風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

愛器

2012-03-25 11:10:46 | ギター、映画など他
        風子ばあさんは、ギターを弾くが下手である。
     そんなことはないでしょうと人は言うが、ほんとに下手である。

    長年やっていようが、努力しようが、下手なものは下手なのである。

    それでもやめられないのは、ばあさんの持つギターの音色が素晴らしく、
       これに魅せられているからである。
 
        そもそも風子には、道具にこだわる悪い癖がある。
     初歩の初、まったく初心者のときに、名器と言われるこのギターを手に入れた。
   名曲は弾けずとも、調弦するだけで嬉しくなるほど美しい音を出してくれるのである。

       先日、粗相をしてこの愛器を傷をつけてしまった。
    修復には2ヵ月かかるそうだが、見積もりのために浜松まで送りだした。
 ウン万円ですむか、ウン十万かかるか、ばあさんは目下、懐勘定をして頭が痛いのである。

       あの時、一緒に転んだ我が膝小僧の生傷は、三週間ほどで治った。
        まだ赤い傷跡はあるが、これもそのうち綺麗になるだろう。

           楽器は放っておいては治らない。
     人間に備わった自然治癒力とはたいしたもんだ、タダで治った。

       愛器にかかる費用と胸算用して感心している昨今なのである。