風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

タマやあ、タマやあ。

2012-09-16 22:45:55 | 猫および動物
           妹のところの猫は、21年も生きた。

              家が大好きな猫だった。
          外に出しても中に入れろとミャアミャア鳴き、
              どこへも行かなかった。

            人も色々なら、猫もいろいろである。

               うちのタマは違った。

               お隣が猫嫌いなので、
           外には出しませんからと断りを入れて飼っていた。

           ところがタマは大の外出好きで、脱走名人。
               隙あらば飛びだした。
           網戸はひっかいて破っても外へ出て行きたがった。

           居なくなると、タマやあ、タマやあと叫びながら、
              風子は町内を探しまわった。

           一時近所で、あの人バカみたいと評判になった。

              長い紐をつけて庭に出してやると、
           つまんなそうに物干し竿の下に寝そべっていた。

               思い出すと涙が出る。
       
          あんなに出たがり出べそだったのに、閉じ込められた一生で、
                 可哀想なことをした。

           可愛がったというが、あれは人間のエゴだった。
                   ごめんね、タマ。



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