友だちのお兄さんは、ジャズバンドのギタリストである。
誘われて、ちょっと郊外のコンサートに行った。
風子ばあさんの弾くギターはヒソヒソモジモジと弾くクラッシックだが、
ジャズギターは全身で音楽を表現しているようで迫力満点だった。
バンドの皆さん、この道ひとすじの思いが伝わる熱い演奏で楽しかった。
ファンキーなナンバーの続いたあとは、
尺八と三味線にピアノのコラボで、福島への思いをこめて
ハア、チョーイチョーイ と新相馬節が披露された。
終わって、近くのホテルへ食事に寄ったら、
8時にホテル前から蛍見物のバスが出るという。
それではと早めに食事をすませてフロントへ行った。
「お客さま、申し訳ありません。ただいま下見に行きましたら、
蛍は一匹もおりませんでした、いかが致しましょうか」
いかが致しましょうかと言われてもねえ、
一匹もいないなら、行っても仕方がない。
では、せっかくだから、温泉にでも入っていきましょうということになった。
脱衣場で裸になっていたら、さきほどのフロント嬢が追いかけてきた。
「お客様、ただいま一匹、飛びはじめたそうです、いかが致しましょう」
大変親切なホテルでひと風呂あびて、ありがとうの一日でした。
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