まずは、著者の紹介。
熊谷達也
宮城県出身、「ウエンカムイの爪」で小説すばる新人賞を受賞でデビュー。
2000年には「漂白の牙」で新田次郎文学賞を受賞。
04年「邂逅の森」で山本周五郎賞と直木賞のダブル受賞。
近年、「仙河海市」を舞台とした作品群をライフワークとし、
ありし日の「被災地」から現在、そして未来へと繋がる人々のリアルな人生と生活を描き続けている。
「微睡みの海」も、その仙河海市を舞台にした一作である。
主人公、笑子は、中学の教員時代に問題のある生徒とのいきさつから退職し
美術館の学芸員をしている。
その美術館副館長である菅原貴之との不倫関係にあるが
個人的に絵の指導をするうちに、もと教え子の吉田祐樹とも、
関係をもつようになる。
ほかに、バー経営のともだちの希、もと教え子の中村航平らが登場。