寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

記憶に残っている映画(4)「羅生門」

2016年01月26日 10時34分30秒 | 寓居人の思い出話

 中学生のころ私は校内一番の読書好きだったらしい。

家の隣棟に藁科さんという方が住んでいました。その家

には4歳か5歳年上のお兄(A)さんがいました。Aさんは

友達がいないこともあって私を相手にいろんな話をして

くれました。そしてAさんが持っていた本をたくさん貸し

てくれました。その中に芥川龍之介の全集もありました。

 芥川龍之介の小説は、一見優しい文体で書かれていま

すが内容は人間の深いところにある意識を書いていると

Aさんは教えてくれました。その翌年芥川龍之介の小説

をいくつかまとめて映画を作ったという話をききました。

映画を見たのは数年後になりますが、映画自身は深部な

どで高い評価を受けたというようなことが報道されまし

た。監督は黒澤明でしたね。黒澤明監督に事は「姿三四

郎」(2編)を見た時に父がこの監督は将来性があると

教えてくれたのが思い出されます。

 「羅生門」という映画は初めて見た時は、その真価が

解らなかったのですが重ねてみると小説の「羅生門」と

は異なる場面があったのですが、人間は自分の罪を逃れ

る(自分の都合の悪いことを隠す)ためには真実を曲げ

てしまうものだということを知ることができました。

 この映画では三船敏郎と京マチ子の姿が目に焼き付い

てしまいましたね。外国の映画特別賞を受けたりしたの

で、映画の内容は理解困難だったのですが国外での評価

は極めて高かったのですね。

 黒澤明の作品はほとんど観ましたが、どれも素晴らし

いものだったと思いました。素人の考えでは、監督が高

齢になるにしたがって娯楽性の高い作品が増えてきたよ

うですね。しかし内容は作品ごとに私には何か社会正義

という課題を突き付けているように感じました。

 


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