奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1017)

2019-06-07 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「海の向こうから見た倭国(高田貫太著・講談社現代新書2017刊)」を読んだ。高田貫太(たかたかんた1975生れ)氏は、岡山大学(文学部)卒、同大学院(史学専攻)修士課程修了で、更に大韓民国/慶北大学校(考古人類学科)博士課程修了し、文学博士である。現在は、国立歴史民俗博物館/総合研究大学院大学准教授である。-----

「海の向こうから見た倭国」は、“古墳時代の日朝関係(2014)”に次ぐ高田貫太氏の言ってみれば新書デビュー作である。----

日本の古墳時代を日本列島ではなくて、朝鮮半島から眺めれば、どのように見えるのであろうかという視座から、彼の地に留学された強みもあって、高田貫太氏は特徴的で優れたご本を著されたのだと感心した。年季の入った古代史学者は記紀に縛られた洗脳下から脱することが出来ておらず、若い高田貫太氏に至って初めて、旧来の記紀の解釈に疑義を呈するに至っているのである。-----

弥生時代後半から6世紀に至る古墳時代の、倭国と韓半島の考古遺物の比較から、様々な事実が明らかとなってきており、日本側の偏った解釈では、弥生時代以降の人びとの渡来の実態が隠れてしまっており、文化は人に付いて渡ってきているのだと知らねばならないと高田貫太氏は書いている。要するに高度な文化を教えて貰ったのではなくて、高度な文化を携えた人々が列島各地に渡来し住み着いたのだと理解せねばならないのだと強調している。

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