SAILIN' SHOES

デジタル一眼、ライカ等でのスナップ写真や、カメラ、音楽、鉄道・車、子育ての日々雑感です。

ボルスタレス

2008-12-19 | 鉄道・バス
私のブログにはアクセス解析がついているので、どういう語句や単語で検索してきたかがわかる。
これを見るのは楽しい。

毎日のように表示される単語は、
・ボルスタレス、ボルスタレス台車
・α900、α300
・ドンケF6
・白壁整形
・初芳鮨

というもの。
α900はわかるのだが、ドンケで来てくれる方が多いのが驚き。
これはドンケについて書いてあるHPやブログが少ないことをも意味している。
白壁整形も同じだろう。あまり記述がない割りには、知りたい人は多いということだ。

初芳鮨は横浜は日ノ出町にある大きな鮨屋だ。
安くて旨い大衆鮨なので検索されるのだろう。

さて、一番多いのはボルスタレス台車だ。
近年の台車のほとんどはこの形式だ。
ただいろいろ問題も多いと「噂」「揶揄」されている技術だ。
それで検索が多いのだろう。
写真を見ればわかるのだが、重い車体と台車部分を介在しているのは
ゴム製の風船のような空気バネだけだ。
昔の台車も横から見れば同じように見えるのだが、実は車体と台車は
誰でも考えるように軸と芯皿とでつながっていた。
模型と同じで、軸を介在して台車は曲がるものだったのだ。
ボルスタレスは軸が無く(厳密には前後推進用のリンクはあるが)、ゴム風船(空気バネ)のたわみというか遊びというかで曲がるのだ。
すごい発想だ。
天才的発想と言ってもイイかもしれない。
以前は金属部品で台車と車体をつないでいたので、部品の磨耗やら、劣化にも対応しなければならないし、ゴリゴリとした感触や音も発生する。
カーブやポイント通過時にそういう音がするのが当たり前だった。

ところが、ボルスタレスならそういう介在部分がゴムと空気なので、
実に静かで、ふんわりした乗り心地なのだ。
大袈裟に例えてしまえば、ガチガチに固められたレース仕様車から
マジェスタに乗り換えたような違いだ。

ただ日常的にも感じられるのは、線路の状態が最良であれば、絹の上をすべるような乗り心地を得られるものの、線路の保守が悪いと、フワフワがアダになる。
以前は乗客は普通に立っていられたのだが、今は、カーブで予想外の揺れに戸惑い、ラッシュ時には乗客が雪崩のようになる場合が多い。
ラリー車や4駆で山道を走るのは怖くないが、マジェスタやキャデラックで林道を走ったら、酔いそうになるのと同じだ。
軸があった台車は揺れの予想も簡単だった。加減速時は縦方向、カーブ時は横方向だ。風船の場合は360度の揺れが可能なので、揺れの予想が人間の想定を超えてしまってる感じだ。
突然思わぬ方向にガクッと揺れて倒れそうになる。

そういう状況がわかってきたので、高速車両や高級車両(この場合グリーン車等)では、台車と車体の間にオイルダンパー(ヨーダンパ)を介在させている。
しっかり感を持たせているのだ。

有名な話としては、急カーブを120キロで爆走する京浜急行、総じて高速運転の阪急はボルスタレスを採用していない。
カーブと山間部を走る神戸電鉄も採用を見送っている。
そして、東京メトロの新車からは採用をやめてしまった。
メトロの件が多くの憶測を生んでいる。

ただし保線がすこぶる良く、運転も丁寧な小田急や西武に乗ると、
ボルスタレスの良さを感じることができる。
逆に、JRの高速運転ではあまりの挙動の迫力に驚く場合がある。
スリリングで決して嫌いではないのだが。
阪急ぐらい保線や線形も良く、運転が丁寧であればボルスタレスを採用しても
効果があるとも思えるのだが、さて。


SONY α900、タムロンA09
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8 コメント

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Unknown (オオォ)
2008-12-19 17:22:00
おもしろい、キーワードばかりですね~~笑っ

うちもα900は多いですけど
ほかは、ありきたりな言葉ばかりです

有る意味特殊なんですね~funamyuさんは!笑っ
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Unknown (ゴムですか…)
2008-12-19 18:59:10
自動車のミニや自転車のモールトン(設計者は同じ人らしいです。)はサスがゴムのボールだと聞いた事があったんですが、
電車にも同じメカニズムの物があるんですねー。
乗り心地良さそう…
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剛性不足 (TAKE54)
2008-12-20 00:30:56
僕もミニの事を考えましたが、少し違うのですね?

他に介在するものが無いのはちょっとびっくり。初めて知りました。乗り心地が良いのはGoodですが、剛性不足なのはNGですね。車両の台数が多いと、ダンパーの数もバカにならないのですかね?メンテも大変になりますしね。

これは日本の技術なのですか?アルミボディもちょっと怖いと思いましたが、軽さのためには致し方ないのでしょうね?ランニングコストは下がった方が良いに決まっていますからね。でもダンパー位は、付けて欲しいような気がします。

電車は時間が確実だし、渋滞もなく、大量の人員が移動出来て良い交通手段だと思いますが、最近は人身事故多発など、ちょっと嫌なニュースも多いですね。ただでさえ世の中暗くなりつつあります。funamyuさんが警鐘を鳴らしていたように、福知山線の脱線事故みたいなのはもうゴメンですよね。
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オオォさんへ (オオォさんへ(funamyu))
2008-12-20 00:56:57
私のブログに訪問してくれる人の検索キーワードは確かに不思議です。

私って、ある意味特殊なんでしょうかね。
しゃべるととても普通の好青年ですが!(爆)

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ゴムですかさんへ (Unknownさんへ(funamyu))
2008-12-20 01:04:23
ゴムボールのサスペンションの話は私も聞いたことがありますが、どんな形状だったんでしょうね。
中身は詰まったボールなんでしょうかね。

電車の場合はゴムの円盤の中身は空気です。
空気バネと言っています。
空気バネ自体は昭和45年以降ぐらいから普及し始めました。
それまではコイルバネです。
中の空気の分量は、コンピュータ制御で可変されます。
電車の左右の重量配分まで検知して、空気を入れたり抜いたりしています。
なので停車中にシューシューという音がするのです。
いろいろ複雑なことをコンピュータ制御するのも怖いですが。
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一長一短 (westbell)
2008-12-20 01:10:37
こんばんは。
難しい問題ですね。
先日近鉄の社員の方とお話しする機会があったんですが
名古屋地区では圧倒的にJR東海が設投、保守費を
掛けてきますから勝ち目がないようですね。新幹線の
潤沢な資金が在来線に回りますんで近鉄も名鉄も
かわいそうです。乗り心地、保守や線形で勝負になりませんね。
ただ面白かったのは晩年養老線はお金が掛けられてません
でしたが養老鉄道になってから逆に地元からの資金で
一気に手を掛けれるような状態になったそうです。
ただどうやって使うのか逆に悩んじゃうみたいですね(笑)。
返信する
TAKE54さんへ (TAKE54さんへ(funamyu))
2008-12-20 01:50:19
さすがTAKE54さん、視点が鋭いですね。
鉄道ファンとは違ったクルマからの視点・アプローチが私も重要だと思っています。
日本人はフワフワがイイと思ってる人種です。
車が典型的ですね。
日本の高級車のフワフワ感が最高と思ってるのは欧州人には理解できないレベルかもしれません。
椅子も同様です。国産車のシートはなってない。
最近の電車は台車の剛性が無く、車体の剛性もありません。すべて軽量化でいろんなコストを下げようとした結果です。
むかしの鋼の電車は剛性が高く安心感がありました。
車も同様に、コスト削減、クラッシャブルの概念等もありボディー剛性は理論ほど高くないように思えます。そして足回りですが、言うまでもなく日本車の高級車などは車体重量が大幅増加したのにも関わらず、それに見合ってないですね。
ドイツ車に乗ると大きな差に驚きます。

ボルスタレスの技術そのものは日本独自ではありません。欧州と日本でやってます。
ただ大いに違うのは日本の場合は狭軌なのに、車体は制限一杯に広くとり、とても不安定な状態でボルスタレスやら軽量ボディーだったりすることです。
さらにラッシュ時の乗客の多さ。
ボディー剛性を高めなければ衝突時に危険ですし、そもそも蛇行などで不安定になると、もう収拾がつかなくなります。
関西私鉄(南海除く)や京急、京成のような新幹線と同じ軌間であれば随分安定感が違ってきます。
トレッドが広いと車も全然違いますよねえ。

ボルスタレス=危険
とまでは言うつもりはないです。
それは全然わかりません。
でも単純にフワフワは好きではないのです。
だからオペルに乗ってるんですから。(笑)


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westbellさんへ (westbellさんへ(funamyu))
2008-12-20 02:08:25
JR東海の在来線は確かに潤沢な資金でいろいろやれてイイですね。
特に名鉄がかわいそうです。
でも非常に頑張ってますね。
趣味的に見れば、その魅力度は相当高いですし。(笑)
近鉄はフリークエンシーでは勝ってるので、面目が立ってます。それと1435mm軌間の安定感がイイです。
近鉄の乗り心地はボルスタレスですがワイルドで男っぽいのが好みです。車両重量も潤沢ですし。(笑)
養老線はちょっと残念でした。大阪の会社でなく名古屋の会社だったら違ってたでしょうね。
特に私鉄の場合は沿線開発がセットでしたからねえ。
伊賀鉄道はその後、順調なんでしょうかね。
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