到着したビルの3Fにそのカラオケはあった。
案内のボーイや、歓迎オネーチャンの態度はすこぶるよいが、決して派手ではなく、地方色豊かな佇まいで、到底、プライベートでは派手に遊ぶ老板が来るような場所ではなさそうなのだが・・・。
いつもの手順で、白酒を頼む。
干した梅は置いていないというので、金を渡して買いに行かせることに。
DJが気を利かせて、お茶を持ってきたが、こいつが結構バカにならないほど、いい葉っぱを使っている。食事のあとということもあって、結構飲んでしまう。
梅が届いて、酒をブレンドしようとしているが、うまく要領がわからないようで、結局自分でピッチャーに作る羽目に。 見た目が結構可愛いDJとはこの段階でレシピの説明で結構盛り上がってしまっている。
酒が皆さんの前にサーブされた頃に、ママさんに連れられたお嬢さん達12人が一挙に登場。 ママは老板も知っているらしく、親しげだ。
うっほほう!こんな田舎にしては結構な?
「老板、なんで、こんな田舎なのに、結構レベル高いの?」
「この店のオーナーはマカオと繋がっててね。マカオ用のが結構いるわけさ。」
「輸出用ってこと?」
「そう。あんまり大きな声で言っちゃあいけないことだけどもね。」
「ああ、なるほど。てえと、検査関係はばっちりなわけだ。」
「うん。ここだけはまったく何の心配もない。勿論そこいらのワーカーのアルバイトもシャットアウトだ。」
「そいつあ、いい。」
早速、同行のSさんから選んでもらって、老板とは、打合せのうえで、それぞれ選ぶ。
いずれも特徴のある美人と呼んでいいお嬢さん達なので、今日は、タイプのスレンダータイプの長髪のお嬢さんをチョイス。 老板は普段お客さんが一緒だと、接待に専念して選ばないのだが、ちょいとロリの入っているお嬢さんが好きなのは、あっしにはバレバレだ。
顔の小さな若い子をはべらせてご機嫌な表情だ。
「カンパーイ!」
「さあ、たーさん、今日は徹底的に飲みましょうよ。」
「付き合いますよー!ハッハッハッ!」
「はじめましてー。私は恵恵です。よろしく。」
「あー、はじめまして、たーさんです。」
「珍しいパーティですね。台湾人と日本人と香港人?」
「チョッと待て。誰が香港人?」
「あなたは香港の人でしょ?」
「どこがどうなると、俺が香港人?俺は日本人よ。」
「うっそー!」
「嘘言ってどうする?」
「へええ・・・。」
「まあ、間違われるのは慣れてるけどね。」
「この店に日本人が来るのは珍しいのよ。」
「いないってわけじゃないけど、誰かに連れてきてもらうパターンよね。」
「ふーん。ところで、どこの出身?」
「チチハルって知ってる。」
「あー、知ってる。なんで、こんな暑いところまで?」
「寒いのは嫌い。ここのほうがずっといいわ。」
「チチハルってえと、あんまり毛は濃くないね?」
「なんで?」
「ん、まあ、濃くない人が多いかなあって。」
「濃くないわよ。っていうか、殆どないかも・・・」
「いいねえ!」
グラスを小さめにしてあるし、白酒もカクテル風にしてあるので、どんどん乾杯が続く。
サイコロも絶好調だし、Sさんのカラオケも大うけで、楽しく盛り上がる。
「いやあ、たーさん、今日は楽しい!楽しいよ!久々だ。」
「今日はすっかりお世話になっちゃって申し訳ないです。」
「何を言ってるんです。もともと、たーさんの知り合いになれたのは、台湾のCさんのお陰だ。素通りしてもらったら、私がCさんに怒られる。」
「Cさんかあ・・・。もう、数ヶ月会ってないけど、連絡は?」
「この間電話が来ましたよ。たーさんが家に来て食事をして行ったって、はしゃいでましたよ。」
「ああ、あの時かぁ・・、彼女の料理はおいしいですからねえ。100元で宮廷料理みたいでね。」
「私の彼女は花瓶なんで、うらやましい限りですよ。」
「でも、あれだけ綺麗なんだから、そりゃあそうでしょ。」
(花瓶というのは、置いてあるだけで充分美しいので、何もしない美人の女性のことを花瓶を言うのです。)
「たーさん、私はちょっと失礼しますが、かまいませんか?」
「んっ?ああ、上へ?」
「そうです。連れて帰るわけにはいきませんからね。」
「いってらっしゃい。」
宴の夜が更けていく。
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