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極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 124

2025年01月31日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

         

【季語と短歌:1月31日】

        細雪にわか雪かな朝のごみ 

                 高山 宇 (赤鬼) 

         


✅ ディープシークAI 各国で制限
中国のAI(人工知能)開発企業「ディープシーク」を巡り、「チャット
GPT」を開発した米オープンAIは30日、読売新聞の取材に「ディー
プシークが私たちのAIモデルを不適切に利用した可能性がある」と明ら
かにした。米国政府と連携しながら調査を進めているという。
オープンA
Iによれば、ディープシークは「蒸留」と呼ばれる手法を使い、オープン
AI製のAIモデルが学習した内容を不当に利用して、自社のAI開発を
進めたという。
蒸留とは、大量のデータを学習した大型のAIモデル(教師モデル)から
計算速度の速い小型のAIモデル(生徒モデル)へ知識を移転する技術を
指す。具体的には、教師モデルが事前に学習したデータを、要
点を絞るな
どして覚えやすい形に整え、生徒モデルに学習させる。回答の正確性は低
下する可能性があるが、教師モデルより素早く質問に回答できるようにな
る。
2024年にノーベル物理学賞を受賞したジェフリー・ヒントン氏ら
が提唱した手法で、高性能な半導体がなくても動く小型のAIモデルを作
成する際によく使われる技術だ。

問題は、オープンAIが利用規約で、自社のAIモデルの知識を、競合す
るAIモデルの開発に利用することを禁じている点だ。オープンAIは「
米政府と緊密に連携しながら技術の保護に向けて対策を講じる」と強調し
た。アカウントの利用停止などを通じてディープシークのアクセスを遮断
し、蒸留を防ぐ考えとみられる。

欧米メディアによれば、トランプ政権でAI分野の政策責任者を務めるデ
ービッド・サックス氏は28日、今後数か月かけて蒸留防止の対策を進め
る方針を明らかにした。米次期商務長官のハワード・ラトニック氏も29
日、米国のAI企業を保護するために追加の措置を取る可能性を示唆した。
ただ、複数のアカウントを用意するなどして、防止策を回避することは可
能とみられ、実効性のある対策を打ち出せるかどうかは見通せない。過度
な防止策を導入すればAI開発の停滞につながる可能性もある。(ニュー
ヨーク支局 小林泰裕 オープンAIとチャットGPTのロゴ=ロイター
©
 読売新聞


✳️
環境配慮型素材「MIRAIWOOD」
MIRAIWOODとは どのような素材なのか。 木材を51%以上含み、残りを
生分解性樹脂(Bio-PBS)で構成した新素材。使用木材は、製造業から排
出される未利用の廃木粉が主。 重量比は木材が51%で、木材はベース材
(Bio-PBS)に比べ比重が小さく、体積比では8割以上を木材。その結果、
全体の73.3%が自然由来(Bio-PBS自体は48.5%が自然由来とされる)。
大きな特徴は、木材として分類し、廃棄時には焼却可能で、プラスチック
ごみにはならない。リサイクルも可能で、資源として循環することもでき
木材のように削ることや天然漆を塗ることが可能。プラスチック素材では
難しかった。
この企業は60年以上プラスチック成形に携わってき、神奈川県の平塚市に
あるプラスチック成形工場では、家電や自動車部品から始まり、現在は食
品関係の容器、医療系のトレー、ドリンクカップなどをクリーンルームで
製造していた2018年のG7で海洋プラスチック問題が大きく取り上げられ、
環境への配慮が必要と考えた。日本は世界第4位のプラスチック排出国、
プラスチックは400年から1000年以上分解されずに残り続けることもあり。
そこで東京都立産業技術研究センターと共同で、環境負荷の低い新素材の
開発をスタート。 当初は2020年の東京オリンピックに向けた使い捨て容
器の開発が目的で、開発を進めるうちに製品の質感が予想以上に高いこと
がわかり、より永続的な用途での活用を目指すことになる。約2年間の共
同開発を経て、現在の製品化に至る。製品開発における課題かあり、現状
の大きな課題は耐熱性。木材は180度から200度を超えると分解してしまい、
高温での使用には制限がある。通常のプラスチックでは分子量を上げるこ
とで耐熱性を高められるが、MIRAIWOODは木材が8割を占めているため、
そういった調整が難しい状況で、製品の厚みによってそれぞれ異なる課題
がある。薄い製品を作る場合は型に材料を流し込む工程が難しく、肉厚な
製品を作る場合は内部に気泡ができやすいという課題があり、例えば我戸
幹男商店との協業では、製品を削る際に中から気泡が出きてしまい、きれ
いな仕上がりを妨げとなるが、これについては新しい製法を開発して特許
を申請し、解決に至った。 このように、従来のプラスチック製品とは異な
る技術的な課題があるが、ひとつずつ解決しながら製品開発を進めている。

✳️  回収カーボンの炭化水素製造技術 ④

 図1 新しく開発した原子分解能磁場フリー電子顕微鏡(MARS)
1915年光触媒反応の発見、1948年のトランジスタの発明、1957年のトン
ネルダイオード、1978年のCCDカメラ、1979年のネ
オコグニトロン、1
9
84年のネオジウム磁石の発明と今日による日本の科学者により、再生可能
エネルギー主体にした水素製造・貯蔵・発電と光触媒による回収二酸化炭
素の炭化水素合成及び海水中の有価物質回収のスマート&グリーン時代を
世界に先駆け実現する。

可視光の80%を通すほぼ透明な太陽電池、東北大学が開発 - 大学ジャーナルオンライン

概要図
産総研 2024/12/06 
⏹️ 
1時間あたり最大200㎖合成…CO₂と水から液体

二酸化炭素(CO2)と水から液体合成燃料を一貫製造するベンチプラン
トを構築した。理論上は製造効率が従来の3割から45%に向上する。最
大で1時間あたり200ミリリットルの燃料を合成できる。生産規模拡大
への技術課題を抽出し、脱炭素につなげる。

CO2から一酸化炭素を作る反応に固体酸化物形電解セル(SOEC)で
の共電解を採用した。CO2と水蒸気を電気分解して一酸化炭素と水素の
混合ガスを得る。一酸化炭素と水素を別々に用意する場合に比べてエネル
ギー効率が向上する。

混合ガスはフィッシャー・トロプシュ(FT)反応で燃料となる炭化水素
に変換する。FT反応触媒と酸触媒を組み合わせて液体炭化水素の収率を
向上させた。合成燃料はCO2を燃料として貯蔵しておけるため、炭素固
定の有望候補になる。

図1
図1 光触媒による水の分解反応の模式図

⏹️
可視光で粉末光触媒の変換効率向上の条件確定
これまで、粉末光触媒に対する過渡吸収分光測定を用いた物性データの決定
は、ピコ秒やマイクロ秒の時間領域で個別に行われてきた。今回、初めて両
方の時間領域にわたる測定データに対して、理論解析を行うことにより、精
度よく物性データを定めることができた。このことにより、高精度な性能予
測に成功した。(産総研:2021/12/07)

図2
図2.過渡吸収分光法による光励起キャリア濃度の時間変化

図3
図3 (a) 光触媒表面に到達した光励起キャリアが全て水分解反応に寄与すると仮定した場合の内
部量子効率の粒子径依存性と(b) 内部量子効率の電子濃度依存性。現状の電子濃度は、5.2×1017 cm-3

✳️ UVナノインプリントをシリフォト 
東京科学大学と東京応化工業
光電融合も見据えたシリコンフォトニクス分野拡大へ

ナノインプリントリソグラフィ(NIL)は,ナノスケールのスタンプを用い
た押印技術であり,従来の露光法と違って露光波長に解像度が依存しないこ
とや,大面積転写性や高スループット性などを有していることから,半導体
における次世代リソグラフィ技術の一つとして期待されている。

ナノインプリントリソグラフィ(NIL)は、ナノスケールのスタンプを用い
た押印技術であり、従来の露光法と違って露光波長に解像度が依存しない
ことや、大面積転写性や高スループット性などを有していることから、半
導体における次世代リソグラフィ技術の一つとして期待されてる。特に
フトUV-NIL
は、半導体製造環境との互換性を担保しつつ、半永久的な機能
層を大面積かつ高解像度でパターニングできることから、近年、拡張現実
(ARグラス)や生物医学診断(DNAシーケンサー)などの新たなアプリケ
ーションに対する実用的な量産技術として導入実績があります。さらに基礎
研究レベルでも、メタマテリアルやメタサーフェスなどのウェハ光学素子
を実現する際に活用されている。


図1. 各種リソグラフィ技術の性能指数

そのような中で、半導体の製造技術を用いてウェハ上に大規模な光回路を
構築する集積フォトニクス分野でも、NILを導入できる可能性がある。集積
フォトニクス分野において特に高い解像度が必要とされる場面は、DFB
(分
布帰還型)レーザー
における回折格子の形成、光回路の入出力に使用
する
グレーティングカプラ]の形成、シリコンフォトニクス光回路における
導波
路の形成などであり、いずれも100 nm程度の解像度が保証されていれ
ば十
分(図1の赤帯域)。そのため、上記プロセス工程では、NILの大面積
転写
性や高スループット性を大いに活かすことができ、かつコストの観点か

も優位性があると考えられる。
本研究ではこうした背景から、集積フォト
ニクスの一分野として近年発展
が著しいシリコンフォトニクスに着目して、
実際にUV-NILを導入したプロ
セスを開発した。
【成果】本研究では、東京科学大学内に設立した東京応化工業未来創造協
働研究拠点において、シリコンフォトニクスプロセスに合わせたNIL用の
光硬化性樹脂の開発を行うとともに、SmartNIL®技術に基づいたロールオ
ンプロセスの最適化を行いました。これにより、開発したプロセスを用い
て作製したシリコン導波路では、従来の90 nm CMOS プロセスラインや電
子線描画を用いて作られた光導波路と同程度の性能を得ることに成功した。

成果1:光硬化性樹脂の開発
今回開発した、シリコンフォトニクスプロセスに適した光硬化性樹脂(図2)
は、UV-NILの標準仕様に加えて、シリコンフォトニクスプロセスに必須と
なる以下3つの特徴を有す。

(1)SF6-C4F8混合ガスによるエッチング耐性
標準的なシリコンフォトニクスプロセスでは、シリコン導波路構造を形成
するために、SF6-C4F8混合ガスによる擬似的なボッシュプロセスを用いて、
膜厚200-300nmのシリコン層を削りきる。そのため、このプロセスで用い
る光硬化性樹脂には、SF6プラズマに対する高いエッチング耐性が要求さ
れる。併せて、SF6-C4F8混合ガスによる変質性も極力抑えることが求めら
れます。

(2)O2アッシングによる除去性
一般的なUV-NILで用いられる光硬化性樹脂は、主にフッ酸溶液処理により
除去できるようデザインされています。しかしシリコンフォトニクスでは、
下部クラッド材としてSiO2を用いていることから、エッチング後の除去プ
ロセスとしてフッ酸溶液処理は適当ではありません。そのため、有機溶剤
処理もしくはO2プラズマアッシングで除去できることが必須となります。

(3)ワーキングスタンプ剤との親和性
光硬化性樹脂には、スタンプモールド表面からの適切な離型が可能なデザ
インが必須となります。併せて、NILプロセス時に均一にUV照射を行う目
的から、光硬化性樹脂の屈折率はスタンプモールドの屈折率と近いことが
望ましいです。今回は、EVGのナノインプリント装置をベースとしており、
スタンプ剤としてEVG NIL UV/AS5を用いている。

 

成果2:UV-NILを用いたシリコンフォトニクスプロセスの確立
今回開発したシリコンフォトニクスプロセスは「NIL工程」(図3a)と「
回路形成工程」(図3b)の2つのプロセスフローに分かれ

NIL工程
工程A:光回路パターンが形成されたシリコンマスタースタンプに、離型
剤およびワーキングスタンプ剤(EVG NIL UV/AS5)を塗布(図3aの1, 2)

工程B:上部からポリエチレンテレフタラートのフレキシブルバックプレー
ンを押し当てて、紫外線硬化させた後に離型(図3aの3, 4)
工程C:SOI(Silicon on Insulator)ウェハに密着材および開発した光硬化
性樹脂をスピンコートした後、先ほど作製したワーキングスタンプを押印
(図3aの5, 6)
工程D:UV照射を行った後、ワーキングスタンプを脱離させ、NILによって
光回路パターンを形成(図3aの7, 8)

本プロセスでは、光硬化性樹脂の膜厚および充填率、回路レイアウトなど
を最適化することで、膜厚20 nm以下の残膜制御が可能となっている(図4a)。

光回路形成工程
工程A:SF6-C4F8混合ガスによるドライエッチングにより光硬化性樹脂の
残膜除去(図3bの1)
工程B:連続してSF6-C4F8混合ガスによるドライエッチングにより、シリ
コン層をエッチング(図3bの2)
工程C:O2アッシング処理により、マスクとして用いた光硬化性樹脂を除
去(図3bの3)
工程D:プラズマCVDにより、上部クラッドとしてSiO2を堆積(図3bの4)
NILによるパターン形成後は、光硬化性樹脂の除去にO2プラズマアッシン
グを用いる点を除いて、標準的なシリコンフォトニクスプロセスと同一の
手順。エッチング工程では、十分な垂直性を維持したまま、標準的なシリ
コン導波路パターンを形成できることを確認した(図4b)



図3. UV-NILによるシリコンフォトニクスプロセスの(a)NIL工程と(b)
光回路形成工程

図4. 各工程後の走査電子顕微鏡画像 (a) NILによるパターン形成後 (b)
SF
6-C4F8混合ガスによるエッチング後 (c) O2プラズマアッシング後

成果3:開発プロセスで作製したシリコン導波路の伝搬特性
今回開発したプロセスで作製したシリコン導波路の伝搬特性を評価した結
果、波長1,550 nmのTEモード光に対する単位長さ当たりの伝搬損失は1.6
dB/cm程度となりました(図5)。これは、従来のドライArFが用いられる
90 nm CMOS 試作ラインや電子線描画を用いて作られたシリコン導波路と
遜色ない値であり、NILによって十分な性能を持つ光回路が形成可能である
ことを示しています。
<picture></picture>
図5. 開発プロセスで作製したシリコン導波路の伝搬特性

社会的インパクト
シリコンフォトニクスは、高速、高帯域、低エネルギーであることから、
将来のデータセンターとデータ伝送のボトルネックを解決するための重要
な技術の一つと見なされています。本技術は、シリコンフォトニクス関連
のデバイス開発と産業応用を推進する上での一助となり、光電融合も見据
えたシリコンフォトニクス分野拡大に貢献できると考えられます。東京科
学大学内に設立した東京応化工業未来創造協働研究拠点において、本学の
ミッションである「科学の進歩」と「人々の幸せ」とを探求し、社会とと
もに新たな価値を創
造し続けます。

展開
EUVなどの超高解像露光技術を必要とする先端電子デバイス・集積回路分
野と比較すると、フォトニクス分野では露光プロセスにそれほど高い解像
度を必要としないため、NILの大面積転写性や高スループット性を大いに
活かすことができる。将来的には、シリコンフォトニクスを扱っている各
ファウンドリの標準プロセスラインへの NIL導入も期待される。また、従
来の露光法では難しい3次元露光も可能であり、それを積極的に利用した
新たな光デバイスの実現も示唆される。
関連リンク


✳️ 安価で小型な光シート顕微鏡光源を開発
日本電気硝子(Neg)、東京大学,ミユキ技研,フォトンテックイノベー
ションズは,Negのガラスリボンを用いて,光シート顕微鏡光源「Handy
SPIM」を開発した
シート顕微鏡は,サンプル(検体)の側面から薄いシート状に整形した光を当てることで,断面
画像を得る選択的平面照明顕微鏡法(Selective Plane Illumination Microscopy: SPIM)を利用し
た顕微鏡で,病理・バイオサイエンス等で使用される。

開発したのは,一般的な顕微鏡のステージに設置することで,透明化生体
組織の画像を得ることができる「光シート顕微鏡光源」。従来の光シート
顕微鏡ではレーザー光をレンズやミラーで光シート化する構造上,大掛か
りな光学機器が必要だった。そのため,光学系の調整に専門知識を要する
だけでなく,導入や維持に高額なコストがかかる点が課題となっていた。

この製品には,Negが開発したガラスリボン導光板が組み込まれており,
その薄く均一な厚みが,レンズやミラーなしで高強度のシート状の光をつ
くる事に貢献している。
また,その光源には安価なLED光を用いているた
め,従来よりも小型で軽量,安価,さらに可搬性が向上し,これにより,
専門的な知識がなくても透明化生体組織の画像を取得できるという。
ガラ
スリボンはNegが開発した超薄板ガラスの一種。厚さ4~50μm,幅0.5~
30mmの非常に薄く均一な厚みを有し,この製品で導光板の役割を担う。
導光板は,ガラスリボンを可視光吸収ガラス(Neg製品)でサンドイッチ
した構造になっている。

厚み20µm,幅 20mm,長さ10mmのガラスリボンの端面に LED光を結合
させることで,導光板の対向端面から光シートが出射される。光シートの
厚さは約 20µmでガラスリボンの厚みとほぼ同等。この手法にて得られた
画像は,従来の高価な画像取得装置を使って得られる画像と比較しても遜
色ないという。
研究グループはこの成果により,高解像度の断面画像を誰
でも簡単に得られるようになり,病理・バイオサイエンス分野で広く応用
されることが期待されるとしている。

✅ インジウム添加なしで変換効率世界最高
アルミニウム添加でCIS型(銅、インジウム、セレン)太陽電池の性
上に成功した。
変換効率は12%と、インジウムを添加しないCIS型
としては世界最高
になる。インジウムは希少金属のため、ありふれたアル
ミで代替できると
競争力になりえ
る。
銅とガリウム、セレン薄膜を光吸収
層としCIS型太
陽電池を作製する。太陽電池セルの裏面から表面に向け
てアルミの含有量
が減少するように濃度勾配を付けた。すると薄膜中にエ
ネルギー帯の傾斜
ができる。
光を受けて生じた電子が表面に移動しやすく
なる。
アルミを添加すると結晶欠陥が増えやすくなるが、アルカリ金属化合物を
添加して欠陥を抑え、封止せずに数カ月間放置しても性能が低下
しなかっ
た。
エネルギー変換効率は12%で開放電圧は0・95ボルト。CIS型
はインジウムを添加しないと変換効率を10%以上に引き上げる
のが難し
い。太陽電池や水分解水素生成電極などへの応用を目指す。

     心に響く歌曲  『田園 玉置浩二』




 今日の言葉:自治会で防犯カメラの話がでたので調べた。
         ソーラパネル付きでカメラを動かし録音もでき録画で
         きるという。いっそ、自動発着ドローンで自動区内を
         空撮させてみたらと言ってもみた(ブログで掲載した
         ことがあるが。実現した(海中もやっている)。それ
         も可能な時代だ。
  

         春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                            


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エネルギーと環境 123

2025年01月30日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。


✳️  回収カーボンの炭化水素製造技術 ⓷

人工光合成の具体的な製造プロセスを示した図です。
資源エネルギー庁

赤外光を局在表面プラズモン共鳴(LSPR)材料に当てるとエネルギーを持った電子e-(熱電子)が生まれる(大阪大学産業科学研究所の坂本雅典教授提供)
赤外光を局在表面プラズモン共鳴(LSPR)材料に当
てるとエネルギーを持った電子e-(熱電子)が生まれる
(大阪大学産業科学研究所の坂本雅典教授提供)

✳️ 
見えない光でナノ粒子から電子を取り出す
太陽電池の基本構造には、光を吸収する層や電子を取り出す層、電子を受
け取る層があり、光エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
現在一番普及しているのは、シリコン半導体を用いたシリコン系太陽電池。
可視光から電気を生み出す。光から電子を取り出す変換効率は20%を超え
るものが市販されている。大規模に黒い大型パネルを並べている発電所を
見かけることも多い。シリコン系太陽電池に代わりうるとして開発が急速
に進むのが、ペロブスカイト太陽電池。材料をフィルムなどに塗布・印刷
して作ることができ、低コストでの製造が期待されている。ほかにも、低
環境負荷、低コスト化が期待できるものとして、有機半導体の薄膜を発電
層として用いた有機薄膜太陽電池があり、柔軟性や半透明性が生かせるも
のとして色素増感太陽電池も開発が進んでいる。
一方、ナノ粒子に光を当てると粒子中の電子が集団で振動する「局在表面
プラズモン共鳴(LSPR)」を利用した太陽電池。可視光より波長が長く目
に見えない赤外光を、特殊なドーピングを施した半導体ナノ粒子に当てて
電子を取り出す。

可視光の80%を通すほぼ透明な太陽電池、東北大学が開発 - 大学ジャーナルオンライン

⏹️ 単層WSを用いた近傍不可視太陽電池  東北大 

図 5
(a) (i) 設計パターン太陽電池イメージ (Des-P)、(ii) 設計パターン構造図、(iii) 単純パターン太陽
電池イメージ (Sim-P)、(iv) 単純パターン構造図(b) PのプロットTSim-PまたはDes-Pの異なる領
域を持つ太陽電池の場合。(c) 高透明太陽電池の光学像 (d) Iダッシー-Vダッシー暗闇またはソーラー
シミュレータ下での透明度の高い太陽電池の曲線。(e) WSとの比較によるNISCの伝送2石英上、
石英上の電極、および純粋な石英。
【関連情報】
・https://www.nature.com/articles/s41598-022-15352-x

⏹️  世界最高効率の光触媒から転用
坂本教授は、京都大学化学研究所に着任した2012年から赤外線のエネルギ
ー変換を研究。赤外光は太陽から降り注ぐ光の42~46%を占め、エネルギ
ー資源としての潜在能力は高い。熱線として地球温暖化の原因になるため、
「利用すること自体が温暖化防止につながる」。「見えないというのは透
明ということ。発見した光触媒を太陽電池に転用したら(黒い)シリコン
系の太陽電池と差別化できる」と考え、2019年、同じくLSPRを示すスズ
をドープした酸化インジウムナノ粒子を光吸収材に応用すると透明な太陽
電池をつくることができることを公表。

⏹️ 熱線遮蔽シートを今夏にも先行発売へ OPTMASS

スズドープ酸化インジウムナノ粒子を含む溶液(左)と透過型電子顕微鏡画像(大阪大学産業科学研究所の坂本雅典教授提供)
スズドープ酸化インジウムナノ粒子を含む溶液(左)と透過型電子顕微鏡画像(大阪大学坂本
雅典教授提供

LSPR材料による透明な太陽電池を実用化、坂本教授らは2021年に京都大
学発ベンチャー企業「OPTMASS」(京都府宇治市)を創業。変換効率は、
カドミウムと硫黄、あるいは銅と硫黄を含むナノ粒子をLSPR材料として使
うと1.1マイクロメートルの赤外光を当てた際に4.4%まで上がることを20
22年に発表。現在
、材料などを改良し、変換効率は6%ほどまで上がって
きている。ただ、可視光や紫外線も含む太陽光を当てたときには1%程度ま
で下がってしまうため、改良の余地は大きい
また、実用化には窓ガラス
サイズなど、大面積の太陽電池にすることが求められる。一部でもピンホ
ールがあると、発電量が大幅に低下するため、太陽電池の大面積化には、
材料であるナノ粒子を広く均一に伸ばす技術も求められる。
LSPR材料には
戸外から室内に入る熱線を遮蔽する効果もある。OPTMASSはLSPR材料に
よる熱線遮蔽シートを今夏にも先行発売するべく、開発を進める。試作品
を見ると、シートは透き通っているが少し緑色かがっていた。OPTMASS
が掲げる「街を森に変える」という目標を感じさせる緑色。
【最新関連特許】
1.特開2024-164966 太陽電池及びそれに用いる光学素子を備えるバリア
構造体 マクセル株式会社
【要約】下図図21のごとく、本発明の太陽電池は高効率で、印刷工程で
安価な太陽電池が実現できる有機無機ペロブスカイト型太陽電池の課題で
ある水分・空気のバリア性が高いガラス同等のバリア層を有しその表面に
超微細または微細光学素子を設け反射防止と集光作用を備え光電変換
(光吸収層)平面内に光の疎密を作ることで一層の高効率化を実現する。】
光電変換効率が高く設置性が良く信頼性の高い太陽電池を製造すること。
また太陽電池を構成するバリア部材に、水分や空気の侵入を遮断した信頼
性の高い太陽電池を提供することにある。
000002
図21 本発明の一実施例に係るバリアシート又はバリア層表面に設けた
第三の実施例である微細光学素子の形状と作用を説明する模式図
【符号の説明】M…金属原子 R…有機分子 X…ハロゲン原子又はカルコ
ゲン原子 1…基材 2…絶縁層からなる外枠 3…光電変換層 4…透明
電極 5…引出し配線 5´…端部(取出し部) 6…平坦化層 7…(第一
)バリア層(膜) 8…取出し電極 9…更なる配線 10…(第二)バリ
ア層(膜) L…引出し配線の端部からバリア層の端部までの距離 20…
太陽電池セル(ユニット) 100…太陽電池素子 200…太陽電池素子
101…基材 102、102A、102B、102C…光電変換層(光吸
収層)  L102A、L102B、L102C…光電変換層(光吸収層)の
焦点(線)103…第一電極 104…第二電極 105…電子輸送層  
106…正孔輸送層 107…引出し配線 110A…超微細光学素子
  110…バリア層(膜) 200…微細光学素子 201…(第二)バリ
ア層(膜)202…第一の光吸収層(光電変換層)203…第二の光吸収
層(光電変換層)204…第三の光吸収層(光電変換層)210…微細光
学素子
【発明の効果】  本発明で開示された太陽電池(セル)によれば、基本構
成の外表部を覆うバリア層により空気や水分を遮蔽し、バリア層の表面に
設けた極微細形状の光学素子の作用によって光電変換効率を大幅に向上で
きる。  上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により
明らかにされる。  なお、以下に説明する太陽電池を構成する素材や素材が
成す特定の機能を有する複数の層の厚さや製造法について本願と直接関連
しない部分についての記載内容は、本願執筆時に公知となった先行出願さ
れた特許から抜粋し本願発明がより明確になるように工夫して記載した。

2. 特開2023-17917 透明導電性フィルムおよび透明導電性フィルムの製
造方法 日東電工株式会社
3.特許第7572731号 光熱変換素子および、その製造方法、光熱発電装置
ならびに微小物体の集積システム 公立大学法人大阪



ゴムやフィルム、電子部品の加工に最適な「抜き型」とその加工技術:ママさん設計者が教える「設計者のための部品加工技術の世界」(3)(2/3 ...
✳️ 
研磨不要のAu薄膜表面平滑化技術
1月28日、東北大学,産業技術総合研究所,関東化学は,表面が粗いAuめ
っき膜を平滑なAu薄膜に重ねる付加的な平滑化手法を新たに開発。次世代
小型電子デバイスの実装工程には,熱によるダメージや残留応力を避ける
ため,低温での接合技術が求められる。Auめっき膜を介した接合は,電気
的接続や封止などに広く用いられているが,素子への負荷を軽減するため
に,接合プロセスの温度を可能な限り低く抑える必要があるが,一般的に
接合面の平滑度が低いと隙間が生じやすく,密着性を上げるために,より
高い温度や圧力が必要となり,矛盾が生じてしまう。接合面の平滑化には
除去加工の研磨が用いられ,小さな面や複雑な形状を平滑化するのが難し。
この研究では,表面活性化接合とテンプレートストリッピング技術を組み
合わせ,粗いAuめっき膜に平滑なAu薄膜を転写し,付加加工によって平
滑化する新たな技術を開発。

サイドバーでクエリ検索

図1. 本研究で開発した、表面活性化接合とテンプレートストリッピングを
組み合わせた技術に基づく平滑化プロセス

これは、表面活性化接合によって,別途テンプレート上に形成したAu薄膜
を粗いAuめっき膜に転写する技術。これにより,もともと粗かったAuめ
っき膜の表面に,Au薄膜を繰り返し転写することで,表面が平滑化できる
ことがわかった。
これは,ポリイミド製テンプレートのナノレベルの変形
とAuの原子拡散により,Auめっき膜の凹凸が吸収されるため。十分に平
滑化されたAuめっき膜は,熱を加えなくとも常温で強固な接合を達成でき
ることを実証した。
また,平滑化したAuめっき膜にシリコン(Si)チップ
を常温接合した試料のせん断強度測定試験では,転写したAu薄膜から破断
するわけではなくSiチップが先に破壊されてしまうほど強固に常温接合さ
れていることがわかった。

【論文情報】
タイトル:Room temperatu bonding of Au plating through surface smoothing using polyimide
template stripping

著者:Kai Takeuchi, Shogo Koseki, Le Hac Huong Thu, Takashi Matsumae, Hideki Takagi, Yuichi
Kurashima, Takahiro Tsuda, Tomoaki Tokuhisa, Toshikazu Shimizu, Eiji Higurashi*
掲載誌:Sensors and Actuators A: Physical
DOI:10.1016/j.sna.2025.116211

 ✳️ 代高性能蓄電池の「極小ナノ粒子」を短時間合成

海道大学や東北大学らの研究グループは、アルファ型二酸化マンガンの極
小ナノ粒子を短時間で合成する手法「アルコール溶液法」を開発した。合
成した極小ナノ粒子は、多価イオン電池の正極や酸化反応触媒の高特化に
成功(EE Times Japan)

図. 開発したアルコール溶液法で合成した二酸化マンガン極小ナノ粒子
今回の研究で得られたα-MnO2極小ナノ粒子は、バンドル全体の幅は約4
nm、トンネルの長さは約8 nmと、水熱法で得られた粒子と比べて粒子形
状のアスペクト比が1/10まで小さくなっていることが分かつた(図1)。
粒子の形も棒の長さが短くなり、球状に近い形をしていることが分かりま
す。さらに、極小ナノ領域まで粒子サイズが小さくなると、等方的に粒子
が小さくなるのではなく、長軸方向が選択的に短くなり形態が球状粒子に
近づくことを見出した。また、得られた粒子粉末の比表面積は2~3倍に増
大しており、多孔質であることも分かった。 本材料の応用として、多価イ
オン電池正極と酸化反応触媒としての特性を評価したところ、いずれも従
来材料よりも高い特性を示しました。多価イオン電池正極では、マグネシ
ウムイオン、カルシウムイオン、亜鉛イオンの室温での電気化学的な高速
脱離挿入が可能であり、特にカルシウムイオン電池の正極として優れるこ
とを見出しました(図2)。極小ナノ粒子は粒子が小さすぎるため、その
ままでは粒子同士が凝集し十分な正極特性が得られませんでしたが、グラ
フェンに分散させた複合体を作製することで粒子凝集が抑制され、過電圧
が小さくエネルギー損失の小さい充放電を達成した。酸素を使った触媒的
酸化反応では、1-フェニルエタノールなどの有機化合物の酸化反応触媒と
して高い活性を示した(図2)。従来のα-MnO2との触媒活性との差は比
表面積(多孔質性)の違いだけでは説明できず、極小ナノ粒子化によって
触媒活性の高いエッジ面が多く露出したことが理由と考えられる。



図2. (左)次世代カルシウム電池としての室温での正極特性。可逆容量が
増大し、過電圧も低減された。(右)酸素を用いたフェニルエタノールの
酸化反応における時間変化。触媒活性が大きく向上し2 時間で反応が完了
した。 


【展望】MnO2 は電池や触媒、吸着剤など様々な用途へ応用できることか
ら、本材料のさらなる開発により現行産業技術を革新できるす。今回開発
した合成法は、⓵α-MnO2以外の様々なMnO2の極小ナノ粒子化や⓶低ア
スペクト比化に適用可能です。この技術により、構造の違いによる特性の
差を活かした応用展開が期待され、低炭素化社会、地球温暖化対策に有用。
【掲載論文】
Title: Ultrasmall α-MnO2 with Low Aspect Ratio: Applications to Electrochemical
Multivalent-Ion Intercalation Hosts and Aerobic Oxidation Catalysts 
First published: 16 January 2025
https://doi.org/10.1002/smll.202411493


デジタル生存競争 - 誰が生き残るのか

『デジタル生存競争争—誰が生き残るのか』
著者/翻訳者:ダグラス・ラシュコフ/堺屋七左衛門
【概要】何のための、誰のための、デジタルなのか?
環境破壊、社会不安、まん延するウィルス、すべてを停止させるコンピュ
ーター侵入。世界の億万長者は、自分で起こした現実からひたすら逃れる
ことを考える。技術開発は、集団的な繁栄を目指すものでしたが、富の蓄
積は個人的な生き残りを図るものになった。批判的であるはずのメディア
は、市場感覚に圧倒されて屈服している。自分だけが生き残る十分な資金
を稼ぐ......うまく稼げたら勝利か? それは自分の排ガスから逃れるために高
速で走る自動車をつくっているようなもの。このような勝手な考え・思い
こみを『マインドセット』という。闘わなければならない。どうすればい
いのか? 何もわからないほどに、私たちはデジタルにまみれ、自分自身を
失っている。ダグラス・ラシュコフは語ります--利己的な世界を超えて、
コミュニティ、人間の相互扶助を取り戻せ、と。この本を読み、今の自分
と比較する。すべて消耗品とされた私たち自身の防御がそこから始まって
いる。
【目次】
はじめに マインドセットとの出会い
1.隔離の方程式 億万長者の防空壕戦略
2.合併と買収 彼らは出口戦略を必要としている
3.母の子宮に戻りたい テクノバブルに包まれた安全
4.ダムウェイター効果 見えないものは忘れられる
5.利己的な遺伝子 道徳よりも科学主義
6.全速力で前進 非人間化と支配と収奪
7.指数関数的成長 行き詰まれば別次元のメタへ
8.説得的技術 ボタン1つで彼らを消せるなら
9.バーニングマン からの展望 私たちは神のように
10.グレートリセット 世界を救うために資本主義を救う
11.鏡に映ったマインドセット 抵抗してもムダだ
12.コンピューター的因果応報 自業自得
13.パターン認識 全ては元に戻る
【著者】
ダグラス・ラシュコフ:1961年生まれ。米国ニューヨーク州在住。
第1回「公共的な知的活動における貢献に対するニール・ポストマン賞」
を受賞。『Cyberia』/『サイベリア』、『MEDIA VIRUS!』/『ブレイ
ク・ウイルスが来た!!』、『Throwing Rocks at the Google Bus』(グー
グルバスに石を投げろ)、『Program or be Programmed』/『ネット社
会を生きる10ヵ条』、『チームヒューマン』など多数執筆。『「デジタル
分散主義」の時代へ』という論考が翻訳されている。

堺屋七左衛門:大阪市生まれ、神戸市在住。大阪大学大学院工学研究科電
子工学専攻博士前期課程修了。日本翻訳者協会(JAT)会員、HON.jp(
日本独立作家同盟)正会員。訳書『リスクコミュニケーション 標準マニュ
アル』(福村出版)、『チームヒューマン』『ネット社会を生きる10ヵ条
』(ボイジャー)、『ケヴィン・ケリー著作選集 1』(ポット出版、達人
出版会)、『マニフェスト 本の未来』共訳(ボイジャー)など。









ブルーバックス<br> 生命はデジタルでできている―情報から見た新しい生命像



  心に響く歌曲 
『明日を忘れてLe’t Forget Domani)/
                      コニ―・フランシス

        作曲:オルトラーニ/作詞:ノーマン・ニューウェル 
                          1965年10月 




 今日の言葉:昨日の言葉は、言い換えれば『この世の終わりを避ける』
         チャンスが残ったと言い換えると分かりがいいかな。


            春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

 

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エネルギーと環境 122

2025年01月30日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

DSC07630.jpg
宝船温泉の隠れ庭 「宝船温泉」。
琵琶湖のほとりにひっそりと湧く秘湯。
その泉質の良さから、長年多くの人に愛されてきた。

【季語と短歌:1月29日】

          万能の布団片け腹決める 

                 高山 宇 (赤鬼) 


【自由空間クラブ⓵:超ミニマルなフィニッシングモータ】
 Smallest finishing motor ever.

 How does In-Wheel Motor Technology Work?
Four Motor Drive & Torque Vectoring



超薄形インホイールモータ
an innovative "low-profile" in-wheel motor




✳️  回収カーボンの炭化水素製造技術 ②

どこでも光と電源確保!モバイルバッテリー搭載LEDソーラーランタン【動画ライター】
どこでも光と電源確保!モバイルバッテリー搭載LEDソーラーランタン
© bouncy

✳️ 
二酸化炭素を出さない水素製造可能に
   太陽光エネルギー変換効率50%へ
2017年、岡山大学大学院環境生命科学研究科の高口豊准教授・田嶋智
之講師と山口大学、東京理科大学らの共同研究グループは、カーボンナノ
チューブの光吸収帯を利用した水分解反応による水素製造が可能であるこ
とを明らかにした。



図1 太陽光の波長とエネルギーの関係


図2 カーボンナノチューブ光触媒の構造と反応
<論文情報等>
論文名: SWCNT Photocatalyst for Hydrogen Production from Water
upon Photoexcitation of (8,3)SWCNT at 680-nm Light
「680 nm単色光による(8,3)カーボンナノチューブ選択励起を利用可能な
水素発生カーボンナノチューブ光触媒」
著者:Noritake Murakami, Yuto Tango, Hideaki Miyake, Tomoyuki Tajima,
Yuta Nishina, Wataru Kurashige, Yuichi Negishi, Yutaka Takaguchi
掲載誌: Scientific Reports , 2017, 7, 43445.  DOI: 10.1038/srep43445

【関連特許情報】
1.特開2023-144404 水分解による水素及び過酸化水素の製造方法
【要約】水に光触媒材料を分散させた溶液に光照射し、二段階光励起系を
用いて、水を分解して、水素及び過酸化水素を発生させる工程を含む、水
素及び過酸化水素の製造方法。水素及び酸素の分離による諸問題を解決し
得る、光触媒を用いた水の分解により水素及び過酸化水素の製造方法を提
供することを課題とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】水に光触媒材料を分散させた溶液に光照射し、二段階光励起
系を用いて、水を分解して、水素及び過酸化水素を発生させる工程を含む
水素及び過酸化水素の製造方法。
【請求項2】前記光触媒材料は、光触媒、水酸化光触媒、及び水素生成助
触媒を含む、請求項1に記載の水素及び過酸化水素の製造方法。
【請求項3】さらに、酸化還元対を含む、請求項2に記載の水素及び過酸
化水素の製造方法。
【請求項4】前記光触媒が、単層カーボンナノチューブ、複層カーボンナ
ノチューブ、色素内包カーボンナノチューブ、及び、これらとフラロデン
ドロンとの複合材料からなる群から選択される一以上である、請求項2に
記載の水素及び過酸化水素の製造方法。
【請求項5】前記水酸化光触媒が、BiVO、WO、TiO、及び、
からなる群から選択される一以上である、請求項2に記載の水素
及び過酸化水素の製造方法。
【請求項6】前記水素生成助触媒が、Ru(Cl)、及び、[Ru(NH
)]3+からなる群から選択される一以上である、請求項2に記載の
水素及び過酸化水素の製造方法。
【請求項7】前記酸化還元対が、[Co(bpy)]3+/2+、及び、[Co
(phen)]3+/2+からなる群から選択される一以上である、請求項
3に記載の水素及び過酸化水素の製造方法。

2. 特表2023-527651 二酸化炭素及び電気を燃料及び化学物質へと変換す
るための方法 インフィニウム  テクノロジー,エルエルシー
【要約】下図1のごとく、、二酸化炭素と水と電気とを、低炭素又はゼロ炭
素で高品質の燃料及び化学物質へと変換するための方法、システム及び触
媒を説明するものである。1つの態様において、本発明は、二酸化炭素
含む供給物の流れを、炭素原子5個から24個の間の長さである炭化水素
を含む生成物の流れへと変換するための、統合された方法を提供する。
000002
図1は、H及びCOを、燃料及び化学物質へと変換するための、全体
的なプロセスフロー図の一部を示す。具体的には、図1は、COからC
Oを生成するための逆水性ガスシフト反応器システムである。

  表1は、この実施例に関してインプットをまとめたものである。MT  C
/dayは、このインプットにおいて、1日あたりの炭素のメートルトン
(metric tons per day of carbon)である。MT  H/dayは、このイン
プットにおいて、水素のメートルトンである。これらは、炭素及び収率を
計算するために重要である。
【実施例】要点のみ掲載
000008
000009

 表3は、実施例のプロセスに関して、幾つかの有用な指標を計算したもの
である。
【0103】
【表3】
000010
 実施例のプロセス及び本発明の全てのプロセスにおいて、炭素の収率は、
70%よりも多くなり、好ましくは85%よりも多くなるであろう。この
ように高い炭素の収率を得るためには、開示したRWGS触媒の使用及び
開示したLFP触媒の使用と同様に、全体的なプロセスの統合が必要で
ある。         
                          この項つづく
                        
 
米製地対空防空システム「パトリオット」=2022年3月、ポーランドのジェシュフ・ヤションカ空港/Stringer/Reuters/File

 心に響く歌曲 『Aerosmith - I Don't Want to Miss a Thing』
              作詞&作曲:ダイアン・ウォーレン
             ジャンル:ハードロック 1997‐1998年

   1998年の映画『アルマゲドン』のサウンドトラックに収録される。



✪ 毎日、毎日、エネルギー関係のニュースが飛び込みできるだけ、大切な
ことはコミットしてきているが、ここにきて心身とも疲れがとれないでい
る。ひこにゃんが11歳の誕生日を迎えて「ひこにゃん、エネルギーフリ
ー社会を語る」というヘッドラインが頭を過ぎる。関連する、振興事業も
見えているものの、具体的な行動は、日々の情報処理に追われ、手づかず
にいる。誰か力を貸してくれ "I don't want to miss a thing." と悲鳴をあ
げる自分がいる。午後4時すぎ久しぶりに、二人で「徳兵衛」へ出かける。
客は二人、後から二人入ってくるものの、貸し切り状態。注文もスマート
パッドで入力。様変わりに驚く。ネタは新鮮で、持ち帰り二人分買ってご
機嫌で帰ってくる。息子たちも絶賛していた。(2017.04.14 ブログ「
ネルギーフリー社会を語る。」
より)

🪄いまから思うと、これがエポクなブログとなった。「ラスト・ディケイ
  ド」のテーマとして、滑り込みセーフとなった。そうだと思うよ。政治・
 経済・社会・科学に跨る成果だと誰一人から褒めてもらえないだろうが。
 今日の言葉:天晴!大作君!

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』


                           



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エネルギーと環境 121

2025年01月29日 | 水素物語

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。


図6 人工光合成の概念図
出典:資源エネルギー庁 スペシャルコンテンツ「CO2を“化学品”に変え
る脱炭素化技術「人工光合成」」(2018年7月5日)

150


触媒(しょくばい)とは、一般に、特定の化学反応の反応速度を速める物
質で、自身は反応の前後で変化しないものをいう

光触媒(ひかりしょくばい、photocatalyst)は、を照射することに
より触媒作用を示す物質の総称である。また、光触媒作用は光化学反応
一種と定義される。
通常の触媒プロセスでは困難な化学反応を常温で引き
起こしたり、また化学物質自由エネルギーを増加させる反応を起こす場
合がある。天然の光触媒反応として光合成が挙げられるが、人工の化学物
質を指すことが多い。英語で光触媒の作用は photocatalysis と呼ばれる。
大谷文章は『光を照射したときに起こる反応において,光を吸収する物
質が反応前後で変化しない場合』を広義の光触媒反応と定義している

✳️ 最新光触媒特許情報(2025.01.28)

1. 特開2023-108626 】光触媒、及び炭化水素の製造方法 国立大学法人千
葉大学(審査前)
【要約】金属酸化物半導体及び炭素系半導体から選択される少なくとも1
種により構成される担体と、該担体に担持された金属コバルト含有成分と
を含む、光照射により二酸化炭素及び/又は一酸化炭素を還元するための
光触媒で、光照射により二酸化炭素及び/又は一酸化炭素を効率良く還元
でき、一実施形態において二酸化炭素を炭化水素に変換できる光触媒を提
供する。


図1 キセノンアークランプの波長に対する光強度分布
【特許請求の範囲】
【請求項1】  金属酸化物半導体及び炭素系半導体から選択される少なく
とも1種により構成される担体と、前記担体に担持された金属コバルト含
有成分とを含む、光照射により二酸化炭素及び/又は一酸化炭素を還元す
るための光触媒
【請求項2】  前記金属酸化物半導体が、酸化ジルコニウム、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、チタン酸ストロンチウム、オキシ塩化
ビスマス、バナジン酸ビスマス、酸化ガリウム、酸化モリブデン、酸化タ
ングステン、酸化鉄、酸化セリウム、及びタンタル酸カリウムから選択さ
れる少なくとも1種であり、 前記炭素系半導体が、グラフェン、カーボン
ナノチューブ及びグラファイトから選択される少なくとも1種である、
請求項1に記載の光触媒
【請求項3】  前記担体が、酸化ジルコニウムにより構成される、請求項1
に記載の光触媒
【請求項4】  前記金属コバルト含有成分の担持量が、前記光触媒中、コ
バルト原子換算で1~35重量%である、請求項1に記載の光触媒
【請求項5】  前記金属コバルト含有成分の担持量が、前記光触媒中、コ
バルト原子換算で2~15重量%である、請求項1に記載の光触媒
【請求項6】  前記金属コバルト含有成分が、金、銀、銅、鉄、ニッケル、
モリブデン、亜鉛、インジウム、白金、パラジウム、イリジウム、セレン、
錫及びレニウムから選択される少なくとも1種の金属をさらに含有する、
請求項1に記載の光触媒
【請求項7】  光照射により二酸化炭素及び/又は一酸化炭素を還元して
炭化水素を製造するための、請求項1に記載の光触媒
【請求項8】  水素ガス及び/又は水分含有雰囲気下で、請求項1~7の
いずれか一項に記載の光触媒と、二酸化炭素及び一酸化炭素から選択され
る少なくとも1種とを接触させながら、紫外光及び可視光のいずれか一方
又は双方を含む光を前記光触媒に照射して、炭化水素を生成させる工程を
含む、炭化水素の製造方法。
【請求項9】  前記工程における雰囲気温度が、200℃未満である、請
求項8に記載の炭化水素の製造方法。
【請求項10】  前記炭化水素が、炭素数1~4の飽和炭化水素及び炭素
数2~4の不飽和炭化水素から選択される少なくとも1種を含む、請求項
8に記載の炭化水素の製造方法。
【請求項11】前記炭化水素が、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エ
チレン、プロピレン、ブテン及びブタジエンから選択される少なくとも1
種を含む、請求項8に記載の炭化水素の製造方法。

【発明の効果】
  本開示によれば、光照射により二酸化炭素及び/又は一酸化炭素を効率
良く還元でき、一実施形態において二酸化炭素を炭化水素に変換できる
触媒
を提供できる。特に本開示によれば、一実施形態において二酸化炭素
を一分子中に炭素数2以上の炭化水素に変換できる光触媒を提供できる。


図2 還元Co(7.5重量%)-ZrO2(550℃水素還元)触媒を
用いたCO2光還元反応による炭化水素の生成量の時間プロットである。


図3 還元Co(5.0重量%)-ZrO2(550℃水素還元)触媒を
用いたCO光還元反応による炭化水素の生成量の時間プロット



図4 還元Co(7.5重量%)-ZrO2(550℃水素還元)触媒を
用いたCO光還元反応による炭化水素の生成量の時間プロット


図5 CO光還元反応による炭化水素の生成量の時間プロット
             ー 中 略 ー
【0054】  本開示は、例えば以下の[1]~[11]に関する。
  [1]金属酸化物半導体及び炭素系半導体から選択される少なくとも
1種により構成される担体と、該担体に担持された金属コバルト含有成分
とを含む、光照射により二酸化炭素及び/又は一酸化炭素を還元するため
光触媒
  [2]金属酸化物半導体が、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化スズ、酸化ニオブ、チタン酸ストロンチウム、オキシ塩化ビスマス、
バナジン酸ビスマス、酸化ガリウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、
酸化鉄、酸化セリウム、及びタンタル酸カリウムから選択される少なくと
も1種であり、炭素系半導体が、グラフェン、カーボンナノチューブ及び
グラファイトから選択される少なくとも1種である、上記[1]に記載の
光触媒
  [3]担体が、酸化ジルコニウムにより構成される、上記[1]又は[2]
に記載の光触媒
  [4]金属コバルト含有成分の担持量が、光触媒中、コバルト原子換算で
1~35重量%である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の光触媒
  [5]金属コバルト含有成分の担持量が、光触媒中、コバルト原子換算
で2~15重量%である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の光触媒
  [6]金属コバルト含有成分が、金、銀、銅、鉄、ニッケル、モリブデン
、亜鉛、インジウム、白金、パラジウム、イリジウム、セレン、錫及びレニ
ウムから選択される少なくとも1種の金属をさらに含有する、上記[1]~
[5]のいずれかに記載の光触媒
  [7]光照射により二酸化炭素及び/又は一酸化炭素を還元して炭化水素
を製造するための、上記[1]~[6]のいずれかに記載の光触媒
  [8]水素ガス及び/又は水分含有雰囲気下で、上記[1]~[7]のい
ずれかに記載の光触媒と、二酸化炭素及び一酸化炭素から選択される少な
くとも1種とを接触させながら、紫外光及び可視光のいずれか一方又は双
方を含む光を光触媒に照射して、炭化水素を生成させる工程を含む、炭化
水素の製造方法。
  [9]上記工程における雰囲気温度が、200℃未満である、上記[8]
に記載の炭化水素の製造方法。
  [10]上記炭化水素が、炭素数1~4の飽和炭化水素及び炭素数2~4
の不飽和炭化水素から選択される少なくとも1種を含む、上記[8]又は
[9]に記載の炭化水素の製造方法。
  [11]上記炭化水素が、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、
プロピレン、ブテン及びブタジエンから選択される少なくとも1種を含む、
上記[8]~[10]のいずれかに記載の炭化水素の製造方法。
【実施例】【0055】
  以下、本開示の光触媒及び炭化水素の製造方法を実施例に基づきより詳細
に説明する。
【0056】  [調製例]
  担体として0.500gのZrO2粉末(JRC-ZRO-3、触媒学会
参照触媒;平均粒子径12nm、比表面積94.4m2/g)と、0.0633
~0.274gの硝酸コバルト(II)六水和物(純度99.9%超、和光純
薬(株)製)とを、100mLの水(電気伝導率0.055μS/cm未満)
に加えた。
  得られた混合物を超音波(430W、38kHz)により20分間撹拌し、
マグネティックスターラーを用いて900rpmで1時間撹拌した。
0.0658~0.285gの水素化ホウ素ナトリウム(純度95%超、
和光純薬(株)製)を20mLの水に溶かした溶液を上記混合物に加え、
マグネティックスターラーを用いて900rpmで撹拌した。
【0058】  次いで、得られた懸濁液を、ポリテトラフルオロエチレン系
メンブレンフィルター(メルクミリポア社製、オムニポア、JVWP04700;
細孔径0.1μm)を用いてろ過し、得られた固体残渣を250mLの水
を用いて洗浄した。得られた粉末を100℃で一晩乾燥した。得られた粉
末を「Co34-ZrO2」と記載する。Co担持量は2.5~10重量%
であった。得られた粉末は薄緑色を呈していた。

【0059】  [水素ガスを用いた還元処理]
  それぞれ20mgのZrO2又はCo34-ZrO2を、パイレックス(登
録商標)ガラス循環システム(体積206.1mL)に接続された、内容
積46.0mLのU字型石英管に入れ、ロータリーポンプ及び拡散ポンプ
の両方を用いて、10-6Paの真空中で1時間処理した。次いで、20kPa
のH2(純度99.99%超)を系中に導入し、昇温速度15℃/分で450℃、
550℃又は700℃に昇温し、450℃で10分間、又は550℃若し
くは700℃で1時間保持した。このようにして還元処理された触媒サン
プルを、「還元ZrO2」又は「還元Co(X重量%)-ZrO2」(Xは
担持量を示す)と記載する。還元処理された触媒サンプルについてEXAF
Sにより金属コバルト含有成分の平均粒子径を算出したところ、0.96~
2.9nmの範囲に入ると推定された。

【0060】  [CO2及びCOの光還元試験]
  13CO2の光還元試験を、調製例で得られた触媒サンプル20mgを用い
て行った。13CO2の光還元試験では、2.3kPaの13CO2及び21.7
kPaのH2(純度99.99%超)を反応器に導入した。また、2.3
kPaの13CO2及び2.3kPaのH2を反応器に導入した光還元試験も
行った。また、2.3kPaの13CO及び21.7kPaのH2を反応器に
導入した光還元試験も行った。さらに、炭化水素への水素種付加速度を評
価するために、2.3kPaの13CO及び2.3kPaのH2を反応器に導
入した光還元試験も行った。各反応は常温で行った。
【0061】  上記試験において、キセノンアークランプ(SX-UID5
02XAM、ウシオ電機(株)製;500W)を用いて、紫外・可視光を、
Y型石英ファイバーライトガイド((株)オプテル)を介して、上記触媒サ
ンプルを含む石英反応器の上部及び下部から48時間照射した。ファイバ
ーライト出口(Φ=5mm)と触媒サンプルとの距離は20mmであった。
触媒サンプルの中心位置における光の強度は142mW/cm2であった。
キセノンアークランプの波長に対する光強度分布を、紫外・可視光源から
20mmの位置に置かれた分光放射照度計(USR45DA、ウシオ電機(
株)製)を用いて測定した。結果を図1に示す。

【0062】  13CO2及び13COの光還元・変換試験の生成物を、オンラ
イン接続したガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS、JMS-Q1050
GC、日本電子(株)製)を用いて経時追跡した。ここで、分子篩「13
X-S」(長さ3m、内径3mm;ジーエルサイエンス(株)製)の充填
カラムを用いた。ヘリウム(0.40MPa、純度99.9999%超)を
、搬送ガスとして用いた。パイレックス(登録商標)ガラスシステムから
なるサンプリングループ(4.6mL)を、ロータリーポンプ及び拡散ポ
ンプを用いて10-6Paの真空下に維持してから反応ガスをサンプリングし、
その後1.5mの不活性化石英ガラス管(内径250μm)を介してGC-
MSに接続した。石英ガラス管は、分析中の気体の吸着を避けるため、
120℃に維持した。
【0063】
  表1に、13CO2及び13COの光還元・変換反応の結果を示す。
【0064】
000002
【0065】  酸化ジルコニウム上に金属コバルト含有成分が担持された
複合触媒にCO2及びH2雰囲気で紫外・可視光を照射すると、メタンに加
えて、エタン及びプロパンが生成した(実施例4に関する図2参照)。こ
のように、上記複合触媒を用いると、メタンの生成に加えて、C-C結合
形成反応が起きることが見出された。
  還元ZrO2光触媒として用いた場合は、主にCOのみが生成した(比
較例1)。H2で還元処理されていないCo34-ZrO2光触媒として
用いた場合も、主にCOのみが生成した(比較例2)。これに対して、還
元Co-ZrO2を用いた場合は、上述したように、メタン、エタン及びプ
ロパンから選択される少なくとも1種の炭化水素が主に生成した(実施例
1~6)。以上の結果から、高温でのH2還元処理が、酸化ジルコニウム上
にコバルト含有成分が担持された複合触媒を用いたCO2の光還元において
重要であると考えられる。
【0067】
  還元Co(7.5重量%)-ZrO2(550℃)が最も高い触媒活性を
示した(実施例4)。実施例1~6での各生成物の生成比(モル比)は、
多少の変動はあるものの、おおよそ一定となっている。したがって、実施
例1~6の条件では、同じ反応機構を経て反応が進行していると推測される。
  13CO2の代わりに13COを用い、2.3kPaの13CO及び21.7k
PaのH2を反応器に導入した(実施例7に関する図3参照、実施例7~8
)。実施例7~8でも、各生成物の生成比(モル比)が、おおよそ一定と
なっている。物質量比で1326及び1338の生成比が炭化水素全体の
13%程度まで上昇した。1326及び1338の生成比が増加している
ことから、C-C結合形成反応は金属コバルト表面に存在するCHOH種
やCHx種の濃度に依存していると推測される。

  多段階水素付加の過程を遅くさせるため、2.3kPaの13CO及び2.3
kPaのH2を反応器に導入した(実施例9、図4参照)。その結果、
1324の生成が確認された。生成量のプロットは逐次反応のグラフとな
り、2CH2→ C24 → C26の素過程での反応速度定数はそれぞれ
0.51s-1、0.0077s-1と求められた。0~2時間までの生成速
度は5.5μmol・h-1・g-1であり、また、全生成物の25%程度が
1324であった。

  13CO及びH2雰囲気で、光触媒として還元Co(7.5重量%)-Zr
2(550℃)を用いて光還元試験を行った場合(実施例8及び9)、
2圧を21.7kPaから2.3kPaに下げると光触媒反応全体が抑
制され、また、エチレン生成が確認された(図5(A)(1)及び(2))。
エチレンは逐次反応の中間物質であり、さらにエタンに転換された。

  13CO及びH2雰囲気で、光触媒として還元Co(7.5重量%)-Zr
2(700℃)を用いて光還元試験を行った場合、H2圧を21.7kPa
から2.3kPaに下げると(実施例9a)、やはり光触媒反応全体が抑
制され、プロピレンはその生成速度が低速になったものの定常生成した一
方、エチレンは逐次反応的にエタンに転換された(図5(B))。特に
触媒
として還元Co(7.5重量%)-ZrO2(700℃)を用い、13CO
圧が2.3kPa、H2圧が2.3kPaの条件での光還元試験を行った場
合、反応初期3~4時間までは炭素水素生成物の内、エチレンが主生成物
となった。
  光照射に用いた光の波長カットを、各々のファイバーライト出口に設置さ
れたシャープカットフィルターを用いて行った。型番「UV32」及び
「Y52」(厚さがそれぞれ2.5mm;HOYA(株)製)のフィルタ
ーを、それぞれ、波長λ>320nm及びλ>520nmの光を透過させる
ために用いた。光触媒として還元Co(7.5重量%)-ZrO2(550
℃)を用いたCO2の光還元反応を、13CO2(2.3kPa)及びH2
(21.7kPa)の条件で行った。結果を表2に示す。
表2.

000003
  ZrO2のバンドギャップが5.0eV(λ=248nm)程度であるこ
とから、紫外光をカットすることで炭化水素の生成速度が低下するものの、
入射光の波長が320nm超でも520nm超でも活性がある。これはZr
2表面の酸素欠陥サイトに吸着したCO2分子が反応しやすいためである
と考えられる。

2.特開2023-25408 光触媒の製造方法及びこれにより製造される光触媒
 国立大学法人千葉大学
【要約】より広範囲な波長範囲に適用可能であるとともに、簡便な方法で
光触媒を長期間安定的に固定化する光触媒の製造方法及びこれにより製造
される光触媒を提供する。
【解決手段】本発明の一観点に係る光触媒の製造方法は、チタン粉末と球
状基材を混合して前記球状基材の表面にチタン膜を形成してチタン膜形成
球状基材とするチタン膜形成工程と、チタン膜形成球状基材を酸素及び窒
素の存在下において焼結する焼結工程を有し、本発明の他の一観点に係る
光触媒はチタン膜形成球状基材を焼結して得られる。
【選択図】図1

【図1】光触媒の基本原理を示す図
【特許請求の範囲】
【請求項1】チタン粉末と球状基材を混合して前記球状基材の表面にチタ
ン膜を形成してチタン膜形成球状基材とするチタン膜形成工程と、前記チ
タン膜形成球状基材を酸素及び窒素の存在下において焼結する焼結工程と、
を有する光触媒製造方法。
【請求項2】前記球状基材は、セラミックスボールである請求項1記載の
光触媒製造方法。
【請求項3】前記焼結工程は、放電プラズマ焼結により行う請求項1記載
光触媒製造方法。
【請求項4】前記焼結工程は、1000℃より高く1300℃以下の温度
で焼結を行う請求項1記載の光触媒製造方法。
【請求項5】前記焼結工程は、前記チタン膜形成球状基材に5MPa以上
40MPa以下の圧力を加えて焼結する請求項1記載の光触媒製造方法。
【請求項6】前記焼結工程の焼結雰囲気において、前記窒素は、前記酸素
の含有量を1とした場合、10以上1000以下の範囲にある請求項1記
載の光触媒製造方法。
【請求項7】チタン膜形成球状基材を焼結して得られる光触媒

000004
【図2】酸化チタン及び窒素ドープ酸化チタンのエネルギーバンド図を
示す図

【図3】放電プラズマ焼結装置の概略を示す図


【図4】実施例において作製した焼結体
(1000℃)の外観を示す写真図


【図5】実施例において作製した焼結体(1100℃、1200℃、
1300℃)の外観を示す写真図

【図6】実施例において作製した焼結体(1100℃、1200℃、
1300℃)の断面写真図



【図8】実施例において作製した焼結体における可視光照
射時間とMB水溶液濃度の関係を示す図である。


【図9】実施例において作製した焼結体における紫外光照
射時間とMB水溶液濃度の関係を示す図である。

【発明を実施するための最良の形態】
  以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、以下に示す
実施形態、実施例の記載にのみ狭く限定されるものではない。
  図1は、光触媒の基本原理を示す図である。太陽光からの紫外線1が酸
化チタン2に照射されると、酸化チタン2に電子(e)3と正孔(h
4が生じる。そして空気中の酸素(O)5と電子3、水(HO)6と
正孔4がそれぞれ反応を起こし、酸化チタン2の表面に、スーパーオキサ
イドイオン(O)7、水酸ラジカル(OH)8という分解力を持つ2
種類の活性酸素が発生する。そして、これらの活性酸素が汚染物質9を分
することにより、防汚、抗菌、殺菌、脱臭、浄化等の様々な効果を発揮す
ることができる。
 ところで図2(a)は、一般的な酸化チタンのバンド図を示す図である。
酸化チタンのバンドギャップは約3.2eVであり、波長が380nm以
下の紫外線が照射されたときにしか電子が導電帯に励起せず、光触媒とし
て機能しない。一方、太陽光に含まれる紫外線はわずか約3%程度に過ぎ
ず、一般的な酸化チタンでは、太陽光の可視光波長成分のエネルギーを有
効に利用することができない。
  これに対し図2(b)は、窒素をドープした酸化チタンのバンド図を示
すものである。本図に記載の酸化チタンは、バンドギャップが小さくなっ
ており、波長が500nm以下の可視光でも電子が導電帯に励起し、光触
として機能することができる。したがって、酸化チタンに窒素をドープ
することで、可視光にも応答する光触媒が製造できる。
 上記を考慮して、本実施形態の光触媒製造方法は、(1)チタン粉末と球
状基材を混合して球状基材の表面にチタン膜を形成してチタン膜形成球状
基材とするチタン膜形成工程と、(2)チタン膜形成球状基材を酸素及び
窒素の存在下において焼結する焼結工程と、を有する。
本実施形態において、チタン粉末とは、言葉のとおりチタンを含む粉末で
ある。チタン粉末の大きさは、後述する焼結工程によって十分に焼結する
ことができる限りにおいて限定されるわけではないが、例えば平均粒径が
1μm以上100μm以下、より好ましくは50μm以下の粉末である。な
おこの粒径の測定方法としては限定されるわけではないが、例えばレーザ
ー回折式粒度分布測定装置を用いることにより測定可能である。
また、本実施形態において、球状基材とは、上記の記載から明らかなよう
に、チタン粉末をコーティングするための球状の物質である。本実施形態
において「球状」とは、完全な球体を含む概念ではあるが、現実的には不
可能であり、現実的に許容される球状のものを含む。
球状基材の材質としては、本実施形態に係る光触媒(以下「本光触媒」と
いう。)を形成することができる限りにおいて限定されるものではないが、
セラミックス、金属及びこれらの混合物のいずれかを含むものであること
が好ましい。また球状基材がセラミックスである場合、これもまた限定さ
れるわけではないがアルミナ、ジルコニア、チタン酸バリウム等を例示す
ることができ、球状基材が金属である場合、鉄及びその合金(ステンレス
等)等を例示することができる。
  また、球状基材の大きさは、本光触媒を製造することができる限りにお
いて限定されるわけではないが、例えば平均粒径が0.5mm以上10mm
以下、より好ましくは1mm以上5mm以下の粉末である。なおこの粒径
の測定方法としては限定されるわけではないが、顕微鏡写真を複数箇所に
おいて撮影し、撮影された個々の球状基材のサイズを測定して平均的に求
める方法を採用することができる。
  また本実施形態において、チタン粉末と球状基材の混合方法としては、
均一に混合することができる限りにおいて限定されず、例えばボールミル、
ポットミル、ロータリーミキサー等を用いて混合することができる。なお、
この結果、チタン膜が形成された球状基材を本明細書では「チタン膜形成
球状基材」という。
  また本実施形態においてチタン膜形成球状基材を焼結する焼結工程は、限
定されるわけではないが、放電プラズマ焼結によって行われることが好ま
しい。放電プラズマ焼結は迅速な昇温(短時間での処理と粒成長の抑制)
と還元雰囲気中での処理が可能といった特徴を備え、この焼結法によって
光触媒の固定化を行うとともに、可視領域にまで広げた光触媒機能を発揮
させることができる。
  また本実施形態において、焼結工程は、1000℃より高くチタンの融点
(1668℃)より低い温度で焼結することが好ましく、より好ましくは
1100℃以上1300℃以下の温度範囲である。1000℃より高くす
ることで球体チタン膜同士を結合させることが可能となり、1100℃以
上とすることで高い光触媒性能を発揮することが可能となる。一方、チタ
ンの融点より低くすることでチタンが球状基材から剥がれ落ちてしまうこ
とを防止することが可能となるとともに、1300℃以下とすることで、
球状基材同士が融着してしまう虞を防止できるといった利点がある。
  また本実施形態において、焼結工程は、チタン膜形成球状基材に5MPa
から40MPaの圧力を加えて焼結することが好ましい。この範囲とする
ことで、安定的に固定化することができる。
  また本実施形態において、焼結工程は、上記の温度で焼結することができ
る限りにおいて限定されるわけではなく、上記好ましい温度まで昇温させ
た後、1分以上10分以下の温度保持時間を設けることが好ましい。
 以上、本実施形態によれば、一回の焼結工程すなわち短時間で固定化され
た可視光応答性光触媒焼結体を製造することができ、生産効率を飛躍的に
向上させることができる。また、本方法では焼結工程を採用しておりバイ
ンダーポリマーの劣化や酸化チタン薄膜の低耐久性の問題がなく耐久性に
優れ、成形加工しやすい可視光応答性光触媒が製造できる。また、本実施
形態によると、球状基材を用いているため、チタン膜が形成された場合で
も球状基材同士の間が隙間として活用可能である。そのため、表面積が大
きく確保できるとともにその内部まで触媒としての機能を確保できるとい
った効果がある。特に、水等の液体を透過させることが可能となりフィル
ターとしての機能が大きいといった効果もある。
【実施例】【0037】
  ここで、上記実施形態の効果を確認するため、実際に光触媒を製造しその
効果を検証した。以下具体的に示す。
【0038】(実施例1)
  図3は、放電プラズマ焼結装置の概略を示す図である。チタン膜形成球状
基材は焼結ダイ51に詰められ、加圧機構59により上部パンチ54と下
部パンチ55に圧力が加えられ、この結果チタン膜形成球状基材52に圧
力が加えられる。焼結ダイ51はグラファイト型であり、内径φは20mm
(φ20)とした。焼結ダイ51には、焼結電源(パルス電源)58によ
りON、OFFが繰り返される直流パルス電圧が印加され、焼結ダイ51に
直流パルス電流が流れることにより急速に温度が上昇する。焼結ダイ51
の温度上昇に伴って紛体52も急速に加熱される。なお、図中、符号53
は水冷真空チャンバーである。

  本実施例では、原料粉末としてTi粉末(平均粒径30μm、大阪チタニ
ウムテクノロジーズ(株)TSP-350)及びアルミナボール(平均粒
径1mm、(株)ニッカトー  HDボール(HD-1))を用い、秤量した
Ti粉末とアルミナボールを遊星型ボールミル(フィリッチュ  P-5/4
)で10時間混合してからグラファイトの型(焼結ダイ)に敷き詰め、放
電プラズマ焼結(SPS:Spark  Plasma  Sintering)
装置により特定の温度まで加熱しながら10MPaの圧力を加え、この特
定の温度になった後の保持時間を3分間として焼結を行った。なおこの特
定の温度は、1000℃、1100℃、1200℃、1300℃のいずれ
かとした。
この結果得られた焼結体の外観を図4及び図5に示す。1000℃ではチ
タン膜が形成されたアルミナボールそれぞれは焼結されていたようであっ
たが、結合が十分ではなく、アルミナボールが衝撃によって崩れてしまう
ほど脆い状態であった。一方、1100℃から1300℃の焼結の結果で
は、強固に結合した状態を保つことができていた。
 また、図6に、1100℃、1200℃、1300℃の焼結体の断面の写
真図を示す。これらにおいては、いずれも隙間が保持されており、Ti膜
によって接合されていることを確認した。一方で1300℃の焼結体では、
球状基材の変形が激しく隙間が保持できていないことが確認された。
  次に、得られた焼結体のそれぞれについて、それぞれ色素分解法による
触媒
機能の評価を行った。ここで色素分解法とは、色素を光触媒表面に吸
着させ、その脱色速度を測定し、分解活性を評価する方法である。

  図7は、本実施例で行った色素分解法の概略を示す図である。前処理とし
て、(1)アセトンによる洗浄、(2)自然乾燥(24時間)、(3)紫
外線照射(24時間)、(4)暗所にてメチレンブルー(20μmol)の
吸着(12時間)を行った。その後、内径20mmのセル81に光触媒
結体82を入れ、10μmol/Lの試験用メチレンブルー(MB)水溶
液83を7mL注ぎ、ブラックライト84(Pananasonic社製
蛍光灯。FL20SS-ECW)により1mW/cm、照度:5000l
xの光を照射し1時間ごとの吸光℃を測定して、Beerの法則により濃
度を測定した。
【0044】
  図8に、可視光照射時間とMB水溶液濃度の関係を、図9に紫外線照射
時間とMB水溶液濃度の関係をそれぞれ示す。これらのいずれにおいても、
時間とともにMBの濃度が下がっていることが示され、特に1100℃に
おいては最も効果が高いことが確認された。なお、それぞれの紫外線光下
における光触媒機能評価結果としては、1100℃においては15.4(
K・μmol-1-1min-1)であり、1200℃では9.8(K・
μmol-1-1min-1)、1300℃では5.5(K・μmol-1
-1min-1)であった。
以上、本実施例により、可視光においても紫外線においても光触媒機能を
確認することができ、本発明の効果を確認することができた。
【産業上の利用可能性】
  本発明は光触媒としての産業上の利用可能性がある。

心に響く歌曲     『家族になろうよ 福山雅治』
              ジャンル:J-POP 2011年8月1日
              作詞/作曲:福山雅治


 
今日の言葉:

   春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

 

                                                                                                     

 

コメント
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エネルギーと環境 120

2025年01月28日 | 水素物語

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

世界一美しい射場を未来へ 超小型電気自動車による射場インフラ保全のスマート&グリーン化 | JAXA 施設部

【季語と短歌:1月29日】

      雪まろげ奇声消えにし寺の鐘 
                 高山 宇 (赤鬼)  

✳️ 世界初!自然物の微小電気集約型「超小集電」

LEDがともり山あいに浮かび上がる空庵

茨城県常陸太田市にある。デザインや事業開発などを手がける企業トップ
で、研究者でもある中川聡さん(71)が故郷に造った「KU-AN/空庵(
くうあん)」。昨年の県の「いばらきデザインセレクション」で大賞に輝
き、「災害時や、世界の電気がない地域で役立てたい」と話す。(竹島勇)
昨年12月下旬、空庵を取材に訪れた。格子状の木枠に支えられたガラス張
りの印象的な外観。建物は床面積約50平方メートルのワンフロアで、日が
落ちて周囲が暗くなると室内の800個のLED電球が点灯し、のどかな山あい
に明るく浮かび上がる。(東京新聞より)

発電部の壁沿いには、10センチ×10センチ×25センチの木製容器に土を入
れた「集電セル(単電池)」(1500個)。全体で2ワットの電力を生み出
し、毎日、日暮れに合わせて10分程度、LEDライトを発光させている。建
物のガラス面が大きい理由は、冬は氷点下約15度、真夏は約55度になると
いう室内温度差の中で集電能力を検証している。
🪄中川聡さんは県立太田第一高校を卒業し、千葉大大学院を修了。1987
年に設立したトライポッド・デザイン社(東京)でCEO(最高経営責任者)

横浜市、戸田建設ら5者/洋上風力グリーン電力供給検討で覚書  
🎈 横浜市、戸田建設ら5者/洋上風力グリーン電力供給検討で覚書
    © 日刊建設工業新聞



✳️ 回収カーボンの炭化水素製造技術 ②
1.特開2024-85399 二酸化炭素を利用した炭化水素製造システム、炭化
水素の製造方法、二酸化炭素製造装置、及び、二酸化炭素の製造方法 環
境工学株式会社⓶
🎈出願者が「環境工学株式会社」とは面白い。さて、【背景技術】では                「
化石燃料の使用を削減するために、二酸化炭素を利用した炭化水素を合
成する技術として、例えば、特許文献1に示す方法が提案されている。特
許文献1の技術は、水中において、二酸化炭素を活性酸素の存在下還元す
ることにより炭化水素を合成する方法であり、前記活性酸素を生成するた
めに、酸素を含むナノバブルを含む水に紫外線を照射することを特徴とす
る。特許文献1の技術によれば、簡単な反応機構により炭化水素を合成で
きる。」とあり「特許文献1」ので参照する。
--------------------------------------------------------------------------------
特許第6440742号 炭化水素の合成方法及び合成装置 SIエナジー株式
会社
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中において二酸化炭素を還元させて炭化水素を合成する方
法であって、
二酸化炭素を含む水に酸素を供給することにより酸素のナノ
バブルを生じさせ、
光触媒の存在下において、前記酸素のナノバブルを含
む水に紫外線を照射することにより活性酸素を生成させ、
前記活性酸素の
存在下において、二酸化炭素を還元させること
を特徴とする炭化水素の合
成方法。
【請求項2】別途調製した液状炭化水素と、前記酸素のナノバブルから生
成される前記活性酸素と、の存在下において、二酸化炭素を還元させるこ
とを特徴とする請求項1に記載の炭化水素の合成方法。
【請求項3】水中において二酸化炭素を還元させて炭化水素を合成する炭
化水素の合成装置であって、二酸化炭素を含む水に酸素を供給することに
より酸素のナノバブルを発生するナノバブル発生手段と、光触媒の存在下
において、前記ナノバブル発生装置により発生した酸素のナノバブルを含
む水に紫外線を照射する紫外線照射手段と、を備え、
前記紫外線照射手段が前記酸素のナノバブルを含む水に紫外線を照射する
ことにより生成される活性酸素の存在下において、二酸化炭素を還元させ
るようにしたことを特徴とする炭化水素の合成装置。
【発明の効果】
本発明によれば、酸素のナノバブルを含む水に紫外線を照射することによ
り生成される活性酸素の存在下において二酸化炭素を還元させて炭化水素
を合成することから、二酸化炭素を含む水を単に用いるのみで炭化水素を
合成できる。そのため、容易な反応機構により炭化水素を合成できるとと
もに、効率良く炭化水素を合成できる。


図1.本発明に係る炭化水素の合成方法により炭化水素を合成する合成装
置置の一実施形態の概略構成を示す模式図

図2 本発明に係る炭化水素の合成方法により炭化水素を合成する合成装
置の他の実施形態の概略構成を示す模式図

【実施例1】 上記合成装置10において、水道水を逆浸透膜に通過させ、
50Lの水を水槽11に収容した。そして、水槽11内でナノバブル発生
装置12を稼働させて当該水中に酸素のナノバブルを吹き込むとともに、
水槽11の外部に設けた二酸化炭素ボンベから当該水中に二酸化炭素を吹
き込んだ。
  さらに、酸素のナノバブル及び二酸化炭素を吹き込んだ上記水を流速18L
/minで光触媒装置14に供給しながら、酸化チタン(光触媒)の存在
下においてUVランプ13により紫外線を照射した。そして、当該水を光
触媒装置14と、水槽11との間で24時間循環させた。
  なお、水槽11内に酸素のナノバブル及び二酸化炭素を充分に滞留(溶存
)させるために、上記水を光触媒装置14と、水槽11との間で24時間
循環させている間も、水槽11内に酸素のナノバブル及び二酸化炭素を継
続して吹き込み溶存させた。また、生成した炭化水素の揮発を防止するた
めに、水槽11の上部表面をシール材によりシールした。
【比較例1】【0036】
  上記合成装置10において、水道水を逆浸透膜に通過させ、50Lの水
を水槽11に収容した。そして、水槽11の外部に設けた酸素ボンベから
水槽11内に酸素を供給して当該水中に酸素を吹き込むとともに、水槽11
の外部に設けた二酸化炭素ボンベから当該水中に二酸化炭素を吹き込んだ
すなち、ナノバブルの状態ではない酸素を上記水中に供給した。
  さらに、酸素及び二酸化炭素を吹き込んだ上記水を流速18L/min
で光触媒装置14に供給しながら、酸化チタン(光触媒)の存在下におい
てUVランプ13により紫外線を照射した。そして、当該水を光触媒装置
14と、水槽11との間で24時間循環させた。
  なお、実施例1と同様に、水槽11内に酸素及び二酸化炭素を充分に滞
留(溶存)させるために、上記水を光触媒装置14と、水槽11との間で
24時間循環させている間も、水槽11内に酸素及び二酸化炭素を継続し
て吹き込み溶存させた。また、生成した炭化水素の揮発を防止するために、
水槽11の上部表面をシール材によりシールした。
【比較例2】【0039】
  上記合成装置10において、水道水を逆浸透膜に通過させ、50Lの水
を水槽11に収容した。そして、当該水を流速18L/minで光触媒装
置14に供給しながら、酸化チタン(光触媒)の存在下においてUVラン
プ13により紫外線を照射した。さらに、当該水を光触媒装置14と、水
槽11との間で24時間循環させた。すなわち、比較例2においては、水
槽11に収容した水に溶存する溶存酸素及び溶存二酸化炭素のみを用い、
実施例1及び比較例1と比べ、上記水に供給する酸素及び二酸化炭素の量
を少なくした。また、生成した炭化水素の揮発を防止するために、水槽11
の上部表面をシール材によりシールした。

  実施例1、比較例1及び比較例2においては、光触媒装置14と、水槽1
1との間で24時間循環させた水から一定量の水を採取し、採取した水か
らジエチルエーテルを用いて炭化水素を抽出した。そして、抽出した炭化
水素を完全に脱水した後、GC-Mass(SHIMAZU  GC-201
0)により分析を行った。

  上記GC-Massによる分析を行った結果、実施例1、比較例1及び
比較例2において抽出した炭化水素が、炭素数15~20の飽和炭化水素
であることがわかった。

  また、実施例1、比較例1及び比較例2において生成した飽和炭化水素
の量を測定した結果、実施例1においては、500mgの飽和炭化水素が、
比較例1においては、200mgの飽和炭化水素が、比較例2においては、
100mg以下の飽和炭化水素が、それぞれ生成されたことが確認できた。
すなわち、酸素のナノバブルを含む水を光触媒装置14内で処理させるこ
とにより、高い収率で飽和炭化水素が生成することがわかった。また、高
い収率で飽和炭化水素を生成するためには、処理を行う水に充分な量の酸
素及び二酸化炭素を供給する必要があることがわかった
【0043】  次に、本発明の実施例2及び実施例2に対する比較例3に
ついて説明する。なお、本発明は、実施例2に何ら限定されるものではな
い。【実施例2】【0044】
  上記合成装置10において、水道水を逆浸透膜に通過させ、100Lの
水を水槽11に収容した。そして、水槽11内でナノバブル発生装置12
を120分間稼働させ、上記水中に酸素のナノバブルを吹き込み滞留させ
た。 さらに、酸素のナノバブルを含む水を流速18L/minで光触媒装
置14に供給しながら、酸化チタン(光触媒)の存在下においてUVラン
プ13により紫外線を照射した。そして、酸素のナノバブルを含む水を光
触媒装置14内で30分間循環させた。
  さらに、予め調製した軽油2.5L(元油)と、上記光触媒装置14で処
理した酸素のナノバブルを含む水2.5Lと、の混合液を1.0MPaの
圧力で噴霧しながら反応槽23に供給した。また、同時に、二酸化炭素を
0.3MPaの圧力で500L以上反応槽23に供給し、反応槽23を二
酸化炭素で充満させた。さらに同時に、二酸化炭素で充満させた反応槽23
内において上記軽油と上記水とを4分間撹拌した。なお、反応槽23内の
温度を30℃とした。また、反応は大気圧雰囲気中で行った。
  4分間の撹拌後(反応後)、軽油と水との混合液を反応槽23から静置槽
24に供給し、静置槽24にて当該混合液を24時間静置させた。なお、
静置槽24内の温度を35℃とした。また、当該混合液の静置は大気圧雰
囲気中で行った。
【比較例3】【0048】
  比較例3については、水槽11に収容した水に供給する酸素を、上記実
施例2における「酸素のナノバブル」から、水槽11の外部に設けた酸素
ボンベから吹き込まれる「ナノバブル状態でない酸素」(酸素ボンベから
供給される酸素を直接水槽11に吹き込んだ状態)に変更する以外は、上
記実施例2と同条件で処理を行った。
  実施例2においては、24時間静置後、静置槽24内の当該混合液から上
澄み液を単離し、単離した当該上澄み液(新油)を分析した。分析は、表
1に示す項目で行った。また、比較として反応槽23での処理前の軽油(
元油)を同様の項目で分析した。その結果、表1に示すように、上記上澄
み液(新油)は、反応槽23での処理前の軽油(元油)と同等の軽油であ
ることがわかった。
表1
000002
 また、実施例2及び比較例3においては、静置槽24内の当該混合液から
単離した上澄み液(軽油)の量を測定した。その結果、実施例2において
は、上澄み液(軽油)の量は2.80Lであった。すなわち、予め調製し
た軽油が2.5Lであるため、新たに合成された軽油が0.3L(収率12
%)であることがわかった。方、比較例3においては、上澄み液(軽油
)の量は2.58Lであった。すなわち、新たに合成された軽油が0.08L
(収率3.2%)であることがわかった。以上のことから、「酸素のナノ
バブル」を用いた方が、新たに合成される軽油の量(収率)が増えること
が確認できた。
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前回の続き【0078】[実施形態8]
  図8を用いて、本実施形態の二酸化炭素回収装置1H(以下「本装置1H」
ともいう。)の構成の一例を説明する。本装置1Hは、実施形態1から7
の各二酸化炭素回収装置の構成に加えて、例えば、燃料電池発電装置30
を含む。実施形態1から7の構成については、本実施形態の本装置1Hに
おいても同様であるので、これらの説明を援用できる。なお、図8は、図
3に係る二酸化炭素回収装置の構成に、本実施形態で加えられた構成を含
めた内容の概略図である。

図8、本開示にかかる二酸化炭素回収装置の構成の一例を示す第8の概略図

 図8のように、本実施形態の本装置1Hは、例えば、前記燃料電池発電装
置30及び前記陰極電解室21で生成した水素ガスを前記燃料電池発電装
置30に供給するための送ガス手段13を含む。なお、前記燃料電池発電
装置30は、前記電気分解槽2の前記陰極電解室21で、電気分解に伴い
生成された水素を利用して、発電を行う装置である。また、前記燃料電池
発電装置30は、前記電気分解槽2に備えられた前記陽極24及び前記陰
極25に電気を供給可能なものであってもよい。前記燃料電池発電装置30
は、水素を利用して発電を行えるものであればよく、その形態及び構造は
どのようなものであってもよい。また、前記送ガス手段13の形状及び材
質等は、他の送ガス手段の場合と同様に、特に限定されない。


本実施形態の二酸化炭素回収方法は、例えば、図8に示す本装置1Hを用
いて、前記電気分解槽2の前記陰極電解室21で、電気分解に伴い生成さ
れた水素を利用して、発電を行う点を除き、実施形態1から7の二酸化炭
素回収方法と同様である。また、各工程の実施する順序が限定されないこ
とは、他の実施形態の場合と同様である。
本実施形態の送ガス手段13は
前記陰極電解室21で生成した水素ガスを前記燃料電池発電装置30に供
給する(燃料電池発電工程)。そして、前記燃料電池発電装置30は、送
ガス手段13によって供給された前記水素を利用して、発電を行う。また、
前記燃料電池発電装置30は、発電した電気を、前記電気分解槽2に備え
られた前記陽極24及び前記陰極25に供給してもよい。

  本実施形態の本装置1Hは、電気分解に伴い発生する水素ガスを有効利用
することができる。

【0083】[実施形態9]
  図9を用いて、本実施形態の二酸化炭素回収装置1I(以下「本装置1I」
ともいう。)の構成の一例を説明する。1Iは、実施形態1から8の各二
酸化炭素回収装置の構成に加えて、例えば、太陽光発電装置31を含む。
実施形態1から8の構成については、本実施形態の本装置1Iにおいても
同様であるので、これらの説明を援用できる。なお、図9は、図3に係る
二酸化炭素回収装置の構成に、本実施形態で加えられた構成を含めた内容
の概略図である。
 図9のように、本実施形態の本装置1Iは、例えば、前
記陽極24及び前記陰極25に電気を供給可能である前記太陽光発電装置
31を含む。なお、前記太陽光発電装置31は、前記陽極24及び前記陰
極25に電気を供給可能であればよく、その形態及び構造はどのようなも
のであってもよい。

本実施形態の二酸化炭素回収方法は、例えば、図9に示す本装置1Iを用
いて、前記電気分解槽2に備えられた前記陽極24及び前記陰極25に電
気を供給する。本実施形態の二酸化炭素回収方法は、前述の点を除き、実
施形態1から8の二酸化炭素回収方法と同様である。また、各工程の実施
する順序が限定されないことは、他の実施形態の場合と同様である。

本実施形態の本装置1Iは、再生可能エネルギーの活用をした二酸化炭素
回収を可能とする。

【0087】  以下、図10を使用して、本開示にかかる二酸化炭素回収
装置及び二酸化炭素回収方法の具体例を示す。なお、以下の説明は、具体
的な内容の一例であり、前述のとおり、本開示にかかる二酸化炭素回収装
置及び二酸化炭素回収方法は、以下の説明に限定されない。また、本発明
の二酸化炭素回収装置及び二酸化炭素回収方法は、以下の説明に記載した
構成をすべて含むものでなくてもよく、構成を付加したものであってもよ
い。さらに、本開示にかかる二酸化炭素回収方法は、以下の説明における
二酸化炭素回収装置(以下、「本装置1J」ともいう。)の使用に限定され
ない。

本装置1Jは、二酸化炭素を含む空気を空気導入路(送ガス手段19)から
導入し、内部で二酸化炭素を分離しながら二酸化炭素の濃度を零又は大幅
に低減した状態にして、空気排出路(送ガス手段12)から外部に排出す
る装置であり、火力発電所のように大量の燃焼ガスを連続的に排出する大
規模施設から家屋・オフィス等の小規模施設など、様々な規模の施設に適
用することを想定している。


 本装置1Jは、直方体状で中空の筺体10の内部に、陽極24及び陰極25
を有して導入した塩化ナトリウム水溶液を電気分解しながら水酸化ナトリ
ウム水溶液及び塩化水素を含む水溶液を生成する電気分解槽2と、陰極25
側で生成した水酸化ナトリウム水溶液を、配管(送液手段16)を介して
導入するとともに二酸化炭素を含む空気を空気導入路(送ガス手段19)
を介し導入して水酸化ナトリウム水溶液中で気泡生成具191から噴出・
バブリングすることで、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム含む水溶
液を生成する反応槽3と、生成した炭酸ナトリウム等を含む水溶液を、配
管(送液手段17)を介して導入するとともに、その水溶液に配管(送液
手段15)を介して塩化水素を含む水溶液を導入して混入することで気体
の二酸化炭素を二酸化炭素排出路(送ガス手段11)から取り出す回収槽
4と、を備えている。

【0090】そして、本装置1Jは、電気分解槽2の塩化水素を含む水溶液
を貯留する部分の上部側に、その水溶液に紫外線を照射する紫外線照射手
段としての紫外線ライト(紫外線照射手段26a,26b)が内装されて
おり、陽極24側で電気分解された水溶液に含有している次亜塩素酸を分
解して塩化水素を生成することで、塩化水素の濃度を高めてから配管(送
液手段15)を介して回収槽4に導入させる構成とされている。

即ち、例えば、電気分解槽2の陽極24側で生成される塩化水素を含む水
溶液に紫外線ライト(紫外線照射手段26a,26b)で紫外線を照射す
る構成を採用したことで、その水溶液に含まれる次亜塩素酸を塩化水素に
しながら塩酸濃度が高くpHの低い水溶液にして回収槽4内に導入可能と
なるため、本装置1Jは、二酸化炭素を効率的に気体の状態にして分離しな
がら、塩化ナトリウム水溶液を生成して循環使用可能としている。また、
反応槽3と回収槽4を別々にしたことで、本装置は、各槽において連続的
に処理を行いながら、処理に用いる水溶液を入れ替え作業することなく循
環使用可能として、装置の運転効率を高いものとしている。

  一方、電気分解槽2は、それに内装した陽極24側と陰極25側が、縦向
きに延びる隔壁100で縦方向底部側付近から頂壁に達する位置まで空間
を区画されて陽極電解室20と陰極電解室21を形成しており、その上部
側に気体を各々貯留する空間を有しているとともに、回収槽4で生成され
た塩化ナトリウム水溶液(塩水)が、その底部側から配管(送液手段18)
を介して陽極電解室20及び陰極電解室21の底部側に各々導入される構
成となっている。
そして、陰極電解室21の水酸化ナトリウム水溶液を、反応槽3に送る配
管(送液手段16)の吸入口、及び陽極電解室20の塩化水素を含む水溶
液を回収槽4に送る配管(送液手段15)の吸入口は、水溶液貯留部分の
上部側に各々開口している。これにより、本装置は、電気分解されていな
い塩化ナトリウム水溶液を電気分解済みの水溶液に混入して次の槽に導入
してしまうことを最小限に抑えながら、回収槽4で生成した塩化ナトリウ
ム水溶液を電気分解槽2に連続的に導入可能としており、装置の連続運転
を実現可能としている。

なお、上述した電気分解槽2において、陽極24と陰極25の表面では電
気分解に伴う熱が生じることから、電気分解で生じた次亜塩素酸及び塩化
水素を含む水溶液部分と水酸化ナトリウムを含む水溶液部分の温度が上昇
するとともに、陽極24側の上部に配置した紫外線ライト(紫外線照射手
段26a,26b)の照射熱も加わって、それらにおける水溶液の熱膨張
により槽の上部に上がりやすくなるため、本装置1Jは、配管(送液手段
15,16)の吸引口から、電気分解されていない塩化ナトリウム水溶液
が電気分解処理済みの水溶液に混入して吸引されにくい状態をさらに高め
ている。また、電気分解槽2の空間を左右に区画している隔壁100は、
硬質の不透過性素材からなりその下端側が開放されて陽極電解室20と陰
極電解室21を連通させているが、この隔壁100に半透膜を用いても良
く、この場合は電気分解槽2の左右の空間を完全に区画した構成としても
良い。また、本装置1Jは、その陽極電解室20において、気体を貯留する
上部側の空間から延設されて水溶液を貯留する部分の下部側まで連通させ
る配管(送ガス手段22)が接続されており、電気分解により生成されて
上部空間に溜まった塩素ガスを、ポンプ122で下部側まで搬送して気泡
生成具123を介し水溶液中でバブリングさせることで、塩素ガスを水溶
液中に溶解させる構成となっている。

 これにより、電気分解により陽極24側で生じて上部空間に貯留した危険
な塩素ガスを、貯留した水溶液の下部側から噴出させながら溶解させるこ
とを繰り返すことができ、その大部分を比較的安全な液体の状態(塩酸)
にすることができるため、本装置1Jは、装置の安全性を確保しながら塩素
ガスの生成量を考慮することなく充分なる出力で電気分解を実施可能とし
て、陰極25側で充分なる濃度の水酸化ナトリウムを生成することができ
る。

  なお、陽極電解室20の頂壁には酸素を排出する酸素排出路(送ガス手段
14)が、陰極電解室21の頂壁には水素を排出する水素排出路(送ガス
手段13)が設けられているが、その排出された酸素や水素は、所定のボ
ンベ等に貯留して様々な目的に利用することができる。例えば、図示は省
略するが、本装置は、水素ガスを発電の燃料として使用する燃料電池発電
手段を装置に付設しておくことで、それによる電力を装置稼働のための電
力の少なくとも一部に使用する方式とすることもでき、この場合は、装置
のランニングコストを一層低廉に抑えることが可能となる。なお、本装置
は、太陽光発電を利用してもよい。これによって、さらに、ランニングコ
ストを抑えることが可能である。
  また、図示は省略するが、上述した本装置1Jにおいて、各槽にpHメー
タを設けるとともに、マイコンと運転制御用ソフトウエアを記憶したメモ
リを有した電子制御手段を備えたものとして、その電子制御手段が、各槽
のpHレベルを検知しながら、配管(送液手段15,16,17,及び18,
並びに送ガス手段22)に設けたポンプ151,161,171,181,
122及び各通路に設けた電磁弁と紫外線ライト(紫外線照射手段26a,
26b)をフィードバック制御により操作する方式とすれば、本装置1Jは、
ほぼ自動的且つ連続的に装置の運転を行えるようになる。
  本装置1Jを最初に運転する際には、塩水導入路(送液手段29)を介し
て電気分解槽2に所定濃度の塩化ナトリウム水溶液(塩水)を所定の水位
まで貯留させるとともに、空気排出路(送ガス手段12)及び二酸化炭素
排出路(送ガス手段11)を利用する等して、反応槽3に水酸化ナトリウ
ム水溶液を所定水位まで導入して貯留するとともに、回収槽4に塩化ナト
リウム水溶液を導入して所定水位まで貯留しておくと良い。

【0100】 次に、本装置1Jは、陽極24及び陰極25に通電して電気
分解を開始しながら、陽極電解室20の紫外線ランプ(紫外線照射手段26a,
26b)を点灯させるとともに配管(送ガス手段22)のポンプ122を
駆動させる。本装置1Jは、これと同時に、空気導入路(送ガス手段19)
と気泡生成器191を介して反応槽3内への二酸化炭素を含む空気(処理
対象)の導入を開始する。
  そして、本装置1Jは、陰極電解室25の水溶液貯留部分の上部側に配置
した図示しないpHメータで水溶液の塩基性度が所定レベルに達したこと
を検知した時点で、配管(送液手段16)のポンプ161を駆動させて反
応槽3に水酸化ナトリウム水溶液を導入し、陽極電解室24の水溶液貯留
部分の上部側に配置した図示しないpHメータで水溶液の酸性度が所定レ
ベルに達したことを検知した時点で、配管(送液手段15)のポンプ151
を駆動させて回収槽4に塩化水素水溶液(塩酸)を導入する。
  一方、本装置1Jは、反応槽3の水溶液貯留部分の上部側に配置した図示
しないpHメータで水溶液の塩基性度が所定レベルまで下がったことを検
知した時点で、配管(送液手段17)のポンプ171を駆動して、回収槽
4に炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム含む水溶液を導入して、配管
(送液手段15)で導入した塩化水素と反応させながら塩化ナトリウムを
生成するとともに、反応で生じた二酸化炭素が気体の状態で分離されて上
部側空間に溜まる。そして、分離した二酸化炭素は二酸化炭素排出路(送
ガス手段11)を介して外部に排出されて所定の貯留手段に貯留される等
して、残った塩化ナトリウム水溶液は、配管(送液手段18)のポンプ
181を駆動させて水位上昇分だけ送出されて、電気分解槽2の底部から
導入されて再利用される。
その後は、本装置1Jは、各槽における水溶液は循環して生成・使用され
ることから、材料を殆ど補充することなく装置の運転を継続することが可
能となり、装置のランニングコストを低廉に抑えることができる。
一方、電気分解により水素と酸素が排出される分と水分の蒸発等により水
位は低下してくるため、本装置への水の補充は、適宜行うことになる。
  なお、電気分解により陽極24側で塩化水素とともに生成される次亜塩素
酸が紫外線照射により分解されて塩化水素になる(2HClO→2HCl+
)という反応については、本願発明者による実験で確認されている。
即ち、当初濃度が1000ppmの次亜塩素酸水(50ml)はpH6.
66であったものが、15分の紫外線ライト(智洋製)の照射によりpH
6.30まで低下し、さらに15分照射することでpH6.11まで下が
り、その後一定となっていた。そのため、本装置1Jは、陽極電解室20に
おいて、紫外線ライト(紫外線照射手段26a,26b)の照射により溶
液貯留部分の次亜塩素酸を塩化水素に変化させながら塩酸濃度が高くpH
の低い水溶液にして送出していることが分かる。
【0105】  なお、本装置1Jにおいて、反応槽3では、導入した水酸化
ナトリウム水溶液中で二酸化炭素を含む空気をバブリングして炭酸ナトリ
ウム及び炭酸水素ナトリウムを生成する方式を説明したが、導入する水酸
化ナトリウム水溶液をミスト化して二酸化炭素を含む空気と混合する方式
としても同様である。また、塩化ナトリウム水溶液を使用する代わりに、
塩化カリウム水溶液を使用しても、同様に実施することができる。

 以下、図11を使用して、本装置の他の具体例を示す。なお、以下の説明
は、具体的な内容の一例であり、本開示にかかる本装置及び二酸化炭素回
収方法が以下の説明に限定されないこと等は、前述のとおりである。
 以下の説明における二酸化炭素回収装置(以下「本装置1K」ともいう。
)は、前述の具体例と同様の構成をそのまま利用しながら、例えば、配管
(送液手段15)に塩酸と次亜塩素酸を含む水溶液を排出する塩酸排出路
(送液手段35)を、電磁弁を介して分岐して設けるとともに、回収槽4
の上部側に海水等を導入するための海水導入路(送液手段41)を設ける
とともに、その底部側に二酸化炭素を固定した固形物を捕捉するためのフ
ィルタ45を追加した構成の二酸化炭素回収装置である。


【0108】  図11の本装置1Kは、二酸化炭素を気体の状態で分離し
て装置の外で貯留又は使用するのではなく、二酸化炭素を固体の状態にし
て回収しようとするものである。即ち、陽極電解室20で生成した塩化水
素を含む水溶液は使用せずに、塩酸排出路(送液手段35)から排出する
構成とし、その代わりに海水導入路(送液手段41)から、海水又は塩化
カルシウム(CaCl)を回収槽4に投入する方式としている。つまり、
前記回収槽4で、炭酸ナトリウム(NaCO)及び炭酸水素ナトリウ
ム(NaHCO)(炭酸塩)に加えるものは、前述の具体例における本
装置1Jでは塩化水素(HCl)であるが、本具体例の本装置1Kでは、
海水又は塩化カルシウム(CaCl)である。海水を加える場合は、例
えば、炭酸マグネシウム(MgCO)と炭酸カルシウム(CaCO
が得られ、塩化カルシウム(CaCl)を加える場合は、炭酸カルシウ
ム(CaCO)が得られることになる。前記回収槽4で生成される化合
物(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)は、固体の状態で水溶液の中
で沈殿する。その結果、本装置1Kは、固体の状態の化合物として、二酸
化炭素を回収することができる。また、炭酸カルシウムは、極めて水に難
溶であり、無害であるため、二酸化炭素の安全で確実な回収を可能とする
ものである。
  尚、海水を電気分解して二酸化炭素を固定する従来技術においては、水
酸化ナトリウム水溶液との直接の処理によって、最初に大量の水酸化マグ
ネシウム(Mg(OH))が生成されるため、炭酸塩含有液と海水との
処理が進まず、水溶液に沈殿する化合物として二酸化炭素を回収すること
に支障が生じていた。本装置1Kにおいては、二酸化炭素と水酸化ナトリ
ウムとを混合する処理を行った結果生成される炭酸塩含有液との処理によ
るものであるため、前述のような支障は生じない。【0110】 例えば、
従来の二酸化炭素固定化において、水酸化ナトリウム水溶液とカルシウム
イオンを利用する方法では、水酸化ナトリウムの濃度が高い場合、前述の
とおり、水酸化ナトリウム水溶液とカルシウムイオンとが先に反応しやす
いことから、二酸化炭素の固定化に支障が生じる。そのため、水酸化ナト
リウムの濃度を、例えば、0.2mol/L以下にする必要がある。その
ため、従来の二酸化炭素の固定化は、大量の水を必要とする。これに対し
て、本開示にかかる二酸化炭素回収方法では、前述のとおり、従来の方法
のような支障は生じないことから、水酸化ナトリウムの濃度を高くするこ
とができる。例えば、前記濃度は、1mol/Lであってもよく、限定さ
れない。その結果、二酸化炭素の固定化に使用する水の量を大幅に少なく
することができる。さらに、前記反応槽3の処理において、前述の水酸化
ナトリウムをミスト状にする方法によれば、さらに、水の量を減らすこと
ができる。さらに、この前記反応槽3の反応空間を拡大するために、空き
倉庫、巨大ドーム、洞窟、トンネル、廃坑を利用すれば安価で大量に二酸
化炭素の固定が可能である。

  本開示にかかる二酸化炭素回収装置を大型タンカーに載せれば、前記二酸
化炭素回収装置は、海水を電気分解しながら、電気と水素を得て、二酸化
炭素を固定化し、海水中のカルシウムイオンを利用して炭酸カルシウムを
生成することができる。なお、電気分解に伴い発生する水素ガスの利用や
太陽光発電を組み合わせれば、大型タンカーの上においても、より安定し
た二酸化炭素回収の作業が可能となる。また、生成された炭酸カルシウム
は、前述のとおり、極めて難溶で無害なものであるため、深い海中に放出
することも可能である。回収した二酸化炭素の輸送と貯蔵が問題視されて
いるところ、本開示にかかる二酸化炭素回収装置は、これを解決すること
ができる。さらに、原発事故で未使用な広大な土地をタンカー代わりに利
用すれば、地球温暖化問題の解決に寄与するとともに、原発事故の被害を
受けた地域の活性化に活用することも可能である。


図12 本開示にかかる炭化水素製造システムの一例を示す構成図
【0112】[実施形態10]  次に、図12に示す炭化水素製造システム
の一例について説明する。図示のように、本システム1000は、二酸化
炭素回収装置1009及び炭化水素合成装置1010から構成される。二
酸化炭素回収装置1009は、前述の実施形態1から実施形態9の説明を
援用できる。炭化水素合成装置1010については、例えば、特許文献1
(特許第6440742号公報)の記載を援用できる。
【0113】  図12に示すように、本実施形態の炭化水素合成装置101
0は、二酸化炭素が溶存する水Aを収容するための水槽1011と、酸素
のナノバブル(数100nm以下の酸素の超微細気泡)を発生するナノバ
ブル発生装置1012(「ナノバブル発生手段」の一例)と、光触媒(例
えば、酸化チタン、酸化亜鉛等)の存在下において、酸素のナノバブルを
含む水Aに紫外線を照射する光触媒装置1014(「紫外線照射手段」の
一例)と、を備える。光触媒装置1014は、本開示の合成反応槽である。

  水槽1011には、逆浸透膜を通過させた水Aが所定量収容されている。
水槽1011に収容されている水Aには、二酸化炭素が溶存している。当
該二酸化炭素は、二酸化炭素回収装置1009において炭酸塩として回収
された二酸化炭素が使用できる。図12では、二酸化炭素回収装置1009
から、二酸化炭素ガスが、送ガス管(送ガス手段)により、水槽1011に
供給されるようになっている。なお、図12には図示していないが、水槽
1011の外部に二酸化炭素ボンベ等の二酸化炭素供給源を設け、当該二
酸化炭素供給源から水槽11に二酸化炭素を供給する構成(水槽11内を
二酸化炭素で充満させる構成)としてもよい。また、水Aは、逆浸透膜を
通過させた水に限定されるものではなく、二酸化炭素が溶存している水で
あればよい。なお、水Aは、逆浸透膜を通過させてイオン或いは塩類等の
不純物を除去したものが好ましい。

  ナノバブル発生装置1012は、超微細孔式のナノバブル発生装置であ
る。ナノバブル発生装置1012は、二酸化炭素回収装置1009の送ガ
ス管(送ガス手段)に接続され、二酸化炭素回収装置1009の陽極電解
室で発生する酸素が供給される。なお、ナノバブル発生装置1012は、
酸素ボンベ等の二酸化炭素回収装置1009以外の酸素ガス供給源から酸
素ガスが供給されていてもよい。ナノバブル発生装置1012で、供給さ
れる酸素に基づいて、水槽1011の水Aにおいて酸素のナノバブルを発
生させる。

  ナノバブル発生装置1012は、酸素の気層(気泡)を噴出する酸素噴出
部分と、水槽1011中の水Aを噴出する水噴出部分と、を備える。ナノ
バブル発生装置1012においては、前記酸素噴出部分及び前記水噴出部
分を水槽1011内に投入する。
  前記酸素噴出部分には、ナノレベルの微細孔を有する特殊セラミックフィ
ルターが設けられ、当該微細孔から酸素の気層(気泡)が噴出される。ま
た、上記水噴射部分においては、水槽1011中の水Aが前記特殊セラミ
ックフィルターに噴射されることで、前記特殊セラミックフィルターの表
面を水Aの液流で流す。
  ナノバブル発生装置1012においては、前記特殊セラミックフィルター
の微細孔の境界に水槽1011中の水Aの液流を与えることにより、前記
酸素噴出部分(微細孔)より噴出された酸素の気層(気泡)が微細に切断
される。そして、切断された酸素の気層(気泡)が水槽1011中の水A
の表面張力により圧縮されることで酸素のナノバブル(超微細気泡)が生
じる。なお、ナノバブル発生装置1012は、超微細孔式のものに限定さ
れるものではなく、酸素のナノバブルを発生可能な装置であれば、他の公
知なナノバブル発生装置であっても構わない。
  図12に示すように、光触媒装置1014は、酸素のナノバブルを含む水
Aに紫外線を照射するためのUVランプ1013と、光触媒を内部に備え
た反応管1017と、を備える。UVランプ1013は、反応管1017
の周辺に配置され、反応管1017に向けて紫外線を照射する。反応管
1017は、紫外線が透過可能な管状の容器であり、その内部を酸素のナ
ノバブルを含む水Aが通過可能に構成されている。

     
心に響く歌曲   『僕にまかせてください クラフト
              ジャンル:フォーク 1975年4月10日
              作詞/作曲:さだまさし


今日の言葉:27日、シェインバウム大統領はメキシコ人以外も受け入れて
      いると明らかにした。(毎日新聞より)

メキシコの首都メキシコ市で、就任100日の関連行事で聴衆に応えるシェインバウム大統領=2025年1月12日、AP



          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』
                                                                                                     

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エネルギーと環境 119

2025年01月28日 | 水素物語④

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月28日】             

         キーボード打ちて没頭雪催い 

                 高山 宇 (赤鬼)

🪄読めぬ未来カード遊戯に雪催い(ゆきもよい)と、庵に籠り夜鍋仕事
  と眼精疲労との闘いを詠む。



✳️ 回収カーボンの炭化水素製造技術 ⓵

1.特開2024-85399 二酸化炭素を利用した炭化水素製造システム、炭化
水素の製造方法、二酸化炭素製造装置、及び、二酸化炭素の製造方法 環
境工学株式会社
【要約】下図12のごとく、二酸化炭素回収装置1009及び炭化水素合成
装置1010を含み、二酸化炭素回収装置1009で回収された二酸化炭
炭化水素合成装置1010に供給可能であり、炭化水素合成装置10
10は、合成反応槽(光触媒装置)1014を含み、合成反応槽1014
において、水中で活性酸素の存在下、二酸化炭素を還元することにより炭
水素が合成される炭化水素製造システム。二酸化炭素の削減に寄与可能
な炭化水素製造システムを提供願います。

【符号の説明】1Aから1K  二酸化炭素回収装置 2  電気分解槽 3  
反応槽 4  回収槽 10  筺体 11~14、19、22  送ガス手段
15~18、29、35、41  送液手段 20  陽極電解室 21  陰極
電解室 24  陽極 25  陰極 26a,26b  紫外線照射手段 30
 燃料電池発電装置 31  太陽光発電装置 100  隔壁 122,151
,161,171,181  ポンプA 水 1000  システム 1009  
二酸化炭素回収装置 1010  炭化水素合成装置 1011  水槽 10
12  ナノバブル発生装置 1013  UVランプ 1014  光触媒装置
1016  循環ポンプ 1017  反応管 
図12 本開示にかかる炭化水素製造システムの一例を示す構成図

【発明の効果】本開示によれば、二酸化炭素の削減に寄与可能である。例
えば、本開示の合成装置で合成された炭化水素を燃焼させ、発生した二酸
化炭素
を空気中に放出した場合、当該二酸化炭素を回収し、再度、炭化
の合成原料として使用することが可能となり、二酸化炭素を増加させな
い。また、例えば、本開示の合成装置で合成した炭化水素を燃料電池発電
に用い、その電力を利用して二酸化炭素を回収することも可能であり、こ
の場合は、二酸化炭素の削減になる。

[実施形態1]
  まず、図1を用いて、本実施形態の二酸化炭素回収装置1A(以下「本装
置1A」ともいう。)の構成の一例を説明する。図1に示すように、本装
置1Aは、例えば、電気分解槽2及び反応槽3を含む。なお、前記電気分
解槽2及び前記反応槽3は、例えば、図1のように直方体の容器であるが、
これに限定されない。前記各槽は、例えば、円筒状のものでもよく、その
形状はどのようなものであってもよい。また、前記電気分解槽2及び前記
反応槽3は、それぞれ独立したものでもよく、一体のものであってもよい。
さらに、前記電気分解槽2及び前記反応槽3は、それぞれ1つで本装置1A
を構成してもよく、少なくとも一方が2以上で本装置1Aを構成してもよ
く、その数は限定されない。なお、前記各槽の材質は、前記電気分解槽2
における電気分解及び前記反応槽3における化学反応が可能なものであれ
ばよく、その態様はどのようなものであってもよい。

前記電気分解槽2は、隔膜100、陽極24及び陰極25を含む。そして、
前記電気分解槽2内に、前記隔膜100により陽極電解室20及び陰極電
解室21が設けられている。なお、前記隔膜100は、例えば、硬質の部
材でもよく、半透膜のような膜状の部材であってもよい。このように、前
記隔膜100の材質は、限定されない。また、図1では、前記隔膜100
は、前記電気分解槽2の底部まで延び、前記電気分解槽2を完全に分割し
ているが、これに限定されない。前記隔膜100は、例えば、前記電気分
解槽2の上部から中央付近まで延び、前記電気分解槽2の下部がつながっ
ている状態であってもよい。前記隔膜100の形状、位置及び材質等は、
電気分解槽2中に陽極電解室20及び陰極電解室21を区分けし、電気分
解槽2中の水溶液を電気分解し、その生成物を陽極電解室20及び陰極電
解室21内にそれぞれ生成できるものであれば、どのような態様であって
もよい。そこで、例えば、電気分解槽2の空間を左右に区画している隔膜
100は、硬質の不透過性素材からなりその下端側が開放されて陽極電解
室20と陰極電解室21を連通させてもよい。また、前記隔壁100は、
半透膜からなり、電気分解槽2の左右の空間を完全に区画した構成として
もよい。前記陽極24は、前記陽極電解室20に配置される。また、前記
陰極25は、前記陰極電解室21に配置される。
  図1のように、本装置1Aは、例えば、送液手段及び送ガス手段を含む。
前記送液手段は、例えば、前記電気分解槽2、前記反応槽3等の各槽への
水溶液の供給、各槽からの水溶液の排出、任意の槽から他の槽への水溶液
の移動等、水溶液を送るための手段である。したがって、前記送液手段は、
1つに限定されず、例えば、前記電気分解槽2への水溶液供給のための前
記送液手段18及び前記電気分解槽2から前記反応槽3への水溶液の移動
のための前記送液手段16のように、2以上であってもよい。なお、図1
の前記送液手段18は、例えば、前記陽極電解室20及び前記陰極電解室
21の双方に、金属塩水溶液を供給可能なものである。そして、図1の前
記送液手段16は、例えば、前記電気分解槽2から前記反応槽3に、前記
水酸化金属塩水溶液を送液可能なものである。また、前記送液手段は、例
えば、硬質のものでも、軟質のものでもよい。前記送液手段は、例えば、
パイプ状のものであるが、これに限定されない。前記送液手段の材質及び
形状等は、水溶液を送ることができるものであれば、どのような態様であ
ってもよい。また、前記送液手段は、例えば、水溶液を送るためのポンプ
を備えるものであってもよい。前記送ガス手段は、例えば、各槽への気体
の供給、各槽からの気体の排出、任意の位置から他の位置への気体の移動
等、気体を送るための手段である。また、前記送ガス手段は、前記送液手
段の場合と同様に、1つに限定されず、2以上設けられてもよい。図1で
は、前記送ガス手段は、例えば、前記反応槽3への空気の供給のための前
記送ガス手段19及び前記電気分解槽2の上部から下部の水溶液中へ気体
を送るための前記送ガス手段22である。なお、図1の前記送ガス手段1
9は、例えば、前記反応槽において、前記水酸化金属塩水溶液中に二酸化
炭素
含有ガスを供給可能なものである。また、図1の前記送ガス手段22
は、例えば、前記電気分解槽2において、前記陽極電解室20で生成した
塩素ガスを、前記陽極電解室20中の前記金属塩水溶液中に供給可能なも
のである。そして、前記送ガス手段の材質及び形状等は、前記送液手段の
場合と同様に、気体を送ることができるものであれば、どのような態様で
あってもよく、例えば、ポンプを備えるものであってもよい。

つぎに、本実施形態の二酸化炭素回収方法の一例を説明する。本実施形態
二酸化炭素回収方法は、例えば、図1に示す本装置1Aを用いて、次の
ように実施する。なお、本実施形態の二酸化炭素回収方法は、図1の本装
置1Aの使用には限定されない。また、以下の各工程の実施する順序は、
記載の順序に限定されない。したがって、本実施形態の二酸化炭素回収方
法は、例えば、記載された順序と異なる順序で実施してもよく、2以上の
工程を同時に実施してもよい。
【0040】
まず、前記電気分解槽2において、前記送液手段18は、前記陽極電解室
20及び前記陰極電解室21の双方に、金属塩水溶液を供給する。そして
、前記電気分解槽2は、前記陰極電解室21において、電気分解により水
酸化金属塩水溶液を生成する(以上、電気分解工程)。前述のとおり、前
記電気分解槽2の前記隔膜100は、例えば、前記電気分解槽2の底面ま
で延びていない場合がある。つまり、前記電気分解槽2は、例えば、下部
でつながっている場合がある。そこで、前記送液手段18は、2か所に前
記金属塩水溶液を注入するものに限定されない。前記送液手段18は、例
えば、前記電気分解槽2の下部の1か所に前記金属塩水溶液を注入し、前
記電気分解槽2内の前記陽極電解室20及び前記陰極電解室21の双方に、
金属塩水溶液を供給する態様であってもよい。なお、前記金属には、アル
カリ金属及びアルカリ土類金属が含まれる。そこで、前記金属塩水溶液に
は、例えば、塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化カルシウ
ム水溶液、塩化マグネシウム水溶液等が含まれる。また、前記水酸化金属
塩水溶液には、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、
水酸化カルシウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液等が含まれる。例え
ば、塩化ナトリウム水溶液を電気分解した場合、前記陽極24側では、塩
素ガスが発生し、前記陰極25側では、水素ガスが発生し、水酸化ナトリ
ウム水溶液が生成される。なお、前記陽極24側で発生した塩素ガスの一
部は、水溶液中の水と反応して、塩酸と次亜塩素酸になる(Cl+H
→HCl+HClO)。
つぎに、前記反応槽3において、前記送液手段16は、前記反応槽3に、
前記水酸化金属塩水溶液を送液し、前記送ガス手段19は、前記反応槽3
において、前記水酸化金属塩水溶液中に二酸化炭素含有ガスを供給し、前
二酸化炭素含有ガス中の二酸化炭素は、前記水酸化金属塩水溶液中の金
属塩と反応して炭酸塩を生成する(反応工程)。なお、前記炭酸塩は、例
えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム等である。また、前記炭酸塩には、炭酸水素塩が含まれる。したがって、
前記炭酸塩は、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸
カルシウム、炭酸水素マグネシウム等を含む。この工程によって、前記
二酸化炭素含有ガスに含まれる二酸化炭素は、前記炭酸塩に取り込まれ、
前記二酸化炭素含有ガスから分離される。

なお、前記水酸化金属塩水溶液と前記二酸化炭素含有ガスとの接触方法は、
例えば、前記水酸化金属塩水溶液中に前記二酸化炭素含有ガスを泡状にし
て放出する方法(バブリング)による。このような方法によれば、二酸化
炭素
と金属塩との反応を効率的にすることができる。また、前記接触方法
は、逆に、前記水酸化金属塩水溶液を細かい霧状にして、その中に前記
酸化炭素
含有ガスを供給する方法によってもよい。この方法によれば、バ
ブリングの場合と同様に、化学反応を効率的にすることができる。これに
加えて、霧状にする方法は、使用する前記水酸化金属塩水溶液の量を少な
くすることが可能であり、使用する水を節約する効果もある。

前述のとおり、前記電気分解槽2における電気分解によって発生した塩素
ガスは、水溶液中の水と反応して、塩酸及び次亜塩素酸になる。しかし、
すべての塩素ガスが水と反応するのではなく、塩素ガスとして残存するも
のもある。図1では、前記陽極電解室20の上部に、塩素ガスがたまって
いる。そこで、前記送ガス手段22は、前記電気分解槽2において、前記
陽極電解室20で生成した塩素ガスを、前記陽極電解室20中の前記金属
塩水溶液中に供給する(塩素ガス供給工程)。前記送ガス手段22は、例
えば、図1の前記陽極電解室20の上部の塩素ガス滞留部分から塩素ガス
を排出し、前記陽極電解室20の下部の前記金属塩水溶液中に塩素ガスを
放出する。放出された前記塩素ガスは、例えば、水溶液中の水と反応して、
塩酸及び次亜塩素酸になる(Cl+HO→HCl+HClO)。
本実施形態の本装置1Aは、このように水との反応を促すことによって、
塩素ガスを外部に排出することを防止することができる。また、発生する
塩素ガスの外部排出の防止の結果、電気分解の実施を抑える必要性が軽減
されることから、この工程には、電気分解を効率化させる効果がある。
【0045】
[実施形態2]
 図2を用いて、本実施形態の二酸化炭素回収装置1B(以下「本装置1B
」ともいう。)の構成の一例を説明する。図2に示すように、本装置1B
は、実施形態1の本装置1Aの構成(電気分解槽2及び反応槽3)に加えて
、例えば、回収槽4を含む。本装置1Aの構成については、本実施形態の
本装置1Bにおいても同様であるので、実施形態1における説明を援用で
きる。

図2.本開示にかかる二酸化炭素回収装置の構成の一例を示す第2の概略図

  図2のように、本実施形態の本装置1Bは、例えば、回収槽4を含む。ま
た、例えば、送液手段17は、前記反応槽3において生成された前記炭酸
塩を含む炭酸塩含有液を、前記回収槽4に供給することができる。前記回
収槽4の形状及び材質等は、前記電気分解槽2及び前記反応槽3の場合と
同様に、特に限定されない。なお、実施形態1の場合と同様に、前記電気
分解槽2、前記反応槽3及び前記回収槽4は、それぞれ独立したものであ
ってもよく、一体のものであってもよい。さらに、前記電気分解槽2、前
記反応槽3及び前記回収槽4は、それぞれ1つで本装置1Bを構成しても
よく、少なくとも1つが2以上で本装置1Bを構成してもよく、その数は
限定されない。なお、前記送液手段17の形状及び材質等は、他の送液手
段の場合と同様に、特に限定されない。

つぎに、本実施形態の二酸化炭素回収方法の一例を説明する。本実施形態
二酸化炭素回収方法は、例えば、図2に示す本装置1Bを用いて、次の
ように実施する。なお、本実施形態の二酸化炭素回収方法は、図2の本装
置1Bの使用には限定されない。また、以下の各工程の実施する順序は、
記載の順序に限定されない。したがって、本実施形態の二酸化炭素回収方
法は、例えば、記載された順序と異なる順序で実施してもよく、2以上の
工程を同時に実施してもよい。
まず、電気分解工程、反応工程、塩素ガス供給工程は、実施形態1の場合
と同様であるから、これらの説明を援用できる。
つぎに、本実施形態の送液手段17は、前記反応槽3において生成された
炭酸塩を含む炭酸塩含有液を、前記回収槽4に供給する(回収工程)。そ
して、後述のとおり、前記回収槽4に供給された炭酸塩含有液に含まれる
炭酸塩が、例えば、炭酸ナトリウムのように水に溶解するものの場合には、
本装置1Bは、前記回収槽4において、例えば、塩酸を加えることで、気
体として、二酸化炭素を取り出すことができる(NaCO+2HCl
→2NaCl+HO+CO)。また、例えば、前記炭酸塩が炭酸ナトリ
ウムの場合、本装置1Bは、前記回収槽4において、例えば、塩化カルシ
ウムを加えることで、難溶性である炭酸カルシウムを生成し、固体の炭酸
カルシウムとして、二酸化炭素を回収することができる(NaCO
CaCl→2NaCl+CaCO)。このように、本装置1Bは、前
記回収槽4において、前記炭酸塩含有液からさらに二酸化炭素を回収する
ことができる。なお、前述の回収方法の例示は、いずれも一例であり、こ
れに限定されない。なお、回収槽4に送液することにより、前述の回収方
法は、例えば、前記回収槽4において、前記反応槽3で使用した水酸化ナ
トリウム濃度を低く保持した条件で行うことが可能である。その結果、例
えば、塩化カルシウムを含む海水を用いた場合のCa(OH)の生成は
抑制される。このため、前記回収方法は、効果的にCaCOを生成する
ことが可能であり、二酸化炭素固定の効率を向上させる効果を得られる。
したがって、前記回収槽4に送液する構成では、例えば、本装置1Bで使
用する水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液は、前記反応
槽3において、高濃度の状態で使用することが可能である。そこで、前記
各水溶液の濃度は、例えば、0.1mol/L程度に限定されず、例えば、
1mol/L程度の濃度としても使用可能である。また、炭酸ナトリウム
の水への溶解度は、20℃で22g/100ml(2.1M)、100℃で
45g/100ml(4.2M)であるため、水酸化ナトリウムの濃度を
さらに上げることが可能である。そのため、例えば、本装置1Bは、水酸
化ナトリウム水溶液の使用量を減らすことができるというメリットがある。
 本実施形態の本装置1Bは、例えば、高濃度の水酸化ナトリウムを利用す
ることが可能である。そのため、本装置1Bの利用には、使用する水の量
を大幅に減らす効果がある。

【0051】[実施形態3]
  図3を用いて、本実施形態の二酸化炭素回収装置1C(以下「本装置1C」
ともいう。)の構成の一例を説明する図3に示すように、本装置1Cは、
実施形態2の本装置1Bの構成(電気分解槽2、反応槽3及び回収槽4)
に加えて、例えば、前記電気分解槽2の前記陽極電解室20において生成
された塩酸水溶液を前記回収槽に供給する送液手段15を含む。本装置1B
の構成については、本実施形態の本装置1Cにおいても同様であるので、
実施形態2における説明を援用できる。

図3.本開示にかかる二酸化炭素回収装置の構成の一例を示す第3の概略

【0052】  図3のように、本実施形態の本装置1Cは、例えば、前記
電気分解槽2の前記陽極電解室20において生成された塩酸水溶液を前記
回収槽に供給する送液手段15を含む。なお、前記送液手段15の形状及
び材質等は、他の送液手段の場合と同様に、特に限定されない。
つぎに、本実施形態の二酸化炭素回収方法の一例を説明する。本実施形態
二酸化炭素回収方法は、例えば、図3に示す本装置1Cを用いて、次の
ように実施する。なお、本実施形態の二酸化炭素回収方法は、図3の本装
置1Cの使用には限定されない。また、以下の各工程の実施する順序は、
記載の順序に限定されない。したがって、本実施形態の二酸化炭素回収方
法は、例えば、記載された順序と異なる順序で実施してもよく、2以上の
工程を同時に実施してもよい。
 まず、実施形態1の電気分解工程、反応工程、塩素ガス供給工程は、本実
施形態においても同様である。また、実施形態2の回収工程は、本実施形
態においても同様である。そこで、これらの説明は、本実施形態において
援用できる。
つぎに、本実施形態の送液手段15は、前記回収槽4に、前記陽極電解室
20で生成した塩酸を含む塩酸水溶液を供給する。そして、本装置1Cは、
前記回収槽4において、前記塩酸水溶液により、前記炭酸塩含有液から
酸化炭素
ガスを分離する(以上、回収工程)。前述のとおり、例えば、炭

酸ナトリウムのように水に溶解するものの場合には、本装置1Bは、前記
回収槽4において、例えば、塩酸を加えることで、気体として、二酸化炭
を取り出すことができる(NaCO+2HCl→2NaCl+H

+CO)。
  本実施形態の本装置1Cは、電気分解に伴い生成された塩酸水溶液を有効
利用することができる。これにより、本装置1Bの利用には、無駄のない
二酸化炭素回収を実施できる効果がある。

【0057】[実施形態4]
  図4を用いて、本実施形態の二酸化炭素回収装置1D(以下「本装置1D」
ともいう。)の構成の一例を説明する。図4に示すように、本装置1Dは、
実施形態3の本装置1Cの構成(電気分解槽2、反応槽3及び回収槽4)
に加えて、例えば、前記電気分解槽2の前記陽極電解室20に紫外線照射
手段26を含む。本装置1Cの構成については、本実施形態の本装置1D
においても同様であるので、実施形態3における説明を援用できる。

図4本開示にかかる二酸化炭素回収装置の構成の一例を示す第4の概略図

 図4のように、本実施形態の前記陽極電解室20は、例えば、紫外線照射
手段26を含む。前記紫外線照射手段26は、例えば、前記陽極電解室2
0において生成された塩酸水溶液に紫外線を照射し、前記塩酸水溶液に含
まれる次亜塩素酸を分解して塩酸を生成するものである。なお、前記紫外
線照射手段26の構造、形状及び配置位置は、前記塩酸水溶液に効果的に
紫外線を照射できるものであれば、どのような態様であってもよい。
つぎに、本実施形態の二酸化炭素回収方法の一例を説明する。本実施形態
二酸化炭素回収方法は、例えば、図4に示す本装置1Dを用いて、次の
ように実施する。なお、本実施形態の二酸化炭素回収方法は、図4の本装
置1Dの使用には限定されない。また、以下の各工程の実施する順序は、
記載の順序に限定されない。したがって、本実施形態の二酸化炭素回収方
法は、例えば、記載された順序と異なる順序で実施してもよく、2以上の
工程を同時に実施してもよい。

まず、実施形態1の電気分解工程、反応工程、塩素ガス供給工程は、本実
施形態においても同様である。また、実施形態2の回収工程は、本実施形
態においても同様である。さらに、実施形態3の回収工程は、本実施形態
においても同様である。そこで、これらの説明は、本実施形態において援
用できる。
つぎに、本実施形態の紫外線照射手段26は、前記陽極電解室20で生成
した次亜塩素酸を分解して塩酸を生成させる(電気分解工程)。例えば、
前記電気分解槽2において塩化ナトリウム水溶液を電気分解した場合、本
装置1Dは、陽極24側に塩素ガスを発生させ、陰極25側に水素ガスを
発生させ、水酸化ナトリウムを生成する。そして、陽極24側で発生した
塩素ガスは、水溶液中の水と反応し、塩酸と次亜塩素酸となる(Cl
O→HCl+HClO)。本装置1Dは、実施形態3の本装置1Cと
同様に、前記回収槽4において、例えば、炭酸塩含有液に塩酸を加えるこ
とで、気体として、二酸化炭素を取り出すものである。そして、前述のと
おり、塩素ガスと水とによる生成物は、次亜塩素酸を含むものであるため、
塩酸の濃度が十分なものではない。そこで、本実施形態の本装置1Dは、
前記生成物である塩酸水溶液に紫外線を照射し、前記塩酸水溶液に含まれ
る次亜塩素酸を分解して、塩酸を生成する(2HClO→2HCl+O)。
なお、前記紫外線照射による効果は、実験により確認されている。当初濃
度が1000ppmの次亜塩素酸水(50ml)はpH6.66であった
ものが、15分の紫外線ライト(智洋製)の照射によりpH6.30まで
低下し、さらに15分照射することでpH6.11まで下がり、その後一
定となっていた。そのため、紫外線照射により、本装置1Dは、次亜塩素
酸を塩酸に変化させながら塩酸濃度が高い水溶液にして、前記陽極電解室
20から前記回収槽4に送液することが可能である。
  本実施形態の本装置1Dは、電気分解に伴い生成される塩酸水溶液の塩酸
濃度を向上させることができる。これにより、本装置1Dの利用には、効
率的な二酸化炭素回収の効果がある
 本実施形態の本装置1Dは、電気分解に伴い生成される塩酸水溶液の塩酸
濃度を向上させることができる。これにより、本装置1Dの利用には、効
率的な二酸化炭素回収の効果がある。

【0063】[実施形態5]
  図5を用いて、本実施形態の二酸化炭素回収装置1E(以下「本装置1E
」ともいう。)の構成の一例を説明する。図5に示すように、本装置1E
は、実施形態3の本装置1Cの構成(電気分解槽2、反応槽3及び回収槽
4)に加えて、例えば、前記回収槽4で生成された金属塩水溶液を前記電
気分解槽2に送る送液手段18を含む。本装置1Cの構成については、本
実施形態の本装置1Eにおいても同様であるので、実施形態3における説
明を援用できる。また、本装置1Eは、実施形態4の本装置1Dの構成を
含むものであってもよい。

図5は、本開示にかかる二酸化炭素回収装置の構成の一例を示す第5の概略図

図5のように、本実施形態の本装置1Eは、例えば、前記回収槽4におい
て生成された金属塩水溶液を前記電気分解槽2へ送液する送液手段18を
含む。なお、前記送液手段18の形状及び材質等は、他の送液手段の場合
と同様に、特に限定されない。また、図5では、前記送液手段18は、実
施形態1の前記電気分解槽2への金属塩水溶液の供給のための送液手段1
8と一体のものとなっているが、これに限定されない。したがって、外部
からの金属塩水溶液を供給するための送液手段を、本実施形態における前
記送液手段18と別に設けてもよい。
つぎに、本実施形態の二酸化炭素回収方法の一例を説明する。本実施形態
二酸化炭素回収方法は、例えば、図5に示す本装置1Eを用いて、次の
ように実施する。なお、本実施形態の二酸化炭素回収方法は、図5の本装
置1Eの使用には限定されない。また、以下の各工程の実施する順序は、
記載の順序に限定されない。したがって、本実施形態の二酸化炭素回収方
法は、例えば、記載された順序と異なる順序で実施してもよく、2以上の
工程を同時に実施してもよい。

まず、実施形態1の電気分解工程、反応工程、塩素ガス供給工程は、本実
施形態においても同様である。また、実施形態2の回収工程は、本実施形
態においても同様である。さらに、実施形態3の回収工程は、本実施形態
においても同様である。そこで、これらの説明は、本実施形態において援
用できる。また、実施形態4の構成を含む場合には、実施形態4における
説明も、援用可能である。
つぎに、本実施形態の送液手段18は、前記陽極電解室20及び前記陰極
電解室21の少なくとも一方に、前記回収槽4において前記炭酸塩含有液
から二酸化炭素ガスを分解して生成する金属塩水溶液を供給する(金属塩
水溶液供給工程)。なお、前記回収槽4は、前記炭酸塩含有液と塩酸との
反応によって、二酸化炭素ガスを発生させ、金属塩水溶液を生成する。例
えば、前記炭酸塩含有液が炭酸ナトリウムの場合、前記回収槽4は、二酸
化炭素
を発生させ、塩化ナトリウムを生成する(NaCO+2HCl→
2NaCl+HO+CO)。このように生成された金属塩水溶液は、
前記送液手段18によって、前記電気分解槽2に送られる。なお、図5で
は、実施形態1に関する図1と同様に、前記電気分解槽2は、隔膜100
で上部から底部まで完全に仕切られている。しかし、これに限定されない
ことは、実施形態1の場合と同様である。例えば、前記電気分解槽2が底
部まで仕切られず、前記電気分解槽2が下部でつながっている形状の場合
には、前記送液手段18の金属塩水溶液の供給は、例えば、前記電気分解
槽2の下部に前記金属塩水溶液を注入し、前記陽極電解室20及び前記陰
極電解室21の少なくとも一方に供給される方法であってもよい。
 本実施形態の本装置1Eは、二酸化炭素回収後の水溶液の再利用が可能で
ある。これにより、本装置1Eの利用には、連続的な、また、継続的な
酸化炭素
回収を可能にする効果がある。
【0067】
つぎに、本実施形態の送液手段18は、前記陽極電解室20及び前記陰極
電解室21の少なくとも一方に、前記回収槽4において前記炭酸塩含有液
から二酸化炭素ガスを分解して生成する金属塩水溶液を供給する(金属塩
水溶液供給工程)。なお、前記回収槽4は、前記炭酸塩含有液と塩酸との
反応によって、二酸化炭素ガスを発生させ、金属塩水溶液を生成する。例
えば、前記炭酸塩含有液が炭酸ナトリウムの場合、前記回収槽4は、二酸
化炭素
を発生させ、塩化ナトリウムを生成する(NaCO+2HCl
→2NaCl+HO+CO)。このように生成された金属塩水溶液は、
前記送液手段18によって、前記電気分解槽2に送られる。なお、図5で
は、実施形態1に関する図1と同様に、前記電気分解槽2は、隔膜100
で上部から底部まで完全に仕切られている。しかし、これに限定されない
ことは、実施形態1の場合と同様である。例えば、前記電気分解槽2が底
部まで仕切られず、前記電気分解槽2が下部でつながっている形状の場合
には、前記送液手段18の金属塩水溶液の供給は、例えば、前記電気分解
槽2の下部に前記金属塩水溶液を注入し、前記陽極電解室20及び前記陰
極電解室21の少なくとも一方に供給される方法であってもよい。
  本実施形態の本装置1Eは、二酸化炭素回収後の水溶液の再利用が可能で
ある。これにより、本装置1Eの利用には、連続的な、また、継続的な
酸化炭素
回収を可能にする効果がある。

【0069】[実施形態6]
  図6を用いて、本実施形態の二酸化炭素回収装置1F(以下「本装置1F
」ともいう。)の構成の一例を説明する本装置1Fは、実施形態1から5
の各二酸化炭素回収装置の構成に加えて、例えば、前記電気分解槽2に海
水を供給するための送液手段29を含む。実施形態1から5の構成につい
ては、本実施形態の本装置1Fにおいても同様であるので、これらの説明
を援用できる。なお、図6は、図3に係る二酸化炭素回収装置の構成に、
本実施形態で加えられた構成を含めた内容の概略図である。

図6 本開示にかかる二酸化炭素回収装置の構成の一例を示す第6の概略図

  図6のように、本実施形態の本装置1Fは、例えば、前記電気分解槽2に
海水を供給するための送液手段29を含む。なお、前記送液手段29の形
状及び材質等は、他の送液手段の場合と同様に、特に限定されない。
本実施形態の二酸化炭素回収方法は、例えば、図6に示す本装置1Fを用
いて、前記電気分解槽2に海水を供給して実施する点を除き、実施形態1
から5の二酸化炭素回収方法と同様である。なお、海水は、前記送液手段
29を用いて、前記陽極電解室20及び前記陰極電解室21の少なくとも
一方に供給される。なお、実施形態5の金属塩水溶液の供給の場合と同様
に、前記電気分解槽2の構造によって、海水の供給は、例えば、前記電気
分解槽の下部に注入される方法であってもよい。また、各工程の実施する
順序が限定されないことは、他の実施形態の場合と同様である。
本実施形態の本装置1Fは、海水を利用した二酸化炭素回収が可能である。
なお、本装置1Fを大型タンカーに載せれば、本装置1Fは、海水を電気
分解しながら、電気と水素を得て、二酸化炭素を固定化し、海水中のカル
シウムイオンを利用して炭酸カルシウムを生成することができる。

【0073】[実施形態7]
  図7を用いて、本実施形態の二酸化炭素回収装置1G(以下「本装置1G
」ともいう。)の構成の一例を説明する。本装置1Gは、実施形態2又は
3の各二酸化炭素回収装置の構成に加えて、例えば、前記回収槽4に海水
を供給するための送液手段41を含む。実施形態2又は3の構成について
は、本実施形態の本装置1Fにおいても同様であるので、これらの説明を
援用できる。なお、図7は、図3に係る二酸化炭素回収装置の構成に、本
実施形態で加えられた構成を含めた内容の概略図である。また、本実施形
態には、実施形態6の構成を加えてもよい。


図7 本開示にかかる二酸化炭素回収装置の構成の一例を示す第7の概略図

【0074】  図7のように、本実施形態の本装置1Gは、例えば、前記
回収槽4に海水を供給するための送液手段41を含む。なお、前記送液手
段41の形状及び材質等は、他の送液手段の場合と同様に、特に限定され
ない。本実施形態の二酸化炭素回収方法は、例えば、図7に示す本装置
1Gを用いて、前記回収槽4に海水を供給して実施する点を除き、実施形
態2又は3の二酸化炭素回収方法と同様である。また、各工程の実施する
順序が限定されないことは、他の実施形態の場合と同様である。さらに、
実施例6の各工程を含むものであってもよい。

本実施形態の本装置1Gは、前記回収槽4に海水を取り込むことによって、
例えば、前記反応槽3で生成された前記炭酸塩と海水に含まれる塩化カル
シウムとの反応によって、炭酸カルシウムが生成される。例えば、炭酸カ
ルシウムは、難溶性を有するため、固体の状態で、前記回収槽4の底に沈
殿する。そこで、本装置1Gは、沈殿物を回収することによって、二酸化
炭素
を回収することが可能である。例えば、前記炭酸塩が炭酸ナトリウム
の場合、本装置1Gは、前記回収槽4において、例えば、海水に含まれる
塩化カルシウムを加えることで、炭酸カルシウムを生成し、固体の炭酸カ
ルシウムとして、二酸化炭素を回収することができる(NaCO
CaCl→2NaCl+CaCO)。
なお、前述の例示は、一例であり、これに限定されない。
 本実施形態の本装置1Gは、実施形態6の本装置1Fと同様に、大型タン
カーに載せれば、海水を電気分解しながら、電気と水素を得て、二酸化炭
を固定化し、海水中のカルシウムイオンを利用して炭酸カルシウムを生
成することができる。(【0078】[実施形態8]につづく)

  心に残る歌曲   『津軽海峡・冬景色 石川さゆり』
              ジャンル:演歌/歌謡曲 1997年
              作詞:阿久悠/作曲:三木たかし





今日の言葉:今年は、台風、竜巻、豪雪、山火事も狂暴化するか

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                              

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エネルギーと環境 118

2025年01月27日 | 水素物語⓷

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月27日】            寒牡丹 に対する画像結果 

          冬菫忘れかねてか寒牡丹 

                 高山 宇 (赤鬼)


コバルト白金ナノ薄膜に円偏光を面直方向に入射すると磁気の方向を変える光磁気トルクが発生した[クリックで拡大] 出所:東北大学
✳️ 白金混合のコバルトナノ薄膜 光磁気トルクが5倍
東北大学の研究グループは、白金(Pt)を混合した金属磁性体ナノ薄膜に
おいて、従来比約5倍の光磁気トルクを観測した。 光磁気トルクの増強が、
円偏光によって発生する電子軌道角運動量、及び相対論的量子力学効果に
起因することを明らかにした。 光を用いた高効率のスピンメモリーやスト
レージ技術の開発に活用が期待できる。
【掲載誌】
Physical Review Letters Light-induced torque in ferromagnetic metals
via orbital angular momentum generated by photon helicity 




「水素物語(私)」海水電解技術の考察で、残件する電極・隔膜・装置の
課題の全貌の考察を行った。今回は、⓵光触媒の現状と、②再エネの太陽
発電の薄膜系の課題、⓷サプライチェーン・リサイクルチェーンの課題、
考察に移る。ところで、以前に掲載している「可視光エネルギーを利用し
て,常温で環状アルカンから最大限の触媒」を取り挙げた課題をおさらい
する。
化石燃料を燃やしてエネルギーを得る現状のエネルギー生産システムか
ら,水素エネルギーを活用する循環型水素社会への転換」が進められ、水
素を安全・安価に貯蔵・運搬する技術確立が前提。
水素を貯蔵・運搬する
方法は高圧・低温にして液化する方は効率が悪く、液体の安価で安定な有
機分子を水素貯蔵体として利用する方法(
例えば,メチルシクロヘキサン
(MCH)と呼ぶ環状アルカンの分子式はC7H15で,3分子の水素(H2)が
6個の炭素原子に結合して貯蔵されているとみなせる。MCHは常温で液体
で,ガスステーションやガソリンスタンドなどに貯蔵でき,トラックやタ
ンカーで運搬もできる。MCHから水素を取り出した後に生じるトルエン
も液体で,これに水素を付加させれば,水素貯蔵体であるMCHに戻す。)。
しかし,アルカンのC-H結合を切ることや,ここで出てくるHを水素とし
て取り出すことは難く,今まで開発された方法は,取り出せるエネルギー
よりも用いるエネルギーの方が多くなりうるような状況だった。
研究グル
ープは,複数の触媒をシステムとして組み上げて,可視光エネルギーを使
ってラジカルを発生させ,これを用いて有機分子のC-H結合を切って有
用な官能基に変える反応を開発。このアプローチを発展させて,可視光(
青色)のエネルギーを用いて,常温で環状アルカンから3分子の水素を取
り出す触媒システムを開発。

✳️  常温・可視光で アルカンから水素を取り出す触媒

研究では,光触媒(赤色),TBACl触媒(緑色),TPA触媒(黄色),コ
バルト触媒(青色)の四種類の触媒をシステム化することが成功の鍵とな
った。特に,TBACl触媒とTPA触媒の組み合わせが特徴的で,光触媒がTB
ACl触媒から塩素ラジカルを発生させ、1回目の水素取り出しを,TPA触媒
から硫黄ラジカルが発生してこれが2回目と3回目の水素取り出しを,そ
れぞれ役割分担しながら推進。
反応を細い透明なチューブの中をフローさ
せながら行なうと,フラスコでは24時間の反応時間で58%収率にて進行し
反応が,80分で42%収率にて進行。
研究グループは,この成果で得られ
た精密な触媒システムの設計概念
は,より効率の高い新たな分子技術の革
新に向けた第一歩となるというもの。
【掲載誌

 "Catalytic Acceptorless Complete Dehydrogenation of Cycloalkanes,"
Nature Communications: 2025年1月9日, doi:10.1038/s41467-024-55460-y.
🪄安全・安価を担保する方法ではあるが迅速にリスク・インパクト・マ
 ネイジメントの検証が残件する。

次に、②再エネの太陽発電の薄膜系の課題について、課題は、⓵遠赤外系
の薄膜太陽電池開発現状と②高性能薄膜電池の意匠加工技術。日本が誇る
ペロブスカイト太陽電池の出現によるパワフルでダウンサイジングな太陽
電池でエネルギー市場は一変。安全性も鉛の完全回収で解決でき、機能性
では粗方決着し、光電変換だけでなく光熱変換可能。残件は政治経済政策
のみ。

【特許事例】
1.特開2024-121832 ホウ素キレート構造を有する新規化合物および光電
 変換素子 東京都公立大学法人他
【要約】下記一般式(1)又は(2)で表されるホウ素キレート化合物の
近赤外領域に及ぶ吸収帯を有するホウ素キレート化合物および光電変換素
子を提供する。

(Xは酸素原子または硫黄原子;Zは芳香族炭化水素化合物の芳香環から
水素原子を二つ除いた二価の連結基、又は複素環化合物の複素環から水素
原子を二つ除いた二価の連結基;R~Rは水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルケニル基、ハロゲン原子等。)


【図1】本発明の光電変換素子の実施態様を例示した断面図
【符号の説明】1  絶縁部 2  上部電極(電極膜)3  電子ブロック層
4  光電変換層 5  正孔ブロック層 6  下部電極(電極膜)7  絶縁基材
若しくは他光電変換素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)又は(2)
【化1】000003
(一般式(1)、(2)中、二つのXはそれぞれ独立に、酸素原子または
硫黄原子を表す。Zはそれぞれ独立に、芳香族炭化水素化合物の芳香環か
ら水素原子を二つ除いた二価の連結基、又は複素環化合物の複素環から水
素原子を二つ除いた二価の連結基を表す。R乃至Rはそれぞれ独立に
水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ハロ
ゲン原子を表す。)

で表されるホウ素キレート化合物。
【請求項2】前記一般式(1)及び(2)におけるR乃至Rが水素原
子である請求項1に記載のホウ素キレート化合物。

【請求項3】前記一般式(1)及び(2)におけるXが酸素原子である請
求項1又は請求項2に記載のホウ素キレート化合物。

【請求項4】前記一般式(1)及び(2)における二つのZがそれぞれ独
立に芳香族炭化水素化合物の芳香環から水素原子を二つ除いた二価の連結
基である請求項1に記載のホウ素キレート化合物。

【請求項5】請求項1に記載のホウ素キレート化合物を含む近赤外光吸収
材料。

【請求項6】請求項1に記載のホウ素キレート化合物を含む有機薄膜。
【請求項7】請求項6に記載の有機薄膜を含む光電変換素子。
【請求項8】請求項7に記載の光電変換素子を備える光センサー。
【請求項9】請求項7に記載の光電変換素子を備える撮像素子。

図2 本発明の化合物(1-3)及び比較化合物を用いて得られたテトラ
 ヒドロフラン溶液中の吸収スペクトルの測定結果


図3 本発明の化合物(1-3)及び比較化合物を用いて得られた有機
 薄膜の吸収スペクトルの測定結果

図4 本発明の化合物(1-3)を用いた光電変換素子の波長870nm
の光照射時における明電流と暗電流の電圧依存測定の結果

【発明の効果】  本発明の化合物及び該化合物を含む有機薄膜は波長800
nm以上の近赤外光領域に主たる吸収帯を有する。また、該化合物及び/
又は該薄膜を用いることにより、近赤外光電変換素子が実現する。該化合
物は、熱安定性が高く、各種有機エレクトロニクスデバイスへの工業的利
用を可能とする。

発電する熱線遮蔽材

✳️ コロナ「研究所流出」 起源巡り声明
米中央情報局(CIA)は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流
行)の起源について、中国のウイルス研究所から流出した可能性があると
する声明を出した。26日付ワシントン・ポスト紙が報じた。CIAのラトク
リフ長官は実態解明に意欲を見せており、中国とトランプ政権の対立が再
燃しそうだという。CIA報道官は25日に出した声明で「パンデミックの起
源は自然発生よりも研究関連である可能性が高い」と指摘。一方でこの評
価の確信度は「低い」と留保を付け、自然界から中間宿主の動物を介して
人に広がった可能性も含めて分析を続ける

     心に残る歌曲 『青い山脈 藤山一郎 他』
            ジャンル:歌謡曲・1949年
            作詞:西城八十/作曲:服部一郎 
          



今日の言葉:トランプ大統領は私よりひとつ上。想定以内のことが起きて
      いる(このままだとグレートアジアのガザ化が始まるかもね)

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                                                                                                   

 

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エネルギーと環境 117

2025年01月25日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

                       
【季語と短歌:1月25日】 

         冬菫友に貰った元気玉 

                 高山 宇 (赤鬼)

🪄
友の頑張りぶりを知り、ひと玉うん億円の元気玉を頂きました。

🎈
世界最大の氷山「A23a」、南大西洋の島に衝突!?
世界最大の氷山「A23a」が今も移動を続けており、南極から北上し
て南大西洋のサウスジョージア島に向かっているのではないかとの懸念。

(CNNより)



A23aは、南極のウェッデル海の海底に接地し30年以上とどまってい
たが、海底との接地が緩むほど縮小したとみられている。海底から分離し
海流に流された後、氷山は再び「テイラー柱」につかまった。テイラー柱
は、海流が海底の山にぶつかることで生じる水の渦を指す。英南極観測局
の物理海洋学者アンドリュー・マイヤーズ氏によると、A23aは何カ月
も海底の山のまわりを回転し「身動きが取れなくなっていた」という。
現在、氷山は海流に乗ってサウスジョージア島に向かって移動していると
みられる。 マイヤーズ氏は23日、CNNに寄せた声明で、「現在、氷
山は海流の蛇行上にあり、島に直接向かっているわけではない」と述べ
た。「しかし、私たちが理解している海流の動きに基づけば、氷山はまた
すぐに島に向かって移動する可能性が高い」という。英南極観測局も、
A23aはサウスジョージア島に到達した時点で崩壊し、最終的には溶け
る可能性が高いと述べる。



【特版:ウイルス解体新書】
「エコーウイルス11」感染の新生児3人死亡

Enterovirus E-11: Dati preoccupanti e implicazioni per l'Italia
(enterovirus; EV)

東京都内で2024年夏から秋にかけ、風邪の原因となる「エコーウイルス
11(E11)」に感染した新生児3人が急性肝不全などで死亡していたこと
が、国立感染症研究所のまとめでわかった。日本小児科学会は、新生児
が重症の肝炎を発症したり、それに伴って死亡したりする例が報告され
ているとして注意を呼びかけている。感染研によると、24年はE11で重
篤になったケースが11月28日までに44例あり、18、19年に次いで多か
った。年齢別には、1カ月未満の新生児が1割で、1カ月~1歳未満が4割
を占めた。死亡例が複数に上るのは珍しいという。  
小児科学会によると、E11は欧州で22年から新生児の重症例や死亡例が
相次いで報告され、急性の肝不全を伴うことが特徴。通常は風邪の症状
を引き起こし、無症状の場合もあるが、新生児の場合には重篤となるリス
クが
ある。

知能とはなにか ヒトとAIのあいだ
【内容】
チャットGPTに代表される生成AIは、機能を限定されることなく、幅広
い学習ができる汎用性を持っている、そのため、将来、AIが何を学ぶか
を人間が制御できなくなってしまう危険は否定できない。しかし、だか
らといって、AIが自我や意識を獲得し、自発的に行動して、人類を排除
したり、抹殺したりするようになるだろうか。この命題については、著
者はそのような恐れはないと主張する。少なくとも、現在の生成AIの延
長線上には、人類に匹敵する知能と自我を持つ人工知能が誕生すること
はない、というのだ。その理由は、知能という言葉で一括りされている
が、人工知能と私たち人類の持つ知能とは似て非なるものである。実は、
私たちは「そもそも知能とはなにか」ということですら満足に答えるこ
とができずにいる。そこで、本書では、曖昧模糊とした「知能」を再定
義し、人工知能と私たち人類が持つ「脳」という臓器が生み出す「ヒト
の知能」との共通点と相違点を整理したうえで、自律的なAIが自己フィ
ードバックによる改良を繰り返すことによって、人間を上回る知能が誕
生するという「シンギュラリティ」(技術的特異点)に達するという仮
説の妥当性を論じていく。
生成AIをめぐる混沌とした状況を物理学者が鮮やかに読み解く
【目次】
はじめに
第0章 生成AI狂騒曲
第1章 過去の知能研究
第2章 深層学習から生成AIへ
第3章 脳の機能としての「知能」
第4章 ニューロンの集合体としての脳
第5章 世界のシミュレーターとしての生成A
第6章 なぜ人間の脳は少ないサンプルで学習できるのか?
第7章 古典力学はまがい物?
第8章 知能研究の今後
【著者概歴
】田口善弘[タグチヨシヒロ]
1961年、東京都生まれ。中央大学理工学部教授。1995年に刊行
した『砂時計の七不思議―粉粒体の動力学』(中公新書)で第12回(
1996年)講談社科学出版賞受賞。その後、機械学習などを応用した
バイオインフォマティクスの研究を行い、最近はテンソル分解というも
ので変数選択する(!)という研究に嵌まっている。

✳️ 「ノーベル賞」をのがした「日本人AI研究者」
「いつの日かAIは自我を持ち、人類を排除するのではないか―」2024年
のノーベル物理学賞を受賞した天才・ヒントンの警告を、物理学者・
口善弘
は真っ向から否定する。(現代ビジネス より 田口 善弘中央大
学理工学部教授)

甘利俊一の先見性、深層学習の先駆け
その1人は甘利俊一(東大学名誉教授)。甘利は生成AIの基幹技術である深
層学習の原型となるニューラルネットワークの研究をヒントンやホップ
フィールドに10年以上先駆けて行っていた。例えば、ホップフィールド
の授賞理由になったホップフィールドモデルは、ほぼ同じものを甘利が
先駆けて研究し、論文まで発表していたので、兼ねてから甘利-ホップフ
ィールドモデルと呼ぶべきだ、という声が高かったが、一度ついた名前
を変えるのは難しくそのままになってしまったという経緯がある。また
ニューラルネットワークの学習に重要な学習則であるバックプロパゲー
ションの原型となる研究も甘利が早かった。こんなに大きな貢献をして
いたのに、受賞を逃してしまったのはなぜだろう?一つはヒントンやホ
ップフィールドが甘利の研究を読んでその続きを行ったというわけでは
ないことだ。ある意味、独立な再発見ということになる。そしてヒント
ンやホップフィールドの研究は、甘利の研究とは異なり、断続的ながら
現在の生成AIへとつながっている。またニューラルネットワークの学習
に重要な学習則であるバックプロパゲーションの原型となる研究も甘利
が早かった。こんなに大きな貢献をしていたのに、受賞を逃してしまっ
たのはなぜだろう?一つはヒントンやホップフィールドが甘利の研究を
読んでその続きを行ったというわけではないことだ。ある意味、独立な
再発見ということになる。そしてヒントンやホップフィールドの研究は、
甘利の研究とは異なり、断続的ながら現在の生成AIへとつながっている。
何より、ニューラルネットワークの研究から離れてしまった甘利と異な
り、ヒントンは人工知能が冬の時代を迎え、ニューラルネットワークの
研究が廃れても一人こつこつと研究を続けて現在の生成AIへの流れを作
った。甘利は他の分野の研究に転じてそこで非常に大きな成果をあげて
いるからニューラルネットワークの研究を続けなかったこと自体が間違
いだったとは言えないが、結果的に最後まで続けたヒントンにノーベル
物理学賞が授与されたので、その流れに直接関係しているホップフィー
ルドが同時受賞したという。

福島邦彦の挑戦、画像認識の先駆け
ノーベル物理学賞を受賞してもおかしくなかったもう1人の日本人は
島邦彦
(一般財団法人ファジィシステム研究所特別研究員)である。福島
はホップフィールドやヒントンに先駆けて、後にヒントンが画像認識で
大きな成果をあげることになるニューラルネットワークの構造と同じも
のを、まさに画像認識のモデルとして提案していたのだ。だが、福島の
モデルには学習則がなく、実際に性能を発揮するには至らなかった。福
島の提案したネオコグニトロンもそのまま現在の研究につながっていた
わけではないので、受賞には至らなかったということなのだろう。 せっ
かく日本で芽吹いた人工知能の研究のタネをそのまま日本で続けること
ができなかったのは残念というしかないという。



さて、トランプが騒げば騒ぐほど、静々とこの「水素物語(私)」を展
開させていこう。
下記1の案件は、(海)水電解糟は装置コンパクト化に関わるもの。

【最新特許事例】
1.特表2023-532634 電気分解槽用の電極構造体 テックウィン  カンパ
 ニー  リミテッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】  電極板と、 前記電極板の一面に前記電極板の周面に沿って
具備された流路ガイドと、を含む、電極構造体。
【請求項2】  前記電極板の他面に具備された冷却ジャケットをさらに含
む、請求項1に記載の電極構造体。
【請求項3】  前記電極板及び前記冷却ジャケットは、同一の材質からな
る、請求項2に記載の電極構造体。
【請求項4】  前記電極構造体の下部で前記電極板及び前記流路ガイドを
貫通する下部通孔と、前記流路ガイド及び前記下部通孔を連通させる第1
の流路と、をさらに含む、請求項1に記載の電極構造体。
【請求項5】  前記電極構造体の上部で前記電極板及び前記流路ガイドを
貫通する上部通孔と、前記流路ガイド及び前記上部通孔を連通させる第2
の流路と、をさらに含む、請求項4に記載の電極構造体。
【請求項6】前記電極板の一面の中で前記流路ガイドが具備されない反応
部と、前記流路ガイドを連通させる第3の流路と、をさらに含む、請求項
4に記載の電極構造体。
【請求項7】前記第3の流路は、前記流路ガイドの下部内壁、上部内壁、
及び、側部内壁の中で少なくとも一つに具備される、請求項6に記載の電
極構造体。
【請求項8】  前記流路ガイドの内壁の面積に対する前記第3の流路の面
積の割合は、0.05~0.95である、請求項7に記載の電極構造体。
【請求項9】  前記反応部は、前記反応部に流入した液体状の物質が電気
分解される活性部と、  前記活性部の上部に位置して前記活性部で生成さ
れた気体状の物質が滞留する非活性部と、を含み、  前記反応部の面積に
対する前記活性部の面積の割合は、0.1~0.9である、請求項8に記
載の電極構造体。
【請求項10】  請求項1~9のいずれか一項に記載の前記電極構造体と、
  前記電極板の一面に対向して具備された隔膜と、を含む、電気分解槽。
【図面の簡単な説明】
【符号の説明】1    陰極板(または陰極室)2    隔膜 3    陽極板(また
は陽極室)4    冷却ジャケット 5    流路ガイド 5’  流路ガイドの内壁
6    下部通孔 7    第1の流路 8    上部通孔 9    第2の流路 10、
11、12    第3の流路 13    反応部 14    活性部 15    非活性部
【図1】従来の電気分解槽を示した模式図。

【図2】本発明の一実施形態による電極構造体を示す模式図

【図3】本発明の一実施形態による電極構造体が多段で結合された
形態を示した模式図


【図4】図3(a)のB領域の背面を示した模式図

【図5】図3(a)のC領域の背面を示した模式図

【図6】図6(a)及び図6(b)は、それぞれ図4のD及びE方向から
見た流路ガイドの下部内壁及び側部内壁の平面図

【図7】図6のF方向から見た流路ガイドの上部内壁の平面図

【図8】図8(a)及び図8(b)は、それぞれ本発明の一実施形態によ
る反応部の平面図及び断面図

【発明の効果】
 本発明の一態様による電極構造体は、電極板と、前記電極板の一面に前
記電極板の周面に沿って具備されて電気分解槽に対する物質の流出入経
路を提供する流路ガイドと、を含むことで、電気分解槽及びこれを含む
設備を全体的に簡素化すると同時に、物質を移送及び/または循環させ
るための配管が外部に露出することを最小化してメンテナンス及び管理
が便利
であり、事故、破損による危険を軽減させることができる。
🪄本件は再掲載。

2.特開2024-72226 電解用陽極 有限会社シーエス技術研究所 
【要約】 本発明はチタン又はチタン合金を基材として、その表面に白金
とパラジウムからなる金属合金の被覆とルテニウム及び/又はイリジウ
ム及びチタン及び/又はスズからなる酸化物の被覆を交互に被覆、積層
した主として塩素発生用に使用する電解用陽極である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】チタン又はチタン合金を基材として、その表面に白金とパ
ラジウムからなる金属合金の被覆とルテニウム及び/又はイリジウム及
びチタン及び/又はスズからなる酸化物の被覆を交互に被覆、積層した
主として塩素発生用に使用する電解用陽極。
【請求項2】前記白金とパラジウムの合金は白金塩とパラジウム塩と更
に有機還元物質を含むアルコール液を塗布し、火炎により熱分解を行っ
て形成した金属合金である事を特徴とする請求項1の電解用陽極。
【請求項3】前記白金とパラジウムの合金は、その組成がモル比で白金
が50から90%であり、残部がパラジウムであることを特徴とする請
求項1又は2の電解用陽極。
【請求項4】前記酸化物はルテニウム塩及び/又はイリジウム塩とチタ
ン塩及び/又はスズ塩を溶媒に溶解したコーティング液を塗布し、流通
空気中で熱分解によって形成した複合酸化物であることを特徴とする請
求項1から3のいずれかの電解用陽極。
【請求項5】前記合金の形成と前記酸化物の形成を交互に行う事によっ
てコーティング層内に前記合金と前記酸化物が混合したコーティング層
となっていることを特徴とする請求項1から4のいずれかの電解用陽極。
【請求項6】前記酸化物がイリジウムとルテニウム及びチタンからなる
複合酸化物であり、イリジウムが0から30モル%、ルテニウムが20
から40モル%からなり、残部がチタンである事を特徴とする請求項1,
3,並びに4のいずれかに記載の電解用陽極。
【請求項7】前記酸化物がイリジウムとルテニウム並びにスズからなる
複合酸化物であり、イリジウムが5から30モル%、ルテニウムが20
から50モル%、並びに残部がスズ(Sn)からなる複合3酸化物であ
る事を特徴とする請求項1,3,並びに4のいずれかに記載の電解用陽
極。
【請求項8】あらかじめ前処理にて表面を粗面化すると共にエッチング
処理によって活性化したチタン又はチタン合金基材表面に(1)白金塩
とパラジウム塩及び有機還元剤を含むアルコール溶液を塗布し、火炎に
よって熱分解する事によって白金とパラジウムからなる合金層を形成し
た後、該合金層表面に(2)ルテニウム及び/又はイリジウム金属塩と
チタン及び/又はスズ塩を溶媒に溶解した塗布液を塗布し、流通空気中
で加熱による熱分解を行い酸化物を形成する、並びに(1)および(2)
を繰り返す事によって所定の厚みの被覆を形成する事を特徴とする電解
用電極の製造方法。
【発明の効果】
この様な電極は特にイオン交換膜法食塩電解に使用して、その電解電圧
を低く保持するとともに副反応である酸素発生がきわめて少ないために
優れた電解の効率を得ることが出来るようになった。又希薄塩水電解や
海水電解に使用して高濃度の次亜塩素酸塩を得ることが出来るようにな
った。

000005
表1において、試料No.1は対比例であり、電位から見ると合金層が
パラジウム合金ではなく白金単味になっているために表面が不働体化し
たために電位が上上昇していることがわかる。
試料No.2から試料No.6までは実施例であり、予備電解において
もパラジウムの消耗が殆ど見られず、長期間の安定運転が期待できる。
試料No.7と8は対比例であり、合金組成中でパラジウムが多いため
に、少なくとも一部のパラジウムが安定化されず、その部分に早い段階
から消耗が現れてしまい、安定性が不十分である可能性が見いだされた。
試料No.9は合金層がパラジウム単味であり、予想通り初期にパラジ
ウムが大きく消耗してしまい、実用には耐えられないであろうことが予
想された。
【産業上の利用可能性】
本発明の電解用電極は特にイオン交換膜法食塩電解用の陽極として、従
来から電解中の電極消耗が極めて小さく、それ故電極寿命が極めて長い、
従って広く使用されているイリジウム、ルテニウム、チタン酸化物陽極
で従来問題であった、電解電位が高い事、又電極反応の選択性、つまり
発生する反応ガス中の酸素の問題を解決し、極めて小さい電極消耗速度
を保持しながら、非常に低い電解電位で、しかも極めて低い発生塩素中
の酸素特性が可能となった。さらに本発明による電解電極は陽極として
同じ塩素発生を主としながらも電解方法、条件が異なる海水電解や希薄
塩水電解用の陽極としても極めて優れた電気分解の特性を有すると共に
十分に長寿命有することが確認され、極めて優れた電極を得ることが出
来た。

3. 特開2024-72225 電解用電極 有限会社シーエス技術研究所
【要約】あらかじめ作製した、白金とパラジウムからなる金属合金微粉
末とルテニウム及び/又はイリジウムとチタン及び/又はスズからなる
酸化物の混合物コーティング層をチタン又はチタン合金からなる基材表
面にコーティングした、主反応が塩素発生である電解用陽極。 イオン交
換膜法食塩電解や海水電解のような塩素発生用の陽極において、極めて
低い陽極電位を有し、しかも陽極反応の副反応である塩素中の酸素を極
めて低くなるように抑えるとともに、実用電極として、長期間安定に電
解できる電解用陽極を得る。
000004
   表から見るように
▲1▼1000時間の予備電解で、上記番号(7),(8)では既にパ
ラジウム成分が大きく減っており、合目的ではない。従ってここでは対
比例とした。▲2▼番号(0)は参考ではあるが、パラジウムを入れな
いことで、おそらく白金は不働体化したものと思われ、電位が高くなっ
てしまっている。▲3▼番号(1)はパラジウムの添加効果が不十分な
ために部分的に白金が不働体化しているものと思われパラジウムの割合
が量的に不十分であろうことが推定された。

これらから本願特許請求範囲を規定した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】あらかじめ作製した、白金とパラジウムからなる金属合金

微粉末とルテニウム及び/又はイリジウムとチタン及び/又はスズから
なる酸化物の混合物コーティング層をチタン又はチタン合金からなる基
材表面にコーティングした、主反応が塩素発生である電解用陽極。
【請求項2】前記白金とパラジウムからなる金属合金微粉が前記被覆層
中に3から20質量%含まれてなることを特徴とする請求項1の電解用
陽極。
【請求項3】白金とパラジウムからなる金属合金の微粉末をあらかじめ
作製し、該微粉末をルテニウム及び/又はイリジウムとチタン及び/又
はスズを含む液中に分散させたコーティング液をチタン又はチタン合金
基材表面に塗布し、空気中で熱分解法によりコーティングすることを特
徴とする請求項1又は2の電解用陽極。
【請求項4】白金とパラジウム合金微粉末の組成がパラジウム10モル
%以上、50モル%以下であり、残部が白金であることを特徴とする請
求項1から3のいずれかの電解用陽極。
【請求項5】前記酸化物がイリジウムとルテニウム及びチタンからなる
複合酸化物であり、イリジウムが0から30モル%、ルテニウムが20
から40モルパーセントからなり、残部がチタンである事を特徴とする
請求項1から4のいずれかの電解用陽極。
【請求項6】前記酸化物がルテニウムとスズ及びチタンからなる複合酸
化物でありルテニウムが10から30モル%、スズが10から30モル
%及びチタンが40から70モル%であることを特徴とする請求項1か
ら4のいずれかの電解用陽極。
【請求項7】あらかじめ作製した白金とパラジウムからなる合金の微粉
末をルテニウム塩及び/又はイリジウム塩とチタン塩及び/又はスズ塩
を含有する液中に分散した後、該分散液をチタン又はチタン合金多孔体
基材表面に塗布して空気中で熱分解を行うことによって表面コーティン
グ層を形成したことを特徴とする請求項1の電解用陽極。
【請求項8】白金とパラジウムからなる合金の微粉末を白金塩とパラジ
ウム塩を溶解した混合溶液を作製し、該溶液を乾燥した後に火炎にて加
熱熱分解して合金薄片とし、必要に応じて微粉砕することによって作製
することを特徴とする請求項7に記載の電解用陽極。
【請求項9】前記、分散液を前記基材に塗布し、空気中で熱分解を行う
ことを複数回繰り返して、所望の厚みのコーティング層を得ることを特
徴とする請求項7の電解用陽極。
【請求項10】前記熱分解を空気中460℃以上の温度で行うことを特
徴とする請求項7又は9の電解用陽極。

【産業上の利用可能性】     
本発明の電解用陽極は特にイオン交換膜法食塩電解用の陽極として、従
来から電解中の電極消耗が極めて小さく、それ故電極寿命が極めて長く、
広く使用されているイリジウム、ルテニウム、チタン酸化物コーティン
グからなる陽極で、従来問題であった電解電位が高い事、又電極反応の
選択性、つまり発生塩素ガス中の酸素濃度の問題を解決し、極めて小さ
い電極消耗速度を保持しながら、非常に低い電解電位を有し、しかも極
めて低い発生塩素ガス中の酸素含有量を有することが可能となった。更
に塩素イオン濃度が低い電解液である、希薄食塩水電解や海水電解にお
いては、分解率を高く高濃度の次亜塩素酸塩を得ることが出来、活性塩
素濃度を高く保持することが出来る様になった

4. 特許7519642 タングステン酸化物及び酸素発生反応
 用触媒 株式会社トクヤマ
【請求範囲】
【請求項1】NiFe1-xWO(但し、0<x<1)で表される
ングステン酸化物を含む陽極又は正極に用い
るための酸素発生反応用触
媒。
【請求項2】請求項1記載の酸素発生反応用触媒の製造方法であって、
タングステン酸塩、ニッケル塩及び鉄塩をポ
リオールに溶解させ、前記
各塩が溶解したポリオール溶液
を加熱することによりNiFe1-x
(但し、0<x<1)で表されるタングステン酸化物を合成する、
又は
タングステン酸塩、ニッケル塩及び鉄塩並びに水を耐圧容器中に投
入して加熱することによりNiFe1-xWO(但し、0<x<1)
で表される
タングステン酸化物を合
成する、前記酸素発生反応用触媒
製造方法。

【請求項3】イオン透過性の隔膜によって区画された陽極室及び陰極室
を備え、前記陽極室に陽極が配置され、前記
陰極室に陰極が配置された
電解槽であって、前記陽極にNi
Fe1-xWO(但し、0<x<1)
で表されるタング
ステン酸化物が触媒として担持されている電解槽。
【請求項4】二酸化炭素を陰極に供給するためのガス拡散層を備え、陰
極室において二酸化炭素の還元を行う請求項
記載の電解槽。
【請求項5】陰極室の陽極室に対向する側の反対側に、二酸化炭素を陰
極と接するように導入する二酸化炭素導入部
を備え、前記二酸化炭素導
入部において二酸化炭素の還元
を行う請求項記載の電解槽。
【請求項6】請求項記載の電解槽における陽極室にアルカリを含む塩
水を供給し、陰極室に塩水を供給して塩水を
電解する塩水の電解方法。
【請求項7】請求項記載の電解槽における陽極室にアルカリを含む塩
水を供給し、陰極室に塩水を供給し、二酸化
炭素導入部に二酸化炭素を
導入して、塩水を電解すると共
に二酸化炭素の還元を行う塩水の電解及
び二酸化炭素の還
元方法。
【請求項8】NiFe1-xWO(但し、0<x<1)で表されるタ
ングステン酸化物の製造方法であって、
タングステン酸塩、ニッケル塩
及び鉄塩をポリオールに溶解させ、前記各塩が溶解したポリオール溶液
を加熱することにより前記タングステン酸化物を合成する
前記タングス
テン
酸化物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
近年、炭酸ガスの温室効果に起因する地球の温暖化等の問題を解決する
ため、再生可能エネルギーを利用して水素を製造する方法が注目されて
いる。再生可能エネルギーを利用した水素の製造においては、化石燃料
の改質による従来の水素製造方法に匹敵する低コスト化が求められてい
る。この要求に応え得る水素製造方法として、水の電気分解(電解)が
挙げられる。水の電気分解の代表的な方法としてはアルカリ水電解法が
ある。アルカリ水電解の際に電力損失が生じるが、電力損失の主たる要
因としては、陽極の過電圧、陰極の過電圧、イオン透過性隔膜のオーム
損、電解セルユニットを構成する電解セルの構造抵抗によるオーム損等
が挙げられる。これらの電力損失を低減することができれば、電解槽の
電解時の電流密度を高めてシステム全体を小型化し、その結果、設備費
を大幅に削減することが可能になる。そのため、電力損失を低減できる
触媒の開発が望まれている。

従来、酸素発生反応用触媒としては、酸化ルテニウム、酸化イリジウム
等が用いられているが、これらはコストが高く資源量が限られている貴
金属を使用するものであった。そのため、貴金属よりもコストが低く資
源量の多いタングステンを使用したタングステン酸化物を酸素発生反応
用触媒として利用することが検討されている。非特許文献1では、Co
-x
FeWOとカーボンナノチューブ(CNT)との複合体Co1-
FeWO-CNTを酸素発生反応(OER)用触媒とすることが
記載されている。しかし、カーボンナノチューブと複合化することによ
り過電圧を低くしているものの、カーボンナノチューブと複合化しない
Co0.5Fe0.5WOの過電圧は高く、その値は420mVと報告
されている。また、非特許文献2では、Ni-Fe-W水酸化物を酸素
発生反応用触媒として使用することが報告されているが、これもカーボ
ンファイバーと複合化したものである。そのため、ルテニウム、イリジ
ウム等の貴金属を使用せずに高い触媒活性を示す化合物の開発が求めら
れていた。

【発明の効果】
  本発明のタングステン酸化物は、酸素発生反応用触媒として使用すると
優れた触媒活性を示す。本発明の酸素発生反応用触媒は、本発明のタン
グステン酸化物を含むことにより優れた触媒活性を示す。本発明の製造
方法は、本発明のタングステン酸化物を製造することができる。

【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例2で得られた試料のXRDパターンを示す図
         以下割愛

🪄海水電解技術の考察で、残件する電極・隔膜・装置の課題の全貌が明
 確にされ、最終目標の『エネルギーフリー社会の電解水素』が担保でき
 た。強いて追記すると「二酸化炭素×水素➡炭化水素合成」の「太陽光
 触媒開発」となる。

  
     太湖と三山

             心に残る曲『無鈴旅情 尾形大作』 
               作詞/作曲:中山大三郎
               ジャンル:演歌/1986年9月21日

 今日の言葉:


          

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                      

 

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エネルギーと環境 116

2025年01月24日 | 水素物語(私)

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月24日】 
                     

      冬日和忘れるほどに没頭し  

         
       高山 宇 (赤鬼)




概要図

左図は水文環境図の内容を概念的に示したもの。水文環境図では地下水に関するさまざまな情報
を重ねて表示できる(右図)。(図 産総研)
✳️

いま、日本中がIT産業にまみれている。が、情報を扱うにはコツがいる。
ハーバート・サイモン(854夜)がとっくに見抜いていたように、「
報の豊かさは注意の貧困をつくる」のだ。ビッグデータ時代では、なおさ
らだ。(千夜千冊「1518夜 読相篇 2013.09.03」より)を皮切りに、こ
の『水素物語(私)』の寄稿動機とし、更に「1092夜」で、北一輝は日米
が戦えば必ず第二次世界大戦になると読んでいたと書いている。大隈重信
内閣が中国に突き付けた大正4年(1915)の「対支二十一カ条の要求」
の過剰要求に五四運動が巻き起こる。
当時、北一輝以外、吉野作造と石橋湛山中野正剛であったが、アメリカ
との戦争を最も不利な条件で迎えざるをえない方向に向かう。

ちくま文庫
ザ・フィフティーズ―1950年代アメリカの光と影〈1〉

【内容】
1950年代(フィフティーズ)のアメリカでは様々な発見と発明、政治
的決断、価値の転換が行われた。現代史上最も興味深く、また重要な時代
である。本書は、そのアメリカの姿を政治から産業、文化、生活のあらゆ
る面において光と影の両面から論じる。第一巻では、朝鮮戦争、マッカー
シズム、テレビの台頭、性革命、ビート世代などが描かれる。
目次】

ルーズヴェルトからトルーマンへ
原爆から水爆へ
マッカーシズム
朝鮮戦争
ダグラス・マッカーサー
水素爆弾
中国参戦
ゼネラル・モーターズの勃興
一戸建てを大量生産する
ディスカウントショップ〔ほか〕
【著者】ハルバースタム,デイヴィッド(Halberstam,David)
1634年ニューヨーク生まれ。ジャーナリスト。ハーバード大学卒業。ニュ
ーヨークタイムズの海外特派員として活躍する。64年、ベトナム戦争報
道によりピュリッツアー賞を
受賞。取材の対象は、政治、経済、産業、社
会からスポーツ、人物など極めて広範に及ぶ。2007年没
峯村利哉(ミネムラトシヤ)
1965年生まれ。翻訳家。青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科卒





以上のことを踏まえすすめていく。
日本での公開は米国公開後も長らく未定となっていたが、12月7日にビタ
ーズ・エンドによっての日本配給が発表され]、2024年3月29日に公開さ
れる。因みに、
興行収入は、公開から16日後の8月6日の発表で推定5億
を突破。9月第3週末時点には9億1200万ドルを記録し、伝記映画として
は『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)や『アメリカン・スナイパー
』(2014年)を抜いて歴代1位、第二次世界大戦を扱った映画としても歴
代1位となった。また、R指定を受けた映画としては『ジョーカー』(20
19年)に次ぐ興行収入を上げている。オッペンハイマーは原爆の父と呼ば
れ、多くのアメリカ兵を救った英雄として賞賛されることに困惑、既に戦
力を失って降伏間近だった日本への原爆投下によって多くの犠牲者が出た
事実を知って深く苦悩。1949年、太平洋上で偵察機が放射線を検出、事前
の予想より早くソ連が原爆開発に成功。衝撃を受けたアメリカでは水爆な
ど核兵器の推進が盛んに議論される事態となった(前出『
ザ・フィフティ
ーズ』やユーチューブの『黒歴史』を要観賞
)。当時、アメリカ原子力委
員会
の顧問だったオッペンハイマーはソ連との核開発競争を危惧して水爆
開発に反対する。

🎈水爆の作り方

 
https://www.wsj.com/video/the-deadly-explosive-power-of-a-hydrogen-bomb/094D83A7-2F1C-487C-97D1-DF5F73240355

✳️  水素エネルギーは核融合か燃料か
       水素エネルギーの魅力と製造方法

次世代エネルギーのいまと未来vol.1 カーボンニュートラル社会の実現に向けて、「次世代エネルギー部門」が始動:朝日新聞デジタル
驚愕の水素革命!!
①海水から水素製造 ②火力発電の水素化 ③コスト89円→2円





✳️ 「再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造] プロジェクト
         に関する研究開発・社会実装計画 
✳️ 
二酸化炭素の排出を抑えて化石資源に依存しない持続可能な社会を構築す
には、再生可能エネルギーの有効利用が不可欠。特に再生可能エネルギー
の中でも最も膨大である太陽エネルギーの利用は非常に重要であるが、そ
の利用技術は限定されている(下図1)。太陽光発電、太陽熱、バイオマ
スに続く第4の技術として、人工光合成がある。その中でも、容易に作製
できる酸化物半導体を用いた光触媒や光電極で水を直接分解して水素と酸
素を製造する太陽光水素製造技術は低コストであり、将来の水素社会実現
の基盤技術として活発に研究が行われている。太陽電池並みの高い効率で、
植物栽培と同じようにシンプルで安価な太陽光水素製造システムが開発で
きれば、エネルギー問題解決に大きな貢献が期待できる。

しかし、これまでに報告されている酸化物半導体光電極を用いて太陽エネ
ルギーを水素エネルギーに変換する効率は低く(酸化物だけでは0.69%。
高価な白金を複合したものでは1.1%)、高性能システムの開発が望まれて
いた。
尚、熱化学法ISプロセス法などもあるが、本件は取り挙げない。

さまざまな太陽エネルギー変換利用の技術マップの図
図1.さまざまな太陽エネルギー変換利用の技術マップ
光触媒-電解ハイブリッド法については2010年3月11日産総研プレス発表参照

これまで産総研では、さまざまな酸化物半導体の多孔質光電極を用いて水
分解による水素製造技術の研究開発を行ってきた。酸化物半導体光電極を
用いた水分解による水素製造は日本発の太陽エネルギー変換技術である。
通常、電解による水の分解反応では、理論上1.23 V以上、実際には過電圧
の影響で1.6 V以上の電解電圧が必要である。
しかし、光電極を用いれば、低い補助電源電圧(今回の光電極では0.7 V程
度であるがさらにゼロに近づけることも可能)で水を分解して水素を生成
できるので水素製造の低コスト化につながる。研究開発の初期段階では酸
化チタンの単結晶や高温焼結体(ペレット)が用いられてきたが、紫外線
しか利用できない欠点があった。その後欧州を中心に酸化タングステン(W
O3)や酸化鉄(Fe2O3)などの可視光を利用できる酸化物半導体を導電性基
板上に湿式法で薄く成膜した多孔質光電極の研究が盛んになった。また、
酸化物半導体はn型が多く、酸素を発生する側の電極として最適であり、
塗布して空気中で焼成するだけで成膜できるので大面積化も容易である。
しかし、太陽エネルギーを水素に変換する太陽エネルギー変換効率は低く、
実用化には一層の変換効率の向上が必要不可欠であった。
今回、電荷再結合抑制と光吸収増大の観点から、3種類の酸化物半導体膜
を多重に積層することなどによって変換効率を大幅に向上することに成功
した。
【成果】図2に酸化チタンなどn型半導体を光電極として用いた水分解によ
る水素製造の原理を示す。光電極は対極とつながっており、通常その間に
太陽電池のような補助電源を入れて用いる。光が半導体光電極に吸収され
ると価電子帯の電子が伝導帯に跳ね上がる(光励起)。この伝導帯の電子
を補助電源の作用で対極に送り込み、対極で水を還元すれば水素が生成す
る。伝導帯の電子のエネルギーは高いので、補助電源の電圧が通常の水の
電解電圧より低くても電子を対極へ送り込むことができる。一方、価電子
帯にはその電子の抜け殻ができ、この部分に正電荷に帯電した“正孔”がで
きる。正孔は他の物質から電子を奪いやすい(酸化しやすい)ので、光電
極側では水を酸化して酸素を発生させる。このように低電圧で水を電解で
きるので、太陽電池だけで水を電解して水素を製造するよりも、光電極の
性能が今後ある程度向上すればシステムとして低コスト化が可能になる(
図3)。500 nmまでの波長の光、または600 nmまでの波長の光をすべて
この反応に利用し、補助電源の電圧をゼロに近づければ、太陽エネルギー
変換効率の理論的な限界値はそれぞれ8%または15%に達し、太陽電池と
水電解を単純に組み合わせたシステムと同等の効率を、単純な光電極とよ
り少ない太陽電池で実現できるようになる。
半導体光電極による水分解水素製造の仕組みの図
図2 半導体光電極による水分解水素製造の仕組み

半導体光電極による水分解水素製造の意義の図
図3 半導体光電極による水分解水素製造の意義
今回、3種類の半導体を積層した構造の酸化物光電極を作製し、高濃度の
炭酸塩電解液を用いて水分解による水素製造を行った。図4に今回作製し
た積層光電極の写真と電子顕微鏡写真を示す。この光電極は導電性ガラ
スを基板として、1層目に酸化タングステン(WO3)、2層目に酸化スズ
(SnO2)、3層目にバナジン酸ビスマス(BiVO4)となるように積層して
ある。それぞれの層に対応した金属イオンを含む溶液をスピンコート法
で塗布し、焼成して成膜した。この成膜法を用いることで多孔質の薄膜が
作製される。BiVO4側から光を照射すると、BiVO4が520 nmまでの可視光
を主に吸収する一方で、WO3は効率的な電子移動を担い、その間のSnO2
は界面での電荷再結合のロスを低減すると考えられる。
光電極の電流電圧特性図
図5 光電極の電流電圧特性
光のエネルギーを用いて小さな電解電圧で水を分解できる

 図5に今回開発した酸化物光電極の電流電圧特性を示す。3種類の半導体
を積層した光電極を用いて高濃度の炭酸塩電解液中で水分解反応を進行さ
せると、太陽エネルギー変換効率は0.85%であった。さらに、この光電極
効率は1.35%に向上した。これは貴金属を添加していない酸化物光電極を
用いた場合の効率としては、従来報告されている最高値の2倍程度で、世
界最高値である。この積層酸化物光電極を用いたシステムによって水が分
解されて、水素の泡が対極から、酸素の泡が光電極から生成される。現状
の材料でも水分解の電解電圧を4割以上低減でき、水分解による水素製造
の低コスト化につながる。
【展望】光電極の太陽エネルギー変換効率を向上させるには、光電流を増
大させつつ、補助電源電圧をさらに低下させる必要があり、より長波長の
可視光を十分に利用できる、伝導帯準位が負に大きい、電荷分離効率が高
いという3つの特徴を持つ半導体の開発が重要である。そのため、産総研で
は無数にある複合材料やその組み合わせの中から短時間で有望な半導体や
最適な多層膜構造を自動探索できるロボットシステムを独自に開発して高
速スクリーニングを行っている。また、材料探索とともに光電極調製法を
改良して太陽エネルギー変換効率を向上させていく。さらに高濃度炭酸塩
は、炭酸イオンが酸化還元を繰り返して触媒のように水分解反応を促進し
ていると考えられるが、その詳細なメカニズムを解明し、水分解システム
の高効率化につなげたい。


【最新特許情報】
1.特開2024-139228 水電解の酸素発生電極用触媒及びその製造方法並び
 に水の電気分解方時空化学株式会社他
【要約】本発明の水電解の酸素発生電極用触媒は、電極基材上に触媒を備
え、前記触媒は、複合酸化物を含有し、前記複合酸化物は、Al又はCr
と、Feと、Coと、Niと、Mnとを含む酸化物である。本発明の水電
解の酸素発生電極用触媒は、電解時における過電圧上昇を抑制することが
でき、かつ、長期間にわたって安定に使用することができる。電解時にお
ける過電圧上昇を抑制することができ、かつ、長期間にわたって安定に使
用することができる水電解の酸素発生電極用触媒を提供する。


【図1】(a)、(b)及び(c)は、実施例で得られた酸素発生電極用
触媒における触媒部分のSEM画像であり、(d)はTEM画像である。

【図2】(a)は、実施例1及び比較例1~3で得られた酸素発生電極用
触媒を電極として使用したリニアスイープボルタンメトリーの測定結果、
(b)は(a)に示すリニアスイープボルタンメトリー曲線から算出した
ターフェル勾配を示す。

図3(a)は、実施例1及び比較例1~3で得られた酸素発生電極用触媒を
電極として使用したリニアスイープボルタンメトリーの測定結果、(b)
は(a)に示すリニアスイープボルタンメトリー曲線から算出したターフ
ェル勾配を示す。

図4.実施例1で得られた酸素発生電極用触媒を電極として使用したクロノ
  ポテンシオメトリ測定の結果である。
表1は、図2の結果をまとめた表であり、各電極の50mAcm-2及び
100mAcm-2における過電圧、並びにターフェル勾配の値を示して
いる。
表1.
000002
以上の結果から、実施例1で得られた酸素発生電極用触媒は、電解時にお
ける過電圧上昇を抑制することができ、また、ターフェル勾配を低くする
ことができ、かつ、長期間にわたって安定に使用することができるもので
あった。また、アルカリ溶液のみならず、アルカリ性模擬海水及びアルカ
リ天然海水でも効率よく水分解することができ、工業用海水電解への応用
にも有望である。
光電極の電流電圧特性図
2.特開2024-126412 酸素発生反応用触媒、電極及び酸素発生反応用触媒
 の製造方法 国立大学法人山口大学
【要約】下図3のごとく、酸化ルテニウム(IV)を含み、前記酸化ルテニウ
ム(IV)の結晶子サイズが2.5~4.0nmである酸素発生反応用触媒。
本発明の課題は、酸素発生反応に用いる触媒として使用でき、海水等の塩
化物イオンを含む水の電解において塩化物イオンの酸化を抑制できる触媒
を提供することである。


図3.表1の結果をグラフに表したものである
【発明の効果】本発明の酸素発生反応用触媒及び電極は、触媒活性に優れ、
海水等の塩化物イオンを含む水の電解において塩化物イオンの酸化を抑制
できる。また、本発明の製造方法は、本発明の酸素発生反応用触媒を製造
することができる
表1.
000005
表1に、RRDEボルタンメトリーにおいてディスク電流が10mA/c
に到達したときの過電圧(測定電位-E(O/HO))と、ディ
スク電流が10mA/cmに到達したときのRRDE法に基づくCOR
ファラデー効率及び10mA/cmで定電流電解を行ったときの残留塩
素種量によるCORファラデー効率を示す。表1における「FE(COR)
PRDE」はRRDE法に基づいて算出したCORファラデー効率を示し、
「FE(COR)DPD」は残留塩素種量により算出したCORファラデー
効率を示す。CORファラデー効率は、通常残留塩素種量により算出する
が、RRDE法に基づいて算出したCORファラデー効率も残留塩素種量
により算出したCORファラデー効率とほぼ同様の値を示した。
図3に表1の結果をグラフに表したものを示す。図3は、電解液が0.5
MNaClの場合の過電圧並びにFE(COR)PRDE及びFE(CO
R)DPDを示し、棒グラフは過電圧を、折れ線グラフはCORファラデ
ー効率を示している。実施例1~3で得られたルテニウム酸化物(S-R
uOx、H200-RuOx及びH400-RuOx)のいずれを使用し
た場合も、比較例2の市販RuOを使用した場合に比べて過電圧が低く
、CORファラデー効率は極めて低い値を示した。比較例1で得られたル
テニウム酸化物(H600-RuOx)を使用した場合は、市販RuO
使用した場合に近い過電圧及びCORファラデー効率を示した。

【産業上の利用可能性】本発明の酸素発生反応用触媒及び電極は、水の電
気分解における陽極、金属空気電池における空気極(正極)、二酸化炭素
の電解における還元反応の対極等として使用することができる。本発明の
酸素発生反応用触媒及び電極は、塩化物イオンの酸化を抑制できるため、
特に塩化物イオンを含有する水溶液の電解に好適に利用でき、例えば、海
水の電解に好適に利用することができる

3.特開2024-75820 海水電解用又は電気防食用電極及び触媒、並びに電
 極の製造方法 国立大学法人山口大学他
【要約】下図1のごとく、導電性基材の表面にマンガンの塩の熱分解生成
物であるγ型二酸化マンガンが担持された海水電解用又は電気防食用電極
。導電性基材の表面においてマンガンの塩を200~350℃で熱分解す
ることにより、γ型二酸化マンガンを前記導電性基材の表面に付着させる
海水電解用又は電気防食用電極の製造方法。本発明の課題は、海水電解
び電気防食の用途に適した、副反応である塩化物イオンの酸化を抑制でき、
十分な電流密度を得ることができる触媒担持電極を提供することである。

000002
図1は、実施例1~3及び比較例1で得られた触媒被覆チタン電極のLS
Vの結果を示す。
【発明の効果】 本発明の海水電解用又は電気防食用電極は、副反応である
塩化物イオンの酸化を抑制でき、十分な電流密度を得ることができる。本
発明の製造方法は、前記海水電解用又は電気防食用電極を好適に製造する
ことができる。
(電気化学特性評価:定電流電解試験)
リニアースィープボルタンメトリーと同様に3電極セルを使用して、電解
液として模擬海水を使用し、表1に示す実施例及び比較例で得られた電極
を作用極として用いて、模擬海水を電流密度10mA/cmで67分間
定電流電解した。表1に、実施例2、5及び6並びに比較例1~3で得ら
れた電極を用いたときの過電圧と塩素発生量から決定した塩素発生反応の
ファラデー効率(CER効率)を示す。なお、比較例3としては、市販の
酸化イリジウム/チタン電極(i-RODE  TYPE-2、株式会社ア
スカエンジニアリング)を使用した。図5には、実施例2、5及び6で得
られた電極を用いたときの電極電位(vs.RHE)を電解時間の関数と
して表す。使用した模擬海水のpHは8.3であり、模擬海水に含まれる
成分はNaCl(0.47mol/L)、MgCl(0.035mol
/L)、MgSO(0.018mol/L)、CaSO(0.010
mol/L)、KCl(0.010mol/L)、NaHCO(2.0
mmol/L)、NaSO(0.10mmol/L)及びHBO
(0.42mmol/L)であった。CER効率(%)は、以下の式で求
めた。また、100からCER効率(%)を引いた値がOER効率(%)
となる。以下の式における残留塩素種の濃度(表示値[CLO](mg/L
))は、模擬海水の一部を抜き取りジエチルパラフェニレンジアミン法(D
PD法)により決定した。

000003
表1.
000004
  表1の結果から、比較例2のチタン板単独の場合は電圧が大きくなり過
ぎて測定が不可能であった。比較例1の500℃で熱処理した電極の過電
圧は2V以上であり、CER効率も25%になった。これに対して実施例
で得られたMnOのCERは5%以下であり、CaやMgといった2価
イオンや、バッファーとして働く炭酸イオン等が含まれた海水中において
も、塩化物イオンの酸化を抑制でき、塩素及び次亜塩素酸の発生量の少な
い電極が得られた。これらの電極は酸素の発生効率に非常に優れるもので
あった。また、これらの電極は、電位(=過電圧)が小さくても電流密度
10mA/cmの電流を供給できることが分かった。
【産業上の利用可能性】
 本発明の電極及び触媒は、電解や電気防食において、塩素の発生を抑制し
た酸素発生電極及び触媒として使用できるため、本発明の海水電解用電極
及び触媒は、塩化物イオンを含有する水溶液である海水の電解の陽極に好
適に利用でき、本発明の電気防食用電極及び触媒は、製塩プラントの電気
防食、洋上風力発電、港湾設備の電気防食等の陽極に好適に利用できる。
また、本発明の電気防食用電極は、外部電源方式の電気防食における電気
防食用電極として好適に使用できる。

           心に残る曲『昴 谷村新司』 
             作詞/作曲:谷村新司
           ジャンル:J-POP/1980年4月1日






● 今日の言葉:



          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                          

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エネルギーと環境 115

2025年01月23日 | 地中熱利用概論

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

公共交通はもっと自由に! ダイハツ イコイコ…東京モーターショー2019[詳細画像]
DAIHATSU ICOICO Concept Car
ダイハツが過去に公開していたコンセプトカー「IcoIco」は、非常に斬
新なデザインながらも真面目な存在意義を持って公開されたのです。ど
のようなモデルだったか。

【季語と短歌:1月23日】 

       生活苦トランプ次第寒波来 

         
       高山 宇 (赤鬼)

🪄このままでは、年金生活者は棄民されると詠む。経済と社会がわかって
     いると支持できそうな政党は、日本維新の会と令和新選組と立憲民主党
  (インナー派抜)を中心とした野党連合がよさそうだが?!
冷暖房・給湯システム | 地中熱の冷暖房・給湯システムは省エネ!【ミサワ環境技術株式会社】

✳️ 地熱ならぬ「地中熱」で大幅な省エネ概論 ⓵

日本の第四紀層の地盤には、空隙が多い。その隙間には、地下水が流れて
いることが多い。それも大量に。隙間が水で満たされることで、どうなる
か?!地盤の熱伝導率が大きくなる。さらに、地下水の流れは熱を輸送す
るので、熱伝導率はさらに大きくなる。だから、地下水が流れている地層
の“みかけの熱伝導率”は、岩盤のそれを上回るほど大きくなるが、日本の
地質ならきわめて効率のよい地中熱利用が可能だという。日本中どこでも
適しているわけせなくというわけでなく、地中熱を活用するメリットの大
きい地域はたくさんある。



二酸化炭素を出さないカーボンニュートラルは、全世界の喫緊の課題。そ
れを推進するための絶好の“お宝”が足元に埋まっている。そこで、産総研
の地中熱チームの出番。費用のかかる調査をしなくても、地中熱利用に適
している場所かどうかを知ることができたら、導入へのハードルはかなり
低くなる。そうした情報を提供手法確立を模索研究している。つまり、日
本では、人が多く住んでいる平野や盆地が『第四紀層』と呼ばれる約260
万年前以降の比較的新しい地質で最上部が覆われている。

図1
図1 開発した湿度変動電池の(a)分解図と(b)写真(ライセンス: CC BY 4.0)

✳️ 湿度変化で発電できる「湿度変動電池」の性能アップ
湿度電池が存在するなんて知らなかった!それも、4カ月以上連続でワイ
ヤレスセンサーの駆動に成功したと、昨日、 産業技術総合研究所が公表




✳️ 溶湯鍛造製法で新複合材料に注目!?
アドバンスコンポジットは、ビジョンとして掲げている「地球の未来を素
材で支える」のもと、世の中に必要とされる新素材を開発・製造し、企業
としての持続的な成長を図る企業。

電子機器は内部で発熱するため、外部に放熱する必要があるが、回路基板
の絶縁素材にはセラミックや樹脂が採用されている。セラミック素材は強
度と絶縁性、熱伝導性に優れているため、パワーモジュールや車載用LED
ヘッドライト、ヘッドアップディスプレイ等の市場で独占的に使用されて
いる。一方、樹脂素材は軽量で製造や調達が比較的容易で低コストである
ことから、パソコンやスマートフォンなどの電子機器、家電、インバータ
ーなどで多用されており、さらにはセラミック基板の独占市場においても、
樹脂を絶縁体とする金属基盤が市場シェアを拡大している。

開発した複合材は、セラミック素材と樹脂素材の優れた特性を生かし、高
熱伝導性と高い絶縁性能・強度を実現しました。セラミック素材よりも製
造が容易なため、調達期間の短縮や調達コストの低減が期待できる。

一方、電子機器などで高性能化と小型化が進むなかで、「熱伝導性」に弱
点がある樹脂素材は、これまで以上に効率的に放熱する性能を求められて
います。当社が開発した複合材は、一般的な樹脂よりも遥かに熱伝導率が
高いため、絶縁基板としての放熱性能が格段に向上し、製品の信頼性向上
に寄与します。また、セラミックと樹脂の両素材の中間に位置することか
ら樹脂やセラミック素材の代替品として、絶縁基板市場の新たなラインナ
ップに貢献します。市場シェアを拡大してきた樹脂素材に比べて、樹脂セ
ラミック複合材料は絶縁基板の高熱伝導化を可能とするため、電子デバイ
ス、半導体、ロボット、ゲームなど発熱に課題を持つ幅広い領域の絶縁基
板市場において信頼性と低コストという付加価値を提供。

【素材特性】
・密度:1.85g/㎥
・比熱:0.75~0.80J/kg・K
・熱伝導率:18~20W/m・K

【効果】
・高熱伝導の実現
・樹脂に対して高い絶縁性能を持つ
・セラミックに比べて低コスト
・セラミックに対して調達が容易
・セラミックスに対して大面積化が可能

----------------------------------------------------------------------------------
【アドバンスコンポジット株式会社保有特許】
1.特許第7037848号 高金属粉末含有アルミニュウム複合体の製造方法、
プリフォームの作製方法及び高金属粉末含有アルミニュウム複合体 
【要約】
プリフォームの作製工程で、平均粒子径が1~200μmの金属
粉末材料から、粒子径が異なる2種以上の材料を選択し、これらの金属原
料に、有機無機バインダーを添加混合した材料から得られた成形物を、
300~800℃の温度で焼成し、金属原料の含有率が55v%以上のプ
リフォームを得、得られたプリフォームに、アルミニュウム合金等の溶湯
を高圧で含浸させる高金属粉末含有アルミニュウム複合体の製造方法等で
金属粉末の充填率を高くでき、しかも内部に欠陥がなく均一なプリフォー
ムが得られる作製技術を確立し、該プリフォームにAl合金等を高圧含浸
或いは非加圧浸透させた場合に、亀裂や欠陥が少ない金属含有率が高い、
高金属粉末含有アルミニュウム複合体を得る技術の提供。



2.特許第7594335号 ヘキサゴナル窒化ホウ素粒子分散樹脂複合体及びヘ
キサゴナル窒化ホウ素粒子分散樹脂複合体の製造方法
【要約】板状に切り出して複数枚の薄板状の伝熱シートを直接得るための
ブロック状のヘキサゴナル窒化ホウ素粒子分散樹脂複合体であって、少な
くとも、ヘキサゴナル窒化ホウ素粒子と、気孔形成剤が除去された跡であ
る連続的な気孔と、無機系バインダー又は有機系バインダーの少なくとも
いずれかのバインダーからなる硬化体を含んで形成されてなる多孔質BN
成形体の前記気孔に樹脂が含浸した状態で固化されてなり、且つ、前記粒
子の間に前記バインダーからなる硬化体が介在しているヘキサゴナル窒化
ホウ素粒子分散樹脂複合体及び製造方法。切り出して多数の高熱伝導・高
絶縁性である性能に優れる薄板状の伝熱シートを作製できる、薄板状の伝
熱シートの生産性を著しく高めることが可能な、大きくて厚みの厚い大型
のブロック形状でありながら内部まで樹脂が十分に含浸してなる高熱伝導
性を示すBN粒子樹脂複合体を簡便に得ることができる技術の開発。

✳️ 電動航空機で北九州と宮崎を往復する試験飛行



      ヒットしそうな曲『Da-iCE FUNKEYS』 
             作詞・作曲:花村想太・工藤大輝他
               ジャンル:J-POP&EDM/2025年1月15日



Da-iCE

 今日の言葉:機械文明の膨張に伴う<幻想><誤謬>によるリスク・
        インパクトの<値踏み>(=想像力)の最適化が求めら
        れている(それも人工知能でとの囁きが聞こえないわけ
        ではないが)。


           春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                 春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                            

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エネルギーと環境 114

2025年01月22日 | 新農法革命

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月22日】 

                        
                         モンツキドリ
       寒波来モンツキドリがお辞儀する 

         

       高山 宇 (赤鬼)

三龍会告知板 
彦根発JR(
彦根駅発下り 14:04/14:34)


✳️ 砂漠の過酷な農業栽培も可能
毎年、年の始まりにラスベガスで開催される世界最大のテックイベント「
CES」。さまざまなテクノロジーや最新のガジェット、家電、モビリティな
どが世界中から集まる。見本市で見つけたのが、水と肥料の消費量を最大
50%削減することが可能な土「LNC(リキッド・ナチュラル・クレイ)」
LNCは、土壌を修復・保護し、農業、森林、緑地での水使用量を削減でき
る土、およびその技術のこと。特許も「無機静電気バインダー組成物、そ
の使用および前記バインダー組成物の調製方法」として取得済み。このシ
ステムは農業だけでなく、森林などの緑の復活、ゴルフ場のグリーンを水
消費を抑えながら維持するのにも役立とのこと。すなわち、砂漠化と干ば
つ、世界的な水不足のどちらにもアプローチできる。自然保護しながら増
加する世界人口を養うことができると、地球と人類にとって画期的なシス
テム。砂漠での過酷な条件下で農業栽培を可能にすることを目標に、LNC
の技術をイラクで試験導入する予定(GIZMODOより)。
🪄
リキッド・ナチュラル・クレイ、略してLNCは、Desert Control社が特許を取得したプロセス
で作られており、水と粘土だけで作られ、LNCは電荷を帯びた小さな粘土粒子を含む天然鉱物で
構成されていて、砂の一粒一粒を電荷でコーティングし、磁力のように水を保持。特定の表面電
荷を付加することで、水と反対の電荷を持つ粒子が表面に付着することを可能にする。
🎈Source: DESERT CONTROL



エビイロカメムシの特徴や幼虫も紹介! | 虫の写真と生態なら ... マツヘリカメムシ - Wikipedia

✳️ カメムシの悪臭を「芳香剤」に変換 中学生
21日午後、兵庫県立大学附属中学校の3年生6人が強烈な悪臭を放つこと
知られる「カメムシ」を芳香剤の原料にするという、ユニークな研究成

を発表。生徒らは、学校近くの林で100匹以上のカメムシを捕まえ、比較
的いい臭いのする種類を選んで検証した結果、エビイロカメムシとマツヘ
リカメムシ
は、悪臭ではなく「甘い香り」がすることが判明。この2種類
のカメムシを優先的に捕獲し、隣接する赤穂市に研究所を置く大手殺虫剤
メーカー「アース製薬」の協力のもと、体液だけを取り出すことで、カメ
ムシの「におい成分」を抽出することに成功する。



⛑️   
大気汚染防止対策とCOVID-19パンデミック
   都市樹木の光合成に及ぼす影響
京都工芸繊維大学と九州大学は,2005年から2023年までの京都市での調
査により,大気汚染の大幅な改善が,街路樹の光合成を高めたことを明ら
かにした。
🪄本研究成果は、2025年1月9日に学術雑誌「Scientific Reports」にオ
  ンライン掲載された。
【要約】
道路沿いに植栽された街路樹には,光合成によって二酸化炭素を
吸収しバイオマスとして蓄積する,日陰効果でヒートアイランド現象を緩
和するなど,都市環境を改善する多くの利点がある。一方,都市部におけ
る樹木の光合成に影響を与える代表的なストレスとして大気汚染があり,
特に自動車排気ガスに含まれる二酸化窒素は,慢性的な悪影響を引き起し
うる。
日本の主要都市の二酸化窒素濃度は1990 年代半ば以降,着実に低
下しているが,こうした日本の大気汚染の歴史的な改善が街路樹の光合成
機能にどのような変化をもたらしたかについては,ほとんど研究報告はな
かった。
研究グループは,大気汚染に対する街路樹の光合成応答を評価す
るために,光合成速度に加えて,植物へのストレス指標となる,値光合成
の水利用効率という2つの性質に注目。京都市,南丹市,大津市を調査地と
し,日本の代表的な街路樹であるイチョウ,サクラ,ツツジを対象として,
大気汚染に対する光合成応答を2005年から18年間にわたって調査した。

図 1
(a) 28の調査サイト、17の大気汚染監視ステーション、および3つの気象観
測所の場所。(b)都市樹木の出現例。調査サイトS12、S24、およびS26の樹
木画像が表示されます。地図画像は、Microsoft® PowerPoint for Mac ver.
16.94, https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/powerpoint を
使用して作成する。
その結果,2020-2023年と2005-2008年とを比べると,この15 年間で大気
汚染物質である二酸化窒素濃度は60%も低下し,街路樹であるツツジやサ
クラの光合成は25%増加し,水利用効率は減少していた。二酸化窒素濃度
の低下は,自動車NOx法の制定や改正によるトラックの環境性能改善によ
る効果が大きいとする。一方,イチョウについては,この15年間で光合成
の変化はみられなかったという。
また,2020年〜2023年のコロナの流行は
経済活動の停滞から交通量の減少を引き起こしたが,二酸化窒素濃度の低
下は5%程度に過ぎず,街路樹の光合成を改善することはなく,水利用効率
にも変化はなかったという。コロナ流行によって大気汚染が改善されたこ
とは世界各地で報告されているが,日本においてはすでに大気汚染が改善
されていたこともあり,街路樹の光合成を高めるほどの変化はなかったと
する。
今後電気自動車(EV車)の導入によって自動車から排出される大気汚染物
質の量が大幅に減少すれば,特に交通量が多い都心部で,街路樹の光合成
能力が大きく改善される見込みがある。研究グループは,今後の環境対策
の効果をエビデンスとして得るためには,継続的な大気環境のモニタリン
グと,光合成機能の調査が必要だとしている


✳️  4.1億画素の35mmフルサイズセンサー開発 

キヤノンは1月22日、35mmフルサイズセンサーにおいて世界最高画素数
となる4.1億画素(2万4592 × 1万6704画素)のCMOSセンサーを開発した
と発表。監視、医療、産業用途など、超高解像度が求められるさまざまな
分野での活用が期待されている。
新開発のCMOSセンサーは、24K相当(
フルHDの198倍、8Kの12倍)の解像度を持つ。これにより、広い視野で撮
影した後、任意の領域を切り出して拡大しても、解像感が損なわれない高
画質な映像を取得できるという。
一般的に超多画素のCMOSセンサーは中
判以上のイメージサイズであることが多いが、このセンサーは35mmフル
サイズを実現している。35mmフルサイズセンサー用のレンズと組み合わ
せて使用することが可能で、撮影装置の小型化にも貢献できる。

✅1億画素で毎秒24コマ撮影も
なお、CMOSセンサーは画素数が増えるほど信号遅延が生じやすくなるが、
キヤノンは高度な信号処理技術を用いてこの問題を解決した、画素部分と
信号処理部分を重ね合わせた裏面照射積層構造の採用や回路構成の見直し
により、1秒間に32億8000万画素という超高速な信号読み出しを実現して
いる。これにより、毎秒8コマの動画撮影が可能となった。
さらに、「4画
素加算機能」を搭載することで、感度を向上させ、より明るい画像を取得
することができる。この機能を使用すると、モノクロのみとなるが、1億画
素で毎秒24コマの滑らかな動画撮影が可能となる。
キヤノンは、2025年1月28日から30日にかけて米国サンフランシスコで開
催される世界最大級の光学・フォトニクス関連の展示会「SPIE Photonics
West」の同社ブースにおいて、この新しいCMOSセンサーを参考出展する
予定。



✳️ 半導体、限界近づく微細化 

      後工程で技術革新、部品の実装工程と融合も
微細化が限界に近づく中、注目を集めるのがチップ実装などの後工程の技
術革新。後工程では、SiP(システム・イン・パッケージ)などメモリーや
マイコンなど複数のチップをパッケージ内で3次元(3D)方向に積層して
実装する3D実装、異なるプロセスノードを使用してチップを製造、集積化
するチップレット技術など、パッケージング技術による高集積化が進んで
いる。3D実装は基板との接続に貫通電極(TSV)とバンプ(はんだボール
)を用いるフリップチップ実装が増え、複数のベアチップや受動部品など
を複数搭載して一つのICとしてパッケージングするMCM(マルチチップモ
ジュール)も増加している。半導体後工程は、電子部品の実装工程とのシ
ームレス化も進んでいる。SMT(表面実装)で扱う部品が極小化するとと
もに半導体デバイスも増加する中、ボンディングのプロセスに近接したSMT
プロセスの必要性が高まってきた。ボンディングなどの製造プロセスはSM
Tが応用されるケースが増えている。 実装機業界はこうした半導体メーカ
ーや製造現場の動きに着目する。近年では、SMTと半導体プロセスとの融
合を視野に置いた製品拡充やM&A(合併・買収)による事業化が進んだ。  
パナソニックコネクトのプロセスオートメーション事業部は、半導体装置
や電子部品実装機などを軸とする「回路形成プロセス」と、溶接機やレー
ザー加工ロボットなどの「溶接プロセス」の2分野を主事業とする。半導体
製造プロセスではドライエッチャー、プラズマダイサー、液晶ボンダー、
ダイボンダー、フリップチップボンダーなどを製品化し、販売を強化して
いるという。(電波新聞 2025.1.22)

 


⛑️  約4万7000人死亡 2092世帯が家族全員殺害 ガザ
パレスチナ自治区ガザ地区の広報当局は21日、2023年10月に始まった一連
の戦闘での被害をまとめた統計を発表し、約4万7000人が死亡したほか、
約1万4000人が行方不明だと明らかにした。犠牲者の7割は女性と子供で、
2092世帯は家族全員が殺害された。(毎日新聞  2025.1.22)


終わりなき戦争紛争の100年史―大戦・冷戦・テロの真相
終わりなき戦争紛争の100年史―大戦・冷戦・テロの真相
【内容情報】戦争はなぜ起こり、なぜ繰り返されるのか!
植民地争奪戦後の1914年、第一次世界大戦が勃発した。日独伊は世界恐慌
で追い詰められ、第二次世界大戦へと突入。東西冷戦下では、核保有国・
米ソの全面衝突の代わりに朝鮮戦争、ベトナム戦争の代理戦争やソ連のア
フガン侵攻、中東戦争などが勃発。一方、植民地から独立したアフリカ、
アジアの国々では、国境をめぐる領土・民族紛争が続発。印パ戦争、スー
ダン内戦、レバノン内戦、サッカー戦争など多様な戦争が起きた。
冷戦後の1990年代、グローバル化が進み。湾岸戦争、ルワンダ内戦、コソ
ボ内戦、麻薬戦争などが起こる。2000年代、9・11を皮切りに西側諸国を
イスラム・テロが襲い、対テロ戦争が展開。イラク侵攻、シリア内戦、ミ
ンダナオ紛争などが勃発。そして現代、世界不況からナショナリズムが台
頭し、サイバー攻撃などのハイブリッド戦が始まった。北朝鮮ミサイル危
機、南シナ海領有問題、台湾海峡危機、エチオピア内戦、ウクライナ侵攻
などが起きている。
「戦争は政治の延長線」(クラウゼヴィッツ『戦争論』)という。第一次
世界大戦からウクライナ侵攻までの100年余に起きた88の戦争と投入兵器
を一挙解説!戦争はなぜ始まり、どう拡大し、どう終結したか。戦争と国
際政治の実態がわかる!!
目次
はじめに 戦争を知ることが戦争を防ぐ
地域別地図(欧州/アフリカ/中東・アジア/中南米)
第1章 第一次世界大戦―総力戦の幕開け
第2章 第二次世界大戦―史上最大の戦争
第3章 東西冷戦―二大陣営の対決
第4章 植民地主義の清算―境界線の呪い
第5章 グローバル化の影―誰もが武装できる世界
第6章 対テロ戦争の嵐―イスラム過激派のグローバル・ジハード
第7章 現代の紛争―相互依存とハイブリッド戦

六辻彰二[ムツジショウジ]1972年、大阪府に生まれる。横浜市立大
学文理学部卒業。博士(国際関係)。国際政治、アフリカ研究を中心に、
学問領域横断的な研究を展開。横浜市立大学、明治学院大学、拓殖大学な
どで教鞭をとる。「Yahoo!ニュース個人」オーサー、「ニューズウ
ィーク日本版」コラムニスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲
載されていたもの)。
---------------------------------------------------------------------------------
🔲 イーロン・マスク“ナチス式敬礼”から考える
トランプ政権に参画する大富豪イーロン・マスク氏が大統領就任式で、右
手を左胸に当ててから高々とあげる仕草を繰り返した。これが“ナチス式
敬礼”と批判される一方、マスク本人は「自分の心をみんなに」の意図し
たと弁明したという。(YAHOO! JAPAN 2025.1.23)


例えば、ドイツ領南西アフリカ(現ナミビア)では1904年、現地人の反乱
が発生した。その後の4年間で、ドイツ軍と入植者の過酷な取り締まりと
殺戮により、非戦闘員を含めてヘレロ人の75%、ナマ人の50%が死亡した
といわれ、ドイツの歴史学者ホルスト・ドレシュラーは「史上最も効果的
なジェノサイド」と形容した。
ナチスによる迫害を逃れてアメリカに渡っ
たユダヤ人哲学者ハンナ・アレントも、「ジェノサイドは20世紀はじめに
アフリカで始まっていた」と述べ、ユダヤ人だけがその被害者ではないと
認めた。
つまり人種差別もジェノサイドもナチスの専売特許ではない。
だナチスが他のほとんどと違うのはヨーロッパのなかで、白人同士でそれ
を行ったことだ。だからこそ欧米でナチスがとりわけ忌み嫌われるのも不
思議ではない。
ナチスが表面的に忌避されても、ナチスが体現した白人優
位の思想は第二次世界大戦後も欧米に染みついてきた。
その結果、表向き
ナチスを敵視する勢力が、実態としてホロコーストと大差ないジェノサイ
ドにかかわることさえあった。
例えば、19世紀にフランスに支配されたア
ルジェリアでは、フランス人入植者に土地のおよそ2/3が奪われる。


米ジョージア州で行われた国家社会主義者の集会(2018.4.21)(写真:
ロイター/アフロ)

このアルジェリアでは第二次世界大戦後、独立戦争(1954-1962)が発生。
その際フランス軍は現地人の村落なども「敵をかくまっている」と攻撃し、
最終的に40万人とも100万人ともいわれ死者を出した。それにも関わらず、
フランスによる組織的殺戮が横行したことに、20世紀フランスを代表する
哲学者の一人ジャン・ポール・サルトルは「異民族の財産権、生存権を奪
うやり方はナチスと変らない」と批判したが、こうした論調は欧米の支配
的言説にはならなかった。現代に目を向けると、ガザ侵攻で膨大な犠牲者
が出るまで、欧米各国政府が過剰なほどイスラエルの自衛権を擁護する。
特定の個人がナチス的な仕草をするかどうかは些細でないとしても、より
重要な問題は欧米に根深く染みついた白人優位の思想といえ、
もっとも、
それは欧米だけの問題ではない。
経済停滞と生活苦を背景に、ヘイトと排
外主義は欧米以外でも広がりやすくなっている。その意味でも自民族優位
の思想はナチスの専売特許ではない。(六辻彰二国際政治学者)


       心に残る曲『青春時代 森田公一とトップギャラン』 
             作詞::阿久悠/作曲編曲:森田公一
               ジャンル:J=POP/1976年8月21日




 今日の言葉:米国大統領制が始動。当て嵌まる箴言は?太宰治か
         カール・マスクの二人かなぁ。外れると良いのだが。
         やばいと思っている。
         
                   

                春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                 春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (
因果報応の季節風)より

                            

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エネルギーと環境113

2025年01月21日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月21日】             関連する画像の詳細をご覧ください。わたあめ / したのの さんのイラスト - ニコニコ静画 (イラスト)

       暖かき大寒なれど給油して 

                高山 宇 (赤鬼)

🎈ため池水上太陽光発電建設ラッシュ最進県 香川

✳️ ワイヤレス給電・充電システムの特徴
   ワイヤレス給電・充電システムのメリット
🪄ここでは、自動車・ドローンや自動運転、搬送装置などのワイヤレス給
電及び充電、システム最適化(水中・宇宙空間を含め)を「WiBotic lnc.
(ワイボテック)は2015年に創立され、アメリカ合衆国のワシントン州シ
アトルに本社を置くワイヤレス充電と制御システムの開発・製造企業×ナ
ブテスコ
から学ぶことに。






特開2023-80870 二次電池モジュール
【要約】下図1のごとく、 負極集電体、負極活物質層、セパレータ又は固
体電解質、正極活物質層及び正極集電体を有する蓄電要素を複数積層され
てなる積層型電池を備えた二次電池モジュールであって、積層型電池の両
端に位置する最外層集電体と、最外層集電体に接続され、電流を外部に取
り出すためのタブと、タブに接続される整流部と、を備え、整流部は、最
外層集電体上に、且つ、前記最外層集電体の端部に設けられ、更に、最外
層集電体においてタブが入射する側の辺を第一辺と定義したときに、最外
層集電体の第一辺に沿う方向に延設されている。電池の充放電の際に電流
が分布することを抑制し、電池の劣化を抑制して電池の長寿命化を図る。

図1. 本発明を適用した二次電池モジュールを示す斜視図

図2. 本発明を適用した二次電池モジュールの側断面図

リチウムイオン二次電池としての電池セルの拡大断面図
【符号の説明】【0123】
1  二次電池モジュール 2  負極 3  正極 5,61  負極整流部 6,
62  正極整流部 7、8  導電部 9  枠部材 10  負極側最外層集電体
11  負極集電体 12  負極活物質層 13  セパレータ 14  正極活物
質層 15  正極集電体 16  正極側最外層集電体 20  各電池セル  2
0  組電池 41  負極活物質 42  正極活物質 43  電解液 46  固
z体電解質 50  組電池 61A,62A  分岐整流部 71  第1接点
72  第2接点 73  導電線
【発明の効果】【0009】
 本発明によれば、電池の充放電の際に電流が分布することを抑制し、電池
の劣化を抑制して電池の長寿命化を図ることができる。
【特許請求範囲】
【請求項1】  負極集電体、負極活物質層、セパレータ又は固体電解質、
正極活物質層及び正極集電体を有する蓄電要素を複数積層されてなる積層
型電池を備えた二次電池モジュールであって、
  前記積層型電池の両端に位置する最外層集電体と、
  前記最外層集電体に接続され、電流を外部に取り出すためのタブと、
  前記タブに接続される整流部と、を備え、
  前記整流部は、
  前記最外層集電体上に、且つ、前記最外層集電体の端部に設けられ、
更に、前記最外層集電体において前記タブが入射する側の辺を第一辺と定
義したときに、前記最外層集電体の前記第一辺に沿う方向に延設されてい
る、 ことを特徴とする二次電池モジュール。
【請求項2】  前記最外層集電体において前記タブが入射しない側の辺を
第二辺と定義したときに、前記整流部は、前記最外層集電体の第一辺に沿
う方向に延びる第一方向延設部と、前記最外層集電体の第二辺に沿う方向
に延びる第二方向延設部と、を有する、
請求項1に記載の二次電池モジュール。
【請求項3】  前記整流部は、正極側整流部と負極側整流部とを備え、
前記正極側整流部は、前記最外層集電体の第一辺に沿う方向に延びる第一
方向延設部と、前記最外層集電体の第二辺に沿う方向に延びる第二方向延
設部と、を有し、前記負極側整流部は、前記最外層集電体の中央部におい
て第二辺に沿う方向に延びる中央側第二方向延設部と、を有する、請求項
1又は2に記載の二次電池モジュール。
【請求項4】 前記整流部は、正極側及び負極側それぞれに設けられ、前記
整流部は、前記最外層集電体の第一辺に沿う方向に延びる第一方向延設部
と、前記最外層集電体の第二辺に沿う方向に延びる第二方向延設部と、
を有する、  請求項1又は2に記載の二次電池モジュール。
【請求項5】  前記整流部は、正極側及び負極側それぞれに設けられ、
前記整流部は、前記最外層集電体の第一辺に沿う方向に延びる第一方向延
設部と、前記最外層集電体の第二辺に沿う方向に延びる第二方向延設部と、
を有し、  更に、前記整流部は、前記最外層集電体の中央部において第二
辺に沿う方向に延びる中央側第二方向延設部と、を有する、
  請求項1又は2に記載の二次電池モジュール。
【請求項6】  前記整流部は、前記第二方向延設部から枝分かれした分岐
整流部が複数設けられている、
  請求項2~5のいずれか一項に記載の二次電池モジュール。
【請求項7】  前記整流部は、  上記最外層集電体よりも低抵抗の材料から
なり、 前記整流部における前記タブが入射した箇所から離れた部分に向か
うに従い抵抗が低い構成を有する、  請求項1に記載の二次電池モジュール。
【請求項8】  前記整流部は、異なる材料が組み合わせて構成され、
  前記整流部における前記タブが入射した箇所に用いられる材料よりも  前
記整流部における前記タブが入射した箇所から離れた部分に用いられる材
料の方が低抵抗材料で構成されている、
  請求項1に記載の二次電池モジュール。
【請求項9】  前記整流部は、その内部に電流を流す導電線を有し、
  前記導電線は、
前記整流部におけるタブ側に位置する第1接点と、前記整流部における前
記タブ側から離れた部分に位置する第2接点と、を接続し、
  前記第2接点の数は、前記第1接点の数より大きい
  請求項1~8のいずれか一項に記載の二次電池モジュール。
【請求項10】
  前記第2接点は、前記整流部の延在方向に沿うように並設され、
前記第2接点のうち第一辺方向外側に位置する外側第2接点と、前記第1
接点と、を接続する外側導電線よりも、
前記外側第2接点よりも第一辺方向内側に位置する内側第2接点と、前記
第1接点と、を接続する中央側導電線の方が、導電線の長さが長い請求項
9に記載の二次電池モジュール。
【請求項11】前記外側導電線の電気抵抗と、前記中央側導電線の電気抵
抗とは略同一である、  請求項10に記載の二次電池モジュール。

ISプロセスとは
✳️ 熱化学法ISプロセス

熱化学法ISプロセスは、最大900℃の熱源により、ヨウ素(I)と硫黄(S)の化学
反応を組合わせることにより、水を熱分解する水素製造法。

ISプロセスの化学反応

I2 + SO2 + 2H2O → H2SO4 + 2HI  ~100℃  (ブンゼン反応)
2HI → H2 + I2           ~500℃  (HI分解反応)
H2SO4 → SO2 + H2O + 0.5O2     ~900℃  (H2SO4分解反応)

3つの反応を組合わせることで、水を熱分解するために必要な温度を、直
接熱分解に必要な4000℃から900℃以下まで低下させることが出来て、高
温ガス炉などの熱源を用いて水を分解することが出来ます。反応に用いら
れるヨウ素や硫黄はプロセス内で循環するため、プロセス全体では水を分
解し、水素と酸素のみを生成することが出来る。

⛑️「特開2024-77350 炭素および水素の製造方法」の補足
【発明の効果】
  本発明によれば、二酸化炭素と水から、炭素と水素とを効率的に生成する
とともに、反応に用いる還元剤を繰り返し生成、利用することが可能な
素および水素の製造方法
、これにより得られる炭素材料、還元剤、および
還元能力の高い還元剤を用いて二酸化炭素を高い反応効率で分解すること
ができる二酸化炭素の分解方法を提供することが可能となる。
以下は関連工程と化学反応式のみを記載し補足とする。

【0046】
  二酸化炭素分解工程S1での二酸化炭素の分解には、以下の式(1)、
(2)の2段階と式(3)の1段階の反応が生じる。
  CO→CO(中間生成物)+O2-・・・(1)
  CO→C+O2-・・・(2)
  CO→C+2O2-・・・(3)
  そして、上述した式(1)、(2)、(3)で生じた酸素は、以下の式
(4)、(5)で酸素欠陥鉄酸化物(式(4))や酸素完全欠陥鉄(式(
5))の原子空孔に挿入される。
  Fe4-δ+δO2-→Fe(但し、δ=1以上4未満)・・・(4)
  3Fe+4O2-→Fe・・・(5)
【0047】 なお、本実施形態の二酸化炭素の分解方法では、二酸化炭素
分解工程S1において、上記の式(1)だけを行うこともできる。得られ
た一酸化炭素(CO)は、水素添加によって、メタン、メタノールなどの
炭化水素や各種樹脂などの有用な化成品を得るための原料として用いるこ
とができる。
【0048】二酸化炭素分解工程S1での上述した反応で、すべての二酸
化炭素を式(2)まで、または式(3)で反応させた場合には、最終的な
生成物としてガスの発生を伴わない。即ち、二酸化炭素中の酸素は、酸素
欠陥鉄酸化物、または酸素完全欠陥鉄に全て取り込まれると考えられる。
これを考慮して二酸化炭素と酸素欠陥鉄酸化物の反応は、式(6)、二酸
化炭素と酸素完全欠陥鉄の反応は、式(7)で表される。
  2Fe4-δ+δCO→2Fe・δC(炭素付着マグネタイト。
但し、δ=1以上4未満)・・(6)
  3Fe+2CO→Fe・2C(炭素付着マグネタイト)・・(7)
【0055】  一方、本実施形態では、二酸化炭素分解工程S1で二酸化炭
素の分解によって、還元剤はマグネタイト(Fe)になり、ヘマタ
イト(Fe)が生じることは無い。
本実施形態では、炭素は、マグネ
タイトの表面に比較的強固に付着した状態で生じる。
【0056】(炭素分離工程S2)
  炭素分離工程S2は、マグネタイトの塩化反応(マグネタイトから塩化鉄
(III)(FeCl)と塩化鉄(II)(FeCl)への転換)と炭素回収操作
より構成される。マグネタイトの塩化反応は、塩酸溶解による湿式塩化法
と塩化水素ガスによる乾式塩化法がある。
【0060】炭素分離工程S2(湿式塩化)でのマグネタイトの塩化反応
は、以下の式(8)~(9)で表される。
  2Fe・δC+16HCl→4FeCl+2FeCl+8H
+δC(湿式塩化:10~150℃)(但し、δ=1~4)・・・(8)
  2Fe+16HCl→4FeCl+2FeCl+8HO(湿式
塩化:10℃~150℃)・・・(9)
【0061】(乾式塩化)  マグネタイトの塩化反応を乾式塩化で行う場合、
二酸化炭素分解工程S1で得られた表面に炭素を付着させたマグネタイト、
または水素製造工程S3で得られたマグネタイトと、塩化水素ガスとを反
応させることによって塩化鉄(塩化鉄(III)と塩化鉄(II))と水とを生成する。
【0063】炭素分離工程S2(乾式塩化)でのマグネタイトの塩化反応
は、以下の式(8)~(9)で表される。
  2Fe・δC+16HCl→4FeCl+2FeCl+8H
+δC(乾式塩化:50~300℃)(但し、δ=1~4)・・・(8)
  2Fe+16HCl→4FeCl+2FeCl+8HO(乾
式塩化:50℃~300℃)・・・(9)
【0067】  塩化鉄(III)の還元は、例えば、高温での塩化鉄(III) の熱分解
による熱還元法と、低温での還元剤(CuCl、Fe等)の添加による還元法とがある。
【0068】(熱還元法)
  水素製造工程S3での塩化鉄(III)の熱還元法による還元反応の詳細を以下
の式(10)~(11)に示す。
  4FeCl→4FeCl+2Cl(塩化鉄(III)の還元:300℃~
600℃)・・・(10)
  2Cl+2HO→4HCl+O(逆ディーコン反応:400℃~8
00℃)・・・(11)
 なお、式(11)の逆ディーコン反応は、必ずしも行わなくてもよい。
【0069】(CuClを用いた還元法)
  水素製造工程S3での塩化鉄(III)のCuClを用いた還元法による還元反
応の詳細を以下の式(12)~(14)に示す。
  4FeCl+4CuCl→4FeCl+4CuCl(塩化鉄(III)の還
元:10℃~100℃)・・・(12)
  4CuCl→4CuCl+2Cl(CuClの還元:300℃~6
00℃)・・・(13)
  2Cl+2HO→4HCl+O(逆ディーコン反応:400℃~8
00℃)・・・(14)
  なお、式(14)の逆ディーコン反応は、必ずしも行わなくてもよい。
【0070】(Feを用いた還元法)
  水素製造工程S3での塩化鉄(III)のFeを用いた還元法による還元反応の
詳細を以下の式(15)に示す。
  4FeCl+2Fe→6FeCl(塩化鉄(III)の還元:10℃~10
0℃)・・・(15)
【0072】  水素製造工程S3での塩化鉄(II)と水との反応では、以下の
式(16)の反応が生じる。
  3FeCl+4HO→Fe+6HCl+H・・・(16)
  こうした反応によって得られる水素は、例えば、純度が99%以上とい
った高純度水素であり、燃料電池自動車(FCV)用の水素ステーション、
水素発電、各種工業用水素源として用いることができる。
【0090】還元剤再生工程S4でのマグネタイトの水素による還元では、
以下の式(17)、(18)のように還元剤が生成される。
  Fe+δH→Fe4-δ+δHO(但し、δ=1以上4未満)
・・・(17)
  Fe+4H→3Fe+4HO・・・(18)
ことが確認できた。
【産業上の利用可能性】【0155】
  本発明は、二酸化炭素および水を用いて、炭素材料と水素とを低コスト
で効率的に生成することができる。例えば、製鉄プラント、火力発電所、
セメント製造プラント、ゴミ焼却施設など、二酸化炭素、および排熱を多
く排出するプラント等に適用することで、二酸化炭素の排出削減、水素の
有効利用と、これに付随してナノサイズの炭素などの高付加価値の炭素材
料の製造を行うことができる。したがって、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】【0156】
  S1…二酸化炭素分解工程
  S2…炭素分離工程
  S3…水素製造工程
  S4…還元剤再生工程                  
尚、製造単価については化成品関係者に概算出を依頼する。    以上 

✳️ ダイカルコレナイド 太陽電池の最新情報
【26.5%】新しい『タンデム型太陽電池』が発表されました!
【ペロブスカイト ✖ カルコパイライト】( 2024/05/16
🎈株式会社 PXP






   
      心に残る楽曲『涙そうそう 森山良子/BEGIN』 
         作詞:森山良子/作曲:BEGIN
               ジャンル:歌謡曲/1998年11月26日




今日の言葉:

                春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                 春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                           


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エネルギーと環境 112

2025年01月20日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。



【季語と短歌:1月20日】

       寒い朝終日ひとりブログ打つ 
                  高山 宇 (赤鬼)


✳️ 
タンデムセルで30%超の変換効率達成
【概説】自動車や人工衛星等で使用される太陽電池は,搭載可能な面積が
限定されるため可能な限り高い変換効率が求められる。ペロブスカイト太
陽電池単独の理論変換効率は33.7%であるのに対し,ペロブスカイト太陽
電池と結晶シリコン太陽電池を積層したタンデム型の理論変換効率は43.8
%と単独型の数値をはるかに上回るため,タンデム型には高効率太陽電池
として非常に高い優位性がある。タンデム型は,受光面側から順にペロブ
スカイト,結晶シリコンそれぞれの発電層を持つ構造となっており,最初に
ペロブスカイト太陽電池が可視光領域の光エネルギーで発電し,ペロブス
カイトが吸収しない赤外領域の光エネルギーで結晶シリコン太陽電池が発
電する。ペロブスカイト太陽電池には,可視光での高い発電能力と赤外線
をロスすることなく結晶シリコンに透過させる性能の両立が求められる。
今回,両社はペロブスカイト太陽電池の透過性に着目し,赤外線透過率を
81%まで向上させることに成功した。ペロブスカイト太陽電池には,可視
光での高い発電能力と赤外線をロスすることなく結晶シリコンに透過させ
る性能の両立が求められる。今回,両社はペロブスカイト太陽電池の透過
性に着目し,赤外線透過率を81%まで向上させることに成功した。



今回得られた変換効率の数値は、セルレベルの限定された面積での測定値
であり、今後、本取り組みの成果を基盤としてモジュール化・大型化に取
り組み、ユーザーメリットに優れた高効率太陽電池の実用化に向けて開発
を継続。 なお、本成果は 2025 年 1 月 21 日、22 日に京都大学宇治キャ
ンパスで開催される The Asia-Pacific International Conference on
Perovskite,Organic Photovoltaics and Optoelectronics (IPEROP25)に
おいて発表される予定。 
【エネコートテクノロジーズについて】 
エネコートテクノロジーズは、京都大学化学研究所若宮淳志研究室の研究
成果を実用化するために2018年1月に設立された京都大学発スタートアッ
プであり、①低照度(屋内)向け高効率太陽電池を用いたデバイス(屋内
光源デバイス)による IoT 化促進への貢献、②高照度(屋外)向け軽量薄
膜太陽電池によるカーボンニュートラル社会実現への貢献をコーポレート
ミッションと位置付け事業に取り組んでいる。 車載用太陽電池の開発は、
上記②高照度(屋外)向け軽量薄膜太陽電池によるカーボンニュートラル
社会実現への貢献の一環として取り組んでいるものであり、豊かなカーラ
イフの実現、自動
車セクターのCO2排出量削減を目指す。



✅ 太陽光で水から水素生産を変える可能性
オーストラリアのフリンダース大学が主導する国際研究により、ナノスケ
ールの化学が進歩し、太陽光エネルギーを利用して水から水素を生成する
持続可能かつ効率的な技術の開発がさらに進展したという。


PEM電解技術のコスト開発
画像: グリフィス大学、Journal of Cleaner
Production、
クリエイティブ コモンズ ライセンス CC BY 4.0
🎈水素がネットゼロへの移行において役割を果たすためには、生産コスト
を下げる必要がある。数メガワットの太陽光発電で動く今日のプロジェク
トを1GW程度にまで規模を拡大することで、オーストラリアで水の電気分
解によりグリーン水素を生産するコストは、2050年までに1kgあたり2ドル
まで下がる可能性があることを示す。この研究で、水素製造の電気分解技
術のプロトン交換膜(PEM)を想定。電気分解装置に電力を供給に、10M
W、100MW、500MW、1GWの設備容量を持つ太陽光および風力発電所を
想定する。異なる条件は、電解装置アレイサイズ。最初のバリエーション
では、発電所の出力で最大電力を利用できるサイズ。しかし、ピーク電力
は頻繁に発生せず、十分に活用されない可能性があり、無効となるピーク
電力を削減する削減電力プロファイルも提示し、より小型で安価な電解装
置アレイを実現させる。

本研究では、FeドーパントとCo/Se空孔を組み込むことで、OER用の原子
的に薄いCoSe 2ナノベルトの触媒ポテンシャルを完全に掘り起こすこと
を目指
す。実と理論計算の両方を通じて、最良の触媒はCoSe 2 –D Fe
Coであり、最も活性な中心はV Co
に最も近い表面Feサイトに隣接する
Co 2サイトであることがわかった。FeドーピングとCo空孔は相乗的に作
用してCo 
2の電子状態を最適化のため、OH*の結合エネルギーが大幅に減
少し、高い触媒活性が達成される。対照的に、Se由来のO空孔はCo 2サイ
トでのO*の結合エネルギーに明らかな影響を及ぼし、その結果、比較的高
い過電位と低い触媒活性をもたらした。
アレイの 3 番目のバリエーションでは、電解槽の過負荷を考慮。「このシ
ナリオでは、電解槽は、スタックの寿命を縮めないように、短期間でまれ
に定格容量を超える入力電力を使用するようにサイズ設定する。「過負荷
容量を組み込むことによる LCOH への影響を確認に、150% の値を想定す
る」。

基準シナリオにおけるLCOH、楽観的シナリオと悲観的シナリオを示すエ
ラーバー(
画像: グリフィス大学、Journal of Cleaner Production、CC BY
4.0 DEED)






✳️ 空気から燃料や肥料になる「グリーンアンモニア」生成
化学肥料の大量生産を可能にしたハーバー・ボッシュ法は、世界中の農業
を支えているが、全世界のエネルギー消費量の2%以上、天然ガス使用量
の約5%を占めるエネルギー集約技術。昨年12月13日に科学誌・Science
Advancesに掲載された論文で、空気中から肥料にできるアンモニアを集
める装置が発表されている。容易に液体に溶けるアンモニアは気体の水素
よりも扱いやすいため、キロワット時当たりのコストも低く抑えられる。
海運業界は既にアンモニアに注目しており、2024年には世界初の炭素排出
ゼロのアンモニア駆動船が就航された。

メタンや水素ガスよりもクリーンな燃料としてのアンモニアに注目したス
タンフォード大学とサウジアラビアのキング・ファハド石油鉱物大学のチ
ームは、空気中の窒素と水蒸気を利用したグリーンアンモニアの収集装置
を開発。下図は、その「オンサイトアンモニア製造装置」の概略図。この
装置は触媒メッシュ、採取した液体サンプルを捕集するための冷却コンデ
ンサープレート、収集容器で構成。

「オンサイトアンモニア製造装置」の仕組みは、自然風か装置に組み込ま
れたファンで空気中の水蒸気と窒素を触媒メッシュの中に通すと、装置内
にグリーンアンモニアが発生するため、それを冷やして凝集させて液体と
して集めるが、チームが実際に装置を稼働させたところ、1時間当たり最
高120μM(マイクロモーラ)の濃度のアンモニアの生成に成功。これは、一
部の作物にとっては十分な濃度。また、廃水中のアンモニアを除去するの
によく使われるゼオライトを使うことで、必要に応じてアンモニアを載淑
できる。スタンフォード大学の化学教授で、論文の著者の1人であるリチ
ャード・ザレ氏は「このイノベーションは、集中型生産に代わる持続可能
かつコスパが高い代替手段となる。また、発展途上国の農業の強化から、
医薬品製造や工業の進歩に至るまで貢献可能だという。アンモニアの生成
は、マグネタイトとナフィオンと呼ばれるポリマーで構成された触媒によ
り、水蒸気(H2O)と大気中の窒素(N2)を結合させて、アンモニア(NH3)と
酸素(O2)を発生させるというプロセスで行われる。
---------------------------------------------------------------------------------
【掲載論文】
Titol:Onsite ammonia synthesis from water vapor and nitrogen in the air
Science Advances 13 Dec 2024 Vol 10Issue 50
DOI: 10.1126/sciadv.ads4443



✳️ 水素製造触媒で最高効率、物材機構 AIで短期間で発見

物質・材料研究機構(NIMS)は水を電気分解するための触媒で世界最高
効率の材料を発見した。マンガンや鉄などの安価な5つの元素で構成される。
グリーン水素の製造効率向上と低価格化につながる。人工知能(AI)で効
率的に材料を探索して見つけたという。
再生可能エネルギー由来の電力で
水を電気分解してつくるグリーン水素を、新たな燃料や余剰電力の貯蔵に
使う動きが広がっている。普及には低価格化が欠かせず、水の電解効率向
上と装置コストの低減が課題となっている。

改善策の1つが、多種の金属元素を複合化した多元素合金だ。構成元素の
組み合わせを変えることで通常の合金や単一元素の金属よりも高い性能を
示すことがある。安価な金属を選んでつくれば合金の値段も下がる。ただ、
組み合わせの種類が膨大で、高い性能の材料を見つけることが難しい。

材機構の研究チームはまず安価な11種類の金属を選定した上で、うち5種
類の金属を選んで合金化した。従来だと約3000候補の材料をそれぞれ合成
して実験する必要があったが、AIの活用により全候補数の2%を実験するだ
けで優れた材料を発見した。期間に直すと6年間かかる研究を70分の1以下
の1カ月に短縮できたという。


図2:水素環境下試験設備の温度・圧力環境の比較。従来は200K以上が中
心で、低温領域は常圧・液化水素環境(20K)下の設備があるのみ(☆)。
今回、20K~200Kかつ常圧~10MPaまで、低温での幅広い温度・圧力域で
試験が可能となった。
新材料はマンガン、鉄、ニッケル、亜鉛、銀で構成
される。水の電気分解に必要な2種類の触媒のうち、全体の効率を特に左右
する酸素を発生させる触媒だ。実験によると水が中性の条件では世界最高
の酸素発生効率を示したという。価格が安く、5元素のうち最も高価な銀
でも従来世界最高のルテニウムの20分の1程度となる。

✳️ 「水素」破格に 触媒1粒で効率水分解
カーボンニュートラル(CN、温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に向
け、安価な水素の大規模供給が渇望されている。水素は燃料として使える
だけでなく、二酸化炭素(CO2)と反応させればプラスチックを製造で
きる。炭素を環境に排出せず、繰り返し使うことが可能だ。この水素の価
格破壊を起こすと期待されるのが光触媒。粉を水にといて光を当てると水
素が得られる。日本にはノーベル賞級とされる研究者がいる。

「正直、あと2―3年待ってほしかった。もう少しで実用レベルに到達す
る」―。英調査会社クラリベイトの2024年の引用栄誉賞を受賞し、堂
免一成信州大学特別特任教授は苦笑いした。同賞はノーベル賞の前哨戦に
も位置付けられる。水分解光触媒は実用化まであと数歩のところまできて
いる。

光触媒研究は光の吸収波長を広げ、水の分解効率を高める。この二つを両
立させる必要がある。太陽光のすべての波長を触媒が吸収できれば、光の
利用効率が向上する。光エネルギーで水を効率的に分解できれば生産性が
向上する。前者は光触媒の母材、後者は助触媒が機能を担う。そして水を
分解して酸素を作る助触媒と、水素を作る助触媒は物質が異なる。そのた
め母材と二つの助触媒がそれぞれ開発されてきた。堂免教授はこれらを一
粒の触媒で実現した
堂免教授は「一つの触媒で水素を生成できたため
、光触媒が実用技術と認められた」と06年の論文の意義を振り返る。二
つ必要だった触媒を一つにまとめた研究は高く評価され、英科学誌「ネイ
チャー」に掲載された。それまでは水素生成と酸素生成の触媒の間にレド
ックスシャトルという電荷の受け渡し機構が必要で、反応効率が上がらな
い要因になっていた。

一粒の触媒上で二つの反応が完結すれば効率は劇的に向上する。堂免教授
らは窒化ガリウムと酸化亜鉛を固溶させてこれを実現した。窒化ガリウム
/酸化亜鉛の界面が酸素を生成し、助触媒のロジウム・クロム酸化物複合
体が水素を生成する。エネルギーの小さな可視光でも水素を作れると実証
した。

✳️ 母材の吸収波長拡大が課題
それまでは光触媒のアプローチは実現性を疑われるほどだった。堂免教授
らの論文は人工光合成の研究に火を付けることになる。欧米でも同じアプ
ローチの研究プロジェクトが立ち上がっている。
また水分解の面では紫外
光を用いて量子収率100%を達成した。触媒が光を吸収すると電子と正
孔が生じる。量子収率100%とは、生成した電子と正孔はほぼすべて水
分解の反応に利用できていることになる。
この研究では母材にアルミニウ
ムを添加したチタン酸ストロンチウム、水素生成助触媒はロジウム・クロ
ム酸化物複合体、酸素生成助触媒に水酸化酸化コバルトを利用した。チタ
ン酸ストロンチウムの結晶は電子が流れやすい表面と正孔が流れやすい表
面が存在する。そこで電子の流れやすい面に水素生成助触媒を付着させ、
正孔の流れやすい面には酸素生成助触媒を付けて反応が干渉しないように
制御した。わずか500ナノメートル(ナノは10億分の1)の18面体
の粒を精密に塗り分けることに成功している。

現在は性能を維持したまま母材の吸収波長を広げられるかが課題になって
いる。新しい母材として窒化タンタルやスズ・ニオブ酸化物などを見いだ
した。堂免教授は「元素を添加すれば波長を広げることはできる。だが結
晶に欠陥が入りやすくなる」と説明する。
実用レベルにはあと数歩必要だ。
日本は触媒分野に限らず、半導体や電池などマテリアル研究者の層が厚い。
思わぬ分野のアイデアがブレークスルーをもたらすかもしれない。
触媒研
究と並行して事業化や製造プロセスの検証も進んでいる。新エネルギー・
産業技術総合開発機構
(NEDO)事業では、実際にパネル1600枚を
並べて100平方メートル規模の水素製造実証システムを構築した。プラ
ント設計の知見を蓄え、現在は三菱ケミカルなどが実証開発を進めている。


✳️ 光触媒方式で圧倒的コスト競争力を実現
🎈 安全に水分解、海水も利用
光触媒方式に求められるのは圧倒的なコスト競争力だ。触媒の粉末に水を
かけて光を当てれば水素が発生するため、装置が単純で安価に供給できる
と期待されてきた。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の
人工光合成プロジェクトでも「破壊的に安価なグリーン水素製造」が掲げ
られている。経済産業省とNEDOは2012―21年の10年間で約1
50億円を投じ、人工光合成技術を育ててきた。参加した研究者の総数は
約150人。信州大学の堂免一成特別特任教授らが光触媒を開発し、三菱
ケミカル
がシステム設計などを担った。現在は経産省・NEDOのグリー
ンイノベーション(GI)基金事業で三菱ケミカルが事業化を進めている。
光触媒方式では水素と酸素の混合ガスが得られる。ガスを水素と酸素に分
離するプロセスや消炎対策などが必要になる。そこで水素分離には膜分離
方式を採用した。水素分子の大きさは2・9オングストローム(オングス
トロームは100億分の1メートル)で酸素分子は3・4オングストロー
ム。この差を利用して分子をふるいにかける。分離膜はセラミックやゼオ
ライト、シリカ膜、炭素膜などを検証した。水素ガス中の酸素を4%未満
に減らせれば爆発しない。条件を限定すれば水素濃度96%以上、水素回
収率90%が見えている。

安全対策は配管に接続して組み込める消炎ユニットを開発した。さらに分
離膜ユニットでの爆発実験を繰り返し、爆発させても分離膜性能に異常が
ないことを確認した。堂免教授は「火を付けないことが大前提。だが仮に
着火したとしても壊れないシステムを開発できた」と説明する。安全研究
の専門家らが開発を支えた。
水素の原料となる水の供給可能性も検証され
た。水素を大規模製造するとなると海水や河川水が原料となる。ただ遷移
金属イオンや塩素、有機物などの不純物が含まれるため、そのままは利用
できない。淡水化の工程が必要になる。

そこで蒸留水と海水淡水化水を検証したところ、光触媒の活性は変わらな
かった。材料メーカーの試算では海水淡水化水のコストは水1トン当たり
1ドル未満。50年の水素目標価格の1ノルマル立方メートル20円にお
いても淡水化コストは0・4%程度になった。堂免教授は「実用化されて
いる淡水化技術で十分」と断言する。
また水分解パネルは太陽電池パネル
よりも簡素な構成で作れる。堂免教授は「アイデア次第で非常に安い水分
解パネルを構築できる」という。将来、瀬戸内海などの波の静かな内海に
パネルを浮かべて水素を生産する風景が日常になるかもしれない。

✳️ CO2からプラスチック製造へ
🎈 「人工光合成触媒」
水素社会の実現へは水素のサプライチェーン(供給網)全体でコストを抑
える必要がある。水素の温度や圧力、不純物などを需要側に合わせるため
の工数はできる限り削減したい。例えば燃料電池車(FCV)へは水素を
冷やして液化して供給する。液化の際に不純物を取り除けるが、冷却にコ
ストがかかる。水分解で生産する水素を、そのまま使える用途があれば簡
単だ。
三菱ケミカルは水素を化学品の原料製造に利用する。水素で二酸化
炭素(CO2)をメタノールに還元し、メタノールからエチレンなどのオ
レフィンを製造する計画だ。これなら水素製造システムと水素利用システ
ムを直接つないで供給することも不可能ではない。


もともと水素の用途はFCVが筆頭とされてきたが、現在はカーボンニュ
ートラル
温室効果ガス排出量実質ゼロ)でCO2を資源化する需要が高
まっている。CO2を化学品に変換して使い続ければ、実質的にCO2排
出量を減らせる。オレフィンを重合したポリエチレンやポリプロピレンは
それぞれ年間230万トン程度利用されている。以前は夢物語とも言われ
たが、カーボンクレジットでCO2に値が付くようになってからは関係者
の目の色が変わった。巨大なビジネスになると投資が進んでいる。安価な
グリーン水素とCO2の需要が急拡大している。

経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリー
ンイノベーション(GI)基金事業ではCO2からメタノールを製造する
ために、新しい反応分離膜ユニットを開発している。従来法は一酸化炭素と
水素の混合ガスからメタノールを製造する。メタノールの収率は熱力学的
平衡で決まり、平衡収率は3―4割だった。そのためできたメタノールを
分離して未利用原料を再度反応器に投入していた。膜反応プロセスでは、
できたメタノールは分離され排出されるため効率が飛躍する。

メタノールからのオレフィン製造ではゼオライト触媒でエチレンへの選択
率が70%、プロピレンへの選択率が76%に向上した。それぞれ既存の
触媒では39%と65―70%だった。CO2からプラスチックが作れれ
ば、炭素を環境に放出せず、繰り返し使う社会につながる。CO2を大か
ら取り除いて固定する目的においても、プラスチックの利用量は大きく、
寿命が長いため有望になる。
調査ではメタノールだけを選択的に分離可能
なゼオライト膜は三菱ケミカルの技術のみで、膜反応器をベンチスケール
で実証しているのも三菱ケミカルのみだ。GI基金事業の終了後に5年程
度研究開発を続け、2035年ごろのオレフィン製造を目指している。

GI基金事業は21―30年度の10年間で研究開発費用は約231億円
を見込む。これを官民で半分ずつ分担する。32年ごろから事業化し、45
年の投資回収を見込んでいる。
人工光合成触媒の開発は産学官が密接に連
携してきた。実用化に向けた開発と基礎研究を並行して走らせ、企業は安
全性検証などの企業単独の開発ではカバーしきれない領域も対応できた。
大学は基礎研究や実証研究がそれぞれ「ネイチャー」などの一流学術誌に
掲載された。論文は注目を集め、社会から期待と投資を集めた。産と学で
好循環を回してきたといえる。堂免一成信州大学特別特任教授は「我々は
この分野では最も恵まれた研究チームだった」と振り返る。(ニュースス
イッチより)



     心に残る歌 『我が人生に悔いはない 石原裕次郎』
                作詞:なかにし礼・作曲:加藤登紀子
                1987年4月21日 歌謡曲



今日の言葉:今朝のつづき。1984年にネオジウムが日本人により開発
        された。そして、水素製造及び炭化水素合成の触媒が発
        明されることが明らかになった。これは目出度いことだ。
        奇跡に乾杯し、「わが人生に悔いはない」とお礼しよう
        と思う。(LK-99超伝導体騒動もあったけれど)



                春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                 春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                          
 
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エネルギーと環境 111

2025年01月19日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。



【季語と短歌:1月19日】 

      冬の菜宴の目覚めに活を入れ 
                   高山 宇 (赤鬼)

✳️ 群れで「仮想発電所」を構築する未来
      電気自動車の双方向充電を日産が先導
(CNET Japan)

電気自動車はもはやエコな交通手段というだけではない。家庭用のバッテ
リーとしても機能する可能性がある( 【画像】「EVの双方向充電」の先駆
者となった日本車とは
」)。電気自動車の普及は緩やかだが、技術の進化
は、『デジタル革命渦論』、『ディープランニング』(NHK技研)、『
QRコード革命』、『ネオコンバーテック』と絡み急速に成長。2024年第
3四半期時点で、米国での軽車両(米国の基準ではテスラ モデルYなども該
当)の販売台数のうちEVが占める割合はわずか9%にに過ぎなかったが、
その割合は急速に増加、米再生可能エネルギー研究所(NREL)は、2030
年までに米国で3000万台から4200万台のEVが普及すると予測。


2030 National Charging Network レポートは、新しい概念を作成 インフォグラフィックに収め
られた全国的なEV充電ネットワークの計画を導くモデル 上。NRELによる画像

こうした進化は、単にガソリン代を節約したり、二酸化炭素排出量を削減
したりする以上の意味を持つ。EVの次なるフロンティアは双方向充電技術
にある。この技術を使えば、車の大容量バッテリーを停電時に家庭のバッ
クアップ電源として活用できる。フォード、GM、ボルボ、テスラ(サイ
バートラックのみ)といったメーカーがすでに一部のモデルでこの双方向
充電に対応しており、2025年や2026年までには多くのメーカーが同機能を
搭載するとみられる。EVメーカーが双方向充電技術を採用する動きが進む
中、この技術がテスラの「パワーウォール」のような家庭用バッテリーバ
ックアップの代替となる可能性がある。太陽光発電バッテリーは必要なと
きにバックアップ電力を提供するが、設置には数千ドルがかかり、使い道
も限定されている。それに対し、双方向充電は⓵移動手段としての役割に
加え、②ガレージに停めている間にもEVを活用できるという一石二鳥のソ
リューションを提供できる。「双方向充電技術は今後さらに普及し、202
5年はその技術が転換点を迎える年になる」と、複数入居者向け建物にEV
充電ソリューション提供企業責任者は語る。CNETは自動車メーカーの専
門家やこの技術を研究する研究者に取材し、家庭と車の接続の未来課題を
掘り下げている。  

2025年の双方向充電は、主要な自動車メーカが自社EVに導入で、さらな
る普及を期待し、メーカー各社は、家庭向けの車両充電、いわゆる「V2H」
だけでなく、あらゆる用途に対応する双方向充電充電、つまり「V2X」へ
の移行を進める。「GMのような企業が2026年までに全車両でV2X技術を
展開する計画を立てている。V2X対応の車両数は急速に増えるだろう」と、
見ている。この進展は、V2Xが普及フェーズに入ることを後押し、ユーザ
ーがV2Xを使う技術的な能力だけが重要でなく、「商用車両群」と「家庭
のエネルギー管理」という2つの大きなトレンドに
注目されると。 商用車
両群におけるV2Gの重要性が高まる。タクシーなどの商用車両群の所有者
にとって、双方向充電の未来は一般消費者とは異なる。たとえば、UPSが
トラック向けに車両から電力網へ電力を供給する「V2G」システムを採用
している事例がある。



オークリッジ国立研究所の研究スタッフであるオマー・オナール氏によれ
ば、UPSが使用するシステムはワイヤレスで充電しながら電力を送電網に
戻すことが可能だという。このようなマイクログリッドの仕組みは、学校
のバス、教会、レンタカー会社、運送会社、公共交通機関など、大規模な
商用車両群を運営するどの組織にも技術的に適用でき、こうした大規模な
商用車両群は、管理が容易でスケジュールが予測可能であるため、V2Gプ
ログラムにおいて特に価値があり、 家庭用電力管理システムが必要不可欠
で、ボルボ・カーズ・エナジー・ソリューションの責任者は、顧客がEVの
充電と放電を最適化するアルゴリズムを備えたエネルギー管理システムを
必要とする。このシステムは家庭での消費量や電力価格に応じてEVの充放
電を自動的に調整することが求められ、このような仲裁機能はすでにSolar
Edgeのホームバッテリーや、「Tesla Powerwall 3」のような家庭用バ-ッテ
リーに搭載されており、車両メーカーやEcoFlow、Savant、Jackery、Blue-
ttiのような企業も同様の技術開発に参入している。  

車両側では、フォードがSunrunやBGEと提携して、同社初のEVピックアッ
プトラック「F-150ライトニング」のパイロットプログラムを実施している。
同プログラムでは、家庭への電力供給や電力網へのエネルギー供給が可能
だと実証。GMもまた、同様の蓄電システム「GMエナジー・パワーバンク」
を展開している。同システムには、停電時にEVから家庭に電力を供給した
り、ピーク時の電力料金を抑える家庭用電力管理システムが含まれる。



◾仮想発電所の構築に必要なこと
仮想発電所(VPP)の実現には、いくつかの追加要素が必要になる。車両
と家庭用インバーターを仮想発電所プログラムに接続する必要があり、こ
のシステムはVPPや電力会社によって維持管理される必要があるが、それ
は思ったほど簡単なことではない (仮想発電所とは、分散された多数のEV
の蓄電池がネットワークで繋がり仮想的な発電所を構築するもの)。

さらに、すべての家庭用充電器を設定してインターネットに接続する必要
がある。これにより、VPPは、充電が十分にある車両がその時点でどれだ
け接続されているかを推測できる。たとえば、充電残量が5~10%しかない
車両からはエネルギーを取り出すことができない。そのような車両はまず
充電を行う必要があり、オーナーが引き続き使用できる状態を維持するこ
とが求められる。
さらに、VPP(仮想発電所)や電力網サービスが大きな成功を収めるには
市場規模の拡大が必要である。システムを導入する人が増え、接続される
車両の数が増加すれば、予測がより容易になり、安定性や効果が向上する
という理由だ。 CES 2025での新たな動向  CES 2025では、スマートエネ
ルギー管理システムが大きな注目を集めた。EcoFlowは「Oasis」というAI
駆動の家庭用エネルギー管理システムを発表した。同システムは既存の
EcoFlow製品や家庭全体のバックアップ電力ソリューションと連携する。
AI、予測分析、自動化を組み合わせて家庭の電力需要を管理し、家庭用の
太陽光発電システムとも連携できる。

将来のエネルギー需要や太陽光発電量、電気料金や天候パターンを考慮し
電力使用を調整できる。 Savantもまた、新しい「Smart Budget」電力パ
ネルを発表。同パネルは既存の電力配電盤に追加できる電力モジュールで
構成され、付属のソフトウェアは家庭のエネルギー使用量を調整し、需要
が容量を超えないようにする。優先順位をつけて電力を利用し、リアルタ
イムの消費量を監視し、必要に応じて負荷を減らし、使用量をバランスさ
せてくれる。  

Bluettiもスマートエネルギー管理システムと新製品を発表した。同社の
「EnergyPro 6K」は、小規模から中規模の住宅向けのバックアップ電源と
して設計され、既存の屋根設置型ソーラーシステムと統合できるほか、
AT1スマート配電ボックスと組み合わせることで双方向EV充電や発電機充
電もサポートする。  

最後に、Jackeryの「HomePower EnergySystem」は今年後半に発売予定。
このシステムはモジュール式で、7.7キロワット時から15.4キロワット時ま
で積み重ねて拡張可能。バッテリーユニット、ハイブリッドインバーター、
負荷を管理するハブで構成され、EV充電器やバックアップ発電機、既存の
家庭用ソーラーシステムに簡単に統合できるよう設計されている。

EVの双方向充電は家庭用バッテリーを代替するか
「私は家庭用バッテリーを持ったことがない」と、フォードでエネルギー
サービスとV2G事業を担当者は「私が持っているのは『F-150ライトニング』
(フォード初のEVピックアップトラック)だけ。2024年の夏、ミシガン
で非常に激しい嵐があり、私の地域では木々や電線が倒れ、3日間も停電
した。でも、対応できた。その間ずっとトラックの電力で生活し、電力が
復旧したときには約100マイル分の充電が残った。」  
平均的なEV所有者は、車をバッテリー代わりに使用した場合のエネルギー
消費をほとんど感じないだろう。「車両が接続されているとき、車両から
15~30マイル分(25km〜50km)の電力を取っても、ドライバーにとっ
てほとんど支障がない」と説明する。「車両によるが、1時間以内で減っ
た分の電力を充電で取り戻せる」  
しかし、取材に応じた専門家の全員が、EVの双方向充電が完全に家庭用バ
ッテリーを置き換えるとは考えていず、「もしあなたが人里離れた場所に
住んでいて、長期間のエネルギーバックアップが必要であれば、家庭用バ
ッテリーシステムを購入する方が経済的だ」とSwtch社の担当者はこう指摘。
「家庭用バッテリーはより多くのエネルギーを蓄えられる可能性が高く、
長期間の停電中でも移動の必要がある場合に問題が生じにくいためだ」「
私たちは、どちらか一方の選択肢とは見ていない」と電力業界に独立かつ
客観的な専門知識を提供する研究所のシニアプロジェクトマネージャーで
あるベン・クラリン氏。 「どちらも停電時に人々を支援できる」と彼は、
双方向充電が家庭用バッテリーシステムと共存する余地があると考えてお
り、テスラのパワーウォールのようなシステムが双方向充電によって完全
に置き換えられる可能性は低いという。また、EVの双方向充電が家庭用バ
ッテリーの導入が実現困難なケース、例えば多世帯住宅のような場所で有
効に機能する可能性がある。多世帯住宅では、スペースやコストの問題から
個別のバッテリーバックアップを導入することが難しい

◾ 双方向充電の現状
双方向充電はその名の通り、車両に蓄えられた直流(DC)エネルギーを交
流(AC)電気に変換し、それを自宅や電力網に供給するプロセスだ。これ
は、従来の一方向型のEV充電プロセスとは逆の仕組みも備える。通常のプ
ロセスでは、壁のコンセントからEV充電器を通じて交流電力を車のバッテ
リーに供給し、それを直流エネルギーに変換して蓄えるという流れにある。  
技術的な実装は比較的シンプルだが、双方向充電の本当の可能性は、様々
な活用方法にある。例えば、「V2H(Vehicle-to-Home)」充電では、停
電時に車をバックアップ発電機として利用できる。 「基本的なユースケー
スは2つある」とGMエナジー(GMのエネルギー貯蔵やEV充電ソリューシ
ョンを提供する部門)の収益責任者。「一つは純粋にレジリエンシー(回
復力)を重視したもので、停電時に車を使って自宅に電力を供給するとい
うもの。このシナリオでは、車を単なる移動手段以上のもの、つまり二重
の資産として活用できる。車をエネルギー資産として利用し、固定型の蓄
電設備と組み合わせることで非常に価値のある用途が生まれる」 平均的な
EVはフル充電で60kWhの電力を蓄えることができ、これは家庭の約2日
間分に相当。使用状況によってはさらに長持ちし、家庭の電力バックアッ
プとして実用的。  

「一般的な市販の固定蓄電システムでは、7~13kWh程度の電力を蓄えら
れる」とフォードの責任者はいう。「それは素晴らしいが、車両で言えば
わずか15~30マイル分の走行距離に相当。一方でEVでは300マイル以上の
走行が可能です」。これにより、緊急時にEVを電力供給源として使用して
も、車両の走行距離に大きな影響を与えることはなく、実用的なバックア
ップ手段となる。  
「V2L(Vehicle-to-Load)」のような選択肢もあり、これは車両の電力を
使ってキャンプ用品、電動工具、家電製品などのデバイスを動かすための
アダプターを利用する。「基本的なV2Lであれば、ほとんど導入の障壁は
ない」とマーティン氏は言う。「車に延長コードを差し込むためのコンセ
ントがあれば、デバイスに電力を供給できる」 これにより、V2Lは一般消
費者が最初に体験する双方向充電のユースケースとなるだろう。また、「
V2V(Vehicle-to-Vehicle)」という選択肢もあり、これは電力を使い切っ
たEVに電力を供給する仕組み。これは車のバッテリーで別の車をジャンプ
スタートする方法に似ているが、適切な例えとしては、自分の車の燃料を
他の車に移すようなイメージ。

◾双方向充電の普及における課題  
「双方向充電やその他の車両とさまざまなものを繋ぐ技術(V2X)の最大
の障壁は、車両自体の対応能力だ」とSwtchのマーティン氏は述べている。
「現場にはV2Xをサポートする充電器が存在するものの、対応する車両の
数が限られているため、現在では充電器の技術があまり効果を発揮してい
ない」

◾車両と充電器の性能  
しかし、これも今後数年で変わる見込みだ。GMだけでも、新たに発売さ
れたChevroletのEV、Equinox、Blazer、Silveradoをはじめ、Cadillac Lyriq
やGMC Sierraを挙げている。これらの車両はすべて双方向充電に対応して
おり、GMの車両用ホームシステムと連携して動作する。現在の最も代表
的な例は、Ford F150 ライトニングとその専用充電器「Ford Connected
Charge Station Pro」だ。この双方向充電器は1310ドル(約20万円)で
販売されているが、一部の電動トラックモデルには無料で付属している。  
他の自動車メーカーも追随し、双方向充電に対応した車両を増やすと予想
される。ボルボは、Volvo EX90が双方向充電に対応すると発表しており、
ヨーロッパでは交流(AC)対応の双方向充電器の開発を進めている。また、
スウェーデンの自動車メーカーは、家庭用エネルギー会社「dcbel」と提携
し、米国市場に直流(DC)対応の双方向家庭用エネルギーステーションを
導入する計画も進めている。 設置費用とアップデート  双方向充電は基本
的なEV充電よりも設置費用がかかる。「車を自宅の予備電源として利用
したり、V2G(Vehicle-to-Grid)プログラムで電力網に接続するには、費
用が最大の障壁になる」とマーティン氏は指摘する。「互換性のある充電
器と切断スイッチを購入する必要があり、それだけで数千ドル(数十万円)
がかかる。さらに、その設置スペースも確保しなければならない」  特に
集合住宅では、空きスペースや費用が双方向充電の導入を難しくする場合
があるが、一戸建て住宅でも予想外の費用が発生することがある。古い配
線や分電盤を使用している家庭では、200アンペアの電気サービスに対応
していない場合があり、双方向充電の利点を最大限に活用するには分電盤
などのアップグレードが必要になることがある。このアップグレード自体
も追加費用となる。  フォードのオゴーマン氏は、自社のCharge Station
Proのような特定の双方向充電器は、設置場所への負荷に合わせて給電能力
を調整できることを指摘している。そのため、フルの給電能力を活用しな
いことに問題がなければ、分電盤のアップグレードが必須というわけでは
ない。 規制の状況  双方向充電の重要な要素の一つは、規制だ。電力を送
電網に売買するプロセスは通常、各州や電力会社に委ねられている。一部
の州では、太陽光パネルで生産した余剰電力を買い取り、その分を電気料
金から割り引く「ネットメータリング」を導入している。  
「業界では通常『相互接続契約』と呼ばれます」と語るのは、国立再生可
能エネルギー研究所で電気自動車充電と電力網統合の主任エンジニアを務
めるアンドリュー・メイツ氏。「家庭に設置される電力網に電力を供給す
る装置はすべて登録されている必要があり、その装置が発電装置であるこ
とを電力会社に申告しなければならない」 また、「夜間の電力料金が安い
時間帯に車やバッテリーに電力を蓄え、電力需要が高まり料金が上がる昼
間にその電力を電力網に戻すことで、家庭が利益を得る」という行為への
金銭の支払いは、米国では州によって大きく異なる。また、国際的には、
欧州連合が電力の購入と売電に対する送電網料金や税金の変更を求めてお
り、これが一般消費者の参加を難しくしている。  

これらの課題は、仮想発電所が直面する問題と非常に似ている。RMI(旧
ロッキーマウンテン研究所)の電力部門でマネージングディレクターを務め
るマーク・ダイソン氏は、「米国における仮想発電所の規制環境は、50州
それぞれが異なるだけでなく、各州内の電力会社ごとにも異なる仕組みに
なっている。この複雑さが市場の成長を妨げる大きな要因の一つだ」と指
摘。 最大の課題は、顧客が電力を電力網に戻すことに魅力を感じられる仕
組みを作ること。彼は続けて「電力会社や規制当局が適切な料金設計やイ
ンセンティブプログラムを提供し、電力網の計画や運用方法を見直さない
限り、顧客にとってそのメリットは十分に享受できない。これらの取り組
みを進めることで、初めて仮想発電所の持つ潜在力をユーティリティ規模
で最大限に活用できるようになれる」

◾双方向充電はEVバッテリーを劣化させるか?  
平均的なEVユーザーは、双方向充電による車のバッテリーの摩耗をあまり
心配する必要はなさそうだ。 「私たちのデータでは、これが一般消費者に
とって問題になることはないはずだ」とペトロフスキーは言う。「双方向
充電が適切に制御され、限定的に行われる限り、バッテリー寿命に大きな
影響を与えることはない」、ボルボはバッテリーを過度に使用する顧客に
対し、双方向機能を制限する予定だという。これは、顧客ごとの条件や運
転・充電の行動に基づいて判断される。「バッテリーを最も劣化させるの
は、理想的な条件から外れてストレスを与えることだ」と彼は言う。「頻
繁に急速充電を行い、満充電に近い状態を維持することや、非常に暑い
または寒い環境で充電することが、目に見える劣化を引き起こす主な要因
だ」 そうは言っても、技術的には、家庭用バッテリーバックアップとして
使用してもEVに問題は生じないとマーティンは言う。「現在のEVのバッテ
リーは、電力を送電網に戻したり、数日間家庭に電力を供給したりするよ
うな追加の負荷にも十分対応できる。年間数回そのような使い方をしても、
大半の車両オーナーに問題は生じないだろう」 さらに朗報として、話を聞
いたすべてのメーカーが、双方向充電が自社EVの標準機能であると確認し
ている。この機能を使用することで保証が無効になったり変更されたりす
ることはないという。これは顧客からよく寄せられる懸念点だ。



     心に残る歌 『アジアの純真 PAHHY』
                作詞:井上陽水・作曲:奥田民生
                1996年5月13年 J-POP
              



今日の言葉:全固体型有機樹脂電池は充電時間の短縮、セルの安全性
        を完備させれば世界トップとなると了解。電気自動車も
        同様に電気自動車時代到来すると了解する。思えば64年
        前、家の納屋で、当時、曽根崎小学生の生島君と電池を
        回し発電の実験を行った記憶がある(北海道大までの情
        報は残っているが現代不通)。思えば、
電気自動車時代
        が来ようとは不思議な気持ちだ(ブログ掲載は2度目)。


                春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                 春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より



                              





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エネルギーと環境 110

2025年01月18日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ。

【季語と短歌:1月18
日】     

      インバウンド世界に捧ぐ茶の花を 
                   高山 宇 (赤鬼)

✳️  核種各種基材表面の高機能化と液滴塗工の現状
特殊な高分子薄膜(ポリマーブラシ)を常温・大気中・大面積で形成できる
技術を開発(産総研 2018.3.19)

高分子を基材表面から直接、伸長させたポリマーブラシは、高分子が直接
基材と強固に結合し、高分子がブラシのように伸びた特殊な構造のため、
従来のポリマーコーティングにはない優れた耐久性や安定性、特異な表面
機能を持ち、次世代型高分子被覆材料として期待されている。ポリマーブ
ラシの作製には、高分子形成の起点となる重合開始層が必要なため、その
重合開始層を容易に大面積で形成できる手法が求められていた。

今回開発した技術では、重合開始基を持つ有機シラン(トリアルコキシシ
ラン)と、テトラアルコキシシランを混合した塗液を各種基材に、特殊な
前処理をせずに塗布、乾燥するだけで重合開始層を形成できる。常温・大
気中で形成できるため、
スプレー法やグラビア印刷といった汎用の塗工手
法が使え、容易に大面積化できる。また、シリコン基板のほか、耐熱性の
ないプラスチック基板にも使用できる。さらに、産総研独自のポリマーブ
ラシ簡易合成法(
ハケ塗り法(Paint-on法))と組み合わせると、従来は
困難であったA4以上の実用基板サイズのポリマーブラシが常温・大気中で
作製できる。今回開発した技術は、各種基材表面の高機能化やメッキ用下
地層作製などへの応用が期待されていた。

今回開発した重合開始層の形成方法と得られるポリマーブラシの概要図
図1. 重合開始層の形成方法と得られるポリマーブラシの概要

図1(b)重合開始層を形成した各種基板、(c)roll-to-roll方式塗工により重合
開始層を形成したPETフィルムのロール(40 cm x 100 m)

図2 (a)今回使用したモノマーの構造式と今回開発したポリマーブラシ作製
技術の概要、
(b) Paint-on法によるDMAEMAポリマーブラシ作製前後のPET
フィルム外観、透明性および水滴接触角

DMAEMAポリマーブラシ表面に金属触媒を吸着させた後、還元剤として
ホルムアルデヒドを用い、無電解銅メッキを行った。図3に無電解メッキ
後のA4サイズのPETフィルムの構造、外観、曲げた様子、光学顕微鏡像と
電子顕微鏡像を示す。銅メッキ層が、ポリマーブラシを作製した基材表面
全体に形成されており、また、ポリマーブラシ表面と銅メッキ層は強固に
密着し、曲げ試験後でもメッキ層は剥離しなかった。密着性、均一性の向
上が必要ではあるが、ポリマーブラシの応用のひとつとして期待できる。


図3 PETフィルム上のポリマーブラシへの無電解銅メッキ
メッキ後のPETフィルムの(a)構造、(b)外観、(c)曲げた様子、(d)表面の光
学顕微鏡像と電子顕微鏡像

✳️その後、状況は変わったのか
衝撃後の液滴と基質の相互作用の物理学は、医薬品、ウイルスを含んだ飛
沫のコミュニティへの蔓延によるCOVID-19パンデミックとの闘い、エネ
ルギー性能、ナノプリンティング、バイオプリンティング、3Dプリンティ
ング、組織工学、スマートバイオマテリアルと機能器官の生成、高度なフ
レキシブルエレクトロニクス、ヘルスケアと医療における高解像度積層造
形など、現在の社会における多くのアプリケーションで重要性を示す。 し
たがい、液滴、基質、および環境条件にとって非常に複雑になる可能性の
あるこのような現象の物理学に焦点が当てられる必然が焦点となる。

ここでは、硬質で滑らかな乾燥表面から柔軟な表面まで、また親水性状態
から超疎水性状態まで、さまざまな基質の液滴-固体表面相互作用に関する
先行研究に焦点を絞ることによる現在の進歩は、バイオプリンティング、
スマートバイオマテリアル、プリンテッドエレクトロニクス、およびCOV
ID-19パンデミックとの闘いについて議論されてきた。さらに、衝撃時の
液滴と固体の表面の相互作用をより深く物理的理解の機械学習応用も議論
されている。最後に、液滴、基板、環境条件の複雑さ、ナノサイエンス、
機械学習、量子計算、電子顕微鏡などのイメージング技術等の最新の技術
の進歩を考慮し、これらの物理現象における研究の方向性を提供する。
【序論】
VII. 現在の進歩:
A. コーティング・印刷
従来のインクジェット印刷は、このような工業目的に不可欠な生物学的溶
液、生体高分子サンプル、マイクロスケール粒子、ナノスケール粒子から
なる液滴インクの印刷には適していなかった。
最近の研究では、課題克服のシンプルな革新的な印刷方法を実証されてお
り、それは「ドロップオンデマンド印刷技術」と呼ばれ、超疎水性ふるい
に液滴衝撃を当て、マイクロスケール液滴を「空洞形成と液滴放出」の2
つの方法で生成。超疎水性ふるいへの液の衝撃は、動圧間をもち)⁠、液滴衝
撃速、密度 (ρ)⁠、ブレークスルー圧力 (4σL−1)⁠、超疎水性メッシュ細孔に
よる、Lは超疎水性ふるい細孔サイズ。
そのため、レイリー不安定性のマイ
クロスケールの液滴放出の配列が生成される。この研究に適用された実験
セットアップの概略図9に示す。この技術は、フレキシブル電子テープ印刷
や、銀インク水性サンプルのポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリス
チレンスルホン酸(PEDOT:PSS)ポリマーの導電性アレイを使用した大面積
液滴アレイ印刷などの高度な電子アプリケーションの印刷に利用された(下
図1)。


液滴の衝撃、拡散、飛散は、バイオプリンティング技術において顕著な役
割を果たしています。3次元(3D)バイオプリンティングは、DNA、細胞、
細菌、タンパク質などのマイクロスケールの生物学的液滴の印刷を含む、
バイオ関連アプリケーションの広い範囲をカバーする、生物医学の最先端
技術です。3Dバイオプリンティングは、遺伝子発現の解析、生体細胞の先
端研究のための単一細胞のプリンティング、およびバイオポリマープリン
ティングにおいて重要な役割を果たします。さらに、3Dバイオプリンティ
ングは、生きた生体細胞の印刷、バイオセンサー製造、幹細胞アセンブリ、
人工臓器製造、3D機能臓器作製、組織工学、およびスマート3D機能生体
材料に適用されている。

B. 超疎水性表面への液滴の影響
液滴が超疎水性表面に衝突した後、表面の化学的疎水性と表面上のマイク
ロスケール/ナノスケールのパターン構造により、超疎水性パターン内に空
気が閉じ込められる。このイベントは、超疎水性表面に大きな平衡前進接
触角と低い接触角ヒステリシスを引き起こす。この物理現象は、飛行機の
翼の防氷、風力タービンブレードの防氷、基板の広範な抗力低減など、多
くの技術的応用に利益をもたらす。液滴衝突後の軟質超疎水性表面の動的
弾性応答を高速イメージング技術により検討し、軟質超疎水性表面のダイ
ナミクスに対する液滴反力の役割を解明した。
【参考文献】
Physics of droplet impact on various substrates and its current advancements
in interfacial science: A review、J. Appl. Phys. 133, 030701 (2023)

C. 応用事例
Ⅰ.実機を模擬した塗工型全固体電池の試作
実機を模擬した塗工型全固体電池の試作体電池が必要となるが、
大型全固
体電池の作製プロセスは未だ確立されていないが、
一つの手法として、液
系リチウムイオン電池同様に電極合材をスラ
リー化し湿式塗工する方法が
挙げられる。ただ、硫化物系固体
電解質は大気中の水分と反応し容易に変
質するため、プロセス中
の水分混入を抑えなければならない。すなわち、
塗工機やロールプ
レス機といった大型試作設備全般での露点制御がきわめ
て重要となる
コベルコ科研社が有する塗工型全固体電池試作プロセスお
よび環境を第
1図に示す。露点 -50℃以下に制御したスーパードライルー
ム内
に、露点-80℃以下のAr雰囲気のグローブボックスを設置し、水分を
除去した環境を整えている。この環境により、合材スラリーを
混練し集電
箔に塗工するプロセスにて大面積の全固体電極シー
トを作製可能としてい
る。作製された電極シートは低露点環境を
維持したまま、ロールプレスに
よる密度調整や積層・パッキングを
おこなえる。活物質/固体電解質の接
合界面形成においては、等
方圧プレス機(Cold Isostatic Pressing; CIP, Warm
Isostatic
Pressing; WIP)を使用し、高圧、加熱下での処理を施すことで、
接合界面形成の制御も可能である。

図1.上記設備による試作事例として、塗工型ラミネートセルの外観
ここでは正極活物質にLiNbO3コートLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2、負極活物質
にグラファイト、固体電解質にLi6PS5Cl、導電助剤にアセチレンブラック
をもちいた。0.1C、25℃の充放電において1mAh程度の放電容量を実現で
きていることがわかる。これらの技術をベースに数cm角の塗工型ラミネー
トセルを作製し、サイクル試験や内部抵抗解析などに供することで、電極
構造の最適化や劣化メカニズムの解明などをおこなうことが可能である。



これらの評価結果から推定された正極合材層の電子伝導とRionの関係を第
10図に示す。活物質に対する電子パス形成が良好で導電助剤-活物質コネク
ションによる電子供給が支配的な電極では、電極表面近傍の活物質まで電
子を供給することができ、電極全体の活物質が反応に寄与することで実効
的なRionが小さな値を示していると推定される。一方で、活物質に対する
電子パス形成が悪く、活物質-活物質コネクションによる電子供給が支配的
な電極では、電極表面近傍の活物質まで電子を供給することが困難となり、
反応に寄与できる活物質が減少することで実効的なRionが大きな値を示し
たと推定される。これらの手法をもちい全固体電池電極中の電子伝導、リ
チウムイオン伝導を解析・定量化し電極特性との相関を評価することで、
内部抵抗が低減された最適な電極構造を検討することが可能となる。

✳️
特許事例:特開2019-164980A 複合体電極及び全固体
リチウム電池 

【要約】リチウムイオン伝導パスの形成に寄与していない固体電解質を削
減することで、電極に含まれる多くの電極活物質を充放電に寄与させ、従
来に比べてより理論容量に近い容量を持つ電極を提供する。【解決手段】
下図1のごとく電極活物質と固体電解質を含む、焼結体である複合体電極
であって、前記複合体電極が、酸化物系電極活物質を含むシート状の電極
活物質層と、酸化物系固体電解質を含むシート状の固体電解質層が交互に
並ぶ交互配列体であり、前記電極活物質層の幅が、10nm以上20μm
以下であり、前記固体電解質層の幅が、10nm以上20μm以下であり、
前記固体電解質層が前記複合体電極を貫通することを特徴とする複合体電
極を提供する。

図1. 本発明の複合体電極10の模式図

【特許請求範囲】
1、電極活物質と固体電解質を含む、焼結体である複合体電極であって、
前記複合体電極が、酸化物系電極活物質を含むシート状の電極活物質層と、
酸化物系固体電解質を含むシート状の固体電解質層が交互に並ぶ交互配列
体であり、前記電極活物質層の幅が、10nm以上20μm以下であり、
前記固体電解質層の幅が、10nm以上20μm以下であり、前記固体電
解質層が前記複合体電極を貫通することを特徴とする複合体電極。
2、前記電極活物質層の幅が、10nm以上10μm以下であり、前記固
電解質層の幅が、10nm以上10μm以下であることを特徴とする請
求項
1に記載の複合体電極。
3、前記複合体電極の厚さが、10μm以上3mm以下であることを特徴
とする請求項1又は2に記載の複合体電極。
4、前記電極活物質が、スピネル型又はラムズデライト型のチタン酸リチ

ウム、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化モリブデン、層
状岩塩型のコバルト酸リチウム、層状岩塩型のニッケル酸リチウム、層状
岩塩型の三元系Li(NiCoMn)O(x+y+z=1)、層
状岩塩型の三元系Li(NiCoAl)O(x+y+z=1)、
スピネル型のマンガン酸リチウム、スピネル型のマンガン酸リチウムニッ
ケル(LiMn1.5Ni0.5)、LiMPO(M=Fe、Mn、
Co、Ni)で表されるオリビン型リン酸遷移金属リチウム、及びNAS
ICON構造のLi(POからなる群から選ばれる少なくと
も1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合
体電極。
5,
前記固体電解質が、ペロブスカイト型のチタン酸リチウムランタン、
ペロブスカイト型のニオブ酸リチウムランタン(Li
La(1−x)/3
NbO)(0≦x≦1)、ガーネット型のLiLaZr12
ガーネット型のLi
LaNb12、ガーネット型のLiLa
Ta12、ガーネット型のLiLaBaTa12、リン酸リ
チウム(Li
PO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、NASI
CON構造のLAGP(Li
1+xAlGe2−x(PO(0≦
x≦1))、NASICON構造のLATP(Li
1+xAlTi2−x
(PO(0≦x≦1))、及びNASICON構造のLZP(Li
1+4xZr2―x(PO(0≦x≦0.4))からなる群から選
ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
項に記載の複合体電極。
6、前記電極活物質がスピネル型又はラムズデライト型のチタン酸リチウ

ムであり、前記固体電解質がペロブスカイト型のチタン酸リチウムランタ
ンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合体電
極。
7、前記複合体電極が、アルキメデス法で算出する空隙率が40%以下の
焼結体であり、
正極である前記複合体電極と、セパレータ層としてのドラ
イポリマー電解質と、負極としての金属リチウムを積層した全固体型のセ
ルにおいて、温度60℃、0.002mA/cm
のレートで充放電試験
をした際の前記複合体電極の初期充電容量及び/又は初期放電容量が10
mAh/g以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記
載の複合体電極。
8、前記複合体電極が、さらに、前記固体電解質層と平行な金属層を有し、
前記金属層が、金、銀、銅、ニッケル、及びアルミニウムからなる群から
選ばれる少なくとも一種の金属を含むことを特徴とする請求項1〜7のい
ずれか1項に記載の複合体電極。
9、前記固体電解質層が、導電助剤を含むことを特徴とする請求項1〜8
のいずれか1項に記載の複合体電極。
10,電極活物質又はその前駆体と、固体電解質又はその前駆体を含み、

焼結により請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合体電極を与える複合
体電極の前駆体であって、前記複合体電極の前駆体中に、前記複合体電極
の前駆体を貫通する固体電解質又はその前駆体の層を有し、前記複合体電
極の前駆体が、酸化物系電極活物質又はその前駆体を含むシート状の電極
活物質又はその前駆体の層と、酸化物系固体電解質又はその前駆体を含む
シート状の固体電解質層はその前駆体の層が交互に並ぶ交互配列体であり、
前記電極活物質又はその前駆体の比表面積が、0.5m/g以上であり、
前記固体電解質又はその前駆体の比表面積が、0.5m/g以上である
ことを特徴とする複合体電極の前駆体。
11、さらに、前記複合体電極の前駆体が、焼結中に熱分解する有機系バ

インダーを含むことを特徴とする請求項10に記載の複合体電極の前駆体。
12、請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合体電極を製造する方法で

あって、電極活物質又はその前駆体を含む層と、固体電解質又はその前駆
体を含む層とが交互に積層した積層体を得る積層工程と、記積層体を焼結
し、電極活物質層と固体電解質層が交互に積層した積層焼結体を得る焼結
工程と、を有することを特徴とする複合体電極の製造方法。
13,前記積層工程が、チタン酸リチウム又はその前駆体を含む層と、チ

タン酸リチウムランタン又はその前駆体を含む層とが交互に積層した積層
体を得る工程であり、前記焼結工程が、1000℃超で焼結した後、40
0℃以上1000℃以下で焼結する工程であり、前記複合体電極が、スピ
ネル型チタン酸リチウムを含む電極活物質層と、ペロブスカイト型チタン
酸リチウムランタンを含む固体電解質層が交互に並ぶ交互配列体であるこ
とを特徴とする請求項12に記載の複合体電極の製造方法。

14、リチウムイオンを吸蔵放出する負極層と、リチウムイオンを伝導す
るセパレータ層と、
リチウムイオンを吸蔵放出する正極層とをこの順に積
層しており、
前記負極層又は前記正極層として請求項1~9のいずれか1
項に記載の複合体電極を使
用することを特徴とするリチウムイオン電池
15、
リチウムイオンを吸蔵放出する負極層と、リチウムイオンを伝導す
るセパレータ層と、リチウムイオンを吸蔵放出する正極層とをこの順に積
層しており、
前記負極層又は前記正極層として請求項1〜9のいずれか1
項に記載の複合体電極を使用することを特徴とするリチウムイオン電池。
16、前記複合体電極中の前記固体電解質層の厚みが前記セパレータ帯の
幅よりも小さいことを特徴とする請求項15に記載のリチウムイオン電池。
17、前記負極帯の幅が、20μm以上500μm以下であり、前記セパレ
ータ帯の幅が、100μm以下であり、前記正極帯の幅が、20μm以上
500μm以下であることを特徴とする請求項15又は16に記載のリチ
ウムイオン電池。
18、前記リチウムイオン電池が、さらに、第1の集電体及び/又は第2
の集電体を有し、前記第1の集電体と、前記負極帯と、前記セパレータ帯
とがこの順に隣接しており、及び/又は、前記セパレータ帯と、前記正極
帯と、前記第2の集電体とがこの順に隣接しており、前記複合体電極中の
前記固体電解質層が、前記第1及び/又は第2の集電体と前記セパレータ
帯との間を結ぶように、前記複合体電極を貫通していることを特徴とする
請求項15~17のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池。
【請求項19】請求項15~17のいずれか1項に記載のリチウムイオン
電池を複数有する組電池であって、前記組電池が、一対の集電体と、複数
の前記リチウムイオン電池と、1つ又は複数の電極体と、を備え、複数の
前記リチウムイオン電池が、前記一対の集電体の間に一列に配置され、一
端の前記リチウムイオン電池の前記負極帯又は前記正極帯と前記一対の集
電体の一方とが隣接し、他端の前記リチウムイオン電池の前記負極帯又は
前記正極帯と前記一対の集電体の他方とが隣接し、隣り合う2個の前記リ
チウムイオン電池が、1つの前記電極体を介して、隣接し、当該1つの前
記電極体を挟んで、一方の前記リチウムイオン電池の前記負極帯が、前記
電極体に隣接し、他方の前記リチウムイオン電池の前記正極帯が、前記電
極体に隣接し、複数の前記リチウムイオン電池を直列に接続したことを特
徴とする組電池。
20、請求項15~17のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池を複
数有する組電池であって、前記組電池が、複数の集電体と、複数の前記リ
チウムイオン電池と、を備え、複数の前記リチウムイオン電池が、一列に
配置され、一端の前記リチウムイオン電池の前記負極帯又は前記正極帯と
1つの前記集電体とが隣接し、他端の前記リチウムイオン電池の前記負極
帯又は前記正極帯と他の1つの前記集電体とが隣接し、隣り合う2個の前
記リチウムイオン電池が、さらに他の1つの前記集電体を介して、隣接し、
当該さらに他の1つの前記集電体を挟んで、一方の前記リチウムイオン電
池及び他方の前記リチウムイオン電池の前記負極帯が、前記集電体に隣接
し、又は、一方の前記リチウムイオン電池及び他方の前記リチウムイオン
電池の前記正極帯が、前記集電体に隣接し、前記負極帯に隣接する前記集
電体どうしが電気的に接続し、前記正極帯に隣接する前記集電体どうしが
電気的に接続し、複数の前記リチウムイオン電池を並列に接続したことを
特徴とする組電池。

              ー 中 略 ー


                                                                               


✳️ 次世代電池 全固体フッ化物イオン電池の開発大きく加速
カーボンニュートラルの実現に向け、リチウムイオン電池に代わる次世代
の蓄電池として期待される「全固体フッ化物イオン電池」。追手門学院大
学高見剛教授の研究チームは、九州大学の多田朋史教授と共同で、簡便な
化学フッ化を用いてデータベースに存在しない新たな物質の合成に成功し、
室温付近でフッ化物イオンが超イオン伝導することを実証。全固体フッ化
物イオン電池の開発においては、これまで室温状態で動作する超イオン伝
導体の発見が課題となっていたが、今後、フッ化物イオン(F-)を拡散させ
る固体電解質の開発に向けた合成戦略の広がりが期待される。本研究成果
は、2025年1月14日(英国時間)に英国王立化学会の学術誌「Journal of
Materials Chemistry A」に掲載された。

【概要】フッ素はリチウムの50倍豊富に存在し、資源制約が少なく安価。
加えて、全固体電池であるため、安全性も担保できるが、現状課題として、
動作温度が室温をはるかに超える140C以上に限定されている。この最大
の要因は、固体電解質のフッ化物イオン伝導率が低いことにある。  
そして、固体電解質においてのイオン伝導率向上には、イオンが通れるよ
うな“隙間(空孔)”を作り出すことが必要で、安定した構造の中で、どの
ようにその空孔を作り出すかが素材探索や化合物合成の鍵となっている。
通常、フッ化物イオン伝導体は、高温(900~1000C程度)での固相反応法
により、熱力学的安定相として得られる(例えば、1000Cで合成される
既存の固体電解質La1-xBaxF3-xでは、3価のLaを2価のBaで置換することで
意図的に、x分のF空孔(F3-x中のxに相当)を作り出す)。F空孔はFの拡散
先となるが、この方法では導入できるF空孔量に限度があり、イオン伝導
率は低いため、F空孔の導入についての抜本的見直しが必要。
【成果】固有のF空孔を含む立方体構造を持つ新しいTlF相は、従来の固体
反応ではなく、ワンステップの化学フッ素化によって合成されます。結晶
構造は、Cu超イオン伝導体α-CuBrの電子的に反転した反α-CuBr構造であ
り、FがCuサイトを占め、TlがBrサイトを占めています。ザ・F+室温での
導電率は、従来の斜方晶相と比較して4桁以上増加し、F超イオン伝導率(
≥1 mS cm−1)は、約60°Cで観察されます。 ニューラルネットワークポテン
シャル分子動力学法は、F内因性F空孔による拡散。計算されたF導電率(
6.8 mS cm−1400 K)と活性化エネルギー(0.4 eV)は、実験値(4.3 mS cm)に
匹敵します−1398 K、0.3 eV)。優れたFに対して内在F空室を利用する新し
い設計ガイドラインを提案する従来の材料設計の代わりに、アリオレント
ドーピングによる外因性F空孔の導入に基づく導体。
図の要約:内因性F空孔を含む新しい抗α-CuBr構造によるTlFにおけるフッ化物超イオン伝導
【展望】研究グループは今回、ファンデルワールス化合物の「TlF(フッ化
タリウム)」に着目、化学フッ化を行うことでフッ化物イオン伝導の発現
を試みた。実験では、フッ化キセノン(XeF2)を用い200℃の低温で化学
フッ化を行った。そうすると複雑な構造体(orthorhombic相)ではなく、
目新しい構造体(cubic相)に構造相転移した。このcubic相は、Cuサイト
がF、BrサイトがTlで構成されており、銅超イオン伝導体「α-CuBr」の逆
構造であることが分かった。中性子回折により、Fの位置や量を精密に評
価した。この結果、x=1の組成では、Fサイトに対するFの占有率が17%、
F空孔が83%であった。また、少なくとも150℃付近まで化学的に安定して
おり、粒内ではTlとFがほぼ均一に分布していることを確認した。 温度上
昇に伴ってイオン伝導率は増加し、60℃で超イオン伝導域(>1mS cm-1)
に達した。これらのデータによれば活性化エネルギーは0.3eVと小さく、
イオン伝導率は従来のorthorhombic相に比べ、はるかに大きな値となっ
た。電子伝導率は全伝導率の0.01%未満と極めて小さかったニューラル
ネットワークポテンシャル動力学法を用いて理論計算を行った。その結果、
フッ化物イオン伝導率(6.8mS cm-1at 400K)と活性化エネルギー(0.4
eV)は、実験値(4.3mS cm-1at 398K, 0.3eV)とほぼ一致した。これら
の結果に基づき研究グループは、優れたフッ化物イオン伝導体を実現する
には、Intrinsic(内在的な)F空孔を利用するのが有効であることを実証
た。
既存のTlF(奥)から構造相転移を介して得られた新物質TlF(手前)におけるフッ化物超イオン伝導のイメージ[クリックで拡大] 出所:大手門学院大学
既存のTlF(奥)から構造相転移を介して得られた新物質TlF(手前)にお
けるフッ化物超イオン伝導のイメージ 出所:大手門学院大学

     心に残る歌 『 世界に一つだけの花』
                作詞・作曲:槇原敬之



 今日の言葉:
               

                春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                 春だというのに自然は沈黙している。

                             レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                         (因果報応の季節風)より

                                                                                      
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