日本には島が多い。
大小の差はあっても、島には島特有の風情がある。
近年は、船も橋も整い、昔ほどではなかろうが、長年、海に阻まれて隔絶していた歴史があるからか、どこか陸側と趣が違って見える。
風子ばあさんが住む街の近くに、人口千人ほどの島がある。
市営のフェリーが対岸の街と結んでいる。
島には火葬場がないから、島人が亡くなれば船でこちら側に渡らねばならない。
島に住んだことがある知人から聞いたのだが、昔は、棺を乗せて船が出るときは、汽笛をホーホウーホウと鳴らしたそうである。
あるとき、それがうるさいと市役所に苦情を言った人がいて、以来、ホーホーはなくなってしまったのだという。
その話を聞かせてくれた人は、市役所も情けない、たった一人の苦情くらいで、と嘆いておられた。
島には汽笛がよく似合う、などと言うのは、実際にそこで生活をしていない人間のたわごとかなのかもしれないが、ホーホーホーとだんだん小さくなるんですよ、と汽笛を真似てくれた知人の声音を今もときどき思いだす。
大小の差はあっても、島には島特有の風情がある。
近年は、船も橋も整い、昔ほどではなかろうが、長年、海に阻まれて隔絶していた歴史があるからか、どこか陸側と趣が違って見える。
風子ばあさんが住む街の近くに、人口千人ほどの島がある。
市営のフェリーが対岸の街と結んでいる。
島には火葬場がないから、島人が亡くなれば船でこちら側に渡らねばならない。
島に住んだことがある知人から聞いたのだが、昔は、棺を乗せて船が出るときは、汽笛をホーホウーホウと鳴らしたそうである。
あるとき、それがうるさいと市役所に苦情を言った人がいて、以来、ホーホーはなくなってしまったのだという。
その話を聞かせてくれた人は、市役所も情けない、たった一人の苦情くらいで、と嘆いておられた。
島には汽笛がよく似合う、などと言うのは、実際にそこで生活をしていない人間のたわごとかなのかもしれないが、ホーホーホーとだんだん小さくなるんですよ、と汽笛を真似てくれた知人の声音を今もときどき思いだす。
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