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さすがに、疲れて眠ってしまった翌日。
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睡眠たっぷりで,目覚めは爽快。 随分早い時間に目が覚めてしまったので、シーザー気取りでテーブルクロスのようなバスタオルを巻きつけ、のんびりバスにつかる。バスルームも広くて快適だ。
迎えが来るまでには、まだ、2時間ちかくあるので、食事を済ませてしまおう。
朝食のバフェは、まるでギリシャ風。好物のオリーブも沢山種類があってご機嫌。オリーブは大好きなので、大量に食べてしまうが、これも食べ過ぎてしまうとおなかを壊してしまうので、ご用心。
さすがイタリアはどこに行っても、そこそこのコーヒーが飲めるのは有難いなあ・・・・今回は一人旅なので、気楽なもんだし、クロアチアのミーティングが終われば、パリに出て、あとは帰るだけ。そろそろ出張も終盤にさしかかっているので、集中力が戻ってきたような気がするけれど、単に良く寝たからだけかもしれない。
午後のミーティングが終わったあとは、トリエステに戻ってくるつもりだ。クロアチアの南側ではとくに期待できることもないだろう。
10時に迎えの車が到着。 彼はクロアチアから2時間半かけて迎えに来てくれている。
ご苦労さま。
トリエステからスロベニアを抜けてクロアチアの南部にある、3番目に大きい街、ブーヘに向かう。
彼はドライバーながら、英語がなかなか達者で、クロアチアに向かう道すがら、当時の不幸な内戦のこと、スロベニアはイタリアの支援を受けてさっさと独立してしまったころ、当時冬季オリンピックが開かれた美しい街、サラエボは見る影もなくなってしまったことなどを、丁寧に説明してくれた。
彼も当時は軍にいて、大変な思いをしながら戦っていたらしい。紛争が終わり故郷に戻ってみたら、仲間が亡くなっていたこともあったりして、“日本は平和でいいよなあ”としみじみ話していた。
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そんな話をしているうちにスロベニア国境を通過。
高速道路の支払い場所のようなボックスがあるだけで、特に何も書く必要はない。パスポートを見せればOK.
「たーさん、この彼女(係員は女性でした)は美人だろう。見納めだからしっかり見といてくれ。」
と彼が言う。
「そりゃまた、何で?」
「スロベニアは美人が多いことで昔から有名なんだ。だけど、クロアチアはなあ・・・・。どうせなら、スロベニアとクロアチアが一緒になったら良かったんだ。」
「へええ。」
「まあ、ここから30分ほどで、今度はクロアチア国境だ。違いはすぐわかるさ。」
天然の防御柵(海側に向けて丘がつづいているので、警備がしやすい)のような、道路をひたすら走る。
これがスロベニアというような風景は残念ながら見られないが、沿道にある店はレストランはさすがに、イタリアが支援しているとはいえ、イタリア色たっぷりだ。
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ほどなく、クロアチア国境。
国境を越えると、目的地はそんなに遠くないはず。丘の向こうのさらに小高い地域が目的地だろう。
「たーさん、係員を見てくれ。スロベニアとは程遠いだろう?」
「うーむ、確かに。美人というよりは精悍な感じがするね。柔らかさが足りないのかな?」
「当たりだ。クロアチアの女は強いぞ。」
またまた、そんな話をしているうちに、やっとこさ会社に到着。
社長以下総出の出迎えで恐縮してしまったが、さすがに当時の隆盛は嘘のようにさびれてしまっていて、まだまだ、復興途中といった趣。
つづく
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