私は本をたくさん読むので、いちいち紹介はしていないのだが、やはりこの本は紹介しておこうと思う。
前回紹介したのは「近鉄中興の祖 佐伯勇の生涯」神崎宣武著、創元社刊であった。
今回は実は昨年の12月に読んで、その後もベストセラーになっている本だ。
「私鉄3.0 東急電鉄の戦略的ブランディング」東浦亮典著、ワニブックス新書である。
先日土曜日に東浦さんにお会いした。
実は東浦さんの親しい知人が、私の大学時代のベーシストなのである。
そんな知り合いの知り合いだが、そんなことは実は関係なしにネットで予約して買った。
その後、近しいということが判ったのだった。
そんな著者に土曜日にお会いしてサインまでもらうとは思っていなかった。
更に言えば、0歳からの保育園~小学校で仲良くしていたママの上司でもあった人。
まあいつも言うのだが世の中は狭い。
さて、この本は東急を題材にした私鉄の発展を沿線開発から見た本だ。
東急は田園調布や洗足から始まった沿線開発型の鉄道だったのは有名な話だが、
特殊だったのは田園都市線の開発が割と近年だったことだ。
多くの私鉄沿線は戦前に完成してしまっているが、田園都市線は1966年(昭和41年)に溝の口 - 長津田間が開業している。
渋谷 - 二子玉川間が開通したのは1977年(昭和52年)のことだ。
そのために踏切が一か所も無い。
そんな田園都市線の開発に直接携わった著者の経験談から多くが語られてるので、話がリアルだ。
二子玉川に完成した住職近接の新しい双方向の交流鉄道の事が語られ、少子高齢化に向けた街づくりが語られる。
池上線の魅力についても言及されている。
この手の本にしては異例の売れかただ。
実は多くの人が都市開発、沿線開発、少子高齢化の鉄道沿線に関して関心があるのではないだろうか。
これからの時代の私鉄沿線の在り方を考える本にもなっていて、かなり面白い。
この本を読んでから、これからどうしたら私鉄沿線は良くなるかずっと考えている。