風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

ファックス電話機

2012-01-15 11:47:59 | ショッピング
       老齢とは罪もないのに罰を受けるに等しい、と
      誰か有名な人が言ったそうである。

       自分ではまだまだ……のつもりでも
      見知らぬ人から、ばあさん扱いを受ける。

       こういう場合、尊敬の念で接してくれることは少ない。
      たいがい、幼児扱いか、それに準ずる。

       昨日ファクス電話機を買いに行った。

      「なに探してんの?」
       店員が寄ってきた。

      「ファクスかあ。そうだなあ、これなんかどう?」
      タメくちというより、人をなめたナメくちである。

      「字が大きいよ、スピーカーの音量も大きくなるし」

       むむむ。
      風子ばあさんは、まだまだ文庫本が読める、
      玄関のピンポンだって聞き逃さない。
      大きなお世話である。

       おすすめのとは違う機種を買った。
      「え、お宅まで配送しないでいいの?」
       大丈夫、このくらい持てます。

      「設定とか行かないでいいの?」
       ええ、自分でします。

     ……というわけで、今から、これを取りつけないといけない。
ばあさんが意地を見せるのもなかなか大変なのである。