女性に年齢を訊くのは失礼とされている。
他人から見れば、一歳や二歳、違ったところで、どうってことはないが、なぜか、年が近いほどにこだわる。
まったく同じ年なのに、あら、私の方が五カ月、年下よ……などと言う人がいる。
これが、超高齢になると、また事情が変わるようだ。
バス停でよく行き合わせる高齢の女性がいた。
こういう元気のいい年寄りはへんに社交的である。
自分のほうから、バス、まだ来ませんね、などと話しかけてくる。
「私、九十一歳になるんですよ」
「ほう」
始めてのときは正直、驚いた。
ペタンコ靴でなくパンプスを履いている。
オールドファッションながらお洒落もしている。
お元気そうですねと言うと満足気に微笑んだ。
度々出会うようになった。
いつも 「九十一歳なんですよ」と話しかけてくる。
もう驚かないが、驚いた顔をしてあげる。
そのうち、バス停の近くまで行って、見かけると、あ、いるいる、とこちらが逃げ腰になる。
九十二になり三になり、五になって、まだお元気だった。
今年になって、お見かけしないので、さすがに外出が難しくなったかと思っていた。
それが当たり前だよねと、どこかほっとしていた。
昨日、デパートの食料品売り場で、紙袋一杯の荷物を抱えて、相変わらずパンプスで歩いている彼女を見かけた。
おっ、とのけ反りそうになった。
お幾つになりましたか? と訊いてあげたかったが、混雑していたのでやめた。
他人から見れば、一歳や二歳、違ったところで、どうってことはないが、なぜか、年が近いほどにこだわる。
まったく同じ年なのに、あら、私の方が五カ月、年下よ……などと言う人がいる。
これが、超高齢になると、また事情が変わるようだ。
バス停でよく行き合わせる高齢の女性がいた。
こういう元気のいい年寄りはへんに社交的である。
自分のほうから、バス、まだ来ませんね、などと話しかけてくる。
「私、九十一歳になるんですよ」
「ほう」
始めてのときは正直、驚いた。
ペタンコ靴でなくパンプスを履いている。
オールドファッションながらお洒落もしている。
お元気そうですねと言うと満足気に微笑んだ。
度々出会うようになった。
いつも 「九十一歳なんですよ」と話しかけてくる。
もう驚かないが、驚いた顔をしてあげる。
そのうち、バス停の近くまで行って、見かけると、あ、いるいる、とこちらが逃げ腰になる。
九十二になり三になり、五になって、まだお元気だった。
今年になって、お見かけしないので、さすがに外出が難しくなったかと思っていた。
それが当たり前だよねと、どこかほっとしていた。
昨日、デパートの食料品売り場で、紙袋一杯の荷物を抱えて、相変わらずパンプスで歩いている彼女を見かけた。
おっ、とのけ反りそうになった。
お幾つになりましたか? と訊いてあげたかったが、混雑していたのでやめた。
それまでは仰るように数ヶ月遅く生まれたのでも、
下だと言い立てていた人が、どんな心境の変化がおきるのでしょうね。