ミヒャエル・エンデのファンタジー「モモ」、
主人公の女の子モモは、
街はずれの円形劇場に住んでいて、
やって来る人たちが話す、身の上話やらを、
ただ、じっと、聞いているだけなんだけど、
モモに聞いてもらうと、
なぜか、相手は、とても楽になって、
心が落ち着いて、
もう少し、頑張ってみようって気持ちになって、帰っていく
特に、アドバイスをしているわけでもなく、
勇気づけているわけでもなく、
笑顔を振りまいているわけでもないのに。。
モモは、いったい、何をしているのだろう?
気持ちで反応せず、
相手のストーリーに実体を与えず、
良い考えとも、悪い考えとも、くっつかず、
繰り広げられる夢幻に介入しない
相手を、可哀想な存在としないし、
その苦労を讃えることもしない
相手を変えようとしない
モモは、“何もしないこと”をしている
これは、きっと、あれだ!
ただ、相手が体験するのをじっと見守って、
起こるがままに、させておく
夢だから、
幻だから、
それを、同情やアドバイスで、膨らませたりしない
そして、その間、
モモ自身は、ずっと、
「いまここ」に、在り続けているんだ
相手も、自分と同じように、
大地とつながっていることを知っているから、
すべてを委ねて、安心しているんだ
何もしないことは、時に、
何かしてあげることよりも、
ずっと、強力な電磁場を、発生させるんだね
ハートサポートサロン「フォルテネージュ」
椿 里誉 (Riyo Tsubaki )