はなうたまじりにひとりごと

私視線で、観て聴いて♪素直に気ままに我儘に。主に宝塚の舞台のこと、その他諸々?についてお喋りを。

銀恋語り☆2

2008-10-25 22:38:34 | Weblog
この作品は、ヤスの目線を通して、銀ちゃんを描いている。
銀ちゃんの真意や、想いというのは、あんまり本人が吐露しない。

銀ちゃん自身は、ストレートな表現が苦手な、シャイな人だし、
周囲に自分のストレスを吸収してもらってるような人で、
「実は…」の銀ちゃんのシリアスな本音は、ほんの要所要所にしか、登場しない。
この辺りのメリハリは、非常に苦労された部分かと思いますが、
ゆーひさんご自身は、ある意味ナチュラルに、さり気なく、ココを演じておられる。
ヤスが命を掛けたいと思うような魅力のある、銀ちゃんだった。

うわぁ、キレイだなあと思ったのが、
銀ちゃんがヤスを抱き締める場面。
銀ちゃんは、物凄くウルサい柄(笑)合わせのお衣裳で、
…なのですが、立ち尽くすように立って、ギュッと抱き締める姿が、
その想いを、全身に漲らせておられるからでしょうか。

面白い場面、可愛い場面などいろいろあったけど、
私のゆーひさんベストショットは、あそこでした。


今回、すごかったのが、ヤス役のみつるくんで、
気がついたら、私は、完全にヤスに感情移入をして、観ていた。

ヤスの動きに、作り事がない。
真っ直ぐに、銀ちゃんをみつめ、銀ちゃん目掛けて生きていく。
ヤスの不器用な部分、暖かい部分、
その中にある、男前な部分。

これまた、小夏ちゃんが、
段々、ヤスとの生活に安らぎを抱き、幸せを夢見る気持ちが、
本当に、自然に納得ができるのです。

「映画に命を掛けてる」という言葉が、リアルだし、
「俺にとっての銀ちゃん」が、そこにある男としてのロマンみたいな気持ちが、
ひしひしと伝わってくる……。

みつるくんが、
どれだけ、いろんなことを考え、感じて、また考えて、
それをコツコツ積み重ねたか。
そのひたむきさまでもが、ヤスをより深めてくれたんだろうという想像ができました。

幕間に、まず、私は、
「ちょっと、ヤス、いいっ!たまんない~」
って言ったよね、THちゃん?(笑)

それで、
話を知らないせいもあるけど、これまた大変油断していた私は、
2幕で、思わず、ぽろぽろと泣き……
階段落ちでは、泣かなかったんだけど、
むしろ、荒れて暴れる場面が、もう、耐えられなかった……。

演じてる、作ってるっていう隙間が全く無かった。
だけど、みつるくんの中では、多分ちゃんと、冷静に外から見てる自分もいるんでしょうね。
見失ってしまってる、無茶苦茶な芝居じゃないの。

あの後の場面も、本当によかったよね。
あんなヤスで、ゆーひさんは、かなり演りやすい部分はあったんじゃないだろうか。
お芝居が、楽しかったんじゃないかなぁ…とも想像します。

みつるくんは、
多分、歌に課題がまだまだいっぱいある方だろうと思う。
今回は、音をとれてない箇所もあったように感じた。
歌としたら、課題なのかもしれないけど、
芝居歌としたら、あれでよかったと思う。

だって、あんなに伝わる歌は、なかなか歌えないよ。
はちゃめちゃになっちゃってる部分を、音をとることに集中したら、
あの感じは出ないんだよね。
久しぶりに、そういう「歌」を聴いたなぁと思った。
譜面を忘れて、聴ける歌でした。


つづく。