富貴蘭讃歌

富貴蘭の栽培記録と勝手気ままな四方山話です。

植え替えスタート

2016年09月15日 | 風蘭の作
去年は すべての鉢の植え替えをする事が出来なく
痛めた木のチラホラ
今年は早めにスタート。週末だけの植え替えですので
この時期から始めても春までに終わるかどうか、、、
気合いを入れましょう
























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当り

2014年08月12日 | 風蘭の作
この時期 棚に入れば目を皿のようにして探すあたり
風ラン作りの楽しみの一つでもあります

今年は全くの無肥料だったり
棚の根本的な改善をし 環境が変わった為
当たりの出る時期が例年より遅いようです

しかし何故か当たった数は多いようですので
何鉢が 少々気になった当りをご紹介

    錦紺冠の当り 
親子からそれぞれ出ています、増えは良いようです

    靖国の当り 
今まで幽霊ばかりで覆輪は一本だけでしたが
今回もどうやら覆輪になりそうです

    白牡丹の当り 
昨年出た当りが今頃成長し始めました
普通一年動かないと枯れてしまうのですが

    至楽の当り 
2個当たっていますが 1つは飛ぶでしょう
根の弱い品種で年二個はきついのかも

    豊明殿縞の当り 
待望の当たりです 
3個当たりましたが上のプチはしけて枯れた?ようです

    羆の当り 
今年は2個当たってくれました 反対側はガンガン成長してます
両方とも羆のようです。

    羆の当り 
別のクマさんから
春の当たりは白で出ますが、この時期はこんな色

    金剛宝の当り 
派手木から地味ないい当り

    建国羆錦の当り 
本葉が出れば青に、そして黄縞が出る予定? 

    大波青海縞の当り 
3個当たってますが、この段階では柄はわかりません

    紅牡丹縞の当り 
出た場所から考えると幽霊?
案外しけて枯れる当たりも多いのがこの斑入り墨芸の特徴

    天明の子から出た当り 
いきなり子木に2個当たりました 親にも2本出てますので
増えの良い木なのでしょう

    天優の当たり 
今年は2個 ようやく完全覆輪のみ出すようになりました

    円窓の当たり 
最初は幽霊気味に そして覆輪に

    幻日の当り 
これから覆輪になります、うちでは思ったより増えません

    奄美冠白の当たり 
増えは抜群です 芸の継承も抜群

    雫の当たり 
相変わらず思わせぶりな糸覆輪

    神の雫の当り 
当りと言うか子芽まで成長、早い成長です
これから紺が乗るかどうかが問題

    古都の雪の当たり 
最初は青に出ます 覆輪から三光中斑に変化した証拠

    五月雨の当たり 
葉芸だけでなく紺覆輪品種なのがわかります



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活力剤 リキダス 

2013年05月15日 | 風蘭の作
今日は趣を変え栽培用商品のご紹介
毎日更新してますと どうしてもネタ切れに

使ってみて良かった物や またその逆のもの、、、
今後色々 メーカーさんに怒られない程度に
たま~~に御紹介

一発目は
ハイポネックス社から出ている活力剤 リキダス

こんなフルボ酸入りの活力剤があったなんて知りませんでした
今迄 微妙で邪魔くさい調合をして 
フルボ酸溶液を たまに与えてましたが
これで楽ちんです

与えてみた感覚では 案外即効性が有る感じ
特に気難しい野生ランには 効果がありそう
夕方に1500倍~2000倍で与え あくる日見ると
何か 木がシャッキとした感じ
この感じと言うか雰囲気が大事

風蘭のように年2,3枚の葉繰りの植物では
肥料や活力剤を与えても
そんなに目に見える効果はわからないのですが
長年フウランをやっていると 
たった一日で 微妙に木が喜んでいるのが伝わります
(それがシャッキと言う言葉)

1年で作が完結する石斛や東洋蘭、野生ランなどには
目に見えて効果があるかもしれません

さて
肥料や活力剤をやるというのは 案外邪魔くさい事
特にうちみたいに鉢数が多いと
デカイ ゴミバケツに水を張り 肥料や活力剤を溶かし 
ポンプでドバドバやります
これでは あっという間に肥料や活力剤を使い切り非効率的
ほとんど垂れ流し状態 残留肥料も気になりますし

最近では 適正希釈倍率で20リッターほど作り
大事な木だけ
霧吹きでシュッシュッとやるのが何時ものパターン

2000鉢近く肥料やりするには 70リッターのゴミバケツ
7回以上いります 約500リッター以上
霧吹きの方がいかに効率的か

結局 費用対効果の費用が高くつけば 
いくらいい活力剤や肥料でも遠ざかってしまいます
幸いにして風蘭など新根を気中に出しておりますので
このやり方がベストかも

別に 私はハイポネックス社の回し者ではありませんが
良いものは良いと
このリキダスはマジお勧め
作の遅い木などに薄めで与えるといい効果が出そうです

今日はハイポの宣伝みたいになりましたが
いいものは良いという事で、お試しあれ



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奄美風蘭の作について

2013年01月14日 | 風蘭の作
最近 奄美はどう作るのが理想かと
御相談をいただく事が多々有ります

一度 ご一緒に考えてみましょう

その前に
まずは現地、奄美大島(奄美群島の徳之島もほぼ同じ)
の気温を知ることが大事です

       年間平均気温        月度別最高最低温度平均
      奄美    東京     奄美最高温度    奄美最低温度   
 年間  21,6  16,3     24,8         18,8

 1月  14,8  6,1      17,5         12,0
 2月  15,2  6,5      18,0         12,3
 3月  17,1  9,4      20,2         14,0
 4月  19,8  14,6     23,1         16,7
 5月  22,7  18,9     26,1         19,7
 6月  26,0  22,1     29,2         23,3
 7月  28,7  25,8     32,3         25,9
 8月  28,4  27,4     31,8         25,8
 9月  26,8  23,8     30,2         24,1
 10月 23,7  18,5     26,9         20,9
 11月 20,2  13,3     23,3         17,3
 12月 16,5  8,7      19,5         13,7


    
この平均気温の推移を見ますと
自ずと作のヒントが伺えます

実際 奄美の植物を内地で
庭植えすれば なかなか冬を越してくれません
さらに奄美の野生ランに至っては、
温室が無いと越冬はまず無理
(実は年間日照時間は本土より少ないのですが)

その中でもアマミフウランだけは
元々内地から派生した植物なのか
野外でも越冬してくれます

この辺りが作を惑わすところかもしれません
無加温の風蘭の棚でも、
他の風蘭と同じように越冬してくれるからです

しかしこの温度分布を見れば
内地のフウランに合わせるのは
少々酷なようです

この様な温暖な気候で育つためか
木も大型化しておりますし
その環境にあった進化を遂げているはずですので
いくら実生とはいえ 産地の環境に少しでも合わせてやるのが
木の為になる事は疑う余地が有りません

実際 吟風なども加温保護してやりますと
見違えるように立派な木になります

なかなかアマミだけ特別に
管理すると言う事は出来ませんが
私の理想とする奄美の作り方は

植え替えは10月中旬から11月中旬までの間に済まし

11月末まで自然栽培
12月頭にハウスを閉め 中旬には最低温度を10℃にキープ
水やりは通常で

後は気温が上がる春までこのまま管理か
日差しが少々きつく感じられる3月に
最低温度を15℃に出来ればなお理想

こう管理すれば若干の寒さにも当り
気の早い木は 12月中に新根を出し始めます

結局 奄美大島は鹿児島県とはいえ
亜熱帯海洋性気候の
温暖多湿な地域ですので
私の考えでは 
休ます必要のない風蘭と思っております

歴史ある富貴蘭栽培において
冬場の加温は邪道のように言われた時代もありました
実際、春に行われる全国大会の懸賞に
新根の動いているランを持って行くと
加温栽培しているからダメと言われたことも

今はもう、そういう時代錯誤な事を
言われる方はいないと思いますが
昔と違い実生全盛のこの時代
作に関しても我々が進化成長したいものです

時代錯誤と言えば 
年一回、楽しみの日本富貴蘭会の会報を見ても
色んなおっさんの挨拶や宴会の写真集なんて
どうでもよく
もっと会員の欲している記事を書けばと思うのですが、、、

会報とか月刊誌は趣味者が知識習得の為
何回も読み直すぐらい魅力がないと
意味がないでしょう

私は業界の異端児ですので
好き放題書いてますが
歴史ある園芸を愛する人間として
もう少し近代的にならないかと思う今日この頃です

ごめんなさい。

さて話は戻り
風蘭愛好家のそれぞれの栽培環境は異なります
今回の奄美の作については
あくまで一個人の私見として御参考程度にして頂き
色々試行錯誤してみてください

奄美専用の栽培方法が確立できれば
それなりの恩返しをしてくれるはずです


12月末まで全くの無加温、1月より最低8度で管理している吟風
1月13日現在 すでに新根が出ています



 
    



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水苔

2012年11月23日 | 風蘭の作
今回は水苔についてお話

最近雑誌等で国産水苔がいいと言う記事をよく見かけます
業界でも国産がいいと、、、

斯く言う私も30年近く国産水苔を使用していますが、、、

別に大した理由は有りません

ニュージーは水持ちがよすぎるし
一度乾けばなかなか水を吸わないので
私にとって扱い辛いだけ

確かに国産はニュージーに比べ利点も多々あるように思いますが
何でも一気に飛びつくのは危険

と言うのも どの記事も国産水苔のリスクが
何故か記述されておりません

ある意味 国産水苔は もろ刃の刃 的なところがあります

ニュージーを使い今まで順調だった富貴蘭が
国産の使用法を誤り いきなり作落ちしても
雑誌社も誰も責任を取ってくれません

この富貴蘭讃歌であまり作のことについて書かないのも
それぞれの棚の環境や鉢の種類、水遣りの頻度等々
千差万別だからです

うちの棚ではこれがいいという作り方や
殺虫殺菌の仕方などなど
それが他の棚で実践しうまくいくかどうかは疑問です

ブログとはいえ 活字にしておりますので
それを もし参考にされ 万が一ランを傷めても
責任をとる事が出来ないからです


さて話は戻り
国産水苔のデメリットを二三書きますので
軽く参考にしてください

先ず第一に
殺菌消毒をしていないため
虫の持ち込みがあります
これは少々苔を乾燥させても防げません

虫はゲジゲジは勿論ダンゴムシまで出てきます
ゲジゲジは悪さをしないようですが
ダンゴムシやナメクジは根を食害します
一匹見つければその何十倍も潜んでおり
一度棚で発生すると根絶は相当な労力がいります

全て卵の状態で水苔に付着しているようです

うちでは国産を仕入れ 害虫対策のため
乾燥させ一年間寝かします
一年寝かしてもゲジゲジやダンゴ虫が孵化してきます

ニュージーでは考えられないことですが

今、植え替えに使っている水苔は去年採取物で
段ボールの箱に一年間寝かしておいた物
ビニールに入れ寝かすと
少しでも湿気が残っていれば腐りますので
通気のいいダンボールを使用します


次は雑菌

国産を使い一番怖いのは雑菌の持ち込み

基本的には腐葉土で作っているみたいなものですので
特に夏場 水が多く強光が当たり蒸れの状況になると
台苔の状態が悪くなり
たった一日二日で全ての根が一気に腐ることも

根の腐る進行が速いため草姿はそのままですので
気付いた時はすでに遅しです
これはあまり発生することのない極端な例ですが
国産を使い蒸らすと起こり得ることです


後は水苔自体の劣化が早い事

特に夏場は水苔から湧いてくる虫に食われたり
さらに乾燥が早いので苔がスカスカになり
素焼き鉢では水切れし葉焼けの原因にもなります

うちの棚は水加減の分らない人が毎日ザブザブやってくれますので
国産の渇きに速さは重宝しますが、、、

確実に年2回は植え替えないと
水苔の劣化速度に作がついていけません
さらに見た目がとても汚くなりますし
高い国産ですのでコストパフォーマンスはイマイチです

風蘭は年に2,3枚の葉繰りで
国産に変えたから
それが4枚になるわけでなく
自己満足的要素が高いだけかもしれません

風蘭以外の園芸もやられている人はわかると思いますが
要は腐葉土で作るという事です
腐葉土で春蘭を作ればどうなるか???

苔自体に栄養が有り 作が良くなったようにも見えますが
(実際、ニュージーよりは木が大きくなるようです)
その作場の環境まで留意して作らないと木が間延びします
(肥料がありますので水苔の養分に頼る必要はないと思いますが)

今回の 自然と野生ラン に載っている四国方の様な環境、作をすれば
素晴らしい出来になるでしょうが、、、

一度よく研究してみてください
いきなり棚のすべてを国産にするのではなく
一作、棚の2割ほど国産に変え様子を見る方が賢明かもしれません
その内 国産に合う鉢の種類や扱いがわかると思います

ちなみにうちは最高級の国産水苔を使っておりますが
それでも細かな弊害は出てきます

今うまく作れているのであれば
あえて変える必要は何と思います

最近 あまりに国産国産と ざわざわしだしましたので
こういう事も有りますよと
経験を踏まえ 老婆心ながら書いてみました





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