goo blog サービス終了のお知らせ 

家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

辛味と苦味を知る

2006年11月24日 | 山小屋・ログハウス

前日はウチの子供の友達を何人か連れて山小屋に行った。

私一人で連れて行ったので、昼ごはんは手のかかることはせず、途中、スーパーで弁当や惣菜を買った。
皿に盛り付けるとき、子供の一人がヤキソバに付いていた紅しょうがを「どけてください」と言ってきた。
「なんだ? コレうまいんだぞ~」と言いつつ、人の子なので「食べよ」と強制もせず、脇によけて盛り付けた。
そこでちょっとした食べ物の話となった。

その子が「辛いから食べたくない」と言う。
私は「そうか、それは残念だなあ。大人になると辛いものがうまくなるんだぞ。早くそうなると楽しくないか?」と返した。
きょとんとしているその子に、「それどころか苦いものもうまくなる。うらやましいだろう」と言葉を重ねた。

年齢的に「苦いもの」イコール「悪」という固定観念がある時期なので、その「うらやましさ」は実感できないようだった。
私は、例えば、あの「ふきのとう」のほろ苦いうまさを知らないまま死ぬのは不幸だと思っている人間だ。
「甘いものはうまいけど、しょっぱいものだってうまいよね。そのうち辛いものだって苦いものだってうまく感じるようになれる。旨いものが多いほうが得なんだよ。食べなくてずっと嫌いなままでいると損しちゃうかもしれない」そんな話をした。

別の子が紅しょうがをちょっとつまんで「これ、そんなに辛くない。食べられるぞ」というと、その子もちょっと食べ「ほんとだ」と同意した。ヤキソバと一緒に食べるともっと旨いのだが、ひとまず口にする気になったことがうれしかった。

「嫌いなものは食べなくていい/食べたくない」というのはその時点において自然な心情で、それを主張するのもいたしかたないが、子供には「今は嫌いなものもうまくなってくることがある」ということだけは知っていてほしいと思う。
「嫌いなものが多い大人もいるけどなぜ?」と問いかけるので、「そういう人は舌べらがまだ子供のままなんだよ」と言っておいた。

食べ物だけではない。大人になると楽しいことがあるということを教えておきたい。例えば、自分の子供が生まれる喜びは自身が子供のうちは経験できない。家を建てる本当の楽しさだって子供の立場で経験できるものではない。

世の中には大人にしか味わえない楽しいことがある。
そのようなことを教えていけば子供の「自殺」をある程度抑止できるのではないかなどということまで考えた。


  
  山小屋のテラスからの紅葉

  

 紅葉をより楽しめるのも大人のほうだろう。写真を撮っているとき、子供達は飛び跳ねていた。

 


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど。。。。 (chiezokun)
2006-11-29 16:55:54
中々説得力のあるお話でした。
私は苦いとか辛いとかいうことではないく、食べ物の好き嫌いが結構あります。
食べれば食べれるんですけど。。。おこちゃまですよね(笑)

うちのチビたちは嗜好が旦那と似ていて、キムチやら、にんにくのしょうゆ漬けやら、子供には刺激的なものが好きなので困っちゃいます。
さすがに4歳児と7歳児には刺激が強すぎるのでは。。。。
ちなみにお兄ちゃんはさび抜きの寿司なんて寿司じゃないって言っています。
香辛料はどうでもいいから、野菜やお肉をたっぷり食いなさいって感じだけど、自分が好き嫌いが多いので強くいえません。情けない親です。
でも、嫌いなものでも好きだよ~~~って言って、必ず一切れは何でも食べて見せてますが。
返信する
大人になったら (martiniflats)
2006-11-30 00:07:59
大人になったら、もっと楽しいこと、もっとおいしいものもあるぞ…
大人になったら、こんなこともできるぞ…
それを教える大人がまず生活を楽しんでないとね。
とgaraikaさんと同じようなことをこの方もおっしゃってました。

http://www.satonao.com/archives/2006/11/post_1797.html
同感です。
うちには子供はいませんが、子供の自殺話には胸がつまされます。
返信する
好き、楽しい (garaika)
2006-11-30 23:40:09
>chiezokunさん
今回、人の子の話を書きましたが、わが子の場合、かなり意識して指導しています。
食い意地の張った私ですら、苦手な食べ物は数少ないながらあるので、完璧さこそ要求していませんが、必ず一口は食べさせます。
chiezokunさん、自ら一切れ食べることって重要ですよ。

我が家では、「これ嫌い!」ってイバって主張することは許しません。
申し訳なさそうに「苦手だから・・・」というなら聞いてあげます。
食べられないということはイバるようなことではなく、むしろはずかしそうにするべき、というのが子供への教育方針です。

そうは言ってもわさび、からしなど薬味系、刺激物系は大目にみているのですが、お兄ちゃんのほうは、すっかり大人張りに使っています。

>ちなみにお兄ちゃんはさび抜きの寿司なんて寿司じゃないって言っています。

近いです(笑)。


>martiniflatsさん

さとなおさんって食通の方ですよね。
私の場合もっとチープなレベルですが食べ物からの発想がベースになっているところが似てますね。

氏も示唆していますが、「今がすべて」と思わせないことが大事ですね。
明るい未来を想像できるように育てたいと思っています。
空想でも妄想でもかまわないので豊かな想像力を身につけさせたいです。
想像力は大人でも大事な能力ですから自分でも心がけたいことです。
返信する