極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

里山の樹液レストラン

2012年08月05日 | びわこ環境

 


 

Quercus acutissima.jpg



【里山の樹液レストラン】

ひと昔、夏は近くの河辺にある雑木林のクヌギに、樹液発酵する匂いに誘引された昆虫たち集まるスイート
ポイントがあった。夜になると夏休みの親子づれがカブトムシをよく捕まえに来ていた。今年はどうなって
いるのかわからないが、それと雑木林には梟も住み着いていてその鳴き声はいまも耳にすることがある。勿
論、日中は車や人の往来でなりを潜めている。夜になると一転、冬には狐が徘徊することもあるが。さて、
昼間はスミナガシ、ヨツボシケシキスイ、ヨツボシオオキスイ、ミヤマクワガタ、オオスズメバチなどは日
中やってくる常連で、夜ともなれば、シロスジカミキリが開けた穴から樹液溢れ、ヤマトゴキブリ、フクラ
スズメ、シロスジアオヨトウが時を変えてこの樹液レストランに集まる。もうすぐすると地蔵盆がやってく
る。そうして暫くして暑い暑い夏が峠を越え、そうやって里山の子らはやがて優しい大人に成長していく。
なんと長閑なことか、なんとも豊穣なことかと。きみは、草笛をつくって鳴らすことはできるだろうか。僕
は下手くそだったが、僕の仲間は皆上手だ。そう、郷里の墓参りの途中、親父も上手に僕の前でこしらえ楽
しそうに鳴らしてみせてくれたっけ。そうして、白い入道雲の空の彼方に去って幾夏も数えることとなった。





 【粉体プロセッシングによるレアメタル回収】

様々な物質が混じり合った鉱石から金属などの有価物だけを採り出すには、最終的には固体を溶かす方法が
効率的だが、そのためには、膨大なエネルギーが必要になる。これに対し、鉱石に含まれる有価物を濃縮し、
その溶かすエネルギーを最小限にするミネラルプロセッシング(鉱物処理)技術は、最も古い産業技術のひと
つ。現在では、鉱石に留まらず、人工物を含むあらゆる固体から、これを溶かさずに固体の状態のまま必要
な物質の粒子を分離する「粉体プロセッシング」として発展。この技術はもっとも環境負荷が小さい分離方法
だが、粉体は液体のように均質ではなく、目的の物質だけを分離するのは簡単ではない。この粉体プロセッ
シングに物理、化学、電気などの最新技術・理論を用い、より効率的な分離方法の開発にチャレンジしてい
るのが早稲田大学創造理工学部・環境資源工学科の所千晴准教授。



まず、XAFS(固体中の物質の詳細な構造まで非破壊で分析で、従来のX線ではわからなかった極めて微量な

構造の差異まで見つけることができる装置)で固体の特徴を把握→破砕(このとき、破砕もやみくもに細か
くするのではなく、必要な物質だけを効率的にとり出す)→コンピュータを使い、粉体全体の挙動を解析す
るシミュレーション技術で、比重のわずかに異なる2つの粒子の分離機構を明らかにすることができる。こ
れを使用し、電子機器の基板を細かく破砕しまうと、一部のレアメタルは分散してしまい、リサイクルがよ
り難しく、基板の表面からレアメタルが濃縮した部品を壊さずにはがすのだという。洗濯機のドラムのよう
な粉砕機に電子機器の基板を入れ、物理的にかき回すシンプルな方法だが、ドラム内の回転羽根の形状や周
囲の壁質、ドラムの回転数、基板の投入枚数など、最適な組み合わせをコンピュータでシミュレーションし
ながら理論を構築し。この技術で、装置の仕様変更もシミュレーション上でできるため、実際の実験の回数
を減らせ、製品の実用化までの費用も減らせ、リードタイムも短縮できる。レアメタルのリサイクルと並び、
所准教授が取り組んでいるのが、廃水処理技術の開発だ。





レアメタルのリサイクル技術は、部品を剥離する物理的なアプローチであるのに対し、廃水処理技術は、薬
品を使って有害物質を分離する化学的なアプローチが必要になる。全く畑違いの研究のようだが、所准教授
によれば、物質の粒子の特徴に基づいて分離するという基本的な考え方は同じだという。廃水処理の研究で
は、粒子特有の固液界面特性(固体と液体の境界上での特性)を利用し、廃水中の重金属の有害元素を汚泥内
に固定、あるいは沈殿生成する機構を、化学平衡計算をベースに表面錯体モデルや速度論も入れながら解明
している。コンピュータを使ったシミュレーションのほか、ビーカーを使った実験も繰り返し、汚泥のなか
に効率的に有害物質を固定する機構を解明した。これが実現できれば、廃水処理に伴って発生する汚泥の排
出量も抑えられる。

図1

これらの技術を応用し、鉛汚染土壌の洗浄技術の研究も行っている。従来、鉛汚染土壌を浄化する場合は、

大量の水を投入して鉛を洗い出し、大量の廃水が生じる方法がとられてきたが、所准教授は、鉛を含んだ土を
ミキサーにかけ、土の粒子を削り、粒子の大きさで有害土壌可能な限り減らしたうえで、洗浄する方法を開
発した。こうすれば、化学薬品を使う量も抑えられる。研究開発における企業との連携は、企業が開発した
装置の評価=メカニズム解明や工業廃水処理での汚泥の削減方法の研究に加え、最近は、汚泥に取り込んだ
銅やレアメタルなどの金属の再利用の相談も増えているそうだ。研究に対するニーズの高まりに手応えを感
じる一方、時に、ハードルも感じるという。コストの問題だ。地球環境への負荷軽減を重視して技術を開発
しているが、環境負荷の小ささより、費用の安さが優先されてしまうことも少なくない。これまでに蓄積し
たキャラクタリゼーションのノウハウやデータ、シミュレーション技術などを用いながら、環境とコスト効率
に優れたオリジナルのプロセスや装置の開発も重要だ。



【表面形状を30~2000コマ/秒で3次元計測】

ダイナミックに変化する対象の3次元シーンの計測が注目されているが、人物を瞬時に計測してその動きを
解析し、デバイスの装着が不要のゲーム用製品や、自律移動するロボットの目として利用する研究が進めら
れている。このように計測対象あるいは計測者が動く動的シーン計測の重要性が強く求められているが、こ
のような用途で動いている物体を計測するセンサーは、撮影できるフレームレートが限定的(~30コマ/秒)
で、精度や密度に関してもさまざまな測定を行うには不十分だった。高速・精密な形状計測を同時に実現で
きれば、医療応用や流体解析など、3次元形状計測技術の応用範囲が格段に広がる。

The 34th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
(EMBC2012)
で発表される。


波線格子パターンの投影による動作の計測写真

産総研の知能システム研究部門で開発されたこの技術は、波線からなる格子パターン光を物体に投影し、カ
メラで撮影し撮像された瞬間の物体表面の3次元形状を計測可能とする。高速度カメラを使えば、非常に速
く運動・変形する物体の計測もでき、従来の技術ではなしえなかった、高速・精密な形状計測を同時に実現
できるものだ。



朝から自治会館の掃除で、畳、座布団の虫干し、草刈り、剪定で汗を流す。昼から近所の草刈りという段取
りだったのだが、これはオーバーワークということで中止。持久力、体力の低下を実感しつつも、ジムでさ
らに再度汗を流す。友人とゆっくり飲みカラオケでもと誘い約束する(高枝剪定ハサミの修理でプラスドラ
イバーを借用したついで)。ことは予定の半分しかできないというのがここ数ヶ月間の実績。夕食は珍しく
トロサーモンと茄子漬けの自家製の握りと白い金麦2本。これは美味い。
 

                                                                    

 

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