風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

左利き 矯正

2022-08-20 11:54:25 | 日記

左利き

 「ぎっちょ」というのは差別用語だそうである。

しかし、私は、左利きと言われるより、ぎっちょ、と言われるほうが好きである。

フラフープを回しても、雑巾を絞っても、ダンスを踊っても左周りになる。

なのに、箸と筆記だけは親が矯正してくれたおかげで右利きである。

 自分が物心つく前に矯正されたので、矯正されたという覚えさえない。

だから、矯正の苦労などというものは当然ない。

 箸と筆記は文字通り日常茶飯なので、これが右で使えるようにしてもらったことを

私は親に感謝している。

 左利きも遺伝なのだろう。次男が左利きである。

自分が感謝しているのだから、次男にも迷わず、箸と筆記だけは矯正してやろうと思って実行した。

べつに難しいことでもなんでもなかった。ただ、ほんの赤ちゃんのころから、

左に持ったスプーンを、こっちね、と右手に持ち返させた。このとき、決して叱らなかった。

怖い顔もしなかった。にっこりして、こっちね、というように心がけた。

鉛筆やクレヨンもそうだった。こっちね、とにっこり笑って持ち替えさせた。

ただ根気だけだった。で、次男も、覚えてないよと言いながら箸と筆記は右手で不自由なく過ごしている。