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極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 231

2025年04月30日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと兜(か
ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ- 

【季語と短歌:5月1日】 
                      

          春昼や囀りやみしハクセキレイ  

                   高山 宇





財務省亡国論
「政府には国債の支払い義務がない」というトンデモ論
 「国は借金を返さなくていい。したがってどれだけ国債を発行してもよ
い」と主張する人がいる。
 すでに触れたように、これは弁護する余地すらないトンデモ中のトン
デモ論である。
いったいこの世のどこに、「借金を返さなくていい」などという道理が存
在するというのだろう。
 まったくバカバカしいというしかないが、その中には「日銀が買い取
った国債に間しては、政府には支払い義務がない」というのもあるらし
い。日銀は政府の子会社だから、というわけか。これはちょっと説明が
いる。
 しかし、借りた相手が誰だろうと、すべての借金には返済義務がある。
最初に定めたとおりの利子も、支払わなくてはいけない。国債もまた、
民間金融機関が買った国債だろうと、日銀が買った国債だろうと、政府
に返済(償還)と利払いの義務があることに変わりない。民間金融機関
が、そっくりそのまま日銀に取って代わるだけだ。
 それなのに「政府に返済義務はない」というのは、一つには、おそら
く日銀の国庫納付金のことをいっているのだろう
 日銀は民間金融機関から国債を買い、その代金としてお金(日銀券)
を刷る。日銀の手に移った国債の利子は、政府から日銀に支払われる。
これが通貨発行益であり、丸々、国庫納付金として政府に納められる。
政府にとっては、ちょっとした税外収入になる、という話だった。
 つまり、政府が日銀に払った国債の利子は、最終的には国に戻ってく
る。しかし、これを「支払い義務がない」といってしまっては、話の本
質がまったく違うことになる。正確にいいなおせば、「政府から日銀へは
国債の利子が支払われるが、それは納付金として戻ってくるから、財政
上の負担にはならない」となる。
 日銀への国偵の利払いは、たしかに最後にはプラスマイナスゼロにな
る。だが、それは「支払い義務がないから」ではない。「払ったものが戻
ってくる」からなのだ。
 元本返済(償還)についても、もちろん政府に義務がある。
 ただ、政府は償還のために新たに国債を発行しているから、浅はかな
頭だと「返さなくていい」と見えるのかもしれない。しかしやはり、本
質的に間違っている。これも正確にいいなおせば、「政府には国偵の償還
義務があるが、そのために新規国偵を発行しているので、財政上の負担
にはならない」となる。借金の利払いも返済も、政府に「支払い義務が
ない」のではなく、「支払い義務はあるが、財政負担にはならない」。
 この違いがわからないようではいけない。

仕組みをしっかり理解すると
 では聞くが、もし本当に政府に支払い義務がなかったら、どうなるか
わかるだろうか。「借金はしますが、いっさいお返ししません。利子もお
支払いしません」といっている人に、誰がお金を貸すかと考えてみれば
わかる。8章「国債がホた増えた!」と騒ぐウラにある財務省の思惑とは.?、
 日本の国債を誰も買わなくなり、市場では日本国債が余りに余るだろ
う。すると需要と供給の関係で、日本国偵の値段は暴落するだろう。こ
うして誰からもお金を借りられなくなった日本は、たちまち偵務不履行
(デフオルト)になるだろう。
 逆にいえば、政府に支払い義務がないと宣言することが、債務不履行
という外形的な証となってしまう。
 「政府に支払い義務はない」という人は、それはどのトンデモ論を平気
でいっているということだ。政府に支払い義務はあるが、財政負担には
ならない。なぜそういえのか、仕組みからわかっていないと、たちまち
こういうトンデモ論にダマされることになる。

「赤字国債」の言葉のイメージにダマされるな
 「○年度の補正予算が成立、赤字国債△兆円追加発行」こんな報道を目
にしかこともあるだろう。
 おそらく気になるのは「赤字国債」という言葉ではないだろうか。た
しかに「赤字」という字面からして、縁起が悪い。国債は国債でも、「
赤字国債」とはなんなのか。結論からいえば、「お金に色はついていな
い」。つまり「赤字」とついていようといまいと、国債は国債である。
 これでは話が終わってしまうから、もう少し説明しておこう。
 そもそも財政法では、「公債または借入金以外の歳入をもって歳出の
財源とする」と定められている。借金をせずに、歳入(国の収入)だけ
で予算をまかないなさい、
という意味だ。ただ、さすがに歳入だけでは財政運営ができないから、
借入については「建設国債」の発行が認められてきた。読んで字のごと
く、インフラ整備や建設など建設に関する予算については借金をしても
いい、というわけだ。これを「建設国債の原則」という。
 一方で、これでも財政運営ができなくなったので、さらに各年度に特
例公債法を適用して、例外的に「特例国偵」の発行も認められるように
なった。それが、いわゆる「赤字国債」と呼ばれる国債である。
 「特例」というと、それだけでも「平時ではありえないもの」という印
象を持っても不思議ではない。そのうえ「赤字」とまでいい換えられた
ら、ますます「本当はいけないもの」という悪いイメージがついてしま
う。「また借金がかさんで、財政は苦しくなる一方だ」というわけだ。
 しかし、建設国債も特例国債(赤字国債)も、その年の予算のうち、
税収でまかないきれない分を補うために発行される、という点において、
何も違いはないと考えていい。‐’‐’
 政府は予算を出して、足りない額の国債を発行する。そこで、まず毎
年の国偵発行という意味だ。ただ、さすがに歳入だけでは財政運営がで
きないから、借入については「建設国債」の発行が認められてきた。読
んで字のごとく、インフラ整備や建設など建設に関する予算については
借金をしてもいい、というわけだ。これを「建設国債の原則」という。
 一方で、これでも財政運営ができなくなったので、さらに各年度に特
例公債法を適用して、例外的に「特別国債」の発行も認められるように
なった。それが、いわゆる「赤字国債」と呼ばれる国債である。
 「特例」というと、それだけでも「平時ではありえないもの」という印
象を持っても不思議ではない。そのうえ「赤字」とまでいい換えられた
ら、ますます「本当はいけないもの」という悪いイメージがついてしま
う。「また借金がかさんで、財政は苦しくなる一方だ」というわけだ。
 しかし、建設国債も特例国債(赤字国債)も、その年の予算のうち、
税収でまかないきれない分を補うために発行される、という点において、
何も違いはないと考えていい。
 政府は予算を出して、足りない額の国債を発行する。そこで、まず毎
年の国偵発行額が決まる。そのうち建設国債発行対象経費分を建設国債
と呼び、残りを赤字国債と呼んでいるだけの話である。

建設国債も赤字も『ただの国債』
 いってしまえば建設国偵も赤字国債も、「ただの国債」なのだ。国債を
発行して得た資金は、必要な用途に割かれるだけである。だから、もち
ろん、金融市場の現場では、建設国債と赤字国債は同じ国債として扱わ
れており、区別されていない。
 その証拠に、もし金融機関で国債を買ったら、自分が買った国債は建
設国偵なのか、赤字国債なのか聞いてみたらいい。どっちであるとは答
えられないはずだ。
 建設国偵と赤字国偵を区分しているのは、政府の予算の中だけである。
 それも、先進国で予算において国偵を建設国偵と赤字国債とに区別し
ているのは、基本的には日本だけだ。
 要するに、何のための借金なのか、何となく大義名分を立てておきた
い……その気持ちのウラには、「投資的な経費のための借金はいい」とい
う考えがあるのだろう。そうであれば、海外にも通用する考え方である
が、
日本ではこの区別は結局「借金は悪」というイメージを広めている
だけという感じがする。
 「赤字国債」という言葉が新聞の見出しで躍っていても、過度に騒ぐ必
要はない。建設国国債が少なすぎる結果でしかない場合もあるのだ

📌ここが私の仮構する意図(「The Lost 40 Years:失われし四十年」の
回避)が込めているが、「未来国債の値踏み・評価工程図」(プロセッサ)
構築承認が急がれるのだ。そして、消費税を巡る、「公約違反」(野田)・
「消費税率低減」をポピリズム呼ばわりする(枝野)の軽薄さに白ける。
(頑張れ!立憲民主党)(怒)このシリーズン次回で了とする。


レーザーは物を加熱するために最もよく使用されますが、小さな領域
を正確に照準を合わせると、特定の要素を冷却することもできる。
クレジット:Maxwell Labs

✳️  フォトニック冷却
Maxwell Labsは、サンディア国立研究所およびニューメキシコ大学と
共同で、プロセッサの性能を向上させながらデータセンターのエネルギ
ー使用量を削減することを目的とした、コンピューターチップ用の新し
いレーザーベースのフォトニック冷却システムを発表した。
今月、ミネアポリスを拠点とし、フォトニック技術を専門とするスター
トアップ企業であるMaxwell Labsは、サンディア国立研究所およびニュ
ーメキシコ大学との有望な新しいコラボレーションを発表。チームは、
熱関連の速度低下を防ぐことでプロセッサのパフォーマンスを向上させ
ると同時に、最終的には従来の空気および水システムを凌駕する可能性
のあるレーザーベースの冷却方法の開発に取り組んでいる。

 

この技術の中心にあるのは、フォトニック冷却。この新しいアプローチ
では、銅板を流れる水や循環する冷気に頼るのではなく、チップ表面の
微細なホットスポットに向けられた微調整したレーザー光を使用。特定
の周波数に設定し、十分に正確にターゲットを絞ると、これらのレーザ
ーは実際には材料加熱するのではなく冷却できる。この効果は、非常
に制御された条件下で半導体材料で発生し、以前は量子研究や反物質の
冷却にも使用されてきた。しかし、この最新の研究は、このような手法
が現代のコンピューティングハードウェアの熱管理の課題に向けられた
初めてのもの。

これを可能にするために、ガリウムヒ素を主成分とする新しいタイプの
「フォトニックコールドプレート」を開発してる。このコールドプレー
トは、厚さが1ミリメートル未満で、人間の髪の毛の幅の数千分の1の極
小設計。これらの複雑な構造は、レーザー光を非常に高い精度でチャネ
ル化し、チップ上の最も過熱しやすい特定のポイントを冷却。


フォトニックコールドプレートの試作機。
クレジット:Craig Fritz / Sandia National Laboratories

この方法は、既存の冷却システムに比べて大きな利点をもたらす可能性
がある。エネルギー消費を大幅に削減できるだけでなく、今日のチップ
設計を制限している多くの制約を克服することもできます。従来の冷却
システムでは、エンジニアが熱を均等に放散する必要性を回避する必要
があるため、パフォーマンスとレイアウトに妥協を余儀なくされること
あるが、フォトニック冷却により、光を使用して熱ホットスポットを
直接的かつ応答的に管理できる、まったく新しいレベルのコンピューテ
ィングパワーが解き放たれる可能性がある。

このイノベーションのタイミングは、非常に重要である。人工知能モデ
ルのサイズと複雑さが増し続け、クラウドサービスの需要が衰える兆候
を見せないため、データセンターはそれに対応するためにより効率的に
なる必要がある。冷却要件を下げることで、運用コストを削減できるだ
けでなく、多くの地域、特に干ばつが発生しやすい地域で懸念が高まっ
ている地域の電力や水供給への負担を軽減できる。さらに、最適な温度
に保たれたチップは、より速く、より確実に動作できるため、負荷の高
いワークロードでよく発生する、いわゆる「サーマルスロットリング
を回避できる。

Maxwell LabsのCEOであるJacob Balma氏は、このテクノロジーをパラ
ダイムシフトと表現し、コンピューターの設計と使用の方法そのものを
変える可能性を示唆。「局所的な加熱を標的にして制御する光のユニー
クな機能により、チップ設計にとって非常に基本的な熱設計の制約が解
除されるが、完全な影響を予測は困難です」と説明。「しかし、それは
コンピューターで解決できる問題の種類を根本的に変える。」

半導体製造の精度で有名なSandia Labsが製造を担当し、ニューメキシ
コ大学で実施されるパフォーマンス分析で、このプロジェクトは、イノ
ベーション、技術的専門知識、学術的洞察の手ごわいブレンドを結集し
ている。
この技術はまだ開発段階にあるが、初期のモデルでは、最終的
に従来の冷却方法と同等またはそれを超える可能性を示唆。完成すれば、
個々のデータセンターのニーズに応じて、空気および水ベースのシステ
ムを補完するか、完全に置き換えることができる。エネルギー回収(廃
エネルギーを回収して再利用する)の可能性は、さらに興味深い可能性
をさらに引き起こす。



今後数年間でコンピューティング能力が指数関数的に拡大し続ける中、
このようなブレークスルーは、より持続可能で効率的なデジタルの未来
への希望を提供します。フォトニック冷却は、データセンターをより環
境に優しいだけでなく、よりスマートにすることにも役立ち、今後数十
年でより速く、よりクリーンで、より高性能なテクノロジーの基盤を築
くことができる。
                           この項了


ト音記号 イラストや に対する画像結果
今日の言葉:油断⓶ 彦根城南小学校の公会堂(体育館)屋根の
         瑕疵確認しこれはひどいと車から見える範囲で判断。
         新市長も決まりどうするのか問う必要あり。

               春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                   レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                 

コメント
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エネルギーと環境 230

2025年04月29日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと兜(か
ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-  

                                                                                       
【季語と短歌:4月30日】 

            初園芸 切なく疼く水虫 若葉かな   
             
                      高山 宇

🪄向こう近所の花水木を眺め、放置法面の手入れ。突然の痒みが襲う。
    長靴?土弄り?季節初めでこんなことで!群気候変動症だよね。齢も
  あるね。(泣)

✳️ 持続的経済政策試論『未来国債⓻』

財務省亡国論

8章 「国債がまた増えた!」と騒ぐウラにある財務省の思惑とは?

「借金をなくせ」で国債がなくなったら、大変なことになる
 「国債は政府の借金であり、増えれば増えるほど国民の負担が増す」と
いう論調は、いまだ根強い。そこまで国債を悪者扱いしたいのなら、本
当に国債がなくなったらどうなるか考えてみればいい。はたして国の借
金がなくなり、国民はいっさいの負担をのがれ万々歳となるか。
 いや、そうはならない。
 この点をしっかり理解するには、「金融市場における国債」という国債
のもう一つの顔を理解しなくてはいけない。国債は政府の借金だが、同
時に金融市場にはなくてはならない「商品」でもあるのだ。金融市場で
は、国債以外にも株や社債といった金融商品が取引されているが、基本
「国債と何か」という取引だ。P.
273
    つまり、国債と株、国債と社債を交換するという取引が基本である。
 たとえばAさんが、白分かもっている○社の株を△社の社債と交換し
たいと思っても、「こんな株はいりません」と拒否されたら交換すること
ができない。でも、株と国債の交換なら簡単にできる。だからAさんは
株と国債を交換し、さらにその国債を欲しかった△社の社債と交換する。
 これは、物々交換とお金を介した売買の比較で考えると、わかりやす
いだろう。
 たとえば、大根3本をジャガイモー袋と交換したくても、それがいく
らお買い得であろうと、相手が大根を欲しがっていなければ、取引は成
立しない。でも、大根3本を500円と交換すれば、それでジャガイモ
ー袋が買える。ここで、もしお金が存在しなかったら、どうなるか。大
根とジャガイモの取引が、つねに成立するとは限らないから、取引は激
減するだろう。
 今の話の大根とジャガイモが金融市場における株と社偵、お金が金融
市場における国債に当たる。お金がなくなったら大根とジャガイモの取
引が激減するように、国債がなくなったら社偵や株の取引が激減する。
 企業は銀行からの融資のほかに、社債や株で資金を得ているから、た
ちまち資金難に陥ってしまうだろう。
 このように国偵は、金融市場において「お金」、あるいはかつての「コ
メ」のような役割を果たしている。これが、「政府の借金・国債」のもう
一つの顔だ。
 とにかく、すぐに他の商品と交換できる、非常に使い勝手のいい金融
商品なのである。
 ここで「お金と同じ役割なら、お金だけもっていればいいではないか」
という意見が出るかもしれないから、一応説明しておこう。
 お金はお金としてもっている限り、利益を生まない。でも、国債は国
の借金であり、利子がつく。金融市場は、利払いのやりとりを通じて、
経済を動かしているといえる。
そのなかで、利益を生まないお金をもっていては、とてもやっていけな
い。ちょっとの利払いでも、得ていかなくては商売を続けられないとい
う、シビアな世界なのだ。
 国債は金融市場をこんなふうに根っこから支えている。その国債がな
くなっては金融機関は商売ができない。ひいては、現在、私たちが生き
ている金融資本主義社会の発展も望めなくなってしまう。金融マンなら、
「国債は政府の借金だからないほうがいい」なんて絶対にいわないはず
だ。国債がなくなれば、金融機関の仕事は大幅に縮小し、失業しかねな
いからだ。
 アメリカのニューョーク市場、イギリスのロンドン市場など、金融資
本主義が発展している他の国の金融市場でも、国債を介した取引が一番
多い。国債の発行額は国によって違うが、国際がなくては金融市場が成
り立たないという点では変わらない。

ドイツがあまり国債を発行しない理由とは?
 唯一、先進国のなかで、あまり国債を発行していない国はドイツだ。
 第一次世界大戦後のドイツでは、生産性がガタ落ちになった。モノが
減れば、相対的にお金がだぶつく。物価はモノとお金のバランスだから、
第一次世界大戦後のドイツではハイパーインフレが起こった。つまり、
ありえないくらい大量に、「お金が余った状態」になったのである。
 そのトラウマが根強く、ドイツはインフレを起こすような政策には消
極的だ。国債
の発行は、お金を世の中に出回らせてインフレを誘導する。
だからドイツは、国債
あまり発行しないというわけだ。フランクフルト
市場も、東証やニューヨーク市場、
ロンドン市場に比べれば小規模であ
る。

 こういう例外的な国はあるが、国債には金融市場の「コメ」「必須商品
」としての
重要な役割がある。「国債は国の借金だからダメ」というのが、
いかに無知からくる
見方かということが、ここでもよくわかるだろう。

「国債発行残高はGDPの200%]を
                                                      心配しなくていい理由

 再三説明しているが、国債は政府の借金だ。
 誰から借りているかというと、主に民間金融機関である。彼らが国債
を買うから、
政府は予算で足りない分を補填できる。借金である以上、
国債には利子がつく。金利
に納得できなければ、民間金融機関は国債を
買わない。

 今のところ、そんな事態にはなっていないから、民間金融機関はおお
むね金利に納得しているということだ。
 これが何を意味するか、わかるだろうか。
 もし「国債が多く発行されすぎている」と民間金融機関が判断したら
国債は買われなくなり、そうなれば国債の金利はどんどん上がる。需要
と供給の関係で、買いたい人が少ない場合は、買い手により有利な条件
をつけなくてはいけないからだ。
 でも、すでに述べたように、国債の金利は低いまま取引されている。
いい換えれば、これは民間金融機関が国債をまだまだ欲しがっていると
いうことだ。つまり、国債は「発行されすぎ」ではないのである。
 金利は上昇していないという現状を見れば、現時点での国債発行残高
には何も問題ないということが、すぐにわかるのだ。
 それでも納得できない人は、こういったらわかるだろうか。
借金というのは、必ず誰かの資産になる。国債は政府の借金だが、貸
している民間金融機関にとっては「資産」である。民間金融機関は国債
という資産を買って、利子収入を得ているのである

 今ほど低金利では、「利ざやで儲ける」というほど大きな額にはならな
い。しかし、わずかでも利子収入を生む「資産」であることには違いな
い。
 しかも、国債は金融市場の「コメ」だ。だから金融機関は、金利が低
くても国債を買い続ける。借金とは、どこまでいっても、「借りる側」と
「貸す側」の二者関係の話だ。貸し手が喜んで貸している間は金利は低
いままだが、「なんだか危ないから、もう貸したくない」という貸し手が
増えれば金利は上がる。
 国債は金利が低いまま取引されているから、「発行されすぎ」という
ジックは成り立だない。やはり単純な話なのである。P.279
🪄ようように、本論にはいる。(怒)

🫸財務省が狙う減税潰し 国民・玉木代表を排除し「野田総理」実現を

   画策 麻生元首相と立民・野田代表による“反減税”大連立構想の正体
🎈【ポスト石破はどうなるか】玉木“減税政権”誕生阻止に動く財務省ら  “増税マフィア” 
       自民党内でも麻生元首相が主導する財政再建派の巻き返しで“減税論封じ”へ
     ( via マネ
      ポストWEB)

                          この項つづく

✳️ 高性能かつ低コストな水素吸蔵合金タンク開発(産総研 2025.3.17)
【要約】①
熱媒流路制御により、汎用の熱交換器で水素の吸蔵・放出時
の熱管理が可能で、
タンク内に面的に水素を導入する水素拡散板を採
用したことにより、高速充填・放出が可能で、⓷
得られた結果はコスト
を抑えた水素吸蔵合金タンクの新たな設計指針に成り得る。

概要図
【掲載誌】掲載誌:International Journal of Hydrogen Energy
論文タイトル:Development of a high-performance metal hydride tank
with novel heat-medium/hydrogen flow paths for off-site hydrogen
use in urban areas:DOI:https://doi.org/10.1016/j.ijhydene.2025.02.216



✳️ 10年間無劣化で「海水から水素」を製造可能な超絶技術の開発成功 


✳️  筑波大学など、高エントロピー合金電極の開発成功
🪄本件は1年半年前だから、同時期に研究されているが、それ以降は
構  成電極や光触媒などで応用展開されているものの考案事例の進捗は?
【関連論文】
【題 名】 Corrosion-resistant and high-entropic non-noble-metal electrodes for oxygen
evolution in
acidic media. (酸性条件下で耐腐食性を持つ高エントロピー合金による酸素発
生電極)【掲載誌】 Advanced Materials
【掲載日】 2022年10月22日
【DOI】 10.1002/adma.202207466



✳️参考:4元素を均一に含む超多元触媒の開発に成功 (2025.6.20)


🪄これまで10元素以上で構成される均一な合金は作製が困難だった。⓵➢ 触媒として使
用される14元素を均一に含んだ「ナノポーラス超多元触媒」の開発に
成功。②14元素を
含んだアルミ合金を作製し、アルカリ溶液中でアルミを優先的に溶
かすという簡便な方法で
作製できる。 ⓷
➢ 元素重畳効果(カクテル効果)により、水の電気分解用電極材として優れ
た特性を
持つことから、今後多方面での応用が期待できる。素数学を学んだものは「3」が構
成物の基礎素数であることが理解できるだろう。元素で言えば「アルミニウム」である。



✳️  世界初、大気から回収したCO2を都市ガスに変換・利用する設備に
直接供給~CO2の回収・固定・利用を通してカーボンニュートラルに貢
献。(2025.4.8)
NEDOは、大阪・関西万博において大気中の二酸化炭素(CO₂)を直接
回収する技術(Direct Air Capture、DAC)の実証試験を実施すると発
表。
 ​万博会場内の「カーボンリサイクルファクトリー」では、RITEのD
AC実証機が1日あたり300~500kgのCO₂を回収し、その一部を同敷地内
のメタネーション設備に直接供給します。
これにより合成されたe-メタ
ンは、会場内の迎賓館厨房などで都市ガスとして利用される予定。
DAC
で回収したCO₂をその場で都市ガスに変換し実利用する事例は世界初と
なる

😎:S君へ、万博に行く日取り願連絡!



✳️ 水電解電極材料の劣化を短時間で予測

NIMSの研究チームは、水電解装置用の電極触媒の劣化を、短時間の実
験で高精度に予測できる手法を開発しました。天気予報でも使われるデ
ータ同化という手法を組み合わせることで、約900時間で急速に劣化す
る材料を、300時間の実験結果から正確に予測することに成功。劣化予
測が高速化され、さまざまな触媒材料の劣化の比較が容易となることで、劣
化の仕組みの解明が進み、高効率かつ安価で寿命の長い触媒材料の開発
が加速することが
期待されている。
【掲載誌】
題目 : Accelerated Electrocatalyst Degradation Testing by Accurate and Robust Forecasting
of Multidimensional Kinetic Model with Bayesian Data Assimilation
雑誌 : ACS Energy Letters:掲載日時 : 2024年12月9日:DOI : 10.1021/acsenergylett.4c02868

 太陽エネルギーによる水素生成の新方向

✳️ 太陽エネルギーによる水素生成の新方向
 リーハイ大学が、太陽光による水分解で水素を生成する、CdS(硫化
カドミウム)量子ドット/還元型酸化グラフェン光触媒を合成する環境
に優しいプロセスを開発。(2018.8.1) 
⛑️硫化カドミウム:遺伝性疾患のおそれの疑い、発がんのおそれ、生
殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い、呼吸器、消化器の障害、長期
にわたる又は反復ばく露による呼吸器、腎臓、骨の障害、水生生物に非
常に強い毒性、長期継続的影響により水生生物に非常に強い毒性。

健康有害性環境

✳️ より安価な水ろ過を実現する淡水化技術のブレイクスルー
(2021.12.31)
UT Austin、ペンシルベニア州立大学、アイオワ州立大学および DuPont
Water Solutions による研究チームが、逆浸透膜(RO 膜)の性能を抑
制する原因を解明。クリーンな水の生産コストの低減につながる可能性
が期待できる。
⓵RO 膜による塩分や化学物質の除去は、農業、エネルギー生産や飲料
用の水を大量に生産する、社会の健康にとって不可欠なもの。
⓶そのフィルタリングプロセスは単純に見えるが、理解されていない複
雑な問題があった。
⓷今回、RO 膜における密度と質量分布の不整合性がその性能を抑制し
ていることを発見。ナノスケールでの均一な密度が、クリーンな水の
量生産の鍵
となる。
【掲載誌】
Nanoscale control of internal inhomogeneity enhances water transport in desalination
membranes 
URL: https://science.sciencemag.org/content/371/6524/72


図:一つの材料の上で、二酸化炭素の再資源化とエチレン製造が同時に達成
✳️ ケミカルループ法で化学原料製造と二酸化炭素再資源化交互実現
                                                                                              (2025.4.8)
①従来の化学プラントは多くの場合、高温大型でしたが、ケミカルルー
プ法により、低温・小型分散化が可能に
。②高度な分析と計算化学によ
り、化学品製造と二酸化炭素の再資源化が交互に同時に実現できる高効
率材料を発見し。⓷これらにより、従来のものより低温で小型分散型な
プロセスにより化学原料製造と二酸化炭素再資源化が同時に実現可能
なる、その際に製造した化学原料であるエチレンと、二酸化炭素の再資
源化は交互に分離して行われるため分離精製が簡略化できる。

【概説】研究グループは、インジウム酸化物の表面を他の元素で修飾、
容易に還元可能な表面を作りうること、その際に表面でたくさんの酸素
を出し入れすることができることを見いだしました。
さらに、Ni-Cu合金の微粒子を表面に載せた材料は、873 Kという従来よ
り大幅な低温にて、固体材料表面の格子酸素によるエタンの酸化的な脱
水素によるエチレン(基幹化学原料※3)の製造(下記式1)と、その後に
消費された表面酸素の復元のための二酸化炭素による再酸化、その際に
同時に二酸化炭素が再資源化されること(下記式2)を発見した。

式1:C2H6(エタン) + Olat (格子酸素) →C2H4(エチレン) + H2O + Vox (格子欠陥)
式2:CO2 + Vox (格子欠陥) →CO + Olat (格子酸素)

このように、交互に2種類のガスを流すことで酸化と還元を繰り返す方
法は、ケミカルループ法と呼ばれ、近年注目されています。今回の材料
は大きな表面酸素容量(材料全体の重量に対して4wt%以上)を有し、
インジウム種の酸化還元に関連してNi-Cu二元合金とNi-Cu-In三元合金
間の動的な変化によって実現。入念な材料スクリーニング、特性評価、
理論計算により、Ni-Cu合金がエチレンを生み出し、還元されたインジ
ウム種の取り込みによって酸化還元を促進を明らかにした。
※1 ケミカルループ法:固体材料の気体による酸化と還元をそれぞれ
独立した条件で行い、これを繰り返すことで従来の気体の固体触媒上で
の反応に比べて低温化が可能で生成ガスの分離が不要になる手法
【掲載誌】雑誌名:ACS Catalysis:論文名:Oxidative Dehydrogenation of Ethane Combined
with CO₂ Splitting via Chemical Looping on In₂O₃ Modified with Ni-Cu Alloy:
掲載日:2025年3月26日:DOI:https://doi.org/10.1021/acscatal.4c07737

✳️ ユニークな金属酸化物の誘電特性の謎を解明:誘電率25,000を超える
   SrTiO3エピタキシャル膜の作製
(2022.6.13)
【概要】ミネソタ大学らの研究チームは、絶縁体にも半導体にも金属に
もなる珍しい金属酸化物、チタン酸ストロンチウムに関するチタン酸ス
トロンチウムの高品質なセンチメートルサイズのサンプルが、低温での
誘電率が22,000に非常に大きく、コンピュータやその他の機器に応用す
る場合、チタン酸ストロンチウムの薄膜は、100〜1000という低い導電
率しか達成されていない。数原子層の厚さしかない薄膜では、薄膜と基
板、あるいは薄膜と次の層の界面が重要な役割を果たすことがある。
この「埋もれた」界面がチタン酸ストロンチウムの真の誘電率が隠され
ているのではないかと推論。このマスキング効果を注意深く考慮した結
果、チタン酸ストロンチウム薄膜の真の誘電率が25,000を超えた。今回
の発見は、コンデンサー構造で見られる絶縁体と金属の界面の役割につ
いて、金属と絶縁体が同じ材料からできている場合、重要な洞察を与え
ると推論する。
【掲載誌】
Researchers solve mystery surrounding dielectric properties of unique metal oxide

Proceedings of the  National Academy of Sciences :Published:June 2, 2022
DOI:https://doi.org/10.1073/pnas.2202189119

二次電池の高容量化を可能とする加圧電解プレドープ技術の開発に成功
図1:シリコン負極とLiMNC正極を使った二次電池の充放電曲線。図中の数字は充放電サイ
クルの回数。実線:加圧電解プレドープしたシリコン負極
破線:プレドープしないシリコン負極
✳️ 二次電池の高容量化を可能とする加圧電解プレドープ技術(2020.0
2..
                                                                                           21   東京大学)
【概要】今回の技術は特にシリコンを含む高容量負極が有効である。シ
リコンは理論容量が現状の負極の10倍以上で資源量も豊富なため、以前
から注目されていたが、不可逆容量が大きく充放電の繰り返しに伴う容
量低下も大きく、利用は広がっていない。このシリコン含有負極に今回
の加圧電解プレドープを適用すると、組み立てた二次電池の容量は20%
増加した。また、充放電に伴う容量低下も抑えられることを確認した。
本研究で開発した加圧電解プレドープ技術はシリコン含有負極の他にも
さまざまな種類のリチウムイオン電池に適用でき、理論的な限界に達し
つつある二次電池にブレークスルーをもたらす。

下図2は、電気化学的にプレドープしたシリコン負極の透過型顕微鏡写
真。シリコン粒子の表面には電気化学的プレドープによってSEI層を形成
される。加圧下でプレドープしたものでは島状のLi2CO3を含むSEIが形成
され、電解液や添加材が反応したものと考えられるのに対し、非加圧下
でプレドープしたものにはLi2Oが主に含まれていた。これは加圧によっ
て高品質のSEIが形成されることを示すと推測され、超高速MAS固体核
磁気共鳴測定(7Li MAS NMR)、およびX線回折測定(XRD)では加圧
電解プレドープした電極で安定なLi15Si4が生成することが認められた。
これはシリコンへのリチウムのドープが偏在することを示す。これらに
より充放電サイクルを繰り返しても劣化しにくい電極が得られると考え
られる。


図2:プレドープしたシリコン負極の透過型顕微鏡写真。
左:加圧電解プレドープ 右:非加圧電解プレドープ
【展望】今回の研究成果は将来の電子機器や乗り物、エネルギー管理シ
ステムなどのさまざまな場面に対応できる高エネルギー二次電池の実現
に大きく貢献できると考えられるため、成果の早期実用化を目指して研
究開発を強化してゆく。
注2 プレドープ:電池の場合は電極とリチウムを予め反応させてリチウ
ムを電極に担持させることである。リチウムはイオン化しやすいため電
解液中で負極と接触させるだけで反応が進行する(接触プレドープ)。こ
れまでは実用的な方法として接触プレドープが多く検討されてきた。た
だし、この方法では電気化学反応を伴わないのでSEIが形成されず、初期
の容量低下が大きな電極となる。
注3 固体電解質界面:SEI(Solid Electrolyte Interface)とも呼ばれる。
リチウムイオン電池の最初の充放電過程で、電解液や添加材の分解によ
って負極(通常は粒子状)の表面に形成される化合物。負極と電解液の
界面でリチウムイオンの移動を円滑に進めることが知られており、良質
なSEI層を形成することが充放電サイクル寿命を長くすることに有効であ
るといわれている。
【掲載誌】
雑誌名:Scientific Reports 論文タイトル: High-energy, Long-cycle
-life Secondary Battery with Electrochemically Pre-doped Silicon Anode
DOI番号:10.1038/s41598-020-59913-4

希土類元素強化TiO2による高効率光触媒水分解(Rare Earth Element-Enhanced TiO2 for Photocatalytic Water Splitting)
【題目】
Rare Earth Element-Enhanced TiO2 for Photocatalytic Water Splitting
✳️希土類元素強化TiO2による高効率光触媒水分解 2025-04-08 中国科学院(CAS)
【概要】中国科学院金属研究所の劉剛教授らの研究チームが、スカンジ
ウム(Sc)をドープしたルチル型二酸化チタン(TiO₂)光触媒を開発し、
水の完全光分解において顕著な効率向上を達成。
この新材料は、30.3%
の見かけの量子収率(AQY)と0.34%の太陽光から水素への変換効率(
STH)を示し、常温常圧下でのTiO₂ベース光触媒として新たな基準を確
立した。
研究チームは、Ti³⁺欠陥を抑制するSc³⁺ドープと、(101)面と(
110)面の結晶面接合による内蔵電場の生成という二重戦略を採用し、電
子と正孔の分離を促進しました。
この成果は、中国が豊富に保有するチ
タンとスカンジウム資源を活用し、スケーラブルでコスト効率の高い水
素製造への道を開く可能性がある。
【関連情報】

https://english.cas.cn/newsroom/research_news/chem/202504/t20250408_1040809.shtml
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.5c01936

不完全なフィラーを使ったポリマーが熱伝導性を向上(New Study Reveals Polymers with Flawed Fillers Boost Heat Transfer in Plastics)
題目:New Study Reveals Polymers with Flawed Fillers Boost Heat Transfer in Plastics
(2025-04-04 マサチューセッツ大学アマースト校)
✳️不完全なフィラーを使ったポリマーが熱伝導性を向上
マサチューセッツ大学アマースト校の研究チームは、プラスチックの熱
伝導率向上に関する新たな発見をしました。
従来、完璧なフィラー(充
填材)が最適とされていましたが、研究では欠陥を持つフィラーが熱伝
導率を160%向上させることが示された。
具体的には、欠陥のある酸化グ
ラファイトをポリビニルアルコール(PVA)に5%の割合で添加した
リマ
ー鎖の密な配置を妨げ、ポリマーとフィラー間の振動結合を強化し、熱
伝導を促進するためと考えられます。
この成果は、高性能マイクロチッ
プや次世代ソフトロボティクスなど、熱管理が重要なデバイスの効率向
上に寄与する可能性がある。

図3. フィラー、ポリマー、および複合材料における分子レベルの構造と官能基振動に関する実験的調査。

ト音記号 イラストや に対する画像結果

THE BEATLES (Part 2) - More Of The Best

🪄もう一度、ビートルズの夢を見ることはあるだろうか(?!)



 今日の言葉:油断① 突然の水虫とは!トホホのほ(泣)




               春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                   レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                 


 

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エネルギーと環境 229

2025年04月29日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと兜(か
ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-                                                                                                                                          セキレイ3種の特徴や違い【イラストと写真付き】 - mililie     

【季語と短歌:4月29日】 

                惜春にセグロセキレイ若葉かな                
                    高山 宇

🪄季語ふたつ、セキレイ三色。囀りでクロと断定。気候変動、混沌とし
た春。小鳥と鮮烈な庭木の若葉に救われリフレッシュ。

講談社現代新書<br> 従属の代償―日米軍事一体化の真実   atプラス叢書<br> 永続敗戦論―戦後日本の核心

📖 『従属の代償』
「安全保障を専門とするジャーナリストとして20年以上活動してきた中
で、今ほど戦争の危機を感じる時はありません。」
日本がいつの間にか米国のミサイル基地になっていた……政府の巧妙な
「ウソ」を気鋭のジャーナリストが見破る!現代人必読の安全保障論。
「いま、人知れず大変な事態が進行している。米軍が日本全土に対中戦
争を想定した、核を搭載可能なミサイルを配備しようとしているのだ! 
しかも今後、日米の軍事一体化が「核共有」まで進めば、米軍は密約に
より、その核ミサイルを自衛隊に発射させることも可能になる。この未
曾有の難局に、私たち日本人はいったいどう対処すればよいのか? 第
一人者布施祐仁による驚愕のレポートと提言に、ぜひ耳を傾けてほしい」
――矢部宏治氏(『知ってはいけない』)
日本はいつの間に米国のミサイル基地になったのか?「戦後安全保障政
策の大転換」その正体は、終わりなき軍備拡張と米国への従属だった―
現代を「新しい戦前」にしないために。
目次
第1章 南西の壁 
第2章 中距離ミサイルがもたらす危機
第3章 米軍指揮下に組み込まれる自衛隊
第4章 日本に核が配備される可能性
第5章 日米同盟と核の歴史 第6章 米中避戦の道

著者等紹介
布施祐仁[フセユウジン]
1976年、東京都生まれ。ジャーナリスト。専門は外交・安全保障。
『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』(三浦英之氏との共著、
集英社)で石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。その他にも、
平和・協同ジャーナリスト基金賞とJCJ(日本ジャーナリスト会議)
賞を受賞した『ルポ イチエフ 福島第一原発レベル7の現場』(岩波書
店)など、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載され
ていたものです)


📖 『永続敗戦論』
「永続敗戦」それは戦後日本のレジームの核心的本質であり、「敗戦の否
認」を意味する。国内およびアジアに対しては敗北を否認することによ
って「神州不滅」の神話を維持しながら、自らを容認し支えてくれる米
国に対しては盲従を続ける。敗戦を否認するがゆえに敗北が際限なく続
く―それが「永続敗戦」という概念の指し示す構造である。今日、この構
造は明らかな破綻に瀕している。1945年以来、われわれはずっと「
敗戦」状態にある。「侮辱のなかに生きる」ことを拒絶せよ。

目次
第1章 「戦後」の終わり(「私らは侮辱のなかに生きている」―ポスト
三・一一の経験;「戦後」の終わり;永続敗戦)

第2章 「戦後の終わり」を告げるもの―対外関係の諸問題(領土問題の
本質;北朝鮮問題に見る永続敗戦)

第3章 戦後の「国体」としての永続敗戦(アメリカの影;何が勝利し
てきたのか)

著者等紹介
白井聡[シライサトシ]
1977年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一
橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。日本学
術振興会特別研究員等を経て、文化学園大学助教。専攻は、社会思想・
政治学。
------------------------------------------------------------------------------------------------------
📖 対談「トランプ政権と対米従属 #1~3」
アメリカの有力シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は2022年、
中国が2026年に台湾への侵攻作戦を実行すると想定し、安全保障や軍事
の専門家を集めて本格的なウォー・ゲーム(戦争のシミュレーション)
を実施
『従属の代償 日米軍事一体化の真実』の著者であるジャーナリスト・
布施祐仁氏と、『永続敗戦論 戦後日本の核心』の著者である政治学者・
白井聡氏が、「トランプ2.0」下のアメリカ、そして日本のこれからにつ
いて語る。(現代ビジネス)
🪄「現代国際政治試論」を描かなければとダメだと思うのでスケッチを
  創めることに。

✳️ 持続的経済政策試論『未来国債⑥』

 

7章「円安で儲かる」は世界の常識 でも財務省は動かない
 要するに、為替介入したらいち早くわかるという情報のメリットを活
かせば、為替
介入して一日~二日ぐらいは、ものすごく儲けられること
になる。

 財務省と金融機関は、ここでも持ちつ持たれつなのだ。
 いろいろな国と比較して日本だけおかしいなと思うことをやっている
場合は、ほと
んどの場合、天下りが絡んでいる。いろいろな国と数字で
比較してるだけで違ってい
るということは、何かがおかしいということ
なのである。

 天下りを撲滅というか、滅らせないものと思うかもしれないが、マス
コミはポチな
のでこういうことを報じない。あるいは、財務省からの餌
(という名の罠)に慣れき
ってしまって、財務省のいうことを鵜呑みに
して、自分たちで調べるということを放
棄しているから、そもそも知ら
ないのかもしれない。

さて、円安は長く続くと、交換比率の理論値に近づいていく。
50年間ぐらいの過去のデータをさかのげると、円安も円高もどこかでだ
いたい理論値仁戻ってくる。
 何かの拍子にということもあるが、トランプ氏が大統領に帰り咲いた
今、円安はアメリカのデメリットになるのを知っているから、急にプレ
ッシャーをかけてくるであろう。そうすると、為替の方も「ああトラン
プさんになっちやった」といって、一気に理論値に近づく可能性がある。
それまでは戻さないでいいと思っているのではないか。
 バイデン氏は円安がアメリカのデメリットになっていることに、最後
まで気づかなかった。トランプ氏に「この円安はアメリカの悲劇だ。バ
イデンの無策だ」とかなりはっきり指摘されてなお、改善されなかった
ところを見てもあきらかである。
 日本としては円安のうちに、含み益を取り寄せた方がいい。
 1ドル110円から120円になってしまったら、せっかくの含み益
がなくなってしまうからだ。


財務省&日銀の走狗は誰だ
 財務省が撒いた餌みたいなものに残さず食いつく、硬派な情報番組を
自称するテレ
ビ番組がある。
 あるときの放送では、為替介入するのに「有価証券と現預金あわせて
200兆円弱
のうち、現預金分の20兆円ちょっとしか介入できない」と
まことしやかにいってい
た。
 それは違う。
 預金と債券を持っているとき、どちらが解約しやすいかを考えればす
ぐにわかるは
ずで、債券の方が簡単に決まっている。しかも、持ってい
る偵券のほとんどは世界一
流動性が高くて売りやすい米ドル債である。
預金での介入のほうが面倒くさいぐらい
だ。
 債券は簡単に売却できるのに、なぜ、そんなことをいうのか。それを
させないため
の伏線を財務省がはって、情報という名の餌を撒いている
からだ。売却すると少なく
見積もって売却益が40兆円出て、国民一人
頭30万円配れることは、先にも述べた通
りだ。なんなら、配らずとも二
年間消費税がタダでも大丈夫のような話にもなってしまう。
 財務省にとっては、ありえない話で、それがイヤだから絶対に真実を
いわないだけ
である。
 それをそのまま真に受けて、テレビでしたり顔でいうのだから笑って
しまう。硬派
な情報番組どころか、財務省のポチ番組である。
 現預金だけが為替介入の限界というのは、まったくのウソである。為
替というのは
通貨の交換比率だから(239ページ)、その比に大体は
収束していく(【図版7-
6」/263ページ)。2024年11月末の
時点では円安だが、110円か120円
ぐらいの理論値に収束していく
だろうというのは、先にも述べた通りである。

金利差があるからという説明もある。これもまったく関係がないとはい
わないが、
私からすればほとんどまやかしである。
「わかりやすいでしょ」というが、はっきりいうと何の役にもたたない。
なんなら、
「金利差があるから、金利を引き上げるべき」とは、金融機関
が金利を引き上げたい
ための布石を打っているだけである。
 財務省も財務省で、「金利が上がったら大変だから、私たちは一生懸命
がんばって
ます」みたいなことをいうが、広い意昧での大きな政府(統
合政府)のバランスシー
ト (パブリックセクターバランスシート)では、
資産が1600兆円ぐらいあってほ
とんど金融資産だから(【図1-2】
/41ページ)、金利が上がったら金利収入が多くなり、結果として両方
上がるからあまり大したことはない。
 政府(財務省)が、大変になるといっているが、「金利が上がったから、
それでは増税」と使おうと思っているだけであり、本当は大したことは
ないことなのに、こずるい話をしている。
 そんな話をまったく出さないで、「金利が上がったら、大変なことにな
ります」とテレビでいえば、誰の走拘なのかすぐにわかる。
 はっきりいって、財務省を親玉にした子分の金融機関の走拘であり、
パシリのような番組だ。
 思わずポカンと開いてしまった口を閉じる間もないほど、驚きの説明
のオンパレード。見てておもしろいぐらいに、ほとんど間違っている説
明を垂れ流している。
 親玉財務省なり、子分日銀はじめとする金融機関がいろんな仕込んだ
罠(餌)に、すべて見事に引っかかっ (食いつい)ている。
 あるいは、金融機関がスポンサーに入っていて、スポンサーの意向と
いうことかもしれない。ただ意向があるにせよ、そもそも理解しておら
ず、調べもしないで与えら
れた情報をそのまま話しているのがわかるた
めに、そういう意味でも非常に興味深い。

出演している人も、よく理解しないままに話しているのではないだろうか。
 さらにいってしまえば、自分で調べもせずに他人(この場合は財務省な
ど)のいう
ことを鵜呑みにして、何か報道だとモノ申したい。

5兆円ぐらいの介入はたいしたことがない
 財務省は食いつきがいいであろう餌(罠)をいろいろしかける時点で、
一枚二枚ど
ころではなく上手だ。
 2024年のゴールデンウイーク中の為替介入についても、「コールデ
ンウィーク
の最中だから今回はタイミングが良かったでしょう」などと
いう話もしていたが、ゴ
ールデンウィークがあるのは日本だけであり、
世界ではまったくといっていいほど関
係のないことである。
 だいたい、どんどんどんどん為替介入したところで、一日二日しか持
たず、最後は1
10円か120円ぐらいに収束していくのだ。世界中で
為替取引なんて数百兆円あるから、一回あたり5兆円ぐらい介入したと
ころで、別に大したことはない。
 どうしてそんなに視野が狭いのかと、はっきりいって思う。
 一方で、こういうのを見ているとおもしろい。もはや、この自称コ硬
派な‘報道番組はネタの提供をしてくれているのかとも、思ってしまう。
 もうツッコミどころは山ほどあって、話題に事欠かない。
 もしかして、「いつもありがとうございます。これからも、ネタ提供の
ご協力をどうぞよろしくお願いします」と、お礼とお願いを伝えるべき
なのだろうか。


8章「国債がまた増えた!」と騒ぐウラにある財務省の思怒とは?

何の知識もなく語っている人が多すぎる
 ここまで国債についても、ある程度説明をしてきた。ただ、不思議な
ことに「国債
とは何か」がわかっていてもなお、おかしなロジックを垂
れ流す人たちがいる。

 おかしなロジックを並べる人たちは、国債の本質を本当には理解して
いないか、あ
るいは何かウラの思惑があるか、そのどちらかなのだろう。
 私に批判的な人たちのことだけをいっているのではない。「高橋洋一は
いいことを
いう」といっている人たちでさえ、「本当にわかっているのか
な」と首をかしげざる
をえないことが多々あるのだ。
 たとえば、「国債は政府の借金だが、政府は返す必要がない」なんてこ
とをいう人
がいる。まったく呆れるしかない、トンデモ論だ。「借りたも
のを返す」-これは、いうまでもなく、世の中の道理だ。
 政府も例外ではなく、「借金はきっちり返さなくてはならない」という
のは、法律でも定められている。もし、返さないと政府がいったら、そ
れはデフオルト(債務不履行)宣言になってしまって、国債は暴落して
国民経済は大変なことになる。
 かといって、よく聞く「国債発行額が膨れ上がっているのは、将来世
代に負担をかけることだからよくない」というのも見方によっては誤り
だ。国債の本質がわかっていれば、「国債は借金だから全額返す義務が
あるが、パブリックセクターバランスシートなどできちんと国の財務状
況を見れば、現在の国債発行額には何も問題がない」ということがわか
る。
 ちゃんとした知識もないのに、どうしてわかったようなことをいえる
のか。
 私には不思議でならないが、そういう人が多いのは紛れもない事実で
ある。
 経済の素人のみならず、多くの人が「正しい」と思っているマスコミ
(実際には財務省のポチなのだが)ですら、似たり寄ったりなのだから、
余計にたちが悪い。財務省に洗脳されないためにも、しっかり、リテラ
シーを磨いておいたほうがいい。

「倹約をよしとする」と「借金は悪と」なる
 経済学には「合成の誤謬」という言葉がある。簡単にいえば、個人レ
ベルで見れば正しいことでも、同じことをみんながやったら困る、とい
う話だ。
 日々倹約して、お財布のなかにあるお金だけで、何とかやりくりしな
くてはならない。これは、個人としてはあたりまえの感覚だろう。そう
でなくては、生活費を借金することになってしまう。それはそれでけっ
こうなのだが、こういうミクロの話をそのままマクロに当てはめると、
たちまち問題が生じる。
 私は、よく「半径1メートルの思考で、世の中全体を見てはいけない」
といっているが、倹約志向にも同じことがいえるのだ。
 仮に国民全員が倹約しだしたら、どうなるか。消費が落ち込み、企業
の業績が悪化し、給料が下がり、悪くすると失業してしまう。経済では
何事も表裏一体だ。自分はお金を倹う側であると同時に、受け取る側で
もある。自分も含めて、みんながお金を使わなくなれば、当然、自分が
受け取る額も小さくなり、その結果、世の中は不景気となってしまうの
だ。
個人レベルで倹約をして、お絡料に見合った生活を送ろうとすることは、
何も否定しない。家計が毎月赤字で火の車となっては大変だ。私だって、
日々、ムダ遣いをしないように気をつけている。
 ただ、それと同じ視点で世の中全体を見るのは間違っているのだ。
 「倹約をよしとする」のは、散財を重ねて借金をするといった事態を防
ぐためには、必要な感覚だろう。しかし、それがいきすぎて「倹約は絶
対善」とすると、「借金は絶対悪」となってしまう。こうなるともう、借
金のすべてを敵視することになり、企業の借金も国の借金も全部ダメ、
という短絡思考に陥ってしまうのだ。
 個人レベルで倹約をして、お絡料に見合った生活を送ろうとすること
は、何も否定しない。家計が毎月赤字で火の車となっては大変だ。私だ
って、日々、ムダ遣いをしないように気をつけている。
 ただ、それと同じ視点で世の中全体を見るのは間違っているのだ。
 「倹約をよしとする」のは、散財を重ねて借金をするといった事態を防
ぐためには、必要な感覚だろう。しかし、それがいきすぎて「倹約は絶
対善」とすると、「借金は絶対悪」となってしまう。こうなるともう、借
金のすべてを敵視することになり、企業の借金も国の借金も全部ダメ、
という短絡思考に陥ってしまうのだ。
 たとえば、経営難に陥った会社があるとする。負債が何億、何百億に
も膨れ上がっていると、そこにばかり目が行き批判しがちだが、本当の
問題は「莫大な借金があること」そのものではない。「借金を返せるだ
けの資産がなかったこと」だ。
 つまり、借金に見合うだけの資産がある限り、じつはどれほど借金が
積み重なってもかまわないといっても過言ではない。
 単純な倹約思考で断じるのは、間違っているのだ。
 そういう意味でいえば、個人レベルでも「借金=絶対悪」とするのは
おかしい。
 たとえば、連日、豪遊するためにお金を借りていれば、ただただ借金
がかさむだけだ。これはもちろん論外だが、一方、お金を借りて家を買
ったとしたら、借金のウラ側に不動産という資産ができることになる。
実際にローンを組むかどうかは個々の価値観だろう。ただ、こういう借
金を否定する人はいないはずだ。特に企業であれば、借金して設備投資
をしなければ会社の発展は望めない。
 まったく同様のことが、国債にもいえる。
 マスコミも財務省も、なぜか「日本政府は国債をこんなに発行してい
る」「また増えた」と騒いでいるが、これは企業や個人の借金の額だけを
見て騒いでいるようなものだ。だが、当然ながら国には負債もあれば資
産もある。国債発行だけを見て問題視するのは、経済のプロであれば決
してしない、一面的な見方なのである。
 あるいは、マスコミも含め、財務省にうまくダマされている可能性が
高いのだ。
                                                                                            この項つづく


✳️ 
地上で10km超の自由空間光通
 4月28日 、NECは,光ファイバーなどの物理的な経路を介さず,空間上
で光のビームを送受信することで通信を行なう光空間通信において,地
上で国内最長となる10km超の通信に成功した。また,東京スカイツリー
展望台の屋上から約3km離れた地上との間での高度差通信にも成功した。         

街乗り用EV向けNaxtraの概要

✳️ CATLが6月にEV向けナトリウムイオン電池
28日、中国の電池大手CATLは月曜日、電気自動車業界を再構築すると

される新型ナトリウムイオン電池と、2つの電池技術を1台の自動車に組
み合わせる新システムを発表。同社はテスラ、メルセデス・ベンツ、BMW、
フォルクスワーゲンなどの大手ブランドと提携し、世界で販売される電
気自動車(EV)用バッテリーの3分の1以上を生産。
ナトリウムイオン電池は、電子機器や電気自動車で広く使用されている
が、損傷すると火災の危険性があるリチウムイオン電池に比べて、安価
で、いくつかの点でより安全な代替品とみなされている。

「年末までに量産体制を確立します。業界全体の構造改革につながる」
と、CATLの最高マーケティング責任者、羅建氏は上海で行われた記者会
見で述べた。ナトリウムイオン電池の生産は6月に開始される予定で、
まずNaxtraブランドの大型貨物車両用小型始動用バッテリーを生産。こ
の新型バッテリーは、寒冷地での車両始動に大きなメリットに期待する。
今年12月には電気自動車やハイブリッド車用の大型バッテリーの生産も
予定。同CEOは記者会見で、ナトリウムイオン電池は、商業規模の生産
段階にあると言う。同社はナトリウムイオン電池がリチウム、鉄、リン
酸電池市場の半分を置き換える。
ナトリウムイオン テクノロジー ナト
リウムイオン電池は数十年前から存在していましたが、性能面ではリチ
ウムイオン電池に遅れをとっていました。しかし、この技術への関心が
再び高まり、高価な金属を使わずにナトリウムイオン電池を製造できる
ことを明らかにした。

中国の電池大手CATLは、EV業界を「再編」すると主張する新しいナトリウムイオン電池を発売した。
CATL
寧徳時代新能源科技)は、EV業界を「再構築」すると主張する
新しいナトリウムイオン電池を発売
1️⃣ 関連特許事例
📌特開2025-068352 二次電池 プライムプラネットエナジー&ソリ
ューションズ株式会社(審査中)
【要約】下図14のごとく、第1電極タブ群250は、第1面120の長
手方向において電極体200の中央から第1の側の端部E1側にずれて
配置される。第1面120には、長手方向において電極体200の中央
から第1の側の端部E1とは反対側に位置する第2の側の端部E2側に
注液孔124が設けられる。カバー部材500は、第1部分510と、
一対の第2部分520とを含む。第1部分510は、第1の方向におい
て、注液孔124に対向する。一対の第2部分520は、第1面120
の短手方向において、電極体200を挟持する。電解液の注液性の確保
および電極体における極板間距離の増加の抑制を両立する。
000002
【符号の説明】【0094】
  1  二次電池、100  ケース、110  ケース本体、111  第1側面
部、112  第2側面部、112A  第2側面部の一方、113  第1開
口、114  第2開口、115  接合部、120  第1封口板(第1面)、
124  注液孔、125  ガス排出弁、126  封口板接合部、130  
第2封口板、135  ガス排出弁、136  封口板接合部、200  電極
体、201  第1電極体、202  第2電極体、210  負極板、210S
  負極原板、211  負極芯体、212  負極活物質層、220  第2電極
タブ群、230  負極タブ、240  正極板、240S  正極原板、241
  正極芯体、242  正極活物質層、243  正極保護層、244  端部、
250  第1電極タブ群、260  正極タブ、270  セパレータ、300 
 電極端子、301  正極端子、302  負極端子、400  集電体、400A  
電極集電体、400B  負極集電体、500  カバー部材、510  第1
部分、520  第2部分、A  巻回軸、E1  第1の側の端部、E2  第2
の側の端部、L  仮想線。

📌特表2023-548105 ナトリウムイオン電池の負極極片、電気化学装
置及び電子デバイス 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司(査定不服)

【要約】下図1のごとく、前記負極極片は、負極集電体及び前記負極集
電体の少なくとも一部の表面に形成された炭素材料コーティングを含み、
前記炭素材料コーティングの厚さは10μm以下であり、前記炭素材料
コーティングは、炭素材料及びポリマー接着剤を含む。ナトリウムイオ
ン電池
の負極極片、電気化学装置及び電子デバイスを提供する。
000002
図1 ナトリウムイオン電池の負極極片の構成模式図
【発明の効果】
  従来技術と比べて、本願は、少なくとも以下の有益な効果がある。
  本願により提供されるナトリウムイオン電池の負極極片、電気化学装置
及び電子デバイスは、負極極片の負極集電体の表面に負極活性材料がな
く、初回充電時に負極集電体の表面に金属ナトリウムを堆積することで、
堆積して形成された金属ナトリウムが負極集電体の表面の炭素材料コー
ティングに付着することができ、炭素材料コーティングがナトリウム金
属の堆積による過電位を効果的に降下し、ナトリウム樹状突起の形成を
抑制することができ、電池のサイクル性能の向上に役立つ。放電プロセ
ス中に、金属ナトリウムは、ナトリウムイオンに変換されて正極に戻り、
サイクル充放電を実現することができる
また、炭素材料コーティングは
ナトリウムイオン電池中のナトリウム金属核形成の動力学的性能を向
上させることができる
。金属ナトリウムは、後続のサイクルプロセスで
生成され、ナトリウムイオン電池は初回充電する前に電圧がないため、
ナトリウムイオン電池は、自己放電をせずに長期間保存することができ、
電池が短絡しても電流が生成せず、安全性が極めて高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  ナトリウムイオン電池の負極極片であって、
  負極集電体及び前記負極集電体の少なくとも一部の表面に形成された
炭素材料コーティングを含み、前記炭素材料コーティングの厚さは10
μm以下であり、前記炭素材料コーティングは、炭素材料及びポリマー
接着剤を含む、
  負極極片。
【請求項2】
  (1)前記炭素材料は、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛、天然黒
鉛、膨張黒鉛、人造黒鉛、ガラス状炭素、炭素-炭素複合材料、炭素繊
維、ハードカーボン、多孔質炭素、高配向性黒鉛、三次元黒鉛、カーボ
ンブラック、カーボンナノチューブ及びグラフェンのうちの少なくとも
1種を含み、
  (2)前記炭素材料コーティングにおける前記炭素材料の質量比は90
%~99%であり、
  (3)前記炭素材料コーティングにおける前記炭素材料の質量比は94

%~97%であり、
  (4)前記炭素材料コーティングの厚さは0.3μm~10μmであり、
  (5)前記炭素材料コーティングの厚さは1μm~7μmである、
  といった条件の少なくとも1つを満たす、
  請求項1に記載の負極極片。
【請求項3】
  (6)前記負極集電体は、金属箔材、金属発泡集電体、金属網状集電
体、カーボンフェルト集電体、カーボンクロス集電体、カーボンペーパ
ー集電体及び複合集電体のうちの少なくとも1種を含み、
  (7)前記負極集電体は、多孔質構造を有し、前記負極集電体は、多
孔質アルミ箔、多孔質銅箔及び多孔質ステンレス鋼箔のうちの少なくと
も1種を含む、  といった条件の少なくとも1つを満たす、  請求項1に
記載の負極極片。
【請求項4】
  前記負極極片は、前記炭素材料コーティングの前記負極集電体から離
れる少なくとも一部の表面に形成されたナトリウム金属層をさらに含む、
  請求項1~3のいずれか1項に記載の負極極片。
【請求項5】
  前記負極極片における前記ナトリウム金属層の質量含有量は0.1~
1%である、  請求項4に記載の負極極片。
【請求項6】
  (8)前記炭素材料は、カルボキシ基、ヒドロキシ基及びエーテル基
から選ばれる少なくとも1種である含酸素基を含み、
  (9)前記炭素材料は、含酸素基を含み、前記炭素材料における酸素
原子の質量含有量≧0.1%である、  といった条件の少なくとも1つ
を満たす、  請求項1に記載の負極極片。
【請求項7】
  前記ポリマー接着剤は、セルロースナトリウム、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチ
ルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルセルロースカリウム、ジア
セチルセルロース、ポリアクリル酸、アルギン酸ナトリウム、スチレン
ブタジエンゴム、アクリルブタジエンゴム、ポリピロール、ポリアニリ
ン、エポキシ樹脂及びグアルドガムのうちの少なくとも1種を含む、
  請求項1に記載の負極極片。

                           以下割愛

ト音記号 イラストや に対する画像結果   
                             「惜春の唄」 森田公一とトップギャラン
                               1978年/作詞 山上路夫/曲編 森田公一



 今日の言葉:来るか令和の大災動乱①


               春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                   レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                 









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エネルギーと環境 228

2025年04月28日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと兜(か
ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:4月28日】 

         掌置いて行かれし春の夢    
                    
                   高山 宇
                        春の夢 イラスト 中国 に対する画像結果
✳️ 最新特許技術事例
1️⃣ 特開2024-125594 二酸化炭素還元装置および人工光合成装置 
  株  式会社豊田中央研究所(審査中)⓶

概要図
図 ギ酸を使った水素貯蔵・製造システムの概要
【詳細な範囲】【0094】
Sn担持ガス拡散型負極の作製
  RFマグネトロンスパッタリングにより、マイクロポーラス層付カーボ
ンペーパー(Avcarb社製、GDS3250)の上に、10nm相
当量のSnをスパッタリングし、1.13cmに切り抜いた。
【0095】(アノードの作製)
<ニッケルフォーム電極の作製
  0.1Mの塩化鉄水溶液、0.05Mの硝酸ニッケル水溶液およびエチ
レンジアミン塩酸塩水溶液を混合してpH2.3に調整することによって
合成したNiドープβ-FeOOHコロイド溶液10mLと、0.063
Mの塩化ニッケルおよび0.055mMの塩化鉄を混合した水溶液10
mLとを混ぜ合わせ、1.13cmのニッケルフォーム(MTI社製、
EQ-BCNF-16m)を浸漬させた後、150℃で8時間加熱乾燥
することによって、ニッケルフォーム電極(Fe-Ni添加β-FeOO
H担持ニッケルフォーム)を作製した。【0096】
二酸化炭素の電解
<3室ガス拡散リアクターによる二酸化炭素の電解>
  電解槽として図1に示す構成の3室ガス拡散リアクターを用いた。アノ
ード16として上記の通りに作製したアノード電極(ニッケルフォーム
電極)を、カチオン交換膜14としてテトラフルオロエチレンとパーフ
ルオロ[2-フルオロスルホニルエトキシプロピルビニルエーテル]の
共重合体の膜である「Nafion(登録商標)115」を、イオン交
換樹脂懸濁液層36としてスルホン酸基を有するスチレン-ジビニルベ
ンゼン共重合体の多孔体粒子である「Dowex(登録商標)50」の
水懸濁液を、アニオン交換膜34としてイミダゾール基を有するポリス
チレンの膜である「Sustainion(登録商標)」を、カソード
22として上記の通りに作製したカソード電極(Ru錯体触媒担持ガス
拡散型負極またはSn担持ガス拡散型負極)を用いた。これらを流路付
のアノード集電板20およびカソード集電板30で挟んだ後、ボルトね
じで締めた。ここで、アノード集電板20としてチタン製のものを、カ
ソード集電板30としてステンレス製のものを用いた。カソード部12
のガス流路24に二酸化炭素ガスを30mL/min、アノード部10
のアノード溶液流路18にアルカリ性溶液として1M水酸化カリウム水
溶液を100mL/min、イオン交換樹脂懸濁液層36に懸濁用液と
して純水を2mL/minの流速で供給した。この電解槽をポテンショ
スタットと二極方式で接続し、定電位を印加することによって、二酸化
炭素の電解を行った。電解後、イオン交換樹脂懸濁液層に流通させた水
溶液のギ酸の濃度をイオンクロマトグラフィ(Dionex製、ICS
-1100)によって定量した。【0097】
<膜/電極接合体を備えた2室ガス拡散リアクターによる
二酸化炭素の電解>

  電解槽として図2に示す構成の2室ガス拡散リアクターを用いた。アノ
ード16として上記の通りに作製したアノード電極(ニッケルフォーム
電極)を、カソード22として上記の通りに作製したカソード電極(Ru
錯体触媒担持ガス拡散型負極)を用い、イオン交換膜38としてカチオ
ン交換膜(Nafion(登録商標)324)またはアニオン交換膜(
Sustainion(登録商標))を両者の電極の間に触媒と接するよ
うに配置した。この膜/電極接合体をガスの流路およびアルカリ性溶液
の流路と接するように流路付のアノード集電板20およびカソード集電
板30で挟んだ後、ボルトねじで締めた。ここで、アノード集電板20
としてチタン製のものを、カソード集電板30としてステンレス製のも
のを用いた。カソード部12のガス流路24に二酸化炭素ガスを30m
L/min、アノード部10のアノード溶液流路18にアルカリ性溶液
として1M水酸化カリウム水溶液を100mL/minの流速で供給し
た。この電解槽をポテンショスタットと二極方式で接続し、定電位を印
加することによって、二酸化炭素の電解を行った。電解後、カソード22
を水で洗浄し、洗浄液中およびアノード電解液中のギ酸の濃度をイオン
クロマトグラフィ(Dionex製、ICS-1100)によって定量
した。【0098】
測定電極
  実施例、比較例および参考例として、以下の触媒を担持した電極を、
上記の電解槽に設置して測定を行った。【0099】
実施例1:3室ガス拡散リアクターでRu錯体ポリマーカソードを用
いた二酸化炭素の電解
  カソード22として上記Ru錯体触媒担持ガス拡散型負極を用い、ア
ノード16として上記ニッケルフォーム電極を用い、図1に示す上記3
室ガス拡散リアクターで二酸化炭素の電解還元を行った。【0100】
比較例1:3室ガス拡散リアクターでSnカソードを用いた二酸化炭
素の電解
  カソード22として上記Sn担持ガス拡散型負極を用い、アノード16
として上記ニッケルフォーム電極を用い、図1に示す上記3室ガス拡散
リアクターで二酸化炭素の電解還元を行った。【0101】
参考例1:カチオン交換膜を含む2室ガス拡散リアクターでRu錯体
ポリマーカソードを用いた二酸化炭素の電解
  イオン交換膜38としてカチオン交換膜(Nafion(登録商標)
324)を用い、カソード22として上記Ru錯体触媒担持ガス拡散型
負極を用い、アノード16として上記ニッケルフォーム電極を用い、図
2に示す上記2室ガス拡散リアクターで二酸化炭素の電解還元を行った。
【0102】
参考例2:アニオン交換膜を含む2室ガス拡散リアクターでRu錯体
ポリマーカソードを用いた二酸化炭素の電解
  イオン交換膜38としてアニオン交換膜(Sustainion(登録
商標))を用い、カソード22として上記Ru錯体触媒担持ガス拡散型負
極を用い、アノード16として上記ニッケルフォーム電極を用い、図2
に示す上記2室ガス拡散リアクターで二酸化炭素の電解還元を行った。
【0103】[結果]
(触媒の作用と効果)
  ジイミン配位子に電子求引性の置換基が導入された配位子を有する金
属錯体の触媒としての効果を比較するために、上記3室ガス拡散リアク
ターで、実施例1および比較例1で1.6Vの電位を3時間印加したと
きの性能を比較した(表1の実施例1、比較例1-1参照)。Ru錯体ポ
リマーをカソード触媒として用いた実施例1では、3時間平均で4.1
4mA cm-2の電流が生じ、その86%に相当するファラデー効率で
ギ酸がイオン交換樹脂懸濁液層から検出された。一方、Snを触媒とし
て用いた場合は、1.6Vでは、ギ酸 は検出されなかった。電位を2.
3Vとすると、3%のファラデー効率でギ酸が検出された(表1の比較
例1-2参照)。この結果から、ジイミン配位子に電子求引性の置換基が
導入された配位子を有する金属錯体をカソード触媒として用いることに
よって、低い電位で駆動できることがわかる。【0104】

図3. 実施例1、参考例1における二酸化炭素電解還元電流の経時変化
を示すグラフ
3室ガス拡散リアクターの作用と効果
  3室ガス拡散リアクターの作用と効果を調べるために、上記3室ガス拡
散リアクターを用いた実施例1と、上記2室ガス拡散リアクターでカチ
オン交換膜を用いた参考例1と、アニオン交換膜を用いた参考例2とを
比較した(表1の実施例1、参考例1,2参照)。
参考例1では、ギ酸はカソードのみに検出され、そのファラデー効率は
73%であり、2mLの洗浄液中の77mMであった。このときの電流
密度の経時変化を、実施例1とともに図3に示す。参考例1では、カソ
ードにギ酸が蓄積されることに起因して、電流密度が経時的に低下して
いることが確認された。一方、実施例1では、電流密度が経時的に増加
した。このことから、実施例1では、カソード上でギ酸がほとんど蓄積
せず、安定的に二酸化炭の還元およびギ酸の生成が進行することが示唆
された。【0105】
  次に、参考例2では、1.3Vの電位で実施例1と同等の電流密度が観
測され、ギ酸はアノードの電解液中のみに検出され、そのファラデー効
率は90%であり、100mLのアノード電解液中に2.6mM生成し
ていた。アニオン交換膜を用いると、カソードで生成したギ酸(HCO
OH)はギ酸イオン(HCOO)としてアニオン交換膜を透過してし
まい、ギ酸イオン(HCOO)としてアノード電解液中に溶解してい
ることが示唆された。アニオン交換膜を用いた場合は、低い電位で高い
電流密度を実現することができるが、アノード電解液中にギ酸が生成す
るため、使用するアノード電解液を少量にしたり、反応を長時間行うこ
とによって、ギ酸の濃度を高濃度にすると、アノード上でギ酸の酸化反
応が進行し得る。また、高濃度の電解質塩を含む溶液(アノード電解液)
の中にギ酸が生成してしまう。実施例1では、イオン交換樹脂懸濁液層
の水溶液中にギ酸が蓄積するので、電解質塩を含まない溶液中でギ酸を
得ることができる。特に、アノード溶液として硫酸や炭酸、リン酸、ホ
ウ酸等の電解質塩を含まない水溶液を用いれば、ギ酸塩ではなく、ギ酸
(HCOOH)をイオン交換樹脂懸濁液層に得ることができる。【0106】

  このように、実施例の二酸化炭素還元装置によって、低いセル電位かつ
高い変換効率でギ酸を得ることができた

✳️ 合成燃料製造法
1️⃣  WO2018/062345 炭化水素系燃料油に水を添加して炭化水素系合成
       燃料を製造する方法  株式会社TRISTARHCO(有効)
【要約】下図1のごとく、 元油に対して水を添加することによる炭化
合成燃料製造方法において、元油となる炭化水素系燃料に対する合
成燃料の割合を従来に比べて飛躍的に高める。炭化水素系燃料元油に水
を加えて該炭化水素系燃料元油の体積より大きい体積の炭化水素系合成
燃料油を製造する炭化水素系合成燃料油の製造方法において、当該製造
方法により製造された炭化水素系合成燃料油を、次の炭化水素系合成燃
料油の製造における燃料元油として使用し、さらに同様な工程を順次複
数回繰り返すことにより、水の添加割合が高い、炭化水素系合成燃料を
製造する。
000002
図1.合成燃料油の製造方法の工程図

【発明の効果】
  本発明によれば、上述した方法により、合成された後には水と油に分離
され難いか、又は分離される恐れが殆どない炭化水素系合成燃料油を得
ることができる。また、得られた合成燃料油を元油として使用して、こ
れに水を加え、さらに同様の工程を繰り返すことにより、加水率の高い
炭化水素系合成燃料油を効率よく生成することができる。上述したよう
に、本発明の方法により製造された合成燃料油は、水(H2O)を実質的
に含まず、かつ、燃料元油と実質的に同一であるか、又はこれに近似す
る組成及び物理的特性を有するものとなる。
  また、本発明の炭化水素系合成燃料油は、既存の燃料油と単位分量当
たりの発熱量が同等又はそれ以上であり、かつ、既存の燃料油と比較し
て、燃焼後の燃焼室、排気管等の劣化や腐食が少ないという効果がある。
さらに、本発明の合成燃料油は、完全燃焼性に優れており、一酸化炭素
が生成されにくく、また一酸化炭素の排出量も少ないなど、といった効
果が達成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】  炭化水素系燃料元油に水を加えて該炭化水素系燃料元油
の体積より大きい体積の炭化水素系合成燃料油を製造する炭化水素系合
成燃料油の製造方法であって、
  a)水に対して活性化処理を施して、活性化された活性化水を生成す
る活性化水生成工程と、
  b)前記活性化水を、当初燃料元油として使用される炭化水素系燃料
元油に添加して、反応性環境のもとで所定時間撹拌し混合する撹拌混合工程と、
  c)前記撹拌混合工程を経た炭化水素系燃料元油と前記活性化水とを
反応性環境のもとで融合させる融合工程と、
  d)前記融合工程を経た混合物から得られる炭化水素系燃料油を一次
生成炭化水素系燃料油として収集する一次生成炭化水素系燃料油収集工程と、
を含み、次いで、  前記一次生成炭化水素系燃料油を二次燃料元油として
使用し、前記b)c)d)の工程を行って、二次生成炭化水素系燃料油
を収集し、以下、得られた炭化水素系燃料油を、順次燃料元油として使
用し、前記b)c)d)の工程を行う処理を複数回繰り返すことにより、
前記当初燃料元油よりも大きい体積の、水(H2O)を実質的に含まず、
前記当初燃料元油と実質的に同等であるか、又はこれに近似する組成の
炭化水素系燃料油からなる複数次生成炭化水素系合成燃料油を生成する
ことを特徴とする炭化水素系合成燃料の製造方法。
【請求項2】  炭化水素系燃料元油に水を加えて該炭化水素系燃料元油
の体積より大きい体積の炭化水素系合成燃料を製造する炭化水素系合成
燃料の製造方法であって、
  a)水に対して活性化処理を施して、活性化された活性化水を生成する
活性化水生成工程と、
  b)前記活性化水を、当初燃料元油として使用される炭化水素系燃料元
油に添加して、反応性環境のもとで所定時間撹拌し混合する撹拌混合工程と、
  c)前記撹拌混合工程を経た炭化水素系燃料元油と前記活性化水とを反
応性環境のもとで融合させる融合工程と、
  d)前記融合工程を経た混合物を静置して、水(H2O)を実質的に含
まず前記当初燃料元油と実質的に同等であるか、又はこれに近似する組
成の炭化水素系燃料油からなる上方の油層と、下方の水層とに相分離さ
せる油水分離工程と、
  e)前記上方の油層の炭化水素系燃料油を一次生成炭化水素系燃料油
として収集する一次生成炭化水素系燃料油収集工程と、を含み、
  f)前記撹拌混合工程と前記融合工程とは、前記一次生成炭化水素
燃料油収集工程により得られる一次生成炭化水素系燃料油の体積が前記
当初燃料元油として使用される前記炭化水素系燃料元油の体積より大き
くなる時間にわたり行われ、次いで、
  g)前記一次生成炭化水素系燃料油を二次燃料元油として使用し、前記
b)c)d)e)f)の工程を行って、二次生成炭化水素系燃料油を収
集し、以下、得られた炭化水素系燃料油を、順次燃料元油として使用し、
前記b)c)d)e)f)の工程を行う処理を複数回繰り返すことによ
り、前記当初燃料元油よりも大きい体積の、水(H2O)を実質的に含ま
ず前記当初燃料元油と実質的に同等であるか、又はこれに近似する組成
の炭化水素系燃料油からなる複数次生成炭化水素系合成燃料油を生成する
ことを特徴とする炭化水素系合成燃料の製造方法。
【請求項3】  請求項1又は請求項2に記載した炭化水素系合成燃料の
製造方法であって、  前記活性化された活性化水は、マイクロバブルの
ホットスポットを含むように活性化されたものであることを特徴とする
炭化水素系合成燃料の製造方法。
【請求項4】  請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載した炭
水素系合成燃料の製造方法であって、前記活性化水生成工程は、水を
35℃から45℃の範囲の温度に昇温し電圧を印加した状態で、該水に
超音波を照射することにより行われることを特徴とする炭化水素系合成
燃料の製造方法。
【請求項5】  請求項4に記載した炭化水素系合成燃料の製造方法であ
って、前記電圧の印加は、前記水に浸漬したトルマリンに超音波を照射
して該トルマリンを励起状態にすることにより行われることを特徴とす
る炭化水素系合成燃料の製造方法。
【請求項6】  請求項3に記載した炭化水素系合成燃料の製造方法であ
って、前記水には、マイクロバブルのホットスポットを保持するのに有
効な物質が添加されていることを特徴とする炭化水素系合成燃料の製造方法。
【請求項7】  請求項3又は請求項6に記載した炭化水素系合成燃料の
製造方法であって、前記マイクロバブルのホットスポットの生成は、前
記トルマリンに照射される超音波の周波数とは異なる周波数の超音波を
前記水に対して照射することにより行われることを特徴とする炭化水素
系合成燃料の製造方法。
【請求項8】  請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載した炭化
水素系合成燃料の製造方法であって、前記撹拌混合工程における前記反
応性環境は、カタラーゼを添加した前記水に超音波を照射しながら、該
水を撹拌することにより形成されることを特徴とする炭化水素系燃料の
製造方法。
【請求項9】  請求項8に記載した炭化水素系合成燃料の製造方法であ
って、前記撹拌は、水と燃料元油の混合物の液面に強い波立ちを生じさ
せるように行われることを特徴とする炭化水素系合成燃料の製造方法。
【請求項10】 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載した炭
水素系合成燃料の製造方法であって、前記撹拌混合工程における前記
反応性環境は、前記水に光触媒を添加し、紫外光を照射しながら撹拌を
行うことにより形成されることを特徴とする炭化水素系合成燃料の製造
方法。

図2 合成燃料油の製造方法に用いる製造装置の全体構成図
【符号の説明】【0080】
1  合成燃料製造装置 2  元油改善槽 3  精製水槽 4  反応促進剤
注入部 5  反応槽 6  静置槽 7  製品受槽 8  ヒータ 9  触媒
10  超音波発生部 11  ポンプ 12  OHRミキサ 13  反応槽容
器 14  噴射管 15  排出口 20  プラズマアーク処理装置 21、
22  電極
  表1に、本発明の一次合成燃料油製造例1及び2で生成された合成燃
料油の成分分析結果を示す。水と油を1対1で混合、融合したものであ
る。
  比較のため、元油として使用したA重油及び軽油についても同様の成分
分析を行った。(中略)

  このように、本発明によれば、燃料元油と水を完全融合し、高品質の
炭化水素系合成燃料油を生成することができる。

表1
000003
【0068】(一次燃料油製造例5)
  元油としてA重油(富士興産株式会社から購入した1種1号A重油)を
使用し、反応槽温度を36℃に設定し、精製水槽及び元油改善槽での循
環時間をいずれも90分とするとともに、カタラーゼの精製水槽及び反
応槽への添加量をそれぞれ230ミリリットル及び130ミリリットル
としたことを除き、製造例3と同様に合成燃料を製造した。なお、OR
P計によって精製水槽で得られた水の酸化還元電位を測定したところ、
18mVであった。反応槽で得られた液体から、分析のための合成燃料
油の試料を採取した。採取した試料の量は、114リットルであった。
【0069】  表2に、本発明の製造例4及び5で生成された炭化水素
系合成燃料油の成分分析結果を示す。【0070】
【表2】
000004
  表3から、本発明の方法により得られた一次生成合成燃料油では、元
油に比べて芳香族分が減少し、飽和分が増加していることが認められる。
芳香族分が少なく飽和分が多い軽油は、効率や排ガスの毒性分及びPM
の削減の観点から望ましいとされている。
【表3】
000005
                            以下割愛



Artistic depiction of an artificial tree with copper nanoflowers wired to perovskite crystals.

✳️ 
光合成を模倣して二酸化炭素から炭化水素を作り出すパネル
2月3日、アメリカのローレンス・バークレー国立研究所の研究チームが
二酸化炭素から炭化水素を作り出すパネルを開発。パネルは植物性の材
料ではなく無機物で光合成の模倣。


「光合成を模倣して二酸化炭素から炭化水素を作り出すパネル」はこれ
までも開発されてきたが、それらは生物由来の材料を用いていた。今回
開発されたパネルは無機物である銅を用いており、生物由来の材料を用
いたシステムと比べて耐久性と安定性に優れた長寿命なシステムを実現
している。

figure 1
図.a, タンデムPECデバイスの構造。b, ナノ多孔質電極の模式図。c~h, B
iVO4 (cとd)、TiO2 (eとf)、CuNF (gとh) の擬似カラーSEM画像。c,e,
断面画像。d,f~h, 異なる倍率で上から見た図。SEM画像は階層的な触媒
ナノ構造を示している。i, ペロブスカイト-BiVO4タンデムデバイス内の
エネルギー準位。

figure 2

図 2: CO2 還元に対する Cu ナノフラワー触媒の選択性。
a, FYs。b, 電流密度。2時間のCPEは、室温で、5 sccmのCO2流量下で、
撹拌された0.1 M KHCO3電解液(pH 6.8)中で実施。

figure 3
図 3: PVK|CuNF 光電陰極の触媒面積に依存する C2 炭化水素選択性
a、異なるサイズのCuNF電極(左)と対応する触媒面積を持つペロブス
カイト光電陰極(右)のCVトレース。絶対光電流(I)は、CuNF電気触
媒またはペロブスカイト光吸収のいずれかによって制限される。挿入図
は、それぞれの面積に基づいて、光吸収体(Jphoto)と触媒(Jcat)が
経験する異なる光電流密度を示す。Φは光子束を表し、理想的にはペロ
ブスカイト光電流に比例する。b、触媒の幾何学的面積の関数としての
光電陰極のFY。絶対光電流がCuNF電極のものと一致すると、最適なエ
タンとエチレンの生成が達成される。c、4 mm2のCuNF面積を持つ最適
化されたペロブスカイト光電陰極のCPEトレース。d、GC-MS同位体標識
により、ガス状生成物がCO2還元に由来することが確認される(明瞭化
のために残留N2およびO2ピークは除去されいる)。 2時間のCPEは、室
温で、模擬1太陽照射(AM1.5G、100mWcm-2)下、撹拌された0.1M
KHCO3電解質(pH 6.8)中で0V対RHEで実行。

figure 4
図4: 無補助C2炭化水素生成とO2発生を結合したペロブスカイト|CuNF-
BiVO4タンデムデバイス
a、CuNF電極、PVK|CuNF光電陰極、およびBiVO4光電陽極のCVトレー
ス。ペロブスカイト光起電力により、電流整合光電陰極のCVは、対応す
る暗電極に対して1 Vシフトする。背中合わせのタンデムPEC構成で、光
電陰極をBiVO4の後ろに置くと、光電流が約50%減少。陰極トレースの
符号は、電流の重なりを強調するために反転されている。b、0 V印加バ
イアス電圧(Uapp)でのBiVO4|OEC–PVK|CuNFタンデムデバイスのFY
を、異なる印加電位でのPVK|CuNF光電陰極のFYと比較。軸ブレークは、
C2生成物のFYを視覚化するために使用される。c、ペロブスカイト–BiV
O4タンデムの対応するCPE。d、BiVO4およびTiO2を含むペロブスカイ
トタンデムのCVトレース。 CPEは、0.1 M KHCO3電解液(pH 6.8)中
で撹拌しながら、1sunの照射(AM1.5 G、100 mW cm-2)下、室温で
実施される。aとdの明るい色は、切り取られた軽いCVトレースを示す。

📌アメリカのエネルギー省は、太陽光を用いて空気中の物質を化学エネ
ルギーに変換する大規模研究プロジェクト「Liquid Sunlight Alliance (
LiSA)
」を推進。このLiSAの一環として開発されたのが二酸化炭素から
炭化水素を作り出すパネルである。

figure 5
図 5: 無補助 C2 炭化水素合成と GOR を結合したペロブスカイト|CuNF-
Si PEC デバイス
a、NW Si 光陽極を PVK|CuNF 光電陰極に配線する PEC デバイスの概略
図。b~d、SiNW アレイ光陽極の SEM 画像:断面(b)、NW アレイの
上面図(c)、および PtAu GOR 触媒(d)。e、CO2RR、GOR、および
OER(光)電極の CV トレース。陰極トレースの符号は反転している。
f、g、CO2 還元(f)および GOR(g)用の異なる CuNF 幾何学的面積
を持つ Si-PVK|CuNF PEC デバイスの FY。SiNW 光陽極の高い光電流と
早期開始電位により、PEC デバイスのバイアスフリー動作点が RHE に
対して 0.1~0.2 V にシフト。その結果、C2 炭化水素の選択性は、RHE
に対し 0 V の PVK|CuNF 電極の選択性と類似しています(図 3b)。
h, SiNW-PVK|CuNF(4 mm2)デバイスのCPE。i, CuNF面積の異なる
Si-PVK|CuNFデバイスのCVトレース。2時間のCPEは、1 sun照射(AM
1.5 G、100 mW cm−2)下で、室温、撹拌しながら0 Vバイアス印加で
実施。双極性膜は、陰極側のCO2飽和0.1 M KHCO3溶液(pH 6.8)と陽
極室の1 M KOH、0.1 Mグリセロール溶液(pH 13.7)を分離している。
eとiでは、明るい色合いは切り取られた明るいCVトレースを示す。平均
値はサンプル3つから計算され、エラーバーは標準偏差に対応する。

🌈🎈 まあこれらのことを含め『海水から水素製造・有価物回収・二
酸化炭素回収・人工炭化水素化合物合成システム構想』の実用化の目途
がほゞほゞ完了したのではと考えますが、如何でしょうか。今後も慎重
に考察していきましょう。


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📖 
Title:Perovskite-driven solar C2 hydrocarbon synthesis from CO2
Paper:Nature Catalysis
DOI https://doi.org/10.1038/s41929-025-01292-y
----------------------------------------------------------------------------- 

ト音記号 イラストや に対する画像結果    『春の夢  松永ひとみ』 

                  ジャンル:演歌・歌謡曲



✳️ 持続的経済政策試論『未来国債⑤』



財務省亡国論
7章 「円安で儲かる」は世界の常識。‥でも財務省は動かない
財務省は円安のうちに「ドル債」を売るべきだ!

円安になると誰がいちばん、日本の中での利益の享受者になるだろうか。
じつは日本政府の外為特会が持っている外貨債に含み益が出るから、円
安になった
らその含み益を国民に渡せば誰も円安について文句をいわな
くなる。

 つまり、円高介入(為替介入/244ページ)をすればいいのだ。
200兆弱ドル偵を持っていて、その含み益は、少なく見積もっても40
兆円ぐらい
ある。
 40兆円あるから国民一人頭30万円。30万円をもらうことになったら、
誰も文句はい
わない。私はこの財務省の外為特会の含み益を「円安埋蔵
金」といっている。円安埋
蔵金を吐き出させるのがいちばん簡単である。
そうしたら、もうメリットが国民みんなにすぐわかる。この円安埋蔵金
を吐き出させれば、円安によるデメリットはみんな解消してしまう。そ
れをやるかやらないかだけだ。

ドルを売ると代金(売却金)が入ってきて、それを円に換え財務省のポ
ケットに入れる。売れば売るだけ含み益が出る。
 取得原価が1ドル11O円ぐらいのときのドル債を、今150円ぐら
いで売ったら、1ドルあたり40円ぐらいも儲かる。それでも市場に与
える影響はほぼない。ほんのしばし、ちょっと動くぐらいだ。
 財務省は今のうちにドル債を売ればいい。まごまごしてると本当に、
この含み益はなくなってしまうのだ。売ったところで何の問題なく、為
替に影響もほとんどないのがわかっていて、含み益が出るだけだから売
らない理由はない。
 為替は日本とアメリカの通貨の交換比率であり、それがどのぐらいに
落ち着くかは、二つの通貨の量の比にしかならないことは、先にも述べ
た(239ページ)。
 それを計算すると、だいたい1ドル11O円から120円ぐらいが理
論値となる。
 その意味では、昨今随分円安になっているのは間違いない。さかのぼ
ると、理論値から30円以上円安になる確率が2割ぐらいあるため、珍し
い状況が起こっているといえるが、これは日本全体にとっては、かなり
のプラスとなっている。
 悪い方に振れていたらちょっとまずいが、日本にとっていい方に振れ
ているならば、それを活用しない手はないのだ。

先進国では飛び抜けて高い日本の外貨準備
 円安埋蔵金を出したくない理由は、一人頭30万円分の含み益が出ると
わかったら、

財務省が困るというのがまず一つある。私自身も昔、外為特会を20兆円
以上出したこ
とがあるが、出すか出さないかは政権の問題であり政権し
だいといえる。政権に「こ
れ(含み益)を国民へ」という人がいないの
だろう。

 安倍政権だったら、間違いなくやっていたと断言できる。というか、
普通はやる。

為替介入もさらにやったほうがいいはずだが、やったらやったで含み益
が全部出てき
て、財務省にとって都合の悪いことが、さらにいろいろバ
レてしまう


 ただ、そんなにドル債を売ってしまったら、外貨準備がなくなってし
まうのでは、
と思っただろうか。じつは、日本の外貨準備は、先進国の
中でも飛び抜けて高い
(【図版715」)。
 だいたい、先進国で変動相場制の国はみんな、外貨準備はGDP比で
いうと数%で
ある。日本はGDP比で外貨準備が30%近くもあって、こ
ういう事実をみんな知らな
いというか、財務省にダマされている。海
だったら普通に為替介入する。

 為替介入しなくても、外貨準備は有期債といって2~3年の長さのド
ル偵だ。
つまり、2~3年経つと償還が来て、そのままほっとけばドル
債が減っていき、その度ごとに償還差益が生まれる。ロールオーバー(
再投資)しなければいいだけの話である。
 為替介入するかほうっておくか。無為無策でもできるのだ。

財務省からの餌に慣れすぎたマスコミ
なぜ日本だけ外貨準備が飛び抜けているかといえば、これまた天下りの
ためである。

 外貨準備は財務省が持っているが、財務省の金庫の中にあるわけでは
ない。どこか
他の民間の金融機関が預かって、財務省が保管料を払って
いる。

 外貨準備を2~3年たって償還しないで、もう1回ロールオーバーす
ると、それに
伴っていろいろな金融機関に外貨準備の保管事務が発生し
て、保管手数料として財務
省から金融機関への何億円もの支払いが発生
する。

 保管料を払いつつ、そこに天下るから、財務省はドル債をもっていた
いのだ。

 結局、すべては天下りのためである。
 また、金融機関は外債の保管をしているから、それが売られるときに
はすぐにわかる。
                         この項つづく
 今日の言葉:



               春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                   レイチェル・カーソン 『沈黙の春』
  
                 






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エネルギーと環境 227

2025年04月27日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと兜(か
ぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-

 

【季語と短歌:4月27日】 

合歓木の若葉 に対する画像結果

     合歓木の若葉茂れるジュブリタン 

                    高山 宇

🪄ラーゴ(大津)、コリーナ(近江八幡)、彦根美濠の舎と「たねや」は
は繁盛し、妬み餅かっているかも(笑)。今朝も、二人で松原の「ジュブ
リタンで朝食を頂いた。元トヨタの保養所があった。廃食油の回収でお
世話になり、夏は。鳥人間コンテスト会場(読売放送主催)の松原でも
あり、もう45年になるのかと彼女と話していたが、ここはホンモロコの
産卵場でもあった。今はやっていないが「ルバンベール」(松風という
南仏風イタリアンレストラン)でお世話になった。そして、水素社会を
担う番組スポンサーの岩谷産業だから、よくよく環境問題と関係が深い
紅い糸で結ばれているのだと、深い詠嘆を伴い俳句を詠む。(感謝)

 

✳️ 水に不溶有機物を水で還元する光触媒
【成果】
開発した光触媒反応系の概念図:水溶液相(水色)において半導体固体光
触媒が水を酸化し、有機溶液相(黄色)において金属錯体光触媒が有機物
を還元変換する。フェロセニウム(Fc+)/フェロセン(Fc)が自発的に液相
間を移動し電子輸送することで、酸化と還元反応を結びつける。
【展望】
開発した光触媒系により、これまで水分解とCO2還元にほぼ限定されて
いた人工光合成反応を、有機物の変換反応に適用できることを示した。
本研究の成果は、創薬や材料開発などに欠かせない様々な有機合成反応
を、光エネルギーとクリーンな水資源により進行させる技術へと発展す
る可能性を秘めている。
今後は本光触媒系を様々な分子変換反応へと適用するとともに、電子輸
送の効率を高めることで(太陽)光エネルギー変換の観点でも意義のあ
る技術へと展開させることを目指す。


図S15:水中での電子受容体としてFc+を使用したBi4TaO8Clによる(a)水
酸化のための光誘起電子移動のエネルギー図および(b)電子供給体としてFc
を使用した[Ir(C6)2(dmb)](PF6)によるBn-Brの還元的カップリングのエ
ネルギー図。
【関連論文】
タイトル:Phase-Migrating Z-Scheme Charge Transportation Enables
Photoredox Catalysis Harnessing Water as an Electron Source  (相間移
動型Z-スキーム電荷輸送が可能にする水を電子源とした光レドックス触
媒反応) 
掲 載 誌:Journal of the American Chemical Society    
DOI:10.1021/jacs.5c02276

✳️ 最新特許技術事例
1️⃣ 特開2024-125594 二酸化炭素還元装置および人工光合成装置 株
  式会社豊田中央研究所(審査中)
【背景技術】近年、石油や石炭等の化石燃料の枯渇が懸念され、持続的
に利用できる再生可能エネルギーへの期待が高まっている。そのような
エネルギー問題、さらに環境問題等の観点から、太陽光等の再生可能エ
ネルギーを用いて二酸化炭素を電気化学的に還元し、貯蔵可能な化学エ
ネルギー源を作り出す人工光合成技術の開発が進められている。

 二酸化炭素を還元する方法の一つとして、水溶液中に溶解させた二酸化
炭素を電気化学的にギ酸に還元する方法が挙げられる。しかし、従来の
二酸化炭素還元電解装置は、溶液中に溶解した二酸化炭素を還元する手
法であった。この例では、二酸化炭素還元触媒として銅(Cu)等の金
属ナノワイヤ、水(HO)酸化触媒として白金(Pt)が用いられて
いる。

近年では、ガス拡散型の二酸化炭素還元電極の開発が進められており、
ガス拡散型の二酸化炭素還元用の負極(カソード)と、HO酸化用の
正極(アノード)との間に、負極室用の電解質溶液(炭酸水素カリウム
(KHCO)水溶液)、イオン電導性メンブレン膜および正極室用の電
解質溶液(水酸化カリウム(KOH)水溶液)が配置された二酸化炭素
還元装置が報告されている。この例では、二酸化炭素還元触媒として酸
化スズ、水酸化触媒としてニッケル(Ni)が用いられている。 

別の例として、非特許文献2では、ガス拡散型の負極と、正極との間に、
陰イオン交換膜、水溶液層および陽イオン交換膜からなる3室方式の二
酸化炭素還元装置が記載されている。この例では、二酸化炭素還元触媒
としてスズナノ粒子、水酸化触媒として酸化イリジウム(IrO)が
用いられている。 

特許文献1のような、電極浸漬方式の場合、水溶液中に溶解する二酸化
炭素の濃度は室温、常圧では希薄であるため、二酸化炭素に優先して、
共存するプロトン(H)の還元が進行し、水素(H)が副生される。
また、水溶液中での二酸化炭素の物質拡散が遅いため、二酸化炭素還元
の反応電流密度の理論限界は<30mA cm-2と小さい。非特許文献
1,2のようなガス拡散方式の場合、二酸化炭素ガスを水蒸気ガスと混
合して負極に直接供給するので、水に対する二酸化炭素の濃度比が大き
いため、水素(H)の副生が抑制される。また、拡散速度の速い気相
中で反応が進行するので、反応電流密度の限界が大幅に増大する。さら
に、正極室と負極室に異なる電解質溶液を用いることができるので、正
極を水の酸化が容易なアルカリ性環境としながら、負極に二酸化炭素を
供給し、両極におけて最適な反応環境を構築することができる。ギ酸の
回収の観点からは、特許文献1や非特許文献1の方法では、電解質溶液
中にギ酸が生成するが、ギ酸はpKa3.75であるため、これより高
いpH環境では、ギ酸イオン(HCOO)に電離する。しかし、酸性
条件では、二酸化炭素の還元に優先して水素(H)の生成が進行する
ため、中性付近の電解液を用いなければならず、ギ酸の電離は避けられ
ない。【0008】 また、従来技術のほとんどにおいて、二酸化炭素還元
触媒は、スズ(Sn)等の金属またはその酸化物であった。一方、二酸
化炭素還元触媒として金属イオンと有機配位子とからなる金属錯体が知
られている。金属イオンと有機配位子とからなる金属錯体の場合、有機
配位子の設計を自在に変調できることから、触媒の性質を大きく変える
ことができる。しかし、従来技術のほとんどで用いられている金属また
は金属酸化物は、その性質を金属-金属結合や、金属-酸素結合の調整
によってしか変調することができない。このため、触媒としての二酸化
炭素還元反応における活性化エネルギーを小さくし、反応電位を低下さ
せることが困難である。
【0010】
  以上のような理由から、従来技術の二酸化炭素還元装置の動作電位は
まだ高い。すなわち、動作のときの電気エネルギーから化学エネルギー
へのエネルギー変換効率が低い。例えば、セル電位2Vの二酸化炭素の
電解でギ酸イオン(HCOO)を生成する場合のエネルギー変換効率
は53%に相当する。セル電位1.5Vでの動作を実現すれば、エネル
ギー変換効率は74%に達する。望ましくは、エネルギー変換効率90
%以上に相当する1.24V以下での駆動が望まれる。
【要約】
下図1のごとく、水を酸化して酸素を生成するアノード16、およびアノ
ード16にアノード溶液を供給するアノード溶液流路18を備えるアノー
ド部10と、二酸化炭素を還元してギ酸を生成するカソード22、およ
びカソード22に二酸化炭素ガスを供給するガス流路24を備えるカソ
ード部12と、アノード部10とカソード部12によりアノード部10
側から順に挟持される、カチオン交換膜14、イオン交換樹脂懸濁液層
36、アニオン交換膜34と、を備え、カソード22は、アニオン交換
膜34側から順に、カソード触媒として金属錯体を含む触媒層26と、
ガス拡散層28と、を備え、アノード溶液として、電解質溶液を供給す
る、二酸化炭素還元装置1である。
000002
図1. 二酸化炭素還元装置の一例を示す概略構成図
【符号の説明】
  1,3  二酸化炭素還元装置、10  アノード部、12  カソード部、14  
カチオン交換膜、16  アノード、18  アノード溶液流路、20  アノー
ド集電板、22  カソード、24  ガス流路、26  触媒層、28  ガス拡
散層、30  カソード集電板、32  電源、34  アニオン交換膜、36  
イオン交換樹脂懸濁液層、38  イオン交換膜。
【発明の効果】
  本発明により、低いセル電位かつ高い変換効率でギ酸を得ることができ
る二酸化炭素還元装置および人工光合成装置を提供することができる。
------------------------------------------------------------------------------
【特許請求の範囲】
【請求項1】水を酸化して酸素を成するアノード、および前記アノード
にアノード溶液を供給するアノード溶液流路を備えるアノード部と、二
酸化炭素を還元してギ酸を生成するカソード、および前記カソードに二
酸化炭素ガスを供給するガス流路を備えるカソード部と、前記アノード
部と前記カソード部により前記アノード部側から順に挟持される、カチ
オン交換膜、イオン交換樹脂懸濁液層、アニオン交換膜と、を備え、
  前記カソードは、前記アニオン交換膜側から順に、カソード触媒として
金属錯体を含む触媒層と、ガス拡散層と、を備え、
  前記アノード溶液として、電解質溶液を供給することを特徴とする二酸
化炭素還元装置。
【請求項2】請求項1に記載の二酸化炭素還元装置であって、前記金属
錯体は、中心金属として、Ru、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、
Reからなる群より選択される少なくとも1つの金属を有し、配位子と
して、ジイミン配位子を有することを特徴とする二酸化炭素還元装置。
【請求項3】請求項2に記載の二酸化炭素還元装置であって、前記ジイ
ミン配位子は、電子求引性の置換基が導入されたジイミン配位子である
ことを特徴とする二酸化炭素還元装置。
【請求項4】請求項3に記載の二酸化炭素還元装置であって、前記電子
求引性の置換基は、構造式が-COORのカルボン酸エステルであり、
Rは、アルキル基とピロール部位からなる化学構造を有し、前記ピロー
ル部位は、ポリピロール鎖により重合していることを特徴とする二酸化
炭素還元装置。
【請求項5】請求項1に記載の二酸化炭素還元装置であって、前記触媒
層は、イオン伝導体およびバインダーとなる高分子化合物と、導電性カ
ーボンと、を含むことを特徴とする二酸化炭素還元装置。
【請求項6】請求項1に記載の二酸化炭素還元装置であって、前記ガス
拡散層は、疎水性多孔質カーボン基材を含むことを特徴とする二酸化炭
素還元装置。
【請求項7】請求項1に記載の二酸化炭素還元装置であって、前記アノ
ードは、Ni、Ti、Fe、Cからなる群より選択される少なくとも1
つの材料から構成される基材を備え、前記基材は、多孔体、メッシュ材、
繊維焼結体からなる群より選択される少なくとも1つの形状を有し、
  前記アノードは、アノード触媒として、Ni、Fe、Co、Mn、Ru、
Irからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む金属、前記
金属を含む酸化物、前記金属を含む水酸化物、および前記金属を含むオ
キシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含むことを特
徴とする二酸化炭素還元装置。
【請求項8】請求項7に記載の二酸化炭素還元装置であって、前記アノ
ードは、前記アノード触媒として、オキシ水酸化鉄およびオキシ水酸化
ニッケルからなる群より選択される少なくとも1つを含むことを特徴と
する二酸化炭素還元装置。
【請求項9】請求項1に記載の二酸化炭素還元装置であって、前記電解
質溶液は、水酸化物イオン、硫酸、炭酸、リン酸、またはホウ酸を含む
ことを特徴とする二酸化炭素還元装置。
【請求項10】請求項1に記載の二酸化炭素還元装置と、前記アノード
および前記カソードに供給される電力を生成する太陽電池セルと、を備
えることを特徴とする人工光合成装置。

------------------------------------------------------------------------------
📖【科学・工学的背景】
参考文献1:太陽とCO2で化学品をつくる「人工光合成」、
今どこまで進んでる?資源エネルギー庁

2010年以降のタンデムセル型光触媒と太陽光エネルギー変換効率の推移を折れ線グラフであらわしています。
図 タンデムセル型光触媒と太陽光エネルギー変換効率の推移

参考文献2:世界初、100%に近い量子収率で水を分解する光触媒を開
発ー収率低下要因を完全に抑える高活性な光触媒の設計指針 2020年5
月29日 NEDO 
参考文献3:Artificial Photosynthesis: Current Advancements and
Future Prospects;
<button class="cursor-pointer text-no-underline bg-transparent border-0 padding-0 text-left margin-0 text-normal text-primary" type="button" aria-controls="journal_context_menu" aria-expanded="false">Biomimetics (Basel)</button>. 2023 Jul 9;8(3):298.
doi: 10.3390/biomimetics8030298

特許文献1:特開2017-057438 還元電極とその製造方法、および電解
装置

非特許文献1:ACS Sustainable Chem. Eng. 2021, 9, 11, 4213-4223
非特許文献2:https://dioxidematerials.com/technology/formic-
acid/
---------------------------------------------------------------------‐--------
詳細説明】【課題を解決するための手段】【0014】
  本発明は、水を酸化して酸素を生成するアノード、および前記アノード
にアノード溶液を供給するアノード溶液流路を備えるアノード部と、二
酸化炭素を還元してギ酸を生成するカソード、および前記カソードに二
酸化炭素ガスを供給するガス流路を備えるカソード部と、前記アノード
部と前記カソード部により前記アノード部側から順に挟持される、カチ
オン交換膜、イオン交換樹脂懸濁液層、アニオン交換膜と、を備え、前
記カソードは、前記アニオン交換膜側から順に、カソード触媒として金
属錯体を含む触媒層と、ガス拡散層と、を備え、前記アノード溶液とし
て、電解質溶液を供給する、二酸化炭素還元装置である。【0015】
  前記二酸化炭素還元装置において、前記金属錯体は、中心金属として、
Ru、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Reからなる群より選択
される少なくとも1つの金属を有し、配位子として、ジイミン配位子を
有することが好ましい。【0016】
  前記二酸化炭素還元装置において、前記ジイミン配位子は、電子求引性
の置換基が導入されたジイミン配位子であることが好ましい。【0017】
  前記二酸化炭素還元装置において、前記電子求引性の置換基は、構造式
が-COORのカルボン酸エステルであり、Rは、アルキル基とピロー
ル部位からなる化学構造を有し、前記ピロール部位は、ポリピロール鎖
により重合していることが好ましい。【0018】
  前記二酸化炭素還元装置において、前記触媒層は、イオン伝導体および
バインダーとなる高分子化合物と、導電性カーボンと、を含むことが好
ましい。【0019】
  前記二酸化炭素還元装置において、前記ガス拡散層は、疎水性多孔質
カーボン基材を含むことが好ましい。【0020】
  前記二酸化炭素還元装置において、前記アノードは、Ni、Ti、Fe、
Cからなる群より選択される少なくとも1つの材料から構成される基材
を備え、前記基材は、多孔体、メッシュ材、繊維焼結体からなる群より
選択される少なくとも1つの形状を有し、前記アノードは、アノード触
媒として、Ni、Fe、Co、Mn、Ru、Irからなる群より選択さ
れる少なくとも1つの元素を含む金属、前記金属を含む酸化物、前記金
属を含む水酸化物、および前記金属を含むオキシ水酸化物からなる群よ
り選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。【0021】
  前記二酸化炭素還元装置において、前記アノードは、前記アノード触媒
として、オキシ水酸化鉄およびオキシ水酸化ニッケルからなる群より選択
される少なくとも1つを含むことが好ましい。【0022】 
前記二酸化炭素還元装置において、前記電解質溶液は、水酸化物イオン、
硫酸、炭酸、リン酸、またはホウ酸を含むことが好ましい。【0023】
  本発明は、前記二酸化炭素還元装置と、前記アノードおよび前記カソ
ードに供給される電力を生成する太陽電池セルと、を備える、人工光合
装置である。【0028】
  図1に示す二酸化炭素還元装置1は、水を酸化して酸素を生成するア
ノード16、およびアノード16にアノード溶液を供給するアノード溶
液流路18を備えるアノード部10と、二酸化炭素を還元してギ酸を生
成するカソード22、およびカソード22に二酸化炭素ガスを供給すガ
ス流路24を備えるカソード部12と、アノード部10とカソード部1
2によりアノード部10側から順に挟持される、カチオン交換膜14、
イオン交換樹脂懸濁液層36、アニオン交換膜34と、を備え、カソー
ド22は、アニオン交換膜34側から順に、カソード触媒として金属錯
体を含む触媒層26と、ガス拡散層28と、を備え、アノード溶液とし
て、電解質溶液を供給する装置である。二酸化炭素還元装置1は、アノ
ード集電板20とカソード集電板30とを備える。【0029】
  二酸化炭素還元装置1は、二酸化炭素ガスをカソード22の触媒層26
に直接供給するガス拡散型電解フローセルである。二酸化炭素ガスとは、
二酸化炭素を含むガスであり、好ましくは二酸化炭素および水蒸気を含
むガスである。【0030】
  アノード部10とカソード部12との間には、カチオン交換膜14と
アニオン交換膜34に挟まれてイオン交換樹脂懸濁液層36が形成され
ており、アノード部10とカソード部12とはカチオン交換膜14、イ
オン交換樹脂懸濁液層36、およびアニオン交換膜34により分離され
ている。アノード16は、カチオン交換膜14とアノード溶液流路18
との間に、それらと接するように配置されている。アノード溶液流路18
は、アノード16にアノード溶液を供給する流路であり、例えば、アノ
ード集電板20に設けられたピット(溝部または凹部)により形成され
ている。カソード22は、アニオン交換膜34とガス流路24との間に、
それらと接するように配置されている。ガス流路24は、カソード22
に二酸化炭素ガスを供給する流路であり、カソード集電板30に設けら
れたピット(溝部または凹部)により形成されている。【0031】
  アノード集電板20には、例えば、溶液導入口と溶液導出口(いずれも
図示せず)とが接続されている。そして、アノード溶液が、溶液導入口
を介してアノード溶液流路18内に導入され、アノード16と接触しな
がらアノード溶液流路18内を通り、アノード溶液導出口から排出される。
【0032】  カソード集電板30には、例えば、ガス導入口とガス導出
口(いずれも図示せず)とが接続されている。そして、二酸化炭素ガス
が、ガス導入口を介してガス流路24内に導入され、ガス拡散層28を
介して触媒層26に接触しながらガス流路24内を通り、ガス導出口か
ら排出される。【0033】
  イオン交換樹脂懸濁液層36には、イオン交換樹脂の粒子が懸濁され
たイオン交換樹脂懸濁液が含まれている。イオン交換樹脂懸濁液層36
には、例えば、懸濁用液導入口と懸濁用液導出口(いずれも図示せず)
とが接続されている。そして、懸濁用液が、懸濁用液導入口を介してイ
オン交換樹脂懸濁液層36内に導入され、イオン交換樹脂と接触しなが
らイオン交換樹脂懸濁液層36内を通り、懸濁用液導出口から排出される。
【0034】  二酸化炭素還元装置1は、アノード16とカソード22と
の間を電気的に接続し、電力を供給する電源32を備える。【0035】
次に、図1に示す二酸化炭素還元装置1の動作例について説明する。
【0036】  アノード16とカソード22との間に電源32から電流
が供給されると、アノード溶液と接するアノード16で水(HO)の
酸化反応が生じる。具体的には、アノード溶液中に含まれる水(HO)
が酸化されて、酸素(O)とプロトン(H)が生成する。【0037】
  カソード22側では、ガス流路24からガス拡散層28を介して触媒層
26に供給された二酸化炭素(CO)ガスに含まれる二酸化炭素(C
)が還元されてギ酸アニオン(HCOO)が生成する。【0038】
  カソード22側では、二酸化炭素の還元によって生成したギ酸アニオン
(HCOO)が、アニオン交換膜34を介してイオン交換樹脂懸濁液
層36へと移動する。一方で、アノード16側では、水の酸化によって
生成したプロトン(H)またはアノード溶液に含まれる陽イオンが、
カチオン交換膜14を介してイオン交換樹脂懸濁液層36へと移動する。
その結果、これらのイオン移動によって電気伝導がもたらされ、イオン
交換樹脂懸濁液層36でギ酸(HCOOH)またはギ酸塩が得られる。
全体としては、下記の式(1)の反応式に示すように、二酸化炭素(C
)からギ酸(HCOOH)が生成する。
  CO+HO  →  HCOOH+1/2O  ΔG=274kJ/mol・・・(1)
【0039】  以下、アノード部10、カソード部12、カチオン交換膜
14、アニオン交換膜34、およびイオン交換樹脂懸濁液層36の各構
成について説明する。【0040】
  アノード16は、前述したように、アノード溶液中の水(HO)の酸
化反応を促し、酸素(O)や水素イオン(H)を生成する電極(酸
化電極)である。【0041】
  アノード16は、酸化反応の過電圧を低減させることが可能な点で、
Ni、Ti、Fe、Cからなる群より選択される少なくとも1つの材料
から構成される基材を備えることが好ましい。Ni、Ti、またはFe
の金属材料は、Ni、Ti、Feの金属を少なくとも1つ含む合金も含
まれる。また、基材は、カチオン交換膜14とアノード溶液流路18と
の間でアノード溶液やイオンを移動させることが可能な構造であること
が好ましく、例えば、多孔体、メッシュ材、繊維焼結体からなる群より
選択される少なくとも1つの形状を有することが好ましい。【0042】
  アノード16は、アノード触媒を含む。アノード触媒は、酸化反応の過
電圧を低減させることが可能な点で、例えば、Ni、Fe、Co、Mn、
Ru、Irからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含む金属、
前記金属を含む酸化物、前記金属を含む水酸化物、および前記金属を含
むオキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含むこと
が好ましい。これらは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
アノード触媒は、水の酸化を低電位で進行させることができる等の点で、
オキシ水酸化鉄およびオキシ水酸化ニッケルからなる群より選択される
少なくとも1つを含むことが好ましい。アノード触媒を用いる場合には、
前述の基材上にアノード触媒を担持することが好ましい。【0043】
  アノード集電板20は、化学反応性が低く、導電性が高い材料を用いる
ことが好ましい。そのような材料としては、TiやSUS等の金属材料、
カーボン等が挙げられる。【0044】
  アノード溶液は、電解質溶液である。電解質溶液としては、例えば、ア
ルカリ性溶液が挙げられる。アルカリ性溶液としては、水酸化カリウム
水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸水素カリ
ウム水溶液等が挙げられ、水酸化物イオン濃度が高いほど水の酸化に有
利に進行することから、1mol/L以上の濃度の水酸化カリウム水溶
液、水酸化ナトリウム水溶液等の水酸化物イオンを含む水溶液が好まし
い。【0045】
  アノード溶液は、例えば、セル電圧の低下等の点で、pH12以上のア
ルカリ性水溶液であることが好ましい。【0046】
  電解質溶液は、アルカリ金属イオン等の塩を含まない電解質溶液、例
えば、硫酸、炭酸、リン酸、またはホウ酸を含む水溶液であってもよい。
電解質溶液が硫酸、炭酸、リン酸、またはホウ酸を含む水溶液である場
合、カチオン交換膜14を通過するカチオンはプロトン(H)であり、
イオン交換樹脂懸濁液層36ではギ酸アニオン(HCOO)とプロト
ン(H)が会合したギ酸(HCOOH)が生成する。電解質溶液が例
えば水酸化カリウム水溶液である場合、カチオン交換膜14を通過する
カチオンはカリウムイオン(K)であり、イオン交換樹脂懸濁液層36
では、ギ酸カリウムが生成する。この場合であっても、高濃度(例えば
1M)の電解質溶液中にギ酸カリウムが生成するわけではないので、電
解質塩の除去は行わなくてもよい。【0047】
  カソード22は、前述したように、二酸化炭素(CO)の還元反応を
促し、ギ酸(HCOOH)を生成する電極(還元電極)である。【0048】
  カソード22を構成するガス拡散層28は、触媒層26と電源32との
電気的導通を確保し、かつ二酸化炭素ガスを触媒層26に効率よく供給
するものであればよく、特に制限されないが、例えば、疎水性多孔質カ
ーボン基材、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
ガス拡散層28は、アノード16側から移動してきた水の量を減らすこ
とができる等の点で、疎水性多孔質カーボン基材であることが好ましい。
【0049】  カソード22を構成する触媒層26は、前述したように
、二酸化炭素ガス中の二酸化炭素の還元反応を促し、ギ酸(HCOOH
)を生成する。触媒層26は、カソード触媒として金属錯体を含む。触
媒層26は、さらにイオン伝導体およびバインダーとなる高分子化合物
と、導電性カーボンと、を含むことが好ましい。触媒層26は、二酸化
炭素ガスの拡散性を向上させる等の点で、基材としてカーボンペーパー
等の多孔質構造体を含むことが好ましい。触媒層26の厚みは、例えば、
5~200μmの範囲である。【0050】
  カソード触媒である金属錯体は、例えば、中心金属と、ジイミン配位子
と、を有する金属錯体である。金属錯体の中心金属は、二酸化炭素の還
元反応を触媒する金属であればよく、特に限定されないが、例えば、二
酸化炭素の還元反応における過電圧を低減させることが可能となる点で、
Ru、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Reからなる群より選択
される少なくとも1つの金属であることが好ましく、MnまたはRuで
あることがより好ましい。【0051】
  金属錯体のジイミン配位子は、例えば、2,2’-ビピリジン誘導体、
1,10-フェナントロリン誘導体等が挙げられる。ジイミン配位子は、
二酸化炭素の還元反応による過電圧を低減させることができる等の点で、
電子求引性の置換基が導入されたジイミン配位子であることが好ましい。
【0052】  ジイミン配位子に導入される電子求引性の置換基は、カル
ボン酸基、カルボニル基、ニトロ基等の他に、構造式が-COORのカ
ルボン酸エステル等が挙げられる。ここで、Rは、例えば、炭素数1~
10の範囲の直鎖または分岐のアルキル基である。Rは、ジイミン配位
子と電源との電気的導通を確保することができる等の点で、アルキル基
とピロール部位からなる化学構造を有し、ピロール部位は、ポリピロー
ル鎖により重合していることが好ましい。【0053】
  金属錯体は、好ましくは、中心金属Ruであり、2,2’-ビピリジン
とピロールが-COORのカルボン酸エステル(Rは、炭素数1~10
のアルキル基)で化学結合により連結された分子、またはこのピロール
部位が、ポリピロール鎖により重合して多量体化したポリマー等である。
【0054】  金属錯体として、例えば、下記化学式で表される金属錯
体[Ru{4,4’-di(1H-pyrrolyl-3-propy
lcarbonate)-2,2’-bipyridine}Cl(C
O)(CHCN)]が挙げられる。
【化1】
000003
【0055】  触媒層26に含まれる導電性カーボンは、例えば、ケッ
チェンブラックやバルカンXC-72等のカーボンブラック、活性炭、
カーボンナノチューブ等が挙げられる。導電性カーボンは、上記金属錯
体が担持される担体として使用されることが好ましい。上記金属錯体を
導電性カーボンに担持することによって、例えば、還元反応性を高める
ことができる。【0056】
  触媒層26に含まれるイオン伝導体およびバインダーとなる高分子は
、ナフィオン(登録商標)(デュポン社製)、フレミオン(登録商標)(
旭硝子(株)製)等のカチオン交換樹脂、ネオセプタ(登録商標)やセ
レミオン(登録商標)、サステニオン(登録商標)等のアニオン交換樹脂
等が挙げられる。【0057】
  触媒層26は、触媒活性を高めることができる点で、フェノールまたは
その塩を含んでもよい。【0058】
  カソード集電板30は、アノード集電板20と同様に、化学反応性が低
く、導電性が高い材料を用いることが好ましい。そのような材料として
は、Tiやステンレス(SUS)等の金属材料、カーボン等が挙げられ
る。【0059】
  カチオン交換膜14としては、例えば、テトラフルオロエチレンとパ
ーフルオロ[2-フルオロスルホニルエトキシプロピルビニルエーテル
]の共重合体の膜(例えば、デュポン社製、ナフィオン(登録商標)や
フレミオン(登録商標))等のカチオン交換膜が挙げられる。【0060】
  アニオン交換膜34としては、例えば、イミダゾール基を有するポリス
チレンの膜(例えば、Dioxide  Materials社製、サステ
ニオン(登録商標))等のアニオン交換膜が挙げられる。
【0061】  イオン交換樹脂懸濁液層36に含まれるイオン交換樹脂
としては、例えば、スルホン酸基を有するスチレン-ジビニルベンゼン
共重合体の多孔体粒子(例えば、デュポン社製、Dowex(登録商標
))、スルホン酸基またはカルボン酸基を有するアクリル酸-ジビニルベ
ンゼン共重合体の多孔体粒子(例えば、デュポン社製、Ambelite
(登録商標))等のカチオン交換樹脂が挙げられる。【0062】
  イオン交換樹脂懸濁液層36においてイオン交換樹脂を懸濁するため
の懸濁用液としては、純水等の水、メタノール、エタノール等が挙げら
れ、イオン交換樹脂の膨潤性やイオン電導性等の点から、純水が好まし
い。【0063】
  電源32は、特に限定されるものではなく、化学的電池(一次電池、
二次電池等を含む)、定電圧源、太陽電池セル等が挙げられる。電源32
として太陽電池セルを用いることにより、二酸化炭素還元装置1と、二
酸化炭素還元装置1のアノード16とカソード22に供給される電力を
生成する太陽電池セルと、を備える人工光合成装置とすることができる。
本実施形態に係る人工光合成装置は、二酸化炭素還元装置1のアノード
16とカソード22が太陽電池セルを介して接続され、太陽光をエネル
ギー源として駆動される。【0064】
  アノード16とカソード22との間のセル電圧が2V以下であることが
好ましく、1.5V以下であることがより好ましく、1.2V以下であ
ることがさらに好ましい。
【0065】  本実施形態に係る二酸化炭素還元装置を用いることによ
って、低いセル電位で大きな反応電流密度を生じさせ、かつ高い変換効
率でギ酸を得ることができる。本実施形態に係る二酸化炭素還元装置は、
低いセル電位、大きな反応電流密度、高い選択性で、二酸化炭素(CO
)を還元してギ酸(HCOOH)にするとともに、水(HO)を酸化
て酸素(O)を生成することを可能にするものである。全体として、
上記(1)の反応式で表される、電気エネルギーを化学エネルギーに貯
蔵する反応を進行させることができる。イオン交換樹脂懸濁液にギ酸を
蓄積させることによって、アノードでのギ酸の酸化反応がほとんど起こ
らず、高濃度に蓄積することが可能である。また、アノード溶液として
アルカリ金属イオン等の塩を含まない電解質溶液(硫酸、炭酸、リン酸、
ホウ酸等)を用いれば、イオン交換樹脂懸濁液にギ酸イオンではなくギ
酸(HCOOH)が得られる。これらによって、化学原料、エネルギー
キャリアとして応用する際に、酸の添加や濃縮のプロセスを省略するこ
とが可能となる。【0066】
  本実施形態に係るガス拡散型の二酸化炭素還元装置を用いることによ
って、二酸化炭素の気体としての供給が可能となり、二酸化炭素還元反
応の電流密度が増大するとともに、水素(H)の副生を低減すること
ができる。【0067】
  アノードの水(HO)の酸化は、アルカリ性溶液で進行しやすいが、
二酸化炭素はアルカリ性環境では、HCOおよびCO2-との平衡
により、二酸化炭素として存在できない。両極をカチオン交換膜で分離
することによって、アノードをアルカリ性環境としながら、カソードに
二酸化炭素を供給し、両極におけて最適な反応環境を構築することがで
きる。【0068】
  カソード側にアニオン交換膜を用いることによって、二酸化炭素の還元
で生成するギ酸アニオン(HCOO)が、イオン交換樹脂懸濁液へと
移動する。一方で、アノード側に陽イオン交換膜を用いることによって、
水の酸化で生成するプロトン(H)またはアノード溶液に含まれる陽
イオンが、イオン交換樹脂懸濁液へと移動する。その結果、これらのイ
オン移動が電気伝導をもたらし、電解質を含まない純水等の懸濁用液で
膨潤させたイオン交換樹脂懸濁液では、ギ酸(HCOOH)またはギ酸
塩が得られる。
【0069】  さらに、ジイミン配位子として電子求引性の置換基が導
入された配位子を有するRu錯体等の金属錯体は、低電位での二酸化炭
素還元ギ酸生成触媒として作用することができるため、極めて低電位で
二酸化炭素を還元してギ酸(HCOOH)を生成することが可能である。
【0070】  また、水の酸化用のアノードに、水の酸化用のアノード触
媒を導入することによって、さらなる低電位化が可能となる。【0071】
  本実施形態に係る二酸化炭素還元装置と同様にカソード触媒として金属
錯体を用いる例として、例えば、図2に示す2室の構成からなる二酸化
炭素還元装置が考えられる。【0072】

  図2に示す二酸化炭素還元装置3は、水を酸化して酸素を生成するアノ
ード16、およびアノード16にアノード溶液を供給するアノード溶液
流路18を備えるアノード部10と、二酸化炭素を還元してギ酸を生成
するカソード22、およびカソード22に二酸化炭素ガスを供給するガ
ス流路24を備えるカソード部12と、アノード部10とカソード部12
により挟持されるイオン交換膜38と、を備え、カソード22は、イオ
ン交換膜38側から順に、カソード触媒として金属錯体を含む触媒層
26と、ガス拡散層28と、を備え、アノード溶液として、アルカリ性
溶液を供給する装置である。二酸化炭素還元装置1は、アノード集電板
20とカソード集電板30とを備える。二酸化炭素還元装置1は、アノ
ード16とカソード22との間を電気的に接続し、電力を供給する電源
32を備える。イオン交換膜38は、カチオン交換膜またはアニオン交
換膜である。【0073】
  アノード16とカソード22との間に電源32から電流が供給されると
、アノード溶液と接するアノード16で水(HO)の酸化反応が生じ
る。具体的には、アノード溶液中に含まれる水(HO)が酸化されて、
酸素(O)が生成する。【0074】
  カソード22側では、ガス流路24からガス拡散層28を介して触媒
層26に供給された二酸化炭素(CO)ガスに含まれる二酸化炭素(
CO)が還元されてギ酸(HCOOH)が生成する。【0075】
  イオン交換膜38としてカチオン交換膜を用いる場合、生成するギ酸
は電離せず、HCOOHの形で得ることができる。全体としては、上
記の式(1)の反応式に示すように、二酸化炭素(CO)からギ酸(
HCOOH)が生成する。【0076】
  イオン交換膜38としてアニオン交換膜を用いる場合、生成するギ酸
(HCOOH)は電離して、ギ酸イオン(HCOO)の形で得られる。
カソード22で得られたギ酸イオン(HCOO)は、アニオン交換膜
を透過して、アノード部10のアノード溶液中に得られる。全体として
は、下記の式(2)の反応式に示すように、二酸化炭素(CO)から
ギ酸イオン(HCOO)が生成する。
  CO+OH  →  HCOO+1/2O  ΔG=215.7kJ/mol  ・・・(2)


図2参考例1,2で用いた2室ガス拡散リアクターを示す概略構成図

【0077】  図2に示す二酸化炭素還元装置3では二酸化炭素還元触
媒として金属錯体を用いることによって、低い電位での二酸化炭素の還
元を達成することができる。しかし、イオン交換膜38としてアニオン
交換膜を用いる場合、生成したギ酸がアニオン交換膜をギ酸イオン(H
COO)として透過するため、アノード部10のアノード溶液(アノ
ード電解液)中にギ酸塩が生成する。このため、アノードでのギ酸イオ
ンの酸化が起こりえるため、ギ酸の高濃度化が困難である。また、ギ酸
イオンが生成するので、実用ではギ酸の回収のために酸処理、分離、濃
縮工程が必要である。【0078】
  イオン交換膜38としてカチオン交換膜を用いる場合、カチオン交換
膜によってアノード溶液(アノード電解液)中へのギ酸イオンの流出は
抑制され、カソード上にギ酸が残留するが、回収工程で溶液でのカソー
ドの洗浄が必要なため、ギ酸が希釈されることによるギ酸濃度の低下や、
洗浄液への触媒の流出にともなう性能の低下がある。また、金属製集電
板のギ酸による腐食などの懸念もある。これらの結果として、連続運転
に問題がある。【0079】
  一方、本実施形態に係る二酸化炭素還元装置では、カソード上でギ酸
がほとんど蓄積せず、安定的に二酸化炭素の還元によるギ酸の生成を進
行させることができる。また、イオン交換樹脂懸濁液層36の懸濁用液
中にギ酸が蓄積するので、電解質塩を含まない溶液中でギ酸を得ること
ができる。特に、アノード溶液として硫酸や炭酸、リン酸、ホウ酸等の
電解質塩を含まない水溶液を用いれば、ギ酸塩ではなく、ギ酸(HCO
OH)をイオン交換樹脂懸濁液層36に得ることができる。【0080】
 本明細書は、以下の実施形態を含む。

[1]水を酸化して酸素を生成するアノード、および前記アノードにア
ノード溶液を供給するアノード溶液流路を備えるアノード部と、
  二酸化炭素を還元してギ酸を生成するカソード、および前記カソード
に二酸化炭素ガスを供給するガス流路を備えるカソード部と、  前記ア
ノード部と前記カソード部により前記アノード部側から順に挟持される、
カチオン交換膜、イオン交換樹脂懸濁液層、アニオン交換膜と、
  を備え、前記カソードは、前記アニオン交換膜側から順に、カソード触
媒として金属錯体を含む触媒層と、ガス拡散層と、を備え、  前記アノー
ド溶液として、電解質溶液を供給する、二酸化炭素還元装置。【0081】

[2][1]に記載の二酸化炭素還元装置であって、  前記金属錯体は、
中心金属として、Ru、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Reか
らなる群より選択される少なくとも1つの金属を有し、配位子として、
ジイミン配位子を有する、二酸化炭素還元装置。【0082】

[3][2]に記載の二酸化炭素還元装置であって、  前記ジイミン配位
子は、電子求引性の置換基が導入されたジイミン配位子である、二酸化
炭素還元装置。【0083】

[4][3]に記載の二酸化炭素還元装置であって、  前記電子求引性の
置換基は、構造式が-COORのカルボン酸エステルであり、Rは、ア
ルキル基とピロール部位からなる化学構造を有し、前記ピロール部位は、
ポリピロール鎖により重合している、二酸化炭素還元装置。【0084】

[5][1]~[4]のいずれか1つに記載の二酸化炭素還元装置であ
って、  前記触媒層は、イオン伝導体およびバインダーとなる高分子化
合物と、導電性カーボンと、を含む、二酸化炭素還元装置。【0085】

[6][1]~[5]のいずれか1つに記載の二酸化炭素還元装置であ
って、  前記ガス拡散層は、疎水性多孔質カーボン基材を含む、二酸化
炭素還元装置。
【0086】
[7][1]~[6]のいずれか1つに記載の二酸化炭素還元装置であ
って、  前記アノードは、Ni、Ti、Fe、Cからなる群より選択され
る少なくとも1つの材料から構成される基材を備え、  前記基材は、多
孔体、メッシュ材、繊維焼結体からなる群より選択される少なくとも1
つの形状を有し、  前記アノードは、アノード触媒として、Ni、Fe、
Co、Mn、Ru、Irからなる群より選択される少なくとも1つの元
素を含む金属、前記金属を含む酸化物、前記金属を含む水酸化物、およ
び前記金属を含むオキシ水酸化物からなる群より選択される少なくとも
1つを含む、二酸化炭素還元装置。【0087】

[8][7]に記載の二酸化炭素還元装置であって、  前記アノードは、
前記アノード触媒として、オキシ水酸化鉄およびオキシ水酸化ニッケル
からなる群より選択される少なくとも1つを含む、二酸化炭素還元装置。
【0088】

[9][1]~[8]のいずれか1つに記載の二酸化炭素還元装置であ
って、  前記電解質溶液は、水酸化物イオン、硫酸、炭酸、リン酸、また
はホウ酸を含む、二酸化炭素還元装置。【0089】

[10][1]~[9]のいずれか1つに記載の二酸化炭素還元装置と、
  前記アノードおよび前記カソードに供給される電力を生成する太陽電
池セルと、を備える、人工光合成装置。

【実施例】【0090】
  以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明
するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。【0091】
  カソード触媒として下記(i)に示す化学構造のRu錯体ポリマーを
用いて、図1に示すような二酸化炭素還元装置を作製し、評価を行った。

【0092】[電極の作製]
(カソードの作製)
<Ru錯体触媒担持ガス拡散型負極の作製>
  ガス拡散層としてカーボンペーパーを用い、この上に触媒である金属
錯体とイオン伝導体およびバインダーとなる高分子化合物と導電性カー
ボンとの混合物を含む触媒層を積層した。具体的には、金属錯体として
下記(i)の化学構造を有する[Ru{4,4’-di(1H-pyrr
olyl-3-propylcarbonate)-2,2’-bipy
ridine}Cl(CO)(CHCN)]17.1mg(0.02
44mmol)を2.55mLのアセトニトリルに溶解させ、そこに
0.5vol%ピロールのアセトニトリル溶液137μLおよび0.2
MのFeClエタノール溶液686μLを加えることによって、下記(
i)の構造式で表される金属錯体ポリマーの溶液を調製した。この溶液
に導電性カーボンとしてカーボンブラック(Cabot社製、Vulc
an  XC-72R)を27.5mg、イオン伝導体およびバインダー
となる高分子化合物として5質量%Nafion(登録商標)117の
アルコール-水混合溶液(Aldrich社製)229.5μLを加え
た後、超音波分散を行った。この懸濁液を、基材としての1.13cm
のマイクロポーラス層付カーボンペーパー(Avcarb社製、GDS
3250)の上に、41μL滴下し、60℃で乾燥させる操作を30回
繰り返すことによって担持した。12時間以上暗所下で静置した後、水
中で洗浄し、反応触媒であるFeClを除去した。【0093】
【化2】
000004
      (i)

図3実施例1、二酸化炭素電解還元電流の経時変化を示すグラフ

                         この項つづく
ト音記号 イラストや に対する画像結果
● 今日の言葉:

               春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                 



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エネルギーと環境 226

2025年04月26日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-



【季語と短歌:4月26日】

         春昼ネガティブ返る草刈や 

                    高山 宇

🪄今朝も14.5℃ 55RH%、寒い。体調が狂い例の薬?を服用。
昼過ぎしばらく、土手の草刈る音がし、目覚め止めていた作業再開。
大河「べらんめえ」の平賀源内の獄死シーンが眼に入り目尻が緩む。

✳️「グリーンインフラ」格段に増やす 国交省
国土交通省は自然環境が持つ機能を社会資本整備や土地利用などに最
大限活用するグリーンインフラを、今後は普遍的な政策と位置付け量
的拡大を目指す。



ヘリカル型核融合炉実現に20kmの高温超電導テープ線材を追加調達
4月18日、東京都内とオンラインで記会見を開き、フジクラから高温
超電導テープ線材を追加調達すると発表した。

✳️  海水電解グリーン水素製造応用技術⓵
1️⃣  特開2018-30113 イオン交換膜電気透析装置 株式会社サンアクティス
【要約】下図1のごとく、容器、容器の内部に順次配置された陽極、
アニオン交換膜、カチオン交換膜及び陰極を有する透析槽であって、
容器の内部は、該アニオン交換膜及び該カチオン交換膜によって陽極
及び電極液を含む陽極室、脱塩室、及び陰極及び電極液を含む陰極室
に仕切られており、該脱塩室には試料溶液導入口及び脱塩溶液排出口
が設けられている透析槽、及び陽極及び陰極に電気を供給する電源、
を有し、陽極と陰極の間の電流は、所定の一定値に維持された電流で
あり、試料溶液は脱塩室を1回のみ通過する、イオン交換膜電気透析
装置。塩分を含む試料溶液を、質量分析装置の気化ノズルを毀損しな
い程度の塩分濃度に短時間で脱塩することができる、イオン交換膜電
気透析装置を提供。
000002
図1 イオン交換膜電気透析装置の構成を示す模式図
【符号の説明】【0069】
    1…容器、
    2…陽極、
    3…陰イオン交換膜、
    4…陽イオン交換膜、
    5…陰極、
    6…陽極室、
    7…脱塩室、
    8…陰極室、
    9…配管、
    20…検体、
    21…マイクロシリンジポンプ、
    22…マイクロダイアリシス用プローブ、
    23…イオン交換膜電気透析装置、
    24…質量分析計、
    25、26…配管。
  <実施例1>
  イオン交換膜電気透析装置の製造
アクリル樹脂製容器、電極、配管などを所定の寸法及び形状に成形し、
電源と組み合わせることにより、図1に示す構造を有するイオン交換
膜電気透析装置を組み立てた。イオン交換膜電気透析装置の仕様を表
1に示す。【0053】
[表1]
000003
  <実施例2>
  イオン交換膜電気透析装置の性能確認試験
  マイクロシリンジポンプ(株式会社ニューロサイエンス製「KDS
100」(商品名))を準備した。配管を用いて、マイクロシリンジポ
ンプの排出口を実施例1のイオン交換膜電気透析装置の導入口に連結
した。マイクロシリンジポンプから塩化ナトリウム濃度0.9%の生
理食塩水を送出した。生理食塩水の流速は3μml/分とした。イオ
ン交換膜電気透析装置に通電し、電流量は0.8mAの定電流に調節
した。脱塩処理された液は、通電開始から一定時間(通電時間)蓄積
し、その間の脱塩室の電圧をモニターするとともに、脱塩処理した液
の電気伝導度を電気伝導度計(堀場製作所製「コンパクト電気伝導率
計 <LAQUAtwin> B-771」(商品名))を用いて測定した。なお、電
気伝導度から塩化ナトリウム濃度(重量%)への換算には、予め作成
したNaCl-電気伝導度検量線を用いた。NaCl-電気伝導度検
量線は図2に示す。測定結果を表2に示す。

  <実施例3>
  食塩水中の模擬試料の回収
  L-グルタミン酸は脳の神経伝達物質であり、脳内のグルタミン酸
の量は動物の行動に相関する。従って、L-グルタミン酸量は、マイ
クロダイアリシスの測定対象として有用である。本発明のイオン交換
膜電気透析装置は、L-グルタミン酸を含む食塩水から食塩を選択的
に除去することを確認するために、模擬試料としてL-グルタミン酸
を選択した。
【0058】  まず、対照として、濃度2.5ppmのL-グルタミン
酸標準水溶液を質量分析計(株式会社島津製作所製「LCMS806
0」(商品名))で測定したところ、ピーク面積は2016(単位なし)
であった。
【0059】  塩化ナトリウム濃度0.9%の生理食塩水に濃度5p
pmになる量でL-グルタミン酸を溶解し、得られた水溶液を実施例
1のイオン交換膜電気透析装置で脱塩した。その際、水溶液の流速は
3μl/分に、電流量は0.8mAの定電流に調節した。通電開始か
ら5~15分、15~25分、及び25~35分の水溶液をそれぞれ
蓄積した。
  実施例2と同様にして、脱塩及び蓄積した液の電気伝導度を測定し
た。蓄積した処理液を蒸留水で2倍希釈し、質量分析計で測定した。
結果を表3に示す。【0061】
[表2]
000005
                            以上

🪄昨日、「海水脱塩システム」を考察していて、「コスパ」が盲点だと
気がつき回収対象を個別およびグルーピング回収システムの考案に移
る。かように、目が苦しく変化する。誠に「神経衰弱」カード遊びの
ごとし。神経ぴりぴりなり(笑)。

2️⃣ 海水溶存資源の総合的利用技術
コスモエネルギーホールディングス株式会社静岡大学と海水の電気分
解による経済性の高いグリーン水素製造に関する共同検討を開始(3月
26日 日本経済新聞)
🪄まさか、こんな動きがあるとは知らなかったが渡りに船だ(笑)。

グリーン水素は、回収したCO2を有価物へ変換・資源化する技術(Carbon
dioxide Capture and Utilization:CCU)で、CO2を別の物質へ変換す
る工程において必要不可欠な要素。しかし、日本国内では電力コスト
が高く、水の電気分解によるグリーン水素製造は価格が高騰、CCUの
実現における大きな課題。
CCUの実現にはより経済性の高いグリーン
水素製造技術が求められている。
コスモエネルギーグループは、自社
操業に伴うGHG排出量を2050年にScope3を含めたカーボンネットゼ
ロを目標に掲げ、その実現に向けてCO2の分離回収技術や、CCUの開
発に取り組む。

静岡大学は、電気化学を応用し、海水中に溶解しているミネラル分に
よりCO2を固定化するとともに、海水の電気分解により水素を製造す
るCarbon dioxide Ocean Capture and Reuse(COCR)技術を開発、
特許を有しています。この技術を活用することで、グリーン水素製造
プロセスにおいてCO2から有価物の製造・販売を検討することができ
ます。これにより、グリーン水素製造
工程での固定費の削減を図るこ
とができ、既存グリーン水素に比べ経済性の高いグリーン水素製造を
行うことが可能になる。

 

20世紀は石油の時代,21世紀は水の時代といわれるように,淡水の確
保も世界的な問題となってきている.Fig.1 に示すように,生命が利用
できる水は地球に存在する水のわずか0.01%3で,世界人口67億人の
うち,約9億人が安全水を,そして,26億人が衛生設備を利用できな
いといわれている.そして,水ビジネス市場は2025年に110兆円へ拡
大するとの試算もある。


*4 横浜国立大学・大学院工学研究院(〒240-8501 神奈川県横浜市
保土ヶ谷区常盤台79-5)Division Materials Science and Chemical
Engineering, Faculty of Engineering, Yokohama National University,
79-5 Tokiwadai, Hodogaya-ku, Yokohama-shi, Kanagawa 240-8501,
Japan 240-8501

3️⃣海水溶存資源採取経済性の再評価
海水溶存資源採取の経済性を評価する指標として,横軸に海水中溶存
物質の濃度,縦軸に市場価格をプロットしたDriscollの図がよく引用
されるが,データの再プロットが必要な時期になっている.また,こ
の評価では「溶存元素」の海水濃度が基準となっているが,化成品製
造を考えると,化合物での評価も必要である.Fig.4に再評価を行った
概要図を示す。,破線は現在海水を利用して製造している化合物を基準
に生産が確保可能な遷移領域を示している.破線より上が経済的に採
用可能と考えられる化合物となる。■は現在海水を利用して製造して
いる,あるいは,研究が進んでいる化合物を示した。リチウムやカリ
ウム,カルシウム,マグネシウムに関しては,化合物の種類によって
は充分生産性を確保できる可能性があることがわかる。


4️⃣  海水利用プロセスの技術動向
海水を原料とするプロセス,すなわち,海水淡水化プロセスと製塩プ
ロセスを有機的に融合すると,海水の取水設備や,前処理設備が共有
できスケールメリットが期待できる。製塩プロセスと海水淡水化プロ
セスを複合化し,淡水化によって得られる濃縮海水を製塩の原料にす
れば,経済的メリットが増加する。日本でも海水淡水化プラントは、
約230,000 m³/日の造水能力に達し、最近のプラント設置状況の伸び
率及び,食糧自給率をアップさせるための農業政策などを考え合わせ
ると淡水化プラントの設置はさらに加速されることが予想できる。
複合システムについては,発電所の冷却用海水と,そこからの廃熱お
よび炭酸ガスを用いてリチウムを回収するシステムも提案されている。
また,環境に配慮した海水資源利用システムも提案されている。いず
れにしても,海水中に溶存している有価物はいずれかの方法で回収す
る必要がある

5️⃣  新規な高度海水利用プロセスの構築
①30 年前には存在していなかった考え方
・ CO2 固定化:CO2を排出しない,あるいはCO2を固定化する必要性
 が急務となっている.
・ 製塩での一次エネルギー利用の変化:世界市場に価格変動が敏感な
 石油や石炭からの脱却が必要.
・ 資源不足:リチウム,マグネシウムなどの稀少元素の確保が必要.
・ 水不足:人類が直接利用できるのは地球上の水のわずか約0.01%で
 あり,この水だけが,持続的に利用可能となっている.
・製塩プロセスと淡水化プロセスの融合

⓶この30年で進化した技術
・ イオン交換膜:イオン交換膜の技術導入により,製塩装置でのスケ
 ールが緩和された.
・ 電解法の進歩:電解ソーダ工業は水銀法から隔膜法そして,現在は
 イオン交換膜法に転換してきている.
・ シミュレータ,センサー:シミュレーション技術の進歩で,プロセ
 スの省エネルギー化が推進されている.

⓷市場の要求変化
④今後20年後にも議論されているであろう技術

6️⃣ 今後の課題
高度海水利用プロセスの個別の要素は別々に研究が進められているが,
実用に向けて進化させるためには,各種工業あるいは研究者の連携が
必要不可欠である.例えば,製塩プロセスと淡水化プロセスの連携は
現在も進められているが,海水溶存資源を有効利用し,エネルギーを
高効率化するためには,電解ソーダ工業プロセスや発電プロセスとの
技術連携が必要である.またこのときには,異種工業プロセスを複合
したときに生ずる各プロセスの禁則条件を纏め,開示することが必要
で,その情報開示も高度海水利用プロセス実現の必須項目となると結
んでいる。大変参考になった
(感謝)。
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✳️ 高効率電力変換素子の新選択肢 京工繊大開発、ダイオード特性
原料溶液を超音波で霧状にして過熱した基板上で化学反応させるミス
ト化学気相成長法(ミストCVD)と転位閉じ込め技術を応用し、r
―GeO2の縦型SBDを作製。電気的特性を評価し、理想に近い界
面形成と明瞭な整流性による低いオン抵抗を確認。

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✳️ バイポーラ隔膜 触媒 チタン 水電解
1️⃣ 特許第7663793号 半導体用処理液、及び低毒性半導体用処理
液として用いる方法 株式会社トクヤマ
【要約】
下記(A)~(E)を含む、半導体用処理液。
(A)下記式(1)で表される第四級アンモニウムイオン
(B)ハロゲン化物イオン
(C)水酸化物イオン
(D)酸化剤
(E)水
000010
(式中、R、R、R、及びRはそれぞれ独立して、炭素数1~
16のアルキル基であり、ただし、R、R、R、及びRのうち
1以上のアルキル基の炭素数が2~16である。)
【詳細な説明】
【背景技術】【0002】
  第四級アンモニウム化合物は、相間移動触媒、界面活性剤、消毒剤
などに用いられている。第四級アンモニウム化合物の中でも、特に、
水酸化テトラメチルアンモニウムは強塩基性を示す有機アルカリの一
種として、半導体製造時の洗浄、エッチング、現像液などに用いる半
導体用処理液に利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】【0005】
  特許文献1の実施例には、塩基化合物として水酸化テトラメチルア
ンモニウムを用いたルテニウムの半導体用処理液が開示されている。
しかしながら、本発明者らは、水酸化テトラメチルアンモニウム(以
下、TMAHとも記載)水溶液は、毒性が高く、取り扱いには注意を
要することに着目した。また、酸化剤を含む半導体用処理液は、酸化
剤により遷移金属を酸化溶解(エッチング)することで、遷移金属の
除去や加工が可能となるが、エッチング後の表面荒れが問題となるこ
とがわかった

【図1】電解槽を示す説明図
【0056】
(水酸化第四級アンモニウム水溶液の調製)
  ETMAH(エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド),PTM
AH(プロピルトリメチルアンモニウムヒドロキシド),BTMAH
(ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)について、以下の手
順で作製した。原料であるトリアルキルアミンとアルキルハライドよ
り第四級アンモニウムハライド水溶液を作製し、これを原料として電
気分解により水酸化第四級アンモニウム水溶液を作製した。具体的に
は、ETMAHの場合、トリメチルアミンとエチルクロライドをモル
比1:1で、超純水を入れた反応容器中に仕込み、反応温度60℃で
保持し、50質量%エチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液
を作製した。未反応分であるトリメチルアミンとエチルクロライド、
および副産物としてのエタノールが、それぞれ100ppm未満とな
るまで減圧除去を行った後、図1に示す電解槽を用いてETMAHの
作製を行った。図1中、1は陽極を示し、2は陰極を示し、3は電源
を示し、4は陽極室を示し、5は原料室を示し、6は中間室を示し、
7は陰極室を示し、8は陰イオン交換膜を示し、9は陽イオン交換膜
を示す。
【0057】
  陰極には白金メッキしたニッケル板、陽極には白金メッキしたチタン
板、陽イオン交換膜にはナフィオンN324(ケマーズ製)を2枚、
陰イオン交換膜にはASE(アストム製)を用い、陽極室に0.5規
定の塩酸、陰イオン交換膜と陰極側の陽イオン交換膜の間の原料室に
50質量%エチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液、陰極室
と2枚の陽イオン交換膜の間の中間室に超純水をそれぞれ循環させ、
電流密度を徐々に上げていき、最終的に電流密度30A/dm、温
度は40℃に維持しながら、連続的に電解を実施した。電解中は原料
室のエチルトリメチルアンモニウムクロライド濃度が40質量%以上
を維持するようにエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液を
補充し、陰極室のETMAH濃度が30質量%まで上昇したところで
電解を終了し、ETMAH水溶液を取得した。
                           以上
2️⃣特開2025-42780 電気化学反応装置および電気化学反応装置の運
 転方法 株式会社東芝(審査中)
【要約】下図1のごとく、電気化学反応装置は、カソードと、アノード
と、カソードとアノードとの間の隔膜と、カソード室と、アノード室
と、を備える電気化学反応構造体と、カソード室の入口に接続され、
第1の流体が流れる第1の流路と、第2の流体が流れる第2の流路と、
第3の流体が流れる第3の流路と、第4の流体が流れる第4の流路と、
第1の流量調整器、第2の流量調整器、第1の圧力調整器、第2の圧
力調整器、温度調整器、および電源からなる群より選ばれ、少なくと
も第1の流量調整器を含む、少なくとも一つの調整器と、第4の流路
の途中に設けられた気液分離器と、第3の流体の流量を計測する第1
の流量計と、第4の流体の流量を計測する第2の流量計と、第1の流
体の流量と、第3の流体の流量と、第4の流体の流量と、の和を計測
し、計測された和の値に応じて少なくとも一つの調整器を制御してカ
ソード室とアノード室との間の圧力差を調整する制御装置と、を具備
する。二酸化炭素の利用効率を向上させる。
000002
図1.電気化学反応装置の構成例を示す模式図
【符号の説明】【0090】
  1…電気化学反応装置、10…電気化学反応構造体、11…カソード、
12…アノード、13…隔膜、14…流路板、15…流路板、16…
集電体、17…集電体、18…流路板、21…流量調整器、22…流
量調整器、30…加湿器、41…圧力調整器、42…圧力調整器、51…
脱水器、52…気液分離器、61…流量計、62…流量計、70…電
源、71…温度調整器、80…制御装置、90…ポンプ、140…カ
ソード室、150…アノード室、180…カソード室、P1…流路、
P2…流路、P3…流路、P4…流路、P5…流路、P6…流路、P
7…流路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】  二酸化炭素を還元して炭素化合物を生成する還元反応
を促進する還元触媒を有するカソードと、水を酸化して酸素を生成す
る酸化反応を促進する酸化触媒を有するアノードと、前記カソードと
前記アノードとの間の隔膜と、前記カソードに面するカソード室と、
前記アノードに面するアノード室と、を備える電気化学反応構造体と、
  前記カソード室の入口に接続され、前記カソード室に供給される前
記二酸化炭素を含む第1の流体が流れる第1の流路と、  前記アノード
室の入口に接続され、前記アノード室に供給される前記水を含む第2
の流体が流れる第2の流路と、  前記カソード室の出口に接続され、
前記カソード室から排出されるとともに生成された前記炭素化合物を
含む第3の流体が流れる第3の流路と、  前記アノード室の出口に接
続され、前記アノード室から排出されるとともに前記水および生成さ
れた前記酸素を含む第4の流体が流れる第4の流路と、
  前記第1の流路を流れる前記第1の流体の流量を調整する第1の流
量調整器、前記第2の流路を流れる前記第2の流体の流量を調整する
第2の流量調整器、前記第3の流路の圧力を調整する第1の圧力調整
器、前記第4の流路の圧力を調整する第2の圧力調整器、前記電気化
学反応構造体の温度を調整する温度調整器、および前記電気化学反応
構造体に供給される電流または電圧を調整する電源からなる群より選
ばれ、少なくとも前記第1の流量調整器を含む、少なくとも一つの調
整器と、  前記第4の流路の途中に設けられ、前記第4の流体を処理し
て前記第4の流体から前記水を含む液体を分離する気液分離器と、  前
記第3の流路を流れる前記第3の流体の流量を計測する第1の流量計
と、  前記第4の流路を流れる処理された前記第4の流体の流量を計測
する第2の流量計と、  前記少なくとも一つの調整器、前記第1の流量
計、および前記第2の流量計のそれぞれに接続され、前記第1の流路
を流れる前記第1の流体の流量と、前記第3の流路を流れる前記第3
の流体の流量と、前記第4の流路を流れる処理された前記第4の流体
の流量と、の和を計測し、計測された前記和の値に応じて前記少なく
とも一つの調整器を制御して前記カソード室と前記アノード室との間
の圧力差を調整する制御装置と、  を具備する、電気化学反応装置。

【請求項2】  前記第1の流路の途中に設けられ、前記第1の流体にお
ける二酸化酸素を加湿する加湿器をさらに具備する、請求項1に記載
の電気化学反応装置。
【請求項3】  前記第3の流路の途中であって前記第1の流量計の前
段に設けられ、前記第3の流体を処理して前記第3の流体から前記水
を分離する脱水器をさらに具備する、請求項1に記載の電気化学反応
装置。
【請求項4】  前記制御装置は、計測された前記和の値に応じて前記第
1の流量調整器を制御して前記第1の流路を流れる前記第1の流体の
流量を調整することにより前記圧力差を調整する、  請求項1に記載の
電気化学反応装置。
【請求項5】  前記少なくとも一つの調整器は、  前記第1の圧力調整
器と、  前記第2の圧力調整器と、  を含み、  前記制御装置は、計測
された前記和の値に応じて前記第1の圧力調整器を制御して前記第3
の流路の圧力を調整し、計測された前記和の値に応じて前記第2の圧
力調整器を制御して前記第4の流路の圧力を調整することにより前記
圧力差を調整する、  請求項1に記載の電気化学反応装置。
【請求項6】  前記少なくとも一つの調整器は、前記第2の流量調整
器を含み、  前記制御装置は、計測された前記和の値に応じて前記第
2の流量調整器を制御して前記第2の流路を流れる前記第2の流体の
流量を調整することにより前記圧力差を調整する、  請求項1記載の
電気化学反応装置。

【請求項7】  前記少なくとも一つの調整器は、前記温度調整器を含み、
  前記制御装置は、計測された前記和の値に応じて前記温度調整器を
制御して前記電気化学反応構造体の温度を調整することにより前記圧
力差を調整する、  請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の電
気化学反応装置。

【請求項8】  前記温度調整器は、前記電気化学反応構造体を加熱す
る加熱器を含む、  請求項7に記載の電気化学反応装置。
【請求項9】  前記少なくとも一つの調整器は、前記電源を含み、
  前記制御装置は、計測された前記和の値に応じて前記電源を制御し
て前記電気化学反応構造体に供給される電流または電圧を調整するこ
とにより前記圧力差を調整する、  請求項1ないし請求項6のいずれ
か一つに記載の電気化学反応装置。
【請求項10】  前記制御装置は、計測された前記和を示す第1のデー
タと、前記制御装置に登録された第2のデータと、を比較し、比較結
果に応じて前記少なくとも一つの調整器を制御することにより前記圧
力差を調整する、  請求項1に記載の電気化学反応装置。

【請求項11】  前記制御装置は、計測された前記和の時間経過による
変化を解析し、解析結果に応じて前記少なくとも一つの調整器を制御
することにより前記圧力差を調整する、  請求項1に記載の電気化学反
応装置。
【請求項12】  電気化学反応装置の運転方法であって、  前記電気化
学反応装置は、  二酸化炭素を還元して炭素化合物を生成する還元反
応を促進する還元触媒を有するカソードと、水を酸化して酸素を生成
する酸化反応を促進する酸化触媒を有するアノードと、前記カソード
と前記アノードとの間の隔膜と、前記カソードに面するカソード室と、
前記アノードに面するアノード室と、を備える電気化学反応構造体と、
  前記カソード室の入口に接続され、前記カソード室に供給される前
記二酸化炭素を含む第1の流体が流れる第1の流路と、  前記アノード
室の入口に接続され、前記アノード室に供給される前記水を含む第2の
流体が流れる第2の流路と、  前記カソード室の出口に接続され、前記
カソード室から排出されるとともに生成された前記炭素化合物を含む
第3の流体が流れる第3の流路と、  前記アノード室の出口に接続さ
れ、前記アノード室から排出されるとともに前記水および生成された前
記酸素を含む第4の流体が流れる第4の流路と、  前記第1の流路を流
れる前記第1の流体の流量を調整する第1の流量調整器、前記第2の
流路を流れる前記第2の流体の流量を調整する第2の流量調整器、前
記第3の流路の圧力を調整する第1の圧力調整器、前記第4の流路の
圧力を調整する第2の圧力調整器、前記電気化学反応構造体の温度を
調整する温度調整器、および前記電気化学反応構造体に供給される電
流または電圧を調整する電源からなる群より選ばれ、少なくとも前記第
1の流量調整器を含む、少なくとも一つの調整器と、  前記第4の流路
の途中に設けられ、前記第4の流体を処理して前記第4の流体から前
記水を含む液体を分離する気液分離器と、  前記第3の流路を流れる前
記第3の流体の流量を計測する第1の流量計と、  前記第4の流路を流
れる処理された前記第4の流体の流量を計測する第2の流量計と、を
具備し、  前記運転方法は、  前記カソード室に前記第1の流体を供給
し、前記アノード室に前記第2の流体を供給し、前記電気化学反応構
造体に電流または電圧を供給することにより、前記カソードにおいて
前記二酸化炭素を還元して前記炭素化合物を生成し、前記アノードに
おいて前記水を還元して前記酸素を生成し、
  前記第1の流路を流れる前記第1の流体の流量と、前記第3の流路
を流れる前記第3の流体の流量と、前記第4の流路を流れる処理され
た前記第4の流体の流量と、を和を計測し、計測された前記和の値に
応じて前記少なくとも一つの調整器を制御して前記カソード室と前記
アノード室との間の圧力差を調整する、  電気化学反応装置の運転方法。

【請求項13】  前記カソード室の圧力は、0PaG以上300KPa
G以下の範囲に調整され、  前記アノード室の圧力は、0PaG以上
300KPaG以下に調整され、  前記圧力差は、0PaG以上150
KPaG以下に調整され、  前記カソード室の圧力は、前記アノード
室の圧力よりも高い、  請求項12に記載の電気化学反応装置の運転
方法。
                                                                                         この項つづく

3️⃣特許第7642145号 架橋重合法により製造されたアニオン交換膜を
    備える電気透析装置を用いた、有機溶媒を含む水溶液の電気透析装
    置の運転方法  株式会社合同資源 他
【要約】下図1のごとく、電気透析装置の運転方法は、架橋重合法によ
り製造されたアニオン交換膜を備える電気透析装置を用いて、ハロゲ
ン化物イオンおよび極性有機溶媒を含む水溶液を電気透析する電気透
析工程を含み、前記水溶液が、200mg/L以上のヨウ化物イオン
を含み、かかる電気透析工程において、上記アニオン交換膜が、ヨウ
化物イオンおよび硫酸イオンを含む脱塩液を用いて電気透析試験を実
施したとき、前記脱塩液中のヨウ化物イオン残存率が5%時において
、濃縮液中におけるヨウ化物イオン(I)の透過率(%)をT
硫酸イオン(SO2-)の透過率(%)をTSO4と定義したとき、
/TSO4が3.5以上であるアニオン交換膜を含むものである。】
有機溶媒に対するハロゲン化物イオンの選択透過性に優れた電気透析
装置の運転方法を提供する。

図 電気透析装置の構成の一例を模式的に示す断面図
【符号の説明】【0127】
1  電気透析装置 2  濃縮室 3  脱塩室 4  陽極 5  陰極 6  電
源 7  アニオン交換膜 8  カチオン交換膜 10  廃液 11  廃液
タンク 12、13  ライン 20  濃縮液 21  濃縮液タンク 22、
23、24  ライン 30  脱塩液 31、32  ライン 100  ヨウ
素回収システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】  架橋重合法により製造されたアニオン交換膜を備える電
気透析装置を用いて、ハロゲン化物イオンおよび極性有機溶媒を含む
水溶液を電気透析する電気透析工程を含む、電気透析装置の運転方法
であって、  前記水溶液が、200mg/L以上のヨウ化物イオンを含
み、  前記電気透析工程において、
    前記アニオン交換膜が、ヨウ化物イオンおよび硫酸イオンを含む脱
塩液を用いて電気透析試験を実施したとき、前記脱塩液中のヨウ化物
イオン残存率が5%時において、濃縮液中におけるヨウ化物イオン(
)の透過率(%)をT、硫酸イオン(SO2-)の透過率(%)
をTSO4と定義したとき、T/TSO4が3.5以上であるアニオ
ン交換膜を含む、電気透析装置の運転方法。
【請求項2】  請求項1に記載の電気透析装置の運転方法であって、
  前記電気透析工程において、前記極性有機溶媒が、25℃時の比誘電
率が5以上である有機溶媒を含む、電気透析装置の運転方法。
【請求項3】  請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法で
あって、  前記水溶液は、0.1質量%以上50質量%の前記極性有
機溶媒を含む、電気透析装置の運転方法。
【請求項4】  請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法で
あって、  前記電気透析工程において、終点における吸光度法による脱
塩液中のハロゲン化物イオンの濃度が0.5g/L以上5g/L以下
である、電気透析装置の運転方法。
【請求項5】  請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法で
あって、  前記ヨウ化物イオンを、ヨウ素(I)、ヨウ素酸(HIO
、過ヨウ素酸(HIO)、およびヨウ素化合物からなる群から選ばれ
る一又は二以上を還元処理することにより得る、電気透析装置の運転
方法。
【請求項6】  請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法で
あって、前記アニオン交換膜が、ポリオレフィンを含むベース基材と、
前記ベース基材の片面側または両面側に形成されたイオン選択透過性
層と、を備える、電気透析装置の運転方法。
【請求項7】  請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法で
あって、  前記電気透析工程において、    前記アニオン交換膜が、濃度
50質量%の極性有機溶媒に浸漬する浸漬処理前後におけるイオン交
換容量の変化率が±5%以内であるアニオン交換膜を含む、電気透析
装置の運転方法。
【請求項8】  請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法であ
って、  前記電気透析工程において、  前記アニオン交換膜が、濃度50
質量%のイソプロピルアルコールに浸漬する浸漬処理前後における、
カールフィッシャー法により測定される含水率の変化率が±20%以
内であるアニオン交換膜を含む、電気透析装置の運転方法。
【請求項9】  請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法で
あって、
  前記水溶液に含まれる前記極性有機溶媒の含有量が、1質
量%以上で30質量%以下である、電気透析装置の運転方法。

【請求項10】  請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法
であって、
  前記極性有機溶媒が、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、
ケトン系溶媒、合計炭素数が1~6のカルボン酸、グリコール系溶媒、
ニトリル系溶媒、およびスルホキシド系溶媒からなる群から選ばれる
一または二以上を含む、電気透析装置の運転方法。

【請求項11】  請求項1または2に記載の電気透析装置の運転方法で
あって、
  前記極性有機溶媒が、イソプロパノール(IPA)、ジメチ
ルアセトアミド(DMAc)、およびジメチルホルムアミド(DMF
)からなる群から選ばれる一または二以上を含む、電気透析装置の運
転方法。

【請求項12】 ハロゲン化物イオンおよび極性有機溶媒を含む水溶液
を電気透析する電気透析装置であって、  濃縮室と、  脱塩室と、
  前記濃縮室と前記脱塩室とを仕切る、架橋重合法により製造された
アニオン交換膜およびカチオン交換膜と、を備え、
    前記水溶液が、200mg/L以上のヨウ化物イオンを含み、
    前記アニオン交換膜が、ヨウ化物イオンおよび硫酸イオンを含む脱
塩液を用いて電気透析試験を実施したとき、前記脱塩液中のヨウ化物
イオン残存率が5%時において、濃縮液中におけるヨウ化物イオン(
)の透過率(%)をT、硫酸イオン(SO2-)の透過率(%)
をTSO4と定義したとき、T/TSO4が3.5以上であるアニオン
交換膜を含む、電気透析装置。

(電気透析の評価)
  脱塩液組成中に、少なくともヨウ化物イオン、硫化物イオン、および
極性有機溶媒を含む原液を、脱塩液として、上記で組み立てた電気透
析装置の脱塩室に供給し、濃縮液には純水、電極液には、4%水酸化
ナトリウム水溶液を使用した。
  電気透析の開始から脱塩液中におけるヨウ化物イオンの残存率が1%
に達するまで、適時、脱塩液中に含まれる各成分の含有量を測定した。
印加電圧は10Vの定電圧とした。
  なお、25℃時の極性有機溶媒の比誘電率は、それぞれ、IPAが
19.9、DMAcが37.8、DMFが36.7である。
【0124】  極性有機溶媒を含む脱塩液の電気透析において、ヨウ
化物イオンの残存率が5%時における、濃縮液中におけるヨウ化物
イオン(I)の透過率(%)をT、硫酸イオン(SO)の透
過率(%)をTSO4とし、ヨウ化物イオン(I)の透過率割合を
/TSO4から算出した。
  このとき、Tは(100%-5%)、SOは(100%-「ヨ
ウ化物イオン残存率5%時の脱塩液中の硫酸イオンの残存率」)と定
義した。100%は、電気透析前の残存率を意味する。表1、2中の
測定値であるTおよびTSO4を用いて、上記「T/TSO4」を
求めた。
  なお、実施例3および比較例2は、電気透析の評価を3回実施し、
表2中にはIPAの残存率が最大のものを示した。比較例2の方が、
実施例3と比べて、IPAの残存率の最大と最小の差分が大きく、値
のバラツキが大きいことを確認した。ヨウ化物イオン、塩化物イオン、
硫酸イオンは、イオンクロマトグラフ法により定量した。ナトリウム
イオンは、ICP発光分光分析装置を使用して定量した。有機物の定
量は、TOC計を用いて、Total  Organic  carbon
濃度を測定し、DMAcやIPAに換算した。


【0126】  上記(電気透析の評価)の結果、実施例1および2は、
比較例1と比べて極性有機溶媒の残存率が高く、実施例3は、比較例2
と比べて極性有機溶媒の残存率のバラツキが小さく、実施例4は、比
較例2と比べて極性有機溶媒の残存率が高い結果を示した。
  以上より、各実施例の電気透析方法では、極性有機溶媒を脱塩液に
含む環境下でも電気透析装置が運転可能であり、極性有機溶媒に対す
るハロゲン化物イオンの選択透過性を高められることが可能であるこ
とが判明した。        
                                                                                                     以上

ト音記号 イラストや に対する画像結果


今日の言葉:嬉しい五里霧中(笑)!


               春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                 

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エネルギーと環境 225

2025年04月24日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-

                       関連する画像の詳細をご覧ください。Pirlimpimpim - Contadores de Histórias de Garça/SP: Garça de Antanho
【季語と短歌:4月25日】

        風光る肌寒朝新芽みゆ 

                    高山 宇

🪄室温17℃、相対湿度 55%、ひまわりの芽いまだ出ず。宮沢憲
  治の詩を口ずさみ、アオサギ
ゆうゆうと空を飛ぶ。

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✳️総務省がスターリンク巡り「合意なき周波数共用」可能に、衛星放
送側は強く反発

✳️米、東南アジア経由の中国太陽電池に高関税最高3500%超 
1日 ロイター] - 米通商当局は21日、東南アジアから輸入する
大半の太陽電池について、最高3500%以上に及ぶ高率の関税を最
終決定した。中国企業の不当に安い太陽電池がマレーシア、カンボジ
ア、タイ、ベトナムなどを経由して大量に輸入されているという米企
業からの苦情を踏まえた措置。

関税率には企業や国によって大きな差があるが、昨年秋に発表された
暫定的な税率を総じて大幅に上回っている。
このうち、マレーシアから輸入される中国企業、晶科能源(ジンコソ
ーラー)製品への関税率は41.56%と最低水準。一方、タイから
輸入される中国・天合光能(トリナ・ソーラー)の製品には375.
19%の関税が課される。
カンボジアのメーカーは米国の調査に協力しなかったため、カンボジ
アからの輸入には3500%超の関税を課す。
米国の太陽光発電施設業界団体は昨年、中国の大手太陽光パネルメー
カーが不当な補助金を得て製造コスト以下の価格で東南アジア諸国か
ら製品を輸出していると訴えていた。

 世界最大級256量子ビット…富士通・理研が開発、「超電導量子コン
ピューター」を実現した技術




バイポーラ膜による水解離反応の模式図。水(中央の赤丸と白丸2個)が解離し、生成した水
素イオン(白丸)はカチオン交換膜側へ、水酸化物イオン(赤丸と白丸)がアニオン交換膜側へ
それぞれ移動・分離する様子(出所:共同プレスリリースPDF
)

 ✳️ ナノ極薄触媒シートが水の解離を劇的に促進
4月17日、名古屋大学(名大)と科学技術振興機構(JST)の両者はナノシー
ト集積膜が、陰陽のイオン選択性の異なる2種類の膜を積層して構成さ
れる複合膜である「バイポーラ膜」における水の解離反応を大幅に促
進することを実証したと共同で発表した。近年、さまざまな視点から
持続可能なエネルギー技術の研究開発が進められており、電気化学的
プロセスを効率的に制御・促進するイオン伝導性膜材料への関心を集
めている。
中でもバイポーラ膜は、水から酸(水素イオン)と塩基(水酸化物イオン
)を生成する機能を持つイオン伝導性膜材料として知られ、これまでは
主に医療用途として透析に利用されてきたが、近年は次世代の水電解、
燃料電池、二酸化炭素(CO2)回収、レドックスフロー電池(大規模な電
力貯蔵などに使われるバッテリー)など、幅広い分野での応用が期待さ
れている。バイポーラ膜は、カチオン(陽イオン)交換膜とアニオン(陰
イオン)交換膜という、2種類の異なる高分子のイオン交換膜の積層で
構成される。カチオン交換膜は通常、スルホン酸基などの負に帯電し
た固定基を持ち、水素イオンなどのカチオンのみを選択的に透過させ
る。一方のアニオン交換膜は通常、第四級アンモニウム基などの正に
帯電した固定基を持ち、水酸化物イオンなどのアニオンのみを選択的
に透過させる。両交換膜の界面では、両者のプロトン(水素イオン)濃
度の違いを反映して強電界が生じる。そのため、界面に水分子を導入
すると、水が解離して水素イオンと水酸化物イオンが生成される「水
解離反応」が進行すると考えられている。

     
バイポーラ膜の触媒構造による反応活性点量および電位の違いに関する模式図(出所:共同プ
レスリリースPDF)
この反応により膜の両側にpH(酸性やアルカリ性の強さを示す指標)の
勾配が形成され、片側では酸性環境、反対側では塩基性(アルカリ性)
環境の安定的な構築が可能となるとのこと。この特性により、アノー
ド(陽極)とカソード(陰極)で異なるpH条件下での電極反応を同時に制
御でき、反応効率の最適化が図られる。しかし、実用的なバイポーラ
膜の設計における課題として、水解離反応に伴う高い過電圧(理論的な
電圧に対し、実際に反応を進行させるために必要な追加の電圧)がある
といい、特に水電解やCO2分離といった高電流密度が要求される条件
下では、過電圧の存在はシステム全体のエネルギー効率を著しく低下
させてしまうことが問題となっていた。



(左)ナノシート集積膜を利用したバイポーラ膜の設計。(右)従来型ナノ粒子触媒との重量規
格化電流密度の比較(出所:共同プレスリリースPDF)

近年、界面にナノ粒子などの触媒層を挿入することで水解離反応を加
速させる試みが行われている。しかし、膜厚が数百ナノメートル(nm)
以上に達する近年の高効率触媒層では、バイポーラ膜特有の強電場が
界面のごく近傍でしか有効に作用しないため、厚い触媒層ではその恩
恵が得られにくいことから、バイポーラ膜の根幹である「膜間のプロ
トン濃度差で生じる電場による促進効果」を十分に活用することが困
難だった。そこで研究チームは今回、膜間に極めて急峻な電位勾配を
創出できる、原子1層~数層という極薄の酸化チタンナノシートに着目
し、これをバイポーラ膜の界面に敷き詰めるという新しいアプローチ
を試みた。

アニオン交換膜とカチオン交換膜を貼り合わせるバイポーラ膜の界面
に酸化チタンナノシートを挿入する。従来はナノ粒子を挟んでいたが、
厚さ1ナノメートルのナノシートに置き換え、アニオン交換膜とカチ
オン交換膜の距離を近づけた。従来は数百ナノメートルあった。

新しいバイポーラ膜は水電気分解の過電圧が0・25ボルトと、従来
の半分程度に抑えられた。触媒重量当たりの電流密度は1000倍。
効率的に電力を水分解反応に利用できる。

バイポーラ膜は水分子を水素イオンと水酸化物イオンに分離させる。
二酸化炭素と反応させて化合物を作るなど応用が広がる。
------------------------------------------------------------------------------
【論文情報】 
雑誌名:Journal of the American Chemical Society 
論文タイトル:Molecularly Thin Nanosheet Films as Water Dissociation Reaction Catalysts
Enhanced by Strong Electric Fields in Bipolar Membranes
DOI:https://doi.org/10.1021/jacs.4c17830  

✳️ フッ化物イオン伝導体およびフッ化物イオン二次電池
1️⃣
特開2025-036338 フッ化物電池用電解液、ポリマー
 電解質、及び、
  フッ化物電池 ダイキン工業株式会社他
【要約】】揮発性が低く、かつ、難燃性のフッ化物電池用電解液、並び
に、当該フッ化物電池用電解液を用いたポリマー電解質、及び、フッ
化物電池を提供する。
【解決手段】フルオロポリエーテル及びフッ化物塩を含むフッ化物電
池用電解液。
【特許請求の範囲】
【請求項1】フルオロポリエーテル及びフッ化物塩を含むフッ化物電池
用電解液。
【請求項2】前記フルオロポリエーテルが下記式(1)~(4)の少な
くとも1種である請求項1記載のフッ化物電池用電解液。
(1)R-O-Ra-Rb-O-Ra-R
(2)R-Rb-O-Ra-Rb-R
(3)R-Rb-O-Ra-R
(4)R-Rb-R
(式中、Ra~Raは、それぞれ独立して、フッ素を含まないアル
キレン単位及び/又はフッ素を含まないオキシアルキレン単位を含む
基であり、Ra~Raのオキシアルキレン単位は、それぞれ独立し
て、-CHCHO-又は-CHCH(J)O-であり、Jは、そ
れぞれ独立して、アルキル基又はアリール基であり、Rb~Rbは、
それぞれ独立して、下記式(5)で表されるフルオロポリエ-テル基
であり、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、フッ素
原子、炭素数1~3のアルキル基、アリール基又は炭素数1~3のフ
ルオロアルキル基であり、Rは、それぞれ独立して、フッ素原子、
水素原子、水酸基、アルデヒド基、カルボン酸基、炭素数1~10のア
ルキルエステル基、置換基を有してもよいアミド基又は置換基を有し
てもよいアミノ基である。)(5)-Rf-Rf-O-Rf-(式中、
Rf及びRfは、それぞれ独立して、フッ素原子により置換されて
いてもよい炭素数1~16のアルキレン基であり、Rfは、2価のフ
ルオロポリエーテル基である。)
【請求項3】前記Ra~Raが、それぞれ独立して、下記式(Ra
-I)で表されるポリオキシアルキレン基である請求項2記載のフッ
化物電池用電解液。(Ra-I):
-(CHCHO)r(CHCH(CH)O)s(CHCH(
CHCH)O)t(CHCH(Ph)O)u-(式中、r、s、
t及びuは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数であり、r+s
+t+uは4~50である。)
【請求項4】前記Ra~Raの数平均分子量が40~4000で
ある請求項2又は3記載のフッ化物電池用電解液。
【請求項5】前記Rfが、それぞれ独立して、下記式(Rf-I)で
表されるフルオロポリエ-テル基である請求項2又は3記載のフッ化
物電池用電解液。式(Rf-I):
-(OC12)a-(OC10)b-(OC)c-(O
Rc)d-(OC)e-(OCF)f-(式中、Rcは、
それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子であり、
a、b、c、d、e及びfは、それぞれ独立して、0~200の整数
であり、a、b、c、d、e及びfの和は1以上であり、
a、b、c、d、e又はfが付された各繰り返し単位の順序は任意で
あり、全てのRcが水素原子又は塩素原子である場合、a、b、c、
e及びfの少なくとも1つは1以上である。)
【請求項6】前記Rfが、それぞれ独立して、下記式(Rf-I-I
)、又は、下記式(Rf-I-II)で表される基である請求項2又
は3記載のフッ化物電池用電解液。式(Rf-I-I):-(OC
)d-(OC)e-(式中、dは、1~200の整数であ
り、eは、0又は1である。)式(Rf-I-II):-(OC
)c-(OC)d-(OC)e-(OCF)f-(式中
、c及びdは、それぞれ独立して0~30の整数であり、e及びfは、
それぞれ独立して1~200の整数であり、c、d、e及びfの和は
2以上であり、c、d、e又はfが付された各繰り返し単位の順序は
任意である。)
【請求項7】前記R~Rが、それぞれ独立して、メチル基、エチ
ル基、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチルである請求項
2又は3記載のフッ化物電池用電解液。
【請求項8】前記フッ化物塩が、フッ化アンモニウム又は金属フッ化物
である請求項1~3のいずれかに記載のフッ化物電池用電解液。
【請求項9】前記フッ化アンモニウムがネオペンチル基を有するフッ
化アルキルアンモニウムである請求項8記載のフッ化物電池用電解液。
【請求項10】前記フッ化物塩の含有量0.1~10質量%である請
求項1~3のいずれかに記載のフッ化物電池用電解液。
【請求項11】25℃で液体である請求項1~3のいずれかに記載の
フッ化物電池用電解液。
【請求項12】イオン伝導度が1.0×10-9~1.0×10-4
/cmである請求項1~3のいずれかに記載のフッ化物電池用電解液。
【請求項13】請求項1~3のいずれかに記載のフッ化物電池用電解
液を含むポリマー電解質。
【請求項14】請求項1~3のいずれかに記載のフッ化物電池用電解
液を備えるフッ化物電池。
【請求項15】請求項13記載のポリマー電解質を備えるフッ化物電池。
【詳細説明】
(試験方法)
サンプルを金属製の台に固定し、サンプルの一端にライターの火を近づ
け1秒間保持し、着火の有無を調べた。
評価基準は、着火しない場合(不燃性)や着火してもすぐに火が消える
場合(自己消火性)は○、着火し燃焼し続ける場合は×とした。
【0111】(イオン伝導度測定)
イオン伝導度は、メトラー・トレド社製SevenCompact  
S230を用い、25℃の下で測定した。測定機器はあらかじめ12.
88mS/cmの標準溶液を用いて較正を行ってから使用した。
表1

                                   以下、割愛

✳️ 最新海水脱塩装置技術
1️⃣ 特許7660749 超純水製造方法、超純水製造装置及び超純水製造
   システム  野村マイクロ・サイエンス株式会社(有効)
【要約】図1のごとく、ろ過膜によるろ過処理を含む超純水製造方法
において、ろ過膜は、限外ろ過膜(UF)、精密限外ろ過膜(MF)及
イオン交換膜から選ばれる1種以上であり、(1)及び(2)をいず
れも満たす条件で前記ろ過処理を行う、製造方法。(1)ろ過処理時の
透過水流束が、前記ろ過膜における膜間差圧/透過水流束に応じて定
まる最適透過水流束の0.5倍以上2.0倍以下の範囲内である。(2)
前記ろ過処理における水回収率が50%以上80%未満である。


図1 実施形態の超純水製造方法に用いる超純水製造装置の構成を模
式的に示すブロック図

【符号の説明】
  10、150、500…二次純水装置、11、51、501…純水タ
ンク、12、502…非再生型混床式イオン交換樹脂装置(ポリッシ
ャー)、13、53、503…ブースターポンプ、14…限外ろ過膜装
置、54…限外ろ過膜モジュール、504…限外ろ過膜装置、15、
505…使用場所(ユースポイント)、V1a、Va、V1b、Vb…
バルブ、1a、5a、54a…送水管、1b、5b、54b…排水管
、1c、54c…循環配管、140…ろ過膜装置、140P…第一バ
ンク、140Q…第二バンク、141…第一ろ過膜モジュール、142
…第二ろ過膜モジュール、143…第三ろ過膜モジュール、141a
、142a、143a…送水管、141b、142b、143b……
排水管、100…超純水製造システム、110…前処理装置、120
…一次純水装置、130…二次純水装置、131…純水タンク、13
2…非再生型混床式イオン交換樹脂装置(ポリッシャー)、136…熱
交換器、137…紫外線照射装置、138…膜脱気装置、133…ブ
ースターポンプ、134…限外ろ過膜(UF)装置、135…使用場
所(ユースポイント)、130a…送水管、130c…循環配管

【発明の効果】
  本発明の超純水製造方法、超純水製造装置及び超純水製造システム
によれば、複雑な設備を用いずに、また、造水量の大幅な低下を伴わ
ずに、超純水中の鉄やシリカ等の微粒子数を十分に低減することがで
きる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  原水を一次純水装置と二次純水装置でこの順に処理する超純水製造
方法において、
  前記二次純水装置の末端でろ過膜によるろ過処理を
行い、
  前記ろ過膜は、限外ろ過膜(UF)、精密ろ過膜(MF)及び
イオン交換膜から選ばれる1種以上であり、下記(1)及び(2)を
いずれも満たす条件で前記ろ過処理を行う、製造方法。

  (1)ろ過処理時の透過水流束が、前記ろ過膜における膜間差圧/
透過水流束に応じて定まる最適透過水流束の0.5倍以上2.0倍以
下の範囲内である。

  (2)前記ろ過処理における水回収率が50%以上80%未満である。
【請求項2】
  前記ろ過処理される被処理水は、抵抗率が17MΩ・cm以上、鉄濃
度が3ng/L~100ng/L、シリカ濃度が10~1000ng
/Lである、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
  非再生型混床式イオン交換樹脂装置の処理水を被処理水として前記
ろ過処理する、請求項1又は2に記載の製造方法。

【請求項4】
  前記製造方法で製造される前記超純水中の鉄濃度が1ng/L以下、
シリカ濃度が20ng/L以下である、請求項1又は2に記載の製造
方法。

【請求項5】
  原水を処理して一次純水を製造する一次純水装置と、一次純水を処
理する二次純水装置と、を有す
る超純水製造装置であって、

  前記超純水製造装置は、前記二次純水装置の末端にろ過膜を備えた
ろ過膜モジュールを有し、
  前記ろ過膜は、限外ろ過膜、精密ろ過膜
及びイオン交換膜から選ばれる1種以上であり、

  前記ろ過膜モジュールにおけるろ過処理は、下記(1)及び(2)
をいずれも満たす条件に制御される、超純水製造装置。

  (1)ろ過膜モジュールの透過水流束が、前記ろ過膜モジュールに
おける膜間差圧/透過水流束に応じて定まる最適透過水流束の0.5
倍以上2.0倍以下の範囲内である。

  (2)前記ろ過膜モジュールにおける水回収率が50%以上80%未
満である。

【請求項6】  送水ポンプ、非再生型混床式イオン交換樹脂装置及び
前記限外ろ過膜モジュールをこの順に備える、請求項に記載の超純
水製造装置。

【請求項7】  前記ろ過膜モジュールに供給される被処理水は、抵抗
率が17MΩ・cm以上、鉄濃度が3ng/L以上、シリカ濃度が
100ng/L以上である、請求項に記載の超純水製造装置。

【詳細説明】下記に記載物以外割愛
【実施例】
【0076】
  また、実施例及び比較例における分析方法は以下の通りである。
  鉄濃度:サンプル水を蒸発濃縮して、ICP-MS(誘導結合プラズ
マ質量分析法)で分析した。              
  シリカ濃度:サンプル水を蒸発濃縮して、ICP-MSで分析した。
【0077】【表1】


【0078】【表2】

✳️ 持続的経済政策試論『未来国債④』


財務省亡国論
7章「円安で儲かる」は世界の常識。でも財務雀は動かない
算数で為替レートば計算できる
ただし、ここで述べる話は長い目で見れば成り立つということで、こ
の原理を明日や半年以内の為替の予測に使ってはいけない。
 正直にいえば、半年以内の短期の世界で、為替の動きはほとんどラ
ンダムに近く、正しく予測できる人は、神様のような超能力を持った
人と考えてもいい。
 前に物価は、モノとお金のバランスで決まると説明した。モノに対
してお金が多くなればインフレとなり、モノに対してお金が少なくな
ればデフレとなる。これは、いい換えると、モノとお金のバランスに
よって、両者の価値が変わるということだ。
 つまり、モノに対してお金が多くなれば、お金の価値が下がったと
いうことで、反対にモノに対してお金が少なくなれば、モノの価値が
下がったということである。
 これをドルと円に、置き換えてみればいいだけだ。
 たとえば、量的緩和(176ページ)をすれば、当然、円が増える。
ドルに対して円が多くなるということだから、円の価値が下がる。だ
から円安となるのだ。
円安になれば、輸出が伸びるため、総需要曲線が右にシフトする一因
となる(【図版7-1】)。
 また、量的緩和でなくても、金融緩和は結果的に世の中に出回るお
金、すなわち円の量を増やす。したがって、金融緩和そのものが円安
に振り向ける政策と考えていい。では短期的な為替レートはどう決ま
るのかというと、これはまさに通貨の需要と供給がポイントとなる。
 よく、「円に買い注文が集中して円高になった」などというが、「円
が買われる」といっても、誰かがドルの札束を差し出し、円の札束を
「買っている」のではない。実際には、ドルを円に変換して、円建て
の資産を買っているのだ。
 そのほとんどが、国債だ。たとえば米国債を売って日本国債を買う
ことを「ドルを売って円を買う」というのである。したがって、日々
の為替変動は、どれだけドル建てや円建ての資産が売り買いされたの
か、というバランスで決まると考えていい。



 ドルに対する円の価値を需給曲線に当てはめると、【図版7-1】
のようになる。
円の需要と供給のバランスによって円の価値が決まるから、Pは「ド
ル/円」、Qが「為替の取引高」となる。
 たとえば、ドルがたくさん売られて円がたくさん買われたとしよう。
 これは、円の需要が上がるということだから、円の需要曲線が右に
シフトする(D⇒D’)。相対的に円の価値が高まり、円高ドル安にな
る(P₁⇒P₂)、というわけだ。
 為替市場では、日々、各通貨への需要がランダムに増えたり減った
りしている。
 したがって、この需給曲線では、供給曲線より需要曲線のほうが、
日々、細かく移動していると考えたほうがいい。
 この需要曲線の動きが、どちらに振れるかは明確な法則性はない。
この意味で、短期の予想はできないと前に書いたわけだ。
 供給曲線が動くのは、中央銀行が金融政策をしたときだ。すでに説
明したように、量的緩和や金利引き下げといった金融緩和がとられる
と、その国の通貨が増える。
 たとえば、日銀が金融緩和をすれば、【図版7-1」(243ぺージ)
の供給曲線が右にシフト(S’)する。これが、日々、円買いが増えて
需要曲線が右にシフトし続けP₁からP₂へと円高ドル安が進んでいる
ときに行なわれれば、需要と供給が交わるポイントは、aからbへと
移り、RからRへと円高を和らげることができるのである。
 逆に、たとえばアメリカ政府が日本国債をたくさん買えば、円の需
要が押し上げられ、円高ドル安になる。
 このように、自国通貨の為替相場を理想的に保つために国債を売買
し、通貨の需要を動かすことを、「為替介入」と呼ぶ。
 過去50年間のデータを見ると、ドルに対する円のマネタリーベース
の比が大きい年(ドルに対する円の量が比較的多い年)ほど円安、小
さい年(ドルに対する円の量が比較的少ない)ほど円高になっている。
 なかには例外もあるが7~8割の傾向は、このように説明できる。
 データがこれほど高い相関性を示しているのだから、マネタリーベ
ースと為替は連動しているといっていい。そう考えれば、算数で為替
レートは計算できるのだ。

「近隣窮乏化」を知れば怖くない
 某テレビ番組が200円の超円安になると、預金がおろせなくなる
という話をしていた。また、すべて(物価)が2倍になるともいってい
た。
 円安になる。生活が大変だ。これはよく聞く話である。
 それに加えて、財政出動(158ページ)をしなければならないが、
その際に国債をたくさん出すから、ハイパーインフレになり預金封鎖
つまり引出しができなくなる-というようなロジックだった。
 ある意味、おもしろいといえばおもしろいが、相変らずのツッコミ
どころが満載のトンデモ論である。
確かにこのようなケースで財政出動するというのは、ないわけではな
い。
 ただ、通常は国債発行ではなく、財務省の埋蔵金ともいえる外為特
会(※)などで対応するため、ハイパーインフレにはならない。
 では、なぜ、こんなトンデモ論が出るかといえば、「預金が引き出せ
なくなったときのために、こういう金融商品がいいですよ」という、
金融機関のシナリオ誘導のためである
 もちろん、財務省はハイパーインフレなどにはならないのはわかっ
ているが、素知らぬフリをしている。なぜなら外為特会の話を持ち出
されたくないのと、何度もいうように金融機関はおいしい天下り先だ
からだ。
 そもそも、「円安になって大変だ」という前提からまず違う。
 「近隣窮乏化(Beggar thy neighbour
」という言葉を聞いたことが
ないだろうか。
近隣窮乏化というのは、自国通貨安は自分の国だけ有利で、他の国が
不利になるという話であり、これをきちんと理解していれば、円安な
どまったく恐れる必要はない。
 古今東西より成り立っており、国際機関の計量モデルもあるが、多
くの人は数式を見るとアレルギーを発症するらしいので(本書の担当
編集者は、その筆頭格である)、
                   

図表にまとめた(【図版7-2」/248ページ)。
 円、ドル、ユーロほか、それぞれ円安になると日本だけがプラスと
なり、ドル安になるとアメリカだけがプラス。ユーロ安になるとユー
けがプラスとなる。
 日本の場合、最初はあまり成長しないが、3年目ぐらいに成長率は
1・2%ぐらい上がる。つまり、10%の円安で1・2%GDPがアップ
するという計算になる。
 日米のお金の比の理論値120円(255ページ)を元に、計算し
てみよう(【図版7-3」)。
 120円が300円になったと考えた場合、150%アップとなる。

    
 10%の円安では1・2%GDPがアップするので、150%円安に
なったら1・2%×15=18%GDPがアップするということになる。
 もちろん、これだけでもいいのだが元々GDPは2%ぐらいの成長
があるため、それを足すと20%となる。もちろんより円安になれば、
これにさらに上乗せされる。
 「120円はけしからん!」という人もいるかもしれないが、これは
140円で計算しても、だいたい17%ぐらいになる。そのため、丸め
て20%といっている。ちなみに、10%で1・2%というのは、【図版
7-2】のOECDによるモデル計算によっている。ここがもし違う
となれば、近隣窮乏化は全部崩れることとなる。
 ただ、これはOECDによるモデル計算はもちろんのこと、IMF
そして内開府によるモデル計算もほとんど一緒である。

マネーボール
 
大谷選手と収益機会の共通点
 為替が円安になると、輸出企業が有利になる。輸出企業はエクセレ
ントカンパニー
つまり超優良企業が多いため、それに恩典を与えると
さらにいい。
 この意味がわかるだろうか。
 たとえてみよう。
 ドジャースの大谷選手はなぜ、1番なのか説明できるだろうか。な
ぜ、4番ではないのだろうか。
 セイバーメトリクス(Sabermetrics)という、野球においてデータ
を統計学見地から分析し、選手の評価や戦略を考える手法がある。
 日本では残念ながら遅れている分野らしいが、データで野球を分析
するというもの
で、OPS(On Plus Slugging/打撃指標数)率があって出塁率と長
打率で見て、それらが高い人は得点能力が高いという分析がされる。
 日本だと打率・打点・ホームランというところを、アメリカでは、
セイバーメトリクスの分析順に打者を並べていくのだ。なぜかといえ
ば、そのほうが打順がたくさん回る、つまり数がいっぱいきて収益(
得点)機会が増えるためである。
 ドジャースクラスにもなると、1、2、3番の実力は高いところで桔
抗しているため、その日の調子によって変えてもいいぐらいではある
が、それでも大谷選手が9番になることはあり得ない。こんなにOP
S率が高い人を9番にしていては、もったいないということで、たく
さん打たせるために、大リーグはみんな1番とか2番ぐらいに強打者
が集まるわけだ。
 つまり、非常に優秀な人に対して、収益(得点)機会を与えないと
いうのはおかしな話で、これを円安の話に置き換えると超優良企業(
野球における大谷選手)を1番にすればいいということになる。
 近隣窮乏化はまさに、超優良企業に有利性を与えて収益機会を増や
すということになる。
      
 また、この項目の冒頭で「超円安になると生活が天変になる。すべ
てが2倍になる!」とも騒いでいたテレビ番組の話をしたが、これも
あり得ない。
 経済の輸入に関する比率は全休の2割くらいしかないからである。
輸入価格がたとえ全部2倍(200%)になったところで、2割(
0・2)で40。40%ぐらいしか上がらないのだ(【図版7-4)。
 もちろん円安になって、一部の人は天変なのはわかる。
 ただ、2023年も2024年も70兆円超などというものすごい税
収がある。そういうのを回せばいいだけの話なのだ。
 そもそも、どうしてそんなに税収が増えているのかといえば、企業
活動が良くなっている証左でもある。
 財務省のとっておきの埋蔵金を使わなくとも、そういうフローのお
金を回せば、なんとかなるというレベルの話なのである。

※外為特会(外国為替資金特別会計)
 財務省の所轄であり、外国為替相場の安定(為替相場の急激な変動
の際の為替介入などの対応)のために設けられ、外貨資産を管理して
いる。253
                        この章つづく


今日の言葉:プーチンになめられるな!頑張れ。
  
⛑️  
(CNN) トランプ米大統領は24日、ロシアが同日未明にウ
クライナの首都キーウを攻撃したことに不快感を示し、ロシアのプー
チン大統領を名指しして攻撃を止めるよう求めた。

トランプ氏は自身のSNSに「キーウへのロシアの攻撃には不満だ」
「不要で、タイミングが非常に悪い。ウラジーミル、やめろ!週に5
000人の兵士が死んでいる。和平合意を成立させよう!」と書き込
んだ。(首の皮一枚の「大統領」は必死だ!!)

               春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                 

 

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エネルギーと環境 224

2025年04月24日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-

                                                                         ひまわり(ヒマワリ)の花言葉は?その意味や由来・特徴・育て方 ...
【季語と短歌:4月24日】

        地撒き跡 にわか花守 覗き込む 

                    高山 宇

 大豆は茹でないで!

なぜ?!大豆は茹でてしまうとせっかくの豊富な栄養が
流出してしまうから。どの程度 ロス?

血圧を正常に保つ作用のあるカリウムが約1.5倍
筋肉の動きをスムーズにし、体内の酵素を働きを支えるマグネシウムは…約1.6倍
出血したときに血液を固めるビタミンKは…約1.6倍
髪や肌の健康を保つビタミンB2は…約1.3倍
発育を促す葉酸は…約2.3倍

蒸すとロス少ない!


✳️ エネルギー資源としての
水素とは
水素ガスは液化すると800分の1に体積が小さくなる一方、ボンベや
トレーラーで流通している高圧水素ガスは15~20MPa程度の圧力で約
150~200分の1に圧縮されている。このため、液化水素にすれば同じ
容量の容器に圧縮水素の4倍以上の量を計算上充填できることになる。
また実際の輸送では、高圧水素トレーラー1回当たりの輸送量が約
3,000N㎥であるのに対し、液化水素では最大12倍の3.6万N㎥を一度
に運んで貯蔵することが可能。これは、気体の場合は細長い重いボン
ベを束ねているため、どうしても充填量が少なくなる等の理由による。
このように、液化水素は大量輸送・大量貯蔵が容易なため、ユーザー
にとっては受入頻度の大幅削減・安定供給・省スペースなどのメリッ
トにつながる。
かつて産業用水素の大半は圧縮ガスで流通し、液化水素は宇宙ロケッ
トなど限られた用途のみに使われていたが、2006年に大阪府堺市に液
化水素製造プラント・ハイドロエッジを稼働して以来、液化水素の需
要は着実に増加。また水素は、ヘリウムに次いで沸点が低く-253℃
の極低温で液化する。そのため、水素を液化するときは、水素中の不
純物を取り除いておかないと、水素が-253℃になる過程で、ヘリウ
ム以外の不純物は固化してしまい、製造設備内で閉塞を引き起こすこ
とになる。したがって、液化水素は99.9999%以上の純度となっている。
こうしたことから水素を大量に消費するガラスや金属加工、高純度水
素へのニーズが高い半導体製造、電子部品、自動車関連などの産業分
野で、構内に液化水素のタンクを設置し、利用するユーザーが増えて
いる。「ガスは進化すると液体になる」。
ここでいう進化とは、需要が
増し用途が広がって、大量消費されるという意味で、将来の本格的な
水素エネルギー時代には、水素も液化水素が主役になる。




1️⃣ 特願平03-069310 スラッシュ水素製造装置 岩谷産業株式会社
【特許請求の範囲】
【請求項1】  断熱密閉容器(1)内に収容した液体水素を凍結-融
解を繰り返すことによりスラッシュ水素を製造する装置であって、断
熱密閉容器(1)の下部に液体水素給排路(2)を接続するとともに、
断熱密閉容器(1)の上部に排気路(4)とヘリウムガス供給路(5)
とを接続し、排気路(4)に熱交換器(7)と真空ポンプ(9)とを
断熱密閉容器(1)側から順に配置し、断熱密閉容器(1)内に撹拌
手段(16)を配置し、この撹拌手段(16)を断熱密閉容器(1)
外から駆動可能に構成したスラッシュ水素製造装置。

【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体水素と液体水素とが共存してい
るスラッシュ水素を製造する装置に関する。
【従来技術】従来、スラッシュ水素を製造する原理としては、ジャケ
ット内に液体ヘリウムを流し、内壁に固体水素を氷結させ、スクリュ
ーにより壁面の固体水素を掻き落とす間接冷却法、低温のガス状ヘリ
ウムを液体水素内に吹き込んでヘリウム導入管の先端に固体水素を生
成する直接冷却法、密閉容器内に液体水素を入れ、密閉容器内を三重
点以下の圧力に減圧して液表面部分に固体層を発生させる連続減圧法、
密閉容器内を三重点以下の圧力に減圧して液表面に固体層を発生させ
たのち、密閉容器の内圧を三重点以上の圧力にすることにより、表面
固体層の容器壁面との接触部分を融解させて液内に沈降させる断続減
圧法等が知られているが、効率よくスラッシュ水素を製造する装置は
いまだ開発されていない。
【発明が解決しようとする課題】
間接冷却法によるスラッシュ水素の製造では、固体水素を生成する内
壁とスクリューとのクリアランス設定が微妙で、固体粒子径の均一化
が困難であるという問題があった。また、直接冷却法によるスラッシ
ュ水素の製造では、ヘリウム導入管の先端に形成される固体水素がガ
ス状ヘリウムの流れに沿って筒状に成長することから、撹拌により固
体水素を粉砕する必要があり、この場合でも固体粒子径の均一化が困
難であるという問題がある。【0004】
連続減圧法によるスラッシュ水素の製造では、液層の表面及び容器内
周壁と接触している部分から氷結することから、撹拌を行っても固体
層が破砕されにくく内部をスラッシュ状に形成するのが困難であると
いう問題がある。一方、断続減圧法では、減圧により一旦氷結した固
体を真空度を落とすことにより、容器周壁部分で融解し、液表面に形
成された固体層を液中に沈降させ、一定時間(数秒~十数秒)毎に液
体表面を気相に露出させて固体層の発生を成長を促進することができ
るが、この場合、固体粒子径を均一化することが困難であるうえ、大
型化が困難であるという問題があった。本発明は、このような点に着
目してなされたものであり、固体粒子径の整ったスラッシュ水素を効
率よく製造することのできる製造装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明
は、断続減圧法でのスラッシュ水素製造装置において、断熱密閉容器
の下部に液体水素給排路を接続するとともに、断熱密閉容器の上部に
排気路とヘリウムガス供給路とを接続し、排気路に熱交換器と真空ポ
ンプとを断熱密閉容器側から順に配置し、断熱密閉容器内に撹拌手段
を配置し、この撹拌手段を断熱密閉容器外から駆動可能に構成したこ
とを特徴としている。【0006】
【作用】本発明では、断続減圧法でのスラッシュ水素製造装置におい
て、断熱密閉容器の下部に液体水素給排路を接続するとともに、断熱
密閉容器の上部に排気路とヘリウムガス供給路とを接続し、排気路に
熱交換器と真空ポンプとを断熱密閉容器側から順に配置し、断熱密閉
容器内に撹拌手段を配置し、この撹拌手段を断熱密閉容器外から駆動
可能に構成しているので、真空度を落として固体層を沈降させた際に、
撹拌手段による撹拌で固体を破砕して固体の粒子径を均一化して液体
に混合させることになる。この結果、流動性に優れたスラッシュ水素
を形成することができる。また、撹拌手段で固液混合を行うことから、
大きな内径の断熱密閉容器内で確実に氷結させることができるから、
スラッシュ水素の製造効率を高め、短時間で大量のスラッシュ水素を
形成することができることになる。【0007】

【実施例】図1は本発明装置の概略構成図を示し、図2は断熱密閉容
器の断面図である。図において、符号(1)は断熱密閉容器であり、
この断熱密閉容器(1)に液体水素を収容し、断熱密閉容器(1)内
の圧力を水素の三重点圧力(7 kPa)付近で上下させることによ
り断熱密閉容器(1)内にスラッシュ水素を製造するようにしてある。
【0008】断熱密閉容器(1)の下部には液体水素を断熱密閉容器
(1)内に供給するとともに、形成されたスラッシュ水素を排出する
液体水素給排路(2)が接続してあり、この液体水素給排路(2)に
液体水素充填取出弁(3)が配置してある。また、断熱密閉容器(1)
の上部には断熱密閉容器(1)内のガスを排出する排気路(4)と断
熱密閉容器(1)内に加圧用ヘリウムガスを供給するヘリウムガス供
給路(5)が接続してある。
排気路(4)には断熱密閉容器(1)側から開閉切換弁(6)、熱交換
器(7)、流量調整弁(8)、真空ポンプ(9)が配置してあり、ヘリ
ウムガス供給路(5)には流量調整弁(10)と流路開閉弁(11)
がヘリウムガス供給源(図示略)側から順に配置してある。
【0009】断熱密閉容器(1)は図2に示すように、2重槽に形成
してあり、内槽(12)と外槽(13)との間は真空断熱するととも
に、内外槽間の温度差を小さくするために内外槽間の空間に外槽冷却
用の液体窒素貯蔵槽(14)が配置してある。そして、内外各槽(12)
(13)には覗き窓(15)がそれぞれ形成してあり、この覗き窓(
15)が内槽(12)内の液体水素の状態を視認できるようにしてあ
る。また、内槽(12)の内部に撹拌手段(16)を配置し、この撹
拌手段(16)の回転軸(17)を断熱密閉容器(1)の上部開口(
18)外に配置した駆動モータ(19)で回転駆動させるように構成
してある。そして、この撹拌手段(16)の回転軸(17)と駆動モ
ータ(19)の出力軸とは磁性体を使用したカップリング装置(20
により非接触状態で回転伝動可能に構成してある。
【0010】2重槽で構成した断熱密閉容器(1)の内槽(12)内
には、収容されている液体水素内に突入する状態に熱電対で形成した
温度検出具(21)と密度測定具(22)とが配置してある。なお、
図中符号(23)は温度検出具(21)や密度測定具(22)の出力
信号を処理する制御装置、(24)は覗き窓(15)に対応させて配置
したビデオカメラであり、このビデオカメラ(24)により、液体水
素の状態をモニタできるようにしてある。また、断熱密閉容器(1
)の下部に配管されている液体水素の給排路(2)は断熱処理が施さ
れている。【0011】

次に、このスラッシュ水素製造装置を使用してのスラッシュ水素の製
造手順を説明する。十分に予冷した断熱密閉容器(1)内に液体水素
給排路(2)から液体水素を供給する。この場合、断熱密閉容器(1)
内は大気圧であることから、液体水素温度は20.3K、断熱密閉容
器内の圧力は101.4 kPa、液体水素の密度は70.81kg
/m3である。そして、排気路(4)を開通させて真空ポンプ(9)
を作動させ、断熱密閉容器(1)内の水素ガスを排出することにより、
断熱密閉容器(1)内を水素の三重点圧力である7.3 kPaまで
減圧する。これにより、液体水素の液表面部分及び内槽(12)の器
壁と接触している部分から氷結を開始する。このとき、液体水素の温
度は13.8K、密度は77.06kg/m3、固体水素の温度は13
.8K、密度は86.67kg/m3である。【0012】
そして、減圧後一定時間(10秒前後)が経過すると、排気路(4)
の開閉切換弁(6)を閉弁し、断熱密閉容器(1)内の内圧をわずか
に高めることにより、容器内の圧力は三重点圧力よりも高くなるから
氷結した水素は器壁からの入熱の影響をうけてその器壁と接触してい
る部分から融解剥離し、液表面部分で氷結している固体水素はそのま
ま液体水素中に沈降する。このとき、断熱密閉容器(1)内は撹拌手
段(16)で撹拌されていることから、氷結している固体水素が破砕
され、小さな固体水素として液体水素中に混合される。【0013】

真空度を落としてから一定時間(10秒前後)が経過すると、再び排
気路(4)の開閉切換弁(6)を開弁し、断熱密閉容器(1)から排
気して断熱密閉容器(1)内を三重点圧力まで減圧して、液体水素の
表面部分に固体水素を形成する。このような操作を繰り返して、覗き
窓(15)からの目視結果あるいは、断熱密閉容器(1)内で液体水
素中に突入配置した密度測定具(22)で検出した液体水素密度が三
重点温度での液体水素密度(77.06kg/m3)と三重点温度で
の固体水素密度(86.67kg/m3)との中間値(例えば、81.
54kg/m3)になると、断熱密閉容器(1)内の圧力を三重点圧
力に維持したまま数時間放置する。ここで数時間放置するのは、生成
直後の固体水素粒子はつのが突出した形状であることから流動性を阻
害するが、生成後数時間経過した固体水素粒子はつのが取れた形状に
なって流動性を阻害しない形状に変化するからである。
【0014】一定の放置時間経過後、ヘリウムガス供給路(5)の流
量調整弁(10)を開弁するとともに、液体水素給排路(5)の液体
水素充填取出弁(3)を開弁して、密閉断熱容器(1)内に加圧用の
ヘリウムガスを注入し、密閉断熱容器内(1)からたシャーベット状
のいわゆるスラッシュ水素を取り出す。【0015】

【発明の効果】本発明では、断続減圧法でのスラッシュ水素製造装置
において、断熱密閉容器の下部に液体水素給排路を接続するとともに、
断熱密閉容器の上部に排気路とヘリウムガス供給路とを接続し、排気
路に熱交換器と真空ポンプとを断熱密閉容器側から順に配置し、断熱
密閉容器内に撹拌手段を配置し、この撹拌手段を断熱密閉容器外から
駆動可能に構成しているので、真空度を落として固体層を沈降させた
際に、撹拌手段による撹拌で固体を破砕して固体の粒子径を均一化し
て液体に混合させることができ、流動性に優れたスラッシュ水素を形
成することができる。また、撹拌手段で固液混合を行うことから、大
きな内径の断熱密閉容器内での固体粒子の混合を均一化して氷結時の
核を形成することができ、固体粒子の生成速度を速めてスラッシュ水
素の製造効率を高め、短時間で大量のスラッシュ水素を形成すること
ができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の概略構成図である。
【図2】断熱密閉容器の断面図である。
【符号の説明】
1…断熱密閉容器、 2…液体水素給排路、4…排気路、 5…ヘリウ
ムガス供給路、7…熱交換器、 9…真空ポンプ、16…撹拌手段。
Productions of slush hydrogen and slush nitrogen | Institute of Slush ...
スラッシュ水素(スラッシュすいそ、Slush hydrogen)は、液体水素
よりも低温高密度で、液体水素と固体水素が入り混じった、水素の
重点
における状態である。液体水素を水素融点(-259.14℃)付近
まで冷却することで得られる。この温度では、液体水素と比べ、密度
が16-20%大きくなる[1]。タンク容量を減らし、ロケットの重量を削
減できるため、液体水素の代替としてロケット燃料に用いることが提
案されている[2]。via Wikipedia Hydrogen infrastructure

液体水素:液体水素(えきたいすいそ)とは、液化した水素のこと。
沸点は-252.6℃で融点は-259.2℃である(重水素では、沸点-249.4℃)。
水素の液化は、1896年イギリスジェイムズ・デュワーが初めて成
功した。  
水素燃料の課題: 
製造 水素はもっとも軽い元素であり、地上において水素単体の形で
はほとんど存在していない。このため、エネルギー資源として水素を
直接採取・利用することはできず、必要な量はすべて水素化合物から
エネルギーを使って取り出さなければならない。最も身近な水素化合
物は水である。水を電気分解することで技術的には容易に水素が得ら
れるが、電気分解に消費される電気エネルギーは得られた水素を反応
させて再び得られる電気エネルギーより大きいために差し引きでは損
となる。エタノールや石油精製品から水素を取り出す方法もあるが、
その手間とコストを考えれば、そのままエタノールや石油精製品を燃
料として使用するほうが経済的である。いまのところ水素は天然ガス
と水より触媒を介する水蒸気改質で作り出されている。

保管:水素原子や水素分子は非常に小さいことから、金属の内部に浸
透して劣化させる水素脆化を引き起こす。そのためステンレスなどの
一般的な金属容器では長期保管が困難である。そこで、水素脆化が起
きない材料、水素を吸蔵する水素吸蔵合金、高圧水素用のCFRPボンベ、
冷却して液化水素として運搬・保管する方法などに関する研究開発が
進んでいる。


オルト水素とパラ水素:
水素分子は、それぞれの原子核プロトン
核スピンの配向により、オルト(ortho)とパラ(para)の2種類
の異性体が存在する[5]
常温以上では、オルト水素とパラ水素の存在
比はおよそ3:1であるが、低温になるほどパラ水素の存在比が増し、
対零度
付近ではほぼ100パーセントパラ水素となる[5][6]。オルト水素
からパラ水素への変化は523kJ/kgの発熱反応であり、蒸発潜熱446kJ/
kgより多い。[7]また反応には数日かかるため、数日保管しておくと反
応熱で液化水素が気化してしまう。これを水素のボイル・オフ問題と
いう。              
           以上
✳️ 貯蔵
2️⃣ 特開2025-40820  水素吸蔵システム及び水素吸蔵システムを備え
      た水素エネルギーシステム  鹿島建設株式会社
【要約】下図2のごとく、水素吸蔵システム1は、水素を吸蔵する水
素吸蔵合金40Aを内部に収容する第1領域10Aと、水素を吸蔵す
る水素吸蔵合金40Bを内部に収容する第2領域10Bと、第1領域
10A及び第2領域10Bに収容された水素吸蔵合金40A,40B
の温度をそれぞれ調整する温度調整装置と、を備え、第1領域10A
と第2領域10Bとは、少なくとも一部が伝熱可能な隔壁11によっ
て区画されている。水素吸蔵システム1は、水素を吸蔵する水素吸蔵
合金40Aを内部に収容する第1領域10Aと、水素を吸蔵する水素
吸蔵合金40Bを内部に収容する第2領域10Bと、第1領域10A
及び第2領域10Bに収容された水素吸蔵合金40A,40Bの温度
をそれぞれ調整する温度調整装置と、を備え、第1領域10Aと第2
領域10Bとは、少なくとも一部が伝熱可能な隔壁11によって区画
されている。
000002
図2、本発明の実施形態に係る水素吸蔵システムの概略図

図1、水素吸蔵システムが適用される水素エネルギーシステムの概略図

【符号の説明】【0068】1・・・水素吸蔵システム2・・・水素発
生装置 3・・・水素利用装置 10・・・水素貯蔵タンク 10A
・・・第1領域 10B・・・第2領域11・・・隔壁(伝熱部)
20・冷却装置(温度調整装置)30・加熱装置(温度調整装置)
40A・・・水素吸蔵合金 40B・・・水素吸蔵合金
50A・・・第1循環回路 50B・・・第2循環回路 
100・・・水素エネルギーシステム
【発明の効果】
 水素吸蔵合金による水素の吸着あるいは脱着時において生じる熱エネ
ルギーを有効に利用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  水素を吸蔵する水素吸蔵合金を内部に収容する第1領域と、
  水素を吸蔵する水素吸蔵合金を内部に収容する第2領域と、
  前記第1領域及び前記第2領域に収容された前記水素吸蔵合金の温
度をそれぞれ調整する温度調整装置と、を備え、
  前記第1領域と前記第2領域とは、少なくとも一部が伝熱可能な伝
熱部によって区画されている水素吸蔵システム。
【請求項2】
  請求項1に記載された水素吸蔵システムであって、
  前記第1領域は、全体が前記第2領域の内部に収容されている水素吸
蔵システム。
【請求項3】
  請求項1に記載された水素吸蔵システムであって、
  前記第1領域及び前記第2領域が、交互に配置された水素吸蔵システム。
【請求項4】
  請求項1に記載された水素吸蔵システムであって、
  前記第1領域及び前記第2領域の一方に収容された前記水素吸蔵合
金が水素を吸着した際に発生した熱によって、前記第1領域及び前記
第2領域の他方に収容された前記水素吸蔵合金を前記伝熱部を通じて
加熱する水素吸蔵システム。
【請求項5】
  請求項1に記載の水素吸蔵システムであって、
  前記第1領域において水素を吸着しているときに前記第2領域から
水素を脱着させるとともに、前記第2領域において水素を吸着してい
るときに前記第1領域から水素を脱着させ、これらを交互に繰り返し
行う水素吸蔵システム。
【請求項6】
  請求項1から5のいずれか1つに記載の水素吸蔵システムと、
  前記水素吸蔵システムに水素を供給する水素発生装置と、
  前記水素吸蔵システムから放出された水素を利用する水素利用装置と、
を備え、前記水素発生装置から供給された水素を前記水素吸蔵システ
ムの前記第1領域または前記第2領域のいずれか一方に吸蔵させるの
と同時に、前記水素吸蔵システムの前記第1領域または前記第2領域
の他方から水素を脱着させて前記水素利用装置に供給する水素エネル
ギーシステム。

図3、本発明の実施形態に係る水素吸蔵合金の吸蔵量と水素貯蔵タン
   ク内の圧力との関係を示す特性図である。


図4 水素貯蔵タンクの変形例を示す図

図5 水素貯蔵タンクの変形例を示す図

二年魔前、東京工業大学の研究グループが、100 ℃の低温でアンモニア
を合成する鉄触媒の開発し、赤錆を原料とする安価な鉄と水素化バリ
ウム(BaH2[用語1]
の複合材料を触媒とすることで、100 ℃の低温で
水素と窒素からアンモニアを合成に成功している。
(公開日:2023.04.18)
✳️ 関連特許
1️⃣ 特開2024-5506
9 酸窒化物を触媒担体とするアンモニア分解触媒
      国立大学法人東京工業大学
【要約】低い反応温度かつ低い反応圧力でも高いアンモニア分解活性
を有し、かつ大気中、水中に暴露しても反応を繰り返しても触媒活性
の低下が見られないアンモニア分解触媒を提供する。
【解決手段】本発明のアンモニア分解触媒は、担体に遷移金属を担持
したものである。前記担体が、下記一般式(1)で表わされる酸窒化
物である。
l-x    (1)
(前記一般式(1)において、Aは、Ba及びSrからなる群から選
択される少なくとも1種であり、Bは、Ti及びZrからなる群から
選択される少なくとも1種であり、nは、1又は2であり、mは、
1又は2であり、lは、3又は4であり、xは、0.1≦x≦2.0
で表わされる数を表し;yは、0.1≦y≦1.0で表わされる数を
表す。)

【特許請求の範囲】
【請求項1】  担体に遷移金属を担持したアンモニア分解触媒であって、
  前記担体が、下記一般式(1)で表わされる酸窒化物である
ことを特徴とするアンモニア分解触媒。
l-x    (1)
(前記一般式(1)において、Aは、Ba及びSrからなる群から選
択される少なくとも1種であり、Bは、Ti及びZrからなる群から
選択される少なくとも1種であり、nは、1又は2であり、mは、1
又は2であり、lは、3又は4であり、xは、0.1≦x≦2.0で
表わされる数を表し;yは、0.1≦y≦1.0で表わされる数を表
す。)
【請求項2】前記遷移金属が、周期表第8族、9族及び10族金属元
素から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記
載のアンモニア分解触媒。
【請求項3】前記遷移金属が、Ru、Fe、Co、Niからなる群か
ら選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2
に記載のアンモニア分解触媒。
【請求項4】  前記遷移金属が、Niであることを特徴とする請求項
3に記載のアンモニア分解触媒。
【請求項5】  請求項1又は2に記載のアンモニア分解触媒からなる
触媒層に、体積分率0.1~100%のアンモニアガスを連続的に供
給し、0.01MPa~1.0MPaの反応圧力及び300~800
℃の反応温度下、重量空間速度(WHSV)500/mlg-1-1
以上で接触分解反応させる工程と、を含むことを特徴とする水素の製
造方法。
【発明の効果】【0010】

本発明のアンモニア分解触媒は、低い反応温度かつ低い反応圧力でも
高いアンモニア分解活性を有し、かつ大気中、水中に暴露しても反応
を繰り返しても触媒活性の低下が見られないため、アンモニア分解触
媒として好適である。

【図1】実施例1、比較例1、比較例2におけるアンモニア分解効率
の反応温度依存性を示すグラフである。
【図2】実施例1~3におけるアンモニア分解効率の反応温度依存性
を示すグラフである。
【図3】実施例4における水に対する安定性の評価結果を示すグラフ。
【図4】実施例5及び比較例3における熱に対する安定性の評価結果
を示すグラフ。
【図5】実施例1及び実施例6におけるアンモニア分解効率の反応温
度依存性を示すグラフ。
【図6】実施例1と7、比較例1におけるアンモニア分解効率の反応
温度依存性を示すグラフ。

<アンモニア分解反応>
  5質量%Ni/BaTiO3-xに代えて、上記得られた  5質量
%Fe/BaTiOをアンモニア分解触媒として用いて、実施例1
と同じ条件でアンモニア分解反応を実施した。結果を図7に示す。

【図7】実施例1、8、9及び比較例1、4、5におけるアンモニア
分解効率の反応温度依存性
【0155】  「500℃における水素生成速度」
  Fe/BaTiO触媒:0.86mmol/g・h
【0156】【表1】
000002
*反応条件  温度:500℃  気圧:0.1MPa  WHSV:15000
/mlg-1-1【0157】
【表2】
000003
【0158】(考察)
  Ni/BaTiO3-x触媒は、Ni/BaTiO触媒と比較
して、触媒の比表面積やNiの粒子サイズに大きな違いがないにもか
かわらず、非常に大きな活性差がある。Ni/BaTiO触媒では、
Ni表面が活性点として機能するが、Ni/BaTiO3-x触媒
では、BaTiO3-x上の窒素空孔サイトが活性点として機能す
るためであると考えられる。以前の研究においても、CaNHのよう
窒素含有化合物にNiを担持した触媒を用いると、アニオン空孔サ
イトに生じる電子によってアンモニア分子が直接活性化され、低温で
優れたアンモニア分解活性を示すことを明らかにしている(ACS  
Catal.  2021、11、11005)。Ni/BaTiO3-
触媒においても同様のメカニズムでアンモニア分子を活性化し
ていると考えられる。一方、Ni/CaNH触媒は、大気中や水中で
は不安定であり、速やかに酸化され触媒活性が大きく低下する。Ni
/BaTiO3-x触媒では、安定な酸化物の基本骨格を有するた
め大気安定性、耐水性に優れていると考えられる。

【0159】表1及び表2の結果から分かるように、本実施形態の酸
窒化物を担体として、遷移金属がFe、Coであっても高いアンモニ
ア分解触媒活性を示した。特に、担体として同じBaTiO3-x
を用いた場合、Co>Ni>Feの順を示した。
                       以上
論文情報:
掲載誌 :Journal of the American Chemical Society
論文タイトル :Low-Temperature Ammonia Synthesis on Iron Catalyst
with an Electron Donor
DOI :10.1021/jacs.2c13015

🪄本腰を昨夜から展開している。急遽:電解水素を使用し、アンモニ
ア熱触媒合成法と光触媒炭化水素合成を考案。「デジタル革命渦論」と
「ネオコンバーテック創業論」が的中し改めて背筋が締まる思いだ(笑)。
そこに生成AIがこの成果例を加速させる。東工大に拍手。  

ト音記号 イラストや に対する画像結果『ブラームス交響曲第3番 第3楽章 』




今日の言葉:

              春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』


               

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エネルギーと環境 223

2025年04月23日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-
                         
【季語と短歌:4月23日】
    
       落ち椿 木戸あけ外は 粉糠雨  
 
                   高山 宇

🪄季語がまちまちだしシュール(俗語)に詠むが感じ方は自由。散
  水を逃したが、スマホで「夜わか雨」とありシェリー(機械音声)
  に礼をし翌朝を待つ。予想どうりの小雨、「木戸あけ」は「わかれ」「
  別離」「人並や町並み通り、人情の接点」の比喩を表す。ここでは「
  散水の手間が省けた」と「小糠」に繋げ詠嘆(己惚れ)し、野口雨
  情を偲び、DXに塗れるシニカルな私生活・町内背景を俳句に留める。

📚
保冷車が要らない…日本通運など開発、魔法瓶技術で断熱器材の機能

✳️ 保冷車が要らない魔法瓶技術で断熱器材の機能
日本通運はタイガー魔法瓶)、岐阜プラスチック工業と高性能保冷輸

送器材「プロテクトBOXサーマル」を開発。タイガー魔法瓶のステ
ンレス密封真空断熱パネルと、岐阜プラスチック工業の樹脂製ハニカ
ムパネルを複合し、断熱ユニットパネルを実現。これを器材に採用す
ることで冷凍、冷蔵輸送に必要な蓄冷材や蓄熱材が不要となり、輸送
時の電力使用量も削減する。2025年大阪・関西万博の輸送に活用
する。プロテクトBOXサーマルは、タイガー魔法瓶と岐阜プラスチ
ック工業の技術を複合した断熱ユニットパネルを活用することで、貨
物自体の温度で庫内温度を維持したまま輸送が可能。日本通運は輸送
単位をプロテクトBOXにし、ドライ貨物と保冷貨物の積み合わせ輸
送ができるようにした。これにより、保冷車両が不要となるため、輸
送時の電力使用量と二酸化炭素(CO2)排出量の削減にもつながる。


国内の風力発電累計導入量

✳️ 過去最大の導入量66万kW、「風力発電」
日本風力発電協会によると2024年に国内の追加された風力発電設
備は66万キロワット(120基)だった。単年での増加量としては
過去最大。また、24年末までの累計導入量は584万キロワット(
2720基)となり、再生可能エネルギーで発電した電気の固定価格
買い取り制度(FIT)が始まった12年末時点から2・2倍に拡大
した。
24年は1年間で23カ所に合計70万キロワット(170基)
が新設された。ただ8カ所の4万キロワット(50基)が撤去された
ため、正味で66万キロワット増だった。拡大に貢献したのが、北海
道の石狩湾で稼働した洋上風力発電所。9万9900キロワットと日
本最大の洋上風力発電所となっている。また、陸上を含めた北海道全
体で45万キロワットが追加されるなど、全体の増加をけん引した。
24年の新規導入の風車をメーカー別で見ると独シーメンス製が46
%とトップ。米GEベルノバが34%、デンマーク・ベスタスが17
%で続き、海外製が独占した。
23年度の発電量に占める風力発電の
割合は0・3%。太陽光発電の9・8%と大きな差がある。25年度
も洋上風力発電の新規稼働が控えており、少しは差が縮みそう。

✳️ 固体電解質の変化実測、東北大が成功
燃料電池などの固体電解質の反応中の応力変化を実測することに成功。
電解質が酸化還元され、体積が膨張収縮して歪む過程を測る。電解質
のひび割れ対策や故障対策が可能になる。装置の長寿命化や信頼性向
上につなげていく。

【成果及び背景】
水を電気分解する電解セルや燃料電池などの固体酸化物セルをX線残
留応力測定法で測る。2次元検出器を用いて測定時間を大幅に短縮し
た。市販のYSZ電解セルを観察すると、水素極層の酸化ニッケルが
還元されて収縮した。すると水素極層と積層されている電解質層の圧
縮応力が徐々に増大する様子が観察された。製品の多孔質構造によっ
て還元速度や応力変化速度が変わっていた。
酸化過程ではニッケルが酸化されて膨らむ。すると電解質には引張応
力がかかる。製品によって挙動が大きく異なるが、いずれも表面にひ
び割れが生じて応力が解放された。酸化還元反応中の様子をリアルタ
イム観察できると、安定して動作す
る作業条件を求められる。故障対
策の高度化につながる。新エネルギ
ー・産業技術総合開発機構(NE
DO)事業で実施した。
【展開】
SOC電解質の応力変化をリアルタイムでモニターする手法が確立され
れた。この技術は、健全なセルの作動条件を提案するための指針とし
て役立つことが期待されます。また、今回測定したガスによる酸化還
元過程だけでなく、発電モードや電解モードで電流を流した際の安全
な作動条件範囲を探索することにも有用であると考えられる。今後は、
これらの成果をもとに、SOCのより高性能で長寿命な運用を実現する
ための指針を提供する。
【用語説明】 
注1. YSZ:イットリア安定化ジルコニア(Yttria-Stabilized Zirconia)
の略称。酸化物イオン(O2-)の伝導性を示す代表的な固体電解質。
SOC 電解質として実用化されている。 
注2. グリーン水素:風力や太陽光などの再生可能エネルギーを利用し、
水を電気分解して作る水素。従来の水素は化石燃料を利用して作るた
め二酸化炭素(CO2)が生成される。CO2を大気中に排出する場合は
作った水素をグレー水素、生成したCO2を回収・貯蔵して他の産業に
利用する場合はブルー水素と呼ぶ。これらに対してグリーン水素は
産過程で CO2を排出しない。 
注3. 固体酸化物セル(SOC:Solid Oxide Cell):固体酸化物を電解質
に用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)と、
その逆作動で水蒸気の電気分解で水素を得る固体酸化物形電解セル(
SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell)の総称。SOFC は、家庭用燃料
電池システム エネファームTypeS として、2016 年に株式会社パナソ
ニックから販売された。

✳️ がんピンポイントで狙う「治療薬」効果分析所用時間40分の1
日本原子力研究開発機構量子科学技術研究開発機構(QST)は
18日、ピンポイントでがんをねらう「α線がん治療薬」の治療効果
を決める装置を構築した。核反応から製薬、患者への投薬の各段階で
α線がん治療薬を迅速に分析する。従来法より分析時間が40分の1
となり、複数の装置を使わず1台で分析できる。同日から明昌機工(
が販売する。価格は1台450万円(消費税抜き)から。
α線を放出して、がん細胞を選択的に破壊する特性を持つ放射性元素
に注目。分離した化学形のα線のみを検出することで従来の約200
倍の感度で分析できる。複数の分析手法を使わず1台の装置で完結す
るため、被ばくリスクを抑えられる。装置の小型化も成功した。
従来
はα線がん治療薬を作り、患者に投薬するまでの間に放射性元素を複
数回分析する必要があったが、時間と手間がかかるという課題があっ
た。

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遠心式水素圧縮機「KM Comp-H₂」           実証設備全体図(完成イメージ)

✳️ 設置面積7分の1  川崎重工が世界初建設、液化プラ
   ント向け遠心式水素圧縮機
川崎重工は、開発を進めている水素液化プラント向け遠心式水素圧縮
機「KM Comp-H₂」(以下、本装置)の実証設備建設を2025年2月10
日より播磨工場(兵庫県加古郡播磨町)において開始。
本装置の開発・
実証は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(N
EDO
)のグリーンイノベーション基金事業「水素液化機向け大型高効
率機器の開発」として実施するものです。このたび実証機の製造が完
了し、実証設備の建設に着手した。なお、本装置は水素液化プラント
向けとしては、世界初となる。
今後は、2025年11月の竣工に向けて
建設を進め、竣工後は1年間にわたり実証運転を行う予定。
本装置は、
液化水素の原料となる水素ガスを冷却するために使用する、冷却用水
素ガスを昇圧するプロセスを担います。水素の供給コストの低減のた
めには液化プロセスの効率化が重要であり、半世紀以上にわたり資源・
エネルギー分野で培ってきた圧縮機に関する豊富な実績・知見を活用し
て、より高効率の液化を実現する純度100%の水素向け大型遠心式水
素圧縮機の開発に取り組んでいる。
本装置は、主要部品である新たな
インペラ(羽根車)の開発、大流量化に対応できる遠心式の採用など、
新たな技術革新を行うことで、従来技術による水素圧縮機と比較し、
「高効率、高昇圧、省フットプリント」という特長を実現。

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✳️GHG排出量95%削減 アンモニア燃料船「魁」実証完了

GHG排出量95%削減…アンモニア燃料船「魁」が実証航海を完了

商用利用を前提とした世界初のアンモニア燃料タグボート「魁(さき
がけ)」の実証航海が完了した。同船は日本郵船IHI原動機が
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベ
ーション基金(GI基金)事業の公募採択を受け、日本海事協会の協
力を得て研究開発を行い、2024年8月に竣工。重油使用時と比較
して最大約95%の温室効果ガス(GHG)排出量削減を達成した。
今後も東京湾で曳船業務に従事し、アンモニア燃料船の開発、運航に
係る知見を蓄積していく。

✳️ 水素液化圧縮プラント最新特許
1️⃣ 特開2024-94817 水素プラント 川崎重工業株式会社(請求前)
【要約】下図2のごとく、水素プラントHP1は、水素ガスを液化水
素に変換する第1液化機13Aおよび第2液化機13Bと、水素流路
として第1液化機13Aおよび第2液化機13Bがそれぞれ具備する
第1個別配管21Aおよび第2個別配管21Bと、第1個別配管21
Aおよび第2個別配管21Bの下流端を一つに合流させる合流部Cと、
合流部Cより下流の集合管22と、を含む合流配管20と、第1個別
配管21Aおよび第2個別配管21Bのそれぞれから分岐され、気相
または気液二相の水素流を取り出す第1分岐配管23Aおよび第2分
岐配管23Bと、を備える。複数の水素液化装置から各々液化水素を
取り出す個別配管を一つの集合管に集約する構成を備える水素プラン
トにおいて、前記集合管において液化水素と気体水素との混合を抑制
する。

図2、本開示の第1実施形態に係る水素プラントを示すシステム図
【符号の説明】13  液化機(水素液化装置)
  13A、13B  第1液化機、第2液化機(水素液化装置)  2  輸送
配管  20  合流配管  21A、21B  第1個別配管、第2個別配管(
個別配管)  22  集合管  23A、23B  第1分岐配管、第2分岐配
管(分岐配管)  24  還流配管  25  再利用配管  31  冷却器  32
膨張弁  41、42、43、44  第1バルブ、第2バルブ、第3バル
ブ、第4バルブ(切り替え装置)  5  フラッシュタンク(回収タンク)
  C  合流部  HP  水素プラント
【発明の効果】
  本開示によれば、複数の水素液化装置から各々液化水素を取り出す
個別配管を一つの集合管に集約する構成を備える水素プラントにおい
て、前記集合管において液化水素と気体水素との混合を抑制できる。

図1、液化水素を生産する水素プラントの全体構成を簡略的に示すシ
ステム図
  [水素プラントの全体構成]
  まず、本開示の水素プラントの前提となる、複数台の水素液化装置を
備えるプラントの全体構成を説明する。図1は、液化水素を生産する
水素プラントHPの全体構成の一例を簡略的に示すシステム図である。
水素プラントHPは、原料水素ガスを液化して貯蔵し、貯蔵した液化
水素をキャリア15に荷役するプラントである。水素プラントHPは、
水素ガス供給源11、バッファタンク12、液化機13(水素液化
置)および液化水素貯蔵タンク14を含み、これら要素が水素流路と
なる輸送配管2で接続されてなる。また、水素プラントHPで発生す
るBOGの回収系として、図1では簡略的にBOG供給源18を示し
ている。【0012】
  水素ガス供給源11は、液化水素の原料となる水素ガスを生成する。
原料水素ガスの生成方法としては、メタン等の炭化水素から水蒸気改
質により水素ガスを生成する方法、水の電気分解によって水素ガスを
生成する方法を例示できる。バッファタンク12は、液化機13へ投
入する水素ガスの圧力変動の吸収のため、水素ガスを一時的に貯留す
る。バッファタンク12に対して、水素ガス供給源11およびBOG
供給源18から水素ガスが供給される。【0013】
  液化機13は、水素ガスを液化水素に変換する水素液化装置であって、
バッファタンク12から導入される原料水素ガスを冷却および膨張さ
せて液化し、液化水素を生成する。図1では、液化水素の生産能力の
増強のため、3台の液化機13;第1液化機13A、第2液化機13
Bおよび第3液化機13Cが輸送配管2にパラレルに配置されている
例を示している。もちろん、2台の液化機または4台以上の液化機を
パラレルに輸送配管2へ接続しても良い。【0014】
  第1液化機13A、第2液化機13Bおよび第3液化機13Cはそれ
ぞれ水素流路として、輸送配管2から並列に分岐された第1個別配管
21A、第2個別配管21Bおよび第3個別配管21Cを備えている。
これら個別配管21A、21B、21Cの下流端は、合流配管20に
より一つの配管に集約されている。合流配管20は、個別配管21A、
1B、21Cの下流端を一つに合流させる合流部Cと、合流部Cより
も下流側の集合管22とを含む。【0015】
  液化水素貯蔵タンク14は、液化機13で生成された液化水素が導入
され、導入された液化水素を保冷しつつ貯蔵する。液化水素貯蔵タン
ク14は、図1に示すような球形、もしくは平底円筒形のタンクであ
る。液化水素貯蔵タンク14としては、液化水素の貯蔵空間を区画す
る内槽と、この内槽の外側に配置される外槽と、前記内槽と前記外槽
との間に配置される保冷層と、を含む多重殻タンクを例示できる。前
記内槽と前記外槽との間に中間槽を有する三重殻タンクを用いてもよ
い。【0016】
  図1では、集合管22の下流側に、3基の液化水素貯蔵タンク14
;第1貯蔵タンク14A、第2貯蔵タンク14Bおよび第3貯蔵タン
ク14Cがパラレルに配置されている例を示している。これらタンク
の各上流側には、第1選択弁16A、第2選択弁16Bおよび第3選
択弁16Cがそれぞれ配置されている。3台の液化機13A~13C
で生産された液化水素は、選択弁16A、16B、16Cが適時開閉
されることで、3つの貯蔵タンク14A、14B、14Cに分配され、
貯蔵される。例えば、選択弁16A、16B、16Cのいずれか一つ
が「開」とされ、残りが「閉」とされることで、集合管22と貯蔵タ
ンク14A、14B、14Cのいずれか一基とが連通状態とされ、生
産された液化水素が送り込まれる。あるいは、選択弁16A、16B、
16Cのいずれか二つを「開」とする、もしくは全てを「開」として、
3つの貯蔵タンク14A、14B、14Cのうちの二基、もしくは三
基全てに同時に液化水素を送り込むようにしても良い。なお、液化水
素貯蔵タンク14は、大型の一基のタンクであっても良いし、4基以
上のタンクで構成されても良い。【0017】
  これら貯蔵タンク14A、14B、14Cの各下流側の配管には、こ
れらタンク内に貯蔵された液化水素を送り出す第1ポンプ17A、第
2ポンプ17Bおよび第3ポンプ17Cがそれぞれ配置されている。
ポンプ17A、17B、17Cの稼働により、貯蔵タンク14A、14
B、14Cから液化水素がキャリア15へ払い出される。キャリア15
は、例えば受け入れ基地へ液化水素を搬送する水素運搬船やローリー
である。【0018】
  BOG供給源18は、水素プラントHPで発生したBOGを集約し、
その再液化のためBOGをバッファタンク12へ供給する。液化水素
貯蔵タンク14で貯蔵中の液化水素の蒸発により発生するBOGや、
液化水素貯蔵タンク14からキャリア15への液化水素の荷役時に発
生するBOGを集約する機構が、BOG供給源18となる。【0019】
  以上の通り構成された水素プラントHPでは、パラレルに設置された
第1液化機13A、第2液化機13Bおよび第3液化機13Cのうち、
いずれか1台または2台を通常運転しつつ、2台またはいずれか1台
を起動または停止する運用を行うことがある。例えば、液化水素の生
産量の調整のため液化機のパラレル運転台数を切り替える場合や、い
ずれかの液化機の修理もしくはメンテナンスを行う場合などである。
【0020】  この場合、起動または停止を行った液化機13A、13
B、13Cの個別配管21A、21B、21Cに、気相または気液二
相の水素流、つまり常温の水素ガスや、液化し切れていない気液二相
の水素流体が流れることがある。例えば、第1液化機13Aが休止状
態にあって、第2液化機13Bおよび第3液化機13Cが通常運転を
行っている状態を想定する。この状態から第1液化機13Aを起動す
ると、当該第1液化機13Aが内蔵する冷却系による原料水素ガスの
冷却が不十分なことに起因して、第1個別配管21Aには、起動当初
は常温の水素ガスが流れ、その後は気液二相の水素流体が流れる。こ
れらの水素流は、合流部Cから集合管22へ送られる。【0021】
  他方で、通常運転を行っている第2液化機13Bの第2個別配管21
と、第3液化機13Cの第3個別配管21Cには、過冷却度を持った
液化水素が流れ、合流部Cから集合管22へ送られる。このため、集
合管22では、過冷却度を持った液化水素と水素ガスもしくは気液二
相の水素流体とが混合する。この場合、ハンマリングが発生し、集合
管22の振動、騒音ないしは損傷を生じさせることがある。【0022】
  3台の液化機13A、13B、13Cが通常運転を行っている状態か
ら、第1液化機13Aだけを停止させる場合にも、同様の事象が生じ
る。第1液化機13Aを停止させると、当該第1液化機13Aの前記
冷却系が冷却能力を徐々に失うことにより、気液二相の水素流体もし
くは水素ガスが第1個別配管21Aを流れる。一方、第2個別配管21
および第3個別配管21Cには、過冷却度を持った液化水素が流れ続
ける。従って、集合管22では、過冷却度を持った液化水素と水素ガ
スもしくは気液二相の水素流体とが混合してしまう。個別配管21A、
21B、21Cに排気弁を取り付け、液化機13A、13B、13C
の起動または停止を行う場合に、気体水素を廃棄することも考えられ
る。しかし、液化機13の立ち上げもしくは立ち下げには数日を要す
ることもあり、監視負担や廃棄ロスが大きくなる。このような問題を
解決する本開示の実施形態を以下に示す。【0023】以下、省略

【特許請求の範囲】
【請求項1】  水素ガスを液化水素に変換する複数の水素液化装置と、
  水素流路として前記複数の水素液化装置のそれぞれが具備する個別配
管と、  各水素液化装置の前記個別配管の下流端を一つに合流させる
合流部と、前記合流部より下流の集合管と、を含む合流配管と、  前
記複数の個別配管のそれぞれから分岐され、気相または気液二相の水
素流を取り出す複数の分岐配管と、を備える水素プラント。
【請求項2】  請求項1に記載の水素プラントにおいて、  前記複数の
分岐配管の下流端に配置され、前記水素流を受け入れる回収タンクを
さらに備える、水素プラント。
【請求項3】  請求項2に記載の水素プラントにおいて、  前記回収タ
ンクは、受け入れた水素流の液体分を気化させる熱交換並びに減圧機
能を備える、水素プラント。
【請求項4】  請求項2または3に記載の水素プラントにおいて、  前
記回収タンクから水素ガスを前記水素液化装置の上流端に戻す還流配
管をさらに備える、水素プラント。
【請求項5】  請求項2または3に記載の水素プラントにおいて、  前
記回収タンクから水素ガスを、他の水素ガス利用設備へ導く再利用配
管をさらに備える、水素プラント。
【請求項6】  請求項1~3のいずれか1項に記載の水素プラントに
おいて、  前記水素液化装置内の前記個別配管における水素流の温度
に基づいて、前記水素液化装置の下流側の水素流の流動先を、前記集
合管または前記分岐配管のいずれかに切り替える切り替え装置をさら
に備える、水素プラント。
【請求項7】  請求項1~3のいずれか1項に記載の水素プラントに
おいて、  前記水素液化装置は、原料水素ガスを冷却する冷却器と、当
該冷却器で冷却された水素ガスを膨張させて液化する膨張弁と、を含
み、  前記分岐配管は、前記膨張弁の出口と前記合流部との間において
前記個別配管から分岐されている、水素プラント。
【請求項8】  請求項1~3のいずれか1項に記載の水素プラントに
おいて、  前記水素液化装置は、原料水素ガスを冷却する冷却器と、
当該冷却器で冷却された水素ガスを膨張させて液化する膨張弁と、を
含み、  前記分岐配管は、前記冷却器と前記膨張弁との間において前
記個別配管から分岐されている、水素プラント。
                          以下割愛

🪄プラント建設には関わった経験はあるものCAD設計じゃ初心者レ
ベルだが「プラント建設便覧」は読破しているので、何とか理解はで
きるが、Know-howは貧弱だ。まして、高圧はこれからだ(笑)。


OLEDディスプレイ評価キット


ト音記号 イラストや に対する画像結果 『釜山港へ帰れ テレサ・テン Teresa Teng 鄧麗君』




         『木戸をあけて~家出する少年がその母親に捧げる歌~小椋佳』



✳️ 持続的経済政策試論『未来国債⓷』


財務省亡国論
6章 何が何でも増税したい 「財務省のウソJ
財務省もびっくり!
恥の限界突破を果たした税金その名は「森林環境税」
 森林環境税として、2024年6月からI人年額1000円がまた
取られる。
 はっきりいってこれはけしからん話で、税理論からもまったく正当
化ができない。
こんなのがまかり通っているのは、変だ。
話は2019年の安倍政権のときにさかのぼる。
 税制の話になると政権の首相ですら、あまり関与できない。自民党
のインナー(政策分野ごとにある調査会や部会にかかわる、一部の限
られた幹部たち)というのが、ものすごい力を持っているためであり、
そこに官僚が仕掛けていったのだ。
 ただ、これまた財務省の策略かと思いきや、総務省がメインである。
意外かもしれないが、じつは税制調査会は総務省と財務省で回してお
り、何種類かある震災復興税のうち、所得税に0・21%引かれて払う
のは財務省の管轄。住民税は各自治体の話だが、国としてなにかを制
度にするときには、総務省の管轄となり地方税の扱いとなる。その住
民税に、震災復興税としてプラスして年額1000円を払っていたが、
期限が切れる。期限が切れるから今度は森林環境税として、国税とし
て国民に払ってもらおうと、総務省のやつらが考えたのである。
 同じ1000円なら、わかりはしないだろうと思ったのだろうとい
うのは想像に難くない。
 国税でとってもしょうがないから、総務省はそれをすぐに交付金で
各自治体に払うという。総務省からすると、今まで住民税として取っ
ていて地方自治体がやっていたことをそのままにして、自分のところ
=総務省を経由して払うというかたちで、恩を売るという話である。
悪の親玉財務省も真っ青の、あらゆる意味でひどい話が、どさくさ紛
れで通ってしまった。
 地方としては、今まで住民税の1000円上乗せは、自分のところ
ですぐ使っていたのが、今度は森林環境税といっているため、何に使
っていいかわからない。
 これは東京都ももらっているけど、今のところは使っていない自治
として積み上がっている。
 森林の関係で使えといわれても、森林がないところもある。東京だ
と森林は多摩のほうに行かないとほぼないため、23区はお金をもらっ
ているだけになり、非常に変な税金であることは間違いない。
 また、元々地方では森林税というのがあり、たとえば横浜市もとっ
ている。さらに神奈川県としても森林税をとっている。さらにこのた
びの森林環境税(国)。二重どころか三重で、もうわけがわからない
が、場所によってはほとんどないにもかかわらず、森林に対してめち
ゃくちゃ税金を払っているというわけだ。
 じつは二重課税の典型として、市ではなく県で取ってるところは多
い。40県弱あったと思う。

総務省は応益税ど応能税を理解していない
 そもそも国税としての森林環境税は、その名の通り森林のいろんな
保護とかそういうものを目的としているので、「応益税」(個人の便益
に応じて払う税)である。
応益税は、税の理論でいうと地方税のみ。「これこれをしますから、
メリットのある人は払ってください」という意昧なのだから、それは
そうである。
 これを国税でやるのは、そこからして間違いなのである。
 所得税が典型な例だが、国税は応能税(個人の支払い能力に応じて
払う税)であり、国税でこのような応益税を取っているのは、いまま
で間いたことがない。
 さすがの財務省もかっこ悪すぎて、こんなことはいえないはずだ。
 総務省のよくわかってないやつが、「いいこと思いついた!」とば
かりに得意気にいい出したのだと思われる。だから主犯は総務省
 ただ、一緒に税制改正大綱をやってるから、財務省は共犯である
こんなの税理論から見ても、恥ずかしくていえないような話だが、税
金はとれるし財務省が主導したわけではないので、赤っ恥をかくのは
総務省。気がついていないフリをしているのかもしれない。
 地方税として従来住民税でとっていたのを、国税に振り替えてやる
なんてどこからそんな発想が出てきたのだろうか。住民税だから住民
税の1000円上乗せが終わったら、それでおしまいというのが普通
だろう
 そこに総務省が知恵をつけたというか、悪知恵-いや、悪辣といっ
てもいい過ぎではない。話にならない。国税に振り替えた。でも、こ
ういうのは振り替えてはいけない。そもそも租税理論を完全に無視し
ている(無知なだけかもしれないが、それはそれでお粗末な限りであ
る)。振り替えてはいけないのに振り替え、総務省が使いきれないか
ら、地方自治体に交付金で返しているが、こんなのとんでもない税制
度だ。
 あらゆる意味で、過去にも海外でもなかなか見当たらないほど、ひ
どい税金である。

 財政論を勉強している大学生でも、国税は応能税で地方税は応益税
だとみんな知っている。教科書にも書いてある大前提だ。

 租税理論をやっているときに、国税と地方税は何か違うのかといえ
ば、国の方は所得再分配みたいなことがあるから応能税で、地方は行
政サービスをたくさんするから、行政サービスに応じて税金を取らな
くてはならないから応益税というのは、地方財政の教科書の最初に出
てくる話だ。そのとき生徒から、森林環境税は国税なんですけど、ど
っちですか? と聞かれたらアウトだろう。これは授業が成立しない
くらいに、ひどい話だ。それなのに誰も指摘しない。要するに財務
省と総務省に忖度しているのだ。 
    恥ずかしいなんてものではない。世の中にはこういうひどい話があ
るのだ。
 自分たちの欲に目がくらんで、税金の理論すら無視して国民から税
金という名目でお金を巻き上げる。詐欺まがいというか、本当にとん
でもない話である。
 こんなやつらに、恥を知れといっても、なにも響かないからこんな
ことをしでかすのだろうが、厚顔無恥の極みであろうと、「とんでも
ない話だから変えろ」と強く声をあげていかないと道理がまったく立
だなくなる。

財政論をやている人は、瞳を抜かす

 ただ、私の直感でいえば「総務省の話ですね」って、財務省は意外
に簡単に手を引いてしまうかもしれない。さすがにここまでデタラメ
だと、財務省の名誉にかかわる
ほどに恥ずかしい。
 いくらなんでも、やっぱり財務省は結構ロジックを重視するところ
だから恥ずかしいとなる。ただ、もはや、恥ずかしさを通り越して、
ここまで厚顔だとむしろ別の意味で「すごい」と思ってしまいかねな
いのが、不思議でもある

恥の限界突破をした税金、森林環境税
 普通に財政論やってる人が見たら、腰を抜かすような税金。何度で
もいうが財政論の講義で、最初に絶対習うのが国の方は応能税で地方
の方は応益税。
 「先生、森林環境税は国税なんですけどどういうような税金ですか
?」と問いたらお
もしろい。みんなアワアワとなる。その代わり単位がもらえるかもら
えないかは私は知らない。
 私であれば、こういういい質問した人にはもう優だ。「よく問いた!
 よく問いた!」と。ただし一般には分からない。それは先生の性格
を見て質問するにしろ、考えてほしい。

7章「円安で儲かる」は世界の常識。でも財務省は動かない
金融緩和=円安に振り向ける政策

金融緩和策(152ページ)は、為替にも影響する。
結論からいえば、日銀が国債を買うと「円安」になるのだ。
 はたして読者のなかに、為替がどうやって決まるかをちゃんと説明
できる人は、どれくらいいるだろうか。というのも、日本のマスコミ
が為替について説明する際には、ほとんどが「誰かの発言がきっかけ
で円安に動いた」程度であり、為替が決まるメカニズムにまで言及す
ることは少ないからだ。
 エコノミストが出てきて解説する場合でも、せいぜい日米の金利が
こうなったから為替が動いた、などと説明するだけだ。

 あたりまえの話だが、日本の経済は国内だけで回っているのではな
く、海外ともつながっている。国内で作ったモノを海外に輸出したり、
モノを海外から買ってきて国内で売ったりする。海外にはそれぞれの
国の経済があるため、その国で出回っている通貨と円を交換しなけれ
ば、海外との取引は成立しない。
 そこでご存じ「為替」の登場である。よく聞く「円安ドル高」「円
高ドル安」といった話だが、わかっているようでわかっていない人が
多い。
 そもそも為替レートがどのように決まるか、知っているだろうか。
 これは非常に簡単な話だ。ドルと円で考えてみよう。
 まず、為替レートは「二つの通貨の交換比率」で決まる。字面から
難しく感じるかもしれないが、要するにモノとお金を交換するのとま
ったく同じだ(142ページ)。
つまり、物価が決まる仕組みと同様に考えれば、為替も理解できるわ
けである。ドルの量と円の量のバランスによって、為替レートは決まる
のだ。
 ここでふたたび出てくるのが、マネタリーベース(59ページ)であ
る。円のマネタリーベースに対してドルのマネタリーベースのほうが
多ければ、ドルの価値が下がって円が上がる。少ないほうの通貨の希
少性が高まるため、価値が高くなるといってもいいだろう。これは「
マネタリーアプローチ」と呼ばれ、国際金融では常識となっている考
え方である。
 このように、交換比率で決まる為替レートは、長い目で見れば、じ
つは単純な計算で予測できる。
 円とドルの為替レートなら、円のマネタリーベースをドルのマネタ
リーベースで割り算すれば、1ドルあたり何円くらいかがだいたいわ
かるのだ。今の割り算では、小さな変動のすべてをとらえることはで
きないが、長期的に見た場合、為替とは単にマネタリーベース同士の
割り算なのだ、ということは知っておいて損はない。
 為替を複雑なものだと思っていたのなら、まるで冗談のように思え
るかもしれない。
 しかしマネタリーベースと為替の運動性は、データ的に整合性がと
れていることなるのだ。
                        この項つづく

🪄著者の出版物
はほぼ目を通しているので、いまのところ、目立っ
  た疑義反論はなく全編読み通し再考する(後2,3日である)。



今日の言葉:

              春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

               

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エネルギーと環境 222

2025年04月22日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-

                 

【季語と短歌:4月22日】
    
       落ち椿 秋桜の芽に アオジ鳴く 
 
                   高山 宇

🪄秋桜の発芽に被さる落ちつばき ポッドに水やり時取り除く、後は
向日葵の発芽確認と時間決めに、坂道端の美化花壇(自腹)を確認に
き小鳥の囀り。それ以外はお馴染みの烏の鳴き声を後にして、『鳥百科』
でアオジと断定(7時30分頃)。

✳️ 海水循環利用ビジネス概論(経歴:2025.04.22現在)
📚 

2024.06.14 海水循環利用ビジネス概論①
2024.06.25 海水循環利用ビジネス概論⓶
2024.06.27 海水循環利用ビジネス概論⓷
2024.06.28 海水循環利用ビジネス概論④
2024.06.30 海水循環利用ビジネス概論⑤
         最新海水淡水化システム・装置技術①
2024.07.01 海水循環利用ビジネス概論⑥
                      最新海水淡水化システム・装置技術② 
2024.07.02 海水循環利用ビジネス概論⓻
                    最新海水淡水化システム・装置技術➂  
2024.07.03    海水循環利用ビジネス概論⑧
       最新海水淡水化システム・装置技術④
2024.07.04    海水循環利用ビジネス概論⑨
       最新海水淡水化システム・装置技術⑤

🪄昨年度6月から特集を時系列で整理、いよいよ、本腰です。それに
 してもこの五年間も激動だね。特に『サニー・ボーイズ・クラブ』の
 会員の別れが続いており、私を含め輩との別れも続くに違いない(涙)。


図: 電池のエネルギー密度と出力密度の関係

✳️ リチウム空気電池の出力電流を従来比10倍
3月11日物質・材料研究機構(NIMS)は成蹊大学との共同研究によ
り、リチウム空気電池の高出力化に成功した。カーボンナノチューブ(
CNT)からなる高空隙の電極を開発したことで、出力電流を従来に比
べ10倍向上。(EETimes Japan、2025.04.11)
【概要】
リチウム空気電池は、リチウムと空気中の酸素を使って放電・充電す
る二次電池。リチウムイオン電池と比べて5-10倍の高エネルギー密度
化が可能で、電池の圧倒的な軽量化・大容量化を実現する蓄電技術と
して注目されているが、リチウム空気電池の電池反応は非常に遅く、
微弱な出力電流でしか得られない。リチウム空気電池に蓄電されてい
る大きなエネルギーを活用するには、リチウム空気電池の抜本的な高
出力化が必要とされていた。
画像 1
リチウム空気電池の構造とカーボン電極
リチウム空気電池の構造とカーボン電極[クリックで拡大] 出所:NIMS
リチウム空気電池セルの内部抵抗成分と電解液による放電特性の違い[クリックで拡大] 出所:NIMS
リチウム空気電池セルの内部抵抗成分と電解液による放電特性の違い 出所:NIMS

【成果】
今回、研究チームはリチウム空気電池の高出力化に必要な電極を開発し
た。カーボンナノチューブを用いて
電極を高空隙化することで、酸素の
高効率吸収が可能
となりました。さらにこの電極を酸素の拡散輸送に
優れる電解液
と組み合わせることで、従来に比べて1ケタ以上の出力電
流向上に成功した。このリチウム空気電池の重さあたりの出力密度を調
べたところ、ドローンがホバリングに必要とする電力を供給できること
が分かった。開発した高空隙カーボン電極と低粘度アミド電解液を用い、
リチウム空気電池を試作した。ここでは、カーボン電極の上に薄いガ
ス拡散層を設け、ガス拡散層の断面方向から酸素ガスを交換する電池
構造とした。電解液の揮発を抑える構造としたことで、長時間の電池
試験が可能となった。
【展望】
この成果をもとにリチウム空気電池セルのスケールアップを図ること
で、小型ドローンやマイクロロボットの電源として利用できる超軽量
&大容量バッテリーの開発を目指していく。
【掲載論文】
題目 : Highly porous carbon nanotube air-electrode combined with l

ow-viscosity amide-based electrolyte enabling high-power, high-
energy lithium-air batteries

雑誌 : Journal of Power Sources
掲載日時 : 2025年2月9日
DOI : 10.1016/j.jpowsour.2025.236426(別ウィンドで開く)
【参考】リチウムイオン電池の電極作製工程【リチウムイオン電池の製造(組立)工程

図: スピントルク熱アシスト磁気記録の原理。レーザーによる加熱により MnPt 層に温度差
が生じ、それによってスピン(緑色矢印)が FePt 層に注入されます。 このスピンはスピント
ルクを生み出し、磁化反転を補助します。従来の熱アシスト磁気記録では熱による磁化の変
化のみが記録に寄与していましたが、本研究ではスピンが新たな磁化制御の役割を果たす。

✳️ HDDの記録効率を35%向上させる記録原理を開発
【概要】
物質・材料研究機構(MIMS)は2025年2月、Seagate Technologyと
の共同研究で、HDDの記録効率を35%向上させる新たな記録原理を開
発、HDDへの応用が可能なことを実証した。磁気記録時のエネルギー
を削減し、HDDの耐久性と信頼性の向上につながるとみる。

【成果・展望】
鉄白金(FePt)ナノグラニュラー媒体( HDDに使⽤される⾼い熱安定性
を持つ磁性材料。ナノメートルサイズの粒⼦が記録層を形成し、⾼密度
記録に適している。)への適用を進め、スピントルク熱アシスト磁気記
録をHDDの主要記録方式として実用化することを目指す。これにより、
HDDの大容量化や消費電力の削減が可能となり、次世代HDD技術の発
展を期待できる。

Coming Soon: Low-Cost Mini Fabs - EE Times

✳️ ミニマルファブの時代がやってくる!
米国と英国の企業が、相次いでミニマルファブ(省スペースに構築でき
る半導体工場)の販売を開始した。3000万米ドル規模で工場を構築で
きるので、アフリカやグローバルサウスといった、これまで半導体工場
を建てられなかった地域にも、工場ができる可能性が出てくるという。

📚 半導体工場を3000万ドルで構築
2つの企業が、小さなスペースに構築できる半導体製造工場(ミニファ
ブ)の販売を開始した。一般的な半導体ファブの建設コストが数十億
米ドル以上であるのに対し、ミニファブは半導体製造施設全体をわずか
3000万米ドルで構築できるという。
ニファブは、小売ラベリングや
家電製品向けの旧世代のパワー半導体やフレキシブルチップの製造に
向ける。英国を拠点とするPragmatic Semiconductor(Pragmatic)
のCEOを務めるデビット・ムーア氏は米国EE Timesのインタビューで「
同施設は、かつては半導体製造には現実的ではないと考えられていた
場所にも建設できる」という。
英国を拠点とするプラグマティック社は、
同社の「ファブ・イン・ア・ボックス」は、200億ドルかかる典型的な
半導体工場に比べて桁違いにコストが安く、生産開始までの時間も約3
分の1になるという。
「通常は3~5年かかる新ラインを、わずか12~14
ヶ月で構築することが可能」と、プラグマティックのCEO、デイビッド・
ムーア氏は話す。「工程数を減らし、よりコスト効率の高い材料を使用
することで、製品全体のコストをより最適化することができる。」





Pragmaticの「Fabs-in-a-Box」は、一般的な半導体ファブの価格帯(
20
0億米ドル)と比べて桁違いに低コストで、生産を開始までの時間も
3分の1に抑えられるという。Moore氏は「一般的な工期が3~5年で
るのに対し、わずか12~14カ月で新しいラインを構築することがで
る。工程数を減らし、費用対効果の高い材料を使用しているため、
品全体のコストをより最適化することができる。

大西洋を越えた米国では、ナノトロニクス社が自社の「キューブファブ」
で最先端のパワー半導体を上回る性能を持つデバイスを製造できること
を実証した。
「熱特性を維持しながら、より高いキロボルトを実現して
いる」と、ナノトロニクスのCEO、マシュー・プットマン氏はEE Times
に語った。「現在、これらのチップを製造しており、半導体企業と協力
して生産規模を拡大している。」


プレハブファブ
NanotronicsのCubefabは、地震が厄介な場所を除き、世界の環境の
85%で動作するように設計されたモジュール式のプレハブ工場。ミニ
ファブには、パワー半導体の製造に通常使用されるような生産ツール
があるが、同社はAI技術を使用して、超ワイドバンドギャップ材料で
ある酸化ガリウムで優れた結果をもたらした言う。
Putman氏によると、鍵となるのはNanotronics社によるジェネレー
ティブAI
の使用。
「だからこそ、酸化ガリウムのようなチップを製造できる。これは私
たちの最初の製品だが、他の製品も製造できるのです」とプットマン
氏は述べている。「科学的に証明されているが、まだスケーラブルでは
ないものを、AIを使用して歩留まりを向上させ、コスト競争力を高め
ること。しかも、既存のものよりも数倍優れています。」と。
Cubefab
には、一般的なチップメーカーが頼りにしているASML機器やその他の
高価なツールは必要ないう。
「私たちは機器サプライヤーと強力なパートナーシップを築いており、
独自のアルゴリズムと機器が私たちに自信を与えてくれる。」と。
同社
は、今年後半にオープンする予定のパイロットラインをニューヨーク
に建設している。


via Gigazine

📚 酸化ガリウムパワー半導体をミニファブで製造
米国では、Nanotronicsが同社の「Cubefabs」で、最先端のパワー半
導体の性能を超えるデバイスが製造できることを実証。Nanotronicsの
CEOを務めるMatthew Putman氏はEE Timesに対し「熱特性を維持し
ながら、より高い定格電圧を達成した。現在これらのチップを製造し
ており、半導体企業と協力して生産を拡大している」と語った。
その鍵
となるのがNanotronicsの生成AIの活用だという。
「生成AIを活用する
ことで、酸化ガリウムを用いたチップの製造が可能になる。これは当社
最初の製品であるが、他の製品も製造可能だ。科学的に証明されている
が、まだ大規模生産が可能ではないものを、AIを活用することで歩留ま
りを向上させ、コスト競争力を高めながら、既存の製品よりも数倍優れ
たものにすることを目指している。

Pragmaticの300mmフレキシブルウエハー[クリックで拡大] 出所:Pragmatic
Pragmaticの300mmフレキシブルウエハー  出所:Pragmatic

📖 Pragmaticは20×30mのファブを建設中
英国北東部のダラム州にある同社の製造拠点に複数のFabs-in-a-Boxを
設立している。Moore氏は「1つのファブの大きさは20m×30mだが、
年間当たり数十億個のフレキシブルICを製造できると言う。
資本効率が
極めて高いだけでなく、空間効率や生産効率も非常に優れている。持続
可能性も高い。原材料からウエハーを製造するまでに、一般的なシリコ
ンの場合は数カ月間を要するところ、わずか数日間で完了する。エネル
ギーや水の使用量も大幅に削減できるため、製造された半導体チップは
カーボンフットプリントが桁違いに小さくなる。
「半導体製造の“現地化”
は、現在の世界において非常に戦略的な要素だ。これほど短期間で、炭
素効率性の高い工場を建設しながらも、600m2の敷地で年間10億個の
フレックスICを生産できる規模を維持できるのは極めてまれだ。興味
深く、革新的なアプローチだと話す。

📚
アフリカやグローバルサウスに期待
Putman氏は Cubefabの顧客を明らかにしていない。「2025年中に、い
ずれかの顧客に向けて着工できれば、それは喜ばしいことだ。だが、わ
れわれにとって真のマイルストーンは(Cubefabで製造した)チップが
出荷され、データセンターや自動車のインバーターに搭載されて実際
に動作するのを見ることだろう」(同氏)
 Putman氏は、これまでチッ
プが製造されたことのない場所にキューブファブを建設することも可能
だと述べている。「アフリカやグローバルサウスのような地域には非常
に期待している。これらの地域には素晴らしいAI人材がいるが、半導体
市場は、参入するにはあまりにもコストが掛かる分野だった。数十億ド
ル規模のファブの建設など考えられなかったかもしれないが、これから
は違う」                        この項了

✳️「見えない領域」の情報を通信によって取得する協調型自動運転

高速道路における車載センサーとV2X通信、V2N通信の役割分担

高速道路における車載センサーとV2X通信、V2N通信の役割分担。横軸
は時間。縦軸は通信システム間の連携(重なっている部分) 出所:JEITA
 Jisso技術ロードマップ専門委員会


図1. これまでの自己修復材料(i),(ii)と本研究における自己修復機構(iii)の比較 従来の自己修
復材料では、外部からのエネルギー供給が必要とされていた。これに対し、本研究で実証し
た機構では、自己修復反応が外部刺激なしに進行することが示された。

✳️ ペロブスカイトで自己修復型光触媒を実現
神戸大学の研究グループは,次世代太陽電池材料として注目されている
有機無機ペロブスカイトを用いて,損傷した部位が自発的に修復する自
己修復型光触媒を実証。
【要点】
1.次世代太陽電池材料として注目される有機無機ペロブスカイトを用い
て、壊れても自然に治る「自己修復型光触媒」を実現。
2.
1粒子レベルで発光や構造の変化を捉え、結晶の損傷と自己修復の仕
組みを解明。
3.光照射を止めても水素生成が継続することから、昼夜を問わず稼働す
る革新的光触媒技術への応用が期待される。
【成果】
本研究では、次世代太陽電池材料として注目されている有機無機ペロブ
スカイト(CH3NH3PbX3(X = Cl, Br, I)など)をモデル材料として用
いました。水素イオンやハロゲン化物イオンを含む水溶液中にペロブス
カイトが飽和した条件下において、外部刺激を必要としない自己修復反
応を実現した。さらに、この反応が、水素生成光触媒反応に適用可能で
あることを実証した(図2)。
有機無機ペロブスカイトは、水素生成光触媒としての応用が注目され
ていることから、本研究ではまず光照射が結晶の損傷に及ぼす影響を
評価した。蛍光顕微鏡を用いて光照射下での結晶形状や発光波長の変
化を1粒子レベルで観測したところ、照射時間が長くなるにつれて結晶
が損傷することが明らかにました(図2上)。この過程をX線を利用した
測定によって詳しく解析したところ、結晶中の2価の鉛イオンが還元さ
れ、0価の鉛が生成していることがわかりました。さらに、光照射を停
止し、水溶液中で結晶を静置すると、損傷した領域が自己修復する様子
が確認された。
反応容器内の水素ガスを定量した結果、光照射中だけで
なく、照射を停止した後も損傷したペロブスカイトから水素が継続的に
生成されていることが明らかになった(図2左下)。イオン化傾向注3)
に基づいて考えると、光照射を停止した後に生成した水素は、還元に
よって生じた0価の鉛が水素イオンと反応し、2価の鉛に酸化される際
に生じたと考えられる。また、この水素生成反応は少なくとも3サイク
ル、計75時間以上にわたって安定的に継続することが確認された。こ
の自己修復反応は、0価の鉛と水素イオンの反応により、飽和水溶液中
のペロブスカイトの平衡状態が乱され、いわゆる「ルシャトリエの原
注4)」に従い、固体結晶が生成する方向へ平衡が移動することで生じ
ると考えられる(図2右下)


(上)蛍光顕微鏡を用いたペロブスカイト結晶の形状観測。図中の時間
は、光照射開始時点からの経過時間を示している。光照射によって損傷
した結晶は、照射を停止すると自己修復する。
(左下)触媒反応によっ
て生成した水素の定量結果。黄色の網掛け領域と灰色の網掛け領域は、
それぞれ光照射中および光照射停止後の条件を示している。光照射を
停止しても水素の生成が継続することが確認された
(右下)本研究で
観測された結晶の損傷および自己修復のメカニズム光照射によって0
価の鉛が生成し、結晶が損傷する。しかし、その後の鉛の酸化反応によ
って平衡状態が乱され、その結果、自己修復が誘起される。
【展望】
今回、有機無機ペロブスカイト結晶で観測された自己修復反応は、ルシ
ャトリエの原理という非常にシンプルな原理に基づいているため、他の
非共有結合性材料にも適用可能であると考えられる。さらに、持続可能
水素製造システムへの応用が実現すれば、サーキュラーエコノミー
推進に大きく貢献
することが期待される。

🪄最初に考えていた印象から「驚きの現象」が確認されました?!
                           

【用語解説】
注1)有機無機ペロブスカイト:有機物と無機物のイオンからなるペロ
ブスカイト型化合物。代表的なハロゲン化鉛有機ハロゲン化鉛ペロブス
カイトは、有機イオン、ハロゲン化物イオン、鉛イオンからなる。一般
に、ペロブスカイトとはチタン酸カルシウム(CaTiO3)のように、ABO3
(Aは2価、Bは4価の金属イオン)であらわされる化合物の総称である。
次世代太陽電池材料として期待されている。
注2)サーキュラーエコノミー:材料を製造する際に資源の量を削減す
ることや、材料を繰り返し再利用することによって、資源を効率的に循
環させることを目指した経済のこと。循環経済と同義
注3)イオン化傾向:金属の陽イオンへのなりやすさを系統化したも
の。本研究で生成する鉛は水素イオンに比べて陽イオンになりやすく、
鉛から水素イオンの電子移動によって以下の反応が自発的に進行する
Pb0+2H+→Pb2++H2)。
注4)ルシャトリエの原理平衡状態にある系に変化が加えられると、
その変化を緩和する方向に平衡が移動するという法則のこと。
【掲載論文】
題目:“Unassisted self-healing photocatalysts based on Le Chatelier’s principle
(ルシャトリエの原理に基づく無補助型自己修復光触媒)
DOI 10.1038/s42004-025-01500-7
掲載誌:Communications Chemistry

ト音記号 イラストや に対する画像結果   『上白石萌音:夕陽に溶け出して』
                    京都市交響楽団



今日の言葉:それは『ひ・み・つ』
                     トランプ大統領は粗暴な性格だと前回の大統領のとき(移
      民の取り扱い、イスラエルの首都移転、フェイク)、批判
      した。今回もその思いは変わらず、いや前回以上に酷くな
      っている。要するに、歴史観や世界観そして価値観が違い
      家父長主義的な特長も。第一次世界大戦後を復古させて
      いるように思っている。間違っているかもしないが。

📖 停戦急ぐ米、ウクライナに「クリミア放棄」とNATO加盟断念も
    迫る!背後に「就任100日」の政治的焦り(via 米紙ウォール・ス
         トリート・ジャーナル(WSJ)
   

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

            

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エネルギーと環境 221

2025年04月20日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-


【季語と短歌:4月21日】

    
       春まつり神輿舞い上げお渡りぞ 

                   高山 宇

🪄快晴ではあるが昨日と打って変わり、マイナス10度(室内17℃、
55RH%)と冷え込む。

             発酵食品マイスター資格認定試験

【世界漬物見聞録:002】
📌【プロ伝授_前編】ぬか床の作り方 ”誰でもゼロからできる”美味し
  いぬか漬けの作り方とお手入れ方法



ぬか漬けは、日本の伝統的な発酵食品で、米ぬかを使って野菜を漬け
込むことで作られる。その過程で、乳酸菌や酵母が活発に働き、野菜
の栄養素が増強されるという。ぬか漬けに含まれるビタミンB群や食
物繊維は、腸内環境の改善や免疫力向上に寄与すると。
健康維持に役立つぬか漬けは、手軽に取り入れられる魅力的な食品。
日本史では2000年前、
ぬか漬けの原型は平城京跡から発掘された

木簡(紙の代わり、短冊上になって木の板)に記された須須保利(すず
ほり)という漬物。
須須保利は臼(うす)で挽いた穀物や大豆(黄粉)
を塩と混ぜて床にしたものと記録され、
奈良時代では、醍醐天皇の延
喜5年に編集が始まり、25年目の延長8年(930年)に進献された『延
喜式』には、塩漬、醤漬、かす漬、楡木(ニラギ)、須々保利、搗(ツキ)、
荏裹(エツヅミ)の7種類が記載され、
米糠の一番古い記述は、734年(
天平6年)の正倉院文書の尾張国正税帳に記されていますが、延喜式
には漬け床にはまだ米糠は使われていないとか。
今のぬか漬けになったのが江戸時代初期で北九州が発祥だと言われ、
広まったきっかけは北九州小倉城藩主である「細川忠興」がそれを食
べ、美味かったから城下の庶民にも広まっていったという。

1ー1 消化促進と腸内環境改善
まず、ぬか漬けに含まれる酵素が、食材の分解を助け、消化をスムー
ズにし、食べ物の栄養素が効率よく吸収され、エネルギーとして利用
されやすくする。さらに、ぬか漬けには豊富な乳酸菌が含まれて、腸
内フローラのバランスを整える役割を果たす乳酸菌は善玉菌として知
られ、腸内の環境を整え、有害な菌の増殖を抑える。
これにより、免疫力が向上し、病気予防にもつながるでしょう。また、
ぬか漬けの発酵過程で生成される乳酸は、腸内のpHを低下させ、悪玉
菌の活動を抑制する。さらに、食物繊維も豊富で、腸の蠕動運動を促
進し、便通を改善。これにより、便秘解消や腸内のデトックス効果が
期待でき、ぬか漬けを日常的に摂取することで、消化を助け、腸内環
境を健康的に保つことができる。(平凡だね?!)  
                         この項つづく



✳️ 北極の面積が過去最少 観測衛星「しずく」で確認

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立極地研究所は18日、3月に人工
衛星で観測した北極の海氷の年間最大面積が、観測史上で最小を更新
したと発表した。海氷減少の一因として、2024年12月〜25年2月の北
極海周辺の気温が平年より高く、海氷域が広がりにくい状況が続いた
ことが考えられるという。
JAXAの水循環変動観測衛星「しずく」で観
測したデータを分析した。しずくに搭載されている高性能マイクロ波
放射計は海面や海氷、大気から放出される微弱な電波を捉え、水に関
する様々な物理量を観測できる。
同データをもとに測定した海氷面積
は今季で最も海氷域が広がった25年3月20日でも1379万平方キロメー
トルだった。この数値は1979年の観測開始以降、最も小さく、2017年
3月5日に記録した最小記録1392万平方キロメートルを13万平方キロメ
ートル下回った。
北極海を覆う海氷の面積は例年、10月〜3月に拡大
し、4月〜9月にかけて縮小する。海氷面積の年間最大値は1979年以降、
減少傾向にある。2025年3月20日時点の海氷の分布を2010年代の平均
と比較したところ、グリーンランドの東側以外の多くの海域で減少し
ていることが分かった。

北極の海氷面積の最大値は観測が始まった1979年以降、減少傾向にある=NIPR/JAXA提供

北極の海氷面積の減少は、地球規模の気候変動との関係が指摘されて
いる。極地研によると、北極では地球温暖化に伴い、複数年にわたっ

て残る厚くて溶けにくい「多年氷」の減少や、大西洋からの暖かい海
水の流れ込みといった要因が重なり、冬季に海氷を作る力が弱まって
いるという。
北極は地球の冷却源として働き、海氷が減るとその機能が弱まる。海
氷は太陽光を反射して温暖化を抑える役割があり、減少することで温
暖化が加速する恐れがある
JAXAと極地研は、25年度に打ち上げ予
定の新たな観測衛星「GOSAT-GW」も活用しながら継続して極域の海
氷の観測する。
◾水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W):2012年5月に打ち上
げられ、現在も運用を継続している「しずく」に搭載されている高性
能マイクロ波放射計2(AMSR2
)は、 直径約2mの大きなアンテナで、
海面や海氷、大気から 放射される微弱な電波を捉え、水に関する様々
な物理量を観測する。マイクロ波帯を使用することから、雲の有無や
昼夜を問わず、全球を毎日観測することが可能で、その観測データは、
気象予報や漁業、極域での船舶航行などに利用されている。


✳️ 水にぽんと入れるだけでマイクロプラスチックを除去
   できる「マイク
ロクリーナー」が登上
ペットボトル飲料や食塩に大量のプラスチック粒子が入っていること
が調査で判明するなど、マイクロプラスチックは健康や環境への影響
が懸念されている。新しく、水に入れるだけで水中のマイクロプラス
チック粒子を捕獲し、その後水面に浮かび上がってきてマイクロプラ
スチックごと回収できる「マイクロクリーナー」を開発したとの論文
が発表された。

ノー
スカロライナ州立大学の研究グループが2025年3月25日付の学術
誌・Advanced Functional Materialsで発表したマイクロプラスチック
除去剤は、貝類の殻や甲殻類の外骨格などに含まれているキチンから
作った生体ポリマーの「軟質樹枝状コロイド(SDC)」でできている。

細かく分岐した構造を持つSDCは、ヤモリの足の裏が壁に貼り付くの
と同じ分子間の力である「ファンデルワールス力」でマイクロプラス
チックをかき集められるほか、わずかに正に帯電しているキチンの性
質のおかげで、負に帯電したマイクロプラスチックを静電気の力で効
果的に吸着することが可能。
しかし、マイクロプラスチックが含まれる大量の水にSDCを散布する
のは困難で、マイクロプラスチックが絡まったSDCは水の底に沈むの
で回収も容易ではない。そこで、研究チームはまずSDCを含む液滴を
はっ水性の素材の表面で乾燥させ、小さなペレット状に固めた。そし
て、ペレットの一部に植物由来のオイルであるオイゲノールを塗布。


研究チームがオイルを塗ったのは、SDCペレットの一部の表面張力を
低下させてマランゴニ効果、いわゆるいわゆる「樟脳(しょうのう)船
効果」を発生させるため。おもちゃのボートのようにペレットが水面
を動き回りつつ、少しずつ水に溶けることにより、SDCがまんべんな
く水中に散布させた。



つづいて、研究チームはSDCにゼラチンでコーティングしたマグネシ
ウムを添加。前述の通り、SDCは水に沈みますが、ゼラチンがゆっく
り溶けてマグネシウムが水と触れると、小さな気泡が発生してSDCが
水に浮かぶ。
これにより、水に入れると自動的に水中にマイクロプラ
スチック除去剤を散布し、その除去剤がプラスチック粒子を絡め取り
ながら水底に沈んで、最終的に水面に浮かんできて容易に回収できる
ようにする「マイクロクリーナー」が完成した。


【展望】研究チームは、プラスチックごみが大量に漂着することで有
名なハワイのカミロビーチで採取された海水を使用し、マイクロクリ
ーナーがさまざまな大きさのマイクロプラスチックを回収できること
を実証し、回収したスカムをバイオプロセスでキトサンに加工し、そ
れを使ってマイクロクリーナーをさらに製造することで、より多くの
マイクロプラスチックを捕捉できるようになる可能性がある。
💯素晴らしい 
                            

✳️ 新ごみ処理施設建設いつ新ごみ処理施設建設いつ
石寺町、海瀬・三津町、愛荘町 竹原、西清崎地区にこの地区は過去
に彦愛犬の広域ごみ処理施
設の建設候補地にあがったものの、その計
画が白紙になった町だ。
1977年(昭和52年)に建てられた野瀬町の彦根市清掃センター
の老朽化に伴い、2001
年(平成13年)6月に当時の1市7町が代
替施設の検討を開始。
しかし08年5月に当時の有力地だった石寺町
が地盤の問題
で断念となり、彦根愛知犬上広域行政組合が設立された
01年
3月以降も、地盤や地元住民の反対、処理方式の変更検討など
で、その計画が相次いで白紙となっている。
 市清掃センターの設備の老朽化に伴い、市は41年度まで長寿命化
計画を策定し、22年度から24
年度にかけて、同センターにある
基の焼却炉を総額28億500万円をかけて改修。ほかにコンサル料
3960万円もかけた。また改修期間中施設内で処分しきれない可燃
ごみを外部委託し、その経費は21年度が1億8695万円、22年
度が3億4684万円、23年度が2億6631万円、24年度が4
797万円だった。市清掃センターによると、煙突などの設備も改修
が必要な状況で、市は新たな長寿命化計画を今年喪中に策定する予定。
同組合が概算するトンネルコンポスト方式事業費は456億500
万円だが、「想定」している国からの2分の1交付金で378億100
0万円まで抑制できるとしている。ただ、あくまでも「想定」段階の
ため、同組合の議会内でも同方式に対する賛否が分かれている。同組
合では今夏の3ヵ月間フラフが活用できるかの実証実験を実施し、そ
の結果を示した上で国からの交付金を得たい考え。
 一方で、市民団体の荒神山を守る会は、生ごみやし尿、下水を活用
してメタン発酵処理させる「バイオマス」方式の採用を提案。彦根市
議会の公政会従来案。彦根市議会の公政会は従来の熱回収方式の導
入を主張している。このほか、彦根市清掃センターなど既存施設の長
寿命化の声もあがっている。
 現時点で市民生活に影響は出ていないものの、新しい広域ごみ処理
施設の整備の行方は混迷を極めており、市長選後もその行方は不透明
な状況であるという(しが彦根新聞)。

トンネルコンポスト方式
和田「実現可能」vs 田島「最善策を

新しい広域ごみ処理施設について、市長選に出馬した2人の意見は異
なる。
 和田氏は「この4年間の議論で、トンネルコンポスト方式でしか実
現可能な方法はないという結論が出ている」と主張。
メタン発酵方式に対しては「汚泥を焼却する場所がなく、代替案には
なり得ない」と反対する。田島氏は「環境省は、トンネルコンポスト
方式で出るフラフと固形燃料の供給先が明確でない中、2分の1の交
付金は出しにくいとのこと」とし、「市の負担軽減に何か最善か、皆さ
んの意見を聞きたい」と、ほかの策を探る。
【脚注】
1. トンネルコンポスト方式:好気性発酵残留物固体燃料化方式
      参考:脱炭素型資源循環システム構築に向けた具体的な施策のあり方について(案)
  参考資料集 今後の方向性 2023.12.13 環境省

2. フラフ:固体回収物 固定燃料
(Solid Recovered Fuel)。
        参考:特集 固体回収物燃料 (Solid Recovered Fuel) の国際標準化の動向とその意義

🪄ブログ掲載済みで要実証調査。魅力ある未来都市づくりの重要課題。


6章 何か何でも増悦したい! 「財務省のウソ』
遅すぎた定額減税。
財務省が次に狙うものとは
 定額減税は2023年12月にやるべきだったと、先に述べた。そのとき
は、まだ経済がよくて絆創膏を貼り付ければ済んでいた話たった。け
れど、傷口がバクッと開いてしまい、2024年6月には絆創膏では止血
は難しいという状況になってしまった。
なぜこういう風に、いつもタイミングがずれるのだろうか。
 木原(誠二/当時の内閣官房副長官)さんがテレビで「来年も減税
するかも」といったら、すぐ当時の財務大臣がバシッと否定した。こ
れは完全に「やらないよ」と、大臣の口をつかって財務省がいったと
いうことになる。
 つまりこの時点で、財務省はもう岸田政権がそんなに長くないと見
込んでいたのだろう。事実その読みは当たった。もうちょっと岸田政
権が長いと見込めば、木原さんがいった話を言下に否定することはな
く、遠回しにゆっくり否定するはずだからだ。
 定額減税を2023年の12月にやらずに、2024年の6月に回し
て、傷口が広がったのは事実だ。おまけに3月になって給与明細に書
けという話で、12月の年末調整だったら、自動的に書けたのにと違和
感が残る。なんでもそうだが、事務処理は年末調整がいちばん簡単な
のだ。なぜ、事務処理の簡単な年末調整のときに、やらないのかと不
思議でならない。タイミング的にも2023年の10月から検討してい
たのだから、年末調整にちょうどぴったり合う。
 電気代は上がるは、ついでにいうと子ども子育て支損金も上がって、
ステルス増税がすさまじい。

ウラにはいつも「財務貧」
 とにかく増税が大好きな財務省。次のステルス増税の可能性の1つ
として狙っているのが、配偶者控除の見直しだ。2024年11月現在、
議論も加速してきている。
 表向きは、配偶者控除があって配偶者特別控除もあると、百何万円
の壁になってしまうからといういい方をしているが、果たしてどうな
のか。
 では、海外はどうなっているかといえば、こういう制度はあんまり
なく、アメリカやドイツでは2分2乗方式の単位課税を採用している。
 2分2乗方式とは、夫が仮に300万円稼いで妻は稼いでいない場
合、150万円ずつ夫婦で稼いだというかたちにして税金を課すやり
方である。
 だいたい所得税は、所得が高くなると税率が高くなるため、一般的
には150万・150万とした方が税率が低くなっ、税額が少なくな
る。そうすると何も問題はなく、壁にならない。
 フランスはN分N乗方式をとっている。
 たとえば、子どもが3人いた場合、300万円だったら、夫婦2人
と子ども3人で計5人で割り算するとみんな60万円ずつ。そうする
と、ほとんど税金を払わなくていい。
 私はそういうやり方もありだと思うが、財務省がこの方式を採用し

ない理由は、か
なりの減収になってしまうためである。だからやらない。
219

だいたい所得税は、所得が高くなると税率が高くなるため、一般的に
は150万・150万とした方が税率が低くなって、税額が少なくな
る。そうすると何も問題はなく、壁にならない。
 フランスはN分N乗方式をとっている。
 たとえば、子どもが3人いた場合、300万円だったら、夫婦2人
と子ども3人で計5人で割り算するとみんな60万円ずつ。そうすると、
ほとんど税金を払わなくていい。
 私はそういうやり方もありだと思うが、財務省がこの方式を採用し
ない理由は、かなりの減収になってしまうためである。だからやらな
い。こんな簡単な制度で、事実他の国でみんなやっているから、これ
でいいのではないだろうか。
 ようやく、配偶者控除の見直しだなどといっているが、おそらく財
務省的には、うまく増税になるような仕組みを考えついたのではない
か。財務省は思っているよりずっと悪辣で、頭もそこそこいい。ずっ
と検討を重ねて、一見海外と同じようなN分N乗方式なのだが、税額
が増えるようなやり方を思いついたのだろう。
 これが控除というかたちになれば、本当にステルスになってよくわ
からなくなる。つまり、ごまかされてしまう。電気料金についても、
それ自体はわかりやすく、ほとんどみんな払うものであり税金じゃな
いといえば、それきりではあるがちょっとずるい。
 また、子ども子育て支損金は本当は税だと思うが保険料でもない。
本当にわけのわからないことをやる。さらに次にくるのが、配偶者控
除の見直しだろう。よくよく気をつけなければいけない。
 岸田さんは増税メガネといわれて、盛んに増税じゃないと弁明して
いたが、確かに増税ではない。それにとどまらず、その上をいくステ
ルス増税メガネだったからだ。
だから日本経済のGDPが全然伸びなかった
 定額減税をうまいタイミングでやらなかったのも、景気がよくなく
なってきている理由の一つであることを、今一度いっておく。
 そして、そのウラにはもちろん財務省がいるのだ。

コロナウイルス感染症対策で復興増税を阻めた理由
 2020年、新型コロナウイルス感染症対策(以下ノコロナ対策)
の公的資金がいくら必要かという相談が、当時の総理大臣である安倍
さんからあった。
 もうすぐ(2020年の1月ぐらい)から大変なことになるという
ことで、安倍さんはじめみんな焦っていた。私もまったく同じ問題意
識で、これは世界的に大恐慌みたいになるなという感じを持っていた。
 じつは、安倍さんが私に相談する前に、財務省が各省庁に「コロナ
対策でいくら必要か」と聞き、積み上げたものがあった。その額、10
兆円~20兆円。ただ、現場で計算などもできないため、まともな金額
を答えられるはずもない。しかし、財務省にとっては「各省庁に聞き
取りをし(理由を聞い)たらこうなった」という、大義名分がある。


6章 何が何でも増税したい「財務雀のウソ」
 非常に悩んだ安倍さんが「高橋さん本当はどうなの?」といい、私
からはまず「コロナ対策をほっておいたら、どうなるか」という話を
したうえで、「(コロナ対策)言必要なのは100兆円レベル」と答えた。
 「有効需要の原理」で、コロナ対策をすれば当然経済活動は落ちる。
GDPがどの位落ちるか推計し、それを復活するのにどのくらい公的
資金が必要かという全体の数字を伝え、この100兆円を補わないと
その後失業が激増するだろうと伝えたのだ。そうしたら、100兆円
規模でということになった。

 このとき、こういうデータに基づいた具体的な数字を、他にいう人
はいなかった。
財務省のいうがままだったら10兆円~20兆円のレベルだったろう。
 その上、財務省は「元々供給能力が低くなってるから、(これ以上の
支出は) ハイパーインフレになりますよ」と、脅しともとれることを
いってきた。私としても、本当にハイパーインフレになってしまった
ら信用は失墜し、財務省には「ホレみたことか」と、ここぞとばかり
に猛烈に攻撃されるのが目に見えているし、そもそも国民の生活を過
酷な状況にさらすことなど、あってはならない。
 どのくらい財政出動したら、インフレになるかということを、慎重
に慎重を期して計算したところ、150兆円ぐらいまでは、大丈夫と
いうことが確信できた。
 そこで、100兆円では有効需要を理めるだけ、150兆円までは
大丈夫ですということをいった。そしたら、安倍さんは安心されて、
ではそれでということでまとまった。
 一方で100兆円といった場合の、財務省からの反応は「これでは、
不正支出がたくさん出ますよ」というものだろうとわかっていた。
 ただ、最初からGDPギャップをなくして、失業率の低下を少なく
する目的でやっている。有効需要の原理は何やってもOKで、中身は
はっきりいってどうでもいい(226ページ)。あとは各省庁にやらせ
てたらいいと伝えた。
 その代わりその過程で変なのが必ず出ますと。また、不正支出もある
だろうと。それはもうしょうがない。スピードには代えられないので、
不正支出は事後でチェックしてくださいといったのだ。
 事実、その後に不正支出もあった。
 ただ、とりあえずはお金が目の前にないと、もうどうしようもなく
なって、首が回らなくなったら、本当に企業倒産とか失業とか激増し
て、もっと大変なことになりますよとそういう話をしたのである。お
そらく100兆円ぐらいやれば、大きな失業は起きにくいという計算
もできていた。
 でもその後また、財務省が何をいい出すかはわかっていた。国債な
どを使って100兆円出すんだったら、これを全部返すために増税た
というに決まっている。

財務省はいつだって「自分たちの利益(天下り)」が酸優先

国民がこれだけ苦しんでいるのを目の当たりにしても、「自分たちの利
益(天下り)が最優先」という財務省の姿勢には、悲しい話だがもう
慣れている。以前にも、こういうことがあったからだ。
 東日本大震災のときも、まったく同じだったのだ。
 一応国債は出したが、財務省は抜かりなく償還のための復興税も一
緒に作った。
 このコロナ対策の100兆円で復興税を作られたら、たまらない。
100兆円という話を持ち出すと同時に、復興税を作ろうとする財務
省の目論見を、理論的に全部ツブす必要があった
 私が安倍さんに伝えたのは、今回も国債を出すけど、すべて日銀で
買ってくださいということだった。そうすれば利払費はすべて日銀に
行って、全部戻ってくるというロジック。この手法は結構斬新といえ
ば斬新で、こんなことはやったことがなかった
が、結果的にはこのロジックで復興増税の道は全部閉じた。
 あとは財務省が「ムダが多くなる」という話をしていたが、「足り
なくて大変になるぐらいだったら、財政負担はないのだから、極端に
いえばムダでもいいだろう」と反論した。
 有効需要の原理で「失業を押えるためには、穴を掘って埋めてもい
い」っていうことをケインズがいっている。今回のコロナ対策が極端
な話たとえムダになってもなっても、それは失業を防ぐためだからい
いということをずいぶんいった。
 私はそんな感じの強烈なロジックでいったが、安倍さんは高橋さん
の話はすごく分かるけれど、もう財務省の人はメンツ丸潰れでみんな
興奮してしまうからと、「その話、決まるまでは外で絶対にいわない
で」と念をおされ、4月に対策した後に「もうブす必要があった。
 私が安倍さんに伝えたのは、今回も国債を出すけど、すべて日銀で
買ってくださいということだった。そうすれば利払費はすべて日銀に
行って、全部戻ってくるというロジック。この手法は結構斬新といえ
ば斬新で、こんなことはやったことがなかったが、結果的にはこのロジ
ックで復興増税の道は全部閉じた。 あとは財務省が「ムダが多くなる」と
いう話をしていたが、「足りなくて大変になるぐらいだったら、財政負
担はないのだから、極端にいえばムダでもいいだろう」と反論した。

 有効需要の原理で「失業を押えるためには、穴を掘って埋めてもい
い」っていうことをケインズがいっている。今回のコロナ対策が極端
な話たとえムダになってもなっても、それは失業を防ぐためだからい
いということをずいぶんいった。
 私はそんな感じの強烈なロジックでいったが、安倍さんは高橋さん
の話はすごく分かるけれど、もう財務省の人はメンツ丸潰れでみんな
興奮してしまうからと、「その話、決まるまでは外で絶対にいわない
で」と念をおされ、4月に対策した後に「もういいよ」と、「100兆
円は表に出してもいい」といわれた経緯があった。
 財務官僚を黙らせるのは、本当に天変だった。結果的には安倍さん
のときに補正予算2回30兆円、30兆円の計60兆円で安倍さんは
菅(義偉)さんに総理をバトンタッチした。
 その後で菅さんは私を官房参与で召して、ひと言目に「高橋さんあ
とコロナ対策いくらやればいいの?」というご下問をされた。
 もちろん100兆円の話は菅さんもよく知ってたから、安倍さんの
とき30兆円30兆円で60兆円やりましたから菅さんのときは40
兆円ですっていっておしまい。
 私はもうそれで、この件についてはお役御免となった。
 じつはウラに私かいるというのは、結構みんな知っていたらしいが、
安倍さんは絶対に私を矢面に立たせないで、「いいよ表に出なくてい
いよ」といってくれた。こんなの表に出てやらされたら、天変だった。
 全部理解してやってくれたが、100兆円規模の経済対策なんて前
代未聞で、こんな例はまったくない。私が有効需要といい、どのくら
いGDPギャップが広がるかということを推計して、それを戻すため
に失業がなるべく少なくなるような数字を伝えたものの、今までの経
済対策では例がないことだったのだ。
 しかも財政負担なしで、増税なしで、日本は先進国の中で失業率の
上昇が最も少なかった。他の国は失業率がすごく上がったけれどほと
んど上がらず、世界的にはかなり評価されたが、国内では私のことを
3度殺しても殺し足りないほど嫌っている財務省の思惑通り評価され
ない。
 でも失業率が上がらず、財政負担もないから、うまくやったとしか
いいようがないのだ。うまくいって本当によかった。
                          この章了

🪄年金への「復興税」、償還後も「防衛費税」というパンチを喰った
 勤労者は如何すればいいのか!?(泣)

ト音記号 イラストや に対する画像結果
『HIMARI バッハ / 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第二番 BWV1003 - Ⅲ . アンダンテ』






今日の言葉:令和米騒動終わらず新自由主義の残渣今も健在か?


          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

              

 

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エネルギーと環境 220

2025年04月19日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。

大谷翔平、第一子となる女児の誕生を発表

【季語と短歌:4月20日】
    
       春の風女児誕生と世界沸く 

                   高山 宇
🪄電気毛布も無用の払暁に祝報届く。


【世界漬物見聞録:001】
老友会の女性メンバーから「お漬物」の講習会の誘いがあり、参加し
たいと申し入れしていたが、事情があり何れも参加できず、つい最近
も「糠底の素」を届けて頂いた。「環境技術研究所    WEEF」や「
電子日誌(ブログ)」にも特集性掲載してきた。そこで、私だけの一品
をこの一年に開発したいと思い立ったので、実食して頂き好評なら掲
載したい。勿論、糠漬けで「野菜・魚貝類・穀物・香辛料」とする。

中国の豆類発酵食品

📖 中国・韓国・日本・欧州・中近東の漬物の特徴
【中国】
・「搾菜(ザーツァイ)」:からし菜を一度干してから塩と香辛料で漬

 け込んだもの。
・「泡菜(パオツァイ)」:ダイコンやカブ、ニンジンなどの根菜類を
 乳酸発酵させたもの。四川料理によく使われる
「鹹菜(シェンーツァイ)」:塩漬けのもの。
・「醤菜(ジャンツァイ)」:醤油漬けのもの。
・「糖醋漬菜「タンツゥージーサァイ)」:甘酢漬けのもの。
「酸菜(シュアンツァイ)」:乳酸発酵漬けのもの。カラシナを干し
 てから塩をふり、漬け込んだもの。




✳️ 東京湾地震 活発化
「海山」原因か
地震について、関東の東の太平洋にある「海山」の沈
み込みが原因で、地震活動が活発になっている可能性があることが専
門家の分析で新たにわかった。 【動画】災害時はペットボトルがラン
タンに?いま知っておきたい5つの活用法

関東地方の地下は陸側のプレートの下に海側の2つのプレートが沈み
込む複雑な構造のため、地震の発生回数が多く、特に東京湾の北部で
は地震活動が活発な「地震の巣」の存在が指摘されています。


東京湾の地震「海山」が沈み込み活発化か 首都直下クラスの地震が発生する可能性も…




✳️ 水素漏洩対策と検出システムの技術動向
1️⃣ 特開2008-298650 マグネシウム・ニオブ合金薄膜を用いた水素
      センサ  独立行政法人産業技術総合研究所(特許消滅)
【要約】図1のごとく、マグネシウム・ニオブ合金薄膜を用いた水素セ
ンサ材料であって、マグネシウム・ニオブ合金薄膜の組成が、MgN
(0.1<x<0.5)であり、上記薄膜の上に、触媒層が形成
されているか、あるいは水素を透過する材料上に触媒層が形成され、
その上にマグネシウム合金薄膜が形成されており、基板自身が保護層
になり、20℃付近の室温で水素と反応して電気抵抗及び光学的性質
が変化する性質を有する、ことからなる水素センサ材料、上記水素セ
ンサ材料からなる水素センサ及び該水素センサによる水素濃度計測方
法並びに水素検知方法。 マグネシウム・ニオブ合金薄膜からなる水素
センサ材料、該材料を用いた水素センサ及び水素検知方法等を提供す
る。
000002
図1  マグネシウム・ニオブ合金を用いた水素センサの形状の模式図

【効果】低温作動型の水素センサを提供できる。
【背景技術】【0002】

  近年、環境や資源問題に関する関心の高まりから、水素エネルギー
は、大きな注目を集めている。水素を扱う技術は、今後ますます発達
すると思われるが、水素は、酸素がある雰囲気中で爆発の危険性を持
つために、その取り扱いには非常に注意が必要である。空気中の水素
濃度の検出には、水素センサが用いられるが、今後、水素センサの需
要は、飛躍的に増大することが予想される。
水素の検出には、水素センサが用いられるが、現在、水素センサとし
ては、酸化スズを用いた半導体センサが広く用いられている。このセ
ンサは、感度及び信頼性が高く、優れた特質を備えているが、動作温
度が400℃程度であり、加熱を要することと、価格が高いという欠
点がある。そのため、より価格が安く、また、加熱なしで常温で作動
する低温作動型の水素センサが求められている。【0004】
  1996年に、オランダのグループにより、イットリウムやランタン
などの希土類の金属薄膜が、水素に晒すことにより、鏡の状態から透
明な状態に変化することが発見され、彼等により、調光ミラーと命名
された(非特許文献1)。これらの希土類金属薄膜は、水素ガスによ
り透過率や電気抵抗が変化することから、水素センサとしての応用も
検討されている。
【0005】
 水素センサについては、先行技術として、例えば、マグネシウム薄膜
を用いた水素センサ及び水素濃度測定方法(特許文献1)、マグネシウ
ム・ニッケル合金薄膜を用いた水素センサ及び水素濃度測定方法(特
許文献2)、光学反射率変化を用いる水素センサ、水素検出方法及び検
出装置(特許文献3)、マグネシウム・パラジウム合金薄膜を用いた水
素センサ(特許文献4)、が提案されている。優れた調光特性を持つ材
料としては、マグネシウム・ニッケル合金薄膜を用いた材料等が研究
されてきたが、いずれも透明時に黄色を帯びているという欠点があっ
た。本発明者等は、この調光ミラー薄膜材料を実用化するための研究
を行い、その中で、マグネシウム・ニオブ薄膜を用いた調光ミラーで
は、透明時に無色透明にできるということを見出し、既に、特許出願
を行っている(特許文献5)。

2️⃣ 特開2018-25477 水素火炎検出装置 新コスモス電機株式会社
【要約】図1のごとく、水素火炎の紫外線を検出する紫外線検出素子
1と、紫外線検出素子1の前方に設けられ、外光を取り入れる透過窓
3と、透過窓3を一部に有し、前記紫外線検出素子1を被覆して透過
窓3以外からの光の入射を遮断する筺体4と、水素火炎以外の外乱光
を減衰させる外乱光減衰手段2(21)とを有している。
000002
図1.000002水素火炎検出装置の一実施形態の構成を示す図

【符号の説明】  1    紫外線検出素子  2    外乱光減衰手段
  21  バンドパスフィルタ  22  偏光フィルタ  3    透過窓
  4    筐体  5    駆動・検出・警報回路  A    炎センサの分光感度
  B    太陽光のスペクトラム  C    水素火炎のスペクトラムの一例
  D    タングステン電球のスペクトラム  P    外乱光

【背景技術】【0002】
  今日、自動車にも水素ガスが用いられるようになり、水素供給ステ
ーションや燃料電池などの水素ガス利用設備の連続監視が重要になっ
てきている。水素ガスは、燃焼しても太陽光線下では肉眼ではほぼ透
明にしか見えず、平成22年に改正された一般高圧ガス保安規則の例
示基準では、特定圧縮水素スタンドの火災を検知するための装置等に
ついて、水素火炎が発する紫外線を検知する方法を用いることが規定
されている。この水素火炎から発生する紫外線は、UV-C(280
~100nm)という特に短波長で、人体にも悪影響を及ぼす波長帯
である。【0003】

図4 紫外線検出センサの分光感度特性を示す図

  このような紫外線検出センサとしては、例えば浜松ホトニクス(株)
の炎センサ、UVトロン(登録商標)(型番R2868)が知られてい
る。この紫外線検出センサは、例えば図4のAに示されるような波長
に感知し得る相対感度を有しており、太陽光は遮断しながら、185
~260nmの波長の光を検出することができる。図4において、A
が検知し得る紫外線の波長帯に対する相対感度を示し、Bは太陽光の
地表でのスペクトラム、Cは水素火炎の一例の波長に対するスペクト
ラム、Dはタングステン電球の波長に対するスペクトラムをそれぞれ
示す。すなわち、太陽光のこの短波長の紫外線は、オゾン層により遮
断されて、地表には届いていないことが利用されている。しかし、水
素供給ステーションなどの屋外にこの炎センサが設置されると、水素
火炎が発生していないにも拘らず、紫外線を検知する、すなわち誤報
が生じやすいという問題がある。【0004】
  一方、930~950nmの範囲の近赤外線および熱画像を検出して、
水素火炎を可視化する装置も開示されている(例えば特許文献1参照)。
この場合でも、水素火炎に起因する特定波長の紫外線受光素子を有す
る紫外線検出手段を用いることも開示されている。紫外線検出器を使
用する場合でも、このように赤外線受光素子と併用し、両方を検知す
る場合に、火炎の発生を報知することにより、外乱光による誤報を防
止することができると考えられているが、それでも完全には誤報を防
止することができていない。
【発明の効果】【0013】
  本発明によれば、市販の紫外線検出素子を用いながら、簡単な外乱光
減衰手段を設けるだけで、水素火炎検出装置の誤報を殆ど排除するこ
とができる。この外乱光減衰手段は、例えば紫外線検出素子の前方に
設けられるバンドパスフィルタにより検出される水素火炎由来の紫外
線の帯域内の狭い範囲に紫外線検出素子への入射光を限定したり、偏
光フィルタが紫外線検出素子の前方に設けられることにより、偏光し
た反射光をカットしたり、視野角を小さくすることにより外乱光の入
射を制限したりすることなどにより形成される。その結果、非常に安
価に構成することができながら、確実に誤報を排除することができる。
                             以上

🪄徐々に水素社会が現実に、今回は水素漏洩安全対策に確認作業に。
  さあ、¥4/m³を目指し頑張ろう?!

✳️ 消費税減税は“社会保障と一体”に「悪辣な財務省が
   仕組んだ」
19日、元財務省官僚で経済学者の高橋洋一氏が。
ABCテレビの生情報
番組「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜午前9時30分)
に出演。番組では、石破政権が参院選前の物価高対策として国民一律
の現金給付も断念、与野党では物価高対策として消費税減税の議論が
活発化している。
日本維新の会は食品にかかる消費税率を2年間ゼロに、
国民民主党は時限的に一律5%に引き下げるよう主張している。
一律5
%に引き下げによる財源確保について、高橋氏は「減収額を計算する
と、たぶん10兆円以上。ほかのところで10兆円以上を稼いでくればな
んとかなるが、財務省は絶対に無理だと言う」と分析。一律5%引き下
げると「社会保障を削るという話が出てくるかも」「これは脅し。変な
話で、コロナ禍のとき、世界の国では、先進国38カ国のうち30カ国が
消費税を下げた。日本だけが社会保障の話をした」と指摘。財源確保
として「保険料は、とりっぱぐれが多い(要調査)。ここをきちんと取
る。消費税とのリンクは切る」と主張し、「でたらめをやってはいけな
い」と強調。


✳️真っ直ぐ、スプリット、カーブ、スライダー、ツーシーム、カット
ボール。6球種を巧みに操れるのは、メジャー広しといえど、山本だけ
ではないか。ストライクゾーンを攻めて無四球。山本は「どの球もコ
ントロールできた」と頷いたロバーツ監督。

✳️  コンビニ大手3社で唯一の増収増益・ローソン



✳️ 「空飛ぶ避雷針」、ドローンで雷の誘発・誘導に世界初

18日、本電信電話株式会社(以下「NTT」)は、ドローンを使用した
雷を誘発・誘導する実験に世界で初めて成功し、ドローンの耐雷化技

術、および電界変動を利用した雷誘発技術の有効性を実際の雷で実証。
図2 ドローン誘雷の実験系。
図3 雷誘発時の観測波形。 図4 誘雷時のウインチの発光。
図5 大電流・強磁界の耐雷化設計。 図6 電界変動を利用した雷誘発技術の原理。
【展望】NTTは、雷が直撃しても故障しないドローンを、高精度に予測
した雷の発生位置に飛行させ、雷を誘発し安全な場所に誘導することで、
街や人を雷被害から守ることをめざす。今後は、今回実証したドローン
誘雷の成功率を上げるため、高精度な発雷位置予測、および雷の発生メ
カニズムに関する研究開発を推進していく。さらに、誘雷した雷のエネ
ルギーを蓄積・活用することもめざし、雷エネルギーの蓄積手法の研究
開発にも取り組んでいく。

ト音記号 イラストや に対する画像結果 『Danny Williams - White On White』

ダニー・ウィリアムズ(Danny Williams、1942年1月7日 - 2005年12
月6日は、南ア
フリカ生まれのイギリスのポップシンガーで、バラード
の滑らかでスタイリッシュ
な歌い方から「イギリスのジョニー・マテ
ィス
」というニックネームで呼ばれた。
彼は1961年に全英ナンバーワ
ンを獲得した「Moon River」と、1964年に全米トッ
プ10入りを果た
した「White on White」で最もよく知られている。

🪄夏休みは高校生のとき母方の親戚の浪速筋の宮本製氷販売のバイト
 でこの曲の
ットし自転車で口ずさんでいたことを思い出す。(プログ掲
  載は2回目になる)

今日の言葉:

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

            

コメント
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エネルギーと環境 219

2025年04月19日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。


【季語と短歌:4月19
日】

        漣や春風の淡海サングラス 

                   高山 宇

🪄列島を覆う夏日模様、いつものように湖岸奔る。爽快だ。

✳️貼って剥がすだけ!周期微細構造の転写技術



図 : PDMSを用いた周期微細構造転写の概要
(虹色は周期微細構造に由来する発色)
2025.04.15 高分子・バイオ材料研究センター(RCMB)

二号池太陽光発電所 | 再生可能エネルギーの専門メディア PVeyeWEB
✳️ 兵庫県に2ヵ所、新たな水上太陽光発電所を開所

   2025年04月19日 

太陽グリーンエナジーは、兵庫県内の2カ所に水上太陽光発電所を開
所。「二号池水上太陽光発電所」(加古川市)の発電規模は約1674・
3キロワットで、想定発電量は年間約197万5000キロワット時。
「長法池水上太陽光発電所」(稲美町)の発電規模は約840・7キロ
ワットで、想定発電量は年間約100万9000キロワット時。
太陽光パネルは温度上昇で発電量が減少、水上設置であれば水面の冷
却効果でパネルの温度上昇を抑えられる。このため陸上設置型に比べて
発電効率の良さが注目されている。今回の水上太陽光発電所の開所は
17、18カ所目で、18カ所を合わせた年間の想定発電量は一般家
庭約1万10世帯分(約30・3ギガワット時)となる。
また、大阪ガ
スと大ガス子会社のDaigasエナジー(大阪市中央区)を通じ、
オフサイトコーポレートPPA(電力販売契約)を締結。年間の二酸
化炭素(CO2)削減効果は約1300トンと見込む。(やっと、水上
太陽光発電が定着か?!そういえば、琵琶湖の表面面積の一部に透明
形ソーラ・パネル応用できれば面白いかも。)(笑)


✳️   タイヤ生産主要拠点で水素24時間製造 
   住友ゴムの〝二刀流〟      
               ニュースイッチ   2025 04.19  日刊工業新聞 2025年04月17日 

◾安定供給と脱炭素加速
住友ゴム工業はタイヤ製造の主要拠点である白河工場(福島県白河市)
で水素製造装置の稼働を開始した。山梨県や民間企業が共同開発した
装置を活用。24時間稼働させることで年間最大約100トンの水素
を製造できる。内製した水素の活用を通じ、輸送を含むサプライチェ
ーン(供給網)全体で同約1000トンの二酸化炭素(CO2)排出
量削減を見込む。自社工場内で水素を製造することで安定的な水素供
給を実現し、脱炭素化を一層加速させる。

同装置は太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用して水を電気分
解し、環境負荷の少ない「グリーン水素」を製造する。40フィート
のコンテナ形状で、毎時120立方メートルの水素製造が可能。この
水素を水素ボイラに送り、燃焼させることでCO2を排出せずに蒸気
を製造できる。
同装置を稼働し内製の水素で賄うことで、工場外から
される水素トレーラーの運搬回数を1日1回から5日に1回程度に減
らせると想定。輸送に伴う環境負荷の低減にもつながるとの見立て。
白河工場では内製した水素のほか、配達水素、系統電力、工場内の太
陽光発電、既存燃料の五つのエネルギー源を活用している。環境対応
で地域をリードする「脱炭素グランドマスター工場」として、複数の
エネルギー源を最適に組み合わせ、安定した操業を維持しながら脱炭
素化をさらに推進していく。将来は中部圏での水素活用の検討や、国
内外の他工場への展開も見据えている。

✳️  特許技術 固体高分子形水電解装置⓵
1️⃣ 特開2022-90256 積層構造体、および、固体高分子形水電解セル
   株式会社豊田中央研究所
【要約】下図10のごとく、積層構造体は、積層される一対の部材であ
って、それぞれが備える主面が互いに対向するように積層され、主面
に流体が流通するマニフォルド部が形成されている一対の部材と、一
対の部材の間に配置されるシール部材と、一対の部材の主面において
マニフォルド部を囲むように形成される溝部と、一対の部材のマニフ
ォルド部に形成され、一対の部材の積層方向に突出する複数の突起部
と、を備え、一対の部材の一方に形成される複数の突起部は、積層方
向において、一対の部材の他方に形成される溝部と重なる位置に溝部
の延設方向に沿って並んで設けられ、一対の部材の他方に形成される
溝部との間にシール部材が配置された状態において、互いに隣接する
突起部の間を流体が流通可能に構成されている。 積層構造体において、
内部に形成されるマニフォルド部のシール性を向上させる技術を提供
する。
000002
図10 第1実施形態の水電解セルの透過拡大図
【符号の説明】
1,2…水電解セル  3…水電解槽    6…水電解装置    10,10
A…バイポーラプレート    20,70…アノード側スペーサ    21…
外周部    21c,21d,51a,51b…溝部    22,52…マニ
フォルド部    22a,22b,52a,52b…凹部    22c,
52c…孔部    23,24,53,54…リブ    23c,23d,23
e,23f,24c,24d,24e,24f,53c,53d,53
e,53f,54c,54d,54e,54f…溝    25a,26a,
55a,56a…突起    31,36,61,66…ガスケット 50,
80…カソード側スペーサ    52a…凹部    52a…マニフォルド部
【特許請求の範囲】
【請求項1】  積層構造体であって、
  積層される一対の部材であって、それぞれが備える主面が互いに対向
するように積層され、前記主面に流体が流通するマニフォルド部が形
成されている一対の部材と、  前記一対の部材の間に配置されるシール
部材と、  前記一対の部材の前記主面において前記マニフォルド部を囲
むように形成される溝部と、  前記一対の部材の前記マニフォルド部に
形成され、前記一対の部材の積層方向に突出する複数の突起部と、を
備え、前記一対の部材の一方に形成される複数の前記突起部は、 前記
積層方向において、前記一対の部材の他方に形成される前記溝部と重
なる位置に前記溝部の延設方向に沿って並んで設けられ、前記一対の
部材の他方に形成される前記溝部との間に前記シール部材が配置され
た状態において、互いに隣接する前記突起部の間を流体が流通可能に
構成されている、  積層構造体。
【請求項2】  請求項1に記載の積層構造体であって、
  前記一対の部材の一方に形成される複数の前記突起部のそれぞれの
頂部には、前記一対の部材の他方に形成される前記溝部の延設方向に
沿った方向に延びる溝が形成されている、  積層構造体。
【請求項3】  請求項1または請求項2に記載の積層構造体であって、
  前記一対の部材は、前記主面のうちの前記マニフォルド部の外側に形
成され、前記溝部を有する外周部を備えており、  前記マニフォルド部
は、前記主面において、前記外周部に対して凹んでおり、  前記突起部
は、頂部の高さが前記外周部の高さと揃うように形成されている、積
層構造体。
【請求項4】  請求項3に記載の積層構造体であって、  前記マニフォ
ルド部は、前記外周部に対して凹んでいる凹部と、前記凹部に隣接す
る孔部と、を備えており、  前記一対の部材は、前記凹部と前記孔部と
の境界に沿って長尺状に形成され、前記凹部から前記孔部に向かう流
体の流通方向を前記凹部に沿った方向から、前記凹部に沿った方向と
交差する方向に切り替える長尺状部を備える、  積層構造体。
【請求項5】 請求項4に記載の積層構造体であって、前記長尺状部は、
    両端部が、前記孔部において前記外周部にそれぞれ接続されており、
    前記積層方向において前記外周部から突出する複数の突起が形成さ
れている、  積層構造体。
【請求項6】  固体高分子形水電解セルであって、  請求項1から請求
項5までのいずれか一項に記載の積層構造体を備え、  前記一対の部材
の一方をアノード側スペーサとし、他方をカソード側スペーサとした、
  固体高分子形水電解セル。
                             以上
2️⃣ 特許第7646269号 電極材料、電極、膜電極接合体及び固体高
  分子形燃料電池 国立大学法人九州大学
【要約】  高活性と電位サイクル耐久性を両立させることができ、特
に負荷変動サイクル特性に優れる燃料電池用電極を与える電極材料を
提供する。導電性担体と、前記導電性担体に担持された触媒複合体と
を含み、前記触媒複合体が、第1成分として白金(Pt)、第2成分
としてタンタル(Ta)及び第3成分としてコバルト(Co)で構成
されるPtTaCo複合体を含有する電極材料。当該電極材料におけ
るPtTaCo複合体を相分離させた後の触媒複合体はPtリッチ粒
子とTaリッチ粒子を含む。

図1 本発明の電極材料の概念模式図であり、(a)は第1の態様(P
tTaCo複合体、相分離前)であり、(b)は第2の態様(ナノコ
ンポジット構造複合体、相分離後)
【符号の説明】【0108】
  1  電極材料  2  導電性担体  3  触媒複合体  3A  Ptリッチ粒子
  3B  Taリッチ粒子  4  燃料電池用電極(カソード)  4a  電極
触媒層(カソード)  4b  ガス拡散層  5  燃料電池用電極(アノード)
  5a  電極触媒層(アノード)  5b  ガス拡散層  6  固体高分子電解
質膜  10  膜電極接合体(MEA)  20  固体高分子形燃料電池
  21  外部回路
【発明の効果】【0013】
  本発明によれば、高活性と電位サイクル耐久性を両立させることが
でき、特に負荷変動サイクル特性に優れる燃料電池用電極を与える電
極材料、並びにこれを使用した電極、膜電極接合体及び固体高分子形
燃料電池が提供される。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】  導電性担体と、前記導電性担体に担持された触媒複合
とを含み、  前記触媒複合体が、
  第1成分として白金(Pt)、第2成分としてタンタル(Ta)及び
第3成分としてコバルト(Co)で構成されるPtTaCo複合体を
相分離させて形成された、Ptリッチ粒子とTaリッチ粒子を含有し、
  前記Ptリッチ粒子がPtCo合金であり、前記Taリッチ粒子が
Ta酸化物である
ことを特徴とする電極材料。
【請求項2】  PtとTaとCoの合計(100原子%)に対して、
Pt60~80原子%、Ta10~30原子%、Co1~20原子%
である請求項1に記載の電極材料。
【請求項3】  前記導電性担体が、炭素担体である請求項1に記載の
電極材料。
【請求項4】  前記炭素担体が、高結晶性カーボンである請求項
記載の電極材料。
【請求項5】  請求項1からのいずれかに記載の電極材料とプロト
ン伝導性電解質材料とを含む電極。
【請求項6】  固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の一
方面に接合されたカソードと、前記固体高分子電解質膜の他方面に接
合されたアノードと、を有する膜電極接合体であって、前記アノード
またはカソードのいずれか一方又は両方が、請求項に記載の電極で
ある膜電極接合体。
【請求項7】  請求項に記載の膜電極接合体を備えてなる固体高分子
形燃料電池。
                            以上
3️⃣ 特開2025-23971 ポリマー、電解質材料、電解質膜、触媒層付
  き電解質膜、膜電極接合体、固体高分子形燃料電池及び固体高分
  子形水電解装置(審査前)
【要約】】式(1)で表される構造:
000002
[A及びAはそれぞれ(a1)(イオン交換基を有する芳香族基)、
(a2)(イオン交換基を有しない芳香族基)であり、L及びL
それぞれ独立して単結合等、nは10~100の整数を示す。]を有
し、下式(b1)の化合物と下式(b2)の化合物との重合体等と、
該重合体等と反応して架橋する基を3以上有する化合物との反応生成
物であるポリマー。
000003
[Aは前記と同義、X1b及びX2bはそれぞれ独立してハロゲン原
子を示す。]
000004
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  下記式(1)で表される構造を有し、
【化1】
000005
[式(1)中、
  Aは、下記式(a1)で表される構成単位を示し、
  Aは、下記式(a2)で表される構成単位を示し、
  L及びLは、それぞれ独立して、単結合、-O-、-S-又は-
SO-を示し、  nは、10~100の整数を示し、  *は、結合手
を示す。  複数のAは、互いに同一であり、  複数のAは、互いに
同一であり、  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]【化2】
000006

[式(a1)中、  IExGは、イオン交換基を示し、  Lは、単結
合、-O-、-S-、-SO-又は-CO-を示し、  xは、2~10
の整数を示し、  *は、結合手を示す。
  複数のIExGは、互いに同一でも異なっていてもよく、  複数のL
は、互いに同一でも異なっていてもよい。]【化3】000007
[式(a2)中、  Arは、イオン交換基を有しないアリーレン基を
示し、  Lは、単結合、-O-、-S-、-SO-又は-CO-を
示し、  yは、3~20の整数を示し、  *は、結合手を示す。
  複数のArは、互いに同一でも異なっていてもよく、
  複数のLは、互いに同一でも異なっていてもよい。]
  下記式(b1)で表される化合物と下記式(b2)で表される化合
物との重合体又はその酸化物と、前記重合体又はその酸化物と反応し
て架橋を形成する基を3以上有する化合物との反応生成物である、
ポリマー。【化4】
000008
[式(b1)中、Aは、前記と同義であり、X1b及びX2bは、そ
れぞれ独立して、ハロゲン原子を示す。]【化5】000009
[式(b2)中、Aは、前記と同義であり、Z1b及びZ2bは、そ
れぞれ独立して、ヒドロキシ基、チオール基、ハロゲン原子、ボロン
酸基、アルキルボラン基又はボロン酸エステル基を示す。]
【請求項2】  前記L、前記L、前記L及び前記Lが、それぞ
れ独立して、単結合又は-SO-である、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】  前記式(a1)で表される構成単位が、前記イオン交
換基として、スルホン基、アルキルスルホン基及びスルホンイミド基
からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1又は2に
記載のポリマー。
【請求項4】  前記式(a2)で表される構成単位が、前記アリーレ
ン基として、フェニレン基、ナフチレン基及びフルオレン基からなる
群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載のポ
リマー。
【請求項5】  数平均分子量が、20000~300000である、
請求項1又は2に記載のポリマー。
【請求項6】  数平均分子量に対する重量平均分子量の比が、2.0
~20.0である、請求項1又は2に記載のポリマー。
【請求項7】  請求項1又は2に記載のポリマーを含有する、電解質
材料。
【請求項8】  請求項1又は2に記載のポリマーを含有する、電解質膜。
【請求項9】  請求項8に記載の電解質膜と、該電解質膜の一方面上
又は両面上に配置された触媒層と、を備える、触媒層付き電解質膜。
【請求項10】  請求項8に記載の電解質膜と、該電解質膜の一方面
上又は両面上に配置された電極層と、を備える、膜電極接合体。
【請求項11】  請求項10に記載の膜電極接合体を備える、固体高
分子形燃料電池。
【請求項12】  請求項10に記載の膜電極接合体を備える、固体高
分子形水電解装置


4️⃣ 特開2024-157744  水素蓄電システム  株式会社アイシン(審査前)
【要約】下図3の如く、水素蓄電システムは、再生可能エネルギ電力
を用いて水素を製造し、製造した水素を水素貯蔵タンクに貯蔵する水
素製造・貯蔵システムと、水素貯蔵タンクに貯蔵されている水素を消
費して電力を発生する燃料電池システムと、を備える。この水素蓄電
システムは、再生可能エネルギ電力の購入価格である電力購入価格を
取得し、水素貯蔵タンクに貯蔵されている水素を電力換算した価格で
ある貯蔵水素電力価格を算出し、電力購入価格と貯蔵水素電力価格と
に基づいて水素製造・貯蔵システムと燃料電池システムとを運転制御
する。
000002
図3 運転制御処理の一例を示すフローチャート
【特許請求の範囲】【請求項1】
  再生可能エネルギ電力を用いて水素を製造し、製造した水素を水素
貯蔵タンクに貯蔵する水素製造・貯蔵システムと、前記水素貯蔵タン
クに貯蔵されている水素を消費して電力を発生する燃料電池システム
と、を備える水素蓄電システムであって、
  前記再生可能エネルギ電力の購入価格である電力購入価格を取得す
る取得部と、  前記水素貯蔵タンクに貯蔵されている水素を電力換算
した価格である貯蔵水素電力価格を算出する算出部と、
  前記電力購入価格と前記貯蔵水素電力価格とに基づいて前記水素製
造・貯蔵システムと前記燃料電池システムとを運転制御する運転制御
部と、  を備える水素蓄電システム。
【請求項2】  請求項1に記載の水素蓄電システムであって、  前記算
出部は、前記水素製造・貯蔵システムにより新たに水素が製造・貯蔵
されたときの前記電力購入価格と前記水素蓄電システムの変換効率と
に基づいて、前記水素貯蔵タンクに貯蔵される水素の電力換算した価
格を平均化することにより前記貯蔵水素電力価格を算出する、水素蓄
電システム。
【請求項3】  請求項1または2に記載の水素蓄電システムであって、
  前記運転制御部は、前記電力購入価格が前記貯蔵水素電力価格に対
して所定以上低い場合には、前記水素製造・貯蔵システムの運転を前
記燃料電池システムの運転よりも優先して行なう充電制御モードを実
行し、前記電力購入価格が前記貯蔵水素電力価格に対して所定以上高
い場合には、前記燃料電池システムの運転を前記水素製造・貯蔵シス
テムの運転よりも優先して行なう放電制御モードを実行する、
  水素蓄電システム。
【請求項4】  請求項3に記載の水素蓄電システムであって、  前記取
得部は、所定のタイミングで所定期間先の前記電力購入価格を取得し、 
前記運転制御部は、取得した前記所定期間先の電力購入価格に基づい
て前記貯蔵水素タンクの状態を先読みし、前記貯蔵水素タンクの貯蔵
量が上限量以上である先読み結果が得られた場合には、前記電力購入
価格が前記貯蔵水素電力価格に対して所定以上高い場合でなくても、
前記放電制御モードを実行し、または、前記貯蔵水素タンクの貯蔵量
が下限量以下である先読み結果が得られた場合には、前記電力購入価
格が前記貯蔵水素電力価格に対して所定以上低い場合でなくても、前
記充電制御モードを実行する水素蓄電システム。

5️⃣ 特開2025-4725 電極構造体 株式会社SCREENホールディ
  ングス(審査前)
【要約】下図4の如く、多孔質輸送層72の外周縁が、第1ガス拡散
層62の外周縁、第1触媒層61の外周縁、および第2触媒層71の
外周縁よりも内側に位置する。このようにすれば、多孔質輸送層72
により、第1触媒層61および第2触媒層71の有効領域Aを画定で
きる。したがって、第1触媒層61および第2触媒層71の形成範囲
の精度が低い場合でも、電極として作用する有効領域Aのばらつきを
抑えることができる。

図4 電極構造体の断面図
【符号の説明】  1      水電解装置  10    セル  20    セパレータ
  30    セルスタック  40    電源  51    電解質膜  61    第1触媒層
  62    第1ガス拡散層  71    第2触媒層  72    多孔質輸送層
  90    重複領域  A      有効領域
【発明の効果】  本願の第1発明~第4発明によれば、多孔質輸送層
により、第1触媒層および第2触媒層の有効領域を画定する。これに
より、第1触媒層および第2触媒層の形成範囲の精度が低い場合でも、
電極として作用する有効領域のばらつきを抑えることができる。
  特に、本願の第2発明によれば、第1触媒層と第2触媒層の位置ず
れに拘わらず、多孔質輸送層により、第1触媒層および第2触媒層の
有効領域を画定できる。
  特に、本願の第3発明によれば、第1触媒層および第2触媒層の矩
形状の有効領域を、多孔質輸送層により、精度よく画定できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】  電解質膜と、
  前記電解質膜の一方の面に形成された第1触媒層と、
  前記第1触媒層の表面に積層された第1ガス拡散層と、
  前記電解質膜の他方の面に形成された第2触媒層と、
  前記第2触媒層の表面に積層された多孔質輸送層と、
を備え、
  前記多孔質輸送層の外周縁が、前記第1ガス拡散層の外周縁、前記
第1触媒層の外周縁、および前記第2触媒層の外周縁よりも内側に
位置する、電極構造体。
【請求項2】  請求項1に記載の電極構造体であって、
  前記第1触媒層と前記第2触媒層とは、積層方向に視た状態におい
て、互いに重複する重複領域を有し、かつ、前記第1触媒層の外周縁
と前記第2触媒層の外周縁の位置がずれており、  前記多孔質輸送層
の外周縁が、前記重複領域の外周縁よりも内側に位置する、電極構造体。
【請求項3】  請求項1または請求項2に記載の電極構造体であって、
  積層方向に視た状態において、前記多孔質輸送層は矩形状であり、前
記多孔質輸送層の4辺が、いずれも、前記第1ガス拡散層の外周縁、
前記第1触媒層の外周縁、および前記第2触媒層の外周縁よりも内側
に位置する、電極構造体。
【請求項4】  請求項1または請求項2に記載の電極構造体であって、
  前記第1触媒層および前記第2触媒層は、塗工膜である、電極構造
体。
                            以上


6️⃣ 特開2025-37216 太陽光発電モジュールの製造方法及び太陽光発
  電モジュール ジョジアン  ジンコ  ソーラー  カンパニー  リミテ
  ッド(審査中)
【要約】下図2のごとく、製造方法は、電池セル及び溶接ストリップ
を提供するステップと、電池セルの非受光面に絶縁接着剤を印刷する
ステップと、第1方向に沿って複数の電池セルを順に敷設するステッ
プと、電池セルに溶接ストリップを配置し、第1方向に沿って、溶接
ストリップの一端を一方の電池セルの正極メイングリッドに当接させ、
溶接ストリップを電池セルにおける絶縁接着剤に接着させるステップ
と、溶接ストリップの他端を隣接する他方の電池セルの負極メイング
リッドに当接させ、溶接ストリップを電池セルにおける絶縁接着剤に
接着させるステップと、紫外線ランプを用いて照射して絶縁接着剤を
硬化させて、複数の電池セルを溶接ストリップにより接続して電池ス
トリングを形成するステップとを含む。本願は、太陽光発電モジュー
ルの製造方法
及び太陽光発電モジュールに関する。
000002
図2 本願による太陽光発電モジュールを製造するフローチャート
【発明の効果】
  本願では、絶縁接着剤を利用して溶接ストリップと電池セルとの固
定接続を実現し、従来技術において溶接ストリップと電池セルとの溶
接接続方式に比べて、瞬間的な高温による電池セルの反りの発生を回
避することができ、電池セルの構造安定性を保証し、さらに太陽光
発電モジュールの後続工程において電池セルにクラックひいては割れ
が発生することを回避することができ、太陽光発電モジュールの良品
率を向上させることに有利である。そして、絶縁接着剤を印刷するこ
とはそもそも、太陽光発電モジュールの製造に必要なステップであり、
本願の製造方法では、絶縁接着剤が電池セルの面に印刷されてまだ硬
化されていないときに溶接ストリップを敷設して、絶縁接着剤の粘性
を利用して、まず溶接ストリップの位置を決定してから、紫外線ラン
プの照射により絶縁接着剤を硬化させ、それにより溶接ストリップを
固定させる。本願の方法は、さらに製造工程を省き、太陽光発電モジ
ュールの製造難易度を低減させ、太陽光発電モジュールの製造効率を
向上させることができるとともに、材料を節約し、太陽光発電モジュ
ールの製造コストを低減させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】  太陽光発電モジュールの製造方法であって、  前記太陽
発電モジュールの製造方法は、
  バックコンタクト電池セルである電池セル(1)と、溶接ストリップ
(2)とを提供するステップと、  前記電池セル(1)の非受光面に絶
縁接着剤(11)を印刷するステップと、  第1方向に沿って、複数の
前記電池セル(1)を順に敷設するステップと、
  前記電池セル(1)に前記溶接ストリップ(2)を配置し、前記第
1方向に沿って、前記溶接ストリップ(2)の一端を一方の前記電池
セル(1)の正極メイングリッド(12)に当接させ、前記溶接スト
リップ(2)の少なくとも一部を前記電池セル(1)における絶縁接
着剤(11)に接着させ、前記溶接ストリップ(2)の他端を隣接す
る他方の前記電池セル(1)の負極メイングリッド(13)に当接さ
せ、前記溶接ストリップ(2)の少なくとも一部を前記電池セル(1)
における絶縁接着剤(11)に接着させるステップと、  紫外線ラン
プを用いて照射して前記絶縁接着剤(11)を硬化させ、前記溶接ス
トリップ(2)を前記電池セル(1)に固定接続させることによって、
複数の前記電池セル(1)を前記溶接ストリップ(2)によって接続
して電池ストリング(10)を形成するステップと、  複数組の前記
電池ストリング(10)を第2方向に沿って配列し、隣接する2組の
前記電池ストリング(10)を直列及び/又は並列に接続して太陽電
池パック(100)を形成し、前記第2方向が前記第1方向に垂直で
あるステップと、  正面封止構造(200)及び背面封止構造(300)
を提供するステップと、
  前記正面封止構造(200)を前記太陽電池パック(100)の受
光面に設置し、前記背面封止構造(300)を前記太陽電池パック
(100)の非受光面に設置し、前記正面封止構造(200)、前記
太陽電池パック(100)及び前記背面封止構造(300)をラミネ
ートして、前記太陽光発電モジュールを形成するステップと含む、こ
とを特徴とする太陽光発電モジュールの製造方法

【請求項2】  前記電池セル(1)の非受光面に絶縁接着剤(11)
を印刷する際に、前記製造方法は、具体的に、  前記第2方向に沿っ
て、前記絶縁接着剤(11)を前記正極メイングリッド(12)の両
側の負極サブグリッド(15)及び/又は負極メイングリッド(13)
の両側の正極サブグリッド(14)に印刷することを含む、ことを特
徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュールの製造方法
【請求項3】  前記溶接ストリップ(2)を前記正極メイングリッド
(12)に当接させ、前記溶接ストリップ(2)の少なくとも一部を
前記電池セル(1)における絶縁接着剤(11)に接着させる際に、
前記製造方法は、具体的に、  沿前記第2方向に沿って、前記溶接ス
トリップ(2)の両側をそれぞれ前記正極メイングリッド(12)の
両側の前記負極サブグリッド(15)における絶縁接着剤(11)に
接着させることを含み、  及び/又は、前記溶接ストリップ(2)を
前記負極メイングリッド(13)に当接させ、前記溶接ストリップ
(2)の少なくとも一部を前記電池セル(1)における絶縁接着剤
(11)に接着させる際に、前記製造方法は、具体的に、  前記第2
方向に沿って、前記溶接ストリップ(2)の両側をそれぞれ前記負極
メイングリッド(13)の両側の前記正極サブグリッド(14)にお
ける絶縁接着剤(11)に接着させることを含む、ことを特徴とする
請求項2に記載の太陽光発電モジュールの製造方法

【請求項4】  紫外線ランプを用いて照射して前記絶縁接着剤(11)
を硬化させる際に、前記紫外線ランプの照射時間は、0.2s~0.8
sである、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール
の製造方法

【請求項5】  紫外線ランプを用いて照射し前記絶縁接着剤(11)
を硬化させる際に、前記紫外線ランプの放射照度は、500m・W
/cm~1000m・W/cmである、ことを特徴とする請求項
1に記載の太陽光発電モジュールの製造方法
【請求項6】  紫外線ランプを用いて照射して前記絶縁接着剤(11)
を硬化させた後、前記製造方法は、さらに、  前記溶接ストリップ(2)
の露出した面に補強接着剤(3)を塗布し、少なくとも一部の前記補
強接着剤(3)を前記絶縁接着剤(11)及び/又は前記電池セル
(1)の非受光面に接着させることと、  紫外線ランプを用いて照射
して前記補強接着剤(3)を硬化させることとを含む、ことを特徴と
する請求項1に記載の太陽光発電モジュールの製造方法

【請求項7】  前記溶接ストリップ(2)の露出した面に補強接着剤
(3)を塗布する際に、前記製造方法は、具体的に、  前記第1方向
に沿って、前記溶接ストリップ(2)に前記補強接着剤(3)を間欠
的に塗布することを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の太陽光
発電モジュールの製造方法

【請求項8】  紫外線ランプを用いて照射して前記補強接着剤(3)
を硬化させる際に、前記紫外線ランプの照射時間は、2s~6sであ
る、ことを特徴とする請求項6に記載の太陽光発電モジュールの製造
方法


【請求項9】  紫外線ランプを用いて照射して前記補強接着剤(3)
を硬化させる際に、前記紫外線ランプの放射照度は、1000m・W
/cm~2000m・W/cmである、ことを特徴とする請求項
6に記載の太陽光発電モジュールの製造方法

【請求項10】  太陽光発電モジュールであって、  前記太陽光発電モ
ジュールは、太陽電池パック(100)と、正面封止構造(200)
と、背面封止構造(300)とを含み、
  前記太陽電池パック(100)は、第2方向に沿って配列された複
数組の電池ストリング(10)を含み、
  前記正面封止構造(200)は、前記太陽電池パック(100)の
受光面に設けられ、
  前記背面封止構造(300)は、前記太陽電池パック(100)の
非受光面に設けられ、
  前記電池ストリング(10)は、第1方向に沿って順に配列された
複数の電池セル(1)を含み、前記電池セル(1)は、バックコンタ
クト電池セルであり、
  前記電池ストリング(10)は、溶接ストリップ(2)をさらに含
み、前記第1方向において、前記溶接ストリップ(2)の両端がそれ
ぞれ隣接する2つの前記電池セル(1)に絶縁接着剤(11)を介し
て接着固定されることによって、隣接する2つの前記電池セル(1)
が溶接ストリップ(2)を介して直列接続される、ことを特徴とする
太陽光発電モジュール。

【請求項11】  前記第1方向において、いずれか一方の前記電池セ
ル(1)の正極メイングリッド(12)とその隣接する他方の前記電
池セル(1)の負極メイングリッド(13)とが位置合わせされ、前
記第1方向において、前記溶接ストリップ(2)は、一端が一方の電
池セル(1)の正極メイングリッド(12)に当接し、他端が隣接す
る他方の前記電池セル(1)の負極メイングリッド(13)に当接す
る、ことを特徴とする請求項10に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項12】前記第2方向において、前記絶縁接着剤(11)は、
前記正極メイングリッド(12)の両側の負極サブグリッド(15)、
及び/又は前記負極メイングリッド(13)の両側の正極サブグリッ
ド(14)に設けられ、
  前記第2方向において、前記溶接ストリップ(2)の両側と前記絶縁
接着剤(11)との接着長さは、いずれもL2であり、L2は、0.
1mm~0.2mmである、ことを特徴とする請求項11に記載の太
陽光発電モジュール。

【請求項13】  前記電池ストリング(10)は、補強接着剤(3)
をさらに含み、前記第1方向において、前記補強接着剤(3)は、前
記溶接ストリップ(2)の外面に間隔をあけて設けられ、少なくとも
一部の前記補強接着剤(3)は、前記絶縁接着剤(11)及び/又は
前記電池セル(1)の非受光面に固定接続され、  前記第1方向にお
いて、隣接する2箇所の前記補強接着剤(3)の間の間隔L3は、
2mm~10mmである、ことを特徴とする請求項10~12のいず
れか1項に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項14】  前記溶接ストリップ(2)は、円形状の溶接ストリ
ップ、矩形状の溶接ストリップ又はT字形状の溶接ストリップのうち
の1種である、ことを特徴とする請求項10~12のいずれか1項に記
載の太陽光発電モジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】  本願は、太陽光発電の技術分野に関し、特に太陽光
電モジュールの製造方法
及び太陽光発電モジュールに関する。
【背景技術】
  太陽光エネルギーは、人類が幾ら取っても取り尽くせず、幾ら使って
も使い尽くせない再生可能なエネルギーであり、太陽光発電モジュー
ルは、太陽光発電システムにおけるコア部分であり、太陽光発電シス
テムにおける最も重要な部分でもあり、その作用は、太陽光エネルギ
ーを電気エネルギーに変換し、蓄電池に送って貯蔵したり、負荷の作
動を推進したりすることである。太陽光発電モジュールは、通常、正
面封止構造、背面封止構造及び電池パックを含み、電池パックは、複
数組の電池ストリングを直列又は並列に接続することで構成され、各
組の電池ストリングは、間隔をあけて設けられた複数の電池セルを含
み、隣接する2つ電池セルは、溶接ストリップによって接続される。
                        この項つづく

🪄このように、日本は熾烈な医技術に晒されている。このことは浮
体型風力発電の事例(英国)や太陽光発電の事例(中国)がある。そ
のように国体施政方針と綿密に関連していることを起想するものであ
る。


ト音記号 イラストや に対する画像結果  『グスタフ・マーラーを堪能する。』




今日の言葉:創作々業にはこの猛暑は堪える(とほほのホ、気合
      一発!!笑)。

        春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                   春だというのに自然は沈黙している。    
                                                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春

              

 

 

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エネルギーと環境 218

2025年04月19日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。


【季語と短歌:4月19
日】

        漣や春風の淡海サングラス 

                   高山 宇

🪄列島を覆う夏日模様、いつものように湖岸奔る。爽快だ。


1️⃣ 「地産地走」広島高速交通向け新型車両 2025.3.3


2️⃣光免疫療法の臨床研究を開始 関西医大と島津 2025.4.18

image
3️⃣ 三次元マイクロ流路で半導体チップス高効率冷却を記録 
【要点】                      2025.4.14.
・電子機器の小型化・高性能化に伴い、半導体チップの発熱が増加の
 一途をたどっており、熱を効率よく取り除く技術希求されている。
・特殊な三次元マイクロ流路構造を持つ水冷システムを開発、世界最
 高レベルの冷却効率と安定性を達成
・この熱管理技術でAIチップや高出力電子機器の性能向上と省エネ化
 が可能となり、次世代電子機器の開発とCN実現貢献が期待される。
fig3
図3. 水を使用したマイクロ流路での二相冷却における臨界熱流束と性能係数のベンチマーク。
掲載論文
雑誌名:Cell Reports Physical Science
題 名:Chip cooling with manifold-capillary structures enables 105 COP in two-phase
    systems
DOI: 10.1016/j.xcrp.2025.102520
URL: https://doi.org/10.1016/j.xcrp.2025.102520
------------------------------------------------------------------------------------------
4️⃣ 地熱エネルギーの資源量を 機械学習で効率的に評価し将来予測
【要点】
・ 地熱エネルギーの資源量評価と開発に伴うエネルギー生産予測のた
 めの地熱貯留層(注1)モデリングに機械学習を適用
・計測データに基づいて、自動的、高速、かつ客観的に地下の状態を
 推定できる
・ 実際のフィールドを模擬したデータに対しても高い性能を実証
・ 地熱エネルギー開発の高速化、客観性向上、信頼性の確保できる


【論文情報】 
タイトル:Automated Parameter Estimation for Geothermal
     Reservoir Moddeling Using Machine Learning
掲 載 誌:Renewable Energy 
DOI:10.1016/j.renene.2024.120243 
URL:https://doi.org/10.1016/j.renene.2024.120243 

✳️ 持続的経済政策試論『未来国債⓶』

財務省亡国論

5章  「金利」から見えてくる! 
財務省の大好きな増税は「意味不明」で「愚かな策」

 だから【図版5-6一(201ページ)にまとめたように、投資城
輸出城は回避
され、GDP増加につながるというわけだ。
 財政出動は金利上昇を招き、投資城・輸出城につながる。
 この因果関係がわかれば、「GDPを上げるには、単独で行う財政政
策(財政出
動)では効果がない」というマンデル9フレミングモデル
の要諦は、ほぼ理解できた
ことになる。

変動相場制か固定相相場制化で、経済政策の効果は変わる
 では、もう一つのポイント「なぜ、『変動相場制のもとでは』という
条件つきなの
か」を説明しよう。
 GDPを増やすには財政出動と金融緩和の合わせ技が有効というの
は、すべての国
に当てはまるわけではない。経済体制は国によって異
なり、体制によって経済政策の
行い方や作用は違ってくるからだ。最
初に答えを明かしてしまうと、固定相場制をと
っている国では、財政
政策だけでGDPを増やすことができる。マンデル=フレミン
グモデ
ルが「変動相場制のもとでは」という条件つきになっているのは、そ
のためだ。

 ではなぜ、固定相場制のもとでは財政出動だけでいいのか。今まで
の話をちゃんと
理解していれば、これもわかるはずだ。
 やはりカギは「金利」である
 まず、なぜ、GDPを増やすには、財政出動と金融緩和をセットで
行うのが正解な
のか、前の説明を思い出してほしい。それは、財政出
動だけだと金利が上がって投資
と輸出が城ってしまい、GDPを効果
的に押し上げることができないからだ。

 つまり問題は、金利が動くことだ。金融政策は、日銀が民間金融機
関から国債を買
うことで、金利上昇を抑える。これをもって、財政出
勤による金利上昇、投資城、輸
出城が回避され、GDP増加につなが
るのである。

 以上はすべて、変動相場制での話だ。
 変動相場制では、為替が金利に影響し、金利が為替に影響するとい
う相互作用が働
いている。この相互作用の片割れである為替が不動、
つまり固定相場制だったら、そ
もそも金利は動かない。そして、そも
そも金利が動かないのなら、「金利を動かさな
いようにするための金
融政策」も必要ない。

 だから、固定相場制のもとでGDPを増やすには、財政政策だけで
事足りるわけだ。

 そう考えると、金利が動かない固定相場制というのは、かなり強い
金融緩和をつね
に行っているようなものともいえる。
 これで、マンデル=フレミングモデルをきちんと理解したといって
いいだろう。

 ふんわりした理解だと、本項冒頭で挙げたような「財政政策には効
果がない」とか、
「財政政策(財政出動)は、変動相場制では効かな
いが、固定相場制では効く」とい
った、かなり足りないいい方になっ
てしまう。これでは、何ら理解も説明もできてい
ないのと同じだ。
 ちょっとでも突っ込まれたら何もいえないだろうし、何より「変動
相場制では、い
くら財政出動を行っても効果がない」という思い込み
に陥ってしまう。まったくロジ
ックを理解していない、「わかったつも
り」の末路だ。いっておくが、「変動相場制で
は、いくら財政出動を行
っても効果がない」のではない。「変動相場制では、金融政策も合わせ
て行わなければ、財政出動は効かない」ということなのだ。
 「財政出動は、変動相場制では金利の上昇を招いて投資城、輸出城
につながるから、
金融政策で金利上昇を抑えなければ効かない。一方、制度的に金利変
動が起こらない固定相場制だったら、財政出動だけで効く」
 今までの話をきちんと理解していれば、こういうロジカルないい方
になるはずだ。
 このように正しく理解したうえで、最初に挙げたマンデル=フレミ
ングモデルの定義を読んでみると、どうだろうか。
 「金利が上がると。投資々と。輸出々が減るため、変動相場制のも
とでGDPを増や
すには、単独で行う財政政策(財政出動)では効果
がない

 最初に読んだときとは、だいぶ印象が変わっているのではないか。
 「単独で行う財政政策では効果がない」とは、「財政出動だけだと、
金利上昇が投資
と輸出の足を引っ張るから、金利を上げないために金
融緩和が欠かせない
」と理解するのが正解なのだ。今なら、それがす
んなり理解できるだろう。
 マンデル=フレミングモデルを理解したところで、少し現実社会に
も目を向けてみよう。すでに読者もわかっているように、GDPを増
やすには、財政出動と金融緩和をセットで行うのが効果的だ。
 不況時の財政政策は「減税」か「財政出動」、つまり「国民からと
るお金を減らすか」「国民に分配するお金を増やすか」の二択である。
 そう考えれば、いかに増税が意味不明で愚かな策であるかも、わか
るだろう。政府は、機動的な財政支出で「国民に分配するお金」を増
やしておきながら、一方では、増税で「国民からとるお金」を増やし
てしまうことになるからだ。
 たとえば消費税が上がれば、消費は冷え込んであたりまえだ。そし
て消費が冷え込めば、GDP増加は望めない。これも、GDPの内訳
を知っている今なら、すぐにわかるはずだ。

「財政再建のための増税」は必要ない
 あえて増減税の適切なタイミングをいうならば、当然、冷え込んで
いるときは減税、
過熱したら増税に決まっている。とくに消費税は、ダイレクトに国民
に負担を強いる。
 増税して財政支出するというが、要するに国民から巻き上げたお金
を、また国民にばらまくだけのことだ。したがって経済が冷え込んで
いるときの増税は、マイナス成長か不毛に終わるかの二つに一つしか
ないのだ。
 経済が冷え込んだら金融緩和、熟しすぎたら金融緊縮、これですむ
 本来、こういう金融政策こそが、景気対策の担い手であるべきなの
だ。よく「財政再建のための増税」などといわれるが、これも金融緩
和で+分である。適切な金融政策によって経済全体を上向きにすれば
税増収にもつながるため、そもそも増税など必要ないのだ。財務省に
ダマされてはいけない。 経済成長によって税増収を実現するというの
は、世界的にも一般的な方法である。
 企業の業績が上がり、個人の収入が増えれば、当然、納税額も上が
る。所得税には所得再分配機能があるので、全体の所得税の税収が上
がれば、さんざんいわれている個人間の経済格差も軽減される。
 増税で国民に負担を強いるか、企業や人の懐具合を温めるか、同じ
税増収でもどちらがいいだろうか、という話だ。

6章 何か何でも増税したい!「財務省のウソ」
知ってるから私もいっている。8%の軽減税率をうまく調整するのは
簡単で、そうすれば日本経済はみるみる上がっていく。
 財務省はいつも「財政余力がないから、インフラなどを保つために
も、これから増税が必要です」となどという。しかし、日本の財政は
G7でいちばん悪くないどころ
か、2番目にいいのは先に説明した通りだ(26ページ)。
 また、財政力は全然狭まっていないのだが、金利が上がるかもしれ
ないから、利払い費が多くなって財政力がなくなるという話もよくい
わたときに利払い費は増えるが、資産がたくさんあれば、その運用収
益が増えるから、財政に悪影響は与えない。そういう意味で財政力は
狭まらない。
 この際公共投資をたくさんして、経済を上向きに持っていった方が
いい。むしろ、何度もいうように財政力がないのであれば、インフラ
に対しての公共投資が必要なのだが、増税しましょうという話に財務
省は持っていこうとする。
 いつもの財務省さまの論理そのままである。
 私は官僚時代、金利が上がったときに財政の状況がどうなるかとい
う、「感応度分析」を計算していた。その当時から、資産の運用利回
りが増えるから、金利が上がっても財政は悪くならないと、ずっとい
っていた。
 財政余力がないから、増税して余力をつけて、それでインフラ整備
しましょうというのはいろいろな意味で間違っている。財政余力のあ
る今、国偵を出して公共事業をして、経済を上向きにした方がいいと
いうのが答えである。

南海トラフ地震注意情報を機に増税を目論む
 現状の科学では、天気予報のように場所と時間を特定して地震を予
測するのは難し
い。それなのに2024年8月の南海トラフ地質注意
情報の件では、今後一週間は危
ないからといって、新幹線を徐行した。
私にはまったく理解できない。
⛑️後日この経緯は検証し掲載する。

 新幹線についていえば、海溝に地震計をたくさん置いてあり、ある
程度の地震が起
こったら、すぐに自動的に止まるようになっている。
徐行には意味がないのだ。

 また、多くの人は、あの情報を「一週間以内は危ない」と受け取っ
た。ちょうどお
盆のかき入れどきに、キャンセルもけっこう出たとい
うことで、ビジネスをやってる人にとっては、踏んだり蹴ったり。気
毒なことである。
 極めつけは、当時の総理である岸田さんの中央アジアの訪問の中止
である。 はっきりいうと、震災などの際には総理がいてもいなくても
初期動作は同じ。総理に全部、指示を仰ぐわけではない。自衛隊の発
動など、やることはすべてマニュアル化されている。むしろマニュア
ル化されていなかったら、とてもではないが国は回らない。それなの
に万全を期して一週間は国内に留まると、わけのわからない理由でド
タキャンしてしまった。
 実はこの中央アジアヘの歴訪はかなり重要な会議で、カザフスタン、
ウズベキスタン、モンゴルと、中央アジア3か国との初の首脳会合を
間く予定だった。この国々はロシアとか中国とも達っていて、資源な
どそういう意味でも、これからかなり重視していくべき国なのに、初
の首脳会談をドタキャン。
 その理由が理由にもなっておらず、驚きを通り越してあきれてしま
った。
 相手の国も受け入れ万全にしてたのに、ドタキャンされてかなり驚
いたと思うし、内心あきれているだろう。
 地震が起こったならそれはわかる。日本国内のことに専念してくだ
さいと、誰でもいう。でも起こってない。天気予報よりはるかに劣る
精度で、起こるかもしれないという話。どんな国だって、地震が天気
予報レベルでは予知できないと知っている。
 人気取りのためにドタキャンしたのか、国民を煽っておいて、自分
が行ったらまずいということなのか、はっきりしているのは重要な外
交をありえない話でフイにしたことだ。国民を煽らなければ、別に中
央アジア歴訪に行ってもよかったのだ。
 しかも、その後の能登豪雨の際には、それこそ地震よりもはるか
に高い、かなりの確度で豪雨の予報が出ているにもかかわらず、自身
の総理卒業旅行とばかりにアメリカに行ってしまった。
 もちろんこういうような注意情報を、無視しろといっているのでは
ない。それをきっかけとして、再チェックするという意味はある。
 このような情報が出たけど、日常生活においてはそのままにしてく
ださいと。ただし念には念を入れて、こういうときにいろいろと自分
の備えをいま一度確認してくださいと。そういえばよかった。
 まったく、わけがわからない。
※検証対象項:先日の能登半島地震についても対象。
                        この項つづく


✳️玉川徹氏「トランプ大統領は日米安保を分かってない」
                2025.4.18 テレビ朝日

玉川氏は「トランプ大統領は日米安保に関して分かってないんです。
そういう時にちゃんと言ってあげればいいと思う。もし、“ワシント
ンの近郊に自衛隊の基地を置かせてもらえるんだったら日本もアメリ
カを守りますよ”と言ったらどういうことか意味が分かると思うんで
すよね」と指摘。さらに「アメリカに対するカードとして“これは国
内事情だけど、防衛費をGDP比3%に上げろとおっしゃっているんで
その分5兆円足らない。その5兆円工面しようと思ったら米国債売り
ます”と言ってみては?“米国債、今はプラスになってるから日本の国
内事情で使うんで、米国債売りたいと思います”と言ったと提言し、米
国債を交渉の“カード”にすることを勧めたという。(笑)

バナー:「ZEB」への活用事例

3️⃣ 特開2025-14903 発電モジュールの製造方法 パナソニックIPマ
      ネジメント株式会社(審査前)⓷
【詳細説明】
【0104】
【表1】
000003
【0105】  第1ストリング構造によると、サブモジュール101、
102のストリング幅ws1、ws2を同じにすることにより、サブ
モジュール101、102における各ストリング120の発電出力を
同じにすることが可能になる。
【0106】  第2ストリング構造によると、サブモジュール101、
102のストリング間領域幅wp1、wp2を同じにすることにより、
太陽電池膜を加工する工程において、同じ加工条件(レーザの照射幅)
で2つのサブモジュール101、102を製造することができる点で
有利である。
【0107】  第3ストリング構造では、2つのサブモジュール101、
102においてストリング120の配列ピッチptを一定として、ス
トリング幅およびストリング間領域幅を互いに異ならせている。この
ため、サブモジュール毎の設計がより容易になる。


図16 ストリング構造の一例を示す模式的な拡大上面図
【0108】  第1ストリング構造~第3ストリング構造では、各サ
ブモジュール101、102におけるピッチ毎のストリング面積率は
一定である。「ストリング面積率」は、図16に例示するように、スト
リング120およびそのストリング120と第2方向(例えば-Y方
向)に隣接するストリング間領域130との合計面積S1に対する、
そのストリング120の面積S2の割合をいう。このため、主面のY
方向の長さに対して配列ピッチpt1、pt2が十分に小さい場合、
各サブモジュール101、102内で光透過率は略一様となる。
【0109】  第1ストリング構造~第3ストリング構造を、Y方向
に配列された3以上のサブモジュール101~103を含むモジュー
ル列Ra(図7)に適用することができる。これにより、図27に線
90で示すように、モジュール列Raにおいて、光透過率をY方向に
変化させることができる。つまり、本実施形態では、個々のサブモジ
ュールではなく、モジュール列Ra全体で、グラデーションが形成さ
れる。【0110】
  なお、本実施形態における発電モジュールの構成は図示した例に限
定されない。例えば図2に示す上面図において、Y方向が窓の幅方向、
X方向が窓の高さ方向であってもよい。発電モジュール1の発電部と
しては、少なくとも1つの太陽電池素子を有していればよく、太陽電
池素子ストリング構造を有していなくてもよい。各サブモジュール
100は、他の少なくとも1つのサブモジュールと電気的に接続され
ていればよく、配線構造も適宜選択され得る。図示した例では、発電
モジュール1を構成する複数のサブモジュール100の厚さ、形状(
サイズ)、材料は全て同じであるが、異なっていてもよい。さらに、サ
ブモジュール100と第1基板11、第2基板12とのシール構造、
充填材の構造なども適宜変更され得る。
【0111】発電モジュールの各構成要素の形状、材料なども特に限
定されない。例えば、第1基板11、第2基板12またはサブモジュ
ール100のベース基板110は、ガラス基板に限定されず、アクリ
ルなどの透明な樹脂基板であってもよい。また、上記実施形態では、
ペロブスカイト化合物を含む太陽電池層PVを用いたが、太陽電池層
PVとして、公知の他の光電変換材料を含む層、例えば、非晶質シリ
コン、微結晶シリコン等の薄膜シリコン系半導体層、CIS、CIGS
等の化合物半導体層、有機半導体層等を用いてもよい。【0112】


図19A サブモジュールの他の例を示す拡大上面図

  サブモジュール100の構成も図示した例に限定されない。複数のス
トリング120は、ベース基板の一端側から他端側まで延在していれ
ばよく、X方向に沿っていなくてもよい。例えば、図19Aに例示す
るように、一部または全部のストリング120が、Y方向に対して斜
めに延在していてもよい。あるいは、図19Bに示すように、一部ま
たは全部のストリング120は、曲線状に延在してもよい。【0113】

図19B サブモジュールの他の例を示す拡大上面図
  (効果)
  このように、発電モジュール1は、複数のサブモジュール100を備
える。複数のサブモジュール100は、第1方向に沿って見た平面視
において、互いに隣接して配置された第1サブモジュール101およ
び第2サブモジュール102を含む。複数のサブモジュール100の
それぞれは、透光性を有するベース基板110と、ベース基板110
の主面110sの一部上に位置する発電部と、を備える。発電部は、
主面110sに支持された太陽電池層PVを少なくとも含む。平面視
において、第1サブモジュール101における主面110sに対する
発電部の面積率(発電部面積率)は、第2サブモジュール102にお
ける主面110sに対する発電部の面積率よりも小さい。【0114】
  発電モジュール1は、発電部面積率の異なる2つのサブモジュール
101、102を備えるので、位置に応じて、機能、デザイン等を変
化させることができる。したがって、設計の自由度を高めることがで
きる。  より詳細には、各サブモジュール100の発電部面積率が大き
いほど、単位面積当たりの発電効率が増加する一方で、光透過率が低
くなり得る。このため、2つのサブモジュール101、102の発電
部面積率を異ならせることで、単位面積当たりの発電効率だけなく、
光透過率を互いに異ならせることができる。したがって、例えば、発
電モジュール1の用途(使用する建材、使用環境など)に応じた設計
が可能になる。また、光透過率の差を利用して、デザイン性を高める
ことができる。【0115】
  一般に、太陽電池アレイは、同じ構造(同じ発電性能)の太陽電池を
並べて形成される。これに対し、本実施形態では、あえて発電部構造
(発電性能)の異なる複数のサブモジュールを組み合わせて発電モジ
ュールを構成することで、例えばデザイン性を付加している。【0116】
  本実施形態では、所望のデザイン性または所望の光透過率のために、
太陽電池機能を有する発電部自体を利用しており、別部材を付加する
必要がない。したがって、製造工程や部品点数の増加を抑えつつ、デ
ザイン性の高い発電モジュールを提供することができる。【0117】
  発電モジュール1は、透光性を有する第1基板11と、透光性を有す
る第2基板12と、をさら備える。第2基板12は、第1基板11と
第1方向(Z方向)に対向するように配置されている。複数のサブモ
ジュール100は、第1基板11と第2基板12との間に位置する。
サブモジュール100のベース基板110の主面110sは、例えば、
第2基板12に対向するように配置されている。【0118】
  上記構成によると、発電モジュール1は、複数のサブモジュール100
が第1基板11と第2基板12よりも小さく、第1基板11と第2基
板12との間に配置された構成を有するので、サブモジュール100
の数、配置により、様々な大きさの建材に対応可能である。【0119】
  さらに、発電モジュール1では、第1基板11、第2基板12、ベー
ス基板110が透光性を有しており、発電モジュール1の第1方向に
光を透過させることができる。したがって、建築物の窓用の建材一体
型太陽電池などの、高い可視光透過性が求められる用途に好適に適用
され得る。【0120】
  第1サブモジュール101および第2サブモジュール102のそれぞ
れにおいて、発電部は、ベース基板110の主面110sに支持され
た複数のストリング120を含んでもよい。複数のストリング120
のそれぞれは、複数の太陽電池素子150が直列に接続された構造を
有する太陽電池素子ストリング120である。第1方向に沿って見た
平面視において、複数のストリング120のそれぞれは、ベース基板
110の一端側から他端側まで延在している。上記構成によると、各
サブモジュール101、102において、ストリング120の数、配
置等によって、透過率の設計や、所望のデザインを実現することが可
能になる。【0121】
  第1サブモジュールおよび前記第2サブモジュールは、平面視におい
て第2方向に隣接し、第1サブモジュール101および第2サブモジュ
ール102のそれぞれは、ベース基板110の一端側に配置された第1
配線141と、ベース基板110の他端側に配置された第2配線142
と、をさらに備えてもよい。第1サブモジュール101および第2サ
ブモジュール102のそれぞれにおいて、複数のストリング120は、
第2方向に互いに距離を空けて配置されていてもよい。複数のストリ
ング120のそれぞれは、第1配線141から第2配線142まで、
第2方向に交差する第3方向(X方向)に延在していてもよい。
【0122】  上記構成によると、各サブモジュール101、102に
おける複数のストリング120が並列に接続される。これにより、幅の
異なるストリング120を形成した場合でも(後述する実施形態参照)、
ストリング幅の違いによる発電性能差がサブモジュールの発電性能に
える影響を小さくできる。【0123】
  第1サブモジュール101および第2サブモジュール102の少なく
とも一方において、複数のストリング120は、第1方向に沿って見
た平面視において、第2方向に等間隔で配列されていてもよい。上記
構成により、サブモジュールを製造する際の太陽電池膜の加工工程に
おいて、加工条件(レーザ光LBの照射幅wL)を一定に設定した状
態で、複数のストリング120を形成するためのレーザ加工を行うこ
とができる。【0124】
  複数のサブモジュール100は、第2方向において、第2サブモジュ
ール102の第1サブモジュール101と反対側に位置する第3サブ
モジュール103をさらに含んでもよい。第1方向に沿って見た平面
視において、第2サブモジュール102における主面110sに対す
る発電部の面積率は、第3サブモジュール103における主面110
sに対する発電部の面積率よりも小さくてもよい。上記構成により、
サブモジュール101~103を含むモジュール列において、光透過
率を、第2方向に変化させることが可能になる(図27の線90参照)。
【0125】

図27 第1および第2実施形態の発電モジュールにおける、第1サ
ブモジュールの上端からY方向に沿った距離と、ストリング面積率お
よび光透過率との関係を説明するための模式図

 複数のサブモジュール100は、第4サブモジュール104をさらに
含んでもよい。第4サブモジュール104は、第1方向に沿って見た
平面視において、第2方向に交差する第3方向に第1サブモジュール
101と隣接して配置される。第1方向に沿って見た平面視において、
第4サブモジュール104における主面110sに対する発電部の面
積率は、第1サブモジュール101における主面110sに対する発
電部の面積率と等しくてもよい。【0126】
  第4サブモジュール104はそれ専用に設計したものである必要はな
く、第1サブモジュール101と同じものでもよい。そうすれば、第
4サブモジュール用に面積率を設計する必要がなく、第1サブモジュー
ル101と同じものを配置すればよい。また、第1サブモジュール101
と第4サブモジュール104のストリング120をX方向に略一直線
になるように第1基板11上に配置する。それにより、X方向に透過
率を一定にできる。さらに、発電モジュールとしてもデザインに統一
感を発揮できる。【0127】
  上記構成により、発電モジュール1の光透過率を第3方向(X方向)
に一定にすることが可能になる。このため、特に発電モジュール1を
大面積の建材に適用する際に、統一感のあるデザインを実現できる。
また、第1サブモジュール101および第4サブモジュール104の
電流容量を同じにすることが可能になるので、これらのサブモジュー
ルを直列に接続させる場合に特に有利である。【0128】
  第1サブモジュール101と、第2サブモジュール102とは、並列
に接続されていてもよい。これにより、出力電流を増加させることが
できる。また、これらのサブモジュール101、102を直列接続す
る場合と比べて、サブモジュール101、102間の発電部面積率の
違いによる発電性能差が、発電モジュール1の発電性能に与える影響
を小さくできる。【0129】
  複数のサブモジュール100は、太陽電池アレイを構成してもよい。
例えば、発電モジュール1は、複数のモジュール列Ra~Rcを備え
る。各モジュール列は、第1サブモジュール101および第2サブモ
ジュール102を少なくとも含み、第1方向に沿って見た平面視にお
いて第2方向に延在する。複数のモジュール列Ra~Rcは、第2方向
に交差する第3方向(X方向)に配列され、かつ、直列に接続されて
いる。上記構成によると、直列接続および並列接続を組み合わせるこ
とによって、発電モジュール1の最大電流および最大電圧を所望の範
囲内に設定することができる。【0130】
  太陽電池層PVは、例えば、ペロブスカイト化合物を含んでもよい。
ペロブスカイト化合物を含む太陽電池膜(ペロブスカイト膜)は、イ
ンクジェット法、スピンコート法などの塗布技術で容易に形成され得
る。また、基板上に塗布されたペロブスカイト膜を、例えばレーザ加
工などにより、微細な形状に加工することが容易であり、デザイン性
をさらに高めることができる。この結果、複数のストリング120に
よる精密なグラデーションを形成しやすい。このように、太陽電池層
PVとして、ペロブスカイト化合物を含む層を用いることで、設計の
自由度をさらに高めることができる。したがって、建材一体型太陽電
池に、より好適に適用することができる。【0131】
  本実施形態によると、サブモジュール100を形成する工程は、透光
性を有するベース基板110の主面110sに、太陽電池膜を含む積
層膜170を形成する膜形成工程と、積層膜170を加工して、主面
110sの一部上に太陽電池層PVを含む発電部(例えば複数のスト
リング120)を形成する膜加工工程と、を包含する。膜加工工程は、
太陽電池膜の一部をレーザ加工によって主面110sから除去するレー
ザ加工工程を含み、これにより、太陽電池膜のうち除去されなかった
部分が発電部の太陽電池層PVとなる。レーザ加工工程において、第
1サブモジュール101と第2サブモジュール102とで、主面110s
の面積に対する太陽電池膜の除去面積を異ならせる。【0132】
  上記方法によると、太陽電池膜の除去面積率、すなわち、発電部を構
成する太陽電池層PVの面積率の異なる2つのサブモジュール101、
102を備える発電モジュール1を製造することができる。サブモジ
ュール101、102の光透過率は、太陽電池膜の除去面積率によっ
て変わり得る。このため、上記方法によると、光透過率の異なる2つ
のサブモジュールを、レーザ加工条件(例えば、レーザ光LBの照射
幅wL、非照射幅wT)のみを異ならせることにより、容易に作り分
けることができる。さらに、光透過率の異なるサブモジュールの組み
合わせ、配列などを変えることで、多様なデザインを実現することが
できる。例えば、顧客の要望に応じてサブモジュールを選択して組み
合わせることで、発電モジュールを製造することも可能である。した
がって、製造工程数および製造コストの増大を抑えつつ、デザイン性
に優れた発電モジュールを製造することができる。【0133】
              ー 中略 ー
【0139】  図21~図23に示す例では、サブモジュール101の
発電部面積率は、サブモジュール102の発電部面積率よりも小さい。
また、サブモジュール101からサブモジュール102に向かう方向
(-Y方向)に沿って、ストリング面積率(図21に示すS2/S1)
が徐々に増加するグラデーションが形成されている。
【0140】 図21~図23に示すストリング構造を、それぞれ、第
4ストリング構造~第6ストリング構造と呼ぶ。各構造の概要を表2
に示す。表2における「徐々に減少(または増加)」は、-Y方向に徐
々に減少(または増加)することを意味する。【0141】
 表2
000004       
【0142】  第4ストリング構造では、サブモジュール101からサ
ブモジュール102に亘って、ストリング間領域幅wpが第2方向(
ここでは-Y方向)に沿って徐々に小さくなるように設定されている。
ストリング幅(発電部の幅)wsは一定であるので、複数のストリン
グ120の発電出力を同じにすることが可能になる。
【0143】  第5ストリング構造では、サブモジュール101から
サブモジュール102に亘って、ストリング幅wsが第2方向(ここ
では-Y方向)に沿って徐々に大きくなるように設定されている。ス
トリング間領域幅wpが一定であるので、太陽電池膜を加工する際に、
加工条件(レーザの照射幅)をストリング毎に変える必要がない点で
有利である。また、各サブモジュール101、102は、ストリング
幅(太陽電池素子の幅)wsの異なる複数のストリング120を並列
接続した構造を有する。このように、あえて発電部構造(発電性能)
の異なる複数のストリング(複数の太陽電池素子)を組み合わせてサ
ブモジュールを形成することで、サブモジュールにデザイン性を付加
している。
【0144】  第6ストリング構造では、サブモジュール101からサ
ブモジュール102に亘って、ストリングの配列ピッチptは一定で
ある。ストリング幅wsおよびストリング間領域幅wpの両方を変化
させることによって、ストリング面積率が第2方向に沿って徐々に大
きくなるように設定されている。【0145】
  第4ストリング構造~第6ストリング構造によると、サブモジュール
101のストリング120は、サブモジュール102に近づくにつれ
てストリング面積率が大きくなるように配置されている。一方、サブ
モジュール102のストリング120は、サブモジュール101から
遠ざかるにつれてストリング面積率が大きくなるように配置されてい
る。サブモジュール102のストリング面積率の最小値は、サブモジ
ュール101のストリング面積率の最大値よりも大きい。これにより、
サブモジュール101、102に亘るグラデーションを形成すること
ができる。【0146】
  (サブモジュールの光透過率の設定方法)
  本実施形態においても、図14および図15を参照して説明した方法
と同様の方法で、各サブモジュールの光透過率の設定を行うことがで
きる。ただし、グラデーションを形成するために、ベース基板の主面
の位置(第2方向における位置)に応じて、ストリング幅wsおよび/
またはストリング間領域幅wpを設定する。【0147】
  図21~図23に示す例では、ストリング毎にストリング幅などを変
化させているが、ベース基板110の主面110sを第2方向に複数の
領域に分割し、領域ごとに、ストリング幅、ストリング間領域幅など
を異ならせてもよい。【0148】
  表3は、第6ストリング構造の設計例を示す。この例では、図24に
示すように、ベース基板110の主面110sを第2方向に複数の領
域r1~領域r5に分割し、各領域のストリング幅wsおよびストリ
ング間領域幅wpを設定する。表3では、幅ws、wpを、配列ピッ
チptに対する割合で示している。【0149】  
               ー 中略 ー
【産業上の利用可能性】【0171】
  本開示に係る発電モジュールは、建材一体型太陽電池、例えば発電ガ
ラスなどの建築物の窓に適用可能な発電モジュールとして有用である。
                           この項了

ト音記号 イラストや に対する画像結果    『チムチムチェリー/倍賞千恵子』





今日の言葉:季節と同伴する一日。久方の平穏、草刈が待っている。

          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                                                    春だというのに自然は沈黙している。    
                                                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春

 

              

 

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エネルギーと環境 217

2025年04月18日 | ネオコンバ-テック

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩の当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:4月18日】

         秋桜と向日葵撒きし春の淡海 

                   高山 宇

🪄自由奔放にアバンギャルドでシュールな俳句、短歌を描きたい、と。
破調を目指すことを今日付ける。(笑)

✳️
燃料デブリの形成過程一部解明 液滴現象を可視化
                                                  (
2025年03月31日 newswitch)
日本原子力研究開発機構(JAEA)は筑波大学と共同で、液体が大量の
細かな液滴に分裂する現象を3次元で可視化する手法を開発。原子炉
の過酷事故において燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)が形成される過
程の一部を理解できるという。
JAEA・筑波大、燃料デブリの形成過程一部解明 液滴現象を可視化

原子炉の過酷事故では炉内の燃料が溶けて下部の冷却材プールに落下
した際、大量の液滴に分裂して広がる。溶けた燃料や分裂した液滴が
冷えて固まると燃料デブリになる。特にプールの水が浅い場合、溶け
た燃料が床に衝突しながら液滴に分裂するため、複雑な状況になる。
一方、大量の液滴が発生する現象は実験による可視化計測が難しく、
燃料デブリの形成過程の詳細な理解が難しかった。



3️⃣ 特開2025-14903 発電モジュールの製造方法 パナソニックIPマ
      ネジメント株式会社(審査前)⓷
◾詳細説明(つづき)
【0087】 
この例では、X方向に隣接する2つのサブモジュール100の間に少
なくとも1つの第3配線43が配置されているが、第3配線43の数、
配置(Y方向における位置)などは図示する例に限定されない。
【0088】・シール工程
  図13A~図13Cは、それぞれ、シール工程を説明するための模式
的な工程断面図である。図13Aは、上述した方法によって、第1基
板11の第1面11s上に、充填材31を介してサブモジュール100
を配列した状態を示す。
【0089】  図13Bに示すように、図13Aに示すサブモジュール
100の上方に、充填材32を介して第2基板12を配置する。充填
材32として、例えば、ポリオレフィンを含む充填材シートを用いる。
充填材31、32は、Z方向からの平面視において、サブモジュール
100が配置された中央領域13よりも大きいサイズを有してもよい。
Z方向に沿って見た平面視において、充填材シートの周縁が、中央領域
13の外縁と、第1基板11および第2基板12の周縁との間に位置
してもよい。

【図13B】図1の発電モジュールの製造方法におけるシール工程を
示す模式的な工程断面図
【0090】この後、ラミネート加工を行う。ラミネート加工では、
図13Cに示すように、減圧下で充填材31、32が溶解してサブモ
ジュール100の側面(第1基板11のエッジに近接する側面)を覆
うように回り込み、第1基板11と第2基板12とが貼り合わされる。
これにより、サブモジュール100の側面の近傍に空気層が残りにくく
なるので、太陽電池層に対する空気の影響が抑制される。図示するよ
うに、サブモジュール100の側面全体が、充填材31、32で覆わ
れてもよい。続いて、第1基板11と第2基板12との間において、中
央領域13よりも外側に封止部材(例えばブチルゴム)50を配置す
ることにより、第1基板11と第2基板12との間の空間が封止され
る。封止部材50は、例えば、中央領域13を包囲するように配置さ
れる。封止部材50は、充填材31、32よりも外側に配置されても
よい。このようにして、発電モジュール1が製造される。【0091】
  なお、上記ではラミネート加工の後で、封止部材50を配置して封止
を行ったが、封止部材50を配置して封止(シール)した後に、ラミ
ネート加工を行ってもよい。【0092】
  (サブモジュールの光透過率の設定)
  上述したように、本実施形態では、各サブモジュールを製造する際の
太陽電池膜の合計除去面積によって、サブモジュールの光透過率を調整す
ることができる。【0093】

  図14は、サブモジュールの太陽電池膜除去面積率および発電部面積
率と、サブモジュールの厚さ方向(Z方向)の光透過率との関係を示す
模式図。
【0094】  図14に示すグラフの縦軸である「光透過率」は、サブ
モジュール両端に形成される配線(タブ線)を除いた場合の光透過率
である。「太陽電池膜除去面積率」は、ベース基板の主面に対する、レ
ーザ加工等によって除去された太陽電池膜の面積の割合である。太陽
電池膜除去面積率0%とは、ベース基板の主面全体に太陽電池膜が形
成された状態を指す。このときの発電部面積率は例えば100%である。
太陽電池膜除去面積率100%とは、ベース基板の主面全体から太陽
電池膜が除去され、太陽電池膜が残存していない状態を指し、発電部
面積率は0%である。【0095】
  図14から分かるように、太陽電池膜の除去面積が大きくなるにつれ
て、光透過率が増加する。言い換えると、発電部面積率が小さくなる
につれて、光透過率が増加する。太陽電池膜を全て除去した場合のサ
ブモジュールの光透過率は、第1基板および第2基板の光透過率を考
慮しなければ、概ね100%となる。図14に示す光透過率と太陽電
池膜除去面積率との関係は一例であり、太陽電池膜の材料、厚さ、形
成方法、発電部の構造などにより変わり得る。【0096】
  図14に示す関係を利用して、サブモジュール毎に光透過率を設定す
ることが可能である。【0097】
  図15は、サブモジュールの光透過率の設定方法の一例を示すフロー
チャートである。ここでは、各ストリングの幅を一定として、サブモ
ジュールの設計を行う例を説明する。
【0098】まず、発電モジュールの用途、デザイン性、発電量(単
位面積当たりの発電効率)などの要望に応じて、そのサブモジュール
の光透過率(目標値)を設定する(STEP1)。【0099】
  次いで、光透過率の目標値に基づいて、太陽電池膜の合計除去面積を
設定する(STEP2)。サブモジュールに使用する太陽電池膜と同じ
材料の太陽電池膜について、図14に例示したような太陽電池膜除去
面積率と光透過率との関係を予め求めてもよい。その関係に基づいて、
除去面積の設定を行うことができる。【0100】
 続いて、除去面積から、ストリングの数を設定する(STEP3)。
さらに、1箇所のレーザ照射で除去する太陽電池膜の面積(すなわち
ストリング間領域の面積)を設定する(STEP4)。この設定に基づ
いて、レーザ加工機のデータ(レーザの照射位置、照射幅など)を設
定する(STEP5)。【0101】
  上記方法では、ストリング幅を一定として設計したが、ストリング間
領域の幅を一定として設計してもよい。または、ストリングの配列ピ
ッチを一定として設計してもよい。ストリング幅は、例えば、図10A
~図10Cに示す非照射幅wTに基づいて決まる幅である。ストリング
間領域幅は、図10A~図10Cに示す照射幅wLに基づいて決まる
幅である。【0102】
  (第1および第2サブモジュールのストリング構造例)
  図16~図18を参照して、ストリング構造の例を説明する。図16
~図18は、それぞれ、隣接する2つのサブモジュール101、10
2の模式的な拡大上面図である。これらの図では、配線の図示を省略

【図16】ストリング構造の一例を示す模式的な拡大上面図
している。【0103】
  図16~図18に示すストリング構造を、それぞれ、第1ストリング
構造~第3ストリング構造と呼ぶ。各構造の概要を表1に示す。表1
では、各構造における、第1サブモジュール101のストリング幅w
s1、ストリング間領域の幅(ストリング間領域幅)wp1、ストリ
ングの数(合計数)N1、および配列ピッチpt1と、第2サブモジ
ュール102のストリング幅ws2、ストリング間領域の幅wp2、
ストリングの数N2、および配列ピッチpt2との関係を示している。
「配列ピッチ」は、ここでは、Y方向に隣接する2つのストリング
120の上端間の距離であり、ストリング幅とストリング間領域幅と
の和に相当する距離である。【0104】

図17 ストリング構造の他の例を示す模式的な拡大上面図

図18 ストリング構造のさらに他の例を示す模式的な拡大上面図

【0015】  図1~図3に示すZ方向(「第1方向」ともいう。)は、
発電モジュール1の厚さ方向に対応する。発電モジュール1の厚さ方
向は、例えば、2枚の基板11、12の積層方向、または、発電モジ
ュール1に含まれる太陽電池層の積層方向である。また、Z方向に直
交する平面内において、互いに交差(ここでは直交)する方向を、X
方向およびY方向としている。Y方向は、例えば、窓の高さ方向であ
り、X方向は、例えば、窓の幅方向であってもよい。【0016】
  第1基板11および第2基板12は、透光性を有する。「透光性」は、
可視光に対する透過性を意味する。「透光性を有する」とは、例えば可
視光の透過率が50%以上、好ましくは70%以上であることをいう。
第1基板11および第2基板12は、例えば、矩形状のガラス基板(
強化ガラス基板である。図1のように、発電モジュール1またはそ
の一部の上面図では、分かりやすさのために、第2基板12の図示を
省略することがある。
【0017】  図2に示すように、第1基板11と第2基板12とは、
Z方向に互いに対向するように配置されている。受光側となる第2基
板12は、第1基板11よりも薄くてもよい。第1基板11の周縁部
と第2基板12の周縁部とは、封止部材50によってシールされてい
る。Z方向に沿って見た平面視において、封止部材50は、第1基板
11のうちサブモジュール100が配置された中央領域13よりも外
方に位置する。封止部材50として、例えばブチルゴム等の熱可塑性
エラストマーを用いることができる。【0018】
  複数のサブモジュール100のそれぞれは、太陽電池(発電部)を有
する太陽電池サブモジュールである。複数のサブモジュール100は、
第1基板11と第2基板12との間に位置する。各サブモジュール100
は、例えば矩形の平面形状を有する。図1に示す例では、サブモジュー
ル100は、第1基板11、第2基板12および封止部材50で囲ま
れる空間内に配置されている。複数のサブモジュール100は、Z方
向に沿って見た平面視において、第1基板11の中央領域13に、互
いに重ならないように配置されている。【0019】
  図2に示すように、第1充填材31は、第1基板11と各サブモジュ
ール100の下面との間に位置する。第2充填材32は、第2基板12
と各サブモジュール100の上面との間に位置する。これらの充填材
31、32として、例えばポリオレフィン(PO)等の充填材を用い
ることができる。【0020】
  充填材31、32は、第1基板11、第2基板12および封止部材5
0で囲まれる空間を満たしていてもよい。これにより、サブモジュー
ル100内の太陽電池層に対する空気の影響を抑制できる。なお、上
記空間に、部分的に空気層が形成されていてもよい。また、この例では、
サブモジュール100の上下に充填材31、32が配置されているが、
いずれか一方のみに配置されてもよい。【0021】
  本実施形態では、サブモジュール100は、Z方向に沿って見た平面
視において、互いに交差(ここでは直交)する2方向(ここではX方
向およびY方向)にマトリクス状に配列されている。Y方向に配列さ
れた複数のサブモジュールからなる列Ra~Rdを「モジュール列」
と呼ぶ。また、X方向に配列された複数のサブモジュールからなる行
R1~R4を「モジュール行」と呼ぶ。【0022】

  図1に示す例では、12個のサブモジュール100が4行3列に配列
され、4つのモジュール行R1~R4および3つのモジュール列Ra
~Rcを構成している。各モジュール列Ra~Rcを構成する複数(
ここでは4つ)のサブモジュール同士は、互いに並列に接続されてい
る。また、3つのモジュール列Ra~Rcは、X方向に直列に接続さ
れている。【0023】
  図1に示すように、発電モジュール1は、第1基板11と第2基板1
2との間において、Y方向に延在する第1配線41a~41cおよび
第2配線42a~42cと、隣接する第1配線および第2配線を接続
するための複数の第3配線43とをさらに備える。これらの配線は、
金属配線であってもよい。本実施形態では、これらの配線は、銅線を
はんだで被覆した線材(タブ線)である。【0024】
  第1配線41aおよび第2配線42aは、モジュール列Raを構成す
る複数(ここでは4つ)のサブモジュール100同士を並列に接続す
る。同様に、第1配線41b、41cおよび第2配線42b、42c
は、モジュール列Rb、Rcを構成する複数のサブモジュール100
同士を並列に接続する。図示する例では、第1配線41a~41cは、
各モジュール列Ra~RcのX方向における一端側に設けられている。
第2配線(例えばタブ線)42a~42cは、各モジュール列Ra~
RcのX方向における他端側に設けられている。【0025】
  複数の第3配線43は、3つのモジュール列Ra~Rcにおける隣接
する2つのモジュール列を直列に接続する。第3配線43は、隣接する
2つのモジュール列のうち一方のモジュール列の第1配線と、他方のモ
ジュール列の第2配線とを互いに接続するように配置されている。
【0026】  図1に示すように、発電モジュール1は、一対のリード
線(+側/-側のリード線)21、22をさらに備える。リード線21
、22は、例えば金属配線(例えばタブ線)である。リード線21、
22は、第1基板11、第2基板12および封止部材50で囲まれる
空間内で、サブモジュール100に電気的に接続されている。リード
線21、22は、上記空間内から、封止部材50を貫通して外部に引
き出されていてもよい。【0027】
  図1に示す例では、リード線21は、最も左側にあるモジュール列Ra
の第1配線41aの一端に電気的に接続されている。リード線22は、
最も右側にあるモジュール列Rcの第2配線42cの一端に電気的に
接続されている。リード線21は、第1配線41aの延在部分であり、
リード線22は、第2配線42cの延在部分であってもよい。【0028】

  (サブモジュール100の構造)
  図4~図6Bを参照して、発電モジュール1におけるサブモジュール
100の構造を説明する。ここでは、モジュール列Ra(図1)内の1
つのサブモジュールを例に説明する。【0029】
  図4は、発電モジュールにおける1つのサブモジュールの模式的な上
面図である。図5は、図4のサブモジュールの一部の拡大上面図であ
る。図5は、図4に示す領域100aを拡大して示す。図6Aは、図
5におけるVIA-VIA線に沿った拡大断面図である。図6Bは、
図5におけるVIB-VIB線に沿った拡大断面図である。
【0030】  図4に示すように、各サブモジュール100は、透光性
を有するベース基板110と、ベース基板110に支持された発電部
と、一対の配線141、142と、を備える。図4に示す例では、発
電部は、ライン状の複数のストリング120を含む。【0031】
  ベース基板110は、例えば矩形状のガラス基板である。発電部は、
ベース基板110の主面110sの一部上に位置する。【0032】
  発電部は、少なくとも太陽電池層を含む。後述するように、発電部は、
例えば、一対の透明電極と、一対の透明電極の間に位置する太陽電池
層とを少なくとも含む積層構造を有する。上記積層構造は、ベース基
板110の主面110sに支持されていればよく、直接接触していな
くてもよい。【0033】
  配線141は、ベース基板110の一端側に配置されている。配線
142は、ベース基板110の他端側に配置されている。この例では、
配線141、142は、ベース基板110のX方向における両端部に
それぞれ配置されている。配線141、142は、発電部に電気的に
接続されている。配線141、142は、それぞれ、Y方向に隣接す
る他のサブモジュール(不図示)の配線141、142と接続されて、
第1配線41aおよび第2配線42aを構成する。
【0034】  発電部である複数のストリング120は、配線141、
142によって並列に接続されている。ここでは、各ストリング120
は、ベース基板110の一端側から他端側までX方向に沿って延在し
ている。各ストリング120の一方の端部は、配線141に接続され、
他方の端部は、配線142に接続されている。【0035】
  複数のストリング120は、ベース基板110の主面110s上に、
Y方向に互いに距離を空けて配置されている。Z方向に沿って見た平
面視において、複数のストリング120は、例えば、互いに平行に延
在していてもよい。Z方向に沿って見た平面視において、ベース基板
110の主面110sのうち、隣接するストリング120の間に位置
する領域130を「ストリング間領域」と呼ぶ。【0036】
  図5および図6に示すように、複数のストリング120のそれぞれは、
直列に接続された複数の太陽電池素子150を有する太陽電池素子ス
トリングである。【0037】
  図6Aおよび図6Bに示すように、各ストリング120は、下部透明
導電層LE、太陽電池層PV、および上部透明導電層UEを含む複数
の層がZ方向に積み重ねられた積層構造Lを有する。これらの層は、
主面110sに支持されている。積層構造Lにおいて、太陽電池層P
Vは、下部透明導電層LEと上部透明導電層UEとの間に位置する。
下部透明導電層LEは、太陽電池層PVのベース基板110側に位置
する。太陽電池層PVは、例えば、ベース基板110側からn型半導
体層、i型半導体層、およびp型半導体層を含む積層膜である。太陽
電池層PVは、必要に応じて、電子輸送層および/またはホール輸送
層をさらに含んでもよい。【0038】
  下部透明導電層LE、太陽電池層PV、および上部透明導電層UEは、
太陽電池素子150ごとに分離されている。この例では、太陽電池層
PVおよび上部透明導電層UEは、分離溝160によって、太陽電池
素子150ごとに分離されている。下部透明導電層LEは、各太陽電
池素子150の下部透明電極151を含む。上部透明導電層UEは、
各太陽電池素子150の上部透明電極155を含む。太陽電池層PV
は、各太陽電池素子150の半導体層153を含む。【0039】
  各太陽電池素子150は、下部透明電極151と、上部透明電極15
5と、下部透明電極151および上部透明電極155の間に位置する
半導体層153と、を有する。各ストリング120の一端に位置する
太陽電池素子150の下部透明電極151(または上部透明電極15
5)は、配線141に電気的に接続される。同様に、各ストリング1
20の他端に位置する太陽電池素子150の上部透明電極155(ま
たは下部透明電極151)は、配線142に電気的に接続される。
【0040】  太陽電池層PV(すなわち半導体層153)は、吸収し
た光を光電変換する層(光電変換層)である。太陽電池層PVは、例
えば、ペロブスカイト化合物(ぺリブスカイト半導体)を光電変換材
料として含む。ペロブスカイト化合物は、化学式ABXにより表さ
れるペロブスカイト結晶構造体及びそれに類似する結晶を有する構造
体である。Aは1価のカチオン、Bは2価のカチオン、Xはハロゲン
アニオンである。下部透明導電層LEおよび上部透明導電層UEは、
例えば、インジウム錫酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物
(IZO)、フッ素をドープした酸化錫(FTO)層などの透光性を有
する金属酸化物層である。なお、太陽電池素子を構成する各層の材料
は、上記に限定されず、公知の材料が用いられ得る。【0041】

  (サブモジュール100の発電部面積率)
  再び図4および図5を参照する。本明細書では、Z方向に沿って見た
平面視において、ベース基板110の主面110sの面積に対する発
電部の面積の割合を「発電部面積率」と呼ぶ。図4に示す例では、「発
電部の面積」は、Z方向に沿って見た平面視における複数のストリン
グ120の合計面積である。発電部面積率は、例えば、Z方向に沿っ
て見た平面視において、主面110sの面積に対する、太陽電池層P
V(または太陽電池膜)が存在する部分の面積の割合(以下、「太陽電
池層面積率」と呼ぶ。)と概ね等しい。したがって、発電部面積率は、
太陽電池層面積率であるともいえる。【0042】
  サブモジュール100では、Z方向に入射する可視光に対する発電部
の光透過率は、発電部が形成されていない部分の光透過率よりも小さ
い。これは、発電部が、例えばガラス基板よりも可視光透過率の低い
太陽電池層PVを含んでいるからである。したがって、発電部面積率
を変えることで、サブモジュール100全体としての光透過率を調整
することが可能である。なお、本明細書において、「光透過率」は、第
1方向(Z方向)に沿って発電モジュール1に入射する可視光(波長4
00nm~700nm)に対する透過率(可視光透過率)をいう。

【図5】図4のサブモジュールの一部の拡大上面図

【0043】  図5に示す例では、発電部面積率は、サブモジュール
100に配置するストリング120の数、各ストリング120の第
2方向に沿った幅(以下、「ストリング幅」)ws、隣接する2つのス
トリング120間の第2方向(Y方向)に沿った距離(以下、「ストリ
ング間距離」)などによって調整され得る。ストリング間距離は、スト
リング間領域130の第2方向に沿った幅(以下、「ストリング間領域
幅」)wpを指す。一例として、各サブモジュール100の発電部面積
率は、例えば20~80%の範囲内で適宜選択され得る。これにより、
各サブモジュール100の光透過率は、例えば20~80%の範囲内
で所望の値に調整され得る。【0044】
  (発電モジュールにおけるサブモジュールの配置)
  本実施形態の発電モジュール1は、第1方向(Z方向)から見た平面
視において、第2方向に隣接する2つのサブモジュールを備える。隣
接する2つのサブモジュールは、発電部面積率が互いに異なるように
構成されている。本明細書では、隣接する2つのサブモジュールのう
ちの発電部面積率の小さい方を「第1サブモジュール」、発電部面積率
の大きい方を「第2サブモジュール」と呼ぶことがある。第1サブモ
ジュールは、第2サブモジュールよりも高い光透過率を有し得る。
【0045】  図7は、図1の発電モジュールの一部を示す拡大上面図
である。図7では、図1に示すサブモジュール100のうち、左上に
位置する3行3列のサブモジュール100を拡大して示している。
【0046】  図7に示すモジュール列Ra内の2つのサブモジュール
101、102を例に説明する。サブモジュール101とサブモジュー
ル102とは、第1方向(Z方向)から見た平面視において、第2方
向(ここではY方向)に隣接している。この例では、サブモジュール
101とサブモジュール102とは、互いに並列に接続されている。
【0047】  サブモジュール101の発電部面積率は、サブモジュー
ル102の発電部面積率よりも小さい。つまり、この例では、サブモ
ジュール101が「第1サブモジュール」に相当し、サブモジュール
102が「第2サブモジュール」に相当する。これにより、サブモジ
ュール101の光透過率を、サブモジュール102の光透過率よりも
大きくすることができる。【0048】
  図7に示す例では、サブモジュール101、102のそれぞれにおい
て、ストリング120がY方向に等間隔で配置されている。サブモジ
ュール102には、サブモジュール101よりも密にストリング120
が配置されている。したがって、サブモジュール102のストリング
120の数は、サブモジュール101のストリング120の数よりも
多い。ストリング120のY方向の幅は、例えば、全て一定である。
このようにして、サブモジュール102の発電部面積率(ここでは、
主面110sに対するストリング120の合計面積の割合)を、サブモ
ジュール101よりも大きく設定することができる。【0049】
  発電モジュール1は、Z方向に沿って見た平面視において、第2方向
(ここではY方向)において、サブモジュール102のサブモジュール
101と反対側に配置されたサブモジュール103をさらに備える。
サブモジュール103を「第3サブモジュール」と呼ぶことがある。
サブモジュール102の発電部面積率は、サブモジュール103の発電
部面積率よりも小さい。この例では、サブモジュール103には、サ
ブモジュール102よりも密にストリング120が配置されている。
【0050】  図7に例示するように、各モジュール列Ra~Rcを構
成する複数のサブモジュール100は、モジュール列の一端側(ここ
では、上方(+Y側))に近いサブモジュールほど発電部面積率が小さ
くなるように構成されていてもよい。これにより、Y方向(例えば窓
の高さ方向)に沿って光透過率を変化させることができる。【0051】
  発電モジュール1は、Z方向に沿って見た平面視において、サブモジ
ュール101と第2方向に交差する第3方向(ここではX方向)に隣
接して配置されたサブモジュール104をさらに備える。サブモジュー
ル104を「第4サブモジュール」と呼ぶことがある。サブモジュー
ル104の発電部面積率は、サブモジュール101の発電部面積率と
等しい。この例では、サブモジュール104のストリング120の数
は、第1サブモジュール101と同じである。【0052】
  図7に例示するように、各モジュール行R1~R4を構成する複数の
サブモジュール100は、発電部面積率が全て同じになるように構成
されてもよい。これにより、X方向(例えば窓の幅方向)に沿って透過
率を一定にすることができる。【0053】
  (サブモジュールの他の配置例)
  本実施形態の発電モジュールは、第2方向に隣接し、かつ、発電部面
積率の異なる少なくとも2つのサブモジュールを備えていればよい。
図7では、第1サブモジュールが第2サブモジュールの上方(+Y側)
に位置するが、下方(-Y側)に位置してもよい。また、図7では、
第2方向をY方向として説明したが、第2方向は、発電モジュール1
の厚さ方向である第1方向に交差する方向(XY面における任意の方
向)であればよい。サブモジュールの数、配置なども、図7に示す例
に限定されない。図7では、サブモジュール100がマトリクス状に
配列されているが、サブモジュール100は一方向のみに配列されて
いてもよい。【0054】
  図8は、第1実施形態の発電モジュールの他の例を示す模式的な上面
である。【0055】
  図8に示す発電モジュールは、複数(ここでは3つ)のサブモジュー
ル101~103を含む単一のモジュール列を備える点で、図2に示
す構成と異なる。【0056】
  サブモジュール101~103は、図7に示したサブモジュール10
1~103と同様に、モジュール列Raの一端側(ここでは+Y側)
に位置するサブモジュールほど高い発電部面積率を有するように構成
されている。したがって、発電モジュールの光透過率は、+Y方向に
徐々に大きくなる。図示するように、例えば窓のサイズに応じて、各
サブモジュール101~103の平面形状は、X方向に長い矩形状で
あってもよい。この構成によると、サブモジュール間に配線を配置す
る必要なく、シンプルで外観に優れた発電モジュールを提供すること
ができる。【0057】

  (サブモジュールの製造方法)
  図9A~図11を参照しながら、サブモジュール100の製造方法を
説明する。【0058】
  サブモジュール100の製造方法は、ベース基板の主面に、太陽電池
膜を含む積層膜を形成する膜形成工程と、積層膜を加工して発電部を
形成する膜加工工程と、発電部と電気的に接続する配線を配置する配
線形成工程と、を包含する。【0059】
・膜形成工程
  図9Aおよび図9Bは、それぞれ、膜形成工程を説明するための模式
的な工程斜視図である。【0060】
  まず、図9Aに示すように、透光性を有するベース基板(例えばガラス
基板)110を用意する。ここでは、ベース基板110としてガラス基
板を用意する。代わりに、FTO基板などの、表面が透明導電膜で被
覆された基板を用いてもよい
。【0061】  次いで、図9Bに示すように、ベース基板110の主
面110sに、主面11010s側から、下部透明導電膜、太陽電池
膜および上部透明導電膜をこの順で含む積層膜170を形成する。
【0062】  積層膜170における各膜は、それぞれ公知の方法で形
成され、必要に応じてパターニングされる。例えば、下部透明導電膜
のパターニング、上部透明導電膜と下部透明導電膜とを接続するコン
タクト部の形成などを適宜行ってもよい。FTO基板を用いる場合は、
FTO基板表面の透明導電膜を、積層膜170の下部透明導電膜とし
て用いてもよい。【0063】
  太陽電池膜は、例えば、ペロブスカイト化合物を含む。太陽電池膜は、
スピンコート方式、インクジェット方式などの方法で、主面110s
に形成された下部透明導電膜の上に塗布される。太陽電池膜は、例え
ば、n型半導体膜、i型半導体膜(ペロブスカイト層)およびp型半
導体膜を含む積層膜である。まず、n型半導体膜を、インクジェット
方式を用いて塗布して乾燥させた後、その上層となるi型半導体膜を
インクジェット方式により塗布して乾燥させる。同様にp型半導体膜
を、インクジェット方式を用いて塗布して乾燥させて積層膜を形成す
る。このように塗布および乾燥を繰り返して、太陽電池膜となる積層
膜を形成してもよい。【0064】
・膜加工工程
  膜加工工程では、まず、図9Cに示すように、レーザ光をX方向に走
査して、上記方法で形成された積層膜170に対して第1のレーザ加
工工程(ストリング形成工程)を行い、積層膜170の一部を主面1
10sから除去する。ここでは、レーザスクライブなどのスクライブ
加工を行う。積層膜170のうち主面110s上に除去されずに残っ
た部分が、発電部(ストリング120)となる。【0065】
  続いて、図9Dに示すように、レーザ光をY方向に走査して、第2の
レーザ加工工程(素子分離工程)を行う。これにより、各ストリング1
20に、Y方向に延在する複数の分離溝(図6Aの分離溝160に対
応)160を形成し、複数の太陽電池素子150に分離する。このよ
うにして、図6Aで例示した積層構造Lを得る。【0066】
  以下、図10A~図10Cを参照して、第1のレーザ加工工程(図9C)
をより詳細に説明する。ここでは、積層膜170を構成する下部透明導
電膜、太陽電池膜、上部透明導電膜を全て同時にレーザ加工によって
除去する例を説明する。なお、少なくとも太陽電池膜の一部がレーザ
加工によってベース基板から除去されればよい。他の透明導電膜は、
太陽電池膜とは異なる方法で加工され、異なるパターンを有してもよい。
【0067】  図10A~図10Cは、それぞれ、膜加工工程を説明
するための模式的な工程断面図である。【0068】
  図10Aに示すように、レーザ光LBをX方向に走査して、所定の照
射範囲(「照射幅」と呼ぶ。)wLで積層膜170にレーザ光LBを照
射する。これにより、積層膜170のうち照射された部分を除去する。
除去される部分は、X方向に延在するライン状の領域(ストリング間
領域)130となる。照射幅wLが広い場合には、複数回の走査を行
って所定の範囲wLへの照射を行ってもよい。この例では、積層膜1
70が厚さ方向に亘って除去されて、主面110sの一部が露出する。
【0069】  次いで、図10Bに示すように、レーザヘッドを移動さ
せて、レーザ光LBの照射位置を所定の距離(「非照射幅」と呼ぶ。)
wTだけY方向にずらす。この状態で、レーザ光LBをX方向に走査
して積層膜170に照射幅wLでレーザ照射を行い、積層膜170の
一部を除去する。Y方向に隣接する2つの除去部分の間には、非照射
幅wTと同じ幅を有するライン形状の積層構造、すなわちストリング
120が形成される。図10Cに示すように、この後も、照射位置を
Y方向にずらしながら、積層膜170のレーザ照射を行う。このよう
にして、主面110s上に、Y方向に等間隔に配置された複数のスト
リング120を形成することができる。【0070】
  本実施形態では、膜加工工程において、第1のレーザ加工工程におけ
る加工条件を異ならせて、第1サブモジュール(例えば、図7におけ
るサブモジュール101)と第2サブモジュール(例えば、図7にお
けるサブモジュール102)とを作製する。これにより、太陽電池膜
の除去面積(合計面積)を異ならせることができるので、光透過率の
異なる2つのサブモジュールを作り分けることができる。【0071】
  レーザ光LBの照射幅wLおよび非照射幅wTは、所望の光透過率
および発電量が得られるように適宜設定され得る。例えば、第1サブ
モジュールを製造する際のレーザ光LBの照射幅wL1を、第2サブ
モジュールを製造する際の照射幅wL2よりも大きくしてもよい。あ
るいは、第1サブモジュールを製造する際の非照射幅wT1を、第2
サブモジュールを製造する際の非照射幅wT2よりも小さくしてもよ
い。サブモジュール101、102を作り分ける方法の一例を、図9
A~図9Fを参照して説明する。【0072】
  まず、第1基板11よりもサイズの小さいベース基板110を複数枚
用意する(図9A)。この基板110の主面110sに、同じ積層条件
にて積層膜170を形成し、ベースサブモジュール(以下、「積層膜付
きベースサブモジュール」)を複数枚用意する(図9B)。【0073】
  次いで、積層膜付きベースサブモジュールに対し、図9Cに示すよう
に、第1加工条件(照射幅wL1および非照射幅wT1)にて、第1
レーザ加工工程(ストリング形成工程)を行う。これにより、ベース
基板110上に、ストリング幅がwT1、ストリング間距離がwL1
である複数のストリング120を形成する。次いで、図9Dに示すよ
うに、第2レーザ加工工程(素子分離工程)を行い、サブモジュール
を形成する。これが「第1サブモジュール101」となる。【0074】
  同様に、積層膜付きベースサブモジュール(図9B)に対し、図9E
に示すように、第1加工条件とは異なる第2の加工条件(照射幅wL
2(wL2<wL1)、非照射幅wT2(wT2=wT1))にて加工
を行う。これにより、ベース基板110上に、ストリング幅がwT2
(=wT1)、ストリング間距離がwL2(<wL1)である複数のス
トリング120を形成する。次いで、図9Fに示すように、第2レー
ザ加工工程(素子分離工程)を行い、サブモジュールを形成する。こ
れが「第2サブモジュール102」となる。【0075】
  このように第2サブモジュールを形成する第2の加工条件は、第1の
加工条件と比較して、非照射幅は等しく設定する一方、照射幅だけを
小さく設定することにより、第2サブモジュール102を形成すること
ができる。なお、レーザ加工のレーザ出力は第1加工条件、第2加工
条件とも同じである。【0076】
  なお、この条件で形成した第1サブモジュール、第2サブモジュール
は、表1(図16参照)の関係になっている。これらのサブモジュー
ルのストリング幅は同じであり、ストリング間領域幅は異なった関係
である。【0077】
 表1
000003
  このように、ベース基板110上に、共通の形成条件で積層膜170
をあらかじめ形成して、複数のベースサブモジュール(積層膜付きベー
スサブモジュール)を作製しておくと、第1レーザ加工工程の加工条件
を変えることにより、ベースサブモジュールから、第1サブモジュール
101および第2のサブモジュール102を製造することができる。

図11サブモジュールの製造方法における配線形成工程を示す模式的
な上面図
【0078】・配線形成工程
  図11は、配線形成工程を説明するため模式的な上面図である。図11
に示すように、上記方法でストリング120が形成されたベース基板
110に、配線(例えばタブ線)141、142を形成する。このよ
うにして、サブモジュール100が製造される。【0079】
  配線141、142は、基板110のX方向における一端側および他
端側にそれぞれ配置される。Z方向に沿って見た平面視において、配線
141、142は、基板110のY方向の長さよりも長く、配線141、
142の上端部および下端部が基板110の外側に延在していてもよい。
配線141は、ベース基板110の一端側において、各ストリング
120の左端部の上部透明導電層または下部透明導電層に接続される。
同様に、配線142は、ベース基板110の他端側において、各スト
リング120の右端部の上部透明導電層または下部透明導電層に接続
される。配線141、142のそれぞれは、例えば半田付けによって、
下部透明導電層の端部上面に接続されてもよい。【0080】
  (発電モジュールの製造方法
  次に、図12A~図13Cを参照しながら、上記方法で製造されたサ
ブモジュール100(図11)を用いて、発電モジュール1を製造す
る方法を説明する。【0081】
  発電モジュールの製造方法は、例えば、第1基板上に複数のサブモジ
ュールを配置し、互いに電気的に接続させるサブモジュール配置工程
と、複数のサブモジュールを間に挟んで、第1基板と第2基板とを貼
り合わせるシール工程と、を包含する。【0082】
・サブモジュール配置工程
  図12Aおよび図12Bは、それぞれ、サブモジュール配置工程を説
明するための模式的な工程上面図である。【0083】
  まず、第1基板(例えばガラス基板)を用意し、第1基板の第1面
11s上に、充填材(図2等に示す充填材31)を介して、サブモジ
ュール100を複数個配置する。充填材として、例えば、ポリオレフ
ィンを含む充填材シートを用いる。ここでは、12個のサブモジュー
ル100を4行3列に配列してもよい。
【0084】  本実施形態では、図12Aに示すように、Y方向(列方
向)に隣接する2つのサブモジュール100の配線141同士および
配線142同士を、例えば半田を用いて接続する。同じ列内のサブモ
ジュール100の配線141がY方向に繋がり、Y方向に延在する第
1配線41aが形成される。同様に、同じ列内のサブモジュール10
0の配線142がY方向に繋がり、Y方向に延在する第2配線42a
が形成される。これにより、同じ列内のサブモジュール100が並列
に接続されたモジュール列Raを得る。同様にして、他のモジュール
列Rb、Rcにおいても、4つのサブモジュール100も並列に接続
する第1配線41b、41cおよび第2配線42b、42cを形成する。
【0085】  また、図12Bに示すように、モジュール列Raの第2
配線42aと、モジュール列Rbの第1配線41bとを、第3配線43
によって電気的に接続する。第3配線(例えばタブ線)43は、例えば
半田付けで、第2配線42aおよび第1配線41bに接続されてもよい。
同様にして、モジュール列Rbの第2配線42bとモジュール列Rcの
第1配線41cとを第3配線43で接続する。これにより、モジュール
列Ra~Rcが直列に接続される。【0086】
  続いて、最も左側のモジュール列Raの第1配線41aにリード線21
を接続し、最も右側のモジュール列Rcの第2配線42cにリード線
22を接続する。このようにして、サブモジュール付き第1基板が形
成される。
【0087】この例では、X方向に隣接する2つのサブモジュール100
の間に少なくとも1つの第3配線43が配置されているが、第3配線
43の数、配置(Y方向における位置)などは図示する例に限定され
ない。【0088】
・シール工程
  図13A~図13Cは、それぞれ、シール工程を説明するための模式
的な工程断面図である。図13Aは、上述した方法によって、第1基
板11の第1面11s上に、充填材31を介してサブモジュール100
を配列した状態を示す。
【0089】  図13Bに示すように、図13Aに示すサブモジュール
100の上方に、充填材32を介して第2基板12を配置する。充填
材32として、例えば、ポリオレフィンを含む充填材シートを用いる。
充填材31、32は、Z方向からの平面視において、サブモジュール
100が配置された中央領域13よりも大きいサイズを有してもよい。
Z方向に沿って見た平面視において、充填材シートの周縁が、中央領域
13の外縁と、第1基板11および第2基板12の周縁との間に位置
してもよい。【0090】
  この後、ラミネート加工を行う。ラミネート加工では、図13Cに示
すように、減圧下で充填材31、32が溶解してサブモジュール100
の側面(第1基板11のエッジに近接する側面)を覆うように回り込
み、第1基板11と第2基板12とが貼り合わされる。これにより、
サブモジュール100の側面の近傍に空気層が残りにくくなるので、
太陽電池層に対する空気の影響が抑制される。図示するように、サブ
モジュール100の側面全体が、充填材31、32で覆われてもよい。
続いて、第1基板11と第2基板12との間において、中央領域13
よりも外側に封止部材(例えばブチルゴム)50を配置することによ
り、第1基板11と第2基板12との間の空間が封止される。封止部
材50は、例えば、中央領域13を包囲するように配置される。封止
部材50は、充填材31、32よりも外側に配置されてもよい。この
ようにして、発電モジュール1が製造される。【0091】
  なお、上記ではラミネート加工の後で、封止部材50を配置して封止
を行ったが、封止部材50を配置して封止(シール)した後に、ラミ
ネート加工を行ってもよい。【0092】

  (サブモジュールの光透過率の設定)
  上述したように、本実施形態では、各サブモジュールを製造する際の
太陽電池膜の合計除去面積によって、サブモジュールの光透過率を調整
することができる。【0093】  図14は、サブモジュールの太陽電
池膜除去面積率および発電部面積率と、サブモジュールの厚さ方向(
Z方向)の光透過率との関係を示す模式図である。【0094】
  図14に示すグラフの縦軸である「光透過率」は、サブモジュール両
端に形成される配線(タブ線)を除いた場合の光透過率である。「太陽
電池膜除去面積率」は、ベース基板の主面に対する、レーザ加工等に
よって除去された太陽電池膜の面積の割合である。太陽電池膜除去面
積率0%とは、ベース基板の主面全体に太陽電池膜が形成された状態
を指す。このときの発電部面積率は例えば100%である。太陽電池膜
除去面積率100%とは、ベース基板の主面全体から太陽電池膜が除去
され、太陽電池膜が残存していない状態を指し、発電部面積率は0%
である。【0095】
  図14から分かるように、太陽電池膜の除去面積が大きくなるにつれ
て、光透過率が増加する。言い換えると、発電部面積率が小さくなる
につれて、光透過率が増加する。太陽電池膜を全て除去した場合のサ
ブモジュールの光透過率は、第1基板および第2基板の光透過率を考
慮しなければ、概ね100%となる。図14に示す光透過率と太陽電
池膜除去面積率との関係は一例であり、太陽電池膜の材料、厚さ、形
成方法、発電部の構造などにより変わり得る。【0096】
  図14に示す関係を利用して、サブモジュール毎に光透過率を設定す
ることが可能である。【0097】
  図15は、サブモジュールの光透過率の設定方法の一例を示すフロー
チャートである。ここでは、各ストリングの幅を一定として、サブモジ
ュールの設計を行う例を説明する。【0098】
  まず、発電モジュールの用途、デザイン性、発電量(単位面積当たり
の発電効率)などの要望に応じて、そのサブモジュールの光透過率(
目標値)を設定する(STEP1)。【0099】
  次いで、光透過率の目標値に基づいて、太陽電池膜の合計除去面積を
設定する(STEP2)。サブモジュールに使用する太陽電池膜と同じ
材料の太陽電池膜について、図14に例示したような太陽電池膜除去
面積率と光透過率との関係を予め求めてもよい。その関係に基づいて、
除去面積の設定を行うことができる。【0100】
  続いて、除去面積から、ストリングの数を設定する(STEP3)。
さらに、1箇所のレーザ照射で除去する太陽電池膜の面積(すなわち
ストリング間領域の面積)を設定する(STEP4)。この設定に基づ
いて、レーザ加工機のデータ(レーザの照射位置、照射幅など)を設
定する(STEP5)。【0101】
  上記方法では、ストリング幅を一定として設計したが、ストリング間
領域の幅を一定として設計してもよい。または、ストリングの配列ピ
ッチを一定として設計してもよい。ストリング幅は、例えば、図10
A~図10Cに示す非照射幅wTに基づいて決まる幅である。ストリ
ング間領域幅は、図10A~図10Cに示す照射幅wLに基づいて決
まる幅である。【0102】
  (第1および第2サブモジュールのストリング構造例)
  図16~図18を参照して、ストリング構造の例を説明する。図16
~図18は、それぞれ、隣接する2つのサブモジュール101、102
の模式的な拡大上面図である。これらの図では、配線の図示を省略し
ている。【0103】

                        この項つづく

バナー:「ZEB」への活用事例
建材一体型太陽電池(Building-Integrated PhotoVoltaics)

              



                              


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