花を愛でる

四季折々の花を愛でます、時折、亀吉の様子も

”冬の宝石” シリーズ(12)

2021-11-15 | 植物 花

”冬の宝石” シリーズ(12)には、「ネズミモチ」、「トウネズミモチ」、「プリペット」の熟した黒い実です。

” 宝石 ” は、<黒真珠>に喩えます。

 

表題 “黒真珠” に鑑みて、「クロホウシ」(黒法師)を<窓>にしてみました。

周年愉しめますが、夏より冬に強い植物ですので、露地でも充分栽育可能です。

ロゼット状に広がる艶やかな黒紫色の葉を愉しみます。

春から初夏に懸けて小さな黄色い花を咲かせます。

ベンケイソウ科、アエオニウム属、半耐寒性多年草、多肉植物、地中海沿岸原産

 学名   Aeonium arboreum ´Zwartkop` 、英名   Purple crest aeonium 、別名 「アイオニウム」

<「ネズミモチ」(鼠黐)>

モクセイ科の「ネズミモチ」(鼠黐)の実も漆黒色に熟しています。

最初、薄緑色をした実が、徐々に熟して漆黒色に変化します。

妙な名前ですが、此の実の形が、鼠の糞に似ていて楕円形で棒状なので似ているかも

葉は、モチノキ科の「モチノキ」(黐の木)に似ているからとか

6月頃に、円錐花序に白い小さな花を多数咲かせます。

花は、筒状の漏斗形で、花冠の先端が4裂して反り返ります、雌蘂雄蘂が突出ています。

次に載せる中国原産で同じモクセイ科の「トウネズミモチ」(唐鼠黐)の実とも似ていますが

実の形が、球形ですので、区別は、容易です。

亦、「ネズミモチ」の葉を太陽の光に翳すと、葉脈が透けて見えるが

「トウネズミモチ」は、透けて見える違いでも区別が容易です。

モクセイ科、イボタノキ属、常緑小高木、日本原産、学名   Ligustrum japonicum、別名「タマツバキ」

 

次は、上に載せた「ネズミモチ」に似た「トウネズミモチ」(唐鼠黐)です。

<「トウネズミモチ」>

両者の見分け方が難しいですが、 「トウネズミモチ」の実は、「ネズミモチ」の棒状で細長いのに比べて

略、球形で、葉の全葉脈が透けて視えますが、「ネズミモチ」の場合は、主脈のみ透けて視える違いが有ります。

亦、「トウネズミモチ」は、「ネズミモチ」より開花期が遅く、花も大きい違いが、有ります。

乾燥した実は、<女貞子>の名前の生薬になり、酒に浸した<女貞子酒>は

滋養強壮、白髪防止に効く由、試してみなければと思いますが ・ ・ ・ 。

モクセイ科、イボタノキ属、耐寒性常緑高木、中国原産、学名   Ligstrum lucidum 

英名   Chinese privet、 Glossy privet

 「プリベット」<「セイヨウイボタノキ」>も黒い小さな実を着けています。

<「プリベット」>

「プリベット」別名「セイヨウイボタノキ」(西洋水蠟の木)も同じ「ネズミモチ」の仲間です。

黒くて小さな実を鈴生りに着けます、日本原産の「イボタノキ」  Ligustrum obtusifolium  より

多くの白い小さな花を咲かせます、小枝が、密生するので、生垣などに植栽して、芳香も愉しめます。

花冠の先端は、4裂して、2本の雄蕊が突き出ます。

ヨーロッパ、北アフリカ原産のもの    Ligustrum vulgare  や中国原産のもの   L.sinense を総して

「プリペット(プリベット)」 privet と呼んでいるようです。

葉に白い斑が入る「シルバープリペット」、葉が、黄色い「プリペット 'レモン&ライム’」等の種類が

モクセイ科、イボタノキ属、ヨーロッパ、北アフリカ、中国原産、半常緑低木

学名   Ligustrum sinense  英名  European privet, Common privet

別名に、「ヨウシュイボタノキ」(洋種水蠟の木)の名前も付いています。



初夏に、下図の様な白く小さな花を咲かせます。

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<余録>

下の動画は、交通量が多い道路に這い出して来たナマケモノを救助して、道路脇の木に登らせると

ナマケモノが、手を差し出してきた様子です。 ・ ・ ・ <友人からの映像です>

ナマケモノの真意は、分かりませんが、感謝の握手としておきます。


”冬の宝石シリーズ” (11)

2021-11-13 | 植物 花

最初は、「ホルト」の果実です、暗緑色で楕円形の実は、宛ら、ペンダントの様です。

”宝石” は、エメラルドに見立てましたが ・ ・ ・ 。

「ホルト」の実

「ホルト」とは、ポルトガルの意味で、ポルトガルで採れるオリーブ油を<ホルト油>と称していたのが

間違って、此の木から採れるとしたのが始りとか、確かに「オリ-ブ」の実と似てはいます。

常緑高木ですが、緑色の葉の中には、紅葉した葉が、必ず何枚かは着いています、「ヤマモモ」の葉にも似ています。

夏にフサフサが付いた面白い形の白い花を咲かせます。

ホルトノコ科、ホルトノキ属、常緑高木、東アジア、日本に分布

学名   Elaeocarpus sylvestris var.ellipticus、別名 「モガシ」

学名の   Elaeocarpus  は、ギリシャ語で  elaia (オリーブ)carpus (果実)が語源とか

下図は、「ホルトノキ」の花です、ユニークな形の花ですので、我々は、「クラゲ」海月と称しています。

白い釣鐘型で、花弁の先端が、糸状に分離しているので、海月の触手の様です。

「オリーブ」の実は、下図の様な形ですね、確かに似ています、間違えることも頷けます。


次の ”エメラルド” 色は、完熟する前の「ユズリハ」の実です。

 

        「ユズリハ」(譲葉)の実

黒褐色に熟す前のエメラルド色の実です。

「ユズリハ」は、5月頃に雌雄別株の小さな花を多数咲かせます。

若葉が出揃う迄、古い葉は落葉を待ちます。

若葉が出揃った後に一斉に落葉しますが、常緑樹なのです。

古い葉と新しい葉の世代交代が一斉に行われるわけです。

「譲葉」の名前は、この様に ”世代を譲る” 意味からとのことです。

ユズリハ科、ユズリハ属、常緑高木

学名   Daphniphyllum macropodum

別名「オヤコグサ」、「アオバノキ」等々

 

 

 

過去の記事に「マートル」の青い実が、載ってますので添付してました、此の実では、宝石に見立てるのは無理ですか

冬、青い実

亀吉が冬眠中なので、窓の外の雀の様子を載せてみました。小雀が、親鳥から餌を貰い、食べています。更に、欲しいと、お強請りしています。親鳥が、餌を探して戻ってき......

”冬の宝石” シリーズ(10)

2021-11-12 | 植物 花

今日の ”宝石” は、「アロニア」、「カクレミノ」、「シャリンバイ」の果実です、宝石は、<黒真珠>です。

 

<「アロニア」>

先日の記事には、赤い実を着ける「アロニア・アルブティフォリア」 Aronia arbtifolia  を挙げましたので

*前回の  "冬の宝石"(9)を参考にして下さい*

今回は、<黒真珠>に因んで漆黒の実を稔らせる「アロニア・メラノカルパ」 A. melanocarpa

「アロニア・プルニフォリア」 A .prunifolia  の実を載せてみました、黒光りする ”冬の宝石” です。

 「アロニア」の種類によって、熟した時の色が違います。

「アロニア・アルブティフォリア」 Aronia arbutifolia  は、赤色でしたが

「アロニア・メラノカルバ」 Aronia melanocarpa  は、黒色です。

亦、両者の交雑種は、「アロニア・プルニフォリア」 Aronia prunifolia  は、暗紫色です。

バラ科、アロニア属、北アメリカ原産、落葉低木、英名  Chokeberry


下図は、赤く熟す「アロニア・アルブティフォリア」 Aronia arbutifolia(左)と

黒く熟す「アロニア・プルニフォリア」 Aronia  melanocarpa(右)

下図は、上の2者の交配種で、暗紫色の「アロニア・プルニフォリアAronia prunifolia  です。

 

次は、「カクレミニ」(隠蓑)の熟した黒い果実です。

<「カクレミノ」の実>

今頃に熟す黒い実には、「カクレミノ」の実も有ります。

実の先端に、花柱が残るので、尖がり帽子の様な紡錘形になり、面白い形です。

花は、初夏から夏に懸けて、枝先に散形花序を出して、5弁の緑白色の花を咲かせます。

葉の形も変化するので、種々の形の葉を同時に視ることができて、愉しめます。

亦、葉は、成長すると、切込みが無くなるのも特徴です。

若木の頃の葉のは、三裂して昔の雨具の<蓑>に似ているで、此の名前が付いた由

<隠>は、此の蓑を被ると、天狗が、隠れることができると言う昔話からとか

葉が成長するに随って、切込みが無くなります、肉厚の艶やかな葉が、紅葉するのも楽しめます。

ウコギ科、カクレミノ属、常緑高木、日本、台湾、朝鮮半島に分布、学名    Dendropanax trifidus

別名 「カラミツデ」、「テングノウチワ」、「ミツデ」、「ミツナガシワ」


三裂した葉が、昔の雨具の蓑の形に似ているから<蓑>の名前が着いた由

 

 <「シャリンバイ」(車輪梅)>

「車輪梅」の名前もユニークですが、由来は、車輪状に着く葉が車輪のスポークに似ていて

花が、「梅」の花に似てる故の命名とか

初夏の頃、円錐花序に、五弁の白、亦は、淡いピンク色の花を咲かせます。

実は、緑色から紫色に、熟すと黒色と変化します。

バラ科、シャリンバイ属、常緑低木、日本、中国、朝鮮半島原産、学名     Rhaphioleps umbellata

別名 「タチシャリンバイ」、「ハマモッコク」




 下図の様に、葉が、車輪の形に着きます、花が「梅」の花に似ているので「車輪梅」の名前が、付いた由


”冬の宝石” シリーズ(9)

2021-11-10 | 植物 花

今回の ”宝石シリーズ” には、「サンシュユ」(山茱萸)の赤い実を載せてみました、 ”宝石” ルビーです。

花は、”春告げ花”  の一つで、早春、葉に先立って集散花序をだして

鮮やかな黄色の小さな花を枝一面に咲かせます、4弁花で4本に雌蘂が目立ちます。

花序全体が、黄金色に輝きます、別名「ハルコガネ」(春黄金)の名前は、此の姿を著わしたとのこと

九州宮崎の民謡<稗搗節>に謳われている<サンシュユ>は、「サンショウ」(山椒)のことで

この地方では、「山椒」を「サンシュユ」と呼ぶとのことでした。

 

赤い実は、艶やかで美味しそうですが、不味くて、生食には、不向きです、果実酒や生薬として利用されています。

亦、”ヨーグルトの木” と称されて、実際、ヨーグルトを作るそうです。

ブルガリアには、「ヨーグルトの木」が、在り、此の木に近い「サンシュユ」の木の枝でも作れるそうです。

暖めた牛乳に「サンシュユ」の木の枝を入れて保温、一晩置くとヨーグルトが出来るとのことです。

確かに、ネット上には、沢山の作り方が、載っています。

ミズキ科、サンシュユ属、落葉小高木、中国、朝鮮半島原産、学名   Cornus officinalis 

別名「ハルコガネ」春黄金 ・ ・ ・ 春に花が、黄金色に輝くからとか

他に「アキサンゴ」秋珊瑚 ・ ・ ・ 秋に赤い珊瑚の様な実を着けるからとか


他をの画像は、下に載せてみました。

花は、”春告げ花” の一つで、葉が出る前、2月~3月の頃に、散形花序に、多数の黄色い小花を咲かせます。

樹木全体が、黄金色に輝きます、別名「ハルコガネバナ」(春黄金花)の名前の由来です。



 

 次の ”宝石” は、「アロニア」の赤い実です、「アロニア」の種類によって、熟した時の色が違いますが

今日は、赤い実に熟す「アロニア・アルブティフォリア」 Aronia arbutifolia   を挙げてみました。

他に、黒色に熟す「アロニア・メラノカルバ」 Aronia melanocarpa  や

両者の交雑種の「アロニア・プルニフォリア」 Aronia prunifolia  は、暗紫色です。

初夏の頃、「梨」の花に似た白い花を散房花序に咲かせます。

特に、「アロニア・アルブティフォリア」は、日本の「カマツカ」(鎌柄)に似てるので

「セイヨウカマツカ」(西洋鎌柄)、「オータムベリー」等の別名が付いています。

ポリフェノールが、「ブルーベリー」より多く含んでいるとかで、サプリメントとして、最近、人気が有ります。

バラ科、アロニア属、来たアメリカ原産、落葉低木、英名    Chokeberry



”冬の宝石” シリーズ(8)

2021-11-08 | 植物 花

今回も ”宝石” に見立て「アオヅヅラフジ」と「ビバーナムティヌス」の実を挙げてみました。

”宝石” は、紺碧に輝く<サファィア>です。

<「アオツヅラフジ」(青葛藤)」>

 

此の時季、淡い緑色の若い実と濃い青紫色の実が同時に視ることができます。

熟すと表面に白い粉をふく「ぶどう」の様な実を着けます。

夏、円錐花序をだして、小さな白い花を咲かせます、葉は、光沢有る卵型やハート型で、互生します。

「アオツヅラフジ」の “ツヅラ” は、茎をつづら(葛篭)の材料にした為とか、亦、茎や根は、漢方薬にする由

実は、有毒なので「ぶどう」と間違いて食べると大変です。

ツヅラフジ科、アオツヅラフジ属、雌雄異株、本州、四国、九州に自生、学名  Coculus orbiculatus=C.trilobus

 英名  Snailseed、Moonseed 別名 「カミエビ」(神海老)



種子は、5から6mm位の大きさ、英名の   Snail (カタツムリ)、Moon(月)の形をしています。

英語の命名も頷けます、アンモナイトの化石の様にも見えます=<借用画像>

 

次の “サファイヤ” は、「ビバーナム・ティヌス」の実です、メタリックな輝きです。

4月頃に、集散花序に、蕾が、ピンクの白い花を咲かせます。

日本の「ガマズミ」(莢蒾)  Viburnum dilatatum   の仲間ですが、「ガマズミ」が落葉低木に対して

「ビバーナム・ティヌス」は、常緑低木の違いが有ります。

スイカズラ科、ガマズミ属、地中海地方原産、学名   Viburnum tinus別名 「トキワガマズミ」

「ジョウリョクガマズミ」、「セイヨウガマズミ」等々

 


 下図は、「ビバーナム・ティヌス」の花です。

 

最後は、山路に輝く紅葉の様子