ガイド図に従っての組み立てが終わったので、残っている追加工作に取り掛かりました。まずは、ステップ12にて取り付けを保留にしたバックランプのパーツF54、F57、F58をどうするか、という問題がありました。何かとお世話になっている模型サークルの先輩N氏に電話をかけて相談したところ、実在の車輌でもバックランプの取り付け状況はまちまちである、ということを教えられました。
N氏によれば、ZiL-157を車台としたBM-13は、車台部分はそのままにしているタイプ、後端を短くカットしているタイプの二通りに大別されるそうです。ガルパンの劇中車は、車台後端が見えませんから、後端を短くカットしているタイプとみて間違いないだろう、ということでした。
その場合、バックランプ類に関しては、車台後端に位置をずらして付け直しているタイプ、左右のフェンダ―後面に移設しているタイプ、の二通りがあるそうです。現存する実車の写真を見ますと後者のタイプが多いようですが、まれに前者のタイプも散見されます。
それでN氏が言うには、「ガルパンの車輌はみんな独自性が高いみたいやから、実車でもあんまり見かけないタイプのほうで作ってみるとそれらしくなるかもな」ということでした。
そこで、それに従って、車台後端に位置をずらして付け直しているタイプで再現することにしました。劇中シーンでは全く見えない箇所であるので、実車の写真を参考にしました。
結論としては、上図のような取り付け状況になりました。ガイド指示の取り付け位置より2ミリほど後ろに寄っただけですので、ZiL-157の車台部分の状態がそのまま生かされている形にもなります。
続いて、劇中車がキャブ上部に装備している防弾板の組み付けを行いました。今回のトランぺッターのキットには該当パーツがありませんが、ズベズダのキットでZiS-151トラックを再現した際の余りパーツの中に防弾板のセット(パーツ124から131まで)もありましたので、これを転用しました。キャブ自体はZiL-157もZiS-151も共通でサイズも同じですから、防弾板のセットがそのまま使用出来ます。
組み付けてみました。取り外し自在にしていますので、防弾板をキャブに乗せてあるだけです。後で、ヒンジのモールドが劇中車では省略されているのに気付いて、モールドを削りました。
次に、バンパーのリベット4個を、劇中車に合わせて再現しました。
最後の難関は、予備車輪ラックの自作でした。これに関してもN氏に相談したところ、ZiL-157の予備車輪ラックは大体3種類あることを知らされました。最も多いのがZiS-151トラックの予備車輪ラックを転用改造したケースであるそうですが、ZiL-157の幅広のタイヤに合わせて現地で拵えたケースもあるそうです。その現地作成の事例の写真も参考として送ってくれましたので、それを再現することにしました。劇中シーンでは殆ど分からない部分ですから、自由に作っても構わないわけです。
それで、ジャンクパーツやブラ材を色々使って上図のように作りました。
BM-13ユニットの基台前端に取り付けました。
予備車輪をセットしてみました。もちろん接着はせず、取り外しも可能です。
かくして、車輌全体の形姿をなんとか劇中車に近づけてみました。私の拙い腕では、これが精一杯でした。細部の相違はあるものの、全体的にはベオグラード軍事博物館の展示車輌に近い姿にまとまりました。
ガルパンの劇中車は、かねてからベオグラード軍事博物館の展示車輌が元ネタだろうと指摘されていますが、今回作ってみて、その通りだな、と納得しました。ただ、アニメならばでのデフォルメ表現がやや加味されており、車長およびボンネット部分が短くなっている点、前輪が誇張されて大きく表される点、などが挙げられます。
以上で、塗装前の組み立て作業が全て完了しました。 (続く)