奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その721)

2018-08-15 08:15:00 | 奈良・不比等
「日本人の遺伝子~ヒトゲノム計画からエピジェネティクスまで(一石英一郎著・角川新書2018刊)」を読んだ。一石英一郎(いちいしえいいちろう1965生れ)氏は、京都府立医科大学卒にて、国際医療福祉大学教授である。内科学が専門であるが、統合医療・医工学研究や最新の遺伝学にも造詣が深いとのこと。-----
「日本人の遺伝子」では、巻頭に日本人のルーツについて書かれていて、ひょっとすれば日本人の祖先は古代ユダヤと同じだと云う説に賛同されているので、トンデモ本であるかのように思ってしまうが、そうでもなくてまともなことを書いてあるページの方が多いとは思った。しかしながら、あまり章立ての区切りがハッキリせずに雑多な情報が次々と並んでいるので、面食らう程である。丁度、西洋医学に対する東洋医学の様に、博識を大風呂敷で広げた様な気がするのである。科学的な分類を出来ない様な玉石混交の様な内容のことが、当るも八卦当らぬも八卦の世界の様に論じてあるので、几帳面な人は読み通すことが難しいかも知れないと思った。可笑しいと思った処は読み飛ばすなどすれば、これはと思う話も多く見つかるので、取り敢えず面白い話題提供本であると思えば、問題ないだろう。-----
遺伝学は歴史が古くて、内容的に血液型の分類の様に流行らなくなったものもあるので、ごっちゃにするのはどうかとも思った。直接に生命科学に取り組む研究者ではないので、悪気は無いのだろうが話は半分にしておいた方が、間違った先入観を持ってしまう危険を回避できるだろう。-----
日夜臨床診療に没頭されているのか、様々な論文ネタをお持ちのようで、最後まで面白く読める本ではある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする