極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ヤーコンを大集成

2018年01月30日 | 開発企画

 

                   万章篇(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 集 大 成伯夷はいかがわしい女を見ると目をそむけ、みだらな
         音楽には耳をふさいだ。同様に、立派な君主
でなければ仕えず、立
         派な人民でなければその上に立とうとはしなかった。太平の世には
         政治をあず
かったが、乱世には隠遁した。伯夷には暴政のもとで暴
         民がのさばる世に留まるのはがまんならなか
った。それは礼装して
         ぬかるみの中に坐るようなものと思えた。それゆえ、殷の紂王の時
         代には、遠
く北方の海辺に庵を結び、世の混乱が治まるのを待った
         のである。
このような伯夷の身の処し方は、どんな欲張りにも私欲
         をつつしませ、どんな意気地なしをも発憤
させずにねかない。
 
         いっぽう伊尹は、「どのような君主に仕えようと、君主は君主だ。
         どのような人民の上に立とうと、人民は人民だ」こう言って、太平
         の世にも、乱世にも紋冶にあずかった。伊尹は、また、こうも言っ
         ている。「そもそも、天はこの世に人間を生み出したとき、先んじ
         て真理を自覚した者が、後れている者の自覚をうながすようにした
         のだ。わたしは天の生んだ先覚者だ。だからわたしは、堯・舜の道
         によって後覚の人民を教え導くのである」

         伊尹は、天下万民の中に売・舜の世と同じ恩沢に浴さぬ者が一人で
         もいれば、自分がその者をドブにつき落としたかのように感じた。
         自らに、天下を双肩に担う大任を課していたからである。また、柳
         下京は悪名高い君主に仕えることをいささかも恥とせず、その下で
         どんなにつまらぬ官職にもついた。力を出し惜しみすることなく、 
         積極的に自分の信ずる道を進んだ。そのために官職を迫われても恨
         みを抱くことはなく、貧乏のどん底につき落とされてもうろたえる
         ことはなかった。

         柳下京は悪紋下の人民ともこだわりなくつき合った。人民を見捨て
         てしまうに忍びなかったのだ。「おまえはおまえ、おれはおれだ。
         おまえがおれの目の前で裸をさらしたとしても、おれがけがれるわ
         けではない」これが柳下京の基本的な態度だ。このような柳下京の
         身の処し方は、どんなに心のせまい者をも寛大にし、どんな薄情者
         にも人情味をもたせずにいない。さて、それでは孔子はどうだった
         のか。いったん斉に見切りをつけたら、吹きかけのめしもそのまま
         に立ち去っていった。

         だが、魯を去るときには、「ぐずぐずして、なかなか出発できなか
         った」と述懐している。両親の国を離れるのだから、それが当然と
         いうものだ。速やかに去るべきときには迪やかに去り、長く留まる
         べきときには長く留まる。野にあるべきときには野にあり、仕官す
         べきときには仕官する。これが孔子の身の処し方だ。

         伯実は廉潔一筋に生きた聖人、伊尹は天下の重みをT身にひき受け
         た聖人、柳下恵は周囲との調和に生きた聖人だ。これに対して孔子
         は、臨機応変、そのときどきにかなう最善の身の処し方を示した。
         すなわち、孔子こそは三人の聖人の長所を一身に集めて大成した聖
         人である。集めて大成するとはどういうことか。鏑の音にはじまっ
         て玉器の音に終わるオーケストラがそうだ。オーケストラの場合、
         はじめに鐘が曲のモチーフを興す。そのモチーフを他の楽器がそれ
         ぞれの音色に奏で、最後に玉石がしめくくる。この例でいえば、モ
         チーフを列すのが智、モチーフをしめくくるのが聖である。智は個
         々の技術だが、聖はその根抵にある力だ。たとえば、百歩も賜れた
         ところから的を狙うとしよう。命中するかどうかはわからないが、
         そもそも的まで矢をとどかせるのは力なのだ。

       〈集めて大成した〉今日使われている「集大成」という語の出所である。                
       〈伯 夷〉孤竹国の王子といわれる。周の武王が殷の糾王を力によって
            討伐することに反対して、「周の粟を食まず」と首陽山に身
            を隠し、薇を食って露命をつないだが、ついに餓死した。し
            はしば清廉な生き方の扁形とされる。
       〈柳下恵〉魯の賢人、展禽(てんきん)のこと。柳の下に住み、恵とお
            くりなされたので、柳下恵と呼ばれる。         

  

      
     
No.139

【バイオマス事業篇:バイオガス発電型嫌気性廃水処理システム】

 

1月18日、住友重機械エンバイロメントは、梅加工食品の大手である中田食品からバイオガス発電型
嫌気性廃水処理システムを受注。梅調味廃液の浄化工程で発生するバイオガスから360キロワット(kW
)の発電ができる。 従来、梅調味廃液は糖分が高く嫌気処理設備には不向きとされていたが、同社は
独自技術でこの問題を解決した。今回の計画では、中田食品が2019年1月をめどに和歌山県上富田町で
「中田食品バイオガス発電所」を新設。自社と地域で発生する梅調味廃液を受け入れ、嫌気処理設備「
バイオインパクト」で浄化し処理工程で発生するバイオガスで発電を行う。梅加工業は中小の企業が多
く、梅調味廃液の処理費用が大きいことが業界内での課題となっていた。和歌山県および上富田町もこ
れまでさまざまな処理方法を検討しており、今回の計画についても積極的な支援があったという。本バ
イオガス発電システムの導入によって、廃液の嫌気処理が可能になったことから従来の活性汚泥に比べ
低コストで処理でき、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を活用した売電との相乗効果で
処理費用削減が期待できる。

 Jan. 18, 2018

❏ 事例:特許6005547 メタン発酵システム及びメタン発酵方法  


【符号の説明】

1…メタン発酵システム、2…メタン発酵設備、3…好気処理槽、4…酸生成槽、5…メタン発酵槽、
L5…ライン


【概要】 

コストを抑制しながら、メタン発酵設備におけるメタン発酵の効率を高め、有機性排水中の有機物の除
去率を向
上させることができるメタン発酵システム及びメタン発酵方法を提供することを目的とする。
導入される有機性排
水を第1の酸生成菌で処理して酸を生成させる酸生成槽、及び、酸生成槽からの処
理水が導入され処理水をメ
タン発酵させるメタン発酵槽を有するメタン発酵設備と、第2の酸生成菌が
含まれる好気汚泥を収容し好気処理
する好気処理槽と、好気処理槽から好気汚泥の一部を酸生成槽又は
その上流へ供給するラインと、を備えるメ
タン発酵システムを提供する。

このメタン発酵システム及びメタン発酵方法では、好気処理槽に収容されている好気汚泥の一部を酸生
成槽又はその上流へ供給することにより、好気汚泥に含まれる第2の酸生成菌が酸生成槽内に移送され
る。これにより、酸生成槽内の第1の酸生成菌のみでは分解することが困難であった難分解性の基質が
第2の酸生成菌により分解されるため、酸生成槽内での有機酸の生成効率が高まる。そして、有機酸の
生成効率が高まることにより、メタン発酵槽内でのメタン発酵の効率を高めることができる。また、こ
のメタン発酵システム及びメタン発酵方法では、既存の槽構成及び好気汚泥を利用するため、新たな薬
液タンクを設けたり、特別な添加剤を用いたりする必要もない。すなわち本発明のメタン発酵システ
ム及びメタン発酵方法によれば、コストを抑制しながら、メタン発酵設備におけるメタン発酵の効率を
高め、有機性排水中の有機物の除去率を向上させることができる。

ここで、メタン発酵設備と好気処理槽とは、直列に配置されていてもよいし、並列に配置されていても
よい。すなわち、好気処理槽は、メタン発酵設備の後段に配置されメタン発酵槽からの処理水が導入さ
れるものであってもよく、好気処理槽は、メタン発酵設備と並列に配置され、有機性排水を導入して好
気処理し、好気汚泥の一部を酸生成槽又はその上流へ供給するものであってもよい。いずれの態様であ
っても上記効果が奏される。また、上記メタン発酵方法において、供給工程により供給される好気汚泥
の量は、酸生成槽に導入される有機性排水の1体積%以下であることが好ましい。これによれば、メタ
ン発酵設備におけるメタン発酵の効率が一層高められる。

【発明の効果】


本発明によれば、メタン発酵設備におけるメタン発酵の効率を高め、有機性排水中の有機物の除去率を
向上させることができるメタン発酵システム及びメタン発酵方法を提供することができる。

❏ 事例:特開2018-008269  生物学的水処理用の縦軸型曝気撹拌装置及び曝気撹拌装置
              の交換方法 タン発酵システム及びメタン発酵方法

【概要】

下図1のように、横軸型曝気撹拌装置の取り付け口から、前記取り付け口の大きさよりインペラの直径
の方が大きい縦軸型曝気撹拌装置をオキシデーションディッチ槽の内部に導入し、横軸型曝気撹拌装置
を縦軸型曝気撹拌装置に取り換えることで、インペラ43及びシャフトを有した生物学的水処理に用い
られる縦軸型曝気撹拌装置において、前記シャフトはインペラ43が付いた第一シャフト41と、第一
シャフト41に連結される第二シャフト42に分割される縦軸型曝気撹拌装置。

本願第1発明の縦軸型曝気撹拌装置によれば、インペラが付いた第一シャフトを架台から分離して、横
軸型曝気撹拌装置用の取り付け口とは別の大きな開口部からオキシデーションディッチ槽内に導入した
後、前記取り付け口の内側から架台に取り付けることができる。そのため、横軸型曝気撹拌装置用の取
り付け口をインペラが通過できるような大きさに加工することなく、縦軸型曝気撹拌装置をオキシデー
ションディッチ槽に取り付けることができる。

本願第2、第3発明の縦軸型曝気撹拌装置によれば、第一シャフトの軸方向の長さがインペラの直径よ
り小さいため、インペラを垂直方向に立てて導入することで、インペラが付いた第一シャフトを横軸型
曝気撹拌装置用の取り付け口から直接導入することができる。そのため、インペラが付いた第一シャフ
トをオキシデーションディッチ槽内で移動させる必要がなく、取り付ける作業が簡易なものとなる。
また、インペラが付いた第一シャフトをオキシデーションディッチ槽内で移動させる必要がないため、
オキシデーションディッチ槽から被処理水を抜くことなく、縦軸型曝気撹拌装置を取り付けることも可
能である。本願第4発明の曝気撹拌装置の交換方法によれば、非縦軸型曝気撹拌装置用の取り付け口を
通して、非縦軸型曝気撹拌装置を縦軸型曝気撹拌装置に交換することができるため、オキシデーション
ディッチ槽内の被処理水を抜く工程を省略することができる。

 

【符号の説明】

1  オキシデーションディッチ槽、2  周囲壁、3  区画壁、4  縦軸型曝気撹拌装置、41  第一シ
ャフト、42  第二シャフト、43  インペラ、5  バッフル板、6  天井部、7  取り付け口、8 
横軸型曝気撹拌装置、9  開口部、10  架台、A  直線水路、B  循環水路

ところで、バイオマスのエネルギー変換率は20%とされている。これを「エネルギー理論限界率」と
すると、水力は90%、太陽光は90%(現在の実績では50%)で、風力は59%である。しかし、
バイオマスの優れた特徴は、カーボンニートラルと貯蔵できる2つの側面から見れば、水力や風力、太
陽光はダム、蓄電池を含めたシステムの比較評価が前提となる。

 Jan. 30, 2018

【バイオマス事業篇:雑草で発電するシステム】 

1月30日、名城大学の研究グループは、雑草から生産したメタンガスでガスエンジンを燃焼して発電
するシステムを開発した。雑草を刈り取って土壌に混入、水を湛(たた)えた後にシートで覆う。酸素
が無い状態で微生物発酵し、バイオメタンガスを生産する仕組み。ガス貯蔵や供給、エンジン始動など
の自動化システムを開発し、2020年をめどに実用化を目指す。雑草は水田のようなところで発酵させ、
ガスを袋で吸収し、パイプでガスエンジンに供給する。エンジンはメタンガス向けに最適制御をかけて
おり、供給電力は出力約800ワット。雑草由来のメタンガス生産システムは、材料の処理や分別が不
要。このため、ほかのバイオマスエネルギー生産で必要になる固液分離装置や炭化装置などの大規模な
設備を導入せずに構築でき、コストを低減でき、また、バイオマス原料供給の安定性や、有害物質がほ
とんど発生せず、ガスエンジンは、コージェネレーション(熱電併給)システムとしての活用できる。
熱で湯を沸かし、農業用ハウスに電気とともに供給してハウスの温度制御に活用、園芸作物などの栽培
に生かせる。同グループは、稲わら1キログラムから濃度60―70%で310リットルのバイオメタ
ンガスを生産し、発電する技術を確立、これを雑草にも応用した。適用範囲の拡大で普及促進につなげ
る方針。

❏ 事例:特許5851790 微粉砕稲ワラの急速嫌気発酵処理によるエネルギー回収方法 

【概要】

例えば農業における稲ワラや籾、あるいは調理又は食事の際に出る有機性残渣等は、単に廃棄され、埋
め立てられ、又は焼却処分されてきた。しかし、近年、大気中の炭酸ガス濃度の増大に基づく地球温暖
化の問題がクロースアップされ、化石燃料の枯渇化の危惧等もあって、上記のような各種有機性廃棄物
の有効利用が注目されている。各種有機性廃棄物の内、農業系の有機性廃棄物、とりわけ稲ワラは、我
が国等においては巨大なイオマスを構成する。湛水状態の水田土壌では稲ワラが嫌気発酵を受け、極
めて緩徐ながら嫌気発酵ガスを生成することが知られている。しかし、湛水上に浮上する嫌気発酵ガス
は非常に少量であって、その発酵ガスを積極的に利用しようとする提案は、従来、ほとんど行われてい
ない。

下図のように、長径が9mm以下である切片に微細化した稲ワラを湛水状態の水田土壌中に混入して嫌
気発酵に供し、生成した発酵ガスを前記水田土壌の上面に設置した密閉容器によって捕集するとともに
、捕集した前記発酵ガスを配管系により前記水田土壌中に循環させて噴出させることにより、前記水田
土壌中に滞留している前記発酵ガスを湛水上に浮上させて前記密閉容器によって捕集することを特徴と
するエネルギー回収方法――稲ワラに対して添加物を混合することなく、しかも高品位のバイオマスエ
ネルギーを回収できる嫌気発酵によって稲ワラの発酵効率を劇的に向上させる手段が提供される。また、
湛水状態の水田土壌に内包されている大量の嫌気発酵ガスを高効率に回収できる手段と、湛水状態の水
田土壌における稲ワラの嫌気発酵効率を劇的に向上させる手段を提供する。

【符号の説明】

1  水田  2   水田土壌  3   湛水   4   密閉容器   5   気泡  6   発酵ガス貯留用タンク  7a  幹パイプ
7b   分岐パイプ  7c  枝パイプ   8   切り替えバルブ  9    噴出ジェット   10   噴出用パイプ   11   太
陽光発電装置

 ❏ 事例:特許5851790 微粉砕稲ワラの急速嫌気発酵処理によるエネルギー回収方法 

【概要】

下図3のように、簡易な構造で低圧ガスを良好に貯蔵及び供給することができるガスタンクで、ガスタ
ンク10は、上端に上下方向に開口する開口部を有し、水を貯留する水槽11と、上方から開口部を介して
水槽11内に挿入され、下端部が開口して水槽11内に連通し、ガスを貯蔵してその貯蔵量に応じて上下動
する浮きタンク15と、浮きタンク15内にガスを流入させる流入管17と、流入管17の途中に設けられた第1
開閉弁V1と、浮きタンク15内に貯蔵されたガスを流出させる流出管19と、流出管19の途中に設けられた
第2開閉弁V2と、両端部が垂れ下がり、一方の端部の上下動に応じて他方の端部が上下動し、一方の端
部に浮きタンク15を連結したロープ23と、ロープ23の他方の端部に連結された錘27とを備えている。


【符号の説明】

3 回収管(3A 枝管、3B 本管、3C…連結管)6 供給管 10,110 ガスタンク
11 水槽 11A 開口部   15 浮きタンク 17 流入管 19 流出管 23 ロープ
27 錘 29 表示部(29A…メモリ、29B…指針)  V1 第1開閉弁 V2 第2開閉弁
T1,T2 温度センサ(T1 第1温度センサ、T2 第2温度センサ)
 Jan. 10, 2016
Energy & Environmental Science (2015), 8, 2093-2117, doi:10.1039/C5EE01283J

『2018年度版:エネルギーフリー社会を語ろう!』


2015年12月29日のこのブログ『カサブランカの一人鍋』の「2015年から未来を見つめるⅠ」でスタ
ンフォード大学のジャコブソン・スタンフォード大学市民環境工学教授らの研究グループの「米国の再
エネ百パーセント計画提案」(同月31日には「2015年から未来を見つめるⅡ」を掲載)を紹介、翌
年02月20日には「再エネ百パーセント時代: 太陽の国の電気自動車」を連載開始、さらに、2016年04月
から『エネルギーフリー社会を語ろう!』を連載する。ところで、その掲載の動機は「RE100」の発足
――国際環境NGOThe Climate Group(TCG)が2014年に開始したイニシアチブ。The Climate Group 
2004年に、当時の英国ブレア首相の支援を受け、英国ロンドンに設立された。The Climate Group は今
では、英国の他、米国、インド、中国、香港などの支部を置き、世界中から数多くの企業や州政府、市
政府が参画。The Climate Groupが、国連総会の時期に合わせ毎年9月に開催している年次報告会が
Climate Week NYC」です。そして2014年の「Climate Week NYC」の中で、RE100プロジェクトが発足
する。Climate Week NYCの各イベントは、参加企業の代表がRE100プロジェクトへの新規参入を表明す
る場となっている――に刺激されたものであった。

Tesla's new Solar Roof is actually cheaper than a normal roof  Aug. 1, 2017
 

 予測を超えた成長.太陽光発電 Jan. 29, 2018

● 世界の太陽光コストは2020年までに半減、化石燃料を下回る

このように、2010年02月01日に、NPO「環境工学研究所 WEEF」のサイトを初公開以来、今年で丸8年
を経過。その間、2011年03月11日の東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故に罹災を経験。以降、
独自の縮原発論(参考:まずはリアルな「縮原発」から「新エネルギー庁」の創設を、東洋経済オンラ
イン、2012.01.29)を展開し、太陽電池を中心として再生可能エネルギーに関連する調査研究を主に環
境工学システムの視座から開始。その間、世界のエネルギー潮流はパリ協定(Paris Agreement)― 第21
回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)が開催されたパリにて、2015年12月12日に採択された、気候
変動抑制に関する多国間の国際的な協定――に象徴される流れの中、日本政府はいまだに原子力発電や
石炭火力発電に固執する「ベストミックス政策」に固執し、原子力発電製造販売する東芝は経営危機に
陥り、シャープを代表する太陽光発電の国内メーカは世界市場から脱落するなか、2018年01月13日、世
界150カ国以上が加盟するIRENA(国際再生可能エネルギー機関)が、「再生可能エネルギーの2017年
の発電コスト
」(2010年から現在までの約7年間で、太陽光発電のコストは73%、陸上風力発電のコ
ストは約25%に逓減し、再生可能エネルギーは着実に競争力のある電源になりつつあること)を公表
するに至る。

陸上風力、太陽光、洋上風力、集光型太陽光の発電コスト推移 出典:IRENA

予測を超えた成長.風力発電 

● 3百万平方キロメートル海洋風力発電所で全世界の電力が賄える

2017年02月09日、カーネギー科学研究所のグループの調査によれば、北大西洋の海洋風力発電は海上で
の平均風速は理論上、陸上風力タービンの5倍以上のエネルギー変換が可能で、風力タービで再生可能
エネルギー創出できるが、これまで実際に電気量増加できるか不明であった。陸上風力発電所の最大発
電効率限界が存在する。大西洋海洋の大気が、内陸の大気よりも、より多くのエネルギーを取り出せる
ことを実証。この原因は主に、大量の熱が北大西洋――特に冬の間大気に――放出され海洋環境の風力
発電の方が、地上の風力発電所より高い発電レートを維持することができる。風力発電の風力タービン
は、連続的に表面風の運動エネルギーを電気に変換、風力から運動エネルギーを消費し、風力原則させ、
風力発電の発電量を決定する。これまでのい研究では、大規模な風力発電での陸上発電の割合は、1平
方メートルあたり約1.5ワットであるが、海洋環境の潜在的な風力発電所の発電レートをモデル化し、
季節変動するのにもかかわらず、年間発電電力量が1平方メートル当たり6ワット超の地域であること
を特定する。また、シミュレーションでは、海洋の特定領域で、海洋上の大気循環パターンは、海洋表
面で利用可能な限られた運動エネルギーとは対照的に、風力発電は、上層の対流圏の運動エネルギーを
も活用可能であることを示唆。内陸部で観測された風力発電量3倍の風力発電を維持している。この成
果から、商業規模の海洋風風力タービンで、約300万平方キロメートルの広範囲の海洋風力発電は、
現在の世界の年間エネルギー需要である18テラワットが供給できると推測している。因みに、地球の
総海洋面積は、約3億6106万平方キロメートル故、3百万平方キロメートルは、約0.83%である。

 リバプール沖に世界最大の風力タービン稼働

REN21 2017年度版
● エネルギー消費量と変換技術の変遷と現状

1882年以来発電所で発電が行われている。 発電機を駆動するために1883年に蒸気タービンが発明され、
世界の電力消費が大幅に増加。
2008年の世界の電力生産量は、20.279 ペタワット時 (PWh)。この数
値は、年間平均2.31 TWの平均電力に相当。 発電所の発電効率はおよそ30~50%、この発電に必要な総
エネルギーは約2~3倍。 従って、発生電力は5TW程度となる。これは15 TW( 世界のエネルギー消費
量を参照 )の総エネルギー消費量の約3の1に相当する。

【まとめ】 2016年、自然エネルギーの導入量は増加、必要な投資額は減少

    1. 2016年、世界176カ国が自然エネルギーの達成目標を設定。34カ国(前年比2倍以上)で自
      然エネルギーの入札を実施。
    2. 2016年、自然エネルギーの新規導入量は161GW、新記録達成。世界全体の累積設備容量は
      2015年比で約9%増。
    3. 新規の自然エネルギー発電設備への投資額は2,498億米ドルに達し、5年連続で、火力発電
      設備への投資額の約2倍となった。
    4. 世界経済が3%成長し、エネルギー需要が増加したにもかかわらず、2016年のエネルギー部
      門による世界のCO2排出量は、3年連続で前年と同じ水準を維持。

以上、前述のスタンフォード大学の研究グループの提案のごとく、風力・水力・太陽光発電で電力需要
をグリッドパリティを実現し、百パーセントまかなえるとの予測に従い、今後は、さらに、ゼロウエス
ト(廃棄物ゼロ)運動とセットで、高性能蓄電池事業とセットで各エネルギータイリング事業の高き目
標達成に向けロック・オンさせるスタートアップの年度となる。共に頑張りましょう。

  ● 今夜のアラカルト


【雪降る中ヤーコンが黒猫で届く】

 


土曜の「青空レストラン」を視ていた彼女が通販で富山から取り寄せたヤーコンをが、アマゾンから賃
上げに成功した大和運送が雪降る中、宅配され早速金平牛蒡風にアレンジ夕食に料理し戴く。食感が特
徴がありパウダーにされて販売もされているので保存性も高い。ただレシピがさほど多くないようだ。
フラクトオリゴ糖のバルクなのでシロップやサラダmあるいはお茶などとして使われている。健康には
いいので蒲鉾などの練り物、お好み焼きや麺類の小麦・そば・米の増量材、バインダーなどとし商品開
発でできそうな感触をえる。時間があればまた厨房に立つこともあるだろう。ペール→北朝鮮→日本に
伝わってとされていることも面白いと思いながら、可能性の大きさに思いを馳せる。




  

創作:サーモンとエビのヤーコンマリネYacon root with salmon and tiger prawns

 

 

 

 

 

 

 

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キャサリンが似合うキョドコ

2018年01月27日 | デジタル革命渦論

 

                   万章篇(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 誰の客になるかを見よ:万章が孟子にたずねた。「孔子は衛では灉
         痘(ようそ)の客となり、斉では宦官の瘠環(せきかん)の客とな
         った。こんなことを言う者がありますが、ほんとうでしょうか」
         孟子は言下に否定した。

         「いや、それは事実に反する。ためにする者の作り話だ。孔子が衛
         で身を寄せたのは、賢者として知られる顔讎由(がんしゅう)のと
         ころだ。その折、こんなことがあった。ゴマスリひとって衛君の側
         近におさまった弥予瑕(びしか)、これと子路とは妻君同士が姉妹
         だ。そこで弥予瑕が子路に、孔子が自分の客になれば大臣にしてや
         ることもできる、と言った。

         子路はさっそく孔子に伝えた。すると孔子はただひとこと、『天命
         に従うのみ』と答えた。孔子は、出処進退いずれに際しても、礼と
         義を踏みはずすことはなかった。官位を得るか得ないか、それを決
         めるのは天命だけだ、と答えたのも、灉疸とか瘠環の客になれば、
         礼義も天命もともにないがしろにすることになるからだ。

         孔子は魯でも衛でも歓迎されなかった。宋では軍事長官桓魋(かん
         たい)の待ち伏せにあい、あやうく殺されるところだった。このと
         きは、庶民の姿に身をやつして辛うじて危機を脱したものだ。しか
         し、そんな災難にあいながらも、陳に入れば、陳候周の家臣で、や
         はり賢者の司城貞子(しじょうていし)のところに身を寄せた。
         内の人物を判断するには誰を客に
するかを見よ、外来の人物を判断
         するには誰の客になるかを見よ
、とはむかしからいわれることだ。
         もし、孔子が灉痘とか瘠環の客になるようなら、孔子の孔子たるゆ
         えんがなくなってしまう。そんなばかなことがあるわけはない」

         〈灉疸〉 灉も疸も腫物のこと。したがって腫物を洽す医者、外科
              医というほどの意である。趙岐、朱子は、雲公の寵臣と
              注しているが、諸説あってはっきりしない。
         〈瘠環〉 瘠が姓、環が名。
         〈衛君 弥子瑕〉 衛君は衛の霊公のこと。弥子瑕はその寵臣。
         〈予防〉 孔子より七歳年少で、弟子の中の長老。 

       
     
No.138

【サーモタイル事業篇:高出力フレキシブル熱電モジュール】

 

1月23日、産総研らの研究グループは、湾曲熱源に適用可能な、温度差70 ℃で87mW/cm2の高出
力フレキシブル熱電モジュールを開発。ビスマス・テルル材の発電性能を従来比1.5倍に高め、その
大量生産が可能な製造プロセスを確立、曲面などさまざまな場所への設置を容易にし、廃熱(未利用熱)
を活用した発電の用途拡大に道を拓く。

熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電モジュールを用いて、身の回りの廃熱(未利用熱)を活
用する発電が期待されているが、セラミックス基板に熱電材料を実装した従来の平面型熱電モジュール
は、基板が固くて曲がらないため、排熱源の多くを占める配管などの熱が効率よく伝わらず、モジュー
ルの熱回収効率が低いという課題があった。そこで三者は、曲面にも設置できるよう、フレキシブル基
板と、以前から電子冷却用の素子として広く利用されている熱電材料であるビスマス・テルル材を用い、
平面型に比べ熱回収効率に優れたフレキシブル熱電モジュールの開発を進めてきている。

今回、ビスマス・テルル材に遷移金属をドーピングした熱電素子を用いて、発電性能を従来の1.5倍
に向上させ、この熱電材料を極薄のフレキシブル基板に実装したフレキシブル熱電モジュールは、湾曲
した熱源に対し、温度差70 ℃で発電出力87mW/cm2と高い発電性能を示した。さらに、その材料を
以前よりも安価に大量生産できるビスマス・テルルのインゴット製造プロセスを確立した。これにより、
工場プラントの温水・ガス配管など曲面状の熱源を利用でき、廃熱を活用した発電の拡大が期待される。 

近い将来、IoTが普及する際には、無線センサーがさまざまな場所に配置されると想定されており、そ
の電源として、身の回りの廃熱(未利用熱)を活用することが考えられている。熱電モジュールは、熱
エネルギーを電気エネルギーに変換できる熱電素子を複数、電気的に直列接続したもので、廃熱を電力
に変換できる。そのため、熱電モジュールは、無線センサーなどの電源や省エネ用自立電源として期待
され、さまざまな実証研究が進められている。 

一方、未利用熱のうち300 ℃以下の低温域の未利用熱は膨大で、産業分野だけでも日本の年間総発電量
を上回ると言われ、その利用が求められている。例えば、温水・ガス配管などの曲面の未利用熱を熱電
変換できれば、工場プラントなどの配管の温度や圧力などを測定するセンサーの電源とできるため維持・
管理が容易となる。また、大量の廃熱から電力を回収できれば省エネにも貢献できる。しかし、従来の
平面型熱電モジュールは、セラミック基板が固くて曲がらないため、未利用熱源の多くを占める配管な
どの熱が効率よくモジュールに伝わらないことから、モジュールの熱回収効率が悪く、モジュールも高
コストという課題があった。


 
今回、熱電材料であるn型ビスマス・テルル材に遷移金属をドーピングすると、ゼーベック係数が増大す
ることを見いだした。これにより、熱電材料の発電量の指標となる出力因子が従来の1.5倍に向上した。
このn型ビスマス・テルル材と、p型ビスマス・テルル材のインゴットをウエハー形状にスライスし、そ
の上に電極を形成して、切断加工により、ビスマス・テルル材のチップを作製した。これらのチップをフ
レキシブル基板上に高密度に実装し、260対のpn素子からなるフレキシブル熱電モジュールを開発(上図
1参照)。さらに、緻密で均質な焼結体を量産加工できる熱間等方加圧法を用いて、遷移金属をドーピ
ングしたn型ビスマス・テルル材のインゴットを大量生産できる技術を確立した。この熱電モジュールの
外径寸法は、フレキシブル基板まで含め、約64 mm×64 mm×1 mm 重量は約9 gであった。配管などに装
着する際には、防水絶縁シートなどで熱電モジュールを封止して使用する。

産総研で開発したフレキシブル熱電モジュール評価装置(下図2(a)左)を用いて、真空中で低温側温度
30 ℃とし、高温側を100 ℃まで加熱して、最大70 ℃の温度差での発電性能を測定した。温度差
が70 ℃のときの開放起電力は約5.3V、内部直流抵抗は2.7Ω、最大発電出力は87mW/cm2 とな
った(図2(a))。さらに、曲げ半径50mmで、1000回の曲げ試験を繰り返しても、発電出力の変化は1
%以下と劣化がなく、安定な発電性能を示すことが実証できた(図2(b))。これにより、工場プラント
の温水・ガス配管などの曲面状熱源(廃熱)を活用した発電などの用途拡大が期待される。

 

 ❏ 関連特許:特開2016-207995 熱電変換モジュールとその製造方法、ならびに熱電発
        電システムとその製造方法

【概要】 

現代の産業社会においては、特に工場、発電所、製鉄所、自動車や、ビル、照明、船舶などを中心に、
全一次エネルギー供給量の60%以上の膨大な廃熱が地球環境に排出されており、その75%以上が
250℃以下の排水や排気と推定されている。熱電発電は、これらの無駄に捨てられる熱から電気を起
こすゆえに、地球環境の保護に極めて有用である。これらの廃熱は一般的に円筒状の排気パイプや排水
パイプ等の排熱パイプを通じて輸送されるため、これらの廃熱を熱電発電の熱源として簡便に効率よく
利用するためには、熱電変換モジュールは排熱パイプの湾曲した外表面に密着させることができるフレ
キシブルなものである必要がある。また利用する熱源の温度が低くかつ温度差が小さい故に効率が低い
ために、発電モジュールとして機能するためには内部抵抗の小さいことが必須である。したがって低抵
抗な多数の熱電素子ができるだけ小さな面積に実装され、かつ量産性の良い低コストのモジュールであ
る必要がある。さらに熱電素子にできるだけ温度差を与えるために、実装基板等の熱抵抗、パイプへの
装着の際の接触熱抵抗が小さいことが必要である。従来開示されているフレキシブルな熱電変換モジュ
ールとして特許第5228160号公報が知られている。

本件は下図のように、固定された固い冷却管を用いるこの従来の方法では、熱電変換モジュール外面の
排熱パイプの中心軸からの距離のばらつきや冷却管の湾曲の曲率半径のばらつき等によって、熱電変換
モジュールの外面と冷却管の内面との間に空隙が生じてしまい所望の冷却性能が得られず発電効率が上
がらないという課題があったものを、この熱電変換モジュールは樹脂薄膜からなる2枚のフレキシブル
基板上の実装ランドに複数の熱電素子を高密度実装し、片方のフレキシブル基板に、フレキシブル性を
持たせる為に複数スリットを設けたことを特徴としている。このことで、片方のフレキシブル基板にス
リットを設ける事で、フレキシブル基板が2枚のデバイス構造でも曲げやすくなり、排熱パイプの曲面
に追従することができる。また熱源となる排熱パイプとの装着面は、熱伝導シートにより完全に密着さ
せる事ができるため、熱電素子への熱伝導ばらつきを低減させる(参考図3)。


【符号の説明】

10:フレキシブル基板 11:熱電素子 11a:p型熱電素子 11b:n型熱電素子 13:フ
レキシブル基板 14:スリット 16:実装ランド 17:導電ペースト 18:ソルダーレジスト
19:熱伝導シート 20:排熱パイプ 21:冷却水パイプ 22:止め金具 24:熱電変換モジ
ュール 28:放熱フィン 29:熱伝導シート 30:フレキシブル熱電導基板 31:熱伝導シー
ト 32:固着バンド 33:高断熱スペーサ 34:冷却管 35:フレキシブルシート 36:継
手 38:金属シート

 



● IoTの電力を担うエネルギーハーベスティングの可能性と課題



※ 電力の新潮流 集中電源から分散電源

    Jan. 25, 2018

※ 株式会社Eサーモジェンテック

このように、排熱利用と言う点では従来の「コージェネ」(CHP/熱電併給)と同じ、わたし(たち)
はエネルギータイリング事業のサーモタイル部門に位置するものである。このように「エネルギーフリ
ー社会」は目前に迫っている。昨夜のつづきではないが、「ビバ!デジタル革命」である。

  Jan.25, 2018

【極小のエアロゾル粒子でも嵐を引き起こす? 】

1月26日、米国は国立環太平洋北西研究所らの研究グループは、「超微細エアロゾル粒子による実質
的対流
および降水量の増強」と題された論文を発表している。 それによると、新しい研究により汚染プル
ームの極めて小さなエアロゾル粒子が、海洋や大規模な森林といった手つかずの領域の荒天に対して、
これまで考えられていたよりも大きな影響を与えていることがわかってきたという。こうした領域にお
ける水の循環は地球規模の気象パターンに大きくかかわっているので、この領域で観察された人工エア
ロゾルの影響が世界中の気候変化を引き起こす可能性もある、と著者らは述べている。アマゾンの熱帯
地方における「深い対流雲DCC)」系は主要な降水源であり、大気の熱エネルギーや太陽放射の吸収
量を変化させる。DCCの形成は小さな水滴の発生から始まり、その際に大気中水分が人工エアロゾルな
どの空中浮遊粒子の周りで凝縮するが、エアロゾルと気候パターンとの関連はまだよくわかっておらず、
超微細エアロゾル粒子(直径50ナノメートル未満)は小さすぎて雲の形成には影響を及ぼさないと考え
られている。今回、観察とシミュレーションに基づくデータを用いて、都市の汚染物質がアマゾンの熱
帯雨林に及ぼす影響を分析したところ、超微細エアロゾル粒子の周りの凝縮によって雲の形成が促進さ
れ、周囲の空気が暖められ、最終的にDCC系の増大が示された。粒子がDCC系に入り込む前は、もとも
とエアロゾルが少ない熱帯雨林の環境は、凝縮が少なく高い水飽和状態にあったことを発見する。超微
細エアロゾルが盆地に入り込んだときに、過飽和大気がその粒子上で凝縮し、その結果として雨の生成
や、暖かい雨、過冷却雲水が増加。大気中水分の豊富なその他の熱帯地方でも同じようなエアロゾルの
影響が見られる可能性を示唆し、地球規模で重要であることを強調する。

 Jan. 26, 2018

  Sep. 3,2012

かって、このブログで――そこで、平均粒子径が問題となる。粒子径が温暖化により微細化に変動する
ことになれば、前述した仮定のようにさらに大規模な気候変動を加速する方向に動く。海洋の変化等を
考慮すればなおのこと複雑な動きとなろう。逆に、平均粒子系が大きくなればブレーキとなり見積もり
の気象変動は小さくなるだろう。そのような対策、粒子径を大きくする大規模な手段(システム)を考
えておくことは一顧だに値するのではないだろうか。有り触れているかも知れないが森林面積を拡大す
ることでそれを助長する働きを期待できるかもしれない。今夜は「霧のいけうち」を「ルソンの壺」の
中に発見し、そんなことを考えてみた――と問題提起していることを思い出した。この研究成果はその
アンサーレポートの1つであるだろう。実に興味深い。 





【トレンディドラマが面白い!キャサリンが似合うキョドコ】

久しぶりにテレビドラマに惹かれ、毎回の放送待ちになっている。今夜は毎週火曜日放映される関西テ
レビの『FINAL CUT』とTBSの『きみが心にすいみついた』の2本。これ以外にも各局とも質の良さ
を感じさせる番組となっていることに驚いている。それまではNHKの『直虎』の日曜の大河ドラマ(
同局の『精霊の守り人』も興味は惹かれているのだが、録画する程の固執はない)ぐらい。かわりに日
曜のTBSの『99.9-刑事専門弁護士- SEASONⅡ』、や木曜日の『ドクターX』にかわるテレビアサヒの
『BG~辺警護人~』も目が離せない程にある。このようにわたしにとってはワクワクする時間帯とな
ってる。ところで「ファイナルカット」の主演の亀梨さんがよく似合うめがねが欲しくなりネットサー
フで「キャサリン ハムネット KH9511」であった。毎日欠かせない必需品のめがねのこと、すぐに飛び
つかずしばらく考えることにする。そこで同タイプのレディースを『きみが心にすいみついた』の主演
の吉岡理帆が演じるキョドコに着用させたらと想像する。

 



除雪作業がつづく。今朝も雪が降る中除雪していると、河川敷の雑木林から小鳥のさえずりがきこえて
きた。不
思議である。何故かセョクシュアルなさえずりに(Sexual bird chirping)に生命の力強さのよう
なものを感じ、短歌を詠ってみたが、吹雪かれながらその場で腰が砕けてしまった。

                                           

 

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ビバ!蓄電池革命

2018年01月26日 | デジタル革命渦論

 

                   万章篇(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 地位を得る目的:万章が孟子にたずねた。「伊尹は料理人になって
                  湯王にとりいったのだ、という説をなす者があります。そうでしょ
                  うか」「いや、ちがう。伊尹は有莘の片田舎で農耕をしながら堯・
                  舜の道を楽しんでいたのだ。義に反し道にはずれることがあれば、
         たとい天下を与えるといわれても見向きもせず、四千頭の馬を贈る
         といわれても目もくれなかった。また、義に反し道にはずれること
         であれば、一物たりとも人に贈らなかったし、人から受け取りもし
         なかった。湯王が贈り物をもたせて使者をやり、かれを招こうとし
         たが、伊尹は冷淡に、『そんなものをもらって出仕する必要がどこ
         にあろう。田園生活をしながらひとり堯・舜の道を楽しんでいたほ
         うがよい』とことわった。しかし湯王が再三使者を立てて招いたの
         で、ついに伊尹も気持を変え、『田園生活をしながら、ひとり堯
         舜の道を楽しむことよりも、湯王を堯・舜のような名君にし、人民
         を堯・舜時代のような人民にすることが大切だ。

         そんな世の中をこの目で見とざけたいものだ。天は、この世に人間
         を生み出したとき、先んじて真理を自覚した者が、おくれている者
         の自覚をうながすようにしたのだ。わたしは、天の生んだ先覚者だ。
         いま、わたしは堯・舜の道によって後覚の人民を導こうと思う。そ
         れをするのはわたしをおいてない』と決意した。天下万民の中に、
         堯・舜の世と同じ恩沢に浴さぬ者が一人でもいれば、伊尹は自分が
         その者をドブにつき落としたかのように感じた。自らに、天下を双
         肩に担う大任を課していたからである。だからこそ、湯王に仕え、
         暴虐な夏の梁王を討って人民を救うよう進言したのだ。おのれをま
         げて他人を正した話は耳にしたことがない。まして、自分が恥ずべ
         き行為をしながら天下を正したなど、前代未聞だ。聖人の行動は固
         定したものではない。

         あるときは隠遁し、あるときは官途につく。地位を去ることもある
         し、踏みとどまることもある。いずれの場合でも、要は身の潔白を
         持することだ。伊尹が亮・舜の道を実践するために湯王に仕えたと
         は承知しているが、料理人になってとりいったとは聞いていない。
         書経の伊訓箱にはこうある。『天詠は牧官(梨王の宮殿)を攻めた
         ときに始まるが、わたし(伊尹)は堯(湯王の都)に来たときから
         すでに始めていたのだ』」

         【解説】「出世」を軽蔑する考え方を、孟子はたしなめている。問
         題は「出世」の内容と目的なのだ。天命を具現するためには、地位
         と力が必要である。そのための努力と、たんに権力者にとりいろう
         とすることとは、本質的な差違がある、というのである。「わたし
         は天民の先覚者だ」という伊尹の言葉は、そのまま孟子の自覚でも
         ある。近代中国革命の父、孫文は『三民主義』の中で、「先知先覚」
         として「後知後覚」をめざめさせることが革命家の使命だと説いて
         いる。 

      
     
No.137

Jul. 21, 2017

 【ビバ!蓄電池革命:最新全固体型蓄電池技術】

● 高品質蓄電池の技術課題

このにきて、全固体型蓄電池などの技術開発に拍車がかかっている。このように現在研究開発が行われ
ている革新蓄電池には、リチウム(Li)金属負極や囚体電解質を適用し、LIBを進化させる電池と、リチ
ウム空気電池,マグネシウム(Mg)をはじめとする多価イオン電池,リチウム硫黄電池などのLIBとは
動作原理が異なる電池がある(これら革新蓄電池の理論エネルギー密度を下表1、2、下図1に革新蓄
電池の代表例として、LIB進化系の全囚体電池と新原理系のリチウム空気電池の模式目を示す。革新蓄
電池は、LIBの1、5倍以上の体積エネルギー密度が期待されている。尚、理論エネルギー密度は,正負
極活物質のみから計算した値であり、実電池には集電休,セパレータや機構部品などが必要なため,実
電池のエネルギー密度は、理論エネルギー密度の50‰以下になる。

 May 10 ,2017

高品質蓄電池は,デバイスとして必要な特性、高い信頼性と安全性を実現するうえで,解決すべき課
題といえば、例えば、❶
リチウムイオンが正負極問を移動する蓄電池はリチウム金属が負極活物質とし
て最も理論容量が高く、
LIB正極に対し負極にLi金属負極を用いることで、高いエネルギー密度をもつが
Li金属は活性が高いため,電解液との副反応が生じ、充放電効率が低い。さらに、充電時に,より比表
面積が大きく,反応性の高いLiデン
ドライト(樹柱状結晶)が成長しやすい。電解液添加剤による充放
電効率の改善、金属表
面への電解質層被覆やカチオン添加によるデンドライト生成抑制が目下の課題で
となっている。❷全固体
電池は、電解液を固体電解質にしたもので、リチウム
系では硫化物系固体電解
質圃などがある。金属負極を用いた場合,そのエネルギー密度は金属負極電池と同じ、化学的安定性の
高い無機固体電解質を用いることにより不燃化,高充電電圧化の他、バイポーラ電極構造化による体積
エネルギー密度向上が期待されているものの、固体電解質の伝導度が電解液に比べ低く、また、固体電
解質/電極活物質問の界面形成(電気化学的接合)が難しい。これらの問題の改善に、電解液を超える
伝導度を有する硫化物系固体電解質や、電極活物質表面への伝導性酸化物の
被覆による界面形成の研究
報告がある。

❸リチウム空気電池は、放電時にLiと空気中の酸素が反応して過酸化リチウム(Li202)が生成し、電気を
取り出す電池。これらは軽い元素で、
理論重量エネルギー密度が高い。放電反応は比較的起きやすいが、
充電時に逆反応の過酸化リチウム分解過電圧が非常
に高く過酸化リチウムの標準酸化還元電位は2.96V
だが、
充電のためには4.4
V程度の電圧を必要とし、.過電圧は電力を効率よく活用する電池のエネルギー
ロスになるため,改善は大変重要
であり、無機触媒や有機の酸化還元媒体を用いた過電圧低減の研究が
されている。❹マグネシウム電池の場合、資源量が多く、原子価が2価であり、比重も大きく積当たり
約2倍の容量を得られるが、電解液と反応し、その表面に不動態膜を形成し、可逆溶解析出が困難であ
ったが、2000年に溶解析出が可能な電解液を発見された。一方、エネルギー密度は低く、実用化
には、
正負極両方で分解せずに充放電が可能となる電解液や、高電位な正極活物質の創出が必須となり、この
ため副反応を抑制し、両極で作動可能な電解質の研究が行なわれている。 



このように、車載電池分野における2025年の電池市場は、4兆円規模と予想され、電池の高エネルギー
密度化かその鎚を握
る。課題としてはこのほか、セルパッケージング技術や充放電制御技術など、まだ
多く問題を残しているが、実用化が実現すれ
ば、電気自動車市場が本格化するとともに、蓄電やICT
野や再生可能エネルギ0ー分野への
波及により、2025年の電池市場は6兆円規模以上になると期待され
ている――事実、
材料およびプロセス技術の進化で、LIBは、20年間で約3倍の高エネルギー密度化
を実現している。

 株式会社日本マイクロニクス


● 二次電池にも量子電池!

❏ 最新事例:特開2017-228415 シート状二次電池及びシート状二次電池の製造方法

【概要】

基本構成が薄板状(シート状)に構成されている電池がある。このようなシート状の単位電池(以下
単にシート状電池tと呼称)形成に、対向電極を成膜する際に、形の決まったマスクを用いて電極を区
分し、シート状電池をカットして所定サイズの複数の電池を形成。有機薄膜太陽電池の製造方法に関す
特許文献1の記載技術は、マスクを用いて下部の電極を形成し、複数の単位セルを製造する。この技
術は、有機薄膜太陽電池の有機層を成膜する前に、セルを構成する下部電極が、隣接するセルの下部電
極と、完全に電気的に絶縁。ところで、近年、固体薄膜化した全固体型の二次電池の研究、開発が進展
し、小型化、ダウンサイジング(デジタル革命=第2則)の実現が期待されている。このような二次電
池の1つとして、特許文献2に記載されるものがあり、金属酸化物半導体の光励起構造変化を利用して、
バンドギャップ中に新たなエネルギー準位を形成し電子を捕獲する動作原理に基づく二次電池が開示さ
れている。この電池は、第1電極と第2電極との間に、絶縁性の被膜に覆われた微粒子のn型金属酸化
物半導体が充填された充電層を備え、その充電層は、紫外線照射による光励起構造変化現象により、n
型金属酸化物半導体のバンドギャップ内に新たなエネルギー準位形成され、そのエネルギー準位に電子
を捕獲しエネルギーを充電する。ここで、本件ではこのような金属酸化物の光励起構造変化を利用した
全固体型の二次電池を「量子電池」と称する。

しかしながら、上述の従来技術では、形の決まったマスクを用いて電極を分割して規格化された形状の
電池を切り出すため、任意の形状の電池に加工できなかった――例えば、リチウムイオン二次電池等の
化学電池は、そのサイズが規格で規定され、規格化された形状の電池を形成できるが、小片化した電池
を形成できず、対向する電極間に電解質等を注入して電池を製造するため、電池製造後に、電池形状を
変更できない。また、従来技術は、マスクを用いて電極を成膜するので、製造コスト高という問題もあ
る。さらに、さらに、従来技術のように、電極の成膜後、マスクを用いて区分した電極をカットする場
合、対向する電極間に配置された充電層が薄いため、カットによる応力が働き、電極が変形し、特に端
面でこの電極が他方の電極と接触して短絡するおそれがある。このように
シート状二次電池から任意の
形状の複数の小電池を容易に形成でき、且つショートを回避しながらシート状二次電池から複数の小電
池を形成するシート状二次電池及びシート状二次電池の製造方法を下図のように提供する。

第1のシート状電池は、正極層及び負極層の間に充電層を有するシート状二次電池において、(1)充
電層の一方の面に成層された正極層と、他方の面に成層された負極層のうちいずれか一方/双方が、膜
厚方向に除去されて形成された複数の溝部と、(2)複数の溝部により区分される複数の小電池とを有
することを特徴とし、第2の本発明に係るシート状二次電池の製造方法は、正極層及び負極層の間に充
電層を有するシート状二次電池の製造方法において、(1)充電層の一方の面に正極層を成層し、充電
層の他方の面に負極層を成層するステップと、(2)充電層に成層された正極層と負極層のうちいずれ
か一方/双方を膜厚方向に除去し、複数の溝部を形成する溝部形成ステップとを有することを特徴とす
る。

【符号の説明】

1…シート状電池、2…負極層、3…正極層、6…充電層、4…スクライブ領域、5…溝部、10…電
池、7…凸部

Jan. 9, 2018


最新事例:US 9,865,859 B2 Stacked-type secondary battery
:積層型二次電池

 【概要】

充放電可能な二次電池としては、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、リチウムイオン二次電池など
が開発されて実用化されており、高性能なリチウムイオン近年、二次電池が注目されている。リチウム
イオン二次電池は、有機溶媒を使用し、正極活物質、負極活物質、有機溶媒電解液などを最適化するこ
とにより、様々な用途に使用されている。二次電池は、二次電池の電池セルを多層に積層して電気的
に並列に接続して蓄電容量を増加させるように構成されている。 特許開示されたリチウムイオン二次
電池では、シート状のセパレータ7をアコーディオンのように折り畳み、上図22に示すように、正極と
負極を交互に挿入した構造を採用している。 正極板8および負極板9には、セパレータの連続体から対
向する側に突出するリード部8a、9aが設けられており、カソード部およびアノード部のリード部8a、9a
は、それぞれ別々に集められて電気的に接続されているお互いに。セパレータ7の連続体は、ポリオレ
フィン系樹脂などの合成樹脂製の細孔が形成された多孔質膜からなる。正極板8は、シート状の金属箔
の両面にリチウム遷移金属複合酸化物などの正極活物質を塗布して形成される。陽極板9は、シート状
の金属箔の両面に炭素材料等の負極活物質を塗布して形成されている。複数のカソードプレートと複数
のアノードプレートは、単位セルが並列に連結されるように互いに分離して集められる。リチウムイオ
ン二次電池は、可燃性の有機溶媒電解液を使用しているため、電極反応により有機溶媒電解質溶液が分
解して電池外装缶を膨張させ、電解液の漏れを生じることがあるため、小型化、軽量化、安全性の向上
を目的として、リチウムイオン二次電池が開発されている。これは、従来のリチウムイオン二次電池に
用いられている電解液の代わりに、ゼラチン状の電解質を用いたものである。ゼラチン状電解質は、電
解液を含み、さらにポリエチレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン - 六フッ化プロピレン共重合体、
ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル等のマトリックスポリマーを含有する。

このゲル状の電解質を用いたリチウムイオン二次電池は、例えば、単電池が、端子タブ2が突出した陰
極板3から構成されたリチウムイオン二次電池 端部から突出したゲル状の電解質4と、セパレータSと、
端部から突出した端子タブ5を有する陽極板6とを備え、複数の単位電池が交互に積層されて加熱プレス
されて複数の陰極板と複数の陽極板とを別々に集めて、上図23に示すように単位電池を並列に接続する
ように、積層膜電極接合体をラミネートフィルムなどで梱包して封止する。また、全固体リチウムイオ
ン二次電池の積層構造として開示されている構造は、リチウムイオンが出入りする正極活物質と、負極
活物質 隣り合う2つの固体電解質層が絶縁層で接続された固体電解質層と、隣接する2つの積層体とが
積層されて構成されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池。 それぞれのスタック4を構成す
るカソード層または各スタック4を構成するカソード層は互いに接触している。積層体の一対の側面に
は、第1の集電体と第2の集電体がそれぞれ配置されている。

第1の集電体は、カソード層と接触しているがアノード層と接触していないので、第1の集電体およびア
ノード層は絶縁層によって分離されている。また、第2の集電体は、アノード層と接しているが、カソー
ド層と接していないので、第2の集電体とカソード層とが絶縁層によって分離されている。左右端に端子
部が配置され、その下端部に集電箔が配置され、端子部を介して締結荷重が加えられる。積層された積
層体は、第1の集電体を陰極として、第2の集電体を陽極として、互いに並列に電気的に接続されている。
全固体リチウムイオン二次電池の積層構造としては、固体電解質層が隣接するセル間の電子伝導対の絶
縁膜となることを利用した構造が、特許文献4および特許文献5に開示されている。



また、積層体が一体焼結体であり、二次電池の電池セルが直列に積層された複数のブロックが並列に接
合されている。各直列ブロックには、正極集電体層、正極活物質層、イオン伝導性無機材料層(固体電
解質材料層)、負極活物質層および負極電流をそれぞれ有する複数の電池セルユニットコレクタ層の順
に接合されている。最外層に配置されたもの以外の正極集電体層および負極集電体層は、直列ブロック
の端面には延出しておらず、最外層に位置する正極集電体層および負極集電体層は、前記複数の直列ブ
ロックの最外層に位置する前記正極集電体層および前記負極集電体層の全てが、少なくとも前記直列ブ
ロックの端面の異なる部分に延在していることを特徴とする。それぞれスタックの端面に当接する。全
固体リチウムイオン二次電池の積層構造としては、固体電解質層が隣接するセル間の電子伝導対の絶縁
膜となることを利用した構造が、特許文献4および特許文献5に開示されている。積層体が一体焼結体で
あり、二次電池の電池セルが直列に積層された複数のブロックが並列に接合されている。各直列ブロッ
クには、正極集電体層、正極活物質層、イオン伝導性無機材料層(固体電解質材料層)、負極活物質層
および負極電流をそれぞれ有する複数の電池セルユニットコレクタ層の順に接合されている。最外層に
配置されたもの以外の正極集電体層および負極集電体層は、直列ブロックの端面には延出しておらず、
最外層に位置する正極集電体層および負極集電体層は、前記複数の直列ブロックの最外層に位置する前
記正極集電体層および前記負極集電体層の全てが、少なくとも前記直列ブロックの端面の異なる部分に
延在していることを特徴とする。それぞれスタックの端面に当接する。

積層型電池は、負極活物質層からなる薄膜固体リチウムイオン二次電池である複数の電池セルからなる
多層積層構造であり、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質層と、これらの間に配置され、
電子伝導的に分離・分離する機能を有する固体電解質層と、機能を有する金属膜からなるカソード側お
よびアノード側集電体層活物質層の直上および直下に電流を集めることができる。さらに、積層型電池
は隣接するセル間での電子伝導対の絶縁膜となる固体電解質層の機能を利用し、活物質間の対イオン伝
導のための絶縁膜となる集電体層(金属膜)固体電解質層と集電体層とによって、周囲の外側の位置に
カソードおよびアノードの活物質層の周囲を被覆して絶縁することができる。また、集電体層の外縁部
は、外縁部の外側の位置で固体電解質層によって覆われて絶縁されている。積層構造では、個々の電池
セルの間に新たな絶縁膜を用いることなく、各層を順に積層することにより、複数の段階の構造が1つ
の基板上に形成される。

特許文献5の積層型電池は、負極活物質層からなる薄膜固体リチウムイオン二次電池である複数の電池
セルからなる多層積層構造であり、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質層と、これら
の間に配置され、電子伝導的に分離・分離する機能を有する固体電解質層と、機能を有する金属膜から
なるカソード側およびアノード側集電体層活物質層の直上および直下に電流を集めることができる。さ
らに、積層型電池は、隣接するセル間での電子伝導対の絶縁膜となる固体電解質層の機能を利用し、物
質間の対イオン伝導のための絶縁膜となる集電体層(金属膜)固体電解質層と集電体層とによって、周
囲の外側の位置にカソードおよびアノードの活物質層の周囲を被覆して絶縁することができる。また、
集電体層の外縁部は、外縁部の外側の位置で固体電解質層によって覆われて絶縁されている。積層構造
では、個々の電池セルの間に新たな絶縁膜を用いることなく、各層を順に積層することにより、複数の
段階の構造が1つの基板上に形成される。また、特許文献6には、全固体型電池の電極端子を取り出すこ
とが容易であり、電池セルを積み重ねるだけで複数の電池の電気的並列接続を実現することができる全
固体型電池構造が開示されているの二次電池を構成する。



別ウィンドウ(タブ)の大きな表示で見る図24に示すように、上下には金属パターン102(取り出し電
極)とコンタクトホール104とを有する絶縁基板106が配置され、カソード集電体、陰極、固体電解質と、
アノードと、アノード集電体とが積層されて構成されている。
例えば、発電素子108の陰極集電体及び
陰極集電体の一方は、コンタクトホール104を介して覆われた絶縁基板106の金属パターン102のいずれ
かに電気的に接続され、他方の集電体は、コンタクトホール104を介して絶縁基板106の金属パターン
102を覆っている。
上下の絶縁基板106を貼り合わせて発電素子を封止し、発電要素108を挟んだ絶縁基
板106を貫通するスルーホール110を介して、接続された金属パターン102から金属パターン102で導通
させる封止体の表面のコンタクトホール104を介して、裏面のコンタクトホール104を介して接続されて
いない金属パターン102に電気的に接続されている。

単位電池の上面に取出し電極である陰極端子と陽極端子が存在し、下面にも同様に陰極端子と陽極端子
が存在する全固体型電池構造物単位セルを積み重ねるだけで電気的並列接続が可能になる。
また、形状
の変更や容量調整が容易な電池を提供することが可能な電極組立体が開示されている。電極アセンブリ
のセグメントの整列したアレイにおいて、セグメントは、1つの仮想平面内で一方向に並べて配置され
ている。
並べて配置されたセグメントの仮想平面の数は2以上であり、仮想平面内でセグメントが延び
る方向は異なる。1つの仮想平面内のセグメントは、90°の差を有し、別の平面内のセグメントを交差
することができる。セグメントの間隔は0であるか、または電池の成形加工性を提供できる任意の大き
さ、例えば5μm?数千μmである。いくつかの実施形態では、並んで配置されて延びるセグメントからな
る平面の間に、分離フィルムがさらに配置される。

先行技術文献

特許文献1:特開2009-140707号公報
特許文献2:特開2013-182735号公報
特許文献3:国際公開第2010/089855号パンフレット
特許文献4:特開2008-198492号公報
特許文献5:特開2004-158222号公報
特許文献6:特開2003-168416号公報
特許文献7:特開2013-535802号公報

上述したように、二次電池の積層構造には様々な提案がなされているが、二次電池の構成要素を利用し
たリチウムイオン電池の積層構造は、正極と負極を別々の要素固体電解質層を伸長させて絶縁体とする
ことで、他の構造の二次電池には適用できない。
特許文献2に記載されているように、端子タブを正極
及び負極に設けた構造は、積層体の厚みを考慮したものではなく、正極集電体上の正極活物質負極板の
場合には、負極集電体上の正極板および負極活物質を端子タブの接続部の幅を避けて充電するので、二
次電池としての容量が低下する。さらに、すべての陰極および陽極に端子タブを1つずつ設ける必要が
ある。電池セルの電極層の側面から電池セルを積層して電極を外部に取り出す構造は、電極が厚い場合
は物理的に可能であるが、 例えば1μm以下の薄い膜厚で蒸着やスパッタリングなどの方法で導電性電
極を製作する。また、取り出し電極及びコンタクトホールである金属パターンを有する絶縁基板を電池
セルの上下に配置して電池セルを積層する構造では、積層型二次電池が厚くなる 絶縁基板が介在するた
め、高密度実装が要求されない。(後略)

発明の効果

本発明では、二次電池の単位である電池セルを積層構造に積層し、電池セルを電気的に並列に接続に引
き出し電極を電極間に挿入する。 リード電極をシート状の電極ではなく、短冊状または線状の電極に
形成することにより、電池セルの電極よりも小さい領域に取り出し電極を配置し、全ての引き出し電
極が同時に重なり合うことを防止する 電池セルを積層した場合のリード電極による厚みの増加を最小
限に抑えることが可能となる。
また、電池セルを積層する際に、電池セルの電極の一方を引き出し電極
と重なる引き出し電極とすることで、引き出し電極の数を減らすことができ、製造が容易になるだけで
なく 費用も削減できる。複数の積層型二次電池の引き出し電極を共通化した構造では、積層型二次電
池の並列接続と積層型二次電池の重ね合わせを容易に行うことができる。 また、外側に位置するリー
ド電極を切断することにより、個々の積層型二次電池とすることができ、積層型二次電池の大量生産を
容易に行うことができるという効果を奏する。(以下、紙面制約上割愛)

尚、「特集|最新全固体型電池技術」の一部しか掲載できなかったが、セラミック系、ハイブリッド系、
グラファイト(バッキー)系、ハイブリッド系など様々な全固体型イオン系、さらには金属-空気型電
池の開発がポスト東京オリンピックの雌雄を決する技術開発/市場獲得競争が展開されていくものと考
えられる。マテリアルバルクの解体→新規マテリアルの再構築を背景として『ビバ!直電池革命の季節』
の到来だ。これは実に面白い。 

● ソーラータイル事業篇KURO-for Europe

  Jan. 25, 2018

 

  ● 今夜の一曲

この『雪椿』は曲名が小林の出身地である越後の花であることや、中越地震のエピソードもあって、小
自身は同曲のことを「宝物」と語っている小林幸子の43枚目のシングル。1987年6月25日に発売
されている。

   やさしさとかいしょのなさが
   裏と表についている
   そんな男に惚、れたのだから
   私かその分がんばりますと
   背をかがめて微笑み返す
   花は越後の花は越後の雪椿

   夢にみた乙女の頃の
   玉の輿には遠いけと
   まるで苦労を楽し仁ように
   寝顔を誰にも見せないあなた
   雪の谷間に紅さす母の
   愛は越後の愛は越後の雪櫓

                                 歌  小林 幸子
                                作詞: 星野 哲郎
                                作曲: 遠藤  実

 

 

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官僚たちの厳冬

2018年01月22日 | 時事書評

 

                   万章篇(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 天下は天子の私物ではない:万章が孟子にたずねた。「堯は舜に天下
         を与えたというのは、事実でしょうか」「それは違う。天子が勝手に
         天下を人に与えることなどできはしない」「では、舜が天下を得だの
         は、一体だれから与えられたのですか」「天が与えたのだ」「という
         と、天が自分の口から意を下したというのですか」「いや、天はもの
         を言わない。その人間の行為と事業とによって、意志を示されるだけ
         だ」「といいますと?」「天子は、に対して、天下をある人物に与
         えるよう推薦はできるが、強制することはできない。諸侯は天子に対
         し、大夫は諸侯に対し、人物の推薦はできても、その人物に地位を与
         えるよう強制することはできない。むかし堯が天に対して舜を推薦し
         た。すると天はそれを受けいれた。また人民に発表してみると、人民
         もそれを受けいれた。天はものを言わず、人間の行為と事業とによっ
         てのみ、その意志を示すといったのは、このことだ」「具体的にはど
         ういうことですか」「推薦された人物に祭祀を行なわせて、神々がそ
         れに満足されれば、天が受けいれたことになる。また政治を行なわせ
         て、天下が治まり、人民が安心して生活するようになれば、人民が受
         けいれたことになる。天下は、天が与え、人民が与えるのだ。天子が
         勝手に他人に与えることはできないというのはこのことだ。

 

  aiboの眼は汎用OLEDs

   

高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』
   

     第3章 奇跡の終焉と「狂乱物価」の正体

     第5節 通産省の役人よりも一枚も二枚も企業は上手だった
 

    まして、「高度成長時代は、通産省が日本の産業を牽引してきた」 というのは、多くの人の思
 い込みにすぎません。城山三郎の小説「官僚たちの夏」は、通産省が日本の産業を引っ張ってきたと
 いうストーリーでテレビドラマにもなりました。通産官僚がヒーロー的に描かれていますので、その
 ような物語の影響もあるのかもしれません。
  しかし実際のところは、日本の産業を発展させたのはあくまでも民間企業であって、通産省はそれ
 に少し力を貸しただけです。それどころか通産省が民間を妨害したケースもあります。代表的な例が
 本田技研の四輔車参入です。

  「官僚たちの夏」の主人公として描かれている通産次官は、自動車メーカーは数社あればいいと考
 えて、二輪車専業だった本田技研の四輔車への参入を認めようとしませんでした。それに対して、本
 田宗一郎は真っ向から反諭して、通産省に逆らって四輔車に参入しました。
  今振り返ってみれば、通産次官と本田宗一郎のどちらが正しかったかは明らかです。 そもそも、
  通産省の役人に産業を見分ける力はありません。一方、企業は自分たちの生き残りがかかっています
  ので、役人よりはるかに真剣に取り組んでいます,

  企業は常に研究開発を続けていて、どこよりも早く新しいものをつくろうとしています。その情報
 を通産省に少し横流しすると、通産省は「今度はこれだ」として、政策として打ち出すというのが通
 常のパターンです。
  通産省の業界指導がいかに意味のないものだったのかを私が明確に認識したのは、1980年代後
 半に公正取引委員会で仕事をしていたときだったことは、すでに述べました。公取はカルテルなどを
 取り締まる役所ですから、業界指導をする通産省とは、ある意味で敵対していたからです。本章では、
 もう少し詳しく、このときの経験を紹介することにしましょう。

  私のいた部署は経済部調整課でした。調整課は、各省庁が立案した法律案や口頭指導・行政指導に
 よって、自由な競争が制限されたり阻害されたりしないように、各省庁と調整をするのが仕事です。
 通産省の役人も呼んで、「こういう行政指導はカルテルになるからやめて下さい」と指摘します。し
 かし通産省の人は、業界を指導するのが自分たちの仕事だと思っていますから、「産業政策」と称し
 て業界指導するための根拠法をつくろうとします。公取は「そういう法律をつくると、独占禁止法に
 抵触します」と伝えるわけですが、通産省の役人にしてみれば、自分たちのレゾンデートル、つまり
 存在理由にかかわることを公取に否定されるので、公取と通産省はよく対立していました。

  この構図をうまく使ったのが業界の人たちです。彼らのほうが役人より一枚も二枚も上手です。
  業界を保護してほしいときには、通産省に「ぜひ、ご指導を」といって業界指導を頼みに行きます。
  しかし、通産省の業界指導が気に入らないときには、「カルテルにならないでしょうか」と公取に
 駆け込んできます,こうして、うまい具合に役所を使い分けているのです,
  私は、いつも業界と通産省の問に立って調整をしていました。業界の人にうまく利用されていたの
 だと思います。いや、逆にいえば、民間はそれだけ「したたか」だということです。
  ただし、両者の間に入って、双方からホンネを間いていましたので、業界指導がどういうものなの
 か本当のことがよくわかりました。

 Wikipedia

          第6節 ただ民間の後追いをしてきただけという通産省の本当の姿 

  民間企業は何かヒットするかわからないので、様々な分野で開発を進めています。通産省から話を
 聴かれると、有望そうな分野のことを話して、通産省にデータを提供します。通産省はそのデータを
  利用して、政策目標として掲げていたのです。要するに、通産省は民間が出したビジョンの後追いを
  していただけです。
  さらに通産省よりも、けるかに遅れているのがマスコミです。通産省から何らかの情報が出される
 と、マスコミは「最新ニュース」だと捉えて、嬉々として飛びつきます。情報に疎いマスコミは、「
 通産省がこんな新しい目標を打ち出した」というニュアンスで大々的に報道してくれるのです。

  かくして、あたかも通産省が業界に先んじてすごい目標を打ち出し、業界を引っ張ったかのように
 報道されるのですが、要は、マスコミは通産省の御用報道機関として利用されていたわけです。
  こういう情報を信じた人は、「通産省の業界指導が日本の産業を牽引した」とずっと思い込んでき
  たのだろうと思います。通産省が目標を打ち出して、それに業界が従ったかのように捉えられていま
  すが、事実はまったくの逆なのです。

  業界の人たちが勝手に集まって話し合いをしたらカルテルになってしまいます。そこで通産省は、
 法律をつくってカルテルを合法化していきました。業界の人たちは、法律に基づいて、通産省の人が
 出席している場で話し合いをします。そうすると、カルテルではなく業界指導ということになります。
  外国から見たら完全なカルテルであり、公取から見てもカルテルの疑いが強いものです。しかし、
 法律をつくって合法化し、通産省が間催している会議にすれば、ぎりぎりのところでカルテルとみな
 されにくくなります。通産省の業界指導というのは、いわば「偽装カルテル」だったといえます,
  では、偽装カルテルをつくったあとに、通産省が業界指導をできたのかというと、何もできません
 でした。指導というのは、その業界のことをわかっている人でなければできるものではありません。
  途中からは通産省の代わりに民間の人がカルテルを主導するようになります。民間の人は、自分の
 会社の都合のいいように話を持っていこうとしますから、結局、業界指導の名を借りたカルテルはす
  成り立だなくなっていきました。
  私が公取にいたころに造船業界のカルテルが認可されました。造船は運輸省が管轄しており、運輸
 省がカルテル認可を求めていました。
  業界の人たちは、状況をよくわかっていますので「カルテルをしても意味がない」といっていて、
 カルテルをやりたがっていませんでした。

  一般的にいえば、船舶の世界はグローバルです。また、造船は世界の中で一番コストの安いところ
 でつくって、船籍は別の国にしておくことが多いので、日本でカルテルをしても意味かおりません運
 輸省が強く求めたため認可しましたが、公取最後のカルテル認可になりました,
 結局、造船カルテルをつくったものの、各社は手間ばかりかかって 何の利益もないため、苦労され
 たようです。以降はカルテルの申請は一切なくなりました,

           第7節 通産省式「合法的カルテル」の栄枯盛衰 

  最終的に共販会社はすべて解散しました。各社は「カルテルをしても、自社の競争力を落とすだけ
 で、結局はうまくいかない」ということがわかったようです。カルテルのような無益なことをするよ
 りも、自社の競争力を高めたほうがいいということで、通産省主導の合法的カルテルは見向きもされ
 なくなりました。
  カルテルはものすごくメリットかおるものに思えるかもしれませんが、一時しのぎの役割しかなく、
 最終的には企業や産業を弱めてしまいました。
  私が公取にいた1980年代後半は、通産省の合法カルテルの破綻が明らかとなり、後処理のよう
 な仕事ばかりでした
  業界を育成するためにつくられた法律は、どれも効果がなかったので次々と廃止されていきました。
  業界指導のなれの果ては、不振業界の構造改革です。特定産業構造改善臨時措置法という法律かお
 り、通産省は過剰設備の処理をさせようとしていましたが、もはや通産省のいうことなど誰も聞いて
 いませんでした。同法は1988年に廃止されました。

  幼稚産業論としては、政府による業界指導は成り立ちます。しかし、それを産業基盤の整った日本
 でやるのは無理がありました。幼稚産業を脱した一流産業国家では、産業政策において国の出る幕は
 ありません。
  もし、通産省が業界指導をやりたければ、途上国に行ってやるべきでした。途上国では業界指導が
 喜ばれますが、日本のような国でやってもうまくいきません,

      第8節 東京オリンピックの経済効果は、インフラ整備よりも貿易自由化

  高度成長期には1964年の東京オリンピック開催という大イベントがありました。東京オリンピ
 ックに向けて、日本国内では高速道路や新幹線が整備され、大きな経済効果があったといわれていま
 す。インフラが整備されたという点では、一定の効果はありました。しかし、公共投資による経済効
 果は、実はそれほど大したことはありませんでした。
  一番大きな効果は、「貿易の自由化」による経済効果です。
  オリンピックのような国際イベントを開催すると、政治家を含めてみんなの意識が外向きになりま
 す。「世界に恥ずかしくない国にしたい」と思うようになるのです,
  北京オリンピック(2008年)のことを思い起こしていただくと、東京オリンピック当時のこと
 を想像しやすくなります。
  北京オリンピックが開催されたときに、中国は北京市内の工場の操業を停止して公害を防止し、青
 空の状態にしました。町中で痰を吐く中国人も減ったといわれています。外国人に見られて恥ずかし
 くない状態にしたいという気持ちが国民に広がったのです。

  1964年の東京オリンピックのときも、似たようなことが起こりました。身近なこととしては、
 東京の町中のゴミが問題とされ、環境が美化されました。
  どの国でも国際イベントを開催するときには、政治家は外国に対していいところを見せたいと見栄
 を張りがちです。
  また、1964年の東京オリンピック開催で、政治家の意識が外向きになり、オリンピックを機に
 貿易の自由化が進みました。
  「貿易自由化を進めると輸入が増えて大変になる」という反対意見も多かったのですが、「オリン
 ピックを開催するのだから、世界に恥ずかしくない国にしなければいけない」ということが説得材料
 になり、自由化を進めることができたのです。下らない規制は世界に対して恥ずかしいということで
 国内の規制も見直されました。

  こうしたことが起こるのがオリンピックです,
  オリンピックを契機に日本の貿易自由化は急速に進んでいきました。1960年に岸政権が「貿易・
 為替自由化計画大綱」をつくった時点では、貿易自由化率は40%でしたが、東京オリンピックを目
 前に控えた1963年には、貿易自由化率は92%にまで上昇しています。また、1964年にはO
 ECD(経済協力開発機構)に加盟して、資本の自由化も進めました。

  2020年の東京オリンピックでも同様の効果を期待できます。インフラ整備も進みますが、外国
 人硯先客を迎えておもてなしをするために通訳が増えたり、語学学習をする人が増えたりするでしょ
 う。世界に目を向ける人が増えて、様々な規制が見直される可能性もあります。
  オリンピック開催が決まると、国民が国際化を比較的受け入れやすい状態になります。「外国から
 良く思われたい」という意識が改革の原動力となり、経済活動を活性化させます
  
そういう意味では、いろいろな国がオリンピックを持ち回りでするようになれば、世界の国々がさ
 らに良く
なるのではないかと思います。
 

ここまでは大きな疑問点はない。「官僚とはインテリの慣れの果て」とは世界的な思想家であり詩人であ
った吉本隆明の物言いだが、国家官僚生活を送った著者が同組織の罠(冤罪)に嵌められた経験の持ち主
からか、国家官僚組織史は辛口になるのは致し方がないと勝手な同情心を寄せているところがあるが「

国からよく思われたい」という意識が経済を活性化させる」との独自のオリンピック論を展開させているが、デフレス
パイラルの有効なストッパーとなりうるかどうかは、「デフレスパイラル」のシステムの厳密解析の有無となる、また、
硬直した国家官僚組織の是正システムの構築も問われている。さらに、パリ万博誘致断念の情報が流れているよ
うに費用対効果(BOP)の再定義も必要であろう。

                                         この項つづく 



【読書日誌:カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』
No.3

 

  ある夜、妻にも同じことを尋ねてみた。「わたしも覚えていませんよ」とベアトリスは言った。
 「あなたが夢の中で作り出した女じやないんですか。あなたよりよほど背のしやんとした女房が横に
 いるのに、なぜ作り出す必要があったのかわかりませんけど」
  ほんの昨秋のことだ。そのとき、二人は真っ暗闇の中でベッドに並んで横たわり、屋根に当たる雨
 の音を闇いていた。

 「確かにおまえは年をとらないな、お姫様。だが、あの人のことは夢ではないよ。おまえだって、本

 気でしばらく考えれば思い出せるはずだ。現にほんの一月前、うちの戸口まで来て、何かいるものは
 ありませんか、あれば持ってきますけど、と親切に言ってくれたじやないか。な、覚えているだろう?」
 一持ってきてくれる?なぜわざわざ。その人は親戚か何かなの」 

 「いや、違うと思うよ、お姫様。親切で言ってくれたんだと思う。絶対に覚えているはずだ。よく戸
 口に来て、寒くないか、ひもじくないか、と気遣ってくれた」
 一だからね、アクセル、わたしが知りたいのは、なぜ無関係の女がわたしたちにだけ親切にしてくれ
 るのか、ってことですよ」

 「不思議だよな、お姫様。わたしたち二人はそのへんの村人よりよほど健康だ。なのに、病人の面倒
 を見る人がここに来てくれた。なぜ、と首をかしげたのを覚えているよ。流行り病の噂でもあって、
 それで様子を見にたのかな、とかな。だが、結局、流行り病もなくて、あの人はただ親切で見にきて
 くれただけとわかった。こうやっていま話していたら、もっといろいろ思い出したぞ。あの人はそこ
 に立って、子供たちに悪口を言われても気にしないように、と言ってくれた。確か、そうだ。で、そ
 れを最後に姿を見かけなくなった」

  「やはり、あなたの想像力のせいですよ、アクセル。でも、たかが子供が遊びの中で言うことまで
 気にかけるなんて、ばかな女!」

 一わたしもそのときそう思ったよ、お姫様。子供らは天気が悪くて外に出られず、中で瑕を持て余し
 ていただけだ。年寄り二人をいじめる気などなかっ
た。だから、わたしは全然気にしていませんと答
 えたが、それでもあの人が
親切にしてくれたことは変わらない。そうだ、蝋燭なしで夜を過ごすのは
 と
ても気の毒だ、とも言っていたな。覚えている」

 「蝋燭がなくて気の毒?じゃ、少なくとも一つは正しいことを言っていたわけね。見て、わたしの手
 はちっとも震えてなんかいませんよ。なのに夜の
蝋燭を禁止するなんて侮辱です。蝋燭の持ち込みを
 許されてる人たちを見
て!毎晩リンゴ酒でぐでんぐでんに酔っ払うわ、子供たちが部屋中走り回って
 いるわ……あれは危険じゃないの?なぜうちの蝋燭だけ取り上げる
の。おかげて、すぐ廣にいるあな
 たの姿さえ見えやしない」

 「侮辱するつもりなんかないさ、お姫様。この村は昔からずっとそうやってきたんだ。それ以上のこ
 とではないよ」

 一でも、うちの蝋燭を取り上げたことがおかしいと思っているのは、あなたの夢の女だけじゃありま
 せんよ。昨日ね……一昨日だったかしら……川沿い
を歩いていて、何人かの女たちを追い越したの。
 少し隨れて、もう聞こえな
いと思ったんでしょうね、わたしたちの噂を始めた-あのご夫婦みたいに
 ちゃんとした方々が、毎晩、盲六っ暗闇で過ごさなくちゃならないのはかわいそう、ですって。だか
 ら、その女以外にも同じ考えの人はいるんです」

 一だから夢の女ではないんだよ、お姫様。一月前にはこの村の全員があの人を知っていて、感謝して
 いた。なのに、いまはみんなが-おまえも含めて
-そんな人はいなかったみたいに言う。なぜだろう」
 この春の朝、アクセルはあのときの会話を思い出しながら、赤毛の女は自分の間違いだったと認めて
 もよいような気持ちになっていた。結局、自分は老いつつある。この年になれば、ときには勘違いす
 ることだってあるだろう。だが・・・・・・だが・・・・・・じつはこれだけではないのだ。こうした首をひねる
 ような記憶はほかにいくつもあって、赤毛の女の件はほんの一例にすぎない。ではほかにどんな・・・・
 ・・?いや、いま急に問われても、残念ながらすぐには思い出せない。だが、ほかにいくつもあったこ
 とは確かだ。そう、たとえばマルタの一件とか………

  マルタというのは九歳か十歳の女の子で、小さいくせに怖いもの知らずという評判だった。周囲は
 身の毛のよだつような話をいろいろ聞かせ、やたらにほっつき歩く子はそういう目にあうよと注意し
 ていたが、マルタの旺盛な冒険心がおとなしくなどなればこそ。ある日の夕方、あと一時間もすれば
 暗くなり、霧が立ち込めてきて山腹で簑がうなりはじめるというころ、マルタの姿が同心えなくなっ
 た。悲鳴が村を駆け巡り、村人全員が顔をひきつらせて、仕事の手をとめた。しばらくはマルタを呼
 ぶ声が村中に響きわたり、大勢の足音が通路を行き来した。村人はあらゆる寝室を探し、貯蔵トンネ
 ルを探し、垂木の下の隙間を探し、子供らが遊びで隠れ家に使っている場所を探した。
 
  そんな捜索の最中、丘で群れの見張り番についていたニ人の羊飼いが村に戻ってきた。冷えた体を
 大広間の焚き火で温めながら、一人がヌエワシを見たと言った。前日、飛んでいるのを見た。二人の
 頭上で一回、二回、三回と輪を描いた。間違いない。あれは絶対にヌエワシだった………噂はすぐに
 村中に広まり、大勢の人が活を開きに焚き火の周りに集まってきた。アクセルでさえ駆けつけた。国
 にヌエワシが現れたとなれば、これは確かに大ニュースだ。ヌエワシはさま、ざまな力を持っている
 とされる。その1つが狼を追い払う力で、この国のどこかヌエワシが多く棲息する土地では、狼がま
 ったくいなくなったとも言われていた。



  最初、羊飼い二人は質問攻めにあい、ヌエワシの話を繰り返し語らされていたが、やがて、間いて
 いる村人たちの間に懐疑的な空気が漂いはじめた。

  同じような話がこれまでに何度もあったな、と誰かが言った。どの活のときも、結局は嘘っばちだ
 ったじやないか、と。ああ、去年の春にもまったく同じ活かあって、それを持ち帰ったのもこの同じ
 二人じやなかったか、と別の村人が言った。そのときも、結局、ヌエワシを見た者など誰もいやしな
 かった………羊飼いは怒り、自分たちはこれまでそんな活をしたことはない、と否定した。そのあと、
 村人たちは羊飼いの側に立つ派と、昨春のことを覚えている派に分かれ、言い争った。

  激しい口論を間いているうち、アクセルはまたあの感覚に襲われた……どこかがおかしいという、
 しつこくまとわりついてくるあの感覚。振り払おうとして、怒鳴り§いと小競り§いのつづく場を離
 れ、外に出た。空か暗さを増し、地表に霧が広がりはじめていた。しばらくそれをながめていると、
 心の中でいくつかの記憶の断片が結び合いはしめた。いなくなったマルタ、心配される危険、ついさ
 っきまでつづいていた捜索・・・・・・。だが、目覚めれば数秒後にはもう薄れはじめる夢に似て、それら
 記憶の断片もすでに薄れ、混乱しはじめていた,背後では、相変わらずヌエワシについての言い争い
 がつづいている。アクセルは頭に残る幼いマルタの姿をなんとか見失うまいと、必死に集中しつづけ
 た。突然、少女の鼻歌のような音が聞こえてきた。音の方向を振り向くと、霧の中からマルタが現れ、
 スキップしながらこちらへやってくるところだった。

  一おまえは不思議な子だ、マルタ」と、近づいてくる子にアクセルは言った。「暗闇が怖くないの
 かい。狼や鬼は?一
 「怖いわよ、おじいちゃん」とマルタは笑顔で笞えた。「でも、隠れ方を知ってるもん。パパとママ
 が心配してないといいけど。先週、すごく叩かれたばっかりだから」
 一心配?もちろん、心配しているとも。村中が君の心配で大変だ。中の大騒ぎが聞こえるだろう?あ
 れもみんな君のためだよ、マルタ」

 マルタは笑い、「やめてよ、おじいちゃん一と言った。「村中が心配してるなんて。騒ぎは聞こえる
 けど、あれはあたしのことで騒いでるんじゃないわ」、言われてみれば確かにそのとおりだ、とアク
 セルは気づいた。中から聞こえてくる声は、マルタのことでなく、まったく別のことで言い争ってい
 る。
  もっとよく聞こうとして入り口の方向に体を傾けると、張り上げた声が奇妙な言葉を繰り返してい
 るのがわかった。ヌエワシ……? とたんに、心に羊飼いとヌエワシのことがよみがえってきた。な
 ぜそんな話になっているのか、いきさつをマルタにも説明してやるべきだろうかと思案した。だが、
 その間にマルタはまたスキップを始め、さっさと横を通り過ぎて中に入っていった。

  アクセルもマルタにつづいて中に入った。少女の無事な姿を見れば、みなほっとし、大喜びするだ
 ろう。それを見たかったし、正直に言うと、一緒に入っていけば、少女の帰還に自分が一役買ったと
 思ってもらえるのではないかという期待もあった。だが、大広間に入ると、そこでは村人たちがまだ
 羊飼いの証言をめぐる言い争いに熱中していて、入ってきた二人に目をくれる人はほとんどいなかっ
 た。さすがにマルタの母親は焚き火を離れ、二人のところへ来たが、一こんなところにいたの。ほっ
 つき歩いちやだめって、何度言ったらわかるの」と叱っただけで、また、火の周りでつづいている荒
 っぽいやり取りに戻っていった。それを見て、マルタは「ね、言ったとおりでしょ?一とでも言うよ
 うにアクセルに笑いかけ、友達を探しに影の中に消えていった。

                     カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』第1部/第1章


ヌエワシ?鵺鷲?白襟禿鷲?それとも白肩鵰?結局最後までわからなかった。「その国から出発して東へ
と向かいました。浪速の渡(ナミハヤノワタリ)を通って白肩津(シラカタノツ)に船を泊めました。そ
のときに、登美(トミ)の那賀須泥毘古が兵を集めて待ち受けていて、戦争になりました」(神武東征神
話)なども連想したが、このままにして先に進む。

                                        この項つづく

 ● 今日のニュースで英会話

たまりにたまった宅e英会話。ネット3時間だが、理解はいまいち。補習授業を明日に設定。英語タイト
の'GENIUS' TRUMP SLAMS 'FIRE AND FURY'は「『天才』トランプ(大統領)が『炎と怒り』を酷評」。
"Fire and Fury"は本のタイトル。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、トランプ政権の内幕を描いたと
する本の中で、側近らから大統領としての適性を疑問視されていると指摘されたことをめぐり、ツイッタ
ーで反論。

Donald Trump has slammed suggestions in a new tell-all book that he's mentally unfit to be president.
He says the book is a "work of fiction" and describes himself as a "very stable genius."

 "Fire and Fury" went on sale Friday. It quotes White House aides who question Trump's competence.
Author Michael Wolff says all the people around the president doubt his intelligence and fitness for
office. 
 Trump tweeted that his two greatest assets are mental stability and being smart. He says he went
from being a successful businessman to top TV star and then to the presidency. Trump says that shows
he's not only smart but a genius. The president has questioned Wolff's.

 Wikipedia

 

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エネルギーフリー社会を語ろう! No.136

2018年01月21日 | デジタル革命渦論

 

                   万章篇(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 男女の結合:弟子の万章が孟子にたずねた。「詩経に、『妻をめと
         るには父母の許しを得て』とあります。これが正しいとすれば、舜
         のような行為は不倫ということになるではありませんか。聖人であ
         る舜が、父母の許しを得ずに妻をめとったのは、何としたことでし
         ょう」「父母の許しを待っていれば、妻をめとることができなかっ
         たからだ。男女が一緒に生活するのは、人間としての大切な生き方
         である。父母に話したならば、舜は妻をめとれなかった。そうなれ
         ば人間の大切な生き方を捨て、ついには父母をうらむ結果になる。
         そこで、勝手にめとったのだ」「なるほど、当人のことはわかりま
         した。しかし、舜を娘むこにした亮帝はどうでしょう。尭帝が舜の
         両親に黙ってめあわせたのは、伺としたことでしょう」「宛帝も、
         許しを待っていればめあわすことができないと知っていたからだ」 

                  【解説】ここには、後世、せまく固定してしまった。"孝"の概念は
                  ない。男女が結びつくという自然の大道を、それより重くみている
         のである。

      
     
No.136

 

【米国立再生可能エネルギー研究所の電化未来調査】

● 電気自動車がガソリン車より安くなる時代に!


● 2035年のEVバッテリー容量単価 200ドル以下

1月8日、米国エネルギー省NREL(National Renewable Energy Laboratory:国立再生可能エネルギー研究所)
は、広範な生活領域で電化が進んだ将来の米国エネルギーシステムについて予測を行い、2050年までに予
想される電化社会に必要な技術とコストの試算を公表している(
NREL Electrification Futures Study 出典:
NREL
)。この報告書(詳細、上図クリック参照)NRELを含めた米国研究機関によって行われるEFS(
Electrification Futures Study
:電化未来調査)の初回報告書となる。EFSは、将来の家財や社会インフラの
進展に必要な技術や性能の試算、電力需給の推定、社会電化の進展に対する利点・問題点の洗い出しを最
新の統計や学術文献調査、電力需要シミュレーションなどにより行うもの。今回のレポートを皮切りに今
後2年間で、交通、住宅・商業用建造物、産業など米国の全経済部門においてさまざまな調査を行う。

尚、今回の調査で以下の5つの質問に答えるよう設定している。

❶ 今日の高度エネルギー消費サービスで、どのような電気技術が利用できるのか?
❷ どのように、広範囲な電化が国家や地域の電力需要/供給パターンに影響するのか?
❸ 電化経済の需要変化に対応するため、米国の電力システムはどのように変革すればよいか?
❹ 高信頼性のクリーン電力網の運用支援に果たすべき需要側の柔軟性な役割とは何か?
❺ 大量電化の潜在的なコスト、利益、および影響とは何か?

調査では、電化に関する技術の開発速度が「遅い」「中間」「速い」の3条件で進展したとして仮定し、
それぞれの開発速度での社会電化の進展度合いを予測。「中間」の開発速度は、現時点の研究レベルで想
定される開発速度よりも速いものとなっており、「遅い」開発速度が現在想定される開発速度に対応する。
これは、電化に関する研究がどの分野においても盛んに実施されており、現時点では想定できないイノベ
ーションが生まれることで、社会の電化速度が加速することを考慮したと説明している。

交通分野では、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)や電気自動車(BEV)といった乗用車や電気ト
ラック、電気バスの各車種において車両コストや電費などを試算している。本稿では、乗用車(中型セダ
ンを想定)の試算。 BEVに搭載されるバッテリーの容量単価推移は、下図1の通りどの開発速度におい
ても低下傾向にあり、2016年時点で1kWh(キロワット時)当たりのコストが273ドル(30,199円)と推定
されているが、「遅い」開発速度では年間1%、「中間」の開発速度では年間2%、「速い」開発速度で
は年間4%のコスト下落を想定すると、2035年時点で、「遅い」開発速度で1kWh当たり200ドル(22,152
)、「速い」開発速度で100ドル(11,152円)を見込むが、それ以降では容量単価下落が踊り場に差し掛
かり、「速い」開発速度で2038年ごろに到達する80ドル(8,861)が、容量単価において当面のゴールと
想定する。

 

● 短距離用BEV 2031からガソリン車ライフサイクルコストを下回る 

下図2は、車両コスト(長期均衡での小売車両価格)をパワートレイン別および航続距離別で比較。図中
ICEVはハイブリッド車(HV)を“含まない”ガソリンエンジン車、「PHEV 25」や「BEV 100」のよう
にパワートレイン種別の後ろに記載する数値はバッテリーでの航続距離(単位:マイル)。ICEVの車両
コストは2050年までほぼ変化しない見込みだが、PHEVおよびBEVは車両コストの低減が進むと予想。特に
航続距離25マイルクラスのPHEVは、2025年頃にガソリン車の車両コストとほぼ同程度になると見込まれ、
BEVについても先述のバッテリー価格下落に伴って車両コスト低下が期待できる。航続距離300マイルク
ラスのBEVでは、車両価格に占めるバッテリー価格の割合が高いため、開発速度の違いによって予想コス
トに大きな差が生じる。

下図3は、パワートレイン・航続距離別でエネルギー効率(Main Efficiency:燃費・電費)を比較したも
ので、PHEVのみ複合燃費(Aux. Efficiency)を示している。エネルギー効率においても今後さらに進展が
あると予想され、開発速度の違いにより差異が大きくなるが、PHEV・BEVでは最大1.8倍程度の効率上
昇がある。

下図4は、車両・メンテナンス・電気など走行に必要なコストを走行距離で割ったLCOD(Levelized Cost
of Driving
:均等化走行原価)をガソリン車を基準として、PHEV・BEVの差異を示す。PHEV 25では「速い」
開発速度の場合、2026年頃にガソリン車よりも低いライフサイクルコストを達成すると想定。 シティコ
ミューターのような航続距離の短いBEV 100では「遅い」開発速度の場合でも2031年頃にはガソリン車以
下のライフサイクルコストを達成できる。また、航続距離がガソリン車クラスとなるBEV 300では、「速
い」開発速度でのみ2050年以前の2034年頃に達成できる見込みとしている。上記で紹介した乗用車分野以
外にもEFSレポートでは、住宅・商業用建造物の空調や温水器、産業の各製造工程を電化した場合のコス
トや影響を試算。




【英国日産 近日中にルーフトップソーラーパネルを販売】

 

電気自動車やソーラーパネルを販売する。テスラのモデルも、他の自動車メーカーにも魅力を感じている
という。日産は日産エナジーソーラーでのゲームに乗り込む。同社は最近、屋内パネルとそのバッテリー
ストレージ製品xStorage Homeを販売するサービスを開始し、ソーラー製品を搭載した英国の住民は、電力
法案の66%を節約できという。また、同社は
日産のエナジーソーラーをオールインワンのソリューショ
ンと表現。競争力のある価格オプションで、最も効率的な効率オプション、または屋上に統合されたパネ
ルを誇るデザインオプションの3つのパネルオプションを提供。日産エナジー・ソーラーのユーザーは、
太陽光発電、貯蓄、またはその両方を購入できるが、英国の住民が再生可能エネルギーの恩恵享をサポー
トする。ユーザーは日産リーフまたは、e-NV200を購入できる。日産は、日産エナジーソーラーのウェブ
サイトで、世界最大級の先進的なエネルギー会社と提携し、電気自動車蓄電池に長期安定性とリサイクル
可能材料の最大限活用を行っていくとしている。モーターリング・リサーチによると、ソーラーパネルを
最適化するために屋根のLiDARリモート解析を行う予定で。 6パネルシステムは、インストールを含め、
3,881ポンド(594,789円、約5,383ドル)。完全なソーラー&ストレージシステムは7,535ポンド(約1,171,115
円,10,589ドル)からとなる。同社の製品は、Motoring Researchによると、テスラより手頃な価格で設計さ
れる。日産ニューエナジーのウェブサイトでは、このシステム近日中に発売される予定。

 

 Jan. 19, 2018

 

【世界のトップ10のソーラーパネルメーカ:日本メーカ脱落】

2017年には約98GWの太陽光発電が、2016年には70GWの太陽光発電が導入。上位10のモジュールサプライヤ
は、約57GWの量(合計58%)を達成。これらのグループは、大部分が産業用パネルの供給者であるが、こ
こでは住宅用ソーラーパネルを取り上げる。JinkoSolarはこのリストの第1位。EaglePERC 60は住宅用製
品としてトップ。 パネル変換効率18.3%と300Wを上回まわる。 太陽電池の技術基盤は「単結晶パッシベ
ーションエミッタリアコンタクト(PERC)。Trina Solar 'DuaMax Twin'は第2位、世界で2番目に大き
な太陽電池パネルサプライヤーである同社は、世界で最も低価格の太陽光発電プロジェクトであるメキシ
コの2¢/ kWh 104MWプロジェクトに参加。 また、DuoMax Twinは世界で最大22.5%の効率。第3位、カナ
ダソーラー'60セルスタンダード。専門的には、どの製品よりも多くのCanadian Solarをインストール。効
率は平均で16-17%。第4位、JAソーラー「JAM6-PERCIUM」、JAソーラーは、世界最大の太陽電池メー
カーでもあります。 数週間前、monPERCの住宅用ソーラーパネルで19.97%という最高の定格効率を達成。
今のところ、 18.35%のPERCIUM Solar Cellベースのパネルで 「解決」する必要がある。ジャパンソーラ
ーは、2013年にmonoPERC太陽電池を使用して20%を打ち破っている。第5位、韓和Qセル「Qピークデュ
オ」 Hanwha Q-Cellsはソーラーパネルを作る。 半減太陽電池や6つのブスバーなどの技術を導入。最近の
ラスベガスでのソーラーパワーインターナショナルでは、ブラックシリコン、PERC、ダイヤモンド配線、
ブラックシリコン5バスバー(5BB)、マルチバスバー(MBB)、ダブルグラスモジュールなど GCL-SI
は技術が特徴。第6位、 LONGi 'LR6-60PD' LONGiは、2016年に最も急成長したパネルメーカー。第7位
Suntech 'Tigoスマートモジュール' Suntechは2008年から2012年まで世界最大の太陽電池パネルメーカー。 
2012年にソーラーパネルの価格破壊し破産している 。以上、下表のごとトップ10を掲載。

【省力化・省エネ篇:水田水管理省力化システム「水(み)まわりくん」】

1月17日、積水化学工業は、太陽電池の電気で自立動作し、時間や水位に応じて自動開閉する水田用給
水栓「水(み)まわりくん」を1月22日から本格販売開始する。給水栓の開閉のために水田に行く回数を
減らして水管理作業を省力化できる。価格は11~13万円前後(タイプにより異なる)。同社製の水田用給
水栓「エアダスバルブ」の上部に設置する制御装置。スケジュール管理と水位センサー管理を組み合わせ
てバルブの開閉を管理できるため、例えば雨天時における必要以上の給水防止や高温障害対策の夜間かん
がいの実施などが可能になる。

 

本体つまみで各種設定を行うタイマー型、スマートフォン画面から設定できるリモコン型、特定小電力無
線により遠隔監視・操作できる遠隔操作型の3タイプを用意した。遠隔操作型は、水位センサーの情報を
クラウドサーバーに蓄積し、日間・週間・月間でグラフ表示できる。「官民連携新技術研究開発事業」「
次世代農業水利システム実証調査」「革新的技術緊急展開事業」などの国の政策に基づき、2015年度から
福井県、岐阜県、長野県、滋賀県、山口県、北海道などの水田で同製品の実証実験や試験導入を行い、効
果が確認できたことから本格販売を開始した。今後は、新無線通信技術であるLPWAなどを用いた遠隔操作
型自動給水栓および各種水位・水温センサーとの連携したシステム、その他営農管理システムと連携する
システムなどの開発を進めていく。


● 彦根から吉野まで2時間(往復4時間)

昨日は、午前8時に自宅から名神彦根IC→近畿道(吹田)-羽曳野IJ-八木→吉野まで約2時間の距
離、親戚の見舞いに車を走らせる。便利なものだ、高速道路をノンストップで疾風することができること
にあらためて時代の変化の大きさを再確認する。時代は大きく変化している、そんな訳でブログは書けな
かったので、今日はこれから町内の新年会があることもありこの、ブログを書いている。かきながら「エ
ネルギーフリー社会」はすぐそこまで(あと15~20年程度で)やってきていることも再確認した。い
や、これは、私が生きていれば夢ではないだろうと。

 

 

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グラフェン電子素子工学Ⅱ

2018年01月19日 | 環境工学システム論

 

 

                   万章篇(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 故郷鄒(すう)にひきこもった孟子の晩年は、静かなうちにも充実
         した日々であった。「後単数十乗、従者数百人」の華やかな遊説時
         代とはうって変わった生である。最後まで師を慕ってついて来た万
         章ら少数の弟子だちと、政治について、聖賢について、あるいは交
         友について語りあう孟子の言葉には、論敵を倒さずばやまなかった
         かつての激しさはない。この篇で浮き彫りされるのは、温かく弟子
         を導く老師の姿だ。

                 こ と ぱ

                「男女室に居るは、人の大倫なり」
                「天は言わず。行と事とをもってこれを示すのみ」
                「天の視るはわが民の視るに自い、天の聴くはわが民の聴くに自う」
                「天のこの民を生ずるや、先知をして後知を覚さしめ、先覚をして後
        覚を覚さしむ」
        「友とはその徳を友とするなり」
        「常の職なくして上より賜わる者は、もって不恭となせばなり」
        「その詩を頌し、その書を読むも、その人を知らずして可ならんや」 

      
     
No.135  

【蓄電池篇:最新グラフェンボール蓄電池技術】

● グラフェン電子素子工学Ⅱ

炭素材料は、グラファイト、バッキーボール、カーボンナノチューブ、グラフェンなどの様々な形態で存
在する。バッキーボールは、60個の炭素原子からなるボール構造を持ち、同素体であり、フラーレンと呼
ばれる。バッキーボールの分子構造は15個の五角形と20個の六角形で構成され、各五角形は六角形で囲ま
れている。カーボンナノチューブは、カーボンナノチューブが六角形のハニカムパターンに結合して、単
一の壁ナノチューブの場合には1桁のナノメートルの直径を有するチューブ構造を形成する材料である。

ナノメートルレベルの炭素の別の同素体であるグラフェンは、ハニカム結晶格子内に密に充填されたsp 2
結合炭素原子の1原子厚の平面シートの構造を有する。グラファイトの結晶または「フレーク」形態は、
一緒に積み重ねられた多くのグラフェンシートからなる。グラフェンの炭素 - 炭素結合長は約0.142nm
ある。グラフェンは、グラファイト、チャコール、カーボンナノチューブ、フラーレンなどの炭素同素体
の基本構造要素です。グラフェンは2次元のユニークな構造のために、室温で高い電子移動度、原子単分
子膜に対する高い不透明度、優れた熱特性、化学的安定性、広い表面積を有し、最大の機械的強度(破壊
強度および引張弾性率)をもつ

近年、ナノエレクトロニクス、オプトエレクトロニクス、化学センサ等の様々な分野にグラフェンを適用
する研究が盛んに行われている。グラフェンは、ニッケル、銅などの遷移金属を触媒として用いて、化学
気相成長法(CVD)を用いて合成することができる。また、グラファイトを層ごとに分離することにより、
ラフェンを得ることができる。グラフェンは一般にシート状で使用される。また、ニッケル、銅などの
遷移金属を触媒として用いて、化学気相成長法(CVD)を用いて合成することができる。
また、グラファ
イトを層ごとに分離することで、グラフェンを得られ、
グラフェンは一般にシート状で使用されるが、チ
ューブ状に作られて使用できる。

下記の特許は、グラフェン構造体およびその製造方法を提供するもので、追加の態様は、以下の説明に部
分的に記載され、部分的には説明から明らかになり、提示された態様の実施によって習得される。本発明
の一態様によれば、グラフェンドット構造は、半導体材料のコアと、コアの表面に形成されたグラフェン
シェルとを含む。半導体材料は、Ⅳ族半導体、Ⅲ-Ⅴ族半導体、またはⅡ-Ⅵ族半導体を含む。コアは、
約1nm~約10μmの範囲の直径をもち、グラフェンシェルは、1つ以上の層を有することができる。 コア
は、第1のコアと、第1のコア上に形成され、半導体材料を含む第2のコアとを含む。第1のコアは、非
導電性材料または金属を含む。

本件のグラフェン構造体の製造方法は、半導体材料を含むガスと炭素を含むガスとを用いて化学気相成長
法(CVD)によりグラフェンボール構造を合成する工程を含み、グラフェンドット構造の合成は、半導体材
料と炭素を含むガスとを含むガスを反応室内に導入する工程と、半導体材料を含むボール形状のコアを形
成する工程と、コアの表面にグラフェンシェルグラフェンを形成する工程とを含む。この方法は、グラフ
ェンドット構造からコアを除去する工程をさらに含む。この半導体物質を含むガスは、GeH4ガスを含み、
前記炭素を含むガスは、GeH4ガスを含むる。また、反応チャンバの温度は、約200℃の範囲に維持でき、約
900℃である。反応チャンバの圧力は、約0.1Torr~約300Torrの範囲に維持することができる。

❏ US 20130134361 A1 グラフェン構造体及びその製造方法

【要約】

グラフェンドット構造体及びその製造方法 グラフェンドット構造は、半導体材料を含むコアと、コアの表
面に形成されたグラフェンシェルとを含む。 グラフェンドット構造はネットワークを形成することができる。  

US 20130134361 A1

 

【図の簡単な説明】 

【図1】本発明の一実施形態によるグラフェンドット構造を示す斜視図
【図2】図1に示す例示的なグラフェンドット構造の断面図
【図3】本発明の一実施形態によるグラフェンドット構造の断面図
【図4】本発明の一実施形態によるグラフェンドットネットワークを示す図
【図5及び図6】本発明の一実施形態によるグラフェンドット構造体の製造方法を説明するための図 

【特許請求範囲】

  1. 半導体材料と炭素を含むガスとを含むガスを反応室内に供給する工程と、前記半導体材料を含むガ
    スがGeH4ガスを含む、前記半導体材料のコアおよび前記コアの表面上にグラフェンのシェルを形成
    するために化学蒸着を行うステップとを含む方法。
  2. 前記コアは、約1nmから約10μmの範囲の直径を有するように形成されることを特徴とする請求項1
    1に記載の方法。
  3. 前記グラフェンシェルは、1つ以上の層を有するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の
    方法。
  4. 前記反応チャンバは、非導電性材料または金属を含み、前記半導体材料は、前記非導電性材料または
    前記金属上に堆積される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記半導体コアおよび前記グラフェンシェルの構造から前記コアを除去するステップをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  6. 前記除去するステップは、前記半導体コアをウェットエッチングするステップを含む、請求項5に記
    載の方法。
  7. 前記除去するステップは、前記半導体コアの気化を可能にする温度および圧力で前記半導体コアを気
    化させるステップを含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記炭素を含むガスがCH 4ガスを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記反応チャンバの温度は、約200℃〜約200℃の範囲に維持されることを特徴とする請求項1に記載
    の方法。約900℃である。
  10. 前記反応チャンバの圧力は、約0.1Torr~約300Torrの範囲に維持されることを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  11. 前記半導体コアおよび前記グラフェンシェルの複数の形成された構造のネットワークを形成するステ
    ップをさらに含む、請求項1に記載の方法。

  Jan. 18, 2017

【ポーランドでファサード型ペロブスカイト太陽電池の実証】

 

Saule Technologies社はSkanska Groupとペロブスカイトベースのソーラーパネルを販売する販売契約を締結。
両社は、テストセルを使用して2018年にポーランドにプロジェクトを導入予定。 これは、ペロブスカイト
を市場に出し設置する契約に署名した初めての会社となる模様。このパネルは、約10%の効率的なソー
ラーパネルである100W/平方メートルを提供する。
生産ラインはポーランドのブロツラフの予定。総額2千
万ユーロ投資される。
Skanska Groupは、中東欧商業ビジネス開発部門が、この製品を初めて導入する。 欧
米のファサードや騒音障壁の構築を含むSkanskaの販売権を用途供与する契約を締結している。

 

 

Jan. 5, 2018

【ソーラータイル事業:量子ドットソーラーパワーウィンドウ】

ロスアラモス国立研究所の研究者は、量子ドット調光2面塗工型ソーラーパワーウィンドウの6 "プロトタ
イプを実証。この窓は特別な太陽窓で、外側の窓ガラスには紫外線と青色の光を波長変換量子ドットが使用
された太陽電池。標準的な従来のソーラーパネルと比較して最大34%の電力コストの削減が可能である。
さらに、タンデムル型太陽集光ウィンドウに光電変換させるため外側のガラス塗料の外側表面(下の左の画
像の上のレイヤ)上に高放射性マンガンドープ量子ドット層を堆積し、銅インジウムセレン化物量子ドット
を内側(底部)塗料を内側表面上に堆積させている。外側のペインは、太陽スペクトルの青色と紫外の部分
を吸収し、従来型太陽電池の吸収できる色で再放出し再放射された光をガラス窓の内部反射(下の中心画像)
により、窓ガラス両端部のガラス窓に対して垂直に配置した太陽電池はに導出する。3番目の画像は、紫色
と青色の波長を吸収し、エッジに向け直されているす。残りの光は、エッジで太陽電池に変換される2番目
のガラスパネルで導出される仕組みとなっている。

このように、このプロトタイプのデバイスは、太陽光の照明と太陽光から電力への変換効率が3.1%と高い
6.4%の高い光学量子効率を示す。そこで多くの材料をテストし、効率を微調整(および増加)するため
の多くの組み合わせを提案。 たとえば、ウィンドウサイズのガラス(~20インチ)を使用すると、タンデ
ムウィンドウはPVセルに供給される光子量を2倍以上にできる。また、標準的な二重窓枠にも、標準の太
陽電池パネルの上に搭載させるためにガラスの第1層の使用を提案している。現在、多接合太陽電池の使用
することで無駄なスペクトルの解消を試みている―― 国際宇宙ステーションは40%以上の効率の多接合
ソーラーパネルを使用しているが非常に高価であり、今回のように、ガラスに適用した量子ドットは、1×
1メートル2タンデムLSCの場合、ガラス材料の総コストは$2/平方メートル。 完全な装置を$1/平方
メートルで組み立てるのに必要な他の成分のコストに近似すると、タンデムLSCの総コストは~$5.01/
平方メートルである。これは、シリコン系モジュールの典型的なコスト(~$100/平方メートル)の約
20倍相当である。標準商用ソーラーパネルのサイズは約2平方メートルで、1パネルあたり約10ドル(60
セルの住居用ソーラーパネルの場合は8.33ドル)です。現代の350ワットソーラーパネルに適用すると、
コストは2.9セント/ワットモジュール価格である。これによると、以前の調査では 、広く配備できれば
5%の効率的なソーラーガラス製品は米国電力需要の40%の生産量に相当規模に達する。もはやこれで、
エネルギーフリー社会の実現は不可避となる見込み。

   今夜の一曲 

 

『ローズ』 

「ローズ」(原題:The Rose)は、アメリカ映画『ローズ』(1979年11月公開)の主題歌。同作に主演した
ベット・ミドラーが歌い、1980年にはシングルとして全米3位、『ビルボード』誌のアダルト・コンテンポ
ラリー・チャートでは1位のヒットを記録した。ミドラーのヴァージョンは、2015年にはTBS系「金曜ドラ
マ」、『アルジャーノンに花束を』の主題歌としても使用された。また、多くのアーティストによってカヴ
ァーされている。ベット・ミドラー(Bette Midler, 1945年12月1日 - )は、アメリカ合衆国ハワイ州ホノル
ル出身の歌手、女優。シリアスもコメディもこなせる女優であり、女優としては3度のエミー賞、4度のゴ
ールデングローブ賞、2度のトニー賞を受賞、歌手としても3度のグラミー賞を受賞する。 

Some say love, it is a river
That drowns the tender reed
Some say love, it is a razor
That leaves your soul to bleed
Some say love, it is a hunger
An endless aching need
I say love, it is a flower
And you its only seed

 It's the heart afraid of breaking
That never learns to dance
It's the dream afraid of waking
That never takes the chance
It's the one who won't be taken
Who cannot seem to give
And the soul afraid of dyin'
That never learns to live 

When the night has been too lonely
And the road has been too long
And you think that love is only........

                                                                       Song ;                              The Rose
                                                                       Singer ;                        Bette Midle
                                                                       Music&Word ; Amanda McBroom 

 



● 今夜の寸評:分断の是正 

平昌冬季五輪の主導権を巡る北朝鮮と韓国の駆け引き話題となっている。金正恩と 文在寅の生い立ちなど
しいことは無視して、政治家としてみればハードスターリニストとソフトスターリニスト(民族民主国家
主義者)とわたし(たち)には見えてしまい、後者が前者の政権延命に手を貸しているように見えてしまう。
世界はいま至る所で分断の反動の季節にある。いかなる民族民主国家主義的手法も未来を切り拓くことはで
きないことは70年安保を経験しているわたし(たち)に自明のことだ(例えば吉本隆明著の『南島論』に
すでに記載されている)。少なくとも、墨子、カールマルクス、ジョン・メナード・ケインズ、シモーヌ・
ヴェイユなどの著書から学んだことは「国をひらく(開明)」以外に分断の悪弊は是正できないということ
であり、弱者救済という協働が支点である。今夜は少し長くなった。 

 

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終活と就活

2018年01月18日 | デジタル革命渦論

 

                  離婁(りろう)篇    /    孟子   

                                     

 
           ※ 亭主の虚栄: 斉の国のある男が、妻と妾を持っていっしょに暮ら
         していた。外出のたびに、たらよく飲み食いして帰って来る。妻が
         飲み食いの相手を聞くと、例外なく言言の人ばかり。そこで妻は妾
         に言った。

                 「うちの人は外へ出るといつもたらふくご馳走になって帰ります。
                  しかも相手は富貫の方ばかり。でも、うちには名の聞こえたお方は
                  一人もお見えにならない。わたしあの人のあ亡こをつけてみますわ」

                ある朝早く超きて、見え隠れにあとをつけたが、坑内どこまで行って
                 も、だれひとり亭主に話しかける者はない。最後に行きついたのが、
                 東の町はずれにある墓地である。亭主はそこで墓参じている人のとこ
                 ろへ行って、供物の残りをもらい食いし、それで足りないと、また別
                 のところへ行った。たらふく飲み良いしていたのは、これだったのだ。
                 妻は家に帰ると、妾に、「夫というものは、一生尊敬できる人であっ
                 てこそなのに、実はしかじかじか」と、一部始終を話し、庭で亭主を
         ののしりながら二人して泣いた。

                そんなこととはつゆ知らず、亭主は意気揚々と宗に帰って来ると、あ
                 い変わらず妻と妾に威張ってみせた。君子の立場からすれば、富貴栄
         達を求めてあくせくする連中のやり口は、この亭主のようなもの。妻
                 や妾に見せたら、はずかしがって泣き出すにちがいない。

 

      
     
No.134  

【省エネ・省資材篇:最新高品質化検査技術】

● 印刷法で製造したディスプレーなどの駆動回路の非破壊インライン検査

今月15日、産総研が独自に開発した薄膜トランジスタ(TFT)アレイ一括検査技術の測定感度と検査面積
を大幅に向上させるとともに、本技術を応用したストレージキャパシターの検査を可能にした。これは、大
面積化・省エネルギー化が可能な印刷法は、ディスプレーやタッチパネルなどの情報入出力機器の製造技術
として期待されている。しかし、数百万個のTFTとストレージキャパシターがアレイ状に配置された情報入
出力機器の駆動回路(アクティブバックプレーン)を短時間で検査することは難しく、高生産効率と高品質
を両立させる上での大きな課題となっていた。

 Jan. 15, 2018

今回、TFTアレイの駆動状態を光学イメージ化して一括検査できる産総研独自のデバイス評価技術(ゲート
変調イメージング技術)を改良し、検査時間を10分以上から3分以内に短縮し、検査面積を1mm角から3cm
角に大幅に向上させた。これは、画素密度150 ppiのバックプレーンでは、TFT30,000素子を3分以内に検
査することに相当。さらに、本技術を応用したストレージキャパシターの検査も可能となる。これにより、
膨大な数のTFTとストレージキャパシターを配置する大面積デバイスを非破壊インライン検査できるため、
印刷法による大面積デバイスの高品質化に貢献できる。

情報化社会の進展とともに、あらゆる生活シーンにエレクトロニクス技術が浸透していく中、情報入出力機器のさら
なる使用利便性の向上と多様化、製造技術の簡易化・低コスト化が求められている。これらを達成するキーテクノロ
ジーのひとつが、軽量で柔軟なプラスチックフィルム上に、省資源・省エネルギーの印刷技術を用いてデバイスを製
造する「プリンテッドエレクトロニクス」技術であり、現在、基礎から製品開発まで幅広いレベルでの研究開発が世界
的に進行している。

中でも、大面積の高精細ディスプレーを全印刷で製造する技術の開発は、プリンテッドエレクトロニクスの重要な課
題となっている。しかし、ディスプレーの各画素を制御する駆動回路(アクティブバックプレーン)は、通常、画素数に
対応した数百万個のTFTとストレージキャパシターで構成されるため、性能平準化に改善の余地を残す印刷法によ
る製造技術の確立は容易ではない。このため、液晶や有機EL素子などの表示素子(フロントプレーン)を載せる前
に、バックプレーンの動作を高速に非破壊検査することが求められるが、膨大な数のTFTとストレージキャパシター
を短時間で検査することは難しく、高生産効率と高品質を両立できるインライン検査技術の開発が喫緊の課題とな
っている。

 Jan. 15, 2018

これによると、産総研は、プリンテッドエレクトロニクス技術の実用化を目指した研究開発の一環として、
印刷法によるアクティブバックプレーンの製造技術と、これに対応できる非破壊・高速のデバイス評価技
の開発を進めてきた。特に、バックプレーン上のTFTアレイを高速に一括して検査するため、ゲート電圧
をかけることでTFTに生じる光透過率・反射率の微小変化を可視化するゲート変調イメージング技術の開発
を進めてきた。2014年には、5×5の小規模なTFTアレイの動作不良個所と性能分布を10分程度で可視化でき
た。今回、ゲート変調イメージング技術を改良して測定感度と検査面積の大幅向上に取り組むとともに、
この技術を応用したストレージキャパシターの検査に取り組んできた。

【研究概要】

上図1に、今回改良したゲート変調イメージング装置の概略を示す。TFTにゲート電圧をかけて、キャリア
を蓄積(TFTを駆動)すると、半導体層の光透過率・反射率がごくわずか(1万分の1程度)だけ変化する。
この装置では、アクティブバックプレーンの全てのTFTにゲート電圧をかけた状態(TFTを駆動した状態)と、
かけない状態(TFTを停止させた状態)の光学イメージをそれぞれ撮影し、画像演算により両者の差分イメ
ージを求めて微小な変化のイメージ(ゲート変調イメージ)を得る。正常動作するTFTだけがゲート変調イ
メージに現れるので、TFTの動作不良個所をイメージから一括して特定できる

今回、ゲート変調イメージの演算とSN比向上のための積算を毎秒約1ギガバイトのデータ処理速度で光学
イメージの撮影と同時に実行できる高速の画像演算装置を新たに開発し、これを高解像度・高フレームレ
ートのCMOSカメラと組み合わせることで、ゲート変調イメージの解像度と単位時間当たりの積算回数を、
これまでの11万画素・毎秒15回から415万画素・毎秒45回へと大幅に向上させる。イメージのSN比は積算回
数の平方根に比例するので、単位時間当たりの積算回数の増加により測定感度が向上する。また、大幅な
高解像度化により、一括検査できる面積が大幅に増加する。今回、広視野光学系と高輝度LEDを組み合わせ
ることで、一括検査できる面積を従来の1 mm角から3 cm角に向上。これは、画素密度150 ppiのバックプレ
ーンの場合、TFT約30,000素子に相当する。

下図2にゲート変調イメージと、そのノイズの大きさの積算時間依存性を示す。2014年に開発したこれまで
の装置では、十分なSN比のゲート変調イメージを得るのに10分以上かかっていたのに対し、今回開発した
装置では3分以内に、これまでと同程度のSN比のイメージを得ることができた。



さらに、今回開発したゲート変調イメージング装置を用いて、各画素にひとつのTFTとひとつのストレージキ
ャパシターを配置したアクティブバックプレーン(画素密度150 ppi、全印刷により製造)の検査を行った
(下図3)。まず、アクティブバックプレーン(図3(a)、3(b))に液晶表示素子(フロントプレーン)を装
着して表示試験を行い、不良個所を大まかに特定した後に、フロントプレーンを取り除いて、ゲート変調イ
メージング装置により測定した。動作不良のTFTを特定する通常の測定モード(TFT欠陥検出モード)で測
定を行った結果を図3(c)に示す。図の四隅の影を除いた部分が、4 cm2の面積範囲(TFT15,000素子に相当)
について測定した結果に対応する。小さな赤い点のひとつひとつが正常動作するTFTに生じた光反射率変化
によるもので、色調が変化していない部分が動作不良のTFTに対応する。ゲート変調イメージング装置によ
り特定した不良個所は、表示試験により特定したものとよく対応していた。このように、広い範囲に含ま
れる多数のTFTを一括検査し、動作不良のTFTを特定することができる。また、さらに、ストレージキャパ
シタの絶縁不良を特定する測定モード(キャパシター欠陥検出モード)による検査結果を図3(d)に示す。
この測定モードでは、絶縁不良のキャパシターと同じ画素に配置されたTFTがゲート変調イメージに色調変
化を与えるため、絶縁不良個所を検出できる(図中の赤点)。今回開発した装置により、動作不良のTFT素
子だけでなく、絶縁不良のキャパシターについても、広い面積範囲を一括検査でき、ゲート変調イメージン
グ技術により一括検査できる面積は、カメラの解像度により決まる。今回開発した装置では、4,147,200画
素のCMOSカメラを用いており、検査面積が3 cm角のときの空間分解能は約10 µmとなる。これは画素密度
150 ppiのアクティブバックプレーンのTFTの寸法と同程度である。このため、検査面積が3 cm角を超える
と解像度が不足して個々のTFTを識別できなくなる(図4)。このように、今回開発したゲート変調イメー
ジング装置では、150 ppiのアクティブバックプレーンの場合には、最大3 cm角の範囲のTFT(とストレー
ジキャパシター)約30,000素子を3分以内に一括検査できる。




 
❏ 関聨特許事例: 特許6238389  有機TFTアレイ検査装置及びその方法

【概要】

TFTアレイの信号線Sをすべて接地させるとともに、ゲート線Gに適当な直流電圧を印加した状態の前後
でTFTアレ
イを撮像し両イメージの差を取得する。ゲート電圧を加えてキャリアの蓄積されたTFT素子
では差イメージが現れ、
一方で、信号線Sやゲート線Gで断線しあたTFT素子の有機半導体薄膜が不良の
とき、対応するTFT素子は、キャ
リアの蓄積がなく、差イメージが現れない。これによれば、上記したよ
うな断線などを検出できる。また、各TFT素子
の出力特性のばらつきは、キャリアの蓄積量に反映される
ため、各TFT素子の差イメージの差として現れる。一方
で、キャリアの蓄積による差イメージは繊細でそ
の判別は非常に困難である。


例えば、 液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった画像表示装置として、有機半導体を用いた薄
膜トランジス
タアレイ(以下、「TFTアレイ」と称する。)が利用されている。かかるTFTアレイは、
画像表示装置の画素に対応させて有機TFT素子をマトリクス状に複数並べて回路構成される。ここで、ゲ
ート線Gや信号線Sの短絡や断線、又は、有機半導体薄膜の不良による欠陥が生じている場合には、対応す
る有機TFT素子が正常に動作せず画素の発光しない、いわゆる画素抜けの状態になってしまう。また、T
FTアレイを構成する各TFT素子に出力特性や応答速度のばらつきのある場合には、安定した動画表示が
できなくなる。


そこで、TFTアレイの断線欠陥や、各TFT素子の出力特性や応答速度のばらつきを検査することが必要
となる。かかる検査方法として、1つ1つの素子を電気的に測定する方法や、赤外線サーモグラフィーを用
いたイメージング法などが知られている。そこで、TFTアレイの断線欠陥や、各TFT素子の出力特性や
応答速度のばらつきを検査することが必要となる。かかる検査方法として、1つ1つの素子を電気的に測定
する方法や、赤外線サーモグラフィーを用いたイメージング法などが知られている。


以上のような状況を解決するため、有機TFT素子のチャネル層を与える有機半導体薄膜におけるキャリア
の蓄積
の有無を光学的に測定し、TFTアレイ中の断線欠陥を検出、各TFT素子の出力特性、応答速度の
ばらつきを評価
可能な検査装置及びその方法の提供である(下図参照)。そこで、有機TFT素子のチャネ
ル層を与える有機半導
体薄膜におけるキャリアの蓄積の有無を光学的に測定する装置及びその方法である。
各有機TFTにおいてソース
とドレインを短絡させこれとゲートとの間に所定周期で電圧をオン・オフさせ
るとともに、単色光を照射しながら所定
周期に同期させて電圧の印加前後の撮像を行ってこの差イメージを
得ることを特徴とする。

 


【図1】TFTアレイの平面図
【図2】TFTアレイを示す回路図
【図3】CMSイメージング法の図
【図6】有機半導体膜における光透過率の変化率(-ΔT/T)の波長依存性を示すグラフ
【図7】回路図とその状態を示す図
【図9】本発明による装置を示す図

【符号の説明】

1  TFTアレイ 10 有機TFT素子 10a   有機半導体薄膜 12a  ソース・ドレイン電極
12b  ゲート電極 13  ゲート絶縁膜 15  光源 16  光ファイバ 17   色ガラスフィルタ
18  光学レンズ系 20 カメラ 21 バッファメモリ 22  コンピュータ 
30  ファンクションジェネレータ

以上、産総研のこのような技術開発、わたし(たち)の電子器機デバイス(半導体/カラー撮像/受像装
置)事業開発経験から、250億円(100名)事業市場になるだろうと想定していたこともあり、これに太陽
光発電などの新エネルギー・新情報通信・新医療事業を加ええると1千億円事業にも手が届く様相にある。
画像解析上では正/逆フーリエ変換解析に特徴パラメータを利用したダミー関数付加解析法などの研究開
発が必要であるとその当時を振り返り思い返している。いずれにしろこの基礎技術研究は大切な礎となる。
これは面白い。
 

【電動スーパーカー抗争時代 フェラーリが参戦】

昨年11月、テスラは記録的な仕様を持つ次世代ロードスターのプロトタイプを発表により、スーパーカ
ー世界に激震を与えた。将来のスーパーカーの主導権を巡り、フェラーリが研究開発に乗り出す。それに
よると(上写真参照)。フィアット・クライスラーの最高経営責任者(セルジオ・マルキオンヌ:Sergio
Marchionne
)氏は、 テスラを簡単にコピーできると、デトロイトオートショーでブルームバーグとのイン
タビューで述べている。あのフェラーリがいよいよ参戦?!これが事実なら、電動スパーカーの国際的な
レース競技が始まることになるだろうか。そう、自動車産業だけでなく、ネオマテリアル技術とオールエ
レクトロニクス関連各社の技術力競争時代でもある。これも面白い!



● 終活と就活

親戚関係や友人関係に新年早々、変化がありばたばたしていこともあり彼女が今朝面白いことを言ってい
たことを思い出した。「わたしたちは終活時代にあるのよ、その覚悟はあるの?」といささか毒がふくま
れているようではあるが、"エンディング・ノート"、"ターミナル・ケアー"、"ピン・コロ"などのカタカ
ナ語で象徴されるようなことで、それは半面、誰も否定できないが、"人生百歳時代"でもあり、元気な高
齢者が増加社会でもある。自分が納得できるものなら(これまでは考えられないようなことに)人生を語
りながら、さらにそれに磨きをかけ”新しい時間”へのオーダーメイドな仕事に赴く"再就活時代"の幕開
け時代ではないかと、彼女の言葉にインスパイアルし、NHKの試してガッテンの『葉酸(folic acid)パ
ワー』の放送を観ながら未知なる力で駆け抜けるのまた一興であると思い直す。

 20 Folic Acid Foods

 

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グラフェン電子素子工学Ⅰ

2018年01月17日 | デジタル革命渦論

 

                  離婁(りろう)篇    /    孟子   

                                    

       ※ 終身の憂いあるも一朝の患いなし: 君子が一般の人と異なるのは、
                  自分の心を反省する点にある。君子は仁と礼を基卒にしてその心を
                反省する。仁徳を身につけた人は、人を愛し、礼にかなった人は、
                  人を敬う。人を愛する者はいつも人に愛され、人を敬う者はいつも
                  人に敬われる。かりに暴逆非道な仕打ちを受けたとしても、君子は
                  必ずわが身を反省する。「わたしが不仁なのだろう。無礼なのだろ
                  う。きっとそうだ。でなくて、どうしてこういうことになろう」

                  反省してみて、自分が仁であり、礼にかなっているのに、相手の暴
                  逆非道が改まらないなら、君子はさらにわが身を反省する。「きっ
         と誠実さが足りないのだろう」こう反省してみても、やはり自分の
         ほうが誠実であって、相手の暴逆が改まらない場合、君子はこう考
         える。「相手は無法者なのだ。あのざまは犬畜生となんのちがいが
         あろうか。畜生を非難したところで始まらぬ」

         それゆえ君子には、生涯を通じての悩みはあっても、外からくる心
         の動揺などありえない。その君子の悩みとは何か。舜が人間なら自
         分も人間である、だが舜は天下に模範を示し、後世にその名を残し
         た。それにひきかえて自分は、平々凡々の俗人にすぎぬ、という悩
         みである。これは悩むに足ることだ。ではどうするか。舜を見習う
         こと、それだけだ。君子には外からくる心の動揺がない。仁に悼る
         ことは行なわず、礼にはずれたことは行なわないのだ。たとえ外か
         ら何かやって来ようと、悩まされることはない。 

      
     No.133    

グラフェン電子素子工学Ⅰ

【超高品質蓄電池事業:最新グラフェン/全固体二次電池技術】

 Jan. 6, 2017

2004年に単層グラフェンの分離に成功して以来、研究・開発競争が世界各国で起こり、現在では年間27000
本を超える学術論文が発表されているが、昨年、2010年のノーベル物理学賞の対象にもなった「グラフェ
ン」。この薄くて強い新素材を3次元構造化することにマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが
成功している。炭素原子が正六角形で連なるように平面上に広がるグラフェンは、最も強く、軽く、導電
性の高い素材のひとつだ。単層のグラフェンを分離することは不可能だとされてきたが、2004年に英マン
チェスター大学で、グラファイト(黒鉛)の欠片とセロテープを使って得られることが発見され、研究者
たちは2010年のノーベル物理学賞を受賞。

グラフェンは、原子の厚みしかもたない2次元構造でこれを堅牢な3次元構造への展開しようと試みられ
ている――自動車や建物、機器などに利用できる――が、グラフェンの3次元構造化は強度の劣るもので
しかなかった。同研究チームは、一連の3次元構造体をつくって耐力試験を行う(上図参照)。コンピュー
タによる模擬実験で、あるグラフェンの構造体は密度が鉄の5パーセントにもかかわらず強度は鉄の101
倍になった。なお、こうした3次元構造の強固さは、グラフェンに限定されるものではないと同大学のマー
カス・ビューラーMIT土木環境工学科教授と付け加えている。

 Wired Jan. 11, 2017

さて、今年に入って1月10日、柚原淳司名古屋大学准教授らの研究グループは、子スケールでの界面化
学反応性や物理的な界面歪みの制御で、広域の結晶性の高い2次元ハニカムシート構造の創製に世界で初
めて成功している。グラフェンは電気伝導率が非常に高く、機械的強度、化学的安定性に大変すぐれた物
質だが、バンドギャップの形成が困難で、エレクトロニクスへの応用の障害になっている(ここでいうバ
ンドギャップとは、電子が自由に動ける伝導帯と電子が動けない価電子帯のエネルギーギャップのこと)。
そこで、グラフェンを構成する炭素をシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)で置き換えたシリセン、
ゲルマネン、スタネンなどと呼ばれるポストグラフェン材料(下表参照)――今回、グラフェンのように
原子ス ケールでバックリング(凹凸)していなく、かつ、数百nmの広域にわたり結晶性の高いスタネンの創
製。構成元素は質量数が大きいほど、スピン軌道相互作用が強く、特に、スタネンは、冷やすことなく室
温で2次元量子スピンホール効果やトポロジカルな超伝導など様々な応用が見込まれている。今後は、創製
したスタネンを半導体基板上への転写し、室温下でのスピントロニクスやトポロジカル超伝導体への応用
が待たれているが、グラフェンのように原子スケールでバックリング(凸凹)してないハニカム格子は発見
されていない。

Jan. 5, 2018

理論的研究により、グラフェンの炭素をスズで置き換えたスタネンは、比較的大きなスピン軌道相互作用
を持つため、物質内部で金属ではなく半導体的な性質となりやすく、一方で、表面や端面等のエッジ部分
のみ電子が流れやすい状態が実現できると期待されています。このような物質をトポロジカル絶縁体と呼
び、現在、ナノテクノロジーの分野。実際に、このような物質が作製されたかどうかは、試料端面にて量
子スピンホール効果を測定することが必要であるが(下図参照)。

図1(a)Ag2Sn表面合金上に創製したスタネンの広域にわたるトンネル顕微鏡(STM)像。広い範囲にわたり
二次元スタネンが成長していることがわかる。(b)スタネンの低エネルギー電子回折パターン。スポット
強度が高く、スタネンの結晶性が高いことを示す。(c)(a)のSTM像の断面図。ステップ高さが250pm程度
であるから、スタネンが原子1層の厚みであることがわかる。(1pm=10-12m)(d)スタネンのSTM像。スズ
原子からなるハニカム格子が規則正しく並んでいることが詳細に観察できる。(e) (d)のSTM像の断面図。
スズ原子の高さ分布が測定限界以下の5pm以下であることがわかる。(f)スタネンの高分解能STM像と原子
配置モデル。尚、スピントロニクスとは、電子が持つ電荷とスピンの両方の性質を利用した新しい概念の
エレクトロニクス、現在、大変注目されています。トポロジカル超伝導体は、上述のトポロジカル絶縁体
との類似で、物質内部で超伝導ギャップを持ちながら、表面や端面等のエッジ部分でマヨナラ粒子 ――
例えば、電子の反粒子として陽電子が存在し、電子と陽電子は異なる粒子である。マヨナラ粒子とは、粒
子と反粒子の区別がつかない粒子であり、今から80年前に科学者マヨナラが予言した粒子。マヨナラ
粒子を利用した新しい概念の量子コンピュータが提案――と呼ばれる変わり種の粒子が現れると予言され
ている物質。

さて、今夜は、最新のグラフェン技術及びその応用技術、例えば、電子デバイス器機について、とりわけ
再生可能エネルギー関連事業分野、例えば、全固体(二次)電池などの「高品質蓄電池技術篇」と「それ以
外の関連事業分野」について明確にし考えて行くこととする。

 

 Jan. 8, 2018
【グラフェンを使った電池レスの湿度センサ 】

英国University of Manchester(マンチェスター大学)の研究グループは、IoT(モノのインターネット)向け
に、グラフェンセンサを使ったバッテリーレスの湿度モニターを開発した。さまざまなIoT機器向けに、低
コストでセンサを製造する技術に応用できると期待される(「センサの低コスト化に道:グラフェンを使
った電池レスの湿度センサ EE Times Japan 2018年01月15日)

同研究チームは、RFIDデバイスにグラフェンセンサを組み込み、バッテリーレスのスマート湿度モニター
を実現。この湿度モニターは、製造や食品、医療、核廃棄物処理のように繊細な作業が必要な現場で使用
するIoT(モノのインターネット)アプリケーション向けに開発された。同研究に関する論文は、電子ジ
ャーナル「Scientific Reports」に掲載された。研究チームは、グラフェンに酸化グラフェン(GO、グラフェ
ン誘導体)を積層し、フレキシブルなヘテロ構造を形成で、あらゆるワイヤレスネットワークに接続可能
な遠隔監視用の湿度センサを開発。現在試作段階の同デバイスは、受信機から電力を取得するので、バッ
テリーは不要である(上図参照)。

研究チームによると、同センサーは層ごとに印刷でき、超低コストでスケーラブルな量産を実現できると
する。 また、同技術を他の2次元材料と統合することで、ワイヤレスセンシングアプリケーションの新
たな展望が開かれる可能性があると話す。論文によると、同研究では、ギガヘルツ周波数帯のさまざまな
湿度条件下でGOの相対誘電率を計測した。その結果、水分を吸収して湿度が上がると、相対誘電率が増加
することが分かった。メガヘルツ以下の周波数帯では、湿度が減少すると相対誘電率が増加するが、ギガ
ヘルツ周波数帯での動作はそれとは異なる。酸化グラフェンのこうした電気特性を利用し、バッテリーレ
スの無線RFID湿度センサーを作製した。具体的には、印刷されたグラフェンアンテナをGO層でコーティン
グする。

  Jan. 10, 2018

GOおよびグラフェンアンテナの共鳴周波数と後方散乱相は周囲の湿度に敏感に反応して、RFIDリーダー
で検知される。これにより、任意の場所やアイテムに取り付けたデジタルIDで、ワイヤレスに湿度を監視
できる。同研究は、IoTアプリケーション向けの低コストで効率的なセンサの道を開く。グラフェンは200
4
年にマンチェスター大学が発見し、初めて2次元材料として分離された。スチールよりも強く、軽量か
つフレキシブルで、銅よりも導電性が高い。グラフェンの発見以降、他の2次元材料も多数開発され、そ
の数は増え続けている。ファンデルワールスヘテロ構造を生成し、精密に選定した配列に2次元材料を積
層することで、特定用途に適合した高性能構造を作り出すことがきる。

   Jan 5, 2018

【グラフェンによる電気的に切り替え可能なメタデバイス】

メタマテリアルは、従来の材料の限界を克服するためにサブ波長共振構造を一緒にする。アクティブなメ
タデバイスの実現は、幅広いダイナミックレンジで広いスペクトルにわたって動作する電気的に再構成可
能なコンポーネントを必要とする傑出した課題。しかし、メタマテリアルの既存能力はこの目標を実現す
るには不十分である。パッシブメタマテリアルとアクティブグラフェンデバイスを統合することにより、
マイクロ波周波数で動作する新しいクラスの電気的に制御されたアクティブメタデバイスを実証する(上
図参照)。

作成されたアクティブメタデバイスにより、電磁波の振幅(> 50 dB)と位相(> 90°)の両方の効率的な制
御が可能になる。このハイブリッドシステムでは、グラフェンはパッシブメタマテリアルの放射を制御す
る調整可能なドルイド金属として動作。さらに、個別にアドレス指定可能なメタデバイスのアレイを統合
し印加されたバイアス電圧で局所誘電率を再構成できる、新しいクラスの空間的に変化するデジタルメタ
表面を実証。

さらに、分割されたリング共振器の共振周波数を、グラフェンを介して2つの結合されたメタ表面の1つ
を減衰させることによって振幅を変えることなく再構成する。このアプローチは、電気的に切替え可能な
クローキング装置から適応的なカモフラージュシステムに至るまで、新しいアプリケーションを生むさま
ざまなメタマテリアルシステムを実装に十分であろう。

【最新グラフェンと蓄電池技術事例】

❏ 特開2017-188301 電極活物質ならびにそれを含む電極層および全固体電池

【概要】近年、携帯情報端末、携帯電子機器、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、更には定置型蓄電
システムなどの用途において、リチウムイオン二次電池の需要が増加している。しかしながら、現在使用
されているリチウムイオン二次電池の主流は、電極材料として、コバルト、マンガン、ニッケルなどのレ
アメタルと呼ばれる希少資源を用いるものであり、今後の安定供給に不安を残している。また、リチウム
イオン二次電池は、自動車や飛行機等の移動体にまでその用途が広がり、このような分野においては電池
のエネルギー密度を大きくすることが切望されている。エネルギー密度を増大させるために、電極材料と
して従来のレアメタルではなく、硫黄を用いることが検討されている。硫黄は、安価で豊富に存在してい
るため、安定供給も可能である。硫黄系電極活物質を用いた場合、電池の電圧は低くなる傾向にあるもの
の、正極活物質として現在最も広く使用されているLiCoOに対して10倍以上の理論容量を得られ
る。従って、硫黄系電極活物質を用いることにより、電池電圧と容量を掛け合わせたエネルギーが十分に
高い電池を得ることができる。

このように、充放電容量、安定性等に優れたリチウムイオン二次電池を得るための電極活物質および電極
層の提供に当たり、一実施形態では、金属を含有する硫黄-炭素複合材を含む電極活物質、および該電極
活物質と錯体水素化物固体電解質とを含む電極層が提供されている。

そこで、 硫黄-炭素複合材(一般的には、「硫黄-カーボンコンポジット」とも称する)とは、硫黄と炭
素材料とを含み、これらを混合して加熱処理するか、またはこれらを機械的に混合することによって複合
化した状態のものである。より詳しくは、硫黄-炭素複合材は、炭素材料の表面および細孔内に硫黄が分
布している状態、硫黄および炭素材料がナノレベルで均一に分散し、それらが凝集して粒子となっている
状態、細かな硫黄粉末の表面や内部に炭素材料が分布している状態、またはこれらの状態が複数組み合わ
さった状態にある。硫黄としては、特に限定されるわけではないが、S構造を有するα硫黄、β硫黄、
またはγ硫黄を使用することができる。硫黄の粒子径としては、大きすぎると混合性が悪くなり、小さす
ぎるとナノ粒子となって取り扱いが困難となることから、0.1~300μmの範囲であることが好まし
く、より好ましくは1~200μmであるが、 炭素材料としては、特に限定されるものではないが、例
えばカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、Maxsorb(登録商標)、カーボンフ
ァイバー、グラフェン等を挙げることができる。

❏ 特開2017-162597  電極用材料、これを用いた全固体二次電池用電極シートおよび全固
  体二次電池ならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法

【概要】リチウムイオン電池には、電解液が用いられてきた。その電解液を固体電解質に置き換え、構成
材料を全て固体にした全固体二次電池とする試みが進められている。無機の固体電解質を利用する技術の
利点として挙げられるのが、電池の性能全体を総合した信頼性である。例えば、リチウムイオン二次電池
に用いられる電解液には、その媒体として、カーボネート系溶媒など、可燃性の材料が適用されている。
リチウムイオン二次電池において様々な安全対策が採られている。しかし、過充電時などに不具合を来た
すおそれがあり、さらなる対応が望まれる。その抜本的な解決手段として、電解質を不燃性のものとしう
る全固体二次電池が位置づけられる。

全固体二次電池のさらなる利点としては、電極のスタックによる高エネルギー密度化に適していることが
挙げられる。具体的には、電極と電解質を直接並べて直列化した構造を持つ電池にすることができる。こ
のとき、電池セルを封止する金属パッケージ、電池セルをつなぐ銅線やバスバーを省略することができる
ので、電池のエネルギー密度が大幅に高められる。また、高電位化が可能な正極材料との相性の良さなど
も利点として挙げられる。そこで、下図1のように、全固体二次電池において、良好な放電容量およびサ
イクル特性を実現できる電極用材料等の提供に当たり、活物質と、周期律表第1族または第2族に属する
金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質と、交換性陽イオンとしてのリチウムイオンを含む粘土鉱
物とを含有する電極用材料であって、粘土鉱物が、水和水を含まない電極用材料、これを用いた全固体二
次電池用電極シートおよび全固体二次電池ならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の
製造方法を提供する。

図1

1  負極集電体 2 負極活物質層 3 固体電解質層 4 正極活物質層 5 正極集電体 6作動部位
10  全固体二次電池 11  2032型コインケース 12  全固体二次電池用電極シート
13  コイン電池


ここでは、グラフェンは「導電助剤」として候補されており、電極用材料は、活物質の電子導電性を向上
させる等のために用いられる導電助剤を適宜必要に応じて含有してもよい。導電助剤としては、一般的な
導電助剤を用いることができる。例えば、電子伝導性材料である、天然黒鉛および人造黒鉛などの黒鉛類、
アセチレンブラック、ケッチェンブラックおよびファーネスブラックなどのカーボンブラック類、ニード
ルコークスなどの無定形炭素、気相成長炭素繊維およびカーボンナノチューブなどの炭素繊維類ならびに
グラフェンおよびフラーレンなどの炭素質材料であってもよいし、銅およびニッケルなどの金属粉または
金属繊維でも良く、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレンおよびポリフェニレ
ン誘導体などの導電性高分子を用いてもよい。またこれらの内1種を用いてもよいし、2種以上を用いて
もよい。本件の電極用材料が導電助剤を含む場合、電極用材料中の導電助剤の含有量は、0~10質量%
が好ましいとしている。

❏ US 9865899 B2 All-solid-state secondary battery with solid elecオリビン型trolyte layer containing par-
   ticulate precipitate of an olivine-type crystal structure : 結晶構造の粒子状析出物を含む固体
  電解質層を有する全固体二次電池 太陽誘電株式会社


【概要】固体電解質層と、固体電解質層と、正極活物質層と第1の集電体層とを含む正極層と、前記固体
電解質層を挟んで前記正極層および前記負極層が第2の集電体層を含む負極層と、前記正極活物質層は、
オリビン型の活物質からなり、前記固体電解質層は、ナシコン型のリン酸塩からなることを特徴とする前
記固体電解質層は、前記正極活物質層を構成する元素と同じ元素を含むオリビン型結晶構造を有する粒状
析出物を含むことを特徴とする。

                                                                                                                     この項つづく


  Jan. 16, 2018

● ステラ社 ティルブルグの3MW屋根型ソーラー電気自動車製造工場

 

 

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最新量子熱電変換子技術Ⅲ

2018年01月16日 | ネオコンバーテック

 

                  離婁(りろう)篇    /    孟子   

                                    

       ※ 孟子の嫌がらせ: 公行子(斉の大臣)の子息が亡くなり、右師の
                  王驩(おうかん)が弔問に行った。王驩が門を入ると、すぐ出迎え
         てあいさつをする者もあり、わざわざ席に近づいて話をかわす者も
         あるなかで、孟子だけは声をかけようともしない。王驩はにがにか
         しげに言った。

         「みなさんは、わたしにあいさつしてくがさるのに、孟先生だけはそ
         っぽをむいている。わたしを馬鹿にしているのだ」

         これを耳にした孟子は言った。

         「朝廷では席をはずして話しに行ったり、階段を隔てて挨拶をかわし
         たりしないのが礼法なのだ。わたしは礼法通りにしたのだが、王驩は
         馬鹿にされたと思っている。おかしなことではないか」

        〈右師の王驩〉 右師は高位の官名。権勢家王驩の思いあがった立居振
                舞いをにがにがしく思う孟子の気持が、ここによく現
                われている。
        〈朝廷では席をはずして……〉 喪の儀式の場を朝廷になぞらえ、礼法
                にことよせて正誤を皮肉ったのである。

     

     No.132   

【サーマルタイル事業:最新量子熱電変換子技術Ⅲ】

❏ トヨタ自工北アメリカ株式会社の特許事例

● 
US 9865790 B2 Nanostructure Bulk Thermoelectric Material :ナノ構造バルク熱電材料 

【実施例1】

多孔質シリカテンプレートは、ポロゲンとして界面活性剤を用いて調製した。使用した界面活性剤は、
PLURONIC界面活性剤P123(EO20PO70EO20)、F127(EO100PO70E100)、Brij-58(C16H。サブ36EO 20)、
CTAB)(式中、EOおよびPOはそれぞれエチレンおよびプロピレンオキシドを示す)を含む。鋳型は、
界面活性剤テンプレート化プロセスを用いて調製した。F127、P123、Brij-58、およびCTABでテンプレー
ト化された細孔の平均細孔直径は、それぞれ約12,9,6および2nmであった。ビスマステルル化物は、3電
極堆積回路を用いて堆積された。 1M HNO溶液に溶解した0.075Mビスマスおよび0.1Mテルライドを、
前駆体溶液および電解質として使用した。Ag / AgCl参照電極およびPt対電極を用いて、0.1VAg / AgCl
で堆積を行った。堆積は室温で行った。XRDパターン及びTEM観察により、約6nm、9nm及び12nmの直径
を有するBi 2 Te 3ナノワイヤが、絡み合ったセラミックマトリックスで堆積されたことが確認された。

 図6は、電着されたBi2Te3ナノワイヤのTEM画像を示す。試料のEDXBi 2 Te の形成を確認し、原子元
素百分率は37.46Bi、62.54%Teであった。図7は、電着されたBi 2 Te 3ナノワイヤのHRTEM画像を示す。

【実施例2】

キセロゲルメソポーラスシリカを、PLURONIC界面活性剤P123を鋳型とするゾル - ゲル法を用いて製造。
調製された六方晶メソ構造のシリカの細孔径は約9nmであり、Bi2Te 3の前駆体溶液は、0.0225モルのTe
よび0.015モルのBi(NO 33 H 2 O6M-HNO 3 150mLに溶解させ調製し60℃で測定。キセロゲルメソポーラ
スシリカの粉末5gを7mLの前駆体溶 液に添加した。サンプルを液体窒素中に3分間置いた。真空による
脱気の後、試料を室温に温める。シリカ粉末を遠心分離により前駆体溶液から分離し、次いで100℃で加
熱した。溶媒を除去した。 メソポーラス材料内部のビスマステルル化物の充填量を増加させるた
めに、上記プロセスの3および8サイクル実施。 浸透後、Bi 2 Te前駆体を有するメソポーラスシリカを
管状炉に入れた。水素を流しながら、温度を450℃に加熱し、30時間保持。 図8Aは、キセロゲルシリカ
の高度に秩序化されたメソスケールチャネルの一部における含浸がはっきりと観察されたBi 2 Te 3 - メソ
ポーラスシリカ複合体のTEM画像である。 図8Bは、キセロゲルシリカを希釈した(5重量%水溶液)
HFで溶解した後に、直径が10nm未満のBi 2 Te 3ナノワイヤを示す。 図8Cは、Bi 2 Te 3ナノワイヤの高分
解能電子顕微鏡(HREM)画像を示し、それらが単結晶であることを示している。 図8Dは、HFを用い
てシリカテンプレートを除去した後のBi 2 Te 3メソポーラスシリカ複合体のTEM画像を示す(下図8A~D
参照)。

窒素吸着実験は、典型的なメソポーラスシリカ試料の細孔容積が0.6472cm3 / gであることを示している。
すべての細孔をテルル化ビスマス前駆体溶液で充填することができると仮定すると、浸透の各サイクル
の後、Bi 2 Te 3 - メソポーラスシリカ複合体中のBi 2 Te 3の担持量は2重量%。したがって、8回の浸潤
の後、浸潤後の細孔容積の有意な減少がない限り、Bi 2 Te 3の総重量含量は16%であってもよい。また、
図9Aおよび9Bは、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)およびBrij-58(CH 3(CH 215(OCH 2)C
H2
20OH)を用いて調製したメソポーラスシリカ薄膜の代表的なTEM断面像を示す。界面活性剤である。
CTABテンプレート薄膜(図9A)は、規則的な2次元六方晶メソ構造に配列された旋回細孔チャネル(
細孔直径~3nm)を含む。 B58鋳型薄膜(図9B)は、整列した3次元立方体のメソポーラスネットワー
クに配置された細孔チャネル(細孔直径~5nm)を含む。規則的なメソ構造の選択領域電子回折は、図2
の挿入図に示されている。図9B。同様に、メソポーラスシリカモノリスは、同じ組み立てプロセスを用
いて調製することができ、例えば図1の装置を用いた電着を用いて半導体で充填することができる。 5
B。これらの代表的なTEM画像は、制御された細孔サイズおよび細孔の幾何学的形状(例えば、六方晶お
よび立方晶の細孔ネットワーク)を有するメソポーラスシリカテンプレートを作製するための効率的な
アプローチを明白に示唆する。ナノワイヤ構造は、テンプレートの細孔構造によって制御することがで
きる。例えば、2D六角形細孔チャネルを含むテンプレートは、2Dナノワイヤの作製を可能にする。 3D
結合孔チャネルを有するテンプレートの使用は、3Dナノワイヤネットワークの製作を可能にする。その
ような結合ネットワークは、電子輸送のための高度に結合する経路を提供する。

【電着】

電着条件および前駆組成を変えることにより、化学組成およびドーピングの制御を改善することができ
る。例えば、CdSe、CdTe、CdS、PbSe、PbTe、およびPbSのような半導体は、メソポーラスチャネル内に
堆積することができる。そのような組成制御は、今度は、デバイス輸送特性 水素気泡を生成する副反応
が起こり、気泡チャネルの内部に閉じ込められて反応物質の拡散が阻止される。副反応を最小限に抑え、
物質輸送および反応速度を制御するために、堆積条件(例えば、濃度、電位、電流、温度、および攪拌
速度)および異なる堆積技術(例えば、パルス堆積)を使用して、 、改善された組成物の制御、および
正確なメソ構造の複製が含まれる。デバイスは、単一のモノリシックナノ構造複合材料内にn型およびp
型の両方の脚部を有するように調製することができる。

p型脚のより高い正孔濃度は、半導体に高原子価金属イオンをドープすることによって、またはアニオン
サイトの欠乏を生成することによって、またはアニオンをより低い原子価イオンで置き換えることによ
って得ることができる。例えば、p型Bi 2 Te 3は、結晶構造中のBi 3+Sn 4+に置き換えることにより、
またはTe 2+の欠損を生じさせることによって得ることができる。 (例えば、Bi 2 Te 3-x、x> 0)、また
Te 2 - をより低い原子価のイオンに置き換えることができる。同様の概念を用いてn型半導体を形成す
ることができる。陰極電位を制御することにより、化学量論的および非化学量論的(p型およびn型の両
方)のBi 2 Te 3堆積させることができる。また、電解液に鉛イオンを導入して型Bi 2 Te 3を電着させ
ることも可能である。

したがって、バルクの多孔質媒体(このようなメソポーラスセラミック)を提供することができ、半導
体を細孔内に堆積させることができる。例えば、Bi 2 Te 3または他の半導体をモノリシックメソポーラス
シリカに電着させることができる。ドーパント(n-型ドーパントおよびp-型ドーパントなど)は、真性
半導体のナノ細孔に沿って注入されて、導電性ナノ構造ネットワークを提供することができる。

粒子から形成された複合材料

粒子は内部ナノ構造を有することができる。粒子は、半導体が注入されたナノ多孔質絶縁材料を研削ま
たは粉砕することによって形成することができる。
粒子は、セラミックまたは他の電気絶縁材料内にナ
ノ構造含有物を有することができる。

図10は、内部ナノ構造体の一部としてのナノワイヤ142などの半導体ナノワイヤを含むセラミック粒子お
よび半導体ナノ粒子144の粒子140の混合物を示す。この混合物を圧縮して(たとえば、ホットプレスし
て)、ディスクまたは他のバルク
熱電材料の形態。内部ナノ構造に含まれるナノワイヤを有するセラミ
ック粒子を調製もできる。



他の例では、ナノ粒子複合体は、半導体粒子を含まない粒子140から形成することができる。粒子間の接
触によって連続的な半導体ネットワークを提供できる。
粒子には、半導体シェルを設けることもできる。
セラミック/半導体ナノコンポジットは、多孔質セラミック粉末内に半導体(または半導体前駆体)を浸
透させることによっても調製できる。
多孔質セラミック粉末は、界面活性剤テンプレートアプローチまた
は他の市販の多孔質セラミック粉末を使用して調製されたメソポーラスシリカであり得る。
半導体前駆
体は、ガス状(水素化物など)または液体材料であってもよい

セラミック/半導体ナノコンポジットは、多孔質セラミック粉末内に半導体(または半導体前駆体)を浸
透させることによっても調製できる。多孔質セラミック粉末は、界面活性剤テンプレートアプローチま
たは他の市販の多孔質セラミック粉末を使用して調製されたメソポーラスシリカであり得る。半導体前
駆体は、ガス状(水素化物など)または液体材料であってもよい。熱電ナノコンポジットは、HIPプロセ
スを含む方法によって製造もできる。出発材料は、セラミック粒子、半導体粒子、および半導体浸透セ
ラミック粒子を含み得る。セラミック粒子は、メソポーラスシリカのようなメソポーラス粒子を含む。

セラミック/半導体粉末混合物のホットプレスは、改良された熱電材料を大量かつ低コストで製造を可能
にする。一例では、セラミック粉末と半導体粉末とを混合し、ホットプレス法を用いて混合物からバル
ク材料を形成する。一例では、半導体ナノ粒子とセラミック粉末との混合物は、10MPaおよび150℃で予
備プレスすることができる。約1インチの直径のディスクを形成する。次いで、ディスク(または他の形
状)を200~600℃および100~200MPaでHIP処理にかけることができる。このプロセスは、改善された熱
電材料を形成するために使用することができる。

セラミック粒子は、ナノ粒子であってもよく、シリカ、アルミナ、または他の酸化物を含んでいてもよ
い。セラミック粒子は、ボールミルプロセスまたは他のプロセスを用いて調製できる。市販の粒子を使
用することができる。他の電気絶縁材料の粒子を使用できる。半導体粒子(または他の導電性粒子)は、
テルル化ビスマスなどのバルクで熱電特性を有する材料のナノ粒子であってもよい。半導体ナノ粒子は、
溶液化学法、気相反応法、高エネルギーボールミリング、または他の方法を用いて調製できる。半導体
およびセラミック粒子は混合され、次いでモノリスにプレスされる。良好な粒子混合を得るために、こ
れらの粒子混合物のボールミル粉砕を使用できる。ホットプレス法を用いて、混合セラミック/半導体粒
子をプレスしてバルクにできる。粒子は、ナノ粒子構造を保持しながら、機械的強度のために融合でき
る。



11は、粒子180およびナノ粒子182によって形成された複合体を示す。示されているように、両方の粒
子は、図2に関連して前述したように、ナノ構造の半導体を含む。 他の例では、より大きなセラミック
粒子および半導体ナノ粒子を組み合わせることができ、半導体ナノ粒子は、セラミック粒子の周りにナ
ノ構造の導電ネットワークを形成する。 他の例では、セラミックナノ粒子と半導体粒子との混合物を組
み合わせ、プレスする。材料は、セラミック粒子が半導体粒子(例えば、シリカおよびテルル化ビスマ
ス)を粉砕する傾向の圧力で粉砕に抵抗するように選択できる。適切な圧力を加えることは、半導体ナ
ノ粒子を、セラミックナノ粒子の直径と相関する(例えば、同様の)直径に粉砕する傾向がある。シリ
カナノ粒子は、2~20nmのような直径をもつ安価な商業的供給源から得られる。半導体ナノ粒子を含む安
価な複合体を、2~20nmの直径をもつセラミック粒子と半導体粒子とを組み合わせる方法、混合物に圧力
を加えて半導体粒子のサイズを2~20nmに減少させることも含む。

以降、関連図のみ記載し、【ホットプレス】【材料システム】【その他の複合材料】の項目に亘る説明
を割愛する。、

 

                                                            この項了

 

【全固体型蓄電池:グラフェンボール】

サムスンSDIは、2018年のデトロイトモーターショーで、電気自動車の走行距離と充電容量を増や
すと主張する新しい全固体型蓄電池「グラフェンボール」を展示。エネルギー容量と充電速度を大
幅に向上させるものである(詳しくはこのブログ『凄い時代の儀礼Ⅳ』2017.12.01参照、上写真ク
リック参照)。この事業開発にも新たに「超高品質蓄電池事業」として部門プラットフォームを新
たに設け製造技術にフォーカシングンする。



【スマートフォーン習得日誌Ⅱ】

音割れの原因として、「ブルーツースアプリ起動」に気付きシャットダウン。これで解消した様だ
が当分、要観察。万歩計を紛失、かわりにスマホの付属「ヘルスケアーアプリ」を使用する。便利
でだが、宅トレには大きすぎる。アップルウォッチとの連携が好ましいのではと考える。段々面白
くなってきた。

 
 

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最新量子熱電変換子技術Ⅱ

2018年01月15日 | デジタル革命渦論

 

                  離婁(りろう)篇    /    孟子   

                                    

       ※ 美女も汚物をかぶれば:あの美人の西子(せいし)でも、汚物をか
         ぶれば、人はみな鼻をつまんで通り過ぎる。醜い人でも、斎戒泳浴
         すれば天帝を祭ることが許される。

       〈西子〉 西施のこと。貴代時代の越の美女。呉工夫差はその美しさに
            溺れて、国を滅ぼした。

     No.131 

 

【サーマルタイル事業:最新量子熱電変換子技術Ⅱ】

❏ トヨタ自工北アメリカ株式会社の特許事例

● 
US 9865790 B2 Nanostructure Bulk Thermoelectric Material :ナノ構造バルク熱電材料

【詳細説明】

半導体または他の導電体であってもよく、量子閉じ込め効果が第1の構成要素の特性を変更するように
から選択される、請求項1(前出)に記載の方法。 第1成分は、任意の半導体セレン化物またはテルル
化物であり得る。その他の資料については、他の場所で説明する。 

例えば、第1成分は、テルル化ビスマスとアンチモンの合金、または無次元の性能指数 ZT ~1をバル
クの他の材料でもよい。第2の構成要素は、好ましくは、低い熱伝導率の値を有し、例えば、電気絶縁
体または電気導体不良であってもよく、第2成分は、熱電材料である必要はなく、第2の材料のバルク
試料が、バルク試料中に有用な(または感知可能な)熱電効果を示す必要がない。この成分は、以下の
実施例では、マトリックス材料またはマトリックスとも呼ばれるつの成分の組み合わせ、または複合体
は、低い熱伝導率、高い導電率および高いゼーベックの組み合わせのために、第1の成分のバルク試料
の性能指数と比較して、改善された熱電性能指数を提示できる。またはナノメートル(またはナノスケ
ール)範囲、例えば約 0.5~1000nm、2 ~20nmの範囲内の特徴サイズ(ナノワイヤ/ナノ粒子直径)の
他の構造を含んでもよい。すべての範囲には一定の制限があり、この明細書で使用される用語「メソス
ケール」「メソポア」「メソポーラス」などは、5nm~100nmの範囲のフィーチャサイズを有する構造を
指す。ここで使用されているメソスケールという用語には、特定の空間構成や製造方法は含まれずメソ
ポーラス材料は、5nm~100nmの範囲の直径の規則的またはランダムに分布する細孔を含み、ナノ多孔質
材料は、0.5~1000nmの範囲の直径の細孔を含む。

例えば、半導体粒子と半導体ナノ粒子との混合物をホットプレスするなどして、半導体およびセラミッ
ク粒子から形成された複合体が挙げられる。本件の例には、熱伝導率の値が低い、マトリックス材料中
の半導体ナノ構造のネットワークが含まれる。マトリックス材料は、セラミックなどの電気絶縁材料、
または他の電気絶縁材料とすることができる。本件による熱電材料は、従来の薄膜よりも物理的寸法が
最小である厚膜またはバルク材料であってよく、例えば 0.1mmより大きく 例えば1mm以上である。
1成分の導電率は、第2成分の導電率よりも 100倍以上大きくすることができ、より大きなオーダーの
大きさであってよい。導電性ナノ構造ネットワークは、連続的な3次元連続ネットワークである。

本件によるナノ構造熱電材料は、半導体(または金属などの他の導電体)ナノワイヤまたはナノメッシ
ュのネットワーク構造に起因して高い電気伝導度(σ)を有し、ゼーベック係数(S)これは、量子閉じ
込めによるナノワイヤまたはナノメッシュ構造のフェルミ準位近傍の状態密度の増大のためである。
ノ構造の熱電材料は、マトリクス材料の低い熱伝導率のために、またナノ構造に起因するフォノンの境
界散乱の増大により、非常に低い熱伝導率κもありえる。これは、無次元の性能指数ZTを提示する。
述したように、熱電材料の性能指数Zは、ゼーベック係数(S)、電気伝導度(σ)、熱伝導率(σ)お
よび熱伝導率(κ)から、ZS2σ/κ を有する。したがって、良好な熱電材料は、Sおよびσの大き
な値および/またはκの低い値を有することができる。高熱電性能指数ZH)は、低次元半導体構造に
よって提供することができる。

量子サイズ効果は、電子および熱特性を調整し、熱電効率を増加させる。しかしながら、従来の半導体
デバイスの処理技術を用いて量子細線、量子ドット、超格子構造を製造するには、複雑かつ高価な製造
技術および装置が必要である。さらに、これらのアプローチは、従来、熱電材料の薄膜のみに提示する。
量子サイズ効果には2種類の影響がある―― (1)閉じ込められた次元は、電子のバンド構造とフォノ
ン分散関係を変更し、状態の離散電子密度と減少したフォノン群速度(閉じ込め効果)をもたらす。(2)
低次元構造に存在する高表面積および(時には)界面領域は、電子およびフォノンの両方についてより
多くの境界散乱(表面効果)を導入する――これらの効果の一方または両方は、この発明による材料に
おいて重要であり得る。ナノ構造および他の低次元構造によって得られる利点は(1)ゼーベック係数を
増加させるフェルミエネルギー準位に近い状態の変化した密度ドーパント不純物をキャリアチャネルか
ら物理的に分離する。この実施例によるナノ構造複合材料は、これらの利点を組み合わせることを可能
にし、加えて、セラミックマトリックスなどのマトリックス材料によって低い熱伝導率を提示できる。

本件による方法は、厚膜またはバルク熱電材料の調製に使用できる。このようなバルク材料は、従来の
方法で調製された薄膜よりも厚く、従来は10~100ミクロンの範囲である。本件は、熱電材料および熱
電装置の大規模で低コスト製造を実現する。以下の実施例では、「セラミック」という用語は、アルミ
ニウムと酸素などの金属元素と非金属元素との間に形成される化合物を含む無機非金属材料、典型的に
は電気絶縁体(例えば、アルミナAl 2 O 3)、カルシウムおよび酸素(例えば酸化カルシウム、CaO)。
セラミックスは、シリコンと窒素との間に形成される化合物(例えば、窒化ケイ素、Si 3 N 4)、ケイ素
と酸素(シリカ、SiO 2)、ケイ素と炭素(例えば炭化ケイ素) 好き。本明細書で使用される場合、セ
ラミックという用語は、ガラスを指すこともできる。セラミックという用語は、焼成プロセスによって
形成される材料に限定されない。

 「セラミック」は、シリカ(酸化ケイ素)ベースのマトリックス材料のような、本明細書に記載されて
いる様々な例示的な実施例で使用できる材料をしめが、他の酸化物、窒化物、オキシナイトライド、炭
化物、ケイ化物、ホウ化物などのような他の電気的に絶縁性の、または低熱伝導性の材料を使用するこ
とができる。本明細書で使用される場合、用語「導電体」は、金属、半金属、および半導体などの導電
性材料をさす。ここで使用される「半導体」という用語は、ドープされた半導体を含む。 例えば、T H
= 500℃である場合、 T C= 50℃である。 従来の ZT =1を有する材料を使用することはわずか8%
の効率に相当する。 ZT =3の場合、効率は約17%であり、ZT =5の場合、効率は約22%である
超格子ナノワイヤの場合、理論上のZTは15よりも大きい

熱電複合材料は、半導体ナノ粒子などのナノ構造半導体またはナノ構造半導体(セラミックス材料を挿
す半導体ナノワイヤーまたは超格子構造など)を含む粒子を使用して形成できる。ナノ構造体を含む粒
子は、任意に、他の粒子(例えば、セラミク粒子 および/または他の半導体粒子)を含み、粒子は、高
ZT値を有するバルク材料に圧縮される。図1は、本発明の一実施例による熱電変換材料を用いた熱電素
子の構成を示す。この装置は、熱源10、第1の導電層12、第1の熱電材料14、第2の熱電材料16、第1の電
気接点18、
第2の電気コンタクト20、ヒートシンク22、電気リード26を介して熱電装置に接続された抵
抗負荷24とを含む(下図参照)。

この例では、第1の熱電材料はn型半導体を含み、第2の熱電材料はp型半導体を含む。熱源により熱が
供給されると(T H T C)、図2に示す方向に電流が発生する。
他の例では、第1の電気接点と第2の
電気接点との間に電位を印加して、装置内に温度勾配を発生させることができる。
一例では、第1熱電
材料は、第1電気絶縁性マトリックス材料内にナノ構造p型半導体を含み、第2熱電材料は、第2電気
絶縁性マトリックス材料内にナノ構造化n型半導体を含む。
第1および第2のマトリックス材料は同じで
あっても異なってよい。

図2は、熱電装置からの1つのユニカップルを示す。この装置は、熱源と熱的に連通することができる
第1のセラミック層40、金属層42、44のようなニッケル電気パッドを有する第1/第2の熱電材料46/
48、第1/第2の電気接点52/54
このユニカップルに対応するサーマル回路66は、高温リザーバU Hから
低温リザーバ
へ、熱電脚を介して熱を伝達するための熱抵抗を含む。

   U TE = L /σ A

ここで、Lは脚の長さ、σは電気伝導度、Aは断面積、
C
は、セラミックプレートの熱抵抗、ならびに高温側か
ら冷たいリザーバへの熱伝達係数を含む。あるいは、熱電材料は、場合によりセラミック材料の粒子また
はナノ粒子と混合された半導体のナノ粒子68を含むことができる。半導体ユニカップルに使用できる材
料の例を表1に示す。これらの半導体材料の堆積方法は当該技術分野で知られている。表1は、デバイ
ス製造に使用される半導体の例を示す。


当技術分野で知られている他の半導体を使用することができ、必要に応じてn-またはp-型半導体材料を
得るために当該技術分野でも知られている適切なドーパントを使用することができる。
例えば、半導
体は、ビスマス、テルル、アンチモンおよびスズからなる群からの1つまたは複数の元素を含むことが
できる。
例えば、n型材料は、ハロゲンドープビスマステルル化合物(テルル化ビスマスとも呼ばれる)
であってもよい。

【熱電材料の製造】

1)電気化学的方法を使用して、メソポーラスシリカセラミックマトリックスまたは多孔質モノリスのよ
うな多孔質マトリックスを半導体で充填すること、2)セラミック/半導体ナノコンポジット粒子(例え
ば、セラミックマトリックスを貫通する半導体ナノワイヤを有する粒子)を含む粉末をホットプレスし
3)セラミック粒子と半導体ナノ粒子の混合物を含む粉末をホットプレスする。「粉末」という用語は、
1種類以上の粒子を含む粒状材料を指す。多孔質モノリスは、セラミック粉末をホットプレスすること
によって形成することができる。これらのアプローチおよび他のアプローチは、以下でさらに説明され
る。例示的なアプローチでは、熱電複合材料に使用する成分は、ボールミル粉砕、超音波処理、または
任意の機械的混合方法によって混合することができる。混合プロセスはまた、各成分のサイズ分布を変
更してもよく、例えば、ボールミルを用いてナノスケールの粒子を生成することができる。

混合のための成分は、混合プロセス、繊維、結晶、コロイド、スラリー、フィルム(例えば、混合中に
崩壊するフィルム)、または他の形態の間に粒子を形成する粒子または材料の形態で提供され得る。混
合は、乾燥した状態で、または液体、ゲル、または他の媒体中で行うことができる。混合中または混合
後に、流体成分を除去するために熱および/または真空ステップを使用することができる。混合後、混合
物は固化プロセスに付され、これはルーズパウダーを一体型に固結させる。圧密プロセスは、混合物へ
の圧力、温度、および/または放射線の適用を含み得る。 (HIP)、ホット一軸プレス、ホットプレス、
冷間静水圧プレス、他のプレス技術、レーザー照射(例えばレーザー焼結)、マイクロ波照射、他の電
磁放射線による照射、超音波照射、衝撃圧縮または焼結、 (軟化または表面溶融を含む)、電場焼結、
プラズマ焼結、または他の技術または技術の組み合わせを含むが、これらに限定されない。

熱電複合体を形成する他の方法は、ナノ多孔質の第1成分を提供し、第1成分の細孔に第2成分を充填
することを含む。第1/第2の成分は、熱電材料であってもよい。ナノポーラス材料は、フォーム、メ
ッシュ、または他の形態であってもよい。混合物は、例えば他の成分より低い温度で融解する第3の成分
としての結合剤を含むことができる。メソポーラス材料をマトリックス材料として使用することができ
る。メソポーラス材料は、ナノ細孔アレイなどの細孔アレイを含み、陽極酸化アルミナ、アルミノケイ
酸塩、シリカなどを含む。本発明の実施例では、メソポーラス材料内に形成された半導体ナノワイヤは、
例えば立方体または他の対称構造で相互接続することができる。

【メソポーラスシリカ内における半導体の電着】

テンプレートとしてメソポーラスシリカモノリスを使用して電着によりナノワイヤおよびナノメッシュ
モノリスを製造する方法は、1)シリカテンプレートの製造、および2)鋳型のメソポーラスチャネル内
の金属または半導体の電気化学的成長を含む。
メソポーラスシリカは様々な方法で製造することができ
る。
マトリックス材料はまた、任意の多孔質材料であってもよく、細孔構造は、ナノスケールの特徴を
含む。
図3は、両親媒性分子(界面活性剤など)の、ミセルおよび六方晶系、立方晶系、またはラメラ
状の液晶中間相を含む様々な構造への自己組織化のための典型的な相図を示す。
図は、様々な濃度の水
(または他の溶媒)、両親媒性分子(界面活性剤)、および第3の成分(例えば、油)の典型的な複合
相図を示す。
両親媒性分子の自己組織化は、熱電材料の調製に使用されたことがない。


ケイ素含有化合物(ケイ酸、テトラエトキシシランなどのシラン誘導体、ケイ酸塩クラスターなど)お
よび1つまたは複数の界面活性剤を一緒にして、これらの整った界面活性剤のリオトロピック液晶相を
含むケイ素含有化合物/界面活性剤ナノコンポジットを、 ファンデルワールス、静電、または水素結合
などの非共有相互作用を含むか、焼成経由または溶媒抽出による界面活性剤除去は、液晶界面活性剤ア
センブ
リのメソポーラスシリカレプリカをもたらす。

図4は、多孔質シリカを形成する方法を示す。ケイ素含有化合物(例えば、Si(OH)4のような加水分解
性ケイ素含有化合物)は、親水性頭部基80および疎水性鎖82を有する両親媒性分子の自己集合構造と組
み合わされる。次いで、例えばシリカ壁84を有するケイ素含有基を加水分解によって有機/無機複合体
を製造できる。86のシリカ壁を通る断面は、両親媒性分子の疎水性鎖を示す。さらに熱処理により、有
機成分が追い出され又は分解され、シリカナノチューブのアレイが残る。したがって、自己組織化有機
分子構造は、シリカナノチューブのようなシリコン含有材料の形成のためのテンプレートとして働く。
ナノチューブを半導体で少なくとも部分的に充填で、改善された熱電材料を得るられる。


この方法は、メソポーラスシリカ薄膜、粒子、繊維、またはモノリスを調製するために使用することが
できる。これらの界面活性剤鋳型メソポーラスシリカ材料は、六方晶系、立方晶系、またはラメラ状の
細孔チャンネルを含み、2nm~20nmで制御可能な単峰性の細孔直径を有し得る。このプロセスは、熱電材
料の製造にこれまで使用されていなかった。制御された細孔構造を有するメソポーラスシリカテンプレ
ートは、界面活性剤テンプレートアプローチを用いて調製できる。テンプレートのメソポーラス構造を
制御するために、異なる界面活性剤(下記の表2を参照)、界面活性剤濃度および合成条件を使用でき
る。細孔サイズは、異なる分子量の界面活性剤ならびに疎水性ミセル内に取り込まれてテンプレートサ
イズを増大させることができる疎水性膨潤剤(例えば、トリメチルベンゼン)によって制御することが
できる。より高分子量の界面活性剤または膨潤剤の使用は、通常、大きな細孔サイズをもたらす。メソ
ポーラスネットワークの空間構造を制御するために、適切な界面活性剤、界面活性剤濃度、および合成
条件を選択して、異なる形状および接続性を有する細孔チャネルを作製できる。


制御された細孔構造を有するメソポーラスシリカテンプレートは、界面活性剤テンプレートアプローチ
を用いて調製できる。テンプレートのメソポーラス構造を制御するために、異なる界面活性剤(上記の
表2を参照)、界面活性剤濃度、および合成条件を使用できる。細孔サイズは、異なる分子量の界面活
性剤ならびに疎水性ミセル内に取り込まれてテンプレートサイズを増大させることができる疎水性膨潤
剤(例えば、トリメチルベンゼン)によって制御できる。より高分子量の界面活性剤または膨潤剤の使
用は、通常、大きな細孔サイズをもたらす。メソポーラスネットワークの空間構造を制御に、適切な界
面活性剤、界面活性剤濃度、および合成条件を選択して、異なる形状および接続性を有する細孔チャネ
ルを作製できる。

界面活性剤ベースのアプローチを用いて、ナノワイヤの直径は2nmから20nmまで制御可能であり、ナノワ
イヤの体積密度は30%から70%まで制御可能である。
他の直径および体積密度も達成可能である。 ナノ
ワイヤ組成物は、システム温度
例えば、BiドープのPbTe-SnTe(n型)およびPbTe-SnTe(p型)は、500~
700Kの温度範囲で使用できる。
マクロ効率の制御されたナノワイヤまたはナノメッシュモノリスなどか
ら、より効率および電力密度が向上し、デバイスをはるかに容易に製造できる、連続的な、量子閉じ込
められた、および高密度のナノワイヤネットワークを製造できる。

上図5Aは、三次元細孔チャネルを含むメソポーラスシリカテンプレートを用いたナノメッシュ薄膜の
製造を示す。
まず、シリカ壁104を有する細孔102を有するメソポーラスシリカ薄膜を、作用電極として
機能する導電性基材100上にコーティングする。
電着は、導電性基板から規則的な細孔チャネル内で半
導体を連続的に成長させ、シリカ壁108内に連続金属または半導体ナノメッシュ構造(例えば106)を含
むシリカ/半導体ナノ複合材料をもたらす。

別ウィンドウ(タブ)の大きな表示で見る図5Aは、半導体(または他の導電体)および電気絶縁体構成
要素が両方とも連続している点で、バイコンティニュアス構造である。電気絶縁体構成要素は、連続的
なネットワークを形成する必要はない。例えば、半導体ナノ構造ネットワークは、半導体で電気絶縁粒
子の周りに伸びてもよく、電気絶縁粒子は互いに絶縁されていてもよい。電着は、界面活性剤の手法を
用いて作製されたものだけでなく、任意の多孔質構造と共に使用することができる。

図5Bは、ナノ構造半導体のメソポーラステンプレートへの電着に使用することができる装置を示す。
の装置は、ガラス基板120と、導電性電極122と、ナノ多孔性テンプレート124と、基準電極128と、対向
電極130と、電解質132とを備える。ナノワイヤは、ナノ多孔質テンプレート内で成長し、電極の近くで
開始し、126に示すような領域内にナノ構造複合体を提供する。

                                        この項つづく


 

   Dec. 27, 2017



【スマートフォーン習得日誌Ⅰ】

年末20日にガラ系からスマートフォーンに買い換えたのだが、6日大阪から家に通話したのだが、電
話忠の音声が割れて聞き取りにくいため、帰宅後詳細を彼女に話すと、市役所の税務課とのやりとりで
やはり同じ事ことで担当市役所職員が音が籠もり聞き取れないというので困ったとの返事だ。その後も
電話を使っていたが状態は変わらず、13日に購入先のビバシティのドコモショップへ二人ででかけ、
事情を話し、ガラ系の音声比較確認をして状況を現任してもらったものの交換も修理もここではできな
いとの返事。帰ってきて、今朝、宅トレ忠、佐々木浩さんから電話がかかってきてやはり音声が割れて
いるので(ハスキー名越と言うより、喉頭癌患者の人工喉頭のような声。そこでやっと重い腰を上げ調
べていくが、「アイフォーン7」の同種のトラブルががネット上でも掲載されていることがわかったが、
一連の確認作業を始めていると、眼精疲労が酷くなり中断。それにしても、オーバーロードな眼球神経
系はダウンするのは火を見るより明らか。そこで明日、保証サービスセンタと連絡とることでサスペン
ディング。 「iPhone 7の動画ノイズ問題などの初期不良で、返品・交換を4回もすることになった。
- UPDATE LIFE」(Sep. 24, 2016)、「古いiPhoneの性能を意図的に落としたAppleが集団訴訟で100兆
円超の支払いを求められる-GIGAZINE」(Dec. 27, 2017)など(上写真クリック)をマルチメディアで
情報収集しなが、しばし「デジタル革命渦」の深淵をのぞき込み「習うより慣れろ!」という教訓を噛
みしめることとなった。

 

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最新量子熱電変換子技術Ⅰ

2018年01月13日 | デジタル革命渦論

   

        離婁(りろう)篇    /    孟子   

                                    

       ※ 本当の教え方:逢蒙(ほうもう)羿(げい)に弓術を学んだ。奥儀
         をきわめてから考えた。おれにまさる者は天下に昇ただ一人だ、と。
         そこで羿を殺してしまった。この故事を孟子が批評した。「羿にも
         罪がある。公明儀(曽子の弟子)はりは見ていないのだが、わたし
         は、罪が軽いうだけで、ないとはいえないと思う。鄭君が子濯孺子
         (したくじゅし)に命じて衛を攻めさせたときのことだ。衛は、廙
         公之斯(ゆうこうしし)に命じて鄭郡を撃退させた。敗走する子濯
         孺子が、『今日は持病の発作で弓が引けぬ。もうこれまでか』と、
         つぶやいて、御者に、『わしを追っているのは誰だ』『庚公之斯で
         す』『それなら命びろいじゃ』『どうしてです? 庚公は衛国の弓
         の達人ですが』『かれは尹公之他(いんこうした)から弓を習った。
         ところが尹公にはこのわしが敦えたのだ。尹公は礼儀正しい男だっ
         たから、弟子を選ぶにもきっと礼儀正しい人物を選んだにちがいな
         いのだ』そこへ庚公之斯が追いせまり、子濯孺子に呼びかけた。『
         どうして弓をお取りにならぬ』『持病が出たのだ』『わたしは尹公
         之他から弓を習い、尹公之他はあなたから習った。あなたの弓術で
         あなたを殺すにはしのびません。とはいえ今日は君命による戦いで
         す。戦わぬわけにはまいりません』 そう言って、矢をえびらから
         抜くと、車輪にたたきつけてやじりを取り、四本放って引きあげた」

       〈逢蒙 羿〉羿は弓の名人。夏王朝時代の有窮国の君主。逢蒙はその臣。 

 

 

 

     No.130 

【ソーラータイル事業:最新シリコン単結晶系技術】 

 Jan 11, 2018

● 変換効率19.4%の真っ黒なシリコン単結晶型ソーラーパネル

韓国のSolaria社は、真っ黒な米国加州に高変換効率19.4%のモノシリック型太陽電池パネル(mono
PERC「PowerXT®-350R-PD:
上ビデオクリック参照)。同社の生産ラインは現在、カリフォルニア州フリ
ーモントにある40メガワット/年と韓国の60メガワット/年ラインの2つが稼働中である。また、
同社は200メガワットの太陽光発電生産計画を発表しており、今朝の見込みでは2300万ドル(約
26億円)の資金調達が見込まれている(生産場所は未公表)
。同社の話によると、近い将来ペロブス
カイト層を組み込み3~8%(トータルで22.4~27.4%)の高変換効率のパネルを生産供給する
とのことである(下図参考)。

  Tiled solar cell Apr. 8, 2017

【サーマルタイル事業:最新量子熱電変換子技術Ⅰ】

❏ トヨタ自工北アメリカ株式会社の特許事例

● 
US 9865790 B2 Nanostructure Bulk Thermoelectric Material :ナノ構造バルク熱電材料

【概要】

熱電素子には、温度勾配(例えば、ゼーベック効果を使用する熱電発電機)から電気エネルギー
を得るため、または電気エネルギーから熱勾配を生成するために使用され得る(例えば、ペルチ
ェ効果を用いる熱電冷蔵庫)がある。典型的な熱電デバイスは 典型的には熱伝導性P型(P)お
よびN型(N)半導体
の対であるいくつかのユニカップルから構築される。これらのユニカップルは
、直列に電気的に並列接
続されている。理論的には、熱エネルギーの電気エネルギーへの変換
の最大効率は次式で算出される。

ただし、Tave=(T H
+ T C/2は平均温度であり、ZZ =S2σ/κして定義される性能指数t)であ
る。性能指数Z は、材料の巨視的な輸送パラメータ、すなわちゼーベック係数(S)、導電率(σ)、
および熱伝導率(κ)に依存する。大きなゼーベック係数、高い導電率、および低い熱伝導率を有する
熱電材料により大きな性能指数をえる。ゼーベック係数は、ゼーベック効果を示す回路のホット接点
とコールド接点との間の温度差に対する開放電圧の比、または S = V /(T h -T Cとしてさらに定義さ
れる。Zは温度に応じて変化するので、有用な無次元指数をZTと定義できる

1950年代の終わりまでに、最良のバルク熱電材料は、テルル化ビスマスとアンチモンとの合金であり、
これは室温ZT〜1を与えた。熱電界の労働者は過去40年間に性能指数の向上を試みる。 ZTを増加さ
せることは困難である。というのも、3つのパラメータSσ、およびκ は、すべて自由キャリア濃度に
関連し通常は独立していない。例えば、ドーピングは、典型的には、半導体の電気伝導度を増加させる
が、ゼーベック係数を減少させ、熱伝導率を増加させる。合金化による格子熱伝導率を低下させる努力
は、余分な散乱機能を付与すれば導電性も低下できる。理論的には、MITDresselhausおよび研究グル
ープは、熱電材料のナノワイヤ内の電子およびフォノンの量子閉じ込めがZT値を増加させる実証を行
っている。ナノワイヤの直径が5~10ナノメーターの範囲にある場合、特に1次元ナノワイヤはZT

2~5
いくつかの構造が研究されており、例えば, Heremans.J.P et.al., "Thermoelectric Power of Bism-
uth Nanocomposites
"; Phys。 Lett。 2002、88、216801; Venkatasubramanian、R.et.al., "Thin-film thermoelectric
device with high room temperature figures of merit; Nature; 2001, 413, 597-602; Harman, T0. C, et al., "Thermoel-
ectric quantam dot superlattices with high ZT"; Electron Mater,;2000, 29L1-L4;Rabin, O. et al., "Anoma-lously
high themoelectric figure of merit in Bi1-xSbx nanwires by by carrier pocket alignment"; APL;2001, 79, 81-83; a
nd Dresslhaus, M. S. et al., "Low - domensional themoelectric materials"; PSS; 1999, 41, 679-682.

しかしながら、これらのアプローチは、大規模で低コストの熱電装置を生産の簡単なアプローチではな
い。
従来の半導体デバイスの製造方法は、バルクサンプルを製造するには不適切であり高価である
動車では、燃料から得られるエネルギーの約70%が熱と装置冷却として失われる。
燃料燃焼ではるエ
ネルギーの一部しか使用されず大量の熱エネルギーが排気される。
廃熱エネルギー回収は、エネルギー
危機の増大により自動車産業においては大きな課題であり、
熱エネルギーから電気エネルギーへの熱電
変換は有効な方法となるが、
直接熱変換から電気変換(DTEC)技術は、現在、2つの大きな課題、❶
変換効率が低く、❷電力密度が不十分であるという問題に直面しており、
高熱電変換効率へのる改良が
緊急な課題となっている。 

熱電複合材料は、少なくとも1つが熱電材料である2つ以上の成分を含む。熱電複合材は、熱電構成要
素の性能指数を高めるナノスケール構造を有する。一例では、熱電複合材は、第1の成分および第2の
成分を含む。第2の成分は、第1の成分よりも実質的に少ない導電率と、第1の成分よりも高い溶融温
度ともち、熱電材料は、第2成分のナノ粒子をネットワークに分散させた第1成分のネットワークを含
む。また、別の態様では、熱電材料製造工程は、第1/第2成分と同じ工程であり、第1/第2成分は
混合され分散混合物を形成してよい。分散された混合物は、第1の成分融点付近の温度が焼結され、第
2の成分のナノ粒子がネットワーク中に分散された第1の成分のネットワークを形成できる。第1の成
分は半導体材料でもよく、第2の成分は無機酸化物でもよい(詳細は下図クリック参照)。 

 Jan. 9, 2018

図1 発電モードで動作する熱電ユニツプの概略図、T およびT はそれぞれ高温壁および低温壁温
      度を図示、

図2 高効率熱電装置に使用されるナノ構造材料構造の概略図。図2Aは、図1の装置に使用するこ
   とができる可能なナノ構造物質の構造の詳細を図示。 

【特許請求範囲】  

  1. 熱電素子であって、第1の電気接点と、第2の電気接点と、第1の電気接点と第2の電気接点との
    間の電気経路内に配置されたバルク熱電材料とを含み、バルク熱電材料は、粒子を連続ネットワ
    ークに固結させることによって形成される半導体である第1の成分と、
    第2の成分の連続的なネ
    ットワークと、2つの双連続の相互浸透ネットワークを規定する第2の成分の連続的なネットワ
    ークとを含む熱電材料を含む。
    熱電素子であって、第1の電気接点と、第2の電気接点と、第1
    の電気接点と第2の電気接点との間の電気経路内に配置されたバルク熱電材料とを含み、バルク
    熱電材料は、粒子を連続ネットワークに固結させることによって形成される半導体である第1の
    成分と、第1の成分の連続的なネットワークと、2つの双連続の相互浸透ネットワークを規定す
    る第2の成分の連続的なネットワークとを含む熱電材料を含む。
  2. 熱勾配が熱電材料を含むデバイスの少なくとも一部の上に延在するとき、第1の電気コンタクト
    と第22電気コンタクトとの間に電位を提供する、請求項1に記載の熱電デバイス。
  3. 粒子を連続的なネットワークに固化させることによって形成された半導体である第1の成分と、
    電気的に絶縁性の無機酸化物である第2の成分とを含み、第1の構成要素の連続ネットワークと、
    2つの2連続相互貫入ネットワークを規定する第2の構成要素の連続ネットワークとを含むバル
    ク熱電材料。
  4. 前記熱電材料が、1mmを超える最小の物理的寸法を有する厚膜またはバルク材料である、請求項
    3に記載の熱電材料。
  5. 前記第1の成分の導電率が、前記第2の成分の導電率より百倍以上大きい、請求項3に記載の熱
    電材料。
  6. 前記第1の成分の前記連続的なネットワークは、3次元の連続的なネットワークである、請求項
    3に記載の熱電材料。
  7. 前記第1成分は、テルル含有半導体、セレン含有半導体、およびシリコン - ゲルマニウム合金
    からなる群から選択され、前記第2成分は、第2の成分は、アルミナ、コバルト酸ランタン、コバ
    ルト酸ナトリウム、シリカ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび
    酸化チタンからなる群から選択される材料を含む。
  8. 前記第1成分がテルル化ビスマスを含み、前記第2成分がシリカを含む、請求項3に記載の熱電
    材料。
  9. 前記第1成分がテルル化鉛を含み、前記第2成分が二酸化チタンを含む、請求項3に記載の熱電
    材料。
  10. 前記熱電材料内の前記第1成分の熱電係数は、量子サイズ効果によって高められている、請求項
    3に記載の熱電材料。

詳細説明】

この
実施例は、高い変換効率を有する熱電装置に使用できる高い性能指数を有する熱電材料を含み、
発明による例示的な熱電材料は、第1の成分と第2の成分とを含む複合材料である。
第1の構成要素は、
半導体または他の導電体であってもよく、量子閉じ込め効果が第1の構成要素の特性を変更するように
ナノ構造である。
第1の成分の例には、従来のバルク熱電材料(すなわち、バルクで著しい熱電特性を
発揮する材料)が含まれる。
材料は、必要とされる所望の動作温度範囲に基づいて選択することができ
る。
第1成分のために選択され得る材料には、テルル化ビスマスおよびその合金、ビスマス - アンチ
モン化合物(ビスマス - アンチモン合金またはテルル化ビスマスと呼ばれ得る)、テルル化鉛(PbTe)、
AGS(TeGe
SiGe)、およびLaFe 3 CoSb 12およびCeFe 3 CoSbのようなスクッテルダイト材料からなる群
から選択される、請求項1に記載の方法。
第1成分は、任意の半導体セレン化物またはテルル化物であ
り得る。
その他の資料については、他の場所で説明する。 


                                       この項つづく

 ● 今夜の一曲

めずらしく彼女が口ずさんでいたが、CMのBGMでもリバイバルしている。


 Source; Wikipedia

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最新無隔膜電解工学Ⅲ

2018年01月12日 | 環境工学システム論

        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                    

      ※  兼・恵・勇をたたえる:もらってももらわなくてもよい贈り物をもらうのは、
     清兼を傷つける。与えても与えなくてもよい、贈り物を与えるのは、真の恵
     みを傷つける。捨てても捨てなくてもよい場合に命を捨てるのは、勇気の尊
     さを傷つける。 

 

     No.129 

【ソーラーフロート型海水電解水素製造システム】

● 再生可能エネルギーの低コスト水素生産型無隔膜電解槽

水電解は、ほとんど常に強酸性またはアルカリ性の環境で行われるが、pH中性電解質での操作も重要
である。なぜなら、❶強い腐食性または酸性の液体電解質と比較して安全性の問題が少なくなければ
ならず、❷pH中立環境は、通常、酸または塩基で腐食する、より低コストの触媒/低コスト資材使用
を可能にする。無隔膜電解槽の電解質への融通性は、二酸化炭素電気分解、海水の18酸/塩基生成19
は他の電解プロセスでも魅力的である。
それらの利点にもかかわらず、無隔膜電解槽はまた多くの課
題残こしている。PEM電解槽と比較した場合の欠点の1つは、より高い溶液IR損失(作用電極と対極
間の電流が電圧降下ロス)のために高い電流密度(約0.5Acm-2以上)の電圧効率が低いことにある。
濃硫酸/水酸化カリウム電解質は、イオン選択性膜よりも高導電率があるものの、イオン移動距離が、
今日まで無隔膜電解槽で実証されてきた(典型的には数ミリメートル)で移動しなければならずPEM
電解槽内のナフィオン膜の厚さ(約100~ 200μm)よりはるかに長い距離である.8。手頃な価格の微
細加工とスケールアップにおいて、難しい課題となるが、狭い電極ギャップを持つ微細加工無隔膜電
解槽
は注目すべき例外事例となる20
したがって、ほとんどの無隔膜電解槽では、イオン輸送の距離
の長い、電解液の大きい全オーム抵抗(Rs)、その後の大きいオーミック電圧損失のが実情である。

上図3A見られるように、5mmギャップ距離を0.5Acm-2電解中の濃縮ベースの電解質を通るイオン
輸率から生じる電圧損失は約400mVPEM電解槽の場合、厚さ100μmのナフィオン(Nafion)膜を通
過する電圧損失が発生する前の約1.5Acm-2で動作する。水素製造技術の経済性に関する操作電流密度
の重要性を図3Bに図示、一定のη1.59 $ kg-1H2(LCH)生産の目標均整化コスト(75%より高発
熱量(HHV)、寿命(10年)、電流密度、電力価格、面積正規化資本コスト(CCA、$ m-2)である。
3つのタイラインのいずれかを見ると直感的な結果が得られる。特定の電解槽の動作電流密度が競合
技術の電流密度(1 / N)thの場合、面積正規化資本コストは(1 / H2)に同じ電流密度の電解槽コストを
乗じたもの。

※ 参考資料(出典:NEDO)




しかしながら、この分析が無視しているのは、低コスト電気/低CFシナリオでは、より高いオーミッ
ク/電圧損失が完全な許容範囲にある。図1Aに見られるように、電解槽効率(η)は、H2生成コス
トに影響することはない。この場合、電流効率は、製品純度/寿命許容を超える器機寿命を低下させ
ることなくできるだけ高くする必要がある。高電流密度への工場により、低CFで動作する器機で可能
な耐用年数利益を相殺する可能性のため器機寿命に対する電流密度/断続動作の影響を注意深く考慮
する必要がある。熱管理は高電流密度で懸念されることであり、無隔膜電解総は電解液が熱冷却除去
機能を果たす。図2Dに示すタイプⅡ無隔膜電解槽は、3.5 Vの印加電圧(H2HHVに基づいてη=
42%
14 で約4 Acm-2の電流密度を達成することを実証した。 高電流密度に達するこの能力は、従
来のアルカリ電解槽と比較して、無隔膜装置にとって大きな利点となるものである。



無隔膜電解槽のその他の2つの課題は、❶製品純度と❷安全性である。市販PEM電解槽は、高純度、
典型的には99.99%のH2を生成すると同時に、H2150bar9まで高圧圧縮できる固体電解質膜能力によ
り、O2およびH2生成ガスに対する物理的障壁として役立つ。無隔膜
電解槽は、高圧液体電解質中で電
解を行うことにより高圧H2を生成することが可能であるが、電極間に大きな圧力差を維持することが
できないので、H2を電気化学的に圧縮できない
しかしながら、この利点は、ポンプ輸送コストを高
め、液相におけるH2生成物の溶解が大きくなりことから部分的に相殺される。 生成物の純度に関し
ては、99.4%13および99.814という高い水素純度それぞれⅠ型およびⅡ型の無隔膜電解槽で達成でき
る。
これらの純度は水素の爆発限界の下限と上限、より高い純度を必要とする用途では、下限純度を
あげる必要がある。
すべての無隔膜電解槽では、動作電流密度、電気分解効率、製品の溶解ロス、反
応後の製品損失、および製品純度を設計プロセス中に考慮する必要がある。H2 / O2のクロスオーバ(
混合)の他に、別の安全上の懸念として、電極間の電気放電があり、非常に小さな電極ギャップに大
きな電圧が印加されるとアーク発生の可能性があり、このような動作条件の回避が重要となる。
これ
らの理由から、①センサ、インターロック、電解槽が安全動作条件下動作が大前提となる、②電解槽
の誤動作の際にO2およびH2生成物が分離状態であることを担保するフェイルセーフ(信頼性設計の1
つ)を、例えば、ポンプの故障などの設計を徹底しておく必要がある

無隔膜電解槽のプロトタイプの規模拡大は、この技術の成功のもう1つの潜在的課題である。一般に、
現在までに実証されたタイプⅠの無隔膜電解槽は、実際にはマイクロ流体であり、パラレル化または
(限定的な方法で)面積スケーリングを介してこれらの器機の規模拡大することは可能である。さら
に、5mA cm-2.18の二酸化炭素電解に使用される平行平板電解セルについて最近示されたように、電
極ギャップが大きく、器機がより低い電流密度で動作する場合、より大きな電極が実現可能となる。

大面積(≧1 cm2)の流体透過電極は、タイプⅡの電解槽で高電流密度で運転され14.15大規模なアプ
リケーションとして、より大きなセルサイズとモジュールの開発を必要とする。
両方の無隔膜電解槽
では、結合した多相流体力学のより、優れた知見を発展させたシステムの電気化学は、大量移送のモ
デリング、その場観測、最高の安全性と製品純度を持つ無隔膜電解槽設計を導く経験的研究が必要と
なる。無隔膜電解槽と従来の電解槽との比較で、スタック技術選択が表1に示す対費用効果システム
BOS)コンポーネントのバランスに強く影響しシステムの総価格の見積りが重要となる。商用PEM
およびアルカリ電解槽のBOS備品価格は、それぞれ40%および50%であり、無隔膜電解槽の資本コス
トが既存の電解槽よりも低い場合でも、 ポンプ、コンプレッサー、相分離器などのBOS備品の高コス
ト化により、これらの利益が相殺される可能性がある。

● 開発に欠かせないその場評価:日本の撮像/受像処理技術

このように、無隔膜電解槽に関連する多くの材料関連の課題も存在する。従来の電解槽と同様に、低コ
ストおよび大量に存在する電極触媒の開発は、特に、大規模な電解槽プラントの無隔膜電解槽の設備
投資削減に重要で、プラントコストのバランス10は、総投資額の不純物耐性器機の実現した場合、不
純物耐性水素発生反応および酸素発生反応電極触媒開発を促進する必要がある。これらの電極触媒は、
従来の電解槽で操作される触媒と比較し、局所的高電流密度および異なる流体力学的環境下でも安定
でなければならない。高速ビデオ、中性子ラジオグラフィ、および他の技術の使用によるその場撮像
技術は、これらの現象をよりよく理解に刺激的な機会を提供する。また、触媒設計には、不均一な電
流密度、局所pH勾配、および電極支持体上への電極触媒装填物の最適な配置を含む。安定した不純物
耐性電極触媒がこの用途で実現できる場合、通常は考慮されていないプラスチックや複合材料などの
低コスト材料から電解槽セルおよびモジュールの本体を構築する可能性が開かれる。
結論として、膜
のない電解槽は、断続的な再生可能エネルギー源に結合された電解槽が非常に低い資本コストを有し
ていなければならない将来のH2の生産の有望な技術であるが、新しい無隔膜電解槽技術を必要とする。
これは、多くの時間と長さのスケールにまたがる複雑な問題解決に、多くの学問分野にわたる科学者
やエンジニア協働(あるいは学際/業際/官民の協働)を必要とする。

以上で、「最新無隔膜電解工学」の他面的な考察は終了した。「最新無隔膜電解工学Ⅰ」で事例紹介
した「US 9011651 B2 Apparatus and method for the electrolysis of water : 水電気分解装置および方法」(
下図参照)の同グループの無隔膜電解槽に関する特許
US 9222178 B2 Electrolyzer 電解槽」(2015年1
2月29日)が公開されいるので理解の一助に参考記載しておく。

❏ US 9222178 B2 Electrolyzer :電解槽

【概要】

高純度水素および酸素の電解生成は、電解装置のカソードおよびアノード区画内のガス圧を調節する
ことを含むことができる。装置への水の供給は、装置の表面上の少なくとも1つの開口を通るもので
あってもよい。電解装置に装置内外の大きな圧力差を与えることなく、高圧水素及び酸素ガスを生成
することができる。これは、電気分解装置全体を高圧流体に実質的に浸し、それにより装置の内外圧
力を実質的に等しくすることによって達成され得る。 この目的を達成するための2つの構造例が開示
されている。第1に、装置は、それ自体が加圧された流体含有容器内に配置され、カプセル化されて
もよい。 第2に、装置を深水環境に浸漬することができる。電気分解を行うのに使用される電気エネ
ルギーの一部は、管、例えば酸素中を流れる高圧ガス中の運動エネルギー及び運動量を捕捉し、電気
に結合された羽根車を回転させることによって電気に変換するジェネレータ。
図12A/Bは、水中に浸漬された電解槽装置の一実施形態図

電気化学分野で電気分解や電気防食は、30年目から塩化第二鉄の隔膜電解再生と高温アルカリ溶液
薄膜
用防食で開発従事していたもので懐かしいといえばそういうことになる。この無隔膜海水電解シ
ステムもそうだが、
2011年01月11日の福島第一原発事故以降、再エネ環境工学の調査研究を精力的に
行ってきて昨年5月から「エネルギーフリー社会を語ろう!」というスローガンを打ち出したがそれ
が実現できるという確信しえるというか肌身で実現できそうな予感に包まれエキサイティングな日々
を過ごしている。思えば1995年の阪神大震災、2011年の東日本大震災時に個人的にも大きな
転機に遭遇して、ある種の武者震いのような感覚に襲われたり、強運のようなものを感じ、そして、
誇大妄想かもしれないが関連する技術開発課題のすべてに手が届くような感触にとらわれている。そ
れにしても、その場撮像技術でハイビジョン、4K・8Kの貢献を考えると、日本のNHKの開発
チームがノーベル賞を授与されても良いほどの実績はあるように思うがいかに。 

                                        この項了

 Jan. 12, 2018

   ● 今夜の寸評:AIも人間次第

AI時代に突入し色々と話題は絶えない。基本的にはホモサピエンス。機械に振り回わされることは
あっても所詮、アクセルとブレーキは人類次第である。

 

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最新無隔膜電解工学Ⅱ

2018年01月11日 | ネオコンバーテック

  

        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  水をたたえる: 弟子の徐子が孟子にたずねた。「孔子は、折りにふれて、
          『おお、水よ、水よ』と言ってこれを称賛してやまなかった。いったい、
          水の性質のどこを称賛したのでしょうか」「泉から滾々(こんこん)と
     湧き出す水は、昼も夜もけっして絶えることがない。そして、低地をひ
     たしては流れつづけ、ついには海に注ぐ。源のあるものは、すべてこの
     水のようなもの。孔子が称賛したのはこの点なのだ。水源がなければ、
     六、七月の雨期のあいだ、いくら集中的に降って、水路という水路をあ
     ふれんばかりにしても、雨がやめばまたたくまに干上がってしまう。実
     の伴わない名声は、この水源のない水と同様だ。だから君子は、このよ
     うな名声を受けることを恥とするのだ。」

   ※ 私 淑: 良きにつけ悪しきにつけ、伝統の感化力というものは五代も
     たてばおのずと消滅するのが通例だ。わたしは残念ながら、孔子に直接
     教えを受ることはできなかった。しかしわたしは、孔子の学問を受け継
     いだ人々を通じて、自分なりに向上しようと努めている。

   〈孔子の学問今・・・・・・・努めている〉この部分の原文は「私淑」。「私淑する」
   といえば、今日でも、直接には教えを受けられないが、自分なりに模範とし
   て仰ぐ意味に使われている。

      No.128

【水素エネルギー篇:最新無隔膜海水電解技術】

● 高性能電池開発事情:最新金属空気電池技術事例

昨夜の「特開2017-142884 アルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池」に引き続き、金属
空気電池の技術事例に参考にする。

❏ 特開2017-142884 アルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池   

【概要】

アルミニウム金属を活物質として含有する負極を用いた金属空気電池では、自己放電反応によるアル
ミニウム金属の減少や、放電により生成する水酸化アルミニウムが負極表面に蓄積すること等に起因
して、アルミニウム反応率が低下するという問題がある。この実情をふまえ、本件はアルミニウム反
応率が向上した金属空気電池の提供にあたり、自己放電や、放電により生成する水酸化アルミニウム
の負極表面への蓄積を抑制し、アルミニウム反応率が向上――空気極と、負極と、空気極と負極の間
に配置する電解液層と、電解液が循環する循環路とを備え、この循環路は電解液層及び電解液の収容
部を備え、負極に用いられる活物質は純度が99.5%の平板状のアルミニウム金属で、電解液層は
前記電解液で満たされ、前記電解液は1.0mol/Lの水酸化ナトリウム溶液であり、外部環境温度が
25℃、放電電流が400mAの条件で放電した場合に、電解液が0cm/sを超えて13.3cm
/s未満の流速で電解液層を流れることを特徴とすることで自己放電や、放電により生成する水酸化
アルミニウムの負極表面への蓄積を抑制―――することを提供する。【選択図】図5



● 水電解要の炭素触媒に注目!

❏ 特開2017-210638 水電解用炭素触媒及びその製造方法、及び該炭素触媒を用いた
                     水電解用触媒インキ並びに水電解装置
   

【概要】

水素製造方法の一つに水電解。とりわけ、再生可能エネルギー由来電力は、二酸化炭素の排出を伴な
わず注目され、水電解の方法としては、一般に、アルカリ水電解と固体高分子水電解――アルカリ水
電解ではアルカリ水溶液を電解質とし、固体高分子水電解ではイオン交換膜を電解質――があり。固
体高分子水電解は、アルカリ水電解と比べて電流密度を上げられ、高い効率が得られるという特長が
あり、固体高分子水電解装置構成は、固体高分子電解質膜の両側に触媒層を設け、さらにその外側に
給電体と通電板の構成が代表的である。イオン交換膜は、主として、デュポン社製Nafionなどのスル
ホ基を有するフッ素系高分子が用いまた、触媒層は電極反応の反応場となる部分であり、一般に、電
極用の触媒と固体高分子電解質との複合体からなる。

このような電極用触媒には、従来、白金やイリジウムなどの貴金属微粒子、カーボンブラックなどの
炭素担体上に貴金属微粒子を担持したもの、電解質膜表面にメッキやスパッタなどの方法で形成され
た貴金属の薄膜などが用いられているが、白金などの貴金属は、高い触媒活性(プロトン還元活性)
とその活性安定性を示すが、非常に高価であり、資源的にも限られ、コスト高要因となっている。

この課題解決に、大環状化合物をカーボンブラックなどの電子伝導性炭素担体表面に担持し、炭化さ
せた炭素触媒、大環状化合物を含まない有機高分子材料を炭化させた炭素触媒などあるが、電池性能
は、比表面積の大きさや電子伝導性が重要であるのに対し、これらの有機高分子材料を原料とした炭
素触媒は、電子伝導性が低く、比表面積が小さいといった問題があり、充分な触媒活性を有する触媒
ではない。コスト、資源量などから使用量低減が求められる貴金属触媒の代替として、高電子伝導性
及び比表面積の大きい炭素担体を含む安価な水電解用炭素触媒や炭素触媒を用いた水電解用触媒イン
キと水電解装置を下図のように提案されている。その特徴は、窒素を含有し、X線光電子分光法(X
PS)により測定した、触媒表面の全元素に対する窒素原子のモル比をNとし、触媒表面の全窒素量
に対する、XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN型窒素原子量の割合とN2型窒
素原子量の割合の合計(%)を(N1+N2)としたときの、表面末端窒素量{N×(N+N)}が
1.0~13.0であることを特徴とする水電解用炭素触媒よりて解決するものである(詳細は下図ク
リック参照)。

 Nov. 30, 2017

ここで、電極触媒だけでなく、蓄電池/電極/正極活物質粒子の重量あたりの容量を高め、高いエネ
ルギー密度を実現し電池反応の安定化を図る――例えば、二次電池の正極の活物質として、リチウム
と、マンガンなどの元素と酸素で構成されるリチウムマンガン複合酸化物を用い、還元された酸化グ
ラフェンで被覆することでこの活物質と、酸化グラフェンと、導電助剤と、バインダーで構成する活
物質層を形成し、活物質層を、アルコールに浸した後、加熱処理をすることで、酸化グラフェンが還
元された電極を作製するという「特開2017-045726  電極、及びその製造方法、蓄電池、並びに電子
機器
」株式会社半導体エネルギー研究所)のようにグラフェンを使ったエネルギー分野だけでなく半
導体、カラー表示装置分野などの電子器機材料のイノベーションが急速に進展してきており、高エネ
ルギー密度、急速充電、安全でコンパクト(高・軽・薄・小・安)な全固体型蓄電池の実用化が目前
に迫っており、「グラフェン工学時」(言い換えれば「ネオコンバーテック時代」)であることを
強調しておきたい。

● 水素モータ技術とは

ここで、海水電解方式での製造された水素/酸素は、蓄電池あるいはガス/蒸気タービン、燃料電池
だけでなく、水素モータ(あるいは水素/酸素ガス混合モーラ)つまり内燃機関(エンジン)発電技
術も触れておく。水素ガス直燃はエネルギー効率が高いが、騒音や窒素酸化物の排出などの対策をセ
ットしクリアーしなければないらない。例えば、「特開2017-122424  排気浄化装置」(株式会社デ
ンソー
) 「特表2017-538573  排気システム用の一酸化二窒素除去触媒 ビーエーエスエフ コーポレ
ーション)を参考に掲載しておく。

 ❏ 特開2010-106798 動力発生装置  

【概要】

動力発生装置は、下図のように、電力供給装置と、所定量の水を保持する貯水装置と、電力供給装置
から供給される電力により、貯水装置から供給される水を加熱して水蒸気にする加熱装置と、加熱装
置で発生した水蒸気を電気分解して水素と酸素を生成する水蒸気電解装置と、水蒸気電解装置で生成
された水素を貯留する水素タンクと、水蒸気電解装置で生成された酸素を貯留する酸素タンクと水素
タンクから供給される水素と前記酸素タンクから供給される酸素とを反応させて動力を発生させる水
素-酸素エンジンと、水素-酸素エンジンで生成された水蒸気を水蒸気電解装置に排出する水蒸気排
出通路と、水蒸気排出通路に配置され、水蒸気から排熱を回収して動力を発生させる排熱回収装置と、
の構成が特徴である。

水蒸気を水素と酸素に分解する水蒸気電解装置と、水素と酸素を燃料とする水素-酸素エンジンと
を搭載しているので、特殊な燃料や燃料電池のような複雑な装置を必要とせず、二酸化炭素や窒素酸
化物が排出されないクリーンでより安定した作動が可能な動力発生装置を提供できる。また、動力発
生装置は、排熱回収装置を備えているので、水素-酸素エンジンで発生した高温の水蒸気からさらに
動力を回収することができ、一層高効率な動力発生装置を提供される。
エネルギー効率が高く、クリ
ーンな動力発生装置をが提供できる。

動力発生装置1は、電力供給装置12と、所定量の水を保持する貯水装置13と、貯水装置13から
供給される水を加熱して水蒸気にする加熱装置14と、加熱装置14で発生した水蒸気を電気分解し
て水素と酸素を生成する水蒸気電解装置5と、水蒸気電解装置5で生成された水素を貯留する水素タ
ンク16と、水蒸気電解装置5で生成された酸素を貯留する酸素タンク17と、水素タンク16から
供給される水素と酸素タンク17から供給される酸素とを反応させて動力を発生させる水素-酸素エ
ンジン8と、水素-酸素エンジン8で生成された水蒸気を水蒸気電解装置5に排出する排出マニホー
ルドP6と、排出マニホールドP6に配置され、水蒸気から排熱を回収して動力を発生させる排熱回
収装置2と、を有する。【選択図】図1(詳細は下図クリック参照)。



【ソーラーフロート型海水電解水素製造システム】

● 再生可能エネルギーの低コスト水素生産型無隔膜電解槽

電気分解装置は、電気を使って水を酸素と水素に「分割」する。これは、クリーンエネルギーの将来
における主要なエネルギーキャリアとして役立つ貯蔵可能な化学燃料である。工業規模の水電解は、

在の電気価格では一般的に経済的でないが、このパラダイムは、再生可能エネルギーは将来的に電力
価格が非常に安くなり低くなる。太陽光や風力により過剰電力が発生した場合、部分的に無料利用で
きる。このシナリオでは、水電解の経済性は、電解槽の資本コスト支配され、電解槽の資本コストは
現在価格より大幅減額させる必要がある。この目的のためにこのレポートは、無隔膜電解槽の課題と
機会について開設する。これらのデバイスがうまく最適化され、スケールアップされれば、再生可能
エネルギーの水素製造費の破壊的低コスト化技術となるだろう。

水素は、貯蔵可能でエネルギー密度の高い燃料であり、幅広い産業および民生用アプリケーションに
有用となる1。 同様に重要なことに、太陽光発電(PV)などの再生可能な技術で発電される水電解由
来水素は、非常に低カーボンフットプリントとなる。しかしながら、水蒸気メタン改質(SMR)由来
水素より遙か衣に高価である。現在のところ、SMRより厄介な水電解の最大コストは、電解工程での
支出(opex)に依存する。2 米国の平均工業用電気代で電解水素製造の必要電力は、SMR(約1.59 $ [
kg H2] -1)でH24を製造するコストを大きく上回る。電解槽効率が100%でもこれは図1Aに示されいる
とおり、電力と電解装置の効率関数として電力運用を示す。カーボン価格がない場合、図1A(水電解
の経済学)
は、水電解米国の現在の天然ガス価格でSMRと競合する可能性がある場合、平均電力価格が
2~3kWh-1未満でなければならないことを示している。


幸いにも、太陽光発電と風力によって発電される電力のコストは引き続き減少し、これらの再生可能
資源からの非常に低コストの電力(≦3kWh-1)が遍在するまでには時間の問題である。再生可能な太
陽光および/または風の非常に高い市場浸透し、電力料金が無料になっている。 すでに、世界中の多
くの場所で、発電量と需要の不均衡のために、太陽光や風力発電所の発電電力が削減されている5
このようなシナリオは、水電解による水素製造の巨大な経済的機会を創出する。しかし、重要な注意
点がある。この低コストまたは無料電力は、太陽光発電の電力生産が最大になる日のごく部分的利用
でしかない。結果として、この再生可能なエネルギーの将来的に作動する電解槽は、容量係数(CF
が低く、寿命の間にはるかに少ないH2を生成する可能性が高い。

図1Bに示すように、電解槽の寿命を10年間一定とすると、今日の商用高分子電解質膜(PEM)電解槽
システム(1,000-1,500 $ kW-16の資本コストに基づく設備投資(設備投資)は、電解槽は風力発電
機と太陽光発電機のCFに似たCF(約20~40%)を持つ。電力フリーの限界では、図1Bの電解槽設備曲
線は、H2の価格の下限を設定し、安価な電気および低CFを特徴とする将来の電解槽資本コストの重要
性を強調する。この観察は、光電気化学セルおよびPEM電解槽を異なる構成で使用してH2を製造する
コストを分析した最近のテクノ経済分析と一致する。この研究では、グリッド接続されたPEM電解槽(
7%kWh-1で97%CF)を6.1kg-1とするH2の生産コストを推定し、同じ電解槽を太陽光発電プラント(CF
= 20.4%)は12.1 $ kg-1.3Shaner3の分析と 図1Bの曲線は重要なメッセージを示す。破壊的な電
解槽技術は、再生可能な太陽光または風力で駆動する水電解がSMRと競合水準まで資本コストを下げ
る開発を前提とする。電解槽のコストを削減する機会を理解するために、商業的に利用可能な電解槽
のタイプを簡単に見直すことは有益である。

現在、PEM電解槽とアルカリ電解槽の2つの低温電解槽技術が市場を支配する。7 市販のPEM電解槽は、
ナフィオン(Nafion)のようなプロトン伝導性固体ポリマー電解質を多孔質電極層の間に挟む「ゼロ
ギャップ」膜電極アセンブリ(MEA)設計に基づいている(図2A)。このアーキテクチャにより、高
い動作電流密度(0.6-2 A cm-2)が可能となり、純水から高純度H2が生成される。8.9.10


図2 低温電解装置技術の簡略側面図

従来のアルカリ電解槽は、液体25-35重量%KOH電解質中の0.1-0.4 A cm-2の水を分離し、ダイヤフラ
ムとして知られている微孔性仕切りを用いて2つの電極を分離した(図5B)。8 
両方のタイプの電
解槽において、膜とダイヤフラムは、電極間でのイオンの輸送を可能にすると同時に、爆発性混合物
を形成する可能性のあるH2およびO2生成物種を物理的に分離する重要な作業を行う。
PEM電解槽運転
における重要な役割にもかかわらず、膜は、かなり複雑なMEA構造の必要性、膜の汚れまたは不純
物の存在下での分解による装置の故障の危険性を含む欠点をもたらす。

膜の耐久性の問題は、装置の寿命および/または維持コストに直接影響を及ぼす他に、電解槽システ
ム内で使用される水の純度および材料に厳しい要件を課すことにより、電解槽システムの資本コスト
に影響を及ぼす。
この懸念の一部に起因して、いくつかのPEM電解槽部品は、典型的には耐腐食性で
あるが高価なチタンで作られる。
アルカリ電解槽に使用されるダイヤフラムは、高分子電解質膜より
も高価ではなく、PEM電解槽よりも簡単な装置構造で使用されるが、不純物による妨害を受けやすく
、これらの仕切りおよびバブル - 電極間に充填された液体ギャップは、典型的には、動作電流密度
を0.4Acm-2.11 
従来のPEMおよびアルカリ電解槽に代わるものとして、O2-およびH2-発生電極の間に
膜またはダイヤフラム仕切りが配置されていない電解槽構造の開発への関心が高まっている。これら
のいわゆる膜を持たない電解槽は、一般に、強制的な流体の流れ(移流)および/または浮力を利用
し、O 2およびH 2生成物を分離して対向電極に渡すことができる生成物の流れまたは浮力に起因する
分離に依存する。無電解電解槽は、使用される電極のタイプに基づいて分類することができる。

タイプⅠの装置(図2C)は、水性電解質が電極表面に平行に流れ、H2およびO2生成物を別々の下流流

出流路に運ぶフローバイ電極に基づいている。これらの装置は、層流燃料電池およびそれを前提とし
たフロ
ー電池と同様の構造を有している。それらの動作の基礎となる流体力学は、気泡の存在により
異なることが
ある。具体的には、過飽和条件下で操作されるⅠ型デバイスは、Segre-Silberberg 効果を
利用でき、流体速度勾配は、電極表面の発生気泡の集中に役立つ。流通
電極の代わりのⅡ型電解槽は、
流れる電解液が多孔質電極を通過するメッシュ形電極を使用(図2Dの挿入図)。図2Dは、新電解質が
加圧され外部室から電極間隙に流入間に、2つの円形金属メッシュ電極が対面配置構成を示す。
新鮮
な電解液が電極間隙に押し込まれると、生成H2とO2を別々の流出経路に流し発散する。 生成H2 純度
が99.83%および4Acm-2に近くの電流密度を達成。14. 
最近は、デバイス本体の一部の絶縁バッフル
により分離された斜めのメッシュ貫通形電極のⅡ型が実証さ
れた。3次元プリントで一体型にした簡
素な装置を実現、さらに、高速ビデオ解析によりクロスオーバー現象と不均一な電流密度の「その場
観察撮影」を実施する。

● 無隔膜電解電解槽

隔膜電解電解槽は、従来装置に比べ、いくつかの潜在的利点がある。第1に、膜を除去することで、
装置の複雑さ、材料コスト、アセンブリコストを低減することで、資本コスト削減機会が生まれる。
上記で言及した無隔膜電解槽のいくつかは、わずか3つの必須構成、すなわちアノード、カソード、
および装置本体から作製される。膜およびアノード/カソード触媒だけでなく、ガス拡散層、バイポ
ーラプレート、ガスケット、イオノマー、電流コレクタなどを含む単一のPEMセルとは対照的であ
る。典型的なPEMスタック中で最もコストがかかる部材を表1にリストアップする。一般に、より
少ない数の部品/より少ない種類の部品をもつデバイスは、組立て工程数の削減により低い製造コ
ストを実現する。構造材料の融通性が高い、単純なデバイス設計は、代替製造技術の使用機会を創
出する可能性、例えば、付加製造(AM)は、膜のない電解槽の迅速な試作および製造のための興
味深い機会を提供する。商用デバイスの低コスト製造にAMを使用する可能性は、関心のある特定
のデバイス設計およびAM技術のさらなる進歩に大きく貢献するだ
ろう。

膜のない電解槽の第2の利点は、長い作動寿命、不純物に対する高い耐性、および膜に害を与える極
端な動作条件に対するより大きな弾力性/耐久性をもつる装置である。隔膜を基材とする電解槽の主
な関心事は、供給水流より進入またはシステム自体内の構成要素から溶出するカチオン不純物に暴露
された場合、膜抵抗を増大することである16
。例えば、ステンレス鋼部品は、膜または電極触媒に悪
影響を及ぼす可能性があるFe3 +などの不純物が滲入しやすい16 。無隔膜電解槽は、水道水で動作す
る不純物耐性器機能であり、浄水ユニットのコストを削減し、低コスト材料をシステム構成要素に配
置する。

無隔膜電解槽の第3の利点は、電解質が十分に導電性である限り、多種多様な水性電解質で動作する
能力。この多様性は、電極間の液体電解質ギャップを直行するイオン移動が、電解質のpH及びイオン
種に対し柔軟なことである。PEM電解槽のイオン選択膜は、特定装置で使用可能な電解質の種類を大
きく制約されるが、無隔膜電解槽は、酸性、アルカリ性、中性溶液でその融通性が実証されている。
13,15,17

                                      この項つづく

 ● 世界最大の太陽熱発電

 

  

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最新無隔膜電解工学Ⅰ

2018年01月10日 | デジタル革命渦論

  

        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  なさざることあり: 人は、なすべきでないことをわきまえてこそ、
     なすべきことをやりとげられる。

   【解説】 悪いと思ったことは絶対しない。そのくらいの決心がなければ、
        よいと思ったことに死力を尽くすことができない。

   ※ 大人とは:大人は、おのれの発言に必ず忠実だというわけではない。
     また、おのれの行為を必ず遂行するというのでもない。言葉にしろ行
     為にしろ、ただ義のあるところに従うのだ。

     大人(だいじん)とは、嬰児のときの、あの純真無垢な心を持ちつづ
     けている人のことをいうのだ。

   ※ 自得:君子が、より深く道を究めようとしてけっしてやかことがない
     のは、自ら体得したいからだ。体得したものならば、確固として揺ぐ
     ことがない。揺ぐことがなければ、それを基礎に、さらに深く達を究
     めようとする。深く究めれば、どんな卑近なことをとりあげても、す
     べてその本源に到達できる。君子が、道を体得しようとするゆえんは、
     まさにここにあるのだ。 

     
     
 No.127

【水素エネルギー篇:最新無隔膜海水電解技術】

今夜は、昨年12月20日に記載したこのシリーズ No.119「海水電気分解配備メガフロート」で紹介
したコロンビア大学の研究グループの開発した「無隔膜(メンブランレス)電解装置Ⅰ」をさらに、
改良し三次元プリンタで電解槽(「無隔膜電解装置Ⅱ」)――2017年12月15日、同研究グループが、
ポンプや無隔膜でシンプルで低コスト型浮体式太陽電池による海水電解水素造デバイスの開発したこ
とを公表。デバイスレベルの研究の2つの重要側面は、❶電気化学的/光電気化学的試験容器と反応
器開発加速に重要な付加装置(スリーディプリンタ)と、❷これらのデバイスの窓および電気化学セ
ンサを組み込みことにある。前者は高速ビデオを用いて装置内の流体力学と動的発泡の観測評価が特
徴――を作製した話題を取り上げた。

 Dec. 15, 2017


その前に来るべき水素エネルギー社会について考えるところがあり、この構想を自分なりに膨らませ
てみた(お陰で随分と手間どる)。従ってこのブログにそれを掲載しきれないとき連載になるかもし
れない。さて、風力、ソーラーの再エネ(再生可能エネルギーの略)で水素を海水電解製造しても液
化/貯蔵/搬送までのコスト/保安は大きくなる(手許に資料がないのでまとまり次第公開したい)
。それなら、水素をプロトンと言い換え「固体プロトン」「液体プロトン」に事業分類。ここで「固
体プロトン」とは水素吸着材で固定したものや海水電解水素あるいは酸素を燃料電池/内燃機関/ガ
スタービンで発電しそれを世界共通企画させた高密度/軽量固体蓄電池に貯蔵し直接消費ポイントに
配送/交換すればいいのではと考えた(尚、世界の電気消費量は2万5千テラワットアワー、平均単
価20円/キロワットアワーで金額にして25兆円/年、将来10分の1に価格下落したとして2兆
5千億円/年と試算)。

出典:世界の電力消費量 電力消費量  Enerdata



次に、メガ/ギガフロートの分類を考えてみよう。嘗てブログの「縄すてまじ」で考察したように自
律航行型/繋行・繋留型フロート(浮体)の分類、あるいは下図(詳細はクリック参照)のような円
形など形状による分類が考えられる。多目型/専用型の用途からの分類も考えられる。

 ❏ 参考:特開2016-141983 浮体式海洋構造物の海上構築方法および浮体式海洋構造物

 【概要】

 従来の浮体式海洋構造物の施工方法では、以下のような問題があった。 すなわち、ジブクレーンを
浮体構造物上に設置して所定の高さのタワー部の躯体を施工し、完成後に躯体の構築と海中への下降
を順次繰り返して施工している。そのため、高層または超高層となるタワー部の場合には、外径寸法
も大きくなり、1層あたりの施工に時間がかかることから、工期の短縮が求められており、その点で
改善の余地があった。た、上述したような大規模の浮体式海洋構造物では、有効的な空間を確保する
目的でタワー部の外周からタワー軸に直交する径方向に張り出す外周構造物が設けられる構造が知ら
れている。このような外周構造物は、タワー部の躯体全体を浮体構造物上に自立させた後に、施工さ
れるため、作業員や資材を高層部に搬送する必要があり、しかもクレーンの高所への移設作業などが
生じることになり、作業効率の点で課題があった。本発明に係る浮体式海洋構造物の海上構築方法は
海上に浮かぶ浮体構造物と、該浮体構造物に支持され、平面視で中心に中空部を有する筒状のタワー
部と、該タワー部の外周部に径方向の外側に広がる外周構造物と、を備えた浮体式海洋構造物の海上
構築方法であって、前記タワー部を上下方向に挿通可能に配置する挿通孔が形成された前記浮体構造
物を水面上に浮かべて係留する第1工程と、前記挿通孔において、前記タワー部における所定高さの
躯体を施工する作業、および施工した前記タワー部を下降させて海面下に沈める作業を順次繰り返し、
前記タワー部の全体を施工し、該タワー部の上部を残して海面下に沈降させる第2工程と、前記第2
工程の後に、施工済みの前記タワー部を浮力により引き上げ、前記タワー部における前記外周構造物
の接合部分が前記浮体構造物上に浮上した状態で引き上げを停止し、該浮体構造物に前記外周構造物
を施工する第3工程と、該外周構造物の全体を施工した後に、残りの前記タワー部を引き上げて前記
浮体構造物上に自立させる第4工程と、を有することを特徴としている。



● 隔膜の有無の理由

海水電解を隔膜なしの電解槽で行う理由は構造の簡素化と高価な隔膜と膜交換などのメンテナンスを
なくすことで、電解水素/酸素の製造コストを引き下げることにあるが、電解電流密度や電解液(海
水)の流路間隔(イオン移動時間)がキーパラメータの阻害要因であれば逆効果となり、それら含め
システム全体の総合的なイニシャル/ランニング費の計算により決定される(下記の資料参照)。

W.G., James, B.D., Moton, J.M., Saur, G., Ramsden, T. (2014). Techno-economic Analysis of PEM Electrol-
 ysis for Hydrogen Production in Electrolytic Hydrogen Production Workshop. NREL, Golden, Colorado. Ava-
 ilable online:

S. Dillich, T. Ramsden and M. Melaina, Hydrogen Production Cost Using Low-Cost Natural Gas, U.S. Depar-
 tment of Energy Hydrogen and Fuel Cells Program, 2012. Available online:
H2A Production Model. Available online:
U.S. Energy Information Agency, U.S. Natural Gas Industrial Price. Available online:
U.S. Bureau of Labor Statistics CPI inflation calculator. Available online:

● 無隔膜水電解装置の特徴と技術事例

無隔膜(メンブランレス)電解装置の実用の典型事例として、東陶株式会社の「特開平05-245473
解イオン水生成器」に求めることができる(世界初かどうかは別として)、それを参考に米国でも特
許公開されている。下記に参考事例として掲載する。

❏ 特開平05-245473 電解イオン水生成器

【概要】

従来、イオン水生成器は対設した電極の中央を不織布、素焼き板等の水の通過を一部制限する隔膜で
仕切り、両電極に電圧を印加することで水の通過を制限しつつイオンを電界の作用で該隔膜を通過さ
せて夫々の電極に吸引して酸性イオン水とアルカリイオン水とに電解するようになしている。しかし、
隔膜を使用したイオン水生成器の課題は、該隔膜に細菌・微生物が付着繁茂する恐れを有し、さらに
は長期の使用によって該隔膜が絶縁物によって目詰まり発生し、電流の流れを遮断して電解効率を低
下させることである。すなわち、水で濡れる隔膜には大腸菌等の細菌等が棲息しやすく、また、隔膜
は電極に吸引されて陰極側に向っては陽イオンが、陽極側に向っては陰イオンが通過することになる
が、このイオンは水酸基イオンや水素イオンに限られるものではなく、水に含まれるカルシウムイオ
ン、マグネシウムイオン、珪素分をも含み、珪素分はそれ自体絶縁物であるし、カルシウムイオン、
マグネシウムイオンは隔膜に付着して炭酸マグネシウムイオンや炭酸マグネシウムイオン等の不溶性
で絶縁性の物質となって堆積するためである。 そこで、本発明は上記課題を解決するためになされた
もので、隔膜を省略して細菌・微生物の繁殖源を有さず、効率的な電解を長期間に渡って保証できる
イオン水生成器を提供することを目的としたものである。 


【符号の説明】

1 電解槽 1a 一方側容器部 1b 他方側容器部 2 水道水流入口 3 酸性イオン水流出口 
4 アルカリイオン水流出口 5 堰 6 タンク室 7 電解槽室 7a 電解流路 8 陽極電極板 9
陰極電極板 10 スリット状狭窄流路

【図面の簡単な説明】

【図1】本発明イオン水生成器の主要部である電解槽の正面図
【図2】電解槽の他方側容器部1bの正面図
【図3】A-A線断面図
【図4】実施態様に使用される水圧スイッチ部の断面図
【図5】電源回路図

❏  US 5534120A Membraneless water electrolyzerメンブレンレス水電解槽


【概要】

アルカリ性水と酸性水とが互いに分離される流路の下流領域において乱流の形成を抑制するか、または
少なくとも最小限に抑えることができる独立した回復のために。本発明の他の目的は、薄層の酸性水
を層流の残りから選択的に分離して殺菌および細菌の消毒の目的で殺菌水として使用できる高酸性水
を回収することができる改良された無隔膜電解槽を提供することである。さらに別の目的は、高度にア
ルカリ性の水を回収することができる改良された無電解電解槽を提供することである。更なる目的は、
無電解電解槽の種々の水圧パラメータを最適化して、アルカリ水及び酸性水の分離効率を高め、高度
の電解を達成することにある。また別の目的は、水を電気分解して、電極間に膜を置くことなくアル
カリ水および酸性水の流れを形成することができ、それでもアルカリ水および酸性水の流れを効果的
に分離することができる水電解方法を提供することである。互いに形成されている。その最も単純な
形態では、本発明による無電解電解槽は、水入口と、一対の対向する表面によって画定された狭い流
路とを有するケーシングを含む。流路表面は、水が流路を流れるときに層流を確立するのに十分に近
接して配置される。一対の平面状電極は、その作用面が流路面と同一平面上に配置され、水が層流の
形態で流路を流れる際に電解することにより、層流に沿って流れる酸性水の層を生成するアノード -
水界面と、カソード - 水界面に沿って流れるアルカリ水の層とを含む。電極間に膜は設けられていな
い。

主な特徴は、酸性またはアルカリ性の水の層が分離され、層流が流路内で維持されている間に、層流
の残りから剥離されることである。この目的のために、一方の流路面には、流路の下流端の上流に位
置するスリット状開口が設けられている。この構成では、流路表面の1つに沿って流れた酸性または
アルカリ性の水の層は、乱流の形成を誘発することなく、層流の残りの部分から層流に垂直な方向に
円滑に除去される。本発明の好ましい実施形態では、流路の下流端は、流路の流速に比べて十分に大
きな容積を有する第1のバッファ貯蔵チャンバと連通している。同様に、スリット状開口部は、開口
部の流量に比べて十分に大きな体積を有する第2のバッファ貯蔵チャンバと連通することが好ましい。
これらのバッファ貯蔵チャンバは、有利には、分離点における乱流の形成を低減するのに役立つ。好
ましくは、これらのバッファ貯蔵チャンバの深さは、流路の幅およびスリット形開口の6倍よりも大
きい。スリット状開口の幅は、流路の幅の3倍未満であることが好ましい。流路内に強く発達した層
流を確立するために、流路の横方向の広がりは、好ましくは、流路の流速の0.09倍より大きい、
より好ましくは0.14倍より大きい(詳細は下図クリック参照)。

 

US 9011651 B2 Apparatus and method for the electrolysis of water : 水電気分解装置および方法


【概要】

水素ガスは、多くの産業用途に大量に使用されている。特に水素が理想的な燃料源として追求される
につれて、水素の需要が増加している。水素ガスを製造するための最も一般的なプロセスは、化石燃
料の反応と分解である。これらのタイプのプロセスのいくつかの例には、天然ガスの水蒸気改質およ
び石炭ガス化が含まれる。しかし、これらのプロセスは、再生不可能で汚染性の高い資源に頼ってい
るという重大な欠点を有する。特に、大量の一酸化炭素および二酸化炭素は、一般に化石燃料に基づ
く水素製造方法で製造される。従って、大規模な水素製造のためのより清浄な方法を見出すことには
かなりの関心がある。1つの可能な代替方法は、水の電気分解である。水の電気分解は、有毒で環境
に優しい副生成物を生成することなく、水素および酸素ガスを生成する。さらに、電解方法は電源を
電力源として使用するので、炭化水素プロセスに対する電解プロセスの別の利点は、太陽光、風力ま
たは水力などの再生可能な電源から電力を受け取ることができることである。

水の電気分解は、逆極性の電極を横切って水に印加される電圧(すなわち、電流)の作用によって、
水が酸素および水素ガスに分解(すなわち、「分裂」)することを含む。陰極(陰極)には水素が生
成され、陽極(陽極)には酸素が生成される。陰極(陽極)には、以下の周知の化学式で示されるよう
に酸素が生成される。

・陰極(還元):2H +(aq)+ 2e H 2(g)
・アノード(酸化):2H 2 O(1)→O 2(g)+ 4H +(aq)+ 4e .-

電解プロセスは、よりきれいに水素を生成するという利点を有し、再生可能な供給源によって給電さ
れることができるが、電解プロセスは、従来の電解槽の労働集約的で材料コストのために、従来の炭
化水素プロセスと比較して非競争的であり、当該技術分野の電解槽で使用される現在の貴金属電極(
例えば、複雑な白金板またはハニカム)のコスト。従って、化石燃料から水素をより手頃な価格で製
造することができるため、水素を製造するための電解プロセスは、一般に、小規模な操作に限られて
いた。しかし、将来の水素経済においては、今日の最大規模の10~100倍の電解槽が必要とされると
推定されている(Ivy、J.、「電解水素製造の概要」、国立再生可能エネルギー研究所、NREL / 560-367
34)。
さらに、このような大規模電解槽は、現存する水素製造技術の代わりに現在非常に有益であろう。
明らかに、最先端の電気分解技術は、このような大量の水素と酸素をきれいで費用対効果の高い方法
で製造するにはかなり不足している。

第1の態様では、本発明は、水を水素および/または酸素ガスに電気分解するための装置に関する。い
くつかの実施形態では、本明細書に記載の電解装置は、表面上に複数の微細化された触媒電極(すな
わち、微小電極)を利用する。他の実施形態では、微小電極のアレイによって提供されるのと同じま
たは同様の利点を達成するために、微小電極の機能的模倣物(例えば、触媒ホットスポットの分布)
がバルク電極上で使用される。マイクロ化された触媒電極またはその機能的模擬物は、カソード(す
なわち、水素が生成される)またはアノード(すなわち、酸素が生成される)として機能することが
できる。特定の実施形態では、マイクロ化電極の各々は、独立してアドレス指定可能であり、すなわ
ち、独立して電力供給され、調整され、および/または監視される。

第1の特定の実施形態では、電解装置は、(i)表面を有する少なくとも1つのリソグラフィ的にパタ
ーニング可能な基板と、(ii)表面に埋設され、触媒アノード電極または触媒カソード電極のいずれ
かである複数の微細化された触媒電極と、(iii)表面に近接しているが表面にはない少なくとも1
つの対電極であって、微視的触媒電極が触媒アノード電極である場合には少なくとも1つの触媒カソ
ード電極を含み、または対極が少なくとも1つの触媒アノード電極を含む場合、微細化された触媒電
極は触媒カソード電極であり、(iv)放出された水素および/または酸素ガスを回収する手段と (v)
複数の微小化された触媒電極と少なくとも1つの対電極との間に電圧を印加するための電力供給手段
と(vi)水性電解質を保持し、複数の微細化された触媒電極および少なくとも1つの対電極を収容す
る容器である(詳細は下図クリック参照)。



つぎに、電気分解された水素/酸素の使途を考えてみよう。生成された水素を分離精製し吸着あるい
は液化する方法については、「オールソーラーシステム」として特許研究室に保管ないしはこのブログ
でも掲載しているのでそちらを参照(割愛)してもらうこととして、ここでは、プロトンの固体化(
=蓄電池)法として、①水素燃料電池、②水素/酸素の直接燃焼法(内燃機関/ガスタービン/水蒸
気タービン)による発電による蓄電池への充電方式を考察することにする。まず二次電池への充電法
としては、高エネルギー密度、大きい耐久性、火災・爆発リスクのない安全性、超軽量/コンパクト
化が求められる。

❏ 特開2017-142884 アルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池   

【概要】

二次電池には、代表的なものとして、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチ
ウムイオン電池等があるが、電圧、容量、エネルギー密度の観点から、現在では、リチウムイオン電
池の用途が拡大しており、パソコンや携帯電話等のあらゆる携帯機器に採用されている。今後は、電
気自動車の電源、震災等の緊急時のライフライン確保のための非常用電源、定置用電力貯蔵として、
その役割が一層重要となってくるものと推測される。そのため、容量やエネルギー密度の更なる向上を
目指した電極材料、電解質、セパレータ等の要素技術開発が継続されている、このようなリチウムイ
オン電池にも、解決することが困難な問題がある。①第一に、エネルギー密度に限界があり、電気自
動車等には不十分であるという性能の問題である。②第二に、正極材料にリチウム(Li)やコバル
ト(Co)等のレアメタルを使用しなければならず、高価であるというコスト及び資源枯渇の問題が
ある。?第三に、リチウム(Li)やコバルト(Co)は毒性があり、環境の二次破壊を引き起こす
可能性がある。第四に、電解液として非水系の有機溶媒を使用しており、内部短絡で高温になると発
火・爆発するという安全性の問題がある。第五に、従来の二次電池では繰り返し使用するためには充
電を必要とし、充放電を繰り返すことによる電池の劣化が著しく進行し、最終的には廃棄処分もしく
はリサイクル処理が必要になるという問題がある。そこで、革新的二次電池として期待されているの
が、金属空気電池及び金属空気燃料電池である。これは、次のような根拠に基づいている。まず、従
来の2次電池と異なり、メカニカルチャージという負極金属や電解質を機械的に外部供給する方式で
発電で消耗した金属であるアルミニウムを交換するという、いわゆる、充電ではない方法で容量回復
を可能にする。更に、燃料となる金属であるアルミニウムを化学反応させない方式で保管することが
でき、これまでの二次電池の課題の一つである自己放電による容量の減少を発生することがない。そ
の他に、従来の二次電池の性能、コスト、資源、環境、及び、安全性の問題を理論的には解決できる
可能性がある。例えば、金属空気電池のエネルギー密度は、理論的にはリチウムイオン電池の数倍以
上、すなわち、リチウム(Li)-空気電池で、11,400Wh/Kg、アルミニウム(Al)-
空気電池で、8,100Wh/Kgと計算されており、ガソリン車のエネルギー密度(12,722
Wh/Kg)に肩を並べることができる。又、正極の活物質は大気中に無尽蔵に存在する酸素(O2
であり、負極の活物質は地球に広く分布している鉄、亜鉛、マグネシウム、及び、アルミニウムのよ
うに安価な卑金属材料を用いることが出来る。電解質は反応性が高いリチウムやナトリウムでは使用
できない水系を用いることができるため、発火、発熱、爆発の心配がなく、安全性が高い。

更に、金属空気電池は、フランスのフェリーが1900年代初期に考案し、ル・カーボン社が改良し
て製造した亜鉛空気電池で、一次電池として利用されていたが(非特許文献7)、1996年、米国の
Abrahambにより、リチウム空気電池が蓄電池として機能することが報告されて、二次電池を目的とし
た金属空気電池の開発が活発化し、次世代の二次電池として期待されるようになった。特に、金属空
気電池に特徴的なことは、従来の充電方式だけでなく、再生可能な電解質及び金属電極を入れ替える
メカニカルチャージを採用することが可能で、一種の燃料電池ともなる。

しかしながら、金属空気電池には、負極材料の金属の種類、電解質の種類(有機系又は水系)、及び
、正極材料の種類に応じてそれぞれ克服しなければならない課題を数多く内在している。特に、空気
極と、安価なアルミニウム又はアルミニウム合金とする負極と、安全性を確保できる水系電解質とか
らなるアルミニウム空気電池の場合、電極反応及びそれに付随する化学反応等に起因する種々の問題
が生起する。
自己腐食や分極等の問題を解決し、エネルギー密度や電圧等の電池性能に優れ、寿命が
長く、安全性の高いアルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池を提供することを目的とす
る。アルミニウムまたはアルミニウム合金を活物質とする負極と、酸素を活物質とする正極(空気極)
と、中性水系電解質とからなるアルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池において、電解
質が中性水系電解質に有機脂肪酸塩を溶解したものであることを特徴とする。【選択図】図2



                                  
                                       この項つづく                                                                                   

  

 

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色彩と形状

2018年01月07日 | デジタル革命渦論

  

        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  臣下の態度は君主次第:孟子が斉の宣王に説いた。「君主が臣下を自分
          の手足同様に扱えば、臣下は君主を自分の腹や胸のように大切にします。
          君主が臣下を犬か馬のように扱えば、臣下は君主をただの路傍の人ぐら
          いにみなします。君主が臣下を塵芥のように扱えば、臣下は君主を仇敵
     のようにみるものです」「そうでしょうか。儀礼に、旧君のために長に
     服す、とあるが、それはいったいどんな場合ですか」。「王が、臣下の
     諌言をいれ、進言をとりあげ、その結果、人民に恩恵が行きわたったと
     します。その臣下が、事情あってその国を立ち去るとき、王は道案内を
     つけてやって国境まで見送り、行く先々の諸国に紹介の労をとり、去っ
     てから三年だつまでは家屋敷をそのままにしておく。これを『三百礼』
     といいますが、このような場合にこそ、旧臣が旧君のために喪に服する
     のです。ところが現状では、臣となっても、諌言はいれられず、進言は
     打ち捨てられ、そのため人民に恩恵が行きわたらない。事情あって国を
     立ち去ろうとすると、王はすぐ追手を差し向け、行く先々でも迫害し、
     家屋敷はその日のうちに没収してしまう。仇敵とはまさにこのこと。仇
     敵に対して喪に服するいわれがありますか」


   〈儀礼〉 周の冠婚葬祭や朝見、居間などの作法を書いたもの。司書の喪服
        伝に「正当な理由で君主のもとを去り、まだ関係の切れていない
        とき君主の死にあえば、三ヵ月の服喪をする」とある。

   【解説】 宣王の反問は、君臣関係をあまりにもドライに割り切る孟子に対
        する不満である。権力者は臣下に絶対的忠誠を期待する。「君、
        君たらずとも、臣、臣たり」のほうが都合がよい。しかし君臣関
        係においても、人格的には対等なのだ、と孟子は言う。臣下の人
        格を無視するものは、臣下にそひかれる。後世の。"忠君"という
        言葉がもつリゴリスティック(厳格主義)な匂いは、ここにはな
        い。 

    

      No.126 

 Dec. 22, 2017 

【省エネ篇:最新量子ネットワーク技術】

● 新しいダイヤモンド量子発光体の作製に成功

昨年12月26日、東京工業大学らの研究グループは、錫を加えたダイヤモンドを高温高圧下で加熱
処理し、錫と空孔(本来あるべき原子が抜けて孔となっている格子)からなる新しい発光源(カラー
センタ:ダイヤモンドなどの固体物質中に形成される欠陥構造で、光の吸収や外部励起による発光を
示す)の形成に成功したことを公表している。これによると、イオン注入法により、錫を導入したダ
イヤモンドを高温高圧下に置き、錫と空孔が結びついた錫―空孔(SnV)センタを作製。理論計算や
低温計測により、従来のカラーセンタの課題――❶小さい発光強度、❷外部電界ノイズによる不安定
発光、❸短いスピンコヒーレンス時間(スピンに保存された量子情報が消失してしまう時間)をすべ
て解決する可能性がある。今後、長いスピンコヒーレンス時間注4)を実証することで、長距離量子
ネットワーク通信に必要な量子メモリーへの応用が期待されている。整理すると、❶2000℃を超
える高温高圧条件で加熱処理することにより、❷選択的にSnVセンタのみを形成ダイヤモンド結晶
内で錫と空孔からなるSnVカラーセンタを創製したことで、❸長記憶時間をもつ量子メモリーなど
量子ネットワークへの応用できる。



【量子ネットワークとは】

量子ネットワークは、量子暗号技術から発展してきた通信ネットワークである。 量子テレポーテー
ション実験における成功の後、量子通信を行うためのネットワークという概念が提唱された。さらに、
2つの会社(スイスのidQuantique社、アメリカのMagiQTech社)が量子力学に基づいた実用的な通信デ
バイスを発売したとき、量子力学の原理を利用した量子暗号化による安全なネットワークの必要性が
認識された。量子ネットワークでは、エンタングルメント(量子もつれ:quantum entanglement)の
技術によって、データは量子状態として光ファイバーリンクまたは空気中を経由して通信が行われる。

【量子ネットワーク国内特許事例】

❏ 特開2017-130932 通信システムおよび方法 株式会社東芝

【概要】

量子通信システムでは、単一光子などの符号化された単一量子により送信機と受信機との間で情報が
送信される。各光子は、その偏光、位相、またはエネルギー/時間など光子の特性に基づいて符号化
された1ビットの情報を搬送する。光子は、たとえば、角運動量などの特性を使用することによって、
1ビットより大きい情報を搬送することさえできる

量子鍵配送(QKD)は、しばしば「アリス」と呼ばれる送信機と、しばしば「ボブ」と呼ばれる受
信機の2つの当事者間での暗号鍵の共有をもたらす技法。この技法の魅力は、しばしば「イブ」と呼
ばれる不正な盗聴者に知られている可能性がある最大情報の定量化を可能にすることである。QKD
多くの形態において、アリスとボブは、ビット値を符号化するための2つ以上の非直交基底を使用す
る。量子力学の法則は、それぞれの符号化基底の事前の知識なしのイブによる光子の測定が、光子の
うちのいくつかの状態へ不可避の変化を引き起こすことを定める。光子の状態のこれらの変化は、ア
リスとボブとの間で送信されるビット値にエラーを引き起こす。したがって、それらの共通のビット
列の一部を比較することによって、アリスとボブは、イブによって取得される可能性のある情報を決
定し得る。測定デバイスに依存しないMDI-QKDmesurement device independent  QKD)もまた、測定
デバイス(ボブ)の安全性が疑わしい場合がある状況に備えて開発されている。MDI-QKDでは、2
人の送信者、通常はアリスとカールが量子をボブに送信する。アリスとカールは、ボブによって作成
された公表された測定値から秘密鍵を抽出し得る。

量子鍵配送(QKD)と、2つの送信機が受信機により公表された測定値から秘密鍵を共有できるMDI-
QKD
mesurement device independent  QKD)の両方の実装が可能なシステムを提供にあたり、下図の
ように、
2個の送信機1、3の各々は、光の符号化パルスを出力する光源7、9と符号器を備える。
受信機は、第1の素子を備える。タイミング回路は、第1の送信機から送信された光パルスと第2の
送信機からの光パルスとの間の干渉が第1の素子で干渉するように、送信機によって出力された符号
化パルスを同期させる。各送信機は、2つの送信機が符号化パルスを出力し両方のパルスが干渉素子
で干渉するMDI-QKDモードと、一方の送信機のみが受信機に光パルスを送信するQKDモードとの間
でシステムが切替え可能であるように、送信機のうちの一方から出る光を停止させる阻子回路31、
33を備える。



【図6(a)】QKD/MDI-QKDの両方を実装するように構成され、アリスとカールとの間のMDI-QKD                               用に構成された、本発明のある実施形態による通信システムの概略図
【図6(b)】異なるタイプの抑制素子を用いた図6(a)のシステムの変形例

【特許請求の範囲】   

  1. n個の送信機と1個の受信機とを備える通信システムであって、nは少なくとも2の整数であ
    り、前記n個の送信機の各々は、各送信機が光の符号化パルスを出力するように適合されるよ
    うに光源と符号器を備え、前記受信機は第1の素子を備え、前記システムはタイミング回路を
    さらに備え、前記タイミング回路は、前記第1の送信機から送信された光パルスと前記第2の
    送信機からの光パルスとの間の干渉が前記第1の素子で干渉するように、前記送信機によって
    出力された前記符号化パルスを同期させるように構成されており、各送信機は、2つの送信機
    が符号化パルスを出力し、両方のパルスが前記干渉素子で干渉する第1の動作モードと、一方
    の送信機のみが前記受信機に光パルスを送信する第2の動作モードとの間で前記システムが切
    替え可能であるように、前記送信機のうちの一方を出る光を停止させるように適合された抑制
    素子をさらに備え、前記抑制素子は、他方の送信機を出る光を停止させるように制御されてい
    る、通信システム。
  2. 前記受信機は、第1のセンサと第2のセンサとをさらに備え、前記センサは、光パルスが前記
    第1の素子から前記センサに向けられるように提供され、前記センサは、測定基底を使用して
    光パルスの測定を行うことができる復号器を備え、ここにおいて、前記第1のセンサで使用さ
    れる前記測定基底は、前記第2のセンサで使用される前記測定基底とは異なる、請求項1に記
    載の通信システム。
  3. 前記受信機は、第1のセンサと第2のセンサとをさらに備え、前記センサは、光パルスが前記
    第1の素子から前記センサに向けられるように提供され、前記センサは、測定基底を使用して
    光パルスの測定を行うことができる復号器を備え、ここにおいて、前記第1のセンサで使用さ
    れる前記測定基底は、前記第2のセンサで使用される前記測定基底と同じか、または異なるか
    の間で切り替えられ得る、請求項1に記載の通信システム。
  4. 前記測定期間を通じて、前記第1の動作モードと第2の動作モードとの間で連続的に切り替え
    られるように適合される、請求項1~3のいずれか一項に記載の通信システム。
  5. 前記nは少なくとも3の整数であり、前記システムは、前記第1の動作モードで前記n個の送
    信機から送信機のペアを選択するように適合されている、請求項1~4のいずれか一項に記載
    の通信システム。
  6. 前記第1の動作モードで、前記2つの送信機と前記受信機との間、および前記2つの送信機の
    間に第2の通信チャネルが提供され、前記第2のチャネルは従来の通信チャネルである、請求
    項1~5のいずれか一項に記載の通信システム。
  7. 前記第1の動作モードで、前記受信機は、2つの検出イベントが同じ測定基底で登録されたそ
    れらの測定の結果を前記第2のチャネルを介して通信するように適合され、前記送信機は、検
    出イベントが前記第1のセンサと第2のセンサに登録された場合、使用した前記測定基底を前
    記第2のチャネルを介して通信するように適合される、請求項6に記載の通信システム。
  8. 前記第1の動作モードにおいて、前記受信機は、ベル状態測定がうまく実行された場合、それ
    らの測定の前記結果を前記第2のチャネルを介して通信するように適合される、請求項7に記
    載の通信システム。
  9. 前記第2の動作モードにおいて、前記パルスを送信するために選択された前記送信機と前記受
    信機との間に第2の通信チャネルが提供され、前記第2の通信チャネルは従来の通信チャネル
    である、請求項1~8のいずれか一項に記載の通信システム。
  10. 3つ以上のノード間に量子ネットワークを提供するように適合され、ここにおいて、1つのノ
    ードは前記受信機を備え、他のノードはそれぞれ前記n個の送信機のうちの1つを備える、請
    求項1~9のいずれか一項に記載の通信システム。
  11. 前記符号器は偏光を使用して前記光パルスを符号化するように適合され、前記干渉素子はビー
    ムスプリッタを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の通信システム。
  12. 前記第1の測定基底と第2の測定基底との間に45度の回転がある、請求項11に記載の通信
    システム。
  13. 前記システムは偏光回転子をさらに備え、前記偏光回転子は、前記センサのうちの1つの前記
    測定基底を変更するように適合されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の通信シス
    テム。
  14. 前記符号器は、位相を使用して前記光パルスを符号化するように適合され、前記干渉素子はビ
    ームスプリッタを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の通信システム。
  15. 通信システムのための受信機であって、前記受信機は、前記干渉素子に同時に到着する2つの
    光パルス間に干渉を引き起こすことができる第1の素子を備え、前記受信機は、第1のセンサ
    と第2のセンサとをさらに備え、前記センサは、光パルスが前記第1の素子から前記センサに
    向けられるように提供され、前記センサは、測定基底を使用して光パルスの測定を行うことが
    できる復号器をそれぞれ備え、ここにおいて、前記第1のセンサは第1の測定基底を有し、前
    記第2のセンサは前記第1の測定基底とは異なる第2の測定基底を有し、前記受信機は、前記
    第1のセンサと第2のセンサの前記測定基底が前記受信機で受信された一連のパルスに対して
    固定されるように構成されている、受信機。
  16. 通信システムのための送信機であって、前記送信機は、前記送信機が光の符号化パルスのスト
    リームを出力するように適合されるように光源および符号器を備え、前記送信機は、前記パル
    スの一部について前記送信機の前記出力を阻止するように制御されるように適合された抑制素
    子を備え、前記送信機は、前記送信機の前記出力が阻止されたときに関する情報を記憶し、こ
    の情報を出力するように適合されたコントローラをさらに備える、送信機。
  17. 符号化された光パルスを準備するように適合された第1の送信機を提供することと、 符号化さ
    れた光パルスを準備するように適合された第2の送信機を提供することと、ここにおいて、前
    記光パルスは、2つの測定基底のうちの一方において定義する2つの状態のうちの1つで符号
    化され、前記測定基底は、正しい測定基底での前記光パルスの測定が正確な結果をもたらし、
    他方の基底での測定が不正確な結果をもたらすことになるように選択され、両方の送信機から
    の出力パルス間で切り替えること、または前記送信機のうちの1つからの出力を選択すること
    と前記光パルスを受信機で受信し、前記符号化された光パルスを復号することと、ここにおい
    て、両方の送信機から受信された光パルスは干渉素子で干渉され、第1および/または第2の
    センサに向けられ、ここにおいて、前記第1のセンサは前記一方の測定基底を使用し、前記第
    2のセンサは他方の測定基底を使用するを備える通信方法。
  18. 両方の送信機からの出力パルス間で連続的に切り替える、または前記送信機のうちの1つから
    の出力を選択するように適合され、前記方法はイベントを後選択することによって前記復号さ
    れたパルスから鍵を導出することをさらに備える、請求項17に記載の方法。
  19. 第1の通信プロトコルは、前記2つの送信機の間の暗号鍵を抽出するために実装され、第2の
    プロトコルは、前記送信機のうちの1つと前記受信機との間の暗号鍵を抽出するために使用さ
    れる、請求項17に記載の方法。

【ソーラータイル事業篇:ソーラーファサード表面意匠化技術】

● カメレオンソーラー社のカラーブラスト技術

 オランダに拠点を置くカメレオンソーラー社(Kameleon Solar)は、BtoB にて下写真の太陽電池モジュ
ールに独自のカラーブラスト技術で意匠性を付加させたソーラーファサードを請け負い販売する企業
である(上/下写真参照クリック)。どのような技術アプローチを選択するにしても、発電量を削が
ず、表面意匠設計条件(基本は色彩/形状)を満たせることができるかに掛かっている(コスト/耐
久性/意匠性/発電量)。いずれにしても、ここでの事業開拓実績がが再生可能エネルギー(=自然
エネルギー)の総電力需要に占有率を決定する。そこで。下記に、その一例として大日本印刷社の特
許事例(特開2017-216766 太陽電池受光面用の印刷画像作成装置)を掲載しておく(ソーラータイリ
ング、外装表面の質感などの形状形成に関する考察は看られない)。 

 

   

 Adaptive Solar Facade


❏ 特開2017-216766太陽電池受光面用の印刷画像作成装置

【概要】

近年、屋外設置型の大型な太陽電池だけでなく、屋内設置型や携帯型の電子機器に対する電力供給用
の中型や小型の太陽電池の需要も増えている。従来の電子機器は、化学電池(放電のみを行う一次電
池や、充放電を繰り返し行うことができる二次電池)からの電力供給を受けて動作するのが一般的で
あったが、今後は、太陽電池を組み込んだ電子機器も広く普及していくが、一般に、太陽電池の発電
量を大きくするためには、その受光面の面積を広くする必要がある。したがって、たとえば、何らか
の表示媒体の表示面に太陽電池を埋め込むことは、大きな発電量を得る上では理にかなっている。し
かし、太陽電池には、その受光面が意匠性に劣るという潜在的な欠点がある。これは、発電効率を高
めるため、太陽電池の受光面は光を吸収しやすい色(黒色・青色・茶色などの濃厚色)にせざるを得
ない。また、屋外に設置される大型の太陽電池の場合、屋外構造物として把握されるため、見た目の
悪さは許容される。さらに、電卓などの小型機器であれば、太陽電池受光面の占有面積は比較的小さ
く、製品全体の意匠性をそれほど損なうことはない。これに対して、今後普及が見込まれている中型
機器(屋内で利用される卓上機器、壁掛機器など)の場合、発電効率を高めるために受光面を大きく
すればするほど、製品全体の意匠性を低下させてしまう。

太陽電池の意匠性を向上させるには、その前面(受光面)に何らかの意匠層を配置するのが最も効果
的である。特に、文字、絵柄、キャラクターなどの任意の画像からなる意匠層を配置すれば、チラシ、
ポスター、カレンダーといった一般の商業印刷物と同程度にまで、意匠デザインの自由度を向上する。
この場合、意匠層は、既存の印刷技術を利用して形成することができ、既存設備を利用した量産化も
可能だが、太陽電池としての機能面を考慮すると、意匠層の配置は好ましくない。意匠層は所望の色
をもったインキ層から構成されるため、観察者に対しては、何らかの画像を提示して意匠性向上でき
るが、太陽電池は、その受光面に入射する光の一部を反射したり吸収するため、発電効率低下すると
いう変換効率と意匠性はトレードオフの関係にあり意匠性向上させる工夫がいる。

ただし、太陽電池の回路設計技術者と意匠デザイナーであり、設計技術者が原画像のデザインを意図
しながら回路設計を行うことは無理があり、産業上は、多種多様な製品にそれぞれ最適な性能をもっ
太陽電池を組み込み、かつ、そこに多種多様な意匠デザインを施すことが要求されるため、設計技
術者とデザイナーとにおいて密なる連携作業を行う必要があり多大な労力を必要とする。


太陽電池の受光面に画像を配置して意匠性を向上させる際に、必要な発電性能の維持が可能な印刷画
像を作成するにあたり、下図のごとく、原画像データD(A)は、データ変換部220を経て、イン
キ層形成に適したデータD(B)に変換される。プリント部300は、データD(B)に基づいて透
光性シート5に印刷画像11を形成し、印刷シート10を作成する。設計条件格納部240には、
陽電
30の発電特性に関する設計条件が格納され、相関情報格納部250には、プリント部300
によって形成されるインキ層の被覆面積と太陽電池30の発電特性との相関情報が格納されている。
条件判定部230は、相関情報を用いて、印刷画像11を配置したときの太陽電池30の発電特性を
予測する。予測結果が設計条件を満たしていない場合は、データ修正部210が画像データに対して、
所定の修正アルゴリズムに基づく修正を施すことで発電効率低下をできる限り避けm所望意匠性の向
上を実現できる。

【選択図】図10

 【特許請求の範囲】

  1. 太陽電池の受光面に配置する印刷画像を作成する装置であって、原画像を形成するためのデジ
    タルデータを原画像データとして入力する原画像入力部と、前記原画像データに対して所定の
    変換処理を施し、インキ層からなる印刷画像を形成するのに適した変換画像データを得る画像
    変換部と、前記変換画像データに基づいて、前記太陽電池の受光面もしくは前記太陽電池の受
    光面に配置するための透光性シートの表面に、インキ層からなる印刷画像を形成するプリント
    部と、を備え、前記画像変換部が、前記変換画像データを前記プリント部に与えた場合に形成
    される印刷画像の光の透過特性に基づいて、受光面に当該印刷画像が配置された太陽電池の発
    電特性を予測し、予測した発電特性が前記太陽電池に関する所定の設計条件を満たすように、
    前記原画像データもしくは前記変換画像データまたはこれらに対して修正を加えた画像データ
    に対して必要な修正処理を施すことを特徴とする太陽電池受光面用の印刷画像作成装置。
  2. 請求項1に記載の太陽電池受光面用の印刷画像作成装置において、画像変換部が、原画像デー
    タを変換画像データに変換するデータ変換部と、太陽電池の発電特性に関する設計条件を格納
    する設計条件格納部と、プリント部によって形成されるインキ層の被覆面積と太陽電池の発電
    特性との関係を示す相関情報を格納した相関情報格納部と、前記相関情報を用いることにより、
    判定対象となる画像データに基づいて形成される印刷画像を受光面に配置したときの太陽電池
    の発電特性を予測し、予測した発電特性が前記設計条件を満たすか否かの条件判定を行う条件
    判定部と、 前記条件判定部により否定的な判定結果が得られた場合に、肯定的な判定結果が
    得られるよう前記判定対象となる画像データに対して修正処理を施すデータ修正部と、を有す
    ることを特徴とする太陽電池受光面用の印刷画像作成装置。
  3. 請求項2に記載の太陽電池受光面用の印刷画像作成装置において、条件判定部が、データ修正
    部による修正前の画像データを判定対象とする条件判定を行うとともに、データ修正部による
    修正後の画像データを判定対象とする条件判定を行う機能を有し、データ修正部が、条件判定
    部により肯定的な判定結果が得られるまでデータ修正を繰り返し実行することを特徴とする
    陽電池
    受光面用の印刷画像作成装置。
  4. 請求項2または3に記載の太陽電池受光面用の印刷画像作成装置において、プリント部が、変
    換画像データに基づいて、網点インキ層からなる印刷画像を形成し、相関情報格納部が、網点
    面積率と太陽電池の発電特性との関係を示す相関情報を格納しており、条件判定部が、前記相
    関情報を用いることにより、判定対象となる画像データに基づいて形成される印刷画像を配置
    したときの太陽電池の発電特性を予測することを特徴とする太陽電池受光面用の印刷画像作成
    装置。
  5. 請求項4に記載の太陽電池受光面用の印刷画像作成装置において、原画像入力部が、RGBも
    しくはCMYKなる各色別の画像データを有する原画像データを入力する機能を有し、プリン
    ト部が、CMYKなる各色のインキ層からなる印刷画像を形成する機能を有し、相関情報格納
    部が、CMYKなる各色の網点面積率の組み合わせと太陽電池の発電特性との対応関係を示す
    相関情報を格納しており、条件判定部が、判定対象となる画像データに基づいて特定の網点面
    積率の組み合わせを決定し、前記相関情報を参照することにより、決定した組み合わせに対応
    する発電特性を認識し、認識した発電特性に基づいて、判定対象となる画像データに基づいて
    形成される印刷画像を配置したときの太陽電池の発電特性を予測することを特徴とする太陽電
    受光面用の印刷画像作成装置。

    以降、第53項まで紙面の制約のため割愛。

                                        この項つづく


昨日は、朝から大阪に所用で車を走られ話をすませ正午に帰ってくる。やはり疲れているせいか、集中力を欠
き、残件を今日処理、墓参りと昼食をすませ残件処理する。

                                                              

 

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