山本藤光の文庫で読む500+α

著書「仕事と日常を磨く人間力マネジメント」の読書ナビ

006:「暗黙知」(名人芸)の移植

2019-07-02 | 新・営業リーダーのための「めんどうかい」
006:「暗黙知」(名人芸)の移植
営業企画部長を経て、SSTプロジェクト事務局長になりました。これは2年間におよぶ社長直轄プロジェクトで、2桁アップの営業生産性を実現するのがゴールです。ただしここに社長の贅沢(ぜいたく)な要求が付加されています。「ただし、プロジェクトが終了しても、生産性を落とさない方法で」

つまり社長は社内キャンペーンのように、一時的に業績が上がっても終わるとへこんでしまう現象を、避けなさいといっているのです。そこで考え出したのがSSTという同行専任部隊でした。

全国からもっとも優秀な営業リーダー8名とMR16名を集めました。彼らには3ヶ月間、3人が1組になって、1つのチームに入ってもらいます。この間、2名のMRと終日同行してもらいます。これを2年間繰り返すのがSSTプロジェクトでした。SSTメンバーのゴールは、MRのスキル向上です。彼らがいなくなっても、名人芸がMRに移植されていなければなりません。

SSTプロジェクトは、ナレッジマネジメント学会でも取り上げられ、野中郁次郎一橋橋大名誉教授も雑誌「プレジデント」に連載を執筆してくれました。すさまじい反響で、私も講演やインタビューと急に忙しくなりました。
SSTを立ち上げたときはまったく知りませんでしたが、「暗黙知」にフォーカスをあてた希有(けう)なプロジェクトだったようです。
全社の業績は、終了時点で対前年24%アップという大きな成果を出しました。SSTについても、後章で詳述させていただきます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿