個人タクシーのドライバーを夫に持つ友人がいる。
車の運転席に座っているご主人をチラと見たことがある。
白髪で、顔色の冴えないじいさんだった。
「もう、八十過ぎなのよ」
と友人がいうので、びっくりした。
「えっ、もうそんなになるの?」
べつに若く見えて驚いているのではない。
タクシーの運転という仕事を続けるにしては、齢を取り過ぎているのでびっくりしたのだ。
「そうなのよ。糖尿病もあるし、腎臓も悪くて、視力なんかも、かなり悪いんだけど、検査のときには要領があるんだって」
「えっ」
今度はこわくてびっくりした。
「定年ってないの?」
「うん、個人タクシーは自営業だからね。あの人は仕事が生き甲斐だからって乗るの。ま、私も、家でうろうろされるよりいいと思ってね」
それはないよ、いったい、乗客の安全はどうなるんだと思ったが、妻である彼女の前では口に出せず、ふうんと唸った。
これからは、タクシーに乗るときは、年を取り過ぎていない運転手さんの車に手をあげようと秘かに思った。
何事も引きどきというのはある。未練に引きずられてはいけないのである。
車の運転席に座っているご主人をチラと見たことがある。
白髪で、顔色の冴えないじいさんだった。
「もう、八十過ぎなのよ」
と友人がいうので、びっくりした。
「えっ、もうそんなになるの?」
べつに若く見えて驚いているのではない。
タクシーの運転という仕事を続けるにしては、齢を取り過ぎているのでびっくりしたのだ。
「そうなのよ。糖尿病もあるし、腎臓も悪くて、視力なんかも、かなり悪いんだけど、検査のときには要領があるんだって」
「えっ」
今度はこわくてびっくりした。
「定年ってないの?」
「うん、個人タクシーは自営業だからね。あの人は仕事が生き甲斐だからって乗るの。ま、私も、家でうろうろされるよりいいと思ってね」
それはないよ、いったい、乗客の安全はどうなるんだと思ったが、妻である彼女の前では口に出せず、ふうんと唸った。
これからは、タクシーに乗るときは、年を取り過ぎていない運転手さんの車に手をあげようと秘かに思った。
何事も引きどきというのはある。未練に引きずられてはいけないのである。
しかし、選べないのでさらに怖いです。
N病院の玄関前に並んでいるタクシーは全部個人タクシーです。
前のが出れば次の個人が横に来ますから、選択できません。
先日乗ったときあまりにお歳のようだったので、
それとなく年齢を尋ねたら、ほんとに80歳間際の人でした。
この人と心中はゴメンだと真面目に思いましたよ。
個人タクシー協会も定年を設けるべきです。
それは困った!
生涯現役、は立派なことではあるのですが、
ふ~むむ。
hiroko様、スズメ様、お世話になりました。