風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

緊急には違いないけど。ああ、おかしい。

2022-08-02 14:01:58 | 日記

87歳の老ボーイフレンドがいる。

老妻と二人暮らしである。

昨夜、彼はパソコンで将棋をさしていた。

綺麗好きな奥さんが、夜中の12時近いと言うのに、掃除機をかけようとスイッチを入れたとたん

ポンと音がして真っ暗になった。容量オーバーの停電である。

手探りで仏さんの蝋燭をともして配電盤のブレーカーを上げてみたがらちがあかない。

なじみの電器屋に電話するが夜中だから出るわけがない。

困りはてた彼が110番か119番か迷ったすえに119番に電話した。この時点で、それはないだろうと、おかしい。

「火事ですか、救急ですか」と問われて、事情を訴えると、それは九電ですと、親切に電話番号を教えてくれたそうである。

ははん、たまにはそんなひともいるんだ。

九電の緊急連絡先では、こまかに配電盤の漏電ブレーカーのあり場所へ誘導してくれて、パッと灯りがついて解決した。

ここまでは、ちょっとおかしいだけである。

翌日のことである。昨日は親切に九電の番号を教えてくれたのでお礼の電話をしないといけないと、

彼はご丁寧に119に電話をしたそうである。アッハハ…である。

「火事ですか、救急ですか」「かくかくしかじか…で」と言いかけたら、

「こちら火事か救急いがいにはかけないでください」と冷たくあしらわれたそうである。

 そりゃあ、そうだろう。 ああ、おかしい。でも、そんなお爺さんが、好きなのよ。