昨日撮った写真などを見ているうちに時刻は8:35AM。
そろそろゲートが開くのだろう。 係員が一人立っている。
がっ、8:48AM出発のLED時刻表がパッの変わり、”止在候車”の文字が。
「あっ!やばい。電車おくれてるな?」
「そうみたい。」
9時台前半で乗れれば、午後の飛行機には間に合うが、1時間以上も遅れるとアウト。
早速、係員に聞いてみると。
「遅れるって、何時になるの?」
「わかりません。」
「次の電車が先に来るのか?」
「わかりません。」
「誰がわかるんだ?」
「わかりません。」
まったく要領を得ない。
そうこうしているうちに、隣の9:05AM発の上海行きの検札がスタート。
埒があかないので、そちらに移動して交渉開始。
「午後の飛行機に乗るから、こっちに乗せてよ。」
「ダメです。」
「何で?」
「寝台があいているかどうか確認できませんから。」
「硬座でいいよ。立ってるから。」
「差額の払い戻しはできません。」
「誰が差額よこせって言った。乗せろと言ってる。」
いつの間にか、周りには学生と思しき集団が集まって来ていたのに気がついた。
「ったく、しようがないなあ・・・」 つい英語で独り言を言うと。
「May I help you ?」学生の一人が聞いてきた。
「おっ!君ら英語OKなの?」
「僕らは浙江大の学生です。今日は職業研修で来てるんですよ。」
「ああ、そう。実はかくかくしかじか。」
「わかりました。一緒に来てくれませんか?聞いてみます。」
小走りに辿りついたのは駅長室。
構内は禁煙にしているくせに、ここには堂々と灰皿が置いてある。
エンちゃんと学生君が駅長に談判してくれている間、失礼してタバコをば。
(そんな場合じゃないけど・・・)
見ると、どの列車が何時に到着するのか、刻々とボードにLED表示されている。
それによると、9:13AM到着と見える。
「この時刻は間違いないの?」
「こいつは間違いありません。」との駅長の答え。
ならば、許容の範囲。学生君にお礼を言って、もとの場所に一緒に戻る。
他の学生君達も心配してくれていたようで、一緒に言った学生君にどうだった、などと
聞いている。
「ありがとうねえ。」
「いいえ、また金華に来てくださいね。」 なかなか責任感の強い学生君。
結局9:10AMになってもゲートは開かずじまいだったが、9:20AM発車の表示になり
無事乗れそうだ。
最後にエンちゃんともう一度別れを惜しみつつ、ゲートを入ると、ホームへの通路付近には
先ほどの学生君達。 どうやら心配して見に来てくれたらしい。
人のことながら親身になって奔走してくれるこういった若者達のいる中国、もう十年も経つと
引き離されるのはどこの国になるのか・・・・?
皆さん手を振ってくれているので、こちらの皆さんにも、もう一度礼を言って、4泊5日の金華の旅を終了。
古い文化と新しい文化が混在している街、金華市。
やはり歴史のある街は、新中国になってから発展した街と違って、独特の風情がある。
古い古い習慣が日常に何らの違和感もなく、生かされていてなかなかに心地よい。
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