漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

魔女と悪魔とお人よし

2013年04月14日 13時20分18秒 | 第21話/薬包紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 ヒュームさん、パリ滞在中は、フランス貴族の奥方に熱を上げていました。
かの貴婦人、夫君がいましたが、何しろ18世紀のフランスなので、
別に咎められるような事ではありませんでした。

 ある時、貴婦人の夫君が亡くなりました。
するとその貴婦人ときたら、あろう事かヒュームさんの心を知っていながら、
元彼だったフランス貴族との結婚の仲立ちをヒュームさんに頼んだのでした。
ヒュームさんの彼女への熱い思いは冷めてしまいましたが、
文通相手としての交際はその後も10年続いて行ったのでした。

 そんな感じで、ヒュームさん、自分のお母さんからも 「 お人よし 」
― とあきれられるくらいで、、
たいがいの女性達にもそういう印象を与えていたようです。

 パリでは、その性質がいい方に転んだ時には、大人気のモテ期到来。
宮中の女性からも丁重な扱いを受けたのだそうです。

 …まあ、でも結果としては、生涯独身率100%だったんですけどね。
上記の貴婦人、ブフレル伯爵夫人という方だったそうですけれども、
…当たって砕けちゃったんだし。

 そんで、ウォルポールさんとは、 「 独友 」 で仲良ししてんのかなー?

 ジェイン姫、どういう男性は、どこまで and どういう扱いまでならOKなのか、
長けているようで、その能力はどこで身に付いたのか、
どういうきっかけで身に付けようとしたのかが謎なのですが。
― 遅くとも第3部には明らかになるでしょう。

 そして、ハリソンさんを苛めようとしていると、冗談を装ってヒュームさんにチクり、
ウォルポールさんの行動を無効化しようとしているくせして、
ウォルポールさんの事はしっかり苛めているジェイン姫なのでした。

 それにしても、ウォルポールさんなのですが、
高い身分+教養がある女性には下手に出て下さるお方のようです。
ジェイン姫、あの有名な、 「 ロバの耳の王様 」 の子孫なんですよ。
and 女社長で、文筆の才もあるようなので。

 それからウォルポールさん、多分、かけ離れて下過ぎる御身分の方々にも同情的で親切です。
リンカーン大統領やスト―夫人よりも前に、奴隷制度に反対していた方も、ちゃんと存在していたのでした。
そして、働いても働いても貧しくて、もしくは働きたくても働けなくて、
それでも、行政からの保護さえも受けられない方々にも、救済の手を差し伸べていたのでした。

 けれども、高からず低からずの身分で、
しかも生意気でチャレンジャーなヤツらには、
冷酷無比でナサケヨウシャナシなのでした。

 だから、ウルストンクラフト女史の事は、完全にケダモノ扱いですし、
天才チャタトン少年を、服毒自殺の悲劇から救おうともしなかった訳です。

 …そして、ひょっとしたら、ルソーさんも、
そっちの 〈 生意気系カテゴリー 〉 に入っているのかもしれません。


 次回の更新は、4 / 20 ( 土 ) の予定。
J.J.ルソーさんもちょっとだけ登場します。

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