奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1029)

2019-06-19 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「野心のすすめ(林真理子著・講談社現代新書2013刊)」を読んだ。林真理子(はやしまりこ1954生れ)女史は、日大(藝術学部)卒で、1982年作家デビューし、1986年、“最終便に間に合えば京都まで”にて直木賞を受賞している。現在は自身が直木賞選考委員を務めている。-----

「野心のすすめ」は、1990年36歳で結婚し、44歳で女児を儲けて、全てを手に入れた林真理子女史のこれまでの人生の道程を隠さずに書き出して、若い人にエールを送っている本である。林真理子女史のように皆幸せになって下さいねと屈託なく書いている。-----

さて「野心のすすめ」を読んで誰でもが野望を実現できるかというと実は難しいとも書いてあるので、簡単な事ではないが、上を望まなければ、そこそこの格下でもそれなりの幸せを手に入れることが出来ると考えるとそれはダメだとも書いている。人生は相当に上を目指してやっとその半分くらいが実現するのが関の山なのだと強調している。-----

林真理子女史の育ちはお母様が本屋を営まれていたようであり、そして戦前には“旺文社”に務めていたそうであり、それなりの教養レベルの高いお家に育たれている。だから向上心は元から人一倍であったのだそうだ。虐められていた中学校から進学高校に飛び立ってそれからは、ずっと上を目指したのだそうだ。でも就職は出来ずアルバイトで雌伏の長い時を過ごしたとも書いている。それでも結局成功なさったのは、一流の人とお近付きになられたことが良かったと思えたし、林真理子女史もそのように書いている。藤吉郎の信長への接近策を彷彿とするような過去がこれも赤裸々に書かれているので、野心を持つ人は恥ずかしがらずに挑戦してみてはどうかと、昨今の草食人間に教えているのだ。確かに覇気の感じられない若者が多いと思うが、そのために書かれた本としては、役立つとは思えない。きっと林真理子女史の自信過剰を嫌う人が多いだろうから。

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