漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

夾竹桃(11/27) ある四旬節の夜に

2009年04月12日 20時21分14秒 | 第13話/夾竹桃
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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 今年は今日が復活祭のようですな。
復活祭前の46日間が四旬節と言われています。
この間、食事の節制や祝宴の自粛が行われ、
オペラの代わりに宗教曲の演奏会があったりしたようです。

 オラトリオは聖書の中の物語を、
ソロ歌手と合唱がオーケストラ伴奏で歌い進めて行く楽曲なのですが、
メロディーラインはあまりオペラと変わらないのでした。

 ハリソンさんとアラベラさんは、お友達のシンプソン夫妻と一緒に、
ジョン・クリストファー・スミス j r . さん ( 1712-95 ) が
1761年に作曲したオラトリオ 「 失楽園 」 の再演を
聴きに行ったようです。

 ちなみにグレート・ヘンデルどんが作曲しそこねた台本は、
後にモーツァルトさんの後援者でもあった、
ヴァン・スヴィーテン男爵 ( 1730-1803 ) によって、
自由なドイツ語へと訳され、ヨーゼフ・ハイドンさんが作曲し、
1798年に 「 天地創造 」 のタイトルで、ウィーンにて初演されました。


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 えっ、「 失楽園 」 って、渡辺淳一さんの小説以外にもあるの?!
12年くらい前に、映画とTVドラマが大ヒットだったわよね。

 渡辺淳一殿は、英国の詩人、ジョン・ミルトン ( 1608-1674 ) 殿が、
1667年に発表した長編叙事詩のタイトルから
取ったとどこかで話していたようじゃったのう。

12年前じゃ、みんな子供だったから分かんなーい!!

 いいのよ、分らなくて。全然お子様向けの話じゃないから。
TVドラマの方は、当時の中高生も見ていたって話聞いて、びっくりしたけど。
ハリソンさんとアラベラさんの不倫を象徴するために、
「 失楽園 」 なんてタイトルわざわざ持って来たのかしら?

 でも、作者は渡辺殿の小説や、それから作られた映画・TVドラマのような、
強烈な性描写はしないと断言しておるようじゃぞ。

 でも、殺しちゃおうかってトコまで思い詰めちゃうんでしょ?!
ハリソンさん、包丁持ってたし。

絵はサラサラしてて軽やかだけど、心理的には過激かもしれないぞ。
これはそーゆー展開をする話なんだ。きっと。

 私は同じ不倫物語なら、
薬師丸ひろ子ちゃんが主演した、 「 ミセス・シンデレラ 」 の方がいいわ。
やっぱり何だかんだ言っても、 ダンナと仲良くできるのが一番いいもの。


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 TVドラマ 「 失楽園 」 のスペシャル版で、
主人公男女の二人が、心中直前にバチカン・システィーナ礼拝堂へと、
ミケランジェロが描いた天井画を見に行くシーンがあるのですが、
内容が内容だというのに、よく法王庁の撮影許可が下りたもんだな
― と、作者にはそこん所が未だに謎なのですが…。

 次週は、ハリソンさんが、アラベラさんへと若い頃の打ち明け話をし、
アラベラさんの思いやりのある言葉から、彼女にますます惹かれて行きます。

〈 次回の更新は4月18・19日の予定 〉









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