奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1014)

2019-06-04 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「人は変われる~大人のこころのターニングポイント(高橋和巳著・ちくま文庫2014刊/2001版の文庫化)」を読んだ。高橋和巳(たかはしかずみ1953生れ)氏は、福島医科大学卒で、東京医科歯科大、都立松沢病院を経て、現在は精神科クリニックを開業している。女優の中江有里の解説付きで高橋和巳氏のヒット作である。 “悲の器(1962)”でデビューした同姓同名の作家/高橋和巳(たかはしかずみ1931~1971)と混同している人もおられるかもしれないが、その有名度は全く桁違いと云えようか。それでも、「人は変われる」はそれなりに売れているのだから、どこか似た面が作風にあるのかも知れない。精神科医だからカウンセリングするのだが、作家・小説家もある意味では読者のカウンセリングに役立っているとも考えられるのであり、若くして早世した人気作家に肖(あやか)って、精神科医の高橋和巳氏は結構多作であるようだ。-----

「人は変われる」は、“他人は変えられないが自分は変われる”という世間の至言を事例に拠る解説で“変われば怖いものなし”だと教えている。高橋和巳氏の写真を見るとその風貌がまるで教会の牧師のようであり、迷える子羊に宗教者のような接し方で、精神科クリニックを運営なさっているのではと思えても来る。----

うつ病の治療には薬の処方もあるのだろうが、結局は悩みを聞いてあげることが一番だとの思いから、“ああでもないこうでもない”と、親切に患者に接して来られたものと感心した。「人は変われる」を読んでもそう簡単に変われることはないだろうが、癒(いや)されることは確かな本であると思った。

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