中学生のころ私は校内一番の読書好きだったらしい。
家の隣棟に藁科さんという方が住んでいました。その家
には4歳か5歳年上のお兄(A)さんがいました。Aさんは
友達がいないこともあって私を相手にいろんな話をして
くれました。そしてAさんが持っていた本をたくさん貸し
てくれました。その中に芥川龍之介の全集もありました。
芥川龍之介の小説は、一見優しい文体で書かれていま
すが内容は人間の深いところにある意識を書いていると
Aさんは教えてくれました。その翌年芥川龍之介の小説
をいくつかまとめて映画を作ったという話をききました。
映画を見たのは数年後になりますが、映画自身は深部な
どで高い評価を受けたというようなことが報道されまし
た。監督は黒澤明でしたね。黒澤明監督に事は「姿三四
郎」(2編)を見た時に父がこの監督は将来性があると
教えてくれたのが思い出されます。
「羅生門」という映画は初めて見た時は、その真価が
解らなかったのですが重ねてみると小説の「羅生門」と
は異なる場面があったのですが、人間は自分の罪を逃れ
る(自分の都合の悪いことを隠す)ためには真実を曲げ
てしまうものだということを知ることができました。
この映画では三船敏郎と京マチ子の姿が目に焼き付い
てしまいましたね。外国の映画特別賞を受けたりしたの
で、映画の内容は理解困難だったのですが国外での評価
は極めて高かったのですね。
黒澤明の作品はほとんど観ましたが、どれも素晴らし
いものだったと思いました。素人の考えでは、監督が高
齢になるにしたがって娯楽性の高い作品が増えてきたよ
うですね。しかし内容は作品ごとに私には何か社会正義
という課題を突き付けているように感じました。
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