極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

発酵食品立国の道

2012年08月31日 | 医療健康術

 

 

 

 

「さらば、口臭よ!」(『口臭のない春パスタ』)と格好いいこと言いながらデスクワーク中心で胃酸過
多、あるいは胃下垂と歯周病あっとこれは直接関係ないか、問題は解決していない。また、ヨーグルトの
百日間の試食でも効果はなかった。といえど、メーカの過剰広告には当たらない、DNAがひとを選ぶの
と同じく乳酸菌がひとを選んだに過ぎないのだが、口内の殺菌消毒の励行に切り替え要観察中。ところで、
最近、彼女が塩麹に凝っていて、塩麹ハンバーグとか、豚ロースの塩麹焼きや鳥胸肉の塩麹焼きなどが食
卓に上がるようになった。味の方はというとなかなかのもので、さっぱりとした薄い酸味が爽やかさを残
すようで、ワインビネガーなどの食酢を微量加えた風味がする。悪くない。ところで「こうじ」に二つの
漢字があり、こうじは、米、麦、大豆などの穀類でつくるが、それらのこうじ全般を表す漢字として、現
在では主に『麹』という字が使われてこれは中国から伝わった漢字で、もうひとつの『糀』という字は、
明治時代にできた国字(和製漢字)で、米糀のみを表しているとか。米糀は、蒸し米に麹菌をつけて発酵
させたもので、米糀をみると、ふわふわした白い菌糸が蒸し米の表面を花のように覆っているので『糀』
という文字を使ったんだという。

この塩麹の人気の秘訣は4つに集約され、1つは家庭で仕込んだとしても熟成期間の1週間~10日間、1
日1回かき混ぜるだけで仕上がり、熟成後は冷蔵庫に入れて手入れなしに保存でき手軽に扱い易い。2つ
めは、酒粕と違い、味わいにくせがなく年齢層を問わずに受け入れやすいこと。3つめに、味にくせがな
く、塩麹を使うことで食材の味の良さを引き立て、棘々しさをなくしまろやかに仕上げる。そして、4つ
めは、基本的に塩を使う料理なら、何でも使うことが出来るというマルチプレーヤにあるという。


栄養や医療的側面からは、乳酸菌と同じように、塩麹のベースとなるこうじ自体が、麹菌という生物が繁
殖す。麹菌は伸ばした菌糸から様々な酵素を生成し分泌し、その酵素を使い米や麦などのでんぷんやたん
ぱく質を分解して自分の栄養分とする。麹菌の繁殖活動で分泌される酵素は実に百種類以上あると言われ、
たんぱく質を分解するプロテアーゼ、脂肪を分解するリパーゼなど生成し分泌する酵素は人間の体をつく
る上で非常に有益なものだ。また、米麹からつくられる甘酒を「飲む点滴」と呼ばれるように、分解によ
り貴重なビタミンB1、B2、B6、葉酸、必須アミノ酸、ブドウ糖、GABA、α-エチルグルコシドペ
プチドなどの栄養成分がつくりだされ、血圧降下や体重(皮下脂肪)増加抑制などの効果がある。実際に普
通の白米と米麹を比べてみると、白米にはない成分が、およそ四百種類もつくり出され米麹に含まれるこ
とが分かっていという。

さらに、歴史的には塩麹は、麹と塩、水を混ぜて発酵・熟成させた日本の伝統的な調味料。日本では古く
から野菜や魚の漬物床として利用されてきたが、2011年後半頃から様々な利用法で人気を博すようになり
塩麹を利用した様々なレシピが書籍や料理教室で公開され、福井県ではゆるキャラも考案されるなど、PR
の動きも広がっている。麹は、奈良時代から酒造りに使われて、江戸時代でもいろいろな塩麹を使ったレ
シピがあったという記録もある(『本朝食鑑』)。麹屋さんと言って麹を販売している店が、昔は町のあ
ちこちにあり、味噌などと同じように家庭で作って利用してきた。麹発酵食品や甘酒、塩麹で漬けた漬物
など、現在ではたくさん商品化され、いつでも手軽に食べることができるが、調味料としての塩麹自体は
商品化されていなかった。栄養価も高く、おいしく、手軽に利用できることから、塩麹の良さを見直そう
という動きが日本の各地で起こり、1831年創業の福井県の老舗味噌店「米五」社長が2010年頃、万能調味
料である塩麹を、家庭で作ることもいらないように試作品を作り売り出した。現在、福井県では「塩野コ
―ジ君」というゆるキャラも作られ、積極的に塩麹をアピールしているという。また、大分県の創業320年
以上の老舗麹店「麹屋本店」の女将浅利妙峰が、5年前から塩麹を普及させるため、麹で作った調味料を
使った料理教室を開催し、口コミなどで広がっていき、最近の健康志向ブームとの相乗効果で、2011年こ
ろから全国的に知名度が上がりブームの火付け役となった。現在では様々な食品メーカーから、塩麹が商
品化されるようになった。


滋賀県では、各家庭で自家製のふな寿司をつくる習慣があり、すたれてきたとはいえ、町内の寄り合いや
行事には話題にのぼることが恒例である。それでも麹屋を営む店は確かに減ってきている。ところで、日
本国には、味噌・酒・豆腐・しょうゆ・かまぼこ・豆腐・漬物など様々な伝統食品があり、その多くは発酵
食品が多く含まれている。これらは土地の産物や気候、風土を生かして作られていて、それぞれにその土
地の人々の知恵や技や工夫が隠されている。歴史的には、醗酵食品は、有史以前から存在していた長い歴
史があり、現時点で確認されている考古学的に最古の醗酵食品は、8000年前のコーカサス地方のワインで
ある。また、イランでも7000年前のワインを作成した証拠が確認されている。また、発酵食品は、そのま
までは食用が難しかったり風味の面で素材そのままでしかなかったものを、微生物に分解させることで食
用に適するようにしたり、新たな風味を創出するという意味があるが、最近は食生活が豊かになり、変わ
った食品や珍しいものを求める消費者に迎合して伝統食品という名前だけの製品も増えている。このよう
に発酵食品は、美味しい、栄養価が高い、保存出来るといった3つの力をもち他の食品にない特徴をもつ。
いる





実際、彼女の料理を口にして、これは美味で世界的な調味料の1つに加えられても不思議でないと思えるものだし
そのことは、現在のブームモーメントの証なんだと思わせた。レシピも沢山考え出されているし、麹の種類と食材や
ハーブなどの副食材、あるいは、昆虫食のような動物を含めた新しい組み合わせのなかからも、新しい麹パワーを
もった食品が開発される可能性もある。日本の高品質・高付加価値な醤油・ウスターソース・醸造酢・味醂・甘酒・味
噌などの調味料にまた1つのニューカマーが世界を席巻し、体力・知力・美容・健康・福祉増進に貢献する日は近い
かも知れない。そう確信した今夜のブログを書いている。

コメント
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