極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

わたしは何んなの ⑥

2023年09月30日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。


   


再エネ革命渦論 171
: アフターコロナ時代 172】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中 ㊿+❷


技術評論社(2022/01発売)

初学者の方々に向けた、ディープラーニングの技術解説書。2012年に一般
画像分類コンテスト(ILSVRC)で衝撃的な性能を達成したAlexNetの登場
以来、急速な進化を遂げているディープラーニング。現在の人工知能/AIの
発展の中核を担っており、スマートフォンからIoT、クラウドに至るまで幅
広い領域で、画像、音声、言語処理をはじめとした多くの対象分野に浸透
し、目覚ましい進展をもたら。一方、その成長の過程は決して一筋縄では
なく、無数の試行錯誤がありました。 本書では、ディープラーニングの
「今」に焦点を当て、「基本機能」を中核に技術面から可能な限り正確に
まとめ、どのようなしくみで動いているのか、どのような問題に使えるの
か、何が難しいのかまで平易に解説。多くの問題を一つのアプローチ、ア
ルゴリズムで解ける驚異的な技術。ディープラーニングが一段とパワー
アップしていく将来につながる、長く役立つ原理、原則、考え方を平易に
紐解く
1冊。
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水電解技術は日本勢が巻き返し 
東レNafion越えの電解膜開発
再生可能エネルギーの電力を運搬できるようにする、あるいは長期貯蔵で
きるようにする「グリーン水素」に変換する水電解技術でも激しい開発競
争が始まっている。これまで国内勢はその開発や事業化で出遅れていたが、
ここへきて急速に巻き返しつつある。例えば東レは、今までほぼ業界標準
だったフッ素系電解膜「Nafion」を諸性能で超える炭化水素系電解質膜を
開発し、海外メーカーから引き合いが殺到している。東レはこの技術を武
器に国内外での事業化を着々と進める。 「世界中の水電解装置メーカーか
ら引き合いが多数ある」という。東レが開発したのは、「PEM(Proton Excha-
nge Membrane
)形」水電解装置のセルスタックにおいて、正極と負極間で
プロトン(H+)をやり取りするためのイオン交換膜。この膜自体をPEM
呼ぶ。現在のPEMのほぼ業界標準となっているのは、フッ素系高分子膜の
Nafion」である。これに対し、東レのPEMは、炭化水素系高分子材料から
成る。東レが開発したPEMは、Nafionが抱えていた2つの課題を大きく改善
する(図1)。1つは、セルスタック内部において、カソードで発生した
水素(H2)、アノードで発生した酸素(O2)が、PEMを透過してそれぞれ
反対の極に逆流してしまう課題。これはNafion のガス透過性が高いために
発生する。こうした逆流が起こると、せっかく発生させたH2が事実上失わ
れることによる電解効率の低下や、H2O2が混合して爆発するリスクを招
く。膜を厚くするとガスの逆流を抑えられるものの、H+まで移動しにくく
なってしまう。O2H24%以上混合すると爆発の危険性がある。従来は
混合防止のため停機する必要があり、稼働率の低下につながっていた。こ
れに対し、東レの炭化水素系電解質膜は、H2の透過率がNafionの1/10、O2
1/50と非常に低く、逆流を大幅に低減できる。

【関係技術情報】
1.特開2021-51996 積層高分子電解質膜およびそれを用いた触媒層付電
 解質膜、膜電極複合体および固体高分子型燃料電池
【要約】
芳香族炭化水素系電解質により形成される層が積層されてなり、以下に記
載する(i)及び(ii)を満たす電解質によって形成される層を積層体
の少なくとも一方の最表層に有し、かつ、芳香族炭化水素系電解質と多孔
質補強材とが複合化してなる複合層を少なくとも一層有する積層高分子電
解質膜。(i)すべての芳香環に少なくとも1つの電子求引性基を含有す
る。(ii)下記一般式(S1)で表される構成単位を有するイオン性基
を含有するセグメントと、下記一般式(S2)で表される構成単位を有す
るイオン性基を含有しないセグメントをそれぞれ1個以上含有するブロッ
ク共重合体。低加湿条件下及び低温条件下においても優れたプロトン伝導
性を有し、なおかつ機械強度及び物理的耐久性に優れる積層高分子電解質
膜およびそれを用いた固体高分子型燃料電池を提供する。



Arは置換されても良い芳香環、Yは2価の電子求引性基を表す。

【概要】


【特許請求の範囲】
【請求項1】 芳香族炭化水素系電解質により形成される層が積層されて
なる積層高分子電解質膜であって、以下に記載する(i)及び(ii)を満
たす電解質によって形成される層を積層体の少なくとも一方の最表層に有
し、かつ、芳香族炭化水素系電解質と多孔質補強材とが複合化してなる複
合層を少なくとも一層有することを特徴とする積層高分子電解質膜。 (i)
すべての芳香環に少なくとも1つの電子求引性基を含有する。 (ii)下記
構一般式(S1)で表される構成単位を有するイオン性基を含有するセグ
メントと、下記一般式(S2)で表される構成単位を有するイオン性基を
含有しないセグメントをそれぞれ1個以上含有するブロック共重合体。
【化1】

 
式(S1)中、Ar1~Ar4は任意に置換されても良い芳香環を表す。
Y1、Y2それぞれ独立に任意の2価の電子求引性基を表す。Ar1~Ar
4のうち少なくとも1つはイオン性基を有する。*は(S1)または他の
構成単位との結合を表す。
【化2】

 式(S2)中、Ar5~Ar8は任意に置換されても良い芳香環を表す。
ただしAr5~Ar8はいずれもイオン性基を有さない。Y3、Y4それ
ぞれ独立に任意の2価の電子求引性基を表す。*は(S2)または他の構
成単位との結合を表す。
【請求項2】 前記一般式(S1)で表される構成単位が、下記式(S3)
で表される構成単位であることを特徴とする請求項1に記載の積層高分子
電解質膜。
【化3】

(S3)中、Y1、Y2は任意の2価の電子求引性基を表す。M1~M4
は水素、金属カチオン、アンモニウムカチオンを表し、M1~M4は2種
類以上の基を表しても良い。n1~n4は0または1であるが、少なくとも
1つは1である。*は(S3)または他の構成単位との結合を表す。
【請求項3】 前記一般式(S2)で表される構成単位が、下記式(S4)
で表される構成単位であることを特徴とする請求項1~2のいずれかに記
載の積層高分子電解質膜。
【化4】

式(S4)中、Y3、Y4は任意の2価の電子求引性基を表す。*は(S
4)または他の構成単位との結合を表す。
【請求項4】 前記電子求引性基Y1、Y2、Y3、Y4がいずれもケトン
基であることを特徴とする請求項1~3に記載の積層高分子電解質膜。
【請求項5】 積層高分子電解質膜を形成する前記芳香族炭化水素系電解
質において、複合層を形成する芳香族炭化水素系電解質と、少なくとも一
方の最表層を形成する芳香族炭化水素系電解質とが、異なるイオン交換容
量を有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の積層高分子
電解質膜。
【請求項6】 積層高分子電解質膜を形成する前記芳香族炭化水素系電解
質において、複合層を形成する芳香族炭化水素系電解質が、少なくとも一
方の最表層を形成する芳香族炭化水素系電解質より、高いイオン交換容量
を有することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の積層高分子電
解質膜。
【請求項7】 前記多孔質補強材が、含フッ素高分子多孔質膜であること
を特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の積層高分子電解質膜。
【請求項8】 前記多孔質補強材が、炭化水素系高分子化合物からなるナノ
ファイバー不織布であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載
の積層高分子電解質膜。
【請求項9】  請求項1~8のいずれかに記載の積層高分子電解質膜に触
媒層を積層してなることを特徴とする触媒層付電解質膜。
【請求項10】 請求項1~8のいずれかに記載の積層高分子電解質膜また
は請求項9に記載の触媒層付電解質膜と電極を用いて構成されてなること
を特徴とする膜電極複合体。
【請求項11】 請求項1~8のいずれかに記載の積層高分子電解質膜、請
求項9に記載の触媒層付電解質膜および請求項10に記載の膜電極複合体
のいずれかを用いて構成されてなることを特徴とする固体高分子型燃料電
池。

2.特許第7188625号 水電解セル
【要約】
下図3のごとく、プロトン伝導型の電解質膜、電解質膜の一方の面に積層
されるアノード触媒層、及び、電解質膜の他方の面に積層されるカソード
触媒層を有する水電解セルであって、アノード触媒層及びカソード触媒層
のうち少なくとも一方は、その面内方向で、触媒の密度が高い部分と、高
い部分より触媒の密度が低い部分と、を備える。発生したガスの排出を促
進して水電解効率を高める。


図3.アノード触媒層12を説明する平面図

図1.水電解セル10を平面視した図

図2.水電解セル10の水電解部10aにおける層構成を説明する概念図
【符号の説明】 10 水電解セル 11 固体高分子電解質膜 12 アノー
ド触媒層(酸素発生極側触媒層) 13 アノードガス拡散層 14 アノー
ドセパレータ 15 カソード触媒層(水素発生極側触媒層) 16 カソー
ドガス拡散層 17 カソードセパレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】  プロトン伝導型の電解質膜、前記電解質膜の一方の面に積
層されるアノード触媒層、及び、前記電解質膜の他方の面に積層されるカ
ソード触媒層を有する水電解セルであって、 前記アノード触媒層及び前記
カソード触媒層のうち少なくとも一方は、その面内方向で、触媒の密度が
高い部分である高密度部位と、前記高い部分より前記触媒の密度が低い部
分である低密度部位と、を備え、 前記高密度部位は、該高密度部位が具備
された前記アノード触媒層及び前記カソード触媒層において、層の全体に
亘って分布するように点在し、隣り合う前記高密度部位で互い違いになる
ように配置されている、水電解セル。
【請求項2】 前記アノード触媒層がその面内方向で、前記高密度部位と、
前記低密度部位と、を備える、請求項1に記載の水電解セル。
【請求項3】 前記高密度部位は、前記低密度部位よりも、前記触媒の密度
が1.1倍以上高い、請求項1又は2に記載の水電解セル。
【請求項4】 前記アノード触媒層の前記触媒は、酸化イリジウムを含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の水電解セル。
【請求項5】 前記カソード触媒層の前記触媒は、白金担持カーボン及び
アイオノマを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の水電解セル。

3.特開2022-167439 膜電極接合体及びその製造方法
【要約】 下図1のごとく膜電極接合体は、固体高分子電解質を含む電解質
膜と、電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒層と、電解質膜の他
方の面に接合されたカソード触媒層と、電解質膜とアノード触媒層との界
面に配置された第1微粒子とを備え、第1微粒子は、過酸化水素を分解す
る機能を有する第1化合物からなる。このような膜電極接合体は、電解質
膜の表面、及び/又は、アノード触媒層の電解質膜側の表面に、過酸化水
素を分解する機能を有する第1化合物からなる第1微粒子を付着させ、第
1微粒子が付着している面が内側になるように、電解質膜のアノード側の
表面にアノード触媒層を形成し、さらに、電解質膜の他方の面にカソード
触媒層を形成して積層体とし、積層体を熱処理することにより得られる、
固体高分子電解質の劣化を引き起こすラジカルの発生を抑制することが可
能な膜電極接合体を提供すること。

図1.燃料ガス(水素)と酸化剤ガス(空気)を所定の方向に流すガス流
 路構造を備えた燃料電池の模式図

【概要】  ソーダ電解装置、水電解装置、燃料電池などにおいて、電気化
学反応を生じさせる部位に膜電極接合体(MEA)が用いられている。M
EAは、酸素と水素の直接反応若しくは電気化学反応によって直接的に生
成するラジカル、又は、過酸化水素を経て生成するラジカルにより、電解
質が攻撃され劣化すると言われている。 例えば、燃料電池においては、ラ
ジカル攻撃により電解質膜の抵抗増加、クロスリークの増加、薄膜化によ
る短寿命化などが起こることが知られている。さらには、ラジカル攻撃に
より生成する劣化生成物により触媒被毒が起こり、電解性能や電池性能が
低下するおそれがある。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1(特開2008-098996)には、電解質膜と、電解質膜の
両面に接合された触媒層及び拡散層からなる電極とを備え、拡散層の周辺
部に硝酸セリウムを含浸させた膜電極接合体が開示されている。 同文献
には、 (A)ラジカルによる電解質膜の劣化は、MEAの中央部ではな
く、周辺部付近で顕著に発生する点、及び、 (B)拡散層の端部にCe
を添加すると、発電性能を低下させることなく、有害な過酸化水素を効率
良くセル内から除去することが可能となる点 が記載されている。 
特許文献2(特開2018-22570)には、複数の単セルが水平方向に積層されてい
る燃料電池(すなわち、複数の単セルが鉛直方向に立設されている燃料電
池)において、 (a)アノード側撥水層及びカソード側撥水層に、それぞ
れ、ラジカル抑制剤としてのCeO2が含まれており、かつ、 (b)アノ
ード側撥水層及びカソード側撥水層の鉛直上方部位に含まれるラジカル抑
制剤の濃度(溶出したCeイオンの濃度)が、鉛直下方部位に含まれるラ
ジカル抑制剤の濃度より高い 燃料電池が開示されている。 同文献には、
(A)複数の単セルが水平方向に積層されている燃料電池においては、燃
料電池の停止後に残水を排出するための掃気制御を実行しても、MEAの
鉛直下方部位の残水量は鉛直上方部位の残水量より多くなる点、 (B)ラ
ジカル抑制剤が撥水層に均一に含まれている場合、残水量が少ないMEA
の鉛直上方部部位ではラジカル抑制剤の溶出量が少ないために、ヒドロキ
シラジカルによる劣化を抑制できないのに対し、残水量が多いMEAの鉛
直下方部位ではラジカル抑制剤の溶出量が過剰となるために、電解質膜の
プロトン移動抵抗が増大する点、及び、(C)撥水層の鉛直上方部位に含
まれるラジカル抑制剤の濃度を、撥水層の鉛直下方部位に含まれるラジカ
ル抑制剤の濃度を高くすると、残水量が少ない鉛直上方部位でのラジカル
抑制剤の溶出量を確保しつつ、残水量が多い鉛直下方部位でのラジカル抑
制剤の溶出量を抑制できる点 が記載されている。 特許文献3(特開2019-
160604)には、燃料ガスの流れと酸化剤ガスの流れとが対抗する向きとな
るカウンターフロー型の燃料電池において、 (a)アノード(アノード触
媒層又はアノード拡散層)にAgが含まれており、かつ、(b)燃料ガス
の出口側のAg濃度が燃料ガスの入口側のAg濃度より高い燃料電池が開
示されている。 同文献には、 (A)カウンターフロー型の燃料電池にお
いて、燃料ガスの出口側では、入口よりも低湿度となるために、ラジカル
による劣化が起きやすい点、及び、(B)燃料ガスの出口側のAg濃度

入口側よりも高くすると、燃料電池の発電性能を低下させることなく、ラ
ジカルによる劣化を抑制することができる点 が記載されている。

さらに、特許文献4(特開2014-139939)には、延伸PTFE膜にイオン交
換材料を含浸させたコンポジット膜の一方の面に、イオン交換材料及び白
金担持カーボンを含む第二層が形成された固体高分子電解質膜が開示され
ている。 同文献には、高強度の固体高分子電解質中に白金担持カーボンを
分散させると、燃料電池の寿命が向上する点が記載されている。 Ceイ
オン及びAgは、ラジカルを消去する作用がある。そのため、特許文献1
~3に記載されているように、化学的劣化の激しい箇所により多くのCe
イオン又はAgを添加すると、電解質膜の劣化をある程度抑制することが
できる。 しかしながら、Ceイオン及びAgイオンは、濃度勾配によっ
て電解質膜の面内方向及び/又は膜厚方向に拡散しやすい。
そのため、Ceイオン又はAgイオンが化学的劣化の激しい箇所から移動
すると、劣化抑制効果を十分に発現できなくなる場合がある。 同様にPt
は、ラジカルを消去する作用がある。そのため、特許文献4に記載されて
いるように、Pt電解質膜にPt担持カーボンを添加すると、電解質膜の
劣化をある程度抑制することができる。しかし、Ptも同様に、電解質膜
内においてイオン化し、濃度勾配によって面内方向及び/又は膜厚方向に
拡散する場合がある。さらに、Pt担持カーボンは、Ptが過酸化水素を
生成する機能も有するために、Pt担持カーボンの添加位置によっては電
解質膜の劣化を促進する可能性がある。

【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る膜電極接合体は、 固体高分子電解
質を含む電解質膜と、 前記電解質膜の一方の面に接合されたアノード触媒
層と、前記電解質膜の他方の面に接合されたカソード触媒層と、前記電解
質膜と前記アノード触媒層との界面に配置された第1微粒子とを備え、前
記第1微粒子は、過酸化水素を分解する機能を有する第1化合物からなる。
本発明に係る膜電極接合体の製造方法は、電解質膜の表面、及び/又は、
アノード触媒層の前記電解質膜側の表面に、過酸化水素を分解する機能を
有する第1化合物からなる第1微粒子を付着させる第1工程と、前記第1
微粒子が付着している面が内側になるように、前記電解質膜のアノード側
の表面に前記アノード触媒層を形成し、さらに、前記電解質膜の他方の面
にカソード触媒層を形成して積層体とする第2工程と、前記積層体を熱処
理し、本発明に係る膜電極接合体を得る第3工程と、を備えている。

【発明の効果】 電解質膜の劣化は、
(a)カソードからアノードに透過した酸素がアノード触媒上において水
 素と反応することでH2O2が生成し、
(b)アノード触媒上で生成したH2O2が電解質膜内に拡散し、電解質膜
 中に不純物として混入しているFeとH2O2とが反応することでヒドロ
 キシラジカルが生成し、
(c)ヒドロキシラジカルが電解質を分解する、ことにより起こると考え
 られる。そのため、過酸化水素を分解する機能を有する第1微粒子を電
 解質膜とアノード触媒層との界面に存在させると、アノードにおいて生
 成したH2O2がヒドロキシラジカルとなる前に水と酸素に分解される。
 その結果、電解質膜の分解が抑制され、電解質膜の化学的耐久性が向上
 する。

4.特開2022-134386 気液分離装置、気液分離方法、電気分解装置、電
 気
分解方法
【要約】
下図5のごとく、気液の混相流体から液体と気体とを分離する気液分離装
置1であって、混相流体における気体のみを透過させる疎水性膜53によ
り形成される混相流体の疎水性隔壁部と、疎水性隔壁部に混相流体を供給
する流体流路400とを備えた装置の小型化を実現できる技術を提供する。


図5.第1の実施形態に係る気液分離装置の内部構成と流体の流れとを
 説明するための模式図

【符号の説明】
1 気液分離装置 1A 水電解装置 10A,10B,10C 電解セル 
12A 放熱管(放熱部) 400 流体流路(供給路) 52 親水性膜(
親水性隔壁部) 53,53’ 疎水性膜(疎水性隔壁部) 616 水素
排出路(排出路) 712 酸素排出路(第2排出路) 81a,81b
集電板(カソード側電極部、アノード側電極部) 800 固体高分子電
解質膜 801 カソード側ガス拡散電極層(カソード側電極部) 802
アノード側ガス拡散電極層(アノード側電極部) 811,812 水流路
(液体供給室、第2液体供給室)

【発明の効果】
以上に説明した本実施形態によれば、気液分離に親水性膜52及び疎水性
膜53のみを用いて混相流体における液体と気体とを良好に分離する気液
分離機能を奏することができる。そのため装置構成は極めてシンプルであ
り、従来と比較して装置サイズの小型化を実現できる。特に、流体流路
400を挟むようにシート状の親水性膜52及び疎水性膜53が配設され
親水性膜52に隣接して液体流路200が形成され、疎水性膜53に隣接
して気体流路300が形成されている。よって、気液分離装置1は図1に
示されるように平板状に形成することができ、装置や構造物の隙間等の小
さなスペースにも設置することができて、搬送も容易である。このような
小型の気液分離装置1は、微小重力場においても機能するため、気液分離
装置が必須であるが設置スペースが限られる宇宙ステーションのような環
境化では極めて有用である。また、シンプルな構成であるため、メンテナ
ンス性もよく、低コスト化をも実現できる。さらに使用する際には各管部
にポンプ等を接続するのみでよいため、作業性も良い。
                          この項つづく
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SBクリエイティブ(2023/06発売)

 今話題の「ChatGPT」や「Stable Diffusion」などの「生成AI」がもたらすビ
ジネスチャンスをつかめ。生成AIとは、「コンテンツやモノについてデー
タから学習し、それを使用して創造的かつ現実的な、まったく新しいアウ
トプットを生み出す機械学習手法」であり、新しいものを「創造する」と
いう意味において、従来のAI(Discriminative AI:認識系AI/識別系AI)
とは区別される。 本書では、第一線のソフトウェアの具体例の紹介など
を通じて、これらのデジタルの画像(イラストや写真加工、写真生成)、
動画、音楽・音声、文章を生成するAIが生み出すチャンスとともに、問題
点とその解決の流れについて解説。 内容説 ChatGPTが引き起こす
破壊的イノベーションとは?我々のビジネスはどうなるのか?

目 次
1 生成AIの萌芽
2 次々に登場する実用的なサービス
3 生成AIがはらむ問題
4 無限の可能性を予測する
5 生成AIがもたらす未来

著者等紹介 白辺陽[シラベヨウ] :新サービス探検家。夏の雑草のよう
に新サービスが登場するIT業界で仕事をしながら、将来性を感じるサー
ビスについて調べてみたことを書籍としてまとめている。新サービスの多
くはユニークな技術を使った新しいコンセプトを持っていて、まだ日本語
での参考資料が少ないものも多いのですが、自分自身が納得いくまで理解
した上で、例示・図解・比喩を多用して読者の方に分かりやすく伝えるこ
とを信条とする。未開拓の山に入り、藪をかき分けて道を作り、絶景が見
られるポイントまでの地図をつくる。そんな仕事を続けていきたいと考え
ている
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わたしは何んなの ⑤
ここでは、アルゴリズミカルな人類社会を人工知能(AI)の脅威を描いた
SF映画より考察してみよう。



AI兵器の潜在的な危険を描く『ステルス』 アメリカ海軍の極秘プロジェ
クトに参加することになったベン・ギャノン大尉は、仲間のカーラ、ヘン
リーとともに最新ステルス戦闘機に乗ることになる。さらに、3人の前に新
たな「仲間」として、高性能AIを搭載した完全無人のステルス機「E.D.I
(エディ)」が登場。 ベンたちは対テロ戦で着実に成果を上げていくが、
ベンはE.D.Iを信用できないままでいた。そんなある日、任務中にE.D.Iを
雷が直撃。その後のチェックでは損傷なしと判断されたが、次の任務中に
E.D.Iが暴走を始め、危険と判断したターゲットに独断で攻撃しようとす
る。 ベンたちはE.D.Iの暴走を止めるために後を追う。



一人残ったベンは空中給油を受けながらE.D.Iを探すが、E.D.Iに捕捉され
ドッグファイトに突入するが、既にロシア領空内に侵入した為、ロシア空
軍機の迎撃を受ける。ベンは生き残る為にE.D.Iと共に共闘する道を選ぶ。
一方、カーラは帰還途中に機体が操縦不能となり、北朝鮮上空で墜落して
しまう。カーラは韓国領へ脱出を図るが、途中で北朝鮮軍に発見されてし
まい、追われる身となってしまう。 ベンとE.D.Iは互いに一歩も譲らずに
いたが、ロシア空軍の迎撃を受けてE.D.Iが損傷する。 ロシア軍基地への
攻撃が不可能となったE.D.Iは、ベンの説得を受けて母艦への帰還を決意し、
カミングスの指示でアラスカに向かう。しかし、ベンとE.D.Iはカミングス
が何かを企んでいることに気付き、同時にカーラが北朝鮮領内で孤立して
いることを知る。ベンはアラスカに到着するが、そこでカミングスの命令
を受けた男に殺されそうになる。カミングスはE.D.Iのミスを抹消するため
に、秘密を知るベンの命を狙い、E.D.Iのデータを初期化しようと図ってい
た。

ベンはE.D.Iの開発者オービット博士の協力を得てE.D.Iを修理し、E.D.Iに
乗り込みアラスカを脱出してカーラを救いに北朝鮮に向かう。カミングス
は情報隠蔽と口封じを図ったことが露見し、マーシュフィールド大佐に拘
束されそうになるが、拘束を逃れるために自殺する。 カーラは北朝鮮兵に
狙撃され、負傷しながらも韓国との国境に到着するが、北朝鮮軍に捕捉さ
れてしまう。そこにベンとE.D.Iが到着し、国境警備隊を制圧する。しかし、
北朝鮮軍のヘリコプターの攻撃を受け、脱出出来なくなる。E.D.Iはベンと
カーラを守るため、ヘリコプターに突撃して大破する。二人は徒歩で北朝
鮮を脱出し、無事に韓国領に到達する。

風蕭々と碧い時







 





John Lennon Imagine



アルバム『終わりなきこの愛』 2019.4.24
Richard Greidaman WE'RE ALL ALONE
ウィア・オール・アローン
今夜の寸評: TO CONTINUE MEANS TO NEVER GIVE
        
                                                             浄土宗 月訓 

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わたしは何んなの ⑤

2023年09月29日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。



Converting Lawn Into Moss 芝生を苔に変えるのはどうだろう?

【ウイルス解体新書 172



序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学
第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
第4章 終 章 備えあれば憂いなし

1.経験を生かし次なる「新型コロナウイルス」を防ぐ術
最新とポスト新型コロナウイルス情報 ①(彦根市民の飲み水を守る会)
 作成日:2023.9.28|更新日:
新型コロナの「第8波」はようやくピークアウトしたように見える。感染
状況は今後どうなるのか、状況を左右しそうなのが変異ウイルス、「XBB.
1.5」。アメリカでは6割を超えていて、免疫が効きにくく広がりやすいお
それがあるとされている。「XBB.1.5」によって「第8波」が長引くことは
あるのか。これまでのワクチンは効くのか。「第9波」は?


                                                    
-

   


再エネ革命渦論 170
: アフターコロナ時代 171】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中 ㊿❶



ホンダ 来年アメリカで初のEV販売へ GMと共同開発のSUVを公開
2023年9月29日 11時45分 NHK
アメリカのバイデン政権がEV=電気自動車の普及を後押しする中、ホンダ
はアメリカで初めて販売するEVを公開し、来年に発売する。出遅れていた
EV販売の巻き返しをはかるねらい。ホンダはアメリカの大手自動車メーカ
ー、GM=ゼネラル・モーターズと共同で開発したSUV=多目的スポーツ車
「プロローグ」を、中西部ミシガン州で報道陣に公開。ホンダがアメリカ
で販売する初めてのEVで、来年初めに発売。 外装や内装はホンダ、バッ
テリーはGMが開発し、1回の充電でおよそ480キロ走ることができるという。

アメリカではバイデン政権が気候変動対策としてEVの普及を後押ししてい
る。 新車販売台数に占めるEVの割合は、ことし4月から6月までの3か月間
で7.3%に達しました。 ホンダはこれまでアメリカでEVを投入できておら
ず、出遅れていたEV販売の巻き返しをはかるねらいです。 日本メーカーは
アメリカでは日産自動車がすでに2車種のEVを販売しているほか、トヨタ
自動車とSUBARUも去年、それぞれ1車種を投入し、各社ともEV販売に力を
入れ始めている。


米国に世界最大級のリチウム鉱床

9月19日、ネバダ州とオレゴン州の境界沿いにある休火山の火口に、既知の
中で最大となる可能性のあるリチウム鉱床が発見されたと報告しており、
最大4000万トンの金属が含まれていると推定。

リチウムは今日のテクノロジー主導の世界では不可欠な要素であり、電気
自動車 (EV) からスマートフォンやラップトップに至るまであらゆるもの
に電力を供給する充電式バッテリーの重要なコンポーネントとして機能。
エネルギー密度が高く、軽量であるため、電気化学的可能性が高く、エネ
ルギー貯蔵に最適です。 持続可能でクリーンなエネルギーを求める世界
的な動きが強まる中、家庭用電子機器の普及に加え、EVの導入と家庭用お
よび事業規模の蓄電池ソリューションの拡大によって、リチウムの需要は
2030年までに3倍、さらには4倍にまで増加すると予測されている。 したが
って、リチウム埋蔵量の探査、開発、効率的な管理は、今後数年間でます
ます重要になる。 現在、世界の供給量の多くはボリビア、アルゼンチン、
チリの「リチウム・トライアングル」のほか、オーストラリアや中国から
も得られている。 これらの国々は長い間生産の中心地として機能してお
り、その優位性により世界のサプライチェーンに強い影響力を与えるが、
米国でのエキサイティングな新発見ので、リチウム抽出市場は混乱すると
見られ、ネバダ州とオレゴン州の境界沿いにある休火山の火口には、現在、
大量の金属が含まれていると考えられている。

マクダーミットカルデラがリチウムを含む火山泥をホ保持していることは
知られていたが、この地域は、35 x 45 km(22 x 28マイル)の大きさで、
イエローストーンホットスポットによって形成された一連のカルデラの中
で最も古い可能性がある。19万年前に溶岩ドームが形成され、約2万年後
の大噴火でカルデラに崩壊。その後、カルデラに湖が形成され、さまざま
な物質が堆積。6世紀には、水銀とウラン鉱石の採掘が20つの場所で行われ
た。最近では、探鉱者はリチウムの可能性を認識し始めている。マクダ
ーミットカルデラ内の約18,000エーカー(7,300ヘクタール)のサイトであ
るサッカーパスは、採掘事業を確立するためのリチウムアメリカズコーポ
レーションの活動が焦点となっており、2018年、同社はプロジェクトの測
定および示されたリソースを公開し、6メガトン(Mt)に達し、後に13.7 Mt
に上方修正し、平均鉱石グレードは2,231 ppm(0.22%)リチウムである。米
国土地管理局は2021年に鉱山の承認を与え、開発は2023年開始。 新しい
in situ(現場)分析により、さらに高い推定値となる。最新の調査によ
ると、アンダーパスか20~40Mtのリチウムが含まれる。この広範な値を考
えると、かなりの不確実性があり、追加の掘削研究で確認された場合、よ
り低い見積もりであっても、米国のリチウム生産を大幅に後押しする。一
方、より高い見積もりでは、世界最大のリチウム資源獲得を意味する。前
述の「リチウムトライアングル」の<>分の<>を形成するボリビアのウユニ
塩湖のトン数のほぼ2>倍になる。 これらの重量を概観すると、ギザの大
ピラミッドの推定質量は約6万トン。したがって、40万トンのリチウムは
6.5倍の大ピラミッド重量に相当。現在の市場価格は、1.5兆ドルを超える
可能性があるという。



非常に重要なリチウムの堆積物
彼らの机上の推定を信じるなら、これは非常に重要なリチウムの鉱床であ
るとルーヴェン大学地質学者アヌーク・ボースト氏は語った。それは、価
格、供給の安全性、地政学の観点から、世界的なリチウムの動向を変える。
米国は独自のリチウム供給源を持ち、産業界は供給不足に対する恐怖を軽
減する。「粘土が表面近くに保存されるというスイートスポットに到達い
た」と彼女言う。「それほど多くの岩石を採取する必要はないが、まだ風
化していないが、タッカーパスは法的な問題に直面する。この地域の伝統
的な故郷を持つ先住民族がこの計画に反対している。環境団体も水資源や
野生生物への潜在的な影響について懸念を表明。ニューヨーク・タイムズ
は、「ネバダ鉱山をめぐる争いは、世界中で表面化している根本的な緊張
を象徴。電気自動車や再生可能エネルギーは、見た目ほど環境に優しいも
のではないかもしれない」と報じた。 ネバダ大学リノ校の元環境科学教
授グレン・ミラー氏はCNNに対し、このプロジェクトは「その規模の割に
比較的安全な鉱山」であり、リチウム採掘によるクリーンエネルギーの利
点は環境への懸念を上回るだろうと述べ、温室効果ガスの排出など削減な
ど優位さはそれより勝るかもしれない。急進的な環境活動家たちは、気候
変動問題を解決する唯一の方法は、車の運転を大幅に減らし、ガソリンや
石炭を燃やさないことだと主張するだろが、まあ、そんなことは起こらな
いだろうと言う。ミラー氏は以前、採掘は最初の20年間は地下水位より高
い位置にとどまると述べたが、後の段階では変更される可能性がある。す
べてが計画通りに進めば、鉱山は 2026年に生産を開始し操業は今後 40年
間継続すると予想されている。
via Future Timeline Lithium deposit in U.S. volcano could be world's largest

【再生エネルギーを利用した水素生産概論 Ⅰ】

 2018.9

現在、世界のエネルギー関連の排出量の1/3は、現時点では化石燃料に代わる
経済的なエネルギー源を持たない経済セクターから排出されている(IRENA、201
7a)。これらの大半は大量のエネルギーを要する業種や貨物輸送に由来(図3)。
60%をまかなうことが可能です。このように大きな割合の変動性発電を経済的に
統合するには、より柔軟性のある電力システムが求められる。

石油化学原料は現在の水素需要の大部分を占めており、そのほとんどが
化石燃料をベースにしている。
水素と電気はエネルギーキャリアとして、エネルギー移行において補完的
役割を担う。再生可能エネルギーを原料とした水素には、脱炭素化が困難
なセクターに大量の再生可能電力を供給する技術的ポテンシャルがある。
パワー・ツー・ハイドロジェン(電力の水素変換)によって、電力システ
ムに組み込むVREの割合の増加を受け止める柔軟性が生まれる。

現在の技術的状況・展開
図6が示すように、再生可能エネルギー資源を原料に水素を生産する上で最
も確立された技術的選択肢は、水電解と、二酸化炭素の回収および利用/貯
蔵(CCU/CCS)を伴う、または伴わない。バイオメタン/バイオガスの水蒸
気改質です。それほど成熟していない道筋としては、バイオマスのガス化
と熱分解、熱化学水分解、光触媒、バイオマスの超臨界水ガス化、暗発酵
と嫌気性消化の組み合わせがある。




ALKおよびPEM電解槽の比較
ALK電解槽技術は十分に成熟している。エネルギー以外の用途、特に化学工
業(塩素製造など)で、1920年代から工業利用が行われてきた。対照的に
、PEM電解槽技術は急速に台頭中で、商業展開がスタートしている。これま
での展開と安定した生産量により、平均設備投資(CAPEX)はキロワットあ
たりベースでPEM電解槽よりALK電解槽の方が低くなっているが、PEMのCAPE
Xは近年大幅に下がり続
けている(FCH JU, 2014; FCH-JU, 2017a)。

ALK電解槽の寿命は現在2倍で、今後10年間はALK電解槽の寿命の方が著しく
長いという状況が続くと予想される。以下の表1はALKおよびPEM電解槽の今
日の技術経済的特徴と将来的に期待される改善点に関する概要を示す。
最新のPEM電解槽は従来のALK技術より柔軟に動作し、かつ反応性も優れ、
PEM技術は動作領域が比較的広範でレスポンスタイムも短いことから、複数
の電力市場から収益を獲得するために柔軟に運用できる利点がある(NREL,
2016a; NREL, 2016b)。システムは最小限の消費電力でスタンバイモード
に保つことができ、定格負荷より高容量で短時間(10‐30分)の動作も可
能100%超、最大200%)。上流・下流制御能力を備えたPEM電解槽は利用可能
な発電能力を損なうことなく高周波数制御予備力(FCR)を提供することが
できる。言い換えると、PEM電解槽のオペレーターは、水素が十分に貯蔵さ
れている場合、顧客(工業、モビリティ、ガスグリッドへの注入)に水素
を供給すると同時に、追加的なCAPEXやOPEXを低く抑えながら付属的サービ
スをグリッドに提供することができる(NREL, 2016a; NREL, 2016b)。こ
のような柔軟性の向上はパワー・ツー・ハイドロジェン(電力の水素変換
)の全体的な経済性を改善し、複数の電気市場からの新たな収益の流れを
生み出すことでALK電解槽と比較したPEM電解槽の投資コストの高さを相殺
する可能性があります(NREL, 2016a; NREL, 2016b)。ただし、付属サー
ビス市場では現在、価格の大幅な下落に見られるように、熾烈な競争が繰
り広げられており、中期的に電解槽のビジネスケースに影響を及ぼす可能
性がある。PEM電解槽は、水素を大気圧(最大15 bar)で生産するALK電解
槽より高い圧力(一般的には約30 bar)で水素を生産する。
その結果、エンドユースに望ましい圧力に到達するための下流圧縮の必要
性は低くなります。これはモビリティなど、高圧が重要となる用途で特に
重要です。

電力の水素変換の主要課題と実現に向けて考えられる対策の概要



出所:デンソー :デンソーは広瀬製作所でSOECの実証を2023年7月に開始

高効率な水電解技術「SOEC」、量産規模の早期拡大が普及のカギに
SOEC(固体酸化物形電解セル、Solid Oxide Electrolysis Cell)は、水を電気
分解(水電解)して水素を得る技術の1つである。再生可能エネルギー由
来の電力を使えば、二酸化炭素(CO
2)フリーの「グリーン水素」が得ら
れる。いくつかある水電解技術の中で、エネルギー効率、すなわち投入し
た電力量に対して得られる水素のエネルギーの比が最も高い。
via 日経クロステック 2023.9.29

SOECは、水素などから電気をつくるSOFC(固体酸化物形燃料電池、Solid
Oxide Fuel Cell
)の反応を逆にたどる技術もいえる。実際、SOFC製品の開発
に長年取り組んできた大阪ガス、三菱重工業や東芝エネルギーシステムズ
デンソー、日立ハイテクなどの国内企業の多くがSOEC装置の開発も手掛け
ている。ところが、国内では再生可能エネルギーが高コストでしかも水素
の市場規模が小さいためか、装置の量産規模や導入規模(計画含む)では
ドイツやデンマークの企業が先行する。SOECの特徴は高価な貴金属触媒に
頼る代わりに、水蒸気をセ氏700~800度の高温状態にして水電解を促進す
る点。このため、熱を効率的に活用しているかどうか、または外部の熱を
利用できるかどうかでエネルギー効率が左右される。大きな廃熱を伴う製
造工場内にSOEC装置を併設し、その熱を利用できれば、エネルギー効率を
大きく高められる。このため、水素で鉄を還元したい鉄鋼メーカーにはう
ってつけの技術といえ、ドイツなどでは既に採用例もある。大阪ガスは、
SOECで生産した水素とCO2でメタンを合成する過程で得られる廃熱をSOEC
に利用するシステム「SOECメタネーション」を開発している。

                           この項つづく
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原子一個の厚みのカーボン膜で水素と重水素を分ける 幅広い分野でのキ
ーマテリアル「重水素」を安価に精製する新技術を実証
 2022年9月1日、日本原子力研究開発機構,東京大学,北海道大学,大阪大学
らの研究グループは、一原子の厚みのグラフェン膜で水素と重水素を分離
できることを示し、またその分離機構も明らかにしました。

【要点】
1.原子一個の厚さからなるグラフェン膜*1で水素と重水素を分離できる
 ことを実証
2.分離のメカニズムはグラフェン膜に対して水素イオンと重水素イオン
 *2のすり抜けやすさが大きく異なる量子トンネル効果*3に起因しているこ
 とを証明
3.半導体集積回路の高耐久化、光ファイバーの伝搬能力の向上、重水素
 標識医薬品の開発、核融合のエネルギー源のキーマテリアルである重水
 素の安価な精製法として期待
【概要】
 水素(H2)の同位体である重水素(D2)は、電子機器に含まれる半導体集積
回路の高耐久化や5G/IoT情報化社会に必須の光ファイバーの伝搬能力の向
上、薬用効果を長くする重水素標識医薬品の開発、次世代のエネルギー源
として注目されている核融合のキーマテリアルとして不可欠な材料です。
D2の製造法の一つとして、H2とD2の混合ガスからD2を分離する深冷蒸留法
が知られているが、この手法は-250℃といった極低温が必要であること、
HとDを分ける能力であるH/D分離能が低いため製造コストが高く、新し

動作原理による分離材料とデバイスの開発が急務となっている。
【成果】
グラフェン膜のH/D分離能を実験的に再現性良く検証する手法として固体
高分子形の電気化学デバイスを利用しました。デバイス内の水素イオンと
重水素イオンが生成する電極部位にグラフェン膜を張り付け、膜を通り抜
けた水素イオンと重水素イオンの量を定量的に評価することでH/D分離能を
精査しました。その結果、重水素イオンよりも水素イオンがグラフェン膜
を通り抜けやすく、実験的にH/D分離能を有することを示した(図1)。
また得られた実験結果を理論計算と比較検証した結果、観察されたH/D分
離能は重水素イオンよりも軽い水素イオンがグラフェン膜を多くすり抜け
る量子トンネル効果と呼ばれる現象に起因していることを示しました。
【展望】
グラフェン膜の量子トンネル効果を利用した分離法では常温でも高いH/D
分離能が発現。
また、実験系で用いた固体高分子形の電気化学デバイスは、すでに商用化
されており常温~80℃程度の温度領域で動作する特徴を有す。
グラフェン膜とこのデバイスを組み合わせることで従来手法の深冷蒸留法
と異なり、冷却にかかるコストが一切必要のない低コストの分離デバイス
創製が可能である。
【論文】
雑誌名:ACS nano (2022).
タイトル: “Efficient Hydrogen Isotope Separation by Tunneling Effect Using
Graphene-Based Heterogeneous Electrocatalysts in Electrochemical Hydrogen
Isotope Pumping
”(電気化学水素ポンピングによるグラフェンからなるヘテ
ロ電極触媒のトンネル効果による効率的な水素同位体分離)
【注釈】
今頃なんっだと思われるが、①福島原発事故処理水のトリチウム除去に応
用できなかったのかという思いと、②水電解での水素分離回収/濃縮/貯
蔵/燃料電池発電/メタネーション原料への応用ができると考えた。


 最新水素製造・精製。分離・貯蔵技術事例
【特許技術事例】
1.特開2023-131085 酸窒化物の製造方法、光触媒の製造方法及び水素の
製造方法 国立大学法人信州大学
【概要】
属酸化物(A)と、金属窒化物(B)と、ハロゲン化金属(C)との混合
物を閉鎖系内で加熱する反応工程を備える、酸窒化物の製造方法で光触媒
として有用な酸窒化物を効率良く製造可能な、新規の酸窒化物の製造方法
を提供すること。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属酸化物(A)と、金属窒化物(B)と、ハロゲン化金
属(C)との混合物を閉鎖系内で加熱する反応工程を備える、酸窒化物の
製造方法。
【請求項2】 前記金属酸化物(A)が、Zn、Al、Ga、In、Ge及
びSnからなる群より選択される少なくとも一種の金属元素を含有する、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】 前記金属酸化物(A)が、Al、Ga、In、Ge及びSn
からなる群より選択される少なくとも一種の金属元素を含有する金属酸化
物(A-1)を含む、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】 前記金属酸化物(A)が、Znを含有する金属酸化物(A-
2)を更に含む、請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】 前記金属窒化物(B)が、Zn、Al、Ga、In、Ge、
Sn、Li、Na、Mg、Ca、Sr、Ba及びLaからなる群より選択
される少なくとも一種の金属元素を含有する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】 前記金属窒化物(B)が、金属元素と、窒素原子と、ハロゲ
ン原子とを含有する化合物(B’)である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】 前記化合物(B’)が、Zn2NX(Xはハロゲン原子を示
す。)である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】 前記ハロゲン化金属(C)が、Zn、Al、Ga、In、
Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba及びLaからなる
群より選択される少なくとも一種の金属元素を含有する、請求項1に記載
の製造方法。 【請求項9】 前記酸窒化物が、金属窒化物(i)と金属酸
化物(ii)との固溶体である、請求項1に記載の酸窒化物の製造方法。
【請求項10】 前記金属酸化物(A)及び前記金属窒化物(B)のうち
少なくとも一方が、Znを含有し、前記金属酸化物(ii)が、ZnOを
含有する、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】 前記金属酸化物(A)及び前記金属窒化物(B)のうち少
なくとも一方が、Al、Ga、In、Ge及びSnからなる群より選択さ
れる少なくとも一種の金属元素(α)を含有し、 前記金属窒化物(i)が、
前記金属元素(α)を含有する、請求項9に記載の製造方法。
【請求項12】 前記反応工程で得られた酸窒化物を焼成する焼成工程を更
に備える、請求項1に記載の製造方法。
【請求項13】 前記焼成工程が、酸素含有雰囲気下での焼成を含む、請求
項12に記載の製造方法。
【請求項14】 前記焼成工程が、アンモニア含有雰囲気下での焼成を含む、
請求項12に記載の製造方法。
【請求項15】 前記焼成工程が、不活性ガス雰囲気下での焼成を含む、請
求項12に記載の製造方法。
【請求項16】 請求項1~15のいずれか一項に記載の製造方法で製造さ
れた酸窒化物に、酸化反応助触媒及び還元反応助触媒を担持させて、光触
媒を得る工程を備える、光触媒の製造方法。
【請求項17】 請求項16に記載の製造方法で製造された光触媒と水とを
接触させて、前記水を分解する工程を備える、水素の製造方法。

                           この項つづく
【コメント】
毎日、ものすごい情報を処理し、思考構築をを行っている。網膜剥離を
う数年前は、16時間キーボードをたたいていたが、今ははそれも
かなわず、
ただ、ただ「時代の風」を感じている。そのとき思い出すのは、アーネス
ト・ホーストの「年齢なんて関係ないね。ただの数字だよ」という名言だ。


わたしは何んなの ⑤
ここでは、アルゴリズミカルな人類社会を人工知能(AI)の脅威を描いた
SF映画より考察してみよう。

人類が宇宙への植民を開始した22世紀、植民船コヴェナント号はアンドロ
イドのウォルターに管理されながら、冷凍睡眠状態の乗組員や植民者を乗
せて宇宙を進んでいた。そんな中、船は謎の信号をキャッチ。その信号を
辿ると本来の目的地よりも植民に適した星がすぐ近くにあることが判明し、
乗組員たちは調査のためにその星に降り立つのだった。ところが、その星
には未知の生物がおり、乗組員たちに襲いかかる。その後、決死のサバイ
バルを続ける生存者たちの前に、ウォルターと全く同じタイプのアンドロ
イドが現れる。




風蕭々と碧い時











John Lennon Imagine



アルバム『終わりなきこの愛』 2019.4.24
Richard Greidaman WEST SIDE STORY MEDLEY: MARIA-TONIGHT-AMERICA
ウエスト・サイド物語メドレー:マリア~トゥナイト~アメリカ
今夜の寸評: TO CONTINUE MEANS TO NEVER GIVE
        
                                                             浄土宗 月訓 

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わたしは何んなの ④

2023年09月26日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。



                     秋晴れや 朝妻筑摩 免許証
                                            


誕生日の1ヶ月前の朝、晴天下、湖岸を北上し米原の免許センタで無事更
新を済ませる。腰痛再発で朝のトレーニングメニューを再開するも、痛み
を感じ急遽とりやめるが、なんのこれしき、ノーベル賞をあきらめないな
と気を取り直し朝に詠む。



正午前になると彼女とラ・コリーナへ湖岸道路で向かう。おもしろいこと
にランチはスーパーで購入してきた巻き厨子を頬張り、飲み物は能登川の
セブンで購入し潤すという有様。駐車場に着くと拡張されており、県外か
らの訪問者やインバンドの白人からの観光客も目立ち、店内前庭のおかめ
笹の緑鮮やかにわたしたちを迎える。中庭も拡張、新たにバームファクト
リーカフェがオープンしていた。とは、日中は暑く早めに帰宅する。



   



再エネ革命渦論 169: アフターコロナ時代 170】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中 ㊿





【関連技術情報】
1.光触媒によるヨウ化水素水溶液からの水素生成反応 九大カーボンニ
 ュートラル・エネルギー国際研究所
【緒言】
ヨウ素と硫黄を利用する熱化学水分解法(ISプロセス)は、低コストな水素
製造法として実用化が期待されている。1Sプロセスはブンゼン反応、ヨウ
化水素(HI)の分解反応、硫酸分解反応の3つの化学反応を組み合わせるこ
とで、水を水素と酸素に分解するプロセスであり、H1分解反応では約400
℃、硫酸分解反応では約900℃の高温が必要でなる。本研究では、ISプロセ
スを進行させるエネルギーを熱から太陽光に変えることを目的として、種
々の助触媒を担特したKTa03光触媒による
HIの光分解反応(2HI→H2+I2)
を検討した。
【実験】
光触媒に用いたKTaO1は、Ta205K2CO3を蒸発乾固法で混合した後、空気
中で1000で、10時間焼成して調製した。助触媒は各種金属硝酸塩や金属塩
化物を蒸発乾固し、300℃で熱処理することで押持した。 HI水溶液の光分
解反応にはバッチ式反応装置を用いた。10mMHI水溶液に触媒(50mg)を懸
濁し、Ar雰囲気下で外部からXeランプを照射した。生成した気体はガスク
ロマトグラフで分析し、反応装置内に析出したI2や反応溶液中に生成したI
3'はチオ硫酸ナトリウム水溶液を用いた滴定により定量した。また、IO3'
の定量にはイオンクロマトグラフを用い、末反応のIはAgNO3水溶液を用い
た滴定により定量した。
【実験結果及び考察】
Tablc.1には、様々な助触媒を担持したKra(あを児触媒として用いた場合の
HIの光分解反応の結果を示す。検討した全ての触媒でH2の生成が確認され、
特にPdやPtを担持した際に高い触媒活性を示した。これらの触媒では反応
溶液中に含まれるI'の大半が消費されたため、生成した12が溶液中に溶解
せずに反応容器内に析出した、一方、RhIrを用いた場合、馬生成量は助
触媒を担特していないKTa03と同程度であり、13'の生成と同時に02の生成
が観測された。この結果は、KTa01光触媒の酸化丿又応が助触媒によって
大きく影響を受けることを示している。Fig.1には、反応後のKTaO,光触媒
13d伺近のXPSスベクトルを。助触媒未担持のサンプルからは13dピークは
観測されず、PdやRh,lrを担持した触媒からは明確なビークが観測されたこ
とから、Iか劫触媒上に吸着していることが示唆される。さらに、I2やI3
-ド生成量が多い触媒ほどI3dピークの強度か商い傾向を示すことから、HI
の光分解では防蝕媒上にI'が吸着することで、触媒表面におけるI'の酸化
反応か促進されると考えられる。このように、KTaO3の)HI光分解活性は
掛物する防触媒に大きく影響を受けており、Ptを防触媒として用いること
で、HIの光分解反応が効率よく進行することがわかった。

2.太陽光水素製造を目指した可視光応答型光触媒系の開発 表面科学 Vol
. 38, No. 6, pp. 274-279, 2017
【概要】
レドックスを介した二段階励起機構を導入することにより可視光水分解を
初めて実証し,金属酸化物や酸窒化物のほかにも,有機色素や酸 ハロゲン
化物など,多種な可視光応答型光触媒系が適用可能となっているが,可視
光の利用が容易に なる一方で,レドックスの逆反応が容易に進行するた
め,その反応選択性の制御が水分解効率の向上に不可欠 である。その有
効な手段の一つは,光触媒粒子の表面制御であり,今後新規な光触媒材料
の探索とともに,反応場である表面の制御がますます重要性を増すと考え
られる。

2.光触媒を利用したC02フリー水素の製造
  NEDO人工光合成プロジェクトの研究成果と社会実装への道筋 

【要約】
プロジェクトで開発した尤触媒シートは、CO。フリー水素を安価に製造し
得るポテンシャルを心する尤触媒を用いて、低コスト水素を製造するため
には、長波長の光を吸収し.吸収した光エいレギーを高い量子収率で水素
工大ルギーに変換できる尤触媒の開発か不可欠。


水素基本戦略
水素は,燃焼時にC02を排出しない.それゆえ,再生可能エネルギーを用
いて製造した水素(グリーン水素)や,化石資源から水素を製造し,副生
したC02を地中に貯蔵(CCS)した場合の水素(ブルー水素)は,カーボン
フリーなエネルギーとなり得る、このような観点から安倍内閣は,2017年
12月26日に世界に先駆けて「水素基本戦略」を策定した≒水素基本戦略で
は,水素社会の実現に向け,ガソリンやLNGなどの従来エネルギーと同じ
程度のコストまで,水素コストを低減することが目標として掲げられてい
る.具体的には,現時点で販売されている水素(化石資源から製造される
水素)のコストが100円/m3以上であるのに対し,C02フリー水素のコスト
を,2030年には30円/m3,2050年に20円/㎥まで引き下げる,という野心的
なコスト目標が,水素基本戦略に明記されている.グリーンイノベーショ
ン基金事業においても,水素に関わるプロジェクトでは,上記コスト
目標
の達成が要求されている。光エネルギー変換に基づく様々な手法(上表1
参照)

2.紫外光領域で光触媒量子収率100%実現の意義
2020年5月29日、NEDOと人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)
は、紫外光領域ながら世界で初めて100%に近い量子収率(光子の利用効
率)で水を水素と酸素に分解する粉末状の半導体光触媒を開発。半導体光
触媒における太陽光エネルギー変換効率の改善には、光触媒が吸収する光
の波長範囲を拡大することと量子収率を高めることの大きくすることと、
最大化するの2つある。従来の光触媒の収率低下要因ほぼ完全に抑えるこ
とに成功している。

図1. 開発したSrTiO3:Al光触媒における外部量子収率の波長依存性
 (左図)と既存の高活性光触媒との比較(右図)

図2.空間的電荷分離機能による高効率水分解光触媒の反応モデルと構造
【要点】
1.光エネルギー変換の最も重要な要素は光励起された電子と正孔を一定
 の方向に移動させること。
2.植物の光合成においても電荷移動を一方通行にすることで高い量子収
 率が得られますが、それは複雑な蛋白質構造によって可能となり、それ
 を人工的に再現することは非現実的。
3.開発した光触媒は簡易構造で人工的に作り出すことが可能であり、高
 効率なソーラー水素製造技術実現に不可欠な高活性光触媒の明確な設計
 指針となる。
【展望】
図3は量子収率100%で水を分解したときの利用波長範囲と太陽光エネル
ギー変換効率を示す。例えば、500nmまでの光を全て水分解に利用できた
場合は約8%、600nmの場合は約16%の太陽光エネルギー変換効率が得られ
る。バンドギャップの小さな化合物で水を分解する場合はさらに高度な触
媒性能が求められるが、触媒設計指針を応用することで、製造プラントの
省スペース化や製造コストの低減が期待できる。


図3.応答波長範囲と太陽エネルギー変換効率

3.高効率水電解水素生成の実現 理化学研究所 2023.8.21
白金/炭素ナノマテリアル複合体による水素発生触媒の開発
【要点】
1.水の電気分解(2H2O→2H2+O2)による水素発生のために、水中でPtNP
 とCNM(単層カーボンナノチューブ、グラフェン、アセチレンブラック
  )を直接複合化した3種類の水素発生触媒を開発
2.それぞれをプロトン交換膜(PEM)水電解の陰極に用いた
3.各陰極で、既報の白金系水素発生触媒と比べておよそ100分の1の白金
 量で水素が発生すること、および電流密度100mA/cm2で150時間連続して
 水素が発生
4.電流密度100mA/cm2で150時間連続して水素が発生
5.開発した触媒の一つであるPtNP/単層カーボンナノチューブ触媒は、
 白金量が市販の白金/炭素触媒の470分の1であるにもかかわらず、270倍
 も高い質量活性(白金の単位質量当たりの電流値)を示し、高価な貴金
 属の使用量を減らすコスト効率が高い


図1.PtNP/CNM複合体をプロトン交換膜(PEM)水電解の陰極に用いた水
 素発生触媒

図2.PtNP/CNM水分散液の調製とPEM水電解電極の作製
開発していた水分散性白金ナノ粒子(PtNP)と3種類の炭素ナノマテリア
ル(CNM)をそれぞれ混合させ、超音波処理を施すと、非共有結合機能化
によりPtNP/CNM水分散液が調製される。それぞれのPtNP/CNM水分散液を
スプレーコートして陰極を成膜し、さらに陰極の裏面に酸化イリジウム
をスプレーコートして陽極を成膜し、プロトン交換膜(PEM)水電解電極
を作製する。


図3.開発した水電解水素発生触媒の性能

4.水電解には、大きく分けて、アルカリ水電解、プロトン交換膜(PEM)
 型、アニオン交換膜(AEM)型、固体酸化物形の4方式
【特徴】




✔これらの情報では、名古屋工業大学の「ヨウ化水素太陽光触媒による水
素生 成システム」も「量子収率」及び大きくは「水電解効率」と共通課
題が絡んでいることができる。理化学研究所のレポートにあるようにカー
ボンナノチューブの「比面積のスケールMWメリット」が重要因子であるこ
ともわたし(たち)の認識とと同じであることも了解でき、「カーボンナ
ノチューブ」(黒の革命)における「量産化」と「安全衛生管理」の強化
が重要課題とし遡上準備と「収率向上技術」「付加価値と  経済性との調
和」が重要課題とし遡上準備が待ち受けている。これがわたし(たち)の
「公然の秘密事項」であるも然り、ペロブスカイト太陽電池が象徴するよ
うに「有機・無機量子ハイブリット多層系高性能電池」(黒nの革命)と
融合、『低温核融合グリーンエネルギー革命』(1989年→2030年)がはじ
まると考える。
                          この項つづく



厚さ1mm、重量5kgの曲げられる55型LEDディスプレイ
Panelsemiは、薄型/軽量/低消費電力で高い柔軟性を持つLEDディスプレ
イの量産技術を持つ台湾発のスタートアップだ。同社製品は、従来ディス
プレイと比較して、設置時間を半分、消費電力を70%削減できる。 Panels
emiは
、薄型/軽量/低消費電力かつ曲げられるLEDディスプレイの量産技
術を持つ2021年創業の台湾発のスタートアップだ。同社は2023年9月14~15
日、日台間の産業分野における交流を目的としたイベント「日本・台湾ス
タートアップサミット 2023」に出展し、自社製品「Active Matrix mini/mic
ro LED
ディスプレイ」の特長や日本進出の計画をインタビュ。 Active Mat
rix mini/micro LED
ディスプレイは、55型ながら重量が5kg以下と軽量で、
厚さも1mm以下と薄い。従来のLEDディスプレイに使用されているLEDに比
べて小さなLEDを使用しているため、同じサイズであれば画素数を高くで
き、柔軟性に優れていて曲げられるのが特長。また、広告用途に使用され
ている従来のLEDディスプレイ比で、設置時間を半分に、消費電力を約70%
削減。主に、駅や乗り物、イベント会場などの広告用途を想定している。



既に提供を開始していて、台湾の工場で製造している。現状の生産キャパ
シティーは月産30台。自社製品の特長について、担当者は「超薄型/超軽
量かつ高い柔軟性を持つため、どんな場所でも短時間かつ省スペースで導
入できる。また、ベゼル(縁)がないため、複数のディスプレイを組み合
わせることで簡単に大画面化が可能だ。駅構内の柱に巻き付けて使用する
ことも、自動車や飛行機の天井など狭い空間で使用することも可能だ。将
来的には、生産キャパシティーを月産100~200台に増やしていきたい」と
説明。 日本進出の意気込みについては、Panelsemiは高いディスプレイ技
術を持っていると自負している。日本、特に東京は人口も多く、さまざま
なイベントが開催されている。また、アニメやオタク文化も発展している
ため、デジタル技術との親和性も高いと感じている。今後は、日本の企業
とも連携して、唯一無二のちょっと変わった技術を日本の皆さんに届けた
い。近日中に東京都内の駅でも活用が決まっているため、日本の皆さんに
体感していただけるのが楽しみだ」(同担当者)と語る。 同社は、自社開
発ディスプレイの生産/提供だけでなく、ガラス基板を使用したアモルフ
ァスシリコン/低温ポリシリコンTFTプロセスを適用するファウンドリーサ
ービスも行っている。
※厚さ1mm、重量5kgの曲げられる55型LEDディスプレイ:台湾発スタートア
ップが開発 - EE Times Japan 2023.9.25


わたしは何んなの ④
ここでは、アルゴリズミカルな人類社会を人工知能(AI)の脅威を描いた
SF映画より考察してみよう。
人工知能の暴走で崩壊していく日常『AI崩壊』





「22年目の告白 -私が殺人犯です-」の入江悠監督が自ら脚本を手がけ、
メガホンを取った日本発のディストピアSFサスペンス。 高齢化や格差社会
への対応手段として「全国民のデータを管理するAIが活用されている」と
いうリアリティのある設定や、AIの暴走によって見慣れた日本社会が混乱
に陥っていく様を大スケールで描いた映像が話題に。近未来SF映画であり
ながら、クライムサスペンスとしても重厚な仕上がりになっているのが見
どころ。真犯人や結末を予想しながらスリリングに楽しめる娯楽映画。
『AI崩壊』(エーアイほうかい)は、2020年1月31日に全国公開されたSF・
パニック映画。2030年の日本を舞台に、突如として暴走を始めたAIとそれ
を阻止しようと奔走する天才科学者の攻防を描く。 舞台は(公開時点か
ら10年後の)2030年。高齢化と格差社会が進展し、人口の4割が高齢者と
生活保護者となり、医療人工知能 (AI) 「のぞみ」が全国民の個人情報な
どを管理
。そんなある日、「のぞみ」が突如として暴走を開始、“人間の
生きる価値”を勝手に選別し始め、生きる価値がないと判定された人間の
殺戮を開始した。警察は「のぞみ」を暴走させたテロリストが「のぞみ」
の開発者である天才科学者・桐生浩介だと断定。逃亡する桐生をAI監視シ
ステムを駆使して追跡する。事件のカギを握るのは、桐生と、「のぞみ」
を管理していた桐生の義弟・西村悟。桐生は警察の追っ手から逃れながら、
AIの暴走を阻止しようと奔走。 

監督の入江は「人工知能とはどういうものなのかを知ってもらう」ことが
本作品を製作することとなったきっかけであると語り、前後10年で1番イ
ンパクトのある技術的発展である人工知能を、ハリウッド映画の『ターミ
ネーター』のような姿にせず生活に身近なものとして捉えることで、人工
知能の持つポテンシャルや怖さを実感できるのではないかと考えた。日本
を代表するAI研究者への取材などを重ね、20稿に及ぶ改稿が行う。また、
厚生労働省が発表する高齢化・少子化に関する10年後の予測数値を参考に
するなど、より現実的な未来が描かれてい]。
映画評論家の川口敦子は「往年のハリウッドB級映画にいたような要とな
る脇役、老いぼれ+新米刑事コンビがもひとつぴりりと小気味よく機能し
てこない」と評価、佐野亨は、画面づくりに70年代ポリティカルサスペン
スへの愛着が見られると述べ、荒唐無稽な内容でありながらも、全体を取
り囲む状況にリアリティがあると評す。via jp.Wikipedia



風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine





アルバム『終わりなきこの愛』 2019.4.24
オール・アイ・アスク・オブ・ユー
Richard Greidaman ALL I ASK OF YOU

今夜の寸評: TO CONTINUE MEANS TO NEVER GIVE UP
                                                                           浄土宗 月訓 より


 

 

コメント
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わたしは何んなの ③

2023年09月25日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。



2023年の車載用ディスプレー世界市場,93.2億ドル 
9月20日、矢野経済研究所は,車載用ディスプレー世界市場を調査し,タイ
プ別や部位別,インチ別,純正・市販品別の市場動向(数量,金額),メ
ーカー動向,価格動向,採用動向,将来展望を明らかにした



2023年の車載用ディスプレイ世界市場(事業者売上高ベース)は前年比10
3.8%の93.2億ドルと予測する。 車載用ディスプレイは、コックピットの
全幅に広がるPillar to Pillar Display等の大型ディスプレイや、複数情
報がデジタル表示されるDigital Cockpit向けに従来のLCDに比べて高輝度
なMini LED Display[Direct LED(BLU)]、高コントラストで映り込み
を抑制するAG/LR反射フィルム、インセル(内蔵)型タッチパネル等を採用
した高い付加価値を持つ車載用ディスプレイの搭載が増加している。さら
に、12インチ以上の大型やAMOLEDパネル等高単価な車載用ディスプレイの
採用拡大により、車載用ディスプレイ世界市場は順調に拡大していくと予
測する。


2050年、温室効果ガスの実質排出量ゼロとする「カーボンニュートラル」
の実現に向けて、注目を集めているのが太陽光のエネルギーを駆動力とす
る「次世代の水素製造」である。この方法は、太陽光をもとに水から水素
を生成させるだけでなく、水素と工場などから排出されるCO2から炭化水
素を創出し、「人工光合成」と呼ばれるCO2を再利用する循環システムに
もなっている。このなかで、水素を効率よく生成するために、低温で、大
量の水の中でも水素だけを通すセラミックスの分離膜の開発に初めて成功
する。
名古屋工業大学の岩本雄二教授らが開発このシステムはわたし(たち)オ
ール再生可能エネルギー派を、「これは世界初、低温太陽エネルギー(核
融合)利用発電システムだ!」と驚かせた。岩本教授の材料開発は水素製
造技術は多岐にわる。温室効果ガスのCO2を発生させずに、水素を生成さ
せるアプローチの1つは、太陽光エネルギーを太陽電池で電力エネルギー
に変換し、水を電気分解して水素を生成する。元のエネルギー源が太陽光。
基本的にCO2は発生しない。もう1つは、「次世代の水素製造」として期
待されている方法で、光触媒として機能する半導体に直接太陽光を当てて
水分解して水素をつくり出す。 なお、生成された水素は燃料電池などに活
用できるだけでなく、メタネーションという技術によって、工場や発電所
などから回収したCO2をメタン(CH4)に変換、あるいはその他の触媒反
応を利用し炭化水素を製造することも可能。その際、今までであれば、排
出されるCO2を回収し、地中などの別の場所に隔離して閉じ込める「CO2
回収・貯留=CCS
」 がさかんに叫ばれていたが、最近は「CO2を利用する
=CCUS」という技術の確立が進められている。

この考え方であれば、CO2と水素からつくられたメタンなどの炭化水素は、
工場などから排出されたCO2が原料になっているので、これ以上CO2を増
やすことなく、つねにCO2が循環しているカーボンニュートラルな状態を
創出できる。このように太陽光エネルギーを利用し水から水素や酸素を生
成し、CO2を循環させる仕組みは、植物の光合成の働きを模倣しているこ
とから『人工光合成』と呼ばれるが問題もある。太陽光をエネルギー源と
した「次世代の水素製造」は持続可能なクリーンエネルギー社会を構築で
きるのですが、現段階では効率の向上が課題となっており社会全体のエネ
ルギーを供給できるまでにはまだ至っていない。そのため現状では、太陽
光(ソーラー)による「次世代の水素製造」と共に、CO2の排出を抑制し
ながらも「化石燃料による水素製造」を活用する、ハイブリッドな方法が
選ばれている。研究グループは、新規なセラミックス系機能材料の創製に
取り組んでおり、「化石燃料による水素製造」と 「次世代のソーラー水
素製造」この2つの製造プロセスにおいては、4つの研究ニーズがある。

まず「化石燃料による水素製造」においては、

①「効率よく水素を生成させるための分離膜」 
②「化石燃料から排出されるCO2 を効率よく回収するための材料」
③「次世代の水素製造」では、水を光触媒で分解して得られる水素精製す
 る分離膜、
④CO2と水素からCH4などの炭化水素を合成するための「効率のよい合成触
 媒」。

分離膜などの材料開発として求められるのは、「ナノメートル」といわれ
る10のマイナス9乗メートルや「サブナノメートル」の 10のマイナス10乗
メートルスケールでの材料の組織制御です。水素分子にいたっては0.3ナノ
メートルほどしかない。先程紹介した①では、このサイズの穴をあけて水
素だけを通すガス分離膜を創出。②では、原子の配置制御を行って水素を
回収し、CO2と反応させて、炭化水素を生成する触媒を開発。なかでも、
特に我々が力を入れているのが、③の「次世代の水素(ソーラー水素)製
造」向けのセラミックス材料の分離膜。ここでは、特に有機金属化合物を
セラミックスの前駆体として分離膜がつくられるが、従来の無機材料の場
合、粉末粒子を圧縮して、高温で焼き固める「粉末冶金」という加工法で
生成。これだと主にマイクロメートル(10のマイナス6乗メートル)オー
ダーの材料組織制御にとどまり、先ほど話したようなナノからサブメート
ルサイズレベルの組織制御には至らない。そこで、①まず有機金属化合物
のモノマーやポリマーを重合化させ、有機一無機のハイブリッドをつくる。
②次にそれを加熱して「有機成分」を取り除き「非晶質のガラス(材料)」
に変換。③さらに加熱して「結晶化」させると「セラミックス(多結晶体
)」が生まれる。これら一連の材料合成技術を「前駆体法」と呼び、この
技術を材料開発のシーズとして持つている。④そして、このソーラー水素
の精製において、低温で大量の水の中でも水素だけを選択できる膜を開発
することに初めて成功した。世界でも、他にはまだ存在しない。この有
一無機のハイ
ブリッド材料の特長は、有機と無機それぞれ良い部分を活か
せる点である。
例えば、有機材料には「疎水性」があり、水を弾く性質が
ある。また
無機材料は、水素をよく通す性質があり、原子・分子レベルで
制御すると
今までにない機能を持つことができる

この研究が生まれた経緯
80年代終わり頃から、有機金属化合物を積み上げていくと、無機材料や有
機一無機のハイブリッド材料が開発できることが分かってきて、次第にこ
うした研究アプローチができるようになる。並行して、水素と材料の関係
性についても研究していたところ、セラミックス材料を使えば、水素だけ
を通過させることを発見。
90年代終わりにはセラミックス材料を水素分離膜に応用する開発を始めた
が、当時はCO2削減や地球温暖化対策は企業でも優先順位が低く、この研
究もほとんど注目されなかった。
2002年頃になると、環境問題への関心が高まり、クリーンエネルギー社会
の話が出てくるようになり、この研究も次第に注目され始めた。2003年度
から5年間、NEDOが推進する国家プロジェクトで水素分離膜の開発に携わり
今の研究に取り組むきっかけとなる。

セラミックス材料は水素を通すが、まだまだ性能としては改善の余地があ
り、水素分子の大きさが 0.289ナノメートルで、酸素はそれよりも少し大
きい0.346ナノメートル。1つでも0.346ナノメートルの穴があると酸素が
通ってしまう。また水分子は水素よりも小さいため、水分解の際には、穴
から水素と共に水も通してしまい、固体に溶け込むような特殊な膜を開発
して、水を通さないように
したが、全ての穴をなくせず、まだ完全な水素
分離ができないのが現状である。
-------------------------------------------------------------------
岩本 雄二 (いわもと・ゆうじ)
名古屋工業大学 大学院工学研究科 生命・応用化学専攻 教授 1985年名
古屋市立大学薬学部卒業。1987年名古屋市立大学 薬学研究科 有機化学修
士課程修了。1987年4月 日本農薬株式会社に入社。1990年より財団法人フ
ァインセラミックスセンター 研究員。1997年よりファインセラミックス技
術研究組合 シナジーセラミックス研究所 前駆体設計グループ グループ
サブリーダーも務める。同年4月より財団法人ファインセラミックスセンタ
ー 主任研究員、2003年より主管研究員を経て、2007年より現職。2008年に
は文部科学省 科学技術政策研究所 客員研究官を兼務。2017年より副学長
。現在は同大学の国際戦略室 室長として海外教育・研究機関との交流協定
の締結と国際共同教育・研究活動の推進、学生の留学と受け入れ支援を行
っている。
セラミックス材料により、高効率な水素エネルギーの実現を目指す~岩本
雄二・名古屋工業大学大学院工学研究科 生命・応用化学専攻 教授
https://top-researchers.com/?p=1866

   



再エネ革命渦論 169: アフターコロナ時代 170】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中 ㊿

※ 最新レドックスフロー電池





レドックス・フロー電池は二次電池の一種で、イオンの酸化還元反応を溶
液のポンプ循環によって進行させて、充電と放電を行う。 redoxはreduction
-oxidation reaction
の短縮表現。「フロー」を略してレドックス電池と呼ぶ
こともあるが、分類としてはフロー電池が上位にあたる。
via ウィキペディア
サイクル耐久性: >10,000サイクル
体積エネルギー密度: 15–25 Wh/L (54–65 kJ/L)
充電/放電効率: 75-80% 公称電圧: 1.15–1.55 V



1.特開2023-133170 規則構造を有するビオローゲン誘導体及びそれを
 用いたレドックスフロー電池
産業技術総合研究所
【要約】
レドックスフロー電池の活物質に用いる溶解度の高い化合物を提供し、さ
らにはこの化合物を用いたクロスオーバーによる容量低下が大幅に低減さ
れたレドックスフロー電池を提供する。
【解決手段】一般式(I):


式中、Arは、置換若しくは未置換のアリール基、置換若しくは未置換の
ヘテロアリール基、又はビピリジニウム基であり、aは0又は1の整数で
あり、bは0~5の整数であり、cは1~6の整数であり、dは1~5の
整数であり、eは1~6の整数であり、nは分子の電気的中性を保つため
に必要な整数であり、Xはカウンターアニオンであり、Yは親水性の置換
基である。)で表されるビオローゲン誘導体。


【選択図】図1.レドックスフロー電池の構成図
【符号の説明】 1、30 負極 2 負極セル 3、31 正極 4 正極セル
5、32 隔膜 6 試験セル 7 負極電解液用のタンク 8 正極電解液用の
タンク 9、10 ポンプ 11 レドックスフロー電池 21 小型試験セル
33、34 グラファイト複合集電板 35、36 ガスケット 37 負極端
子 38 正極端子 39、40 バックプレート 41~44 チューブ 5
1 ナフィオン膜 52 カーボンフェルト
【概要】
陽光や風力など再生可能エネルギーの主力電源化のためには、それらを
利用する発電システムの大量導入だけでなく高性能な蓄電池(二次電池)
も導入し、絶えず変動する出力を調整する必要がある。しかしながらコス
ト・安全性・資源的側面を満たす高性能な蓄電池の開発は十分とは言えず、
大規模な導入にはいたっていない。レドックスフロー電池は長寿命であり
安全性や設計自由度も高いため 再生可能エネルギーの平準化手段の一つ
として有力視されている。しかしながら、エネルギー密度の向上や更なる
低コスト化の課題がある。レドックスフロー電池は、1970年代にNASA
が開発に成功した電池である。開発当初は、鉄/クロム系が主流であった
が、正・負電解液が隔膜を通して混合するクロスオーバーにより電池の容
量が低下してしまう欠点があり開発がうまく進まなかった。1985年にバナ
ジウム系が報告されると現在はこの系が主流となり、一部で実用化が進ん
でいる。しかしながら、バナジウム系は今後の大規模な導入を考えた場合、
資源的な制約による低コスト化に課題が残ると言われており、大規模な導
入に向けた新たな電解液の開発が世界中で盛んに行われている。近年では
無機系の金属イオンの代わりに有機化合物を用いる報告が数多くなされて
いる。有機化合物の場合、正・負極の両極で生じる酸化還元電位を広げて
エネルギー密度を向上するために、正極と負極で異なる構造の化合物が一
般的に用いられている。
しかしながら、その場合、容量低下を引き起こすクロスオーバーを抑制す
る必要がある。その方法の一つとして、高分子化した化合物やベーテ格子
あるいはケイリー樹の一部を形成する構造を含む化合物を用いる報告例が
あるが(非特許文献1、2、及び特許文献1)、十分な溶解度の確保が困
難であることや、酸化還元に伴う分子の凝集による析出が避けられないと
いった理由から、結果的にバナジウム系のエネルギー密度を超えるのは難
しいのが現状である。このような背景から、凝集を回避できる程の高い溶
解度とクロスオーバー抑制の二つの機能を併せ持つ新たな材料の開発が求
められている。
【非特許文献1】
 T.Janoschka,N.Martin,U.Martin,C.Friebe,S.Morgenstern,H.Hiller,M.D.Hager  and
 U.S.Schubert,Nature  2015,527,78-81.

【非特許文献2】
T.Hagemann,J.Winsberg,M.Grube,I.Nischang,T.Janoschka,N.Martin,M.D.Hager,
U.S.Schubert,J.Power  Sources  2018,378,546-554.
【特許文献1】 特開2020-170697号公報
【発明の効果】
本発明によれば、レドックスフロー電池の活物質に用いる新規な化合物が
提供される。さらに、この化合物を用いたクロスオーバーによる容量低下
が大幅に低減されたレドックスフロー電池を提供することができる。

2.特開2023-129054 光触媒システム 東京理科大学
【要約】 下図1のごとく、実施形態に係る光触媒システム1は、窒素源を
含む水性媒体と、酸化反応を呈する酸化光触媒6と、還元反応を呈する還
元光触媒7と、を備え、還元光触媒7は、半導体2と、金属錯体3と、を
有し、光照射によって酸化光触媒6に生じた励起電子が、半導体2に移動
すると共に、光照射によって半導体2に生じた励起電子が、金属錯体3に
移動することにより、前記水性媒体中の前記窒素源がアンモニアに還元さ
れることを特徴とする窒素源からアンモニアへの還元反応を促進させ、ア
ンモニアの生成量を向上させることを可能とする光触媒システムを提供す
る。


図1.光触媒システムの構成の一例を示す図

【概要】
アンモニアは、窒素系の肥料、食品、医薬品等の原料、合成樹脂や繊維の
製造において幅広く利用され、世界全体の需要は、現在、年間で1.7億
トンを超えている。また、アンモニアは貴金属フリー(非白金)の燃料電
池であるアニオン型燃料電池の燃料や炭素フリーの燃料としても注目され
ている。一見、アンモニアは炭素を含まないクリーンな燃料であるように
考えられる。しかし、現在の工業的なアンモニア合成は、空気中の窒素と
水素を触媒存在下で、高温高圧(400~500°、100~300気圧)
で反応させるハーバーボッシュ法が使用され、その水素は天然ガス由来の
ものである。従って、石油が枯渇する将来においては、ハーバーボッシュ
法に代わるアンモニア合成の開発が求められ、国際的な問題となっている。
一方、近年では、環境中への窒素の流出及び蓄積が、生態系への悪影響が
懸念されるとして問題となっている。なお、窒素含有排水中に含まれる硝
酸イオンや亜硝酸イオン等の窒素酸化物イオンは水質汚濁防止法で排出基
準が定められている。そこで、最近では、こうした問題を解決すべく、光
触媒を用いて水中の有害な窒素酸化物イオンを還元反応により低減させ、
且つ化学工業等で必要不可欠な窒素源であるアンモニアを合成する試みが
なされている。例えば、非特許文献1には、金属助触媒を担持したTiO2
を用いて、窒素酸化物イオンを光還元し、アンモニア(アンモニウムイオ
ン)を合成する技術が提案されている。また、例えば、非特許文献2には、
NiをドープしたZnSを用いて、窒素酸化物イオンを光還元して、アンモ
ニアを合成する技術が提案されている。 しかしながら、従来の技術では、
窒素酸化物イオン等の窒素源からアンモニアへの変換率は低いため、十分
な量のアンモニアを生成することができない。

【特許文献】
【特許文献1】 特開2019-84527号公報
【特許文献2】 特開2020-179346号公報
【非特許文献1】A. Kudo, et al., J. Catal., 135, 300-303(1992)
【非特許文献2】A. Kudo, et al., Chem. Lett., 8, 838-839(2002)
【課題を解決するための手段】
本実施形態に係る光触媒システムは、窒素源を含む水性媒体と、酸化反応
を呈する酸化光触媒と、還元反応を呈する還元光触媒と、を備え、前記還
元光触媒は、半導体と、金属錯体と、を有し、光照射によって前記酸化光
触媒に生じた励起電子が、前記半導体に移動すると共に、光照射によって
前記半導体に生じた励起電子が、前記金属錯体に移動することにより、前
記水性媒体中の前記窒素源がアンモニアに還元されることを特徴とする。

また、前記光触媒システムにおいて、電子メディエータを含み、前記酸化
光触媒の前記励起電子は、前記電子メディエータを介して前記半導体に移
動することが好ましい。
また、前記光触媒システムにおいて、前記酸化光触媒は、BiVO4を含
むことが好ましい。 
また、前記光触媒システムにおいて、前記半導体は、銅、ガリウム、亜鉛
のうち少なくともいずれか1つの元素を含む硫化物を含むことが好ましい。 

また、前記光触媒システムにおいて、前記半導体は、チタン、タンタルの
うち少なくともいずれか1つの元素を含む酸化物を含むことが好ましい。
また、前記光触媒システムにおいて、前記金属錯体は、コバ
ルト、ルテニウム、銅、鉄、ニッケル、モリブデンからなる群から選択さ
れる少なくとも1つの金属を含む錯体であることが好ましい。 
また、前記光触媒システムにおいて、前記半導体の伝導帯最下端のエネル
ギー準位は、前記金属錯体の最低空軌道のエネルギー準位よりも卑である
ことが好ましい。
また、前記光触媒システムにおいて、前記酸化光触媒の伝導帯最下端のエ
ネルギー準位が、前記半導体の価電子帯上端のエネルギー準位よりも卑で
あることが好ましい。
【発明の効果】
本発明によれば、窒素源からアンモニアへの還元反応を促進させ、アンモ
ニアの生成量を向上させることを可能とする光触媒システムを提供するこ
とができる。



図1.(1)フレキシブルなペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の様
子(2)タンデム太陽電池の外観 (3)タンデム太陽電池の概念

曲げられる高効率太陽電池を開発
9月⑳日、東京都市大学は,エネルギー変換効率が30%に迫る,曲げられる
「ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池」の作製技術を開発。近年,
変換効率の向上に向け,異なる種類の太陽電池を重ね合わせて発電する「
タンデム型太陽電池」の開発が世界的に加速しており,ペロブスカイトと
シリコン型の組み合わせでは,30%以上の変換効率が達成されている。
一方,通常この組み合わせでは,ボトムセルに200μm程度の厚さがあるシ
リコンウエハーを用いるため,ペロブスカイトの特徴である薄くて曲がる
という特性(フレキシブル性)が活かされないことが課題となってきた。

表1.各種太陽電池の変換効率(セル面積1cm2以上)と曲げ性を比較


研究グループが今回開発した作製技術は,ボトムセルであるシリコンヘテ
ロ接合太陽電池のシリコンウエハー厚を83μm程度まで薄くするもの。トッ
プ側のペロブスカイト太陽電池は厚さ1μm程度なので,「ペロブスカイト/
シリコンタンデム太陽電池」にフレキシブル性を付加するとともに,軽量
化も達成し,従来の太陽電池では設置困難だった場所への設置を可能にす
る。 また,エネルギー変換効率の面でもセル面積1cm2において26.5%を達
成し,従来のペロブスカイト太陽電池以上の高効率化を実現した。研究グ
ループは,界面パッシベーションの改善や,両面受光構造の導入により更
なる効率向上が見込めるとし,最終的には35%以上の高効率を目指してい
る 。

この研究における技術的ポイントは,①表面ミラー/裏面テクスチャ構造を
有する薄いシリコン基板を作製するプロセスの確立。②そのシリコン基板
のミラー表面に光閉じ込めのための比較的サイズが小さい凹凸を形成し,
高性能なボトムセルを作製。③そのボトムセルにおける表面凹凸の上にペ
ロブスカイト太陽電池の特徴の一つである塗布。といった簡便な工程によ
り綺麗にペロブスカイト層を堆積することが挙げられるという。

研究グループは,軽量・フレキシブルな高効率太陽電池は,重量的制約か
ら設置できない工場などの屋根や,湾曲のある屋根やビル壁面など従来の
太陽電池では設置が困難だった場所に設置が可能であり,特に,用地の確
保が難しい都市部での展開を期待するとしている。また,電気自動車(EV)
などの移動体や飛行体など新市場への展開もされるとしている。
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世界最小電圧で光る青色有機ELを開発 
9月20日、東京工業大学,大阪大学,富山大学,静岡大学,分子科学研究所
は,乾電池(1.5V)1本をつなぐだけで光る,世界最小電圧で発光する青
色有機ELの開発に成功した。 有機ELはテレビやスマートフォンディスプレ
ーなどで実用化されている一方で,駆動電圧が高く消費電力が大きいとい
う問題を抱える。特に赤,緑,青の光の三原色の中で最もエネルギーが大
きな青色の発光を得るのが一番難しく,通常は4V程度の電圧が必要となっ
ている。研究グループは,2種類の有機分子の界面を使った独自の発光原理
を使って,1.5Vの乾電池1本という超低電圧で光る青色有機ELを開発した。

その発光メカニズムは,まず電子と正孔がデバイスに注入された後で,
2種類の電子ドナー/アクセプター分子の層の界面で再結合を起こし,電荷
移動(CT)状態という励起状態を形成する。次に,CT状態からエネルギー
移動が起こり,ドナー層中で三重項励起状態(T1)を生成する。 その後,
ドナー層中で,2つの三重項励起状態から,三重項―三重項消滅により高
エネルギーの一重項励起状態(S1)を作り出すアップコンバージョン過程
を経て,青色発光を実現する。 この発光メカニズムを実現するドナー/ア
クセプター分子の組み合わせを明らかにするため,青色発光を示すドナー
分子として5種類のアントラセン誘導体を,アクセプター分子として14種
類のナフタレンジイミド誘導体を探索した。 これらのドナー/アクセプタ
ー分子から最適な組み合わせを用い有機ELデバイスを作製したところ,
462nmに最大発光強度をもつ青色発光(光エネルギーで2.68eVの青色の発
光)が観測された。 印加電圧に対する発光輝度の立ち上がりを測定した
ところ,青色発光が1.26Vという超低電圧から認められ,スマートフォン
ディスプレー程度の発光輝度である100cd/m2には1.97Vで到達した。

このように1.26Vという超低電圧で青色の発光が認められたことから,乾電
池1本(1.5V)をつなげるだけで青色光を得ることに成功した。また,今
回開発した素子の安定性を検証するため,発光輝度が1000cd/m2の状態で
連続駆動した際の輝度の低下を,従来報告されている青色りん光の有機EL
素子と比較した。その結果,従来の青色りん光素子と比較して,90倍程度,
素子寿命が長いことがわかった。 研究グループは,今後はこの技術をディ
スプレー機器へ応用するため,より色純度が高い,スペクトル幅が狭線な
青色発光を低電圧で実現することを目指すとしている。

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わたしは何んなの ③
ここでは、アルゴリズミカルな人類社会を人工知能(AI)の脅威を描いた
SF映画より考察してみよう。

第2回 人工知能に支配されたディストピアを描く『マトリックス』

第1回の『ターミネイター』が、 作中で「審判の日」 (Judgement day)
とされているのは1997年8月29日で、この月日は当時アメリカと冷戦を激
化させていたソ連による初の原爆実験 (RDS-1) に由来し、映画公開の前
年(1983年)には、実際に第三次世界大戦が起きかねない監視システムの
コンピュータが核ミサイル発射を誤報した事件も起きていたという(wiki
pedia)。キャメロンは、冷戦を意識し製作に当たり、キャメロンは「現
代の技術では殺人ロボットの実現は不可能な上、かといって未来の話では
セットに費用がかり観客にも受け入れがたいと考え、未来の殺人ロボット
が現代にやって来るタイムトラベルのアイデアが浮かんだ」と動機を語っ
ている。「人工知能と人類の戦い」を描いたSF映画の金字塔となった作品。
当時はまだ「人工知能」という言葉や発想さえ珍しかった中、このような
世界観を生み出したジェームズ・キャメロン監督は高評価を獲得している。



これに対し、映画『マトリックス』では、プログラマーとして働く裏で天
才ハッカー「ネオ」としても活動するトーマス・アンダーソンは、「自分
の生きる世界は偽りのものではないか」という違和感を感じていたトーマ
スに、トリニティとモーフィアスという謎の人物が接触してくる。トーマ
スは彼らによって、この世界は人工知能が人間を閉じ込めるために作った
仮想現実であり、本当の世界では人工知能と人類の熾烈な戦いが行われて
いるということを知る。 真実を知ったトーマスは「ネオ」として人類の戦
いに加わることを決意し、人工知能と死闘をくり広げていく。 人工知能に
支配されたディストピア----ディストピア(en: dystopia)とは、反理想郷
・暗黒世界、またはそのような世界を描いた作品,「否定的に描かれたユー
トピア」を指す言葉。産業革命後に発達した機械文明の、否定的・反人間
的な側面が強調されて描き出された「未来社会」像。典型例は反自由的な
社会であり、隠れた独裁や横暴な官僚システム、性愛制御などが描かれる
----を描く『マトリックス』。仮想現実やディストピア社会が入り混じる
複雑な世界観の中で、VFXを駆使したかつてない戦闘シーンが描かれて大
きな話題を呼びました。キアヌ・リーブス演じる主人公ネオが「救世主」
として成長していく物語など、どこかスピリチュアルなメッセージ性が込
められているのも注目ポイント。公開から20年以上が経った現在でも、カ
ルト的な人気を集め続けていのも面白い。


風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine





アルバム『終わりなきこの愛』 2019.4.24
カリンカ(ロシア民謡)Richard Greidaman Kalinka

● 
今夜の寸評: 


via  jp.wikimedia

bbc news 2023.09.23
アメリカのバイデン大統領は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領とホワイト
ハウスで会談。 これにあわせてバイデン政権は最大で3億2500万ドルの追加の
軍事支援を発表したが、ウクライナが強く求めている最大射程が300キロの地対
地ミサイル「ATACMS」は含まれていなかっした。 このミサイルについてアメリカ
のNBCニュースは22日、複数のアメリカ政府当局者などの話として、バイデン大
統領がゼレンスキー大統領に対し、供与する方針を伝えたと報じている。



 

 

コメント
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わたしは何んなの ②

2023年09月23日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。 




          久方のグレイダマンと北近江

              近江路は  白赤愛し  秋茜
                        


 


 



株式会社ローソンは「冷凍おにぎり」6品を実験販売。
物流関連の人手不足が深刻となる中、冷凍流通による将来的な物流の効率
化を目的に、8月22日(火)から11月20日(月)までの3ヶ月間福島県と東
京都の合計21店舗で、常温で販売しているおにぎり6品を冷凍おにぎりと
して発売する実験を実施するとのこと。メニューは、「焼きさけ」(税込
み268円)、「五目おこわ」(154円)、「赤飯おこわ」(149円)、
「鶏五目」(138円)「胡麻さけ」(同)、「わかめごはん」(同)の
6品。購入後に店舗や自宅の電子レンジで解凍して食べるが、賞味期限は
約4か月。販売できる期間が長くなる分、店舗への配送回数を減らせるの
に加え、食品ロスの削減も期待できる。これらの効果や売れ行きを検証し
た上、2025年度に全国展開を目指し、将来的にはサンドイッチなどにも広
げることを検討する。

百名山登山のリックは常に「ローソンのおにぎり」と「伊藤園のお~いお
茶」を入れている程だが、順調にいけば世界展開でき「冷凍おにぎり」は
「世界標準」になるのは間違いない。だから、「安全・衛生」も世界一で
なければ「防災・健康食品」とはならないが、ついでに、「屋外ワイヤレ
ス電子レンジ」も、アイリスオ-ヤマなどに開発してもらうのは如何でし
ょうか。

ここで、電子レンジで思い出したのが「レンジ/オーブンてんぷら」。ど
の程度普及しているのか興味がわく。

 
 


感想をいとことでいうと物足りない。串揚げ、モツ焼きなど考えると、冷
凍材料を加熱➲付属の油脂分あで処理した衣或いは薄皮をまぶし或いは
巻き付けカバーし専用容器及び皿に於き加熱➲取り出し、準備していた
ソース、タレ、スープ(汁)に漬け・ふりかけ、副菜野菜と一緒に戴く(
肉類は一口大にカットしておく)いただく、この時、チン・チンと五月蠅
いので点灯で告知選択出来るようにしておくとよいだろう。

   



再エネ革命渦論 168: アフターコロナ時代 169】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中  ㊾

量子センシング(quantum sensing)とは、量子効果を利用して物理量を計
測する手法と定義されているが、量子そのものを計測するわけではない。
従来の計測手法よりも量子効果を利用することでより高感度化でき、その
手法として、①量子化したエネルギー準位を有する量子状態を利用して物
理量を測定、②レーザー工学と同様に量子コヒーレンスを利用して物理量
を測定。③量子もつれ( quantum entanglement:一般的に「量子多体系にお
いて現れる:古典確率では説明できない相関やそれに関わる現象」を漠然
と指す用語であるが、量子情報理論においては、より限定的に「LOCC
局所量子操作及び古典通信)で増加しない多体間の相関」を表す用語であ
る。後者は前者のある側面を緻密化したものであるが、捨象された部分も
少なくなく、例えば典型的な非局所効果であるベルの不等式の破れなどは
後者の枠組みにはなじまない。どちらの意味においても、複合系の状態が
それを構成する個々の部分系の量子状態quantum state)の積として表せ
ないときにのみ、量子もつれは存在する(逆は必ずしも真ではない)。こ
の複合系の状態をエンタングル状態という量子もつれは、量子絡み合い量
子エンタングルメントまたは単にエンタングルメントともよばれる)を利
用して測定感度向上手法の3つであるといわれる。
※とてもやがないが、私しには了解できていない状態だ。
センサー全般に言えることだが、どの方法を採用すべきかは、使用する状
況、ダイナミックレンジ等の測定対象を考慮して決めるものであり、どの
方法が優れていると一概に述べることはできない。使用する系・装置の外
側にある測定対象を考慮する必要がある点は、量子計算と大きく異なる。
例えば、量子もつれの生成は量子コヒーレンスをもつ量子ビットを用意す
ることよりも難易度が高く、複雑な装置を必要とするため、感度向上のた
めに量子ビット数を増やせば良い場合や小型化・集積化の必要がある場合
には不利になることもあるという。( via jp.Wikipedia)
------------------------------------------------------------------
引用先;世界最小のダイヤモンド量子センサーの作成に成功-細胞や分子
のわずかな変化をとらえる超高感度センサーとして期待-量子科学技術研
究開発機構, 2019.35.31
------------------------------------------------------------------
それはさておき引用をつづける


図1.一般的な蛍光プローブと量子センサーの違い。タンパク質やDNAな
どの生体分子を標識することで、細胞内における分子の位置を知ることが
できる。量子センサーはそれに加えて、その位置周辺の温度や電場、磁場
など、様々な情報を得ることもできる。

>

これまでGFP(green fluorescent protein:緑色蛍光タンパクなど、生きてい
る細胞内の分子(タンパク質やDNAなど)を観察できる様々な蛍光プロー
ブが開発されたことで、生命科学は大きな進歩を遂げた。ところが、蛍光
プローブは分子の「位置」を特定できるが、その位置で何が起こっている
のかを詳細に知ることは困難。もし蛍光プローブで温度や電場などを測る
ことができるようになれば、そこで「何が起こっているのか」を正確に理
解できるようになり、生命科学は更に大きく進展するはずです。最近にな
って、「計測も行える蛍光プローブ」としてダイヤモンドを材料とする「
量子センサー」が注目されている(図1)。


図2:通常のダイヤモンドとNVセンターを持つダイヤモンドの構造の違い
と緑色レーザー光に対する発光特性の違い(左図)、およびその実際の写
真(右図)。NVセンターのない部分はレーザーの散乱で緑色に見えるが、
NVセンターがある部分は赤色に光る。


図3:NVセンターのセンサーとしての特性とNVセンターの共鳴現象。音叉
が特定の周波数の音波で共鳴を起こすように、NVセンターも特定周波数の
マイクロ波で共鳴を起こす(上段)。 これまで、ダイヤモンドを材料とし
た量子センサーの研究開発を進めてきた。そして、数十ナノメートルのダ
イヤモンド結晶(ナノダイヤモンド)を使って様々な細胞内の細胞小器官
などを標識し、例えばミトコンドリアの温度を計測することなどにも成功
している1。また 近年では世界中の研究者が、更に小さいタンパク質分子
DNAにまで量子センサーの計測対象を広げるため(図4)、それらの分
子の大きさに匹敵する数ナノメートルサイズのナノダイヤモンドにNVセン
タを作る研究に取り組んできた。しかし、この様な試みが成功したという
報告は今までなかった。



図4:量子センサーの大きさと細胞内の計測対象。細胞内の分子を計測す
るためには数十ナノメートルのセンサーでは大きすぎるため、分子サイズ
(数ナノメートル)の量子センサーを作る必要がある。


図5.爆轟法ナノダイヤモンドから5ナノメートル量子センサーを作製す
  る手順爆轟法

    TNT/RDXという爆薬の爆発を利用して作る「爆轟法ナノダイヤモンド」
に注目しました。 この方法で作ったナノダイヤモンドは、約5ナノメート
ルの均一な粒子径を持つことが古くから知られています。私たちのグルー
プは爆轟法ナノダイヤモンド中に自然に形成されたNVセンターを使い、温
度などが計測できることをこれまでの研究で既に確認。しかし、爆轟法ナ
ノダイヤモンドの結晶中に自然にNVセンターが形成される確率は非常に低
く、この方法で作ったダイヤモンドは量子センサーとして利用することが
できない。このため、結晶中にNVセンターを高い確率で形成する手法の開
発が必要。更に、爆轟法ナノダイヤモンド凝集体を形成しやすく、その
大きさはナノサイズより3桁も大きいマイクロメートルサイズにも及ぶ。
今回の研究で爆轟法ナノダイヤモンドに放射線の一種である電子線を照射
し、さらに濃硫酸と濃硝酸を混合して熱した溶液(熱混酸)で処理をする
ことで、NVセンターを有する5ナノメートルサイズの均一なナノダイヤモン
ドを作製することに成功
した(図5)。これにより、爆轟法ナノダイヤモ
ンドを量子センサーとして利用する上での2つの大きな問題が解決された。
➲量子センサーは他の量子技術と共に、生命科学に大きな変革をもたらす
「量子生命科学」の中核技術の一つになっていくと考える。


図1.超伝導体における量子渦

ダイヤモンド量子センサによる超伝導研究の新手法
【要点】
1.ダイヤモンド量子センサを用いて超伝導体中の量子渦の広視野イメー
 ジングに成功。
2.数多くの量子渦の磁場を定量的に調べ、磁束の量子化を実証。
3.量子渦を評価する新手法として超伝導研究の発展や超伝導材料開発へ
 の貢献が期待。
【概要】
多くの超伝導体は、磁場を強めていくと、その磁場を細い線状の磁束とし
て内部に取り込むことによって超伝導状態を維持しようという性質を持っ
ている。超伝導体に取り込まれた磁束は、周回する永久電流(超伝導電流
)によって取り囲まれた独特の構造を持つ「渦」として存在する(図1.
左)。しかも、渦を貫く磁束はh/2eというプランク定数hと電気素量eだけ
で表される普遍的な値の整数倍をとる(量子化)ことが知られている。こ
れを量子渦と呼びぶ。量子渦は量子力学の根幹に関わる現象であり、その
結晶状態や液体状態などの多彩な振る舞いが半世紀以上にわたって研究さ
れてきた。また、量子渦は超伝導のメカニズムを解き明かす有力な手がか
りにもな、その制御は超伝導磁石の開発など応用上も重要である。


図1.ダイヤモンド量子センサによる超伝導体量子渦の観測のセットアッ
プ 左)外部磁場が存在する場合、超伝導体の内部に 量子渦が生成される
ことがある(左下)。量子渦は、線状になった磁束(青い細矢印)の周り
を永久電流(円状の赤矢印)が取り囲む構造を持つ。本研究では、多数の
窒素空孔中心(NV中心)(赤い短い矢印)が表面に集積されたダイヤモン
ド量子センサ基板(左上)を超伝導体に貼り付け、イメージセンサとして
用いることで量子渦から漏れ出た磁場を可視化した。NV中心の方位が一方
向に揃っているため高精度な磁場計測が可能。(右)光学クライオスタッ
ト内のステージに、ダイヤモンド量子センサ基板と超伝導体をセットし、
温度を変えながら顕微鏡で観測を行う。コイルとアンテナはそれぞれ磁場
とマイクロ波を印加するために用いる。
【展望】
超伝導体の量子渦についてはこれまでに多くの研究が行われてきたが、本
研究は初めて広視野で多数の量子渦を同時に精密観測するという新手法を
実証。ダイヤモンド量子センサ基板の作製と解析手法を工夫することによ
り、超伝導体内の微細な磁場分布を高精度に観測する手法が確立され、超
伝導体の理解と新たな応用の可能性が広る。今後は、発現機構が分かって
いない超伝導メカニズムの解明や、新しい超伝導体の探索、高圧下での高
温超伝導体の観測などへの展開が期待されている
------------------------------------------------------------------



太陽電池の水素とバッテリー電力を繰り返し生成する「ヨウ化水素(HI)
サイクル」と呼ばれる新しいエネルギーサイクルによる、HI 溶液を使用
した太陽光水素生成は、狭バンドギャップ光触媒の使用が可能にまること
から、単層カーボンナノチューブ (SWCNT) を添加すると、ヨウ化メチル
アンモニウム鉛を含む HI溶液からの太陽光水素生成が効果的に強化され
る。
 電子顕微鏡観察と分光実験で、SWCNTが副生成物のヨウ素分子を吸着する
ことで水素発生の改善を実証。さらに、光触媒テストセルから回収した紙
I@SWCNTと金属亜鉛を利用した亜鉛ヨウ素電池は、約 1.2 V の初期セル電
圧で効率的に動作します。カプセル化されたヨウ素分子の量に対応する電
池容量は、次のことを示唆する。SWCNTは、光触媒テストセル内で副生成物
のヨウ素分子を効果的に吸着できる。また、放電実験後の電解液にはヨウ
化物イオンが含まれている必要があることも議論されており、電池の放電
後の電解液が「HIサイクル」の開始点に戻ることを示す。ラマン測定によ
り、I@SWCNT が放電実験中に空のチューブに戻ることが明らかになる。 し
たがって、SWCNT は「HI サイクル」と呼ばれる新しい循環エネルギース
キームで繰り返し、従来のヨウ素-二酸化硫黄によるブンゼン反応方式よ
り、低温で操作可能な画期的な循環システムとなる

1.特開2021-143118 水素製造プラント 三菱パワー株式会社他
【概要】
本開示は、熱化学分解法(IS法:Iodine Sulfur Process)を利用して、水素を
造する水素製造プラントに関するもので、IS法は、水に特定の化学物質
を反応させ、この反応において入熱或いは除熱行い、水素を生成する方法
である。このIS法は、基本的に三つの反応を実行する。 

第一の反応は、水とヨウ素と二酸化硫黄とを反応させて、ヨウ化水素と硫
酸とを生成するブンゼン反応である。 第二の反応は、ブンゼン反応で得ら
れた硫酸を二酸化硫黄と酸素と水とに熱分解させる硫酸熱分解反応である。
この硫酸熱分解反応で得られた二酸化硫黄と水は、ブンゼン反応の反応材
料になる。 
第三の反応は、ブンゼン反応で得られたヨウ化水素をヨウ素と水素とに熱
分解するヨウ化水素熱分解反応である。このヨウ化水素熱分解反応で得ら
れたヨウ素は、ブンゼン反応の反応材料になる。 このIS法を利用する
水素製造プラントとしては、例えば、以下の特許文献1に開示されている
プラントがある。このプラントでは、太陽光により加熱された、溶融塩等
の第一熱媒体を硫酸熱分解反応の熱源とし、この第一熱媒体により加熱さ
れた第二熱媒体をヨウ化水素熱分解反応の熱源とする。

【特許文献1】 国際公開第2016/031771号 下図1のごとく、
水素製造プラントは、二酸化硫黄と水とヨウ素とを反応させるブンゼン反
応設備と、ブンゼン反応設備で生成された硫酸を二酸化硫黄と酸素と水と
に熱分解させる硫酸反応設備と、ブンゼン反応設備で生成されたヨウ化水
素を水素とヨウ素とに熱分解させるヨウ化水素反応設備と、を備える。硫
酸反応設備は、第一蓄熱器と、太陽光を第一蓄熱器に導く第一太陽光ガイ
ド装置と、第一蓄熱器の蓄熱体に蓄えられた熱を利用し、硫酸を熱分解さ
せる硫酸反応器と、硫酸反応器で生成された二酸化硫黄を一時的に蓄える
二酸化硫黄タンクと、を有する。ヨウ化水素反応設備は、第二蓄熱器と、
太陽光を第二蓄熱器に導く第二太陽光ガイド装置と、第二蓄熱器の蓄熱体
に蓄えられた熱を利用して、ヨウ化水素を熱分解させるヨウ化水素反応器
とを有する素の製造にあたり、太陽光のエネルギーを有効利用する。

図1.本開示に係る第一実施形態における水素製造プラントの全体系統図
【符号の説明】
BE,BEb:ブンゼン反応設備 10:ブンゼン反応器 11:分離器 1
2:硫酸ライン(又は第一硫酸ライン) 12b:第二硫酸ライン 13:
硫酸ポンプ(又は第一硫酸ポンプ) 13b:第二硫酸ポンプ 14:ヨウ
化水素ライン(又は第一ヨウ化水素ライン) 14b:第二ヨウ化水素ラ
イン 15:ヨウ化水素ポンプ(又は第一ヨウ化水素ポンプ) 15b:第
二ヨウ化水素ポンプ 16:水補給ライン SE:硫酸反応設備(又は第一
硫酸反応設備) SEb:第二硫酸反応設備 20,20b:第一蓄熱器
21,21a,21b:ケース 21t:温度計 22,22a,22b:
天板 23:天板本体 24:窓 25:蓋 26:受光部 26a:円錐部
26b:円筒部 27:底板 27i:気体導入口 28:側板 28o:気
体排気口 29:分散板 29f:流動層室 29g:気体室 30:蓄熱体
31:第一送風機 32:第一気体ライン 33:第一気体調節弁 40,
40b:第一太陽光ガイド装置 41:ヘリオスタット 41a:反射鏡
41b:反射鏡駆動機 42:固定反射鏡 50:硫酸タンク 51:硫酸
供給ライン 52:硫酸供給機 53:硫酸流量調節器 54:二酸化硫黄
タンク 54p:圧力計 55,55b:二酸化硫黄供給ライン 56:二
酸化硫黄供給機 57,57b:二酸化硫黄流量調節器 58,58b:冷
却器 59,59b:水供給ライン 60,60b:硫酸反応器 61:外
筒 61c:閉端 61i:開口 61b:外筒本体 62:内筒 62i:
入口開口 62o:出口開口 62b:内筒本体 63:分離筒 63c:閉
端 63o:出口開口 63b:分離筒本体 64:対象物受入部 64i:
入口 65:反応物排出部 65o:排出口 66:触媒 IE,IEa:ヨ
ウ化水素反応設備(又は第一ヨウ化水素反応設備) IEb:第二ヨウ化
水素反応設備 70,70b:第二蓄熱器 71:第二送風機 72:第二
気体ライン 73:第二気体調節弁 80,80b:第二太陽光ガイド装置
81:ヨウ化水素タンク 82:ヨウ化水素供給ライン 83:ヨウ化水素
供給機 84:ヨウ化水素流量調節器 85:ヨウ素タンク 85p:圧力
計 86,86b:ヨウ素供給ライン 87:ヨウ素供給機 88,88b
:ヨウ素流量調節器 90,90b:ヨウ化水素反応器 94,94b:水
素ライン HGE:高温気体供給設備 101:予備送風機 102:気体
加熱器 103:高温気体ライン 103m:主高温気体ライン 103a
:第一高温気体ライン 103b:第二高温気体ライン 104a:第一高
温気体調節弁 104b:第二高温気体調節弁 105:高温媒体発生源P
E:電力供給設備 110:蒸気タービン 111:発電機 112:復水
器 113:給水ライン 114:給水ポンプ 115:蒸気発生装置 11
6:蓄熱器 117:送風機 118:気体ライン 119:気体調節弁 1
20:蒸気発生器 121:太陽光ガイド装置 122:主蒸気ライン 1
25:主電力経路 126:変圧器 127:遮断器 128:外部系統 1
29:所内系統 130,130a:制御装置 131::反応制御器 13
2:硫酸供給制御器 133:ヨウ化水素供給制御器 140,150:蓄
熱器 O:熱分解対象物 R1:第一反応物 R2:第二反応物 R:太陽光 
------------------------------------------------------------------
※ブンゼン反応:水(原料)、二酸化硫黄、ヨウ素から、電極での酸化還
 元を通じて硫酸とヨウ化水素を生成する反応。陽イオン交換膜が装着され
 た電気化学セルを用いる。
※熱利用水素製造の主反応の大幅な省エネルギー化に成功, 量子科学技術
 研究開発機構, 2020.4.17
------------------------------------------------------------------
【発明の効果】
本開示の一態様に係る水素製造プラントによれば、水素の製造にあたり、
太陽光のエネルギーを有効利用し、水素製造プラントの稼働率を向上させ
ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】  二酸化硫黄と水とヨウ素とをブンゼン反応させて、ヨウ化
水素と硫酸とを生成するブンゼン反応設備と、 前記 ブンゼン反応設備で
生成された前記硫酸を二酸化硫黄と酸素と水とに熱分解させ、前記二酸化
硫黄及び前記水を前記ブンゼン反応設備BE,BEbに送る硫酸反応設備
と、前記ブンゼン反応設備で生成された前記ヨウ化水素を水素とヨウ素と
に熱分解させ、前記水素を外部に排出すると共に、前記ヨウ素を前記ブゼ
ン反応設備に送るヨウ化水素反応設備と、 を備え、 前記硫酸反応設備は、
蓄熱体を有する第一蓄熱器と、 太陽光を前記第一蓄熱器に導いて、 前記
第一蓄熱器の前記蓄熱体を加熱する第一太陽光ガイド装置と、前記ブンゼ
ン反応設備で生成された前記硫酸を一時的に蓄える硫酸タンクと、  前記
第一蓄熱器の前記蓄熱体に蓄えられた熱を利用して、前記硫酸タンクから
の前記硫酸を前記二酸化硫黄と前記酸素と前記水とに熱分解させる硫酸反
応器と 前記硫酸タンク内の 前記硫酸を前記硫酸反応器に送る硫酸供給機
と、前記硫酸反応器で生成された前記二酸化硫黄を一時的に蓄える二酸化
硫黄タンクと、前記二酸化硫黄タンク内の前記二酸化硫黄を前記ブンゼン
反応設備に送る二酸化硫黄供給機と、を有し、前記ヨウ化水素反応設備は、
蓄熱体を有する第二蓄熱器と、太陽光を前記第二蓄熱器に導いて、前記第
二蓄熱器の前記蓄熱体を加熱する第二太陽光ガイド装置と、前記第二蓄熱
器の前記蓄熱体に蓄えられた熱を利用して、前記ブンゼン反応設備で生成
された前記ヨウ化水素を前記水素と前記ヨウ素とに熱分解させるヨウ化水
素反応器と、を有する、水素製造プラント。
【請求項2】 請求項1に記載の水素製造プラントにおいて、 前記硫酸反
応設備は、前記硫酸タンクから前記硫酸反応器へ送られる前記硫酸の流量
を調節する硫酸流量調節器と、前記二酸化硫黄タンクから前記ブンゼン反
応設備に送られる前記二酸化硫黄の流量を調節する二酸化硫黄流量調節器
と、を有し、 さらに、前記第一蓄熱器の前記蓄熱体の温度が、前記硫酸の
熱分解反応可能な温度より高いことを条件にして、前記硫酸流量調節器に
対して、前記硫酸タンクから前記硫酸反応器へ硫酸を送れる状態にするよ
う指示する硫酸供給制御器と、 外部から前記ブンゼン反応設備での反応
開始の指示を受け付け、又は、自身が前記ブンゼン反応設備での反応を開
始してよいと判断し、且つ前記二酸化硫黄タンク内の前記二酸化硫黄の量
が予め定められた量以上であることを条件として、前記二酸化硫黄供給機
に対して、駆動を指示すると共に、前記二酸化硫黄流量調節器に対して、
前記二酸化硫黄タンクから前記ブンゼン反応設備へ前記二酸化硫黄を送れ
る状態にするよう指示する反応制御器と、を備える、水素製造プラント。
【請求項3】 請求項2に記載の水素製造プラントにおいて、 前記硫酸反
応設備としての第一硫酸反応設備の他に、さらに、前記ブンゼン反応設備
で生成された前記硫酸を二酸化硫黄と酸素と水とに熱分解させ、前記二酸
化硫黄及び前記水を前記ブンゼン反応設備に送る第二硫酸反応設備を備え、
前記第二硫酸反応設備は、蓄熱体を有する第一蓄熱器と、太陽光を前記第
二硫酸反応設備における前記第一蓄熱器に導いて、前記第二硫酸反応設備
における前記第一蓄熱器の前記蓄熱体を加熱する第一太陽光ガイド装置と、
前記第二硫酸反応設備における前記第一蓄熱器の前記蓄熱体に蓄えられた
熱を利用して、前記ブンゼン反応設備で生成された前記硫酸を前記二酸化
硫黄と前記酸素と前記水とに熱分解させる硫酸反応器と、を有し、前記反
応制御器は、前記第二硫酸反応設備から前記ブンゼン反応設備への前記二
酸化硫黄の供給が停止したことを条件として、前記二酸化硫黄供給機に対
して、駆動を指示すると共に、前記二酸化硫黄流量調節器に対して、前記
二酸化硫黄タンクから前記ブンゼン反応設備へ前記二酸化硫黄を送れる状
態にするよう指示する、 水素製造プラント。
【請求項4】 請求項2又は3に記載の水素製造プラントにおいて、 前記
ヨウ化水素反応設備は、前記ブンゼン反応設備で生成された前記ヨウ化水
素を一時的に蓄えるヨウ化水素タンクと、前記ヨウ化水素タンク内の前記
ヨウ化水素を前記ヨウ化水素反応器に送るヨウ化水素供給機と、前記ヨウ
化水素反応器で生成された 前記ヨウ素を一時的に蓄えるヨウ素タンクと、
前記ヨウ素タンク内の前記ヨウ素を前記ブンゼン反応設備に送るヨウ素供
給機とを有する、水素製造プラント。
【請求項5】 請求項4に記載の水素製造プラントにおいて、 前記ヨウ化
水素反応設備は、前記ヨウ化水素タンクから前記ヨウ化水素反応器へ送ら
れる前記ヨウ化水素の流量を調節するヨウ化水素流量調節器と、前記ヨウ
素タンクから前記ブンゼン反応設備に送られる前記ヨウ素の流量を調節す
るヨウ素流量調節器と、を有し、さらに、前記第二蓄熱器の前記蓄熱体の
温度が、前記ヨウ化水素の熱分解反応可能な温度より高いことを条件とし
て前記ヨウ化水素流量調節器に対して、前記ヨウ化水素タンクから前記ヨ
ウ化水素反応器へヨウ化水素を送れる状態にするよう指示するヨウ化水素

給制御器を備え、前記反応制御器は、外部から前記ブンゼン反応設備での
反応開始の指示を受け付け、又は、自身が前記ブンゼン反応設備での反応
を開始してよいと判断し、且つ前記ヨウ素タンク内の前記ヨウ素の量が予
め定められた量以上であることを条件として、前記ヨウ素供給機に対して、
駆動を指示すると共に、前記ヨウ素流量調節器に対して、前記ヨウ素タン
クから前記ブンゼン反応設備へ前記ヨウ素を送れる状態にするよう指示す
る、 水素製造プラント。

【請求項6】 請求項5に記載の水素製造プラントにおいて、 前記ヨウ化
水素反応設備としての第一ヨウ化水素反応設備の他に、さらに、前記ブン
ゼン反応設備で生成された前記ヨウ化水素を水素とヨウ素とに熱分解させ、
前記水素を外部に排出すると共に、前記ヨウ素を前記ブンゼン反応設備に
送る第二ヨウ化水素反応設備を備え、前記第二ヨウ化水素反応設備は、蓄
熱体を有する第二蓄熱器と、太陽光を前記第二ヨウ化水素反応設備におけ
る前記第二蓄熱器に導いて、前記第二ヨウ化水素反応設備における前記第
二蓄熱器の前記蓄熱体を加熱する第二太陽光ガイド装置と、前記第二ヨウ
化水素反応設備における前記第二蓄熱器の前記蓄熱体に蓄えられた熱を利
用して、前記ブンゼン反応設備で生成された前記ヨウ化水素を前記水素と
前記ヨウ素とに熱分解させるヨウ化水素反応器と、を有し、前記反応制御
器は、前記第二ヨウ化水素反応設備から前記ブンゼン反応設備への前記ヨ
ウ素の供給が停止したことを条件として、前記ヨウ素供給機に対して、駆
動を指示すると共に、前記ヨウ素流量調節器に対して、前記ヨウ素タンク
から前記ブンゼン反応設備へ前記ヨウ素を送れる状態にするよう指示する、
水素製造プラント。
【請求項7】 請求項1から6のいずれか一項に記載の水素製造プラントに
おいて、 前記第一蓄熱器及び前記第二蓄熱器は、いずれも、 前記蓄熱体
としての複数の蓄熱材粒子と、前記複数の蓄熱材粒子を覆うケースと、前
記ケース内に気体を送る送風機と、を有し、前記ケースは、前記送風機か
らの気体を導入して、前記複数の蓄熱材粒子を前記ケース内で循環流動さ
せる気体導入口を有する、 水素製造プラント。
【請求項8】 請求項7に記載の水素製造プラントにおいて、 前記複数の
蓄熱材粒子は、珪砂、スラグ、金属酸化物、セラミックスのうち、少なく
とも一の材料で形成されている、 水素製造プラント。
【請求項9】 請求項7又は8に記載の水素製造プラントにおいて、 高温
熱媒体と気体とを熱交換させて、前記気体を加熱する気体加熱器と、 前記
気体加熱器で加熱された気体を前記第一蓄熱器の前記ケース内に送る予備
送風機と、 前記第一蓄熱器の前記ケース内に前記第一蓄熱器の前記送風機
から気体を送れる状態と、前記第一蓄熱器の前記ケース内に前記予備送風
機からの気体を送れる状態とに、切り替える切替機と、 をさらに備える、
水素製造プラント。

【請求項10】 請求項7又は8に記載の水素製造プラントにおいて、 高
温熱媒体と気体とを熱交換させて、前記気体を加熱する気体加熱器と、前
記気体加熱器で加熱された気体を前記第二蓄熱器の前記ケース内に送る予
備送風機と、 前記第二蓄熱器の前記ケース内に前記第二蓄熱器の前記送風
機から気体を送れる状態と、前記第二蓄熱器の前記ケース内に前記予備送
風機からの気体を送れる状態とに、切り替える切替機と、をさらに備える
水素製造プラント。
【請求項11】 請求項7又は8に記載の水素製造プラントにおいて、 高
温熱媒体と気体とを熱交換させて、前記気体を加熱する気体加熱器と  前
記気体加熱器で加熱された気体を前記第一蓄熱器の前記ケース内及び前記
第二蓄熱器の前記ケース内に送る予備送風機と、 前記第一蓄熱器の前記
ケース内に前記第一蓄熱器の前記送風機から気体を送れ且つ前記第二蓄熱
器の前記ケース内に前記第二蓄熱器の前記送風機から気体を送れる状態と
前記第一蓄熱器の前記ケース内及び前記第二蓄熱器の前記ケース内に前記
予備送風機からの気体を送れる状態とに、切り替える切替機と、をさらに
備える、水素製造プラント。
【請求項12】 請求項7から11のいずれか一項に記載の水素製造プラ
ントにおいて、前記硫酸反応器と前記ヨウ化水素反応器とのうち、少なく
とも一方の反応器は、 筒状を成して両端を有し、該両端のうちの一端が
閉端を成し、他端が開口を成す外筒と、 筒状を成して両端を有し、該両
端のうちの一端が入口開口を成し、他端が出口開口を成す内筒と、円筒状
を成して両端を有し、該両端のうちの一端が閉端を成し、他端が出口開口
を成す分離筒と、熱分解の対象である熱分解対象物を受け入れる対象物受
入部と、前記熱分解対象物の熱分解で得られた反応物の一種を排出する反
応物排出部と、を有し、前記分離筒は,
前記熱分解対象物の熱分解で得られ
た第一反応物と第二反応物と、前記第一反応物を前記分離筒の内側に通す
一方で前記第二反応物を前記内側に通さない分離膜を有し、前記外筒は、
前記外筒の前記閉端を含み且つ前記開口を含まない外筒本体の外周面が前
記蓄熱体に接し得るよう、前記ケースに取り付けられ、前記内筒は、前記
内筒の前記入口開口を含み且つ前記出口開口を含まない内筒本体の少なく
とも一部が前記外筒本体内に位置するよう、配置され、前記分離筒は、前
記分離筒の前記閉端を含み且つ前記出口開口を含まない分離筒本体の少な
くとも一部が前記外筒本体内及び前記内筒本体内に位置するよう、配置さ
れ、前記対象物受入部は、前記外筒本体と前記内筒本体との間に前記熱分
解対象物を送れるよう形成され、前記反応物排出部は, 
前記内筒本体と前
記分離筒本体との間の前記第二反応物を外部に排出できるよう形成され、
前記分離筒の前記出口開口は、前記第一反応物を外部に排出する排出口を
成す、水素製造プラント。
【請求項13】 請求項12に記載の水素製造プラントにおいて、 前記ケ
ースは、鉛直方向に延びる側板を有し、 前記外筒は、前記外筒の前記開
口に対して前記閉端が上に位置するように傾斜して、前記側板に取り付け
られ、 前記内筒は、前記内筒の前記出口開口に対して前記入口開口が上に
位置するよう傾斜している、 水素製造プラント。
【請求項14】 請求項12又は13に記載の水素製造プラントにおいて、
前記少なくとも一方の反応器は、前記熱分解対象物の熱分解を促進する触
媒を有し、前記触媒は、前記分離筒本体の外周面中で、前記分離筒本体の
少なくとも一部が前記外筒本体内及び前記内筒本体内に位置している部分
に取り付けられている、水素製造プラント。
【請求項15】 請求項1から14のいずれか一項に記載の水素製造プラン
トにおいて、前記ブンゼン反応設備、前記硫酸反応設備、及び前記ヨウ化
水素反応設備に対して、電力を供給する電力供給設備をさらに備え、前記
電力供給設備は、蒸気により駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービン
の駆動で発電する発電機と、前記蒸気タービンから排気された蒸気を水に
戻す復水器と、前記復水器からの水を加熱し蒸気を生成し、前記蒸気を前
記蒸気タービンに送る蒸気発生装置と、を有し、前記蒸気発生装置は、蓄
熱体を有する蓄熱器と、太陽光を前記蓄熱器に導いて、前記蓄熱器の前記
蓄熱体を加熱する太陽光ガイド装置と、前記蓄熱器内に配置され、前記復
水器からの水と前記蓄熱体とを熱交換させて、前記水を加熱して蒸気にす
る蒸気発生器と、を有する、 水素製造プラント。

✔ 次回はコンパクトで太陽光(或いは人工光)から光触媒発電で直接充
 電する方式と一旦、水電解とうで水素製造濃縮する方式について考察し
 ていく。勿論、実用システム開始日を2030年1月1日を前提とする。
-------------------------------------------------------------------
わたしは何んなの ②
ここでは、アルゴリズミカルな人類社会を人工知能(AI)の脅威を描いた
SF映画より考察してみよう。
第1回 人工知能と人類の果てなき戦争『ターミネーター』



「人工知能と人類の戦い」を描いたSF映画の金字塔となっている作品。 人
間そっくりの暗殺アンドロイド・ターミネーターと、人間の戦士カイル・
リースが未来から降り立った1984年のロサンゼルス。ターミネーターは人
工知能と人類による未来の戦争のカギを握る女性サラ・コナーを暗殺する
ために街で暴走し、カイルはそれを防ぎ、サラを守るために奔走していく。
ごく普通の女性だったサラはいきなり死闘に巻き込まれ、カイルから人類
の未来について知らされるのだった。この戦いを始点に、ターミネーター
と人類の壮絶な戦いが巻き起こっていくという展開。
via ロボットプラザ 公式サイト

風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine





アルバム『終わりなきこの愛』 2019.4.24
オペラ座の怪人
THE PHANTOM OF THE OPERA Richard Greidaman 

今夜の寸評:

     

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わたしは何んなの ①

2023年09月21日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。

        わが傘の内にて松虫草の蝶  富安風生

秋の虫を連想させる名前がついた植物が見ごろを迎てている。葉を出し冬
を越し、花を付けてから枯れる冬型一年草(越年草)。高地では枯れずに
2年目の葉を出す多年草という。実は、スカビオサはマツムシソウという
和名をもち、俳句にも詠まれ秋の季語である。小花が集まって大きな頭状
花を形づくり外側の花弁が大きく広がる。ほとんどがブルー系の花色で、
草丈は10~30cmくらい。四季咲き性が強く、次々と長い間咲き続ける。
「松虫草」の名は、花の終わったあとの坊主頭のような姿が仏具の「伏鉦」
(ふせがね:俗称「松虫鉦」)に似ているところからとも言われる。

           待ち遠し松虫草の登り坂
                      

富安 風生(とみやす ふうせい、1885年4月16日 - 1979年2月22日)は、
日本の俳人。本名は謙次。高浜虚子に師事。逓信省に勤めながら俳誌「若
葉」を主宰。温和な作風で知られた。愛知県出身。


2023.08.03
ペプチドの精密な「立体ジッパー」構造の人工合成に成功

酸化チタン光触媒によるコーティングは、米国テキサス州ダラスのドーム
スタジアムの屋根、六本木の東京ミッドタウンの吹き抜けガラス天井、東
京駅八重洲口のグランルーフにも採用されているが、この作用は、まず酸
化チタンに光が当たって電子が励起(エネルギーの高い状態)され、この
電子が他の分子に結合してこれを還元、電子が励起された跡の正電荷を持
った「穴」(正孔)が分子から電子を奪って酸化。空気中や水中でこの反
応を行うと、酸素が電子と、水分子が正孔と反応するといずれも活性酸素
を生じ、これはアルコールや植物の葉さらにゴキブリまでも酸化し、二酸
化炭素にまでも分解する作用を持つ。酸化チタン光触媒をコーティングし
た表面は、極めて水になじみやすくなり、水をかけても薄い膜となって流
れていく。
エネルギーの低い可視光でも反応できるよう酸化チタンに窒素などを加え
(ドープ)、正孔を生じさせやすくするという方法では、できる正孔の酸
化力が低く、その移動度(周りの電子が正孔に落ち込み、見かけ上正孔が
移動していく速度も小さくなるため、反応効率も上がらない。その解決策
は、酸化チタンの表面に、鉄あるいは銅イオンから成る「助触媒」を付着
させる方法。こうすると、①酸化チタンから助触媒へ電子が直接励起され
る「光誘起界面電子移動」が起き、エネルギーの低い可視光でも十分利用
可能で、②この助触媒は2つの電子を受け取って酸素を還元でき、この段
階の反応効率をも大きく高める。この2つの効果の合わせ技により、従来
10倍以上の反応効率を実現、この新しい光触媒は、紫外線を含まない蛍
光灯の光を照射するだけで、感染性ウイルスを大幅に不活化できる。
➲可視光全域を利用できるレドックス光増感剤の最新国内特許調査

1.特開2022-93136 光触媒プレート、光触媒粒子構成体、およびそれら
 の製造方法 人工光合成化学プロセス技術研究組合他
【概要】
クリーンなエネルギーシステムの1つとして、太陽光エネルギーを有効利
用して水を分解することによって水素を製造する「ソーラー水素製造技術
」が注目されており、この水素製造技術の鍵となる可視光応答性光触媒の
開発が盛んに行なわれている。水分解の形態として光触媒を基材に固定し
て用いる方法は、光触媒粒子を懸濁させた水溶液を用いる方法に比べて
撹拌装置および撹拌のエネルギーや大型の容器を必要とせず水素製造装置
の大面積化に適し、この観点から簡便かつ低コストの光触媒粒子固定化技
術の開発は重要である。
特許文献1及び特許文献2には水素生成用光触媒粒子と酸素生成用光触媒
粒子と導電性粒子および基材を含む光触媒シートが例示されている。特許
文献1では成膜と水分解活性の良好な発現には300℃の焼成工程を必要
としており使用可能な光触媒や基材には制限が生じる。実際、実施されて
いる光触媒は金属酸化物光触媒に限られており、可視光領域に幅広く吸収
帯を有する金属硫化物光触媒の使用については言及されていない。またこ
の例では焼成工程を含むため基材としてはガラスが使用されており、軽量
で柔軟性をもつ樹脂基材を用いた実施態様は開示されていない。成膜の強
度について行われている試験は剥離防止部を含む特許文献2においても非
接触の試験に留まっておりひっかきなどの接触型の試験については言及さ
れていない。 特許文献3には水素生成用光触媒粒子と酸素生成用光触媒
粒子と導電性基材を含みロールプレスで成膜された光触媒シートが例示さ
れている。この例では導電材料が基材であるためこれが特定の仕事関数を
有するTiやInなどの材料に限定され高価なものになってしまう。

非特許文献1及び非特許文献2には水素生成用光触媒粒子と酸素生成用光
触媒粒子を含みこれらに導電性材料を蒸着するプロセスを含む粒子転写法
による光触媒シートが例示されている。この例では真空プロセスを含むた
め大面積化に対しては高価なものになってしまう。 非特許文献3には水
全分解型光触媒と無機バインダー(ナノシリカ)および基材を含む光触媒
シートが例示されている。この例では成膜と水分解活性の良好な発現には
350℃の焼成工程を必要としており基材としてはガラスが使用されてい
る。
【特許文献1】 特許第6073520号公報
【特許文献2】 特開2018-122214号公報
【特許文献3】 特開2017-217623号公報
【非特許文献1】Nature Mater.,15,6,p.611(2016),K.Domen et al.
【非特許文献2】J.Am.Chem.Soc.,139,4,p.1675(2017),K.Domen et al.
【非特許文献3】Joule,2,3,p.509(2018),K.Domen et al.

【発明が解決しようとする課題】
光による水の分解によって水素生成を大規模に行うためには、プレート状
に光触媒粒子層を配置し、そのプレートの運搬や保存、加工、設置の簡便
化が重要になる。そのためプレートの軽量性や柔軟性および光触媒粒子層
とプレート基材との密着性が重要となってくる。無機材料である光触媒粒
子層を設けたプレートを製造する場合、基材への密着性を得るために一般
的な成膜に用いられる有機バインダーや無機バインダーを使用することは
困難である。一般的な有機バインダーを用いた場合はこれが光触媒粒子の
表面に接着し光触媒粒子表面の反応活性点をふさいでしまい水分解反応の
進行を妨げてしまう場合がある。一般的な無機バインダーを用いた場合も
これが光触媒粒子の表面を覆う要因となり得る。また例えばZスキーム型
水分解の光触媒粒子層に無機バインダーを用いた構成では粒子間の接触お
よびこれら粒子と導電材料との接触を妨げる要因となり得る。尚、本明細
書において、「プレート」ないし「プレート状」は、可撓性のないもの、
及び、可撓性のあるもの(シート、シート状を含む)を含む。 このため
安価で軽量、柔軟な樹脂等の有機材料を含む有機材料基材上に高密着な光
触媒粒子層を、光触媒活性を損なうことなく固定する技術を開発すること
は重要であるが、有機材料基材上に高密着な光触媒粒子層を形成すること
と、光触媒活性とはトレードオフの傾向があり、双方を両立することは知
られていないのが実情である。 もし高密着な光触媒粒子層を有した光触
媒プレートであれば、何枚もの光触媒プレートを直接重ねた棒積み状もし
くは大面積で長尺の光触媒プレートをロール状の形態にすることができる
ので運搬および保存が容易となる。 また、実用的な環境では光触媒粒子
層が接触時の擦れによって容易に剥がれてしまう様なことは問題となる。
もしも擦れを避けるためには、運搬、保存、加工、設置の際に常に光触媒
粒子層上に空間を保持し続ける必要がある。このようなケースでは、特に
水素製造装置の大面積化に対しては障害となる。 また、水中で水分解反
応を行う際にも長期間安定に光触媒粒子層を保持するためにも光触媒粒子
層と基材との密着性が高いことは有用である。特にPETの様に安価で軽
量かつ柔軟でさらに資源として再利用可能な基材上に高密着な光触媒粒子
層を設けることが可能となれば、水素製造装置の大面積化へのメリットは
非常に大きい。 基材上に光触媒粒子層を設けるためには、基材の耐熱温
度以下で固定化する非加熱プロセスの技術が必要である。樹脂等の有機材
料基材は一般的に耐熱温度が無機材料基材に比して低い為、光触媒粒子層
の固定化は困難な傾向にある。 もし低温で光触媒プレートの製造が可能
となれば、光触媒粒子層を構成する光触媒材料の選択肢を広げることがで
きる。特に可視光領域に幅広く強い吸収帯を有することが可能な金属硫化
物光触媒は、高温条件では酸化が進行して変質を招くおそれがあるので、
低温での製造方法が可能となれば、光触媒の材料の選択肢を広げることも
出来る。

よって本発明が解決しようとする課題は、水素生成用光触媒粒子と酸素生
成用光触媒粒子の組み合わせによる可視光応答性のZスキーム型水分解反
応を高効率に進めることが可能な光触媒粒子構成体および光触媒プレート
を経済性、軽量性、柔軟性に優れた樹脂等の有機材料基材上で実現し、構
造が安定で運搬性、保存性、加工性に優れた光触媒プレートを提供するこ
とにある。 また、例えば真空の様な高度に制御された環境や、低温環境で
のプロセスでなくても、可視光領域に幅広い吸収帯を有する金属硫化物光
触媒系光触媒材料や樹脂基材等の材料を使用した光触媒プレートを製造す
る技術を提供することも課題とする。

下図11のごとく、特定範囲の粒子径要件を満たす水素生成用可視光応答
性光触媒粒子と酸素生成用可視光応答性光触媒粒子と導電性カーボンとを
含む光触媒粒子層と樹脂基材とを含み、好ましくはそれらが加圧荷重の付
与により結着した光触媒プレート。前記光触媒プレートは、高い水分解活
性と好適な膜強度を有し、可視光を含む光照射下で水分解活性を高効率に
発現可能な光触媒プレート、光触媒粒子構成体において、好ましくは堅牢
で運搬性、保存性、加工性に優れた樹脂基材と光触媒粒子構成体層とを有
する光触媒プレートを提供する。

【成果】
本発明の光触媒粒子を含む層と有機材料基材とを含んで形成される光触媒
プレートは、特定の粒径の酸素生成用可視光応答性光触媒粒子と水素生成
用可視光応答性光触媒粒子と、特定の重量割合のカーボン微粉末とを含む
光触媒粒子構造体の層を含んでいる。カーボン微粉末は、例えば導電材料
としての役割や、加圧工程においては粒子間および粒子-基材間における
結着材料としての機能等を発揮できる。

〔実施例1〕
(Cu3VS4を水素生成用、BiVO4を酸素生成用可視光応答性光触
媒粒子として含む光触媒プレートにおいて水分解活性および膜強度に対す
る還元型酸化グラフェン(RGO)の有無および成膜時の加圧荷重の効果
を見る実施例その1)
〔実施例1-1〕 (水素生成用可視光応答性光触媒粒子の調製) 金属硫
化物を構造中に含む水素生成用可視光応答性光触媒粒子としてRu担持C
u3VS4(Ru/Cu3VS4)を以下の様に調製した。
(光触媒粒子Cu3VS4の合成) 光触媒粒子Cu3VS4の合成は文
献ChemSusChem,12,9,p.1977(2019),A.
Kudo et al.および特開2018-58732号公報に記載の合
成方法に準拠した。元素比Cu/V/Sが3/1.1/8となる割合で原
料CuS、V2S3、Sを配合し(V元素10%過剰、S元素100%過
剰条件)、脱気封菅アンプル中温度条件650℃10時間で固相法合成を
行い、目的物を得た。この合成方法による光触媒のDRS(拡散反射スペ
クトル)とXRDパターンおよびSEM観察像をそれぞれ図7A~図7B
の(図101-1-1)、(図101-2-1)、図8の(図101-3
-1)に示す。DRS(拡散反射スペクトル)より光触媒粒子Cu3VS
4は波長800nmまでの可視光全域に吸収帯を有していることがわかる。
SEM観察像により合成された光触媒粒子Cu3VS4の一次粒径は5~
10μm程度であることがわかる。
  (光触媒粒子Ru担持Cu3VS4(Ru/Cu3VS4)の調製)
光触媒粒子のCu3VS4に対して助触媒としてRuが担持されたRu担
持Cu3VS4の調製を以下の様に行った。 Cu3VS4に対して金属
Ruの重量比が0.75%に該当する量の塩化ルテニウム(田中貴金属社
製)の水溶液を準備した。三角フラスコに準備した水50ml中にCu3
VS4を100mgを投入し、超音波分散処理をおこなった後に撹拌しな
がら塩化ルテニウム水溶液を滴下した。撹拌を続けながらこの混合液を加
熱して65℃に昇温後30分間保持し、その後メンブランフィルターでろ
過し、適当量の水とエタノールで洗浄した後に室温で乾燥させることによ
り目的物を得た。これをRu(0.75wt%)/Cu3VS4と表記す
る。
(酸素生成用可視光応答性光触媒粒子の調製)
還元型酸化グラフェン(RGO)が添加された酸素生成用可視光応答性光
触媒粒子としてRGO添加CoOx担持BiVO4(RGO-CoOx/Bi
VO4)を以下の様に調製した。
(光触媒粒子BiVO4の合成)
光触媒粒子BiVO4の合成は文献J.Solar Energy Engineering,132,2,021106,(
2010),A.Kudo et al.、文献J.Am.Chem.Soc.,121,49,p.11459(1999),A.Kudo et al.

記載の合成方法に準拠して行い目的物を得た。この合成における光触媒の
DRS(拡散反射スペクトル)とXRDパターンおよびSEM観察像を図
7A~図7Bの(図101-1-2)、(図101-2-2)、図8の(
図101-3-2)に示す。DRS(拡散反射スペクトル)より光触媒粒
子BiVO4は波長520nmまでの可視光に吸収帯を有していることが
わかる。SEM観察像により合成された光触媒粒子BiVO4の一次粒径
は1μm前後であることがわかる。 実施例によっては合成原料にMoO3
を添加してバナジウム元素の0.05~0.25%を置換して得られたM
oドープ体BiVO4:MoをBiVO4の代わりに用いた。 

(光触媒粒子CoOx担持BiVO4(CoOx/BiVO4)の調製)
光触媒粒子のBiVO4に対して助触媒としてCoOxが担持されたCo
Ox担持BiVO4の調製は文献 に記載の方法に準拠して行い目的物を
得た(金属Coに対する酸素の組成比は不確定)。助触媒の原料としては
BiVO4に対して金属Coの重量比が0.5%に該当する量の硝酸コバ
ルト(2価)(和光純薬社製)の水溶液を準備して用いた。これをCoO
x(0.5wt%)/BiVO4と表記する。

(光触媒粒子RGO添加CoOx担持BiVO4(RGO-CoOx/
iVO4)の調製)
光触媒粒子のCoOx担持BiVO4に対して導電材料として還元型酸化
グラフェン(RGO)が添加されたRGO添加CoOx担持BiVO4の
調製は文献J.Am.Chem.Soc.,133,29,p.1105
4(2011),A.Iwase,A.Kudo et al.に記載の方
法に準拠して行った。CoOx(0.5wt%)/BiVO4に対してR
GOの重量比が5%に該当する量の酸化グラフェンの水分散液(仁科マテ
リアル社製Rap GO(TQ-11))を準備して調製し目的物を得た。 

具体的には容量50mlのガラス製菅瓶に20mlの水溶剤(水)を充填
し、これにRap GO(TQ-11)-10(酸化グラフェン(GO)
濃度10mg/mlの水分散液)の1mlを加えて超音波処理したのちに
CoOx(0.5wt%)/BiVO4の200mgを超音波分散し、さ
らにメタノールを20ml加え、撹拌しながら30分間窒素フローを行っ
た後にこれを継続しながら近接距離から300Wキセノンランプによる光
照射を3時間行った後に沈殿が容易となった固形分を濾別し風乾して目的
物を得た。 これをRGO(5wt%)-CoOx(0.5wt%)/B
iVO4と表記する。

(光触媒粒子の一次粒径測定)
光触媒粒子の一次粒径測定は粒径に応じて2000~20000倍のSE
M画像を用い、30個ほどの光触媒粒子の一次粒径を測りとり平均化して
明細書中の一次粒径とした。粒径が明らかに本発明の請求項の要件の範囲
内と目視で判断できる場合は、SEM画像を目視で観察し画像上のゲージ
との比較から一次粒径の値を得た。 

(ドロップキャスト成膜用光触媒分散ペーストの調製)
基材の表面に光触媒粒子層を形成して配置するために、用いる光触媒の混
合物を溶剤中に分散させたペーストを調製して、これを基材表面に滴下お
よび乾燥を繰り返して成膜するドロップキャストの工程を行う。 ドロッ
プキャスト成膜用光触媒分散ペーストを以下の様に調製した。水素生成用
可視光応答性光触媒粒子としてRu(0.75wt%)/Cu3VS4、
RGO添加酸素生成用可視光応答性光触媒粒子としてRGO(5wt%)
-CoOx(0.5wt%)/BiVO4を用い、光触媒粒子合計重量が
1.6mg/cm2、本実施例においては面積12cm2の光触媒プレー
ト全体に対して19.2mg、光触媒粒子重量比が記載順に1:1となる
様に計量し、これを2.5mlのエタノール中に配合して超音波で10分
間分散させることにより目的の光触媒分散ペーストを得た。 

(光触媒プレートの作製)
本発明の光触媒プレートは基材の表面に水素生成用可視光応答性光触媒粒
子と酸素生成用可視光応答性光触媒粒子および還元型酸化グラフェン(R
GO)とが光触媒粒子層を形成して配置され、これらが加圧によって結着
することにより作製される。 金属硫化物を構造中に含む水素生成用可視光
応答性光触媒粒子としてRu(0.75wt%)/Cu3VS4、還元型
酸化グラフェン(RGO)を添加して成る酸素生成用可視光応答性光触媒
粒子としてRGO(5wt%)-CoOx(0.5wt%)/BiVO4
および基材を含む光触媒プレートを以下の様に作製した。

(PET基材の準備)
光触媒プレートの作製における加圧工程では加圧面の直径が20mmの錠
剤成型器を用いた。成型器内に収まる基材を以下の様に準備した。 透明で
厚さ0.5mmのポリエチレンテレフタラート(PET)製の基材に対し
てポンチを用いて1枚の面積が3cm2の円板を切り抜いた。これを4枚
準備し面積12cm2の光触媒プレート用の基材とした。実際の面積が12
cm2からずれた場合は式1によって実施例中の水分解活性値を補正し面
積12cm2の光触媒プレートの活性値とした(*は乗算、/は除算を表
す)。面積12cm2の光触媒プレートの活性値=測定された活性値*(
12cm2/実際の基材面積) ・・・・・式1

(ドロップキャスト法による光触媒粒子層の形成)
調製した光触媒分散ペーストを用いてドロップキャスト法により光触媒粒
子層を以下の様に形成した。 準備したPET基材4枚の上にピペッター
を用いて光触媒分散ペーストを適当な分量に分けて滴下し乾燥させる操作
を繰り返すことより光触媒粒子層を形成させた。途中、必要に応じて光触
媒分散ペーストの超音波による再分散を行いながらこの操作を進めた。
具体的には毎回PET基材1枚あたり約70μlの光触媒分散ペーストを
滴下し乾燥させる操作を繰り返すことより目的の光触媒粒子層を形成させ
た。 

(加圧による光触媒プレートの作製)
PET基材上に形成された光触媒粒子層を加圧することにより水素生成用
可視光応答性光触媒粒子と酸素生成用可視光応答性光触媒粒子と還元型酸
化グラフェン(RGO)と基材が結着し本発明の光触媒プレートが作製さ
れる。 加圧による光触媒プレートを以下の様に作製した。 加圧には油圧
プレス器「ハンドプレスSSP—10A」(島津製作所社製)と直径20
mm用の錠剤成形器(同社製)を用いた。錠剤成型器内に光触媒粒子層が
形成された4枚のPET基材を各光触媒粒子層が上になる様に重ねて配置
した。 この時PET基材と同等の形状に切り抜いた剥離フィルムの4枚を
各基材上の光触媒粒子層表面を覆う様に配置した。剥離フィルムには厚み
0.125mmの低抵抗ITO-PENフィルム「PECF-IP」(ペ
クセル・テクノロジーズ社製)を用い、ITO面が光触媒粒子層に接する
様に配置した。
図3に光触媒プレートの作製過程における加圧工程時の各部材の配置の例
および加圧後の説明図を示す。 当該無機化合物で被覆された剥離フィルム
を用いることで剥離フィルム側に光触媒粒子層が転写することを防ぎ、光
触媒の原料としての損失のないかつ均質な光触媒プレートを形成させるこ
とができる。この錠剤成形器内への配置後にこれを油圧プレス器でゲージ
が1.5tonを示す位置まで加圧を行い、2分間この圧力を保持した。
各PET基材の面積が3cm2なのでこの加圧荷重を0.5ton/cm
2とした。 加圧処理後錠剤成型器から内容物を取り出し、剥離フィルムを
除去することで合計面積12cm2の目的の光触媒プレートを得た。 

(光触媒プレートの光触媒機能の評価)
得られた光触媒プレートに対して、図4に示す閉鎖循環系により、得られ
た光触媒プレートの水素生成活性として、発生する水素量(水素ガス)お
よび酸素生成活性として、発生する酸素量(酸素ガス)を測定することに
よって光触媒機能の評価を行なった。 図4において、201は反応管、
202はカットオフフィルター、203は真空ポンプに接続される発生水
素・酸素ガス排気系真空ライン、204はガスクロマトグラフ用アルゴン
ガス供給ライン、205は恒温槽、206はスターラー、207は撹拌子
、208は光触媒プレート(水溶媒中に支持台で固定)、209は水溶媒
の液面、210は循環器、211は圧力計、212はガスクロマトグラフ
、213はリービッヒ冷却管、L1は光源である。水溶媒とは水である。 

具体的には、図4の閉鎖循環系における、その内部がアルゴンガス雰囲気
の反応管201に、水120mlを満たし図4の位置に光触媒プレートを
支持台で固定して配置した。この水面および光触媒プレートに対して、当
該反応管201の上部から、300W のキセノンランプ「CERMA X
LX-300」(ILC technology社製)よりなる光源L1
からの放射光のうちの波長420nmよりも長波長側の光を、波長420
nm 以下の光をカットするカットオフフィルター「HOYA L42」(
HOYA社製)よりなるカットオフフィルター202を介することによって
照射した。そして、ガスクロマトグラフ「GC-8A」(島津製作所社製
;MS-5A column;TCD;Ar carrier)よりなるガ
スクロマトグラフ212によって生成した水素(水素ガス)および酸素(
酸素ガス)の定量を行なうことにより、水素生成活性および酸素生成活性
より成る水分解活性を測定した。定量は1時間ごとに行い、生成速度が安
定した時間帯の測定値を平均し、これを光触媒プレート12cm2におけ
る水分解活性の測定値とした。

(同一実施例内の測定値の比較および実施例間の比較)
実施例中の水分解活性の測定値は複数種の材料から成る光触媒粒子構成体
および光触媒プレートの材料各々の仕上がり具合や保存履歴などによる状
態にも影響される。 したがって同一の材料構成として表記される光触媒
プレートおよび光触媒粒子構成体であっても水分解活性の測定値は測定の
機会毎に異なり得る。本明細書における水分解活性の測定値は同一の表内
については同等の測定機会から得たものなので実施例間の比較が成り立つ
が異なる表の間では成り立つとはかぎらない。

(光触媒プレート光触媒粒子層の膜強度評価1)
得られた光触媒プレートに対して、光触媒粒子層の膜強度評価を鉛筆硬度
試験によって行った。試験はJIS K5600-5-4に準拠し10H
から10Bの22段階で評価した。(光触媒プレート光触媒粒子層の膜強
度評価2) 本発明の光触媒プレートは加圧により光触媒粒子層の膜強度が
向上している。加圧しない光触媒粒子層は著しく膜強度が弱く、指の腹で
簡単に擦り取れ基材表面が露出するくらいなので鉛筆硬度法だけでは加圧
の有無での膜強度の差を表現しにくい。従って以下の光触媒粒子層の膜強
度評価を行った。

(膜強度評価2の試験方法)
光触媒プレートの試験片を光触媒粒子層側が上になる様に上皿天秤の天秤
皿上に両面テープなどで固定し、光触媒粒子層表面をラテックスパウダー
フリー手袋「ナビロール手袋 0-5905-22」(アズワン社製)を
装着した指の腹で天秤が100gを示す強度で1回擦った。この操作で光
触媒粒子層が擦り取れて基材表面が一部以上露出する場合の評価を△とし
、そうでない場合を○とした。 加圧荷重と評価の結果を表1内に示す。 
さらにこの評価後、4枚の光触媒プレートのうちの1枚に対して指圧でP
ET基材が外側になるように折り曲げる試験を行った結果、光触媒粒子層
はPET基材に密着しており剥がれないことが認められた。 折り曲げ試験
を行った光触媒プレートの写真を図10の(図101-7-2)に示す。

〔実施例1-2、実施例1-3〕
実施例1-1における加圧荷重を各1ton/cm2、2ton/cm2
に変更したこと以外は実施例1-1と同様に処理して光触媒プレートを得
た。 加圧荷重と評価の結果を表1内に示す。 
〔実施例1-4〕
実施例1-1における加圧荷重をかけないこと以外は実施例1-1と同様
に処理して光触媒プレートを得た。 加圧荷重と評価の結果を表1内に示す。
〔比較例1〕 実施例1-1における酸素生成用光触媒粒子に還元型酸化グ
ラフェン(RGO)が添加されないこと以外は実施例1-1と同様に処理
して光触媒プレートを得た。 加圧荷重と評価の結果を表1内に示す。


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2.特開2021-119107 金属酸化物ナノ材料の製造方法および黒色金属酸
  化物ナノ材料の製造方法および黒色酸化チタンナノワイヤー 国立大学
  法人信州大学
【概要】
酸化チタン、酸化セリウム、セリアジルコニア、酸化亜鉛、酸化マグネシ
ウム、酸化アルミニウム、酸化バナジウム、酸化タングステン等、一般に
金属酸化物と称される化合物は、色素増感太陽光電池、光触媒、触媒担体、
蛍光体、除湿剤、吸着剤、顔料等に広く用いられている。さらに、これら
の金属酸化物をナノワイヤーやナノロッドといったナノ材料化すると、比
表面積が増え、触媒活性等の活性を高めることができることが知られてい
る。 一般的な金属酸化物ナノ材料の製造方法としては、ゾルゲル法、水熱
法、等、種々の手法が既に開発されているが、近年、金属元素(例えばチ
タン)と両性元素(例えばアルミニウム)をアルカリ処理することにより、
高い比表面積を有ししかも耐熱性に優れた金属酸化物ナノワイヤーが得ら
れる製造方法(特許文献1)が注目されている。 

金属酸化物の中でも、特に酸化チタンは優れた光触媒として期待されてい
る。しかし、酸化チタンはその価電子帯と伝導帯間のバンドギャップが大
きいため、そのままでは紫外光付近の光しか吸収することができず、太陽
光を有効に活用することができない。 【0005】 そこで、酸化チタン
の光触媒効果を可視光まで拡げるための研究がこれまでなされてきた。例
えば、酸化チタンを水素雰囲気下で焼成することで、バンドギャップを3
.3eVから1.5eVまで低減することができ、その結果ほぼ可視光全
域において機能する、いわゆる黒色酸化チタンを作製することに成功した
との報告がある(非特許文献1)。さらに、黒色酸化チタン結晶の欠陥の
種類およびこれらが光触媒反応に及ぼす影響に関する研究報告がある(非
特許文献2)。

【先行技術文献】
図7のごとく、少なくとも1種の金属元素と少なくとも1種の無機物もし
くは有機物を混合し、複合粉末材料を作製するプロセスと、前記複合粉末
をアルカリ処理または水処理するプロセスとを含む。前記粉末化はボール
ミルを用いて行われる。さらに黒色化は、前記金属酸化物ナノ材料を酸処
理するプロセスと、前記金属酸化物ナノ材料を不活性ガス雰囲気下200
°C~800°Cで加熱するプロセスと、を含む、低コストのプロセスで
、しかも比較的穏和な反応条件で金属酸化物ナノ材料および黒色金属酸化
物ナノ材料を製造する方法の提供。

【特許文献1】 特許第6515419号
【非特許文献1】X. Chen, L. Liu, P. Y. Yu, S. S. Mao, Science 2011, 331, 746.
【非特許文献2】A. Naldoni, M. Altomare, G. Zoppellaro, N. Liu, S. Kment,
            R. Zboril, and P. Schmuki, ACS Catal, 2019, 9, 345-364

【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に記載の技術は、直径が2~4nmでしかもBET比表面積が
600~670m2/gという高い比表面積の酸化チタンナノワイヤーが得られる一
方で、予めチタンアルミニウム合金リボンを作製し、これを水酸化ナトリウムに浸
漬させてアルミニウムを溶出させるといったプロセスが必要であり、低コストでナノ
材料を製造すること が困難であった。またアルミニウムなどの両性元素は製造
プロセスだけのために必要であり、最終的には廃棄されるため、資源の有効利
用の観点から問題があった。 また、非特許文献1に記載の技術は、可視光域で
触媒機能を有する材料を得ることができるものの、酸化チタンを水素雰囲気下で
焼成するプロセスにおいて、高圧(20bar)および高温(200°C)の環境が必要で
あり、しかもプロセスが完了するのに5日間程度要し、低コストで実現するのが困
難である、といった課題があった。

【課題を解決するための手段】
本開示の一態様に係る金属酸化物ナノ材料の製造方法は、少なくとも金属元素
および無機物もしくは有機物を混合し、複合粉末材料を作製するプロセスと、前
記複合粉末材料をアルカリ処理または水処理するプロセスと、を含む。  前記金
元素はT i 、C e 、Z r 、P d 、L a 、Fe 、C o 、V 、M n 、A g、P t 、Y 、M o 、C r 、
C u 、N i 、N b 、R u 、R h 、T a 、I n 、A u 、H f 、Ir G e 、B i 、およびW から
なる群から選択される少なくとも1種であってもよい。

前記無機物は、アルカリ処理や水処理で溶解する無機塩(例えば、NaCl、NaBr
)または固体無機化合物(例えば、SiO2)であり、これらの無機塩または固体無
機化合物から選択される少なくとも1種であってもよい。
前記有機物は、アルカリ処理や水処理で溶解する固体有機化合物(例えばカル
ボン酸、スルホン酸、またはそれらの塩)であり、これらの固体有機化合物から
選択される少なくとも1種であってもよい。
 前記金属元素と前記無機物もしくは有機物との物質量比は20:1~1:20であ
ってもよい。 前記複合粉末材料はボールミルを用いて生成されてもよい。 前記
ボールミルは遊星型ボールミルであってもよい。 前記アルカリ処理は、NaOH、
KOH、LiOH、Ba(OH)2、Na2CO3、NaOCl、RbOH、CsOH、Ca(OH)2、
Sr(OH)2、NaHCO3、K2CO3、KHCO3、Na2SiO3およびNH4OHから選
択される少なくとも1種のアルカリ性水溶液またはアルカリ性アルコール溶液を
用いて行われてもよい。
本開示の一態様に係る黒色金属酸化物ナノ材料の製造方法は、前記金属酸化
物ナノ材料の製造方法を含む製造方法であって、前記金属酸化物ナノ材料を酸
処理するプロセスと、酸処理された前記金属酸化物ナノ材料を不活性ガス雰囲
気下200°C~800°Cで加熱するプロセスと、を含む。 
前記金属元素はTi、Nb、Taであってもよい。本開示の一態様に係る黒色酸化チ
タンナノワイヤーは、酸素欠陥に電子がトラップされたF-centerの構造を有し
、直径が10nm~30nmでBET比表面積が70~100m2/gであることを特徴
とする。

図7のごとく、少なくとも1種の金属元素と少なくとも1種の無機物もしくは有機物
を混合し、複合粉末材料を作製するプロセスと、前記複合粉末をアルカリ処理ま
たは水処理するプロセスとを含む。前記粉末化はボールミルを用いて行われる
さらに黒色化は、前記金属酸化物ナノ材料を酸処理するプロセスと、前記金属酸
化物ナノ材料を不活性ガス雰囲気下200°C~800°Cで加熱するプロセスと、を
含む。低コストのプロセスでしかも比較的穏和な反応条件で金属酸化物ナノ材料
および黒色金属酸化物ナノ材料を製造する方法の提供する。


図7.本開示の実施例1におけるTEM像である。

【発明の効果】
本開示の一態様によれば、低コストのプロセスで、しかも穏和な反応条件で金属
酸化物ナノ材料を製造することができる。このようにして製造されたチタン酸化物
ナノワイヤーは、特許文献1に記載のチタン酸化物ナノワイヤーと同様な結晶構
造を有しており、これより生成された黒色チタン酸化物ナノワイヤーは、例えば可
視光領域においても高い触媒活性を有する。同様にニオブ酸化物ナノワイヤーと
タンタル酸化物ナノロッドについても製造することができ、これらより生成された
黒色金属酸化物ナノ材料は、例えば可視光領域においても高い触媒活性を有
する。

3.キラル鉄(Ⅲ)光レドックス触媒の開発
~SDGsと元素戦略に基づく医薬品探索研究を推進~
7月6日、名古屋大学らの県有グループは、キラル鉄(Ⅲ)光レドックス触媒
を用いる不斉ラジカルカチオン[2 + 2]及び[4 + 2]環化付加反応の開発に
成功。具体的には、不斉ラジカルカチオン[2 + 2]環化付加反応の開発によ
り、エナンチオ選択性注7)とジアステレオ選択性注8)の同時制御を達成
し、不斉ラジカルカチオン[4 + 2]環化付加反応の開発により、古典的な[4
+ 2]環化付加反応(Diels-Alder反応注9))では得ることの難しい[4 + 2]環
 化付加体の位置異性体の合成を達成。 多くの医薬品に見られる4及び6
 員環骨格の中でも、従来法では達成困難な骨格構築が可能になり本研究
 により医薬品探索研究の推進が期待されます。さらに、青色の可視光照
 射下、触媒には地球上に普遍的に存在する豊富な資源である鉄を用いる
 ことから、本研究はSDGsと元素戦略に基づく新たな手法の開拓。
【要点】
1.豊富な資源である鉄の特性を活かしてキラル注1)鉄(III)光レドックス
 触媒注2)を開発(SDGs 9,12); 元素戦略)
2.青色の可視光をエネルギーに用いた化学反応を開発
3.不斉注4)ラジカルカチオン[2 + 2]および[4 + 2]環化付加反応を開
 発(SDGs 9)
4.得られた[2 + 2]環化付加体および[4 + 2]環化付加体は、多くの医薬
 品に見られる重要な骨格を有しており、医薬品探索研究の推進を期待(S
 DGs 3,9,12)

【論文情報】
雑誌名:米国化学会誌(Journal of the American Chemical Society)
論文タイトル:Highly Enantioselective Radical Cation [2 + 2] and [4 + 2]
 Cycloadditions by Chiral Iron(III) Photoredox Catalysis
著者:大村 修平(名大助教)、片桐 佳(名大院生)、加藤 春奈(当時、
 名大院生)、堀部 貴大(当時、名大特任助教)、宮川 翔(北大院生)、
 長谷川 淳也(北大教授)、石原 一彰(名大教授)
DOI: 10.1021/jacs.3c04010


【関係技術情報】
1.可視光全域を利用できるレドックス光増感剤 ケムステニュース
  2021.11.30
2.ペプチドの精密な「立体ジッパー」構造の人工合成に成功 ケムステニュース
   2023.9.21
3. 3.C-H活性化触媒の先駆的研究: Shinji Murai (村井眞二)、Robert G. Berg
 mann(ロバート・バーグマン)、John E. Bercow (ジョン・バーコウ)、Georgiy B. S
 hul‘pin(ジョージ・シュルピン)
4.カーボンナノチューブの発見: Sumio Iijima (飯島 澄男)、Morinobu Endo (遠
 藤 守信)
5.水の光分解触媒の発見: Akira Fujishima (藤嶋 昭)
6..ペロブスカイト型太陽電池の開発と応用: Tsutomu Miyasaka (宮坂 力), Nam-
 Gyu Park(ナム=ギュ・パク), Henry J. Snaith(ヘンリー・スネイス)
7.光レドックス触媒の精密合成への応用: David W. C. MacMillan(デヴィッド・マ
 クミラン)、Shunichi Fukuzumi(福住俊一)


------------------------------------------------------------------
2030年までの活動目標のイメージング(図画像化)を終えたので、今日か
ら、世界・自国の政治・社会の課題を考察していこう。

現在社会政治私論わたしは何んなの ①】

「Generative AI:ジェネレーティブAI」とも呼ばれ、さまざまなコンテン
ツを生成できる生成AI(または生成系AI)と呼ばれる。従来のAIが決めら
れた行為の自動化が目的であるのに対し、生成AIはデータのパターンや関
係を学習し、新しいコンテンツを生成することと低吟され注目されている。

  

生成AIが注目されるようになった理由の1つ目として、「精度」の向上が
ある。質問に対する回答の精度、出力される文章表現の自然さ、入力した
条件にあった画像など、出力されるものがビジネスなどで使えるレベルま
で向上。2つ目は、精度向上の背景にある「学習量」の多さです。コンピ
ューター能力の進化などもあり、学習するためのデータ量が飛躍的に拡大
し、モデルの精度が高まりの背景があり、3つ目は、コンテンツ生成の「
スピード」の速さ。アプリケーションなどを用いて、条件を入力し、条件
に応じ、文章や画像を出力するための時間が格段に短くなる。4つ目は、
アプリケーションなどの「使いやすさ」の向上。誰でも簡単に使うことが
でき、特にマニュアルなどを見なくても、簡単に条件を入力することがで
きることがある。つまり、「知識の高級感」あるは従来からの「高度学習」
」(ディープ・ラーニング)の深層化であり「高速表現」 であると考えら
れ、文章(テキスト)、画像、音声、音楽、動画などが生成AIで生成でき
る。文章といっても、Web上にある情報から、条件に応じた内容を検索して
表示するのではなく、様々な情報を組み合わせて、新しい文章を生成する
表現形式であり、メールの文案、論文、ポエム、歌詞などを生成すること
ができる。できるが、その反作用としてわたし達の主体性が瞬時に問われ
ることとなり、それらの<合成結果>がわたしたち社会の変容を促すという
ことである。

Vivy -Fluorite Eye’s Song-(2021)

風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine




アルバム『終わりなきこの愛』2019.4.24
デュエット
Richard Greidaman DUET

今夜の寸評:我が道を進まん。

     


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人工太陽創造時代 ④

2023年09月20日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。


開放電圧が 2.8 V 以上の三重接合ペロブスカイト
 ペロブスカイト - シリコン太陽電池
ドイツのフラウンホーファー ISE の研究グループは、ペロブスカイト -
ペロブスカイト - シリコン サブセルで構成される三重接合太陽電池を設
計した。このデバイスは 20.1%の効率と 2.8 V以上との開放電圧を達成。
同グループによると、このセルは2.8Vを超える開路電圧を達成したが、こ
れは従来のセル値が0.7V~0.8Vの間であるのに比べ、これはこのタイプの
太陽電池として記録的な値であり、ペロブスカイトとシリコンを組み合わ
せた太陽光発電が未開発の大きな可能性を秘めているという。
ACS Publications に掲載された論文「開回路電圧 2.8 V以上のモノリシッ
ク 2端子ペロブスカイト/ペロブスカ
イト/シリコン三重接合太陽電池」セ
ルのペロブスカイト吸収体は、1.56V~1.83Vの範囲のエネルギーバンドギ
ャップを持つペロブスカイト材料で作られている。

関連論文】
ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の効率は、Ⅲ-V族ベースの二
重接合太陽電池のこれまでの記録を上回った。 これは、多接合用途にお
けるペロブスカイト太陽電池の高い可能性を示す。 ペロブスカイト/ペ
ロブスカイト/シリコンの三重接合太陽電池は、二重接合太陽電池よりも
さらに高い効率の可能性を備えた効率的で低コストの多接合太陽電池を実
現するための次のステップ。今回我々は、2.8Vを超える開回路電圧を備え
たペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池を紹介。こ
れは、この構造に関してこれまでに報告されている記録値です。 これは、
上部ペロブスカイト層の堆積にガス急冷法を採用し、ペロブスカイト サ
ブセル間の中間層を最適化することによって実現されます。さらに、当社
の三重接合太陽電池の測定では、報告値の信頼性と正確性を確保するため、
正確な測定手順が実施されている。



【要約】
ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池の効率は、Ⅲ-V族ベースの二
重接合太陽電池のこれまでの記録を上回った。 これは、多接合用途におけ
るペロブスカイト太陽電池の高い可能性を示す。 ペロブスカイト/ペロブ
スカイト/シリコンの三重接合太陽電池は、二重接合太陽電池よりもさら
に高い効率の可能性を備えた効率的で低コストの多接合太陽電池を実現す
るための次のステップとなる。 今回、2.8 Vを超える開回路電圧を備えた
ペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池を紹介する。
これは、この構造に関してこれまでに報告されている記録値。 これは、
上部ペロブスカイト層の堆積にガス急冷法を採用し、ペロブスカイト サ
ブセル間の中間層を最適化することにより実現される。さらに、三重接合
太陽電池の測定では、報告値の信頼性と正確性を確保するため、正確な測
定手順を掲載する。

・原 題:開回路電圧 > 2.8 V のモノリシック 2 端子ペロブスカイト/ペ
     ロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池;Monolithic Two-Ter-
       minal Perovskite/Perovskite/Silicon Triple-Junction Solar Cells with
       Open Circuit Voltage >2.8 V
・著 者:Maryamsadat Heydarian, Minasadat Heydarian, Alexander J. Bett, Martin
        Bivour, Florian Schindler, Martin Hermle, Martin C. Schubert, Patricia S.
        C. Schulze, Juliane Borchert, and Stefan W. Glunz

掲載誌:   ACS Energy Letters 0, 8  
D O I :  10.1021/acsenergylett.3c01391           
 

Supplementary Information 
    https://pubs.acs.org/doi/suppl/10.1021/acsenergylett.3c01391/supplfile/nz
    3c01391_si_001.pdf     




図 1. (A) 標準貧溶媒堆積ルートと (B) 適応したガス急冷技術を使用した、
湿式化学堆積ステップの概略図と中央ペロブスカイト セル/上部ペロブス
カイト スタックの SEM 断面画像。 適応されたガス急冷技術を使用する
と、膜に損傷を与えることなくペロブスカイト中間セル上にペロブスカイ
ト上部吸収体を形成できる。

高バンドギャップペロブスカイトの結晶化度を比較に、これら2つの技術
で堆積された膜に対して X 線回折 (XRD) 測定した。両方のフィルムのXRD
パターンは、同様のピーク位置を示す (図 2A)。さらに、ガスクエンチン
グ(GQ)法で作製した膜は、14.4°、20.4°、29°でペロブスカイトのよ
り高い回折ピークを示し、結晶性が向上していることを示す。12.8°のPbI
2ピークはペロブスカイト溶液中の10%鉛過剰から生じ、どちらの場合も同
様であり、GQを使用した場合の急速な結晶化にも関わらず反応の完了を示
す。 GQと ASで堆積したペロブスカイト膜の形態を比較し、図 2D に示す。
上面から見た SEM画像は、適用された技術で堆積された膜に悪影響を及ぼ
さないことを示しており、どちらの膜も非常に類似した粒径を持つ高品質
で緻密で均質なペロブスカイト層を示 (図 S3)。 反射および透過の測定か
ら決定された吸収率曲線は、両方のペロブスカイト層で同様の吸収が確認
されている (図 2B)。さらに、両方のサンプルのフォトルミネッセンス (
PL) スペクトルは、1.82 eVに相当する 680nm にピークを示す (図 2C)。
GQ で処理したサンプルは、5分間の連続照射後に安定した PLピーク位置
を示す。これは、組成中の Brの量が多いにもかかわらず、HBGペロブスカ
イトの光安定性を証明 (図 S4)。 したがって、ASを GQ法に置き換えるこ
とにより、中央のペロブスカイト太陽電池の上に上部ペロブスカイト吸収
体形成できた。 さらに、GQアプローチには、追加の溶媒が不要になるこ
とや大面積の蒸着技術との互換性など、他の利点もいくつかある。 (9,13)



図 2. 標準的な貧溶媒および適応したガス急冷法で調製された HBGペロブ
スカイト膜の (A) XRD パターン、(B) 吸収率スペクトル、(C) PL スペク
トル、および (D) 上面 SEM 画像の比較。

2つの方法で堆積されたペロブスカイトの膜形成と品質は同等。モノリシ
ック三重接合太陽電池のもう1つの重要な特徴は、サブセル間の再結合層
である。サブセルは再結合層を介して直列に接続されているので、この追
加層によって生じる電圧損失と寄生吸収が最小限に抑えられることが重要
となる。一般に、2つのペロブスカイトサブセルを接続するには 2つの一
般的なアプローチがある。最初のアプローチは、オールペロブスカイト太
陽電池 (11,15-17) や有機タンデム太陽電池で非常に一般的である金 (Au)
などの蒸着された極薄金属層を使用するものであり (18)、2 番目のアプロ
ーチはスパッタリングされた層を使用する。ペロブスカイト/シリコンタン
デム太陽電池でよく使用される酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電性
酸化物(TCO)。 (19-21)
多くの高効率オールペロブスカイト太陽電池は再結合層として 1nmの蒸着
Auを使用しているが、(11,15-17) 最近では 5~15nmの範囲の薄い TCOが
有利であることが示された。 全ペロブスカイト太陽電池 (22) とペロブス
カイト/有機タンデム太陽電池の両方。 (23) この研究では、ペロブスカ
イト/ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池のペロブスカイトサブセ
ル間の再結合層として、1 nmの蒸着 Auと 15 nmのスパッタリングITO を
比較。これら 2 つの層の光学特性を分析に、光学ガラス/SnOxスタック上
に堆積された 15 nm ITOと 1 nm Auで反射と透過の測定を実行 (図 3A)。

以前に報告されているように、ITO 層は Au に比べて透明性が高く、寄生
吸収が低いことがわかりました。 (22) Au 層は、400 ~ 1200 nm の波長
範囲で約 20% の寄生吸収を示し、上部セルからその下のサブセルへの透
過光を制限します。 Auを再結合層として採用することのもう1つの欠点は
その固定基であるホスホン酸が縮合反応で結合するためにヒドロキシル基
を必要とするため、一般的な自己組織化単層(SAM)正孔輸送材料をその
上に直接形成できないことである。
(24) したがって、Au再結合層の場合、
トップセルの正孔輸送層 (HTL) としてポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリ
メチルフェニル)アミン] (PTAA) を採用した。ただし、特にHBGペロブス
カイトの場合、HTL/ペロブスカイト界面での界面非放射再結合を最小限に
抑え、VOCを改善するには、HTLとして PTAAをSAMに置き換える必要がある
ことが以前に示されている。 (19、21、25) 図 S5は、ガラス/HTL/ペロブ
スカイトスタックの絶対 PL測定値を PTAA および 2PACz SAMとの比較。 2

PACz上のHBGペロブスカイトのPLシグナルは、PTAA上のものよりも 1 桁高
い。したがって、PTAAを 2PACz に置き換えると、iVOC 値が 50 mV以上増
加(図 3B)。したがって、再結合層としてITOを採用すると、光学的に有利
なだけでなく、当社の三重接合太陽電池構造における HBGペロブスカイト
の HTLとして SAMを統合することも可能となる。


図 3. (A) 光学ガラス/SnOx スタック上に蒸着された 15nm ITOと 1nm Au
の透過率、反射率、吸収率のスペクトル。 (B) 絶対 PL測定から得られた
PTAAおよび 2PACz HTL上のHBGペロブスカイトのiVOC値。

ITO は、Au層に比べて透明性が高く、寄生吸収が少ないことがわかる。 2
PACzで処理されたペロブスカイトは、HTLとして PTAAを使用したペロブス
カイトと比較して、より高いiVOCを示す。これらの最適化 (Au/PTAA対ITO
/2PACz相互接続) がデバイスの性能に及ぼす影響を調査するために、次の
アーキテクチャを備えたペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン三重接
合太陽電池が開発された: SHJ/ITO/PTAA/PFN/ペロブスカイト /C60/SnOx/
Au/PTAA/PFN/ペロブスカイト/C60/SnOx/ITO/Ag/MgF2 および SHJ/ITO/PTAA
/PFN/ペロブスカイト/C60/SnOx/ITO/2PACz/ペロブスカイト/C60/SnOx/ITO
/ 図 4Aに示す Ag/MgF2。三重接合デバイスの外部量子効率 (EQE) の測定
結果を図4Bに示す。各サブセルの EQEを測定するために、三重接合太陽電
池をスペクトル選択性バイアスLEDで照明し (図S1)、外部バイアス電圧を
印加して、参考文献 (26 および 27) に従って測定中のサブセルを短絡状
態した。詳細については、サポート情報も参照。 EQEが完全に校正されて
いない場合でも、ペロブスカイトサブセルに使用される最適化されていな
いバンドギャップを考慮すると、デバイスの全体の電流が中間セルによっ
て制限されることは明らかである。



図4. (A) ペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコンの三重接合デバイス
構造の概略図。 (B) Au/PTAA および ITO/2PACz 相互接続層を備えた三重
接合太陽電池の EQE曲線。

Au/PTAAを ITO/2PACzに置き換えることにより、寄生吸収が少なくなるた
め、より多くの光が中間セル (図 3A) に伝達されるため、最終的な三重
接合太陽電池ではより高い jSC が期待されます。最後に、多接合太陽電
池の電流密度 - 電圧 (j-V) 曲線を測定する場合、ソーラー シミュレー
ターのスペクトルがエアマス 1.5地球規模 (AM1.5g) のスペクトラムとス
ペクトルは完全には一致しないことを考慮することが重要。  したがって、
3 つのサブセルすべてがシミュレータ下で AM1.5g スペクトル下で発生す
るのと同じ電流を生成するように測定前にソーラー シミュレータのスペ
クトルを調整する必要がある。 3 つのサブセルのスペクトル応答に基づ
いてこの調整を実行するには、少なくとも 3 つの異なるスペクトル チャ
ネルを備えたソーラー シミュレーターが必要である。 (28) このような測
定手順は非常によく確立されており (28,29)、ペロブスカイト/シリコン
タンデム太陽電池の測定にも一般的ですが、これまでのところ、ペロブス
カイトベースの三重接合太陽電池の測定には採用されていない。ここでは、
スペクトル調整されたソーラーシミュレーターの下で測定されたペロブス
カイト/ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池の j-V 曲線を報告。
j-V 測定は、スペクトル的に独立した 20 個の LED を備えた発光ダイオー
ド (LED) ベースのソーラー シミュレーターを使用して実行した。スペク
トルは、次の要件が確実に満たされるように、参考文献 (30) で開発され
たアルゴリズムを使用して調整される。
この手順では相対的なスペクトル応答のみが必要であることに注意。 (28)
このような測定手順は非常によく確立されており(28,29)、ペロブスカイト
/シリコンタンデム太陽電池の測定にも一般的、これまでのところ、ペロ
ブスカイトベースの三重接合太陽電池の測定には採用されていない。 ここ
では、スペクトル調整されたソーラーシミュレーターの下で測定されたペ
ロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン三重接合太陽電池の j-V 曲線を報
告する。 j-V 測定は、スペクトル的に独立した 20 個の LED を備えた発
光ダイオード (LED) ベースのソーラー シミュレーターを使用して実行し
た。 スペクトルは、次の要件が確実に満たされるように、参考文献 (30)
で開発されたアルゴリズムを使用して調整される。



両方のグループの最高のパフォーマンスの j-V 曲線を図 5 に示す。ITO/2
PACz相互接続層を備えたサンプルは、Au と比較した ITO の光学的利点(つ
まり、中央セルの電流)が減少し、ペロブスカイト/PTAA(トップセルの
VOCが増加する)と比較して、ペロブスカイト/2PACz界面での非放射再結合
が減少した。



5.(A) Au/PTAAおよびITO/2PACz相互接続層を備えた三重接合太陽電池、
最高性能の j-V曲線、およびペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコンデ
バイスの光起電力パラメータの例示的な写真。 (B) シリコン/ITO/PTAA/
ミドルペロブスカイト/C60/SnOx/ITO/2PACz/トップ ペロブスカイトの SE
M断面画像、および (C) 報告されているペロブスカイト/ペロブスカイト
/シリコンの出版物における VOC の進化。この研究で達成されたVOCは、
VOC > 2.8 V とさらに改善された。

最も性能の高いセルは、20.0% の PCE、78% の FF、および 8.9 mA/cm2の
jSC を示す。最大電力点電圧に近い固定電圧での 6分間にわたる PCEの変
化を図 S6に示す。 この研究における HBG ペロブスカイトのバンドギャ
ップは 1.83 eVであるにもかかわらず、このデバイスは 2.8 V以上の VOC
を示し、これは以前に報告されたペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコ
ン三重接合太陽電池の VOC (図 5C) よりも高い。参考文献(6および7)で
使用されている1.90および1.96 eVのペロブスカイトよりも低い。 1 太陽
照明下では、単接合太陽電池の上部ペロブスカイトと中間ペロブスカイト
の開回路電圧は、それぞれ〜1.12 V と〜1.02 V  (図 S7)。 この研究に
おける SHJボトムセルのVOC は約 0.73 V。したがって、最終的な三重接
合デバイスの電圧損失は無視できる。これは、サブセル間の再結合層の高
品質を示す。ペロブスカイトまたは有機ボトムセルを使用した三重接合太
陽電池では、より高い VOC値が報告されていることに注意。 (31,32) た
だし、シリコン太陽電池は、ペロブスカイト太陽電池と有機太陽電池のバ
ンドギャップがそれぞれ 1.2 eVと 1.3 eVである他の 2つのボトムセルと
比べて電圧が低いため、技術間には電圧差が予想される。 (31,32) 最後に
なりますが、適応した処理によって中間セルへのダメージが最小限に抑え
られるとしても、プロセスの再現性を高めるためには、中間層の溶媒バリ
ア機能を向上させることが重要であることに気付きました。SEM上面画像
(図 S8 を参照) から、シリコン上の 1nm Au の島状の成長は明らかであ
り、これまでに 1nm の銀 (Ag) 層で示されたものと同様である。 (23)
これにより、表面被覆率が不完全になりましたが、15nmITO は均質な緻密
な層を特徴としており (図 S8)、ITO はより優れた溶媒バリアーになる。
しかし、私たちの研究では ITO 層が 1 cm2 の開口部を持つシャドウマス
クを通してスパッタリングされるため、溶媒の浸透に対して十分な保護が
できなかった。したがって、次のステップとして、さまざまな厚さの SnOx
層の溶媒バリア特性を調査した。20 nm SnOxは溶媒に対して耐性を示さず
溶媒が下層に急速に浸透することが観察された。SnOxの厚さを 30および
40nmに増やすと、溶媒耐性が向上し、その結果、下にある層をより効果的
に保護できるよになる (図 S9)。 さらに、さまざまな厚さのSnOx 層の吸
収率曲線は、厚いSnOx層では追加の寄生吸収を示さない (図 S10)。 厚さ
30 nmの SnOxと ITO再結合層を組み合わせた三重接合太陽電池では、歩留
まりが向上し、データのばらつきはほとんどない (図 S11)。要約すると、
この論文はモノリシック二端子ペロブスカイト/ペロブスカイト/シリコン
三重接合太陽電池の開発と特性評価におけるいつかの重要な課題に取り組
んでいる。三重接合構造のペロブスカイトトップセルの処理にガス急冷法
が初めて採用され、HBG ペロブスカイト吸収体の均一な形成が可能になり
下層への溶剤による損傷を防ぐ。さらに、ペロブスカイトサブセル間の
ITO/2PACz 相互接続層では、電圧損失がほとんどない。このデバイスの主
な制限要因は、中間セルの電流によって制限される低い短絡電流密度にあ
。これは、ペロブスカイトサブセルのバンドギャップと厚さを調整する
ことで克服できる可能性がある。さらに、ここで達成される電圧は個々の
サブセルの電圧の合計に等しいが、中間および上部のペロブスカイトセル
の電圧を改善することでさらに高めるられる。全体として、ペロブスカイ
トベースの三重接合太陽電池は複雑な新しい技術となる。 研究では、高
電圧で高効率の三重接合セルを堅牢処理するためのいくつかの有望なソリ
ューションが指摘れている。ペロブスカイト/シリコン二重接合太陽電池
のレベルに到達し、最終的にはそれを超えるには、さらなる最適化が必要
である。さらに、標準的なテスト条件および高温下でのこれらの太陽電池
の長期安定性については、今後の研究で取り組む必要がある。最後に、ペ
ロブスカイトベースの多接合太陽電池の商品化には、産業用シリコンウェ
ーハ上でスケーラブルな技術を使用して効率の向上を達成する必要がある。

✔ 面白い論文であった。金属・非鉄金属・無機物・有機物の劣化を完全
制御できたらなら自在接軽出来る野田はないか、例えば鉛を哲にかえるの
Ⅱ替えることも出来るのでは、起電力の差は別にしても最適設計できれば
使えるのではないかとか、ダイヤモンドなどのカーボンなどのカーボンが
使えないとか。いずれにしてもリサイクルを前提に変換効率30%超の道
筋は完備できるステージに入ったように思える。

   



再エネ革命渦論 167: アフターコロナ時代 168
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中  ㊽



図1.素子作製概要:i-vの手順で作製、(a) 発光分子成膜箇所をナノギ
ャップ電極間及び電極上に限定するための単分子膜(SAM)処理に用いた
分子OTS、(b) 発光分子F8BT、(c) イオン液体P66614-TFSAの分子構造。
Reprinted with permission from R. Yonemoto et al., Nano Lett. 2023, 23, 7493−
7499. Copyright 2023 American Chemical Society.


ナノギャップ電極を基盤とした電気化学発光セル
分子スケール電流励起発光源の実現に向けた大きな一歩
9月19日、明治大学らの共同研究グループは、ナノギャップ電極を基盤とし
た電気化学発光セル(nano-LEC)の開発。本デバイスは分子スケールの電
流励起発光源の実現に貢献する。 本研究ではイオン液体と発光性ポリマー
をナノギャップ電極部分にそれぞれ堆積することで、意図しないナノ構造
由来の発光や電極変形による不安定性を抑制し、ギャップ間分子への効率
的な両極電荷注入と再結合発光を得ることに成功した。

【概要】
単一の有機発光分子は理想的な光学ナノ材料と考えられる。分子スケール
の物性研究や量子技術応用のためのナノスケール光源として、走査型プロ
ーブ顕微鏡を用いた単一分子光源や、固定型ナノギャップ電極を用いた光
源が報告されている。これらは①電極から電子および正孔が分子に直接注
入・再結合することで発光を得る機構、②電子の非弾性トンネリングや局
在表面プラズモン、真空放電を介して発光を得る機構の2つに大別される。

前者は発光特性が電極間分子に依存するため安定したデバイス特性が得ら
れる利点があり、発光の基本的なメカニズムを単一分子レベルで理解する
上でも重要。後者は発光特性が電極材料・形状、印加電圧、温度などの条
件により変化するため、繊細なデバイス設計と制御が必要となる。また強
電界の印加により電極の変形や破壊を引き起こす場合があるため、本過程
を抑制し、電荷注入・再結合に基づく発光を得ることはナノスケールデバ
イスの安定性・制御性の観点から重要な課題となる。

しかしながら、これまで固定ナノギャップ電極を用いた研究では、ギャッ
プ間分子への効率的な両極電荷注入を実現することは困難でした。これら
の課題を解決すべく、本研究グループは新しいナノスケールデバイスであ
る「ナノギャップ電気化学発光セル」を提案した。電気化学発光セル(LE
C
)は、発光分子と電解質によって構成される発光層を有する有機発光デ
バイスです。可動イオンによって引き起こされる電気化学ドーピングによ
り、電極の仕事関数※3によらず両極電荷注入・再結合発光が容易となり、
低電圧で高効率な電界発光が得られる。これまで、LECに関する多くの研
究は、柔軟性・伸縮性を有する比較的大面積のエレクトロニクス素子への
応用の観点から行われてきました。本研究では、LECの動作原理をナノギ
ャップ電極系に初めて応用し、同種金属から成るナノギャップ電極から分
子のHOMOとLUMOへ、正孔と電子の効率的な両極電荷注入を実現し、再結合
発光を得ることに成功しました。本研究成果は、LECの新たな応用例を示
すだけでなく、分子スケールオプトエレクトロニクスの進歩に貢献する。

【成果】
研究グループは、ナノギャップ電極を基盤としたナノスケールのLEC(nano-
LEC)
を開発し、その電気光学特性を解析した。具体的には、金ナノギャッ
プ電極上に発光分子F8BTを堆積後、イオン液体P66614-TFSAを滴下するこ
とでnano-LECを作製した(図1)。自己組織化単分子膜によりSiO2表面を
疎水化することで、金電極上に選択的に分子が堆積されるように工夫。
イオン液体を除いたデバイスの原子間力顕微鏡像を見ると、ナノギャップ
電極間及び電極上に発光分子が点在している様子が窺える(図2)。これ
は、電流経路がナノギャップ電極間及び電極上に限定されることを示唆。
また、作製したデバイスにおける種々の電気光学特性:一定電圧印加時に
微小電流が立ち上がったのち徐々に上昇する様子や、F8BTの発光ピーク波
長に対応する540 nm付近での顕著な発光、電流・発光強度の温度依存性(
図3)も、作製したデバイスがLECとして動作していることを強く示唆。
さらに、イオン液体と発光分子を、それぞれ別々にナノギャップ電極部分
に堆積するデバイス作製法は、nano-LECを安定動作させるために重要な役
割を果たすことを突き止めた。通常のLECでは、発光分子とイオン液体の
混合膜を成膜するが、この手法でnano-LECを作製した場合には、電極の露
出部分から意図しない発光や放電を誘発し、デバイスの安定性が著しく低
下することが分かった。


図2.原子間力顕微鏡像:(a) 高さ像、(b) 粘性像。ナノギャップ電極間・
電極上においてより高く(白~金色)、より粘性が低い(黒~赤色)箇所
に分子が存在している。Adapted with permission from R. Yonemoto et al.,
Nano Lett. 2023, 23, 7493−7499. Copyright 2023 American Chemical Society.


図3 作製したデバイスの電気光学特性:一定電圧印加時における(a) 電
流、(b) 発光強度の時間依存性。Adapted with permission from R. Yonemoto et
al., Nano Lett. 2023, 23, 7493−7499. Copyright 2023 American Chemical Society.

【展望】
本研究ではnano-LECを作製し、固定型ナノギャップ電極間に堆積されたF8BT
からの電流励起再結合発光を得ることに成功。Nano-LECの発光特性を詳細に
解析することで、分子・ナノスケール電界発光現象に関する更なる理解に貢献
し、
nano-LECに異なる発光分子を添加し、ホスト-ゲスト系nano-LECとすることで
、より少数の、ひいては単一分子による発光を固定電極デバイスベースで実現
する。本成果は固定電極型の単一分子発光源の実現できるだろう。

【関係技術情報】
題目:Light-Emitting Electrochemical Cells Based on Nanogap Electrodes
著者:Ryo Yonemoto, Rieko Ueda, Akira Otomo, and Yutaka Noguchi雑誌:Nano
Letters

DOI:10.1021/acs.nanolett.3c02001


⾦属有機構造体(Metal-Organic Framework:MOF)において
光照射により予期せぬ超⾼速構造変化
光励起による強誘電性発現などにより新規超⾼速光応答デバイス開発へ
9月19日、東京⼯業⼤学 東北⼤学らの共同研究チームは、⾦属有機構造体
Metal-Organic Framework:MOF)結晶において、室温下での光励起を⾏
うと、超⾼速結晶構造変化を伴う新しい電⼦状態が発⽣することを明らか
にした。この状態が光励起特有の隠れた秩序状態であることも分かった。
室温より⾼温で電荷移動型相転移( ⽤語3 ) を起こすMOF 結晶である
(NPr4)2[Fe2(Cl2An)3]において、室温で10 兆分の1 秒のパルス幅の超短パ
ルスレーザー光による時間分解分光を⾏った結果、有機分⼦イオン周りの
局所的な反転対称性の破れを伴う、当初予期しなかった光誘起構造変化を
⽰す反射率スペクトルを得た。本研究成果は、MOF の構造が強固だという
従来の思い込みを覆し、多彩なMOF 結晶が、光励起により超⾼速な結晶構
造変化を伴う新しい電荷秩序状態を⽣ずる物質の候補であることを⽰す。M
OF 結晶の多孔質性を活かしたフォトクロミズムや、光磁性デバイスの開発
の端緒となるだけでなく、マクロな反転対称性の破れによる強誘電体の光
制御の可能性を開く。



【展望】
光で導⼊された局所的な反転対称性の破れを、集団的な反転対称性の破れ
につなげることができれば、光による強誘電体の⽣成制御への道が開ける
と考えられる。また、電荷移動型MOF は、構成する分⼦を変えることによ
り電荷移動度の異なるさまざまな結晶を得ることができるため、光刺激に
対して超⾼速応答をする新物質のさらなる発⾒も期待できる。
【関係技術情報】
掲載誌: Advanced Optical Materials
論⽂タイトル: "Appearance of a photoinduced hidden state in the electron donor‒
acceptor type metal‒organic framework (NPr4)2[Fe2(Cl2An)3]"
著者: Samiran Banu, Mone Kato, Kou Takubo, Yoichi Okimoto, Shinya Koshihara,
Kaoru Iwano, Wataru Kosaka, Hitoshi Miyasaka, and Tadahiko Ishikawa



カワサキ、電動バイクのNinja e-1/Z e-1を日本でも販売

風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine




アルバム『終わりなきこの愛』2019.4.24
ハンガリー舞曲 第5番 嬰ヘ短調(ブラームス)
Richard Greidaman Danse Hongroise No5


     

 

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人工太陽創造時代 ③

2023年09月19日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。

         この雪の残る時にいざかな山橘の実の照るも見む
                                         万葉集 大伴家持


   



再エネ革命渦論 166: アフターコロナ時代 167
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中  ㊼




出所 クリーンプラネット 2022.2.28、
via 【ディープテックを追え】「常温核融合」を社会実装へ

 

"人工太陽"とは、核融合発電(核融合反応)及び原子力発電(核分裂反応)
や常温核融合発電、量子水素エネルギー発電などの高温発電だけでなく電
気化学反応水素生成、次世代型人工光合成モデルなどの1000℃以下発熱で
放射能汚染ゼロ発電、ゼロ・カーボン社会を実現するシステム(事業)を
7年後の2030年までに実現することを目的として独自に呼称している。
例えば、量子水素エネルギー発電実証実験(クリーンプラネット)では、
理論上は都市ガスの1万倍以上のエネルギー密度が得られるという。「量
子水素エネルギー」と呼ぶ熱源の特徴は反応温度にある。核融合炉では、
1億度Cという高温でプラズマ状態を磁場で閉じ込める巨大な施設が必要
だ。対して、量子水素エネルギーは1000度C以下という低温で、反応
を起こすために投入した熱エネルギー以上の「過剰熱」を得られる。

原子核と原子核は一定の距離に近づくと引き合い、核融合を起こす。ただ
同じ電荷を持つ原子核がこの距離に近づくには、「クーロン斥力」という
反発する力に打ち勝たないといけない。そのため核融合炉には1億度Cの
高温が必要になる。量子水素エネルギーではナノ(ナノは10億分の1)
スケールの金属粒子に水素を吸着させ、熱刺激を与えることで過剰熱を発
生させる。量子水素エネルギーの源流は常温核融合という技術。1989年3
月に米ユタ大学で報告----当時はパラジウムの電極を重水素の溶液中で電
解したところ、化学反応では説明できない過剰熱が発生したという。ただ
その後、各国で行われた追試の結果、否定的な見解が相次いだ。再現性が
乏しく「えせ科学」とさえ見られていた(下記掲載の特許実施例の2の
"ハイドリノ反応"もその1つであるが、電極方式のほか、パラジウム・ナ
ノ粒子への重水素吸蔵に伴う発熱などの現象が報告され、徐々に再現性が
高まり、日本でも新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2015
年~17年に行った実証で再現性が確認されている。

  クリーンプラネットはこれまでの研究成果を踏まえ、より産業化を見
  据える。安価な原材料のニッケルと銅、軽水素を使った反応系で発熱
  を再現する。14ナノメートルのニッケルと2ナノメートルの銅をシ
 ート上にし、多段積層した素子にする。真空状態にした素子に軽水素
 を燃料として投入し、外側から熱を加える。そうすると加えた熱以上
 の過剰熱が放出される仕組みだ。同社の実験では900度Cの熱投入
 に対して、920度Cの熱を240日連続稼働で供給することに成功
 した。また熱が1200℃を超えるとニッケルが溶け、内部の素子が
 うまく機能しなくなるため熱暴走は起こさないという。ナノ金属をシ
 ート上にすることで安全性にも配慮した。

             ニュースイッチ「ディープテックを追え」

【最新関連特許事例】
1.特開2021-38961 荷電粒子ビーム核融合 松本 一穂
【概要】
 地上で入手可能な核融合燃料を用いた荷電粒子ビームを自己収束させて衝
突させ、非中性子反応のD-3He、p-Li反応、中性子を伴うD-D
反応、D-T反応等を発生させる核融合炉に関するものである。 主な非中
性子核融合(Aneutronic fusion)の種類と反応式は、次のとおりで
ある。
<ヘリウム>
D+He → He(3.7MeV) + p(14.8MeV) He+
He→ He + p + p +(13.8MeV)
<リチウム>
p+Li → He(2.3MeV) + He(1.7MeV) p+
Li →He(8.67MeV)×2
<ボロン>
p+11B → He × + (8.68MeV)
<窒素>
p+15N → 12C(1.24MeV) + He(3.72MeV) 
主な中性子を伴う核融合の種類と反応式は、次のとおりである。
D+T → He(3.5MeV) + n(14.0MeV)
D+D → T(1.0MeV) + p(3.0MeV)
   → He(0.8MeV) + n(2.45MeV)
D-D反応では、二種類の反応がほぼ同程度生じる。

世界中で研究されている、主な核融合炉の方式
<プラズマを使用するもの>
プラズマを使用する主な核融合方式には、磁気閉じ込め型、慣性閉じ込め
型、静電閉じ込め型などがあり、粒子加速器を使用してプラズマに荷電粒
子等を打込み、プラズマを加熱するもの、及び、核融合の点火をしようと
するものが含まれる。
<磁気閉じ込め型核融合炉>
磁気閉じ込め型核融合炉(トカマク型、ヘリカル型、磁気ミラー型など)
は、強力な磁力線でプラズマを閉じ込め、核融合が発生する温度になるま
で、マイクロ波や中性粒子ビームを打ち込み、プラズマを加熱しようとす
るものである。 プラズマ温度が1憶2千万度に達したとしているが、外部
からの加熱無くして核融合反応を維持するに至っておらず、量子科学技術
研究開発機構のJT60SA、国際核融合実験炉(ITER)においても、
トリチウムを増殖するブランケットの実装計画も存在していない状況にあ
る。 
<慣性閉じ込め型核融合炉>
慣性閉じ込め型核融合炉(レーザー型、重イオン慣性核融合など)は、直
径数ミリの核融合燃料ペレットを炉の中心に置き、四方八方から強力なレ
ーザーや荷電粒子ビームを照射して圧縮し、核融合燃料が高密度のプラズ
マと化すことで、核融合を発生させようというものである。 圧縮しただけ
では核融合が発生しないため、粒子加速器を用いて点火ビームを打ち込も
うとしているものもある。 平均自由行程以下の小さなプラズマ塊の内部で
連鎖的に核融合が発生することは期待できない。 

<静電閉じ込め型核融合炉>
静電閉じ込め型核融合炉(フューザー型、ファーンズワース型など)は、
内部に設けたグリッド状の電極に電圧を加えて強い静電界を形成する方式
であり、核融合反応が確認された方式である。 核融合による中性子源とし
て実用化されているが、核融合反応率が低く、エネルギー装置としては期
待できないとされる。
<Zピンチ核融合>
Zピンチ核融合は、プラズマに電流を流して周囲に収束磁界を形成し、ロ
ーレンツ力でプラズマ自体を自己収縮させ、高温高密度状態を作り出す方
式で、プラズマ温度が20億度を超えたとしているが、核融合を発生する
には至っていない。

<荷電粒子ビーム衝突型核融合>
荷電粒子ビーム衝突型核融合は、使用する荷電粒子ビームのバンチに強い
空間電荷効果が生じるため、核融合に必要な密度を満たすことが困難であ
った。
【先行技術文献】
【特許文献】 
1】特願2015-000007荷電粒子ビーム衝突型核融合炉
2】特願2016-179051荷電粒子ビーム非対称衝突型核融合
3】特願2018-532341荷電粒子ビーム衝突型核融合炉

【非特許文献】 
1】「核融合プラズマの数値計算」日本原子力研究所
2】直接エネルギー変換 プラズマ核融合学会 jspf1995_06-516 
3】分散型荷電粒子加速器概要 http://www.emcube.co.jp/acceleratorsummary.html 
4】 JENDL-4.0汎用標準核データライブラリー 日本原子力研究開発機構
5】1973ICRP Publication 21 P94 勧告図19 国際放射線防護委員会
6】固体トリチウム増殖材料研究開発の最先端 ソリッドなブランケットを
  めざして 量子科学技術研究開発機構
7】LHDにおけるD-He核融合の検討 文部省核融合研究所
8】誘導型加速器による大電流電子ビームの発生と伝送 山形大学院理学研
  究科クォーク核物性物理学研究室
9】陽子ビームの原子核変換応用 日本原子力研究所

【発明が解決しようとする課題】
核融合燃料粒子を圧縮し、実現可能な粒子密度(ρ)では、平均自由行程
(λ)が数キロメートルを超える長さとなってしまう。このため、有限の
長さの核融合反応領域を有する磁気ミラー型の炉では、高い核融合反応率
を得ることはできない。 環状の核融合反応領域を有する磁気閉じ込め型の
炉は、粒子が周回することで平均自由行程(λ)を超える長さを確保でき
る。しかし、プラズマ粒子の運動が周回方向のみではないから、外部加熱
の停止後は瞬時に核融合反応が停止してしまい、外部加熱無しで核融合反
応を維持することができていない。 慣性核融合では、一点に圧縮しようと
しているが、均一に爆縮できていない。 小さい燃料ペレットを爆縮して高
い密度を実現し、核融合の発生を目指しているが、圧縮された核融合燃料
の直径が平均自由行程(λ)より遥かに小さいので、核融合反応は、燃料
の一部分に留まる。 連鎖的な核融合反応に到達する筈も無く、これは、点
火ビームを加えたとしても、この点は変わらない。 
Zピンチ型核融合は、プラズマに電流を流すことで周囲に右回りの円形磁
界を形成し、ローレンツ力でプラズマ自体を自己収縮し、線状の高温高密
度状態を作り出したとするが、核融合を発生させるに到っていない。ほぼ
直線状にプラズマを圧縮しただけであり、その形状を有効に活用できてい
ない。 また、これらのプラズマを使用した核融合炉が、仮に実用に耐え
る核融合に成功したとしても、炉内にトリチウム(T)を大量に含むプラ
ズマを使用することから、危険性が指摘されている。 プラズマから核融
合生成物であるヘリウム4(He)などを除去しなければならないが、
トリチウム(T)の漏洩などの心配がある。

<核融合反応領域の形状>
荷電粒子ビーム衝突型核融合における一つの結論は、核融合反応領域の理
想的な形状は、細く長い形状であることである。(特許文献1~3) しか
し、強い空間電荷効果を伴うため、必要な密度(ρ)の燃料荷電粒子ビー
ムを発生することが出来なかった。 現在開発が進められている核融合方式
では、何れも空間電荷効果を避けるため、核融合燃料粒子である荷電粒子
(z)と電子(e)とが混在する熱プラズマを用いている。 熱プラズマを
使う方法では、熱運動による方向性のない粒子衝突となるため、細く長い
形状の核融合反応領域にすることが出来ない。

<中性子・核融合燃料の回収>
D-T反応及びD-D反応では、中性子(n)が生成され、減速材に水を
使用し、中性子(n)の遮蔽、冷却を行うが、水の水素と反応し、デュー
テリウム(D)やトリチウム(T)に変化するから、これらも回収して、
核融合燃料として再利用することができる。 また、リチウム(Li)を含
むブランケットを用いて、トリチウム(T)を生成することができるが、
現在研究中のプラズマ方式の核融合炉は、何れも実験炉の域を出ず、十分
な核融合を発生することができていないため、ブランケットの実装計画自
体が存在していない。(非特許文献6)

<直接電気エネルギー変換>
核融合生成粒子(48c)の移動は、電流(I)そのものであるから、直
接電気エネルギー(E)として取り出すことが容易な筈である。プラズマ
方式の核融合炉から直接電気エネルギー(E)を取り出す研究もされてい
るが、炉から取り出したプラズマを、電子(e)と荷電粒子(z)とに予
め分離する必要がある。 この電力変換の方法は、核融合生成粒子(48c)
の運動エネルギー(K)を、一旦プラズマの熱エネルギー(Q)に変換し、
電子(e)の分離、速度変調などを行った上で、電気エネルギー(E)に
変換しているのであり、高い電力変換効率(ηE)が得られるとは言い難
い。(非特許文献2)

【課題を解決するための手段】
高い核融合反応率(ηf)を得るには、粒子加速器(42a)を用いて燃
料荷電粒子ビーム(40)の運動に方向性を持たせ、十分に細く長い核融
合反応領域(52f)を形成することが必須との結論を得ている。(特許
文献1~3) <荷電粒子の輸送> 荷電粒子の輸送技術では、1[T]前
後の収束磁界(B0、Bt)を用いて、1[kA]程度の電子ビーム(4
0e)を、空間電荷効果を受けながらも、数十ミリメートルまで収束し、
数十メートル以上を輸送できている。(非特許文献8)
電子ビーム(40e)を燃料荷電粒子ビーム(40)に置き換えて、荷電
粒子の輸送路を核融合反応領域(52f)として利用することが考えられ
る。 しかし、燃料荷電粒子ビーム(40)の密度(ρ)が不足しており、
十分ではない。
高い燃料粒子の密度(ρ)を得るために、電子レンズ(42L)を用いて
収束させることが有効であるが、短い距離であればともかく、長い距離に
渡って高い密度(ρ)を保つことは難しい。 長い距離に渡って高い密度
(ρ)を保つには、燃料荷電粒子ビーム(40)の空間電荷を中和し、円
形磁界(Bφ)のローレンツ力による、ビームの自己収縮作用を利用する
方法が望ましい。

<空間電荷効果の中和>
燃料荷電粒子ビーム(40)に電子ビーム(40e)を混入することで、
空間電荷を効果的に中和することができる。 図1に示すように、燃料荷
電粒子(z)の進行方向と逆方向に、空間電荷を中和する粒子数の電子ビ
ーム(40e)を打ち込むことを考える。 燃料荷電粒子ビーム(40)を
発散させる電界(Er)は中和され、電子ビーム(40e)を含む燃料荷
電粒子ビーム(40)が作る電流(iL、iH、ie)の流れる方向は同
一であり、電流(IΣ)の方向に対して右回りに発生する円形磁界(Bφ)
を倍増させて、強い磁気ピンチ効果を得ることができる。

 【要約】
プラズマ方式の核融合炉は、いまだに実用化に至っていない。荷電粒子ビ
ーム衝突型核融合炉は、必要とする高密度の荷電粒子ビームが実現できな
かったが、下図1のごとく、燃料荷電粒子ビームを周回させ、電子ビーム
を逆方向に周回させることで、空間電荷を効果的に中和し、残留する空間
電荷による発散力(FE)を押さえて、ビームの周囲に生じる円形磁界(
Bφ)による強い収束力(FB)を得て、実質的に無限長の核融合反応領
域を有する「非中性子型荷電粒子ビーム核融合炉」を実現できる。地球上
に豊富にある資源でp-Li反応を行い、ヘリウム3を生成し、D-He
反応を発生でき、環状回生減速器により核融合生成荷電粒子の運動エネル
ギー(K)を直接電力に変換する。この他、中性子エネルギー変換器を備
え、中性子を伴うあらゆる核反応を扱い得る。


図1 自己収縮燃料荷電粒子ビーム

-F=q(Er-VBφ)[N]:負:収束力優勢
Er=(N+NH-)×q/(2nε0r):電界強度
φ=IΣμ/(2πr)[T]:円形磁界強度
ΣiL+i+i[A]:総合ビーム電流
i=N×V×q[A]:低速粒子、高速粒子、電子の各電流
V=√(2qK/m)[m/s]:低速粒子、高速粒子、電子の各速度
K[eV]:粒子の運動エネルギー N[N/m]:低速荷電粒子線密度
[N/m]:高速荷電粒子線密度
[N/m]:電子線密度(荷電粒子の総電荷線密度にほぼ等しい。)
m[kg]:低速粒子、高速粒子、電子の各質量
q=1.602×10-19[C]電荷素量
ε=8.854×10-12[F/m]真空誘電率
μ=4π×10-7[H/m]真空透磁率

<荷電粒子ビームの収縮>
空間電荷を10,000分の1程度にまで中和できれば、電流の流れに対
して右回りに発生する円形磁界(Bφ)による収束力(FB)が、残留す
る空間電荷の電界(Er)による発散力(FE)を上回ることが期待でき
る。 収束発散比(Fr=(F-F)/F)を指標として使用する。
燃料荷電粒子ビーム(40)内の粒子のらせん運動などのエミッション
(k)が無ければ、ビームの半径(rφ)は限りなく収縮する。 プラズ
マに電流(I)を流して収縮させるだけのZピンチ方式と比較し、粒子加
速器(42a)から発射する燃料荷電粒子ビーム(40)の高い直進性を
利用して、高密度の細く長い核融合反応領域(52f)を形成することが
可能である。ks <核融合反応領域の長さ> 収束磁界(B0、Bt)を用
いた荷電粒子輸送路において、逆方向に電子ビーム(40e)を打ち込む
ことで、燃料荷電粒子ビーム(40)の密度(ρ)を各段に高めることが
できるが、それでも平均自由行程(λ)が数キロメートルから千数百キロ
メートルの長さになると見積もられる。 有限の長さの核融合反応領域(5
2f)では、実用的な核融合反応率(ηf)に達しないことは、明らかで
ある。 このため、燃料荷電粒子ビーム(40)に周回軌道を与え、核融合
反応領域(52f)を無限長にすることが有効であると結論できる。

<円形軌道>
燃料荷電粒子ビーム(40)の核種や速度が異なると、旋回磁界(Bψ)
中の旋回半径(rψ)が異なる。 下図2(a)に示すような円形の周回軌
道の場合、円軌道上で燃料荷電粒子ビーム(40)を衝突させるには、旋
回半径(rψ)が等しくなる速度である場合に限られる。 表1に示すよう
に、衝突させるには、燃料荷電粒子ビーム(40)の粒子の質量(m)、
電荷(q・z)、速度差(VH-VL)を与えて同一方向に旋回させ、旋回磁
界(Bψ)中の旋回半径(rψ)が同一となる場合である。


図2.円形軌道(a)円環型、(b)変形円環型



表1の上の2段に示すように、相対衝突エネルギー(Kc)を60[ke
V]になる速度で衝突させて、D-T反応を発生するには、デューテリウ
ム(D)を900[keV]で、トリチウム(T)を600[keV]で、
旋回磁界(Bψ)の磁束密度が0.02[T]のとき、旋回半径(rψ)
を9.69[m]前後にすることができる。 表1の下の段に示すように、
電子ビーム(40e)の旋回半径(rψ)は1.7[mm]前後と小さい
が、燃料荷電粒子ビーム(40)の強い電界による通り道が形成されるの
で、その経路を逆方向に辿ることができる。
D-He反応の場合は、核融合反応を生じる相対衝突エネルギー250
[keV]を得るために、粒子加速器(42a)により3.75~10.
0[MeV]の大きな運動エネルギー(K)を与えなければならないが、
粒子加速器(42a)の加速に要するエネルギー(E)が大きすぎる。
表1の中の2段に示すように、デューテリウム(D)を1,100[ke
V]、ヘリウム3(He)を3,000[keV]とすると、相対衝突
エネルギー(Kc)は、80[kV]となり、このときの核融合反応断
面積(σ)は、0.05[barns]である。 なお、相対衝突の速度
(V)、換算質量(m)、相対衝突エネルギー(K)は、次式による。

=V-V [m/s]:相対衝突速度
m=m×m/(m+m) [kg]:換算質量
=(1/2)mV/q [eV]:相対衝突エネルギー

完全な円形であると、燃料荷電粒子ビーム(40)及び電子ビーム(40
e)を打ち込む位置も見出しにくい。図2(b)に示すように、一部を変
形した円環形状とし、偏向領域(54d)を設け、燃料荷電粒子ビーム4
0)及び電子ビーム(40e)の打ち込み口とすることができる。


図3.軌道構成(a)長円形軌道、(b)無限形軌道、(c)多角形軌道、
 (d)対向衝突軌道、(e)多重長円軌道

<直線部を有する軌道>
図3(a)に示すように、周回軌道の一部を直線状にすることによって、
燃料荷電粒子ビーム(40)の種類や速度(V)に因らず、直線状の同一
の軌道に導くことができ、かつ、周回させることで核融合反応領域(52
f)を実質的に無限の長さにすることができる。 図の長方形の箇所は、
ソレノイドコイル(51s)による収束磁界(B0)を設けた核融合反応
領域(52f)であることを現している。 扇形の箇所は、トロイダルコ
イル(51t)による収束磁界(Bt)とポロイダルコイル(51p)に
よる旋回磁界(Bψ)があることを現している。 図3(a)の様に核融
合反応領域(52f)を2つ設けたもの(1つという構成も可能)、(b)
の様に直線部を交差させたり、(c)の様に、核融合反応領域(52f)
を3つ設けて三角形に、あるいは図には示していないが多角形の軌道にす
ることも可能であ り、これらは同一の構成であると理解できる。
また、図3(d)のように、2つの周回輸送路を使用することで、上の周
回輸送路で低速ビーム(40L)を、下の周回輸送路で高速ビーム(40
H)を周回させ、2つの周回輸送路が重なった中央の直線部を核融合反応
領域(52f)とし、対向衝突させて核融合を発生させることができる。
」<直線部を有する軌道> 図3(a)に示すように、周回軌道の一部を
直線状にすることによって、燃料荷電粒子ビーム(40)の種類や速度
(V)に因らず、直線状の同一の軌道に導くことができ、かつ、周回さ
せることで核融合反応領域(52f)を実質的に無限の長さにすることが
できる。 図の長方形の箇所は、ソレノイドコイル(51s)による収束
磁界(B0)を設けた核融合反応領域(52f)であることを現してい
る。 扇形の箇所は、トロイダルコイル(51t)による収束磁界(Bt
)とポロイダルコイル(51p)による旋回磁界(Bψ)があることを
現している。 図3(a)の様に核融合反応領域(52f)を2つ設けた
もの(1つという構成も可能。)、(b)の様に直線部を交差させたり、
(c)の様に、核融合反応領域(52f)を3つ設けて三角形に、あるい
は図には示していないが多角形の軌道にすることも可能であり、これらは
同一の構成であると理解できる。 また、図3(d)のように、2つの周
回輸送路を使用することで、上の周回輸送路で低速ビーム(40L)を、
下の周回輸送路で高速ビーム(40H)を周回させ、2つの周回輸送路が
重なった中央の直線部を核融合反応領域(52f)とし、対向衝突させ
て核融合を発生させることができる。 この「対向衝突軌道」は、燃料荷
電粒子ビーム(40)の加速に要するエネルギーが少ないが、円形磁界
(Bφ)を弱め合い、高速ビーム(40H)または低速ビーム(40L)
の一方は、収束力(FB)が働かないため、散乱しやすい欠点があり、大
量の粒子を衝突させるのに向かない。 図3(e)のように、核融合反応
領域(52f)の同じ方向からビームを打ち込み、後方から衝突する構成
することで、高速ビーム(40H)の散乱を防止するとともに、低速ビー
ム(40L)及び高速ビーム(40H)をそれぞれ適切に旋回輸送するこ
とができる。 さらに加えて、図に鎖線で示した長円形の部分に低速ビー
ム(40L2)の周回輸送路を追加し、上部の高速ビーム(40H)の周
回輸送路と重なった部分に核融合反応領域(52f)を設け、高速ビーム
(40H)を共有する形で、2つ以上の核融合反応領域(52f)を持つ
多重長円軌道とすることもできる。


表2 荷電粒子ビームの収束発散比

<核融合反応領域>
上表2は核融合反応領域(52f)を構成する燃料荷電粒子ビーム(40
)と電子ビーム(40e)の収束状態を検討したものである。 図には示
していないが、1周が100[m]、直線部の長さが25[m]の燃料荷
電粒子ビーム(40)の旋回輸送路(53)を、100[keV]の燃料
荷電粒子ビーム(40)と電子ビーム(40e)とが互いに逆方向に旋回
させた場合について検討した。 ビーム半径(r)=2.5[mm]の位
置においておよそ25[T]の円形磁界(Bφ)を作り出す。 核融合反
応が発生して燃料荷電粒子ビーム(40)が対消滅して減少するので、核
融合反応領域(52f)の他端のビーム半径(r)の位置において、およ
そ3.3[MV/m]の電界(Er)を生じる。 表2に示すように、収
束発散比(Fr)は、-0.96前後であり、円型磁界[Bφ]による収
束力(FB)が発散力(FE)より勝っている。

図4.直線部に配置する核融合反応領域(a)縦断面、(b)横断面、
 (c)収束磁界(B0)、(d)ピッチ角

燃料荷電粒子ビーム(40)と電子ビーム(40e)とが、互いに逆方向
に進むので、電子ビーム(40e)を過剰にすることで燃料荷電粒子ビー
ム(40)の収束状態をより良好に保つことが出来る。 燃料荷電粒子ビ
ーム(40)の半径(r)にかかわらず、収束発散比(Fr)は、負で
あり、収束力(FB)が勝っているが、ビーム半径(r)の収縮に伴い、
核融合反応自体が増加するとともに、電子ビーム(40e)と燃料荷電粒
子ビーム(40)との衝突が増加するなどして、らせん運動などのビーム
自体のエミッション(k)が増加するから、無限に収縮することはない。
燃料荷電粒子ビーム(40)は、低速ビーム(40L)よりも、高速ビー
ム(40H)を蓄積ビームとすることで、より強い円形磁界(Bφ)を
得ることができる。 図4(a)及び(b)に示すとおり、ソレノイドコ
イル(51s)が配置され、図4(a)の右から左に向かう収束磁界(
B0)を形成し、右側から燃料荷電粒子ビーム(40)が、左側から電子
ビーム(40e)を定常的に打ち込み、直線部の収束磁界(B0)の磁力
線上に平行に燃料荷電粒子ビーム(40)を形成する。 図4(c)は、
ソレノイドコイル(51s)が発生する収束磁界(B0)のみを描いたも
のである。
尚。次項「<対消滅・核融合生成粒子>以降は、後日掲載。

2.特開2018-067536 電気化学的水素-触媒パワー・システム ブラッ
ライト パワー インコーポレーティド
【要約】 下図1のごとく、電気化学的パワーシステムが、カソードとア
ノードと、及び分離した電子流れ及びイオン質量輸送を伴うセルオペレー
ションの間において、ハイドリノ反応物を構成する反応物と、を備え、
a)nH(nは整数)、OH、OH-、H2O、H2S、又はMNH2(
Mはアルカリ金属)の群の少なくとも1つを含む触媒又は触媒の源、b)
原子状水素の源又は原子状水素、c)触媒の源、触媒、原子状水素の源、
及び、原子状水素を形成する反応物;原子状水素の触媒反応を開始する
1又はそれ以上の反応物;及び支持体から選ばれる少なくとも2つの構成
要素を含むことで、水素のより低いエネルギ-(ハイドリノ)状態へとの
触媒反応から起電力(EMF)を生成し、ハイドリノ反応から解放される
エネルギ-を直接電気に変換する電気化学的パワ-システムを提供する。



図1.本開示によるエネルギー・リアクター(反応器)及びパワー・プラ
 ントの概略図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
起電力(EMF)及び熱エネルギ-を生成する電気化学的パワ-システム
であって、 カソ-ドと、 アノ-ドと、及び 分離した電子流れ及びイオ
ン質量輸送を伴うセルオペレ-ションの間において、ハイドリノ反応物を
構成する反応物と、を備え、 a)nは整数及びMはアルカリ金属である
ところ、nH, OH, OH-, H2O, H2S, 又は MNH2 の
群の少なくとも1つを含む触媒又は触媒の源、 b)原子状水素の源又は
原子状水素、 c)触媒の源、触媒、原子状水素の源、及び、原子状水素
を形成する反応物;原子状水素の触媒反応を開始する1又はそれ以上の反
応物;及び支持体 から選ばれる少なくとも2つの構成要素を含むことを
特徴とする電気化学的パワ-システム。
【請求項2】
請求項1の電気化学的なパワ-システムにおいて、 a)原子状水素及び
水素触媒が反応混合物の反応により形成されること、 b)反応を被るこ
とにより反応物が触媒反応を活性にすること、 c)触媒反応を引き起こ
す反応が、以下から選択される1つの反応を含むこと (i)発熱反応;
(ii)共役反応; (iii)フリ-ラジカル反応; (iv)酸化-
還元反応;及び (v)交換反応; (vi)ゲッタ-、支持体、又はマ
トリクス支援触媒反応; 上述する条件のうち少なくとも1つが生じるこ
とを特徴とする電気化学的なパワ-システム。
【請求項3】 請求項2の電気化学的なパワ-システムにおいて、 コンパ
-トメント間の電気回路を完成するように電子及びイオンの分離した導体
により接続される異なるセルコンパ-トメントにおいて、a)異なる反応
物、又は、b)異なる状態又は条件下の同じ反応物、の少なくとも1つ
が提供されることを特徴とする電気化学的なパワ-システム。
【請求項4】
請求項3の電気化学的なパワ-システムにおいて、 a)ハイドリノを生
成するように反応する反応混合物の形成、及び b)実体のある速度でハ
イドリノ反応がおこることを許す条件の形成 上述のうち少なくとも1つ
の条件が生じるように、内部の質量流れ及び外部電子流れが提供すること
を特徴とする電気化学的なパワ-システム。
【請求項5】
請求項1の電気化学的なパワ-システムにおいて、 ハイドリノを形成す
る反応物が、熱的に又は電気的に再生できるものの少なくとも1つである
ことを特徴とする電気化学的なパワ-システム。
【請求項6】
請求項5の電気化学的なパワ-システムにおいて、電気的及び熱的エネル
ギ-の出力の少なくとも1つが、生成物から反応物を再生するのに必要
とされることを特徴とする電気化学的なパワ-システム。
【請求項7】
起電力(EMF)及び熱エネルギ-を生成する電気化学的パワ-システ
ムであって、 カソ-ドと、 アノ-ドと、及び 分離した電子流れ及びイ
オン質量輸送を伴うセルオペレ-ションの間にハイドリノ反応物を構成す
る反応物と、を備え、 a)H種がH2, H, H+, H2O, H3O+,
OH, OH+, OH-, HOOH, 及び OOH- の少なくとも1つ
を含むところ、OH及び H2Oの少なくとも1つを形成するH種との酸
化反応を被るO2, O3, O3+, O3-, O, O+, H2O,
H3O+, OH, OH+, OH-, HOOH, OOH-, O-,
O2-, O2-, 及び O22-から選択される少なくとも1つの酸素
種を含む触媒又は触媒の源、 b)原子状水素の源又は原子状水素、 c)
触媒の源、触媒、原子状水素の源、及び原子状水素の少なくとも1つを形
成する反応物;原子状水素の触媒反応を開始する1又はそれ以上の反応物
;及び支持体、 から選ばれる少なくとも2つの構成要素を含むことを特
徴とする電気化学的パワ-システム。
【請求項8】
請求項7の電気化学的なパワ-システムにおいて、 O種の源が、O,
O2, 空気, 酸化物, NiO, CoO, アルカリ金属酸化物, Li
2O, Na2O, K2O, アルカリ土類金属酸化物, MgO, Ca
O, SrO, 及び BaO, Cu, Ni, Pb, Sb, Bi,
Co, Cd, Ge, Au, Ir, Fe, Hg, Mo, Os,
Pd, Re, Rh, Ru, Se, Ag, Tc, Te, Tl,
Sn, 及び Wの群からの酸化物, 過酸化物, アルカリ金属過酸化物,
超酸化物, アルカリ又はアルカリ土類金属超酸化物, 水酸化物, アル
カリ, アルカリ土類, 遷移金属, 内部遷移金属, 及び第III,
IV, 又は V族の元素, 水酸化物, オキシ水酸化物, AlO(OH),
ScO(OH), YO(OH), VO(OH), CrO(OH),
MnO(OH) (α-MnO(OH) グラウト鉱及びγ-MnO(OH)
マンガナイト), FeO(OH), CoO(OH), NiO(OH),
RhO(OH), GaO(OH), InO(OH), Ni1/2Co1
/2O(OH), 及び Ni1/3Co1/3Mn1/3O(OH)を
含む化合物の混合物又は少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とす
る電気化学的なパワ-システム。 【請求項9】 請求項8の電気化学的な
パワ-システムにおいて、 H種の源が、H, 金属水素化物, LaNi
5H6, 水酸化物, オキシ水酸化物, H2, H2の源, H2 及び
水素透過性の膜, Ni(H2), V(H2), Ti(H2), Nb(
H2), Pd(H2), PdAg(H2), 及び Fe(H2)を含む
化合物の混合物又は少なくとも1の化合物を含むことを特徴とする電気
化学的なパワ-システム。
【請求項10】
請求項1の電気化学的なパワ-システムにおいて、 水素アノ-ドと、水
酸化物を含む溶融塩電解質と、及び O2 及び H2Oカソ-ドの少なく
とも1つと、 を含むことを特徴とする電気化学的なパワ-システム。 【
請求項11】
請求項10の電気化学的なパワ-システムにおいて、 水素アノ-ドが、
水素透過電極を含むことを特徴とする電気化学的なパワ-システム。
【請求項12】
請求項11の電気化学的なパワ-システムにおいて、 水素源と、 OH,
OH-, 及び H2O触媒の少なくとも1つを形成することができ、H
を供  給することができる水素アノ-ドと、 O2 及び H2Oの少なく
とも1つの源と、 H2O 又は O2の少なくとも1つを還元することが
できるカソ-ドと、 アルカリ電解質と、 H2O 蒸気, N2, 及び
O2,の少なくとも1つの回収及び再循環が可能なオプショナルなシス
テムと、及び H2を回収し及び再循環させるシステムと、を含むことを
特徴とする電気化学的なパワ-システム。
【請求項13】 請求項1の電気化学的なパワ-システムにおいて、 a)
V, Zr, Ti, Mn, Zn, Cr, Sn, In, Cu, Ni,
Pb, Sb, Bi, Co, Cd, Ge, Au, Ir, Fe, Hg
, Mo, Os, Pd, Re, Rh, Ru, Se, Ag, Tc,
Te, Tl, 及び Wから選ばれる金属と、 b) R-Ni, LaNi
5H6, La2Co1Ni9H6, ZrCr2H3.8, LaNi3.
55Mn0.4Al0.3Co0.75, ZrMn0.5Cr0.2V0.
1Ni1.2から選ばれる金属水素化物と、 c) AB5 (LaCeP
rNdNiCoMnAl) 又は AB2 (VTiZrNiCrCoMn
AlSn) タイプ, ここで、「ABx」は、A タイプ要素 (LaCe
PrNd 又は TiZr)と、B タイプ要素 (VNiCrCoMnAl
Sn)との比を意味するが、 AB5-タイプ, MmNi3.2Co1.
0Mn0.6Al0.11Mo0.09 (Mm =ミッシュメタル: 2
5 wt% La, 50 wt% Ce, 7 wt% Pr, 18 wt%
Nd), AB2-タイプ: Ti0.51Zr0.49V0.70Ni1.
18Cr0.12 合金, マグネシウム-ベ-ス合金, Mg1.9Al
0.1Ni0.8Co0.1Mn0.1 alloy, Mg0.72Sc
0.28(Pd0.012 + Rh0.012), 及び Mg80Ti2
0, Mg80V20, La0.8Nd0.2Ni2.4Co2.5Si
0.1, LaNi5-xMx (M= Mn, Al), (M= Al,
Si, Cu), (M= Sn), (M= Al, Mn, Cu) 及び
LaNi4Co, MmNi3.55Mn0.44Al0.3Co0.
75, LaNi3.55Mn0.44Al0.3Co0.75, Mg
Cu2, MgZn2, MgNi2, AB 化合物, TiFe, TiC
o, and TiNi, ABn 化合物 (n = 5, 2, 又は 1),
AB3-4 化合物, ABx (A = La, Ce, Mn, Mg;
B = Ni, Mn, Co, Al), ZrFe2, Zr0.5Cs0.
5Fe2, Zr0.8Sc0.2Fe2, YNi5, LaNi5,
LaNi4.5Co0.5, (Ce, La, Nd, Pr)Ni5,
ミッシュメタル-ニッケル合金, Ti0.98Zr0.02V0.43
Fe0.09Cr0.05Mn1.5, La2Co1Ni9, 及び Ti
Mn2;から選ばれる水素を貯蔵できる他の合金と、 の少なくとも1つ
を含むアノ-ドと、 セパレ-タと、 水溶性アルカリ電解質と、 O2 及
び H2O還元カソ-ドの少なくとも1つと、及び 空気及びO2の少なく
とも1つと、 を含むことを特徴とする電気化学的なパワ-システム。
【請求項14】
請求項13の電気化学的なパワ-システムにおいて、 正味のエネルギ-
バランスにおいてゲインがあるように、セルを断続的に充電及び放電する
電解質システムを更に含むことを特徴とする電気化学的なパワ-システム。
【請求項15】
以下のa)からh)のセルの少なくとも1つを含む電気化学的なパワーシ
ステムであって、ここで、それらのセルは、 a) (i) Ni(H2)、
V(H2)、Ti(H2)、Fe(H2)、Nb(H2) 又は LaNi
5H6、TiMn2Hx、及びLa2Ni9CoH6 (xは整数)から
選ばれる金属水素化物、から選ばれる水素ガス及び水素透過性金属を含む
アノードと、 (ii) MOH 又は M(OH)2、又は M’X 又は
M’X2 付のMOH 又は M(OH)2、から選ばれる溶融電解質と、
ここで、M 及び M’ は、独立にLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、
Ca、Sr、及び Baから選ばれ、Xは、水酸化物、ハロゲン化物、硫
酸塩、及び炭酸塩から選ばれ、 (iii) アノードのそれと同じである
金属を含むカソードであって、更に、空気又はO2を含むカソードと、
を含むセル、 b) (i) R-Ni、Cu、Ni、Pb、Sb、Bi、
Co、Cd、Ge、Au、Ir、Fe、Hg、Mo、Os、Pd、Re、
Rh、Ru、Se、Ag、Tc、Te、Tl、Sn、W、Al、V、Zr、
Ti、Mn、Zn、Cr、In、及び Pbから選ばれる少なくとも1つ
の金属を含むアノードと、 (ii) 約10Mから飽和迄の濃度範囲にあ
るアルカリ水酸化物水溶液を含む電解質と、 (iii) オレフィンセパ
レータと、及び (iv) 空気又はO2を更に含むカーボンカソードと、
を含むセル、 c) (i) 溶融NaOH 及び水素透過膜としてNi及び
水素ガスを含むアノードと、 (ii) ベータアルミナ固体電解質(BA
SE)を含む電解質と、及び (iii) NaCl-MgCl2、NaC
l-CaCl2、又は MX-M’X2’ (Mはアルカリ、M’はアルカ
リ土類、及び、X及びX’はハライド)として溶融を含むカソードと、
を含むセル、 d) (i) 溶融Naを含むアノードと、 (ii) ベー
タアルミナ固体電解質(BASE)を含む電解質と、及び (iii) 溶
融NaOHを含むカソードと、 を含むセル、 e) (i) LaNi5H
6を含むアノードと、 (ii) 約10Mから飽和迄の濃度範囲を持つア
ルカリ水酸化物水溶液を含む電解質と、 (iii) オレフィンセパレー
タと、及び (iv) 空気又はO2を更に含むカーボンカソードと、 を
含むセル、 f) (i) Liを含むアノードと、 (ii) オレフィン
セパレータと、 (iii) LP30 及び LiPF6を含む電解質と、
及び (iv) CoO(OH)を含むカソードと、 を含むセル、 g)
(i) Li3Mgを含むアノードと、 (ii) LiCl-KCl 又は
MX-M’X’ (M及びM’はアルカリ、X及びX’はハライド) 溶融
塩電解質と、及び (iii) CeH2、LaH2、ZrH2、及び Ti
H2から選ばれる金属水素化物を含み、更にカーボンブラックを含むカソ
ード、 を含むセル、及び、 h) (i) Liを含むアノードと、 (ii)
LiCl-KCl又はMX-M’X’(M及びM’はアルカリ、X及びX’
はハライド) 溶融塩電解質と、及び (iii) CeH2、LaH2、
ZrH2、及び TiH2から選ばれる金属水素化物を含み、更にカーボ
ンブラックを含むカソード、を含むセル、であることを特徴とする電気
化学的なパワーシステム。        
                            
風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine



アルバム『終わりなきこの愛』2019.4.24
トルコ風ブルー・ロンド
Richard Greidaman


     

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人工太陽創造時代 ②

2023年09月18日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。


大津 石山寺

             中天に寝待の月や書屋も更け   山口青邨

              面妖に階段照らす臥待月  
                                     


 
高島 メタセコイア並木



   

再エネ革命渦論 165: アフターコロナ時代 166
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中  ㊻


図1 光渦照射による微小液滴パターニングとレーザー発振の模式図

光渦を照射するだけで微小液滴レーザーを直接印刷
-次世代プリンタブルフォトニクスへの応用に期待

9月14日、千葉大学らの研究グループは、蛍光色素が溶解した高粘度液体(
蛍光性インク)の液膜に光渦注1)を照射することで、直径100 μm(マイク
ロメートル)程度のサイズの揃った液滴を、マイクロメートルスケールの
高い位置精度で印刷することに成功(図1)。さらに、印刷した微小液滴
は液滴内部に効率よく蛍光を閉じ込めることができる小液滴がレーザー発
振に成功する。
【概要】
液滴を対象物に直接印刷する手法として、ノズルから微小液滴を吐出して
印刷を行うインクジェット技術が知られていつが、高濃度で高粘度なドナ
ー物質をノズルの目詰まりなく印刷することは難しく、新しい印刷技術が
求められていた。レーザー誘起前方転写法(Laser-induced forward-transfer:
LIFT)
は、レーザーパルスを照射して印刷したい物質(ドナー物質)を転

写するという印刷技術LIFTは、インクジェット印刷とは異なりノズルを
使用しないため、様々な物質を目詰まりの心配なく吐出することができる
次世代印刷技術として期待。従来のLIFTでは、通常のレーザー光(ガウス
ビーム)が利用されてきました。共同研究グループは、光渦と呼ばれる特
殊なレーザー光を用いると、従来のLIFTでは転写できない高粘度液体を安
定して印刷できることを見出した。


【成果】
水の約100倍の粘度をもつ蛍光性インクを使用しました。通常のレーザー光
(ガウスビーム)を照射して印刷を行うと、吐出される液滴のサイズは不
均一になり、転写位置も不規則となります(図2a)。さらに主滴に加えて
多数の副滴が同時に印刷されてしまいます。一方、光渦を用いると直径100
μm程度のサイズの揃った液滴を、10%以下の位置決め誤差で転写すること
ができました(図2b)。さらに、副滴が生成することなく、主滴のみが安
定的に印刷された。


図3 作製された「OMU」の(a)顕微鏡像と(b)蛍光像。(c)レーザー発振によ
   る蛍光スペクトル変化

光渦LIFT により、微小液滴のパターニングを行いました。33 個の微小液
滴を転写することにより、Osaka
Metropolitan University(大阪公立大学)の頭文字である「OMU」を描き
た(図3a)。パターニングした液滴はピンク色の蛍光を発す。興味深いこ
とに、全ての液滴において中心部よりも端部分で強い蛍光が観察さた(図
3b)。これは、液滴内部で発せられた蛍光が液滴/空気界面での反射を繰り
返しながら液滴内部に閉じ込められていることを示す。この光閉じ込め効
果により、液滴はレーザー発振(光が刺激を受けることによって光波を発
生させる現象)。レーザー発振が起こると、蛍光の色(スペクトル)が大
きく変化し、ある特定の波長の光が強く発せられるようになります(図3c)。
蛍光色素の種類を変えることにより、異なる色の微小液滴レーザーアレイ
(レーザー(光線)を特定のパターンや配置で発生させるための技術)の
作製が可能になり、高感度センサーやレーザーディスプレイなどへ応用す
ることができる。

実験の詳細(印刷機構)
螺旋位相板注4)によって光渦に変換した波長532 nm のナノ秒パルスレー
ザーをガラス基板上のドナー液膜にビームスポットが50 μm になるように
レンズで集光しました。単一パルス照射によって、液膜から単一液滴を吐
出し、別のガラス基板上(レシーバー基板)に液滴として転写しました。
なぜ光渦を用いると微小液滴が安定的に印刷できるのでしょうか?そのメ
カニズムを解明するため、高速度カメラを使用して、106 画像/秒の速度で
液滴吐出過程を観察しました。通常のレーザー光(ガウスビーム)を照射
すると、液膜が破裂し多数の極小液滴が噴出しました(図4a)。一方、光
渦照射の場合、液膜が破れることなく変形し、回転するジェット(細長い
液柱)の先端から微小液滴が吐出した(図4b)。液滴は自転運動しながら
安定に飛翔し、レシーバー基板上に転写される。ジェットや液滴の自転運
動は、光渦の軌道角運動量注5)が大きく寄与。光渦特有の捩じり力が液膜
に働くことにより液膜が高速で捩じられ、自転するジェットや液滴が生成
されることで、安定した印刷が可能になることがわかった。


図4 (a)ガウスビーム、(b)光渦照射における液滴生成過程の高速度カメラ像

■用語解説
 光渦:同じ位相の場所を通り波の進行方向に対して垂直になるような面(
 波面)が螺旋状になっており、円環型の強度分布をもつ光を光渦と呼ぶ。
レーザー誘起前方転写法(LIFT):透明基板上に形成したドナー液膜に
 対してレーザーパルスを照射して、前方にドナー液滴を飛翔させて転写す
 る印刷技術。原理的に転写できる物質の粘度や濃度に制限がない。
 ガウスビーム:平行な波面とガウス分布状の強度分布を持つ光。
 螺旋位相板:通常のレーザー光(ガウスビーム)を光渦に変換する光学素
 子。
 軌道角運動量:光渦は、1 波長あたりの螺旋波面の巻き数ℓ(整数)に対
 してℓℏの軌道角運動量を有、ℓ に比例したトルク(捩じり力)を物質に与
 える。ℏ はプランク定数である。
【関係技術情報】
 著              者:Ken-ichi Yuyama, Haruki Kawaguchi, Rong Wei, and Takashige
                            Omatsu

 論文タイトル:Fabrication of an array of hemispherical micro-lasers using optical
                            vortex laserinduced forward transfer
 雑    誌    名 :ACS Photonics
 D   O   I       : https://doi.org/10.1021/acsphotonics.3c01005

✔ 今後の
応用展開が楽しみ。



核融合エネルギーも俺に任せろ ③

➲ここまでのお復習い
新しいエネルギー開発の必要性
世界の人口は、産業革命以降、生活の利便性や医学の進歩に伴い急激に増
加し、現在は70億人ています。さらに、生活水準の向上や、より便利な社
会が実現され、1人当たりのエネルギー消費量も急速増大している。現在、
我々人類は、この地球が何億年もかけて蓄えてきた石油・石炭・天然ガス
などの貴重な資源を「One match in the long night」、すなわち1本のマッチ
が長い夜を一瞬だけ輝らす様な急激な勢いで消費しており、これから新し
い埋蔵資源が発見されたとしても、近い将来にこの貯蓄が無くなる?こと
が危惧され、また、大量消費に伴う地球温暖化問題にも直面している。こ
れらの問題を同時に解決するために、燃料が無尽蔵にあり、CO2の発生がな
い核融合エネルギーの実現が期待されているといわれる。

核融合となんだったけ?
下記に掲載した核融合にかかわる特許情報を参照す
るとして、核融合とは>重水素と三重水素の原子核をクーロン力を超えて
融合させることでヘリウムと中性子を作り出すもの。このとき、ごくわず
かな質量が失われている。この失われた質量はすべてエネルギーとして放
出されます。放出されるエネルギーは失われたエネルギーと光速の2乗の
積に比例することから、莫大なエネルギーとなる。 核融合反応によって
発生するエネルギーと反応を維持するために必要なエネルギーが釣り合う
ための条件をローソン条件といい、レーザー方式の核融合の場合、
 1. プラズマ温度が100万度以上
 2. プラズマ密度と閉じ込め時間の積が10の14乗/cc秒以上
になる。

2つの方式
太陽は生命の源であるエネルギーを水素の核融合反応により発生し、地上
に送り続けていく。この太陽活動を地上に実現しようというのが核融合。
核融合エネルギーには、
①慣性閉じ込め核融合エネルギー(IFE) と②磁場閉じ込め核融合エネルギ
ー(MFE) があり、慣性核融合は核融合燃料を瞬間的に高温高密度に圧縮し、
燃料自身の重さ(慣性力)で燃焼を維持させる方式で、レーザー核融合が
その代表。これに対し、磁場核融合は低密度の燃料を磁場容器に長時間閉
じ込めて核融合反応を起こさせる方式で、トカマク型がその代表
。両者は
互いに異なる技術を基盤としており、我が国を始めとして世界各国で研究
が進められている。

特許696166号 核融合反応方法、機器、及びシステム ノンリニア イオン
ダイナミックス, エルエルシー【登録日】2021年10月15日
【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁界を生成するように構成された超伝導磁石と、前記超伝導
磁石及びそれにより生成された前記磁界内に配置された外側電極及び内側
電極と、前記外側電極の内表面上に配置された1つ以上の板と、前記内側
電極上に配置された絶縁体であり、前記内側電極の非絶縁部が、軸方向に
前記1つ以上の板の真向かいに配置される、前記絶縁体と、前記外側電極
と前記内側電極との間に規定される空間に作動ガスを導入するように構成
された作動ガス入口ラインと、前記外側電極と前記内側電極との間にわた
る電圧を提供することにより、電界を生成し、前記作動ガスのイオン化を
誘導して、前記磁界及び結果として生じるローレンツ力によって前記空間
内に回転を与えるプラズマ電流を生成するように電気的に構成された電界
発生源であり、前記電界発生源は、前記外側電極と前記内側電極との間に
パルスを生成することにより弱イオン化プラズマを生成するように更に構
成され、前記弱イオン化プラズマ内におけるイオンとニュートラル粒子と
の衝突が前記空間内の回転を加速させる、前記電界発生源と、を備える、
制御核融合機器。
【請求項2】 前記電界発生源が、前記磁界と実質的に垂直な方向に前記外
側電極と前記内側電極との間に規定される前記空間を通って延びる電界を
生成するように構成されることによって、前記弱イオン化プラズマ内のイ
オンが、少なくとも最初は前記電界に沿って移動し、前記磁界によるロー
レンaツ力を受けるように誘導される、請求項1に記載の制御核融合機器。
【請求項3】 >前記超伝導磁石が、少なくとも1つの電磁石及び/又は少な
くとも1つの永久磁石を備える、請求項2に記載の制御核融合機器。
【請求項4】 前記超伝導磁石が、およそ100,000回転毎秒より大き
な前記弱イオン化プラズマの平均回転速度を誘導するのに十分な強度の磁
界を前記外側電極と前記内側電極との間に規定される前記空間内に生成す
るように構成される、請求項2又は3に記載の制御核融合機器
【請求項5】 前記外側電極と前記内側電極との間に規定される前記空間の
対称軸が前記磁界と実質的に平行となるように、前記外側電極と前記内側
電極とが互いに同軸である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の制御核
融合機器。
【請求項6】 >前記電界発生源が、前記外側電極と前記内側電極との間に規
定される前記空間内で実質的に半径方向に延びる電界を生成するように前
記外側電極と前記内側電極との間の電圧を供給するように構成される電源
を含む、請求項2〜5のいずれか一項に記載の制御核融合機器。
【請求項7】前記外側電極と前記内側電極との間の前記空間内に回転定在波
が発生するように、電磁波を前記空間に印加するように構成された高周波
あ供給装置を更に備え、前記回転定在波が、定在電磁波を支持するように
構成された前記空間中の前記弱イオン化プラズマを回転させるように構成
される、請求項2〜6のいずれか一項に記載の制御核融合機器。
【請求項8】 前記高周波供給装置に印加される前記電磁波に変調を適用し
て、前記弱イオン化プラズマの回転を促進するように構成された変調器を
更に備える、請求項7に記載の制御核融合機器。
【請求項9】 前記変調器が、調節可能な変調周波数を適用するように構成
される、請求項8に記載の制御核融合機器。【請求項10】 前記外側電極と
前記内側電極との間の前記空間に対して動作可能に結合された光子源を更
に備え、前記光子源が、少なくとも前記作動ガスへの照射によって、前記
作動ガスを前記空間内で回転させるのに十分な光子圧力を生成するように
構成される、請求項1に記載の制御核融合機器。
【請求項11】 前記光子源がレーザを備える、請求項10に記載の制御核
融合機器。
【請求項12】 前記作動ガスが、水素−1、重水素、三重水素、ヘリウム−3、
リチウム−6、リチウム−7、ホウ素−11及び窒素−15から成る群から選
択され、前記板が、水素−1、重水素、三重水素、ヘリウム−3、リチウム
−6、リチウム−7、ホウ素−11及び窒素−15から成る群から選択される
核融合反応物を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の制御核融合
機器。
【請求項13】 ニュートラルイオンに対する比率が1〜およそ10000
超である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の制御核融合機器。
【請求項14】前記作動ガスが第1の作業物質であり、前記1つ以上の板が
第2の作業物質を含み、前記制御核融合機器が、核融合が生じる領域にお
いて前記第1の作業物質及び前記第2の作業物質の粒子密度が合わせて1
23個毎立方センチメートル超に達するように、回転速度を誘導するよう
に構成される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の制御核融合機器。 【
【請求項15】 前記外側電極と前記内側電極との間に規定された前記空間に
対して動作可能に結合されたエネルギー利用アセンブリを更に備え、前記
エネルギー利用アセンブリが、核融合により生成されたエネルギーを前記
空間に隣接する領域から取り出すように構成される、請求項1〜14のい
ずれか一項に記載の制御核融合機器。
【請求項16】 前記1つ以上の板が、前記外側電極の前記内表面の周りに配
置された連続リングを規定する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の制
御核融合機器。
【請求項17】 前記内側電極の前記非絶縁部が、前記絶縁体によって覆われ
た前記内側電極の残部よりも大きくなっている、請求項1〜6のいずれか
一項に記載の制御核融合機器。 【請求項18】 前記内側電極の前記非絶縁
部が、前記内側電極の端部に配置される、請求項17に記載の制御核融合
機器。
【請求項19】 複数の水冷ラインを更に備える、請求項1〜18のいずれか
一項に記載の制御核融合機器。 【請求項20】 制御装置を更に備え、前記
制御装置が、コンピュータ及び/又は1つ以上の手動スイッチである、請
求項1〜19のいずれか一項に記載の制御核融合機器。
【請求項21】 制御装置を更に備え、前記制御装置が、連続波放電回路及び
パルス放電回路を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の制御核融
合機器。
【請求項22】 圧力チャンバを更に備え、前記圧力チャンバ内に前記外側電
極及び前記内側電極が設けられる、請求項1〜21のいずれか一項に記載の
制御核融合機器。
【請求項23】 クーロン障壁を低下させるために前記外側電極と前記内側電
極との間に規定された前記空間内に電子が放出されることによって、前記
空間内の前記プラズマにおいて2つの近づく粒子間の衝突が促進される、
請求項1〜22のいずれか一項に記載の制御核融合機器。
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まずは、
レーザー核融合発電では、まず炉(熱エネルギーを取り出すための容器)
の中心に直径5mmの球状燃料ペレットを打ち込み、これを数百万ジュール
の高出力レーザーパルスで一様に照射する。レーザー照射を受けた燃料の
外側は高温となり数千万気圧もの圧力が発生するので、球状の燃料はその
中心に向かって圧縮されます(爆縮)。こうして瞬間的に核融合反応を起こ
させる。これを1秒間に数回の割合で繰り返すことにより、連続的にエ
ルギーが発生し、これを外部へ導くことにより数百万キロワットの発電

行うことができる
。レーザー核融合発電におけるエネルギー収支は次のよ
うになる。爆縮し、核融合反応が起こった燃料ペレットからは投入された
レーザーエネルギーのQ倍のエネルギーが放出。Q=1は投入したレーザ
ーエネルギーと発生した核融合エネルギーが均衡する点に相当するので、
ブレークイーブンと呼ばれます。発生した熱エネルギーは効率ηg の発電
システムで電力に変換され、外部に送電されるが、その一部(ε)は発電
所の所内電力やレーザー光を発生させる循環電力として用いられる。この
電力からレーザー光を発生させる効率をηdとすると、外部からエネルギ
ーを供給することなく自立運転するには、これら4つの要素の積Q×ηg×
ηd×εが1
を上回る必要があり、現実的な効率を考慮すると、Q=100を
達成することが一つの目標とされている。


【特徴】
・炉に関する設計の自由度が高く、現存する材料で概ね設計可能である
・発電に必要な主要機能は独立性が高く短期間に開発できる可能性が有る
・同じ規模の磁場核融合発電所で比べた場合、取り扱う放射性物質である
 トリチウムの量が少ない(約1/10)
・プラントの出力、運転モードの自由度が高く、消費電力ピークに柔軟に
 対応できる。
と、良いこと尽くめであるが。

【爆縮と点火】
高温高密度に圧縮された核融合燃料はプラズマ状態になります。プラズマ
は電気を帯びた粒子なので、その静電気力にうち勝ち、強制的に核を衝突
させて融合反応を起こさせる必要があります。このためには1億度以上の
温度、200g/ccの密度(液体水素の1000倍の密度)、10億分の1秒以上の保
持時間の3つの条件が満足される必要。これらの条件は図に示すような燃料
の爆縮で実現。レーザー照射を受け、球対称に圧縮された燃料の中心でま
ず燃焼条件が満たされ、自己点火する。核融合の火は周りの燃料に燃え広
がり、爆発的にエネルギーを放出。この方式を「中心点火」と呼び、この
ほか、燃料が最大に圧縮された瞬間、別のレーザーで外部から燃料を追加
熱する「高速点火」と呼ばれる新方式の研究も開始されている。

【展望】
阪大学のレーザー核融合研究センターの出力10キロジュールのガラスレー
ザー「激光XII号」によると、燃料温度1億度、燃料密度120g/cc (液体水素
の600倍の密度)の圧縮が世界に先駆け実現されました。これを受け、米国
やフランスでは出力1.8メガジュール*のレーザー装置を建設して、核融合
点火・燃焼を実証しようとする計画(米:国立点火施設(NIF) 、仏:レー
ザーメガジュール(LMJ) )が進められています。将来のレーザー核融合動
力炉には現在開発中の高効率・高繰り返しのダイオード励起固体レーザー
が用いられるとのこと。また、高輝度X線応用は新しい分野として急速な
広がりを見せ、高出力レーザーを用いることにより発生したレーザープラ
ズマX線やX線レーザーはリソグラフ光源や物質解析などへの応用が期待
されている。
------------------------------------------------------------------


図1.実験的なセットアップ。 (左) ヘリオトロン プラズマの断面図を
備えた LHD 真空容器を示す 3D CAD モデル。 (右) LHD セパラトリクス
付近の PIPS 検出器、最後の閉じた流れ表面 (黄褐色) の一部、およびプ
ラスマの下に位置する PIPS 検出器に到達する計算されたアルファ粒子の
軌道 (緑色の曲線) を示す CAD 画像。

先進的核融合燃料を使った核融合反応の実証
中性子を生成しない軽水素ホウ素反応を利用したクリーンな核融合炉へ
第一歩---- TAE Technologies社との共同研究の成果
【概要】
核融合科学研究所は2021年9
月1日に、米国の最も歴史のある核融合スター
トアップ企業のTAE Technologies社と先進的核融合燃料である軽水素とホ
ウ素11を用いた共同研究を開始する契約書を締結。 核融合炉では、磁
場で高温のプラズマを閉じ込め、そのプラズマ中で核融合反応を起こして
エネルギーを発生させるが、これまで、そのようなプラズマ中での、軽水
素とホウ素11を使った核融合反応は実証されていない。磁場で閉じ込め
た高温プラズマに関する様々な研究を行っている本研究所の大型ヘリカル
装置(LHD)で、その反応を実証できれば、先進的核融合燃料を使った核
融合炉の実現に向けて、研究を大きく前進させることができる。
【成果】
小川国大准教授、大舘暁教授らの研究グループは、TAE Technologies社と
共同し、LHDにおいて、軽水素とホウ素11の核融合反応の実証に取り
組みました。 軽水素とホウ素11の核融合反応は、核融合燃料の第1候
補である水素同位体燃料と比べて極めて高い温度のプラズマが必要で実現
が難しい反応と考えられているが、高エネルギーのビームを使うことで実
現の可能性があります。その核融合反応を効率よく起こすためには、軽水
素を時速1500万kmの速さでホウ素11に衝突させる必要がある。L
HDでは、プラズマを加熱するために、時速1500万kmを超える速さ
の軽水素をプラズマに入射する装置を独自に開発してきました。また、高
温プラズマを制御するために、プラズマにホウ素の粉末を振りかける装置
を設置しています。これらを組み合わせることで、磁場閉じ込めプラズマ
中で軽水素とホウ素11との核融合反応が実現できる可能性がありました。
軽水素とホウ素11の核融合反応では、高エネルギーのヘリウムが生成さ
れます。反応の実証には、そのヘリウムを検出しなければなりません。そ
のために小川准教授らは、これまでのLHDにおける高度な実験研究によ
り信頼性が確認されている、数値シミュレーションに基づいて、発生する
ヘリウムの数と磁場の影響によって複雑な動きをするヘリウムの軌道を予
測した。そして、高エネルギーのヘリウムが飛来する予定のプラズマの表
面近くにTAE Technologies社が製作した検出器を設置しました(図)。ホ
ウ素をふりかけたプラズマに高エネルギー軽水素ビームを入射する実験を
行った結果、予測どおり、軽水素とホウ素11の核融合反応によって生成
した高エネルギーヘリウムの検出に成功しました。これにより、世界で初
めて、磁場で閉じ込めたプラズマ中での、軽水素とホウ素11の核融合反
応を実証したのです。 【展望】 軽水素とホウ素11から高エネルギーヘ
リウムを生成する核融合反応は、放射線である中性子を生成しないため、
よりクリーンな核融合炉を将来的に実現できる可能性がある。本研究成果
は、よりクリーンな磁場閉じ込め核融合炉実現のための大きな第一歩であ
る。この点が高く評価され、本研究成果をまとめた論文が、2023年2月21
日に世界最高峰の科学雑誌であるNature Communicationsへ掲載された。今
後、軽水素とホウ素11との核融合反応をより深く理解するための計測器
開発、生成された高エネルギーのヘリウムの閉じ込め特性の研究などを推
進していく。
【関係技術情報】
・雑誌名:Nature Communications
・題 名:First measurements of p11B fusion in a magnetically confined plasma(
 
磁場によって閉じ込められたプラズマ中でのp11B核融合の初めての計測) ・
 via レーザー核融合技術振興会

【脚注】
一般家庭のエネルギー消費
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/home/energy.html
石油の体積当たりのエネルギー量
https://www.hakko.co.jp/qa/qakit/html/h01110.htm
石油の重さと体積の関係
http://ryowa-oil.co.jp/data1.htmlWh
ジュールの変換法
https://kenkou888.com/category21/wh_j_henkan.html
------------------------------------------------------------------
LEDレジェンド中村が今、核融合を追う
核融合は原理的に、その主成分が宇宙で最も豊富な元素である水素であり、
比較的無限のエネルギー供給の前兆となります。 このプロセスでは、核
分裂とは異なり、有害な廃棄物は生成しない。核分裂に比べて放射能レベ
ルは低い。 が危険がないわけではない。 しかし、1950 年代以来、エネ
ルギー専門家は核融合がついに準備が整う日を心待ちにしてきた。 著名
な物理学者スティーブン・ホーキング博士はかつて、「核融合が実用的な
電源になってほしいと願っていた。核融合は、汚染や地球温暖化を起こす
ことなく、無尽蔵のエネルギーを供給してくれる」と述べた。 問題はそれ
を機能させること。核融合 の登場は 60年以上もずっと先のこと。水素の
抽出など多くのハードルが残っているが、すべての障害の中で最も根本的
なのは、核融合反応から生じるエネルギーの量が必要なレベルには程遠い
ということ。開発中のほぼすべてのプロジェクトでは、反応に費やされる
エネルギーの方が、出現するエネルギーよりも大きくなる。技
術的に言う
と、ゲイン(利得)が11 よりも小さいことにある


カリフォルニア州リバモアにある米国政府の国立点火施設(NIF)は昨年12
月、レーザーを使用して1.5のゲインを生成したが、反応は一瞬で終わった。
それは信頼性の高い電源に必要な持続可能な種類のものではない。 NIFレ
ーザーは連続的にではなく単発で発射されている。 同様に注目に値するの
は、NIF方式の核融合が電源として経済的実行可能であるが、その利得は
100か200のオーダー以上である必要、つまり1.5からの大幅な飛躍である
と専門家が考えていることに。 (今週、NIFが昨年12月のワンプラスの成
功を再現したというニュースが流れたが、詳細はまだ明らかになっていな
い)。

核融合クラブは成長中
世界のエネルギーの未来にとって良いニュースは、これまで以上に多くの
組織が核融合に取り組んでいること。 少し前までは、少数の政府機関だ
けが2 つのアプローチのいずれかを追求。 NIF
の技術は、水素同位体の
小さなペレットを192個のレーザー照射し、標的まで1マイルの距離を跳ね
飛ばす。 あるいは、トカマク法では、超伝導磁石に含まれる巨大プラズ
マに水素同位体が含まれる。それは、フランスのカダラッシュに建設中の
複数政府による巨大ITER施設と密接な関係がある。過去10 ~ 20年にわた
り、多くのベンチャー支援企業がリングに挑戦し、多くの場合、「従来の
レーザー」やトカマク方式だけでなく、斬新な設計を導入したが、これら
の方式を利用する傾向にある。 たとえば、2011年にアマゾン会長のジェ
フ・ベゾスは、磁化ターゲット融合と呼ばれるものを開発しているバンク
ーバー地域の会社ジェネラル・フュージョンに投資。ナカムラの Blue Laser
Fusion
は、核融合企業の名簿に加わった最も新しい企業で、日経アジアは3
週間前、同科学者が昨年11月にBlue Laser Fusionを共同設立したと報じた。
また、ブルーレーザーが「ベンチャーキャピタル会社ジャフコグループと、
トヨタ自動車やその他の投資家が支援し、スパークスグループが管理する
未来創造基金から」2,500万ドルを調達したとも報じている。ナカムラ氏
の共同創設者は、東京に本拠を置くドローンメーカーACSLの太田宏明氏で
ある。ブルーレーザーの特徴の1つは、重水素と三重水素として知られる
水素の2つの同位体を融合させるのではなく、ホウ素で動作する。ブルー
レーザーも水素を使用するかはわからない。 核融合クラブ(サークル?)
では重水素 - 三重水素の方が一般的。他の団体は標準的な水素 (中性子
を持たない) とホウ素を使用する、「無中性子核融合」としても知られる
水素 - ホウ素核融合を開発している。 水素-ホウ素は、タービンを駆動し
発電するための熱生成するのではなく、直接出力として電気を生み出す傾
向にある


レーザーを連続発射する
明らかなことは、光科学に深く没頭し、ナカムラ氏カリフォルニア大学サ
ンタバーバラ校で電子・光材料教授が、核融合を引き起こすためにレーザ
ー応用するということ。「私たちの目標は、半導体レーザーに関する知識
を活用し、繰り返しテストできる安全性の高い方法で核融合発電を商業化
すること」と同氏は日経新聞に語っている。「世界のエネルギー問題の解
決に貢献したい。」 ブルーレーザーは、核融合反応を持続させる連続高
速発射レーザーを採用する。 同社は、LEDから移行して以来、中村氏が共
同設立した2社目のレーザー企業。 彼は、2013年に自身の LED会社 Soraa
からスピンアウトし、カリフォルニア州ゴレタに拠点を置くSLD Laserを共
同設立。 SLDは、2021年1月に京セラが買収したため、現在は京セラSLD
レーザーと呼ばれる。商業的関心をレーザーに集中させる前に、ナカムラ
氏は 2008年に紫色 LED専門会社Soraaを設立し、別のフォトニック技術で
ある LEDの事業に注力。LED の分野では、彼は 1990 年代初頭の青色LED
に関する研究で、他の2人の科学者、赤崎勇氏と天野浩氏と2014年のノー
ベル物理学賞を共同受賞。青色 LED は一般的な照明光源としてのLEDの普
及に貢献。現在、レーザー愛好家として、69歳の彼は照明そのものではな
くエネルギーに商業的な取り組みを集中。日経新聞は、Blue Laser Fusionは、
原子力発電所用タービンのサプライヤーである東芝エネルギーシステムズ
&ソリューションズおよび東京に本拠を置く精密金属加工会社YUKIホール
ディングスと協力する予定である。「目標は、原子分裂の原子炉約1基に
相当する1ギガワットの電力を生成できる原子炉を、2030年までに日本か
米国で稼働させることだ」と記事は述べている。誰もその目標に近づくこ
となく60年以上が経過したことを考慮すると、これは野心的なスケジュー
ル。中村氏がそこに到達できれば、それは光の固体操作を一貫して伴う、
すでに予告されている光学キャリアにおける最高の成果となる。
via  LEDs Magazine Aug. 9, 2023


風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine





アルバム『終わりなきこの愛』2019.4.24>
ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調(リスト)




 

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人工太陽創造時代 ①

2023年09月14日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ


岩崎 優(いわざき すぐる 1991.6.19 -)

若い選手が活躍する中、この選手の名前だけは忘れていなかった。いつも
涼やかなる
闘志を垣間見せる(男の中の男)県立静岡東高出身の投手が好
きだったが、シリーズ戦は在阪チームとなり大阪・京都・神戸は否応なし
に盛り上がりロスト・トリプル・スクゥアーを脱することができるかも。


>   



再エネ革命渦論 166: アフターコロナ時代 167
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中  ㊺

新しい太陽光水素生成の方法
太陽光水素生成と電池発電を繰り返せるヨウ化水素(HI)サイクル ―カ
ーボンニュートラル実現に必要なグリーン水素を高効率

914日,名古屋工業大学の研究グループは,太陽光水素生成と電池発電を
繰り返し行なうことができる新しいエネルギーサイクルを開発した。
石油や石炭などの化石燃料を燃焼させたときに排出されるCO2は地球温暖化
の大きな要因で,近年の異常気象は地球温暖化によるものと考えられてい
る。 また,化石燃料には近い将来枯渇して利用できなくなるという問題も
ある。こうしたエネルギー・環境問題の解決にむけて,CO2を排出すること
なく再生可能エネルギーで生成するグリーン水素が次世代エネルギー源と
して期待されている。 現状,商用と流通している水素は化石燃料である天
然ガスを分解して得ており,脱化石燃料でもなく,脱CO2でもないグレー水
素。グリーン水素生成は容易ではないため,グレー水素同様に天然ガスを
出発にCO2を排出することなく水素を得る手法の開発も進められているが本
質的な解決にならない。
【要点】
1.カーボンニュートラル実現の鍵といわれるグリーン水素の新しい製造
 方法を開発した
2.高効率グリーン水素生成を単層カーボンナノチューブがアシスト
3.水素製造の副生成物による電池発電を行うと再び水素製造が可能にな
 る新しい仕組みを実現
【概要】
名古屋工業大学の研究グループは、太陽光水素生成と電池発電を繰り返し
行うことができる新しいエネルギーサイクルを開発。水素生成の対になる
酸化反応にヨウ化物イオンの酸化を利用することで必要なエネルギーを小
さくして高効率グリーン水素生成を実現し(図の上部)、また、この水素
生成の副生成物として生成するヨウ素分子を単層カーボンナノチューブ内
に取り込んだものを電極とする電池による発電に成功し(図の下部)。こ
の発電を行うと取り込んだヨウ素がヨウ化物イオンとなり、もう一度水素
生成の対反応に利用することができるようになる(図の上部に戻る、この
サイクルをヨウ化水素(HI)サイクルと名付けた)。


図1.開発した太陽光水素生成と電池発電を繰り返すことができるヨウ化
  水素(HI)サイクル概説図

現在、カーボンニュートラルの実現に向けて二酸化炭素(CO2)を排出する
ことなくエネルギーをつくりだすことが求められており、太陽光に代表さ
れる再生可能エネルギーでつくりだすグリーン水素は次世代エネルギー源
としてもっとも注目されているものの一つ。また、電池による発電もCO2
排出することなくエネルギーを取り出すことができます。今回の発見はグ
リーン水素生成と電池発電を繰り返し行うことができる画期的なものであ
る。
【成果】
水素生成反応の対反応としてヨウ化物イオンの酸化反応を利用することで
高効率な水素生成できる。研究グループは、実際に、対反応を酸素発生反
応とした場合に比べ、ヨウ素を利用することで高効率になることを確認し
た。水素生成時に副生成物として得られるI2分子が水素生成を阻害するが、
①単層カーボンナノチューブでI2分子を吸収することで水素生成を長時間
継続
できることを解明。②単層カーボンナノチューブに貯蔵したヨウ素を
正極とし金属亜鉛を負極とする電池を構成し、発電できることを確認。③
この発電により溶液中にヨウ化物イオンが戻り、再び水素生成反応に利用
できることを確認した。これにより、エルギー枯渇問題や地球温暖化など
の環境問題の解決にカーボンニュートラル実現が求められているなか、カ
ーボンニュートラル実現に向けて、CO2を排出することなくエネルギーを取
り出すことがもとめられており、グリーン水素はそのエネルギー源として
期待され、電池による発電もCO2を発生することなくエネルギーを生み出せ
る。今回、本研究グループが発見したこの2つの技術を連続して利用でき
るHIサイクルの開発研究はカーボンニュートラル実現に大きく貢献する。 
【展望】
光触媒の改良など実験条件の最適化によりさらなる高効率水素生成を目指
す。単層カーボンナノチューブの直径、長さを変えた実験を行うことでHI
サイクルのさらなる長寿命化を進めていく。今回開発した新しいエネルギ
ーサイクルは高価な貴金属元素などを必要とせずコスト的に有利であるだ
けでなく、余分なものを排出せず環境にも優しい技術であり早期の実現す
る。
【関係技術情報】
論文原題:Hydrogen iodide energy cycle to repeat solar hydrogen generation and
       battery power generation using single-walled carbon nanotubes
著 者 名:Yosuke Ishii, Midori Umakoshi, Kenta Kobayashi, Runa Kato, Ayar
                  Al-zubaidi, Shinji Kawasaki

掲 載 誌:
Physics Status Solidi
公表日:2023年9月4日
URL:https://doi.org/10.1002/pssr.202300236

『補足説明』

図1 HI溶液からの太陽光発電で水素の利用可能になる水よりもバンドギ
 ャップの狭い光触媒の模式図

図2 (a)ヨウ素水溶液(KI水溶液+I2)、(b)紙状のSWCNT(バッキー紙)(a)
に浸。 SWCNTはI3からI2分子を吸収。
イオンが発生し、溶液の色が茶色
から透明へ変化する。

図3 太陽光水素生成実験後のSWCNTサンプル(a) 未処理の SWCNT の TEM
 および (b) SEM 画像 (c) TEM 画像および (d) EDS スペクトル

図4.(a) I 3d XPS スペクトルおよび (b)太陽光水素生成後のSWCNTサン
 プルのXRD
 (a) では、ヨウ素の存在を示す I 3dの XPS ピークが観察された。(b)
 では、重要な元の(空の)SWCNT で観察される 100 回折の強度の減少
 が観察された(I@SWCNT)。この回折線強度減少は他の実験でも観察さ
 れたが、SWCNTが実際にヨウ素をカプセル化していることを示唆。


図5. (a) MAPbI3 サンプルの PL スペクトルと(b) MAPbI3/SWCNT-52
 複合サンプル

図6.1 サイクル目に対する  2 サイクル目の水素生成量の比率。
 24時間光照射後のデータをもとに水素発生量を比較。さらに、実行番
 号 (Run#1、Run#2) は、実験が 2回行われたことを示す。2つの実験に
 は多少の違いはあるが、2番目のサイクルでも水素の生成がまだ達成可
 能であることを観察できる。

✔ ところで、ペロブスカイトの太陽も「ヨウ化水素サイクル」の太陽
 も千葉沖の洋上風力周辺に眠る世界一の埋蔵量のヨウ素がある。もは
 や資源大国日本である。

【最新特許技術】
1.特願2023-8513 分散液、光吸収層、光電変換素子、及び太陽電池 花
 王株式会社
【概要】
下図1のごとく、本発明の分散液は、ペロブスカイト化合物及び/又はそ
の前駆体と、配位子を有する量子ドットと、アミノ基及びカルボキシ基を
有する有機化合物の水素酸塩と、を含有する、ペロブスカイト化合物及び
/又はその前駆体と量子ドットを高濃度で含有する場合でも凝集や沈殿が
生じ難い安定性に優れる分散液、前記分散液から得られる光吸収層、前記
光吸収層を有する光電変換素子、及び前記光電変換素子を有する太陽電池
に関する提案である。
【符号の説明】
1:光電変換素子 2:透明基板 3:透明導電層 4:ブロッキング層
5:多孔質層 6:光吸収層 7:正孔輸送層 8:電極(正極) 9:
電極(負極) 10:光
【産業上の利用可能性】
本発明の分散液は、光吸収層形成用分散液として好適に使用することがで
きる。本発明の光吸収層及び光電変換素子は、次世代太陽電池の構成部材
として好適に使用することができる。

2.特開2023-107761 水分解光触媒、水素及び/又は酸素の製造方法、並
びに水分解装置 三菱ケミカル株式会社 他
【概要】 図7のごとく、光触媒と助触媒とを含む水分解光触媒であって、
前記水分解用触媒の表面の少なくとも一部が金属酸化物で被覆されており、
X線光電子分光分析(XPS)により測定される、前記金属酸化物中の金
属元素に対する前記水分解光触媒中の金属元素の原子比が、0.7以上
15.0以下であり、気相反応に用いられる水分解光触媒で、水分解効率
が改善された気相反応用の水分解光触媒を提供する。



3. 特開2023-88059 水分解用光触媒 三菱ケミカル株式会社
【概要】光半導体と助触媒とを有する水分解用光触媒であって、該助触媒
がCoとCrをともに含み、かつRu及び/またはPtを含む水分解用光
触媒。前記Ru及び/またはPtの含有量は、光触媒100質量%に対し
て、合計で0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、Co
及びCrの含有量は、光半導体100質量%に対して、それぞれ0.01
質量%以上10質量%以下であることが好ましい、希少金属であるロジウ
ムを使用せずとも高い水分解能力のある助触媒を用いた水分解用光触媒
提供する。

4.特開2023-15303 酸素生成用透明電極、その製造方法、それを備えた
  タンデム型水反応型電極及びそれを用いた酸素発生装置
【概要】 
図4のごとく水分解反応において酸素発生側電極として使用されるTa3N5
を含む酸素生成用透明電極であって、600nm~900nmの光の透過
率が80%以上、かつAM1.5G照射下、1.23VRHEでの光電流
密度が3mA/cm2以上である、酸素生成用透明電極で透明度が高く、
かつ従来のTa3N5電極よりも電極性能が改善された、酸素生成用透明電
極を提供する。


図4.実施例1で測定した、アンモニアガスと窒素ガスからなる混合ガス
(NH3:N2=3:7)で窒化して得た集積体の透明光電極のボルタモ
グラム

透明でかつ高い電極性能を有するTa窒化物電極を提供すべく鋭意検討を
重ねた結果、Ta窒化物前駆体からTa窒化物への窒化プロセスにおいて、
アンモニアに加えキャリアガスを含む混合ガスにより窒化を行うことで、
所望のTa窒化物電極が得られることに想到した。更に、透明基板上にお
いてTa窒化物前駆体との間に、窒化物半導体層を設けることでも、所望
のTa窒化物電極が得られることに想到した。

【発明の効果】
本発明によれば、透明度が高く、かつ従来のTa3N5電極よりも電極性
能が改善された、酸素生成用透明電極を得ることができる。本発明により提
供される酸素生成用透明電極は電極性能が非常に高い上、透明度が高いこ
とから、水素生成用電極との間でタンデム型水分解反応電極を形成するこ
とができる。このような形態により、両電極を平面状に並べて配置する必
要がないことから、入射する太陽光等の光に対し、平面状に配置した場合
と比較して約2倍の効率で水分解が可能となり、これを用いた装置を得る
こともできる。 また本発明の別の効果としては、透明基板上に透明な窒化
タンタルの層を設けた半導体装置用の基板を得ることもできる。また、本
発明のさらなる効果としては、Ti窒化物を用いた酸素生成用電極におい
て、より効率的に太陽光を利用できる酸素生成用透明電極を得ることもで
きる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水分解反応において酸素発生側電極として使用されるTa3
N5を含む酸素生成用透明電極であって、波長600nm~900nmの
光の透過率が80%以上、かつAM1.5G照射下、1.23VRHEで
の光電流密度が3mA/cm2以上である、酸素生成用透明電極。
【請求項2】 請求項1に記載の酸素生成用透明電極と、波長600nmよ
りも長波長側に吸収ピークを有する水素生成用電極を組み合わせた、タン
デム型水分解反応電極。
【請求項3】 請求項1に記載の酸素生成用透明電極並びに/又は請求項2
に記載されたタンデム型水分解反応電極を備える、水分解装置。
【請求項4】 化合物の合成方法であって、 請求項3に記載の水分解装置
により水を分解して得られた水素及び/又は酸素を反応させるステップ、
を含む、合成方法。 【請求項5】 前記化合物が、低級オレフィン、アン
モニア又はアルコールである、請求項4に記載の合成方法。
【請求項6】 請求項3に記載の水分解装置、及び触媒を備えた反応器、を
有する合成装置であって、 前記水分解装置から得られる水素と、他の原料
と、を前記反応器に導入し、反応器内で反応させる、合成装置。

4.特開2023-058296 光触媒と、この光触媒を用いた水素及び酸素の製造
方法 国立大学法人東京大学 他

【概要】 下記一般式(I)で示される組成の光触媒。この光触媒を固定化
した固定化物、又は、成形した成形体、を用いて水素と酸素を発生させる
水素及び酸素の製造方法。
YaTibMcOdSe …(I)
(ただし、Mは固体中で+3価以下の電子状態にあり、6配位状態におい
て、最外殻軌道がs、p、f軌道である元素、または最外殻軌道がd軌道
であり、そのd軌道に不対電子を持たず、そのeg軌道に電子を有さない
元素から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせたものであり、a=1.
7~2.3、b=2、c=0.003~0.038、d=4.7~5.3
、e=1.7~2.3の数である。)より光触媒活性に優れた新規光触媒と、
この光触媒を用いた水素及び酸素の製造方法を提供する。

【発明を実施するための形態】
 以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に
変形して実施することができる。本明細書において、「~」を用いてその
前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものと
して用いることとする。
[光触媒の組成] 本発明の光触媒は、下記一般式(I)で示される組成の
光触媒である。 YaTibMcOdSe …(I) (ただし、Mは固体中
で+3価以下の電子状態にあり、6配位状態において、最外殻軌道がs、
p、f軌道である元素、または最外殻軌道がd軌道であり、そのd軌道に
不対電子を持たず、そのeg軌道に電子を有さない元素から選ばれる1種
又は2種以上を組み合わせたものであり、a=1.7~2.3、b=2、
c=0.003~0.038、d=4.7~5.3、e=1.7~2.3
の数である。) 【0020】 すなわち基準としてTiのモル数bを2と
置いたときに、それぞれのモル比がa=1.7~2.3、c=0.003
~0.038、d=4.7~5.3、e=1.7~2.3となるものであ
る。 a、c、d、eは、Tiのモル数b=2に対して、a=1.8~2.
2、c=0.003~0.032、d=4.8~5.2、e=1.8~
2.2であることが好ましく、a=1.85~2.15、c=0.004
~0.0030、d=4.85~5.15、e=1.85~2.15であ
ることがより好ましい。なお、本明細書においては、特に断りのない限り
~は上端と下端の数値を含むものとする。
式(I)中のMは、固体中で+3価以下の電子状態にあり、6配位状態に
おいて、最外殻軌道がs、p、f軌道である元素、または最外殻軌道がd
軌道であり、そのd軌道に不対電子を持たず、そのeg軌道に電子を有さ
ない元素から選ばれる元素であるが、このような元素Mを上記所定の割合
で含有させることで、光触媒活性、特に水分解用光触媒活性が向上するメ
カニズムについては以下の通り考えられる。 即ち、光触媒では、アニオン
(酸素、硫黄、窒素など)元素の欠損に伴い、本来安定な+4価の酸化状
態で存在すべきTi元素が還元された+3価の状態などで存在し、電子状
態に歪みが生じることで光触媒活性が低下するが、本発明に従って、安定
な酸化状態が+3価以下の元素Mを添加することで、+3価のTi元素の
生成が抑制され、良好な光触媒活性が達成される。 この固体中で+3価以
下の電子状態にある元素Mの組成比を示すcが0.003未満では、固体
中で+3価以下の電子状態にある元素Mを添加することによる上記の光触
媒活性向上効果を十分に得ることができないため、cは0.003以上と
する。 一方、cが0.038を超えると、Mが多過ぎ、光触媒表面にMを
含む不純物相が堆積してしまい光吸収を妨げる原因となることにより、光
触媒活性はむしろ低下する。よって、cは0.038以下とする。 

また、元素Mは6配位状態において、最外殻軌道がs、p、f軌道である
元素、または最外殻軌道がd軌道であり、そのd軌道に不対電子を持たず
、そのeg軌道に電子を有さない元素である。即ち、添加元素の安定な酸
化状態で形成する電子状態において、eg電子軌道に電子を有すると、本
来Y2Ti2O5S2中において電子を有さないeg電子軌道に添加成分
由来の電子が導入されることで、半導体的な性質が損なわれ、光触媒とし
ての機能が低下することが考えられる。6配位(即ち八面体配位)状態に
おいてeg電子軌道に電子を有さない元素であれば、このような問題を引
き起こすことなく、光触媒活性がより一層高められ、水分解光触媒活性の
向上に特に優れた効果が奏される。 【0023】 このような元素Mとし
ては、光触媒活性向上効果に優れることから、Li、Na、Mg、Ca、
Al、Sc、Rh、Gd、Tb、Ybが好ましく、特にLi、Mg、Al、
Sc、Rhが好ましい。 なお、元素Mは1種のみであってもよく、2種
以上が組み合わせて用いられてもよい。
[光触媒の製造方法] 本発明の光触媒は、Y源、Ti源、O源、S源とな
る原料を前記式(I)を満たすように秤量して十分混合し、得られた混合
物を焼成することにより製造することができる。 以下、本発明の光触媒を
「YTMOS」と称す場合がある。

Y源としては、Y2O3、Y2O2S、Y2S3、Y、YCl3等の1種
又は2種以上を用いることができる。ここで、Y2O3、Y2O2SはO
源ともなる。また、Y2S3、Y2O2SはS源ともなる。
Ti源としては、TiO2、TiS2、Ti等の1種又は2種以上を用い
ることができる。ここで、TiO2はO源ともなる。また、TiS2はS
源ともなる。
O源としては、上記の通り、Y源、Ti源を兼ねて用いることが好ましい。
S源としては、S、H2S等の1種又は2種以上を用いることができる。
この際、H2Sなどをガスとして流通して反応させる手法は、本発明の光
触媒を製造する上で好ましい態様の一つである。また、上記の通り、Y2
S3、Y2O2S、TiS2もS源となる。
M源としては、上述の条件を満たす元素Mの酸化物、硫化物、酸硫化物、
ハロゲン化物等を使用することができ、この場合も酸化物はO源に、硫化
物はS源ともなる。 
MがLi、Na,Mg、Ca、Al、Sc、Rh、Gd、Tb、Ybのい
ずれかである場合、Li源としては、Li2O、Li2CO3、Li(N
O3)、LiCl、LiOH、LiCH3COO・2H2O、Li2(C
2O4)、LiF、LiBr等の1種又は2種以上を用いることができる。
Na源としては、Na2O、Na2CO3、Na(NO3)、NaCl、
NaOH、NaCH3COO・2H2O、Na2(C2O4)、NaF、
NaBr等の1種又は2種以上を用いることができる。 Mg源としては
、MgO、Mg(OH)2、MgCO3、Mg(OH)2・3MgCO3・
3H2O、Mg(NO3)2・6H2O、MgSO4、Mg(OCO)2・
2H2O、Mg(OCOCH3)2・4H2O、MgCl2、MgF2等
の1種又は2種以上を用いることができる。 Ca源としては、CaO、
Ca(OH)2、CaCO3、Ca(OH)2・3CaCO3・3H2O、
Ca(NO3)2・6H2O、CaSO4、Ca(OCO)2・2H2O、
Ca(OCOCH3)2・4H2O、CaCl2、CaF2等の1種又は
2種以上を用いることができる。 Al源としては、Al2O3、Al(O
H)3、AlOOH、Al(NO3)3・9H2O、Al2(SO4)3、
AlCl3、AlF3等の1種又は2種以上を用いることができる。 Sc
源としては、Sc2O3、Sc(OH)3、Sc2(CO3)3、Sc(
NO3)3、Sc2(SO4)3、Sc2(OCO)6、Sc(OCOC
H3)3、ScCl3、ScF3等の1種又は2種以上を用いることがで
きる。 Rh源としては、Rh2O3、RhO2、Rh(OH)3、Rh(
OH)4、Rh2(CO3)3、Rh(NO3)3、Rh2(SO4)3、
Rh(SO4)2、Rh2(OCO)6、Rh(OCOCH3)3、Rh
Cl3、RhCl4、RhF3等の1種又は2種以上を用いることができ
る。 Gd源としては、Gd2O3、GdO2S、GdOS2、Gd(OH
)3、GdOOH、Gd2(CO3)3、Gd(NO3)3、Gd2(S
O4)3、Gd2(OCO)6、GdCl3、GdF3等の1種又は2種
以上を用いることができる。 Tb源としては、Tb2O3、TbO2S、
TbOS2、Tb(OH)3、TbOOH、Tb2(CO3)3、Tb(
NO3)3、Tb2(SO4)3、Tb2(OCO)6、TbCl3、Tb
F3等の1種又は2種以上を用いることができる。 Yb源としては、Yb
2O3、YbO2S、YbOS2、Yb(OH)3、YbOOH、Yb2(
CO3)3、Yb(NO3)3、Yb2(SO4)3、Yb2(OCO)6、
YbCl3、YbF3等の1種又は2種以上を用いることができる。 

なお、これらの原料の混合は、空気や微量の水分が混入し、酸化物相など
の不純物生成を引き起こすため窒素等の不活性ガス雰囲気下に、-20~
50℃で行うことが好ましい。 
混合物の焼成温度は、焼成時間にも依存するために特に限定はされないが
、50℃以上1000℃未満であることが好ましい。焼成温度が1100
℃以上では、光触媒活性に優れたYTMOSを得ることはできない場合が
多い。
また、焼成温度が低過ぎると、固相反応が十分に進行せず、高純度のYT
MOSを得ることができない場合が多いため、焼成温度は、通常500℃
以上、好ましくは550℃以上であり、通常1100℃未満、好ましくは
1000℃以下である。
焼成雰囲気については特に制限はないが、副反応防止の観点から真空中で
行うことが好ましい。 焼成時間は、焼成温度によっても異なるが、通常
0.1~120時間、好ましくは
1~48時間である。焼成により得られたYTMOSは、必要に応じて過
剰硫黄分を酸化処理して除去するために、空気中にて100~300℃の
温度で0.1~3時間程度加熱する熱処理を行ってもよい。この熱処理後
は水洗して硫黄酸化物を除去し、YTMOSを固液分離することが好まし
い。
また、得られたYTMOSは、必要に応じて20~80質量%程度の硫酸、
硝酸、王水等の酸に接触させる酸処理を行ってもよく、酸処理を行うこと
で、光触媒粒子表面の不純物を除去することができる。  また、得られた
YTMOSは、必要に応じて粉砕、分級等の整粒処理を行ってもよい。 粉
砕後の粒径としては、特に限定されないが、1μm以上とすることにより
取り扱いが容易になるために好ましい。一方、当該粒径を20μm以下と
することにより、触媒の表面積が増加し、触媒活性が向上するために好ま
しい。この粒径は、例えばSEMで写真を撮影し、無作為に粒子を50個
程度選んで直径を測定し、その平均値から算出されるものである。粉砕後
の粒子が球形から大きく外れている場合には、写真より粒子径を面積相当
径で測定し、算出してもよい。 更に、得られたYTMOSは、必要に応じ
て助触媒含有溶液中に懸濁してMW(マイクロウェーブ)処理を行っても
よく、MW処理を行うことで後述の評価用光触媒を短時間で調製すること
ができる場合がある。MW処理としては、例えばAnton Paar社
製「Microwave synthesis Reactor Mono
wave 300」などを使用し、推奨条件を適宜選んで実施すればよい。 

なお、後述の実施例では、M源以外の原料を混合して焼成(1回目の焼成)
し、Mを含まない光触媒粉末を製造した後、この光触媒粉末に所定量のM
源とフラックスを混合し、再度1回目の焼成と同様の温度で焼成時間のみ
1/10~1/2程度で焼成して(2回目の焼成)、本発明の光触媒を製
造しているが、これはYTOSの生成過程においてM源が粒子性状に影響
を与え得ることから、性能向上の要因を明確にする実験上の都合のためで
あり、M源を他の原料と共に一括で混合し、1回の焼成で本発明の光触媒
を製造することもできる。 また、この2回目の焼成ではM源のYTOSと
の反応性を高めるためにKI、NaI、LiI、RbI、CsI、LiCl、
NaCl、KCl、RbCl、CsCl、MgCl2、CaCl2、Sr
Cl2、BaCl2等の1種又は2種以上をフラックスとして、Ti1モ
ルに対して0.5~20モル混合しているが、これはM源をYTOS粒子
全体に均一に覆いやすくするためであり、添加したフラックスは2回目の
焼成後、水洗により除去される。
[用途] 本発明の光触媒は、水分解用光触媒として有効であり、特に高
い光触媒活性を示し、単独の電極で、つまり対極が不要で水の全分解が可
能な光触媒として水の全分解を行うことができる。
[水素及び酸素の製造方法] 本発明の水素及び酸素の製造方法は、本発
明の光触媒を用いて、犠牲試薬を用いることなく水素と酸素とを発生させ
ることを特徴とする。また、本発明の光触媒を用いることにより、水素と
酸素とを同一の電極上で発生させることもできる。尚、本発明においては、
基材上に本発明の光触媒を含む光触媒層を設けた積層体、あるいは本発明
の光触媒を含む複合体を電極と称する。
本発明の光触媒は、それのみで十分な光触媒活性を示すが、好ましくは助
触媒と共に使用される。
 助触媒としては、酸化反応助触媒(酸素発生側)および還元反応助触媒
(水素発生側)があり、これらの一方又は双方をYTMOSに担持して用
いることが好ましい。酸化反応助触媒としては、周期表第2~14族の金
属、該金属の金属間化合物、合金、または、これらの酸化物、複合酸化物、
窒化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、あるいは、これらの混合物のいず
れかを用いることが好ましい。ここで、「金属間化合物」とは、2種以
上の金属元素から形成される化合物であり、金属間化合物を構成する成分
原子比は必ずしも化学量論比でなく、広い組成範囲をもつものをいう。
「これらの酸化物、複合酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物」
とは、周期表第2~14族の金属、該金属の金属間化合物、または、合金
の酸化物、複合酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物をいう。
「これらの混合物」とは、以上例示した化合物のいずれか二以上の混合物
をいう。 

酸化反応助触媒としては、好ましくは、Mg,Ti,Mn,Fe,Co,
Ni,Cu,Ga,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Ce,Ta,
W,Ir,PtまたはPbの金属、これらの酸化物または複合酸化物であ
り、より好ましくは、Mn,Co,Ni,Ru,Rh,Irの金属、これ
らの酸化物または複合酸化物であり、さらに好ましくは、Ir,MnO,
MnO2,Mn2O3,Mn3O4,CoO,Co3O4,NiCo2O4,
RuO2,Rh2O3,IrO2である。
還元反応助触媒としては、周期表第3~13族の金属、該金属の金属間化
合物、合金、または、これらの酸化物、複合酸化物、酸窒化物、硫化物、
酸硫化物、炭化物、窒化物、あるいは、これらの混合物のいずれかを用い
ることが好ましい。ここで、「金属間化合物」は上記と同様であり、「こ
れらの酸化物、複合酸化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、炭化物、窒化
物」とは、周期表第3~13族の金属、該金属の金属間化合物、合金の酸
化物、複合酸化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、炭化物または窒化物を
いう。「これらの混合物」とは、以上例示した化合物のいずれか二以上の
混合物をいう。
還元反応助触媒としては、好ましくは、Pt,Pd,Rh,Ru,Ni,
Au,Fe,NiO,RuO2,IrO2,Rh2O3,および、Cr-
Rh複合酸化物,コアシェル型Rh/Cr2O3,Pt/Cr2O3等を
挙げることができる。 上記した助触媒の担持量としては、酸化反応助触媒
の金属担持量は、特に限定されないが、YTMOSを基準(100質量%)
として、通常0.01質量%以上、5質量%以下、好ましくは上限が4質
量%以下、より好ましくは上限が3質量%以下、下限が0.05質量%以
上である。還元反応助触媒の金属担持量は、特に限定されないが、YTM
OSを基準(100質量%)として、通常0.01質量%以上、20質量
%以下、好ましくは上限が15質量%以下、より好ましくは上限が10質
量%以下である。 ここでいう「金属担持量」とは、担持させた助触媒中
の金属元素が占める量をいう。
本発明の光触媒を実際に水の分解に使用する場合における光触媒の形態に
ついては特に限定されるものではなく、水中に光触媒粒子を分散させる形
態、光触媒粒子を固めて成形体として当該成形体を水中に設置する形態、
基材上に光触媒層を設けて積層体とし当該積層体を水中に設置する形態、
集電体上に光触媒を固定化して光水分解反応用電極とし対極とともに水中
に設置する形態等が挙げられる。特に、光水分解反応を大規模にて行う場
合、バイアスを付与して水分解反応を促進できる観点から、光水分解反応
用電極とするとよい。また、別の態様としては、本発明の光触媒が本触媒
単独で水の全分解が可能であることを利用し、バイアスを付与することなく、
基材上に本発明の光触媒を含む光触媒層を設けた積層体、あるいは本発明
の光触媒を含む複合体を、水中に設置することもできる。この態様により、
加工や取り扱いの容易さ、メンテナンスの容易さ、それに広い面積を使用
する人工光合成装置などとして使用したときのコストを抑えることができ、
工業的に優位な水分解装置、酸素発生装置、水素発生装置、あるいは人工
光合成システムを得ることができる。

光水分解反応用電極は公知の方法により作製可能である。例えば、いわゆ
る粒子転写法(Chem. Sci., 2013,4, 1120-1124)によって
容易に作製可能である。ここで粒子転写法においては、以下の手順で光水
分解反応用電極を製造するのが一般的である。すなわち、ガラス等の第1
の基材上に光触媒粒子を載せて、光触媒層と第1の基材層との積層体を得
る。
得られた積層体の光触媒層表面に蒸着等によって導電層(集電体)を設け
る。ここで、光触媒層の導電層側表層にある光触媒粒子が導電層に固定化
される。その後、導電層表面に第2の基材を接着し、第1の基材層から導
電層及び光触媒層を剥がす。光触媒粒子の一部は導電層の表面に固定化さ
れているので、導電層とともに剥がされ、結果として、光触媒層と導電層
と第2の基材層とを有する光水分解反応用電極を得ることができる。
或いは、その他の手法として、光触媒粒子が分散されたスラリーを集電体
の表面に塗布して乾燥させることで、光水分解反応用電極を得てもよいし、
光触媒粒子と集電体とを加圧成形等して一体化することで光水分解反応用
電極を得てもよい。また、光触媒粒子が分散されたスラリー中に集電体を
浸漬し、電圧を印可して光触媒粒子を電気泳動により集電体上に集積して
もよい。 或いは、助触媒の担持を後工程で行うような形態であってもよ
い。例えば、上記した粒子転写法において、光触媒粒子ではなく光半導体
粒子を用いて、同様の方法で光半導体層と導電層と第2の基材層とを有す
る積層体を得て、その後、光半導体層の表面に助触媒としての酸化物粒子
を担持させることで、光水分解反応用電極を得てもよい。

本発明の光触媒、或いは、上記した光水分解反応用電極を、水又は電解質
水溶液に浸漬し、当該光触媒又は光水分解反応用電極に光を照射して光水
分解を行うことで、水素及び/又は酸素を製造することができる。例えば、
上述のように導電体で構成される集電体上に光触媒を固定化して光水分解
反応用電極を得る一方、対極として水素生成触媒を担持した導電体を使用し、
液体状又は気体状の水を供給しながら光を照射し、水分解反応を進行させ
る。必要に応じて電極間に電位差を設けることで、水分解反応を促進する
ことができる。或いは、対極として水素生成触媒を担持した光半導体を使
用してもよい。この場合、光半導体としては水素生成反応を触媒する公知
の光半導体を用いることができる。

一方、絶縁基材上に光触媒粒子を固定化した固定化物に、又は、光触媒粒
子を加圧成形等した成形体に、水を供給しながら光を照射して水分解反応
を進行させてもよい。或いは、光触媒粒子を水又は電解質水溶液に分散さ
せて、ここに光を照射して水分解反応を進行させてもよい。この場合、必
要に応じて攪拌することで、反応を促進することができる。 本発明の光
触媒は、これ単独で水の全分解をすることができるため、酸素発生用電極
と水素発生用電極をつなぐことは必要なく、光触媒を水中に載置し、そこ
に水を供給する手段と、水素及び/又は酸素を取り出す手段があれば水素
と酸素を製造することができる。 これにより構造が簡易になると同時に、
酸素発生電極と水素発生電極を並列に並べることに比べ、半分の面積で稼
働させることも可能である。発生した水素と酸素は、例えばゼオライト膜
等を用いて水素と酸素に分離することができる。 

水素及び/又は酸素の製造時の反応条件については特に限定されるもので
はないが、例えば反応温度を0℃以上200℃以下とし、反応圧力を2M
Pa(G)以下とする。 照射光は650nm以下の波長を有する可視光、
又は紫外光である。照射光の光源としては太陽や、キセノンランプ、メタ
ルハライドランプ等の太陽光近似光を照射可能なランプ、水銀ランプ、L
ED等が挙げられる。 
以上のように、本発明によれば、本発明の光触媒を用いることで、光水分
解反応により水素及び/又は酸素を効率的に製造することができる。
【実施例】 
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下
の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例におけ
る各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は
下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記し
た上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わ
せで規定される範囲であってもよい。

[水素生成評価用光触媒の活性化処理と光触媒活性の評価]
以下の実施例及び比較例で合成した光触媒粉末は、以下の方法で活性化処
理と光触媒活性の評価を行った。<活性化処理> 各光触媒について、触媒
活性を促進させる処理として、空気中酸化処理及び酸洗浄処理を行って、
水素生成評価用光触媒とした。 空気中酸化処理では、空気中200℃に
て1時間熱処理することで過剰硫黄分を酸化処理し、水洗処理により除去
を行った。 酸洗浄処理では、空気中酸化処理を行った後、各粉末400
mgを50質量%濃度の硫酸中で15分間混合洗浄することで粒子表面に
付着した不純物を除去した。
<水素生成評価試験>
調製した水素生成評価用光触媒を用いて光水分解反応性能の評価を行った。
光水分解反応は、真空排気用ポンプ、循環ポンプ、光触媒を入れるセル、
気体採取バルブ、及びガスクロマトグラフ分析装置(GC)を備えた閉鎖
系の反応装置で行った。光源は300Wのキセノンランプ(λ>420n
m)を使用し、温度上昇を避けるためランプとセルとの間にはウォーター
フィルタを設け、さらにセルは冷却水を用いて外側から冷却した。評価の
際は、あらかじめ反応装置内を数回脱気した後、空気が残っていないこと
を確認した。真空度は4×104Pa程度とした。その後に光照射を開始
し、ガスの生成量を測定した。分析条件はカラム(モレキュラーシーブ5
A)、キャリアガス(アルゴン)、温度(50~70℃)とした。試験は
水素生成評価用光触媒300mgに対して0.02M Na2S-Na2
SO3水溶液150mLをセルに封入し試験を実施した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(I)で示される組成の光触媒。
YaTibMcOdSe …(I) (ただし、Mは固体中で+3価以下の
電子状態にあり、6配位状態において、最外殻軌道がs、p、f軌道であ
る元素、または最外殻軌道がd軌道であり、そのd軌道に不対電子を持た
ず、そのeg軌道に電子を有さない元素から選ばれる1種又は2種以上を
組み合わせたものであり、a=1.7~2.3、b=2、c=0.003
~0.038、d=4.7~5.3、e=1.7~2.3の数である。)
【請求項2】 下記一般式(I)で示される組成の光触媒。 YaTibMc
OdSe …(I) (ただし、MはLi、Na、Mg、Ca、Al、Sc、
Rh、Gd、Tb、およびYbの中から選ばれる1種又は2種以上を組み
合わせたものであり、a=1.7~2.3、b=2、c=0.003~
0.038、d=4.7~5.3、e=1.7~2.3の数である。)
【請求項3】 水の全分解に使用される光触媒である請求項1又は2に記載
の光触媒。
【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光触媒を固定化した固定
化物、又は、成形した成形体、を用いて水素と酸素を発生させる水素及び
酸素の製造方法。
【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の光触媒を用いて作成した
電極。
【請求項6】 請求項5に記載の電極により水素及び/又は酸素を発生させ
る水素及び酸素の製造方法。 
             
✔ 今年に公開されたものは4件。正直、手に負えないところがあり、見
 落としはあるが流れを了解するには「まあ、まあ」だと信じる。
                          この項つづく

風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine

 



アルバム『終わりなきこの愛』2019.4.24
ルート・ビアー・ラブ


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眼鏡型ARデバイス登場

2023年09月14日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ



【今日の水生植物:スイレン‘アーカンシェル' 】
‘アーカンシェル’ Nymphaea ‘Arc-En-Ciel’ 葉に白やピンク色のさまざま
な斑が入る。花弁は細く、花色は淡桃色。開花2日目には花色がより薄くな
る。葉に白やピンク色のさまざまな斑が入る。花弁は細く、花色は淡桃色。
開花2日目には花色がより薄くなる。



メガネ型って使いやすい。
重量88gでフルHDのARデバイス「XREAL Light」
2023.09.12

消しゴムやキーホルダーなど身近な物を模倣した小型カメラがインターネ
ット上に出回っている。「防犯用」などとうたうが、誰でも簡単に安価で
購入できることから、盗撮行為に悪用されているのが実情だ。専門家は「
登録した人しか購入できないなど規制が必要」と指摘する。 via 読売新
聞 2021.7.11



✔ディープラーニング(➲生成AI)、新興センサ、量子・近接場(超小型
)デバイスなどの「デジタル革命の基本則」を提出しながら第4次産業(➲
画像形成・処理)を予言してきたわたし(たち)。その技術をつかったアン
ダーグラウンドの魑魅魍魎がうごめき顔を出すだろうが、ここでポジティブ
シンキングで行ってみよう。


図1.Sr2.5Bi0.5NiO5における熱的相変化の概略図。上図は、異なるSr/Bi配列
を有するSr2.5Bi0.5NiO5の結晶構造。下図は、本研究で同定したダブルペロブ
スカイト構造の新物質Sr2BiNiO4.5の結晶構造

酸化物初の熱的相変化を活用した電気抵抗スイッチング
多値記憶可能な相変化メモリデバイスの実現か
9月6日、結晶とアモルファスの熱的相変化を活用した電気抵抗スイッチン
グは、GeSbTe合金などのカルコゲナイドで実証され、不揮発性相変化メモ
リへの応用が期待されている一方、酸化物では、金属絶縁体転移や超巨大
磁気抵抗効果などの電気抵抗変調に関する膨大な研究があるにもかかわら
ず、意外にも、熱的相変化を活用した電気抵抗スイッチングは実現してい
ない 東北大学の河底秀幸助教、松本倖汰博士、福村知昭教授は、筑波大
学の西堀英治教授と共同で、層状ニッケル酸化物Sr2.5Bi0.5NiO5を用いて酸化
物では初となる熱的相変化を活用した電気抵抗スイッチングに成功。
【要点】
1.相変化メモリは、電源を切っても記憶した情報が消えない不揮発性メ
 モリの一種で、その動作原理である「熱的相変化を活用した電気抵抗ス
 イッチング」はこれまでカルコゲナイド物質でのみ報告。
2.今回、層状ニッケル酸化物Sr5Bi0.5NiO5を用いて、3つの結晶相につい
 て特異な熱的相変化を見出し、酸化物で初となる熱的相変化を活用した
 電気抵抗スイッチングに成功。
3.層状ニッケル酸化物Sr5Bi0.5NiO5を用いて、3つの結晶相について特異
 な熱的相変化を見出し、酸化物で初となる熱的相変化を活用した電気抵
 抗スイッチングに成功。

生体深部を非侵襲的に観察できる多色発光イメージング用マウス
マウスの多種多様な細胞・臓器をリアルタイムで可視化  
2023.9.8 理化学研究所


【関係技術情報】
Toshiaki Nakashiba, Katsunori Ogoh, Satoshi Iwano, Takashi Sugiyama, Saori Mi-
zuno-Iijima, Kenichi Nakashima, Seiya Mizuno, Fumihiro Sugiyama, Atsushi Yos-
hiki, Atsushi Miyawaki, Kuniya Abe,
"Development of two mouse strains conditionally expressing bright luciferases wit-
h distinct emission spectra as new tools for in vivo imaging.", Lab Animal,
10.1038/s41684-023-01238-6

ソニー系が環境発電IC、テレビアンテナ技術を応用
2023.9.11 日経クロステック(xTECH)
ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(以下、SSS)は、電磁波ノイズエネ
ルギーを利用したエナジーハーベスティング(環境発電)用のモジュールを開発。
本開発品は、SSSがチューナー開発で培ってきた技術を応用することで、電磁波
ノイズから電力を高効率に生成することができる。例えば、工場内のロボット、オ
フィス内のモニターや照明、店舗や家庭のモニターやテレビ、冷蔵庫などから常
時発生する電磁波ノイズを利用し、低消費電力型のIoTセンサーや通信機器など
の稼働に必要な電力の安定的な生成と供給を可能にする。IoT機器の普及・高度
化とともに、増加するIoT機器への電力供給の問題が注目される中、本技術は高
い効果に加え、幅広い応用が期待できるエナジーハーベスティング技術として、
電力循環モデルの構築と、持続的なIoT社会の発展に貢献。



次世代ディスプレーのトップランナーは シャープの復活は


via  日経クロステック(xTECH) 2023.8.2


図1.
 大気中フォトリソグラフィーで12.3型nanoLEDを試作
(a)12.3型アクティブマトリクスnanoLEDディスプレー

12.3型nanoLEDディスプレー(a)。寸法は枠も含めると305mm×125mmと大きい。量
子ドット(QD)を有機ELの発光層材料の代わりに用いている。精細度は167ppi(
pixel per inch)で、2022年のSIDで発表した176ppiに満たないが、発光素子を塗
布プロセスと大気中でのフォトリソグラフィーのパターニングで製造したのが特徴
(b)(出所:シャープ)

   


再エネ革命渦論 165: アフターコロナ時代 166
技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
   特異点真っ直中  ㊺



出所:光触媒が活躍する未来社会像 東京理科大学光触媒研究センタ

研究開発の俯瞰報告書  環境・エネルギー分野(2023年)
1.研究対象分野の全体像
2. 研究開発領域
2.2 産業・運輸部門のゼロエミ化・炭素循環利用
2.2.3 産業熱CO2 利用
(1)研究開発領域の定義

二酸化炭素(CO2)を回収し有効利用する方法はCCU(Carbon dioxide Capture
and Utilization
) と呼ばれる。排ガスや大気から回収したCO2をグリーン水

素(H2)または再生可能電力を用いてメタン、液体系燃料、化学品を製造
する技術が中心。産油国ではCCUは石油増進回収(Enhanced Oil Recovery:
EOR)
を意味することも多いが、日本、EUでは幅広いCO2有効利用全般を指

す。 CO2の回収プロセスはCCU、CCS(Carbon Capture and Storage)共通のプ
ロセスであり主に「CO2 回収・貯留(CCS)」領域で扱う。CCUにおいて
は、CO2 の還元エネルギーとして主にH2が用いられるが、その製造技術に
ついては「水素・アンモニア」領域で述べる。

(2)キーワード 
CCU、CO2還元、グリーンH2、逆シフト反応、メタネーション、Fischer–Tr-
opsch
合成(FT 合成)、メタノール合成、CO2の電気化学的還元(CO2RR
)、CO2の
光触媒還元(人工光合成)、酵素的変換、燃料合成、化成品合成

(3)研究開発領域の概要
【意義】
CCUは温室効果ガスであるCO2の排出削減に貢献する技術である。炭素原子
は有機物を構成する不可欠の元素であり、CO2を炭素源として利用すること
で炭素の循環を図りつつ、地下資源に頼ること無く燃料や化学品として必
要な炭化水素を確保することが可能となる。CCUは、CO2 回収とCO2変換(
還元)の2つの技術要素からなる。還元のエネルギーは再エネ(風力・太陽
光発電)あるいはそこから作られるグリーンH2を用いる。このため再エネ
電力価格の低い地域やCO2排出源(火力発電所、各種プラント)において
CCUのパイロットプラントの建設が進められている。CCUにより製造された
メタンや液体系炭化水素燃料をそれぞれ e–gas、e–fuelなどと称して、熱用
途や自動車・航空燃料用途への展開が期待されている。より効率的なCO2変
換を目指して、電解還元、半導体や金属錯体を用いた光触媒(人工光合成)、
それに酵素を組み合わせた系など、再エネを直接の駆動力としたメタン・
メタノール・ギ酸・一酸化炭素(CO)等の燃料・化成品及びその中間体合
成が検討されている。これらの前提として、CO2 回収のコスト、CO2変換に
おける外部H2の有無とその際のプロセスコスト、生成物価格を全体のフィ
ージビリティとして考慮する必要がある。(中略)

人工光合成(光触媒)
人工光合成に代表される太陽光エネルギーを駆動力としたCO2還元において
は、半導体光触媒、金属錯体触媒、生体触媒、それらを融合したハイブリ
ッド光触媒の研究が活発に行われている。(中略)

生体触媒
光増感剤と生体触媒とを融合した研究が近年多く報告されている。特にCO2
のギ酸への還元を触媒するギ酸脱水素酵素は試薬として市販されており、
手に入りやすく、CO2のギ酸への還元触媒として魅力的な生体触媒である。
(中略)

図2 代表的なCO2を原料とする反応のフローと生成物
(経済産業省資料「カーボンリサイクル技術ロードマップ」(2021年7月改
訂)をもとにCRDS 作成

(4)注目動向
[新展開・技術トピックス]
[固体触媒]
• 米国Rensselaer Polytechnic Instituteは、NaAゼオライト膜(H2O/CO2
 選択性550)でメタノール合成時に生じる水を分離・除去することにより
 CO2水素化における平衡転化率を上回るCO2転化率(61.4%, 250℃)を達
 成した。メタノール時空間収率(STY)0.809 g gcat-1h-1(GHSV 10500
 mLgcat-1h-1)は、同様の条件下で報告された中で最も高い値である32)
 East China Normal UniversityのHuangらも同様にCuZn触媒をゼオライト
 膜(LTA)上に塗布した膜分離反応器を用いて平衡転化率を上回るCO2転
 化率、水によるCuZn 触媒劣化の抑制が可能であることを報告している。
• 産業技術総合研究所(以下、産総研)は、複核錯体触媒を開発し、低温
 低圧の温和な条件でCO2の水素化により高い選択性でメタノールの合成を
 可能とした。今回開発した複核錯体触媒はイリジウム2個を含むイリジウ
 ム触媒であり、30⁰C でもCO2の水素化反応が進行する34)。
• Siemens Energy社とPorsche社は、風力発電を用いたe–fuel 生産プラン
 ト「Haru Oni」をチリに建設する。Johnson Matthey 社のメタノールプ
 ロセスを用いて、DACと風力発電からの電解水素からのメタノール合成が
 行われ、メタノールはExxonMobil社のMTGプロセスでe–fuelに変換される。
 e–fuelの生産量は、2022 年に約130kL/y、2026 年までに55万kL/yを計画
 している。(中略)

[電気化学反応]
• 株式会社東芝はCO2を気体のまま直接利用可能な固体高分子形CO2電解を
 継続して開発している。拡散律速の回避が容易で、溶液抵抗の最小化が
 可能な反応器設計に加えて、カソード触媒の改良による電解特性の向上
 により、CO2のCOへの変換速度(電流密度)は世界最高レベルの1.2 A/cm2、
 ファラデー効率は90%を記録している。さらに電解セルを独自の技術で
 積層することで単位設置面積あたりの処理量を高め、郵便封筒(長3)サ
 イズの設置面積で年間最大1.0 t–CO2の処理量を達成した。これは、常温
 環境下で稼働するCO2電解スタックにおいて世界最高の処理速度となる44
 )。株式会社東芝はこのCO製造技術をもとに排ガスなどからのCO2をSAF
 にリサイクルするビジネスモデル検討を出光興産株式会社、全日本空輸
 株式会社などの企業と開始している45)。(中略)

[人工光合成]
• 株式会社豊田中央研究所は、太陽電池を組み込んだ世界最大級の1メート
 ル角人工光合成セルを用いる事で世界最高の太陽光変換効率10.5%で太
 陽光と水を用いたCO2還元によるギ酸合成を達成した。機能分担し、光エ
 ネルギーの変換はシリコン系の太陽電池で行い、タンデムに接続した金
 属錯体触媒を固定化した電極により酸化還元反応を行う。
• 東京工業大学は、従来利用の難しかった長波長の光に対し寿命の長い三
 重項励起状態に直接変換できるレドックス光増感剤を開発した。光増感
 剤は、近赤外光を含みほぼ可視光全域をカバーし電子移動反応を起こさ
 せるための時間を稼ぐとともに、他の錯体触媒と組み合わせてCO2をギ酸
 に還元する触媒能を併せ持つ。まだ生成物の収量は低いものの光の高効
 率利用に向けた指針になり得るとしている。
-------------------------------------------------------------------
【参考技術情報】
独立行政法人 経済産業研究所(RIETI
藤嶋 昭 『光触媒を基軸としたカーボンリサイクルの実現』(地球上へ太
陽を!!核融合研究) 2019.4.11
https://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/19041101.html
経産省未来開拓研究 グリーン・サスティナブルケミカルプロセス基盤技術
開発(⾰新的触媒)


図1.人工光合成の効率記録


図2.起業による人工光合成への取り組み

 1cm2 のTiO2上にある1molの水(18g)を分解して、水素を発生するのに必要
な光子数は6×10u23個以上1cm2のTiO2上にある大腸菌106個と比べて、実際
の太陽光は非常に強い。蛍光灯でも、大腸菌の数よりも多い。 太陽光は
1015 photons / m2エネルギー効率を考えると、水素発生に用いるよりも、
細菌などの分解に用いる方が現実的である。
安部総理大臣は「世界経済フォーラム(ダボス会議)」基調講演で 「
例え
ば人工光合成です。これにとってカギを握るのが光触媒の発見でしたが

手掛けたのは日本の科学者で,藤嶋昭という人です。」(YOMIUR I ONLN
E
2019年1⽉23⽇19時分)と紹介。

発想法転換から環境光触媒が発展
H2O, CO2→ N2(人工光合成)➲ H2 + CO2 → CH4 (メタネーション)


図3 提言


図4 次世代型人工光合成モデル


               Potential / V vs Ag/AgCl
CO2の直接電解による選択的な還元が可能
図4.ダイヤモンド電極の廣い還元領域を利用


図5.ダイヤモンド電極


図6.
各国における人工光合成の研究開発動向
触媒とTiO2保護層で修飾されたGaAs/InGaP
タンデム接合型光アノードとイオン交換膜で 隔たれたNiMo系カソードを⽤
いて1M⽔酸化カリウム⽔溶液中で光電気化学的⽔分解反応を⾏い、10%の
太陽光-⽔素変換効率と数⼗時間にわたる連続運転を実施 ⽔素と酸素が別
々の場所から⽣成するため、⽔素爆鳴気が発⽣しないため、爆発に対する
安全性が⾼いが、デバイスが煩雑であることから拡張性やコストに難あり
Energy Environ. Sci., 8, 3166-3172 (2015)
⽔分解触媒を半導体上に⼀体化して太陽電池を強化 太陽光による⽔分解
で⽔素と電気の両⽅を⽣成する⼈⼯光合成システム 
HPEV (hybrid photoelectrochemical and voltaic)
セルを開発 データ解析によるCO2還元⽤新規光触媒の探索
68,860種類の無機化合物を第⼀原理計算に基づくスクリーニングを実施
Nat. Commun., 10, 443-1121 (2019) 

「⼈⼯光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)」 ⽂科省科学研究費補
助⾦新学術領域研究 「⼈⼯光合成による太陽光エネルギーの物質変換︓実
⽤化に向けての 異分野融合(AnApple)」 科学技術振興機構戦略的創造研究
推進事業さきがけ 「光エネルギーと物質変換領域」 科学技術振興機構戦
略的創造研究推進事業先導的物質変換領域(ACT-C) 低エネルギー、低環境
負荷で持続可能なものづくりのための先導的な 物質変換技術の創出

2021年度末までに太陽光 ⽔素変換効率10%を実現する光触媒システムを開
発する。 
太陽エネルギーを利⽤して光触媒によって⽔を分解し、分離して得られた
⽔素と ⼆酸化炭素からプラスチック原料等基幹化学品の製造を⽬指す。
⼈⼯光合成の⽔素製造で世界最⾼レベルのエネルギー変換効率2%を達成 
2015年か CIGSをベースとした光触媒で、⾮単結晶光触媒の中では世界最⾼
の⽔素⽣成 エネルギー変換効率12.5%を達成Joule, 2, 509-520 (2018) /

⼤⾯積化・低コスト化を実現する新しい光触媒パネル反応器を開発 ⽔素⽣
成光触媒 5 cm × 5 cm CIGS 2019 ⽇本は世界に先⽴って⼈⼯光合成につ
いてロードマップを策定 ⽔素と⼆酸化炭素から有機化合物を作るのに必要
な「合成触媒」の開発が先⾏ 太陽エネルギーを利⽤して⽔から⽔素を製造
するための「光触媒」、さらに⽔素 を安全に分離するための「分離膜」の
開発を進め、2022年に全体を組み合わせ た総合的な⼈⼯光合成の実証実験
に着⼿

1. 太陽エネルギー変換効率
2. 安定性
3. スケールアップ
4. コスト(安価な材料)
5. 柔軟な反応条件 (酸・アルカリ・犠牲試薬フリー)

CO2の電気化学的還元(電解還元) ⼀体型デバイスによる光電気化学的⽔
分解反応の実施 Ni触媒とTiO2保護層で修飾されたGaAs/InGaPタンデム接
合型光アノードとイオン交換膜で 隔たれたNiMo系カソードを⽤いて1M⽔
酸化カリウム⽔溶液中で光電気化学的⽔分解反応を⾏い、10%の太陽光-⽔
素変換効率と数⼗時間にわたる連続運転を実施 ⽔素と酸素が別々の場所か
ら⽣成するため、⽔素爆鳴気が発⽣しないため、爆発に対する安 全性が⾼
いが、デバイスが煩雑であることから拡張性やコストに難あり 太陽光によ
る⽔分解で⽔素と電気の両⽅を⽣成する⼈⼯光合成システム HPEV (hybrid-
photoelectrochemical and voltaic) セルを開発安価な電池電極による⾼効率⽔
分解システムの開発 R. van de Krol (ヘルムホルツセンターベルリン研究所
)ら M. Grätzel (スイス連邦⼯科⼤学ローザンヌ校)ら DCマグネトロンスパ
ッタTiO2膜によるCO2還元 Appl. Catal.B: Environmental, 224, 912-918 (2018) 
 
 明条件下で⽣成した電⼦を放出することで、暗条件下での⽔分解を実現 
Angew. Chem. Int. Ed., 56, 510-614 (2017) 窒化タンタルTa3N5光触媒を⽤いて、
太陽光によって⽔を⾼効率に分解できる ⾚⾊透明な酸素⽣成光電極の開発
に成功 Angew. Chem. Int. Ed., 58, 2300-2304 (2019) 超⾼耐久性ゼオライト
触媒を開発 NEDO プレスリリース(2017年3月16日)⼈⼯光合成技術による
⼆酸化炭素とアンモニアからの合成ガスの創⽣ Z. Huang, et al., Chem.Sci., 8,
5797-5801 (2017)
⼈⼯光合成の光触媒反応を促進する銀ナノ粒⼦の機能を解
M. Yamamoto et al., J. Mater. Chem. A, 3, 16810-16816 (2015) 世界最⾼の反
応量⼦収率を⽰すCO2還元光触媒系の合成に成功 T. Morimoto et al., J. Am.
Chem. Soc., 135, 13266-13269 (2013) 「BaTaO2N
光触媒を⽤いて650nm以上の
広域可視光による⽔の完全分解に成功」Angew. Chem. Int. Ed.,5 1, 9865-986-
9 (2012
) ⼈⼯光合成の実現に向けた酸素発⽣触媒 M. Okamura et al., Nature,
530, 465-468
(2016)
-------------------------------------------------------------------
[生体触媒]
• 中国科学院(CAS)天津工業生物技術研究所(TIB)の開発した「人工で
 んぷん同化経路(artificialstarch anabolic pathway:ASAP) 」は、CO2を通常
 の無機触媒を使ってH2 によりメタノールに還元し、次に酵素によって三
 炭糖から六炭糖に変換、最終的に高分子でんぷんに変換するハイブリッ
 ドシステム。ASAPは、とうもろこしの約8.5 倍の速度ででんぷんを合成
 することができるとしている。

以降、割愛。

以上、太陽エネルギー変換を中心に次世代のカーボンリサイクル社会と技術
に関して考察。次回は環境光触媒を中心に「人工光合成及び光触媒・電極」
の最新技術動向を考察する。
                           この項つづく

風蕭々と碧い時












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オール再エネシステム論 沈まぬ太陽編 ①

2023年09月10日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

     


【再エネ革命渦論 163: アフターコロナ時代 164
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
    特異点真っ直中  ㊸



「発電する窓」をペロブスカイト太陽電池の実用実証へ
8月31日、パナソニックがガラス建材一体型のペロブスカイト太陽電池を開発。
「発電する窓」としてさまざまな分野への展開を目指し、神奈川県藤沢市で実証
に取り組む。 今後、技術検証を含めた1年以上にわたる長期実証実験を、神奈
川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)内のモデ
ルハウスで実施する。ペロブスカイト太陽電池は、軽量かつ柔軟に製造可能と
いう特徴を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは車体などの曲面
といった、さまざまな場所に設置できる次世代太陽電池として期待されている。
また、塗布などによる連続生産が可能であること、レアメタルを必要としないなど
のメリットも持つ。パナソニックではこれまでに、従来の結晶シリコン系の太陽電
池と同等の発電効率を有し、実用サイズ(800平方センチメートル四方)のモジュ
ールとして世界最高レベルという17.9%の発電効率を持つペロブスカイト太陽電
池を開発している。



今回開発したガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池は、これらの成果を生
し、ガラス基板上に発電層を直接形成したもの。同社独自のインクジェット塗
布製
法と、レーザー加工技術を組み合わせることで、サイズ、透過度、デザイ
ンなどの
自由度を高め、カスタマイズにも対応可能。パナソニックでは今後の実
証の結果
などをふまえ、ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池をさまざまな
建築物そ
のもののデザインと調和する「発電するガラス」の展開方針。

【関連情報】
1
富士経済は2023年3月、ペロブスカイト太陽電池などの市場展望をまとめた
「  2023年版 新型・次世代太陽電池の開発動向と市場の将来展望」を公表した。
 それによると、ペロブスカイト太陽電池の市場は、2035年に1兆円規模に拡大
るという。

2.太陽光のFIT/FIP入札制度、最低落札価格は「8円台」に突入
8月25日、電力広域的運営推進機関は、FITおよびFIP制度に基づく太陽光発電
の第17回入札(令和5年度第2回)の結果を公表。第17回の入札対象設備は、出
力500kW以上のFIP太陽光発電設備および出力250kW以上500kW未満のFIT
太陽光発電設備で、募集容量は110.8879MW、供給価格上限額は9.43円/kWh
となっていた。  結果は55件の落札があり、その再生可能エネルギー発電設備
の出力の合計は69.0742MWとなった。最低落札価格は8.95円/kWh、加重平均
落札価格は9.30円/kWh、最高落札価格は9.43円/kWhとなっており、ついに最低
価格は8円台に突入した。  なお、合計55件の落札の内訳は、FIP対象のものが
43件、合計約64.30MWで、FIT対象のもの(250kW以上500kW未満の)は12件、
合計約4.76MWとなっている。 via スマート・ジャパン 2023.9.9

  3.EV普及に欠かせない「充電インフラ」、政府が新たな整備指針案を公表 国
はグリーン成長戦略において、2030年までに公共用の急速充電器3万基を含む
充電インフラを15万基設置するとの目標を掲げてきたが、さらなる取り組みの加
速化のため、「充電インフラ整備促進に関する検討会」を設置し、検討を進めて
きた。検討会ではこれまで計6回の会合を経て、「充電インフラ整備促進に向けた
指針(案)」を作成し、公表。指針では、「1.ユーザーの利便性向上」「2.充電事業
の自立化・高度化」「3.社会全体の負担の低減」の3つの原則に基づき、世界に
比肩する、利便性が高く持続可能な充電インフラ社会の構築を目指す。






指針では、2025年度からの従量制課金の広範な導入を目指しCHAdeMO協議
会と電動車両用電力供給システム協議会(EVPOSSA)が中心となり、従量
制課金への対応・導入に必要な具体的ルール作りを進めることとした。
また現在、無料もしくは非常に安価な充電料金の充電設備が一部で運用さ
れているが、一定の密度で充電器を整備し、将来的にも充電器ネットワー
クを維持し続けるために、少なくとも補助金で設置される充電器について
は適正なコスト負担をユーザーに求めることなどを、充電事業者や設置自
治体において、継続検討していく予定としている。「充電インフラ整備促
進に向けた指針(案)」については、すでに8月30日からパブリックコメ
ント募集が開始されており、10月上旬を目処に「指針」の策定を予定。


出所:The White House
図1 今年8月でバイデン大統領がインフレ抑制法1年

太陽光導入量2033年に669GW、製造能力は17倍
太陽光パネルの国産化を後押し
9月8日、米バイデン大統領が、クリーンエネルギーと気候変動対策に投資
を促す史上最大規模の政策となるインフレ抑制法(Inflation Reduction Act:
IRA
)に署名して、今年8月16日で丸1年を迎える(図1)。インフレ抑制法
は、米国の気候変動目標の達成、クリーンエネルギー経済の構築、エネル
ギー安全保障の強化に向けた進歩を加速させる革新的な法律で、この法律
成立からわずか12カ月で、すでに米国のクリーン・エネルギー・セクター
に大きな影響を与えている。 via 日経クロステック

IRAには、米国内での再生可能エネルギー発電をサポートするため、再エ
ネ設備の製造事業者に対する連邦税額控除という生産インセンティブが含
まれている。メーカーが米国内で生産および販売する、太陽光パネルなど
各種再エネ設備を構成する部品単位あたりの税額控除で、連邦法人所得税
に対して申告する。対象となるのは、ポリシリコン(結晶シリコン)、ウ
エハー、セル(発電素子)、太陽光パネル(太陽電池モジュール)、イン
バーター(パワーコンディショナー)を含む太陽光発電設備、陸上と洋上
風力、そして、バッテリー(蓄電池) の部品、および米国内で製造され
た希少金属など重要な鉱物が含まれている。ちなみに、この生産税額控除
は、10年間有効。

太陽光設備製造へ投資100億ドル  米ホワイトハウス事務局によると、民
間セクターは、電気自動車(EV)のサプライチェーン関連設備の製造に70
0億ドル以上、太陽光発電関連の設備製造への100億ドル以上を含む、1100
億ドル以上の新たなクリーンエネルギー関連設備の製造に対する投資を発
表したという。

米太陽エネルギー産業協会(SEIA)も似たようなデータを発表しており、
SEIAの最新の分析によると、1年前にインフレ抑制法が可決されて以来、
米国の太陽光発電と蓄電池などエネルギー貯蔵関連会社は1000億米ドルを
超える民間投資を発表し、米国経済の成長に貢献しているとしている。
SEIAによると、米国では現在、太陽光発電とエネルギー貯蔵設備の製造が
急増しており、インフレ抑制法成立1年で、51の太陽光発電設備の製造施
設が新設または拡張された。SEIAの社長兼最高経営責任者(CEO)のアビ
ゲイル・ロス・ホッパー氏は「米国製クリーンエネルギー関連設備に対す
る前例のない需要の急増は、昨年議会が成立させたクリーンエネルギーに
対するインセンティブを高める法律(IRA)が効果を上げていることを示
す明らかな兆候だ」と語った。太陽光発電の供給側である製造施設への新
規投資は、約200億ドルで太陽光発電のサプライチェーン全体で155GWの新
たな生産能力の増強が発表された(図2)。その内訳は、太陽電池モジュ
ールで85GW太陽電池セルで43GW、シリコンインゴットとウエハーで20GW、
インバータで7GWとなる。


 図2 米国における太陽光発電関連のサプライチェーンごとの生産量(GW)
(注:青色=現在稼働中の生産量、水色=公表された生産量、出所:SEIA)

これらの発表された工場が稼働すれば、2026年までに米国はモジュール、
セル、ウエハー、インゴット、インバータの製造能力が現在の17倍以上と
なる。その規模は、今後、米国で建設が予定されている太陽光発電プロジ
ェクトの大部分に供給するのに十分なほどという。今後10年間で、米国の
太陽光発電・エネルギー貯蔵産業は、IRA可決以前に比べて13万7000人も
の新たな雇用を創出し、業界全体の労働力は2033年までに50万人近くまで
増加すると予測されている。昨年発表された太陽光発電設備の製造施設だ
けでも、2万人以上の米国人が雇用される予定だ。 同国の太陽光発電設備
の製造に従事する労働力は、今後10年で3倍の10万人以上に拡大する予定。

太陽光導入の押し上げ効果は160GW  
もちろんIRAは、太陽光発電設備の需要側、つまり発電事業者への投資イン
センティブも含まれている。その促進効果を見てみよう。  IRAの成立に
より、ITCと呼ばれる再エネ設備投資への税額控除が10年間という長期間
にわたって延長されることになった。ITCは、連邦政府による税制優遇措
置で、太陽光発電システムを含む、再エネ設備への投資に適用される。
太陽光発電設備の購入者である発電事業者が、設備導入にかかった投資額
の一定割合を税金の支払いから控除できる。つまり、この優遇措置により
納税義務者が支払うべき税金を削減できることになる。2022年時点で控除
率は26%であるが、今回のIRAは、既存のITCを拡張および強化し2022年の
初めから2032年末までに発生した設備投資費用については26%ではなく、
さらに高率となる30%もの税額控除の対象となる。SEIAは、今後10年間の
太陽光発電導入量を予測している。それによると、IRAによる導入量の押
し上げ効果は、IRAなしのシナリオで予想される水準に比べ 48%増にもな
るという。

それらの多くは、2033年までに稼働し、米国の累積太陽光発電導入容量は
669GWに達するという。その結果、太陽光の導入量は現在の 4倍超となる。  
この押し上げ効果を累積導入量の実数で見ると、IRAなしシナリオと比較し
て、今後10年間でさらに160GWもの太陽光の積み増しに匹敵する。さらに
SEIAの分析では、IRAにより、今後10年間で5650億ドルを超える新規投資
が太陽光発電関連市場で生まれ、IRAなしシナリオよりも1440億ドルの増
加となるとしている(図3)。


図3  米国における年間の太陽光発電・導入量推移(MW)
(青色:IRAによる拡大された導入量、水色:IRA無しの場合、出所:SEIA)
 再エネの中核である太陽光熱発電は、わたし(たち)が想定して
いる1キロワットアワー1円を実現するかのように逓減・コンパク化・ワ
イアレス化などに向かって革命的に進展しているようにみる。故山崎豊子
の小説タイトル『沈まぬ太陽』のごとき時代様相をみせている。



8月21日、青色発光ダイオード(LED)の発明でノーベル物理学賞を受賞し
た中村修二氏が、核融合に挑戦する。同氏らは2022年11月、核融合スター
トアップ米Blue Laser Fusion(ブルー・レーザー・フュージョン、BLF
を設立した。独自のレーザー技術を強みに、レーザー核融合で世界初とな
る商用化を目指す。発電能力を持つレーザー核融合実証炉を早ければ2030
年ごろに稼働させる計画。米国はUniversity of California, Santa Barbara(カ
リフォルニア大学サンタバーバラ校、UCSB)教授の中村氏と、早稲田大学
ベンチャーズ(WUV)ジェネラル・パートナーの太田裕朗氏らが共同創
業者となりBLFを設立した。同社が目指すレーザー核融合は、燃料に強力
なレーザーを繰り返し照射して核融合反応を起こして発電に利用する技術。

BLFは半導体レーザーの知見を生かすことで、独自のレーザー増幅の仕組み
を開発した。同社は技術の詳細を公表していないが、レーザー核融合の定
常運転に必要な4MJ(メガジュール)の出力と10Hz(ヘルツ)の繰り返し照
射、レーザー効率10%以上を実現する目標だ。このレーザー装置は工学的
な設計がシンプルなため、数年間の原理実証を経て実証炉に適用できると
見込む。
【関係技術情報】
1.特開2022-191576 高電圧 高圧力 直接印加型 核融合方式 深田 明美他
【概要】 絶縁体、または高抵抗、半導体などの性質を持つ、固体、液体、
及び反応中における高圧縮気体状の高密度な状態の、目的とする量に容易に
調整可能とした、多様な核融合燃料に対して、充分な高電圧で電力、即ち、
電子を印加、放電し、高エネルギーの状態を、瞬間的、または持続的に生
成し、燃料を物理的な隔壁、または一部開領域における機械的な加圧、爆
縮などを併せることで高密度の状態を生成し、電力、即ち電子の原子に対
する衝突により、原子に衝突電離を起こし、電離した原子核の衝突を促し
、補助的に電磁波や光粒子などの照射を行い原子の振動を促し、核融合反
応を誘起するものであり、その熱源を利用して多用途に適用するもので、
燃料に電力源から直接印加して、絶縁破壊、電離などを伴う核融合反応を
誘起させ、固体隔壁などより直接エネルギーを回収する持続可能なエネル
ギー発生方法を提供する。



図8.汎用熱源 本方式において、熱源として利用されるすべての用途に対
して、利用可能とする概念図である。産業用、家庭用などを問わず、給湯
、冷暖房、調理、その他、熱源利用が必要な用途に対して、電力を介して
行うもののほかに、熱源の直接利用も想定される。


図1 本発明の第一実施形態に係るレーザー推進装置を示す全体構成図
【符号の説明】 1 レーザー推進装置 2 本体部 3 レーザー照射装置 4
圧力調整装置 5 宇宙機 11 電源装置 12 監視用制御装置 21 開口
部 22 外筒 22a 凸部 23 内筒 24 移動体 24a 第一面 24b
第二面 25 シール材 26 加圧空間 27 蓋部材 31 レーザー発振器
32 レーザー照射ヘッド 33 光ファイバ 34 ビーム出力切替器 35
冷却装置 36 支持部材 41 気蓄器 42 レギュレータ 43 切替弁
------------------------------------------------------------------
ナノダイヤに太陽光照射でCO生成 ダイセル
CO2還元技術を実装へ 
 9月5日、ダイセルは工場を発生源とする二酸化炭素(CO2)を還元し、一
酸化炭素(CO)を生成する技術を2030年をめどに自社工場の一部に実装
する。細胞より小さな微細なダイヤモンド「爆轟(ばくごう)法ナノダイ
ヤモンド」を用いる方法でプロトタイプを月内に製造。実装に向けて課題
を洗い出し、検証する。COは化学製品の原料として活用する。同社では
実用化に向けた技術開発に他社の知見も必要としており、パートナー企業
を募る考え。 
➲先回のつづき
今回は関連特許技術を考察。
1.特開2022-092085 表面修飾ナノダイヤモンドおよび表面修飾ナノ
  炭素
粒子の製造方法
ナノダイヤモンド粒子と、前記ナノダイヤモンド粒子を表面修飾する下記
式(1)で表される基とを含む、表面修飾ナノダイヤモンド。
              -X-R1 (1)
[式(1)中、Xは、-NH-または-O-を示し、Xから左に伸びる結
合手はナノダイヤモンド粒子に結合する。R1は、置換基を有していても
よい2つの炭化水素基が、エステル結合、エーテル結合、カルボニル基、
またはアミド結合を介して結合した一価の有機基を示す。]
有機溶媒に対する分散性に優れる表面修飾ナノダイヤモンド、および様々
な表面修飾基を導入することができ、ジルコニアの混入が少なく、且つ容
易に表面修飾ナノ炭素粒子を製造することができる方法を提供する。
【発明の効果】
本開示の表面修飾ナノダイヤモンドは、有機溶媒に対する分散性に優れる。
また、本開示の表面修飾ナノ炭素粒子の製造方法によれば、様々な表面修
飾基を導入することができ、ジルコニアの混入が少なく、且つ容易に表面
修飾ナノ炭素粒子を製造することができる。

2.特開2011-92150 超微粒 ダイヤモンドを内部に取り込んだ植物及
 び
その製造方法 高橋 慎
【概要】
図1のごとく、植物に、超微粒ダイヤモンドを内部に取り込ませたものと
する。直この場合において、超微粒ダイヤモンドの表面に光反応触媒が担
持されていることが好ましい。また、光反応触媒は、超微粒ダイヤモンド
と光反応触媒の合計重量を100重量部とした場合、光反応触媒を0.1
重量部以上20重量部以下の範囲で含むことが好ましい。また、超微粒子
ダイヤモンドを内部に取り込んだ植物を製造する方法であって、平均分散
粒子径が10nm以下の超微粒ダイヤモンドが分散された溶液に植物を浸
して前記超微粒ダイヤモンドを内部に取り込ませる工程を有する。またこ
の場合において、超微粒ダイヤモンドは、溶液の重量を100重量部とし
た場合に、80重量部以下の範囲で含むことが好ましい。大型化が可能で
あって、回収が容易となる光反応触媒を用いたシステム及びその製造方法
を提供する。

3.特願2007-89811 触媒反応装置 東京電力株式会社
【概要】
下図1のごとく、光触媒を用いて反応を行う光触媒反応装置において、前
記光触媒を励起させる光源として紫外線発光ダイオード3,5を用い、紫
外線発光ダイオード3を反応容器1の周りに内面方向へ設置すると共に、
紫外線発光ダイオード5を反応容器1内に外面方向へ設置したことを特徴
とする光触媒反応装置であり、さらに、冷却装置6、バブリング装置11、
反応容器内の光触媒を分散したり反応容器内の溶媒を撹拌する超音波スター
ラー12、紫外線遮蔽保護カバー13を備えている光触媒反応装置でCO2
を光触媒反応により固定化し、有用な有機物や燃料へ転換するための反応
試験に供するのに好適な光触媒反応装置を提供。

4.特表2007-525974 葉緑体工学による植物の生産性を向上させる方法
国立大学法人 奈良先端科学 他
【概要】
本発明の目的は高等植物中で葉緑体工学によって特定の遺伝子を形質発現
させることによって 野生株に比べ高い光合成活性を持ち、生育及び生産
性が促進される形質転換植物にあって、花粉による導入遺伝子の拡散の恐
れが無い形質転換植物を提供することである。本発明によれば、葉緑体遺
伝子rbcLの相補的塩基配列と葉緑体遺伝子accDの相補的塩基配列
の間に、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ活性、セドヘプツロ
ース-1,7-ビスホスファターゼ活性を有するタンパク質をコードする
遺伝子を含むDNAフラグメントを含んだ、光合成活性を高める発現カセ
ットを有する遺伝子組み換えベクターを用いて形質転換植物が提供される。

【関係技術情報】


Keyword:
   Super reduction photocatalyst/ Methanation
掲載誌: ACS Catalysis
原 題:Selective CO2-to-Formate Conversion Driven by Visible Light
     over a Precious-Metal-Free Nonporous Coordination Polymer(希少金属
     を使わない非多孔性配位高分子による、可視光を用いたCO2の選択的
     ギ酸変換)
著 者:Yoshinobu Kamakura, Shuhei Yasuda, Naoki Hosokawa, Shunta Nishioka,
     Sawa Hongo, Toshiyuki Yokoi, Daisuke Tanaka, Kazuhiko Maeda
D O I : 10.1021/acscatal.2c02177
                                      この項つづく+

風蕭々と碧い時











John Lennon Imagine



Raúl di Blasio - ラウル・ディ・ブラシオ(1949.11.14 - )
アルゼンチンのザパラ生まれ。6歳でピアノに興味を持ち、タンゴやボサ
・ノヴァなどラテン音楽から勉強を始めました。やがてビートルズの影響
を受けロック・バンドを結成。しかし1973年にそれを解散させ、ピアノ演
奏で南米を回った末に活動拠点をチリに移す。1987年にはさらにマイアミ
へと移り住み、同じアルゼンチン出身で、1977年に「スプリング・レイン
」というインスト曲を全米でヒットさせ、プラシド・ドミンゴ等にもアレ
ンジを提供したべブ・シルヴェッティの協力を得てアルバムを制作。これ
がたいへんな評判となり、一躍人気のピアニストとなった。なお彼の自作
曲「秋に寄せて(オトナール)"Otoñal" 」はフィギュア・スケートの演技
で良く使われている美しい作品。

Richard Clayderman - リチャード・クレイダーマン (1953.12.28-)
フランス・パリ郊外のロマンヴィル生まれ。 音楽を教
えていた父の影響で、5歳の時には自然とピアノに向かっていた。アルフ
ァベットより先に楽譜を覚え、ワルツの小品を作曲したというエピソード
が残っている。義務教育と並行してコンセルヴァトワールでクラシック・
ピアノを学び、優秀な成績を収めるも、16歳で卒業と同時にポピュラーに
転向。バンド活動で注目され、一流歌手やタレントのバックミュージシャ
ンとして経験を積んだことが、その後の大きな強みとなる。 クラシック
のテクニックと幅広い音楽センスを併せ持ち、あらゆる鍵盤楽器を弾きこ
なす青年、フィリップ・パジェスは、様々なレコーディングやセッション
に欠かせない存在となっていった。

先回の続き:リチャード・クレイダーマンとラウル・ディ・ブラシオを聴い
て欲しいと言うので下記の二曲を掲載する。さて、お気に召すでしょうか。

Raul Di Blasio Melissa



A Comme Amour Richard Clayderman



今夜の寸評:「沈まぬ太陽」とはここでは再生エネルギーの中核太陽
エネルギーを利用し、電力変換するシステムのであり、システム構成する
群先端技術有することで世界に貢献する国家政策を称して初めて呼称する
のもであり、山崎豊子氏の小説『沈まぬ太陽』とダブらせたものでもある
が、かって
の「スペイン帝國」「イギリス帝國」とはなんら関係はない(
強いて言うなら、「博愛(兼愛)主義」あるいは「多国間(国連)主義」
や「平和(非戦)主義」)の意味を帯びる事業活動である。このブログで
掲載してきたように、2040年には、わたし(たち)の「オール再エネシステ
ム」が完成することで人類の消費社会に由来する「地球温暖化」を食い止
めることを目標であることは言うまでもない。先進国や新興国の電力料金
は、わたし(たち)が予言していたように1キロワットアワー1円に漸近
しつづけている。世界から取り残されぬよう健闘を祈っている、

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継続は力/沈黙は金

2023年09月07日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

   


【再エネ革命渦論 162: アフターコロナ時代 163
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
    特異点真っ直中 ㊷


図.人類救済するナノダイヤソリューション?➲ 3次元還元は "太陽光超還元"

ナノダイヤに太陽光照射でCO生成 ダイセル
CO2還元技術を実装へ

 9月5日、ダイセルは工場を発生源とする二酸化炭素(CO2)を還元し、一酸化炭
素(CO)を生成する技術を2030年をめどに自社工場の一部に実装する。細胞より
小さな微細なダイヤモンド「爆轟(ばくごう)法ナノダイヤモンド」を用いる方法でプ
ロトタイプを月内に製造。実装に向けて課題を洗い出し、検証する。COは化学製
品の原料として活用する。同社では実用化に向けた技術開発に他社の知見も必
要としており、パートナー企業を募る考え。 


図.唯一無二のカーボンネガティブ技術

 「太陽光超還元」。それは太陽光の照射だけで、 CO₂を半永久的に分解し、原料
に変え続ける。 カーボンネガィブを実現する新しい未来。
Scroll 太陽光超還元 これまでのCO₂還元技術のほとんどは、CO₂を分解するため
に大きな電力を必要とし、その電力を生み出す際にCO₂を発生させている。ダイセ
ルの「太陽光超還元」は、太陽光を照射するだけで周囲の空間に生成される水和
電子により、高い効率でCO₂を一酸化炭素と酸素に分解し続ける。

そして、ナノダイヤは劣化しないためその反応は半永久的。さらにはH₂Oを水素と
酸素に分解することも可能。 発生した水素と一酸化炭素で例えばメタノールを合
成すれば、原料として再利用できる。 ナノダイヤソリューションの太陽光超還元は、
3D還元。 これまでの還元技術は固体触媒の表面のみで起こるものだが、 「太陽
光超還元」では水和電子が周囲の空間に放出されるため、2次元ではなく3次元
での高効率な還元反応を実現。 必要なエネルギーは太陽光のみ。

唯一無二のカーボンネガティブ技術。 これまでのCO₂還元技術では、触媒にCO₂
を吸着させ電子と反応させるために電力を必要とし、電力の使用に際しCO₂を発
生させてしまうという問題があったが、「太陽光超還元」では太陽光を照射するだ
けでナノダイヤ中の電子が周囲の空間に放出されるため、人工エネルギーをほ
とんど必要としない。そしてナノダイヤは化学的に安定で劣化しないため、半永
久的にCO₂を分解。 


図.二酸化炭素を減量を一酸化酸素に変える必要エネルギー比較

 実装するのは爆薬を起爆させることによるエネルギーを利用する爆轟法で製造し
たナノダイヤを使った太陽光超還元技術。直径3~5ナノメートルと微細なナノダ
イヤに太陽光を照射することで、CO2 をCOと酸素に分解する。 実装するシステ
ムの規模や工場については今後検証する。 太陽光超還元技術では水中でCO2
を還元。 太陽光がナノダイヤによる新しい固体触媒と反応することで電子が水中
に放出され水和電子となり、水和電子がCO2と反応してCOが放出される。ナノダ
イヤの構造が反応のカギになるという。 生産技術部門やエンジニアリング部門な
どで協力し、プロトタイプを用いてスケールアップや実装に向けた検証を進める。
COはダイセルの酢酸セルロース製造やエンジニアリングプラスチックの原料など
に使用できる。同社は2012年にナノダイヤの開発に着手し、2019年からサンプル
出荷を開始。太陽光超還元用途では2021年にCO2からCOへ還元できることを確
認した。COの原料化などでパートナー企業との連携を検討する方針。


図 ナノダイヤモンド特性

ところで、「爆轟法」とはなんだろう、ダイセルよきくと、ニトロセルロースやノーベル
賞のTNTや熊本大学の火薬爆発の衝撃力応用工学が頭をよぎるがどうか?
ブラバス・ジャパン株式会社の「爆轟法ナノダイアモンド(SNMD)とは」のネット上で
のプレゼンによると、

 爆轟法ナノダイアモンドは、軍事用火薬の再利用を平和目的に現実化したも
 のである。 製法は、 TNT火薬(トリニトロトルエン)と RDX火薬(トリメチレント
 リニトロアミン:ヘキソーゲン)を混合し、 無酸素状態で爆轟(Detonation)させ
 ることによって製造できる。 この生成方法は、1963年にロシアアカデミーのダ
 ニレンコ博士らの実験から60年前に発見されたもの。

やはり、直感は正しかった。 「ネオコンバーテック創成論」の中核である。
しかし、
上記プレゼンは分かりやすいが、三次元だけあってコントロールが
難しいそうだと
いう印象をもつ。
もう一つ、「爆轟法ナノダイヤモンドの産業応用を 目指した材料の開発」
(神戸大学博士論文、著者:間彦 智明氏 2020年1月)を参考にする。

 1.6.3 DND 生成メカニズム 

 Ⅱ:Dolmatov 博士の生成理論
 Dolmatov 博士の生成メカニズム仮説は Danilenko 博士が説明する CRZ 中に
 おける DND の形成過程を補完するものと考えられる。Dolmatov 博士は、爆
  轟による TNT や RDX の分 解過程ではプラズマ状態の中で活性なメチルラジ
 カルの基になるメチル基とニトロ基が離 脱し、さらにベンゼン環の分裂によって
   C2ラジカルが生成すると提唱する(図 1-7)。この 仮説は TNT の C-C、C-O、C
  -N のすべての結合を切断するためには 23900kJ/mol のエネルギ ーが必要で
 あるのに対して爆薬の分解に伴う熱は 4312kJ/mol しかなく、一方のRDX にお
 
いても C-C、C-N を切るためには 19400kJ/mol 必要であるのに対して分解によ
 る熱は 5861kJ/mol しかなく、全ての炭素に関連する結合をバラバラに切断す
 ることが出来ないこと を根拠として立案されている。

 次は C2ラジカルから DND が形成される工程である(図 1-8)。TNT の分解に
 よって生成 された C2ラジカルは CRZ においてベンゼン環ではなく、エネルギ
 ー的に有利なシクロヘキ サンを形成し、それを核として C2ラジカルがシクロヘ
 キサンからなる粒子や直接アダマン タンと反応しナノダイヤ粒子に成長する。
 一方 RDX からも少量の炭素ラジカルが生じるこ とが推察されているが、こち
  らの炭素はほとんどダイヤモンドの形成に使われない。TNT のベンゼン環の
   炭素をC14に置換したTNT/RDX=50/50の混合爆薬でのダイヤ合成実験にお
   いて、ナノダイヤ中の TNT 由来の炭素は 93%であったことから RDX 由来の
   炭素はほとん ど DND 形成に寄与しないことが確認されている 9)。 DND の
  成長過程はナノダイヤの結晶のサイズが粒子の中心から数えて 35~40
 番
目の炭 素に至ったとき、温度と圧力に大きな勾配ができ、カーボン
 は sp3では
なく、sp2(グラファイト形成)が形成され、ナノダイヤの
 成長は停止する。グラフ
ァイトの成長は特別なフェーズでなくナノダイ
 ヤの結晶成長の変わった形であ
る。ナノダイヤ粒子のサイズが成長する
 につれて反応に寄与する表面積が減り、そのプロセスに含まれる C2ラ
 ジカルの量が減っていくことで成長が停止する)。

 図 1-8 Dolmatov 博士による C2ラジカルからナノダイヤモンドが形成
  される過程

以上のような考察を踏まえ、この論文の「第2章 爆轟法ナノダイヤモンド
(DND)の事業化検討」「2.3 事業戦略」を提出。「3 章 半導体集積回
路実装技術への DND の応用」へと展開される。
                           この項つづく

検知対象に応じて3種類の周波数帯 非接触検知システム向け評価キット
8月22日、SMKは、ミリ波センサー「Milweb」を用いた非接触検知システムの
開発を支援する評価キット「MAK」を開発、販売を始めた。利用シーンに合

わせて、24GHz/60GHz/79GHzと3種類の周波数帯に対応するキットを用意
SMKのMilwebは、距離や速度、角度を検知するミリ波センサーと、収集した
データを処理するアルゴリズムを組み合わせた製品。検出精度が高く、周
囲環境の影響を受けにくい、などの特長がある。ただ、システムへ組み込
む際には、専門的な知識も必要となっていた。  



そこでSMKは、非接触検知システムを迅速に開発できるよう評価キットを開
発した。今回は検知対象に応じて、使用する周波数帯が異なる3製品を用意
した。24GHz帯を用い1m/3m以内を検知範囲とする「MAK24」、60GHz帯を用
い検知範囲が5m以内の「MAK60」および、79GHz帯を用い検知範囲が100m以
内という「MAK79」(開発中)である。MAK24の主な仕様は、外形寸法が100.6
×80.6×23.5mm、アンテナ構成はTx、Rxとも1チャネル、変調方式はCW、消
費電流は200mA(代表値)、定格電源電圧はDC5Vである。同様にMAK60とMAK
79はいずれも、外形寸法が67.6×51.5×26mm、アンテナ構成はTxが3チャネ
ル、Rxが4チャネル、変調方式はFMCW、消費電流は400mA(代表値)、定格
電源電圧はDC5Vとなっている。



会話や音楽で発電できる超薄型音力発電素子
9月1日、東京大学の研究グループは、会話や音楽、環境騒音などを利用し
て発
電できる「音力発電素子」を開発。総厚みは50μmと極めて薄く、電
力密度も世界
最高レベルを実現。
【要点】
1.世界最高電力密度(8.2 W/m2)の超薄型音力発電素子の開発に成功。
2.この音力発電素子は、圧電材料を含む柔らかいナノファイバーシート
 3層から構成されており、総厚さは50マイクロメートルと極薄である・
3.話の音や周辺からの音楽といった環境音を用いて発電することが可能
 であるため、今後、モノのインターネット(IoT)やウェアラブル機器へ
 の様々な音を用いた電力供給が期待される。


【概要】
近年、電子機器の小型化と高性能化が進み、ウェアラブル機器やIoTの普
及が進んでいます。それに伴い、交換不要な電源の開発が望まれていた。
このような状況で、周囲の環境に存在する微小なエネルギーを電力に変換
する環境発電技術は、持続的な電力源としての応用が期待されている。環
境発電技術の中で、音響エネルギーを用いた発電は、光や温度などを用い
たエネルギー源に比べて季節や地域の気候変動の影響を受けにくいため、
持続的な電力源としての可能性が注目されている。これまで、圧電材料を
用いた発電床システムや、特定の周波数を持つ音響エネルギーを共鳴させ
て増幅できる立体的な構造を持つ音力発電素子が提案されてきた。しかし、
薄型で高効率な音力発電素子を実現することは困難であるとされている。
これは、一般的に電力変換効率を向上させるために用いられる立体的な構
造などを、薄い素子に持たせることが困難であること、また音による振動
を増幅させるための微細な穴などの構造を薄型素子に加工することが技術
的に難しかった。さらに、薄型素子は従来の厚い素子と比べて、同じ音に
よる変形が大きくなってしまうため、薄さと耐久性を両立することも課題
となっていた。
【成果】
本研究グループは、電界紡糸法によって形成した複数のナノファイバーシ
ートを積層することで、超薄型(50マイクロメートル以下)のナノメッシ
ュ音力発電素子を開発することに成功。開発した発電素子は、2層のナノ
ファイバー電極シートで、圧電材料であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)
のナノファイバーシートを挟むことで形成されている(上図1)。ナノフ
ァイバーシートはファイバー径が数百ナノメートルの多数のファイバーか
ら形成されているため、シート上に多数の微細な穴がある構造を持ってい
る。すべての層に通気性があり、音による空気の振動が圧電材料であるPV
DFナノファイバーシートに直接伝わるため、平らな基板の上に製造される
従来の薄型発電素子よりも環境音を用いて大きな電力を生み出すことがで
きるす。さらに、PVDFナノファイバーシートのファイバーを一方向に配向
させることで、世界最高の電力密度(8.2 W/m2を実現した(図2)。


図2:ナノメッシュ音力発電素子の発電性能
115 dBの音源に対して、薄型音力素子の中で世界最高の電力密度(8.2 W/
m2)を生成する
【展望】
今回開発した音力発電素子は、周辺からの環境音を高効率で電力に変換す
ることができ、たとえば、開発したセンサをマスクに貼り付け、会話の音
や周辺からの音楽を電力に変換することで、発光ダイオード(Light Emitting
Diode:LED
)を光らせることができました(図3)。さらに、温湿度セン
サと組み合わせることで、環境の温度と湿度を計測し、無線でデータを転
送するセンサシステムの電力源として使用できることを確かめました。今
後、IoTやウェアラブル機器への様々な音を用いた電力供給が期待される。


図3:ナノメッシュ音力発電素子をマスクに貼り付けた
【関係技術情報】
〈雑誌〉Device(8月15日付、オンライン版)
〈題名〉High power density nanomesh acoustic energy harvester for self-powered
      systems

〈著者〉Md Osman Goni Nayeem, Haoyang Wang, Chihiro Okutani, Wenqing
     Wang, Chunya Wang, Sunghoon Lee, Tomoyuki Yokota, Takao Someya

〈DOI〉10.1016/j.device.2023.100050
〈URL〉https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666998623000741



【内容】
植木屋も知らない、「木を枯らさない、正しい剪り方」がある!年1回で
も、思い立った時でも、対処できる剪定法。
【目次】
1 剪定とは?
2 木がダメになる「素人切り」
3 たった1つの正しい剪り方―CODIT(コジット)理論
4 切る枝と残す枝を見分ける
5 剪定の極意
6 樹種別剪定のコツ
7 人と木の関係を考える
------------------------------------------------------------------
【おれの剪定日誌 ⑨:剪定概論 ③】

第3章 たつたた一つの正しい剪り方

第2節 CODIT(コジット)理論実践編
乱暴に剪定された本を見ると、とても悲しくなる。切り残した先っぽがあ
ってもどうということはないと思うのであれば、剪定のことを何もわかつて
いない。正しく切ると傷口にカルスができてふさがり、腐朽菌の侵入は最
低限に止まるが、切り残しがあるとカルスが巻けずに腐朽が内部まで進行
する。後から切り直しても手遅れだ。侵入した腐朽はやがて幹内部にまで進
み、いずれは根元まで枯れが 進むだろう。枝の切り方は落葉樹も常緑樹も
関係がなく、枝が太くても細くても同じである。

56ページのように、角度と位置を決めて丁寧に切る。  
中途切りされ枯れの入っていた枝を割ってみると、切り残した枝から腐朽
が枝の内部に向かっているのがわかる。表面は元気でも、内部では腐朽が進
行しているのだ。ちょっとした枯れくらいどうってことがないようだが、確
実に本にダメージを与える。まずは、正しく切ることを心がけてほしい。


第4章 切る枝と残す枝を見分ける
第1節 人にとっての不要な枝とは? 
わざわざ「人にとっての」とつけたのは、木の名誉のためである。
「忌み枝(不要枝)」という言葉があるが、これは人の1000倍も偉い生物と
しての先輩、木に対して随分と失礼な言い方だと思う。雑草や害虫の研究
をされている先生方の本を読むと、「雑草という名の草はない!」とか「
虫に害虫も益虫もない!」なとと書かれている。もっともなことである。
元来、木にとって無駄な枝や葉は1つもない。それぞれに理由があって、
そこに存在しているのである。いわば『意昧枝』である。
木は、 主柱が弱ってくるとそれを補うための柱を出したり、光合成に必要
な枝葉が足りなくなると徒長枝を出したりするなとの対策をとる。生きるた
めに茂り、大きくなり、葉っぱを散らしている。人が誕生する何億年も前から、
同じ営みを続けてきたのだ。

だから、忌み枝だから必ず切らなければならないということはない。そこに
あると美観を損ねる
維持管理上問題があると人間が考えた枝がたまたま不
要な柱になってしまうので、「申し訳ないが手を入れさせてもらう」という
気持ちで、すべての柱に接してほしい。木は、自分ではとうすることもでき
ないのだから、「人間様が気を利かせて取り除いてやる」なととは、努々思
ってはいけない。
繰り返しになるが、不要枝とは人にとっての不要な柱である。木にはそれら
の柱を生やしている理由があるのだろうから、人は美観上や管理上など切り
たい枝にそれなりの理由を考え、何も言わない木に説明して折り合いをつ
ける責任がある。それが剪定という作業だ。訳もなく一方的に切ってはし
けないと思う。

忌み枝の種類と切るべき枝とは?
どの剪定の本にも、忌み枝の図が掲載されており、これに従って枝を切る
ように解説されている。しかし、実際の本を前にして、即座にどれが忌み枝な
のかをいえる人は少ないだろう。これらの図はわかりやすく忌み枝を説明し
ているが、現実には判断がしにくい枝が多いのである。
 例えば、株立ちの木はひこばえがそのまま徒長枝でもあり、絡み枝にもな
り得る。また、実際の本の内側は複雑に入り組んでいて、プロでも不要な枝
を見落とすことがある。
なので、忌み枝の名称を積極的に覚える必要はない。「○○枝だから切る」
のではなく、『何となく美観にそぐわない枝を切ろうと思って照らし合わ
せてみたら、それがまさに忌み枝だった』という程度の捉え方がよいだろう。
大事なのは感性であり、名称を暗記することではない。自分の剪定が正し
いかどうかを確認するための参考にするだけでよいと思う。
本音を言うと、「切るべき枝」を説明するのはやっかいなので、簡単な図解
で逃げてしまいたい。しかし、剪定にとって大切なところなので、出現の頻
度が高い順、わかりやすい順、切除される可能性が高い順なとを意識して解
説する。
 なお、※のついたものは、筆者が命名したもので、正式名称ではない。
                           この項つづく

          
バイオガスのアップグリード工程での計測ポイント  via  jp.wikipedia

脱炭素社会を計測で支える ヴァイサラ独自の技術

温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすることを意味する「カーボンニュ
ートラル」。日本を含む120以上の国・地域が2050年までにカーボンニュー
トラルを目指すことを宣言している。2021年に開かれた第26回気候変動枠
組条約締約国会議(COP26)では、岸田文雄首相が2030年度に、温室効果ガ
スを、2013年度比で46パーセント削減することを目指し、さらに、50パー
セントの高みに向け挑戦を続けていくことを表明したように、多くの企業
が2030年度に向けて新技術を含む脱炭素のアクションを既に開始している。

それでは。CO2排出を減らすためには具体的に何をすればいいのか。CO2は燃
料を燃焼した際に発生するガスであるため、CO2を何かに変換するためには
当然ながらエネルギーが必要となる。また、CO2を回収するにも、同様にエ
ネルギーが必要であるが、そのために化石燃料を使用しては本末転倒。
また、そもそもどこでどれほどのガスが出ているのかを把握しなければ始
まらない。
さらに、CO2の回収・貯留(CCS)もCCUと同様に脱炭素には必要な方策。日
本には大規模な油田やガス田がないため、深部塩水性帯水層への貯留が主
になる。貯留時のCO2濃度は99%以上となるため、高濃度のCO2を計測する場
合はマルチガスプローブMGP260シリーズがこれに対応可能。CO2削減の手段
として、主に以下の3つを挙げる。

(1)再生可能エネルギーの活用
(2)CO2を回収・利用もしくは貯蔵
(3)化石由来のエネルギー使用の効率化や省エネ 

再生可能エネルギーとしてのバイオガス活用
再生可能エネルギーには、太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマス、
バイオガスなどがある。バイオガス発電運用の効率化においては、消化槽
から排出されるガス中のリアルタイム計測や熱電併給システム(コージェ
ネレーション/CHP)の効率的運用が重要。メタン、CO2、水分の3成分を同
時計測する弊社のマルチガスプローブ(MGP260シリーズ)は、バイオガス
中の配管に直接取り付けが可能で、硫化水素がある環境でも耐久性に優れ
ている。また、発酵の状態をリアルタイムで把握するのに役立つ。CHPの出
力電力を最大化するためには、CHPに吸気前のメタン計測が有用である。ま
た、バイオガスをアップグレードして高濃度のメタンにする工程では、メ
タン濃度が約60%の吸気や約98%の排気箇所で正確なメタン計測が必要と
なる。このためヴァイサラのMGP260シリーズが、プロセスの改善、CHPの保
護としてプラント運用に必要な計測機器として採用されている。



CO2の回収・利用・貯蔵で活かせる計測機器
CCU(CO2回収・利用)やCCS(CO2回収・貯蔵)もしくは、2つの言葉を合わ
せたCCUSというワードが広く注目されるている。CO2を回収する技術は化学
吸収法、物理吸収法、個体吸収法、膜分離法を始めいくつかある。各技術
には、低分圧または高分圧に向いている、または大容量や小型化が得意と
いう特徴があり、また、回収するガスの種類によっても、採用される技術
は変わってきており、計測機器も、どのような回収技術が採用されている
かに応じ、検討する必要がある。

吸気・排気の工程では、CO2計測が必要になる。例えば、回収ガスが石油精
製工場、製鉄所、セメントの製造工程などの排ガスで高濃度のCO2が含まれ
る場合や、工業炉やオフィスなどから出る5%以下の低濃度の場合、更に注
目技術のDAC(直接空気回収)の場合は、空気中のCO2レベルの計測が必要
であり、ppmレベルの計測を必要。計測したい濃度にあった計測機器を選定
することが重要に。計測対象ガスの濃度だけでなく、小型のCO2回収装置の
ように装置組み込みか、製造ラインに直接挿入が良いのかで計測機器のサ
イズも考える必要がある。ヴァイサラは各技術・工程に最適な低濃度から
高濃度、防爆、非防爆など様々なラインナップを揃える。

次に、回収したCO2の利用では、注目される技術の1つがメタネーションと
なる。メタネーションとは、グリーン水素やブルー水素とCO2からメタンを
精製することである。メタン濃度は90%以上になる。精製されたメタンを
都市ガスの代替として使用する場合メタン濃度は約90%になる。正確なメタ
ンの供給量を把握するには、合成されたメタンの濃度を正確に測定する必
要がある。「ヴァイサラのマルチガスプローブは、正確なメタン計測だけで
なく水分も同時計測したいというニーズに応える製品。メタネーションに
おけるプロセス中の正確な計測はメタネーションの効率的な運用をサポー
トする。

加えて、CO2の回収・貯留(CCS)もCCUと同様に脱炭素には必要な方策。
日本には大規模な油田やガス田がないため、深部塩水性帯水層への貯留が主
になる。貯留時のCO2濃度は99%以上となるため、高濃度のCO2を計測する場
合はマルチガスプローブMGP260シリーズが対応する。



【集約】計測でカーボンニュートラルを支える
2050年までにカーボンニュートラルを達成するには、あらゆる手段を用い
る必要がある。電力分野では、再生可能エネルギーやカーボンフリー火力
をはじめとして、非電力分野では水素還元製鉄や燃料電池車などの水素利
用の拡大、合成メタン、合成プロパン、合成液体燃料の利用が必要である。
これらの施策については、すでに研究開発・実証試験が進められており、
新技術も次々と生まれている。「ヴァイサラは今年で日本法人40周年を迎
える。長期にわたり日本の産業界をサポートしてきた計測技術で、カーボ
ンニュートラルを支える新技術と共創して脱炭素を推し進める。
                           この項つづく
 風蕭々と碧い時











John Lennon Imagine





これは困っているのだが、リチャードグレーダマンなどのピアノ曲に嵌っ
ているのだとスマートフォーンのイヤホンを無理矢理わたしの耳に挿入す
るのでお付き合いさせられる。それでなくとも細かな「モロハラ」を繰り
返し手をやいている。それじゃ私も聴いてみるのでと約束させられ、二曲
を適当に選び、ラインすることに。





今夜の寸評継続は力/沈黙は金
今日も、あっというまに時間がながれた。崩れそうになっても、温暖化を食い止め
る事業家の夢を保持している。そういえば、叔母(故人)に叱られながらも、この彦
根に住まうこととなり、何とか家族四人で踏ん張っている自分を肯定しつつ、大切
な決断の瞬間の”沈黙の記憶"の数々を背負い生きながらえていることを賞賛した
い。

※コメント➲「DXテクノロジーの最前線ですね。日立金属(プロテリアル)時代の
  CCSCモデルの論文入手しました。」➲残件扱い

コメント (1)
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歯のケア効果概論 ①

2023年09月06日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

               ダイスDa-iCE聴き きみが指さす いわし雲
                         
            

【今朝の水生植物図鑑:アギナシ】



アギナシ(顎無し、学名:Sagittaria aginashi)は、オモダカ科オモダカ属の
抽水性の多年草。 生態葉は 根生、発生初期はヘラ状の葉を中心に形成す
るが、次第に矢尻型の葉をつける。花期は7-10月で、最大100cmになる花
茎に、3枚の白い花弁をもつ花が輪生しまばらな穂となる。穂の上部に雄花、
下部に雌花、雄花には黄色の雄蕊、雌花には緑色の雌蕊が共に多数ある。
果実は翼のある倒卵形。 また夏ごろから、葉柄の基部に大きさ3-6mmほど
の小さな塊茎を多数産生する。この塊茎によって栄養繁殖と越冬を行う。
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、山間の湖沼や湿地、ため
池、放棄水田等に生育する。世界では、朝鮮半島に分布する。
via  jp. Wikipedia 
※ 見出し写真:ニオイスイレン


歯のケア効果概論 ① 
歯医者でオーラルケアを考える

1ヶ月前に上顎の前歯の治療をうけたエナメル質の補修剤が剥離したため補修
とオーロラケアの歯垢除去施行で通院していた。最後の4回目のアフタケアをウ
ケながら、「私は自分歯を愛していなかった」ことに気がつき、そのことを、歯科医
に正直に告げた。そして治療を受けながら、次のようになケアの要領を教えてい
ただいた。
1.口のケアは睡眠前が最も効果がある。
2.唾液の分泌量が減るため細菌が増殖する➲歯周病をひき起こす原因とされ
 ている歯垢(プラー1ク)は、細菌のかたまり。歯垢lmg中になんと1億個以上の細
 菌が棲みついている。おやすみ中は唾液の分泌量が減るために歯周病、口臭
 などの原因菌が増殖しやすくなり、翌朝の不快感をひき起す原因のひとつとな
 る。 口臭を防ぐには歯周病菌を殺菌して、プラークや舌苔がたまるのを防ぎ、口
 
の中を清潔に保つように心掛ける。
3.歯周病は、全身の健康とも関連➲歯周病は、細菌による感染症ですが、近年
 さまざまな生活習慣や全身疾患とのかかわりが明らかになってきた。喫煙、 ス
 トレス、糖尿病などは歯周病のリスク歯周病は、細菌による感染症だが、近年さ
 まざまな生活習慣や全身疾患とのかかわりが明らかになっているた。喫 煙、ス
 トレス、糖尿病などは歯周病のリスクを高めることもわかり、ストレスや疲労をた
 めていたり、夜更かしが多いと生体の防御機能が働きにくくなるので、口のケア
 をていねいにする。
4.とくに歯みがきは、これらの細菌を取り除くことを目的にし、時間をかけててい
 ねいに行う。また、歯ブラシの届かない歯と歯の問の歯垢は、歯間クリーナー(
 歯問ブラシやデンタルフロスなど)で、徹底してきれいにしましょう。CPC(塩化
 セチルピリジニウム)を配合した液体ハミガキ・洗□液は、口のすみすみまで行き
 渡り、歯周病菌の増殖を抑え、さらに気になる口臭の抑制につながる。オーラル
 ケアのための新しい習慣として毎日の歯みがきに加えて洗口液を使用が効果
 的。


歯磨き時間は3分間➲早速、ネル前に3分(タイマー計測)を実践。➲やはり
長い。長いを承知つづけることに。➲継続を快適生活に転換・維持に!

 From Oral to Overall Health

図2.口腔状態と全身疾患の関連性

ところで、口にくわえるだけで歯を磨けるというマウスピース型の“全自動歯ブラ
シ”を、早稲田大学と、同大発のベンチャー企業・Genicsの研究チームが開発、
米ラスベガスで開催中の「CES 2019」に出展しているが、筋力の低下した高齢者
や手に障害がある人でも独力で磨ける。実証実験を進め、年内には試験販売を
始めている(下図)が、非常にメカニカルなもので、関心はするが、ナノバブル噴
射方式がいいのではないかと考えるネットサーフすると間もなくヒットする。



これは199年代に考案していたものだが、ダイアリ-・グッズ(生活用品)
向けは
かんがえていなかったが、細菌はシャワーヘッドがその部類が普及
しており、ナノバブル+α(超音波や水素)が普及しているから。二十年
前に「ガレージ開発・販売」していたら、面白い展開になっていたかも(
これは、開発現場を知るものは一様に思うことだが)。と考え特許事例を
調べる。

【関係技術情報】
1.特開2023-50745 泡状口腔用製品 ライオン株式会社
2.特開2022-119841 歯科用ミルブランクおよびその製造方法 クラレノリ
 タケデンタル株式会社
3.特開2013-138919 マイクロストリーミングによってバイオフィルムを
  除去する方法及び装置 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニ
  クス エヌ ヴィ
4.特開2022-171716 ブラシヘッド及び電動歯 パナソニックIPマネジメン
【概要】
下図6のごとく、歯磨き用の植毛部12Cを含むブラシヘッド10と、ブ
ラシヘッド10を保持するハンドル部20とを備えた電動歯ブラシ1であ
って、ブラシヘッド10は、ハンドル部20に着脱自在な外殻部14Aと、
外殻部14Aの内壁部14Bの側にある内殻部12と、外殻部14Aに保
持される第1金属体30等と、内殻部12に保持され、第1金属体30等
と接触する第2金属体32等とを一体的に含む。ハンドル部20は、内殻
部12を振動させる駆動部22を含む。内殻部12は、ハンドル部20に
外殻部14Aを取り付けた状態で駆動部22に接続される。第1金属体3
0等又は第2金属体32等の少なくとも一方は、水との化学反応によって
水素を発生する金属系物質を含有し微細な気泡を発生させて口腔内を洗浄
する小型の電動歯ブラシを提供する。

図6.図2のVI-VI断面に対応した筐体部の断面図

図2.本開示の一実施形態に係る電動歯ブラシを示す正面図
【符号の説明】
1 電動歯ブラシ 10 ブラシヘッド 12 内殻部 12A 筐体部 12C
植毛部 12F 収容部 12G 第1貫通穴 12H 植毛面 12I 第2貫
通穴 12J 貫通部 14A 外殻部 14B 内壁部 20 ハンドル部 22
駆動部 30 第1金属体 31 第1金属体 32 第2金属体 33 第2金
属体 36 第1付勢部材 38 第2付勢部材 40 支持棒 42 突起部
FB 気泡

5.特許7042013 ファインバブル発生装置 栗山 嘉和 他
【概要】
下図2のごとく、略円筒状の本体部10と、液体が流入する側の第1端部
11に形成された液体導入部20と、液体導入部20と連通する貫通孔30
とを備え、液体導入部20は、円形の開口25を有し、本体部10の第1
端部11から第2端部12に向かって徐々に断面積が減少し、貫通孔30
は、本体部10の中心軸L1に垂直な任意の断面において、最も幅の狭い
部分を含む中心領域31と、中心軸L1に対して対称に形成され、最も幅
の広い部分を含む第1周辺領域32及び第2周辺領域33とで形成され、
中心領域31と第1周辺領域32及び第2周辺領域33は連続した曲線で
連通され、貫通孔30を規定する断面は、中心軸L1方向に沿って、第1
端部側11から第2端部側12に向かって少なくとも270度回転してい
る、簡単な構造でありながら、十分な量のナノバブルを発生しうるファイ
ンバブル発生装置を提供する。


図2.本発明に係るファインバブル発生装置の外観構成を示す斜視図
【符号の説明】
1 ファインバブル発生装置 2 シャワーヘッド 3 ホース 10 本体部
11 第1端部 12 第2端部 20 液体導入部 21~24 斜面 25
円形の開口 30 貫通孔 31 中心領域 31a 第1半径部 32 第1周
辺領域 32a 第2半径部 32b 第3半径部 32c 第4半径部 33
第2周辺領域 33a 第2半径部 33b 第3半径部 33c 第4半径部
34 斜面 

【特許請求の範囲】
【請求項1】 外形が略円筒状の本体部と、液体が流入する側の第1端部に
形成された液体導入部と、前記液体導入部と連通し、前記本体部をその中
心軸方向に貫通する貫通孔とを備え、 前記液体導入部は、前記本体部の前
記第1端部において略円形の開口を有し、前記本体部の中心軸を含む所定
の断面において、前記本体部の前記第1端部とは反対側の第2端部に向か
って徐々に断面積が減少するように形成されており、 前記本体部の中心軸
に垂直な任意の断面において、前記貫通孔は、前記本体部の中心軸を含み
第1方向における最も幅の狭い部分を含む中心領域と、前記第1方向に直
交する第2方向において前記本体部の中心軸に対して対称に形成され、前
記第1方向における最も幅の広い部分を含む第1周辺領域及び第2周辺領
域とで形成され、前記中心領域と、前記第1周辺領域及び前記第2周辺領
域は、角が存在しない連続した曲線で連通され、 前記貫通孔を規定する前
記本体部の中心軸に垂直な任意の断面は、前記本体部の中心軸方向に沿っ
て、前記第1端部側から前記第2端部側に向かって少なくとも270度回
転している、ことを特徴とするファインバブル発生装置。
【請求項2】 前記液体導入部は、前記本体部の中心軸を含む所定の断面に
おいて、角が存在しない連続した曲線状に形成されていることを特徴とす
る請求項1に記載のファインバブル発生装置。
【請求項3】 前記本体部の中心軸に垂直な任意の断面において、 前記中
心領域は、前記本体部の中心軸に対して内向に凸な第1半径を有し、前記
本体部の中心軸を通り、前記第2方向に平行な対称軸に対して対称に互い
に対向する2つの第1半径部で形成され、 前記第1周辺領域及び前記第
2周辺領域は、それぞれ、前記本体部の中心軸を中心とする第2半径を有し、
前記本体部の中心軸に対して外向に凸な第2半径部と、前記第1半径より
も大きく、かつ、前記第2半径よりも小さな第3半径を有し、前記対称軸
に対して対称で、前記第2半径部と連続する、前記本体部の中心軸に対し
て外向に凸な2つの第3半径部と、前記第1半径よりも小さな第4半径を
有し、前記対称軸に対して対称で、前記第3半径部と前記第1半径部と連
続する、前記本体部の中心軸に対して外向に凸な2つの第4半径部とで形
成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファインバ
ブル発生装置。
【請求項4】 前記本体部の中心軸に垂直な任意の断面において、 前記中
心領域は、前記本体部の中心軸に対して内向に凸な第1半径を有し、前記
本体部の中心軸を通り、前記第2方向に平行な対称軸に対して対称に互い
に対向する2つの第1半径部で形成され、 前記第1周辺領域及び前記第
2周辺領域は、それぞれ、前記本体部の中心軸を中心とする第2半径を有
し、前記本体部の中心軸に対して外向に凸な第2半径部と、前記第1半径
よりも小さい第4半径を有し、前記対称軸に対して対称で、前記第1半径
部及び前記第2半径部と連続する、前記本体部の中心軸に対して外向に凸
な2つの第4半径部とで形成されていることを特徴とする請求項1又は請
求項2に記載のファインバブル発生装置。
【請求項5】 前記中心領域の前記第1方向における最も幅の狭い部分の寸
法と、前記第1周辺領域及び前記第2周辺領域の前記第1方向における最
も幅の広い部分の寸法の比率は、1:5.75乃至1:9.25の範囲内
とすることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のファインバ
ブル発生装置。



Makuake 」にて2023年3月24日(金)より先行発売スタート
「自分の歯でずっといたくないですか?」 岐阜のナノバブル研究家「高納
商店」× モノづくり一筋「藤山商店」の共同開発で、スーパーナノバブル
フロッサーを開発しMakuake クラウドファンディングプロジェクトを実施.
と大々的にネット宣伝が開始されているが、特許情報を見る限り前出掲載
している「5.特許7042013 ファインバブル発生装置」に相当するのでは
と思われるが、特許権利者において該当しないように思える。気になるの
はハンドリングの悪さが、つまり大きすぎる。重いのではと思われる(チ
ューブ分離型にすればノズルの重量でいいはずだ)。コンパクトとと言う
展では「4.特開2022-171716 ブラシヘッド及び電動歯 」の方がいいので
はとおもわれる。洗浄時間は1分間(標準時間?)として最長3分間だと
掲載されている。



①マイナスイオンによる浸透力、②超粒子化による溶存空気が昇圧し衝撃
力が大きくなる、③気泡が小さくなることで気泡の寿命が長くなる3つの
特徴ををもち、下図のように歯間・歯周ポケット洗浄効果を説明している。


※プラトー・レイリー不安定性 via jp.Wikipedia
✔  マイクロからナノバブルによる洗浄効果は界面活性剤による洗浄力効果のデ
  ータを集積していくしかない。高付加価値でコンパクトを実現しながらコモディt
  化することになる。半導体などの電子デバイス洗浄技術開発してきたものに
  はなにやら懐かしい感じがする分野であるが、歯医者通いはこのように刺激
  的な経験だった。世界一のオーラルケアー国を目指しましょう。
                                           この項了




   


【再エネ革命渦論 161: アフターコロナ時代 162

技術的特異点でエンドレス・サーフィング
    特異点真っ直中 ㊶


  モルフォ蝶を参考に光拡散シート
大阪大学の研究グループは,ナノ構造を工夫することで「明るく広角で,
色が偏らず,防汚機能もある」光拡散シートを世界で初めて実作。

 【要点】
1.輝くモルフォ蝶をヒントにナノ構造を工夫し、新たな光拡散シートを作製。その
 機能を実証。
2.通常の光拡散材は、微小な散乱体を埋め込んで光を拡散する。
 か、表面の微小凹凸による屈折で光を曲げることで光を拡散している。しかし、
 散乱体では「明るさ」と「角度広がり」が両立せず、屈折では角度広がりの不足、
 汚れ易い、等の欠点があった。
3.モルフォ蝶の光学原理を参考に、ナノ構造による回折と乱雑さの工夫により、
 明るく広角で、色が偏らず防汚性能ももつ光拡散シートを作製。さらに本シート
 は、拡散光の形状異方性も制御可能。 4.省エネ型の採光窓や、各種照明用
 の光拡散板への応用に期待。
【概要】
これまで光拡散材は、微小な散乱体を  埋め込んで光を拡散するか、表面の微
小凹凸による屈折で光を曲げていした しかし、散乱体では「明るさ」と「角度広が
り」が両立せず、屈折では「角度広が り」の不足、汚れ易い、等の欠点があり、
全てを満たす窓はなかった。 本シートは、一昨年、採光窓として理論的に機能を
証明し、昨年の試作から改良を経て、今回完成した。今回、本研究グループは、
モルフォ蝶の特異な反射特性を透過に転用することで、「明るく広角で、色が偏
らず、防汚機能もある」全条件を満たす構造を発案し、実作により機能を確認し
た。
【成果】
モルフォ蝶の微細構造が「狭い幅からの回折」で光を広角に広げ、「乱雑さ」で色
の偏りを防ぐことを応用し、ナノ構造からの回折に基づく光拡散シートを作製しま
した。回折は表面だけで生じるので、高い透過率も得られる。また表面のナノの
凹凸は、ハスの葉がもつ撥水性(ロータス効果)と同じ効果により、防汚機能が
ある。電磁場シミュレーションにより実作可能な構造を設計し、半導体技術で実
作した結果、この構造が所定の特性を満たすこと(角度広がりは垂直方向から
±40°、透過率~90%、色分散なし、防汚機能あり)を実証しました。さらに設計次
第で、拡散光の形状異方性の制御もできる。
【展望】
省エネに役立つ採光窓や、各種の照明・ディスプレイに役立つ光拡散シートへの
応用が気体できる。
【関係技術情報】
掲載誌:Advanced Optical Materials (2301086)
原 題:Development of a High-Performance, Anti-Fouling Optical Diffuser Inspired
            by Morpho Butterfly's Nanostructure


 風蕭々と碧い時












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今夜の寸評:Yes, I Can Work it Out.

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Yes, I Can Work It Out.

2023年09月06日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【今朝の水生植物図鑑:チヨウキンレイ(地湧金蓮)】


出所;水生植物公園みずの森
バショウ科 アビシニアバショウ属 Ensete lasiocarpum



 


【再エネ革命渦論 160: アフターコロナ時代 161

技術的特異点でエンドレス・サーフィング
    特異点真っ直中 ㊵


スタートアップ投票 │ 超DXサミット2023 (Super DX/SUM2023) 
 気候テックペンチャド投資熱
脱炭素へ変革「産業革命以来」
via 2023.09.4 朝日新聞
今年の主役の一つ鍵「気候テック」だった。毎年3月に米テキサス州で開
かれるテックイベント「サウス・パイ・サウスウェスト(SXSW)」。
過去には、ツイッターや配車サービスのウーバ-・テクノロジーズなどの
スタートアップ (新興企業)が世界的喋注目を浴びるきっかけとなった。
魚類にやさしい水力発電のタービン開発、溶かした塩を使った蓄熱・蓄電
技術、醸造技術を使ったパーム油の代替品 20億ドル規模のベンチャ-キ
ャピタル(VC、投資会社) 「ブレークスルー・エナジー・ベンチャ-
ズ(BEV)」のタラ・バンサル氏は、これらを手がけるスタートアップ
の幹部らと登壇。グ「意識の変化を感じる。5年前にはなかったことだ」
と話した。気候テツクとは、温暖化問題の解決につながるテクノロジーの
ことだ。原因となる温室効果ガスの排出を減らす技術だけでなく、温暖化
の影響への備え(適応策)を進めたり、気候変動への理解を深めたりする
技術やサービスも含まれる。 米調査会社「Holon T⊥Q」によると、
気候テツクヘの投資は2022年に701億ドル(約9兆8千億円)となり、前年
比で89%増えた。今年1月時点で、気候テックで評価額10億ドル以上の未
上場企業「ユニコーン」とされるのは米国や中国を中心に世界で83社にの
ぼるという。  深刻化する気候変動に対し、各国は脱炭素化を加達させて
いる。国際エネルギー機関 (IEA)の試算では、温暖化対策の国際ルー
ル「パリ協定」の目標達成に必要な費用は約8千兆円。気候テック企業は
これをビジネスチヤンスとみる。  米国で気候変動対策を担当するジョン・
ケリー大統領特使は「産業革命以来鏝大の変革となるだろうと聯る。
(米テキサス州オーステイン=合田禄)


出所:朝日新聞

脱炭素ユニコーン企業次々 

投資会社「ブレークスルー・エナジー・ベンチャーズ」は、マイクロノフ
ト創痍者の
ビル・ゲイジ氏らが設立した。ジェフ・ペゾス氏(アマゾン創
業者)、孫正義氏(ソフトバンク)らの名も連ねる。20億ドル(約2,800
円)の投資先は、新型全国休電雌や一酸叱炭素貯蔵などの新技術を
開発す
るスタートアップが中心。世界では毎年計590億トンの温室効果ガスが
排出さ
れている
,国際ルール「パリ協定」の下、産業革命前からの気温上昇を
1.5℃に抑えるという目標達成には、2050年までに実質ゼロにする必要が
ある。IEA(国際エネルギー機関)によると 既存の技術でも排出の半減は
できるが、残り半分はまだ実証段階にある技術に頼る必要がある。


出所: SWI swissinfo.ch

「今後10年間に大きな技術革新の努力が必要」だとする。「世界最大の投
資会社」とされる米ブラックロックのラリー・フィンクCEO(最高経営
責任者)は 「次の1千社のユニコーン企業はン企業は、検索エンジンで
もメディアでもなく、グリーンな水素や農業、製鉄、セメントを開発する
ビジネスだ」と述べる。気候テックは「ビッグこアック」と呼ばれるIT
大手などで大量解雇が相次いだことで、そこにいた人材をひきつける。米
ソフトウェア会社で働いていたアレックス・ハロスさん(27)は今年、企
業の二酸化炭素排出量を算出するソフトウェアを提供する米企業「パーセ
フォニ」に転職した。
「気候変動は我々の世代にとって最も深刻な問題だ。テツク企業があらゆ
る産業の脱炭素化を導くと考えている」と語る。
気候変動業界に特化した人材紹介会社CLT⊥MATEBASEによると、
同社のサイトを訪問した求職者は昨年8月から今年3月で約6倍に増えた。
共同創業者のジェシー・ハイネス氏は「テック企業での大量解雇は気候テ
ックに追い風になった。能力がある人たちを数多く雇うことができる環境
ができた」と指摘する。(米オ
ースティン=合田禄)
                             この項了

※ 面白いイベントであるが、気候テックの実効力が期待されている。
  Yes, We Can Work It Out !


出所:朝日新聞

始まった処理水放出  via Do ↑
測定は政府・東電・福島県 それぞれ実施

東京電力福島第一原発で8月24日、処理水の放出が始まった。そもそも 処
理水はどういうもので、なぜ海に放出することになったのか。福島第一原
発の建屋にたまる汚染水は、多様な放射性物質が高濃度に含まれる。多核
種除去設備アルプス(ALPS)で大半の放射性物質を除去した後、海水
で希釈して、ALPSで取り除けないトリチウムの濃度を薄めた水が放出
する処理水だ。ただALPSは、トリチウム以外の放射性物質を、環境に
放出できる国の濃度基準(放出基準)を下回るまで取り除くための設備で、
微量の放射性ヨウ素や放射性ストロンチウムなどは残る。放出計画ではま
ず、海水で希釈する前にトリチウム以外の濃度が、放出基準を満たすかど
うかを確認する。政府の方針に基づき、東電に加え、第三者として民間検
査機関と日本原子力研究開発機構がそれぞれ測る。国の基準をクリアした
水だけを海水で希釈し、トリチウム濃度を1㍑あたり1,500 ベクトル未満(
国の放出基準の40分の1)にして海に流す。

放出後の環境での状況を調べる取り組みが、海水や魚の放射性物質の測定
(モニタリング)だ。原発事故後、政府や東電、福島県は「総合モニタリ
ング計画」をつくり、海水の放射性セシウムなどを調べてきた。処理水の
放出に向けて改定し、トリチウムの測定場所を増やし、ヨウ素やストロン
チウムなどの測定も強化した。国際原子力機関 (TエAEA)は今年7
月に公表した報告書で総合モニタリング計画について、政府や東電、福島
県がそれぞれ測定すること構がそれぞれ測る。

国の基準をクリアした水だけを海水で希釈し、トひチウム濃度を1㍑あた
1,500ベクトル未満(国の放出基準の40分の1)にして海に流す。放出後
の環境での状況を調べる取り組みが、海水や魚の放射性物質の測定(モニ
タリング)だ。
原発事故後、政府や東電、福島県は「総合モニタリング計画」をつくり、
海水の放射性セシウムなどを調べてきた。処理水の放出に向けて改定し、
トリチウムの測定場所を増やし、ヨウ素やストロンチウムなどの測定も強
化した。国際原子力機関 (TエAEA)は今年7月に公表した報告書で
総合モニタリング計画について、政府や東電、福島県がそれぞれ測定する
こと
どを調べてきた。処理水の放出に向けて改定し、トリチウムの測定場
所を増やし、ヨウ素やストロンチウムなどの測定も強化した。国際原子力
機関(TエAEA)は今年7月に公表した報告書で総合モニタリング計画
について、政府や東電、福島県がそれぞれ測定することで、齟齬がないか
チェックできると評価した。

放出開始後、東電は原発の3㎞以内の海水を毎日採取し、トリチウム濃度
を測っている。8月31白朝に放水□から約200㍍の位置で採取した海水で1
㍑あたり10ベクトルを確認したが、ほかはすべて検出限界値(同約10ベクレル)
を下回った。また、環境省と福島県はそれぞれ原発の周辺で週1回ずつ、
海水を測定。水産庁は放水□の南北数
キロのヒラメなど14検体を調べた。
いずれも同約10ベクレルを確認したが、ほかはすべて検出限界値(同約10ベク
レル)を下回った。また、環境省と福島県はそれぞれ原発の周辺で週1回ず
つ海水を測定。水産省は放水口の南北数キロのヒラメなど14検体を調べた。
いずれも同約10ベクレルの検出限界値を下回ったという。 東電が運営するサ
イト「包括的海域モニタリング閲覧システム」(https://www.monitororbs.jp
から、各機関が処理水放出開始後に実施した迅速測定の結果にアクセスで
きる。

なぜ海洋選択 環境影響「監視が容易」
処理水放出の理由は 1千基を超えるタンクを減らすため。8月24日時点で
容量の98%の約134万5千ブの水を保管する。東電は、タンクを空にして撤
去し、跡地を溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の保管場所などに使うと説
明。放出方法を検討した政府の専門家会議では、①海洋放出、②水蒸気放
出、③地層注入、④水素放出、⑤地下埋設の5つが議論された。2020年の
報告で、前例のある水蒸気放出海洋放出の2案に絞った上で、海洋放出
の方が環境影響を監視しやすいとした。政府が海洋放出を決めたのは、そ
の翌年だった。

海洋放出国内外の原発で
原発などを運転するとトリチウムが発生する。水の一部として存在するた
め、除去が難しい。海洋放出は、国内外の原発や原子力関連施設で主流の
方法だ。日本では、原子力規制委員会が認可する各原発の運転ルールで年
間の上限値を定め、国の放出基準に沿って放出している。電力各社による
と、再稼働した原発の昨年度のトリチウムの年間放出量原発などを運転す
るとトリチウムが発生する。水の一部として存在するため、除去が難しい。
海洋放出は、国内外の原発や原子力関連施設で主流の方法だ。 日本では、
原子力規制委員会が認可する各原発の運転ルールで 年間の上限値を定め、
国の放出基準に沿って放出している。   

電力各社によると、再稼働した原発の昨年度のトリチウムの年間放出量は、
関西電力美兆は、2.8兆ベクレル▽大飯24兆ベクレル▽高浜26兆ベクレル▽四国電力
伊方30兆ベクレル▽九州電力玄海19兆ベクレル
▽川内37兆ベクレル燃再処理工場で
は、試運転を度に1,300兆放出した。
経済産業省のまとめでは海外の主な施設の年間放出量は韓国の古里原発 49
兆ベクレル▽中国の陽江原発112兆ベクレル▽イギリスのセラフィールド再処理施
設186兆ベクレル▽カナダのダーリントン原発190兆ベクレル▽フランスの ラ・ア
ーグ再処理施設1京(1兆の1万倍)ベクレル。

孫島第一原発の事故前の放出上限値は年22兆ベクレルだった。処理水の放出計
画でも、その値を上限にした。今年度は5兆ベクレル放出する予定だという。
処理水放出に至った原因は、汚染水が今も増え続けているから。なぜ止め
られないのか。
福島第一原発1~3号機には燃料デブリが推計880トンある。燃料デブリを
冷やすために注入した水に、雨や地下水が混じることで汚染水が増え続け
ている。当初は増加を食い止め、必要なタンク容量も確保できる展望を描
いていた。政府と東電の13年の工程表では、建屋のすき間をふさいで地下
水の流入を止めるといった対策で増加量をゼロにする目標時期を「21年

月」とした。
16年には、建屋周辺の地下に水の壁を追って建屋への地下水の流入を阻む
として「凍土壁」の運用を始めた。建屋の止水完了までの予定だったが、
止水はできず、今も使い続けている。地下水のくみ上げや、地面をアスフ
アルトなどで覆って雨水の浸透を防ぐ対策も合わせて、増加量は15年度のI
490トンから、22年度は90トンに減少。28年度には50~70トンに 減らす計画
だが、その先は不透明だ。汚染水の増加が続くことで、処理水の放出に至
った。汚染水対策は廃炉作業における政府と東電の見通しの甘さが招いた
と言える。
※ 裏がとれていないので残件扱い。
PS. わたし(たち)を経験を寄せると、70~80年代取り組んだ淀川・瀬戸
内水系調査(故星野芳帝京大教授郎団長)などの環境保全運動の効率は百
%の効果があり、水質保全水質の規準を緩和するほどの反応が刻まれてい
ることに触れておきたい。             
                        関係者各位に感謝 

                             この項了                                        
 風蕭々と碧い時












John Lennon Imagine

今夜の寸評:Yes, I Can Work it Out.

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