いつもと違う時間帯に出かけることになって、
いつもと違う経路を通りたくなって、
小さな公園の中を歩いていたら、
目の前の木の上から、
「トタッ」と何かが落ちてきた。
近づいて、しゃがんで、見ると、
一羽のスズメ。
そっと指で触れてみる。
素早く羽ばたいて逃げるかと思いきや、
まったく動かない。
小さな瞼から、かろうじて瞳がのぞいていたけど、
明らかに光を失っていて、
くちばしは閉ざされていた。
樹の上から落ちてきたと思ったけど、
もしかしたら、空から降ってきたのかもしれない。
飛んでいる途中で、心臓発作でも起こしたのかしら。
何年生きたの?
何を食べていたの?
どんな声でさえずっていたの?
どれだけ遠くまで飛んだの?
私の掌の中のそれは、
驚くほど軽くて、
ちゃんと温かくて、
羽毛は、とろとろと柔らかい。
しばらく、一緒にいて、
近くの木の枝の上に乗せたら、
陽だまりがスポットライトみたいに照らして、
そこだけ時間が止まった。
Things will be only better