正月2日、ボーリング競技をした後、夕食をご馳走になった。
蟹とシャブ鍋の二種が用意され、ボーリングの出来事も話題になって大いに盛り上がった夕食となった。
鍋料理の”薬味”に出されたのが「鷹の爪」である。
生の鷹の爪を火で炙って(写真右)、器の中でほぐして鍋汁を加え、味を調える。
唇に刺激があって、その刺激が永く続くのである。
昔、と云っても60年近く昔であるが、井戸と流しが(屋外)あって、そこに真っ赤な”鷹の爪”が置いてあった。
私には五歳下の妹がいる。
何も知らない妹に、真っ赤な鷹の爪を見せて「美味しそうだろう! 美味しいぞ!」と云って食するよう勧めた。
そして「美味しいから、ガチっと噛め・・」とも付け加えた。
結果は明らかである。
妹は大声で泣いた。
妹の泣き声を聞いた父が駆けつけてきた。
父は妹の口の中にあった鷹の爪の欠片を取り除いていた(ように記憶している)。
父の印象として、この時より少し歴史を遡ると、兄が姉の顔を傷つけた時、父は庭にあった柳の木に兄を縛りつけた。
母が懇願したが許さなかった。
普段、子供達を叱ることの無い父であるが、その時の恐怖がよみがえった。
私の記憶の中に、父に叱られたのはこの時だけであった様に思う。
体罰は無かったが、怖かった。
今日の絵日記の絵(写真)は昔の自分を想い出させた「鷹の爪」とした。