早寝の予定がここ3日ほどメールをチェックしていなかったので、メールボックスが大変な
ことになっている。 明日も事実上移動で時間がとれなくなるので、とにかく返事をと
格闘していたら、いつの間にか12時を回ってしまった。
日本から持ってきていたセブンイレブンのビーフジャーキーとさっき買って来たビールがなくなった頃、携帯が鳴った。
エンちゃんからだ。
「ウエイ」
「エンでーす。」
「今日は有難うね。いろいろ助かった。」
「面白かったア。車の中で食べたお弁当もおいしかったし、おばさん達はいい人だったし。」
「うん。次に来た時はご飯もご馳走してくれるってさ。」
「ホント!行きたいなあ。」
「電話してあげるよ。」
「有難う。ところで今は何してたの?」
「ビール飲みながら、メールしてたよ。」
「まだ起きてる?」
「そこそこね。」
「これから行ってもいい?」
「仕事は?」
「終わってご飯食べてるところ。」
「そりゃあ・・・、いいけど明日の朝は早いよ。」
「30分くらいで着くわ。」
ああ、切っちゃった。
仕方がない。時間が近くなったらロビーで待っとくとしよう。
この時間になると、ロビーは照明も随分と落としてあって、フロントにも従業員がいないという、
なんとのどかなホテル。
こんな夜中に訪問する客などあろうはずがないし、ましてや大学御用達のこのホテルは特にそうであろう。
うす暗くなったソファーでタバコを吸っていると、ご一名様ご到着。
袋をぶら下げている。
「こんばんは。」
「こんばんは、いらっしゃい。」
「早かったでしょ?はいこれ。」
「なに?」
「お水と屋台の金華チャーハン。 一緒に食べよ。」
と言われてしまえば、お腹一杯とは言えない・・・。
聞けば、店は暇だったらしく、仲間もみんなチップだけで帰ってきたらしい。
一緒にチャーハン食べて、一緒にシャワー浴びて、一緒に・・・。
朝はさすがにあまり食べられなかったが、チェックアウトをして手配してもらった
タクシーに乗り込む。
もちろんエンちゃんも一緒に来てくれた。
「新幹線に乗るの?」
「いや、なんか在来線の寝台のチケットだね。」
「見送ってあげるね。」
「ありがと。」
金華の駅に到着すると、結構の駅舎。駅の前にはご多分にもれず、飲料・果物・土産物・菓子
などを売っている店がならんでいる。
こちらは昨日買ってきてくれたペットボトルがあるので、このへんは問題ない。
ホームを確認すると、4番線。
8:48AM出発の上海行き電車だ。 となりのレーンは9:05AM初の上海行き。
入場口のベンチに座って、ゲートが開くのを待つことになる。他のレーンは違う列車のものになるので、
わかりやすい。急にホームが変更になっても、そのレーンにいないときちんと伝わらないというのが
中国らしい。
「いろいろ有難う。」
「いいえ、楽しかったわ。ああ、そうそう。次回またエビ食べに連れてって欲しいって、みんなが言ってた。」
「おやすい御用だ。 次回はもうちょっと少なめにして、いろんな種類を食べよう。」
「次はいつ来るの?」
「2ヶ月くらい経ってからかな。暑いもんね、ここ。」
「2ヶ月かあ・・・」
「まあね。次はベストウエスタンかな?試しに。」
「あのホテルも静かだし、綺麗よね。よく寝れるわ。」
「悪くないね。あまり目立たないし。安くしてもらえるし。」
「来たら絶対連絡してね。」
「もちろん。行きそこなったところを今度一緒に行こう。湖とか、洞窟とか。」
「行こう、行こう!」
「おいしい料理屋を探しといて。」
「私たちが作ってあげるわよ。」
「それもいいねえ・・・。」
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