気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その17 「秋山夫妻はお休みです!!」

2013年11月30日 | 大洗巡礼記

 「小沼酒店」の次は7番の「三村時計店」に行きました。オリジナルメガネ拭きの宣伝を積極的にやっているだけでなく、二階の網戸が、話題の今村金網工業さんの「ガルパン網戸」になっていました。そういえば昨夜、大勘荘にもこの「ガルパン網戸」が納入されていたので、いずれ大勘荘でも網戸を張り出されるのでしょうか。


 店先には、カモさんチームの金春希美が居ました。風紀委員を務める二年生で、略して「パゾ美」と呼ばれます。チームでは75ミリ主砲の砲手と装填手を兼ねています。出身は茨城県つくば市、好きな花は水仙、好きな戦車はブラックプリンスです。


 店内には、カモさんチームの三人の声を演じた井沢詩織さんの直筆画およびサインが飾ってありました。絵も上手ですね。
 このお店で販売されているオリジナルメガネ拭きは、全部で6チーム分の6枚があります。当然ながら全て購入しました。リリースされているのはあんこう、カバ、カメ、ウサギ、アヒル、カモの各チームですが、いずれアリクイやレオポンも出されるのでしょうか。お店の方に尋ねましたところ、「今のところはまだ何も・・・」とのお答えでした。さらに 購入品を入れたビニール袋もガルバン仕様のオリジナル品です。メガネをかけているガルパンキャラクター四人、武部沙織、河嶋桃、おりょう、大野あや、の画像が入っていて、これまた貴重なグッズに数えられます。
 また、11月下旬に発売されるというニューアイテム「風紀委員推奨目覚まし時計」についても聞いてみました。すると「あれはウチでは扱っていないんですよ。ウチが時計屋なので、よく聞かれるんですけどね。あの時計は別のメーカーさんで作って、アウトレットのまいわい市場のほうだけで売るんですよ・・・」と教えられました。予価は4200円だそうですが、発売されたら私は当然買いますよ・・・。


 続いて、2番の食料品店「酒井屋」へ行きました。劇中では、第4話に登場して看板の文字が「六壱屋」になっていましたが、あとは全て実物をそのまま写し取っています。横の赤い自販機もそのまま出ていましたね。その前を聖グロリアーナ女学院チームのマチルダⅡが索敵前進してゆくシーンが、リアルに思い出されました。


 店先に立つ冷泉久子です。冷泉麻子の祖母で、麻子は「おばあ」と呼びます。高齢だがかくしゃくとしており、麻子は一切頭が上がらない様子です。
 お店は、ちょうど開店したばかりで、「おばあ」によく似た老婆が忙しそうに準備をしていました。おはようございます、と挨拶すると「あら早いねえ、申し訳ないけど、おはぎまだ作ってないの。ごめんねえ」と返されました。いえそんな、パネルの方を撮影させていただければ結構ですので、と応じました。


 撮影していると、「おはぎの代わりにこれをどうぞ」と名刺を渡されました。何も買っていないので恐縮してしまいましたが、「こんなことしかしてやれんから・・・」と笑っていました。素晴らしい御婆さんであられました。こういう方がいらっしるからこそ、キャラクターパネルが「おばあ」に決まったのかもしれませんね。


 「酒井屋」の隣には、3番の八百屋「大黒屋」があります。まだ開店していないようでしたが、戸口のガラス越しに高島レミの姿が見えました。日本戦車道連盟から派遣された審判の一人で、公式資料などでは「B子」となっています。元ネタは江戸時代(天保年間)の砲術家で、高島流砲術の祖となった高島秋帆です。


 「大黒屋」から少し東へ行くと、レストランの「大野屋」があります。ガルパンファンが食事に利用することで知られており、私もいつかは入ってみようと考えているお店です。今回はまだ開店前で、「定休日」の札がかけられたままでした。それで月曜日が定休日であることが分かりました。次に来るときには、月曜日以外に訪れなければなりませんね。


 「大野屋」の向かいには5番のお好み焼き店「道」がありますが、午後のコースの締めに予定していたので、東に進んで12番の「豊年屋機工部」に移りました。配管や金属製品や工具などを扱っているお店です。まだ開店前でしたが、キャラクターパネルは既に店先に出してありました。


 レオポンさんチームのツチヤです。金曜日のドリンクバーが大好きで「ドリンクバー・キンヨウビ(ドリキン)」のあだ名を持つ二年生です。チームでは操縦手を務め、黒森峰女学院との決勝戦ではポルシェティーガーを縦横に操り、玲萬言橋をドリフトで破壊するという離れ業をやってのけました。出身は栃木県芳賀郡茂木町、好きな花は梅、好きな戦車は10式戦車です。

 パネルを撮影しようとしていると、店の方が出て来られて「わざわざ寄って頂き有難うございます」とにこやかに挨拶してきました。これには恐縮してしまいました。店内も御覧になりますか、と言われましたが、店先につるしてあるツナギが気になっていたので、そのことを言うと、「ああ、これはファンの高校生の方が作ってくれたものなんです」と答えてくれました。
「えっ、高校生がこれを作られたんですか・・」
「そうなんですよ。持って来られてね、こういう服は自分の手元に置くよりも、こちらに飾ってもらって多くのファンの皆さんに見て楽しんで貰えれば、ってね、寄贈して下さったんですよ」
 それを聞いて、なんと素晴らしいお話なんだ、と本当に感心しました。その高校生は大変に偉いと思います。劇中そっくりのツナギを製作してしまう腕の見事さもさることながら、ガルパンファンへのあたたかい志には、とにかく感動させられます。


 話が弾んで、いつしか店内の神棚に上げてある有賀神社の札のことに移りました。このお店も有賀神社を篤く信仰していられるようで、昨日に御神体巡行を拝んだことを話すと、「それは宜しゅうございましたねえ」と大変喜んでおられました。そして「ウチには何枚もありますので」と、有賀神社祭礼のパンフレットまで下さいました。その次いでのような形で、上画像の名刺も頂きました。素晴らしいお店でした。


 続いて11番の酒店「プラザ」へ行きましたが定休日でした。当然ながら秋山好子のパネルも見られませんでした。それから9番の衣料品店「ヨシモト」に行くと、ちょうど店の方がシャッターを上げられたところでした。「やあ、おはようございます。ファンの方ですか」と言い、「パネルはこっちですんで、どうぞ御自由に撮っていって下さい」と導いて下さいました。
 パネルは稲富ひびきです。日本戦車道連盟から派遣された審判の一人で、公式資料などでは「C子」となっています。元ネタは戦国時代の砲術家で、丹後一色家に仕えた稲富祐秀と孫の稲富祐直です。


 「ヨシモト」でお店の方と有賀祭の話をした後、10番の「髭釜マルシェ」に行きました。シャッターが閉まっていて、何のお店なのか分かりませんでしたが、情報によれば土曜日のみ開く「ほげほげカフェ」で、茨城大学の学生たちが運営しているそうです。この日は火曜日でしたからお休みで、パネルは向かいの「川崎燃料店」に移されていました。
 アリクイさんチームの「ねこにゃー」こと猫田です。二年生で西住みほのクラスメイトです。オンライン戦車ゲームを通じてチームを結成し、戦車長と通信手を兼任しました。出身は茨城県鉾田市、好きな花はバラ、好きな戦車はレオパルドⅡです。

 続いて13番の理容店「カットアイ」へ回りましたが、こちらも開いていませんでした。午後にもう一度立ち寄ったのですが、どうも定休日のようで、戸は閉じられたままでした。秋山淳五郎のパネルも見えませんでした。
 ここにきて、秋山淳五郎、秋山好子の夫妻がお休み、という予想外の事態になったわけです。実は、昨日も二ヶ所でパネルを見られなかったので、合計四人のパネルをまだ見ていないことになります・・・。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その16 「ブラブラ作戦です!!」

2013年11月29日 | 大洗巡礼記

 翌朝、障子の隙間から差し込む陽光にて目が覚めました。時刻は午前6時17分でした。障子を開けると、ひんやりとした朝の寒気が入ってきましたが、窓の外は爽やかな快晴でした。すぐに着替えて顔を洗い、ちょっと散歩してみることにしました。


 敷地の南口まで出てみました。南側の納屋兼倉庫の壁には「海の家 大勘荘」とあって、従来までは海水浴客を対象とした夏季営業の宿であったことをうかがわせます。青空が次第に広がって、早朝の冷え込みが厳しかったものの、日中は穏やかな感じになりそうでした。


 既に丸山紗希も玄関先に出てきていました。朝から真面目に「看板娘」を務めています。「おとなしくて素直でいい娘だね」と、おばさんもお気に入りのようです。
 パネルを撮影していたら、他の宿泊客も朝の散歩に出て来ました。挨拶を交わしながら、それぞれのこれからの予定などを話しました。毎週のように大洗に来ている常連さんなので、大洗の見どころについても色々教えて貰いました。その方は、大洗まで車で三時間で行ける所に住んでいて、いつもは日帰りなのだそうです。しかし、どうしてもここの宿泊特典が欲しいので、今回は泊まってみたわけです、と笑っていました。
 その気持ち、分かりますよ。丸山紗希の缶バッジは、この大勘荘に泊まらないと入手出来ませんものね・・・。


 再び、丸山紗希です。おとなしくて素直でいい娘ですね・・・。劇中にて、最初にして最後の台詞を発して、黒森峰チームの重戦車エレファントを撃破せしめましたね。


 7時になったので、一階の食堂に移動して朝食を頂きました。普段は質素に一椀一汁一菜で済ませていますので、これだけありますと豪華に見えてしまいます。丸山紗希にもお供してもらいました。「・・・食事 ・・・美味しいよ」の言葉に偽りなし、ですね。手作り風の納豆を見て、ああ茨城水戸辺りは納豆の産地だったなあ、と思い出しました。とにかく美味しくて、朝食なのに御飯を三杯もおかわりしてしまいました。


 食後には、コーヒーのサービスがありました。コーヒーが好きな私としては、とても嬉しかったですね。


 この日の行動予定には、昨日雨に降られて行けなかったコースを追加しましたので、予定より一時間ほど早めの8時に出発することにしました。玄関先で記念撮影をしたあと、おばさんや若主人に挨拶をして、「また泊まりに来ます」と感謝の言葉を述べました。


 南口の所からみた大勘荘です。地割りの広さが分かりますね。道路に出てから自転車にまたがり、まずは南西を目指しました。


 最初に、昨日雨に降られて行けなかったコースを取りました。大貫商店街の北へ進んで、1番の米屋「和泉屋米穀店」に行きました。真田の紅い六文銭の陣旗が見えました。


 カバさんチームのエルヴィンが居ました。チームのリーダーはカエサルですが、Ⅲ号突撃砲F型への搭乗時にはエルヴィンが戦車長を務めて戦車の指揮を執ります。ヨーロッパ史に通暁し、特にドイツの戦史に詳しい二年生です。本名は松本里子(まつもとさとこ)ですが、エルヴィン・ロンメル将軍に憧れてソウルネームを名乗ります。出身は茨城県つくば市、好きな花はヤグルマギク、好きな戦車はヤークトパンターです。
 パネルには黄色の布がスカーフのように懸けてありました。何かのネタを表しているのでしょうか。


 それから寿司の栗崎屋の前を通って大貫商店街に入り、6番の酒店「小沼酒店」に行きました。殆どのお店が9時もしくは10時からの開店であるそうなので、8時台にはまだ閉まっているところが殆どです。にもかかわらず、キャラクターパネルは常に外から見えるように配置してあり、巡礼のガルパンファンへの細やかな配慮が感じられます。大変有難いことですね。
 いずれにせよ、この日は早めに出てパネル巡りを再開したので、時間的にも余裕がありました。なので、自転車には乗らずに押して歩きました。天気も良いし、良い宿に泊まって美味しい食事をいただけたので気分は爽快だし、時間もたっぷりあるし、ここはブラブラと楽しんで行こう、と考えました。名付けて「ブラブラ作戦」です・・・。


 レオポンさんチームのスズキです。自動車部の三年生で、夢は「プロ戦車道チームのオーナー」になること。本名は、公式資料では出ていませんが、私自身は「鈴木亜由里」ではないかと勝手に推測しています。チームでは装填手を務め、砲手のホシノと息のあった連携プレーにて黒森峰チームの戦車数台を撃破しています。出身は静岡県駿東市小山町、好きな花はパンジー、好きな戦車はM3スチュアートです。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その15 「正しくは丸山紗希です!!」

2013年11月28日 | 大洗巡礼記

 大勘荘に戻ったのは午後5時の少し前でした。部屋に戻って当日の行動成果を記録にまとめ、それから買ったグッズの整理などをしました。夕食時間にはまだ間があったので、横になって仮眠をとりました。
 一時間ほどで目が覚めたところへ、若主人がやって来て、「お風呂が沸いておりますので、宜しければどうぞ」と声を掛けてきました。お言葉に甘えてさっそくお湯を使わせていただき、程よく暖まったところで、ちょうど午後7時の食事の時間になりました。
 一階の食堂に行くと、準備してあった食事は私の席のみでした。おばさんが御櫃と汁物を置きながら、「他の皆さんは晩は外で召し上がるみたいですよ」と言いました。大洗には、夕食も出来る食事処が多いのですか、と尋ねると、「あることはありますけどね、殆どは呑み屋ですけどね」と答えてきました。


 大勘荘は、丸山紗希が居るだけあって、箸袋もガルパン仕様になっています。大洗には多くの旅館や民宿があって、ガルパンファン向けの宿泊プランである「ガルパン応援プラン」を実施している所も少なくありませんが、食事の際に出す箸袋がガルパン仕様になっているところは少ないそうです。しかもファンの方が作られたものだと聞きました。ロビーのグッズ類といい、部屋のプレートといい、よくやりますなあ・・・。


 しかも箸袋の裏面が笑えます。丸山紗希が「大勘荘・・、泊まるとこ」と呟いております。明らかにあの名台詞「薬莢・・、捨てるとこ」のパロディだと分かります。細かいところにもユーモアが散りばめられていて楽しいです。


 この日の夕食でした。これで一人分なのか、と唸るほどのボリュームでした。私は魚や貝の類が大好きなので、焼き魚やお造りがあれば、もう幸せになってしまいます。焼き魚は、銀ダラの照り焼きでした。素晴らし過ぎます・・・。


 特に美味しくて印象に残ったのが、このハマグリの御吸い物でした。最初は、おおきなアサリだなあ、と思ったのですが、アサリにしては殻や身の形が違うように思ったので、一つ食べてみて「あっ、これはハマグリか」と分かりました。これの御吸い物って、生まれて初めていただきましたよ・・。こんなに美味しいものなのか、と感動してしまいました。


 さらに若主人が、揚げたての小エビかき揚げを差し入れて下さいました。大きな塊が二つもあって、天然海塩がさらりとまぶしてあって、御飯にのせて食べるわけですが、なんとも言えない絶妙のサクサク感と、まろやかに広がる塩味とが御飯にマッチしていました。これだけで一杯いけそうだ、と思ったのですが、その通りにひと椀平らげてしまいました。もうほんとに旨いわけですよ・・・。


 とどめは、このハマグリの陶板酒蒸しでした。汁も御飯にかけてみて下さい、との事でしたので、ハマグリや野菜を食べた後に御飯に注いでみると、なにか雑炊に近い味になっていて、箸がどんどん進みました。結局、御飯は三杯もおかわりしてしまい、自分でも驚くほどの満腹感を味わいました。
 この食事をもう一度食べたい、またいつか大勘荘に泊まろう、と本気で思いました。


 食堂からロビーに移って、しばらくソファに座ってグッズ類を眺めました。玄関に立っていた丸山紗希も、ロビーに上がってグッズ類を並べたテーブルの横に移っていました。


 グッズ類は、ほとんどがファンの方々より寄贈されたものと聞きました。自作のイラスト類、写真画像、刊行物はもちろん、戦車の模型やキャラクターのフィギュアなどもあり、限定グッズなど、初めて見るものも少なくありませんでした。こんなのが出ていたのか、と感心してしまうアイテムもありました。缶バッジにおいても、今では入手不可能なものがありました。


 戦車の模型も揃っていました。大洗女子学園戦車道チームの戦車は、八輌ちゃんと揃っていました。現時点で私が作り終えた三式中戦車チヌもありましたが、塗装色が私のと同じ中島飛行機系濃緑色であったので、安心してしまいました。ただ、キットをそのまま組んでいるようで、私が色々と苦労して試みたガルバン仕様への改造は全くなされていませんでした。


 脇には1/12スケールと思われる大きなⅣ号戦車D型の模型も置いてありました。キューポラには、ねんどろいどの西住みほがしっかりおさまって「パンツァー、フォー」のポーズを決めていました。塗装があちこちで剥げており、グッドスマイルカンパニーさんの告知にあるように、ねんどろいどの塗装膜がデリケートであることがよく分かりました。私も同じものを持っていますので、取扱いに気をつけよう、と思いました。


 有名な、黒森峰女学園チームのマウスを撃破するシーンも再現されていました。戦車の配置や塗装や仕様がごっちゃになっていますが、もともとの展示はマウスとヘッツアーと八九式中戦車甲型の三台だけだったそうです。
 ポルシェティーガーや親善試合時のピンクの塗装のM3中戦車リーは、いずれもキットをそのまま組んでいるみたいで、ガルパン仕様への改造がまったくありませんでした。そのことは他の宿泊客も指摘していて、「こことこことここを作り替えて、ここの部品は省くんですよね」などと笑っていました。


 これは、あんこうチームのⅣ号戦車がマウスを今まさに撃破せんとするシーンですね。戦車って、こんな急勾配でもずり落ちないもんなんですかね。フラッグが優勝旗に替わっているのは、ジョークなんでしょうね。


 大勘荘の施設の一つ、南側の納屋兼倉庫の建物も戦車つきでリアルに再現されていました。良く見たら、大部分は紙で作られているんですね。再現度の凄さにびっくりしました。しかも「丸山荘」になってますよ・・・。
 確かにこの宿は、ガルパンファンのうちでは「丸山荘」と呼ばれて親しまれていますが、おばさんや若主人は、どうやら内心では困っておられるようです。若主人は「まあそう呼ばれるのも仕方ないかな」とボヤキ半分に言ってましたし、おばさんも「以前の一時期には「丸山荘」って呼ぶな、とあちこちに苦情を申し入れたんですよ」と話していました。
 それは当然だろうな、と私も思いました。「大勘荘」という名前は、その宿の正式な屋号であるので、これを「丸山荘」と呼ぶこと自体はあまり良いことではないと思うのです。

 実は私は、自身が奈良の古い民家や集落や商家の歴史的価値などを勉強した経緯があるため、大勘荘の敷地の広さと施設の有りようを見て、相当に古い歴史を持った旅館だろう、と感じておりました。ただの旅館ではなく、もとは網元とかをやっておられたのでは、と思いまして、そのことをおばさんに尋ねてみたのです。「大勘荘、というのは元は漁船か何かに因む屋号でしょうか」と。
 すると、おばさんは上機嫌になって、「そういう質問をされたガルパンファンのお客さんは、あなたが初めてですよ」と言いました。そして「漁船じゃないんですよ」と続けました。私が「昔の海岸線が、お宅の南口のすぐ近くまでのところにあったと伺いましたので、網元さんだったのかなと思いましたが」と返すと、「網元をやろうとした時期もあったらしいですけどね、もとは魚の加工業をやってたのよ。幕末だったか明治だったかの頃にね、鉾田あたりからやって来た大竹勘四郎という人が、ここで魚の干物を作ったりの加工業を始めたのがうちの始まりなの。その名前に因んで屋号を大勘荘としたんですよ」と教えてくれました。
 それを聞いて、やっぱり「大勘荘」の称は由緒ある歴史的な屋号だったんだ、と納得しました。おばさんや若主人が、その屋号に愛着と誇りとを抱いておられることを、ひしひしと感じました。

 「大洗町史」では、明治の頃までに鰯などの加工業が興されて盛んになった、とあります。それ以前に漁港の整備や廻船業の発展もあって、近世から近代までの大洗が漁業を中心に栄えた経緯が知られます。海水浴場を軸とする観光業への拡大は昭和の頃からだそうなので、それまでは漁業や魚加工業などが基幹産業であったことが分かります。当時の業者の目録などを見ると、村の有力者の多くが鰯加工業を営んでおり、地名に発する苗字と思われる大貫の他、大竹の姓も幾つか見られます。「大勘荘」の創業者となった大竹勘四郎もその一人だったのでしょう。
 いま、南側にある建物が納屋兼倉庫であり、その北の建物が冷凍庫だったというのも、もとが魚加工業であったことをよく物語っています。いま駐車場になっている広い敷地も、かつては干物などを作るために必要な空間であったと分かります。水戸藩や守山藩の治世下では、海防上の必要から海岸線の利用を限定的に定めていたとされますので、大勘荘の創業が幕藩体制の崩壊後の時期にあったことが、かつての海岸線に接する地割の様子からも偲ばれます。


 おばさんと色々話しているところへ、他の宿泊客が帰ってきました。昼間に部屋プレートを撮り合った方と、その奥さんでした。再び、ガルパンの話題で盛り上がりました。
 しばらくして、もう一組の宿泊客がチェックインしてきました。この二人もガルパンファンだったので、成り行きでロビーに宿泊客全員が揃って会話が弾みました。初対面の方とも気さくに話し合って楽しく過ごせる、というのもガルパンファンならばですね・・・。


 これはイラストレーターの瀬之本久史さんの直筆画です。熊本で活躍しておられる方で、ゲーム等の画像などの原案を手掛けていることで知られています。この方も大勘荘に泊まられたんですね。左がアヒルさんチームの四人、右がウサギさんチームの六人ですが、右の中心がしっかり丸山紗希になっているところが細かいですね。


 こちらは、ガールズ&パンツァーの製作スタッフの方々の直筆画です。左がキャラクター原案協力の野上武志さんの画で、アヒルさんチームの佐々木あけびを描いてあります。以前に行なわれたガルパンファンのバーベキューイベントに寄せて描かれたものだということです。右の画は五十鈴華で、「鈴木氏」はおそらくスーパーバイザーの鈴木貴昭さんでしょうね。どちらも絵が上手で素晴らしいです。


 ガルパントークも一段落して、落ち着いたところで、丸山紗希との記念撮影にのぞみました。夜は冷え込んできたので、私もガルパンジャージを着こんでいました。他の宿泊客に「そのジャージ、今でも買えるんですか?」と聞かれたので、「今でもムービックの通販サイトで買えますよ」と答えましたら、大喜びしていました。


 若主人から、大勘荘のガルパンキャラクター名刺を頂きました。三枚も差し出してくるので「一枚で充分ですよ」と言いましたら、「いや、これは三種類あるんですよ」と返されました。
 えっ、と改めて見ると、上画像の真ん中と右の二枚は、丸山紗希のポーズが違うんですね。そして左のは「丸山紗希」の「紗」が誤って「沙」になっているわけです。「この字が間違ってるやつは、ここにある分で御終いになりますんで、レア物なんだろうから、これも持っていって下さい」と言って下さいました。
 思わぬ幸運、と言うべきでしょうか。大勘荘のキャラ名刺を三種類も頂きました。誤字になってる名刺に関しては、「正しくは丸山紗希です・・・」とか言って、楽しく笑いのネタに出来そうですね。 (続く)
コメント (2)
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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その14 「アウトレットです!!」

2013年11月27日 | 大洗巡礼記

 雨があがったので、再び自転車にまたがってアウトレットへ向かいました。大勘荘の前の道を東に進んで、次の交差点で右折すると、県道2号線との交差点に出ました。交差点の南東側に、マリンタワーが聳えていました。このマリンタワーには、翌日の午前中に登ることに決めました。


 アウトレットのウォーターパビリオンから、イベント広場越しにマリンタワーを見ました。劇中では、第4話にて同じようなアングルからの景色が出ていましたね。


 タワーの最上階の展望室には、あんこうチームの五人のパネルが二セット飾られており、そのうちの一セットは外側から見えるように立てられています。その姿を、カメラの望遠モードで捉えてみました。


 アウトレットの南東に隣接する大洗埠頭には、商船三井フェリーの「さんふらわあ さっぽろ」が夕方の出航を控えて接岸中でした。全長192メートル、排水量1万3654トンの大型貨客船で、大洗と北海道の苫小牧を結んでいます。大洗を18時30分に出て、苫小牧には翌日の13時30分に着きます。ほぼ同時刻に、向こうからの便が出て、翌日の14時に大洗に着くので、14時から18時30分までの間は、アウトレットから「さんふらわあ」の大きな姿を見る事が出来るわけです。


 アウトレットは、正式には「大洗リゾートアウトレット」といいます。公式HPはこちら。場内案内図はこちら。合計6のゾーンから成っていて、主力専門店や飲食店が並ぶ辺りは「ウォーター・ガーデン」と呼ばれます。建物の中央に空間を挟むモールのような形式になっています。


 「マーケット・ガーデン」の方角表示板です。第二次大戦中のヨーロッパ戦線における連合軍の有名な作戦の名前と同じなので、映画「遠すぎた橋」を知っている方ならニヤリとしてしまいますね・・・。劇中でも、この案内表示板が登場していて、その下部が「遠すぎた橋」のワンシーンになっていましたね。


 「ウォーター・ガーデン」と「パームコート」との間にあるフードショップ「きらきらクレープ」です。建物の裏が戦車の形になっていることで知られ、ガルパンファン向けには「干し芋クレープ」や「戦車クレープ」などを販売しています。劇中でも登場していましたね。


 「パームコート」から広場をはさんで「ファウンテンコート」のエリアを見ました。劇中では、この広場で五十鈴家の奉公人である新三郎、五十鈴華の母の百合が初登場していますね。新三郎が人力車を引いてくるわけですが、その来た方角には、実際には建物があります。

 この「ファウンテンコート」にコインロッカーがあるという情報を得ていたので、確認しようと回ってみたのですが見当たりませんでした。二階の専門店の一つ「ウッドストック」で尋ねたところ、例の震災の津波による被害で流されてしまい、それ以後は設置していないとの事でした。
 実は、今回の大洗行きに際して、手荷物などをどうしようかと散々考えまして、最低限必要なものに絞ってザック一つにまとめたのですが、大洗では土産物やグッズを買うのでそれなりの荷物が出来あがると予想していたのです。その場合は、どこかのコインロッカーにいったん預けておくという方法も考えたのですが、どうも大洗町内にそういうコインロッカーが無いらしい、ということを知りました。大洗駅には昔はコインロッカーがあったけれども、現在は無いのです。だから、多くの聖地巡礼のガルパンファンが手荷物の扱いに四苦八苦されていることもネット上の各レポートなどで知りました。
 それで私は、なんとかして荷物を一つにまとめ、土産物もグッズもある程度まではザックに入るようにしていたので、今回は手ぶらのままで気楽に動き回れました。レンタサイクルも楽に乗れました。ですが、次回以降にもし荷物が増えた場合、どこかに一時預けられる所があるといいな、と思っていたのです。しかし、ここ大洗リゾートアウトレットにもコインロッカーが無い事が分かりましたので、次回以降も荷物は必要最低限にとどめておかなければならないと悟りました。


 広場から「パームコート」の方を振り返りました。劇中では、だいたいこの角度であんこうチームの五人が登場していましたね。そして新三郎が五十鈴華を見つけて近寄ってくるわけですね。武部沙織の勘違いぶりが面白かったですね。


 引き返して東端の施設「マーケット・ガーデン」に行きました。一般的には「大洗まいわい市場」の名で知られ、劇中でもあんこうチームの登場スポットになったほか、DVD第4巻収録のOVA「アンコウ・ウォー!」の舞台の一つに選ばれてその前の駐車場で大洗女子学園戦車道チームの全員が「あんこう踊り」を披露していましたね。


 店内の片隅に、角谷杏が居ました。「丸五水産」で見たのと同じポーズでした。近くの陳列棚に干し芋が並べられているので、その宣伝も担っているのでしょう。干し芋って、普通のおやつとしてどこでも売ってるのかと思っていたんですが、市場の係員さんに聞いてみたところ、実際には生産元も販売店も限られているとのお話でした。わりと高級品だったんですね。
 一角のガルパングッズコーナーも見ましたが、欲しいものは以前に通販で購入しているので、あとは新発売のTシャツ類ぐらいしかありませんでした。でも寒くなる時期なので、Tシャツよりはパーカーとかジャンパーなどのガルパン仕様が欲しいな、と思いました。


 外に出ると、急に寒くなっていました。そういえば天気予報でも、寒波が南下してくるので明朝は冷え込むだろうと報じていました。その代わり、翌日は快晴との予報を裏付けるかのように、空は青く晴れつつあり、マリンタワーも夕焼けにほんのりと染まっていました。寒さがきつくなってきたので、大勘荘に引き揚げました。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その13 「泊まる宿です!!」

2013年11月26日 | 大洗巡礼記

 「丸五水産」を出て後、商店街のルートを引き返して永町商店街まで戻りました。予定では大貫商店街のキャラクターパネルを回る積りでしたが、どうも天気が不安定になってきました。少しの間、パラパラッと降ってきたので、これはまずいな、と思いました。


 どうしようかと思案しながら走っていて、ふと「魚忠」の建物を見た途端に、その前にあるガルパン自販機に気付きました。あっ、ここにもあったのか、と驚いて自転車を停め、撮影しました。アリクイさんチームの三式中戦車チヌですね。これはガルパン戦車模型キットの第一号として作ったので、親しみがあります。
 撮影後に、またパラパラッと雨が降ってきたので、予定を変更して、この日の宿泊先へ向かうことにしました。


 今回泊まった宿は、大勘荘という、ガルパンファンのなかでは超有名な民宿でした。全速力で走って来たのでさほどに濡れませんでしたが、玄関先にたどり着いた途端に、ザアッと降り出しました。間一髪セーフ、でした。


 この民宿の「看板娘」となっている、ウサギさんチームの丸山紗希が玄関のガラス戸越しに見えました。おとなしく、聞き上手で、いつも物思いにふけっている一年生です。チームでは装填手を務めますが、搭乗するM3中戦車リーは主砲と副砲とがあり、彼女の位置は副砲の側なので、副砲の装填手のようです。出身は茨城県大洗町、好きな花は梅、好きな戦車はM36です。


 おばさんと若主人に迎えられ、挨拶をして、雨に降られたので予定より早く来た事を詫びました。ロビーにある沢山のグッズ類に驚きつつも、階段を上って、二階の南向きの部屋に案内されました。


 部屋の名前は、なんと「さきのへや」でした。丸山紗希の居る宿に泊まって、丸山紗希の部屋に入る。ガルパンファンとしてこれ以上の素晴らしい時間はありませんね。いやー、もう最高です。これも有賀神社のお導きかもしれません。
 おばさんの話では、この「さきの部屋」は一人客に割り当てていることが多いそうです。他の部屋はみんな広いのだそうです。このプレート可愛いですね、と言いましたら、ファンの方が作ってくれたものなんですよ、他の部屋にもみんな付けてありますよ、との返事でした。


 宿泊特典グッズを頂きました。丸山紗希のポストカード、コースターは丸山紗希と澤梓の二枚、缶バッジは丸山紗希とウサギさんチームの二種です。部屋のプレートおよび、机の上の丸山紗希と共に撮影させていただきました。


 荷物を整理してまとめ、着替えて少し落ち着いた後、他の部屋にかけてあるプレートを見に行きました。隣の部屋は「ゆうきのへや」でした。宇津木優季ですね。


 さらに隣の部屋は「まこのへや」でした。「GIRLS und PANZERタペストリーE・冷泉麻子デザイン」も懸けてありました。部屋プレートの図柄が、タペストリーのそれを模していることが分かりました。


 階段エリアの壁には大きなタペストリーが掛けられてあります。Ⅳ号戦車D型(H型仕様)に乗るあんこうチームの図です。普通の部屋だと大きすぎるのですが、旅館内の広い壁にはぴったりのサイズです。気が付くと、他の宿泊客も同じように撮影していたので、挨拶を交わしました。お互い、ガルパンファンだと分かっているので、初対面でも他人のような気がしませんでした。実際にこの方とはその後、色々と話して盛り上がりました。


 続いて角谷杏デザインの「会長室」です。中はどうなっているんでしょうかね。


 「かりなのへや」です。阪口桂利奈ですね。「あいー」の声が聞こえてきそうです。


 「あやのへや」です。大野あやですね。先ほど挨拶を交わした宿泊客の方の部屋でした。私の部屋が「さきのへや」なんですよ、と話したら、「それはいいですねえ、ちょっと撮らせて貰えませんか」と答えて撮影しに行っていました。私と同じように全ての部屋のプレートを見て撮っているようで、ガルパンファンの考えることはみんな同じだなあ、と納得してしまいました。


 「あゆみのへや」です。山郷あゆみですね。どうやらウサギさんチームは、全員がプレート化されているようだ、と思いました。


 「あずさのへや」です。思った通り、澤梓もいましたから、ウサギさんチームは全員が揃っていますね。


 一階に降りると部屋は二つありました。まずは「ゆずのへや」です。小山柚子ですね。角谷杏も居ましたから、生徒会の三人もプレート化されているな、と気付きました。


 その隣が「もものへや」でした。河嶋桃ですね。これで全部の部屋のプレートを見たことになりますが、ウサギさんチームの六人全員と、カメさんチームの三人全員、そして冷泉麻子、という顔ぶれでした。なんで冷泉麻子だけが単独でエントリーされてるんだろう、と思いました。 


 部屋に戻って、お茶を飲みながら机の上の丸山紗希と過ごしました。「・・・食事・・・美味しいよ」と言っております。おお、そうですか、有名な大勘荘のお食事はとても美味しいですか、楽しみですなあ・・・。


 そこへ冷泉麻子がやってきて、「わたしはもう寝るぞ・・・」と、のたまいました。ちょっとちょっと、まだ3時過ぎじゃありませんか、と突っ込んでおきました。


 さらに宇津木優季がやってきて、「あとで一緒にアウトレット行きませんか?」と誘ってきました。そうですなあ、アウトレットはまだ見てないから行かないといけないのですが、しかし雨が降ってますからねえ、と返しておきました。


 ところが、部屋の戸を開けて廊下越しに外を見たら、あれだけザアザア降っていた雨が、いつの間にか止んでおりました。


 大洗町のシンボルであるマリンタワーも見えました。大勘荘からは徒歩で数分もかかりません。まだ3時半だったので時間は充分にありました。よし、宇津木優季のおすすめに従ってアウトレットへ行こう、と考えました。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その12 「○五式軽鮮車です!!」

2013年11月25日 | 大洗巡礼記

 大洗磯前神社および神磯の鳥居への参拝を済ませた後は、54番の大洗シーサイドホテルに行きました。大洗女子学園制服姿の西住みほがガラス越しに見えました。近くにガルパン自販機もあったらしいのですが、急いでいたので見落としてしまいました。


 続いて53番の食事処兼旅館「いそや」へ移動しました。大洗磯前神社の二の鳥居の横、という大変分かり易い場所にあります。この旅館にもガルバン応援プランがありますので、機会があったら泊まってみたいですね。


 玄関先には、澤梓のパネルと、西住みほのパネルとが並べてあります。大洗女子学園戦車道チームの現隊長と次期副隊長候補、という組み合わせでしょうか。


 澤梓は、ウサギさんチームのリーダーで、戦車長も務めます。面倒見がよく、慎重な性格の一年生です。出身は茨城県ひたちなか市、好きな花は白いかすみ草、好きな戦車はコメットです。初陣では相手チームの砲撃に怯えて逃げ出した素人でしたが、全国大会の決勝戦では単独での作戦を任されて黒森峰チームの重戦車二台を撃破するという大戦果を挙げるまでに成長しました。河嶋桃のあとを受けて、次の副隊長になるものと予想されています。たぶん、そうなるでしょうね。


 「いそや」にはガルパンファン向けの無料休憩室があります。入口横には「いそや」が保有する一台の緑色のガルパン仕様レンタサイクルが置いてありますが、写真を撮り忘れました。室内に展示される澤のポスター類やガルパングッズは、質も量も他をはるかに凌いでいると思います。ほとんどがファンの方々から寄せられたものと聞きました。


 展示品の多くは澤やウサギさんチーム関係のものが多いです。よくこんなに集まるなあ、と感心してしまうほどの量で、初めて見るアイテムも少なくなかったです。限定グッズも幾つかあるようで、例えば缶バッジにしても、今では入手不可能なものがあります。


 劇中のワンシーンを再現した戦車模型も展示されていました。第4話の聖グロリアーナ女学院との親善試合で、アヒルさんチームの八九式中戦車甲型が、立体駐車場のカラクリを利用して相手のマチルダⅡの背後へ砲撃を浴びせるシーンですね。こういうのを作るモデラーさんは凄いですね。
 このシーンに出ている立体駐車場とエレベーターって、実際の大洗町のどこかにモデルとなったものがあるんでしょうかね?


 無料休憩室から旅館窓口に移動してガルパングッズ販売コーナーでグッズを買いました。その際に名刺を頂きました。お店の方の話によりますと、澤梓のキャラクター名刺はこれで二代目で、初代の名刺はピンク色の横型だったそうです。それで無料休憩室の展示を再度探してみたら、初代の名刺も飾ってありました。


 「いそや」を出て、県道173号線を北へ進みました。海岸沿いの松並木の中を抜けるコースで、最初はやや登り道ですが、その後は快適に走れました。 


 松林は、西側の丘陵に広がっていますが、こういった規模の松林を見た機会は、私の記憶では鳥取県の美保ノ松原、京都府の天橋立ぐらいです。近畿地方では、こういった松林は松くい虫の被害にあって全滅または減少しているため、丹後や紀州の海岸部でも広い松林をほとんど見かけないのです。京都、奈良の緑地エリアでも松そのものが少なくなっているので、古社寺の境内地でも松の群生というのがあまり残っていません。
 なので、大洗の広い松原を見て本当に感動しました。こういう景色も、大洗の見どころの一つだと思います。


 松並木を抜けると右手には鹿島灘が広がります。荒磯に打ち寄せる波が飛沫を上げていました。この辺りから車道脇に自転車道があって、そちらに移って海岸を見ながら走りました。


 目的地までは距離があると聞いていましたが、実際にはかなり遠く感じられました。少し疲れてきたので、大洗公園の駐車場脇のベンチで一休みしました。そのうちに、どこかで見たようなベンチと風景だな、と気付きまして、DVD第4巻収録のOVA「アンコウ・ウォー!」の舞台のひとつだと思い出しました。このベンチの前で、あんこうチームの五人が踊っていたのですよ・・・。


 大洗磯前神社前から走ること10分ぐらいで、アクアワールド茨城県大洗水族館に着きました。劇中では、五十鈴華の生け花の展示場として登場した施設です。母、五十鈴百合との和解のシーンもありましたね。


 水族館の前庭にある「出逢いの鐘」です。これもDVD第4巻収録のOVA「アンコウ・ウォー!」の舞台のひとつで、この前でアヒルさんチームの四人が踊っていましたね。実際にはカップルや子供連れに人気があるようで、それぞれに鐘を鳴らしていました。


 ちょっとお腹が空いてきたので、水族館横のベンチにておやつを食べました。「かじま」で買ってきた「ずわいがにたっぷりコロッケ」と「えびまるごとエビカツ」、「新屋酒店」で買ってきた茨城サイダーぶどう味です。コロッケは、外見では見わけがつきませんでしたので、片方を一口かじってみて、それが「ずわいがにたっぷりコロッケ」であると分かりました。どちらも大変美味しかったです。


 水族館からは、祝町の丘陵が見えました。あの上に、幕末に水戸藩が築いた砲台の遺跡があります。上画像の芝生の斜面を登って、右に並行移動しました。 


 細長い丘陵地のほぼ中央部に、遺跡の案内板が立っていました。「江口又新堂」で資料をいただいた、「祝町向洲台場跡」の概要が書かれてあります。左の概念図は台場全体の形状を示していますが、現存の遺構はその半分以下であるようです。
 天保十一年(1840)に建設が意図されたものの、実際に築造が始まったのは23年後の文久三年(1863)であったそうです。しかも、本来は異国船などに対する備えとして構築されたのですが、実際に砲台の大砲が発射されたのは、「天狗党の乱」と呼ばれる水戸藩内外の尊王攘夷派による一連の騒乱においてでした。


 案内板の立つ一帯が台場跡なのですが、松林の下に下草の繁茂が広がって地表面がほとんど見えず、足で地面を確かめながら進みました。土塁のような高まりと、内側に大きく窪む部分とを二回ほど確認しましたが、その全容を目で見渡すには、もう少し草が枯れて無くなった時期を待たねばなりませんね・・・。


 「祝町向洲台場跡」の見学を20分ほどで終え、来た道を引き返しました。鹿島灘を左に見ながら走りました。


 大洗磯前神社境内地の近くに通じる、広い松原の中の道を登ってみましたが、次の交差点で左折すると、そのまま大洗磯前神社の二の鳥居の前に戻っていきました。


 大洗鳥居下の信号交差点を過ぎて、東町商店街を逆に進んでいくと、来た時には閉まっていた49番の鮮魚店「丸五水産」のシャッターが上げられているのが見えました。


 大洗女子学園の生徒会長を務める角谷杏が居ました。小柄ですが、風格は大物のそれで常に悠然と構え、いつも干し芋を食べています。優秀であるだけでなく、常に仲間たちを思いやる懐の深さも持ち合わせています。生徒会長ですが、命令口調やタメ口で接するのは同じ生徒会の小山柚子と河嶋桃に対してのみ。他の生徒には柔らかい言葉で話しかけているあたりは、さすがというべきです。カメさんチームのリーダーでもあり、劇中の3、4話では戦車長のみでしたが、9話では砲手も兼ねて見事な活躍をみせています。三年生で、出身は茨城県水戸市、好きな花はひまわり、好きな戦車はT28です。


 人気のあるキャラクターだけに、店内の展示コーナーも大変充実しています。店の主人が「ゆっくり休んでいって下さい」と熱いお茶を入れて下さいましたので、御礼を言ってそれからしばらく話をしました。主人は話し好きで、ガルパンの大ファンでもあるそうです。干し芋を売っていると聞いたので、「干し芋はありますか」と尋ねましたが、「ごめん、あれは冬季のみで今はまだ入れてないんだよ」と言われました。それでは煎餅の方を下さい、と言ってそれを買いました。


 これがその煎餅なんですが、商品名は「○五式戦兵」となっていて笑えます。主人のユーモアとノリノリ感が見事に炸裂しております。旧日本陸軍の戦車の型式名みたいなネーミングと、煎餅を「戦兵」と換記するセンスがポイント高いです。しかも缶バッジまでオリジナルデザインが決まっています。
 「うまい名前を考えましたねえ」と感心しながら言うと、「まだあるぞ、店の車だってちゃんと名前を考えたんだよ」と言って外に停めてある軽トラを指さしました。


 これがその軽トラです。大洗女子学園の校章、あんこうチームのマーク、生徒会三人衆のステッカー、角谷杏のドリンクホルダー仕様ステッカーなどが貼ってあります。色々貼ってあって楽しいですね、と述べたら、「ここを見てくれよ」とエンブレムの横を指さしてきました。 


 よく見ましたら、「○五式軽鮮車」と書いてありました。旧陸軍の九五式軽戦車にひっかけたネーミングだと分かりました。丸五水産の車だから「○五式」、鮮魚店の軽トラだから「軽鮮車」というわけですね。うまく考えたもんだなあ、と再び感心してしまいました。
 こういう方がいらっしゃるからこその、大洗町のガルパンブーム、ガルパン聖地巡礼の楽しさ、というものがあるわけですね。本当に楽しいところですよ・・・。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その11 「大洗磯前神社です!!」

2013年11月24日 | 大洗巡礼記

 大洗磯前神社の一の鳥居を、改めて見上げました。平安期からの歴史を有して延喜式神名帳に明神大社の格で列せられた古社にふさわしい規模と風格をみせています。奈良にも古い神社が沢山あるんですが、鳥居が大きいのは、三輪明神こと大神神社ぐらいなんですね。


 神社境内へ登る車道から一の鳥居を振り返りました。劇中では、このコースを大洗女子学園チームの戦車三台が通り抜けて、信号交差点を左折してマリンタワーの方向へ向かっていきましたね。


 神社境内へ登る車道を下から見ました。聖グロリアーナ女学院戦車部隊の挟撃を脱して市街地へ向かう、Ⅳ号戦車D型、Ⅲ号突撃砲F型、八九式中戦車甲型らの勇姿がリアルに思い出されます。劇中では、この道路の奥が山地エリアということになっていたわけですね。


 車道を上まで登ってから振り返ってみました。この景色も劇中のワンシーンを思い出させて楽しいですね。五台のうちの二台を戦列外に失って、いったん戦場を離脱して市街戦での形勢挽回にかける西住みほの心意気が、山地から疾走してこの道を駆け下りてゆく戦車たちの姿を通して伝わってきますね。


 大洗磯前神社のような古社には幾つかの摂社および末社があります。この与利幾神社もその一つで、通りかかった参拝の方に「どのような謂れがあるのですか」と尋ねると、「本社さん(大洗磯前神社のこと)よりこっちが古いという話もあるらしい、本社さんがここに来られたときにまずここに立ち寄って休んでいった、という言い伝えがあるよ」と教えてくれました。
 いわゆる神体の仮遷座地の類がルーツなのかもしれませんが、その場合は、神様が「寄り行く」地点であったという認識が、そのまま「与利幾」の社名の由来になっている可能性が考えられます。


 大洗磯前神社の境内地に入りました。車道から駐車場への車の進入は規制されていたのですが、私はレンタサイクルだったので、警備の方に「参道の方には停めないで下さい」との条件付きで、進入を許可していただきました。自転車は海洋博物館の脇に停めておいて、随神門の前に進みました。江戸期の再建になる建物で、大洗町の指定文化財になっています。
 既に有賀神社御神体の還行は終了したようで、境内地の雰囲気には神事後の安堵感が感じられました。


 大洗磯前神社の拝殿です。この奥に本殿がありますが、建物が神仏混淆時代の仏殿形式に準じて空間を密封する形になっているため、柱間の板戸などに遮られて奥が見えないようになっています。有賀祭の虫きり参拝の方はまだ続いていて、拝殿内からは朗々たる祝詞が聞こえ、ときおり神太鼓の音が響いていました。


 まだ有賀祭の最中であったので、あまり境内地を歩き回るのは控えることにし、拝殿左右の絵馬掛台のうちの片方だけを見るにとどめておきました。次々と訪れる子供連れの参拝客たちも、絵馬には目もくれず真っ直ぐ拝殿前へ進んでいくのでした。
 この絵馬掛台は、殆ど「あんこう踊り」のOVAともいえる、DVD第4巻収録のOVA「アンコウ・ウォー!」の舞台のひとつで、カモさんチームの三人がその前で踊っていますね。


 沢山の絵馬がありますが、ほとんどがガルパンファンからの奉納でした。一般の参詣客の絵馬が殆ど見当たりませんでしたので、平安期以来の由緒ある古社の絵馬類としてはかなり違和感がありました。社務所の方で由緒書を頂いた際に尋ねてみたところ、「以前は絵馬の数はもっと少なかったんですよ。ガルパンのブームが来てからいっぺんに増えましてね」というお話でした。 


 境内の一角、随神門に向かって左側には、軍艦那珂忠魂碑がありました。旧日本海軍の軽巡洋艦川内型の2番艦で、四本の煙突とダブル・カーブド型の艦首形状が外見上の大きな特徴として知られます。大洗町の北を流れる那珂川にちなんで命名されたことにより、ゆかりの川の近くに忠魂碑が建てられたのでしょう。


 随神門から南東に参道の石段が伸び、その先には二の鳥居を経て鹿島灘が望まれます。こういう景色も、奈良の神社にはありませんね。初期の祭祀が海神へのそれであったことをよくうかがわせてくれます。


 大洗鳥居下信号交差点から北を見ると、県道2号線の上に架かる赤い鉄橋が見えます。西側の東光台住宅地から神社境内地へ通じる連絡橋で、大洗鳥居下信号交差点から斜めに境内地へ登って行く車道をぐるりと左に回って行くと着きます。


 赤い鉄橋に着きました。ここもDVD第4巻収録のOVA「アンコウ・ウォー!」の舞台のひとつで、カバさんチームの歴女四人が踊っていましたね。
 OVA「アンコウ・ウォー!」は、ガルパンのキャラクター達が大洗の各所でひたすら「あんこう踊り」をやるというシュールな内容なのですが、見方を変えると、大洗観光のPVとしても立派に通用すると思います。TVシリーズの劇中では、大洗の市街地だけが登場していますが、それだけですと大洗町の色んな風景や魅力というのが分かりにくいんですね。そこのところをOVA「アンコウ・ウォー!」が立派に補完してくれた、という感があります。


 赤い鉄橋から、鹿島灘の方角を見ました。左にのぞいている高い建物は、大洗ホテルです。


 境内地から参道石段を下りて、鹿島灘に面する二の鳥居を見上げました。鹿島灘を航行する船舶からも見えるように、ということで大きく立派に造ってあるのだと聞きました。海から拝む、という形をとっている点にも、古くからの海神信仰の名残りがうかがえます。


 二の鳥居から県道173号線を渡って、細い路地に入りました。この路地道が、神磯の鳥居への順路になっています。


 鹿島灘に面する堤防から、磯浜越しに神磯の鳥居を見ました。鳥居の建っている岩が、祭神御降臨の地と伝わっていて「神磯」と呼ばれます。神様が海からやって来られた、磯にお下りになられた、という状況を最もよく伝えている場所です。


 神磯の鳥居を、カメラの望遠モードで撮影しました。鳥居のある岩までは歩いて行けるらしいのですが、この日は潮も満ちてきているようで、波も荒くて鳥居周辺に飛沫が絶えなかったので、鳥居まで行くのは止めにしました。干潮時の穏やかな晴天の時に、機会があれば「神磯」にお参りしてみたいと思います。


 神磯の鳥居付近の海岸の景色です。この日は次第に空が曇ってきていたので、あまり明るい感じには撮れませんでしたが、春日の神が鹿の背中に乗って鹿島灘の磯辺を天駈けていった、とする奈良春日大社の創祀譚がリアルにイメージ出来る景色ではありました。
 この海岸から、はるばる大和の国へ御移りなさったのか、と思い、奈良の方角にそっと拝礼しました。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その10 「アルバイトの冷泉麻子です!!」

2013年11月23日 | 大洗巡礼記

 「ウスヤ肉店」を出て、東町商店街をさらに東へ進みました。歴史を感じさせる古い建物が所々にあり、那珂湊への街道筋であったという名残を色濃く漂わせていました。こういった景観が町の各所に見られる点も、大洗町の特色の一つですね。


 50番の「新屋酒店」に着きました。さきに串カツを食べたので喉が渇きました。私の「ゴクゴク作戦」は継続中であり、このお店でも茨城サイダーを買うことに決めていました。


 玄関先には、ウサギさんチームの山郷あゆみが居ました。ボーイッシュでさっぱりとした性格の一年生で、チームでは主砲砲手を務めます。出身は茨城県小美玉市で、小美玉市にある茨城空港のイメージキャラクターにもなっています。好きな花はマーガレット、好きな戦車はヤークトティーガーです。


 店内には山郷あゆみのコーナーもあり、ファンから寄せられたイラストや写真が展示されています。茨城サイダーも並んでいて、はじめはメロン味にしようかと迷ったのですが、ぶどう味が美味しかったのでもう一度飲みたくなり、二本目を買いました。上画像に、購入した茨城サイダーぶどう味と、支払い時に頂いた名刺もいれてあります。


 これでガルパンキャラ名刺は七枚目になりました。お店の方と色々お話して、きちんと買い物もして、お互いに感謝しながら「有難う」の言葉とともに頂く名刺ですので、一枚一枚に色んな感慨がこもっています。大洗の思い出の品としてはこれが最高じゃないかな、と思うのです。


 続いて45番の食料品店「さかげん」に行きました。酒や煙草も扱っているので、町の雑貨屋さんといった雰囲気があります。店先にベンチが置いてあるのが嬉しいです。商店街を歩いて回った場合、ここまで来るのに相当の距離を移動しますから、大洗磯前神社エリアへの途中の休憩ポイントとしては最適と言えましょう。


 店先には、プラウダ高校チーム隊長のカチューシャが居ました。三年生で、別名は「地吹雪のカチューシャ」。背の低さを気にしているが、発言はいつも上から目線で「小さな暴君」そのものです。 日課はぶら下がり健康器だそうですが、少なくとも劇中ではそのシーンを見たことがありません。好きな花はカモミール、好きな戦車はKV-2です。ノンナに肩車で乗っているシーンが多いので、単独で立っている姿が新鮮に見えてしまいました。


 ここのお店にもガルパングッズの展示コーナーがあります。上に掛けてあるプラウダデザインの赤いTシャツは初めて見ましたよ。ファンの方の手作りなのでしょうか。カッコイイので、販売しているならば買っちゃうかもしれません。


 ロシアの民族衣装に身を包んだカチューシャとノンナの図です。ガルパン交流板でも良く見かける絵なのですが、これを見て初めてカチューシャが女の子だと分かる方も多いそうです。私も実はそうだったんですよ。劇中では、どこからどうみても生意気なくそガキにしか見えませんでしたからね・・・。


 で、このお店ではお菓子二品を買いました。これから色々回るので、どこかで休憩の際に軽く食べようと考えたのです。精算時に上画像の名刺をいただきました。これを見て、お店が正式には酒店であることを知りました。


 続いて近くの46番の干物屋「森寅」へ行きました。私は肉より魚、刺身より干物、っていうぐらい干物が好物なので、ここの干物も買っていこうかと随分悩みました。でも荷物になるので、諦めました。次に来るときは、こういうお土産を色々買って、かつ荷物にならないように工夫するということを考えなきゃいけないな、と思いました。
 店先には、プラウダ高校チーム副隊長のノンナが居ました。三年生で、別名は「ブリザードのノンナ」。劇中ではカチューシャの世話役みたいなポジションで、いつも一緒に居ますが、実際のパネルもカチューシャの近くにあります。砲術の腕に優れ、雪中の試合で大洗女子学園チームの数台を撃破しています。好きな花はひまわり、好きな戦車はSU-100です。


 「森寅」から東を見ると、大洗磯前神社の一の鳥居が見えました。昭和38年12月に竣工したものですが、それにしては真新しく見えます。近年に化粧直しでも行われたのでしょうか。鉄筋コンクリート造りで、高さは15.60m、笠木の長さは22.42m、額装の大きさは3坪もあるそうです。


 一の鳥居が建つ大洗鳥居下信号交差点から南には、劇中の第4話で大洗女子学園チームの戦車三台が市街戦に移るべく疾走していったシーンそのままの景色があります。道路中央の分離帯をアヒルさんチームの八九式中戦車甲型が乗り越えたりしていましたね・・・。


 道路の東には、51番の「大洗ホテル」があります。大洗町を代表するホテルで、昭和49年の茨城国体の際に昭和天皇が宿泊されたところです。劇中では、このホテルの屋上から、一の鳥居をくぐり抜ける大洗女子学園チームの戦車三台を、人々が手を振って応援するシーンがあります。


 大洗ホテルの売店に行きました。ガルパングッズのコーナーがあると聞いていたので、何か一つ買おうと考えたのでした。有名なのは「来賓用スリッパ」だそうですが、私の家に置いても「来賓」などあるわけがないので、これは対象外としました。


 あんこうチームの冷泉麻子が居ました。成績学年トップの二年生で、小学校の頃から成績は学年トップから落ちたことがありません。ずば抜けた記憶力を誇り、戦車の操縦マニュアルを一度読んだだけで覚え、試合では抜群の操縦技術を示しました。低血圧で朝に弱く、245日連続遅刻記録を持ちます。趣味は読書、座右の銘は「果報は寝て待て」。出身は茨城県大洗町、好きな花はオリーブ、好きな戦車はパンターG型です。
 私の大好きなキャラクターなのですが、そのダルそうなポーズは何とかしてほしいですな。なんだかこっちまで眠くなってくるのですよ・・・。これでホテルのアルバイトをやっているのですか・・・?


 ガルパングッズの一つ、クリアファイルセットを購入し、支払い時に上画像の名刺を頂きました。本当に「アルバイト」って書いてありますね。こっちの麻子はキリッとしてますね。パネルもこの表情にしてほしかったですね。で、アルバイトとしてどんな仕事をしているんでしょうかね。売店の方に尋ねましたら、笑いながら「販売のアルバイトです」と教えてくれました。
 名刺の方は、聞くところによれば、ガルパンキャラ名刺の第一号であるそうで、最初に大洗ホテルが名刺交換のために作ったのが始まりだそうです。この名刺がガルパンファンに大ウケしたのが契機となって、他のキャラクターパネル設置店へもファンの方々が手作りの名刺を寄贈し、名刺配布のシステムを拡めていった経緯があります。この流れは今後もしばらく続くものと予想されているようです。
 これで、ガルパンキャラ名刺は九枚目になりました。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その9 「ももがーの串カツです!!」

2013年11月22日 | 大洗巡礼記

 「かじま」の次は東町商店街へ移動しました。その途中、役場と消防署の間を通って左折し、次の辻のところで喫茶店「ブロンズ」の前を過ぎました。ガルパンファンの溜まり場として知られ、店の女将さんがガルパンを楽しんで「生徒会セット」や「うさぎさんチームセット」なるメニューも出していると聞きます。入ってみたかったんですが、満腹感が続いて食事がとれそうにもないので、次回の楽しみに回すことにしました。


 続いて43番の蕎麦屋「あんばいや」を見ました。旅館も兼ねていて「ガルパン応援プラン」もあるので、蕎麦大好きな私としては、いつか泊まってみたい所です。
 玄関前には、サンダース大付属高チームのナオミが居ました。二年生で、チームではケイに次ぐNo.2の位置にあって副隊長を務めます。口数は少ないですが、砲術の腕は抜群で、シャーマンファイアフライに搭乗して大洗女子学園チームの数台を撃破しています。出身は長崎県佐世保市、好きな花は忽忘草、好きな戦車はM36ジャクソンです。


 東に進んで44番の和菓子店「森屋」を見ました。主力商品はカステラですが、ガルパンファンに人気があるのは「シベリア」です。同じものを奈良の和菓子店では「羊羹カステラ」と名付けて販売していますが、要するに、羊羹(ようかん)または小豆の餡子をカステラで挟んだものです。名前からロシアが発祥のように思われていますが、厳密には明治の頃に日本で創案されたものと聞きます。


 店先には、アヒルさんチームの河西忍が居ました。長身アタッカーの一年生で、チームでは操縦手を務めます。出身は茨城県ひたちなか市、好きな花は菜の花、好きな戦車はM36です。短気という設定になっていますが、劇中ではあまりそういう雰囲気がなく、「ここが私達にとっての東京体育館、あるいは代々木第一体育館!」という名セリフが印象に残っています。


 さらに東へ進むと、左手に二階建ての立派な古民家を発見しました。街道筋の古民家でこれだけ大きな総二階造りの建物はあまり見たことがありません。昭和の初めころの建物のように思えましたが、建具がしっかりしているのと、門塀が高く造られているので、かなりの家格であったのかもしれません。


 総二階造りの古民家の向かいには、48番の精肉店「ウスヤ肉店」があります。ガルパンファンが必ず訪れる人気スポットの一つで、店内外のガルパンポスターやファンアート、店内に展示されるグッズ類の多さは際立っています。店先には砲弾のレプリカまで飾ってありました。私が着いた時、三人のガルパンファンが居て、お店の方と賑やかに会話を交わしていました。


 店先には、アリクイさんチームのももがーが立っています。一年生で、チームでは操縦手を務めますが、オンライン戦車ゲームの経験があるものの、実車の操縦は初心者レベルでした。出身は茨城県取手市、好きな花は桃、好きな戦車はメルカバMk.4です。


 戸口のガラスには、ファンから寄せられた写真やチラシや記念ポスターなどが所狭しと貼られています。


 お店で販売している串カツの宣伝広告も幾つかありますが、それよりも優勝記念だとかOVA化記念だとか、劇場版決定祝いの文句のほうが目立っています。


 店先に三式中戦車チヌが停車しているシーンや、戦車損害保険証明書まで貼られていて、お店の方がファンと一緒になって楽しんでいる様子が伝わってきます。こういう点も、ガルパンファンが必ず訪れる理由の一つでしょう。


 お店の配達用カブにも大洗女子学園校章とアリクイさんチームのマークが貼られています。お店の方いわく「三式中原付カブ」なのだそうです。完全にノリノリですねー。


 店内ではグッズも販売していましたが、中でも缶バッジの多さは、今回私が訪れた中ではダントツでした。他では入手出来なかったデザインのものも幾つかありました。


 おやつのメニューは四種類で、私はガルパンファンの定番とされる「アリクイさんチーム風串かつ」をチョイスしました。劇中での決勝戦前夜にアリクイさんチームの三人が月を見ながら食べていた串カツを再現したものだということです。隣の「うずらさんチーム仕様」というのが気になりましたけど、これも食べると余計に腹が苦しくなりそうなので諦めました。


 これが「アリクイさんチーム風串かつ」です。一本食べて「うおっ、美味しいっ」と感動しました。二本目も食べようとして、写真を撮っていないことに気付き、慌てて撮りました。缶バッジと名刺を一緒に貰いました。


 この名刺も、ファンの方が作って贈ってくれたものだそうです。今回の六枚目のガルパンキャラ名刺です。こうした名刺は、現時点ではまだ15種ですが、そのうちに殆どのキャラクターパネル設置店に拡がってゆくのではないかと想像されます。
 お買い上げごとに名刺を渡す、という方式にすれば、ガルパンファンは必ず何か買ってくれますから、商売する側にとっても役に立つアイテムだと思います。と言うか、こういうシステムを最初に考えた人は凄いと思いますね・・・。


 「ウスヤ肉店」付近の町並みの景色です。建物はかなり近代風に転じていますが、道路が緩くカーブするあたりに古い街道筋の風情をとどめています。裏路地へ回ると古い建物が目につきますので、次に来る時には街並み裏の路地歩きや古民家見学なども楽しんでみたいと思います。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その8 「Wホシノです!!」

2013年11月21日 | 大洗巡礼記

 「かま家」の次は、37番の海産物問屋「飯岡屋水産」に行きました。創業が明治二十九年という老舗ですが、建物は最近に建て直しています。瓦と白壁でまとめた和風テイストの外観がいい感じです。


 店頭には、サンダース大付属高チーム隊長のケイが居ました。各校の戦車道チーム隊長のなかでは最も明るく社交的で、西住みほ達に対してもおおらかに接していますが、戦車道に関してはフェアプレーにこだわります。戦車道に対して独自の哲学を抱くところは、アンツィオ校のアンチョビと似たところがあります。三年生で、出身は長崎県佐世保市。好きな花はルピナス、好きな戦車はM4シャーマンで、そのまま自身の搭乗車にしています。


 店内には、M4シャーマンをかたどった箱がずらりと並んで、劇中の多数のM4シャーマンの進撃シーンを彷彿とさせてくれます。人気ガルパングッズの一つ、「サンダース大付属高校戦車珍味入り」です。珍味は好きなので、買おうかと思ったんですが、まだ満腹感が続いていて食べられない気がしたので、次の機会に回すことにしました。


 お店の車も、サンダース仕様になっていました。校章はもちろん、店名を入れた戦車カッティングシートも貼ってありました。店の方々がノリノリで楽しんでいる様子がうかがえます。面白いですね。


 「飯岡屋水産」の隣は、36番の「浜野屋」ですが、これも海産物店です。この日は閉まっていましたが、ガラス越しに篠川香音のパネルが見えました。「ささがわかのん」と読み、戦国時代の種子島家(島津家臣)に仕えた砲術家の篠川小四郎が元ネタです。劇中では、日本戦車道連盟から派遣された審判として、試合で主審を務めました。


 続いて向かいの35番の造り酒屋「月の井酒造」を見ました。関西テレビが2006年春に放送したドラマ「さいごの約束」のロケ地にもなった、大洗の地酒蔵元です。このドラマは私も見ておりまして、舘ひろしと安田成美が演じる夫婦のラブストーリーが印象に残っております。ドラマの原作は、このお店を経営されている坂本敬子さんの自伝です。
 それで、以前からこの店のことは知っていて、見学してみたかったのですが、工房の方に団体らしき大勢の人々が詰めかけていて、忙しそうな様子だったので、入るのは止めておきました。評判の「酒粕アイス」も、次回の楽しみにとっておくことにしました。


 店先のガラス戸越しに、蝶野亜美が立っているのが見えました。陸上自衛隊富士教導隊所属の自衛官で、階級は一等陸尉。大洗女子学園の戦車道復活の際に教官として派遣され、最新型の10式戦車に乗って登場しています。ガルパン交流板では「大酒飲み」とか「呑兵衛」とか言われていますが、これはパネルが造り酒屋に置かれたからでしょう。


 来た道を引き返す形で曲り松商店街を南へ抜け、30番の惣菜店「かじま」へ行きました。水産加工品会社カジマの工場に隣接する店舗で、カニの冷凍品やコロッケなどが人気です。


 店の玄関脇にはレオポンさんチームのホシノが居ました。運転がうまく「大洗一速い女」との異名をもつ三年生で、チームでは砲手を務めます。出身は茨城県下妻市、好きな花はたんぽぽ、好きな戦車は特二式内火艇です。私の大好きなガルパンキャラですので、このホシノには絶対に会いたかったのです。
 やあホシノ、ホシノがはるばる会いに来ましたよ・・・。やっぱりホシノですね。なんてったってホシノですよねー。横のPOPには「ずわいがにたっぷりコロッケ」「えびまるごとエビカツ」とあるけど、これがホシノの手作りだったら幾らでも買って食べられますよー。ウキーッ !!  (アホかお前は)


 店内には、あの有名な大洗限定グルメ「ミリメシ」も並んで販売されていました。カジマが開発し販売する人気商品の一つで、ガルパンファンならば必ず一個は買うそうです。しかし私は今回は「ずわいがにたっぷりコロッケ」と「えびまるごとエビカツ」の方を選んだので、「ミリメシ」は次の機会にとっておくことにしました。パッケージのデザインはみんな同じなのですが、中身はカレーとかハンバーグとか牛丼とか、色々なバリエーションがあるみたいです。


 店の横には、ガルパン仕様の自販機もあります。ウサギさんチームですね。ていうか、ホシノの横に置くならレオポンさんチームの方がふさわしいんじゃないのか、と思いました。写真を撮っていると、同じようにガルパンファンの方が撮っていて、「他の自販機の場所を知ってますか?」と尋ねられました。
「いや僕は今日が初めてなんで、自販機もまだこれで二台目なんです」と答えると、「僕も二台目です」と答えてきました。共に一台目は同じ「肴屋本店」前のアヒルさんチームを見てきたことが判明し、笑ってしまいました。


 それから、ホシノとの記念写真を撮りました。このツーショットはどうしても実現したかったのですよ。なんてったって、Wホシノなんですから。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その7 「ゴクゴク作戦です!!」

2013年11月20日 | 大洗巡礼記

 「やまと」から東に進んで、41番の「大久保酒店」へ行きました。西福寺への参道脇にあるお店です。先に西福寺へ寄ろうかと思ったのですが、喉の渇きを覚えたので、飲み物を買うべく店に寄ることにしました。大洗に着いてからずっと、飲料を買う機会が無かったからです。


 店先には、ウサギさんチームの阪口桂利奈が居ました。「あいー」、「あいあいあーい」、の「やれば出来る子」です。チームでは操縦手を務める一年生で、出身は茨城県那珂市、好きな花はマリーゴールド、好きな戦車はKV2です。


 店内には阪口桂利奈コーナーもあり、ウサギさんチーム関連のグッズを中心とした、ファンの方々からの寄贈品が並べられています。店の主人が出てきたので、「何か飲み物はありませんか、喉が渇きましたので」と話しかけたら、ニコリと笑って「そこのサイダーはどうかね」と陳列棚の一角を指さしました。
 見ると、三種類の茨城サイダーが並んでいました。緑がメロン、黄色がアップル、ピンクがぶどうでした。茨城県限定のサイダーとして知られるもので、実物を初めて見ました。いずれも200円です。上画像の左端に黄色のアップルサイダーが写っています。

「どれがおおすめですか、大洗の産とかはあるのですか」と聞きましたら、「大洗産、ってのは残念ながら無いんだ。このメロンは鉾田で、アップルは久慈で、ぶどうは常陸太田だからな」と説明してくれました。私はブドウが大好きなので、ぶどうサイダーを選びました。陳列棚から取り出そうとしていると、「こっちの冷やしたのを出しますから」と、奥の冷蔵ケースから程よく冷えた瓶を出して下さいました。細やかな気配りが有難かったです。
 お代を支払い、その場でゴクゴクと飲みました。渇いた喉を潤してゆく炭酸のなんと爽やかなことだったでしょうか。美味しいですねえ、と言うと「そうかね」と笑顔になりました。


 お釣りと共に、上画像の名刺を頂きました。これで五枚目のガルパンキャラ名刺となりました。
 茨城サイダー、なかなか美味しかったので、後でどこかでもう一回買って、次はメロンを味わってみようかと思いました。それで、「この茨城サイダーは、こちらでしか売ってないのですか」と尋ねてみました。すると「いや、このへんのコンビニや食料品店や酒店ならどこでも扱ってるよ」との返事でした。

 これから訪ねるお店のなかにももう一ヶ所、酒店があったな、と思い出しました。次の茨城サイダーはそこで買おうと決めました。他の飲み物も、全てキャラクターパネル設置店で買えば、飲みながらお店の方と話も出来るし、所によっては名刺も貰えます。いちいちコンビニとかへ寄り道する必要がありません。よし、これでいこう、名付けて「ゴクゴク作戦」だ、と一人でガッツポーズをしました。


 次に、西福寺を訪ねました。大洗でも由緒の古い天台宗の古刹で、創建については、寛弘年間(1004~1012)の比叡山恵心院源信僧都であるという説と、永享年中(1429~1440)の栄俊であるという説などがあります。私はもともと仏教美術史が専攻で、仏像彫刻史を主に学んでメインテーマは藤原彫刻史でしたので、どこでも天台宗の古い寺院があると必ず訪ねています。ここ大洗でも、この西福寺を必ず訪問すると決めていました。

 その理由は、寺の創建が寛弘年間(1004~1012)というのが、関東地方の寺院には珍しいからです。平安時代11世紀の創建になるという寺は、大部分が京都を中心とする近畿地方に集中しますから、関東地方の海辺にこういう歴史を抱く寺があるというのには興味をひかれます。
 しかも、比叡山延暦寺に名高き恵心僧都源信の名が出ています。「往生要集」を著した大和国出身の僧侶です。仏像彫刻史の世界では、恵心僧都源信というのは、天才仏師とうたわれた定朝(京都平等院鳳凰堂本尊阿弥陀如来坐像の作者)の師匠にあたることが知られており、京都や奈良の古寺で恵心僧都源信の建立伝承があるところには、たいてい同時期の古い仏像が伝わっています。それで、こちらの西福寺の本尊の阿弥陀如来坐像も古いものではないか、と思ったのでした。

 それで、前もって茨城県の仏像の資料を調べたところ、西福寺の本尊は室町時代以降のいわゆる再興像のようでありましたが、その胎内仏であったという約20センチの阿弥陀如来坐像が古い作品であることが分かりました。茨城県教育委員会では鎌倉時代中期の制作としていますが、脇侍の勢至菩薩立像にあらわれる宋風表現が初期段階の基調を保つので、もう少し古くみて鎌倉時代初期、つまり12世紀代にあげても良いのではないかと思いました。

 庫裏を訪ねましたが、住職はお留守のようでした。次の機会に再度訪ねて、詳しい話などを伺い、出来れば本尊像以下の拝観もお許しいただければ、と思いました。神社の方でも大洗磯前神社が平安時代からの歴史を持ちますので、同じ平安時代からの寺院である西福寺の存在は、大洗の歴史の骨格を理解するうえでも重要です。
 ガルパン聖地として訪ねている身ではありますが、時には歴史探訪の原点に立ち返って、「古きをたずねて新しきを知る」試みに身を投じることも大切だろう、と思ったのでした。


 西福寺から戻って、次は「大久保酒店」の向かいにある42番の菓子店「年宝菓子店」へ行きました。手作り菓子、べっこう飴などが人気のお店で、店内には既に数人のガルパンファンが居ました。ガルパングッズの人気アイテムのひとつ「戦車カッティングシート」はこのお店で販売されていますので、買いに訪れるファンが絶えないようです。


 店先には、あんこうチームの秋山優花里が立っていました。劇中では超のつく戦車マニアで、西住みほに憧れチームに入り、最初は砲手を務め、次いで装填手になっています。学園艦にある実家から学校に通っている二年生で、趣味は戦車グッズ収集、部屋には砲弾まであります。普通科の2年C組で、出身は茨城県土浦市、好きな花はたんぽぽ、好きな戦車はポーランド軍の7TP双砲塔型です。
 パネルには、その声を演じた中上育美さんのサインも入っています。


 次は、39番の金融機関「茨城県信用組合」でした。ここにもキャラクターパネルがあり、スタンプラリーのスタンプもあるということですが、今回は中には入らず、パネルの撮影だけにとどめました。


 カメさんチームの小山柚子です。生徒会の副会長を務める三年生で、普段は会長の角谷杏および広報の河嶋桃に振り回されてばかりいますが、チームでは優れた操縦手ぶりをみせています。大洗女子学園チームでは、冷泉麻子に次ぐ腕だと思われます。出身は茨城県水戸市、好きな花は白水仙、好きな戦車は九七式中戦車チハです。


 続いて向かいの40番の寿司屋「かま家」に移りました。実は、この日の昼食はこちらの寿司定食にしようと考えていたのですが、前述したように「たかはし」の「華さんのみつだんご」で満腹に近くなってしまい、おやつ程度しか口に入らなくなってしまったので、昼食を諦めたのでした。
 店先には、黒森峰女学院チームの副隊長、逸見エリカが居ました。二年生で、出身は熊本県熊本市、好きな花は胡蝶蘭、好きな戦車はシュトゥルム・ティーガーです。

 私自身は、黒森峰チームのキャラでは、この逸見エリカに結構興味があるんですよ。一年生の時に西住みほとは同級生で、かつライバルであったため、大洗女子学園に転校してからのみほに対しては批判的な立場をとっていますが、その裏では彼女なりに苦悩し、葛藤に苦しんできたんだろうな、というストーリーが伺えるからです。コミック版ではそのあたりがハッキリと描写され、西住みほも苦悩しているわけです。
 逸見エリカにとって、西住流とは絶対的な権威のようなもので、そのゆえに西住まほを尊敬して必死についていく姿勢を貫きますが、それだけにまほの妹のみほに対しては、同級生ということもあって複雑な思いを拭えなかったと思います。みほが一年生で副隊長に抜擢され、ティーガーⅠを任されていたわけですが、それをエリカは、実力ではなくて家柄で抜擢されたと思っているわけです。
 それで、嫉妬し軽蔑もしているわけですが、反面、どうしてもみほには一目置かざるを得ない自分をも認めていて、それで一生懸命に頑張ってきたんだけど、いつもなにか不遇な位置に置かれている、といった感じです。本当はいつも真剣で真面目で、いろいろ努力もしているのにあんまり報われなくて、それで少しひねくれちゃっている、といったキャラなので、なにかコミック版リトルアーミーの中須賀エミに通じるところがあります。
 勝利至上主義者で気が短く、戦術を立てるよりも火力重視の短期決戦を好みましたが、決勝戦ではこれが災いして、大洗女子学園に翻弄された挙句、隊長西住まほの敗北を見届ける羽目になりました。しかし、優勝した西住みほの実力を素直に認め、笑顔で「次は負けないからねー」と言葉をかけるあたりに、エリカの本来の愛すべき性格が垣間見えていました。もうすこし掘り下げて人物像を明確に表現してくれれば、いろいろな余韻を私たちの心に残してくれたことでしょう。
 なので、予定される劇場版にも登場して欲しいな、と思う次第です。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その6 「アンツィオです!!」

2013年11月19日 | 大洗巡礼記

 「肴屋本店」から北東に進むと信号交差点があります。その辺りにキャラクターパネル設置店が集中しています。まずは26番の書店「江口又新堂」に行きました。薬局も兼ねています。


 ガラス戸越しに、カバさんチームの左衛門佐の姿が見えました。サッカーチームのシャツのようなものを羽織った感じになっていて、脇には破魔矢らしき矢が添えられてありました。日本の戦国史に詳しい二年生で、チームでは砲手を務めています。出身は茨城県牛久市、好きな花は竜胆、好きな戦車はM4HVSSです。


 店頭の左側のガラス戸一杯にガルパンポスターや同人誌コーナーの案内が貼られていました。この左衛門佐はまあるい雰囲気で描かれていて、劇中のキリッとした雰囲気とは異なる一面を表しているかのようです。


 店内にある、同人誌コーナーです。棚の上段には、ファンから寄せられた左衛門佐のイラストがありました。右のイラストはコミック版の「リトルアーミー」を描かれた槌居さんの直筆ですね。中央の段にはガルパン関連の雑誌、下段にはファンから寄贈された数十冊の同人誌が並んでいました。ガルパンキャラクターの殆どが登場していて、これだけの数がまとまっているところは他には無いのでは、と思いました。
 近くの棚には、販売中のガルパン雑誌も幾つかあり、私がまだ買っていないものもあったので、それを買いました。明日の帰りの列車内で読む楽しみが出来ました。


 店の奥には、古い看板類が保管されていました。書店コーナーの奥にあって自由に見学出来ます。かつて大洗の各商店街にて使用されていたものが殆どだそうで、なにか地方の歴史民俗資料館のような雰囲気でした。お店の方も郷土史に詳しいらしく、大洗の歴史に関する小冊子などをまとめて配布したりしているそうです。 


 看板類を見学していて、ふと思い出したことを尋ねてみました。「祝町って、ここから遠いですか?」と。
 すると「ああ、水族館のある所の西側ですよ、ここからはけっこう距離ありますけど。水族館へ行かれるんですか」と返ってきたので、「実は祝町にあるという、水戸藩の砲台の遺跡を見てみたいのですが」と言うと、「ああ向洲台場跡のことね、ちょっと待って下さいよ、案内資料か何かが確かあったと思いますので」と奥の書棚の脇へ行ってコピー機やらをいじっていて、それから一枚の紙を持って戻ってきました。
「これですね。お渡ししますんで、参考にどうぞ」と手渡されたその紙には「大洗町文化財リーフレットNo.3 祝町向洲台場跡」とあり、遺跡の写真と概要と縄張図がまとめられていました。
「遺跡へは、どうやって行ったらいいんですか」
「祝町のカモメ荘の脇から入っていって、ちょっと階段があってそれを登ると遺跡の案内板が立ってますよ。丘の上にあるんですが、そんなに高い所でもないから、水族館の方からでも楽に登って行けますよ」
 それから、遺跡の状態などについて色々と、親切に教えていただきました。大洗の歴史や史跡や文化財については、この「江口又新堂」で尋ねるのが良いと思います。


 お礼を言って店を出る際に、名刺をいただきました。手書きの左衛門佐イラストが、簡潔なタッチながらも独特の味わいを示しています。二枚目のガルパンキャラ名刺でした。


 「江口又新堂」の隣には、25番の「黒沢米穀店」があります。信号交差点の角に位置しています。米屋ですが、クリーニング店も兼ねているようです。大洗で生産されている特別栽培米も扱っていました。


 ガラス戸越しに、ウサギさんチームの宇津木優季が見えました。チームでは通信手を務める一年生で、出身は茨城県ひたちなか市、好きな花はすずらん、好きな戦車はM24です。
 パネルの写真を撮ろうとした途端、奥から店の方が出て来られて、パネルをわざわざ外に出して下さいました。感激しながら撮らせていただきました。


 パネル撮影のお礼に、お米を買ってゆきたかったのですが、重くて荷物になるので諦めました。その代わりに缶バッジとガルパン箸セットを買いました。お釣りと共に、上画像の名刺を頂きました。これもファンの方からの寄贈品だということで、別に十種類の手書きイラスト名刺もあり、いろんなファッションの宇津木優季が描かれていました。一枚どうぞ、と言われましたので、008番のを頂きました。


 「黒沢米穀店」と道をはさんだ対の位置には、31番の薬局「スルガヤ」があります。キャラクターパネルとグッズ展示コーナーがありますが、店先からのぞいてみると、地元住民の方が数人も買い物に来られていて、店の方が忙しそうにしていたので、店内に入るのはやめておきました。それで、パネルだけを撮影しました。


 カモさんチームの後藤モヨ子です。通称はゴモヨ、風紀委員を務める二年生です。おかっぱの長さはロングで、チームでは操縦手を担当しています。出身は茨城県つくば市、好きな花は金木犀、好きな戦車はTOG2です。声優は園みどり子、金春希美と同じく井沢詩織が演じていますが、劇中での声はまったく別人のようです。


 「スルガヤ」の隣には、32番の文房具店「坂本文具店」があります。大洗町商工会事務局長さんのお店としても知られ、ガルパングッズの人気アイテムの一つ「あんこうチーム名札」を販売しています。それでガルパンファンの多くは必ずこの店に立ち寄ります。当然ながら私も寄って、「あんこうチーム名札」を五人セットで買いました。


 店先には、ガルパンの主役、西住みほがパンツァージャケット姿で立っていました。あんこうチームの装填手のち戦車長を務め、大洗女子学園戦車道チームの総指揮も執る二年生です。普通科の2年A組で、座右の銘は「友情は瞬間が咲かせる花であり、そして時間が実らせる果実である」。出身は熊本県熊本市、好きな戦車はⅡ号戦車E/F型です。
 パネルには、西住みほの声を演じた渕上舞さんのサインもありました。


 信号交差点に戻って東の角へ移ると、33番の寝具店「やまと」があります。ガルパンファンの間では「アンツィオ」とも呼ばれる場所だそうですが、それはアンツィオ高校のアンチョビのパネルが置いてあるからでしょう。


 アンチョビこと安斎千代美です。アンツィオ高校戦車道チームの隊長を務め、チーム内では「統帥(ドゥーチェ)」と呼ばれます。イタリアのムッソリーニ風の軍服をまとい、コミック版では人間味のある独裁者ふうのキャラクターを強烈に示しましたが、劇中ではたった5秒で大洗女子学園に敗れ去っています。出身は愛知県豊田市、好きな花はデイジー、好きな戦車はP40です。よく見ると、左手指先に名刺をはさんでいますよ・・・。

 そういえば、この11月17日のあんこう祭にて、アンツィオ戦OVAの新情報が発せられましたね。2014年春にOVAのイベント上映が水戸・東京・大阪・名古屋ほか全国12館で開催されるそうです。楽しみですね。
 また、新キャラクターとして、アンチョビの部下カルパッチョ、ペパロニの2キャラクターのビジュアルも公開されましたね。絵コンテをカトキハジメ氏が手がけているとのことですが、コンテの段階なのであれば、もうストーリーは完成しているのでしょう。
 カルパッチョはコミック版で登場していたので、「やはり出るか」と思いましたが、新たにペパロニが追加されたのには驚きました。聖グロリアーナ女学院のアッサム、サンダース大付属高校のアリサ、のようなポジションに位置付けられるのでしょうか。アンツィオ戦は、サンダース戦に続く第二戦という設定でしたから、出場する戦車は大会ルールに従って10台となりますが、これをアンチョビがどのように編成してどのようにカルパッチョ、ペパロニに任すか、という点に興味がわきますね。サンダースもナオミとアリサがそれぞれの役割を演じていましたから、OVAではカルパッチョやペパロニが活発に動いてくれるものと期待してしまいます。とにかく、待ちに待った、アンツィオ戦OVAが来年春に迫ってくるわけです。いやー、このワクワク感がたまりませんね・・・。


 このお店では、当然ながらガルパンタオルセットを買いました。「黒森峰バーサス大洗」、「アンチョビトリビュートセット」の二種です。上画像では「アンチョビトリビュートセット」の方を開封して中身を広げています。アンツィオ校の校章であるピザをあしらったハンカチタイプも良いし、タオルのデザインも決まっています。
 同封の挨拶文が、また心のこもった長文でして、お店でこのタオルセットをデザインして販売するまでに至った経緯が述べられています。アンツィオ戦OVAの決定を一番喜んでいたのが、このお店の方々であったことがよく分かります。読んでいると、なにか熱いものさえ込みあげて参ります。


 タオルの右端には、アンチョビのシルエットがぴたりと決まっています。「Duce!」のロゴもポイント高いですね。劇中ではたった5秒で終わってしまったにもかかわらず、ガルパンキャラの中では強烈な印象と存在感を示していて人気も高いです。
 OVAでは、全国大会の第二戦で大洗女子学園に敗北すると言うストーリーは変わらないので、イタリア戦車の特色をいかに生かして試合を進めてくるのか、どのような作戦で大洗女子学園を苦しめてくるのか、という点がポイントになるでしょうね。コミック版にも劣らない、アンチョビの強烈な個性と指揮振りに期待したいと思います。


 で、名刺も頂きました。アンチョビも名刺になって良かったね・・・。これもファンの方からの寄贈品だということで、お店の方も「大切に使わせてもらってますよ」と笑っていました。他にガルパン仕様のサイクルジャージなども扱っていますが、アンツィオ戦OVAの公開後は、もっと注目されて大勢のファンが押し掛けること間違いなしです。
 それまでに、新しいタオルグッズとかを出そうかなと思ってるんですよ、と冗談っぽく話しておられましたが、冗談でなしに是非出して貰いたいと思います。絶対に買いますので。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その5 「御神体巡行です!!」

2013年11月18日 | 大洗巡礼記

 17番の「たかはし」を出て更に東へ進み、次の信号交差点で左折して少し進み、振り返って交差点を見ました。上画像のような景色ですが、これこそ劇中の第4話で、聖グロリアーナ女学院のマチルダⅡが大洗女子学園のⅣ号戦車D型を追跡していた場所ですね。この交差点を左折してゆくⅣ号戦車D型の姿が、マチルダⅡの視点で捉えられていた名シーンが思い出されました。


 交差点を左折すると、劇中のままの風景が広がってゆきました。この通りで緊迫のカーチェイスならぬ戦車チェイスが行われたわけですね。建物の並びはもちろん、僅かに登って降りる道路の起伏も忠実に再現されていることが分かりました。すごいですね。テンションも上がってまいりました。


 景色は、劇中と全く同じですが、劇中では看板や案内標識などの字を少し変えたりしてあるので、実際の風景に触れてみて初めて、本来の看板や標識の文字を知ることになります。


 コースのカープの途中の右手には、23番の「加藤豆腐店」がありました。店のガラス窓の半分ぐらいがガルパン関連の写真などで埋められていましたが、私は右端の柱に貼られた「有賀神社虫きり」のポスターをまず見ました。
 すると、出てきた店の方が、「あら、ガルパンじゃなくって有賀祭の方を見に来られたんですか」と話しかけてきました。ええ、ガルパンの聖地を見に来たんですが、有賀神社のお磯下り神事も拝みに来ました、と答えると、「もうそろそろ来るわよ、髭釜の道祖神社に立ち寄ってここを通るから」と教えられました。気付くと、商店街のあちこちで住民たちが外に出てきて待っているのが見えました。多くの人が片手に紙包みのようなものを持っていました。たぶんお供え物か、お賽銭だろう、と思いました。奈良県の古社寺の祭礼や神事でも和紙に包んだお供え物や銭を神仏に供える場面がよく見られるからです。


 店頭では、カエサルも有賀神社のお磯下りを待っているかのようでした。カバさんチームこと歴女チームのリーダーで、本名は鈴木 貴子(すずき たかこ)。ローマ史に詳しい二年生で、Ⅲ号突撃砲F型の装填手を務めます。出身は茨城県つくば市、好きな花はデイジー、好きな戦車はダ・ヴィンチ円形戦車、アリエテです。
 ところで、右手に懸けてあるのは何でしょうかね。


 24番の精肉店「鳥孝」の前に移動した瞬間、法螺貝の音がポーと響いてきました。道端で待っていた人々が「来たぞ」「有賀様だ」と言っているのが聞こえました。そしてまた法螺貝が鳴り、祭礼の法被を羽織った人々の列が交差点の方から道路の両側に分かれる形で二列になって進んできました。

 この時点で、ガルパン聖地巡礼の観光客は、どうやら私だけだったらしく、「鳥孝」から出て来たおばさんが「あっお客さん、ちょっと待っててね、有賀さんの御神体が通られるから拝みますからね」と言って店頭の椅子を指さしました。しかし御神体の巡行を座って見過ごすわけにもいかないので、私も立ったままで巡行の列を見守ることにしました。水戸の友人に言われた通り、カメラはザックにしまっておき、財布から五円玉を取り出して待ちました。
 まもなく、朝の水戸市街で夜行バスの窓から見下ろして拝んだあの御神体が、軽トラの荷台に載せられたまま、ゆっくりと通り過ぎてゆきました。御神体の周囲には箱のようなものが幾つか括りつけられてあり、住民の皆さんがめいめいに紙包みをそこへ放り投げていました。それから合掌したり、深々と頭を下げて礼拝していました。

 有賀神社は、平安期貞観元年(859)の創祀とされる延喜式内社の論社で、当初は藤内に勧請されて藤内神社と称しましたが、天正十八年の兵火で焼失、その後水戸内原の当地へ遷座して鹿島明神と称しました。明治六年、青木神社を合併し、明治十五年、有賀神社と改称して現在に至っています。その祭典の最大最重要なものが、大洗磯前神社へ渡御する磯下りで、全国でもめずらしい民俗行事として注目されています。
 毎年の11月11日、大御鉾を捧持して出御、祭典当日には町内及び遠近からの参拝者が多く、特に幼児をもつ親は愛児の無病を希い「虫切り」の祈願に沿道は参拝者で賑わいます。昔は御神体を馬車に乗せて水戸から大洗まで半日かけて磯下りを行いましたが、現在は軽トラで30分ぐらいでサッと移動しているそうです。

 この神事をなぜ私が注目していたかというと、大学での自由研究で宗教儀礼を調べた際に、神社の御神体を移動する実例が極めて稀であることを知り、奈良の春日大社のルーツである鹿島神の由緒の一つが磯神とされる件を知り、神体の移動距離が極めて長いケースとしてこの有賀神社の祭事が存在することに興味を持ったからです。
 春日大社の鹿は、鹿島神宮から連れてこられたとされ、そのコースは海を渡って磯下りの形をとったとする説があります。さらに春日四神のうちの二神、武甕槌命および経津主神は有賀神社の祭神でもあります。それで、春日大社のルーツの一部は有賀神社にも関わっているのではないかとする見解があり、その磯下りの先である大洗磯前神社の祭神も当初は鹿島系であったとする説もあるようです。そして御神体が移動すること自体、有賀神社の前身たる藤内神社の由緒が大洗磯前神社の当初の祭祀形態に発している可能性を強くうかがわせています。

 端的にいえば、大洗磯前神社は日本でもかなり古い海神信仰の拠点であって、現在こそ祭神が出雲系の大己貴命、少彦名命になっていますが、その前は海神として磯下りの祭祀をともなっていた可能性があるのです。その名残というか、古い祭祀の系譜をとどめているのが、いまの有賀神社の御磯下りの神事ではないかと思われるのです。そしてこの形の神事は、全国的にも稀な珍しいもので、水戸市の無形民俗文化財にも指定されています。海のない奈良県では絶対に見られない祭事でもありますので、私は一度その儀礼を見ておきたかったのです。

 だから、水戸の友人に神事の日を言われて驚き慌て、大急ぎで手配をして大洗にやってきた次第なのです。おかげで夜行バスの窓から御神体を拝み、さらに大洗の商店街でも巡行の様子を見ることが叶いました。御神体の箱に五円玉を投じることも出来、遠ざかってゆく御神体が街角に消えて見えなくなるまで見送りました。なぜか安らかな安堵感に包まれてきて、はるばる来た甲斐があったなあ、と思いました。

 お客さん、どうぞ休んでいって下さい、とお店の人がお茶を運んできてくれました。まだ何も買っていなかったので恐縮してしまい、食べかけの「たかはし」のみつだんごと一緒に有難くいただいた後、店内で唐揚げのおやつと缶バッジを買いました。先ほどのおばさんが「お客さんも有賀さんを丁寧に拝んで賽銭も上げていたでしょ、御利益があるわよ」と笑っていました。


 店先には、アヒルさんチームの磯辺典子が居ました。バレー部再興を目指してチームをまとめあげるリーダーの二年生で、ポジションはセッターです。チームでは戦車長と装填手を兼任して様々の活躍をしています。出身は茨城県大洗町、好きな花は朝顔、好きな戦車はM3スチュアートです。ガルパンファンの間では「キャプテン」と呼ばれることが多いようです。


 パネルの横には声優さんたちの訪問時の記念写真やサインなどが飾られてありました。イベントや観光シーズンには、ガルパンファンがこれらを撮影しに詰めかけるそうです。


 店内にも磯辺キャプテンのフィギュアや、ファインモールドの八九式中戦車甲型のキット完成品が飾られていました。色紙やポスター類も並べられていて、しかも数が増えていっているそうです。みんなガルパンファンの方々からの寄贈品だそうです。
 ここ「鳥孝」に限らず、キャラクターパネルの置いてあるお店では似たり寄ったりの状態になっていて、ファンから贈られたグッズや写真などが沢山あります。一種の展示コーナーみたいになっている所も見かけます。


 店先の椅子に戻っておやつを食べていると、店の若い方が出てきて、上画像の名刺を下さいました。うわさに聞くガルパンキャラ名刺の実物を初めて受け取りました。しかも、事前の下調べでリスト化しておいた14種類のキャラ名刺のなかには無かったものなので、さては15番目の新しい名刺が登場したか、と思いました。
 店の方の話によると、この名刺も先週にファンの方が作ってくれたものだそうです。大洗の方で名刺を準備しているのは、周知のように大洗ホテルさんだけと聞いていますので、あとはほとんどが、ファンの方々が手作り品を寄贈したものであるわけです。
 このガルパンキャラ名刺を、今回は出来るだけゲットしてみるのも面白いかもしれないな、せっかく大洗に来たのだから、楽しいチャレンジはどんどんやってみよう、と思いました。


 御神体巡行の列も居なくなって、静けさが戻った商店街を34番の「肴屋本店」の方へと進みました。劇中でマチルダⅡが玄関先に突っ込んだ、有名な建物が見えてきました。道がその前で急に折れているので、猛スピードで走っていた戦車が曲がり切れずに肴屋本店にぶつかってしまったわけですね。ガルパンファンにとっては、聖地のなかの聖地、とされている場所です。


 おお、ダー様ですよ、ダー様が立っておられますよ。やっぱりダー様はいいですなあ、そのテーブルの上の紅茶は、もしかしてダージリンですか。一杯御馳走して下さいよ・・・。


 ダー様、テーブルの上にスタンプと「日本戦車道連盟模擬試験」の設問のQRコードがあるじゃありませんか。優雅なティータイムにはそぐわないアイテムですわね。オホホホ・・・。 (アホかお前は)


 で、そちらのお方はどなた ? 知波単学園の西絹代さん ? 残念ながら存じませんな、劇中でお見かけしたことはございませんので。バロン西こと、西竹一陸軍大佐なら存じ上げておりますがね。硫黄島の戦いで戦車第26連隊を率いて戦死された方ですよ。
 絹代さんはその係累で、西流の戦車道を受け継いでいるという設定ですか ? それで九七式中戦車チハに搭乗されているというわけですか・・・・。


 「肴屋本店」には、ガルパン展示コーナーがあります。主人の大里明さんが居られたので、お願いして展示コーナーを見せていただきました。最初に目についたのが、あの「大洗ガルパン・トラベル・ガイド ~ガルパン聖地巡礼の手引き~」でした。思わず眺めていると、大里さんが「この本はもうすぐ出ますよ」と教えてくれました。ご自由に御覧下さい、と言われて数ページを見ました。その二日後が発売日でしたから、全部のページは見ないで戻しておきました。
 居合わせたガルパンファンの方が「この本が早く出ていれば、大洗巡りの計画とかも楽に作れますねえ」と話しかけてきたので、そうですね、と相槌をうちました。それから「トラベルガイドがあると便利ですが、無い場合には自分で色々調べることになりますがそれもまた楽しいと思います」と続けました。ああそれは言えますね、と大里さんも頷いておられました。
 ガルパン劇中にも登場している有名人ですが、気さくな方でした。いつかこの方の「肴屋本店」に泊まってみたいですね。


 グッズの数々は、見ていて飽きません。限定品も少なくなく、現時点では入手不可能なものも相当数ありますが、これらもほとんどファンの方々から寄贈されたものだということです。大里さんが収集されたものもあるそうですが、ごく一部だということでした。


 展示コーナーの奥には、あの名シーンを再現した立体模型もありました。突っ込んだマチルダⅡのキットも良い出来でしたが、それ以上に「肴屋本店」の建物の再現度が素晴らしかったです。実際の建物を細かく取材して寸法まできっちり合わせたかのような、精密な作りでした。


 「肴屋本店」の向かいには駐車場がありますが、その横の建物のトタン塀の上にはあんこうチームの五人の顔パネルがつけられていました。五人がめいめいに塀越しに「肴屋本店」を覗いている、という感じの構図が面白いですね。通りかかったガルパンファンの何人かが写真に撮っていました。


 駐車場の隅には、ガルパン仕様の自販機もあります。アヒルさんチームですね。
 このガルパン自販機、全部で8台があって大洗町の各所に配置されているので、最近にはこれを見て回るミニ巡礼もはやっているそうです。私も出来る限り探してみようっと。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その4 「華さんのみつだんごです!!」

2013年11月17日 | 大洗巡礼記

 私の初めての「ガルパン街なかかくれんぼ」は、若見屋交差点から東に入って永町商店街からスタートしました。ガルパンまとめ情報板にてあらかじめダウンロードしてプリントした案内図を持参して使いました。以下、番号はその案内図の記載に従っています。
 最初は14番のパン屋「ブリアン」でした。おすすめは、ポルシェティーガーを模した具たっぷりのパンで、その名も「ガルパン」です。


 大洗女子学園自動車部、レオポンさんチームのリーダーのナカジマです。雨の日に出歩くのが好きで「雨のナカジマ」と呼ばれます。本名は中嶋悟子(なかじまさとこ)、三年生で出身は三重県鈴鹿市という設定です。好きな花はひまわり、好きな戦車はクリスティーM1931です。


 「カリコミ理容店」の玄関先には、手作りの秋山優花里のパネルがありました。ガルパングッズの一つ「秋山理容店 優花里癒しの耳かき」を販売していました。このグッズは他に二ヶ所で販売しています。


 19番の「玉屋菓子店」には、カバさんチームのおりょうが居ました。幕末史に詳しく、坂本竜馬を尊敬しています。本名は野上武子(のがみたけこ)、二年生で出身は茨城県つくば市、Ⅲ号突撃砲F型の操縦手です。好きな花はヤマモモ、好きな戦車はティーガーⅠです。


 「玉屋菓子店」付近から見た、永町商店街の風景です。10時前だったので、殆どのお店がまだ開店していませんでしたが、ガルパンキャラクターのパネルは既に外に出してあったり、戸口のガラス越しに見られるようにしてありました。


 明治乳業大洗宅配センターの戸口ガラスには、M3中戦車リーを形どったピンク色のカッティングシートが貼ってありました。このシートは色々な種類があるようで、今回の聖地巡礼において十種類ぐらいを見かけました。販売しているものもありましたが、それぞれのお店が独自に作って店頭に貼り付けているものもあるようです。


 進むうちに、見覚えのある景色になりました。第4話の聖グロリアーナ女学院との親善試合にて、西住みほ達のⅣ号戦車D型が道路工事地点に突き当たって、追跡してきたダージリン率いるチャーチル歩兵戦車及びマチルダⅡと対峙した場所がここなんですね。劇中の名シーンの一つを楽しく思い出しました。


 21番の鮮魚店「魚忠」です。二階は寿司店「忠心」となっていまして、そのお造り膳や海鮮丼はガルパンファンにも人気のメニューです。私も一度食べてみたいと思っていますが、今回は機会がありませんでした。


 元バレー部員の近藤妙子です。ハチマキがトレードマークで、ジャンプサーブを得意とする一年生。アヒルさんチームの通信手で、出身は茨城県北茨城市、好きな花はシロツメグサ、好きな戦車はシャーマンです。アヒルさんチームでは最も人気が高いキャラクターであるようです。


 15番の「常陸屋」は饂飩や蕎麦のお店です。パネルは新三郎でした。五十鈴家の奉公人で、五十鈴華の母の百合が移動する際には人力車を引きます。 華を「お嬢」と呼んで何かと気にかけています。ガルパンでは男性キャラクターは少ないので、このパネルはある意味貴重ですね。
 私は蕎麦が好物の一つなので、この「常陸屋」の蕎麦もいつか食べてみたいです。


 20番の旅館「福本楼」です。第4話の聖グロリアーナ女学院との親善試合にて、西住みほ達のⅣ号戦車D型がこの旅館の前で緊迫の一瞬を迎えています。劇中では「福本楼」の「福」が逆さまになっており、これは実際のドイツ軍戦車にあったマーク「倒福」が元ネタであるそうです。


 「福本楼」の玄関横には、五十鈴華の母の百合が居ました。華道の五十鈴流の家元で、娘の華が戦車道を履修していることを快く思わずに一時は勘当しましたが、華の懸命な打ち込みぶりと新たな境地の生け花作品を見て、後に和解しました。


 18番の玩具店「タグチ」には、アヒルさんチームの佐々木あけびが居ました。カチューシャがチャームポイントで、ブロックが得意な一年生。チームでは砲手を務めます。出身は茨城県ひたちなか市、好きな花は蘭、好きな戦車はM47です。
 横には武部沙織も居ましたが、私はむしろパネルの足元のティーガーⅠにひきつけられました。オットー・カリウス氏の搭乗車の仕様であるうえ、黒森峰時代の西住みほが乗っているのです。ねんどろいどの改造によって劇中のワンシーンがうまく再現されているのですよ。これマジで欲しかったなあ・・・。


 22番の「大進」は饂飩や蕎麦のお店です。ガルパンファンにも人気があり、食事をすれば缶バッジが貰えるそうです。人気メニューは「天丼とカレーうどんのセット」だと聞きますが、私は「蕎麦豆腐付きの盛り蕎麦セット」というのに物凄く興味があります。「天盛り蕎麦」というのも食べてみたいです。


 「大進」の玄関横には、カモさんチームの園みどり子が居ました。略してソド子、風紀委員長で几帳面な性格です。チームでは戦車長および47ミリ砲の砲手と装填手とを兼任する三年生。出身は茨城県つくば市、好きな花は睡蓮、好きな戦車はチーフテンです。
 その声は井澤詩織が演じましたが、ガルパンファンの間では人気が異常に高く、イベントなどではアイドル顔負けの動員数を誇っているそうです。


 17番の「たかはし」はみつだんごのお店です。ここのみつだんごが、あの有名な「華さんのみつだんご」、ガルパンファンの人気おやつの一つです。私も今回はこのみつだんごを食べることを目標の一つにしていました。


 「たかはし」の店頭には、サンタ帽を被ったあんこうチームの五十鈴華が居ました。五十鈴流華道の家元に生まれた生粋のお嬢様で、嗅覚に優れ、食欲は旺盛で、座右の銘は「一意専心」。チームでは最初は操縦手、その後は砲手を務めました。大洗女子学園普通科の2年A組、出身は茨城県水戸市、好きな花は藤、好きな戦車はカルロ・ベローチェ33です。


 で、これが「華さんのみつだんご」です。びっくりしたのはその大きさと量で、普通の団子の倍はあろうかというのが三個ついてて、これが6本で300円でした。他の観光地だったら、1本で300円ですよ、多分。
 しかもタレがですね、みたらし風なんだけど、きな粉をまぶしてあるのでまったりとした優雅な甘味に仕上がってるわけですよ。団子の中身も妥協のない密度でして、一個食べただけで胃袋の何割かが占められる気がするんですね。これ全部食ったら、もう昼飯と変わらないんですね。重要なのは、ヤバイくらいに美味い !! という点です。病みつきになりそうな味は、さすが大洗が誇るソウルフードだけのことはありますな。
 おかげで、別の食事処で昼食をとる計画があったのが吹っ飛びました。 (続く)

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ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く その3 「レンタサイクルです!!」

2013年11月16日 | 大洗巡礼記

 駅舎の外に出ました。劇中でも見られた建物の実際の景観に、なにか嬉しくなりました。確かにここは大洗駅だな、と改めて思いました。


 駅前にあるイルカのオブジェも、劇中そのままの姿です。イルカ、というのは駅前にあるオブジェとしては珍しい部類に入ると思うので、大洗駅前の景観に独特の味わいを与えているように感じられます。そのままアニメでも再現されて、多くの視聴者にインパクトある大洗駅前の風景をアピールしたわけですね。


 駅前のバス停には、大洗町循環バス「海遊号」も停まっていました。劇中そのままの姿ですね。30分ごとに大洗町を周回し、聖地の各スポットを通るので巡礼にも便利です。一回100円、一日乗車券は200円です。今回はは「ガルパン街なかかくれんぼ」の54人のキャラクター等身大パネルを巡るのを目的の一つとしていましたので、循環バス「海遊号」の利用は見送りました。


 駅舎を出て右手には、タクシーの乗降場があります。有名な二台のガルパンタクシーは、お休み中だということで見当たりませんでした。


 タクシー乗降場のすぐ脇の広い歩道が、聖地スポットの一つです。最終話で優勝を果たして凱旋した大洗女子学園戦車道チームの全員が、西住みほの「パンツァー、フォー」の掛け声で一斉にジャンプした場所ですね。劇中では、奥の線路に停まった貨物列車からスロープで戦車を降ろしていましたが、現実にはそんな施設はありません。


 とりあえず徒歩に移りました。駅前のロータリー全体の景色を撮ろうと思ったのですが、意外にも広いのでカメラに収まりませんでした。古い歴史を持つ大洗町の玄関に相応しい規模と風情でした。


 駅前交差点で横断歩道を渡り、ふと右側を見回すと、見覚えのある建物の姿が視界に入ってきました。一階がコインランドリー、二階が公文算数教室、間違いなく最終話の戦車パレードのスタート地点に登場する建物です。この前の道路を、深紅の優勝旗を掲げたあんこうチームのⅣ号戦車D型(H型仕様)を先頭にして、各チームの戦車が行進したわけですね。


 駅前から北北東に向かって歩きました。途中に「ガルパン街なか戦車せいぞろい」参加店が幾つかあり、戦車パネルの一部を見ることが出来ました。上画像は、美容院「K&K」さんの玄関にある、カメさんチームの38(t)戦車です。発見時の状態ですね。


 続いて右側にある筑波銀行のショーウィンドーには、陸上自衛隊の10式戦車のパネルがありました。ガルパン戦車のなかで唯一の現代戦車です。大洗女子学園戦車道チームの教官を務めた蝶野亜美の搭乗車ですね。


 パネルの横には「日本戦車道連盟模擬試験」の設問のQRコードも貼られてありました。次の機会には、私も参加してみようかな。


 セブンイレブンのある信号交差点で右折して南南東方向へ進みました。まもなく歩道脇に上画像の旧式ポストを見ました。これがまだ現役なんですね。その後の商店街巡りで同じものを幾つか見かけたんですが、現行の箱型ポストの方は全然見当たらなかったのでした。私が見落としただけかもしれませんが、目につくポストがみんな旧型というのは、それだけで大洗町の本来の歴史的情緒をうかがわせてくれます。


 駅前から5分ほどで、目的地に着きました。「エノキザワ」こと榎澤輪業商会さんです。向かいにスーパーのエコスがあるのが目印になります。今回はこの榎澤輪業商会さんでレンタサイクルを借りる計画だったのですが、着いた時はまだシャッターが降ろされたままでした。営業時間より早く着いてしまったようです。
 それで、看板の電話番号にとりあえずかけてみました。「レンタサイクルを利用したいのですが、何時から営業ですか」と問い合わせましたら、すぐに開けます、との返事があって、ガラガラとシャッターが上げられました。


 店頭には、黒森峰女学園のヤークトティーガーのパネルが懸けられてありました。早速レンタサイクルの手続きをしました。大洗では、大洗駅とリゾートアウトレットとここ榎澤輪業商会さんの三ヵ所にレンタサイクルがありますが、料金はいずれも500円です。
 ガルパンファンに人気があるのは、大洗駅のママチャリと、リゾートアウトレットのガルパン仕様のイエローチャリですが、どちらも利用時には保証金1000円が必要です。ここ榎澤輪業商会さんでは保証金は不要なうえ、利用時に缶バッジが貰えます。
 それで私はここを選んだのですが、その後の商店街巡りにて色んな店の人に「この自転車は榎澤さんとこのだね」とか、「榎澤さんで借りて大正解だよ」とか、「榎澤さんのレンタサイクルならしっかり走って安心して使えるでしょ」とか言われまして、大洗の各商店街の住民の多くが榎澤輪業商会さんで自転車を買って使っていることを知りました。なんでも整備やアフターサービスが丁寧なことで評判なのだそうです。

 聞くところによると、大洗駅のママチャリやリゾートアウトレットのガルパン仕様のイエローチャリなどは、人気の故に多くの利用客があるにもかかわらず、担当係が素人なので整備が一辺倒であるらしく、タイヤの空気が足りなかったり、ブレーキの利きが甘くなっていたりと、様々の不具合があるそうです。大洗に限らず、観光地のレンタサイクルにはよくあることですね。奈良県の明日香村のレンタサイクルと大して違わないですね。
 なので、プロの自転車屋さんである榎澤輪業商会さんのレンタサイクルは整備が行き届いていて、乗り心地も全然違うわけです。実際、タイヤの空気圧はバッチリ、ブレーキもよく利き、変速機は滑らかに作動して坂道でも楽々と走れました。

 手続き後に、缶バッジを頂き、何台か並んでいるなかでママチャリタイプを選んだのですが、その時に店の主人が「夕方いつでも返してくれていいですよ。6時ぐらいまでは開けてますから」と言いました。実は今晩はこちらの宿に泊まるんですが、と返事をしましたら、「ああそうですか、そんなら明日まで貸し切りにしていただいても結構ですよ。お宿はどちらで?」と言われました。宿の名前を告げると、「ああ、いい処ですね」と頷いておられました。それで2日分の1000円を支払いました。
 いい感じのお店でした。次の機会にレンタサイクルを利用するならば、もう絶対にここしかない、と決めました。頂いた缶バッジのデザインは、大洗女子学園の校章でした。


 自転車にまたがって「ガルパン街なかかくれんぼ」の実施エリアに向かう途中、スガマ食品店さんの店頭で戦車パネルを見かけました。 


 これは黒森峰女学園のヤークトパンターですね。劇中では、大洗女子学園のカメさんチームのヘッツアーに二度も履帯を破壊されていましたね。名シーンの一つをリアルに思い出して、ますます楽しい気分になりました。 (続く)

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