2泊3日の旅行記はあと一息のところまできました。
最終日は女人高野といわれている室生寺です。
室生寺は室生山の山麓から中腹にかけてが境内となっている、典型的な山岳寺院です。
女性を禁制にしていた高野山に対し、女性の参詣を許したことから「女人高野」といわれています。
大きな寺院建築が建ち並ぶ大寺院と違い、屋外にあるものでは日本最小の五重塔や、やわらかな表情をした観音様など心なごむお寺でした。
新緑の頃にはシャクナゲの花で彩られるということですが、訪れたときはちょうど見頃の紅葉で圧倒されました。
入り口には3本の大きな杉の木がありますが、これは「三宝杉」と呼ばれ、樹齢はおよそ150~200年ほどで、幹回りは3mもあるそう。
室生寺のある室生山には、これよりもさらに樹齢の長い杉がいくつもあるといわれています。
仁王門は元禄に一度焼失し、その後長い間姿を消していましたが、昭和40年11月に再建されました。
門をくぐって振り返った仁王門です。
バン字池に映る仁王門と紅葉です。
室生寺の名所の一つである鎧坂は、自然石が積み上げられた階段の様子が、編み上げた鎧の様に見えることからこの名がついたといわれています。
鎧坂を上がりきると正面に見えるお堂は、国宝に指定されている平安時代初期の金堂です。
平安初期の山寺の仏堂としては日本唯一のもので、非常に貴重な建築物として高く評価されています。
内陣には五尊像と十二神将が安置されています。
全てが国宝と重要文化財のいづれかに指定されている貴重な仏様を思いがけなく間近で見ることができ感激でした。
はす向かいの弥勒堂は鎌倉時代のもの、内陣にはこれまた国宝の釈迦如来座像が安置されていますが、現在は修復中でした。
金堂を出て参道をさらに登ると、次に見えてくるのは、室生寺の本堂である潅頂堂(かんじょうどう)です。
このお堂もまた国宝で、建立は鎌倉時代・延慶元年(1308年)。
このお堂では、真言宗の重要な法儀である潅頂が行われます。
風に木の葉がはらはらと舞いました。
五重塔は高さ16.22mで、屋外に建つ五重塔では日本で最も小さく、その小ささから、「弘法大師一夜造りの塔」と例えられることも。
建立時期は平安時代初期、室生寺の創建期で、これもまた国宝です。
平成10年台風で大きな損傷を被りましたが、平成12年に修復されました。
ここから先に行くと奥の院がありますが、時間がなくて断念しました。