丈夫ならすぐできることですから、まずこれで
 「不況」を切り抜けられるかどうかやってみることにしましょう。どこまでやれるかおな
 ぐさみ、というところです。
  太平洋戦争の敗戦期に比べて少しは経験と思考を蓄えてきましたから、見識だけのイメ
 ージは、日本国政府やアメリカよりも大きく高い視野で世界経済を見ることができます。
 そしてこの大きな視野で世界を視ることを、国民一般ができるようになったときが、世界
 が変革されるときです。
  そのときには、無能な連中が「不況」をまねいた責任は、第一の敗戦時の戦争責任と同
 じように経済責任として、晴れて「物書き」の立場から追及させてもらいます。
  物を書くということは、物を読むことと同じで、文化です。けれど、同時に物を書いて
 印税をもらったり、本にしたりすることは普通の生産と消費、需要と供給の経済行為でも
 あり、物書きはたまたま生産者、読者はたまたま消費者です。
  創造が経済と背中合せにくっついて引きはがせないのが「物書き」という職業の特殊な
 本性で、すべてはそこから生じます。
  物言きというのは、今まで書き慣れてた文体とか主題とか、そういうことにこだわりた
 いものだし、しかも多少でも啓蒙的でないと嫌なんですね。そういう傾向があるんです。
 でも、お説教じみないで、ちゃんとしたことが言えてて、とてもやさしい言葉で書いてあ
 る、みたいなことができれば万々歳の理想だということなんです。
  それじゃなければ、本当にエンターテイメントというか、もともとそういう志向がある
 人なら、それで行けばいいわけです。推理小説を書いたりとか、物語をつくる能力がある
 人はそうやっていると思います。僕らみたいなのはそういう才能がないから、結局、自分
 のやってきたことでいくとなると、とにかくやさしくして程度を落とさない、というやり
 方が、唯一のやり方になるんです。
  あとは内職みたいな零細かどうかを問わず、とにかくどんな仕事でも請負っていって切 
 り抜ける。それだって、単に金銭的にみれば僕らはちょっと不服がのこる、やれと言われ
 てもなかなかできない抵抗感があります。
  でもそんな不器用な一手しか「不況」に立ち向う方法はない。そしてそれでも「不況」
 を切り抜けられなかったら、また工夫しなくてはならないでしょう。

                     -中 略-
  
  ●リストラされても自分を責めるな

  そのためには、出版資本である消費資本と編集者が奮起するほかないんです。
  だから、気分の対策としては今の状態だったら、まず、心配、深刻になることなく、お

 おらかに、気を強く持つ効用を言いたいとおもいます。
  倒産した中小企業、「リストラ」されたサラリーマソ、不正融資の責任を問われて検察
 に召喚されていた長銀の元副社長など、ニュース種になった自殺者の数と階層は多岐多様
 です。
  これは痛ましい限りのことですが、無能で無自覚な政府与党や、何もわからないでメダ
 カのように群れている旧左翼の連中にいくら説いてもわかりっこありません。
  現在も強い「不況」の進行度で死を選んだ人たちがいますが、当事者にまだ生きられる
 じゃないか、深刻になるなといっても無理なことは、よくわかりますし、誰だってそんな
 気持になるものです。しかし政党、政府の無能の犠牲になって死んだりするな、我慢づよ
 く生き抜いてくださいと、願うことしきりです。
  それに関連しますが、こんな深刻な目にあっている自殺者がある一方で、すぐ隣りでお
 笑いや遊びや娯楽が行われているという社会を承知し、赦すこともおすすめしたいのです。
 日本人が初めて本当に必要とする寛容さが、これですから。
  本なんか使利なもんで、僕はそういう覚えがありますけど、神田の古本屋街もこのごろ
 画万化してきて駄目になりましたが、かつては、こっちの本屋とあっちの本屋で、値段が
 ぜんぜん違う同じ古本が置いてあったりしたんです。そうすると、こっちで買ってあっち
 で売ればいいんじゃないかと思いました。本が骨董品とおなじく文化的な価値で価格が定
 められたような、古典的な古本が存在しえたころは、古本屋さんの価値判断の相違から本
 当にそのくらい格差があることがありました。ちょっと足はくたびれるけれど、古本街を
 回って、同じ本を安いほうで買って、高いほうで売ってやる。いざとなったらそれもでき
 たのです。
  だけど、今はそうじゃない。古本も個展も消費者(読者)本位で価格が作られるように
 なりました。
  結局、こういう時代にしてしまったのですから、誰がどう考えたって今の「リストラ」
 失業の本当の責任は、政治・金融産業の首脳たちの無能、失敗、ヘマにあります。
  つまり、「リストラ」されたものには何の落度もない。自分を責める必要はないわけで
 す。顔をあげ、胸をはり、目をしっかり見開いて、現実社会の有り様を見すえて、土台と
 なる手段を前向きに探すべきだと思います。
  寄り集まっていい智慧を出し合い、協力し合って新しい企業概念やサラリーマソ概念を
 つくりだすところまで、行けたらと思います。
  僕は希望的な観測も空想も一切述べようとおもいませんが、国民一般が黙って我慢して
 いるために、図に乗って改革をサボッているこの社会の指導的な立場の人たちは、今のま
 まで自分たちが国民から許されていると考えたら、大いなる錯覚だと思った方がいい。
  温和な日本の国民一般でも黙っていないときがくると思います。


                 吉本隆明著 『僕なら言うぞ!』第3章、PP.66-79



ここでは、『ハイ・イメージ論』などで展開されている「高度消費資本主義社会」論を踏まえ
つつ―
僕が企業体の責任者だったら「不況」対策としてやってみたいことは、まるで反対のこ
とです。(1)社員の給与を増大させ、(2)商品は多種多様化させ、(3)安価でしかも品
質を落とさないようにする。あるいは社員には給与を増大させる代わりに、(4)多少の創意
や労働意欲を増進させてもらうことです。もちろんこれは(5)政府が、第三次消費産業が求
めるだけの公共投資をつぎ込むことが、大きな助けになることを前提とします―の5つの政策
に集約されることは、わたし(たち)が主張してきたポスト・ケインズ主義的政策(『デジタ
ルケインズと共生・贈与
』)とほぼ同一とみなせる彼の主張だ、ただ、「環境リスク本位制」
時代に移行しているとみなす考え方とは、真っ向から対立する局面も想定されるから手放しで
と、いうわけではないが-基本線、同意させられるものである。
 
                                       
                                                      この項つづく                

 

 
    

今夜は、冨田酒造の「七本鎗 純米 シェリー樽熟成」とそのシェリー酒樽の産出国スペインの
アヒージ
ョのアレンジ八丁味噌アヒージョについてブログ掲載したかったが、明日にでも掲載
することにしたい。 

 

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深海魚の出現 海に異変か

2014年02月22日 | ネオコンバーテック

 

 

【深海魚の出現 海に異変か】

松江市美保関町の沖合にある定置網でこの冬、深海魚が相次いでかかっている。専門家は
日本海の低温が影響している可能性があるとみるが、詳しい理由は分かっていない。「見
つかると地震が起きる」との言い伝えもあり、漁師たちは海の異変を感じているようだと
毎日新聞報じている。見つかった深海魚は、ともに細長く鮮やかな銀色をした「サケガシ
ラ」と「リュウグウノツカイ」。いずれも水深200メートル以上に生息しているとされ
るが、詳しい生態は不明。美保関町笠浦の「笠浦大敷網漁業」では例年、冬場に数匹上が
る程度という。だが今シーズン、週に1度はどちらかが確認されている。13日に、約1メ
ートルのサケガシラ3匹が、沖合約1キロ、水深約30〜40メートルに仕掛けられた定
置網に入っていたという。 県水産技術センタによると、日本海周辺は1980年代後半
から暖
冬が続き、00年ごろからは夏の暑さも厳しくなった。しかし昨春から冷たい水の
層が海岸に近くな
り、この冬の訪れも早かった。近年と比べ、水温がやや低い状況が続い
ているが、日本海は天候の影響を受けやすく、低水温が深海魚の捕獲に影響している可能
性があると話しているというが、
地震が起きるとの言い伝えについては「科学的根拠がないの
で分からないという。全国的にも各地で深海魚が見つかっている。昨年7、8月には高知県の室戸
岬沖でサケガシラなど約80匹が定置網で捕獲された。今年に入ってからも、深海に住む「ダイオ
ウイカ」が鳥取、富山などの日本海沿岸で相次いで発見されている。

 

Fully Solution-Processed Flexible Organic Thin Film Transistor Arrays with High Mobility and
    Exceptional Uniformity


【世界初!実用レベルのN型有機半導体開発】

エレクトロニクス研究センタのグループと、宇部興産株式会社の共同で、有機溶媒に溶け
る新しいN型有機半導体材料を開発。電子移動度が3cm2/Vsを超え、かつ空気中で安定と
いう高性能なN型有機トランジスタを印刷法で作製することに世界で初めて成功。この技
術は、現在主流であるシリコンなどの無機材料で製造するよりも、低価格で軽量、さらに
柔らかさを備えた集積回路(IC)を製造可能にする。
空気中での安定性と、液晶ディスプ
レイなどに使われるアモルファスシリコンで一般的な0.5-1cm2/Vsを超える、3cm2/Vs
という高い電子移動度を兼ね備え、さらに印刷法が適用できるN型有機半導体は、これま
で開発の報告例がなかたといわれるが、
有機溶媒に溶ける性質と、高い電気特性を併せ持
つ有機半導体を開発したことで、オール印刷プロセスでの安価でフレキシブルな有機集積
回路の実用化が大きく加速しそうだ。今回の成果は以下のような技術の研究開発をベース
にから構成されている。


●短チャネルトップコンタクト型有機TFTTへの電荷注入層導入

フレキシブルディスプレイの駆動回路やRFIDタグ(電波個体識別)の集積回路に応用する
場合、高いオン電流や高速動作のため、短チャネルな有機TFTが必要となる。通常、フ
ォトリソグラフィ法によりパターンされたボトムコンタクト型素子では、コンタクト抵抗
が非常に大きくなると言う問題点がある。この課題の解決に、有機半導体層の上に短チャ
ネルな電極をフォトリソグラフィ法で形成するプロセスを確立。この
研究では、S/D(ソー
ス/ドレイン)電極として銅(Cu)を用いると同時に、電荷注入層としてMoOx(酸化モリブ
デン)を挿入した電極構造をフォトリソグラフィ法で作製することに成功し、有機TFT
の性能向上を実現。
有機半導体を先に成膜することで、ボトムコンタクト構造で問題とな
っていた、電極パターン時のチャネル領域の絶縁層へのダメージが低減され、結晶性の高
い半導体層を形成することができました。また、電荷注入層を導入することで、コンタク
ト抵抗に起因した特性低下を大幅な抑制に成功している。

 



●オール塗布法で作製した高移動度有機TFTのチャネル長依存性

移動度1cm2/Vs、高い歩留りを持つフレキシブルオール塗布プロセス有機トランジスタの
チャネル長依存性を測定。作製した有機TFT のチャネル長に対する移動度について、チャ
ネル長が小さくなるに従い移動度が向上するという、通常とは逆のチャネル長依存性を示
した。これは塗布形成された半導体層の結晶粒サイズが寄与していると考えられる。下図
に、作製したトランジスタのコンタクト抵抗を示す。VGS=­20 Vで1.83 kΩ・cmという値
が得られた。これは全塗布プロセスによるトランジスタとしては極めて低い値であり、良
好な電極/半導体界面を形成している。この低コンタクト抵抗と結晶粒サイズがチャネル
長依存性に関係していると推測されている。


●カルド樹脂をゲート絶縁膜に用いた高安定な有機TFT

有機薄膜トランジスタ(TFT)のゲート絶縁膜として、高い絶縁性、耐熱・耐溶剤性を有
し、電荷トラップの要因となる界面欠陥や不純物が少なく、膜の表面平坦性に優れる高分
子絶縁材料が求められている。これら条件を満たす高分子絶縁材料としてカルド(蝶番)
構造を有する高分子樹脂(下図1)に注目。カルド構造は、多数の芳香環を含むことから高
い耐熱性、透明性などの様々な特長をもつことが知られている。カルド樹脂をゲート絶縁
膜に用いた短チャネル有機TFTを作製し、その電気特性や動作安定性を明らかにした。

カルド樹脂ゲート絶縁膜はウエットエッチング後も優れた表面平坦性(RMSし、高い絶縁性
(>4 MV/cm)を示した。また、有機TFT の伝達特性(図2)から、キャリア移動度0.15
cm²/Vs、電流on/off 比10⁷以上が得られ、電流ヒステリシスのない良好なトランジスタ特
性が得られた。さらに、10,000秒のバイアスストレス(VGS=-20 V)印加後における閾値電圧
シフトの変動はわずか0.8 Vと安定した特性であることを確認。これは、電荷トラップの少
ない良好な有機半導体/絶縁膜界面が形成されているためと推測されている。以上の結果
から、カルド樹脂が有機TFTTのゲート絶縁膜として有望であると結論づけられた。

 

●印刷銀電極を有する有機TFTの曲げに対する特性劣化の解析

フレキシブルデバイスの機械的な応力(例えば曲げなど)に対する特性変化を解析した報
告はいくつかあが、その要因は解明されていない。電極、有機半導体、ゲート絶縁膜、あ
るいはそれらの界面など、曲げによって影響を受ける部位はいくつか挙げられるが、特に
有機半導体材料(低分子、高分子)に注目した研究は多くないが、異なる有機半導体材料
を用いてそれぞれ有機TFTTを作製し、曲げを加えている時の電解効果移動度を算出する
ことで、曲げに対する特性変化の要因を解析。PENフィルム上に有機TFTを作製し、
曲げ半径11~3.5mmで曲げ応力を印加。ソース・ドレイン電極は銀ナノ粒子インクをインク
ジェット法で成膜し、有機半導体にはペンタセン(低分子半導体)、PB16TTT(高分子半導
体)を用いました(下図1)。PB16TTTを有機半導体に用いた場合、ペンタセンに比べて曲
げを加えている時の特性変化を大きく抑制することが判明(下図2)。これはより成膜性
のよい高分子半導体を用いたことで電極と半導体界面のコンタクト抵抗を抑制できたと考
えている



●液晶性高分子半導体薄膜の成膜温度と結晶性の関係

液晶性高分子半導体pBTTT-C16の薄膜は、従来室温で成膜した後アニール処理を施すことで
結晶性を向上させていましたが、この成膜法では、溶液プロセスであるために溶液の乾燥
に長時間を要することと、さらなる結晶性の向上が見込めなかった。今回、成膜温度を高
温にすることで、溶液の乾燥時間を短縮し、さらに結晶性の向上できた。
溶媒にo-ジクロ
ロベンゼンを使用し従来法で成膜する場合、乾燥時間が60分程度必要であったのに対し、
成膜時の温度を150℃に上昇させることで、4秒という非常に短い時間で乾燥が終了させ
ることができました。また、従来と比較して、ポストアニール処理の必要がなく、成膜し
た時点で高い結晶性が得られていることが下図1からわかります。これは、成膜温度を高
温にすることで、溶液中の糸まり状であった高分子がよりほどけた状態で結晶化するめ結
晶性が向上したと考察しています。この成膜法で半導体を成膜したボトムコンタクト型ト
ランジスタは、最大で電界効果移動度μ=0.35cm2/Vsという良好な特性が得られています
(下図2)。
 

●自己組織化単分子膜で塗布型銀電極修飾による塗布型有機トランジスタの高性能化

塗布型有機薄膜トランジスタの電極には多くの場合、銀ナノ粒子を用いた塗布型電極が使
われているが、自己組織化単分子(SAM)膜で修飾した報告例はほとんどない。今回浸漬法に
より塗布型銀電極表面にペンタフルオロベンゼンチオール(PFBT)のSAM膜(自己組織化
膜)の形成で、トランジスタ特性の向上を確認。この結果から、チオール基をもつ電極修
飾剤が塗布型銀電極にも応用可能と判明。下
図1に浸漬時間による塗布型銀電極の仕事関
数と表面エネルギーの変化を示す。浸漬時間に比例して、仕事関数、表面エネルギーが変
化している。300 sで飽和し、仕事関数が4.70 eVから5.37 eVまで増加し、一方で表面エ
ネルギーは32.5 mN/mから29.5 mN/mへと減少。この変化はPFBTの末端基であるフッ素の影
響だと考えられ、SAM膜を形成したときのトランジスタ特性を下図2に明示。比較とし
てSAM膜を形成していない特性も明示。この
膜を形成することで特性が大幅に向上、ま
たこのデバイスのサイズ(L/W=4/986µm)では世界最高水準の移動度である1.21cm2/Vsを示し
た。



●塗布型微細銀電極を有する短チャネルBC型有機TFTの作製と評価

塗布法での微細な電極パターン形成技術は、現実的かつ高性能な有機デバイスを作製する
上で非常に重要。今回、サブフェムトリットルインクジェット装置を用いることで微細な
銀電極を作製するとともに、塗布系の有機半導体と高分子絶縁材料を組み合わせたボトム
コンタクト型有機TFT(OTFT)の作製に成功。ガラス基板上にゲート電極として、Alを30
nmの厚みで真空蒸着により成膜し、ゲート絶縁膜として、架橋PVP (430 nm)をスピンコート
で成膜しました。次に、ソース・ドレイン電極としてサブフェムトリットルインクジェッ
ト法により銀ナノ粒子電極(ハリマ化成 NPS-J)を形成し、150℃で大気中(1時間)で焼
成を行う。最後に、窒素雰囲気下において有機半導体としてpBTTT-C16をドロップキャス
ト法により成膜し、150℃で30分アニールを行い、有機TFTを完成。その後、大気中で
測定を行った。作製したソース・ドレイン電極の線幅は僅か8 µm、チャネル長は7 µmと
高分子絶縁膜上に微細な銀電極を作製することに成功(下図1)。 このサイズは通常のイ
ンクジェット法では作製が困難。作製した有機TFTの出力特性は、VDS=-20 Vで、ヒ
ステリシスが無く、線形な立ち上がりを示す良好な特性を示し、短いチャネル長において
も電極と有機半導体との間で良好なコンタクト実現していることが判明(下図2)。



以上、今回の技術開発成果を見てきたが、これはネオコンバーテック事業領域に含まれる
ものであり、夢のある仕事分野であることを強調しておきたい。





それにしても、スマホ発熱事故が気になるので、この問題については残件扱いにしてまた
考えてみる。

 

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電通線埋設化推進計画

2014年02月21日 | 政策論

 




【ベスト・ポリシーを語ろう(2) 大雪に学ぶ】

配電線、電話線及び光ファイバー等の各種のケーブル類を地中に埋設すれば、災害時の緊急輸
送道
路の確保、円滑な消防活動、台風・地震等の災害時に強い街づくり、高度情報化に向けて
の電力の安
定した供給、及び、通信の信頼性の向上等を図ることができることが知られている。
過日のブログ(『ベスト・ポリシーを語ろう(1)』の「大雪と国土強靱化政策」)で掲載し
たように環境リスク本位制時代にあって急ぐべき、ポスト・ケイジアン主義的政策の1つにこ
の電気通信網の地中化(無電柱化)の全国敷設計画が挙げられる。大雪で電気・通信線が断線
による不通に陥ることの恐ろしさをわたしたちは学んだわけだ。特に都市部に先行集中する感
のあるこの地中化政策はこの際改めなければならないだろう。逆説的に語れば、急ぐべきは僻
地から!日本列島の資産価値を向上させよう!と。これを裏付けるような、ジオリゾーム社と
不動産鑑定士足立良夫事務所(大阪市中央区)の共同の試算によれば、電線類地中化は、宅地
価格に対して、概ねプラス7%程プラス影響を与えるという調査結果もある(景観改善の無形
価値の評価加算は?)。また、特に都市部では、機能的な道路空間を形成し、かつ、美しい街
並みの実現に歩道に埋設した電線共同溝(CCBOX)にケーブル類を纏めて収納することに
より、道路を無電柱化することが進められているが、世界一の東京宣言の桝添東京都知事の誕
生で、世界の主要都市では百%近く実施され、ひとり取り残されれている東京都(7%弱の実
績しかない!)の政策推進への期待が寄せられている。

●防災的側面-台風と沖縄

毎年のように台風に見舞われる沖縄県も、防災の観点から地中化に取り組んでいます。県道路
管理課によると、宮古島では03年9月の台風14号で電柱約900本が倒れ、ライフラインが寸断さ
れたり、道路がふさがれる被害が出ました。県は04年度から5年計画で県内の幹線道約37キロ
の整備事業を進めている。うち11キロは沖縄本島以外の離島で、同課は「港や病院と住宅地を
結ぶ道路を中心に進めている」と言う。災害に強いという事例に、1995年1月に発生した阪神
淡路大震災があり、
倒壊 した電柱がが道路をふさぎ、垂れ下がった電線が火災を発生させ、被
害を拡大させた。ま
た、地中電線は 地震や台風などの自然災害に圧倒的に強く、街に 安心を
もたらし、地中電線
は架空電線の1/80 の被災率だったという。



●工事費用的側面

一方、最大の課題は巨額のコスト。共同溝設置は長さ1キロ当たり約5億6000万円かかるという。
工費は国・自治体と電線管理者の電力・通信業者が6対4で負担しているが、自治体の財政状
況や電力・通信の需要予測の難しさも絡み「頭の痛い問題」と国交省。復旧工事も地上の方が
容易で、「地中化すると被災場所の特定が難しい」という一面も指摘されているが、これは技
術的な対応で解決可能だ。しかし、同ネットワークは「電柱は災害時、命を奪う凶器にもなる。
災害に強い街をつくるには、地中化を一層進める必要がある」と力説します。国交省道路局地
方道・環境課も「防災や安全、快適な歩行スペースを確保する点からも地中化のニーズは高ま
っている。今後、自治体や電力会社の負担を軽くする制度を検討したい」と話している。
 


例えば、上図ではケーブル類の敷設、追加又は交換に容易に対応できるとともに、排水路に対
する汚泥除去のための清掃等のメンテナンス作業を容易に行うことができる
側溝ブロックの提
案である。従来のハイブリッド型の側溝ブロックでは、収納空間の内空断面
を余り大きくする
ことができず、比較的小さい貫通孔にケーブル類を通して配線する必要があ
るため、ケーブル
類の敷設作業に手間がかかるという欠点がや、保持部材が側壁部の内面に突設され、下水の排
水路がブロック本体の底部に形成されている場合、ケーブル類が邪魔になってブロック本体の
底部に清掃具が入り難く、汚泥除去のための清掃等のメンテナンスが行い難いという欠点があ
るためこれらを解決するために新規考案されたものである。

この技術の背景には、電線共同溝は、家屋へのケーブル類の引き込み距離を出来るだけ短くす
るため、歩道の官民境界部に沿って設置されることが好ましいが、歩道の官民境界部には、道
路や家屋からの雨水を下水に流す側溝ブロックが設置されている場合が多いため、電線共同溝
を設置したい位置が既に側溝ブロックが設置されている位置と重複することがある。このため
ケーブル類を纏めて収納可能な電線共同溝としての機能と、排水用の側溝としての機能を併有
する側溝ブロックがあった(従来2つのタイプがある。このうち、第1のタイプは上方が開放
された断面ほぼU字型のブロック本体と、その上方開放部を閉塞する蓋部材とを備えており、
ブロック本体の側壁部を長手方向に貫通する貫通孔にケーブル類を収納するようにしたものや、
2つめは、上方が開放された断面ほぼU字型のブロック本体と、その上方開放部を閉塞する蓋
部材とを備えており、ブロック本体の側壁部の内面にケーブル類の保持部材を突設するととも
に、ブロック本体の底部に下水の排水路を形成したもの)。

図 ケーブル類の地中化工法の施工手順を示す説明図


この問題解決するため、上図、ケーブル類5を纏めて収納可能な電線共同溝としての機能と、
排水用の側溝の機能を併有する側溝ブロック1は、左右の側壁部14とその下端部同士を繋ぐ
底壁部15とを一体にすることで、上方が開放されたブロック本体11の内部に着脱自在に装
着可能とし、その装着により、ブロック本体の内空断面を上部側の排水空間17と下部側のケ
ーブル類用の収納空間38とに区分する中底部材(底板部材12)とを備えた構造にしたもの。

 

Mao Asada's awe-inspiring comeback

  Mao Asada is back!

復活真央に期待!次回は金メダルだ! 

 

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トリチウムは除外できるか

2014年02月20日 | 時事書評

 





          君の好きな堺雅人が 電子レンジ開けてはしめる今日と毎日

          雪の日に猫にさわった 雪の日の猫にさわった そっと近づいて

          エアコンが変な動きをする中で寒中見舞い2枚仕上げる


                                    雪の日々 / 永井 祐   



現代の若き歌人の歌風を「雪の日々」から三首選んでみた。一首めは微分化日常性と意外性の
コントラ
ストを歌の主題を見取り、二首め印象的な猫の挙動の一瞬を読み取り、三首めはエア
コンが凍結防止動作中の冷え込みを「寒中見舞い二枚分のメタファ」を書き取ってみたが、詠
い手の(韻律の)流れと聞き手(読み取り手)の受動的な韻律(固有振動数)のギャップ(世
代断絶)感を残し過ぎった。そして、ふと、泉谷しげるの ♪季節のない街に生まれ~を口ず
さむわたしがいた。

   
 

                           
                                               

 【生物の起源 遺伝と異変とはなにか】

  遺伝と変異は高校の教科書ではとても大きな取り扱いを受けている分野である。『生物
 ⅠB』の1割強はこの分野の解説に費やされている。参照できた7種の文部省検定教科書
 は、すべて「遺伝と変異」と題する大枠の下でこの問題を取り扱っている。中身はほとん   
 ど大同小異で、田メンデルの遺伝の法則、②連鎖と組み換えと染色体地図、③性染色体と
 伴性遺伝、㈲遺伝子の本体、㈲変異、の5項目について金太郎飴のような解説が並んでい
 る。
  最も気になるのは、遺伝現象を遺伝子という情報の世代間伝達と同値していることであ
 る。DNAの複製という現象と、遺伝子が形質と対応しているという現象が、ともにあま
 りにも見事であったため、遺伝とはDNAの伝達のことであるとの錯覚にほとんどの生物
 学者はとらわれているらしい。遺伝現象と遺伝子の伝達現象は全くレベルの異なる話であ
 り、そのことは虚心に考えてみれば当たり前なのであるが、パラダイムにとらわれている
 と、人はときに当たり前のことを考えられなくなるのかもしれない。

  ヒトの子がヒトになるのは、ヒトになるための情報が親から子に伝えられるためである。
 これが遺伝とよばれる現象であり、その情報をになうのが遺伝子である。では、両親の性
 質はどのようなしくみで子に伝えられるのであろうか。また、遺伝子はどのような物質で
 できているのであろうか(実教出版・生物IB)
 
  親子や兄弟姉妹は、たがいによく似ている。このような現象がみられるのは、親から子
 へと遺伝子が伝えられるからである。
  この編では、遺伝子はどのような法則によって、親から子へと伝えられるのか、また、
 その法則はどのような実験によって明らかにされたのか、さらに、遺伝子とは、いったい
 どのような物質なのかを学ぼう(東京書籍・生物IB)

  ここに挙げたふたつはいずれも、「遺伝と変異」という項目の冒頭の文章である。遺伝
 現象について考えさせたうえで、その仕組みを探求しようという姿勢はまるでなく、遺伝
 子による情報伝達が遺伝現象の本質であるとの結論がまず与えられ、それ以外の素朴であ
 ったり、独創的であったりする考えはあらかじめ排除させるつもりらしい。三省堂、大日
 本図書の教科書も同じタイプ。啓林館、数研出版、第一学習社のものは、遺伝現象につい
 てのほぼ正しい説明があり、その仕組みとして遺伝子概念をもちだすという流れになって
 いる。結論はいずれにしても同じと言えば同じなのだが、考えるプロセスをとはしてしま
 えば、科学といえども宗教のご託宣と選ぶところがなくなってしまう。

  生物は、それぞれに特有なからだの形や性質をもっている。このような生物の形質は、
 親から子に伝えられる。親の形質が子やそれ以後の子孫に現れる現象を遺伝という。
 生物の形質は、どのようにして遺伝するのだろうか。また、そのしくみはどのようにし
 て明らかにされたのだろうか(第一学習社・生物IB

  これは第一学習社の「遺伝と変異」の章の冒頭の文章である。なにはともあれ、まずは
 こう書き出すのがスジではないか。啓林館の教科書も、「生物が、自分とよく似た子孫を
 つくるのは、親の形質が配偶子を通して子どもに伝わるからである」という記述からはじ
 まっている。数研出版のは最も簡明に、「親の形質が子に伝わることを遺伝という。遺伝
 のしくみはどのようになっているのだろうか」と書いたあと、いきなりメンデルの話に入
 っている。

 ●前成説は正しかった?

  なぜ遺伝という現象が起こるかについて、メンデル以前の人々も当然のことながら、さ
 まざまな仮説を考えていた。私見によれば最も合理的な説明を与えていたのは前成説であ
 る。極端な前成説は「いれこ説」と呼ばれ、18世紀におけるその主唱者はシャルル・ボネ
 であった。ボネは卵の中にホムンクルス(成体のミニチュア、もっともボネはホムンクル
 スの中の器官の大きさや位置は成体のそれの単なる比例縮小版ではない、と考えていた)
 が入っており、その中に卵が、その卵の中にホムンクルスがという「無限いれこ説」を考
 えて、遺伝と発生という生物学上のふたつの難問に一挙に答えようとしたのである。
  ボネの「いれこ説」は今ではバカげた冗談のようにしか思われないであろうが、S・
 J・グールドは大著『個体発生と系統発生』(工作舎)の中で、細胞という考えも、原子
 という考えもなかった時代において、「いれこ説」はそれなりに合理的な考えであったと
 評価している。当時、前成説と対立していたのは後成説で、形はあらかじめあるわけでは
 なく、発生に従ってつくられてくると主張したが、その理由については答えることができ
 なかった。
  現代的な観点からすれば、前成説は形ができるためには、あらかじめ何かが存在する必
 要があると考えた点で正しかったが、形そのものが存在しなければならないと考えた点で
 間違っていたといえる。現代遺伝学は、あらかじめ存在するのは形のミニチュアではなく、
 は遺伝子の情報を解釈して形質を発現させる細脳内の複雑なシステムである。遺伝子は単
 独では形質をつくることはできない。遺伝子が形質をつくるためには必ず生きた細胞が必
 要である。目をつくる(と言われている)遺伝子を試験管の中に放り込んでおいても、目
 は決してできないのである。だから、
  
  形質を現すもとになり、親から子へと伝えられるものを遺伝子といい、今日では、これ
 がDNAという物質であることがわかっている(三省堂・生物IB)

  という記述は必ずしも正確ではないのである。
  生物が子孫に伝える鍛小単位は、細胞であって遺伝子やDNAではない。動物は卵や子
 ども(もとはひとつの受精卵だった)を生むのであって、DNAを生む生物はいない。従
 って真に遺伝されるものは細胞、真に遺伝されることは生きている形式(生命システム)
 である。このシステムはDNAの情報を解釈して個体をつくり形質を発現させる。DNA
 は遺伝されるものの一部でしかなく、DNAがになう情報は遺伝されることの二部にすぎ
 ない。
  もし、生命システムがすべての生物で同じならば、個々の生物の形質の違いを決める最
 終決定権は結局はDNAに帰し、遺伝現象はDNAに還元できる、と思われる人がいるか
 もしれない。しかし、どうやらそうではないらしい。脊椎動物の目の形成に関与する親玉
  遺伝子はバックス6遺伝子といい、ショウジョウバエの目の形成に関与する親玉遺伝子
 (アイレス遺伝子という)と相同(DNAの塩基配列がほぼ同じ)である。ほぼ同じ遺伝
 子が脊椎動物ではレンズ眼をつくり、ショウジョウバエでは複眼をつくるのだ。バックス
 6遺伝子をショウジョウバエに入れて、脚などに強制的に目をつくらせると複眼ができる
 ことからも、脊椎動物とショウジョウバエの、遺伝子の解釈システムは異なっていること
 が示唆される。
  ところで、解釈系によって受け入れられる情報は、何もDNAの遺伝情報とばかりは限
 らない。たとえば、遺伝子は正常なのに、胚を特殊な環境にさらすことによって、遺伝子
 に異常が起きたのと同じ表現型をつくることができる。これを表現型模写という。ショウ
 ジョウバエの幼虫や蛸を35~37度に短期間さらすと、短の横脈が欠失する表現型模写が現
 れる。この場合、この範囲の温度が変異遺伝子からの情報と同じに解釈されたわけである。
  このように考えると、DNAによってになわれている情報と、環境からの情報を、同一
 の枠組みの下で説明することができる。どちらの情報も、細胞内部にこの情報を受容する
 システムがなければ、そもそも情報として機能しない。システムを破壊する情報は、DN
 Aによってになわれている場合は致死遺伝子となり、環境からくる場合は致死性の環境因
 子ということになろう。DNAは細胞内部にくくりつけの情報であり、DNAの複製を通
 して遺伝される。
  高校の教科書には例外なく「変異」が扱われており、突然変異と環境変異のふたつが対
 立概念として取り上げられている。前者は遺伝する変異であり、後者は遺伝しない変異
 ある。遺伝しない環境変異はどの教科書でも例外なく、連続的な正規分布をもつ変異とし
 て扱われている。しかし、正規分布になるような環境変異は、環境からの情報を細胞が受
 容して、形質発現させたものと考えるよりも、むしろランダムなゆらぎによるものと考え
 たほうがよく、システムに作用する情報という観点からは突然変異と対になるようなもの
 ではない。

                  池田清彦 著 『新しい生物学の教科書』 第2章 


ここまで読んできて、はっとさせられることがあった。それが最後の傍線部である。これは続け
て読み進めなければならないと。

 

  

【トリチウムは除外できるか】 

福島原発の事故処理排水忠にトリチウムの除外問題が話題となっている。 放射性セシウムなどはイオ
ン交換樹脂や吸着剤などを用いて回収できるが、実用的な排水中のトリチウム除外方法できたと
いう情報を耳目したことはない。もっとも、国際核融実験炉(ITER:イーター)での実験や
特許技術情報の中にはトリチウム除外回収ができそうなものもあるが実用段階でないはないと思
っているが(下の3つ図参照)、諄いようだが決定的なリスク回避のためにやらなければならな
いなら、国の命運をかけてでも実用化させなければならないと考える。

ところで、トリチウムについては過去にも取り上げているので割愛するが(『三重水素事変前夜
』)、その処理法については再度掲載しておこう。因みに、上の3図の方式は、⑥の「水-水素
交換法(液層法)+電解法」である。

① 水蒸留法:H20、HT0、T2Oの蒸気圧の違いにより分離する方法で、理論的に環境レベルま
除去することが可能だが、比揮発度がほぼ「1」に近いため、単位段数あたりの分離性能
は小
さく、建屋を含め、非常に大規模な設備になる。エネルギー消費が大きいことに加え、
故障時
の対策に十分な留意が必要。


② 深冷蒸留法:・水素ガス(H2、HT、T2)の沸点の違いにより分離する方法で、極低温にする
必要があり、エネルギー消費が大きく、処理量も小さく、冷媒喪失時のガス漏洩対策に十分な
留意が必要。

③ 水-水素交換法(気層法):触媒を用いて高温下で水素原子の置換反応を行う方法で、高濃
度トリチウムを対象とした技術で、ガス-ガス反応であることから多段効果を得ることはできな
い。


④ 水-水素交換法(液層法):触媒を用いて低温で水素原子の置換反応を行う方法で、高濃度
トリチウムを対象とした技術で、塔内に液を均一に分散させるための内部構造が複雑な
ため、
処理流量に上限がある。


⑤ 電解法:カソードで発生する水素ガスには電解液中の同位対比に比べ重成分が少なくなる
とを利用し、エネルギー消費量が大きく、多段カスケードを構築するとその消費量は甚大
にな
る他、不純物の影響を受けやすく、当手法単独では不利。


⑥ 水-水素交換法(液層法)+電解法:二種類の技術を組み合わせたもので、高濃度トリチ
ムを対象とした技術で、処理量に上限があり、「ふげん」で採用されたアルカリ電解槽はアル
カリを取り除く工程が必要。


⑦ 二重温度交換法:
高温状態と低温状態の同位体化学平衡シフトを利用した方法で、重水製造
を目的としたもので、トリチウムに適用する場合は濃度の制御や操作性に難点を持つ。

尚、トリチウムの無毒化の困難性は「化学者のつぶやき トリチウム」で記載されているので一
読願いたい。補足すると、水の形のトリチウムは、水素の形のトリチウムと比較して、生物学的
危険性が1万倍以上大きく、法令による取り扱い制限も当然厳しい。また、水の化学形を持つ
水素同位体には,次の六つの組み合わせがある.HO、HDO、HTO、DO、DTO、TO(H;軽水素、
D;重水素、T;トリチウム)通常HO を軽水,DO を重水と呼び、核融合炉でいうトリチウム
水とは通常HTO を指す.これらの6つの化合物の蒸気圧は,左から右に行く程少しずつ小さくな
る。一般に蒸気圧の異なる物質は、蒸留により分離・精製することが可能である。水蒸留法の分
離の原理は蒸気圧の異なる2種類以上の混合液を蒸発させた場合、液側の組成に比べて蒸気側に
は蒸気圧の高い成分がより多く含まれることを利用し各成分の分離を行うものである。さらに、
今回、下記のように新規考案を恣意的に選択してネットで下調べしたものを参考として掲載して
おく。志ある者として「この技術でチャレンジ!」と手を挙げるひと達の出現を願って止まない。
 
 

 
●要約

トリチウム水蒸気含有ガスは、トリチウムガス生成塔に導かれ、白金触媒に接触→トリチウム
水蒸気のトリチウムと水素ガスの水素の交換反応によりトリチウムガスが生成してトリチウム
ガス含有ガスが発生する(HTO+H→HO+HT)、ここで、白金触媒は、水蒸気(H
O蒸気やHTO蒸気)の結露活性が失われるためヒータを設け常に40℃以上の温度に保って
結露防止→トリチウム
水蒸気除去部と水素選択透過器を含む水蒸気除去部は、脱湿器であるモル
キュラーシーブ充填塔を備え、このモルキュラーシーブ充填塔を流下させることでトリチウムガス含有ガ
スから水蒸気(HO蒸気とHTOの蒸気)を吸除去→脱着再生のトリチウム水含有水を戻し導管で貯留
槽に戻す→トリチウムガス含有ガスは、水素選択透過器透過器(パラジウム膜)で、水素およ
びその
同位体を選択的に透過→トリチウムガス含有ガスからトリチウムガスと水素ガスを分離
(排ガスは、トリチウムガス含有ガスにトリチウム以外の放射性核種が含まれていると、その
放射性核種を含むので排ガス処理系処理)→水素選択透過器の処理で得られたトリチウムガス
と水素ガスは、酸化部である酸化反応器に導かれ、そこで酸化され水蒸気に戻される→酸化反
応器で発生した水蒸気は、冷却器で凝縮されてトリチウム水含有水となり、トリチウム水貯留
槽18に貯留→
高濃度なトリチウム水含有の放射性廃液を密閉保管が容易な放射性廃液に変える。


●要約

トリチウムを含む水素と水素化合物ガスを酸化させ、酸化で生じた水分を含む湿潤ガス中から

水分を捕集する吸湿部材を収納した吸着装置で、ハニカム構造の吸湿部材が、吸湿材に対し15
~40mass%の造形材を混合して成型したものを用いることで、吸湿性能を低下させずに流体抵
抗を効果的に低減して、移送ポンプ系や容器配管系への負荷軽減し処理することができる。

 
●要約

癌治療のホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で、中性子源のリチウムターゲットで発生する水
素とその同位体元素であるリチウム(三重水素)を、リチウムが循環流通のリチウムループ
から除去するトリチウ除去装置で、ここでは、明記されていないが、例えば、特開2005-127
718のトリチウム回収系を用いて、さまざまな形態のトリチウムを含むガスを、プラチナ担持ア
ルミナ等からなる触媒塔で酸化しトリチウムを水の形態に変えた後、無機系吸着剤のモレキュ
ラーシーブを充填した非磁性ステンレス鋼製トリチウム水吸着塔で吸着・除去する(下図参
照)。





※純水からの分離テストで汚濁水からの分離ではない。
核融合炉トリチウム水処理システムの研究開発動向、J. Plasma Fusion Res. Vol.83, No.6
 (2007),PP.545-559
※技術ポイントは(1)排水という多種放射性物質や異物の混在が前提、(2)トリチウムな
 どの放射性物質からの中性子による樹脂や金属材料、触媒の劣化など耐久実験は不可欠であ
 ること(3)水素など気相を取り扱うプラントは、爆発や装置規模の大型化などの熟慮(4)
 冷却・加熱操作の条件によれば熱力学的設計の熟慮などが挙げられる。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント

生物の起源を問う(1)

2014年02月19日 | 新弥生時代

 

 


【技術革新情報とその処理】

このブログをはじめて5年になるが、情報処理術も少しは上達したこともあり、検索速度の向上
により膨
大な量になりそれに伴う眼精脳疲労の負荷も逓増するが、問題は情報量ではなく、その
質にある。といっても、その情報の価値を推し図り、仕分けストレージするのも自分自身である。
特に、科学技術向上の情報収集は半端じゃなくめざましい昨今だと実感する(『爆発する技術革
』)。今夜はその一例を考えてみる。その上で、発展著しい再生医療をはじめとした生物工学
(『成熟に向かう新弥生時代(2)
)の研究開発事例を俯瞰し、その大本の”生物の起源”について
考えてみる。


●微粒子を密度差により簡便に分別する



従来、細胞や化学合成された粒子等の、粒子毎に異なる性質の粒子群を分別する方法として、質
量差により分別する方法、大きさにより分別する方法、密度差により分別する方法等、さまざま
な方法が知られている。
例えば、異なる密度を有する粒子群を密度差により分別する方法として
は、密度を調節した分離液を用いる沈殿平衡法や沈殿速度法、遠心分離法等の方法が挙げられる。
また、粒子として細胞を分別する場合には、細胞等の生体試料が有する固有の免疫学的な特性で
ある特異的な抗原抗体反応を活用し、磁気粒子や蛍光分子を結合させ、磁気細胞分別または蛍光
活性化細胞分別のような細胞分別機により分別する方法や、マイクロ流路を用い、電気泳動や凝
集剤等を用いた方法も検討されている(特許文献7を参照)。また、マイクロ流路で超音波やピ
ンチド流路を用いて密度に従って粒子群を分別する装置(非特許文献1,2を参照)および微粒
子群を分級する方法が開発されている。


ストークスの式に従い、一定方向に流れる分別液中を、より高い密度を有する粒子群は、分別流
路中の
比較的下方向の領域を流れ、また、より低い密度を有する粒子群は、分別流路中の比較的
上方向の領
域を流れる。つまり、密度の差に従って粒子群が重力方向に異なる挙動を示すため、
粒子径(サイズ)が
同じであっても、異なる密度を有する粒子群を分別し回収することができる。
従って、粒子に重力負荷等
の大きなストレスをかけずに、短時間で粒子群を容易に分別すること
ができ、分別した粒子群を容易に回
収することができるという効果を奏する。この技術は卵子や
体外受精卵など、細胞の分別に応用できる

JP 2013-252510 A 2013.12.19

● 装着するだけで重要データを防御するセキュリティバリアデバイス

従来、パーティション単位での保護やファイルを保護領域に移動させるものはあったが、システ
ムの記憶
装置に全く手を加えずにファイルやデータブロックを自由に指定して防御できるような
技術はなかったが、防御対象のシステムと周辺機器を繋ぐIOポートを中継する形で装着すること
で、セキュリティの強化を行う。


 JP 2008-271538 A 2008.11.6

 
【CO2分離回収の大幅な省エネ化技術】

セリウムの酸化物を用いた大きな表面積を持つ多孔質吸着体を安価で簡単に合成法で、これまで
の多孔質吸着体に比べて、2~4倍のCO2吸着量を実証、さらなる吸着性能向上も見込まれ、
化学
吸収法に比べて約40%の省エネ効果が期待できるものであるという。

 CO2分離回収省エネ技術

【生命細胞の改変のいま】 



ところで、生物とは何か? と問われたらどのように応えるのか。一番良さそうなのは「自己複
製を繰り返
し増殖する生命体」という解答が妥当ではないだろうか。そう考えてみると、「再生
医療」とは、肥大化した脳を使い胎児期にしか形成されない人体の組織が欠損した場合にその機
能を回復させ自己増殖する人間の行動ということになるだろうか。その話はさておいて、その中
核的な「生命細胞学」の生物工学の昨今の進展について俯瞰してみよう。



●ヒトiPS細胞から血小板を安定的に大量に供給する方法

従来の方法では、iPS細胞から輸血に必要な血小板量の100分の1程度しか作れなかったが、生体
外で自己複製し凍結保存が可能な不死化巨核球を誘導する方法を確立したことで、
巨核球をスト
ックすることで血小板製剤の供給を安定化でき、今回の方法では、250億個の自己複製する巨核
球前駆細胞を使用して5日で血小板を得ることができ、培養する装置も、実験室レベルのシャー
レ(10mL)からバッグ(1~500L)にすることで複雑な設備を使わずに大量に培養することが出来
る。このシステムにより、日本人に多いHLA型のiPS細胞から血小板製剤を生産するための巨核球
のストックや、ドナーが見つかりにくいHLA型やその他の特殊な血小板型(HPA型)の患者への血
小板製剤の安定供給が可能となる。


 

※  Expandable Megakaryocyte Cell Lines Enable Clinically Applicable Generation of Platelets from Human
    Induced Pluripotent Stem Cells 
Cell Stem Cell, 13 February 2014

 JP 2013-31428 A 2013.2.14


【再生医療に用いる細胞の安全性を培養液で検査】

産総研は、ヒトiPS/ES細胞から分化させて作製した移植用細胞は、未分化のヒトiPS/ES細胞が
残存する場合があり、この未分化ヒトiPS/ES細胞が腫瘍化する危険性があり、ヒトiPS/ES細胞
を医療に応用する際の最大の障壁となってたが、貴重な移植用細胞の一部を無駄にすることな
く調べることで、ヒトiPS/ES細胞の安全性を事前に把握することができる方法を開発したと公
表。今回開発した検出システムを用いると、多数の検体を迅速(3時間以下)に検査できる。
また、10 mLの培養液で1000万個の細胞を培養している場合、5000個(0.05%)以上のヒトiPS/
ES細胞が検出できる。移植用細胞中のヒトiPS/ES細胞の混入率を測定できるため、ヒトiPS/ES
細胞を用いた再生医療の安全性評価法として期待できる。

●要約

ヒトiPS/ES細胞に特徴的なO型糖鎖をもつポドカリキシン(H3+ポドカリキシン)が、さまざま

な種類のヒトiPS/ES細胞から培養液中に分泌されていることを見いだした。一方、ポドカリキ
シンは腎臓など他の組織にも存在するが、ヒトiPS/ES細胞に特徴的なH3+ポドカリキシンは調
べた限り通常の体細胞からは分泌されていない。培養液中のH3+ポドカリキシンを調べること
で、細胞自体を使わずにヒトiPS/ES細胞を検出できる。通常、タンパク質は特有のアミノ酸配
列を認識する抗体を用いて検出することが多いが、ポドカリキシンは多量のO型糖鎖で覆われ
た巨大なムチン様タンパク質であるために、抗体を用いることはできなかった。そこで、H3+
ポドカリキシンに多く存在する特徴的な糖鎖構造に着目し、そのO型糖鎖を認識するレクチン
を2種類用いて検出する新しいサンドイッチアッセイ系による検出システムを考案。詳細な方
法は以下の通り。

①H3+ポドカリキシンを認識するrBC2LCNを判別試薬として固定化した反応容器を準備する。
②1滴(50 µL)の細胞培養液を反応容器に入れ1時間反応させてH3+ポドカリキシンを吸着させ
 
る。
③洗浄して細胞培養液を除いた後、rBC2LCN とは別のO型糖鎖を認識する酵素標識rABAを、反
 容器に吸着したH3+ポドカリキシンと1時間反応させる。

④ 酵素標識rABAを発色させ、その発色強度を測定して、H3+ポドカリキシン量を決定する。
⑤ H3+ポドカリキシン量から、H3+ポドカリキシンを分泌したヒトiPS/ES細胞数を算出する。

 


※ JP 2013-39043 A 2013.2.28 


【微生物1個のDNAでも解析可能に】

農研機構は、微生物を培養して得られる遺伝子や培養産物から多くの有用物質が探索、発見さ
れてきたが、現代においても、培養できる微生物は全微生物の1%以下であり、99%以上の培
養できない微生物は有用物質の探索に活用されていない。そのため、微生物の遺伝子を、その
微生物を培養することなく、特殊なDNA合成酵素を用いて、培養できない微生物のDNAを大量複
製し、探索に必要な量のDNAを得ることが試みられているが、このDNA合成酵素には、試料DNA
が少ないほど、試料と無関係のDNAが複製されて、試料解析を困難にする問題があった。農研機
構は、高純度のDNA合成酵素を精製する方法を用いてこの問題を解決し、共同研究機関である関
東化学株式会社が本酵素を商業生産できる体制を構築することを公表。この酵素は、関東化学
株式会社から2014年度上半期に発売予定している。この発明により遺伝子の探索対象が大幅に
広がる。

●要約

全ゲノム増幅法で用いるDNA合成酵素は、組換え大腸菌で生産し精製する、生産に用いた大腸菌
のDNAが極わずかに混入し、この酵素で極小量の試料DNAを大量に増幅すると、混入した大腸菌
DNAが先に増幅(→これが試料と関係のないDNAが増える原因)。これ
を防ぐために、DNA合成酵
素から大腸菌DNAを除去する必要があるが、DNA合成酵素はDNAと強く結合する性質があり分離困
難だった。
そこで、大腸菌DNAを沈殿させて除去し、除去しきれないDNAはDNA合成酵素によっ
て複製されないように変性・分解する方法によって、大腸菌DNAを含まない高純度DNA合成酵素
を得る。この
精製方法で調製したDNA合成酵素を全ゲノム増幅法に用いると、大腸菌の1個に含
まれるゲノムDNA量の約1/100に相当する微量な試料DNAも増幅できる。
従来では困難であった
微量なDNAの全ゲノム増幅法が可能になり、培養できない微生物の遺伝子探索か可能となる。

 



※ Preparation of Phi29 DNA Polymerase Free of Amplifiable DNA Using Ethidium Monoazide, an
   Ultraviolet-Free Light-Emitting Diode Lamp and Trehalose  February 05, 2014

※ JP 2014-16344 A 2014.1.30

JP 2014-16344 A 2014.1.30


●ラン藻のバイオプラスチック生産が3倍増

理化学研究所は、Rre37タンパク質を細胞内で増やすとバイオプラスチック生産量が約2倍に増
加し、
Rre37とSigEタンパク質を同時に増やすと生産量が約3倍に増加できることを解明したと
公表。この
ラン藻における代謝の制御機構を明らかにし基礎と応用の両面で研究を推進させたこ
とにより低コストでのラン藻培養法や回収法、効率的なPHBの抽出・精製法の開発が可能となる。

   

※ Pathway-Level Acceleration of Glycogen Catabolism by Response Regulator Rre37 in the Cyanobacte-
  rium Synechocystis sp. PCC 6803". Plant Physiology , 2014,doi: 10.1104/pp.113.232025

 

 

【生物の起源 種とはなにか】

 ●一般的な感覚とは合致しない?

  生物学的種概念は、有性生殖をするほとんどの生物においては、われわれのナイーブな
 感覚とよく合致する。しかし問題がいくつかある。この種概念は基本的には、遺伝子交換
 が可能な閉鎖群をもって種とする、と考えるため、無性生殖をする生物が扱えなくなるこ
 とがひとつ。無性生殖生物については別の種概念を考える必要がある。もうひとつは、形
 態や生活様式がはっきりと異なる生物集団であるのに、雑種が生じて遺伝子の交流が起き
 るものがあることである。これは、ウマとロバの間にラバができるといった話とは遺う。
 ラバには生殖能力はなく、ウマの集団とロバの集団で、遺伝子交換が起きることはなく、
 ラバの存在は生物学的種概念に抵触しない。
  テムプルトン(1989)によれば、アカガシワとクロガシワは同じ森の中で雑種をつ
 くり、一部戻し交配が起こって遺伝子交換をするが、決して融合することはなく、はっき
 り区別できる2つの集団に保たれているという。生物学的種概念を厳密に適用すると、ア
 カガシワとクロガシワは同一種ということになるが、これはわれわれのナイーブな感覚に
 反する。テムプルトンは、北米のオオカミとコヨーテの間でも同様なことが起こり、少な
 くとも50万年以上、この状態で共存しているという。霊長類のヒヒ属ではさらに著しく、
 菅原和孝(1990)によれば、マントヒヒとアヌビスヒヒ、アヌビスヒヒとキイロヒヒ、
 キイロヒヒとチャクマヒヒの間で、それぞれ雑種ができるという。別属のゲラダヒヒとア
 ヌビスヒヒの間にすら雑種らしき個体が観察されているという。馬渡峻輔(1994)は
 マントヒヒとアヌビスヒヒは亜種レベルの種内変異と考えたほうがよいと述べているが、
 この2つの集団は形態も生活様式も異なり、われわれのナイーブな感覚からすれば、明ら
 かに別種である。
  なぜ、こういうことになるかというと、生物学的種概念は、遺伝子の交換が起きるか
 きないかといった操作的あるいは事後的概念であって、存在論的意味合いが稀薄な概念だ
 からである。そこで、遺伝子の交換を妨げている実際のメカニズムを実定し、これによっ
 て種を定義しようと考えたのが、たとえば、配偶者認知システムによる種概念である(パ
 タスン、1985)。単純に言えば、互いに同じ種であると認知し、交配を遂行できるメ
 カニズムをもつ集団をもって種とする、という考えである。別の言い方をすれば、交尾前
 隔離機構をもって種の定義とするということである。
 隔離機構には交尾後隔離機構もあり、これは交尾が成立しても、この交尾を起点として
 は遺伝子が未来に伝わらないなんらかのメカニズムのことである。この中で最も重要なの
 は、雑種においては、父親由来の染色体と母親由来の染色体は、数や形が違うため、減数
 分裂の際の対合(相同染色体がぴったりと合わさること)が起きず、結果的に機能的な配
 偶子(卵や精子)がつくられないことである。もし、種になんらかの存在論的根拠がある
 ならば、交尾後隔離機構の少なくとも一部は、細脳内における種の基本システムの違いに
 より生じているとも考えられ、事は極めて重大であるが、これについては減数分裂も含め、
 稿をあらためて論じたい。

                            

 ●進化的運命共同体ではありえない

   さて、話を元に戻す。さまざまな不都合があるとはいえ、生物学的種概念のような操作
 的種概念が、配偶者認知システムといった実定的種概念よりも二股に受け入れられている
 のは、種を進化の基本単位とみなしたいというところからくる。もし、今日の正統的な進
 化論(ネオダーウィニズム)が主張するように、進化が遺伝子の突然変異と自然選択によ
 って起こるならば(私自身はそういう考えに反対である)、実質的に遺伝子交換が可能な
 閉鎖群は進化における運命共同体となるはずだ。なぜならばネオダーウィニストが主張す
 る進化とは、通常、有性生殖プロセスを通じてある遺伝子が実質的な閉鎖群の中で多数に
 なったり、少数になったり、絶滅したりすることにほかならないからだ。しかし、遺伝子
 交換が可能な閉鎖群が必ずしもすべて同一の進化的運命共同体になるわけではない。
  先はどのアカガシワとクロガシワについて考えてみる。もし、この2集団が遺伝子の交
 換をすることによって融合するならば、この2集団は進化的には運命共同体だと考えてよ
 い。この場合は生物学的種と進化的運命共同体は重なる。しかるにもし、この2集団がい
 ずれ雑種をつくらなくなるか、雑種をつくり続けて遺伝子の交換をしながらも独自性を保
 ち続けるのであれば、生物学的種と進化的運命共同体は異なるものとなる。
  これについては、別のやっかいな問題がある。秋元信一(1988)によれば、ホッキ
 ョクグマは、もっとも北方に進出したヒグマの個体群から2万年程前に分化して生じたと
 いう。下図をみていただきたい。系統的には、ヒグマEはヒグマAよりもホッキョクグマ
 Fに近縁である。A~Fは、さしあたってそれぞれ別の進化的運命共同体とみなしてよい。
 これはもちろん生物学的種とは重ならない。系統関係を重視して、しかも生物学的種と系
 統が異なるというジレンマを解決するやり方は2つある。ひとつは、ヒグマとホッキョク
 グマを同一種にしてしまうやり方。もうひとつはA~Fの進化的運命共同体をそれぞれ別
 種とみなすやり方である(クレイクラフト、1993)。

 ●生物自体があいまいなのだ

  しかし、このどちらにしても、ここからはそもそも種は人間の認識論的概念であるとの
 観点が抜け落ちてしまっている。もちろん、客観的に種が定義できれば、それでよいでは
 ないかと考える人もいるだろう。たとえばA~Fの進化的運命共同体が未来にわたって他
 と融合せず、分岐をするだけか、絶滅するだけであるならば、これをもって種とするとの
 定義は一応つじつまは合う。しかし、進化的運命共同体が独自の進化をとげて、どこから
 も文句の出ない独立種になるか、それとも他の集団と融合してしまうかは、そのときにな
 ってみなければわからないのである

  さらに遺伝的隔離により区別される集団でさえ、隔離機構がなんらかの変異により消失
 してしまい、近縁の種と融合してしまうことは十分考えられる。もちろん、種あるいはそ
 れより上位の階級において、さしあたって不変のシステムが構想できれば、これをもって
 生物の基本単位であると考えることはできるし、ここで詳しく述べる紙幅はないが、私が
 主張する構造主義生物学は、基本的にはそのような構想を擁護する。
  しかし、いずれにせよ、われわれがナイーブに認知する種は、厳密な存在論的根拠をも
 っていないことは確かなようだ。テムプルトンの提唱する結合的種概念(Cohesion Conc-
  ept
は厳密さや単純さを犠牲にして、われわれのナイーブな感覚に合わせようとの努力
 であるといえる(下図)。テムプルトンは基本ニッチと遺伝的隔離の2つの指標に注目し、
 その組み合わせで種を定義しようと考えた。
  基本ニッチの異なるものは、遺伝的隔離のあるなしにかかわらず別種であり、基本ニッ
 チが同一のものは、有性種で遺伝的隔離があるものだけが別種で、残りは同種である。こ
 の定義に従えば、基本ニッチが同じ無性種は同種であり、アカガシワとクロガシワは別種、
 ヒグマとホッキョクグマも別種であるが、系統の異なるヒグマどうしは同種になる。ずい
 ぷんとあいまいな定義だが、ある意味ではやむをえない。定義のあいまいさは、生物のあ
 いまいさの反映なのである。

 

                                                       池田清彦 著 『新しい生物学の教科書』 第1章 


「種とはなにか」で池田清彦は「わたしたちは自然の中仁、形態や生活様式によって、他の生物
集団からははっきりと区別できる生物集
団を認識することができる。これは種と呼ばれる。ニュ
ーギニアのアルファク山脈において、現地の狩人
と生物学的訓練を受けたヨーロッパの科学者が
認識した鳥の種は、ほとんど全く同じだったとから考え
て、種が認識できるのは、人間の基本的
な能力であることがわかる。もちろん種は人間め勝手な想像に
よる架空の産物ではなく、多少と
も自然界に根拠をもつ存在である。多少ともと書いたのlは厳密には生
物は系統をさかのぼれば
連続的な存在であるからだ。連続的なものが進化の結果、不連続なものとしてわれわれに認識可

能になったものが、現在見られる種であると考えられる。」「はっきりと不連続になった集団は
、形態、生理、発生、生態等々が違うことに加え、有性生物であれば、遺伝的に他の集団から隔
離iきれるので、遺伝的隔離という明確な種の定義を採用するレことができる。しかし、不連続に
なりつつある集団や、いったん不連続になりかけたものの再び融合しづつある集団に関ノしては、
厳密な定義を下すごとはできない。種に対して厳密な定義を下せないのは種が進化することの必
然の結果なのである。もしかしたら将来の科学者は、共通の生物学的システムといった何らか
確固とした根拠に裏づけられた、生物のグルーピング法を見出すかもしれない。しかし、それ

現在われわれが認識している種と、一致するかどうか定かではない。」と意味深なことを指摘し
ている。

※「生物の起源 -細胞生命の起源-」、仲田崇志 2010.09.01 



さても、「生物とはなにか」→「生物の起源とはなにか」との問いかけとはやっかいな問題を投
げかけ、わかった風にして泰然としているわたし(たち)に、無知を自覚させる。これは残件と
して暫く考えていくしかない。

  

コメント

ベスト・ポリシーを語ろう(1)

2014年02月18日 | 政策論

 

【大雪と国土強靱化政策】

こんかいの大雪で、東日本では16日、北海道や東北の一部を除き雪はおさま
ったが、
14~15日の大雪の影響で集落の孤立や交通機関の混乱が続いた。
東京都や宮城、
静岡、長野県などが自衛隊に救助や除雪を要請。朝日新聞のま
とめでは、雪による
事故などでの死者はこれまで少なくとも計16人にのぼっ
たと報じた。群馬県では雪の重みで渡り廊下や車庫が倒壊するなどして巻き込まれ
る人が相次ぎ、16日までに7人が死亡。埼玉県でも15日朝、落下した屋根
の下敷き
になり2人が亡くなり、山梨県では同日朝、車が動かなくなり歩いて
帰宅しようとして
凍死したとみられる2人が見つかった。岐阜県白川村の野谷
荘司山では16日、雪崩による山岳遭難が相次ぎ、男性1人が死亡、男性1人
が大けがをした。また、宮城県丸森町では、町道が倒木で通れなくなり約800世帯が
孤立。少なくとも約400世帯が一時停電。町は16日午後、県を通じて陸上自衛隊に
派遣を要請した。静岡県も小山町須走(すばしり)地区に陸自の派遣を要請し
た。バ
スが側溝に落ちるなどして車が通れず、同地区が孤立状態にあるという。
東京都檜原(ひのはら)村では14日夜から都道などが通行止めになり、全世
帯の2460人が一時孤立状態に。同奥多摩町でも16日、青梅街道などが雪
で埋まり、町内の計266世帯494人が孤立。東京都青梅市内でも御岳山周
辺の集落約140人が孤立したとも伝えている。

 

 

この大雪で「環境リスク本位制」時代に対応するわたし(たち)の基本政策は
間違いがなかったとの思いをさらに強めたわけだ。因みに、政府の掲げる「大
規模自然災害等に対する脆弱性の評価の指針」(2013.12.17「国土強靱化推進
本部決定」)のワークフローなどは基本的に賛成であるが「環境リスク本位制」
は、そもそもが「人為的要因」に依拠しているものだから、政策(対策)のあ
る程度の瑕疵はさけられないものの、事前に網羅的に長期的に政策(対策)が
立てられるものである。例えば「大雪」。大規模な季候変動により豪雪・風雪
が冬季にかけ、その反対には台風洪水・竜巻が常態化する-ここでは「大雪」
に限って、全国的な(1)除雪、(2)融雪、(3)耐風雪構造、(4)緊急
システムのハード・ソフト整備ということになり、落とし込み作業となる。例えば、(4)
として、ドクター・ヘリ(あるいは、エマトラ・へリ:緊急輸送へリ)ポートを各拠点市町村
に建設(できれば公共建造物の屋上に建設)などを計画する等が考えられる。

【アベノミクスの盲点は?】

 

 

内閣府統計速報 2014.02.17

【アベノミクスの行方とベスト・ポリシー】

この3四半期で実質GDP(国民総生産)は7.1兆円増えている。その内訳は、
民間消費3.5兆円、民間投資▲0.1兆円、民間純輸出1.8兆円、政府支出2
兆円である。間投資は遅行指標なので、まだ本格的な効果が出ていないが、
民間消費や民間純輸
出は予想通りに伸びている。一方、昨年1月の政権交代後
の補正予算により、政府
支出も伸びている。民間部門と政府部門の有効需要は
71%と29%である。政府支出
による誘発需要を考慮しても、民間部門の増加は
金融緩和によると高橋洋一は評価している(「新年・日本経済最大の焦点 ア
ベノミクスの行方を見極めるポイント」、ダイヤモンドオンライン、2014.01.
09)
。下図は、その結果、有効需要が増加して、潜在GDPとの差、いわゆる
GDPギャップが7兆円まで縮小していることをあわらしている。このギャップ
がなくなれば、デフレ脱却宣言に手が届く。しかし、「財政支出については、
昨年12月26日付けの本コラムに書いたようにそれなりに拡大しているので、吸
い上げてバラマクという、ヘンテコな話になっている。本来望ましいのは、政
府が吸い上げてバラマクのではなく、政府が余計なことせずに民間でそのまま
使ってもらうことだ。この余計なことが民間経済には悪影響である。それと、
増税など「吸い上げ」が大きいので、5兆円程度の追加補正で「はき出す」こ
とをしないと、景気には悪影響になる高橋は現政権の施政に厳しいが、この指
摘は原則として正しい。




※ 潜在GDP:一国の経済全体の供給力を表す推計値。現存する経済構造の
もとで、生産要素(資本・労働力)を最大限に投入した場合、あるいは平均的
な水準まで投入した場合に達成可能な経済活動水準。資本ストック統計、鉱工
業指数の稼働率、労働力率、就業率などの数値をもとに算出され、需給ギャッ
プ・潜在成長率の推計に利用される。

そのことを踏まえ、「規制緩和を判断」で、成長戦略は、どれだけ規制緩和が
あるか
を見ればいい。それは、具体的には規制緩和の法律がどれだけできたか
を見ればい
い。先の国会で、産業力強化法と国家戦略特区法が成立した。この
観点から二つの
法律を見れば、産業競争力強化法には具体的な規制緩和がなく、
成長戦略の意味が乏しい法律であることがわかるとし、
一方、国家戦略特区法
を見ると、具体的な法改正記述がある。旅館業法(13条)、医療法(14条)、
建築基準法(15、16条)、道路法(17条)、農地法等(18、19条)、土地区画
整理法(20条)、都市計画法(21、22、23条)、都市再開発法(24条)、都市
再生特別措置法(25条)等でありこれらに期待を寄せる。

※ 産業競争力強化法(経済産業省)
※ 安倍首相が自画自賛する産業競争力強化法は 経済産業省の焼け太りを助
  長する(「ニュースの深層」2013.10.22)
※ 構造改革特別区域法、2013.06.21

ここで、経済政策評価は、ひとにより定義がマチマチというか「厳密な解」
導き出し方がわからないのだ。例えば、下図の「就職者数(万人)の推移評価
は、ほとんどのひとは理解できるだろうが、東日本大震災及び福島原発事故復
旧・復興の立ち上がりの寄与もあるだろうが、失業率の低下は、有効需要増に
よる就業者数の増加によってもたらされ、金融政策を使った安倍政権は、民主
党政権のトレンドから、反転し政権と経済政策の違い端的に表れているとほと
んどのひとはそう判断するだろう。



さらに、下図(上)のように、GDPギャップの縮小につれて物価が上昇し、
失業率が低下していることが端的に表れ、デフレからの脱却過程であることが
理解できるだろう。高橋洋一は、3年程度(場合によっては5年程度)すると、
安定成長に入り(おそらく、名目成長率4~5%程度、インフレ率2%程度)
→設備投資が出てきて、資金需要が活発化し、名目金利が上昇する(せいぜい
4~5%程度まで)→実質金利も上昇する(せいぜい2~3%程度まで)と予
測する。さらに、デフレ脱却過程では、名目賃金の上昇率が一時インフレ率に
及ばず、実質賃金が低下する局面もあるが、実質賃金が上がらないことを、金
融緩和が効いていない証というひとでてくるが、これはデフレ脱却局面ではあ
りえることで、雇用が増加している限り、実質賃金の上昇率するので問題は起
こらないとする。



ところで、かれは、「世界の金融・資本市場が動揺 FRBの出口戦略で市場
があたふたする理由」(ダイヤモンドオンライン、2014.02.06)で、マネタリ
ーベースを拡大しても、予想インフレ率の上昇、実質金利(=名目金利-予想
インフレ率)の低下にもラグがあるし、それを受けて消費、投資、純輸出の増
加など実物経済の変化にもラグがある。その後のインフレ率上昇や失業率低下
にもラグがある。つまり、FRBがマネタリーベースを増加させると、1年く
らい経過すると失業率は低下しはじめる(上図(下)参照)。その関係は相関
係数 0.95 程度と高いが、ほぼ1年後の失業率を予測することができ、今のマ
ネタリーベースの増加では、来年末の失業率は6.5%程度で、緩和スピードをダ
ウンさせないと、先の失業率が6.5%を大きく下回り、その代わりにインフレ率
が高くなる可能性があるが、1年先をみると、緩和スピードの調整が必要にな
り、今回の政策変更の判断の背景には、マクロモデルで計算があり、情緒的な
判断では情勢分析を誤りかねず、「属人的から関係式」への転換は不可抗にあ
ると解説する。

 

ベスト・ポリシー? それは、規制緩和案件数とその実施数ではかるのか?た
ぶん、
それはそうだろう。しかし、その反動(実施波及リスク、政策瑕疵)は
予め想定されて
いるのだろうか?今後もそれを時宜を得て考えてみたい。

 

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大容量電力貯蔵・送配電システム

2014年02月17日 | デジタル革命渦論

 

昨夜の『ポスト・メガソーラー・ハウジング』を上手く運用するには、電力自由
化制度上の商用送電と結合させた大容量蓄電システムあるいは発電・送配電・蓄
電システムが必要となる(下表の「電力貯蔵システム-Energy Storage System,
ESS-に求められる機能」参照)。上図は三菱重工業の電力貯蔵・産業用機器向け
高性能大型リチウムイオン二次電池
を用いたコンテナ型電力貯蔵システムである。
その場合、(1)メガソーラー・バイオマス発電・風力発電などの多形態の大容
量発電システム組み込み型、(2)「ポスト・メガソーラー・ハウジング」が配
置されたコミュニティ間の電力融通型、(3)大型電力事業所組み込み型などが
考えられる。

ところで、近年、地球において資源の枯渇と環境破壊は大きな問題とされており、
再生可能エネルギーによるゼロエミッション型社会の構築が求められ、風力発電
および太陽光発電などの再生可能エネルギー発電所は発電時にほとんど二酸化炭
素を放出しないため、今後の導入の大幅な伸びが予想されるが、再生可能エネル
ギーは不安定であるため、電力需要に応じた供給が難しい。また出力変動が存在
し、系統線に与える影響が大きい。これを解決するために、火力発電所や揚水発
電による電力需給ギャップの補填が行われているが、火力発電所は二酸化炭素を
排出し、揚水発電は立地場所が限られるなど問題を有する。そこで、大規模に電
力を貯蔵できる蓄電池が注目されている。

電力貯蔵用の蓄電池には、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、NAS電池、レ
ドックスフロー電池など構成部材や運転方法の異なる様々な種類が開発されてお
り、家庭用、発電所用、事業所用などの貯蔵規模や瞬停対策、系統向け電力平準
化、ロードレベリング(夜間電力利用)などの用途によって、それぞれに適した
装置構成、電気容量のシステムが提案されている。例えば、NAS電池は大容量
で長寿命とされており、ウインドファームやメガソーラーなど大規模な再生可能
エネルギー発電所にメガワット単位で導入し、系統連携用の平準化用途に利用す
るシステムが提案されている。リチウムイオン二次電池は重量当たりの蓄電容量
に優れ、充放電効率が高く、高出力化が可能であることから、家庭用のバックア
ップ用システムとして、特に東日本大震災を契機に各社から様々な容量の装置が
市販化されている。鉛蓄電池は信頼性が高く、蓄電容量あたりのコストが低いこ
とから、家庭用や事業所用のロードレベリングや再生可能エネルギー発電所用の
平準化など幅広い用途に提案されている。


電力貯蔵用の蓄電池は様々な構成が存在し、それぞれの特性によって用途に適し
たシ
ステムが提案されているが、今後見込まれる再生可能エネルギー電力の大量
導入には、
大規模な電力貯蔵に適したNAS電池やレドックスフロー電池の利用
が好ましい。しかしながら、NAS電池や有機溶媒を利用したレドックスフロー
電池では燃焼の危険があるため、外気から完全に遮断する必要がある。金属イオ
ンを用いたレドックスフロー電池は単位当たりの電気容量が低く、また金属イオ
ンの混合による自己放電の問題がある。また、リチウムイオン電池のコスト高と
同様に、これらの問題は装置コストの上昇要因となり、電力貯蔵の大容量化の妨
げとなっている。


一方、風力発電設備や太陽光発電設備は大規模化が進んでおり、また世界的に再
生可能エネルギー由来の電力導入割合を増やす傾向にあり、電力の需給ギャップ
を調整するための蓄電設備の大容量化に対する需要は今後急増すると考えられる。

このように、再生可能エネルギー由来の電力を大規模に貯蔵する蓄電システムの
ニーズは高まる一方、従来の蓄電池では上述のような大規模貯蔵の実現には課題
が残されている。下図は大容量蓄電に適したレドックスフロー電池の新規考案の
一例である。

JP 2014-10999 A 2014.1.20

さらに、電力系統に複数の蓄電池を接続する、マイクログリッド等と呼ばれるシ
ステムとして、蓄電設備と自家発電設備を備え、電力系統からの潮流を検出する
潮流に応じて蓄電池の充電および放電を制御する技術がある。また、他の従来技
術として、太陽光発電装置からの発電を系統側に売電するか、またはエネルギー
蓄積装置に蓄積するかを、系統側に過去に発生した電圧抑制の状況に応じて切り
替える技術もあるが、複数の蓄電装置が設置されている場合、一方の蓄電装置で
の放電と他方の蓄電装置での充電とが、同時に同量だけ発生した場合、一方の蓄
電装置から他方の蓄電装置に単に電力量が移動するだけのように見えるが、実際
には、充電時、送電時、放電時のそれぞれにおいて、電力損失が発生する。例え
ば、直交変換時の損失、送電時の損失、交直変換時の損失、充電時に蓄電装置の
内部抵抗で生じる損失である。これら電力損失の分だけエネルギーが無駄に消費
されることになる。この無駄な充放電は、蓄電装置の性能劣化の原因となり、寿
命を縮める可能性があり、電力系統に設けられた複数の蓄電装置間での無駄な充
放電を抑制できるようにした蓄電装置制御システムおよび蓄電装置制御方法につ
いて下図のような提供がなされている。つまり、グループ管理される複数の蓄電
装置の充放電動作をグループ内で統一できるように管理できるようにした蓄電装
置制御システムおよび蓄電装置制御方法である。



JP 2014-3778 A 2014.1.9

また、太陽光発電システムや風力発電システム等の発電システムでは、一般的に、
系統連系運転方式と自立運転方式との2つの運転方式がある。系統連系運転方式
は、発電装置により発電した直流電力を交流電力に変換し、電力会社等の電力系
統に接続し、負荷系統に供給する電力に余剰が生じた場合に、電力会社等の電力
系統へ電力を供給する運転方式である。自立運転方式は、電力系統から解列し、
蓄電装置が蓄電している直流電力や発電装置により発電した直流電力を交流電力
に変換して負荷に供給する運転方式であり、パワーコンディショナに連結される
負荷(例えば、テレビ、冷蔵庫等の家電機器等)に対して安定した電力供給を行
う運転方式である。

また、パワーコンディショナは、電力系統及び負荷系統に対して安定した電力供
給を行うための装置であり、発電装置と電力系統との間に設置され、一般的に、
直流電力を交流電力に変換するインバータ、インバータを制御する制御装置やパ
ワーコンディショナ内に過電流が流れる等の異常が発生した場合に、インバータ
等の各部の運転を停止させる保護装置等から構成される。

(1)の方法:負荷と発電装置との間に双方向コンバータを設け、電力系統の正
常時には、双方向コンバータと発電装置との間に接続された蓄電池を浮動充電さ
せて満充電状態にしておき、電力系統側が停電した場合には、発電装置の出力や
蓄電池の充電電源によって負荷に電力供給する技術が提案されている。
(2)の方法:また、二次電池と電力変換機とを有し、電源系統と連系する蓄電
設備が、発電機によって対応できない比較的時間の短い瞬時的な電圧や周波数の
変動に対して安定化を図り、長期的な変動に対しては応答感度を落として二次電
池の充放電を抑えることにより、二次電池の過充電と過放電を防止する技術が提
案されている。

しかしながら、(1)の方法では、災害等によって停電が長期化し、蓄電池が放
電して蓄電残量がなくなると、停電が復帰するまで蓄電池の充電をすることがで
きないので、負荷に対して電力供給ができなくなるという問題がる。また、従来
の方法では、蓄電装置に蓄電できるのは、発電システムが電力系統側と接続され
ている場合であり、停電が発生した場合には、蓄電できないという問題がある。
また、2の方法では、瞬時的な変動に対処することしかできないという問題があ
る。

下図は、この問題を解決するために、つまり、この電力供給システムは、供給さ
れている電力から変換した電力を、敷設されている低圧配電線を介して複数の電
力供給先に給電する給電部と、電力を蓄積する蓄電部と、蓄電部に蓄積されてい
る電力に基づいて生成された蓄電電力を、複数の電力供給先のうちの何れかの第
1電力供給先に供給する蓄電給電部と、給電部に供給されている電力の供給状況
に応じて、蓄電給電部からの電力の供給を制御する蓄電電力制御部を備えること
で、複数の電気使用場所がある需要場所に設置された蓄電装置て蓄積されている
電力を有効活用する三菱重工業の新規考案である。

JP 2013-176282 A 2013.9.5

以上、今夜は、最新の大容量電力貯蔵・送配電システム技術事情を俯瞰してみた
わけだが、技術的課題は多岐にわたるが問題解決可能だと楽観的な感想をもった。
もう原発は不要だが、それをより確かにするためにも量子スケール太陽電池の開
発が急がれるというわけだ。頑張ろう!

 

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ポスト・メガソーラー・ハウジング

2014年02月16日 | デジタル革命渦論



 




【ポスト・メガソーラー・ハウジング】

ここにきて、セキスハウスは「グリーンファーストゼロ」、パナホームは「エコ・コルデ
ィス」として、それぞれ、太陽光発電(+蓄電システム)とパッシブハウスをベースとし
た次世代型ハウジング商品シリーズを、市場投入してきている。例えば、セキスハウスの
「グリーンファーストゼロ」は、家庭の消費エネルギーを、省エネ設備(パッシブハウス
設計など)で50~60%に削減した上に、太陽光発電などの創エネ設備によりエネルギー収
支を0%以下(つまり、余剰エネルギーを売電)を目標に販売を開始している。




 

このようなハウジング業界の動向を別の言葉で置き換えると「ポスト・メガソーラー・ハ
ジング時」と言えるだろう。 勿論、耐震構造等の防災設計やバリーアフリーなどの

福祉設計、あるいは、
デジタル家電や遠隔操作などのホーム・オートメーション設計など
も織り込まれている。太陽光発
電や燃料電池の高性能化などは2020年までにほぼ完成され
るものと予測され、スマートグリッドやパワー・デストリビュート・ベース(蓄電配電基
地)の整備でエネルギーの地産地消が実現されていくことになるだろう。

  今朝の一汁一菜

塩吹き昆布のトッピングがお気に入り。

  お昼は麦とろ膳

とろろ、麦飯、汁物、香物、近江牛、サラダ

【高野槙考】 

仏花としての高野槙は、高野山を中心に仏に供える花の代用として用いられ、名前もこれに
由来。高野山では植林されたコウヤマキの人工林がある。また、高野六木にも選ばれてい
る。和歌山県では山でのコウヤマキの採取が激しい。横枝はお供えに向かないので、特に
上向きの先端が狙われるという。花より丈夫で枯れにくく、一年中美しい光沢ある緑色の
葉を付け、心地よい香りを漂わせ法事、仏事、お盆、お彼岸、正月、お墓参りなどの際に
は高野槙は欠かせないものとなっているとか。市販品は一束2本入りで300円から60
0円で販売されているが近くの花屋では手に入らない場合が多く、通信販売されているの
で二束/月で購入することに決めているが、苗木は数千円するので迷っている。とりあえ
ずは今年中に結論をだせればと考えた。他家と本家の墓を守る年齢となりましたね。^^;
 

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小水力発電現在進行形

2014年02月15日 | デジタル革命渦論

 

 

 

【非接触型独立系電子デバイス市場の創成】 

トヨタ自動車は、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)など電気
を使う車両向けの非接触充電システムを開発し、2014年2月下旬から愛知県内で実証
実験を開始(非接触充電システムの実用化に向けた技術開発に反映させる計画)とい
う。同県に住むPHEVの所有者の自宅などで3台の車両を使い、当面は実証実験を1年
間続けるという。これにより、充電システムの満足度や利便性、駐車の位置ズレ量の
分布、充電頻度などを検証する。新しい充電システムの充電方式は磁界共鳴方式。地
に設置したコイル(送電側コイル)と車両に搭載したコイル(受電側コイル)の両
コイル間にお
ける磁界の共鳴現象を利用して車両側に電力を供給する。電磁波による
周辺機器などへの
影響を抑制するとともに、送電側コイルは車両の乗り上げに耐えら
れる構造とするなど、実用化を視野に入れた設計を施した。加えて、最適な車両の位
置合わせをガイドするために、駐車場に設置した送電側コイルの位置をナビ画面に表
示する駐車支援機能も盛り込んだ。使用周波数は85kHzで、入力電圧は交流(AC)200V。
充電電力は2kWで、充電時間は約90分という。ところで、昨夜の『爆発する技術革新
の「世界初、柔らかいワイヤレス有機センサーシステム」でも紹介した有機デバイス
だけで構成されるワイヤレスセンサーシステムと共通するところがあり、グリッド(
送電線網)があれば、それを、電源(電線に巻付ける等)どして非接触で独立型電子
デバイスが配置できるわけで、例えば埋設してる上下水道・通信網・電力網などのイ
ンフラ定点測定や圧電素子などで異常警報発令(地震予知)システムなど敷設配置で
きる。
 つまりは、非接触型独立系電子デバイス市場が誕生するというわけだ。

 

   

【小水力発電現在進行形】 

「神の水」と尊ばれた湧き水で動かす小水力発電の点灯式が、甲賀市土山町の史跡「
御場泉(おんばせん)」であり、事業を主導した大野地域自治振興会のメンバーらが
参加した。振興会は「伝説の地を新たな形で残したい」と意気込んでいる。御場泉は
国道1号近くの雑木林の斜面下にひっそりとある湧き水。諸国巡行でこの地に滞在し
た倭姫命(やまとひめのみこと)の飲用に、湧水が献上されたという伝説がある。地
域の歴史散策のポイントの一つになっていたが、周囲は竹が生い茂り荒れた状態だっ
た。再生可能エネルギーへの関心の高まりもあり、振興会の産業振興部会が中心とな
って小水力発電と合わせた整備を企画した。昨年十一月に着工し、作業にのべ百人以
上が参加した。竹やぶや雑草を刈り取り、湧き水に下る階段を整えた。泉は石積みで
囲い、水を導くU字溝を整備し、発電機一基を設置。事業費は約三十七万円で、半分
は再エネを地域に導入するための市の補助金を使ったが、一基で得られる電力量は数
ワットと少なく、当面は泉を照らすLED灯に使われる。発電機の増設や、散策に訪
れる人のための看板の設置も検討しているという。興味を惹いたの小水力発電という
だが日本の技術レベルがどのようになっているのか調べてみた。下図はその発電機装
置であろう 岐阜県の角野製作所の「緊急時用モバイル電源装置」の新規考案である。
その
下の図は同形式の水力発電装置の新規考案、またその下の図は、配管流体を利用
した発電
装置の新規考案である

 
このニュースに触発されただけでなく、以前から小水力発電に興味があったが、もっ
とコンパクトな発電装置、簡単にいうと圧電素子のような電子デバイスを応用した発
電装置に興味を持っていたが、金沢大学の研究グループから下図のような振動を利用
した発電装置、特に、磁歪材料を使用した発電装置の提案がなされている。これは、
発電装置10は、磁歪材料で構成された磁歪棒118を有する発電素子100と、発
電素子100の一端に設けられた弾性線130と、弾性線130に設けられた複数の

錘140とを備え、発電素子100の他端が固定され、複数の共振周波数で振動する
ことにより発電することで、幅広い周波数領域の振動に対応して振動できる発電装置
というもの。これを応用すれば回転運動だけでなく、振動・揺動運動にも対応でき、
小水力、小風力、潮力、波動などの幅広い発電方式に対応できる。例えば、高速道路
や工場の振動も原理的に電力変換できる。つまり、小さな電力変換デバイスを数多く
最適配置することで膨大な出力も得ることが可能であり、これこそがデジタル革命渦
論の基本特性を応用展開させるものだと信じている?!というわけだ。


  X-Y images of mouse neural network

【透明化と画像化】

  

随分前のことになるが(2011年08月30日)、理化学研究所の宮脇敦史らの研究グルー
が生体試料を透明化する水溶性試薬「Scale」を開発、試料を傷つけることなく表面
から数ミリメートルの深部を高精細に観察することができる技術を確立している。テ

レビを見ていたら『テレビ未来遺産 生命38億年スペシャル最新脳科学』というタ
イトルだった思うが、複雑な3次元の神経回路を可視化して神経細胞同士の連絡を網
羅的に調べ再構築する「コネクトミクス(プロジェクト)」が世界中で進み、生体深
部を観察する手法として、光の散乱を取り除く透明化技術がいくつか開発されきたが、
蛍光シグナル消失の欠点を補う、透明化した試料で蛍光シグナルを生体深部まで観察
できる技術、その画像の鮮明さに驚いた。ノーベル化学賞の下村脩博士のオワンクラ
ゲの研究がこんな形で展開しているのかと二度驚くことなる(特開2011-036262 蛍光蛋
)。つまり、吉本隆明が想定した無形物と無形物が交換される、クールな第4次産
業の高度化が加速する時代に立ち会っていることに驚いている自分がここにいる。

※ http://www.riken.jp/pr/press/2011/20110830_3/ 生体をゼリーのように透明
 する水溶性試薬「Scale」を開発)

 

コメント

爆発する技術革新

2014年02月14日 | デジタル革命渦論

 



 

【世界初、マイクロ波でパワーデバイス制御用電力変換システム】

パナソニックは、従来の電力変換システムに比べ1/100と超小型な電力変換システムを実
現、インバータを
用いたシステムに比べて、電力損失を低減できる世界初のマイクロ波で
制御する超小型電力変換システムを半導体チップに集積化し、電解コンデンサ不要で長寿
命な動作(動作10年以上)をできると公表。

なお、パワーデバイスは高電圧・高電流の制御(ON、OFF)を行う半導体デバイス。600ボ
ルト程度の高電圧に耐えると共に、10アンペア以上の大きな電流を制御する。最近は、GaN
(窒化ガリウム)やSiC(炭化ケイ素)などの損失が少なく高性能のパワーデバイスが登場
し、家電や産業機器などの省エネルギー化が進展しているが、コンパクトでエコでタフな
パワーデバイスシステムの普及が進むものと考えられる。


【高純度半導体型単層カーボンナノチューブ合成】

産業技術総合研究所は、従来の半導体材料では達成できない、曲げ・伸縮・印刷による作
製が可能な半導体デバイスの材料としても注目されている半導体型単層CNT(カーボンナノ
チューブ)を従来の化学蒸着法では高純度の半導体型CNTが得られなかったが、下図のよう
に鉄触媒の微粒子に水分と水素の混合ガスを供給して触媒を調整し、混合ガス供給を停止
した直後に原料である炭化水素ガスの供給を開始して単層CNT薄膜を合成することで、最大
で98%の高純度の半導体型単層CNT合成に成功。これにより、単層CNTが酸化物半導体など
従来の材料特性を上回る見込みが生まれ従来にない柔軟性や集積度を持つフレキシブルな
電子デバイスや次世代大規模集積回路の実現にまた一歩近づいた。

 

【世界初、柔らかいワイヤレス有機センサーシステム】

東京大学の桜井貴康教授らの研究グループが、世界で初めて柔らかいワイヤレス有機セン
サー
システム(有機デバイスだけで構成されるワイヤレスセンサーシステム)の開発に成
功し、そのセ
ンサーシステムとしての有用性を柔らかい水分検出センサーシートで実証し
たことを公表。有機デ
バイスの集積化によって、ワイヤレスで電力伝送やデータ通信が可
能な柔らかい有機センサーシ
ステムを実現したことで、水分を電子的に検出するばんそう
こうやおむつなど、柔らかく装着感なく、使い捨てにもできる衛生的なセンサーへの応用
が期待され、ヘルスケア・介護分野でニーズが展開するものと期待される。




 

【核融合エネルギー実験で前進】

米エネルギー省のローレンス・リバモア国立研究所の科学者らが、小さな豆粒大の物質に
世界で最も強力なレーザー光線を照射した結果、わずか数分の1秒という短い時間であった
ものの、膨大なエネルギーを放出する核融合反応を起こすことに成功し、その過程で星の
ミニチュアが形成したことを公表。実験結果は、核融合反応が自律的に継続し、投入燃料
を上回るエネルギーが得られる「発火」というような実用的段階に到達するまでにはまだ
ほど遠いが(今回の実験ではレーザーからのエネルギーの多くは途中で放散されてしまい
燃料物質に到達しなかった。)、この実験が長く停滞していただけに、今回の結果は米国
の核融合プロジェクトを前進させるものだという。

※ エネルギ-収支は、レーザーエネルギーで割った核融合エネルギー出力が わずか約1
  %である。

 

※  Fuel gain exceeding unity in an inertially confined fusion implosion, NatureYear published:(2014)     DOI:doi:10.1038/nature13008

 

 

【超格子構造 特開2014-022499 太陽電池】

シャープ株式会社と東京大学は、超格子構造(量子スケール)型太陽電池の新規考案を下
図のように提案している(光電変換層へ入射する光の波長変換する材料を含む波長変換部
と備え、光電変換層が、一対のp型半導体層とn型半導体層に挟まれた障壁層と量子層と
を交互に繰り返し積層した超格子構造を備え、また、第1吸光波長領域と長波長側にある
第2吸光波長領域をもつ光吸収スペクトルを有し、波長変換部が、この第1と第2吸光波
長領域との間の波長領域内光を第2吸光波長領域内光に変換することで、光電変換できる
光波長範囲を広することで、光電変換効率が向上する太陽電池)。

この提案によると、複数種類の量子ドットを有する太陽電池の変換効率は理論計算では、
1種類の量子ドットを用いた場合、最大効率は63%であるが、2種類の量子ドットを用
いた場合、最大効率は70%、3種類の量子ドットを用いた場合、73%、また4種類の
量子ドットを用いた場合、75%となる。一方、5種類以上の量子ドットを用いた場合は
効率の伸びが著しく鈍化するため、1~4種類の量子ドットで高いポテンシャルが得られ
4種類の量子ドットで最も高いポテンシャルを得られる

 

 

 

自己潤滑かみそり】 

 

勘違いしているのかもしれないが、それにしても、このところの科学技術進歩の目覚まし
さには
驚くとともに、ついて行くのが少々疲れ気味?!15年前に、デジタル革命を踏ま
え、産業革命による科学技術の"カンブリア爆発"と語ったことがあるが、あながち間違っ
ていなかったとも思える。これからも余り些細なことにとらわれず、大切な事柄を1つ1
つ押さえながら目標を達成させたいと願っている。
 

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