極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

雨垂れ石をも穿つ

2018年04月28日 | 時事書評

      

                                     

11 九  地
敵味方のおかれている状況を九つの場合に分類し、それぞれに応ずる法(九地の法)をあげ
とくに捨て身によって全力を発揮する”奥の手”を論じている。

「始めは処女のごとく、終わりは脱兎のごとし」

いかなる大国でも、これらの兵法を使いこなす強力な軍に攻撃されれば、十分な兵力を動員
するい
とまがない。強力な軍が圧力をかければ、敵は他国と同盟関係を結ぶこともできない。
こうなれば、実際に外交や軍事で他国と争うまでもなく、思いどおりに、柏手の城をとり、
国を破さらに、このためには、時には意表をついて規定外の宣を部下に与えたり、必要があ
れば、特別の政令を発したりして人心を掌握する必要もある。そうすれば全軍があたかも一
人の人間であるかのように、思いのままに動くのである。部下には、説明は不必要である。
ただ任務を与えさえすればよい。はげましは与えるべきであるが、危険を告げるべきではな
い。

絶体絶命の窮地に立ち、死地に入ってこそ、そこに活路が生じる。兵士たちは危険な目にお
ちいってはじめて真剣に勝負する気持になるのである。戦争するには力ずくでなく、敵の気
持をよく知り、これに応じたかけひきをすることである。敵を操作することにより一方面に
集中させて虚をつけば、千里の遠きにある敵将を殺すこともできる。これこそ戦いの名人と
いうべきである。
いよいよ開戦というときには、国境の関所を閉鎖して通行証を廃棄し、一切の往来を禁ずる。
軍議をこらして方針を確定し、敵の働きを見極め、まず敵の最大の急所をねらって、隠密裡
に行勤し、計画どおり敵に向かって、戦端を開く。
最初はさながら処女のごとく物やわらかに接することだ。相手はすっかり安心してしまう。
そして、いきなり兎が逃げ出すような激しい勢いでぶつかるのだ。これを防ぐことは不可能
である。

〈始めは処女の如く……〉 よく使われるこのことばは、本章が出典である。 



【概要】

今回南関東に異常が集中したので要注意から要警戒にレベルアップ。富士山が大きな東方向
の水平変動をしたことを重視。
今回4cm超の週間高さ変動があった点は28点と多数。特徴的
なのは南関東、北信越(特に長野県)および九州南部に集中していること。6cm超の点は神奈
川県の山北および二宮。
隆起・沈降は、全国的に隆起。水平変動は東北地方、北信越地方、
中国地方、四国高知県と徳島県の県境、九州および南西諸島が活発しているとのこと。用心
にこしたことはないが、「人口減少の防災力劣化の危惧」とのコメントも今号に記載されて
いる。

  

世界はわれわれの畑だ。   ヘンリー・ジョン・ハインツ(1844~1919)

第1章 中国最大のトマト加工会社

中華人民共和国、新疆ウイグル自治区ウス市近郊

労働者たちを乗せたバスは、新疆ウイグル自港区の北部、ウス市近郊を出発した。目的地は、
首府のウルムチから隣国カザフスタンヘ続く道沿いのとある町だ。バスはひと気のない町を
通りすぎながら、アスファルトで舗装された道路を進んでいく。そして数キロメートルほど
行ったところで曲がりくねったでこぼこ道に入ると、あたりは目九渡すかぎりの畑になった。
土埃を上げながら畑のなかを進み、トウモロコシが並んで植えてある脇に停収する。その向
こうには三五畝、およそ2.3ヘクタールのトマト畑が広がっていた。サッカー場3つ分くら
いだろうか。遮るものがいっさいない、だだっ広い畑 労働者の群れがわれ先にとバスを降
りていく。女たちは一方の手で子どもの手を引き、もう一方の手でナタを樫りしめて走って
いく。子どもたちはみんな息を切らしている。ナタの柄には花模様が描かれていた。大きな
袋の束を奪いあうようにしてつかみとると、畑のあちこちへ散らばっていく。ビニール袋が
なくなると、トラクターがすぐに追加分を運んでくるが、それもあっという間になくなってし
まう。

「時間がもったいないからね」と、ある労働者は言った。「今日は、25キロ用の袋一つに
つき、2・2元もらえるんだ」。ユーロに換算すると、およそ30セントだ。トマト1キロ
当たり約1セントの計算になる。労働者同士で二、三言ことばを交わしている。標準語では
なく方言のようだ。なるべくいい場所を取りたいので、誰がどこで収穫を行なうか、互いに
交渉し合っているのだろう。一匹歳くらいだろうか、ひとりの少女がよろよろと歩いていた
。やせ細った背中に、自分の体重と同じくらいの重さのビニール袋の束をかついでいる。少
女は自分の持ち場にようやくたどりつくと、袋の束をどさりと地面に置き、束ねていたひも
をナタで切り落として作業にとりかかった。

ほかにもたくさんの少年少女がいた。労働者のほとんどが、ここから3000キロメートル
以上離れた中西部の貧困地域、四川省から来ている。ウイグル人もいた。総勢150人ほど
の労働者たちは10人から20人ずつのグループに分かれ、一定の間隔を空けて作業をして
いる。ほとんどがたったひとりですべての工程をこなしていた。ふたりで手分けをして作業
する者もいた。ひとりがしやがんで、頭上にかまえたナタを思いきむしっている。とくに顔
と手が赤く腫れたりただれたりしていた。どうやらほとんどが、畑で働くのは今日が初めて
ではないようだ。

先ほど悲しげな曲を歌っていたのは、四川省出身の男性だった。名はラモ・ジセ、32歳。
妻も同行しており、夫婦とも少数民族のイ族に属する。「今日はふたりで160袋くらい収
穫するんだ。それで350元もらえる」と言う。160袋はおよそトマト4トンに相当する。
炎天下での過酷な作業を明から晩まで続けて、ひとりたった24ユーロしかもらえないのだ。

「自分をはげますために歌ってるんだ」と、ラモは言った。

赤い帽子の男が、畑の隅に立って収穫の様子を見守っていた。トマト生産者のリ・ソンミン
で、この畑の所有者だ。収穫されたトマトは、夜のうちにトラックで中糧屯河(ちゅうりょ
うとんが)の工場へ連ばれていく。リはそこまでは知っているが、そのあと自分のトマトが
どうなるかは知らない。トマトを収穫している労働者たちの名前も知らない。四川省の出稼
ぎ労働者も、ウイグル人も誰ひとりとして知らない。全員、「手配師」によって送られてき
たのだ。リが連絡を取る相手は中糧屯河だけだ。中根屯河は、必要な設備をすべて提供した
うえで、さまざまな品種の加工用トマトを栽培するようりに要求する。リは、中糧屯河から
与えられたマニュアルに従って、もっとも効率のよい方法でトマトを作らなくてはならない。
収穫されたトマトは、契約した金額ですべて中程屯河が買いとる。収穫期には労働者も手配
する。工場ヘの輸送も中根屯河の負担で行なわれる。
 

 
中糧屯河糖業は、中国最大の、そして世界第二位のトマト加工会社だ。略称は中糧屯河、英
名はコフコ・トンハー。Cofco(コフコ)は China National Cereals Oils and Foodstuffsの頭文字
をとったもので、屯河(トンハー)は新疆ウイグル自港区の地名だ。
親会社は中糧集団有限
公司英名はコフコ・グループ。アメリカのビジネス誌《フオーチュ
ン》の企業ランキング「
グローバル500」に入る、世界でもっとも高い売上高を誇る企業の
ひとつだ。毛沢東統治
下の多くの企業を吸収して生まれた巨大食品企業グループで、中国で農
産物の輸出入を行な
える唯一の国有企業でもある。グループ傘下の中糧屯河は、砂糖とトマトを
取りあつかう。
15のトマト加工工場を所有し、うち4つはモンゴルに、残り11は新疆ウイ
グル自治区(
北部に7、南部に4)にある。


同社は、世界中の大手食品メーカーに濃縮トマトを供給している。クラフト・ハインツ、ユ
ニリーバ、ネスレ、キャンベル・スープ、カゴメ、デルモンテ、ペプシコ、マコーミックと
った有名メーカーは、いずれも中糧屯河の取引相手だ。年間70万トンの砂糖も生産し、
ココーラ、クラフト・ハインツ、マース、三菱食品、そして中国乳製品メーカー最大手の蒙
牛乳業に販売している。ちなみに、蒙牛乳業の主要株主はコフコ・グループとダノンだ。さ
らに中糧屯河は世界最大級のアプリコット・ピューレの生産者でもある。同社は、年間18
0万トンのトマトを使って、全国生産量の三分の一に当たる25万トンの濃縮トマトを生産
している。原材料のトマトは、ウス市近郊をはじめ、新疆ウイグル自治区に点在する何千と
いう畑で収穫される。こうして完成した「コフコ印」の濃縮トマトは、れっきとした原材料
として世界80カ国以上に輸出される。

トマト畑では幼い子どもたちも働かされる。大手メーカーのトマト加工品はそういうトマト
で作られているのだ。10歳未満の子どもは、親の収穫作業の手伝いをする。13歳や14
歳になると、一人前の大人と同じように働かされる。「こんなふうに畑で子どもを働かせる
なんて、本当はよくないことだとわかってるさ。われわれ漢民族にとっては反道徳的だ。で
もしかたがないんだ。四川省の貧しい人間にほかの選択肢はない。子どもを預けるところな
どないのだから、仕事に連れてくるしかないんだ」
トマト生産者のリ・ソンミンはそう言う。リが生産したトマトは、中国国内では消費されず、
加工工場で濃縮されてから世界の食品メーカーに売られていく。その濃縮トマトを使って、
ヨーロッパでケチャップやトマトソースが作られるのだ。


次回は「第2章 "中国産"のトマトペースト」へに移る。「一見簡単なことに思われるかも
れないが、じつはそうではない。ブラックインクに水をたっぷり入れたら、とろみをつけ
るためにデン
プンや食物繊維を加えなくてはならない。だがそれらを多く入れすぎると色が
薄くなるので、今度は
着色料を加えなくてはならない。だが入れすぎると粘り気がなくなり、
トマトペーストとは似ても似つかないものになるおそれがある。
ここにいる科学者は、それ
ぞれの添加物のちょうどいい割合を見つけられる唯一の人物なのだ。では、彼の最新のレシ
ピとは? それは濃縮トマト31パーセントに対し、添加物69パーセントだ・・・」 (トマ
ト缶の黒い真実 「添加物69%」の現場」、太田出版ケトルニュース)。
恐るべし、わたし
たちの健康までもが、
中国人にゆだねられているのか?! 今後の展開は如何に。

                                   この項つづく



【読書日誌:カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』
No.4

 

 

「あのばかな女たちに言われて来たんですか、あなた。わたしがあの人たちほど若かったこ
ろは、むやみに怖がったり、ばかなことを信じたりするのは年寄りって決まっていたもので
すけどね。石ころを見れば呪われてるだの、野良猫を見れば悪霊だの、って。でも、いまは
逆みたい。迷信にがんじがらめにされているのは、年寄りのわたしじやなくて若い人のほう。
主がいつも見守っていてくださるのに、そんなことまるで信じていないみたい。あの気の毒
な旅人をご覧なさい、あなた。独りぼっちで、疲れきって。どの村でもほかへ行けって追い
払われて、四日間も森や野をさまよったら、それは当然疲れますよ。ここはキリスト教の国
なのに、行く先々で悪魔扱いではね。それか、らい者扱い……皮膚のどこにもそんな印はな
いのに。わたしはたまたま持っていた粗末な食べ物をあげているだけ。まさかあなたまで、
やめろなんて言うんじやないでしょうね」

「そんなこと言うつもりはないよ、お姫様。この目で見ても、おまえの言うとおりだとわか
るからね。旅人を親切に受け入れることもできなくなったとすれば、それは恥ずべきことだ
ここへの道々、そう思いながら来た」
「じゃ、あなたは仕事に戻ってくださいな、アクセル。仕事が遅いと、また文句を言われる
から。また子供たちをけしかけて、わたしたちの悪口を言わせるようなことをされたら、い
やだもの」
「わたしは仕事が遅いなんて言われたことはないぞ、お姫様。どこでそんなことを聞いたん
だか。わたしはそんな文句を一度も聞いたことがない。実際に、二十も若い男と比べたって
同じだけの仕事ができるよ」
「からかっただけですよ、あなた。そのとおり。あなたの仕事にけちをつける人なんかいま
せん」
「わたしらの悪口を言う子がいたら、原因は仕事の速さ遅さの問題じゃない。親がばかなん
だ。それか、いつも酔っ払ってぽかりいて、子供に行儀を教えないからだ。年長者への敬意
もな」
「落ち着いて、あなた。からかっただけって言ったでしょう?もうしません。あの旅の人は、
わたしにはとても大事に思えることを話してくれているんです。いずれ、あなたにとって
も大事になるかもしれない。とにかく最後まで間いておきたいの。だから、もう一度お願い
よ。あなたは仕事に戻って。わたしは話を間いて、できるだけのことをしてねぎらっておき
ますから」
「言い方がきつかったら、ごめんよ、お姫様」


そう言ったとき、ベアトリスはもうアクセルに背を向け、辣の本とはためくマントの女に向
かってさっさと道を上りはじめていた。
少し後、用事を終えたアクセルは畑へ戻るために遠を引き返しはじめた。だが、途中少し遠
回りをし、例の斡の本の横を通ることにした。時間がかかりすぎて仲間に道草をとがめられ
るかもしれないが、やむをえない。アクセルも妻と同じで、女たちの迷信深さに眉をひそめ
たくなる気持ちはある。だが一方で、あの見知らぬ旅の女にはどことなく危険なにおいがす
るという思いも捨てきれない。その女とベアトリスを二人だけにしてきたことが不安だった。

だから、丘の出っ張りにある岩の前に妻が立ち、空を見上げているのが見えたときは、とて
もほっとした。ベアトリスは何やらじっと考え込んでいた。アクセルの姿も目に入らず、下
から声をかけられてようやく気づいたようだ。すぐに岩を離れ、下りの野道をたどりはじめ
たが、その足取りはさっきよりのろかった。おや、とアクセルは思った。歩き方が以前とは
違うような気がする。足をとくに引きずるというのではないが、どこかに痛みがあって、そ
れをかばっているような歩き方に見える。近づいてくる妻に、さっきの旅の女は?と声をか
けた。

「つぎの村へ行きました」とベアトリスは答えた。
「きっとおまえの親切に感謝しているだろうよ、お姫様。ずいぶん長く話したのかい」
「ええ。向こうも話すことがたくさんあったらしくて」
「心を乱すようなことを言われたみたいだな、お姫様。村の女たちの言うとおり、近づかな
いほうがいい女だったのかもしれない」
「そんなことはありませんよ、アクセル。でも、いろいろと考えさせられたのは確かね」
「気分がよくなさそうだな。まさか、おまえに魔法をかけて、自分は空中に消えたんじゃあ
るまいな」
「あら、辣の木まで行ってごらんなさい。いま出たばかりだから、道を遠ざかっていくのが
見えますよ。きっと、丘の向こうの村ならもっとよくしてくれると思っているでしょう」
「そうか。じゃ、わたしは行くよ、お姫様。何事もなくてよかった。おまえの親切に神様も
お喜びだろう。ま、おまえはいつもそうだけどな」
 だが、今度はベアトリスが、行ってほしくないようなしぐさをした。一瞬よろめいて、支
えを求めるように夫の腕をつかむと、そのまま胸に頭をもたせかけてきた。アクセルの手が
意思を持つもののように上に動き、風でもつれた妻の髪をそっとなでた。アクセルは妻を見
下ろし、その目が広く見聞かれているのを見て驚いた。
「気分がよくないんじゃないか。旅の女に何を言われた」

ベアトリスはしばらくそのまま頭をアクセルの胸に押し当てていたが、やがて背を伸ばすし、
夫から離れた。

「考えてみたらね、アクセル、あなたがいつも言っていることが正しいような気がしてきま
したよ。ほんの昨日のことや一昨日のことなのに、みんなが忘れてしまうなんて、まるで何
かの病気がはやっているみたいで変……」
「そうだろう、お姫様?あの赤毛の女のことだって……」
「赤毛の女はもういいの、アクセル。問題なのは、わたしたちがほかに何を忘れているかで
すよ」ベアトリスは霧でかすむ遠方に目をやりながら言うと、アクセルの顔をひたと見た。
その目には悲しみと願いが満ちているように見えた。あのときだった、といまアクセルは思
っている。あのときベアトリスは言ったのだった-「あなたが昔から反対だったのは知って
います、アクセル。でも、もう考えなおすべきときじやないかしら。旅に出ましょうよ。こ
れ以上遅らせてはだめ」と。

「旅かい、お姫様?どんな旅」
「息子の村への旅ですよ。そんなに遠くじやない。そうよね、アクセル?老人のゆっくりし
た足でも、大平野を東へ少し越えたところ、せいぜい数日の旅ですよ。もうすぐ春になるし」
「なるほど。わたしに異存はないよ、お姫様。だが、それはあの旅の女に何か言われたから
思いついたことなのかい」
「長い間、田心いの中にあったことですよ、アクセル。でも、これ以上引き延ぼしたくない
と思ったのは、確かにあのかわいそうな人が言ったことのせい。息子が向こうの村で待って
いるのに、あとどれだけ待たせればいいの」
「村に春が来たら、旅のことを考えよう。絶対にな、お姫様。だが、わたしが昔から反対し
てきたというのは、いったいどういうことなのかな」
「二人でどんなやり取りをしてきたのか、全部思い出せるわけじやありませんけど、でもね、
アクセル、でもわたしはいつも望み、あなたはいつも反対でしたよ」
「そうかな、お姫様。まあ、仕事が全部すんで、ご近所さんにのろま扱いされる心配がなく
なったら、ゆっくりと話そう。いまは行かせておくれ。すぐに話し合えるから」


だが、それからの数日、二人は互いに旅のことをそれとなくにおわせはしたが、きちんと話
し合うことはなかった……というか、できずにいた。その話題が持ち出されると、なぜか奇
妙に居心地が悪くなる。そんなことが何度かつづいて、やがて二人の間では、旅の話題はで
きるだけ避けようという暗黙の了解ができあがっていった。長い年月を一緒に過ごした夫婦
なら誰でもうなずくだろう。自然発生的なあの暗黙の了解だ。いま「できるだけ」と言って「
絶対に」と言わなかったのは、ときに一方が強い衝動に駆られ、つい切り出してしまうこと
もあったからだ。もちろん、そんな状況での話し合いはすぐに曖昧模糊に堕したり、一方が
不機嫌になったりして終わる。一度、アクセルは真正面からあの日の出来事を尋ねたことが
ある。あの旅の女は輯の本の下で何を言ったんだい………そのとき、ベアトリスの表情はた
ちまち曇り一瞬、泣き出しそうになった。それ以後、アクセルはあの旅の女に決して触れな
いようにしてきた。

しばらく経つと、旅の話がどういうことから始まったのか、それが二人にとって何を意味す
ることだったのか、アクセルにはもう思い出せなくなっていた。だが、今朝、夜明け前のひ
とときを外のベンチで過ごしているときゾ記憶の曇りが-少なくともその一部が-晴れて、
多くのことが戻ってきた。赤毛の女のこと、マルタのこと、黒いぼろをまとった旅の女のこ
と………その他、この話には関係ないこともいろいろ思い出したが、とくに何週間か前の日
曜日のこと、ベアトリスが蝋燭を取り土げられたときのことが、とても鮮明によみがえって
きた。

日曜日はここの村でも安息日だが、それは、せいぜい畑で働かなくてもよい日という意味で
しかない。いくら日曜日でも家畜の世話は必要だし、ほかにも片付けなければならない仕事
は山のようにある。労働とみなせる行為をすべて禁止することなどおよそ非現実的で、それ
は司祭自身も認めている。ある日曜日、アクセルは朝のうちにブーツの修繕を終え、外に出
た。そこには春の陽光があふれていて、村の前は人でいっぱいだった。みな散らばって、あ
る者は草叢にすわり、ある者は小さなスツールや丸太の上に腰かけ、話し、笑い、仕事をし
ていた。子供たちは、遊び、駆け回った。草の上で荷車の車輪を組み立てている大人が二人
いて、その周りにも子供たちが集まって見物していた。こんなに晴れて、戸外の活動に適し
た日曜日は、年が改まってから初めてではなかったろうか。そのせいか、辺りはほとんどお
祭りのような華やいだ空気に包まれていた。だが、アクセルが村の入り口に立ち、村人たち
のいる場所の向こう側、沼地に向かって土地が下っていく辺りをながめていると、そちらに
はまた霧で煙ってきそうなあやしさが感じられた。では、この天気も午後にはまた灰色の霧
雨に飲み込まれるのか、とアクセルは思った。

 Mar. 25, 2017
”Kazuo Ishiguro’s latest novel was buried, but never forgotten”


しばらくそこに立って、下のほうにある放牧地などをながめていると、突然、放牧地の囲い
の辺りで願ぎが持ち上がった。最初はとくに気にとめなかったが、そよ風が騒音を運んでき
て、そこに含まれる何かに耳が反応した。ぴんと背すじが伸びた。アクセルの目は確かに衰
えている。歳とともにいやになるほど衰えたが、耳はまだ十分に信用できる。囲いの横の人
だかりから起こる叫び声のなかに、アクセルはベアトリスの悲痛な叫び声を聞いた。

他の人々が手を止め、振り返って、そちらを見たとき、アクセルはもう駆け出していた。村
人の間を縫い、動き回る子供たちや草の土に放り出された道具を危うくよけながら駆けた。
もみ合っている村人の集まりに駆けつけると、ちょうど人だかりがほどけて、真ん中からベ
アトリスが出てくるところだった。両手で何かをつかみ、狗に押し当てている。取り巻いて
いる人々の顔にあるのはほとんどが苦笑いだったが、すぐにベアトリスの肩越しに女の顔が
現れそれだけは怒りでゆがんでいた。これは、前の年に熱病で死んだ鍛冶屋の女房だ。ベア
トリスは厳しい雰囲気をまとい、ほとんど無表情を保ちながら、責め立てるその女を払いの
けた。だが、アクセルが近づいてくるのが見えたとき、感情が剥き出しになった。

あの場面をいま思い出し、あのとき妻の表情にあったのは何よりも大きな安堵感だった、と
アクセルは思う。もちろん、夫が来てくれたことですべてが収まると期待したわけではなか
ろう。だが、夫が嶺にいてくれるという事実がすべてをがらりと変えたのだと思う。アクセ
ルを見るベアトリスの表情には、安堵感だけでなく懇願があった。そして、誰にも奪われま
いと必死で胸に抱え込んでいたものをアクセルに差し出した。


                カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』第1部/第1章

                                   この項つづく

 Apr. 25, 2018

海面上昇で21世紀半ばで大半の島々は非可住地域に

Title: Most atolls will be uninhabitable by the mid-21st century because of sea-level rise
exacerbating 
wave-driven flooding. Science Advances  25 Apr 2018:Vol. 4, no. 4, eaap9741
 .



 TFC55 LEVEL5 東儀秀樹×古澤巌×coba 全国ツアー2018 TFC

● 今夜の一曲
GLAY / 誘惑
誘惑 作詞・作曲:TAKURO 編曲:GLAY、佐久間正英

TDK ミニディスク XAシリーズ』キャンペーンソング。イントロのギターリフ、ドラムの
生音が強調され、ギターテクが前面に押し出されている。ライブでも頻繁に演奏されており
「彼女の“Modern…”」の後にメドレー形式で披露される事も多く、ドラムから始まる曲で
ある為に「TOSHI!!」という呼び掛けで演奏がスタートし、HISASHIのギターソロが始まる前
にTERUが「OK!カモンHISASHI!!」と言うのが恒例となっている。この曲で2度目の『NHK紅白
歌合戦』に出場した。
誘惑」(ゆうわく)は、GLAYの13枚目のシングルである。前作「
HOWEVER」に続いてミリオンセラーを達成し、1998年度のオリコン年間シングルランキン
グ1位を獲得した(プラネット・CDTVでは「夜空ノムコウ」(SMAP)に次ぐ年間2位)。
初動売上はシングルでは自身初の80万枚を突破、GLAYのシングルでは初動・累計ともに
Winter,again」に次いで2番目の売上を記録している。(162万枚)

時に愛は2人を試してる Because I love you
キワどい視線を振り切って WOW
嘘も真実も駆け引きさえも いらない
今はオマエが誘うままに Oh 溺れてみたい

MORNING MOON 昨夜(ゆうべ)の涙の理由(わけ)も聞かず
遠く 空回る言葉はトゲに変わる

I don't know how to love, don't ask me why
薄情な恋と Oh 指輪の跡が消えるまで
闇に 加速する 俺を酔わす

Sometimes love tests us
Because I love you 
I shake off your suggestive gaze, wow
I don't want lies, truth, or even bargains
Now I just want to drown
Oh, in your seduction

The morning moon doesn't ask the reason for last night's tears
Far away, those circling words turn into thorns

I don't know how to love, don't ask me why
Until the mark of this ring, oh
And this cruel love disappear  Accelerating through the darkness, you make me drunk



● 今夜のため息:雨垂れ石をも穿つ

さすが、昨夜の「エネルギー革命元年Ⅶ」を書き終えると脳疲労による呂律が回らない、ち
ょっとした荷下ろし病に見舞われる。トリスハイボールを作り飲み干し一息つきソファーで
そのまま寝てしまい午前4時半に目が覚めるが、しばらくとりとめない不安に襲われること
1時間。日が差し込むと一転し、嘘のように頭がすっき。そこで浮かんだ諺が「雨垂れ石を
も穿つ:Constant dripping wears away the stone.」、よく似た諺では「石の上にも三年:Three
years on a stone.」、あるいは、「継続は力なり:Persistence pays off」となる。ネット上では「The town
crest even portrays Hygeia, the mythical goddess of health striking rocks with a wand to make the health-
giving waters flow forth. :この町の紋章には、細い棒の先から癒しの水を流し続け て 石を穿つ 健
康 の女神ヒュギェイアさえ描かれています」  などと記載されていることも知る。結論、このシリーズは
今回で完了ということで、「ポストエネルギー革命論」として、踏み込んだ事例を随時連載していけれ
ばと考える。

 

コメント

エネルギー革命元年 Ⅶ

2018年04月27日 | ネオコンバーテック

      

                                     

11 九  地
敵味方のおかれている状況を九つの場合に分類し、それぞれに応ずる法(九地の法)をあげ
とくに捨て身によって全力を発揮する”奥の手”を論じている。

状況に応じた内部指導
敵国に攻め入る場合、奥深く入れば軍隊の団結は強まるが、深く進入せずに止まればバラバ
ラになりやすい。国境を越えて戦うということは、孤立して戦うことを意味する。そして、
戦場が進の目方に通じているのは「衢地」(くち)、敵地に奥深く入れば「重治」、まだ入
ったばかりの所が「軽地」、堅固な地 山を後ろにし狭い呑を前にしたのが「囲地」、逃げ
場のないのが「死地」である。その他「争地」「交地」「圯地」(ひち)、敵地で戦うこの
ハつの場合について、味方のあり方を考えてみよう。

「散地」では味方の志を一にし団結を強めることが肝要である。
「軽地」では味方をよく掌握して、バラバラにならぬように心がけることである。
「争地」を攻めるには、蔵の後ろにまわって旱つことである。
「交地」は、敵もきやすいのであるから、占領したら慎重に守りを固めることである。
「衢地」では友好国との結合を強化することである。
「重地」では食禄の補給が絶えないようにすることである。
「圯地」では進軍をつづけ、一刻も早く自由な行動のできるところへ出ることである。
「囲地」では自から出目をふさぎ、味方から死になって戦うようにすることである。
「死地」では、戦う以外に生きる途がないことを全軍に示すことである。

要するに、敵に囲まれれば防ぎ、ほかに方法がなくなれば必死に戦い、危険におちいれば統
率者を頼りにする、これが兵士の心理なのである。
諸侯の計略をよく知らないで、これと交りを結ぶことはできない。山林、高山、湿地帯など
の地形を知らないで、行軍することはできない。案内人を使わずに坦の利を得ることはでき
ない。九地のうち一つでも知らないものは、天下を副司する軍とはいえないのである。

 No.197
【蓄電池事業篇:最新電固体型電池技術】

神を欺いたことで、シーシュポスは神々の怒りを買い、大きな岩を山頂に押して運ぶという
罰を受け。彼は神々の言い付け通りに岩を運ぶのだが、山頂に運び終えたその瞬間に岩は転
がり落ちてしまう。同じ動作を何度繰り返えす『シーシュボスの神話』(Le Mythe de Sisyphe
――作者のカミュはここで、人は皆いずれは死んで全ては水泡に帰す事を承知しているにも
拘わらず、それでも生き続ける人間の姿を、そして人類全体の運命を描き出しているが、こ
れをヒントに蓄電池事業を考えてみると、太陽光や風力などの再生可能(=自然)エネルギ
ーからの余剰電力を位置エネルギーをエネルギー変換する水力発電の貯水池(ダム)からの
放流水を下方の貯水池から揚水ポンプで上方の貯水池に戻し貯めこれを半永久的に繰り返す
揚水水力発電型蓄電池方式をイメージ。

   Apr. 25, 2018
Le mythe de Sisyphe            トーマスエジソンの1906年特許のアルカリ

このような揚水発電による電力需給量のバランス調整という「シーシュポスの苦役」からの
解放(=”エネルギー革命元年宣言”)がマサチューセッツ州政府のように一部の地域で実
現先行している地域がすで存在する
(下の「RESILINTPOWER」(復元力)ロゴ※参照)

※同州政府のクリーンエネルギーグループとメリディアン研究所の共同イニシアチブである
RESILINTPOWER」(復元力)事業は、脆弱な地域社会を対象とした、廉価な住宅とコミュニ
ティ施設に太陽光発電(マサチューセッツ州の太陽光発電能力は2,076メガワット)と蓄電池
を整備することで、
経済的、健康的で便益性のある広範な復元に、クリーンエネルギーグル
ープはリーダーシップ構想を公表。

ところで、クリーンエネルギーと蓄電池の普及は、1893年、トーマス・アルバ・エジソンが
電球発明し、電気を蓄える蓄電池を発明している。エジソンは、1879年に蓄電池を主電源と
し配線した住宅に設置し、昼間に充電し、夜間や夜間に白熱電球として電力消費するシステ
ムを考案した語っている。また、
第一世代の電気自動車を発明したのにもかかわらず、より
信頼性の高い量産型のガソリン車フォートモデルTにより、技術史のゴミ溜まりに追い込ま
れたが、百年の後
この技術が初期の欠点を克服するに至る。

 



マッキンゼーの世界有数の技術コンサルタントは、蓄電池が電力分野の次なる「破壊的技術」
であり、低コスト化にともない
電力状況を一変させると、2017年の報告書で述べ(上図参照)
今日の低価格では、蓄電池は、グリッドバランシングなどのニッチな用途から、信頼性のた
めに従来の発電機の交換、電力品質のサービスの提供、再生可能エネルギーの統合サポート
など、幅広い用途で、より広範な役割を果たし始めているとする。尚、
 2017年の蓄電量は
27%増の431メガワットアワーに達し、2018年には倍増すると見込む。また、
2018年の
調査によれば、長期的な将来の市場成長の可能性も大きいと予測。
この調査では、蓄電コス
トが引き続き下落し、今後10年間で蓄電池市場は5万メガワット拡大すると予測。
 

1980年代以降、エネルギーと環境擁護者は、技術特有のクリーンエネルギー政策と公共投資
を促進。30年前、これらの初期動向はエネルギー効率に焦点を当てた。戦略は1990年代に
実用規模の風力に拡大され、その後世紀の変わり目に太陽光と分配。
エネルギー効率の目標
を定めたユーティリティインセンティブは、クリーンエネルギー市場を急速拡大、今日の主
流をしめる。 州と連邦の政策は、風力や太陽光、州レベルの公益投資費用、再生可能なポ
ートフォリオ基準、太陽光発電システムの正味計量の税額控除を創出。これは特別なコスト
削減とクリーンエネルギー市場の拡大につなる。
最近では、環境保護令と株式戦略を求め
てクリーンエネルギープログラムの公平設計に基づき、低所得コミュニティに利益をもたら
すように管理保証する。
現在、百年の技術革新の後、古い有効技術である蓄電池が新たに登
場。クリーンエネルギーの「聖杯」と呼ばれる
技術は、エネルギーシステムの最終的で脱炭
素化を実現する可能性を伴い、全経済分野にうまく転換できるかもしれない。上図1に示す
ように、蓄電池は、増大するアプリケーションを持つ複雑な技術で、

• 建物レベルからベースロード電力まで、さまざまな発電システムで動作するように拡張す
 ることができる。

• 化石燃料の排出を削減するために太陽光や風力などの分散型発電技術(オンショアまたは
 オフショア)と組み合わせることができる。

• それは、経済的、健康的、安全性、およびエネルギー弾力性を含む多様な利益をもたらす。
• これは、商業顧客および脆弱な低所得住民の公共料金請求および電気代を減らす。
• ユーティリティーが地域のキャパシティー支払いを削減するために使用することができる。
• 周波数調整などのグリッドアプリケーションから収益を生み出すことができます。
• それはプエルトリコに計画されているようなコミュニティのマイクログリッドに弾力を提
 供する。

• 電気自動車(EV)充電ステーションが電気料金を削減、その最も野性的なブースターの一
 部によれば、電気飛行機に電力供給できる。
時間と共に拡大するこれらの様々な用途
 は、電池貯蔵技術をエネルギーと気候変動を解決できる、


このように技術開発の初期段階にあるものの、蓄電池は重要技術で、電池
保管コストを歴史
的に削減。もはやエジソンの遠い夢ではなく、コスト削減により、ラップトップから電気自
動車、据え付け型、建物サイズ蓄電池まで開発している。
図2に示すように、リチウムイ
オン電池の価格は、2010年から2016年の間に70%以上低下、世界全体容量が倍増するにつ
れて19%のコスト削減パターンが続いた。
ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナ
ンスの最新の2017年の数値によれば、蓄電池のコストは、2016年以来驚異的な24%に低下。
これは予測をはるかに超える。  BNEFは、2018年3月末のコスト・アップデートで、「結論
は化石燃料部門にとっては冷たい」と表現されている程、
バッテリー技術はエジソンの時代
のように手作業(流れ作業)でなく、その費用は化石燃料価格の変動とは無関係で、寧ろパ
ーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォンなどのより安価でユビキタスな情報化時
代の技術則の、コスト削減という経済的利点を有し、太陽光などのエネルギー技術と蓄電池
やディスクドライブの3
つはその恩恵に与る。まず、メータの背後にある商用-顧客向けア
プリケーションでは、電池需要の変化を減らし、弾力性を提供すると同時に太陽光発電設備
に価値付加する。
第2に、蓄電池は、今後数年間に数百のガスピ-カープラント(特に、公
共料金が高い混雑したグリッドエリアに配置された汚染の少ない、頻繁に稼動しないプラン
ト)を置き換わる。
第3に、多くの州では、多くの再生可能エネルギー資源を送電網に投入
し、送電と容量のコストを削減する、実用規模の蓄電池事業が数多く存在し。
これら3つの
合理的に関連市場が、蓄電池をコア推進し、重要な環境および経済上の利益をもたらす。

さらに、再生可能エネルギーと貯蔵がベースロードの化石燃料プラントへの依存を減らす方
法――
約20年前のソーラー業界は、蓄電池の採用を阻む障壁が数多くあったが、これらの
障壁(技術オプション、コスト、安全性、利益、およびその他の市場障壁に関する情報格差
が含まれる)が
、これらの障害を克服し、気候やその他の緊急のエネルギー需要対処に技術
を適時拡大に、より支持的な政策と戦略を必要とし
、この技術提供する複数のアプリケーシ
ョンに合わせ設計された技術革新そのものと同じように、アプリケーションごとに異なるタ
イプの分析とポリシーを必要とする。

 Battery cell manufacturing process

【特許事例:最新全固体蓄電池技術】

以上、最新のクリーンエネルギー情報を考慮し「太陽光+蓄電池」の技術及び事業並びに市
場動向
を探り、「エネルギー革命元年論」の意味付けを行い備忘録とした。ここではそのこ
とを踏まえ、❶環境配慮製造プロセス、❷安全第一、❸高性能(①高密度、②長寿命、③高
速充電)、❹廉価、❺大規模化の要件に焦点を絞り全固体型二次電池の最新技術(日米特許)
動向を調査俯瞰する。

 Video

❑ 特開2018-063757 全固体リチウム二次電池 日立金属株式会社

リチウムイオン二次電池は、他の二次電池と比較して高いエネルギー密度をもち、二次電池
の小型軽量化、大容量化や高出力化に有利で、リチウムイオン二次電池の用途は、❶小型電
子機)に加え、❷大型電気機器(例えば、HEV(ハイブリッド自動車)やEV(電気自動車)な
どの自動車用動力電源や、電力貯蔵用電源)にも拡大。
高温環境(例えば、エンジンルーム
内や屋外)での設置が検討され、高温環境に耐えられるリチウムイオン二次電池が求められ
ているが、非水電解液を用いる従来のリチウムイオン二次電池は、①一般的に非水電解液の
熱温度が60℃程度と言われている上に、②非水電解液を構成する溶媒が引火性をもち、
耐熱性や耐火性の観点で弱点がある。

この弱点の克服に、非水電解液の代わりに固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池が、
現在、精力的に研究されている。全固体リチウム二次電池は、用いられる固体電解質(例え
ば、固体高分子電解質、無機電解質)が百℃を超える耐熱温度を有し引火性もないことから
非水電解液を用いる従来のリチウムイオン二次電池よりも高温環境での利用が可能になる。

全固体リチウム二次電池は❶薄膜型と❷バルク型とに大別できるが、電池容量の観点からは
電極活物質の絶対量を多くできるバルク型が有利で、大型電気機器用の大容量二次電池を想
定した場合、バルク型の全固体リチウム二次電池が対象となる。言い換えると、バルク型の
構成であれば電池容量に余裕が取れるので、電気機器の大小(消費電力量の大小)による制
約が少なくなり、幅広く適用することが可能となる。
また、全固体リチウム二次電池は、固体電解質層が流動性を有しないことから❸固体電解質
層自体が電池セパレータの機能を兼ねることができるため(言い換えると、非水電解液リチ
ウムイオン二次電池では必要な別体の電池セパレータを配設する必要がないため)、非水電
解液リチウムイオン二次電池よりも体積エネルギー密度を高めることができるポテンシャル
がある。

一方、全固体リチウム二次電池では、高出力化のため、固体電解質自体が高いイオン伝導性
を有する必要があると共に、固体電解質層と電極層との間で電気的接合性を確保する必要が
ある。より具体的に言うと、固体電解質層と電極活物質層との間(固相/固相界面)で良好
なイオン伝導パスを構築し(イオン伝導の障害を極力低減し)、かつ電極活物質層と集電体
層との間(固相/固相界面)で良好な電子伝導パスを構築することが非常に重要である。

上記要求(特に、電気的接合性の確保)を実現するためには、電極層と固体電解質層とを積
層した電極群全体を一体焼成することが好ましい。(中略)

【特許文献1】国際公開第2012/020700号
【特許文献2】特開2015-049981号公報

特許文献1~2の技術は、それぞれ全固体リチウム二次電池に関して有用な作用効果を有す
ると思われる。ただし、特許文献1~2の技術は、いずれも電極活物質および固体電解質と
してリチウムリン酸化合物を利用するものであり、使用する材料の選択肢が制約されること
で、電池性能の向上が頭打ちになることが懸念される。

なお、特許文献1~2の技術は、その記載内容から小型電子機器用の比較的小型の二次電池
を想定していると思われ、その技術を単純に大型電気機器用の大容量二次電池へ転用するこ
とには困難があると考えられる。

一方、二次電池に対する技術的要求レベルは今後ますます高まることが予想される。すなわ
特許文献1~2を凌ぐ技術の開発は継続すべき重要な課題である。

したがって、本発明の目的は、全固体リチウム二次電池において、電極活物質や固体電解質
として使用する材料の選択肢を広げながら、電極層と固体電解質層とを積層した電極群全体
を一体焼成したとしても該電極層と該固体電解質層との間の望まない化学反応を抑制して二
次電池の高出力化に貢献可能な全固体リチウム二次電池を提供することにある。(中略)


本発明によれば、全固体リチウム二次電池において、電極活物質や固体電解質として使用す
る材料の選択肢を広げながら、電極群全体を一体焼成したとしても電極群内の電極層と固体
電解質層との間の望まない化学反応を抑制して二次電池の高出力化に貢献する全固体リチウ
ム二次電池を提供することができる。

【要約】

本発明に係る全固体二次電池は、集電体層と正極層と固体電解質層と負極層とが積層された
電極
群を有する全固体リチウム二次電池であって、前記電極群は、焼結接合体を形成してお
り、前記正極層は、前記集電体層に当接する第1正極層と、前記固体電解質層に当接する第
2正極層との二層構造を有し、前記第1正極層と前記第2正極層とは、互いに組成の異なる
正極活物質を含有し、前記第2正極層の前記正極活物質がリチウムニッケル図2複合酸化物
からなることを特徴とする全固体リチウム二次電池で、電極活物質や固体電解質として使用
する材料の選択肢を広げながら、電極層と固体電解質層とを積層した電極群全体を一体焼成
したとしても該電極層と該固体電解質層との間の望まない化学反応を抑制して二次電池の高
出力化に貢献可能な全固体リチウム二次電池の提供。


【符号の説明】

10b…集電体層グリーン基板、10c…集電体層、 21b,25b…第1正極層グリーン基板、21c,
25c…第1正極層、 22b…第2正極層グリーン基板、22c…第2正極層、 21a…第1正極層グ
リーンシート、26a…第1正極活物質部グリーンシート、 27a…電気絶縁部グリーンシート、
26b…第1正極活物質部グリーン基板、26c…第1正極活物質部、 27b…電気絶縁部グリー
ン基板、27c…電気絶縁部、 30b,35b…負極層グリーン基板、30c,35c…負極層、 36b…
負極活物質部グリーン基板、36c…負極活物質部、 40b…固体電解質層グリーン基板、40c…
固体電解質層、 50b…バイポーラ電極グリーン基板、50c…バイポーラ電極、 61b…正モノ
ポーラ電極グリーン基板、61c…正モノポーラ電極、 65b…負モノポーラ電極グリーン基板
、65c…負モノポーラ電極、 63…正極外部端子、67…負極外部端子、 70…キャリアシート、
80…接合層、90…パッケージング材、 100b,105b…電極群グリーン基板積層体、100c,105c
…電極群焼結接合体、 100d…全固体電池構造体、100e…全固体リチウム二次電池。



※グリーンシート(生のシートという意味)とは誘電体シートのこと。

 

 【特許請求範囲】

  1. 集電体層と正極層と固体電解質層と負極層とが積層された電極群を有する全固体リチ
    ウム二次電池であって、前記電極群は、焼結接合体を形成しており、前記正極層は、
    前記集電体層に当接する第1正極層と、前記固体電解質層に当接する第2正極層との
    二層構造を有し、前記第1正極層と前記第2正極層とは、互いに組成の異なる正極活
    物質を含有し、前記第2正極層の前記正極活物質がリチウムニッケル複合酸化物から
    なることを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  2. 請求項1に記載の全固体リチウム二次電池において、前記リチウムニッケル複合酸化
    物は、Li2NiMn3O8、LiNiO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、およびLiNixCoyMn1-x-yO2(0.34
    <x<0.90、0.10<y<0.33、0.44<x+y<1)から選ばれる一種であり、前記固体電
    解質層に使用される固体電解質は、ガーネット型リチウム複合酸化物からなることを
    特徴とする全固体リチウム二次電池。
  3. 請求項2に記載の全固体リチウム二次電池において、前記ガーネット型リチウム複合
    酸化物は、Li7La3Zr2O12、Li7+xLa3Zr2O12-xMx(0<x<1.2、MはN,Cl,S,Seのい
    ずれか)、Li5La3Ta2O12、Li5La3Nb2O12、およびLi6BaLa2Ta2O12から選ばれる一種で
    あることを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の全固体リチウム二次電池において、前
    記電極群は、前記集電体層の一方の主面上に前記正極層が積層形成され該集電体層の
    他方の主面上に前記負極層が積層形成されたバイポーラ電極と、前記固体電解質層と
    が交互に積層されたバイポーラ積層型電極群であることを特徴とする全固体リチウム
    二次電池。
  5. 請求項4に記載の全固体リチウム二次電池において、前記バイポーラ積層型電極群を
    積層方向から見たときに、前記バイポーラ電極および前記固体電解質層はそれぞれ四
    辺形形状を有し、前記集電体層はその外縁が前記正極層および前記負極層の外縁より
    も内側になるように形成されており、 前記バイポーラ電極中の前記正極層および前
    記負極層のそれぞれは、前記集電体層に接する面において前記四辺形の所定の対辺領
    域に電気絶縁部を具備していることを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  6. 請求項5に記載の全固体リチウム二次電池において、前記積層方向から見たときに、
    前記正極層の電気絶縁部は前記四辺形の一対の対辺領域に配置され、前記負極層の電
    気絶縁部は前記四辺形の他の一対の対辺領域に配置されていることを特徴とする全固
    体リチウム二次電池。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の全固体リチウム二次電池において、 前
    記集電体層は主要成分が炭素系材料および/または導電性酸化物からなり、 前記第1
    正極層の前記正極活物質がリチウム遷移金属複合酸化物からなり、 前記負極層は主要
    成分が炭素系材料、リチウム遷移金属複合酸化物および/またはリチウム遷移金属複
    合窒化物からなり、 前記固体電解質層は主要成分がリチウム複合酸化物電解質からな
    ることを特徴とする全固体リチウム二次電池。

 特開2018-063927硫化物固体電池 トヨタ自動車株式会社

 全固体電池では、電解液が用いられないことから、❶電解液を用いる二次電池と比較し、過
充電に起因する電解液の分解等が生じない。❷更に、全固体電池は、高いサイクル耐久性及
びエネルギー密度を有していることが特徴。全固体電池に用いられる固体電解質においては、
固体電解質材料として、硫化物固体電解質材料が知られている。硫化物固体電解質材料は、
リチウムイオン伝導性が高いため、電池の高出力化を図る上で有用。これに関して従来から
種々の研究がなされているが、硫化物固体電解質材料は、リチウムイオン伝導性が高いとい
う利点を有する反面、これが水(例えば、空気中の水分)と接触した場合には、硫化水素
発生するという問題があるが、この問題に関して、❶発電要素が収納されている外装体の内
部に、硫化水素ガスを吸収して無害化する材料を有する硫化水素無害化部が配置され、これ
が発電要素から生じた硫化水素を無害化し、これによって、外装体外への硫化水素の流出を
防止する技術が開示されている。❷また、特体電池を収容する筐体と、固体電池を冷却す
る温度調整手段を有し、筐体の内側の温度が所定値以下となるように固体電池を冷却するこ
とで、硫化水素の発生を抑制する。前者は、硫化物固体電池において、硫化水素が発生した
場合に対する対策が試みられているが、硫化水素の発生自体を抑制できない可能性がある。
また、後者は、固体電池を収容する筐体に、吸気ダクトから空気を流入させ、固体電池を冷
却している。これによれば、空気が筐体内の全体に広がると、固体電池全体が冷却されると
考えられる。しかし、固体電池においては、電池全体の温度が低下すると、電池抵抗が高く
なり、電池性能が低下する可能性がある。

【要約】

正極集電体層16、正極活物質層14、硫化物固体電解質層13、負極活物質層15、負極
集電体層17がこの順で積層されている電池素子10を有する積層電池18と;積層電池18
を積層方向から挟持して拘束している第一及び第二の拘束部材20,21とを有する硫化物
固体電池100において、第一及び第二の拘束部材20,21の少なくとも一方が冷却部22
を備え、冷却部22は、(i)第一及び第二の拘束部材20,21の少なくとも一方の面方
向の端部、(ii)第一及び第二の拘束部材20,21の少なくとも一方と積層電池18の
面方向の端部との当接部に対応する部分、又は(iii)(i)及び(ii)の両方に配置
されており、積層電池18の面方向の中心温度よりも積層電池18の面方向の端部温度が低
くなるように冷却す硫化物固体電池100。


【符号の説明】
1 断面線 2 積層電池の面方向の端部 4 積層電池の面方向の中央部 6 拘束部材と積層
電池の面方向の端部との当接部に対応する部分 10 電池素子 11 正極層 12 負極層  
13 固体電解質層 14 正極活物質層 15 負極活物質層 16 正極集電体層 17 負極
集電体層 18 積層電池 20 第一の拘束部材 21 第二の拘束部材 22 冷却部 30
ボルト 100 硫化物固体電池


【その他の関連特許】

 



● 営農型太陽光」「地域新電力」推進を明記 環境基本計画改訂

4月17日環境省は、「第5次環境基本計画」を閣議決定したと発表した。6つの重点戦略の
最初に「グリーンな経済システムの構築」を挙げ、「再生可能エネルギーの最大限の導入」
を掲げた。具体策として、水素や地域バイオマスの利用、営農型太陽光の推進を明記した。
環境基本計画は、環境基本法に基づき、環境保全に関する長期的な施策を定めるもので、中
央環境審議会の答申を受け、約6年ごとに見直している。今回の見直しは、国連でパリ協定
が採択された後に初めて策定される計画となった。そのため、「21世紀後半に温室効果ガス
排出を実質ゼロ」と明記した同協定の挑戦的な目標を意識し、「新たな文明社会を目指し、
パラダイムシフトが必要」との方向性を打ち出した。
 

再エネに関しては、温暖化対策の柱としつつ、「エネルギー自給率の向上」「地域経済の活
性化」の効用を重視した。その具体策として、「営農型太陽光(ソーラーシェアリング)」
「地域新電力」「地域の未利用バイオマス資源」「廃棄物系バイオマス」の活用・推進など
を盛り込んだ。
また、太陽光・風力を大量導入する上で課題になっている「電力系統への負
荷」に関して多くの記述を割き、「送電網の広域利用」「需要側の調整(デマンドレスポン
ス)」「蓄電池の導入」「水素としての貯蔵」などの有効性を示しつつ、「電力系統に依存
しない自立分散型の再エネの導入を進める」との方向性も挙げている

 ● 今夜の一曲

ピアノソナタ第14番 ハ短調 K. 457

1784年にウィーンで作曲された(モーツァルト自作の作品目録では、同年10月14日に完成し
たと書かれている)。翌1785年に「幻想曲 ハ短調 K. 475(英語版)」と共に「ピアノフォ
ルテのための幻想曲とソナタ」作品11としてアルタリアから出版された。短調であるが故に、
その後のピアノソナタの新地平を切り開いたこのモーツァルトの記念碑的な2曲のピアノソ
ナタは、モーツァルトの楽譜の写譜をしていたフォン・トラットナーの妻でモーツァルトの
ピアノの弟子でもあったテレーゼ・トラットナー夫人に献呈された。



アナスタシア・リジコフ (Anastasia Rizikov)はカナダのクラシック音楽のピアニスト。1998
年12月8日生まれ。ロシア系移民としてトロントで生まれる。5歳からピアノを始めたが急激
な上達を見せ、13歳でラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演奏するなど、カナダの天才少女
として騒がれた。 Sergei Babayan, Arie Vardi, Robert Levin, Ferenc Rados, Anatoly Ryabov, Oxana
Yablonskaya
ほかのマスタークラスを受講しているが、彼女の名を決定的にしたのは28歳まで
のカテゴリーのコンクールを12歳で優勝したことである。その後も次々と国際コンクールの
最年少記録を更新したものの、BNDES、グリーグ、ヴィオッティ(その年の最年少出場)では
本選に進めず、2017年のマリア・カナルス国際ピアノコンクールでは第3位に終わったという。

 

コメント

エネルギー革命元年 Ⅵ

2018年04月24日 | 時事書評

                                     

11 九  地
敵味方のおかれている状況を九つの場合に分類し、それぞれに応ずる法(九地の法)をあげ
とくに捨て身によって全力を発揮する”奥の手”を論じている。

「呉越同舟の計」
敵国に攻め入るからには、思いきって深く入ることだ。味方の回結はそれだけ強固になり、
敵のよく対抗しうるところではない。敵地に奥深く進入しているのであるから、食指は敵の
沃野から徴発して全軍の食糧を確保し、兵士を十分に休養させて消耗をふせぎ、力をたくわ
え士気を高め、その上で、敵にさとられぬたくみな計略を立てることが必要である。
このような敵地の中では、兵士は逃げようにも逃げ場がない。命がけで戦うよりほかないの
である。絶体絶命の窮地に立てば、かえって恐怖は消えるものだ。逃げ場がない敵地の奥に
入れば入るほど、兵士の団結は強まる。戦う以外に道はないのだ。

上官があれこれいわずとも、兵士は自分でいましめあい、力を発揮し、団結しあい、信頼を
裏切ら
なくなる。流言を禁じ、疑心を抱かせさえしなければ、兵士は死を賭して戦うであろう。
こうして兵士たちは生命財産をかえりみず戦う。かれらとて財産は欲しいのだ。生命は借しいのだ。
出陣の命令を受け取れば、寝てもさめても、涙は蝸をつたわり襟をぬらしたことであろう。そのかれ
らが、専諸(せんしょ)、曹劌(そうけい)とみまごうばかりの働きを示すのは、絶体絶命の窮地に立
だされればこそなのである。



戦上手は、「常山の蛇」のように機敏でなければならぬ。「常山の蛇」は、頭を打つと尾が
向かって
くる。尾を打てば頭がくる。胴を打てば頭と尾がくる。
「軍隊を常山の蛇にすることができるのか?」という疑問が出るかもしれない。
それはできる。呉と越とは、仇敵の間柄だが、両国の人間が一つの舟に乗りあわせ、暴風に
あって
舟が危ないとなれば、左右の手のようにたすけあう。軍隊にこのような一致協力をも
たらすには、馬
をつなぎ軍を埋め、決死の意志を示すだけでは十分でない。軍隊を打って一
丸とするには、政治指
導が必要である。強者弱者に、それぞれの全力を尽くさせるには、地
の利を考えることである。

こうして戦上手の手にかかれば、全軍はあたかも一人の人間であるかのように、一糸乱れぬ
動きを
示す。そうならざるを得ぬようにしむけるからである。軍隊を統率するには、冷静か
つ厳正な態度が要求される。兵士たちにあれこれ考えさせてはいけな
い。方針、計画、陣立
て、進路等を変更しても、いちいち知らせて、兵士に余計なことを考えさせるべきではない。
いったん任務を授けたら、あくまでそれにしたがわせる、二階にあげて梯子をはずしてしま
うのだ。いったん敵地に攻め入ったら、弦をはなれた矢のようにどこまでも進ませる。舟を
焼きはらい、釜をこわして生還をあきらめさせるがいい。羊を迫うようにどこへでも自由自
在に進ませるのだ。
こうして、全軍を絶体絶命の窮地に立たせることこそ、じつは統平首の任務なのである。こ
こにおいて、統率首にとって、九地の区別、進退の判断、人情の機微、これらを弁えること
が何よりも乗換となる。

〈専諸〉 春秋末期の呉の豪傑。呉玉岡囲のために王僚を暗殺し、自分も殺された。
〈曹劌〉 春秋時代の魯の豪傑。魯の珀を奪った斉の桓公を七首でおどして返亘させた背泳
のこと。
〈呉と越とは……〉「呉越同舟」ということばは、この章が出典であり、「仲の悪い肴同士
でも共通の目的をもつことによって統一行動をとらせることができる」という意味が原意な
のだが、転じて、仲の悪い特が同席する場合の形容として使われるようになった。

   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   

終 章 TPPも雇用法も、世間でいわれていることはウソだらけ」
第5節 終身雇用は「慣行」であって「制度」ではない
終身雇用について議論されるときに、「終身雇用制度」と呼ばれることかあります。
しかし、間違えてはいけませんが、終身雇用は「制度」ではなく「慣行」です。雇用契約書
を見ていただいても、どこにも「終身雇用する」とは書いてないはずです。契約書に雇用期
間が書かれていないことから、「期間の定めがない」という解釈をして、ずっと雇用契約が
続くとみなしているにすぎません。
労働者側が解雇を不当として訴えた場合、裁判所がその企業の解雇について権利の濫用と認
定し、解雇を無効と判決することはあります(解雇権濫用の法理)。最高裁判例をもとに解
雇の要件も決まっています。しかし、あくまでもケース・パイ・ケースで判断されます。日
本では法的に解雇がしにくくなっているとはいえ、解雇ができないわけではありません。終
身雇用を約束されているわけではないので「約束違反だ」といっても意味のないことです。

一方で、中小企業の場合は、法律すら守らずに解雇が行われているケースも多々あります。
大企業の人は「終身雇用でなくなった。不安だ」といいますが、中小企業の人から見ると、
「昔と変わっていない」という印象でしょう。労働環境は、企業ごとに異なるものなので、
政府が一律に決めるわけにはいかない領域です。政府は最低限の労働者の権利を保護して、
あとは「労使ともにいい関係をつくって下さい」というしかありません,終身雇用するかど
うかは、あくまでも企業が決めることであって、それぞれの企業の「慣行」なのです。

第6節 雇用慣行は政府が目出しすべきでない分野の1つ

一方、社会の多様化もあって、労働者の側からしても、必ずしも「囲い込まれる」ことが得
策ではなくなりつつあります,私のような大学の教員の場合は、多くの人が有期雇用の契約
です。手に職を待っているようなものなので、有期でも気にしていない人はたくさんいます。
期限が来れば、契約を更新することもできますし、別の大学に移ることもできます。
世の中には有期雇用のほうが都合がいい人もいます,「今の会社はもう辞めたい」と思って
いる人には有期雇用は悪い話ではありません。期間の満了を迎えれば自動的に辞めることが
できます。

新しい仕事にチャレンジしたい人にとっても有期雇用は好都合です。無期限の契約だと、退
職願を出して辞めさせてもらわなければいけませんが、有期であれば堂々と次の仕事に移る
ことができます。会社から引き留められて辞めにくい場合もありますので、有期のほうが気
が楽な人もいるでしょう,要するに、個人の価値観によって有期が良いのか、無期限が良い
のかは違ってきます。政府が一律に決められるような問題ではありません。私は、雇用慣行
とは経済活動の結果として起こる「自然現象」だと見ています。いわば、仕事の性質や業績
に付随する副産物です。業績が好調でゆとりのある会社では、労働者にとって有利な慣行が
つくられるでしょう。終身雇用型慣行になるかもしれません。あるいは終身雇用とは別の労
働者が魅力を感じる慣行になるかもしれません。人材囲い込みのために企業は知恵を絞るは
ずです。

「終身雇用をしなくなったから、日本の企業は成長できなくなった」と主張する人もいます
が、本質的な原因と結果を見誤っています。終身雇用によって日本企業が成功したわけでは
なく、高度成長期の日本企業が成功した結果の「副産物」が終身雇用なのです。しかも、そ
れはあくまで高度成長期の「副産物」であって、現在の日本企業が成功した場合の副産物が
同じものである保証など、どこにもありません。
政府の仕事は個々の企業の雇用慣行に口出しすることではなく、経済全体を成長させて、よ
り多くの企業が儲かるようにすることです。ミクロのことは企業に任せて、マクロ経済をよ
り良くしていくのが政府の役割です。雇用慣行を「べき論」で語っても意味かおりません。
企業が儲かるようになれば、自然に素晴らしい雇用慣行になっていきます,

  

私が1995年に日本政府のバランスシートを作った最初の人物。

第7節 「普通にやっていればうまくいく経済環境」をつくり出すために

間違いなくいえることかあります。それは、ひと言でいうなら、「「失業者を最少化するこ
と」こそが、マクロ経済政策の目的だ」ということです。失業者が減っているのなら、その
経済政策はおおむね正しい政策といえます。しかし、失業者が増えているのなら、経済政策
としてはどこに不備があります。
私がいつも考えているのは、「全体のパイを増やすこと」です。経済成長と言い換えてもい
いのですが、経済成長して全体のパイが増えれば、分配できる物が多くなります。パイが小
さくなると、取り分をめぐって争いごとが絶えなくなります。パイを大きくしてみんなで分
け合うことが一番いいのです。パイが大きくなれば失業者も減ります。
「試験の合格ラインを下げる」という言い方もできると思います。合格ラインが高いと、も
のすごく能力の高い企業しか合格できなくなります,不合格になる企業が多いということは、
失業者が増えることを意味します。

合格ラインを下げることができれば、普通の企業でも合格できます。それに伴って失業者も
減っていきます。合格ラインを高くして、みんなの尻を叩いて必死に競争させなくても、合
格ラインを下げてあげれば合格者は増えていきます。少数精鋭にする必要などないのです。
少数精鋭主義に固執すると、落第生が多くなってあとの手当てが大変です。マクロ経済の話
に戻すと、為替レートを考えてもらうとわかりやすいでしょう。 民主党政権時代のように
「Iドル=80円」を放置していると、ものすごく能力の高い輸出企業でない限り赤字にな
ってしまいます。実際、日本を代表する企業が赤字に陥っていました。

しかし、「Iドル=120円」であれば、超一流企業でなくても、多くの輸出企業が利益を
出せます。こういう状態のほうが、みんなが恩恵を受けられます。固定相場制のときのよう
に「1ドル=360円」なら、普通に仕事をしているだけでも儲かってしまったでしょう,
マクロ経済政策というのは、「普通にやっていればうまくいく経済環境」をつくり出すため
のものです。本書では戦後の経済史を見てきましたが、戦後経済史を振り返ると、経済環境
に最も大きな影響を与えていたのは為替レートだったということがわかります。

多くの人は、為替レートは天から降ってくるようなものと恩っているようですが、実際のとこ
ろ、為替レートは金融政策で決まります。つまり、人間の意図で決まるものです。人間の意
図で決まるのであれば、それをきちんと利用してマクロ経済政策を打つべきです。
かつて小泉首相は「痛みに耐えて」と国民に訴えかけました。たしかに、小泉改革で痛みを
受けた人もいると思いますが、失業者数は減らしています。失業者が減ったということは、
小泉改革の大きな成果です。

2012年からのアベノミクスも失業音数を減らしています。アベノミクスに批判的であっ
ても、失業者の減少に大々的に異を唱える人はいないでしょう。小泉政権時代の為替レート
は、おおむね1ドル=120円程度です。安倍政権の為替レートも、超円高を是正して1ド
ルフォル=120円程度に戻しています,どちらも為替をきちんとコントロールしているこ
とが、失業者数の低下につながっています。

最後に、為替に関する最近のエピソードを挙げておきます。パソコン自作を趣味とする私は
、秋葉原を巡ってメモリーを購入します。円高になるとメモリー価格はすぐ低下します。メ
モリーモジュールは、サムスン(韓国)、ハイニックス(韓国)、エルピーダ(日本)、マ
イクロン(米国)がほとんどです。エルビーダメモリは、2012年2月27日、会社更正
法の適用を東京地方裁判所に申請しました。同社は、2009年6月、産活法(産業活力の
再生及び産業活動の革新に関する特別措置法)の適用を受け、公的資金300億円、政府保
証融資100億円を受けていました,秋葉原には、国産メモリーとして応援していた店もあ
りました。

倒産後の記者会見でも坂本幸雄社長の発言は当事者の苦悩を表していました。「為替につい
ては、リーマンショック前と今とを比べると韓国のウオンとは70%もの差がある。70
%の差は、テクノロジーで2世代先に行かないとペイしない。為替が、完全に競争力を失わ
せている。70%の差はいかんともしがたい。それを除けば、エルピーダのDRAMの損益は
圧倒的にいい。為替変動の大きさは、企業の努力ではカバーしきれないほどだ」。何とも痛
々しい話です。メモリーは汎用品であまり製品差別化をできませんが、エルピーダのものは
品質が良く、パソコン自作につきものの相性問題が少ないといわれていました。それでも、
そんな技術力の差は、為替が吹っ飛ばすということです。

本書に書いたように、高度成長期の原動力も為替でありました。1985年9月のプラザ合
意以前は実際の為替レートは大幅な円安です。日本の技術水準は高かったが、それを生かす
も殺すも為替レートであり、価格競争力がなければ、技術をアッピールすることもできなく
なります。半導体について、日本は意味のない官製再生を行いましたが、市場経済のわから
ない官僚に企業再生は無理な相談です。官僚の違法なインサイダー取引もありました。公的
資金も280億円は返ってきません。

その一方、カネを刷れば円安にできるのに、円高を放置した日銀の責任は大きいのです。こ
のエピソードは、日本を代表する電機メーカーや自動車産業などでも共通している政策の失
敗例です。マクロ経済政策においては「失業者を減らすこと」が一番重要な目的です。その
ほかのミクロのことに関しては、政府は民間の邪魔をせず、余計なことはしないで、民間の
人に知恵を絞ってもらえばいいのです。日本の経済の歩みをきちんと読み解けば、そういう
教訓も間違いなく見出せます。何か「間違った常識」で、何か「物事を正しく見る眼」なの
かでせひ歴史から汲み取っていただきたいと思います,

大筋、同意。これは蛇足だが、小泉改革の背景となった英米流金融資本主義(平たく言えば
「拝金主義」)や構造改革主義の過剰弊害――ブログで掲載したが、福知山線脱線事故、福
島第一原発事故の重大事故・格差拡大の惹起(遠因)となったと思っている。しかし、高橋
が指摘するように「失われし二十年(ダブルスコア)」中の関係省庁の無作為あるいは経世
救民を怠った中央行政府の責任は重い。わたしたちはその意味で良い経験(学習)をさせて
頂いた。

                                    この項了

高橋洋一[たかはし・よういち】
株式会社政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授。1955年、東京都生まれ。都立小石川
高等学校(現・都立小石川中等教育学校)を経て、東京大学理学部数学科・経済学部経済学
科卒業。回生(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企
画室長、プリンストン大学客員研究員、内開府参事官(経済財政諮問会議待合室)、内閣参
事官(首相官邸)等を歴任。小泉内閣・第一次安倍内閣ではブレーンとして活躍。2008
年、「さらば財務省!」(講談社)で第17図山本七平賞受賞。近著に、「経済のしくみがわ
かる「数学の話」」「アベノミクスの逆襲」(以上、PHP研究所)、「日本郵政という大
罪」(ビジネス社)、「図解地政学入門」「バカな外交諭」「バカな経済諭」(以上、あさ
出版)など多数。

 

 No.196

Towards Battery-Free HD Video Streaming
【省エネ事業篇:最新ハイビジョンビデオ伝送通信システム 

4月11日、ワシントン大学の研究グループは、一万倍低電力でハイビジョンストリーミン
グ――後方散乱型マルチメディアファイル伝送再生通信システム(ダウンロード)――の研
究成果を公表。この低電力ビデオストリーミングプロトタイプは、次世代のウェアラブルカ
メラだけでなく他の多くのインターネット接続機器にも使用できる。「
Snap Spectacles」の
ような着用可能なカメラは、世界中のライブコンサートや手術のビデオを瞬時に共有できる
がこれらのカメラはより小型の蓄電池を必要とし高精細ビデオストリーミングを実行できな
い。同グループは、
プラグインレス型のハイビジョン動画ストリーミング方式を開発。この
プロトタイプは、電力消費する部品をなくし、スマートフォンのようなものにビデオを処理
のため「
方散乱」と呼ばれる手法で採用することで伝送信号を反射し情報を共有できる。
温度センサのような低データレートのセンサに使用されていた後方散乱を応用展開したこと
で実現。
 

今日のストリーミングカメラでは、カメラはWi-Fi経由で送信される前にビデオを処理圧縮し
ている。 これらの処理および通信コンポーネントは、特にハイビジョンビデオで多くの電力
を消費。 
これらのコンポーネントのすべ削除する新しいシステムの開発を目標に設定。 代
わりに、カメラピクセルはアンテナに直接接続し、バックスキャッタを介し強度値を近くの
スマートフォンに送信し、小さなストリーミングカメラと同じサイズの重量制限のない携帯
電話でビデオ処理する。
ビデオ伝送の場合、システムは各フレームからのピクセル情報をパ
ルスに変換し、各パルス幅はピクセル値を表示。 パルスの持続時間は、ピクセルの輝度に比
する。

これは、脳内の細胞が互いにどのように通信――ニューロンはシグナリング情報を行動電位
のタイミングでコード化――するのかに似ている。この研究では
、ハイビジョンYouTube
画を生のピクセルデータ変換したプロトタイプを使用し、そのアイデアをテスト。 その後、
ピクセルを後方散乱システムへ伝送――設計は、720pのHDビデオを毎秒10フレームで最大14
フィートの距離のデバイスにストリーミング――を実現。
これはシーンを録画し、次の部屋
のデバイスにビデオを送信するカメラのように例えられる。こ
のシステムは、現在のストリ
ーミング技術に比べて1,000~10,000倍の電力消費しているが、それはまだ連続動作をサポー
トする小型電池を携帯。次のステップは、毎秒13フレームでストリーミングでき、低解像度
低消費電力の完全なバッテリー不要ワイヤレスセキュリティカメラを製作する予定である。

現在、家庭のセキュリティカメラを常に接続しなければならないが、このシステムはワイヤ
レスストリーミングカメラのコードを効果的にカットでき
、より多くのエネルギーを節約す
ることができる多くのアプリケーションを想定
低電力ビデオストリーミング分野は魅力的
な市場――
どこにでも小さなハイビジョンカメラがあり、スタジアムのいたるところ、選手
のヘルメットに取り付けらているようなシーンを実現させるかもしれない。そして、そこで
は電池交換もない。


ゲームトライアスロン記:囲碁篇】



※ 白(後手:人間)16目ほど優勢の終盤図➲左上→左下→右上の順:左下で黒隅を分断するため
左辺に白一間トビに、黒割り込みを打ち上辺への白の伸びをブロック。黒すかさず黒石3目を分断。
これにより左辺10目白陣に膨らみ終局する。AIは下辺の黒10目を支援することで左辺の3
目を捨る。

このトライアスロンを続けてみて、チェスの対戦回数が一番すくなく、囲碁>将棋>チェス
の順。作業に疲れ、休憩にやるのは良いが、意固地になって疲れが増す愚を重ねること数回
になり、途中保存しモラトリアムで切り抜けることに。雁木囲いもトライしてみてやっと自
己流の差し方を会得しつつある。面白い。

 

コメント

おふしたてられ君にとつぎぬ

2018年04月22日 | 時事書評

      
                                     

11 九  地
敵味方のおかれている状況を九つの場合に分類し、それぞれに応ずる法(九地の法)をあげ
とくに捨て身によって全力を発揮する”奥の手”を論じている。

戦場に応じた戦い方
戦争には、戦場となる土地の性質に応じた戦い方がある。それは、九つの場合に分けて考え
られよう。

「散地」――自国内で戦う場合。自国内では戦いをさけるべきである。

「軽地」――他国に攻めいり、深く進入しない段階。ここに止まってはならない。すみやか
に進攻すべきである。
「争地」――敵味方双方いずれにとっても、獲得すれば有利となる土地。もし、敵にとられ
たら攻めるべきではない。
「交地」――攻敵味方ともたやすく連することができる所。部隊問の連絡に注意すること。

「衢衝地(くち)」――数カ国の勢力が侵透しあい、最初にここをおさえたものが、諸国の
衆望を集めうる場合、実際の戦闘よりも、外交交渉に重きをおくべきである。
「重地」――他国に深く攻めこみ、敵の拠点たる諸都市にかこまれて戦う場合。食糧その他
の徴発を強化し、現地調達を心がけることである。
「圮地(ひち)」――山林、高山、湿地帯など、行軍が困難な土地。遠やかに通過すべきで
ある。
「囲地(いち)」――入る道はせまく、引きあげるには遠く回り道しなければならない不便
な土地。敵はわず連戦速決が不可欠である場合。戦う以外に活路はない。

状況への対応 先に地形篇で6つの地形を分類しているが、ここでさらに、主として敵と味
方との閉係における地の利の問題を論じ、状況に応じて戦うために9つの形態を示している。
地形篇の6つの種類が、文字どおり地形に即した静的なもの、正常なものとすれば、ここで
いう九地は、敵味方の位置に関連し、動的なもの、機能的なものとして把捉されている。冒
頭にあげた九地の法は、さらにこの篇の後半(この訳文では第四節)で補足を加えられ、こ
れと椙悦って説明される。九地のうち、最初の「散地」と、「軽地」以下の八地とは古来、
区別しているのが普通だ。つまり「散地」だけが自国内で戦うものであり、「軽地」以下の
八地は敵国に攻め入る場合なのである。

「散仙」についての孫子の説明は「自らその地に戦うものを散地治という」「敬治には戦う
なかれ」という簡単な記述だけなので、この「戦うなかれ」の意味をめぐって、古来、いろ
いろな解釈がある。「自国内では戦うな。国外で戦え」という解釈がある一方、「自国内で
は正面きって戦わず、奔命に疲れさせよ」というとり方もある。

【下の句トレッキング:おふしたてられ君にとつぎぬ】

髪香(かみかう)たき錦に爪をつつませておふしたてられ君にとつぎぬ   

与謝野晶子/『舞姫』


※「おふしたつ」(「生し立つ」)は養い育てる意。「爪」は琴爪である。娘には音楽の素
養を身につけさせるのが晶子の理想だった。『みだれ髪』でも琴、小琴、十三絃はたびたび
小道具となっている。また少し趣が異なるが『みだれ髪』には宿の女主人が娘を大事に育て
娘と旅人との恋の後ろ盾となる挿話もみられる。夢想のうちに創りあげた古風にして典型的
な女性像を追う思考回路を、晶子は作品において維持しつづけたといえるだろう。
(今野寿美「母性という基」/「歌壇」31頁、2018年5月号より)

 生誕140年与謝野晶子展こよひ逢ふ人みなうつくしき

歌人。大阪生。名はしょう。「明星」の主宰者与謝野鉄幹と結婚。『みだれ髪』を刊行。積
極的な人間性賛美の声を艶麗大胆に歌い、「明星」の浪漫主義短歌の指標となる。また古典
に造詣深く源氏物語研究には独自の見解を示す。昭和17年(1942)歿、65才。2018年は、歌人・
与謝野晶子(1878~1942)の生誕140年にあたる。20世紀の幕開けの年、22歳の晶子が高ら
かに恋愛を謳いあげた第一歌集『みだれ髪』は、近代日本の文学界に大きな衝撃を与え、新
しい詩歌の時代を切り拓きました。文学史上に燦然と耀くその魅力は、今なお褪せることは
あせない。 



【ときどき、最技術/商品のてんこ盛りシリーズ】
 凍結解凍覚醒法という名の世代促進技術

ひとは古来より品種改良法により有利な性質を有する植物を作出しているが、従来の品種改
良法は一定特性を固定するために長い年月を要した。世代促進技術の登場で、固定に要する
時間の短縮を実現。が、世代促進技術によっても固定には数年を要するという問題がある。
そこで、固定の作業を必要としない葯培養などのバイオテクノロジーが開発されまた、有
利な特性を有する植物を作出法として、遺伝子組み換え技術が知られている。遺伝子組み換
え技術により、除草剤耐性作物、害虫抵抗性作物、耐病性作物、保存性を増大した作物が作
出されている。一方、ある特定の処理を施すことで突然変異を誘発し、植物の特性を増強す
る方法
が提案――例えば、ガンマ線照射と染色体倍加処理を行なう工程を含む耐寒性を付
与する品種改良方法、遺伝子配列に変更を加えることなく、植物の特性を制御する方法、例え
ば、植物の栄養成長期に栽培環境中に起因する①塩類ストレス、②寡照ストレス、③強光ス
トレス、④乾燥ストレス、⑤過湿ストレス、⑥高温ストレス、⑦低温ストレス、⑧栄養スト
レス、⑨重金属ストレス、⑩病害ストレス、⑪酸素欠乏ストレス、⑫オゾンストレス、⑬C
ストレス、⑭強風ストレスなどのストレス処理をかけることで、植物の次世代における
開花時期を制御する方法が提案されている。



ところで、日本のほとんどの地域は温帯に属し、北海道や東北地方は亜寒帯(冷帯)に属す
る。そのため、亜熱帯~熱帯地域で栽培されているような日本の気候での栽培に適していな
い作物については、輸入に頼っている。亜熱帯~熱帯地域で栽培されているような作物につ
いては、温帯~寒帯での栽培に適していない場合がほとんどであり、温帯~寒帯地域におい
てはこのような作物を輸入する必要あるが、輸入作物は、大規模栽培のために農薬が大量に
使用されていたり、輸入のために燻蒸処理のような化学的な処理がなされていたりする場合
があり、人体に有害なものが多い。また、このような処理がなされていないものについては
高価であり、手軽に入手できないことが多い。亜熱帯~熱帯地域で栽培されている作物を気
温の低い温帯~寒帯で栽培可能にする技術開発が望まれていた。



一方、植物種によっては播種から収穫まで数年を要するものが多くこのような植物種の栽培
に関しては投資回収に課題が生じることがある。このような問題から、植物の成長速度を促
進する技術が望まれている。植物の成長速度や耐寒性を増強する技術として品種改良手法を
採用するには、達成までに長期間を要するという問題がある。また、葯培養技術は植物種間
における培養に難易があることが問題である。そして、遺伝子組み換え技術については遺伝
子プールの汚染問題があり、また、突然変異の誘導法には目的達成の不確実性が高いという
問題、また、遺伝子配列に変更を加えることなく、植物の成長速度と環境順応特性を増強す
る技術は知られてなかったが下記の特許技術が2018年3月9日により登録されるている。尚、
この技術は非遺伝子改変法で「凍結解凍覚醒法」と呼称されており、すでに苗が市販されて
いる(連続栽培は技術的に不可で苗元で購入)。

❏ 特許第6300215号 植物の特性を増強する方法
株式会社グリーンプラネット・バイオテック


【要約】

植物組織を凍結する凍結工程と、凍結された植物組織を解凍する解凍工程と、解凍された植
物組織から植物を発生させる発生工程により植物を処理することで、遺伝子組み換え技術によ
ることなく、植物の特性を増強する新たな技術を提供する。

【特許請求範囲】

  1. 植物の成長特性及び/又は耐寒性の増強方法であって、
    植物組織を凍結する凍結工程と、凍結された植物組織を解凍する解凍工程と、解凍さ
    れた植物組織から植物を発生させる発生工程と、を含み、前記凍結工程における凍結
    時最低温度が-55℃以下であり、
    前記凍結工程において、0.6℃/日以下の速度
    で温度降下させながら前記植物組織を凍結し、前記凍結工程の期間が160日以上で
    あり、
    前記植物が、パパイヤ、パイナップル、バナナ、コーヒー、羅漢果、グアバ、
    スターフルーツ、いちじく、カカオ、セイロンシナモン、パッションフルーツ、ライ
    チ、マンゴスチン、ブラックサポテ、ホワイトサポテ、棘葉シュガーアップル、デー
    ツ椰子、レッドドラゴンフルーツ、アーモンドから選ばれる植物であることを特徴と
    する
    方法。
  2. 前記凍結工程において、糖類水溶液中に浸漬した状態で前記植物組織を凍結すること
    を特徴とする、請求項1に記載の特性増強方法。
  3. 前記糖類がトレハロースであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の特性増強
    方法。
  4. 請求項1~の何れか一項に記載の方法を適用することにより、植物の成長特性及び
    /又
    は耐寒性が増強された植物を生産する方法。
  5. 請求項に記載の生産方法により生産された植物より得られる、接ぎ木のための穂木
    として用いられる植物組織。
  6. 請求項に記載の植物組織が穂木として接ぎ木された植物。
  7. 請求項4に記載の生産方法により生産された植物又は請求項6に記載の植物を栽培す
    る工程を含む、
    該植物とは独立した植物個体を発生可能な植物組織(種子を除く)
    生産する方法
  8. 植物の特性の増強遺伝子の探索方法であって、
    請求項1~の何れか一項に記載の方法によって植物を処理する工程と、
    前記処理を受けていない植物と比較して、前記処理を受けた植物において高い発現量
    を示すRNAを同定する工程と、を含むことを特徴とする、探索方法。
  9. 請求項1~の何れか一項に記載の方法による処理を受けていない植物と比較して、
    該処理を受けた植物において高い発現量を示すRNAを指標として、
    被験物質を適用した植物における前記RNAの発現量が、前記被験物質を適用してい
    ない植物における前記RNAの発現量に比して高いときに、該被験物質を植物の特性
    の増強因子としてスクリーニングすることを特徴とする、植物の特性の増強因子のス
    クリーニング方法。

   

 

学生や研究チームなどの団体が、絵筆を取り付けたロボットに絵画を描かせて競う「Robotic
Art Competition
」。3回目となる今年は個人を含む19のチームが、オリジナル作品部門と参考
画像に基づいた作品部門の2つのカテゴリーに計百作品がエントリー。下の絵は、1880年の
セザンヌの作品を参考に制作されたもの。作者は、12年以上も前からロボットアーティスト
を作り続けていている(彼を取り上げた動画では画風変換のアルゴリズムや、ロボットとク
リエイティビティについて説明している)。



米エネルギー省のローレンス・バークレー国立研究所(Berkeley Lab)が新たに発見したのは
液体のなかに液体を流しこむ3次元プリント技術。Berkeley Labによると、液体は多様な形
に固定したり、髪よりも細くしたり、また数メートルの長さにすることも可能だというが?!
研究者らは、すでこれまでにあった普通の3Dプリンターに、注射器のような細い針から水
を噴出するシリンジポンプを装備。多くの3Dプリンターが2次元運動によってレイヤーを
構築するところを、3次元パターンをつくるように改良。そこで、小さな金ナノ粒子を、シ
リコンオイルにはポリマーリガンド(金属に結合する分子)を混ぜ合わせました。これによ
り水混合液がシリコンオイル中に注入されると、金ナノ粒子はポリマーリガンドと相互作用
し柔軟で伸縮自在な液体を創り出すことに成功。今回の技術で、新たに化学物質を構築する
ナノスケールの粒子から「3Dプリント液状デバイス」のように変形したり破損したりするこ
とのない、フレキシブルで伸縮性のある電子機器を開発するのに役立てようと考えている。
 
米キヤノンで発売されている小型フォトプリンタ「IVY」。大きさはW8.1×H11.9×D1.8cm、重
さ160gの手のひらサイズ。
本体にはバッテリーとBluetoothが内蔵されており、スマートフォ
ンの専用アプリ「Canon Mini Print」からワイヤレスで印刷することが可能。残念ながら日本で
の販売は未定。

 

三菱電機は、単位体積当たりの出力密度を従来比で4倍に高めた、ブロアー(送風部)付きブ
ラシレスDCモーター(BLDC)「JCモーター」を開発した(上写真参照)。回転速度は、毎分
12万5000回転(12万5000rpm)と高い。コードレス掃除機や空調機、送風機といった、ブロ
アー付きモーターやファンモーターを搭載した家庭用・住宅用機器に向ける。今年度に発売
する新製品から、今後2~3年かけて順次、自社製品に搭載していく。機器の詳細を明かさな
いものの、まずはコードレス掃除機に採用するとみられる(ダイソンに挑戦状、三菱が出力
密度4倍の超高速回転モーター | 日経 xTECH(クロステック)Apr. 20,2018)。
 

    
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   



終 章 TPPも雇用法も、世間でいわれていることはウソだらけ」
第2節 TPPで海外から安いものが入ってきてもトータルでは利益になる

自由貿易の基本を押さえていただいたうえで、TPPについて見ていきます,次の図8は、
前の関税のある場合の図7と基本的には同じものです。重要なので、前の図の理解を助ける
意味で、あえて繰り返して説明します。

ある農産品について国内供給だけの単純なケースを考えてみます。その場合、価格はPI、
取引数量はOTとなります。このとき、PIより高い価格でも買おうとする消費者もいます
が、PIで買えますので、そうした人には「お得」になります。それらは、三角形A・PI
・EIで表されます。「消費者余剰」です。
一方、生産者にしてもPIより低い価格で出荷してもいいという業者もいます。PIで出荷
できますので、そうした人にとっては「利益」になります。それらは、三角形PI・B・E
Iで表されます。「生産者余剰」です。消費者余剰と生産者余剰の合計は、この農産品取引
のメリットであり、三角形A・B・EIで表されます。次に、貿易制限を撤廃し、貿易自由
化を行った場合を考えてみます。そうすると海外からの安い農産物の輸入が増えて、価格は
P2まで下がり、取引数量はQ2まで増えます。

価格低下のメリットによって、消費者余剰は、三角形A・P2・E2へと増えます。貿易自
由化前との差は、台形PI・P2・E2・EIです。 生産者余剰はやや複雑です。国内生
産者と海外生産者の合計では、三角形P2・C・E2となります。このうち国内生産者余剰
は、三角形P2・B・Dです。貿易自由化前と比べて台形PI・P2・D・EIだけ海外農
産物の輸入に押されて縮小します。国内生産者の生産者余剰の縮小は、その生産者の所得減
少になり、GDPを押し下げます。なお、海外生産者の生産者余剰は、三角形P2・C・E
2から三角形P2・B・Dを除いた、四角形D・B・C・E2となります。

貿易自由化によって、利益を受けるのは国内消費者と海外生産者であり、一方、打撃を受け
るのは国内生産者です,現実的には、国内消費者はメリットをあまり実感できない一方で国
内生産者はデメリットを大きく実感しますので、政治問題が起こります。しかし、国内消費
者の利益額の台形PI・P2・E2・EIは国内生産者の損失額の台形PI・P2・D・E
Iより必ず大きくなります。ということは、国内生産者の損失は、国内消費者の利益額の一
部で必ず穴埋めができることを意味しています。仮に全部を穴埋めしても、国内消費者は貿易
自由化の前より状況は良くなります。要するに、TPPでGDPは増加するということです,

以上は国内に限った話ですが、貿易自由化は相互主義ですから、海外生産者が国内で受けた
利益額の四角形D・B・C・E2に対応する利益額を日本の輸出業者も受けられる可能性が
あります。食の安全や環境面の考慮をすると、供給曲線などに多少の修正は必要になります
が、それでも上記の結論はそれほど大きくは変わりません。さらに、前述した「デッドウェ
イトロス」の要素を加味すれば、貿易自由化を進めて関税を引き下けたほうがトータルでの
利益は大きくなるのです。国内消費者、国内生産者、それに海外生産者のすべてのメリット
を合算すれば、日本にとってメリットになり、そのメリットを国内で再分配することによっ
て、誰も損しない状況をつくることができます。

第3節 「毒素条項」は、TPP以前の貿易協定でもだいたい入っていた

TPPの反対論者の中には、日本にばかり不利なルールを押しつけられるので加盟すべきで
はない、という人もいます。これは、マクロ経済の話ではなく、国際間のルールの話です。
おそらく、ISD条項のような毒素条項を懸念しているのだろうと思います,

ISD条項は、投資家が不利益を受けた場合に、相手国に損害賠償を求める訴えを起こすこ
とができるという条項です。TPP交渉で初めてISD条項なる恐ろしい毒素条項が組み入
れられたかのように報じられていますが、マスコミの人はおそらく過去の貿易・投資協定の
ことを知らないのだろうと思います

毒素条項はこれまでの貿易・投資協定にも何度も入っていました。日本でも20件以上、毒素
条項が入った貿易・投資協定か結ばれています。それらの毒素条項をこれまで日本が行使さ
れたことは一度もありません。毒素条項で訴えられているのは国内のルール整備が未熟な新
興国です。日本はこれまでもずっと毒素条項を結んできましたが、ガードが堅いほうの国な
ので、訴えられたことはありません。外務省も含めて日本政府の役人はけっこう厳密にやる
からです。

この毒素条項は、これでオーストラリアがアメリカからやられたと評判になったものです。
しかし、実状は次の通りです。アメリカとオーストラリアの問の協定では毒素条項はありま
せんでした、そこで、アメリカのフィリップモリスは、香港の子会社を使って、オーストラ
リアを訴えたのです。もし、このように日本もやられるなら、とっくにやられているはずで
す。しかし、日本の法律は外国企業に対して酷い差別的な扱いをしていないので、さすがの
アメリカも手出しができないのです。

どんな貿易協定にも必ずリスクはあります。TPPの運用でミスをすれば訴えられるかもし
れません,しかし、これまで一度も訴えられていないのに、TPPでは訴えられるかもしれ
ないと考えるのはあまりにも一方的な見方です。「今まではミスはなかったけど、次はミス
をする」といっているようなものです。これまでミスをしなかったのですから、次もおそら
くミスはしないはずだ、と見るのが自然だろうと思います,もちろん懸念はありますが、訴
えられた場合を想定して国内法制を整備し、気をつけて運用すればいいのです。

TPPには未知のものがたくさん含まれているように思われていますが、まったくの誤解で
す。目新しい話は入っていません。品目が変わるだけで、これまでの貿易協定で日本が経験
してきたことばかりです。その経験を生かせば十分に対応できます。

そもそも、貿易取引において一番大きなウエートを占めるのは、関税でも毒素条項でもなく
、為替です。Iドル=360円のように圧倒的に有利な為替レートのときには、アメリカが
高い関税をかけてもほとんど痛手にはなりませんでした。TPPのことを過度に心配するよ
りも、日本に不利な為替レートにならない政策を政府に求めることのほうがはるかに大事で
す。

 ブログ「原理と現場」 2013年08月29日

第4節 「終身雇用は日本型の雇用制度」は大きなウソ

次に、「雇用問題」について考えてみたいと思います,
最近は雇用問題がよく話題になり、雇用法制の審議も行われています。しかし、現在の日本
では
雇用に問しても間違った認識が少なくおりません。たとえば、終身雇用を「日本型雇用
制度」や「日本
的経営」と見るのは間違いです。戦前の状況から振り返ってみるとよくわか
ります,
戦前の日本には終身雇用などというものはありませんでした。労働者は月給取りどこ
ろか、大半の人は日給で働いていました。戦前は「揉の資本主義」に近い世界でしたから、
終身雇用といった概念はほぼ存在しない世界でした。

終身雇用の慣行ができたのは、戦後の高度成長期のころです。「1ドル=360円」という
、とびきり有利な為替レートの恩恵もあって、日本企業は非常に大きな利益を出
すことがで
きました。人手不足状態で、人をどんどん採用しなければならない状態でし
た。地方から都
会への集団就職もさかんで、若手労働者は「金の卵」と呼ばれていまし
た,企業は成長を続
けるには人材の囲い込みをしなければなりません。そのために生ま
れたのが、終身雇用です。
 労働者の側も「囲い込まれたほうがいい」と思っていたので、それに応じました。終身雇
用は、当時の経済環境によって自然発生的にできたものです。

決して「日本の長い歴史の中で培われたもの」などではないのです。その後、経済環境は大
きく変わりました。前提条件が変わったのですから、終身雇用
が成り立ちにくくなったのは
自然なことです。企業の側からすれば、これまでのように
人材を囲い込める状況ではなくな
ります。たとえ労働者側が「囲い込まれたい」と思っ
ていても、企業側が「もう無理です」
といっているのが最近の状況でしょう。

もっと端的にいえば、終身雇用は為替レートに進勤しているといっても過言ではあり
ません。
1960年代は「1ドル=360円」という有利な為替レートであったため、
終身雇用が成
り立ちました。しかし、1971年からは円高が進み、日本の輸出企業の
為替の恩恵は減っ
ていきました。プラザ合意後の1985年からは為替レートの恩恵は
まったくなくなってい
ます。そのころから、徐々に終身雇用を維持するのが難しい状況
が生まれてきました。19
90年代には大規模なリストラ(人員削減)も行われるよう
になっています,民主党政権時
代(2009年9月~2011年12月)には、実力以上の円高が放置
され、「マイナスの
ゲタ」を履かされたような状態になり、終身雇用を維持できるよう
な為替環境ではありませ
んでした。政府が円高を放置することは、終身雇用ばかりでな
く、雇用そのものに対して大
きな悪影響を与えるのです。
労働組合を有力な支持母体とする民主党の政権でそのような状況
が生じたことは、皮肉といえば皮肉です。

                                                                                                  この項つづく 



【牡丹満開の弘誓山宗安寺】

起  源

彦根市本町の堂々たる赤い門を構えた一寺院。浄土宗百万遍知恵寺を本山とするこの寺は、
弘誓山宗安寺と称す。
建立当初の歴史は、天和4年(1884)、宗安寺五世縦誉が書き記
した「宗安寺
由来」――宗安寺の由来は、天正19年(1590)頃、井伊直政の正室であ
る東梅院の祈願
により、東梅院の父母の菩提のために建立されたことに始まる(ただ、足利
尊氏が夢窓疎石の勧めにより、平和の祈願と南北朝の戦死者の追善のために全国に建立した
安国寺の寺基を継ぐとも)。東梅院は、松平周防守康親の娘。
徳川家康の養女として直政と
婚姻するという経歴をもつ。寺の建立地は上野国
箕輪(現群馬県箕郷町)、寺号を安国寺と
称していた。直政が箕輪城12万石を与
えられた年のことである。今でも、箕郷町には「安
国寺通」という地名がのこって
いる。慶長3年(1598)、直政が高崎城主となるや安国
寺も移転、関ケ原合戦後の慶
長6年(1601)、直政は近江佐和山に転封となるが、それ
に伴って同寺も佐和山
の麓の古沢の地に移転した。さらに、彦根城築城が開始された慶長8
年(1603)
以降には現在の地に寺地を移すなど、井伊家と行動をともにしてきた寺院。
安国寺から宗安寺へ寺号をかえるたのは、今の地に落ち着いてからのこと。寺号改変の理
由は、関ケ原合戦の敵方の将・安国寺恵瓊と同名であることをきらっ
たためとされる。新た
な寺号は、束梅院の父母の戒名の夏(憂)楽院無月宗九居士の
「宗」と詣蓮院心誉理安春公
大姉の「安」を採って命名。
宗安寺は、庶政につき従って佐和山に来たときの住持成誉典応
を第一
世とする。成誉は、上野国の長野氏の出と伝えられる。長野氏の一部は武田氏に滅ぼ
されたが、武田氏滅亡後は長野菜実(真)が井伊直致に仕え、以後代々家老職ととして井伊
家に仕えることとなった――と伝えられている。



うす色の牡丹の花のちるけはひ 身に覚えつつ文かくわれは  与謝野晶子/『さくら草』

土日の両日は、大阪で親戚らと再開や法事で、帰ってきて墓参りとあわただしく時間が過ぎ
てしまっ
た。そして、すっきりした反面、新たなもやもやも生じ、疲れ腰痛の再発とダーク
サイドも膨らむ。250兆分の1で頂いたこの身体、どうせなら燃えつきるまで行動するし
かないと開き直った。

                                      

コメント

みずにもやはき足裏はある

2018年04月20日 | ネオコンバーテック

      
                                     

10 地  形

まず「地形」から説きおこしてはいるか、この篇名に、さしたる意味はない。後半は、敗北
の原因、将の責任と役割にふれている。

味方・敵・地の利
将たる者にとって、部下は赤ん坊と変わらない。そうあってこそ、部下は深い谷底であろう
と一緒におりて行こうという気持をおこすのである。将たる者にとって、部下は愛児と変わ
らない。そうあってこそ、部下は生死をともにしようという気持になるのである。しかしな
がら、部下を厚遇するだけで思いどおり使えず、可愛がるだけで命令できず、乱れていて

治めることができないならば、親が子供を甘やかしすぎるようなもので、戦争の役には立だなくな部
下を統率し、その力を把握することは、敵の力を知ることと同様、勝利の大きな要因である。部下の
実力を十分知っていても、敵のあなどりがたい力を認識していなければ、勝敗の確率は五分と五分
である。 敵の力は破り得るという自信があっても、わが部下の実力を十分に認識していな
い場合も
同様である。さらに、敵の力は破り得るという自信があり、わが部下の勝つべき実
力を認識していた
としても地の利か悪いということを知らないならば、これもまた勝敗の確
率は五分と五分である

戦上手は、敵、味方、地形、この三つを完全に掌握しているから、一度行動を開始すれば迷
うことな
く、ことがおこっても決してたじろがない。敵味方、双方の力量を正しく量り、天
の時と地の利とを得て戦う者は、常に不敗である。

この一節の前半は、前節からの脈絡がない。おそらく後世、混入したものであろうが、こ
 れは
これとして「将と部下」という意味で示唆にとんでいる。

 Wikipedia

【下の句トレッキング:みずにもやはき足裏はある】

ストローをためらひがちにのぼりくるみずにもやはき足裏はある  柳澤美晴

                                                    (『おやすみ、メアリー・スー』より)


 主に二次創作で、もとの作品にはいないオリジナルキャラクターであるにも関わらず「優秀」
「特
別」が行きすぎたキャラクターのことを「メアリー・スー」と呼ぶ。(作者の自己陶酔)Mary
Sue
メアリー・スー)とは、理想化されたオリジナルキャラクターを揶揄する語。

    
【黒の革命篇:最新高品位長尺グラフェンの連続製造プロセス技術】

4月17日、マサチューセッツ工科大学の研究グループは、高品位長尺グラフェン機能膜の
連続製
造プロセスの開発したことを公表。この開発により、塩、より大きなイオン、タンパ
ク質
またはナノ粒子を含む様々な分子などの濾過膜――グラフェンをシームレスにし、基板
を完
全に覆い、高品位膜用途向――として脱塩、生物学的分離などに使用できる。

● 成長するグラフェン
グラフェンは理想的なろ過膜で、1枚のグラフェンは原子的に細い鶏籠網状の炭素原子がパ
ターン
結合材料は非常に丈夫で、最小の原子のヘリウムも浸透できない。グラフェン膜を製
作し、所望の分子をろ過するサイズに調整する小さな穴/ナノ細孔制御技
術開発――化学気
相堆積法では、最初に銅ホイルのサンプルを加熱し、炭素と他のガスの組み合わせを堆積さ
せ、
グラフェン膜はバッチ方式で製造されているが、商用向けの製造方式にするには技術的
な課題を抱える。

薄膜の連続処理には工業的アプローチのロールツーロール方式と化学蒸着製造技術を組み合
わせ、高品位グラフェンを大量/高速製造する必要がある。このシステムは、小さな炉を通
過するコンベアベルトに接続された2つのスプールで構成。❶まず第1のスプールでは、幅
が1センチメートル未満の長尺銅箔ストリップを広げ、炉に入る段階で、ホイルは最初の1
本のチューブに送られ、次にスプリットゾーン・チューブに送られる。
ホイルが第1のチュ
ーブを所定組成のメタンおよび水素ガス雰囲気の加熱処理することで、
グラフェンは小さな島
状に形成開始しやがて一様となり連続シートを形成、オーブンの外に出るまでに、グラフェンは、ピ
ザの連続的なベッド状でホイルを完全被覆した状態される。❷次に、このグラフェンが炉を出ると
グラフェンは第2のスプールで連続的供給、毎分5センチメートル速度で高品位グラフェン
を製造(最長運転の約4時間で、最長約10メートルのグラフェン)。同研究グループは、
わたし(たち)が「作り込み」という作業を繰り返すことで好適制御条件を見出している。


Posted: Apr 18, 2018

● フレキシブルで工業的製造設計
次に、グラフェンをロールツーロール法で中間製品をハーバード大学で開発された方法でポ
リマーメッシュまたは支持体をエッチングし銅を除去する。
また、メタンと水素ガスの成分
比率を変え、プロセス処理速度と相関を求め、
電子アプリケーションから膜アプリケーショ
ンまで、グラフェンの
調整操作に関して大きな柔軟性を見つける。今後、ロールツーロール
方式で、ポリマー鋳造や現在手作業で行われている工程を含め製造
方法を確立する予定で、
エンドツーエンドプロセスとして、より多くのオペレーションを製造ラインに統合する必要
があり、
グラフェン膜技術の信頼と関心が高まれば商品化できると期待を寄せている。



❑ A Scalable Route to Nanoporous Large-Area Atomically Thin Graphene
Membranes by Roll-to-Roll Chemical Vapor Deposition and Polymer Support
Casting

ACS Appl. Mater. Interfaces, 2018, 10 (12), pp 10369–10378 DOI: 10.1021/acsami.8b00846
Publication Date (Web): March 19, 2018

【要約】

グラフェンのスケーラブルで費用対効果の高い合成と統合は、ナノ多孔質原子状薄膜(NAT
M)などの大面積アプリケーションを実現する上で不可欠です。
ここでは、ロールツーロー
ル化学蒸着(CVD)による大面積グラフェンの高速連続連続合成と、階層的に多孔性のポリ
マー支持体の鋳造とを組み合わせた、NATMの製造へのスケーラブルな経路を報告する。

ず2つのゾーンのロールツーロールグラフェンCVDリアクタを設計し構築した。グラフェン
CVDリアクタは、可動フォイル基板をアニーリングおよび成長雰囲気に順次露出させ、ゾー
ン間の鋭い等温遷移を行います。
反応器設計の構成上の柔軟性により、グラフェンの品質に
影響を与える重要なパラメータの詳細な評価と、高速のロールツーロールグラフェン製造で
考慮すべきトレードオフが可能になります。
このシステムでは、5cm / min以上の速度で均一
な高品質単層グラフェン(ID / IG <0.065)を合成します。
最適化されたグラフェンから製造
されたNATMは、ポリマー鋳造および後処理を経て、従来合成されたグラフェンから製造され
た膜と同等の性能を有するサイズ選択的分子輸送を示す。
したがって、この研究は、タンパ
ク質脱塩および小分子分離を含む用途のための、NATMのスケーラブルな製造プロセスの実
行可能性を確立する。



❑ High-speed roll-to-roll manufacturing of graphene  using a concentric tube
CVD reactor
Scientific Reports volume 5, Article number: 10257 (2015) doi:10.1038/srep10257

【要約】
ロールツーロール化学気相成長のための同心管(CT)反応器の設計を提示する(CVD)によ
るフレキシブル基板への適用、および銅上のグラフェンの連続生産への応用ホイル。CTCVD
反応器では、薄い箔基材を内管の周りに螺旋状に巻き付け、同心管の間の隙間を通って平行
移動する。ベンチスケールのプロトタイプマシンを使用します銅基板上のグラフェンを25mm
/分~500mm / minとし、プロセスパラメータが均一性とカバレッジに及ぼす影響を調べる連
続的に動くフォイル上のグラフェン低速では、高品質の単層グラフェンは形成された;高速で
は、小さなグラフェンドメインの急速な核形成が観察されるが、凝集CTCVDシステにおけ
る限られた滞留時間によって防止される。我々は、平滑な等温還元雰囲気と炭素含有雰囲気
との間の移行は、高品質のロール・トゥ・ロール・グラフェンに不可欠であるCVD。フォイ
ル品質と微細構造がグラフェンの均一性をどのように制限するかについて議論する巨視的な
次元。CTCVDのスケーリングと再構成の手段2次元材料製造の一般的な要件に基づく設計。



さて、どの程度の膜強度があるのかわからないが、まずは、半導体製造で使用する超純水製
造装置の機能膜に
応用し、ゼロウェスト、省エネ、コスト削減ための研究をスタートさせた
たいね。


【関連資料及び特許事例】

----------------------------------------------------------------------------------
❑ US 9394174 B2 Alkyne-assisted nanostructure growth

【要約】
ナノチューブを含むナノ構造体の形成および処理に関する。いくつかの実施形態は、比較
穏やかな条件(例えば、低温)を使用してナノ構造成長のためのプロセスを提供する。場合
によっては、本発明の方法は、ナノ構造形成の効率(例えば、触媒効率)を改善し、揮発性
有機化合物および/または多環芳香族炭化水素を含むナノ構造形成中の望ましくない副生成
物の生成を低減することができる。そのような方法は、ナノ構造形成に関連するコストを低
減するとともに、環境および公衆衛生および安全性に対するナノ構造製造の有害な影響を低
することができる。


   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   


終 章 TPPも雇用法も、世間でいわれていることはウソだらけ」
第1節 自由貿易は戦争を「抑止」するものであり、止めるべきではない

これまで、戦後から平成までの日本経済の歩みについて、何か「間違った常識」で、何か「
物事を正しく見る眼」なのか、経済理論とデータ検証をベースとしつつ解き明か
してきまし
た。
本書の最後に、現在も様々に取り沙汰されている2つの経済的事象について、経済史
視点も交えながら考えてみたいと思います。テーマは「自由貿易」と「雇用問題」に
ついて
です。

最初に、「自由貿易」について見ていきましょう,
私がときに不思議に思うのは、我が国でよく「自由貿易」に対する反対意見が声高に叫ばれ
ることです。最近のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)反対の議論の中に
も、ずいぷん
と理解に苦しむ論調を見かけました。

もちろん、「自由貿易」で自分たちの利益・権益が侵されるおそれを感じている人々は反対
するのでしょう。また、「プラザ合意はアメリカの仕組んだ罠だ」などというこ
とを真面目
に信じている人も、そういう陣営に与するかもしれません。どの国にも自由
化反対論者はた
くさんいて、グローバリズムに対する根強い反対意見はあります。
しかし、そういう人たち
は、自由貿易の歴史的背景や理論に触れたことがあるので
しょうか。ことに日本人は、戦後、
自由貿易の恩恵を大いに享受してきています。そ
の日本人の1人として、歴史や理論を知っ
たうえで本当に「自由化反対」などといえる
のか、どうにも不可思議に思えるのです。

歴史的に振り返って見ると、自由貿易が推進された理由は、戦争の抑止と密接に関連してい
ます。1929
年の世界恐慌以降、世界経済はブロック化の方向に進みました。ブロックの
権益を守るため、ブロック問で摩擦や対立が起こりました。また、高い関税や資源の輸出制
限が掛けられ、それが第二次世界大戦につながった要因の1つと考えられていま
す。資源を
持たざる国である日本は、このような経済状況に大いに苦しみました。
戦争の反省をもとに、
世界の国々は貿易自由化を進めることになりました。戦後の貿
易自由化は、経済目的で始ま
ったものというより、戦争を防ぐために始まったものなの
です。そして実際に、2国間の貿
易が進み、相互依存が強くなるほど戦争の確率は低下
してきたように考えられます。
私は「国際平和五角形(ペンタゴン)」と呼んでいるのですが、戦争を防ぐ国際平和の5要
件というものが示されています。

(1)同盟関係を持つこと
(2)相対的な軍事力
(3)民主主義の程度
(4)経済的依存関係
(5)国際的組織加入

これらの5要件はいずれも戦争を起こすリスクと関係があります。この中の(4)に、経済
的依存関係という要件が含まれています。私は国際政治研究のためにプリンストン大学に留
学していたときに、「民主主義国家同士は、稀にしか戦争しない」という民主的平和諭の権
威であるマイケル・ドイル教授(現コロンビア大学)から、次のような本があることを教え
てもらいました。ブルース・ラセット教授(エール大学)とジョン・オニール教授(アラバ
マ大学)によって2001年に出版された "Triangulating Peace”という本です。同書の中で
国際平和の5要件と戦争リスクの減少の関係が示されています。

                                 リスク
(1)きちんとした同盟関係を結ぶこと               40%減
(2)相対的な軍事力が一定割合(標準偏差分、以下同)増すこと   36%減  
(3)民主主義の程度が一定割合増すこと                       43%減  
(4)経済的依存関係が一定割合増加すること                      33%減
(5)国際的組織加入が一定割合増加すること                      24%減

貿易を進めることは(4)に該当します。経済的依存関係が増えると戦争リスクが43%減少
するというのです。このようなことを知れば、どんなに反対意見が強くても、貿易自由化は
止めるべきではないことが、よくわかります。自由化は戦争を抑止する方向に働くからです。

関税率を下げるとWin-Winになるのが経済学の常識 また、2国間の自由貿易が増えると、
両国に利益をもたらし、Win-Winの関係になる、ということは、経済学の中でも最も確度
の高い命題でもあります。摩擦が生じることはありますが、全体として見ればWin-Winで
すから、経済学者で自由貿易に反対している人はいません。
もちろん、Winの大きさは追います。日米貿易でアメリカのWinのほうが大きくて、日本の
Winのほうが小さいケースも、その逆も出てきます。しかし、日本がマイナスになることは
ありません。両者がWinになるというのは、自由貿易の定理のようなものです。
TPP交渉は関税率引き下げの交渉ですが、関税率を下げるとどうしてメリットがあるのか
は、経済学の理論を知ると理解しやすくなります。
まず、関税がかかっていないシンプルなケースを考えてみます。
図6を見て下さい。横軸のQは数量、縦軸のPは価格で、Dは需要曲線、Sは供給曲線です。


価格が下がるほど買いたい人が増えますので、需要の数量は増えていきます,需要曲線Dは
右府下がりになります。反対に、価格が上がるほど売りたい人が増えますので、
供給量は増
加します。供給曲線Sは、右府上がりとなります。SとDの両者が交わった
点が、取引され
る価格です。
仮にこの価格をCとします,消費者の中には、Cより高い価格でも買ってもい
いと
思っている人もいます,そういう人は、Cの価格で買うことができると「得」をします。
これを「消費者余剰」といいます。図でいうと、三角形A・C・Fが消費者余剰に
なります。
次に供給者のことを考えてみます。供給者の中には、価格Cよりも安い値段でも売ってもい
いと思っている人もいます。そういう供給者にとっては、価格Cで売ることがで
きれば「得」
をします。これを「供給者余剰」と呼びます。図では、三角形C・E・F
が供給者余剰です。
 消費者余剰(三角形A・C・F)と、供給者余剰(三角形C・E・F)を足した部分が、
この取引をすることによるトータルの利得です。では、関税をかけるとどう変わるのか(図
7)。図の供給曲線がSからS’の位置に移勤します。関税分だけ値段が上昇しているとい
うことです。


関税がかかったケースでは、消費者余剰と供給者余剰が変化します。消費者余剰は三角形A・
B・G、供給者余剰は三角形B・D・Gです。その下の平行四辺形D・E・
H・Gの部分が
関税です。関税は国の取り分です。
この取引によるトータルの利得は、三角形A・B・G(
消費者余剰)、三角形B・
D・G(供給者余剰)、平行四辺形D・E・H・G(税金)の合
計です。
さて、関税がかかつていないケースと、関税がかかっているケースのトータルの利
得の面積を比べてみて下さい。両者を比較すると、関税がかかっているケースでは、三角形
G・H・Fの部分だけ面
積が小さくなっていることがわかります。この部分を「デッドウェ
イトロス」といいます。国全体のトータルではロスが出ると
いうことです。「デッドウェイ
トロス」の部分はどうしても取り戻すことができませ
ん。関税を課すことによって絶対にカ
バーできないロスが生じるのです。
関税を引き下げれば、デッドウェイトロスの分を取り戻
せます。誰の利益になるかは
わかりませんが、全体では利益が増えます。マクロで見ると関
税引き下げが必ず得をするというのは、この理論が根拠になってい
ます。関税を引き下げれ
ば、得をする人もいますし、損をする人もいます。農業従事者に
とっては大きな損失が出る
かもしれません。しかし、国全体で見ると、関税引き下げは
デッドウェイトロスがなくなる
分だけ必ず得をするのです。


個々の利害関係者が集まって「私は得をする」「私は損をする」という議論を繰り返
してい
ても、実りのある結論にはなりません。国全体のトータルで取り分を大きくしま
しょう、と
いうのが関税を引き下げていく自由貿易の考え方です。
あとは、関税引き下げによって利益
を失ったり、失業したりする人に対して、どう手
当てをするかです,全体のパイが増えるわ
けですから、消費者と供給者の両方から少し
ずつ税金をとって、困っている人に分配する方
法もあります。
TPPについていえば、内閣立居は、政府統一試算としてマクロ経済効果を
3・2兆
円としています。おそらく内開府は「デッドウェイトロス」の計算をしているのだ
と思
います。そうでなければ、数値など出すことはできません。関税をかけることによって
発生するデッドウェイトロスがなくなることが、TPPのマクロ経済効果です。自由貿易の
公理のようなものですから、どんな反対論者でも、この理論を論破するこ
とは無理です。


如何なる自由貿易あるいは自由貿易主義なのかと突きつめれば、わたし(たち)はこのブロ
グでも掲載しているように「歴史的自由貿易主義」の立場にあり、「自由貿易」とは「共同
間の相互協議貿易のことをさし、高橋の主張するような数式(公式)主義(=観念主義
ではないことを、また、現実的には覇権的な軍事的/財政的な力(=バイアス/不公正)が
伴なうこともここでは、まず表明しておき読み進めていこう。

                                  この項つづく

コメント

エネルギー革命元年 Ⅴ

2018年04月19日 | デジタル革命渦論

      
                                     

10 地  形

まず「地形」から説きおこしてはいるか、この篇名に、さしたる意味はない。後半は、敗北
の原因、将の責任と役割にふれている。

「地形は兵の助けなり」

地の利は、戦争の有力な補助手段である。したがって、上将――最高指導者たるの道は敵の
力を評価して勝を制する計をたて、その地形が険しいか平らか、遠いか近いかということを
明らかにして戦いに臨むことである。
これを知ったうえで戦う者は必ず勝ち、これを知らずに戦う者は必ず敗れる。
そこで、必ず勝つという見通しがついたならば、主君が戦うなといっても、戦うべきである。
逆に、勝てないという見通しがついたならば、主君が戦えといっても、戦うべきでない。
このようにすれば、当然、主君の機嫌を損ねることもあるだろうが、それはやむをえない。
将たるものは、功績があの生活を保ち、主君の利益をはかることを目的とする。

状況の有効利用と決断、すなわち状況が有利と判断したら、自己の責任において意志決定を
すべきことを強調しているわけである。

 

【特集:根室半島南東沖地震】
2018年4月14日、根室半島南東沖を震源とするM5.4、最大震度5弱の地震が発生。被災された
方々には心からお見舞い申し上げます。 最大震度は震源から北西の中標津町。下図のよう
根室釧路周辺は他の北海道の地域と異なる地体構造(テクトニクスと言う)を有してい
てゆ
っくりと沈降。一方北西側にある雌阿寒岳近くの阿寒2は2016年頃から急激な隆起して
いる。
また襟裳岬近くのえりも1は長期的に隆起。今回の地震の前兆として異常変動は見られず、
長期的なひずみの蓄積が原因だったと解釈。下図は2010年から2017年末まで8年間の隆起・
沈降を表したグラフで中標津(3cm沈降)、阿寒2(8cm隆起)、えりも1(8cm隆起)の8年間
の傾向の違いを示す。



● 参考:地震予測 北海道・青森地区



要注視:北海道釧路・根室周辺(4月ごろまで注視) 4月14日に根室半島南東沖でM 5.4震度
5弱の地震が起きた。
震源周辺の電子基準点には釧路のPv観測点も含め短期的な異常変動はな
かったことから、 長期的にひずみが蓄積して地震が発生したと解釈。(上述、特集参照)

路・根室周辺は沈降が進み、阿寒2の隆起が目立ちます。 根室4と阿寒2の高さの格差は11cm
と大きい。➲
要注意:北海道道南・えりも・青森県(6月ごろまで注意) 青森県は沈降が進
み、
ほぼ東方向の水平変動が見られ、えりものPv観測点で異常が現れる。 

 No.195
【ソーラータイル事業篇:シースルー/低反射カラー太陽電池事例 

4月19日、株式会社カネカは、壁面型太陽光発電システムを、大成建設 気象庁虎ノ門庁舎(
仮称)港区立教育センター新築工事の作業所の仮囲いの壁面に採用されたことを公表。建築
現場での省エネおよび再生可能エネルギーの活用推進に向けて、シースルー太陽電池170Wと
低反射カラー太陽電池190Wの独立電源システムとして導入。本製品は、ゼロエネルギービル
ZEB)向けに開発され、高意匠性や窓などの開口部での採光性を実現する太陽電池となり、
現場終了まで設置される予定。

シースルー太陽電池は半透明のガラス窓の様な意匠を備えつつ太陽光で発電し、作業現場の
内外からの採光性と視認性が確保。低反射カラー太陽電池は太陽光の反射を抑えた特長を持
ち、都市部での光反射問題にソリューションを提供する製品です。多色のカラーバリエーシ
ョンも取り揃えており建築物のデザインに合せた配色を実現。同社は
、戸建て住宅向け太陽
光発電システムに加えて、建築物壁面向けの独自製品の強化に取り組んでいます。ZEBの実
現には、建築物の壁面への太陽電池製品の実装が必要であり、建築物デザイナーの意匠要求
にも応える太陽電池製品が求められている。
今後は、公共建築物等での採用で実績を増やす
とともに、独自の太陽電池製品と設計提案、工法提案を強化し、環境・エネルギー問題への
ソリューションを提供する


※太陽電池が発電した電気をバッテリーに蓄え、必要に応じて使用するシステムを指す。

※大成建設株式会社のコーポレートカラーをイメージした5色の太陽電池が採用。

【関連特許事例】

❑ 特開2018-063917 透明導電性フィルムおよびその製造方法

【要約】

下図のように、太透明導電性フィルム10は、金属細線15の表面15Fにおける黒化処理
層11の反射率を縦軸、金属細線15の無い部分における透明基板14および黒化処理層11
の透過率を横軸にとった直交2次元プロットにおいて、原点と各プロットを結ぶ線と、横軸
とのなす角の角度をθとした場合、θの値が21°以上31°以下の構造/構成によりギラ
ツキを抑えた耐久性の高い透明導電性フィルムを提供するとともに、そのような透明導電性
フィルムを高い生産性のる製造方法の提供。


【符号の説明】

10  透明導電性フィルム    11 黒化処理層    11F  黒化処理層の表面    14  透明基板
14F  透明基板の表面    15   金属細線    15F  金属細線の表面    15T  金属細線の上面
15S   金属細線の側面    16  金属細線層    17   透明導電性酸化物層    18  下地層

❑ 特開2018-058990 セルロース誘導体の製造方法

【要約】

下の構造図のごとく反応助剤の存在下で、シリルエーテルセルロースに芳香族アシル基を導
入するセルロース誘導体の製造方法。反応助剤の例には、p-トルエンスルホニルクロリド
等のスルホン酸誘導体が挙げられる立体障害の大きい嵩高い置換基であるトリアルキルシリ
ル置換基を有するシリルセルロースに、アシル基を導入したセルロース誘導体の製造方法の
提供。



❑ 特開2018-055019 アルカリ現像性を有する硬化性

【要約】

下の構造図のような、アルカリ現像性を有する重合性化合物(a)と、重合開始剤(b)と、
エポキシ基、またはオキセタニル基、またはアルコキシシリル基を有する化合物(c)、有
機溶剤(d)から構成される組成物の粘度が0.05Pa・s~5.0Pa・sであって且
つアルカリ現像性を有する重合性化合物(a)100重量部に対して、エポキシ基、または
オキセタニル基、またはアルコキシシリル基を有する化合物(c)を0.1重量部~20重
量部含有することを特徴とする感光性材料で、アルカリ現像性に優れ、かつ当該組成物由来
のアウトガス成分を低減した硬化性組成物、並びにそれらを用いた基材、その基材を構成成
分の一つとする積層体を提供することである。分断された電極層間のリークパスと、結晶シ
リコン基板でのダメージの発生とが抑制された、性能の優れた太陽電池セルと、太陽電池
ルの製造方法とを提供する。



❑ 特開2018-050006 太陽電池セル、及び太陽電池セルの製造方法

【要約】

下図のように、結晶シリコン基板と、半導体領域とを含む太陽電池セルであって、半導体領
域が、結晶シリコン基板の第1主面上にあり、且つ、分離溝によって2つの領域に隔てられ
て電気的に絶縁されており、半導体領域が、半導体層と、電極層とを含み、第1主面から半
導体領域への方向を上方とする場合に、電極層は半導体層の上面側にある太陽電池セルにお
いて、分離溝を挟んで対向する一方の半導体領域の電極層と、他方の半導体領域の電極層と
の最短距離Wtを、一方の半導体領域の半導体層と、他方の半導体領域の半導体層との最短
距離Wnの1.2倍以上10倍以下とする


【符号の説明】

1  結晶シリコン基板 2  真性半導体層  3  受光面側保護層  4  半導体領域
5,6  半導体層 7  電極層  8  絶縁層  9  分離溝  10a,10b  第2電極
11  エッチングマスク




【築城3年落城3分:日本製OLEDS技術の幾末】

映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャ
ルなどを手掛けたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが
人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている小寺信良(こでら のぶよし)氏は「国
産有機ELの夢をのせて、これから始まるJOLEDの旅路
(「小寺信良が見た革新製品の舞台裏」
MONOist)で、スマートフォン向け、テレビ向け、ともに韓国勢に市場を押さえられている有
機EL。かつては有機ELの開発に注力していた日本にとって、印刷方式の有機ELを世界で初め
て実現し、量産も始めたJOLEDは最後の希望であったがJOLEDの印刷方式有機ELの可能性と今
後の同社の展開を探るこのシリーズで、有機ELパネルの製造は、スマホのサムスン、テレビ
のLGと、ほぼ韓国企業に押さえられたということになる。かつて日本でも有機ELパネル開発
に力を入れたメーカーはあったが、問題点をクリアすることができず、量産化には至らなか
った経緯をふり返り――
現在の有機ELパネルは、真空の環境でEL層を形成し部材を蒸着させ
る「蒸着法」で作られる。サムスンの場合は、RGBの各色で成膜させたいところに穴を空けた
メタルマスクを用意して、1色ずつ部材を蒸着させていく「FMM-RGB蒸着法」となる。RGBが個
別に発光するため発光効率に優れるが、製造法上、大型化が難しく、
現在の有機ELパネルは、
真空の環境でEL層を形成し部材を蒸着させる「蒸着法」で作られる。サムスンの場合は、RGB
の各色で成膜させたいところに穴を空けたメタルマスクを用意して、1色ずつ部材を蒸着させ
ていく「FMM-RGB蒸着法」となる。RGBが個別に発光するため発光効率に優れるが、製造法上、
大型化が難しいが、
その方法が、部材を蒸着するのではなく「印刷」でRGB発光層を個別に作
るという手法である。JOLEDが世界で初めて、この方法で製品化にこぎ着ける。もともとは「
日の丸液晶」として、日本の持つ液晶開発技術が国外流出することを恐れた国が、産業革新
機構の資本を投下して作った会社であり、JOLEDもその点では同じ構造である。産業革新機構
としては、JDIの液晶ビジネスをうまく育てて、JOLEDという「子」の面倒を見させる目算
狂ったことになる(実は強烈な液晶による垂直統合政策のもとで、生き延びをかけた国内の
有機EL製造メーカーが雪崩を打って韓国、台湾へ自社技術を売り込んでいる)。とはいえ、
プロ用PCディスプレイ向けにパネル供給が決まったことで、投資案件も増えこれによりプロ
/業務用中型ディスプレイが安定供給することで会社とし次のステップへ向かえることにな
る――日本の次のテレビ特需は、2020年の春商戦に、それまでに大型パネルの製造ライセン
スがまとまれば、東京オリンピック・パラリンピックは印刷OLEDで観戦できるかもしれない
が、そのテレビが、国内企業のものとは限らない可能性があり、JOLEDに「日の丸有機EL」の
夢を見ていた者にとっては、その点が少し残念なところであると結んでいる。まさに「築城
3年落城3分」を字でいった辛い経験を国内の関連企業は経験したのだと感慨ひとしきりで
読み終える、これを発条にディスプレイ立国を再興を!ここで再確認したい。

    
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   
第6章 不純な「日銀法改正」と痛恨の「失われた20年」

第10節 長く続いたデフレの結果、「デフレ勝者」が金融機関の経営者にな
ってしまった

長く続いたデフレの中で、金融機関経営者の意識がデフレ志向になってしまった面は否めま
せん。デフレというのは、物の価値が下がることであり、金利が下がっていきます。金融機
関の中で、金利が下がって儲かる部署は債券部門です。金利が下がると債券価格が上がりま
すから評価益が出ます。一方、貸出部門は儲からなくなります。貸出しの回収もうまくいか
ずに利益がなかなか出せません。デフレ時代には債券部門の羽振りが良くなり、債券部門の
人が出世しました。二十年もデフレが続いたせいで、金融機関の経営者の中に債券部門出身
者が増えていきました。彼らはいわば「デフレ勝者」です。

「デフレ勝者」の経営者たちは、デフレが緩くことを望みがちです。それが無言の圧力とな
って周囲に影響を与えます。金融機関はみなシンクタンクを持っていますが、そこに所属す
るエコノミストたちは本体の経営陣がデフレを望んでいれば、その意向を無視するわけには
いきません。「デフレが続いたほうがいい」という雰囲気になり、金融緩和を望まない方向
に向かいます,こうしたことが、民間金融機関だけの問題ですめばよかったのですが、日銀
がその影響を受けてしまったような気がしてなりません。私がどうしても理解できないのは、
日銀が白川方明総裁時代(2008年4月~2013年3月)にデフレ克服のための金融緩
和をかたくなに拒んでいたことです,なぜ、そこまでかたくなに拒む必要があったのか。そ
の1つの理由として、日銀の中に金融機関の経営サイドに立って主張する人たちがいたから
ではないか、と想像しています。「こんなことをしたら金融機関が大変だ」という意見を真
に受けてしまったのではないか。実際、白川総裁は金融機関の経営に関して発言しています。

しかし、金融機関経営というのは「ミクロ」の話です。日銀の仕事はミクロではなく、「マ
クロ金融政策」です。金融機関経営のことなど考えずに、まさに「独立した金融政策」をし
なければいけません。「金融機関経営は金融庁の仕事」と割り切って、任せてしまえばいい
のです,日銀が民間金融機関の経営を心配するまでもなく、各金融機関は、金利が上がって
も下がっても、きちんと対応できるように準備をしています。金融機関には債券部門と貸出
部門かおりますから、どちらかで利益が出なくても、もう一方で利益を出せます。また、預
金金利が上がったとしても、貸出金利も上がりますから、バランスはとれるようになってい
ます。金融機関の人たちはプロですから、対応策はわかっています。日銀は金融機関経営と
いうこ旨クロのことなどに左右されないで、金融政策を決めるべきなのです。

「金利が上がると、国債の利払いが増えるから国家財政が大変になる」という意見も耳にし
ます。しかし、これも一方だけを見ているにすぎません。経済学的にいえば、金利と経済成
長率はほぼ一致します。金利が上がれば経済成長率も上がりますので、税収は自然に増えて
いきます。金利上昇で国債の利払いが増えても、また税収も増えるのですから、問題はあり
ません。それどころか、実は経済成長率が上がっていると税収の上がりのほうが大きくなり
ますので、財政は健全化します。経済を考えるときに、一部分しか見ない人がたくさんいま
すが、経済行為にはすべて反対側かあります。金利を支払う側ともらう側。物を売る側と買
う側。税金を払う側と受け取る側。両方を見ないと全体のことはわかりません。

また、経済はすべてつながっています。たとえば、「実質金利」と「為替」は別個のもので
はなく、表裏一体のものです。個々の事象だけを見るのではなく、反対側や全体を見て考え
ることが正しい判断をする際に必要になります。



第11節 リーマン・ショック後の「日本1人負け」も人災だった

リーマン・ショック(2008年)は日本と外国との政策の追いが如実に現れた出来事でし
た。リーマン・ショックが起こったときに、経財相だった与謝野馨氏は、「日本経済にはハ
チが刺した程度の影響」と述べました。これが日本の政策担当者の発想であり、日銀も何も
しなくていいと思っていたようです,以降も、日本だけが1人負けの状態になってしまいま
した。その結果、どれほど多くの日本人が苦しんだことか。リストラの憂き目に遭った人も
いるでしょう。希望の就職ができなかった学生もいるでしょう。取引先が倒産してしまったり、
自分の会社が倒産してしまった人もいたことでしょう。これは経済現象というより、むしろ
「人災」といったほうがいいかもしれません,実際、歴史を振り返ると、様々な悲劇が「経
済失政」によって起きていることがわかります。間違った経済常識に固執すること、データ
に基づいて検証しないこと、大外れの予測や読みの尻馬に乗ってしまうこと――政策担当者
がそんな過ちを犯した場合、その罪はあまりにも重いのです。「知らなかった」ではすみま
せん。そんな「人災」に巻き込まれぬよう、そんな「悲劇」を引き起こさせぬよう、心ある
人は、きちんとした理論とデータ検証に基づいた「物事を正しく見る眼」を養い、高めてお
かなくてはならないのです,

ここまで、少し違和感をもつとこともあったそれはここでは触れず次章(終章 TPPも雇
用法も、世間でいわれていることはウソだらけ」)に移る                   

                                   この項つづく

 ● 今夜の一枚

エアバス、電動航空機の研究開発に数百億円投資


コメント

エネルギー革命元年 Ⅳ

2018年04月18日 | デジタル革命渦論

      
                                     

10 地  形

まず「地形」から説きおこしてはいるか、この篇名に、さしたる意味はない。後半は、敗北
の原因、将の責任と役割にふれている。

敗北への道
敗北に至る道は六つある。「走」「弛」「陥」「崩」「乱」「北」がそれである。およそ、
この六つは情
勢や環境による不可抗力のものではなく、あきらかに将たる者の責任である。

「走」――敵味方の兵力は同程度なのに、味方の一の力で敵の十の力と戦闘しなければなら
なくなった場合。
「弛」――部下が強くて幹部が弱い場合。
「陥」――幹部が強くて部下が弱い場合。
「崩」――将たる者が副将の能力を認めないため、副将が不平をいだいて兪今に従わず、自
分勝手に戦うような状態。
「乱」――将が気が弱くて厳しさを欠き、指導方針も不明確で部下は動揺し、戦闘配置もで
たらめな場合。 
「北」――将が敵の力を正当に評価できないため、少数の味方で多数の敵とぶつかり、弱い
兵力で強力な敵と戦い、しかも自軍には中心となるべき精鋭もいない場合。

およそ、以上の六つは敗北の道であって、こういうことにならぬように努力するのが将たる
者の重要な任務である。おろそかにしてはならない。



【十二首束歌 Ⅰ】

若き日の水面にありし水の影のゆらゆらとあはれいまにゆらめく

鴨じもの波の随(まにまに虫)に遊びつつ北に飛ぶ日を数みてゐるらし

おろかなるもののあやふさ仄々と梅に花咲き鳥は遊べども

春をよぶ雨とはいへど降りみ降らずみ海に霹靂の音を響かす

茶の花に来る虫の名は知らねども営々たりその金色の蜾蠃腰

山口の梅の花白く咲きにけり杏の花もはや遠からず

雨ののち流れに朱の見ゆるあり山の椿の花咲きをれば

岩陰にちぢまりて翁(をち)はみづからの白骨を火にくべてゐるらし

「マチョーテモバサーコンデ」と婆さんが上の畠から叫(おら)んでくれる

怖ぢ怯れ啼くやこの大身をよぢり宸たばしる街路にむきて

明け暗れの外の面に人の声をきき再びねむり夢にてもきく

戦争は静かに思へ死者生者山野に放りかへりみざるを


『春寒一日また一日』  小見山 輝(龍)(「歌壇」2018年5月号)


※鴨じも:浮寝をすれば蜷(みな)の腸(わた)か黒き髪に露そ置きにける」〈万・三六四九〉
※仄々:ほのぼの
※霹靂:へきれき➲霹靂すること閃電光の如くなるを/太平記
※蜾蠃腰:すがるごし➲じがばちの古名。腹部がくびれていることから女性の細腰に喩える。

昭和5年岡山県笠岡市生まれ。昭和26年「篭」入会。服部忠志に師事。昭和28年、加藤
克巳の「近代」に参加。平成7年「篭」代表。現代歌人協会会員。日本歌人クラブ参与。岡
山県歌人会会長。平成24年岡山県文化賞受賞(『小見山輝歌集 現代短歌文庫』より )

 No.194

【ソーラータイル事業篇:ZEH3階建 4.4kWの太陽光パネル搭載 

4月13日、ミサワホームは、ZEH(ネット・ゼロ・エミッション住宅)対応可能な都市型
階建て住宅を、4月28日から北海道・沖縄を除く全国で販売することを公表。南面と北
面で異なる傾斜の屋根を組み合わせた「異種勾配屋根」を採用することで太陽光パネルの設
置面積を大きく確保した(商品名は、「CENTURY Primore 3(センチュリープリモアスリー)
」。これは、同社独自の木質パネル接着工法において、厚さ120mmの木質パネルを用いて接
合部を強化した「センチュリーモノコック」構法を採用した。最大5.4m幅の大開口や高天井
を確保しながらも、住宅の断熱性能を示すUA値は4地域以南のZEH耐熱基準を上回る 0.5以下
を達成。
異種勾配屋根は、主に北面での傾斜制限や日影規制に対応しながらも、南面は緩や
かな傾斜とすることでNearlyZEH基準の3.2kWを上回る3.9kWの太陽光パネルを設置可能にした
(プロトモデル43坪の場合)。なお、ZEH基準の4.4キロワットは棟移動で達成可能。
この他、4地域以南で同社初の発泡系床断熱材、従来品と比べて断熱性能を高めた玄関ドア、
基礎断熱と防蟻対策で床下部を点検しやすくしたフリーアクセスフロアによる1階床のスキッ
プダウン設計などを採用した。参考価格は6243万円(税込み)。販売目標はセンチュリーモ
ノコック全体で2019年度1000棟。


【特徴】

● 新しい「MISAWA Interior Style」と新造作システム


多様化するニーズに対応するため、6カテゴリー 14 スタイルの多彩なインテリアスタイ
ルを「MISAWA Interior Style」として展開、造作システムも一新。「CENTURY primore3
では、富裕層を意識した「ALL LUXURY」と「With Elegance」スタイルとして、上品さ
や優雅さをイメージ、なめらかな曲線の廻縁やケーシングを採用し、その他のスタイルにお
いても内部建具やドア金物のバリエーションも充実させ、顧客のこだわりインテリアを実現。



● 規アイテムの採用で統一感と重厚感のある美しいファサード

都市型住宅のファサードは、サイズや素材の異なる窓やバルコニー、玄関ドアなど雑然とな
りがち。新規開発した目板は、サッシやバルコニーに沿って配置することで、統一感が出て、
それらがまとまったひとつの要素として感じられるため、外観に落ち着きがうまれる。また、
従来品に比べ厚みを増した庇や、上質感あふれる外装材などのオリジナルアイテムを採用で、
間口の狭い都市型住宅においても重厚感のある美しいファサードを形成できる。



● 新構法採用で耐震性が1.3倍に!!「センチュリープリモア」

UA値0.50以下 耐震等級3を確保

新構法の「センチュリーモノコック」の特徴は、大開口などの開放的な設計を実現しながら、ZEH基準
を大きく上回る断熱性能を達成。従来の90mm厚の壁パネルが120mmへと増厚。さらに木質パネ
ル同士の接合部を強化し、構造体と基礎の接合部を独自形状のアンカーボルトで増強した高
耐力仕様を標準採用。耐震性能は通常仕様の約1.3倍に向上。耐震等級は最高等級「3」。
新構法の「センチュリーモノコック」の採用で、大幅に耐震性や耐力性が向上した仕様。ま
た、高耐力の LVL 材の梁を組み合わせることで、躯体構造の強度アップとスリム化を図り、
より開放的な間取りを採用できる。約3メートルの天井や約5.4メートル幅の大開口が可能。

加えて、オリジナルの高断熱なアルミ樹脂複合サッシ「AZサッシ」(アルゴンガス入りLow‐E
複層ガラス)または樹脂サッシ(トリプルガラス)を標準採用。どちらもU値1・90W/㎡・K以下
の優れた断熱性能を発揮。



● 異種勾配屋根


1棟の建物で急勾配と緩勾配の異なる傾斜の屋根を組み合わせる「異種勾配屋根」を開発し
ました。これにより、主に北面で斜線制限や日影規制に対応しながら、南面は緩やかな傾斜
とすることができるため、太陽光発電パネルの搭載に効果的な屋根面積を大きく確保でき、
ZEHに対応しやすい。また、強固なモノコック構造のため、急勾配屋根の直下の空間も小屋組
や陸梁を入れることなく、広々とした居住空間として確保できます。吹き抜けや小屋「蔵」
など、多彩な空間活用が可能な点が魅力。
 



● 1 階床スキップダウン設計

基礎断熱と防蟻対策を施し、床下部の点検がしやすくなるフリーアクセスフロアを採用する
ことで、新たに1 階床のスキップダウン設計が可能になりました。これにより、天井高が約
300
mm アップします(イメージ①)。また、1 階をスキップダウンした分、各階の階高を
調整でき
、建物全体の空間構成にさらにバリエーションがうむ(イメージ②)。都心部では
採光を確保するため2 階以上にリビングなど家族が集まる空間を設けることが多
くなるが、
スキップダウンを活用することで、さらに使い勝手がよく、変化のある豊かな
空間が確保で
きる。



● 断熱性能がさらに向上! ZEH対応能力も大幅アップ

従来の「センチュリー」シリーズよりも断熱性能が27%も向上。新採用の「センチュリーモ
ノコック」と、玄関土間断熱「サーモ DOMA フロア」や、ミサワホーム独自の高断熱サッシ
AZ サッシ」を組み合わせることで、断熱性能を表す熱損失係数UA値を0.50以下とを実現。
標準的なZEH 断熱基準であるUA値0.60を大きく上回ります。また、ZEH仕様を強化すること 、
最も ZEH 断熱基準が厳しい北海道地域(1、2 地域)のUA値0.40もクリア可能となっていま
す。さらにトップライト・シーリングファン・エアコンを自動制御する「涼風制御システム
」や、室外に設置したルーバーに水を流して涼風を取り込む「クールルーバー」や、換気塔
による屋根裏の排熱など、ミサワホームで独自の技術でZEH能力を向上させている。



● ヒートショック対策や健康面に配慮した機能も充実!

「センチュリー・プリモア」では新たに「蓄熱床」も採用。潜熱蓄熱材を組み込んだ床材で
昼間の日射や暖房時の熱を蓄え、夜間にゆっくりと放熱する。冬期、20℃以上でエアコンを
使用し、就寝時にエアコンを切った場合、通常の床材を使用した住宅であれば朝には16℃
程度に室温が下がっている。断熱性能に優れる「センチュリー・プリモア」ではLDKに「
」を採用することで、朝でも18℃程度を維持。

さらに、室内空気質の改善にも取り組んだ。壁や天井にホルムアルデヒドやアセトアルデヒ
ドなどを吸着・分解する機能を持つ高機能石膏ボードを採用。その上に通気性のクロスを貼
ることで、化学物質の室内濃度が厚生労働省指針値の3分の1以下になることを実証。

さらに、今年4月に発売したIoTを活用したライフサービス「LinkGates(リンクゲイツ)」も
提供る。住宅内の情報家電・電子機器類をネットワークでつなぎインターネット回線を使い
データをやりとりできるホームゲートウェイと、温湿度センサーやコントローラーを組み合
わせたもの。生活データを蓄積・分析し、省エネ・安全・安心・快適な生活をワンストップ
で提供。エネルギーの見える化や最適制御だけでなく、室内温度・湿度を測定し、熱中症の
危険を知らせる熱中症アラートや、外出先からエアコンや電動シャッターなどを遠隔操作す
ることも可能。日々の健康な暮らしを支援。


   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   
第6章 不純な「日銀法改正」と痛恨の「失われた20年」

第7節 「小泉・竹中路線」は、最初は完敗の連続だった
竹中氏は、政府に入ったものの惨敗続きでした。日銀にはまったく相手にしてもらえません
でしたし、やろうとしたことはすべて潰されていきました。竹中経財相が経済財政諮問会議

で最初にやろうとしたのは法人税減税です。これには財務省(中央省庁再編で2001年1
月に大蔵省から財務省に名称変更)が激怒して猛
反対し、この案はすぐに潰されました。
竹中氏は一橋大卒で日本開発銀行出身です。東大卒ばかりの財務省キャリアは学歴で人を見
る悪い斟がありますので、あたかも櫓下の人間がいきなり大臣になったかのよう
な反感を持
っていました。竹中氏はかつて大蔵省に出向していたことかあり、そのときも彼のことを小
馬鹿にしていたキャリア官僚がいました。

実は、私が竹中氏と最初に知り合ったのは、そのころでした。竹中氏が大蔵省の財政金融研
究室(当時)に開発銀行から課長補佐として出向してきて、私はその下の係長職でした。竹
中氏はハーバード大学に留学して学んできたことをたくさん聞かせてくれて、面白い話が多
かったので、そのころから親しくなりました。経財相になった竹中氏は財務省から嫌われて
いましたので、省内に味方が必要だと考えたのかもしれません。私に声をかけてくれました。
そのころ私は左遷されて暇にしていました。プリンストン大学への留学期間を延長したため
飛ばされたのです。

1998年に留学して一年で帰る予定でしたが、当時、プリンストン大学には、のちにFR
B議長になったベン・バーナンキ教授や、2008年のノーベル経済学貧受貧者のポール・
クルーグマン教授もいたので、向こうでの勉強が面白くて期間を延ばしてもらうように頼み
ました。すると国際電話がかかってきて、「お前のポストはもう用意してある」といわれま
す。私はどうしても勉強したかったので、それを断ったら、「何でこんないいポストを断る
んだ。飛ばすぞ」と怒られました。私は結局、三年間留学しましたが、帰国してみると予定
通り飛ばされたわけです。

左遷されて国土交通省に出向して、仕事もないので暇にしていました。そんなときに経財相
の竹中氏に声をかけてもらって密かに手伝っていたのですが、すぐにバレてしまいました。
すると竹中氏は「塩じい」の愛称で親しまれていた財務相の塩川正十郎氏に掛け合って、政
府の各種検討会委員に私を加えました。現役の役人が入る場ではないのですが、強引に竹中
氏に入れられました。
最初は小泉純一郎首相肝煎りの政策金融改革の検討会委員を務めました。財務省は 「我々
の味方として高橋が入った」と思ったかもしれませんが、私は財務省の意向とは遣うことを
しました。小泉首相は郵政改革とともに政策金融改革を進めたかったのですが、橋本龍太郎
元首相が出てきて「指一本触れさせない」といわれて、結局、政策金融改革は完全に潰され
ました,
このときの小泉首相の怒りは非常に大きく、のちに郵政改革が片付いたときに、再度、政策
金融改革をする際にはものすごい剣幕でした。そのときに政策金融はいくつも廃止されまし
た。「常勝小泉・竹中」のイメージかおるかもしれませんが、最初は敗戦続きでした。法人
税減税で完敗、政策金融でも完敗でした。



第8節 いかにして竹中氏は無敵状態になったのか

しかし、ここからが竹中氏のすごいところでした。コテンパンに負けた理由を分析して、ど
うやったらうまくいくかを考えて、やり方を変えたのです。試行錯誤の末、諮問会議に待合
室というものをつくり、竹中氏の意向を理解している。人だけを集めました,私も加わって
いましたが、待合室でペーパーを書いて諮問会議の議員に根回しをしていきました。諮問会
議の議員は11人で、そのうち4人が民間議員でした,この4人の民間議員を先に説得する
ようにしました。

竹中氏が小泉首相を味方につけると、合計6人になり過半数を押さえられます。民間議員4
人には私かペーパーを書いて先にレクチャーして合意を得ました。こうして諮問会議で賛同
してもらえるようにしたのです。竹中氏は、土日で時問がとれたときには閣僚の主要メンバ
ーを集めて会合を問いていました。私はそこに参加したことは数回しかありませんが、官房
長官はよく出席していたようです。そのほか自民党幹事長もときどき出席していました。こ
の会合をコンピュータのCPU(中央演算装置)をもじってというか、もともとあった名称
でCPU (コミュニケーション・アンド・ポリシー・ユニット)と呼んでいました,そこ
には当時、官房副長官だった安倍音三氏や、経度相などを務めた中川昭一氏も出ていて、よ
く意見交換と情報共有をしていました。

こうして頻繁に情報共有しているので、竹中氏が諮問会議をりIドするスタイルができてい
きました,ここまでできる人は政治家の中でもなかなかいないと思います。
そのスタイルができあがると、ものすごく政策実現の確率が高くなっていきました。諮問会
議のペーパーは潰されなくなり、ほとんど通るようになりました。やりたいことが通る打率
が高くなると、竹中氏の下にみんな集まってきます。 マスコミヘのブリーフィング(事情
説明)も上手でした。諮問会議が終わると、マスコミはすぐに内容を聞きたいのでブリーフ
ィングを求めます。竹中氏は、会議を運営しながら要点を書き留めて、きちんと説明してい
ました。会議後にすぐ公表するにはかなりの事務処理能力が求められます。竹中氏にはそれ
ができましたが、以降の経財相はそこまでのブリーフィングはできませんでした。

こうして、諮問会議をとりまとめ、マスコミにもきちんと公表しましたので、状況は大きく
変わっていきました。最初は全敗でしたが、途中からは何でも運る状況になりました。徐々
に、スーパーマリオブラザーズというゲームで、マリオが無敵になれるスターをとって、ど
んどんと敵をなぎ倒していくような状態になりました。

小泉政権の政策としては郵政民営化と道路公回改革を進めましたが、道路公回のほうは、道
路関係四公団民営化推進委員会の委員を務めた作家の猪瀬直樹氏のキャラクターで乗り切っ
たようなものです,一度は橋本元首相に潰された政策金融改革にも取り組みました。政策金
融は公務員が天下り先を確保するために必要としているのであって、産業界には必要のない
ものでした。本来、政府のすべきことは、弱い企業への融資です。民間は儲からない相手先
や拒保のとれない相手先には融資しませんので、政府が融資するしかおりません。政策金融
の役割は民間が貸さない弱者に対する貸出しです。そういう意味では、国民金融公庫と日本
輸出大銀行以外は不要ですから、政府系金融機関は統合・廃止されました。

第9節 日銀総裁人事以外に、政府が金融政策に関与する方法はなかった 

竹中氏が諮問会議を取り仕切るようになって以降、最も重要だったことの1つは、2003
年3月の日銀総裁交代時に誰を選任するかということでした。前述したように、日銀は「独
立性」を楯にとってデフレ克服のための金融緩和をしませんでした。総裁交代の機会を逃す
と政府が金融政策に影響を及ぼすチャンスはなくなりますので、人選はとても重要でした。
日銀出身の福井俊彦氏が候補者でしたが、デフレ脱却をする意志かおるかどうかが焦点でし
た。

この時点で、金融政策の重要性がわかっていたのは、悲しいかな、竹中氏と自民党の中川秀
直氏らのごく一部だけでした。そのほかの自民党議員には、説明してもまったく理解しても
らえませんでした。小泉首相の意向を受けて、中川氏が福井氏に「デフレ脱却をやりますか
」と尋ねて約束をしてもらいました。福井氏は小泉首相のいる前でデフレ脱却を約束したと
間いています,それを確認したうえで、小泉首相は福井氏を日銀総裁にしています。
世間では福井氏は前任者の路線を踏襲すると見られていたようですが、福井氏は日銀総故に
就任すると、約束を守ってすぐに量的緩和をしました。量的緩和を続けたため、小泉政権時
代には一時デフレを脱却できそうになりました。量的緩和によって、為替レートは平均で1
ドル=120円くらいの円安を保っていました。

量的緩和をやった価値はあったのですが、徹底的にやらなかったのが残念な点です。
福井氏は、徐々に日銀内部の論理に取り込まれていったのか、2006年3月に量的緩和を
解除してしまいます。その年の九月には小泉首相が退任予定でしたから、日銀側は小泉首相
にはもう力がないと考えたのかもしれません。
このときに量的緩和解除に反対したのは、閣内では総務相だった竹中氏だけでした。閣僚を
含めて多くの人が解除しても大丈夫だといっていました。
私はもちろん量的緩和解除に反対でした。まだデフレを脱却していませんでしたので、時期
尚早と考えていました。「もし解除をすると半年後には経済状態はこのようになる」と予測
を出しました。

竹中氏も「今、量的緩和解除をすると半年から一年先には景気は落ちます」と主張しました,
ですが、こうした意見は相手にされませんでした,日銀は量的緩和解除に踏み切り、結果は、
デフレを再び深刻化させるものとなりました,経済は予想通り低迷し始めました。
このときのいきさつを1人だけ冷静に見ていた人がいます。それが現首相の安倍音三氏です。
安倍氏は当時、官房長官でしたが、竹中氏や私のいうことを聞いていました。
ただし、「本当にそうなのかなあ」としか思わなかったそうです。
しかし、9ヵ月ほど経つとデフレに逆戻りし始めました。安倍氏は第一次安倍政権(200
6年9月~2007年8月)を退陣してから、量的緩和解除の失敗に気づいたとおっしやっ
ていましたが、その後、リフレのことを勉強されたようです。「暇だったから」と国会でも
発言されていました。退陣後とはいえ、きちんと勉強された姿勢は立派だと思います。 安
倍氏は20回1年の自民党総裁選に再び出馬しました。事前の報道では、安倍氏は、石破茂
氏、石原仲晃氏に次いで3位につけていました,偶然が重なって安倍氏が総故に選出されま
したが、この総裁選で、デフレ対策としての金融政策と消費増税への懸念を明確に主張して
いたのは安倍氏だけです。
もし安倍氏が当選せず、日銀総故に黒田東彦氏が選ばれていなかったら、いまだに金融緩和
が行われていなかったかもしれません。

                                   この項つづく

    

【今夜のクエスチョン:銀ナノインクの不思議を解き明かす】 



4月17日、 東京大学らの研究グループは、超微細回路を簡便・高速・大面積に印刷できる
スーパー
ナップ法について、技術の鍵となる、銀ナノ粒子の吸着性とインクの安定性が両立
する不思議なメカ
ニズムを解明しとことを公表。この成果は、❶銀ナノ粒子の吸着性とイン
クの安定性が両立するメカニズムと、❷銀ナノ粒子表面を保護するため、わずかに含まれる
脂肪酸が巧みに機能していたことを新たに発見。❸新たな高機能ナノインク開発と高度印刷
技術への展開を拓けた。

塗布や印刷によりフレキシブルな電子機器を製造するプリンテッドエレクトロニクス技術は
大規模・複雑化した従来のデバイス製造技術を格段に簡易化できる革新技術として期待さ
れている。スーパーナップ法は、線幅1マイクロメートル以下の銀配線を簡易に印刷できる
画期的な印刷技術として、現在、これにもとづく透明で曲げられるタッチパネルセンサの量
産化が進められている。スーパーナップ法では、インク中に含まれた特殊な銀ナノ粒子が、
基材表面に選択的に吸着する新たな仕組みが技術の鍵となっているが、高活性な銀ナノ粒子
を大量に含んだインクが、印刷に至る過程で安定なままたもたれる理由がわからなかった。
今回、インク中で銀ナノ粒子が凝集するメカニズムを詳しく検討した結果、銀ナノ粒子表面
を保護するため、わずかに含まれている脂肪酸(注2)の分子鎖の挙動が、銀ナノ粒子の吸
着性とインクの安定性を両立させるため、巧みに機能していることを解明する。


Title:Unique coexistence of dispersion stability and nanoparticle chemisorption in alkyl
amine/alkylacid encapsulated silver nanocolloids

 

コメント

エネルギー革命元年Ⅲ

2018年04月17日 | 環境工学システム論

      
                                     

10 地  形

まず「地形」から説きおこしてはいるか、この篇名に、さしたる意味はない。後半は、敗北
の原因、将の責任と役割にふれている。

地形の六種類
地の利を得るためには、まず地形を知らなければならない。地形を大別すると「通」「桂」
「支」「陵」
険」「遠」の六種類がある。

「通」とは、道が四方に通じていて、味方が行くこともできるが、敵も来ることができる地
形である。
この地形では、敵より先に南を向いた高地を占め、補給路を整低して戦えば有利
である。
「桂」とは、敵味方とも、そこに行くことは行けるが、引き返すのが困難な地形である。こ
の地形で
戦うには、敵に備えがないときに先んじて出撃すれば勝ち得るが、敵に備えがある
場合は出てゆかな
いほうがよい。退きにくいから不利である。
「支」とは、敵にも味方にも、不利をもたらす地形である。敵が何か餌でこちらを誘い出そ
うとして
も、出てはならぬ。いったん退却し、敵を誘い出した上で撃つことである。
「阻」とは、狭い場所のことである。味方が先にそこを占めているならば、入口に兵力を投
入して敵
が来るのを待て。もし、敵が先にそこを占めていて、人目を守っているようだった
ら、相手にせずに
退くのがよいが、そうでない場合は皐つことだ。
「険」すなわち、けわしい場所では、先に占領したものが有利である。味方が先に占めたな
らば、必
ず南を向いた高地に陣をとって、敵を待つことである。もし敵が先にいたならば、
さっさと引き下が
るのがよい。相手にしてはいけない。
「遠」すなわち巡いところならば、敵味方の勢力が均衡している場合、はるばる出て行った
ほうが不
利である。

この六項目が地の利の法則であり、これを見桓めることは将の重要な任務である。慎重に考
えなけ
ればならない

地形に応じた戦い方を 
この一節について、薩摩藩の軍学者、徳田邕興(1738~1804)の解説に傾聴すべきものがあ
る。その要旨は、
『地形にそなわっている勝利の道をつかひのが、将の重要な任務である。
これを考察しなければ
意味がない。古今の註釈がこの点をくわしく述べずに、ただ六つの地
形を解釈するだけにとどま
っていろのは、きわめて詳らかでない。六つの和順は地形の大目
をあげたのであって、どの地形も活用することができるのだが、よくよくの聡明さがなけれ
ば不可能である。
「通」の地形(道が四方に通じている地)で戦うときは、敵より先に陽の場所(南向きの高
地)を占めよ、と孫子はいっているが、もし、そうした場所がないときには、陣の布き方で、
それと同じ効果をあげることができるのである。
 「往」という地形は、敵が先にいる場合、味方はあとがら攻め入らないのが原則だが、計
画をもって油断させておき、不意に攻め入った方がよい場合もある。
 先に「支」「阻」「険」の地形に拠って、地の利を占めている敵は攻めるべきでないが、
それだけに終わらず、敵の本国だとか他の大切な場所を攻め、敵がせっかく占めている地の
利を自ら離さなければならぬ上うにしむけることもある。
[巡」の地形では、勢力が均衡している場合、近づいていった方が損なのは原則だが、おと
りをつかって敵を引き上せる戦い方もある。
このように、それぞれの地形に応じて、無限に奇変を出すという生きた方法に上述すること
だ。そうでなければ、とくに孫子が、六の地形を知るのが将だなどということはないのであ
る』
 

   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   
 

第6章 不純な「日銀法改正」と痛恨の「失われた20年」
第4節 2階と4階を分離せよ」と迫られた大蔵省

日銀がバブル潰しで金融政策を間違えた――人間、誰しも間違いはあるものですから、仮に
それはやむをえないとしても、問題は、なぜその後、その誤りが正されなかったか、です。
実は、そのような状況になってしまった背景には、大蔵省スキャンダルと日本銀行法(日銀
法)改正がありました。小渕政権(1998年7月~2000年4月)は、1997年4月
からの消費税増税で落ち込んだ経済を回復させるために、大規模な財政政策を打ち出しまし
た。小渕恵三首相本人が「日本一の借金王」というほどの積極財政です。

私は1998年からアメリカに留学していましたので、小渕政権にはかかわっていませんで
したが、外から見ていて「財政政策はあまり効かないだろうな」と思っていました。その根
拠は、前司で紹介したマンデル・フレミング効果です。変動相場制の下では、財政政策は効
果が現れにくく、金融政策の効果が大きく現れます。それでも金融緩和していれば財政政策
も効果かおりますが、金融緩和していないのだから、財政政策は効かないと考えたわけです。
1998年4月からは改正日銀法が施行されて、日銀の独立性を高める方向に動いていまし
たので、そろそろ財政政策から金融政策にウエートを移したほうがいいのではないかと見て
いました,裏話をすると、日銀法改正は、実は大蔵省の「不純な動機」から始まっています
。当時、大蔵省はスキャンダルで世間から叩かれていました。代表的な例が、「ノーパンし
ゃぶしゃぶ事件」ですが、金融機関が大蔵官僚を過剰接待して汚職が起こったことが問題に
なっていました。大蔵省はこのスキャンダルヘの批判をそらすために日銀法改正を利用した
と、私は見ています。

当時の大蔵省では、2階に主計局があり、4階に銀行局、証券局、国際金融局がありました
。2階の主計局は予算編成をする部署で、4階は金融機関監督が主な仕事です。大蔵省では
2階から4階に課長補佐クラスが異動するケースがよくありました。課長補佐の次のポスト
は企雨宮です。2階にある主計局の主査(課長補佐)の最後のほうになると、主計局では処
遇できないので、4階の証券局、銀行局などに行って企雨宮になるのが慣例でした。この慣
例を、金融機関の担当者たち(MOF担’Ministry of Financeの頭文字。大蔵省 《現財務省
》との折衝にあたる銀行ブ証券会社などの担当者)はよく硯察していました,MOF担は、
主計局の官僚に目をつけました,主計局の官僚と知り合いになって、"お仲間”になっておく
と、その人たちがやがて4階(証券局、銀行局)に異動します,4階の証券局、銀行局に移っ
た官僚は、それまでは主計局にいたわけですから、金融機関監督業務のことなどよくわかり
ません。そんなときに、主計局時代からの旧知のMOF担が「相談に乗ってあげますよ」と
いって官僚を取り込んでいったのです。こうやって接待潰けが始まりました。それが過剰に
なって発覚したのが大蔵省スキャンダルです。

このときに、マスコミの中で「主計局から銀行局に行くルートができていることに問題があ
る」と指摘して「財金分離」と言い出した人がいました。2階と4階を分離せよ、という意
味です。これは、「金融行政」を分離するということであり、具体的にいえば、金融庁をつ
くって大蔵省から分離させることにつながるものでした。もちろん、当時の大蔵省は金融庁
設立には大反対です。自分たちのシマと権益が侵されることになるので、金融庁設立で大蔵
省が分割されることは絶対に阻止しなければなりません。そこで大蔵省は「財金分離」とい
う言葉そのものに目をつけました。

第5節 不純な動機で始めた「日銀法改正」のツケが回ってきた

実は「財金分離」という言葉そのものは由緒正しく、学術的な言葉でもあります。学術的な
意味合いの「財金分離」というのは、財政政策と金融政策を分離することです。これに目を
つけた大蔵省は、マスコミが言い出した「財金分離」という言葉の意味を巧妙にすり替え、
「わかりました。私たちはみなさんがおっしやるように財金分離します」といって、「財政
政策と金融政策を分離する方向」に持っていったのです。そうしてできたのが、日銀の独立
性を高める日銀法の改正でした。同じ「金融」という言葉がつくので混同しやすいのですが、
「金融行政」と「金融政策」は別のものです。「金融行政」は大蔵省の4階がやっていた金
融機関監督。もう一方の「金融政策」は、日銀などがやる通貨供給量の調整です。「金融行
政」を引き剥がされて「金融庁」として分離されてしまうくらいなら、「金融政策」を担う
日銀を独立させるほうがまだマシだ 大蔵省はそう考えて、日銀法改正でお茶を濁そうとし
たのです。

大蔵省としては、日銀を独立させても天下りはできるので、痛くもかゆくもないというくら
いのつもりでした。しかし、日銀法改正でしのげると思っていた大蔵省の思惑は大きく外れ
ます。勢いが止まらなくなってしまって、最終的に「金融庁」設立という大蔵省が絶対に阻
止したかった方向に行ってしまったのです。途中で大蔵省は、「これはまずい。大蔵省が分
割されてしまう」と気がついて、日銀法改正など、どうでもよくなりました。このように、
日銀法改正にはいい加減な気持ちで取り組んでいましたから、真面目な議論をしませんでし
た。その弊害があとになって出てきます。

大蔵省が法改正をするときには、必ず他国の制度を調査してからやるのが鉄則でした。とこ
ろが日銀法改正のときには、他国の調査をやりませんでした。そのころ、イギリスの中央銀行
であるイングランド銀行が独立性の議論をしていました。イングランド銀行の例を調べてか
ら法改正を進めれば、もう少し違った形になっていたはずです。「中央銀行の独立性」には
「手段の独立性」と「目標の独立性」の2つがあります。イングランド銀行は、法改正で「
手段の独立性」を高めました。「目標」のほうは政府が与えるというのがイギリスのやり方
です。つまり、物価上昇率2%などという「目標」は政府が与えます。それをいかに実現す
るかという「手段」については、中央銀行が独立性をもって決定するということです。

日本の場合は、イギリスの例を調べず、議論もなく法改正されてしまったので、「手段の独
立性」と「目標の独立性」が曖昧なまま進んでしまいました。外国の例を調べてもいないし
法律にも何も書き込んでいないので曖昧模糊としています。日銀はそこをついて、「手段の
独立性」も「目標の独立性」も自分たちにあると主張し、「目標の独立性」を既得権のよう
な格好にしていきました。そのため、「インフレ目標を政府が示したら、日銀の独立性が失
われる」などという、世界の非常識ともいえる意見が大手をふるうことになりました。そし
て日銀は、金融引き締めに固執するという過ちを続けたのです。「独立性」の定義を明確に
しないまま法改正をしたことのツケが回ってきた、ということです。

第6節 
竹中平蔵氏はリフレ派からも誤解されている

小泉政権(2001年4月~2006年9月)で経済財政政策担当相を務めた竹中平蔵氏が
やるうとしていたことは、金融政策によるデフレ克服でした。竹中氏は「マンデル・フレミ
ング効果」を理解していましたので、財政政策ではなく金融政策をやらなければいけないと
考えていたのです,私は竹中氏の部下としてそばにいましたので、やろうとしていた政策を
よく知っています。竹中氏は経財相になったときに、日銀の金融政策決定会合に出席したいと
いいました。オブザーバーとしてしか参加できませんが、その会合の場でインフレ目標の話を
何度もしています。

竹中氏は世の中の人から「構造改革論者」と見られていますが、本来的には「インフレ目標
論者」でデフレ克服を最も重視していました。ところが、そのような金融政策を重視するリ
フレ派の人ですらそのことを知らずに、「緊縮財政ばかりやっていた」と竹中氏の批判をし
ています。日銀の議事録は十年経つと公開されますので、当時の発言はすべてインターネッ
トで毘られます。
議事録の中から竹中経財相の発言を引用してみましょう。

◆政策委員会・金融政策決定会合議事録(2001年7月12日、13日)
「インフレ・ターゲティングについては大変難しいという指摘があった。それはエコノミス
トとしては、大変理解できることであるが、私は少し聞き逃した点かおるが、これは、イン
フレ・ターゲティング論全般に対するコメントなのか、それとも日本固有のコメントだった
のかという点てある。現実にインフレ・ターゲットを持っている国は結構沢山ある。ほかの
国でできるけど日本ではできないと考えるのか、一般論として考えるのか、それとも下の方
に目標は掲げられるが上の方には掲げられないとい論理なのか、ちょっとその辺はクラリフ
ァイング・クエスチョンである」
◆政策委員会・金融政策決定会合議事録(2001年8月13日、14日)
「第二の点は、政府当局の姿勢が絶対にぶれないということである。その意味ではデフレ・
フアイターとしての日銀の決意を示すという発言があったが、その決意を示すにはどのよう
な方法が考えられるのか、そのIつとしてのインフレ・ターゲティング論のようなものかおる
のかという指摘も委員の一部の方には今日あったが、そういうことも含めてやはりそのメッ
セージ性というようなものも是非今後の議論の対象に加えて頂きたいと思う。いずれにして
も総括としては幾つか今中し上げたような状況の中で、日本銀行が一層の量的緩和に向けて
早い行動を採って頂くこと、毅然たる態度でそういった政策に向かって頂くということを高
く期待申し上げたいと思う」
◆政策委員会・金融政策決定会合議事録(2001年9月18日)
「是非一点だけ敢えて問題の提起をさせて頂きたいと思う。それは皆さん専門家であるから
よくご存知だと思うが、日銀の独立性を議論するうえでの政策目標の独立性と政策手段の独
立性という近年アメリカで結構活発に行なわれつつある議論である。この問題、日銀にとっ
ては非常にタッチーな問題であるから、そのことそのものを大上段に振りかぶって日銀法の
おり方を議諭しようということを言う積もりはない。むしろ中し上げたいのはデフレをスト
ップさせるということは、明らかにこれは政府全体の目標であろうということである。これ
は是非、政府全体を私はコミットさせたいと思う。(中略)日銀の独立性というのは、私達
も大変重視しているが、新しい政策の仕組みが今、勤こうとしている中でそれぞれの新し
い役割分担のようなものが議論されていく必要かおるのではないかと考えている」 要する
に、竹中経財相は日銀の独立性に配慮しながらも、デフレ克服のために何度もインフレ目標
の検討を促しているのです

ただ、政策決定会合という正式の陽で発言すると、守秘義務がかかりますので、外部では一
切発言できなくなります。ですから、政策決定会合でインフレ目標の話をしているというこ
とは、世間にはまったくいいませんでした。また、政府からの出席者はあくまでもオブザー
バーという立場であり、会合の最後になって発言を求められるだけです。正式メンバーでは
ないオブザーバーのいうことなど誰もまともに間こうとせず、相手にもしてもらえませんで
した。議論にも採決にも加われず、採決時には退室を求められます。竹中氏は2001年に
は毎月のように政策決定会合に出ていたのですが、全然相手にされないので「出ても時間の
無駄だ」と怒っていました。大臣の仕事が忙しいこともあり、あまり出なくなって、それ以
降は役人が出席して紙を読み土げるだけになりました。

小泉政権はデフレ克服のための金融政策をやろうとしていたのですが、いい加減な日銀法改
正をしたツケが回ってきて、日銀に阻まれてしまいました。日銀は「手段の独立性」だけで
なく「目標の独立性」もあるとして、インフレ目標をするかどうかを決めるのは自分たちの
権利であると強く主張していたからです。繰り返しご紹介しますが、マンデル・フレミング
効果は、変動相場制の下では、財政政策は効果が現れにくく、金融政策の効果が大きく現れ
ろというものです。言い方を変えると、変動相場制の下では金融政策を間違えた場合、マイ
ナスの影響が大きく出てしまうということです。日銀の政策判断の誤りがその後も続いてし
まい、デフレ克服が進みませんでした。結局、政府が日銀に影響を及ぼすには、次の日銀総
裁の選任時しかチャンスはありませんでした。   

                                   この項つづく



【エネルギー革命元年Ⅲ】

世界の太陽光発電市場は、2018年に初めて百ギガワット以上の容量を追加。GTM Research
の「最新Solar Solar Demand Monitor」(上下図参照)によると、今年の設備稼働率は104ギガ
ワット、年間成長率は6%を達成。その後、年間設備は少なくとも2022年まで百ギガワット
目標値を達成すると予測。
前四半期の成長率は、地理的多様化に起因し上位4市場が全体的
に7%減少すると予想する。また、
中国の設備は、2017年に53ギガワットから2018年には
48ギガワットに減少、今年は中国だけで世界全体の需要の47%を占める。さらに、
中国
の歴史上、初めての年間分散型太陽光発電設備(20メガワット未満)は、全国の年間設備容
量の50%を超えると予想。さらに、LONGiグループ総帥の李振国氏は、環境ビジネス社の
との対談で、今後5~10年で大きな成長を見込み太陽光セルの世界出荷量がこの10年で1
ギガワットから百ギガワットへと百倍成長し、モジュールや蓄電池のコストダウンが急激に
進み、出荷量が1テラワットに到達するだろうと予測している。このようにICT、IOT、
AIなどの第5次産業革命(デジタル革命渦論)とのシンクロナイジングによる爆発的なコ
スト逓減と高性能が同時進行し、エネルギー産業だけでなく全産業に及んびやがて収斂/収
束に向かうだろう。また、本日、理化学研究所らの研究グループの「超薄型有機太陽電池」
の研究成果が報告されているように、誰も経験したことのない自然エネルギーをコアとした
エネルギー革命の渦が静かに膨張している。
 

 No.193

【ソーラータイル事業篇:世界中のインフラを揺るがす6つのサンロード 

  Feb. 7, 2016

道路は単に歩行や運転のためのものだけでないのだ。世界各地の太陽道路や道路プロジェク
トでは、通りが堅固な足場を提供し、クリーンエネルギーを生みだせる。例えば、
中国やジ
ョージア
のような多様な地域で6つの関連事業がスタートしサンロードの技術革新の躍進がつづい
ている。

強化ガラスで覆われたモジュラーソーラーパネル
ところで、ソーラーロードは、強化ガラスで覆われたモジュラーソーラーパネルを使用する。
Scott & Julie Brusaw社は、数年前にSolar Roadwaysを立ち上げ、アスファルト道路をエネル
ギー発電道路とつくり替えている。同社
社は、従来の舗装道路に代わり強化ガラスで覆われ
たモジュラーソーラーパネルに切り替えため、2016年にはアイダホ州サンドポイントで最初
に公開したが、ミズーリ州のルート66をサンロードにつくり替える事業は失敗、が、しかし、
韓国、オーストラリア、ドバイ、アブダビ、オーストリアへの導入を現在も検討中にある。

 

フランス 2,880のソーラーパネルの1キロのソーラーロード
2016年の終わりに、フランスは世界初のソーラーロード公表している。Tourouvre-au-Perche
は距離にして 1km  がlas 'Wattwayの技術で施工。
2,880パネルの道路は、人口3,400人の村
の街灯電力に供給に足りるエネルギー発電を行っている。

 Feb. 7, 2017

米国ジョージア州 ワットウェイ社製ソーラー・ロードの実証実験
レイC.アンダーソン財団はアラバマとジョージアの国境の近くに米国で初めての538 方フ
ィートのソーラロード敷設。
バイオスウェルと太陽光発電の電気自動車充電ステーションを
含む再生可能技術がJ実証実験される。

 Dec. 28, 2017

中国の高速道路用ソーラーパネル
Qilu交通開発グループは1キロのサンロードが済南が開通された。底部に断熱材、中間部に
太陽熱パネル、上層部に透明なコンクリートと3層構造からなる。この
ソーラーパネルは、
2車線と1車線で約63,238平方フィートをカバーし、毎年100万キロワット時の再生可能エネ
ルギーを発電。

 Nov. 17, 2015

バイク専用ソーラーロードが予想以上のパワーを生み出す
ソーラーパネルは高速道路だけではない。オランダはクロメニーにある自転車レーン。それ
らを最大限に活用できる。1
年後、SolaRoad社製ソーラーパネルの自転車道は1平方メート
ル当たり70キロワットアワーの発電量――約3軒の住宅の電力量相当――が得られるが、

とんどの人がソーラロードの自転車道と従来のものとの違いに気づかないほどの出来映えで
だとか。
 

 Feb, 14, 2018

ソーラーペーブメントは電気自動車の充電に役立つ
歩道はソーラーパネルからも恩恵を受ける。Platio社は、リサイクルされたプラスチックで
作られた50平方フィートの太陽電池の歩道設置。電気自動車の充電に使用される。

  
Solar pavers fuel electric cars with clean energy VIDO

電気自動車を充電できる次世代の太陽歩道
Platio社は、ブダペストのPrologis施設で720ワットのピーク容量システムを導入。このプロセ
スは1日で十分。
太陽の歩道がEVを充電するのに忙しくないとき、それが生成するエネルギ
ーは、近くのオフィスビルに電力を供給できる。

 

図1 ホットメルト手法により布地上に貼り付けた超薄型有機太陽電池の写真

【ソーラータイル事業篇:耐熱性・高効率・超薄型有機太陽電池】

ホットメルト手法で衣服に直接貼り付けるウェアラブル電源
4月17日、
理化学研究所らの研究チームは、耐熱性と高いエネルギー変換効率(太陽光エ
ネルギーを電力に変換する効率)を兼ね備えた「超薄型有機太陽電池」の開発に成功。
今回、
理研独自のウルトラフレキシブル有機半導体デバイス技術に加え、新しい半導体ポリマーを
開発。超柔軟で極薄の有機太陽電池の耐熱性とエネルギー変換効率を大きく改善することに
成功。この有機太陽電池は、最大エネルギー変換効率10%を達成、100℃の加熱でも素子
劣化が無視できるほど小さいという高い耐熱性を持つ。また、大気環境中で80日保管後の性
能劣化も20%以下に抑制。このような高効率と高安定性の両立により、「ホットメルト手
」を用いた衣服への直接貼り付けが可能となる。この太陽電池は、薄く柔らかい樹脂に、
太陽光を電力に変える「有機半導体ポリマー」を塗ったものです。厚さは1000分の3ミ
リでアイロンで洋服に貼り付けて使えます。このシート状の太陽電池を服の両肩に貼り付け
れば、携帯用の音楽プレーヤーの電源などとして使えるということです。

【成果概説】

成果のポイントは、高エネルギー変換効率と高耐熱性を併せ持つ新しい半導体ポリマーを開
発にあるす。耐熱性と高エネルギー変換効率を両立する新しい半導体ポリマー「PBDTTT-OFT
」を合成。PBDTTT-OFTは、これまで有機太陽電池の材料として広く用いられてきた「PBDTTT
-EFT(またはPTB7-Th)」と似た骨格を持っていますが、PBDTTT-EFTに比べて直線状の側鎖を
持っている(下図2)。これによって、高い結晶性を持つ膜を形成でき、加熱による導電性の
低下が従来のPBDTTT-EFTに比べて小さいことを見いだす。

 
直線状の側鎖(赤枠)を持つことが新しい半導体ポリマーの大きな特長である。これにより、
高い結
晶性と耐熱性を実現している。

参照となるガラス基板状の太陽電池特性(黒)と、超薄型有機太陽電池特性(赤)の比較。
ガラスと比べても遜色のない性能を持つことが確認された。エネルギー変換効率は最大で10%
を達成。加熱温度に対するエネルギー変換効率の変化。新しい半導体ポリマー「PBDTTT-OFT」
(ピンク)と従来材料の「PBDTTT-EFT」(黒)との比較。新しい半導体ポリマーでは、100℃
の加熱時も特性劣化は観測されなかったのに対し、従来材料では100℃の加熱でエネルギー変
換効率が20%程度減少。

(a) ホットメルトプロセスのセットアップ。布地(ポリエステル)と超薄型太陽電池の間に
メルトフィルム(ポリウレタン性)を挟み、120℃、15 kPaの条件で30秒間加熱圧着させた
。これによって超薄型太陽電池を布地に貼り付けた。

(b) ホットメルトプロセス前後の特性変化。接着前(青)、ホットメルト接着後(赤)共に
太陽電池の性能に変化はみられず、特性劣化なく布地へと貼り付けできていることが確認さ
れた。



● 4月13日に12回目の誕生日を迎えた「ひこにゃん」



コメント

エネルギー革命元年Ⅱ

2018年04月16日 | ネオコンバーテック

      
                                     

9 行  軍

狭い意味の「行軍」ではない。車を戦場にすすめる場合の基本がここに述べられている。な
かでも現象によってその本質を見破る観察法はするどい。

人心把握
部下は数が多ければよいというものではない。むやみに進撃することをつつしみ、力を集中し、
情をよく把握できてはじめて勝利が得られるのだ。将たる者がここに思いを致さず多数を
たのんで
敵を斜視するならば、逆に捕排にされることは必至である。多数の兵士を掌握する
場合、罰
についてはとくに注意しなければならない。すなわち、部下がよくなじんでいない
うちに、わずかの過失があったからといって、これを罰するならば、その部下は心服
しない
心服しない者は使いにくい。逆に、すっかりなじんでいて、過失があってもこれを罰しない
ならば、押れてしまって使いにくくなる。したがって、部下に対してはつねづね、温情をも
ってあたると同時に、威厳をもって軍紀を整えて
こそ必勝の態勢ができあがる。平素から命
令が行なわれていれば、いざというときにも人民は服従する。逆に、平素から命令が行なわ
れていな
ければ、いざというときにいくら説教しても人民は服従しない。つねづね、人々か
ら信じら
れている者こそが、人々とともに成果を期し得るのである

部下の掌握 部下の掌握については、『孫子』の各篇で触れられているが、ここでは、

①部下の致が多い少ないということが問題ではなく、一致結束しているかどうかということ。
②剖というものは、一定の条件を前提として、考えなければならない。必要なのに剖しない
と、統制を乱すこと。
③仁と威の両面が必要であること。
④平素から正しい管理が行なわれていなければ、いざという時に及んでも用をなさないこと。
……を説いている。

   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   
 

第6章 不純な「日銀法改正」と痛恨の「失われた20年」
第1節 「失われた二十年」の原因は何か?

前章で見たように、日本銀行が「「資産価格」と「一般物価」を分けて考える」という金融
政策のセオリーに反して、二般物価」が問題ある水準ではなかったのに金融引
き締めを行っ
た結果、日本経済はどん底に叩き込まれることになりました。そして、そ
れが間違いだった
ことを認めたくないとばかりに引き締めに固執したために、「失われ
た二十年」といわれる
デフレの泥沼にはまってしまったのです。

1980年度からバブルが崩壊した1991年度までの平均経済成長率は「名目で6・3%
実質で4・3%」だったのに対し、1992年度から2011年度までの平
均経済成長率は
「名目でマイナスO・1%、実質でO・8%」と、大幅に落ち込んでし
まいました。日本が
低成長率に甘んじていた期間も、アメリカ、イギリス、ドイツ、フ
ランスなどの欧米各国は
年3~4%の成長率であり、日本だけが苦境にあえいでいるよ
うな体たらくです。

なぜ、そのようなことになってしまったのか。本章で、「失われた二十年」の謎を解き明か
していくことにしましょう。
そのことを考えるにあたり、まず最初に、「失われた二十年」
の原因について考えて
みたいと思います。これまで幾度も述べました通り、私は「失われた
二十年」の原因は、日銀の金融政策の失敗(不必要、かつ過度の金融引き締め)にあると考
えています。しかし世の中には、様々な理由を並べる人たちがいます。たとえば、ざっと次
のようなものが菓げられるでしょう。

・不良債権が足自になった
・づフンスシート不況になった
・IT投資、デジタル化に出遅れ、生産性が上がらなかった
・ゾンビ企業が生き残り、イノベーションに後れをとった
・岩盤規制を打ち崩す構造改革が不十分だった

それぞれ、至極もっともな意見ですが、しかし結論を先にいってしまえば、いずれの見方も
経済の「原因」と「結果」を見誤っている私は思います。

第2節 不良債権が足伽になった」はまったくのウソ

まず、「不良債権が足抱になった」という議論を検証しましょう。「バブル崩壊後に日本経
済の足を引っ張ったのは、不良債権だ」と思っている人はたくさんいます,しかし、不良債
権というのは金融機関の経営の問題であり、経済全体に大きな影響を及ぼすほどのものでは
ありません。「不良債権の先送りが経済低迷の原因だ」などといわれましたが、不良債権の
先送りはいつでも起こっている現象です。ミクロのことだけを見ていえば、不良債権の先送
りはしないほうがいいに決まっています。しかし、マクロ側から見ると、マクロ経済を良く
すれば不良債権は自然に減少していきます,景気が減速して資産価値が落ちるから不良債権
になっていくのです。経済全体が良くなれば、貸付先の企業業績も少しは良くなるでしょう。
株価も上がりますし、不動産の値段も上がって担保価値も上昇します。先送りしている問に
実体経済が成長すれば、不良債権問題は片付いていきます。不良債権のすべてがすっきりと
なくなることはありませんが、問題にはならなくなります。

「原因」と「結果」でいえば、不良債権問題の「根本原因」は、主として金融政策の失敗で
あり、不良債権というのは単なる「結果」にすぎません。おそらくバブル崩壊後に日銀がき
ちんと金融緩和して経済成長を促していれば、不良債権問題は5年くらいで問題のないレベ
ルにまで解消したでしょう。それが10年も20年も長引いてしまったのは、低成長、マイ
ナス成長で経済が伸びなかったからです。この20年間に他の先進国が大幅にGDPを伸ば
しているのに対して、日本だけがほとんどGDPを伸ばしていません。間違えてはいけませ
んが、それは日本が不良債権問題を抱えているから伸びなかったのでは決してありません。
これほど長期間にわたってGDPを伸ばせなかったからこそ、不良債権問題が早期に片付か
なかったのです。金融機関が不良債権を抱えているから、貸出しを抑制し、貸し剥がしが起
こるといわれていました。たしかに金融機関が回収を急ぎたかったのは事実でしょう。

しかし、本当に儲かる貸出先であるのなら、金融機関Aが貸し剥がしをしたとしても、金融
機関Bが貸し出すはずです。儲かるとわかっているのに貸さないことはありません,おそら
く、その貸出先は、どの金融機関も貸出しできないほどの厳しい経営状態にあったのです,
なぜそうなったのか。もちろん、経営の失敗という事もあると思いますが、経済全体が低迷
しているという要素が多分にあるはずです。過度の円高が続いていたことも原因でしょう。
マクロ経済全体を良くすれば、より多くの企業が息を吹き返します。経済全体を良くすれば、
儲かる企業が増えてきて、自然に不良債権は減少し、貸し渋りも減っていきます。不良債権
や貸し渋りが経済成長を妨げたという見方は正しくありません。金融機関の不良債権をすべ
てゼロにしたところで、日本経済のGDPが伸びるという保証はどこにもありません,

その反対に、日本経済全体を成長させれば、不良債権は必ず減少していきます。このような
説明と軌を一にするのが、「バランスシート不況」についての見方です。「失われた二十年」
の時期に、よくフ、ハランスシート不況」ということがいわれました。これは、資産価値が
落ちたために企業が債務超過になると、財務内容(バランスシート)を正すために収益を借
金の返済に充てようとするのでゾ設備投資や消費が抑制されて景気が悪化する、という考え
方です。たしかに、そうとも見えるのですが、これも「原因」と「結果」の見誤りです。マ
クロ経
済政策で景気が上向けば、資産価値が上がるので、自ずと解消される問題です。不良
偵権もバラン
シートも、個別企業の経営の問題であり、「ミクロ」の世界です。それが日本
経済全体という「マクロ」
の原因になることはほぼないと思っていいでしょう。その反対に
「マクロ」経済は「ミクロ」に必ず影響を与えます。金融政策と財政政策
でマクロ経済を良
くすることが、個別企業にとって一番恩恵かおる道なのです。

第3節 経済が収縮するデフレ不況下で、できるはずがないこと

次に、「IT投資、デジタル化に出遅れ、生産性が上がらなかった」「ゾンビ企業が生き残
り、イノベーションに後れをとった」「岩盤規制を打ち崩せなかった」という議論について
見ていくことにしますが、これらも結論は「ひと言」で終わりです。「経済が収縮するデフ
レ不況下で、そんなことができるはずがない」――それだけです。たしかに事実関係を見れ
ば、「失われた二十年」の期間を諸外国と比べると、日本のIT分野をはじめとする投資額
が低かったことは否定できません。投資が低ければ、必然的に生産性は低くなります。そう
すると諸外国に勝てるはずもなく、経済が悪化していく――という見立てになるのですが、
しかし、考えるべきは「なぜ投資額が低かったのか」です。つまり、それが「原因」なのか
「結果」なのかです。

設備投資の理論は非常に単純で、要は投資に見合うだけの収益が得られるかどうかで、投資
額の多寡が決まってしまいます。ということは、将来の成長性が期待できるかどうか、実質
金利が低いかどうかのいずれかが、大きな要因になります。将来の成長性が高いと期待でき
れば、投資しても必ず大きなリターンかおりますから、みんなが喜んで積極投資に走るはず
です。また、実質金利が低ければ、資金調達コストが下がり、その分、収益が見込めること
になりますから、これまた投資に積極的になるはずです。 しかし、現在の日本のような「
安定成長期」には、将来の成長性はたかが知れています。となれば、民間の投資を増やせる
かどうかのポイントは「実質金利が高いか低いか」に絞られることになります。

ところで、「実質金利」は、「名目金利-(マイナス)予想インフレ率」で求められます。
つまり、予想インフレ率が上がれば実質金利は下がります。反対に、どれほど名目金利が低
くても、デフレの影響で予想インフレ率が大きく下がっていれば、実質金利は上がることに
なります。このように「デフレによって予想インフレ率が下がり、実質金利が上がる」とい
う状態になると、経済にとんでもないマイナス圧力がかかります。諸外国と比べて実質金利
が上がれば、設備投資がしづらくなると同時に、円高にもなります。円高になれば、輸出競
争力が低下してしまい、輸出企業を中心に大きな打撃を受けることになります。さらに予想
インフレ率が高いということは、インフレ効果で投資金額が将来的には実質的に縮減してい
くことが期待されるということでもありますが、デフレであれば逆になります。しかもデフ
レであれば消費停滞、賃金削減の負のスパイラルが発生し、経済の活性化など夢のまた夢に
なります。

「失われた二十年」の日本は、このような状況でした。まさに、金融政策の失敗以外の何も
のでもありません。こんな、何から何までマイナスの状態で、どうやって設備投資を増やせ
るというのでしょうか。「産業構造の転換が遅れてゾンビ企業が生き残ってしまったこと」
も、「岩盤規制を打ち崩せなかったこと」も、すべて「原因」は同じです。将来の成長性が
期待できる状況、すなわち経済の「パイ」が大きくなっているときであれば、思い切って投
資をし、構造を転換して新たなジャンルに足を踏み出すことも容易です。実質金利が高くて
も、思い切った投資をすることができます。しかし、何から何までマイナスの状態では、そ
んなことをしてみせろ、というほうが一問というものです。「原因」と「結果」でいえば、
明らかに「投資の出遅れ」「ゾンビ企業」「岩盤規制改革失敗」は原因ではなく結果です。
根本的な「原因」はデフレであり、それを招来した誤った金融政策なのです。

                                  この項つづく

       Apr.15, 2018

 Apr. 5, 2018

【健康寿命生物工学論Ⅰ:細胞の若返り技術に道】

マウス造血幹細胞コンパートメントの高齢化を解決する大規模クローン解析

4月5日、加齢によって白血球の一種になる能力を失った血液のもとになる細胞を、若いマ
ウスに移植すると、その能力を取り戻したとする研究成果を、東京大と米スタンフォード大
の共同研究チームが発表。チームは、仕組みを解明できれば、血液細胞を若返らせ、免疫機
能の回復につながる可能性があるとしている。今月、米科学誌セル・ステムセルに掲載。

 研究成果のポイント

  1. 加齢により、造血幹細胞の能力のうち自己複製能は比較的維持されるのに対し、リン
    パ球系への分化能力は大きく低下する。
  2. リンパ球系細胞への分化能力を失った造血幹細胞が加齢により著明に増加する。
  3. しかし加齢による造血幹細胞の分化能力の低下は可逆的である。
  4. 血液細胞の加齢による変化を正しく理解することにより、新しい加齢メカニズムの同
    定や白血病発症の原因究明につながる。

【概要】

血液中の赤血球や白血球などは骨髄にある造血幹細胞から作られる。加齢により、白血球の
一部で免疫をつかさどるリンパ球をつくる能力は落ちることが知られている。東京大学幹細
胞治療部門の中内啓光特任教授らの研究チームは、生後20~24カ月の高齢マウスの骨髄
から造血幹細胞を採り、血液をつくれなくした別の若いマウスに移植➲高齢マウスの造血幹
細胞を移植したマウスは、リンパ球をほぼつくれなかった。しかし、そのマウスの造血幹細
胞を含む骨髄を別の若いマウスに移植し、観察を続けたところ、造血幹細胞がリンパ球にな
る能力を持ったことを確認した。➲1回目でなく2回目の移植で能力を持った理由は解明さ
れておらず、今後の課題。研究チームの一員、スタンフォード大の山本玲研究員は「リンパ
球になる能力が回復したことは細胞の『若返り』を示唆している。加齢メカニズムの解明に
つながる」と話す。



フローサイトメトリーflow cytometry)とは
細胞を懸濁させた液体を細胞が一列になるように流れている状態にし、それにレーザー光を
当てて反射する光を測定し、光の強さを電気信号に置き換えて定量化し、細胞一つ一つの情
報を自動的にサンプリングする方法。
細胞1個1個の相対的大きさや形状、内部構造の違い
、細胞の同定や細胞群を構成する種々の細胞の存在比を短時間で解析できる。
また、細胞を
蛍光抗体で標識することによって細胞表面にある抗原量を定量的に測定することもでき、細
胞の形態の差としては現れない細胞の性質の差を識別することが出来る。
また、液滴となっ
た細胞懸濁液に電荷を与えることで、性質の異なる細胞を分取も可能。

  No.192

 【ソーラータイル事業篇:テスラのソーラールーフタイル事業  

テスラ社の屋根型ソーラータイル事業はさらに進化した「3IN1 ROOFシステム」はコスト半
分、空調冷暖房費33%削減、性能は3倍と社長も舌を巻くほどのパーフォマンスを実現。
それじゃテスラとパートナーとなり、その地域、その顧客の希望をかなえるトータールシステ
テムの提供を事業展開させた方が早く、世界規模の環境保全を実現でき、雇用と社会の安定・
安心に貢献できるのではと考えてみた。



【ソーラータイル事業篇:従来製品の総費用半分の屋根用ソーラ】
 

ステラ社の新しい「3in1ルーフ」ソーラータイルは、テスラ屋根の半分の価格で住宅に電
力を供給できる。同社のソーラー
屋根はいち早く注目浴びるてきたが、同社社長のイーロン
・マスクですら想像を超えるスピードで進歩してきている。例えば、「3in1ルーフ」は断
熱、強風、太陽光の3つを一括対応――
従来のスレートタイルよりも軽量で屋根裏部屋への
伝熱はゼロを達成し冷暖房費を削減、二酸化炭素排出量を大幅削減を実現。
同社の屋根用ソ
ーラの価格は平方フィート当たり約11ドル(93平方メートル当たり約1,100円)。
従来の
スレートルーフィングより軽く、10平方フィートあたりわずか110ポンド(約16,800円
)で、より軽い荷重構造で。屋根は屋根裏のデッキと断熱材との間の結露をなくし、カビや
腐敗を防止、風速200 mph (毎秒89.4メートル)強度、耐紫外線、耐久性、断熱仕様(対従
来製品の3倍増)、冷暖房空調(HVAC:heating, ventilating, air conditioning)コストを最大3
8%削減(対従来製品)の仕様となっている。また、新商品購入は 500ドルの手付け金を支
払えば2019年度に設置でき、先着購入者千名のお一人様に駐車場用充電装置を無償取り付け
する。
 3in1 Roof

シングルおよびダブルワイドサイズのモジュラー住宅は、縮小した壁、天井、屋根の垂木の
ため、市場で最もエネルギー効率の低い構造。
3 IN 1 ROOFシステムは、モジュラー製造業
者が屋根裏部屋の換気口をバイパスすることができるため、モジュラーディーラーの屋根覆
いになりつつあり、モジュラーの居住スペースの残りの部分と同じように暖房や空調がほと
んど簡単に行えます。
所有者は、劇的な気温の変化による被害の恐れなしに、必要な貯蔵ス
ペースのためにその気候制御上部領域を使用することができます。

 Supremacy 1000™

Supremacy 1000(上写真)は、99.99%の信頼性設計された24Vdc(直流)リチウムイオン電
池――高エネルギー密度、軽量、高速充電、長寿命、信頼性解析保証の特徴をもつ――で構
成された
コントローラは、「3in1屋根用ソーラー」と構造物のエネルギー駆動機器と照明
間のインテリジェントゲートウェイ機能を発揮。同装置は
、隣のドアや何千マイルも離れた
コントローラ、
選択的共有電力、双方向インターフェイスの機能をもつ。また、特定者内の
情報共有や緊急事態下で病院や学校などのエネルギー受容者とのネットワーク拡張も可能で
ある。


Mar 19, 2018

【スマートグリッド篇:電力とデータの両方を無線伝送技術】

3月19日(ドイツ時間)、インフィニオン(Infineon Technologies)は。独Würth Elektronik
eiSos
と共同でワイヤレス電力伝送開発キット「760308EMP-WPT-200W」の提供を公表。この
特徴は送信側と受信側のコイル間で、200Wの電力とデータの両方をワイヤレス伝送できる。
同キットは、送信ユニットと受信ユニット、電源の3ユニットで構成。送信ユニットは、WPT
(ワイヤレス電力伝送)コイルから構成されたフルブリッジと共振回路に加え、直列接続の
共振コンデンサーから成り、ZVS(ゼロ電圧スイッチング)モードで動作する。これにより、
キット全体の効率を高めると共に優れたEMC特性(電磁両立性:electromagnetic compatibility
が提供できる。

受信ユニットには、ダウンストリームフィルタリングとふるい分けを行う同期整流器が含ま
れ、ユニット間の交番磁界をAM変調することでデータ伝送が可能。同キットの想定用途とし
て、センサー機器の充電中にデータを基地局に送信することなどを挙げている。
Würth Elekt-
ronik
eiSosWPT部門責任者は、この回路は10ワットから数キロワットにまで拡張が可能で、
医療機械、IoT(モノのインターネット)など環境条件の厳しい分野で今後活用を見込むと話
す。同キットは2018年第3四半期に提供を開始する予定。

 ● デミオ試乗

すごいことなってるわ!息子も驚いとる。腕前も確かだが安全運転。ただし、台車。

コメント

エネルギ-革命元年Ⅰ

2018年04月15日 | 時事書評

      
                                     

9 行  軍

狭い意味の「行軍」ではない。車を戦場にすすめる場合の基本がここに述べられている。な
かでも現象によってその本質を見破る観察法はするどい。

敵の内情を判断する方法

敵の将兵の申に杖をついている者が多いのは、糧食が不足し、飢えて休が弱っていろ証拠で
ある。水を汲みに出て、運搬するより先にまず飲もうとするのは、水不足のため、のどがか
わいて弱っている証拠である。
有利なことがわかっているのに、進もうとしない。これは、疲労しきっている証拠である。
敵陣の上に鳥がむらがっているのは、陣を張っているようにみせて実は移動してしまい、そ
こには人がいないのである。
夜になって、掛声をかけているのは、恐怖をかくそうとしているからである。軍に秩序がな
いのは、将が無能で威令が行なわれていない証拠である。放胆がやたらに動いているのは、
内部が乱れている証拠である。幹部がむやみと部下をどなりちらしているのは、軍が鎧み疲
れて、戦意を失っている証拠である。
大切な馬を食ってしまうのは、よくよく兵糧が欠乏した証拠である。
炊事の道具を捨ててしまい、隊伍を整えたまま元の陣地に帰ろうとしないのは、敵が追いつ
められて昌死になっている証拠である。
将たる者が部下に向かってクドクドと話したり、馴れ馴れしくするのは、部下の気持が指導
者から離れている証拠である。
賞状や賞金賞品を乱発するのは、指導者がゆきづまっている証拠である。
これと逆に、やたらに罰を課するのも、同じく、指導者がゆきづまっている証拠である。部
下を乱暴にどなりちらしたかと思うと、すぐに機嫌をとってみたりするのは、指導者の心が
定まらない証拠である。
敵の方から使者をよこして挨拶してくるのは、しばらく休息して兵力を立て直そうとしてい
る証拠である。
敵が勇ましい勢いで向かってきながら、しばらくしても戦おうとせず、また立去ろうともし
ないのは、何か計略があってのことだから、よくよく考えてみることだ。

  No.191

【エネルギー革命宣言 

昨夜の掲載をふまえ、あれこれ考え、この段階で、「エネルギー社会を語ろう!」シリーズ
の基調をより、詳細に開発現場の課題とその解決に個別的に考察していくことにモードーチ
ェンジする。ここに世界のトップレベルに立つべく深掘りとフィールドワークにシフトする
ことを今夜ここに自己確認する。

【サーマルタイル事業篇:体温発電型スマートウォッチの上陸Ⅱ 

● "温泉発電"も視野に、米国の温度差発電ベンチャー

先日記載した、MATRIX Industries社の自分の体温で発電――人の体から発す熱量は、100W
に相当する。アスリートでは1kW相当に達する。人の体を使った発電によりセンサやスマー
トウォッチなどの駆動――するスマートウォッチ(下記に関連特許事例2件を掲載)が販売
の件には続きがあった。スマートウォッチなどのコンシュマー製品だけでなく、未利用熱を
活用した施設の省エネなど、産業用途への展開も見据えているという。

❏  US20150325772A1 Systems and methods for forming thermoelectric devices

【要約】熱電素子を形成するための気相法は、基板に酸化物を触媒するように構成された基
板に隣接する金属材料のパターンを含む反応空間内に基板を設けることを含む。次いで、金
属材料は、酸化剤および化学エッチング剤を有するガスに曝されて、基板に穴またはワイヤ
を形成する。


US20150325772A1

❏  US20160049569A1 Thermoelectric power source for personal electronics
and wearable electronic devices having same  
 

【要約】熱電素子を形成するための気相法は、基板に酸化物を触媒するように構成された。
基板に隣接する金属材料のパターンを含む反応空間内に基板を設けることを含む。 次いで、
ウェアラブル電子デバイス、ウェアラブル電子デバイスの代替電源、およびウェアラブル電
子デバイスに電力を供給する方法が提供される。この装置は、ケーシングおよびその中に配
置された電子機器を含む。ペルチェ素子のような熱電発電機が電子回路と電気的に連絡して
設けられている。吸熱側は、装着時に着用可能な電子装置の着用者と熱的に連絡している。
電子装置が着用者によって着用されると、着用者からの身体の熱は、吸熱側によって吸収さ
れ、電子機器に少なくとも部分的に電力を供給するペルチェ装置によって電力に変換される。 
少なくとも1つのフィンが熱放出側と熱的に連通して設けられ、熱をペルチェ素子から引き
離す。フィンは、実質的にケーシングを貫通して配置され、遠位端は、ケーシングの実質的
に頂部側で終端している。

最大の特徴といえる温度差発電の部分は、スマートウォッチ本体と人の皮膚表面の温度差
を利用して電圧に変換している。その後、専用の昇圧コンバーター(ASIC)で昇圧し、内蔵
のリチウムイオン電池に駆動用の電力を充電する仕組みだが、今後の日本における事業展開
の1つに、温泉の未利用熱を活用した発電システムも対象にしている。日本には3千以上の
温泉があるが、大きな規模の温泉であれば、10kW以上の発電を行える可能性があり、これだ
けの出力(約30メガワット超の電力量となる。このように、温度差が1℃以上あれば、産
業廃熱、太陽熱、バイオマスボイラー、地熱発電など様々ものに応用展開が可能である。
(“温泉発電”も視野に、米国の温度差発電ベンチャーが日本で事業展開、スマートジャパ
ン、2018.04.13)



【分散型再エネスマート取引事業:二酸化炭素排出削減対策強化誘導型技術開発】

● ブロックチェーンによる「再エネ」取引、イオン店舗で実証

イオングループのイオンディライト(大阪市)は、再生可能エネルギー由来の電力取引に関
する実証事業を4月から開始する。ブロックチェーン技術を活用して発電履歴を特定すること
で、分散型再エネの効率的な利用や環境価値を保持した電子取引を検証する。
環境省による
CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」および「平成30年度ブロックチェーン
技術を活用した再エネCO2削減価値創出モデル事業」に参加する。
2018年度はイオングループ
35店舗、2019年度は約1000店舗に専用機器を設置し、電力の発電履歴を識別して取引するプ
ラットフォーム上でエネルギーの管理・小売りを行う。このプラットフォーㇺは2019年度に
完成する予定。
同社は、顧客の施設や周辺環境の管理運営に関するアウトソーシングニーズ
を一括して引き受けるファシリティマネジメントサービスを提供している。ブロックチェー
ン技術によって再エネに適正な価値を付け、イオングループ各社や一般家庭の余剰電力、再
エネ発電事業者などのクリーンエネルギーを企業や各家庭に提供することを目指す。


※平成30年度ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2削減価値創出モデル事業の公募について 



※ブロックチエーン(分散型台帳技術/分散型ネットワーク)技術



【蓄電池事業:最新リチウム空気電池製造技術】

 ❏ 特開2018-022655 リチウム空気電池 スズキ株式会社

【概要】

金属空気電池
においては、種々の軽量化、小型化、低コスト化等の技術が開発されている。
リチウ
ム空気電池においては、リチウム金属と水系電解液の接触を防止するために、両者を
隔離する必要がある。また、電池のエネルギー密度を高めるためには、水系電解液が、正極
と固体電解質との間に安定的に保持されている必要がある。例えば、亜鉛合金粉と水系電解
液とを混合した負極金属ゲルを負極集電体に設置した構造を採用している。そのため、この
ような構造をリチウム空気電池に採用することは困難である。そこで、下図のように、平面
状の正極と、水系電解液と、固体電解質と、正極面上に水系電解液を封止する第一のフィル
ムを備え、この第一のフィルムは、水系電解液を収める凹み部と、該凹み部に設けた孔とを
有し、固体電解質が孔を塞いだ構造/構成のリチウム空気電池――水系電解液を正極面と固
体電解質との間に安定して保持可能なリチウム空気電池を提供する。

【符号の説明】

1 リチウム空気電池 2 固体電解質 3 正極 4 リチウム 5 第一のフィルム
7 負極集電体 9  第二のフィルム 11 熱溶着フィルム 13  熱溶着フィルム
15 熱溶着フィルム 51 上部 53 壁部 55 底部 57 孔 71 上部 73 壁部
75 底部 91  上部 93   壁部 95  底部

  ❏ US 9935317 B Lithium air Battery SK Innovation Co., Ltd

【概要】

リチウム空気電池、特に、電解質と、触媒層との接触を防止するためにカソードを構成する
触媒層との間に形成されたメソポーラスカーボンと、導電性イオン交換樹脂からなる緩衝層
とを含むリチウム空気電池であって、リチウム空気電池内の電解液の量が多くなり、充放電
時の過電圧の発生を低減することができる。同時に、本発明のリチウム空気電池は、電解液
の蒸発を抑制して耐久性を向上させ、電池性能の低下を防止し、寿命を延ばすことができる
リチウム空気電池の提供。

 

  ❏ 特開2018-006297チウムイオン伝導体 旭化成株式会社

【概要】

リチウムイオン伝導性を有する結晶性酸化物系無機固体電解質粒子110が単一粒子状態で
一層に配列した構造を有し、かつリチウムイオン伝導における活性化エネルギーが0.10
eV以上0.30eV未満のリチウムイオン伝導膜120。好ましくは、結晶性酸化物系無
機固体電解質粒子110の結晶子サイズが60~150nmであるリチウムイオン伝導膜
120の特徴をもつ低温において安定的に伝導可能なリチウムイオン伝導体の提供。


                                                     この項つづく



【最新海底資源採掘工学篇:新海洋資源立国論Ⅰ】

● レアアース、南鳥島沖に数百年分 濃縮する技術開発

精密機器の製造に欠かせないレアアースの世界需要の数百年分が、東京・小笠原諸島の南鳥島
周辺の海底にあることが、早稲田大などの研究チームの調査でわかった。効率よく回収する
技術の開発も進めており、将来的に安く調達できると期待されている。レアアースがあるの
は、本州の南東約2千キロにある南鳥島のさらに南約250キロの深さ約5700メートル
の海底。一帯は日本の排他的経済水域内にあたる。研究チーム
は2013年にこの一帯にある
海底の泥から高濃度のレアアースを見つけていが、今回どのくらいの量があるか、海洋研究
開発機構の調査船で周辺の約2500平方キロの範囲で計25本の穴を掘って調べた
結果、
ハイブリッド自動車のモーターなどに使われているジスプロシウムで世界需要の約730年
分、テルビウムが約420年分など、レアアースが計1600万トン超あ推計。
また、泥の
中でリン酸カルシウムの粒にレアアースが濃縮されやすいことを発見。遠心分離の技術を使
い2・6倍濃縮して回収する方法を開発し、地上の実験で効果を確認した。海上にくみ上げ
る泥の量を減らし、採掘の費用を大幅に減らせるという。今後、海中での効果を確認するな
ど実用化をめざす。

Apr. 10, 2018

 

   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   
 

第5章 「バブル経済」を引き起こした主犯は誰だ?
第7節 間違いを認めたくない日銀の自己正当化が、悲劇を長引かせた

バブル当時、さかんに「金余り」だといわれていました。しかし私はツ証券行政を担当しな
がら「何か迫うのではないか」と感じていました。通貨供給量が多すぎるのであれば物価は
上がるはずです。ところが物価は上がっていませんでした。一般物価は安定していて、イン
フレは起こっていません。そんな状況下、日銀はインフレになっていないのに金融引き締め
をしたのです,私は通貨供給量が原因で株や土地の値段が上がっているわけではないと見て
いましたので、日銀の金融引き締めの意味がわかりませんでした。って、景気回復ができな
くなります。ここからまさに、悲劇ともいうべき「失われた20年」が始まっていくのです。
 
そのちょっとあとに、経済学者の岩田規久男氏(現日銀副総裁)が私に「この金融引き締め
はおかしいんじやないの?」と問いてきました。当時から岩田氏と私の認識はかなり共通し
ていました。が、その当時私は日銀のカウンターパートの仕事もしていたので、あまり日銀
批判はしませんでした。岩田氏の質問に、「私もおかしいと思います」と答えましたが、た
だ、なぜおかしいのかという理由が自分でも明確になっていませんでした。

営業持金の規制をしたことで取引規制の抜け穴が1つふさがれましたので、売買回転率が落
ちて株価が下がることは予測できました。私は株価予測をして、3万円から2万5000円
くらいにまで下がることを想定していました。最高値の3万9000円から1万円くらいは
下がるだろうという予測です。もし、それを超えて株価が下がったとしたら、何か別の要因
が加わったのだろうと推測できます。私は株価を注視していましたが、予測値の2万500
0円を割り込んでいきました。なぜ予測値を割り込んでしまったのか。どう考えても、日銀
による金融引き締め以外の理由は見当たりませんでした。

資産価格だけが上がっていて、一般物価は上がっていませんでしたから、バブルの原因が通
貨供給量とは考えられません。しかも、市場を歪める法の不備はすべて解消されています。
この局面で、なぜ日銀は重ねて金融引き締めを行ったのか。この日銀の行動が、明らかな間
違いだったことを明確に知ったのは、私が1998年にプリンストン大学に客員研究員とし
て留学して、バーナンキ教授(のちにFRB議長)の教えを受けたときのことでした。「イ
ンフレ目標」というものを知ったので、バーナンキ教授に「資産価格が上がったときに、イ
ンフレ目標をするのですか」と聞いてみたのです。すると「いや、資産価格はインフレ目標
の定義に入っていない。関係ない」と教えてくれました。金融政策は一般物価だけを毘て判
断すればよいのであって、資産価格がいずれ一般物価にも波及するような場合を除いて、資
産価格は見る必要がないというのがセオリーだと知りました。

一般物価が上がっておらず、資産価格だけが上がっているときに金融引き締めをした当時の
日銀の政策は、やはりセオリーに反するものだったのです。資産価格は、マネーがあふれて
いなくても、「回転率」の高さによって上昇していくことかあります。資産価格が上昇する
と、担保価値が増加してファイナンスの余地が拡大します。その資金の一部が再び資産市場
に役人されて、資産価格はさらに上昇します。こうして資金がグルグルと回転してスパイラ
ル的に資産価格が高まっていくのです。このような過熱を抑えるために、資産市場には一定
の規制が必要です。規制に穴があると、異常なほどの回転率となってバブルが生じます。
1980年代のバブルは、規制の穴による回転率の高さによって引き起こされたものです
しかし、日銀はバブルの原因が回転率の高さにあったことを見抜くことができず、マネーが
原因だと考えたため、金融引き締めで市場からマネーを引き揚げてしまいました。それが、
のちの不況やデフレに大きな影響を与えることになりました。

ところが、日銀の官僚たちは金融引き締めが間違いだったとは決して認めません。
「官僚の無謬性」という言葉かおりますが、「金融を引き締めたことは正しかった」という
考え方が受け継がれていきました。引き締めをした総裁が「平成の鬼平」と呼ばれて称賛さ
れたことも成功体験として染みついてしまったのでしょう。日銀は、引き締めてはいけない
ところで引き締めたにもかかわらず、自分たちのしたことを正当化しようとしました。間違
ったことを正当化しようとすると、その後もずっと間違ったことをやり続けなければいけな
くなります。

こうして日銀は、「過去の間違い」を正当化するために、その後も、ずっと間違いを犯し続
け、デフレを引き起こし、放置し、どんどん悪化させました。バブル後の二十年間を見てみ
ると、日本のマネーの伸び率は先進国で最低です。最下位を二十年間も続けるのは、どう考
えても正常な姿とはいえません。間違いを認めないから、同じ過ちが繰り返されてきたので
す。

第8節 バブル処理の仕方は確立されているから、バブルを過度に恐れる必要はない

金融政策のセオリーでは、資産価格は見ないで、一般物価だけを見て判断できます。一般物
価が上がれば「引き締め」、一般物価が下がれば「緩和」。それだけです。一般物価が上が
らずに資産価格だけが暴騰しているときは、取引規制、税制、会計制度に問題かおるケース
が考えられます。
たとえば、アメリカで起こったりIマン・ショックも、異常な資産インフレが崩壊したもの
ですが、金融政策の問題ではなく取引規制の問題でした。金融機関はサブプライムローンと
いう怪しげなものを組み合わせたデタラメな金融商品を売りまくっていました。また、シャ
ドーバンキングという銀行規制の枠に入らない金融機関もたくさんできていました。日本の
簿価分離と同じように、本体と分離した会社で異常な取引がたくさん行われていました。そ
れらの取引規制が要因となり、バブルが起こり、それがはじけたのです。

デタラメな商品をつくることは、マクロな金融政策とは関係かおりません。ですから当時、
FRB議長だったバーナンキ教授はりIマン・ショック後の一般物価の急落を見て判断して
、金融を緩和しました。日銀のように「資産バブル潰し」と称する引き締めはしませんでし
た。バーナンキ教授は、日本のバブル期のことも学んでいましたので、セオリー通りに対応
してアメリカの経済を回復させたのです。残念ながらバブルの事前の回避策はありません。
しかし、事後策ならあります。セオリー通りに対応すればリカバリーはできるのです。

諸外国の金融政策拒当者たちは、「バブルを防げればそれに越したことはないが、バブルは
起こってしまうものだ」と認識していて、バブルが起こったときにどう対応すべきかを真剣
に考えています。ですから、バブルが起こると機動的に対応しています。一方、「バブルが
起こらないように」ということばかり考えていると、バブルが起こってしまったときにどう
対応するかを考えることが疎かになり、打つ手が、後手後手になってしまいます,
日銀はフ、ハブルが発生するといけないから、金融緩和をしない」と考えているのかもしれ
ません。しかし、「羞に懲りて諭を吹く」ように、過度に恐れてしまって必要なマネーの供
給もできなければ、ただただ、負の側面のほうが大きくなるばかりです。

後知恵で「あのときはバブルだった」と気づくのがバブルです。政策当局にもバブルの発生
ha予測できませんので、事前には規制のしようかおりません。せいぜいバブル発生中のどこ
かで早めに気づくことができるという程度です。ならばこそ、「バブルを起こさない」こと
ばかり考えて、経済を減速させるような手を打ち続けるより、「バブルが起きたら正しく処
理すればよい」と考えて、恐れずに適切なマクロ経済政策を展開していくべきなのです。
私がここまで述べてきたバブルの分析も、もちろん後語りであり、後知恵です。「今にして
思えばこうだった」という分析です。本章で書いてきたように、その渦中では、必ずしも状
況や原因を、すべて適切に把握できていたわけではありません。しかし、私はバブルの当事
者の1人だったがゆえに、あの経験から学んだことを教訓にすべきだと思っています。私の
金融政策観の1つの原点が、ここにあります。

                                  この項つづく

 ● 今夜の二曲

『ボラボラ島のウエルカム・ソング』

もう39年前になるのかと思い出したのがボラボラ島へ二人ではじめての海外旅行で、
パペーテ空港で聴いたウエルカムソング(楽譜が見つからなかった)。

 ● 今夜のアラカルト



朝、不知火(広島産はるか)と自家製レモンを1:3にミックスしたレモネード、いやジュ
ースを頂く。蜂蜜の味がする甘いレモンジュースである。あまりの美味さにどうしたのだと
訊くとシチリアで飲んだレモンジュースを家でも飲みたかったから「JAの野菜館」でこの
シラヌイを買ってきたのだとの返事、ご馳走様。
 

● 今夜の寸評:安倍政権の凋落から見えてくるもの 

8年もの長きにわたる安倍政権の凋落が訪れている。政治主導を実現するには官邸の強化が
必要とわたし(たち)は考えていたが、実際に起きたのは財務省、防衛省などの官僚組織の
瑕疵・劣化。特に官僚たちのフリーハンドが狭ばまり汲々として権力に阿る様であり、かっ
て、「政治過程とは過剰過程」と喝破した吉本隆明の言葉を思い起こす。権力の集中と長期
化は必ず腐敗と専横(=粗暴)を招き寄せることは、韓国、シリア、北朝鮮、ロシア、中国
などの開発独裁などが生きた手本として進行中でありそれらの民主制後進諸国の末路である。
とまれ、自浄能力がなければ、国民が現政権をできるだけダメージ・リスクのの極小化を図
りつつ罷免・交代させるしかない。


コメント

再エネオールキャストそろい踏み

2018年04月14日 | 環境工学システム論

      
                                     

9 行  軍

狭い意味の「行軍」ではない。車を戦場にすすめる場合の基本がここに述べられている。な
かでも現象によってその本質を見破る観察法はするどい。

えらぶべき地形、避けるべき地形

行軍にさいしては、えらぶべき地形と避けるべき地形がある。
丘陵や堤防に陣どる場合は、その東南に位置することである。こうすれば兵を勣かすのに有
利で、
地形の助けを得られる。渡河したいと思っても、雨が降って水嵩が増していたら、無
理をせずに水勢がおちつくまで待たねばならない。行く手に次のような地形があれば、早急
に離れ、けっして近づいてはならぬ。

  
「絶澗」―― 前後が険阻でまん中に水が流れている所。
「天井」―― 四方が切りたった窪地。
「天牢」―― 三方が険阻で、狭い道が一方だけ通じている所。

「天羅」―― 草木が生い繁り、味方同士も巡絡がとれなくなってしまう所。
「天陥」―― 低く落ちこんだ所。
「天隙」―― ところどころに窪みがあり、でこぼこのはげしい所。

このような所には、こちらは近づかず、敵が近づくようにしむける。ここに向かって、敵を
追いこ
むのである。自陣の近くに険阻な地形、溜池や穴、葦草の繁っている所、林、草むら
などがあれば、敵の伏兵がいるとみて、慎重に探索しなければならない。



【特集:島根県西部地震】


2018年4月9日、島根県西部を震源とするM6.1、最大震度5強の地震が発生しました。被災さ
れた方々には心からお見舞い申し上げます。 その後、多くの余震も発生しています。ご注
意ください。
このエリアである「鳥取県・島根県周辺」は、「MEGA地震予測」では現在「要
注意」ですが、 これまでどのように報じてきたか振り返ります。

先週の4月4日号では次のように記載していました。

要注意:鳥取県・島根県周辺
(4月ごろまで注意)
中国地方、特に島根県は沈降が進み、隆起と沈降のまだら模様が約半分とはっきり区別され
ます。 やや不安定な状態です。
現在の「要注意」は今年1月31日号において「要注視」から
「要注意」にレベルアップして監視を続けておりました。
以下に1月31日号の文章と図を再
掲載いたします。赤のXは今回の地震の震源の位置です。
要注意:鳥取県・島根県周辺(4月ごろまで注意) 広島県の芸北で7.3cm、鳥取県の岩美Aで
4.6cm、島根県の羽須美で4.5cmの週間高さ変動がありました。 この3点はいずれも大きく沈
降を示しました。
全国的に隆起傾向にもかかわらず、今回沈降した点が現れたために、隆起・
沈降図では青白の沈降を示す色がかなり見られます。
この地域では水平変動も活発ですので
要注視から要注意にレベルアップしました。



進化を続けるJESEAの地震予測「MT法と相関、そして地震予測」


相関関係を利用するマハラノビス距離(MD)は、次のように地震予測に有効と言えます。
地面は常に変位していますが、地震のない安定状態では複数地点(電子基準点)の動き方に
一定の相関があると考えられます。逆に、地震が近づいている状態ではねじれや歪みといっ
た、安定状態からの相関ズレが発生すると考えられます。安定状態からのズレの程度をMD
で表示すると、地震リスクを知ることができると期待できます。
そこで過去12年間の電子基
準点データを使って、東日本大震災(2011)や熊本地震(2016)などの解析を行いました。
その結果、大規模地震では約1ヶ月前にMDがきわめて大きくなり、直前にはいったん小さ
くなっていることが分かりました。さらに東日本大震災については、半年ほど前に横浜や熊
本など、遠く離れた地域でも大きなMDが現れていることもわかりました。地面の歪みが日
本全体に渡っていたことを示しています。
電子基準点データで地震予測を行うためには、基準点の選び方など条件は無数にあります。その
ような問題には、品質工学を活用して的確な条件を効率的に得ることができます。すでに全国を複
数領域に分けて、それぞれの地震リスクを求める試行を開始しています。予測精度向上に必要とな
る作業には、終わりがありそうにもありません。しかし、社会の損失を最小化するために、技術開発
を継続したいと考えています(No.262 門外漢が取り組んだ地震予測――測位衛星から地震の前
の異常な動きを測量する 
アングルトライ株式会社代表取締役 手島昌一)。



MT法は、マハラノビスの距離に基づいて,正常/異常の判定を行うことが主要な分析の目
的であ
り、正常な集団のことを「単位空間」と呼び,判断基準として利用.そして判断対象
サンプルを単位空間からの離れ具合によって定量的に判断する手法.

※活用事例:❶外観不良の判定、❷文字や画像技術の研究、❸企業の経営状態の把握、❹音
声波形データを使った判定、❺臨床検査値を使った病気の発症予測等



【田口玄一博士の名言】

良品群・不良品群といっても、良品群は1つの群をなすが、不良品群は群をなすとは考えに
くいなら,MT法を用いる。「幸福な家庭は互いにすべて似かよったものであり、
不幸な家
庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである」(トルストイ『アンナ・カレー
ニナ』)。尚、2012年06月02日に他界、享年八十八
                                      合掌

1999年わたし(たち)は、「地震予知/予測は可能」との命題で調査研究を開始するなか株
式会社地震科学探査機構の村井俊治氏の知財と活動に触れ益々その意を固くすることなる。
システムの完成に向け微力ながら研鑽していくことを改め密かに誓う。

   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   
 

第5章 「バブル経済」を引き起こした主犯は誰だ?
第4節 
法律の不備をついて証券会社がデタラメなことをやっていた

私は証券局の業務課(証券会社の指導監督をする部署)に在籍していました。そこで目の当
たりにしたのは、ほぼ違法ともいえる証券会社の営業の実態でした。 証券会社の営業担当
者は、顧客に対して事実上の損失補填を約束しながら株式の購入を勧めていたのです。
しかも、株
式購入資金を顧客の自己資金でまかなうのではなく、銀行が融資するパターンも
横行していました。
株式の購入に限らず土地の購入でも、銀行が融資するパターンはよく見
られました。
当時、株価が急騰していましたので、私は株価が上がっている原因を探ろうと
思って
調べてみました。株式売買回転率を調べると「ファントラ」と「営業持金」の回転率だけ異常
に高い状態
でした。

ファントラ」とはファンド・トラストの略で、具体的な運用方法を信託会社に任せる金融
商品です。「営業持金」の特金とは、特定金銭信託の略称で、証券会社の勧める財
テク手法
として当時流行っていました。
法形式は違いますが、経済的な中身はほぼ同じで、実質的に
証券会社や信託銀行に運
用を委託する方法です。私は、なぜファントラ、営業持金は顧客か
らの注文をたくさんとれるのか不思議に思
いました。さらに調べていくと、企業が証券会社
の勧めで財テクに走っているのは「
け道」があるためだと気づきました。企業業が持金を
設定して、本体で所有している有価証券を特金に移管すると、本体が所
有している有価証券
の帳簿価格を変えずに有価証券運用をできるメリットがありまし
た。つまり、企業の保有す
る有価証券に莫大な含み益が発生しても、その含み益を顕在
化させない形で運用できるので
す。


これは「簿価分離」といいますが、税制上の不備です。簿価分離の制度がかなり昔に
つくら
れたものだったので、抜け道があるとは税務当局は気がついていませんでした。
税制の不備
に気がついた証券会社の人たちが簿価分離を利用することを考えついたので
す。誰が始めた
のかはわかりませんが、大チ証券4社ともにやっていましたので、営業
活動の中から自然発
生的に出てきたものかもしれません。
証券会社の営業担当者は「いくら売却益が出ても、本
体の含み益は別だから大丈夫で
す。含み益を出さなくてもいいんです」といって売り込みを
かけていました。

証券会社の営業担当者は事実上の損失補填もしていました。「もし損が出ても大丈夫です」
と口約束をしたり、名刺の裏に一筆書いていたりしました。さらにニギリといっ
て、事実上
の利回り保証もしていました。営業担当者としては「利回りはこのくらいに
なりますよ」と
いわなければ話を聞いてもらえません。しかし利回り保証は禁止されて
いますので、名刺の
裏にこっそりと書いて渡していたのです。
売買一任は禁止されていましたが、法令の不備が
あり、営業特金は野放しの状態でし
た。また、法令上、事前の損失補填は禁止されていまし
たが、事後の補填を禁止する明
文上の規定がなかったため、その点でも法令の不備がありま
した。
証券会社は、営業持金とともに時価発行増資(エクイティ・ファイナンス)も顧客に
勧めていました。その裏で他社の営業持金のファンドを使って、その会社の株式を買い上げ
ます。

そうすると、その会社の株価が釣り上がって、時価発行増資をするときに莫
大な資本がタダ
同然で手に入ります。
時価発行増資で多額の資本を得られるうえに、財テクでも大きな利益
を得られます
その財テクは、事実上の回り保証と損失補填を約束してもらっていますから
ノーリス
クです。資金は銀行が融資してくれます。つまりご冗手なし、リスクなしで、多額
の利
益だけが入ってくる仕組みです。企業にとってこれほど大きなメリットのある取引を証
券会社は持ちかけていたのです。おいしい仕組みですから、財テクをしたい企業からの注文
が次から次へと証券会社に入っていました。営業持金とフアントラが異常に高い株式売買回
転率を示していたのは、このようなカラクリがあったためとわかりました。

株価が急騰していたのは、マネーがあふれていたからではなく、異常な回転率の高さからし
た。それにつられて、一般投資家も「もっと値上がりする」と思って株に手を出していまし
た。この財テクの仕組みはどう考えても正常ではありませんし、事実上の法令違反でもあり
ます。証券会社は営業特全をクロスさせてわからないようにしていました。A社の資金でB
社の株を買って値を上げ、B社の資金でA社の株を買って値を上げます。A社もB社も自社
の株価が上がっているので、時価発行増資をすると多額の資本を得られます。実態としては、
それぞれの会社が自社株を買って値を釣り上げているのと同じです。打ち出の小槌のような
資金調違法です。

私が知る限り、この問題に気がついている人は1人しかいませんでした。それは日本経済新
聞の証券金融のスペシャリストの記者です。家業を継ぐために記者を辞めてしまいましたが、
彼だけは営業特金の仕組みをきちんと理解していました。その人から全体の仕組みを教えて
もらって、それを頭に入れながら証券検査をしましたので、実態をつかむことができました。
このような取引が行しているのは、法令の不備が原因と思われますから、私たちはすぐに対
処しなければならないと考えました。

第5節 あと少し通達が遅れていたら、証券会社は人クラッシュしていた

私たちは証券検査でつかんだ実態を上司に報告しました。すると上司から、証券会社の営業
姿勢を改める規制をつくるように命じられました。国税庁のほうも税法の不備に気づいて動
き出そうとしていました。やらねばならないのは、営業持金に一定の規制をかけ、事後的な
損失補填を禁止することです。しかし、これを法改正でやっていては間に合いません。実は、
この仕事は時間との闘いでした。株価が上がり続けていたために問題が起こっていなかった
だけで、もし株価が下がり始めたら、本当に証券会社が保証をせざるをえなくなります。
気に証券会社がクラッシュ
してしまうかもしれません。証券会社にとっては切迫した状態だ
ったと思います。

株価が上昇しているうちにやめさせないといけないので、法改正ではなく、通達の形をとり
ました。通達は、形式的には行政内部の連絡文書(上級官庁の大蔵省から、下位官庁の地方
財務局に宛てた文書)ですが、証券会社への指導内容が書いてありますので法令を補完する
ものです。場合によっては法令に準ずるものと見られていました。実際、そのときに私が起
草した通達は、その後の証券取引法(現金融商品取引法)に取り込まれて法文化されました。
私たちは通達を出す前に証券各社を回り、証券検査で把握した営業現場の実態を本社の担当
者に突き付けました。 

証券会社の現場の営業担当者たちは、利回り保証や損失補填を口約束したり、名刺の裏に
「補填する」と書いて相手に渡したりしていました。そんな名刺の現物を差し出して、「お
宅の支店の営業担当者たちは、こういうものを名刺の裏に書いて渡していますけど、把握さ
れていますか? 今は株価が上がっているからいいですけど、もし株価が下がって、すべて
の会社から損失補填を求められたら、どうなりますか?」と本社の担当者に問い質すと、心
の底から驚いた様子で、

「そんなことになったら、うちは潰れます」

という答えを返してきました。
私たちは通達を出すことを検討していることを話して、「損失補填は、そもそも公序良俗違
ですから、我々がこの通達を出せば、「行政の指導だから、従わざるをえないんです」と
いって、損失補填の約束について、司法判断になるかもしれないが、反故にできるチャンス
ですよ」と伝えると、「早く通達を出して下さい」と青ざめた顔で懇願されました。こうし
て通達が出される運びとなりました。

そのころの大蔵省では、局長の権限で通達を出していました。当時の証券局長は角谷正彦氏
でしたが、局長室での会議で「この通達を出すと株価はどうなる?」と聞かれ、「すぐに株
価は下がります
」と答えました。株価が下がることをよしとする人はいませんがそれでも

谷局長は決断してくれました。かくして、「証券会社の営業姿勢の適正化及び証券事故の未
然防止について」という通達が、1989年12月26日に出されました。この通達によっ
て、証券会社が損失補填する財テクを事実上禁止しました。その3日後の12月29日の大
納会の日に日経平均株価は3万8957円の最高値をつけています。翌年の1月4日の日経
新聞には、株価予想として6万円台の数字まで出ていました。

しかし、実際の株価は、私が予測した通り一月から下がり始めました。株高の原因が売買転
率にある以上、通達によって回転率が下がれば株価も下落するだろう、と予測していたのが
当たったことになります。大蔵省幹部から、「お前、よく当たったな」といわれたことを覚
えています。数量的な分析をしたのですが、手元にも役所にもその資料が残っていないのが
悔やまれます。不動産取引に関しては、大蔵省銀行局も問題意識を持っていたようです。
地融資規制が
弱かったため、融資を絞る方向で検討されていました。
1990〇年3月27日に不動産融資総量規制の通達が出され、同年4月から実施されまし
た。不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑えるという通達です。不動産価格が
大幅に下がり始めたのは、この通達が出されてから1年後くらいのことでした。不動産価格
は、反応するまでに少し時間がかかるのです。

第6節 日銀の「余計な引き締め」で、それから二十年の悲劇が始まった

つまり、1980年代のバブルは株価と不動産の価格が過熱した資産インフレであり、その
主因は法律や規制の不備という穴だったのです。のちに法律を改正しましたが、まずは通達
を出すことで穴をふさぎましたので資産インフレは収まっていきました。1985年12月
の証券局の営業特金禁止通達で「株バブル」が終わり、1990年3月の銀行局の不動産融
資総量規制通達で「不動産バブル」が終了
したのです。

前述したように一般物価のほうは、まったく問題はありませんでした。当時の一般物価を振
り退ってみると、1986年6月から1989年3月までの消費者物価指数は、ぼぼO~1
%の上昇率(対前年同月比。以下同)でした。1989年4月からは消費税3%が加わりま
すが、それでも1993年10までの物価上昇率はほぼ1~3%です。
つまり、バブルといわれていた当時の物価は安定していたのです。にもかかわらず日銀は、
そこで金融引き締めを行ってしまいました。当時の日銀総裁は三重野康氏でした。
三重野氏は、1989年12月から1994年12月まで5年間、日銀総裁を務めましたが、
バブル退治をしたとしてマスコミは「平成の鬼平」とさかんにもてはやしました。このとき
、不必要な金融引き締め政策をマスコミが高く評価してしまったことで、それ以降の日本経
済はどん底に叩き込まれることになります。

当時の日銀には、公定歩合の上げは「勝ち」、下げは「負け」と呼ぶ風上がありました。
「勝ち」「負け」という呼び方を私も幾度となく問いています。これは大蔵省と日銀の微妙
な関係を反映したものです。日銀総裁には大蔵省出身者と日銀プロパフとが交互に就任する
という不文律がありました。大蔵省は財政支出を抑え税収を増やせる景気刺激策として金利
引き下げを求める傾向があります。日銀とすれば、大蔵省への対抗意識もあるのか、公定歩
合の上げを「勝ち」と見ている雰囲気がありました。金融政策の本質から逸脱したつまらな
い意地の張り合いです。
「勝ち」「負け」の表現を使えば、公定歩合は1980年八月に9・00%から8・25%
に引き下げて以来、1987年2月の3・00%から2・50%への引き下げまで10回連
続で引き下げましたので、日銀にとっては「10連敗」でした。1989年5月に2・50
%から3・25%に引き上げて、ようやく日銀は10連敗を食い止めました。当時、三重
野氏は日銀副総裁でした。



同年12月に三重野氏が総裁に就任してからは3連勝して、1990〇年8月には公定歩合
は6・00%に連しました。三重野氏が「平成の鬼平」と呼ばれるようになったのは、この
ころです。しかしながら、1989年に最高値をつけた株価は、1990年に入ってからど
んどん落ちていて、八月の時点ではバブル崩壊は誰の目にも明らかでした。時系列を整理す
ると表3のようになります。1990年1月からは株価の急落が始まっていましたので、マ
ーケットの過熱感はもう、なくなっていました。私たちが証券規制を検討しだしたころ以降、
1989年10月、12月、1990年3月、8月の4回の利上げは、まったく不要でした。
しかしそれ以降も、最後の利上げの1990年8月から1991年7月の利下げまでに11
ヵ月もかかっています。利下げのタイミングが遅れると、その後の引き下げは後手後手とな
って、景気回復ができなくなります。ここからまさに、悲劇ともいうべき「失われた20年
」が始まっていくのです。
                                   このつづく

 No.190

【蓄電池事業篇:ソフトバンク リチウムi空気電池開発に10億円超 

 ● エネルギー密度5倍で世界が変わる
4月13日、ソフトバンクと物質・材料研究機構(NIMS)が、究極の二次電池とされる「リ
チウム空気電池」の共同開発に着手し2025年の実用化を目指すことを公表。、それによると
リチウム空気電池の実用化を目指す「NIMS-SoftBank先端技術開発センター」の設置に関する
覚書を締結。契約期間は2年間で、ソフトバンクが10億円超を出資。これまでのNIMSにおけ
る開発の数倍となる約50名規模の研究開発体制を整え、リチウム空気電池の実用化を加速。
同金属空気電池は、正極の活物質として空気中の酸素、負極としてLi系材料を用いる2次電
池。Li酸素電池とも呼ぶ。放電時は、Liの酸化が進んで、酸化リチウムが生成する。充電時
は、この酸化リチウムを還元(脱酸素)し金属リチウムに戻す。これらの反応で得られる重
量エネルギー密度は、理論的には1万Wh/kg超とされ、現行のリチウムイオン2次電池の理論
値の約330倍。 ただし、実際には電解質やセパレーター、電極、パッケージの体積や重量
があるために、現実的な重量エネルギー密度は理論値の数分の1となる。新エネルギー・産
業技術総合開発機構(NEDO)は、現行のイオン電池の8~10倍となる約2000Wh/kgが実現
可能な値となる。



【蓄電池事業:最新非水系リチウム電池製造技術】

●特開
2018-060805  非水系電解液二次電池用炭素材、非水系電解液二次電池用
負極、非水系電解液二次電池、及び非水系電解液二次電池用炭素材の製造方法

【概要】

低温下においても入出力特性に優れる非水系電解液二次電池開発に当たり、下表のごとく、
黒鉛粒子と1次粒子径3nm以上500nm以下の炭素微粒子との複合粒子であって、特定
の条件を満たす複合粒子(炭素材)を、非水系電解液二次電池の負極活物質として用いるこ
とにより、非水系電解液二次電池の低温時における入出力特性を大幅に改善できることを見
出しその技術を提供する(詳細は、下表をクリック参照)。




● 特開2018-061042   非水系リチウム蓄電素子

【概要】

活物質以外のリチウム化合物を含む正極、負極、セパレータ、リチウムイオンを含む非水系
電解液からなる非水系リチウム蓄電素子であって、前記リチウ化合物の平均粒子径をX
とするとき、0.1μm≦X≦10.0μmであり、正極活物質の平均粒子径をYとす
るとき、2.0μm≦Y≦20.0μmであり、X<Yであり、前記正極中に含まれ
る前記リチウム化合物の量が1質量%以上50質量%以下である非水系リチウム蓄電素子。
(詳細は下表クリック参照)。




                                                     この項つづく
 

   ● 今夜の一枚

●フランス新興企業 電動水上翼タクシー ジュネーブの湖でテスト運転

● 備忘録一千夜 
かねてから彦根城内の夜桜見物を予定して遅れていた昨夜挙行。少人数で徳兵衛で握り鮨で
近況を話し盛り上がり、二人だけで夜桜ドライブと洒落込む。車内でバイオマス発電をはじ
めとする再エネ事業の調査研究結果を「脱原発・再エネオールキャストそろい踏み」と表現
しこれまでの成果を短く伝える。どれほどの説得力があったかわからぬが、わたしの頭脳に
は事業展開のプログラム概要が存在し、「仮想エネルギー取引のキーパーツ」と呼べる蓄電
池は25年までに成長していることを友に伝えた。

コメント

慈しみの命

2018年04月13日 | 時事書評

      
                                     

9 行  軍

狭い意味の「行軍」ではない。車を戦場にすすめる場合の基本がここに述べられている。な
かでも現象によってその本質を見破る観察法はするどい。

地形に応じた戦闘配置
戦闘位置について敵と対特すろには、地形の特徴をみて、それに応じてこれを利用すること

が大切である。
まず、山岳地帯で戦う場合――山地を巡かには、谷に府って行き、視界の開けた高所に位置
する。高所にいる誼と戦うには、
こちらから登っていかずに、敵を誘いおろすのがよい。
河川地帯で戦う場合――河を亘った場合、必ずその河から遠ざかって戦うことである。川岸
では足場が悪くて損害を蒙ることがある。敵が河を良って攻めかけて果たときは、水中で迎
え撃ってばなら
ない。半数が絞りきったところで攻撃を加えるのが有利である。こちらから
鎚んで戦おうとするときには、河に近づきすぎてはならな
い。河岸では、高所に位置すべき
である。下流にいて、上流の敵と戦うのはよくない。
湿地帯で戦う場合――湿地を絞るときは、できるだけ早く賜翁すべきである。ぐずぐずして
いて、足場の囲いところで攻
められると一大事である。どうしても湿地で慨わなければなら
ないときは沼や茂みを利用し、木々を
背にして、少しでも有利なように工夫する。
平地で慨う場合――片側と特価に高地のある身働きの自由な場所に位置する。また、戦いに
くい不利な地形を前にして、商い地形を役にするのがよい。

以上が、それぞれ四つの地形に応じた有利な布陣の方法である。しかし、黄帝が天下を統一
できたのもこれを川いたからにほかならない。要するに、軍を配流するには、低いところよ
り高いところがよく、湿った日陰より日当りのよい場所がよいのである。こうすれば、将兵
を元気づけて、気力を充実させることができ、軍には故障が生じない。これが「必勝」とい
うことなのである。
        
快感原則 心理学でいう「快感原則」と一致する。すなわち、人間は暗いところより明るい
ころ、陰気なところより陽気なところに向かおうとするのが通常である。プラスの誘意性に
向かい、マイナスの誘意性を避けようとする心理を、戦闘にさいして活用せよというのであ
る。

※ つまり、「予備情報能力の機動性原則」とでも呼べる。

 

 No.189 

【サーマルタイル事業篇:体温発電型スマートウォッチの上陸 

4月12日、米国の新興企業MATRIX Industries社の自分の体温で発電――人の体から発す熱量
は、100W分に相当する。アスリートでは1kW相当に達する。人の体を使った発電によりセン
サやスマートウォッチなどの駆動――するスマートウォッチが販売。MATRIX PowerWatch
最大の特長は、熱電変換によって発電した電気で駆動する点。具体的には、スマートウォッ
チ本体の表面温度と、体温(手首の皮膚の表面温度)との温度差を電圧に変換する。それを
専用の昇圧コンバーター(ASIC)で昇圧し、内蔵のリチウムイオン電池を充電してスマート
ウォッチを駆動する仕組(詳細上写真)。同社では、常時発電できるよう、スマートウォッ
チ本体の表面温度と皮膚温度の差が常に1℃以上になるように設計され、変換効率は1%
日本ではビーラボが販売元となり、2018年4月12日から販売を開始。ベゼルがブラックとシ
ルバーの2種類があり、本体価格はシルバーが3万2800円、ブラックが3万7800円。尚、フル
充電の状態で腕から外した場合、約数カ月間は時計として動き続け、使い方によっては、内
蔵のリチウムイオン電池は10年以上もつと予測されている。

 Apr.12, 2018



【サーマルタイル事業篇:千葉大発ベンチャーが営農型太陽光】

3月27日、千葉大学発のベンチャー企業である千葉エコ・エネルギーは千葉市に出力777
kW のソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)「千葉市大木戸アグリ・エナジー1号
機」を竣工し連系開始した。発電所は自社で所有し、太陽光パネルの下や周辺で行う農業も
自社で行う体制を整え、「スマート農業」の実現を目指す。まず、ニンニクを栽培し、初年
度6トン
の収穫を見込んでいる。事業資金は城南信用金庫から融資を受けた。耕作面積約1
万平方メートルの農地に藤棚式の専用アルミニウム製架台設置。パネルの出力は 777.15 kW
パワーコンディショナ(PCS)の定格出力は625kW。年間発電量は83kWhを想定する。売
電単価は27円/kWhで年間2200円程度の売電収入を見込む。
架台の設計では、斜めの筋交い
がない構造とすることでトラクターなど農業機械の作業性を確保したほか、作物の畝設計に
合わせ
た支柱間隔などの工夫をした。

 

栽培作物はニンニクを選定した。国内市場の約59.4%が輸入品のため国内自給率の向上を目
指すほか、市場ニーズがあり加工も視野に入れた場合に収益性が高いと見ている。また、ニ
ンニクは、比較的、管理の手間が容易で機械による省力化も可能で、発電設備の下でも安定
して栽培できる可能性が高い、などの利点もあるという。
中国トリナ・ソーラー製の太陽光
パネル(275W/枚)を2826枚、独SMAソーラーテクノロジー製のPCSを導入(千葉大発ベンチ
ャーが営農型太陽光、ニンニク栽培、日経 xTECH(クロステック) 2018.04.13)。
 

■ なぜ「にんにく」なのか
栽培作物 に選定した 「にんにく」 は、国内市場の は、国内市場の 約 59.4 %が輸入に頼
ってい る。現状があります。 農産物の国内自給率 の向上 のほかに、本事業では以 下の
4つの理由から 作物 選定 を行う 。

①市場のニーズがあり 、加工も視野に入れたとき高収益化が見込みやすい
②市場や周辺農家のバランスを崩さない作物
③管理の手間 が容易 であり、 機械化 による省力も可能
④発電設備の下でも比較的 安定した 栽培 ができる 可能性が高い

■ 
今ソーラーシェアリングは、固定価格買取制度(FIT)を活用することで、太陽光発電の収
益を農業の支援・継続に活用できるため次世代農業モデルとしても期待されている。一方で
、全国で1000件程度しか普及していない背景には、発電事業と農業の両立を図るためのノウ
ハウを持つ事業者が少ないことが挙げられる。
同社は、2017年3月に千葉県匝瑳市で竣工し
た匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所の事業化に関わり、大規模ソーラーシェアリン
グの事業スキーム構築やファイナンスの経験を得た
一方で、農業者の減少、耕作放棄地の拡
大、地域の過疎化、食の安全性など、日本が抱える農業問題の現状を目の当たりにしたこと
から同事業への参入を決定している。
農業への参入にあたり、この分野で幅広い業務を手掛
け、行政からの受託事業を行うなどの実績があるマイファーム(京都市)からの農業経営指
導を受けた。

ニンニクについてはブログ掲載も多々あるが、一刻も早く「安くて、安全で、美味しいニン
ニク」を沢山食べたいということに尽きる。「ソーラーシュアリングのニンニクで世界一の
健康立国を実現しよう!」


   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   
 

第4章 プラザ合意は、日本を貶める罠だったのか? 
第7節 「前川レポート」はただ状況の変化をなぞっただけのもの
「金融ビッグバン」も、さも改革が行われたかのような大げさな言葉ですが、実態はあまり
大きく変わっていません,
 そもそも金融機関の経営はミクロの話です。金融機関の相互参
入が認められようと、
そうでなかろうと、マクロ経済にはさほど関係かおりません。ミクロ
経済の金融業界の
話とマクロ経済の金融政策の話は明確に分けて考えないと、混乱してしま
います。

第5章 言ブル経済」を引き起こした主犯は誰だ?
第1節 バブル経済になったのは、プラザ合意対策のせい?
1985年のプラザ合意から時を経ずして、日本は「バブル景気」に突入していきます。一
般にバブル期とは、1986年12月から1991年2月までの51ヵ月だとされます。プ
ラザ合意によって「ダーティ・フロート」をやめた日本国内では、むしろ 「円高不況」が
心配されていました。プラザ合意の前には1ドル=235円前後だったものが、一年後には
1ドル=150円前後になったのですから、その心配ももっともで
す,

では、それなのになぜ、日本はバブル経済に突入したのでしょうか。プラザ合意の直後にバ
ブル期が始まったので、「バブルが起きたのはプラザ合意のせいだ」とする意見も数多くあ
ります。それは、こんな理屈です。日本銀行は1985年のあいだは、公定歩合(=当時の
政策金利)を5・00%1983年10月~)から下げませんでしたが、1986年1月に
4・50%、同年3月に4・00%、同四月に3・50%、同11月に3・00%と引き下
げ、1987年2月には当時史上最低だった2・50%まで持っていきます。

しかし1987年になると、国際的にドル安の行き過ぎが懸念される状況になり、折しも日
本の公定歩合が引き下げられた2日後の同年2月22日に、フランスのルーブル宮殿でG7
(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)が開催されて、「為替レートを当面の水準で安定
させる」という「ルーブル合意」が行われます。
円高不況は1987年には回復基調に入っ
ていたものの、このルーブル合意によっ
て、日本はドルを支えるために利上げをしにくくな
りました(利上げすれば、さらなる
円高・ドル安への圧力になってしまうため)。

結局、1989年5月に3・25%に引
き上げられるまで、公定歩合は低いまま据え置かれ
ることとなり、この「金融の超緩
和」が不動産や株式に対する過剰な投機を促し、バブル景
気をもたらした というの
です。この見方は、果たして正しいのでしょうか,

第2節 バブル期は、株と土地以外は「超フツーの経済」だった
1980年代後半ので、「ハブル期」ほど誤解されているものはないと思います。バブル
には何でも価格が上がり、著しいインフレが起こっていたかのように思っている人が
たくさ
んいます。

しかし、現実は追います。価格が上がっていたのは土地や株式など一部の資産価格だけです。
一般物価はそれほど上がっていませんでした。
「バブル期はものすごく経済の調子がよく、
経済成長率も非常に高かった」という認識
も誤りです。当時の経済成長率は、先進国水準で
はごく平均的なものでした。
実際の数字を見てみましょう,1987年から1990年まで
の経済状況は次のようになっていました(表2)


実質GDP成長率は4・2~6・2%であり、それほど高いわけではありません。毎年のよ
うに10%を超えていた1960年代の高度成長期とは比べものになりません。
物価上昇率
もO・1~3・1%ですから、健全な物価上昇の範囲内に収まっていま
す。1974年の狂
乱物価のときには、年平均23・2%の物価上昇率でしたから、こち
らも比べものになりませ
ん。
今から振り返って見ると、とても健全な経済であり、いわば「フツーの経済」です。
ブル期はネガティブに見られることが多いのですが、マクロ経済指標では異常な要素
は見当
たりません,
一般物価を見る限り、狂乱物価でもなくバブルでもありませんでした では、
何が「バブル」だったのか。異常に高騰していたのは、株価と不動産価格で
す。

日経平均株価は1986年には1万5000円程度でした。1987年10月19日にブラ
ックマンデーかおり一時株価を下げましたが、その後、株価は急騰していきまし
た,198
9年12月19日の大納会の日には3万8957円の史上最高値をつけて
います,年が明け
ると一転して株価は下がり始めます。1990年末にかけて2万3000円
程度まで一気に
下がり、1992年初めには2万円を割り込みました。2年ほどで最高
値から半分になってし
まいました。この問に高値で株をつかんだ人は大きな含み損を抱えることになりました。

土地の価格も異常に上がりました。土地の価格は、株価より1~2年遅れて1991年ごろ
にピークを迎えています,都心では地上げや土地転がしなどが横行し、都会の小さな土地が
高値で取引されました。狭小な上地は一定規模の大きさにまとめて転売され、転売に次ぐ転
売で異常なほどに値を上げていきました。その土地を担保に金融機関は融資をしました。そ
の資金が不動産市場に流れ込むというスパイラル状態でした。バブルがはじけて以降は、土
地の価格が下落して上地は担保価値を失いました。金融機関は融資の回収を急いだものの、
回収しきれずに多額の不良債権を抱えることになりました。このように株と不動産に関して
は、異常な状態でした。その一方で、GDP成長率、物価上昇率、失業率などマクロ経済の
ほうは至って健全でした。

片方は極めて異常で、もう一方は健全な状態です。この状況を当時の日銀は正しく分析する
ことができませんでした,両者を分けずにまとめて1つの経済状態と考えてしまったのです
そのため、インフレではないにもかかわらず不要な引き締めをすることになり、以後、それ
を正当化するための施策が続くことになるのです。

第3節 「バブルかどうか」は当時は誰にもわからなかった
バブル期は社会的には異様な状況でした。私が見聞きした範囲でも、今では考えられないも
のがありました,当時、私は大蔵省証券局にいましたが、あるとき新興の証券会社から「デ
ィーリングルームの視察に来て下さい」といわれました。視察を断るわけにもいかないので
行ってみると、体育館のようなものすごく大きなディーリングルームでびっくりしたことか
あります。新興の証券会社はやることが派手でした。

各省庁の官僚に対する接待もエスカレートしていきました。霞が聞の道路にはハイヤーがた
くさん停まっていました。ほぼすべて接待のハイヤーのはずです。「仕事が終わったらいつ
でもいいので乗って下さい」といわれて、ハイヤーに乗ると接待会場に連れて行かれたと聞
いたことかあります。私も上司のお供で義務的に接待に呼ばれたことかおりますが、酒を飲
まないほうなので、けっこう苦痛でした。官僚たちがツケで飲める料亭もあって、飲みに行
っている人もいました。一度、ある大蔵省の幹部の手帳を見せてもらったことかおりますが
接待の予定が毎日3件くらいずつ入っていて、半年先まで埋まっていました。接待を受ける
側も体がタフでないと、とてもやっていけません。

銀行・証券の人たちも好きで接待しているわけではなく、会社のためと思ってやっていたの
だと思いますが、バブル期の銀行・証券の接待は異様な状態でした。それが行き過ぎてしま
って大蔵省接待スキャンダルにつながっています。 しかし、当時は誰も「今はバブルだ」
とは思っていませんでした。バブルは、あとになってからでないと気がつかないのです。
FRBのグリーンスパン元議長は、「バブルは、崩壊して初めてバブルとわかる」と述べて
います。まさにその通りで、崩壊してからでないとバブルには気づけないものです,

バブルはめったに起こらない現象のようにいわれていますが、実は世界ではよく見られる現
象です。不良債権問題が生じたかどうかでバブルの有無を判断するのなら、先進国に限らず
世界のほとんどの国で頻繁に起こっています。IMF(国際通貨基金)のレポートによると
1970年から2007年までの約40間に、不良債権問題による銀行危機が124例も発
生しています。同レポートでは、日本の銀行危機の際の財政コストはGDPの14%、生産損
はGDPの18%だったとされています。

世界各国の銀行危機の平均的な財政コストはGDPの13%、生産損失はGDPの20%となっ
ていますから、日本のバブル崩壊による損失は世界の平均的な数字でした。歴史上有名なバ
ブルとして、チューリップ・バブル(17世紀、オランダ)や、ミシシッピ計画(18世紀、
フランス)、南海泡沫事件(18世紀、イギリス)などかおりますが、日本のバブルはそれ
らの歴史的なバブルと並べられるような大きなものではありませんでした。いかにバブルが
世界中でしばしば起こっている現象かを痛感させられたことかおります。かつて私は世界銀
行で「日本のバブルはこんなにすごかった」と自倣げに話しました。すると、各国の人から
「うちの国では3回もバブルがあった」「いや、うちのほうがもっとバブルだった」といわ
れてバブル自慢合戦のようになってしまったのです。

それほど頻繁に起こっているにもかかわらず、事前にバブルに気づくことはできず、あとに
なって「あれはバブルだった」とわかります。もしバブルを予測することができるのであれ
ば、その人は大金待ちになっているはずです。借金をしてでも高騰しそうな株や土地を買う
でしょう。予測ができるのなら回避もできますが、バブルを予測して防ぐことは地震予知の
ようなレベルの難易度です。現実的にはバブルの回避策はまずありません。それでも、バブ
ル期のことを学んで教訓にすれば、バブル発生後の早い段階で気づくことはできるかもしれ
ません,
なぜバブルが発生し、崩壊したか、どんなバブルだったのかを分析しておくことは重要です。
当時、大蔵省証券局に在籍していた私は証券局内部のことを知っていますので、バブルの核
心について触れたいと思います。
                                   この項つづく

【量子ドット工学講座 No.54:電子に強烈な影響を与える偏光】 

現代の電子工学は、負の電荷を帯びた数多くの電子の動きによって打ち立てられきたが、電
子のふるまいの詳細は未だ明らかでない。例えば、偏光した電磁波の影響を受けた際、電子
はどのように動くかという疑問は未解明。
偏光は、電磁波や光波などの波が回転するときに
発生するが、時計回りまたは反時計回りに回転する電場をもつマイクロ波の電磁場は、理論
的には電子の回転に影響を及ぼす考えられている。しかし実験をしてみると、電子がマイク
ロ波の偏光に影響を受けていないように見える。

1月26日、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究グループらは、この理論と実験結果の乖
離を説明することに成功する。同上のグループは、二次元平面上の電流を測定→マイクロ波
の偏光を変化させる偏光が実際に電子の動きに影響を及ぼすことを証明。

従来の実験では、電子の動きは、半導体のような固体状態の材料で研究されていたが、固体
材料の不純物の除去が不可能な不純物が実験結果を左右していたが、液体ヘリウムで半導体
機能をよく模倣した実験システムを作り→真空槽内の液体ヘリウム表面上の電子を、絶対零
度まで冷却(
固体で理想的な材料はない)。電子とマイクロ波の両方の場が、同方向に回転す
ると、偏光効果が最も強くなるが、回転の方向が反対であれば、効果がかなり減少すると仮
定し今回の発見に至る。



ヘリウムは、絶対零度に達しても、液体状態であり続けるてユニークな性質をもつ一方、他
の化合物(ヘリウム内の不純物)は凍結して容器の壁に付着する。 超低温では、ヘリウムの
表面の電子が「量子化」され、液体に垂直な電子の動きは、2次元空間内に「凍結」される
というもの。
この実験システムでは、円形の偏波マイクロ波を電子層に送り、マイクロ波場
の回転と同じ方向に電子を回転させると、電圧をかけた測定中の電子の流れが、磁場で振動
する。磁場の方向を変えて電子の回転を反転させると、振動が著しく弱りなった。さらに電
子の回転を変えず、マイクロ波場の回転方向を逆転させても、同様の挙動を観察する。

上記の実験結果から、電子は電磁波の偏光の影響を実際に受けることを意味、これらの電子
的振る舞いが、なぜこのようにふるまうのか、さらに正確に理解する必要がある結論する。
つまり、
現時点では、数多く存在する理論のうち、どれが主要な理論なのか示すことができ
なとのこと。
 

 ● 今夜の一曲

Diamonds』 歌 プリンセスプリンセス 作詞・作曲 中山加奈子、奥居香

Diamonds」(ダイアモンド)は、前作「GET CRAZY!」がドラマ主題歌となったことによ
り、徐々に知名度を上げていたプリンセス・プリンセスが、前作からちょうど半年ぶりにリ
リースした作品。前作で成し遂げられなかったオリコンシングルチャートTOP10入りを成し
遂げ、ついには1位にまで上り詰める大ヒット曲となった。1993年10月21日には「世界でいち
ばん熱い夏」の再レコーディングバージョンが新たに収録されて再発売されている。調はホ
長調(終盤はヘ長調に転調)。

好況で忙しい1989年、世にいう「平成バブル」下のヒット曲。

 




● 今夜の寸評:19歳の青年に何があったのか

市内の河瀬駅前交番で男性巡査部長が射殺され同僚巡査の少年が殺人容疑で逮捕された。テ
レビで報じられ、すぐさま、家内を注意喚起し施錠し市内に住む知人に警戒・施錠を促す電
話を入れる。就眠途中目を覚まし背筋の寒気に見舞われる。詳細は不明だが、殺人の衝動を
抑止する命を慈しむ情操教育に思いを馳せた。在り来たりなことは言わぬ。現代社会の「人
々の絆の劣化」を真正面にとらえたい衝動にかられることとなった。

コメント

一期一会 日々新々

2018年04月11日 | デジタル革命渦論

      
                                     

 九 変

表があれば浦がある。陽があれば陰がある。その変化と発展の法則を見きわめることが勝利
への第一歩であろ。

将にとって5つの危険
将がおちこみやすい5つの危険がある。 
その一は、必死になりすぎることである。いたずらにはやりたつだけで、退くべきときを心
得ないならば、無駄に殺されてしまう。
その二は、逆に、何か何でも肋かろうとすることである。これでは命は肋かっても、捕虜に
なるのがおちである。
その三は、短気である。侮られると、前後の見さかいなく腹をたて、みすみす敵の術中にお
ちいってしまう。
その四は、潔獅である。これは名誉を傷つけられると、がまんできずに忠心に分別を忘れ、
みすみす敵の術中におちいってしまう。
その五は、人民への思いやりである。たしかに人民を愛することは必要だが、これにこだわ
ってはいけない。
つまり、この五つが将たる者がおちいりやすい危険であり、戦争遂行のさまたげである。古
来、軍が滅び、将が殺されるのは、必ずこの五つの危険が原因になっているといってもよい。
よくよく考えなければなるまい。

反面の作用 ゆとりを失い、あるいは秋谷するなど、一面にとらわれることの危険性が強調
されている。すべて物事には反面の作用がある。これもまた『老子』の思想と同じ基盤にた
つ。「天下みな美の美たるを知る。これ悪なり」(人はだれしも、「美」はつねに美である
と考える。美は同時に「醜」でもあることを知らない。『老子』二十章)

【下の句×樹木トレッキング 28:キンキマメザクララ】


日のもとに楼さきけり今ぞしるわたくしならぬ神の心を   正岡子規


※いまこの瞬間を生きている、生かされているこの奇跡に感謝せずにいられようか。

近畿豆桜(Prunus incisa var. kinkiensis)は、散策路を歩いているとときどきある、落葉小高木
で、葉は互生。フォッサマグナ植物の一つであるマメザクラの変種で、主に北陸、長野、愛
知、近畿
、中国地方に分布。県内では早月川以西に分布し、東ではオクチョウジザクラにな
る。境目には雑種もある。
このあたりの丘陵地に多いサクラで、いち早く花が咲く。普通は
葉が出てくる前、又は同時に花が咲く。
花は下向きなのに、実はしたの写真のようにだんだ
んと上に向いている(
種子散布のため)。この下向きに花が咲くサクラの仲間としては、オ
クチョウジザクラがある。

   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   
 

第4章 プラザ合意は、日本を貶める罠だったのか? 
第7節 「前川レポート」はただ状況の変化をなぞっただけのもの

前年の1985年にプラザ合意があり、為替が完全に自由化され、政府の介入はほぼなくな
りました。言い方を変えると、輸出企業が履いていた高いゲタがなくなったということです。
もともと日本は内需の大きい国であり、それほど外需の比率は高くありませんでしたが、有
利な為替相場を使って外需によって猛烈に儲けることができていました。しかし、プラザ合
意でゲタを脱ぐことになったので、もう外需で大儲けをすることはできなくなりました。

それに合わせて内需で儲ける経済構造に変えざるをえなくなります。それで、前川レポート
で「外需で儲けられなくなったから、内需を頑張りましょう。為替を自由化したから、他の
分野もそれに合わせた対応をしていきましょう」という提言が出されたのです。
意味合いとしてはそれだけのことですから、実際には前川レポートは大した役割を果たして
いません。それでも、時の中曽根首相はこの内容をレーガンに伝え、レーガンもこの報告を
評価したといわれます。
しかし、考えてみれば、この提言もある意味では、「どこか恣意的で無理のある歪んだ経済
運営」だといえます。レポートをまとめて「内需拡大をする」と国際的に訴えるのはいいと
して、では日本政府として、どうやってそれを実現するというのでしょう。結局、日本は「
口ばかりる気がない」などと、さらに批判されることになりました。

第8節 「貿易の自由化」のために「金融の自由化」が必要になった

ところで、前川レポートには「金融の自由化・国際化」もうたわれています(前述の4)。
稀に、「金融自由化や規制緩和、市場開放政策によって、ハゲタカのような外国資本が日本
市場に進出しやすくなり、日本経済が食い荒らされた」などという陰謀詰めいた
ことをいう
人がいますので、一応、ここで金融自由化の背景と実際を説明しておきましょう。

「金融自由化」は、「貿易の自由化」と切っても切れないものです。日本では貿易の自由化
はかなり早い時期に進みました。1964年の東京オリンピッ
クのころには貿易自由化率は
90%を超えています。
実物経済の裏側には金融がありますので、金融の自由化も進めていかないと、貿易はうまく
回らなくなります。
多くの場合、金融経済は実物経済に遅れてあとからついていく形になり
ます。金融経
済の改革のほうが政策としては実行しにくいので遅れがちになるのです。アメ
リカやイギリスが金融自由化を進めたのも、貿易自由化からかなり経ってからのことです。

「国際金融のトリレンマ」のところでも述べましたが、資本主義国にとっては「資本移動の
自由」は必
須の命題です。

資本移動の自由とは、資本を各国で融通するという話です。資本がどこかの国に偏在してし
まうと、
実物経済の貿易の自由化を担保できなくなります。貿易の自由化を進めるには、資
本移動の自由
が不可欠です。
資本移動の自由を推進していくうえでは、各国の金融市場の自由化が必要になります。各国
の国内
金融市場が自由化されていないのに、他国と自由な資本の融通をできるはずかおりま
せん,
つまり、経済の流れとしては、貿易の自由化が進み、それを支えるための資本移動の
自由化をいっ
そう進めなければいけなくなり、各国が金融市場を自由化する必要に追られる
ということです。
それゆえ各国とも1980年代、1990年代に金融自由化を進めていき
ました。

第9節 「金融ビッグバどは小さなことを役人が大げさにいっていただけ

日本では1996年から2001年にかけて金融制度改革が行われました。世にいう 「金
融ビッグバン」
です。このとき、金融自由化と称して、銀行と証券の「壁」をなくして相互
参入できるようにしていきま
したが、実際には、日本には「壁」などというものは存在して
いませんでした。

なぜなら、「銀行は銀行、証券は証券」という建前はありましたが、昔から銀行は銀行系証
券を持っ
ていたからです。私は、1990年代に大蔵省証券局にいて、銀行系証券も担当し
ていましたので、そ
の実態を知っていました。

当時の旧社名になりますが、新日本証券と和光証券は日本興業銀行の系列、日本勧業角丸証
券は第一勧業銀行の系列、菱光証券は三菱銀行の系列でした。
銀行の持ち株規制がありまし
たので、実態は銀行の子会社ですが、表面的には子会社
に見えないようになっていました。
銀行は証券子会社の株式を直接保有してはいません
が、迂回して保有していました。
また、銀行から銀行系証券に天下っている人がたくさんいました。出向という形にするとよく
ないので、退職した形にしてから入るなど、かなり気を追っていました。

しかし、名前を見れば想像はつくはずです。日本勧業角丸証券には「勧業」の文字が入って
いますし、菱光証券には三菱の「菱」の文字が入っています。薄々わかっている
のですが、
お互い、その点には触れないようにしていました。
私は担当者でしたので、各銀行系証券の
役員の経歴もわかっていました。表の経歴に
は出ていませんでしたが、過去に親銀行で勤め
ていた人がたくさんいました。

それでも、銀行の人は証券参入を認めてほしいと思っていたようです。銀行の人が 「証券
業務をやりたいんです」といってきたときに、「もう、やってるじやないです
か」というと
「いや、あれを正々堂々とやりたいんです」といっていました。

大蔵省証券局の幹部の中には、銀行の証券参入という「金融自由化」を本気で心配している
人もいました。そこで、私は実態調査をして証券局の幹部に伝えました。そうすると、「あ
あ、そうだったのか。もう参入しているのか」と懸念が払拭されたようでした。銀行系証券
の実態について行政内部で共通認識を持ちました。

銀行の証券参入は単なる看板の掛け替えにすぎないことがわかっていましたので、私が証券
局を龍れたあとのことですが、銀行の証券参入が認められることになりました。もちろん、
外向けには行政がものすごいことをやったかのように宣伝し、マスコミは 「金融ビッグバン
」とか「銀行・証券の相互参入」と大々的に書き立てました。しかし、実際にはずっと前か
らやっていることなので、大した話ではなかったのです。迂回して持っていた株をダイレク
トに持てるようになったというだけです。あとは看板の書き換えです。たとえば、「菱光証券
」は「東京三菱パーソナル証券」と看板を書き換えて、堂々と銀行系列を名乗れるようにな
りました。

業界内部ではビジネスのやり方が多少変わるということはあったでしょう。銀行が傘下の証
券会社を堂々と紹介できるようになった面はあると思います。しかし、「金融ビッグバン」と
称するほどのことは何もなく、マクロ経済にはまったく影響のないものでした。
大した変更ではないとわかっているのに、一応、大手証券の人は反対しました。「銀行の証
券参入が認められたら、我々にとって死活問題だ」と人げさにいってくれたので、マスコミ
が錯覚して大々的に取り上げてくれました。役所が「改革」という言葉を使うときは、ほと
んどの場合は実質的には何も変えていません。大げさに宣伝して、やったふりをしているだ
けです。

そもそも、本当にドラスティックな改革をするのであれば、抵抗が強くて大騒ぎになります。
仮にやるにしても、実現までには相当な時間がかかります。無理にやろうとすれば、不測の
事態が起こったり、思わぬトラブルが生じたりしかねません。そうなると困るので、あまり
変化が起こらないようにやることがよくあります。何年か経つと「何も変わっていないじや
ないか」と批判を受けますが、それはそうでしょう。初めから何も大きく変わらないように
やっているのですから。

役所のいう「改革」とは、10%くらい変えて、90%は変えないものと思っておいて、ちょう
どいいくらいでしょう。役所はマスコミには、50%以上変えるかのように大げさに伝えます
ので、すごいことが起こるように思えるかもしれませんが、ダマされてはいけません。

                                   この項つづく
 

 No.188

【蓄電池事業篇:最新全固体型蓄電池製造技術

❑ 特開 2018-055898 全固体電池  

【概説】 

電池自動車等に用いられる二次電池の形状として、捲回円筒型、捲回角型、積層型等があげ
られ
る。例えば、集電体、並びに上記集電体の一方の表面に形成され正極活物質を含有する
正極活物質層、および集電体の他方の表面に形成され負極活物質を含有する負極活物質層か
らなる電極活物質層を有すバイポーラ電極と、固体電解質を含有する固体電解質層とで構成
し、この層を介し複数のバイポーラ電極を積層するバイポーラ全固体電池は、電極活物質層
が集電体の端部の内側に形成、電極活物質層の端部と集電体表面との間には集電体表面上に
形成した補強層が配置の特徴をもつバイポーラ全固体電池が開示されている。また、別の例
特許事例には、正極及び負極、並びに、正極及び負極の間に配置構成の固体電解質層の電極
体と、隣接する電極体を電気的に直列に接続する直列集電体と、隣接する電極体を電気的に
並列に接続する並列集電体と、を備える積層体を具備し、少なくとも正極、負極、及び固体
電解質層の端面に、絶縁材が配置されているが、この前者の
全固体電池事例では、強層
は、集電板の端部でコの字に形成されているため、固体電解質層中に導電性の液体が含まれ
ている場合、その液体が積層体の端部に染み出す際の短絡を防止が難しい。また、後者の
縁材層
では、並列集電体3が正極端子用集電体6や負極端子用集電体7に接続される箇所を
除く、積層体4の側面配置のため、固体電解質層中に導電性の液体が含まれている場合、同
様に、その液体が積層体の端部に染み出す際の短絡を防止することが難しい。つまり、下図
3のように、常温溶融塩を含む電解質および電極を有する電極体で積層構成、電気的な並列
接続が形成する電池ユニットを複数有し、  積層方向において、ユニットの端部には集
電体を形成、積層方向で、電池ユニットが直列に接続され、積層方向で、電池ユニットの間
に隔離集電箔が配置され、  面内方向で、隔離集電箔の端部に絶縁枠体を配置し、面内方向
で絶縁枠体が集電板の外周を覆う構造で全固体電池の短絡が防止を実現する

  特開2018-055898

❑ 特開2018-055952 非水電解質二次電池、および負極ユニット  

【概説】 

環境への負荷が少ない非水電解質二次電池携帯機器だけでなくハイブリッド自動車、電気
自動車などにも利用される
自動車用二次電池にはリチウムイオン電池が多く用いられている。
リチウムイオン電池は、充放電サイクルやコスト面の観点から黒鉛等の炭素材料を使用する
ことがよく行なわれている。しかしながら、黒鉛などの炭素材料を用いた負極活物質ではリ
チウムイオンの黒鉛結晶中への吸蔵・放出により充放電がなされるため、最大リチウム導入
化合物であるLiCから得られる理論容量以上の充放電容量が得られない。これに対し
極活物質にLiと合金化する材料を用いた電池は、従来の黒鉛などの炭素材料を用いた電池
と比較してエネルギー密度が向上するため、車両用途における負極活物質の材料として期待
されている。例えば、従来から存在する負極は、SiなどのLiイオンを吸蔵・放出する粒
子と黒鉛材料を含有する炭素粒子とで構成される。

このように、Si系負極活物質と炭素材料との混合物を負極活物質として用いた非水電解質
二次電池用負極について研究を進めると、場合によっては非水電解質二次電池のサイクル耐
久性が低下してしまうことを突き止める。耐久性を向上させうる手段として、負極活物質層
の最大圧縮歪みを大きくするような黒鉛系負極活物質を用いて負極を構成することで、非水
電解質二次電池のサイクル耐久性を飛躍的に向上させることが可能となることを見出したも
のの。黒鉛系負極活物質を用いて負極を構成すると、優れたサイクル耐久性が得られる一方
で、レート特性が大幅に低下することを発見。このように、Si系負極活物質と炭素材料と
の混合物を負極活物質として用いた非水電解質二次電池用負極において、レート特性の低下
を抑制しつつ、サイクル耐久性を向上させうる手段――下図3のように、非水電解質二次
100は第1の黒鉛系負極活物質を含む負極30aと、第2の黒鉛系負極活物質を含む負
極30bと、を有する。第1の黒鉛系負極活物質は、負極30aの負極活物質と同じ組成を
有する厚み66μmの活物質層が厚み10μmの銅箔で挟持されてなる積層体に両側から
1.0MPaのまでの圧縮力を印加した際の最大圧縮歪みが15%よりも大きくなる黒鉛系
負極活物質である。第2の黒鉛系負極活物質は、ラマンスペクトルにおける第1周波数バン
ドDと第2周波数バンドGのピーク強度の比であるD/G比が0.2より大きい。

【特許請求の範囲】

  1. 正極集電体の表面に正極活物質層が形成されてなる正極および負極集電体の表面に負
    極活物質層が形成されてなる負極を、電解質層を介して積層した単電池層を積層して
    なる発電要素を有し、

      前記負極活物質層は、下記式(1):
        α(Si系材料)+β(炭素材料)    (1)
    (式中、炭素材料は、黒鉛系活物質を含み、αおよびβは前記負極活物質層における
    各成分の質量%を表し、80≦α+β≦98、0.1≦α≦40、58≦β≦97.9
    である。)で表される負極活物質を含有し、
    前記発電要素に含まれる複数の前記負極
    は、第1の黒鉛系負極活物質を含む第1負極と、第2の黒鉛系負極活物質を含む第2
    負極と、を有し、
    前記第1の黒鉛系負極活物質は、前記第1負極の負極活物質と同じ
    組成を有する厚み66μmの活物質層が厚み10μmの銅箔で挟持されてなる積層体
    に両側から1.0MPaまでの圧縮力を印加した際の最大圧縮歪みが15%よりも大
    きくなる黒鉛系負極活物質であり、
    前記第2の黒鉛系負極活物質は、ラマンスペクト
    ルにおける第1周波数バンドDと第2周波数バンドGとのピーク強度の比であるD/
    G比が0.2よりも大きい、非水電解質二次電池。
  2. 前記第1の黒鉛系負極活物質が人造黒鉛であり、前記第2の黒鉛系負極活物質が天然
    黒鉛である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記第1負極は前記第1の黒鉛系負極活物質を含み前記第2の黒鉛系負極活物質を含
    まず、かつ、前記第2負極は前記第2の黒鉛系負極活物質を含み前記第1の黒鉛系負
    極活物質を含まない、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記第1負極は、前記単電池層の積層方向において中央部に配置される、請求項3に
    記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記第1負極および前記第2負極は、複数の前記単電池層において交互に配置される
    請求項3に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記第1負極は、前記単電池層の積層方向において少なくとも一方の端部に配置され
    る、請求項3に記載の非水電解質二次電池。
  7. 少なくとも一つの前記負極は、前記第1の黒鉛系負極活物質と前記第2の黒鉛系負極
    活物質とを混合状態で含む、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  8.  少なくとも一つの前記負極は、前記第1の黒鉛系負極活物質と前記第2の黒鉛系負極
    活物質とを積層状態で含む、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  9. 定格容量に対する電池体積(電池外装体まで含めた電池の投影面積と電池の厚みとの
    積)の比の値が10cm3/Ah以下であり、定格容量が3Ah以上である請求項1
    ~8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池に用いられる複数の前記負
    極からなる負極ユニットであって、前記第1負極および前記第2負極を含む、負極ユ
    ニット。  

全固体型二次電池の技術革新もすさまじい勢いで進んできているようにみえる。今夜記載考
察できなかったこともあり残件扱いとする。
   
                                この項つづく

 

【風力発電事業篇:スコトランド海洋で世界最強風力タービン設置】

4月10日、欧州海洋風力発電センタ(EOWDC)のバッテンフォールは、8.8メガワット
級世界最強の風力タービン1基をスコットランドのアバディーン海洋風力発電所へ設置完了
(計画11基)したことを公表。バタンフォール社によると、8基の8.4MWモデルを9基
搭載と並行して2基のアップグレードタービンを加えEOWDCの発電能力は93.2MWとなり、
アバディーンの需要の70%超を達成、年間134,128トンの二酸化炭素を削減できるだ
けでなく、2030年までに
英国、スコットランド両国の数千人の雇用を創出し、スコット
ランドの製エネ需要の50%の供給を実現する。


 European Offshore Wind Deployment Centre - Vattenfall

【バイオ燃料事業:キノコ廃棄物からバイオ燃料】



食油や菜の花からバイオ燃料、あるいは特殊な藻からも燃料化できることも周知のこと。さ
らに遺伝
子を改変してバイオ燃料できることも。もっとも後者は環境紊乱リスクをともなう。
この間亡くなった宇宙物理学者ホーキンス博士も懸念していた。さて今日届いた新聞では、、
シンガポール国立大学の研究グループがキノコの廃棄物
から単離されたThermoanaerobacterium thermosaccharolyticum (TG57)という自然発生細菌が、セルロース(植物由来物質)をバイオ
ブタノールに直接変換できることを突き止めている。この発見は、現在
まで、バイオブタノ
ールの商業生産は、セルロース系バイオマスをバイオ燃料に変換する能力のある微生物の欠
如によって妨げられてきたが、
その重要性に加えて、TG57株の発酵プロセスは単純であり、
微生物の複雑な前処理または遺伝子改変は必要とされないというもの。これは注目に値する。



 Science Advances  23 Mar 2018:Vol. 4, no. 3, e1701475 DOI: 10.1126/sciadv.1701475

 

 

  ● 今夜の一曲

『豆桜』 (2016.12.14)作詞:喜多條忠/作曲:岡千秋/編曲:蔦将

城之内 早苗(じょうのうち さなえ、1968年5月17日 - ):歌手、タレント、女優。
本名、木村 早苗(きむら さなえ)旧姓、城之内。おニャン子クラブ時代の愛称は、
お城(おじょう)。

富士のふもとに咲<花は
うす紅化粧の豆桜
富士がきれいに見られるように
背丈かがめた富士桜

わたしあなたの腕の中
あなたの夢をじゃませぬように
ちょっとかがんでついてゆ<

白い湯煙見上げてる
箱根桜も豆桜
谷の深さも苦労の山も
覚悟承知の恋だから
わたしあなたの腕の中

二人の夢を叶えるまでは
耐えて咲きます豆桜
わたしあなたの腕の中
あなたの夢をじゃませぬように
ちょっとかがんでついてゆ<

  

コメント

歴史は三度繰り返すか。

2018年04月10日 | 政策論

      
                                     

 九 変

表があれば浦がある。陽があれば陰がある。その変化と発展の法則を見きわめることが勝利
への第一歩であろ。

「敵の来たらざるを恃(たの)むことなく、われのもって待つあるを恃む」

智者が方策を練る場合は、必ずアメとムチを使い分ける。アメで誘えばらくらくと目的を達
することができ、ムチを与えておけば、災いを未然に防ぐことができる。敵国を屈伏させよ
うとする場合にはムチを加え、疲れさせようとする場合は次々と事をおこして奔
走させ、味
方につけようとする場合にはアメで誘う。つまり戦争に際しては、常にこちらの意のままに
敵を勁かすことが感荷である。戦争においては、敵が来ないであろうことを特みにするので
はなく、敵が来られないような、わが備えを恃みとすることである。敵が攻めないであろう
ことを恃みとするのではなく、敵に攻める隙を与えないような、わが備えを特みとすること
である。

※ここでは、「願望」と「備え」の「notA or B」の「不戦」「非戦」を能動的に行う第
三(オルタナ)の選択(日本国平和憲法)を備忘しておく。

【下の句×樹木トレッキング 27:マメザクララ】


蚕豆のはたけの花の久しきに散りかかりたりさくらの花は  若山牧水


※「蚕豆」の読みは「そらまめ(=空豆)」

マメザクラ(豆桜:Cerasus incisa (Thunb.) Loisel.)はバラ科、サクラ属の植物。桜の野生種
の一つ富士山近辺やその山麓、箱根近辺等に自生しており、フジザクラやハコネザクラとも
言う。マメ(豆)の名が表すように、この種は樹高が大きくならず、花も小さい。富士や箱根
を中心に本州の中部、中央地溝帯近くに分布している。伊豆半島の温帯から亜高山帯まで様
々なところに分布している。この地形になじむように自らを変化させていったと考えられて
いる。
花の時期は3月下旬から5月上旬で、花弁は五枚一重で色は白から薄紅色。花は1cm
から2cmと小ぶり。他種と違い花を下に向けて開せる。
樹木としてはさして大きくならず、
大きいものでも10m程度であり、樹高1m程でも花をつけるようになる。この特徴は栄養や気
候から生育の難しく大きく成長できない亜高山帯でも子孫を残せるように変化したものだと
考えられる。このため、亜高山気候の場所でも育ち、一般的な桜より寒さに耐える。木の肌
は薄い灰色。細い枝を長く伸ばす。
葉は広い楕円形で葉の端の鋸上の部分は切込みが深い(
欠刻状重鋸葉)。実は赤黒く熟する。
大きく育たなくとも花を咲かせる特徴があるため、庭
木や盆栽としても非常に有用といえる。寒さに非常に強く、-20℃にも耐える

 

   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   

第4章 プラザ合意は、日本を貶める罠だったのか?

第6節 冷戦で西側が勝利したのは、経済パフォーマンスの差

1985年にゴルバチョフがソ連共産党書記長となり、ペレストロイカ(政治・経済の立て
直し改革)を推進しますが、1989九年にはポ-ランド、ハンガリー、チェコスロバキア
などで共産党体制が崩壊,1989年ドイツ国民らもハンガリーなどから一斉に国境を越え
て西ドイツに脱出するようになり、1989年11月には東西ドイツを分断していた「ベル
リンの壁」が崩されることになります。そして同年12月、マルタ島でゴルバチョフ書記長
とアメリカのブッシュ大統領が会談し、第二次世界大戦以降、国際社会に大きな影響を与え
てきた東西冷戦が終結しました。

冷戦が西側の勝利に終わったのは経済パフォーマンスの差であった、といってもいいと思い
ます。資本主義国のほうが社会主義国よりも経済パフォーマンスが良かったために勝利した
のです。もし、資本主義国の経済パフォーマンスが悪く、失業者を増やしていたら資本主義
国が勝ったかどうかはわかりません。資本主義が積極的に勝ったというより、共産主義の経
済運営よりは効率が良く、失業者の増加も少なく抑えることができたため、負けずにすんだ
というのが実態でしょう。

資本主義は問題の多い制度ですから、運営がまずいと恐慌になってしまう可能性があります
。しかし、社会主義より修正が利きやすいので、うまく運営すれば社会主義より経済パフォ
ーマンスが良くなります。資本主義は100点ではないけれども、落第点ではないレベル
す。社会主義と資本主義の違いは「ミクロ経済学の領域」への政府の介入の度合いの差です。。
官僚がミクロに介入して賢く運営しようとするのが社会主義です。一方、官僚はマクロのこ
とだけをやり、ミクロのことは分権化して市場に任せるのが資本主義です。

官僚が細かいことまで賢く運営するのは極めて困難です。どんなにスーパーマンのような官
僚でも、末端の取引のことまで全部わかるはずがありません。データを集めるだけでも大変
で、それだけで頭が痛くなってしまうような世界です。官僚がミクロのことまで全部取り仕
切ることはできないと考えて、分権して市場に任せるのが資本主義です。私はもともと理系
の人間なので、理科の法則で物事を考えます。社会主義がうまくいかないことは、物理の発
想で直感的にわかっていました。

物理学には、分子の1つひとつの動きをすべて運動方程式で記述できれば、世の中の物事が
完璧にわかるという「ラプラスの悪魔」という命題があります。頭の中で考えると実現可能
であるかのように思えます。しかし、現実には計算することが多すぎて、その命題を解くこ
とは実行不可能であることが証明されています,どんなに高速のスーパーコンピュータを使
っても時間がかかりすぎて計算できないのです。

----------------------------------------------------------------------------------
脚注:ラプラスの悪魔】

  


20世紀に入って量子力学が登場したことから、「世界に存在する全ての原子の位置と運
動量を知ることができない」という形でラプラスの悪魔の論争は落ち着く。「世界に存在す
る全ての原子の位置と運動量を知ることができない」ということが、原理であるということ
が信じられるようになるまで、物理学者たちはラプラスの悪魔に悩まされる。

ラプラスの確率については、本書のほかに「世界の名著」第65巻(中央公論社)、および
『ラプラス確率論』(共立出版)がある。やや詳しく知りたい確率論の入門書ならゴマン
とあるが、おもしろい本としてたとえば、安藤洋美『最小二乗法の歴史』(現代数学社)、
内井惣七『シャーロック・ホームズの推理学』(講談社現代新書)、ジョン・パウロス『確
率で言えば』(青土社)、石井博昭・森田浩・斎藤誠慈『不確実・不確定性の数理』(大阪
大学出版会)などはどうか。ちなみに「ラプラスの魔」という言葉は1928年のデュ・ボア・
レーモンの『自然認識の限界について』(岩波文庫)のなかでネーミングされた。 



----------------------------------------------------------------------------------

☈また、物理学には「二体問題」というものもあります。2つの問題はうまく解くことがで
きるのですが、3つ、4つと増えるにつれて計算がものすごく大変になり、三体問題、多体
問題は特別なケースを除いて解けないことがわかっています。

物理学では、すべてのことについての計算はできないので、全体のざっくりした法則を研究
対象とするようになりました。そのような物理学の法則を知っていましたので、経済学を最
初に習ったときに「社会主義はうまくいかないだろう」と感じました。左派経済学者の人た
ちは、物理学の法則はあまりご存知ないでしょうから、社会主義が可能であると思ったので
しょう。社会主義体制下で官僚がやるべきことは10個や20個のレベルではありません。価格
設定から、資源分配、技術開発など膨大な処理事項を、一部の官僚たちだけの力で、うまく
関連づけながら「最適」な形に持っていくことなど、到底不可能です,人知の計算能力をは
るかに超えています。

社会主義は、官僚に無限の計算能力があると仮定しなければ、成立しないシステムです。資
本主義には問題が多いとしても、ミクロのことは分権化して市場に任せたほうが効率的なの
です。日本が経済成長できたのは、社会主義より相対的にパフォーマンスの良い資本主義シ
ステムを選択したからです。また、通産官僚などが業界指導したように見せながら、実際に
は民間企業が自由にやってきたからです。

二体問題(Two-body problem)は、古典力学において互いに相互作用を及ぼす2つの点の
動きを扱う問題と定義できる。身近な例としては、惑星の周りを回る衛星、恒星の周りを回
る惑星、共通重心の周りを回る連星や、原子核の周りを回る古典的な電子などである。
全て
の二体問題は、独立した一体問題に帰着させて解くことができる。しかし、三体問題やそれ
以上の多体問題は、特別な場合を除いて解くことはできない。

                                   

第7節 「前川レポート」はただ状況の変化をなぞっただけのもの

ところで、東西冷戦が終焉に向かう時代の流れは、日本に思わぬ余波をもたらすことになり
ます。アメリカ国内で、「ソ連が崩壊したあとの最大の脅威は経済大国・日本
だ」という声
が廊府として湧き上がってきたのです。それだけ、日米の経済摩擦は厳し
いものとなってい
ました。


そうなってしまった原因の1つとして、もちろん、本章で見たようなレーガノミクス
の問題
もあります。しかし何より、日本が「ダーティ・フロート」で為替レートのゲタ
を履き続け
て、アメリカに対して圧倒的に有利な条件で競争を続けてきたことが、不必
要なまでの反発
を招いてしまったとも考えられるでしょう。やはり、どこか恣意的で無
理のある歪んだ経済
運営は、様々な問題を引き起こしてしまうのです。
日本からすれば「ダーティ・フロート」
は、「1ドル=360円」という幸福な時代
からの移行期のものだったとはいえます。しか
し、結果的にはそれが、アメリカをはじ
めとする諸外国のフラストレーションを高めてしま
うことになったのです,

プラザ合意翌年の1986年には、中曽根康弘政権の私的諮問機関である「国際協調のため
の経済構造調整委員会」(座長・前川春雄日銀総裁)が、報告書を発表します。
世にいう「
前川レポート」です。その内容は以下のようなものでした。

1.内需拡大
2.国際的に調和のとれた産業構造への転換
3.市場アクセスの一層の改善と製品輸入の促進等
4.国際通貨価値の安定化と金融の自由化・国際化
5.国際協力の推進と国際的地位にふさわしい世界経済への貢献
6.財政・金融政策の進め方

細かい内容を省いて簡単にいえば、内需拡大のための政策提言がされたと見ればいいでしょ
う。前年の1985年にプラザ合意かおり、為替が完全に自由化され、政府の介入はほぼな
くなりま
した。言い方を変えると、輸出企業が履いていた高いゲタがなくなったということ
です。もともと日本
は内需の大きい国であり、それほど外需の比率は高くありませんでした
が、有利な為替相場を使っ
て外需によって猛烈に儲けることができていました。しかし、プ
ラザ合意でゲタを脱ぐことになったの
で、もう外需で大儲けをすることはできなくなりまし
た。それに合わせて内需で儲ける経済構造に変
えざるをえなくなります。それで、前川レポ
ートで「外需で儲けられなくなったから、内需を頑張りまし
ょう。為替を自由化したから、
他の分野もそれに合わせた対応をしていきましょう」という提言が出され
たのです。

意味合いとしてはそれだけのことですから、実際には前川レポートは大した役割を果たして
いません
それでも、時の中曽根首相はこの内容をレーガンに伝え、レーガンもこの報告を評
価したといわれ
ます。しかし、考えてみれば、この提言もある意味では、「どこか恣意的で
無理のある歪ん
だ経済運営」だといえます。レポートをまとめて「内需拡大をする」と国際
的に訴える
のはいいとして、では日本政府として、どうやってそれを実現するというのでし
ょうか。
結局、日本は「口ばかりでやる気がない」などと、さらに批判されることになりま
す。
                                  この項つづく

 No.187

【量子ドット工学講座 No.53:最新量子ドット技術

 

● 新ペロブスカイト太陽電池有機・無機ハイブリッド正孔輸送材料技術

4月9日、東京大学らの研究グループは、高活性有機低分子と安定性に優れる無機塩部分を
併せ持つ正孔輸送材料「BDPSO」を開発たことを公表。次世代太陽電池の旗頭であるペ
ロブスカイト太陽電池の難点である安定性を大幅に向上させたという。これにより、高活性
有機低分子と安定性に優れる無機塩部分を併せ持つ正孔輸送材料「BDPSO」を開発し、
次世代太陽電池の旗頭であるペロブスカイト太陽電池の難点である安定性を大幅に向上させ
従来の酸性の「PEDOT:PSS」とは異なり、「BDPSO」は中性で非吸湿性なので、
隣り合う光吸収層や電極の腐蝕を抑制し、製造条件下および発電条件下での素子の寿命を大
幅に伸ばし、新型正孔輸送材料は塗布型太陽電池の生産効率を上げると同時に製品の安定性
も向上させるので、フレキシブル塗布型太陽電池の実用化が大幅に早まるものと期待する。

【概説】

光活性な鉛ペロブスカイト結晶(光活性層)に光を当てて励起状態を作り、そこから生じる
「電子」と
「正孔」をそれぞれアノードとカソードに「取り出し」、外部の回路につなげて
電流を取り出す。「取り出
し」は自然には起きないので、光活性層の上下に電子と正孔に親
和性の高い材料を接合させて無理
矢理取り出す必要がある。フラーレン(C60)を始めとして電子
輸送材料には良いものが多く知られているが、正孔輸送材料の選択肢は少ない。「PEDOT:PSS」
が高性能で広く使われてきたが、強酸性・吸湿性のために、活性層や電極など素子のいろいろな部
分を損なうので、素子の寿命が著しく短くなる。これがペロブスカイト太陽電池の問題とされてきた。
また、下左図1は、forwardは昇圧時、reverseは降圧時に得られた電流-電圧曲線を示す。今回
作製したペロブスカイト太陽電池は、電圧掃引(昇圧/降圧)方向によって電流-電圧曲線にずれ
が生じず、良好な動作特性を持つことが分かった(下左図)。

上左図3(1)「BDPSO」、(2)「PEDOT:PSS」を正孔輸送層に用いた太陽
電池(封止無)を空気中(湿度40-50%)で保管した場合の安定性試験(3)「BDP
SO」を正孔輸送層に用いた太陽電池(封止後UVカット有)の35℃連続太陽光照射下で
の安定性試験。




上図(図4 2段階の「BDPSO」合成経路)は、「BDPSO」は、市販の安価な有機
物から最短2段階で合成
でき、かつ再結晶で容易に精製できることから、低コスト正孔輸送材
料として期待できる。写真は空気中での「
BDPSO」。これで、ペロブスカイト系太陽電
池は実用化の最終段階に入る。


 図1 スピン偏極ヘリウム(He)原子ビームによるスピン検出の原理

●磁性絶縁体を用いてグラフェンのスピンの向きを制御:スピントランジスタの実現前進


4月4日、量子科学技術研究開発機構らの研究グループは、回路を用いたスピントランジス
の実現にかかせない電子スピンの向きを制御する新技術に成功しまことを公表。今日のエ
レクトロニクスが抱える性能向上の限界や電力消費の問題解決に繋がるスピントロニクス)
の発展に向けて道を拓く。これによると、スピントロニクスが次世代情報技術の発展には、
演算デバイスの中で中心的な役割を担うスピントランジスタの実現が鍵になる。グラフェン
は、スピンの向きを長距離に保持できる導線の材料としてスピントランジスタへの応用が注
目されている。グラフェンをスピントランジスタに用いることで、演算デバイスへの応用に
適した高速でエネルギー消費の少ないスピントランジスタの実現が期待されています。しか
し、グラフェン回路でスピントランジスタを構成するためには、グラフェンの中を流れる電
子のスピンの向きを偏らせる技術の開発が鍵となっていました。今回、同チームでは、電流
が流れない磁性絶縁体でグラフェンの中のスピンの向きを制御する新技術の開発に成功。本
成果により、情報機器による電力消費の著しい削減や充電の必要がない携帯端末など生活を
豊かにする情報通信機器の実現が期待されている。

【概説】


上図1は、スピン偏極He原子のビームをグラフェンに照射すると、He原子はグラフェンの表
面でHe原子が持つ電子のスピン(図では上向き)と反対向きのスピン(図では下向き)を持つグ
ラフェンの電子を検出して信号を発します。本研究では、YIGのスピンの向きに対してHe原
子のスピンの向きを変えながら、He原子から発せられる信号を観測することで、グラフェン
の電子の状態やYIGのスピンとの相対
的な方位を明らかにする。通常の金属や半導体などで
は、材料が持つ磁性や材料を流れる電子が感じる磁
場(スピン軌道相互作用)を利用して電
子のスピンの向きを制御することができます。しかし、グラフェンは磁
性を持たずスピン軌
道相互作用も極めて弱いため、グラフェンそのものの性質を使ってスピンを操作するこ
とは
困難。そこで、研究チームでは、電流が流れない絶縁体の性質を持つ磁性体をグラフェン
と貼り合わ
せることで、磁性絶縁体からの作用によってグラフェンを流れる電子のスピンの
向きを制御できないかと考え
る。そこで、絶縁体の性質を持つ磁性体として磁気デバイスやスピ
ントロニクスの分野で広く用いられるイットリウム鉄ガーネット(YIG)に着目。高品質なYIGの薄膜
をグラフェンと原子レベルで接触するよう貼り合わせた接
合を作製し、量子ビームの一種で
あるスピン偏極ヘリウムビームを用いて、グラフェンとYIGの接合に含まれ
るグラフェンの電
子のスピンを観測。


グラフェンは厚さが一原子しかないため、グラフェンを異なる材料と接合した試料の観測を
行う場合、X線や紫外線を用いる一般的なスピンの観測技術ではX線や紫外線がグラフェン
の下地(今回の場合には、YIGにまで透過してしまい、グラフェンのスピンを高感度に検出
することができない(下図2)。これに対して、スピン偏極ヘリウムは物質の最表面で散乱さ
れ下地には透過しないので、接合の表面にあるグラフェンのスピンだけを選択的に検出す
ることができる。



図2 スピン偏極ヘリウム(He)ビームとX線, 紫外線の検出領域

スピン偏極He原子はグラフェンの表面で散乱されるため、厚さが一原子しかないグラフェン
のスピンを選択的に検出することができる。一方、X線や紫外線グラフェンの下地まで透過
し、深さが数原子以上までの領域を同時に検出。

グラフェンの中の電子の状態を示す信号強度(上図)とスピンの向きを示すスピン非対称率
(下図3)の測定結果を示します。各図の横軸は、グラフェンの電子が持つエネルギーを示
しています。今回、YIGのスピンの向きを一方向に揃えた状態で測定を行うと、緑枠内のエ
ネルギーを持つ電子に正のスピン非対称率が観測されました。グラフェンには様々なエネル
ギーを持つ電子が存在しますが、上図の曲線の形状から、枠内の電子は、グラフェンの中を
高速に流れることができるディラックコーンと呼ばれる状態の電子であることが分かる。



図3 グラフェンとYIGの接合について観測されたグラフェンの電子の状態を示す信号強度と
スピンの向きの偏りを示すスピン非対称率




さらに、下図のスピン非対称率の符号から、それらグラフェンのディラックコーンのスピン
の向きがYIGのスピンの向きと同方向に揃っていることが分かりました。(下図4)。本研究か
ら、グラフェンのスピンはYIGのスピンと相互作用しており、YIGのスピンの向きに応じてグ
ラフェンのスピンの向きを自在に操作できることが明らかになる。さらに、実験結果を理論
的に解析した結果、グラフェンとYIGの接合では、界面の付近でYIGの性質が変化してグラフ
ェンの中を移動する電子のスピンに働く磁場(スピン軌道相互作用)が強められている可能
性も明らかになる。

図4  グラフェンとYIGの接合における電子スピン間の相互
作用を示す概念図

実験結果を解析した結果、グラフェンとYIGの接合では、両者が原子レベルで近接すること
で、界面(点線で囲んだ領域)にある酸素原子を介してグラフェンとYIGの電子のスピンの
間に互いの向きを揃えるような相互作用が働いていることが分かる。このようなグラフェン
と磁性絶縁体の接合における近接効果は、スピントランジスタの新しい動作技術として利用
できる。



● 商用化始まる“アナログ量子コンピューター”役に立つのはどれか

デジタル、つまり論理演算が可能な本物の量子コンピューターの実現ははるか先。一方で、
アナログ計算限定の“量子コンピューター”の商用化は既に始まっている。競合するのは本
物につながる技術を用いた量子ゲート型と、物理学の模型に基づくイジングマシン型の2つ
に大別でき、イジングマシン型が商用化で一歩リードしているが、既存のスーパーコンピュ
ーターを超える有用性を多くの問題で示すには量子ビットが数百万~1億個必要とも考えら
れており、実現は早くて20~30年先と予測されている。

                              この項つづく

● 今夜の寸評:歴史は三度繰り返すか

米国の保護主義化、ロシア・中国の武力覇権にともなうネオ冷戦構造進行、英米流金融資本
主義のもたらした貧富・格差の拡大と地球規模の環境破壊が同時進行する。

こんな夜は、ポール・アンカの「マイ・ウェイ」を聴き眠りにつこう。

 ● 今夜の一曲


 

コメント

風ある日なり山さくら花

2018年04月09日 | 時事書評

      
                                     

 九 変

表があれば浦がある。陽があれば陰がある。その変化と発展の法則を見きわめることが勝利
への第一歩であろ。

完全包囲はするな

攻撃にさいし、避けるべき9つの原則がある。

1、高地に陣どった敵を正面攻撃してはならぬ
2、丘を背にした敵を正面攻撃してはならぬ
3、わざと逃げる敵を深追いしてはならぬ
4、精鋭な敵をまともに攻めてはならぬ
5、おとりの敵兵にとびついてはならぬ
6、帰心にかられている敵をかりにおしとどめてはならぬ
7.
敵を包囲するには、どこかに逃げ口をあけておくべきで、決して完全包囲してはならぬ
8、窮地におちいった敵にうかうか近づいてはならぬ
9、本国から隔絶した敵地に長くとどまっていてはならぬ

勝利を全うするためには、5つの法則がある。

1、道には通ってならぬ危険な道もある
2、敵とみたら何でも攻撃すればよいというものではない。攻めては大局的に不利をまねく
こともある。
3、敵城を攻めるのにも同様である。
4、土地を争うにも同様、争って意昧のないところがあるのだ。
5、君命は従うべきものだが、場合によっては反対した方がよいこともある。

さて、九変――攻撃の九原則に精通している将こそが、本当に用兵の法を理解しているもの
である。これに精通していなければ、いくら地形がわかっていても地の利は得られない。ま
た、これに通じていなければ勝利の五法則を知っていても、将としての任務を果たすことは
できないのである。

囲師は周するなかれ」「相手を徹底的に追いつめてはいけない」ということは、処世の
知恵としても活用されている。現代中国ではこの考え方を階級闘争に適用することの危険性
が説かれ、「水に落ちた犬は撃て」という魯迅のことばがよく引用されるが、現実の戦術で
は、状況によって柔軟なやり方をとっている。

  ケエゾヤマザクラ

【樹木トレッキング 26:オオヤマザクラ】

山越えて空わたりゆく遠鳴の風ある日なり山さくら花   若山牧水

Mountain cherry trees blossom with a windy day of the faraway sky over the mountains.

 

水の音に似て啼く鳥よ山ざくら松にまじれる深山みやまの昼を 

なにとなきさびしさ覚え山ざくら花ちるかげに日を仰ぎ見る 

山越えて空わたりゆく遠鳴の風ある日なりやまざくら花 

朝地震あさなゐす空はかすかに嵐して一山いちざん白きやまざくらばな 

行きつくせば浪青やかにうねりゐぬ山ざくらなど咲きそめし町 

朝の室むろ夢のちぎれの落ち散れるさまにちり入いる山ざくらかな 

阿蘇の街道みち大津の宿しゆくに別れつる役者の髪の山ざくら花 

母恋しかかるゆふべのふるさとの櫻咲くらむ山の姿よ 

父母ちちははよ神にも似たるこしかたに思ひ出ありや山ざくら花 

春は来ぬ老いにし父の御みひとみに白ううつらむ山ざくら花

大山桜(学名:Cerasus sargentii (Rehder) H.Ohba)は、樺太、北海道、本州北中部、挑戦など
に分布する落葉高木。北海
道に多いのでエゾヤマザクラの名もあり,また花が淡紅色を帯び
のでベニヤマザクラともいう。葉はだ円形または原状だ円形,下面はやや帯白色で紐毛,
ヤマザクラよりやや大きく,基部はときに浅
い心形をなすものもある。葉下面、葉柄、花梗
などに毛のあるものを
エゾヤマザクラ(forma pubescens OHWI)という。サクラの属名は日
本では長くPrunus、和名ではスモモ属とする分類が主流だったが、昨今の研究ではCerasus(サ
クラ属)とするものがある。日本では前者、分けてもサクラ亜属(subg. Cerasus)とするものが
多かったが、近年は後者が増えている。しかしCerasusとすることで決着した訳ではない。海
外では、現在もPrunusに分類するのが主流である。
花弁の色:淡紅色~紅紫色、形:一重咲
花の大きさ:中輪~大輪、樹形:広卵状。花は直径3~4.5cm。色は淡紅色だが、ソメイヨシ
ノ等の白い種と比べるとしっかりと色がつく。
本州中部ではカスミザクラより標高の高いと
ろに分布するが、分布の下部においてカスミザクラと混在する。また、カスミザクラと交雑
していることも多く、区別のつきにくい個体も多い。

 

オオヤマザクラは7~15m程度の高さに育つ落葉樹。20m程度まで育つこともある。また根元
近くから枝を生やし、枝の範囲も1~15m程度にまで成長する。
葉は長めの卵形で、葉は鋸
状になっている。大きさは8~15cm程度に広くなり、互生している。若いものは赤い色をし
ているが、夏には暗い緑色に変化する。秋になると葉は紅葉し、赤、黄色、橙色と様々に色
を変える。葉には毛が少ないか、なく、葉の裏面が緑色で光沢を帯びないことでカスミザク
ラと区別できる。
夏になると黒紫色の実をならす[6]。実は小さなえんどう豆程度の大きさ
だがなりやすい。鳥が良く食するが、人間にとっては小さく目立たないため食用にはされて
いない。
東アジアに分布し北海道、本州、四国、南千島、樺太、朝鮮半島などで野生のもの
が見られる。
日本において、九州での分布は知られていなかったが、宮崎県の白岩山で変種
が確認され、キリタチヤマザクラ(霧立山桜)と命名された。

 

    
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   

第4章 プラザ合意は、日本を貶める罠だったのか?

第1節 レーガノミクスが生んだ「双子の赤字」でプラザ合意が行われた?

前章でも見てきましたが、ニクソン・ショックによって、1973年2月から変動相場制に
移行したといいつつ、日本は裏で「ダーティ・フロート」を行っていて、実質的には固定相
場制が続いていました。そして、日本国内で発生した様々なインフレも、そのことが大きな
引き金となっていました,しかし1985年9月22日に、いよいよプラザ合意が行われま
す。この日、ニューヨークのプラザホテルで、G5(先進5カ国蔵相・中央銀行総裁会議)
が行われ、為替レート安定化に関する合意がなされたのです。


これにより、流れは劇的な「円高」に向かいます。プラザ合意の前は、ほぼIドル=235
円前後で推移をしていましたが、プラザ合意から一年後にはIドル=150円前
後となった
のです。
なぜ、プラザ合意が必要だったか。一般には次のように説明されます。まず、この
段階に至るまでの円ドルレートの推移ですが、1973年2月の変勤相場
制導人直後に1ド
ル=260円台まで「円高」となったのち、1973年秋の石油
ショックを機に再び1ドル
=300円近くまで「円安」となりますが、1978年には
Iドル=180円まで「円高」
が連んでいました。
ところが、1980年代に入ると、再び「円安」となります。通常、そ
の理由として
説明されるのがアメリカ国内で行われていた「レーガノミクス」です。

レーガン政権(1981年1月~1989九年1月)が誕生する前の1970〇年代のアメリ
カは、景気低迷で失業率が高く、インフレ率の高い状態でした。また、生産性が上
がらず、
1970年代後半の生産性上昇率はゼロに近くになっていました。この状況を
変えようとし
たレーガン政権は「レーガノミクス」と呼ばれる経済政策を打ち出します。
これは、金融引
き締めを行ってインフレを抑制しつつ、減税、規制緩和、福祉関連予
算を中心とした歳出削
減と軍事費の増大という歳出拡大によって、経済を活性化させな
がら失業率を低下させよう
とした政策でした。
ことに、ここでインフレ抑制のために行われた金融引き締めは非常に厳
しいもので、
アメリカは高金利となります。アメリカが高金利になると、世界中のマネーが
アメリカ
に集中することになります。

そうすると、必然的にドルは高くなります。ドル高になればアメリカ国内の輸出産業は不利
となり、輸出が減少します。一方、減税で需要が刺激されていますから輸入が増
え、貿易赤
字が増大していくことになります。国際収支は大幅な赤字となりました。
さらに、金融引き
締めを行う一方で景気を支え、失業率を改善するために軍事費など
の財政支出を増大させま
したから、財政赤字も拡大しました。世にいう「双子の赤字
(貿易赤字と財政赤字)」です。
1985年にはアメリカは世界最大の債務国となり、ドルの信認が低下。ここでドル暴落
の危機を恐れた先進各国は、協調的なドル安を図ることで合意した。
それがプラザ合意であ
り、ことにアメリカの貿易赤字の中でも対日赤字が大きかったので、円高ド
ル安にすること
が求められたのだ、というのが普通になされる説明です。

第2節 プラザ合意までは為替介入していたことを裏づける「円高容認」発言

以上、説明してきたような「通説」だけを見ていると、あたかも、もっぱらアメリカのせい
で、日本は円高を呑まされたように思えてきます。プラザ合意は日本を認める罠
だったとま
でいう人もいます。しかし、そんなことばかり考えていると、実態を大きく見誤ることにな
ります。実は、プラザ合意のときに、「円高容認」という言葉が使われました。これは、考
えてみれば不思議な言葉です。変動相場制で本当に市場に為替相場を任せていたのだとした
ら、「容認」というのはおかしな言葉です。政府が容認しようがしまいが、為替は自由に変
動します。

株式市場で株価が変動したときに「容認」という言葉を政府は使いません。株価は市場が決
めるものだからです。ずっと日本政府は「ダーティ・フロート」で介入し続けてきたのです
が、1973年の変場制移行以後は、建前上は政府は為替相場に介入していないことになっ
ています。それで、プラザ合意のときに「裏のダーティな介入をやめます」とはいえず、「
円高容認」という言葉を使ったのです,その点を理解しないと、プラザ合意の意味がわから
なくなります。

「プラザ合意以降、アメリカの圧力を受けて政府が介入して円高誘導するようになったから
日本企業は苦しむようになり、長期不況に陥った」と思っている人はたくさんいますが、そ
れは正しい見方ではありません。企業はプラザ合意までは、政府の裏の介入でゲタを履かせ
てもらっていたけれども、プラザ合意以降は実力で勝負しなければならなくなったというの
が真相です。プラザ合意以降に介入が始まったのではなく、プラザ合意以降は「介入をやめ
た」のです。政府が為替介入して円安誘導するのをやめて、プラザ合意以降は市場にそのま
ま委ねる形となりました。

為替介入がなくなると、為替の動きは、よりシンプルになります。たとえば、金融緩和で円
を大量に増やせば、相対的に円の価値が安くなって「円安」になります。逆に、各国が金融
緩和をさかんに進めているのに日本が緩和しなければ、円の価値が相対的に上がって「円高
」になります。ちなみに「失われた二十年」は、まさに日本が必要以上に金融引き締めを続
けたので 「円高」で苦しんだ時期と重なります。ことにりIマン・ショック以後、欧米が
そのショックを和らげるために大きく金融緩和に踏み込んだのに、日本銀行がそれを無視し
たことは致命的でした。いわば「マイナスのゲタ」を履いたようなものです。

前に、「変動相場制では金融政策が効くので重要である」と述べました。プラザ合意以降の
二、三年後からその時代です。ところが、「重要な役割」を与えらだ金融政策であるにもか
かわらず、後の第5章で述べるように、バブルのときに資産価格と一般物価を勘違いして不
必要な金融引き締めをするという、ミスを犯してしまいます。そして、日銀官僚の無謬性を
保つために、その後もミスをし続けました。これは、日本経済にとって悲劇でした。
 市場に委ねられた世界で、当たり前のことを当たり前にしないと、そういう結果を招来し
てしまうのです。本来ならば、リーマン・ショックの悪形響から最も進かったはずの日本経
済が、塗炭の苦しみに叩き落とされてしまいました。そのことは、第6章で見ていくことに
しましょう。

第3節 「レーガノミクスは反ケインズ政策」は大きなウソ 

レーガン政権が推し迷めた「レーガノミクス」も、多くの人から誤解されています。

レーガン政権は「小さな政府」を標榜して、歳出削減を目指していましたので反ケインズ的
な政策と見られがちですが、実際には典型的なケインズ政策でした。
先ほど述べたように、
レーガノミクスとは、1970年代のアメリカの景気低迷・高
失業率・高インフレ・低生産
性という状況を変えるためのものでした,厳しい金融引き
締めを行うことでインフレを抑制
しつつ、減税と財政支出(軍事費など)の拡大によっ
て経済を活性化させ、失業率を低下さ
せようとしたのです。

これによってアメリカは高金利となりますが、この高金利について「レーガン政権が推し進
めた個人減税が貯蓄を増やすのではなく、消費に回ってしまったため、資金不足
に陥ってし
まい、アメリカはさらに世界から資金を集めなければならなくなったために
高金利を設定し
たのだ」と説明する論者もいます。
そういえなくもありませんが、それは後づけの見方であ
り、実態としてはインフレ対
策という側面のほうが強いでしょう。それに、レーガノミクス
における個人減税は、は
なから貯蓄を増やすというよりも、需要の拡大を期待するものだっ
たと考えたほうが妥
当です,

「レーガノミクスは供給面からの改革だ」と主張する経済学者もいます。減税と規制緩和に
よって民間投資が活性化され、生産性を向上させる供給面の改革だという論理で
す。しかし、
実際にはレーガノミクスは需要面に影響を与えただけの政策でした。
経済理論的にいえば、
政策で供給サイドに影響を与えることはかなり難しいのです。
政府は短期的には需要サイド
にしか影響を及ぼすことができません。スタグフレーショ
ンの説明のところで述べたように
、供給は突発的な出来事によって急変することはあり
ますが、通常はゆるやかに長期的に変
化するものです。政策で供給サイドを変えようと
してもかなり時間がかかります。

レーガノミクスを詳細に見ていきますと、個人減税は需要をつくり出すための政策で
した。
企業向けの設備投資減税もしましたが、こちらも基本的には需要を喚起するもの
です,政府
支出に間しては、福祉関連予算を削った代わりに軍事費を増大させています。軍
隊に予算を
つけるのは、日本でいえば公共事業と同じです。軍事予算を増やせば、軍人
を雇うことがで
きて失業対策にもなります。
レーガノミクスのうち減税も軍事費の拡大も、ケインズの「総
需要管理政策」そのも
のです。総需要管理政策においては、どこにお金をつけるかは関係あ
りません。軍事だ
ろうと福祉だろうと中身の配分は関係なく、総枠でどのくらい増やしたか
がポイントで
す,結局のところ、レーガノミクスは総需要管理政策をやったということであ
り、典型的
なケインズ政策でした。

レーガノミクスによって財政赤字が増えましたが、ケインズ政策を行ったわけですから当然
の成り行きです。赤字をつくって有効需要を増やしたのです。レーガノミクスに間しては「
規制緩和」もよく取り上げられます。規制緩和はそれなりに効果があるものですが、効果が
現れるまでには時間がかかります。中長期的には意味かおりますが、短期的な目前の景気と
はあまり関係かおりません,

第4節 レーガノミクスの金融面はミステリアスなところがある

レーガノミクスの金融政策に関しては、ミステリアスな面があります。1970年代のアメ
リカは必ずしもマネーをたくさん刷っていたわけではないのに、インフレになっていました
その原因はベトナム戦争(1960年12月~1975年4月)だとする説明もありますが、
この時代のインフレについては、私もすっきりとした説明はできません。
マネーが出回っていなくても、みんなが「インフレになる」と思っているとインフレになる
ことはあります。マネーの問題というより先読みの問題です。「これからアメリカはたくさ
んの物をつくれなくなるのではないか」と考える人が増えると、インフレ気味になってきま
す。それに、積極的な財政政策なので、需給ギャップ(潜在GDPと現実GDPの乖離)が
小さくなってインフレになったという側面もあるでしょう。

レーガン政権はインフレを抑えるために金融の引き締めをして、それによってインフレはす
ぐに収まっていきました,対処方法としては間違っていなかっただろうと思います。今から
振り返ってみると、インフレを抑えるためにしゃがりきになって、少し引き締めすぎてしま
った面はあったかもしれません。ただ、金融を引き締めた代わりに財政を吹かしましたので、
うまく乗り切ることができました。もし、金融引き締めをして財政を増やさなければ、経済
が失速状態になっていた可能性があります。

マネーを増やしすぎないようにしながら、財政を吹かして総需要をつくったのがレーガノミ
クスです。特別な経済政策ではなく、オーソドックスなケインズ政策です。レーガノミクス
自体は悪い政策ではありませんでしたが、「レーガノミクスは反ケインズ政策である」とい
う前口上はデタラメです。立案者が意図していたストーリーとはまったく違ったものになっ
ています。
レーガノミクスがうまくいったとすれば、それはケインズ政策だったから、つまり、有効需
要に着目した政策だからうまくいったのです。「レーガノミクスは供給サイドの改革だ」と
か「減税で経済が成長する」という理屈づけは間違いです。間違った論理でレーガノミクス
を正当化する人がいるために、レーガノミクスはあまり信用されていないのだろうと思いま
す。

第5節 減税論者が主張する「ラッファー・カーブ」はデタラメの論理

1980年の米大統領選挙の共和党予備選挙では、ロナルド・レーガン候補≒ジョージ・H・
W・ブッシュ
候補が指名争いをしました。予備選挙中にブッシュ候補はレーガン候補の政策
に対して、「ブードゥー
経済学(呪術経済学、まじない経済学)」といって批判をしました。
最終的には、2人が手を組んで当選し、レーガン大統領、ブッシュ副大統領となりましたの
で、ブッシュ副大統領がレーガノミクスを批判することはなくなりました。しか
し、レーガ
ノミクスを支えた理屈はまさしく「ブードゥー」です。
レーガノミクス信奉者や減税論者が
根拠として使う「ラッフアー・カーブ」の理屈
は、デタラメとしかいいようかおりません。
図4に示しだのが「ラッフアー・カーブ」です。横軸が税率、縦軸が税収です。

 
税率がゼロ%なら税収はゼロ、税率が100%になると経済活動がなくなりますから、税収
はゼロです。税率が中間くらいのところが税収が一番高くなります。ここまでの理屈は間追
っていません。しかし、ここからウソの理屈が始まります。レーガノミクス信奉者は、図の
カーブのうち、Aの位置よりも、Bの位置のほうが税収が高くなるから、減税が必要だと主
張します。「今は税率が高くて税収が低い。だから減税をすべきである。そうすれば税収も
上がる」というのです。
どこがウソかというと、現在Aの位置にいるとは限らないからです。Cの位置にいるのだと
したら、税率を下げれば税収は下がります。また、カーブの形が正しいかどうかもわかりま
せん,図5に示した形のカーブになっているかもしれません。図5のカーブであれば、現在
Aの位置にいて、減税をしてBの位置になれば税収は下がります。

そもそも、税収は税率との関係だけで決まるものではありません。税率よりも、経済
成長率
のほうが大きな影響を及ぼします。経済が成長していれば税収は上がり、経済が
低迷すると
税収は下がります
最大の要因を考慮せずに、税率だけで因果関係をつくりあげてしまって
いるところ
が、デタラメのロジックなのです。税収の9割ぐらいは経済成長率で決まること
は、実
証されています。数式で書くと、すっきりします。

R(税収)、t(税率)、g(経済成長率)とする
と、「ラッフアー・カーブ」の関数は、

R=f(t)

です,しかし、本当の関数は、

R=f(t,g)

です,このうちg(経済成長率)が9割くらいのウエートを占めています。t(税率)の影
響は大きくないのです,
ただし、税率と経済成長率は独立した変数ではなく、税率が経済成
長に影響を及ぼす
ことかあります。一般的には、増税すると経済成長率が低下する可能性が
高くなりま
す,では、減税すれば経済成長率は高まるのでしょうか。必ずしも、そういえな
いところ
が難しい点です。減税すると経済が伸びるときもありますし、伸びないときもあり
す。

レーガノミクス信奉者は、「減税すると税収が伸びる」との主張に加えて、「減税す
ると経
済が伸びる」と主張します。そこが怪しげな点です。
減税によって経済が伸びるか、伸びな
いかは、経済環境次第でしょう。
さらにいえば、私は税金には重きを置いていません。マク
ロ経済政策によって経済成
長させることを主張しているだけです。経済成長すれば、経済活
動が活発になる分、付
随的に税収が増えますから、税収のことなど事前に考慮する必要はな
いのです。


                                   この項つづく

 ● 今夜の一曲

Rock and Roll All Nite

「ロックンロール・オールナイト」 (Rock and Roll All Nite) は、アメリカ合衆国のロックバ
ンド、キッスの楽曲。1975年3月19日にリリースされた彼らの3枚目のスタジオ・アルバム『地
獄への接吻 (Dressed To Kill)』の収録曲。後にシングル・カットされ大ヒットした。
そのキャ
リアを通じてキッスの象徴ともいえる代表的ナンバーであり、その後のほとんどのコンサート
でエンディングナンバーとして演奏されるようになった。

You show us everything you've got
You keep on dancing
and the room gets hot
You drrive us wild,
We'll drive you crayzy

You say
you wanna go for a spin
The panrty just begin,
we'll let you in
You drive us wild
we'll drive you crazy

You keep on shouting
you keep on shouting

l wanna rock and roll all night
and party every crady

コメント