身延駅を13時47分に出る列車に乗りました。これも2両編成でした。身延線を走る普通列車は、2両編成が主力であるようです。
アニメの第8話では、3両編成の列車が波高島駅を過ぎて身延駅に向かうシーンがあります。今回の巡礼中に、これの実物が拝めるかな、と期待したのですが、残念ながら見ることは出来ませんでした。
原作コミックにおいては、駅や線路の描写はあるものの、列車そのものは車内のみが出ています。列車の外観が登場しているのは、アニメだけです。JR東海がアニメ製作に協力しているそうですが、それがあって初めて、列車を登場させることが出来たのかもしれません。
さて、最後の目的地には14時3分に着きました。降りたのは、私だけでした。
甲斐常盤駅です。原作コミックの第2巻、アニメの第8話に登場します。劇中では、各務原なでしこ達が通う本栖高校への最寄りの駅として登場し、各務原なでしこがホームでの列車待ちの間にテスト後のクリスマスキャンプを提案しています。
花粉の飛散量が増えているのか、目は相変わらず痒いし、ついに鼻にもダメージが来はじめて、何度かくしゃみをしました。最後の目的地に来たのだ、もう少し頑張ろう、と点眼薬をさし、マスクを新しく替えました。写真撮影のときはマスクは外しましたが、そうするとくゃみがダイレクトにきます。花粉症は本当につらいものです。
甲斐常葉駅の駅舎です。原作コミックの第2巻164ページ3コマ目に建物の上半分がそのまま出ています。左の付属建物はお手洗いです。
駅前からは、県道419号線が常葉川に架かる橋を経て街区へと通じています。かつての街道筋として歴史を刻んだ道で、本栖湖方面に通じる国道300号線の旧道でもあります。地元では「本栖みち」と呼ばれています。
各務原なでしこが志摩リンと初めて出会った浩庵キャンプ場へは、この「本栖みち」を進んで行くのが唯一のルートです。
橋を渡りつつ、向こうの街区の景色を見ました。おや、と気付きました。
街区の高台に白い校舎らしき建物が見えました。あれじゃないかな、と思いました。地図を見て、アニメの本栖高校のモデルになった、旧下部中学校であることを確かめました。
常葉川です。その下流は、身延線の波高島駅付近で富士川に合流します。前掲のアニメ第8話の3両編成列車の走行シーンに描かれる川が、この常葉川の下流部分にあたります。
橋を渡ってまもなく、見覚えのある景色に出会いました。あっ、ここだったのか、各務原なでしこが「へんなくるま」ことグーグルストリートビュー撮影車に出会った場所、と気付きました。
例のシーンです。志摩リンがネットでこの画像を見つけるわけです。なでしこちゃんの背後に、「くすり」の字がある薬局の建物がありますが、実際には新しい民家に建て替えられています。
かつての薬局は、位置を橋のたもとに転じて新しい店舗になっていました。帰りに花粉症の錠剤でも買っておこうか、と考えました。
橋の方向を振り返ると、こんな景色です。橋の左側の奥に、甲斐常葉駅の建物が見えます。
同じアングルで、アニメではなでしこが撮影した「へんなくるま」が出ています。グーグルストリートビュー撮影車ですね。左の看板や交通標識、右の街灯にいたるまで、そのまんま描写されています。
道は左に折れ、旧街道筋の街区内にて直線路となります。町並みにも古い民家や商家の建物が散見され、かつては宿場町または繋ぎの宿所として栄えたことを伺わせます。
上図右の古民家は特に立派な構えでした。玄関口の戸口も古風をとどめ、もとは旅籠であったのでは、と思わせる雰囲気をただよわせていました。
この辺りは、かつては下部町の中心地として役場も置かれていましたが。下部町は2004年に身延町に吸収合併されています。
20代の後半の数年間に山梨県甲府市に本部を置く歴史探訪サークルに参加していた時期、仲間たちと一度、下部温泉に泊まったことがあります。その翌日に、下部町の中心を抜けて本栖湖まで国道300号線を移動したことがあります。その際に、この道を通っているはずですが、記憶はあまり残っていませんでした。
かつて、下部町役場の関連施設があった場所は、更地になっていました。その奥の高台に旧下部小学校の校舎が見えました。
旧下部小学校の校舎です。旧下部中学校と同じ敷地内にあって南北に分かれる形で校舎が配置されています。まだ新しい感じで、充分に使用出来そうな建物ですが、生徒数の減少により、2017年3月に閉校して下山小学校に統合されています。
しばらく行くと、上図の交差点に着きました。右に曲がると、旧下部中学校グラウンドへの連絡路に続きます。 (続く)