風子ばあさんは、ギターを弾くが下手である。
そんなことはないでしょうと人は言うが、ほんとに下手である。
長年やっていようが、努力しようが、下手なものは下手なのである。
それでもやめられないのは、ばあさんの持つギターの音色が素晴らしく、
これに魅せられているからである。
そもそも風子には、道具にこだわる悪い癖がある。
初歩の初、まったく初心者のときに、名器と言われるこのギターを手に入れた。
名曲は弾けずとも、調弦するだけで嬉しくなるほど美しい音を出してくれるのである。
先日、粗相をしてこの愛器を傷をつけてしまった。
修復には2ヵ月かかるそうだが、見積もりのために浜松まで送りだした。
ウン万円ですむか、ウン十万かかるか、ばあさんは目下、懐勘定をして頭が痛いのである。
あの時、一緒に転んだ我が膝小僧の生傷は、三週間ほどで治った。
まだ赤い傷跡はあるが、これもそのうち綺麗になるだろう。
楽器は放っておいては治らない。
人間に備わった自然治癒力とはたいしたもんだ、タダで治った。
愛器にかかる費用と胸算用して感心している昨今なのである。
そんなことはないでしょうと人は言うが、ほんとに下手である。
長年やっていようが、努力しようが、下手なものは下手なのである。
それでもやめられないのは、ばあさんの持つギターの音色が素晴らしく、
これに魅せられているからである。
そもそも風子には、道具にこだわる悪い癖がある。
初歩の初、まったく初心者のときに、名器と言われるこのギターを手に入れた。
名曲は弾けずとも、調弦するだけで嬉しくなるほど美しい音を出してくれるのである。
先日、粗相をしてこの愛器を傷をつけてしまった。
修復には2ヵ月かかるそうだが、見積もりのために浜松まで送りだした。
ウン万円ですむか、ウン十万かかるか、ばあさんは目下、懐勘定をして頭が痛いのである。
あの時、一緒に転んだ我が膝小僧の生傷は、三週間ほどで治った。
まだ赤い傷跡はあるが、これもそのうち綺麗になるだろう。
楽器は放っておいては治らない。
人間に備わった自然治癒力とはたいしたもんだ、タダで治った。
愛器にかかる費用と胸算用して感心している昨今なのである。