たーさんの裏街道を行く!!

世界中の街角から数々の失敗談,ちょっとエッチな話,面白情報をお届けします。(ノンフィクション)

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.301

2012-02-13 | 中国編


早寝の予定がここ3日ほどメールをチェックしていなかったので、メールボックスが大変な
ことになっている。 明日も事実上移動で時間がとれなくなるので、とにかく返事をと
格闘していたら、いつの間にか12時を回ってしまった。
日本から持ってきていたセブンイレブンのビーフジャーキーとさっき買って来たビールがなくなった頃、携帯が鳴った。
エンちゃんからだ。

「ウエイ」
「エンでーす。」
「今日は有難うね。いろいろ助かった。」
「面白かったア。車の中で食べたお弁当もおいしかったし、おばさん達はいい人だったし。」
「うん。次に来た時はご飯もご馳走してくれるってさ。」
「ホント!行きたいなあ。」
「電話してあげるよ。」
「有難う。ところで今は何してたの?」
「ビール飲みながら、メールしてたよ。」
「まだ起きてる?」
「そこそこね。」
「これから行ってもいい?」
「仕事は?」
「終わってご飯食べてるところ。」
「そりゃあ・・・、いいけど明日の朝は早いよ。」
「30分くらいで着くわ。」

ああ、切っちゃった。
仕方がない。時間が近くなったらロビーで待っとくとしよう。

この時間になると、ロビーは照明も随分と落としてあって、フロントにも従業員がいないという、
なんとのどかなホテル。
こんな夜中に訪問する客などあろうはずがないし、ましてや大学御用達のこのホテルは特にそうであろう。
うす暗くなったソファーでタバコを吸っていると、ご一名様ご到着。
袋をぶら下げている。

「こんばんは。」
「こんばんは、いらっしゃい。」
「早かったでしょ?はいこれ。」
「なに?」
「お水と屋台の金華チャーハン。 一緒に食べよ。」
と言われてしまえば、お腹一杯とは言えない・・・。
聞けば、店は暇だったらしく、仲間もみんなチップだけで帰ってきたらしい。
一緒にチャーハン食べて、一緒にシャワー浴びて、一緒に・・・。

朝はさすがにあまり食べられなかったが、チェックアウトをして手配してもらった
タクシーに乗り込む。 
もちろんエンちゃんも一緒に来てくれた。

「新幹線に乗るの?」
「いや、なんか在来線の寝台のチケットだね。」
「見送ってあげるね。」
「ありがと。」

金華の駅に到着すると、結構の駅舎。駅の前にはご多分にもれず、飲料・果物・土産物・菓子
などを売っている店がならんでいる。
こちらは昨日買ってきてくれたペットボトルがあるので、このへんは問題ない。
ホームを確認すると、4番線。
8:48AM出発の上海行き電車だ。 となりのレーンは9:05AM初の上海行き。
入場口のベンチに座って、ゲートが開くのを待つことになる。他のレーンは違う列車のものになるので、
わかりやすい。急にホームが変更になっても、そのレーンにいないときちんと伝わらないというのが
中国らしい。

「いろいろ有難う。」
「いいえ、楽しかったわ。ああ、そうそう。次回またエビ食べに連れてって欲しいって、みんなが言ってた。」
「おやすい御用だ。 次回はもうちょっと少なめにして、いろんな種類を食べよう。」
「次はいつ来るの?」
「2ヶ月くらい経ってからかな。暑いもんね、ここ。」
「2ヶ月かあ・・・」
「まあね。次はベストウエスタンかな?試しに。」
「あのホテルも静かだし、綺麗よね。よく寝れるわ。」
「悪くないね。あまり目立たないし。安くしてもらえるし。」
「来たら絶対連絡してね。」
「もちろん。行きそこなったところを今度一緒に行こう。湖とか、洞窟とか。」
「行こう、行こう!」
「おいしい料理屋を探しといて。」
「私たちが作ってあげるわよ。」
「それもいいねえ・・・。」

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.300

2012-02-09 | 中国編


ホテルのロビーに入って行くと、昨日から詰めているドアボーイ君が。
ビジネスセンターで頼んでおいた、明日の帰り便のチケットを持ってきてくれたのだ。
チケットを見てみると・・・、

「ありゃ?これ火車(電車)の切符じゃない?」
「バスのほうは満席だったので、こちらを買ったようです。」
「うーん、まあ、いいか。 じゃあ、明日の朝はタクシーを手配しておいて。」
「承知しました。」

もう一度しげしげと切符を見て見ると、どうやらこの座席、寝台のしかも一番上のようだ。
杭州までの2時間位の距離で上段って・・・。
確かに、このへんを走る列車は福州から来たり、武漢のほうからも来るだろうから、気を
遣って硬座ははずしてくれたのかも知れない。

今日の夕食予定ははホテルから近い(と言ってもタクシーでないと行けないが・・・)、ホテルの
女性従業員に教えてもらったレストラン。すぐ近くに足マッサージ屋もあるという。
まだ、時間も早いし、昨日鍋屋のおかみが教えてくれた市場っちゅうのを覗いてみようかね。
そのあと、金華市最後の晩餐は"一人”で寂しく、東坡肉とネギ抜き金華チャーハンでも
食べましょう!

市場は本当にせまいせまい通路の両側にびっしりと店が出ていて、少し高級な?部類は
テントの中に店を構えている。 ちかくの団地には、シャワー屋さん(1回2元)や、床屋さん(8元
など、庶民に優しいプライスが目白押しだ。

鍋屋のおかみが教えてくれた漬物屋も発見。
買い込みたいところだが、食べきれない量が単位なので、断念。
おばちゃんが高菜の漬けたやつと、昨日食べた江西スタイルの漬物を味見で分けてくれた。



どうしても避けて通れなかったのは、さくらんぼだ。
なにせい、1元だからねえ・・・。 歩きながら食べるには充分な量だ。



夕食に行ったレストランはフードコート風作りではあるものの、4人テーブルが中心の気軽な場所。
味も申し分なし。さすがにどこに行っても、女性に人気のレストラン(失礼、食堂)にはずれはない。
4-5分歩いた場所にある足マッサージ屋さんも丁寧な仕事ぶりで、繁華街でもないのに、お客がたくさん来ているのが頷ける腕前。
最終日のコースとしては充分満足。

足も軽くなったので、表通りまで古い街並みを見学しながらそぞろ歩き。
比較的すぐに空車がつかまったので、そのままホテルに戻る。
今日はもうシャワーを浴びて、メールをチェックして、早寝しちまおう。

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.299 番外編

2012-02-07 | 中国編



諸葛村ほか、1日ツアーの最高のパートナーお二人。

特別出演

午前の部担当のおばちゃん顧氏
一日中元気一杯!!



顧氏に惚れて金華にいついた徐さん
タクシーの運ちゃんは奥さんにまかせて、本人は実は携帯ショップを経営



二人のおかげでこれ以上ないほどの動きができた。

感謝!!

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.299

2012-02-05 | 中国編


さて、駐車場に戻ってみると、今回の鎮訪問の立役者のお二人がタクシーの横で、
若い二人と何やら話しこんでいる。

「やあ、どうでしたか?」 徐おじさんの問いかけに、
「非常満意!」と答えて、
「ところで、どうしたの?」と聞くと、
「いや、カネは払うから街まで乗せてくれってさ。」
「何人?」
「二人?」
「乗せられるんなら、乗せてったら?」
「いいの?」
「かまわないさ。おいらが前に乗れば乗れんじゃない?」
「おーい。いいってさ。」

てなやりとりで、若い男女二人が相乗りで計6人で蘭渓の街の手前まで。
聞けば、揚州から新婚旅行のつもりで蘭渓から金華にいくはずが、この間の雨で
足止めされ、ヒマなので村の見学に来たら、バスに乗り遅れてしまったとのこと。

6人乗りだと流石に馬力が足りないらしく、水温上昇でクーラーを切ることになってしまった。
(このあたりがまだまだ金華らしいということか・・・・)
若い二人は顧おばさんとエンちゃんにさんざん、子供はいつ作るんだとか、洪水で
やることない時には何してたんだとか、なれそめはなどとかまわれて、新妻は顔を赤らめてしまっている。

20分少々で街中までの交通が確保できるところで、日本人は初めてというお二人とはバイバイ。

ひとしきり、若い子たちはいいねえ。という話題で盛り上がり、話があっしとエンちゃんの関係に
移ってきてしまったので、このへんでこの話題は打ち切り。

商魂たくましい顧おばさんは、どうやらあちこちに電話して金華方面に向かいたい人間がいないか
メールを打っているらしい。徐さんには80元でいいよね?などと聞いている。
長距離のときには乗合タクシーとなることも珍しくないようだ。

「たーさん、途中から一人乗せてってもいいかい?」
「ああ、いいよ。」

途中のバス停(どうやら中距離のミニバスの発着所)でブリーフバッグを持ったスーツを着たセールスらしきお嬢さん
(お姉さんか)を乗せ、細い道に入りこんでいく。

「この道はどこへ行く道?」
「金華に戻る道だよ。昔からある道さ。」
「ふーん。」

とにかく、道の状態がひどいし、車も大したことがないので、ひどく乗り心地が悪いのだが、
ゆれがツボにはまったらしく、少し眠ってしまった。
道に開いた大穴を乗り越えた衝撃で目を覚ますと、くだんのお姉さんはすでに降りてしまっていて、
もう金華は目と鼻の距離になっていた。

「ホテルでいいのかい?」
「いや、エンちゃんを江南まで送りたいんだけど。」
「いいわよ。ホテルで。」
「ま、折角だから。」

彼女の自宅が近いであろう、今日ホテルに到着したのが、午後3時15分。
エンちゃんは「楽しかった。後で電話するね。」と言って、元気に手を振って帰っていった。

顧おばさんは先に帰って支度をすると言って、自宅が近いというバスターミナルのところで、バイバイ。
ちょっと待っててと言ったと思ったら、フルーツと水を買ってきてくれた。
ありがとう、おばちゃん。 朝おばちゃんのタクシーに乗らなかったら諸葛村には行けなかったかも知れない。

「今度は着いたらすぐに電話してちょうだい。迎えに行ってあげるしご飯もご馳走するよ。」
と元気な声を残して去っていく。

「いい奥さんだねえ・・・、徐さん。」
「ちょいと口うるさいけどね。」
「またまた、惚れちゃって金華にいるんでしょ?」
「あいつ、話したのか?」
「ま、徐さんを迎えにいく途中でね。」
「昔は可愛いかったんだよ。」
「今もでしょ。ハハハ。」

ホテルに到着した時には男二人。

「じゃあ、たーさん、また。」
「徐さん、ありがとう。 また。 奥さんに宜しくね。」
「それじゃあ、気をつけて。」
「ありがとう。」

ホテルに戻ったのが午後3時40分。 なかなかにいい道行きだった。

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.298

2012-02-03 | 中国編


蘭渓市への道すがら、おいら達は車中後席で、先ほど購入した弁当を摂る。

車を止めてみんなで食べようと提案するが、徐さんが言うには、見学している間待ってる時間に
食べるというので、お先に失礼。
高速だという道もこのへんに来ると、どこでも出入りができるようになっていて、危ないことこのうえない。
1時間ちょっと走ると車は蘭渓市内に入った。
やはり報道にあったとおり、相当水が出た様子で、あちこちに泥がついているし、
道路も欠落している箇所があるし、大穴が開いてしまっているところもあった。
それなりに混むという市内を迂回してまっすぐにお目当ての村を目指す。

そして、そして!
ついに念願の村に到着。

今回の旅の最大の目的、蘭渓市諸葛村。(ま、仕事のほうはこのためのついでみたいなもんか)

ご存知、三国時代蜀の名宰相として知られる諸葛亮(孔明)の子孫が住む村なのだ。
ここには諸葛さんという姓のかたが4,000人(43代目~55代目の計4,000人)も住んでいる。

ちょいとここで、諸葛村に関する蘊蓄を書いてみると、

諸葛亮の子・諸葛瞻、諸葛孫・諸葛尚は魏軍と戦って綿竹で壮絶な最後を遂げたわけだが、
現在の浙江諸葛氏は諸葛亮の別の孫・諸葛京の子孫にあたる。
南宋末年、諸葛亮から27代目の諸葛大獅がこの地に九宮八卦に基づいて設計し、八卦陣の
図式に村を建築したのが、今の諸葛八卦村。

村の外側は八つの山に囲まれ、外八卦を形成。
村の中は池を中心として放射状に八本の道が伸びて内八卦が形成されている。
1991年に家譜が発見され、正当性が認めらると注目を浴び、さらに、1996年に中国国務院から
「全国重点文物保護単位」に指定されたことで、中国国内はもちろん、現在一流観光地として認定されている。

その他の詳細はこちらをどうぞ。
http://www.zhugevillage.cn/index.asp

というわけで、ここまで連れて来てくれた徐さんと顧さんは車を村の外に止めてお弁当タイム。
あっし達は、入口で全部に入れる入場料を二人分払って見学をスタート。
ここに来たら買いたかったものが二つ。
諸葛亮孔明も愛用していたという百羽扇と、諸葛家の家訓が描きつけられている扇子だ。
土産物屋が続く道を抜けて入口に到着すると、いきなりあったのがこれ。

きたぁ!隆中飯店(すでにノックアウト)



観光客は何故か少なく、普通の古い村を散策している感覚。
八卦の村は治水もしっかりしているらしく、この間の大雨でもまったく問題がなかった様子。

観光順路はそれなりに整備されているものの、一歩はずれて歩いてみると、当時そのままの
生活が垣間見える。

硬貨を使った八卦占いを、子孫の方にやっていただく。
難しくてわからないところが多かったけれど、あっしが大成功する日は近い!らしい。

ほんの短い時間だけれど、現在村で諸葛亮孔明にもっとも似ていると言われている(らしい)
おじさんにも街中で会うこと5回、「よく会うね。」と声までかけてもらい、大満足の1時間半ちょっと。

狙っていた土産も買い込み、待ち合わせの駐車場に戻る。
当時の料理を食べさせるレストランもあったが、高いし、まずいだろうから見たのみでパス。

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.297

2012-02-01 | 中国編


何かを買うという約束で車の張り番をしてもらったお店まで今度は傾斜の
きつい坂道を降りていく
約束通り、店で飲み物を購入し、山を下っていく。

「ああ、これで諸葛村に行ければなあ・・・。」
「蘭渓市の?」
「そう!」
「行きたいのかい?」とおばちゃん。
「行きたいけど、蘭渓が洪水で行けないんでしょ?」
「行けるよ。」
「へっ?」
「行けるさ。違う道を通ればね。」
「本当!? 行きたい!」
「あたしの運転じゃ無理だから、亭主に代わってもいいかい?」
「OK,OK.この料金の他に往復で200払うよ。」
「200じゃ無理だよ。」
「うーん。じゃあ、250に昼飯でどうだい?」
「いいよ。本当に行くのかい?」
「もちろん!」
「じゃあ、亭主を迎えに行って先に早い昼にしよう。」
「どれくらいで帰ってこれるかな?」
「見学の時間が1時間半として、4時前位には帰ってこないと家も用事があるんだよ。」
「てことは、エンちゃんも一緒に行く?」
「行く、行く。」

思わぬ収穫に欣喜雀躍。
エンちゃんも「よかったねえ。」と喜んでくれている。
おばちゃんは早速亭主に連絡を入れてくれている。待ち合わせのレストランの名前を聞き返している。
到着したレストランに登場したのは、これもいかにも人の良さそうなおじちゃん。

「老公の徐です。こいつは顧氏。」と自己紹介。
「や、たーさんです。こちらはエンちゃん。」
「ご夫婦で観光ですか?」
「いやいや、残念ながらご夫婦ではないんですがね。エンちゃんは同郷ですよ。」
「温州かい?」
「ええ。」
以後、ちょっと聞き取れない会話のやりとりが。おばちゃんを見ると、おばちゃんもクビを振っている。
どうやらお国の言葉で話をしているらしい。
このレストランで食べるのかと思っていたら、時間が勿体ないのでテイクアウトにするらしい。
確かにカフェテリア方式になっている。
自分たちでそれぞれ必要なものを頼むと、自動的にテイクアウト容器に入れてくれて、最後に
白いご飯とスープを受け取って会計を済ますと、お嬢さんたちがどんどん袋に詰めてくれる。
4人分で締めて62元。 安っ!!
弁当を買い込んだ後は、どこかに行くと言う。

「どこだって?」
「出入登記所さ。」
「なにするの?」
「これは金華のタクシーだから、他の街にいくときには届をださなきゃいけないのさ。」
「へええ。」

派出所のようなところに到着すると、徐おじさんが中に入っていく。
タクシーのメーターは念のために下ろしている。
「あなたはしゃべっちゃダメよ。」と顧おばさんがエンちゃんに。
「おいらは?」
「あんたは日本人だから大丈夫。」

と、そこへしかめつらしい制服のあんちゃん達が登場。
あっしはというと、タバコを吸うために車を降りていた。

「パスポートを出して下さい。」
「はあ?」
「パスポートをチェックする。」
「なんで?」
「金華から他の街で行くからだ。」 こいつ、墓穴を掘ったな。
「おいらは中国に入国するときにもう許可をもらっているから、どこへ行こうが問題ないだろうが?」
「パスポートを控える。」
「パスポートなら物騒だからホテルの金庫においてある。コピーなら持ってるけど。」
「現物を確認したい。」
「だから、持ってないって言ってるだろ。」

しばらく押し問答をしていたが、結局徐さんと顧さんの身分証をコピーすることで決着。
捨て台詞が決まっていた。

「今回は本官の権限でOKとする。」 関係ないだろ、お前の権限なんか。
徐さんも、
「外国人は関係ないはずなんだ。何回もやってるしね。おかしいよ。」

まあ、こんな些細なトラブルなんぞもあって、一路蘭渓市にある諸葛八卦村へ。
4人もいるとちょっとした遠足気分だ。

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.296

2012-02-01 | 中国編


まわりが静かでぐっすり眠れるせいか、朝は意外と寝起きがいい。
7時には目を覚まして、食事。
一人だと面白みもなにもないけれど、まあ、正面に話し相手がいるというのはいいもんだ。
カードキーが2枚あったので、それぞれ一枚ずつ見せて、こちらも余計な出費はなし。

「さあて、じゃあ出かけるとしますか?」
「先にどっちに行く?」
「赤松古鎮という古い村を一通り見てから、黄大仙、それから双龍洞の順だな。何時に戻る?」
「5時位に戻れば大丈夫。」
「OK」

早速表に出て、タクシーをば。
「先に赤松古鎮に行って、黄大仙へ。」
珍しく、おばちゃんの運転するタクシー。おばちゃんはきさくで良く喋る。

「古鎮行ってなにするの?」
「観光」
「変わってるね。古い家見て楽しいかい?」
「このへんの古いってえのは、気合いが入ってるからね。」
「黄大仙は香港の客が多いね。さっきも送ってきたとこさ。」
「あっしは日本人じゃ。」
「あいやー!ほんと?」

エンちゃんは隣でクスクス笑っている。

「あんたは金華人かい?」
「私は温州。」
「やっぱり。うちの亭主と言葉が似てると思った。」
「旦那さんは温州人なの?」
「そっ!金華に働きに来て、あたしに惚れて金華に住みついたってわけ。ハッハッハッ。」

オモロイおばちゃんだ。
黄大仙は自分も時々お参りに来ていると言って、村を一通りみたあと到着した現地では
自ら案内人を買って出てくれた。
古鎮は古鎮だけあって、相当古い。人が今でも住んでいるのが不思議な位だ。
壁は例によって、薄いタイル状のものを積み重ね、その上から土で固めてあるので、
苔むして傾いているにもかかわらず、当時の道の広さのままで存在している。

「駐車場は大丈夫?」
「あとで水か何か飲み物を買うって言ったら、見張っててくれるってさ。」
「へええ。」

知らないというのは罪でしかないが、赤松古鎮は晋朝からある村で、なんと黄大仙が
まだ人だったころ、黄初平の時に赤松山(金華山)で仙人に出会って修業したんだそうな。
それで、赤松黄仙とも言われている。 山には確かに赤松も多いが。
赤松というキーワードが中国古代の赤松子と関連があるのかも。
香港の黄大仙は有名だけど、ここが全てのルーツだったのね。
寺には黄大仙がつれていた山羊、と同種の山羊も買われていて、ちょっとした触れ合い
動物園的に仕立てられている。 ひときわ高くなっている場所に古い建物があったが、こちらは
暑さの急こう配のため、あえなくパス。

山間にある黄大仙の景観は雄大の一言。
さすがは、村から山二つ越したところにあるだけはある。
水庫を正面にみた門には”迎神”の文字と太極のシンボルが。

山を下って駐車場に戻るのが惜しいくらいだが、次もあることなので、このあたりでよし。

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.295

2012-01-30 | 中国編


熱風の中を歩くこと約20分。(どこが近いんだ?)
途中耐えきれずに足マッサージを提案。少し休んでからでないと・・・。

60分のマッサージを終わって、やっとホテルに到着。
エントランスホールは決して広いとは言えないが、とりあえずフロントとレストランをチェック。
フロントは合格。あれれ、レストランの値段が面白い。
なになに?17:30-18:30 78元、18:30-19:30 68元、19:30-20:30 58元
ということは、ビールも含めて19:30から入ればバッフェが58元てことか?
これなら一人で来るにはなかなかいい単価かも知れない。
地下にはサウナとマッサージらしきものが。ホテルのすぐとなりには夜総会もあるじゃない。
うーむ、次回はここにしたほうがいいかな?しかし、夜は騒がしそうだ・・・。
右奥にあるバーで飲もうと考えていたのだけれど、洋酒やビールはあまり好きじゃないという。

「カラにいるのに、ウイスキー飲まないの?」
「すごく薄くしてもらってる。」
「なにが飲める?」
「紹興酒なら」

てなことで、少し戻ることになるけれど、途中で見かけた昔懐かしい鍋屋に紹興酒が
並んでいたのを思い出したので、そちらに行くことに。
まるで、ローカルな店。 入口のガラス戸には”空調完備”とある。
値段もそれこそローカルなので、たかが知れている。
清湯を土鍋に入れてもらって、白菜・きのこ・豆腐なんぞの軽いものとラージャンのたれと
にんにくをきざんでもらっておく。 特色泡菜と書いてあったので、頼んでみると、江西風の
漬物でこいつがピリ辛でやけにおいしい。
たくさん並んでいた紹興酒のなかに「古越龍山」が一本あったので、こいつをお願いする。
さすがに10年以上のものはなく、8年ものだけど、まあ、いいでしょう。
この程度の店に置いてあるだけで素晴らしい。

「おいしーい。なんで知ってるの?」
「上海でさんざんご馳走になってたからね。甕のやつを。」
「へえ。」
「久しぶりに飲んだけど、やっぱり安いのとは違うねえ。」
「どんどん飲めちゃう。」
「どんどん飲んでも一本しかないから、次は安いやつになっちゃう。」
「ほんと。」
「この漬物はおいしいねえ。近くに売ってるんだろうか?」
「聞いてみようか?」
「聞いてみて。」

おかみが言うには、江南の市場に漬物屋があって、それこそいろんな漬物を売っている
らしい。 ご丁寧に市場の場所まで教えてくれた。
時間があれば行ってみたいもんだ。
紹興酒を飲みつつ、明日のプランについてもご相談。

「難しいわね。バスが止まってるんじゃ。」
「じゃあ、電車で行くかな?」
「着いてからの保証がないものねえ・・・。車があればいいけど。」
「あきらめるしかないのか・・・。」
白菜をにんにくと醤油になすりつけつつ、酒をちびちび飲りながらの相談。
横には持参していた金華市地図が広がっている。
「でも、明日だったら黄大仙や双竜洞っていう手もありよね。」
「行く?どっちにしても朝早いよ、明日は。」
「行ってみたいわねえ。」
「行ったことないの?」
「うん。」
「地図によると、古い街並みの村も近くにあるみたいだ。」
古い村ファンのあっしとしては、見ておきたいところ。
「行こうかしら?」
「歓迎するけど。ま、朝タクシーで来てくれれば、そのままメーター直して乗ってくスタイルだな。」
「時間がかかっちゃうし、朝起きれないかも。」
「ま、その時は置き去りだ。」
「うーん・・・、よし決めた。今日行っちゃう。」
「はあ?」
「着替え持ってるし!」 買物袋を持ち上げる。
「や、そりゃそうだが、ベッドは一つだけだよ。」
「気にしない、気にしない。」
「・・・・・・」

「古越龍山」のお代りはないものの、漬物の話からしょっちゅう話に入って来る
おかみから、サービスということでもう一本もらったので、二人で計2本。
紹興酒で酔っ払ってしまったのであろうか。はたまた・・・。
何かあってもカネなら払わんぞー。 

ここで一つ問題なのだが、ホテルとしては外部からの入場者は登記が必要と大書してあるのだ。
大丈夫かいな? ここ数日それらしきお嬢様の出入りした形跡を見たことがない。
なにせ、”国際交流中心”だからなあ・・・。 とはいえ、上海あたりでも科学技術中心や、税務局、人民解放軍
の経営しているホテルといえども、ただの一度もお咎めがあったことはないが・・・・。
さらに、もし入るのはOKだったとして、部屋のバスルームはごく薄いすりガラスになっているので、中の様子は殆どわかってしまうという問題もある。
問題をおこさないようにしようとしても、いたるところ問題だらけなのだ。

入口の問題は、初日から目をかけていたドアボーイが担当だったことで、没問題。
「あっ、おかえりなさい。 今日はお友達が一緒ですか?」 のひとことで、はい、おしまい。
次の問題点については、彼女の発した言葉で、没問題。
「どうせ見えちゃうなら一緒に入りましょ。」 のひとことで、はい、おしまい。
最後の大きな金銭的な問題も、結局は没問題。
「恋人同士みたいに過ごしてみたかったの。楽しかった。」のひとことで、はい、おしまい。
あまりにもあっさりと全てクリアしてしまって、拍子抜け。
結局、手に入れた下着の品評会も拝見できて、大変楽しい一日。 沢山買ってあげてよかったなァ。

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No. 294

2012-01-29 | 中国編


中国浙江省金華市

3日目の日程が終了。
さて、と時計を見てみると、すでに6時20分!
まずい。電話しなければ。

「ウェイ、たーさんですが。」
「おっそーい!」
「ごめん、ごめん。今どこ?」
「買物が終わって、今露天を見ているところ。」
「じゃなくて、場所か通りの名前を言ってよ。タクシーがわかるような。」
「時代広場って言えばわかるわ。すぐ来れます?」
「八一路の近く?」
「近い、近い。」
「多分10分位で着けると思う。」
「じゃあ、そこの星巴克珈琲の前にいまーす。」
「OK。すぐ行くよ。」

なんだって!?スターバックス?聞き間違えたか?
まあ、人民広場のところにはWalmartだってあったくらいだから、スターバックスも
あるかも知れないけど、アイスコーヒーすら飲めないこの地で・・・。

比較的あっという間に到着。
こりゃあ・・・・
大変お見それ致しました。金華市。
ご指定の広場には、スターバックスもマックもケンタッキーも、味千ラーメンまである。
(今日の晩飯は味千らーめんで決まりだな。)
スターバックスに向かって歩いてみると、ポツンと燕が一羽。もといエンちゃんが一人。
エビを食べていた時にはGパンをはいていたのに、今はノースリーブにミニスカート、サンダルという軽装。
とても、カラ小姐には見えず、どこぞのオフィスの帰り道といった風情だ。

「遅くなりましたー。」
「来ないのかと思いましたよ。」
「約束は覚えているほうでね。電話するのが遅くなった。」
「観光は終わりました?」
「暑かったけどね。面白かった。」
「露天で安いのがあったの。もう一度見てもいいですか?」
「いいとも。お詫びに安けりゃ買ってあげるよ。 お腹は?」
「やった。お腹のほうはまだ大丈夫。昼食べすぎちゃったから。」
ま、確かに昼のエビは食べすぎだった。

広場の真向かいの通りが歩行者天国になっていて、この中や周辺の歩道は
露天で埋め尽くされている。思うように歩けないほど人が出ている。
古式ゆかしく、雑貨・靴・下着・洋服など、一つの通りに一つの業種という並び方だ。
エンちゃんのお目当てだった品物はなんと下着。
カラフルかつ質素(布が少ないという意味でございます)のが所せましと並べられていて、どれもが3件10元とある。
(3枚で10元=140円)

「これこれ。どれがいいと思います?」
「・・・・・・。」
「2つは決まってるんだけど、あと1つがね。どっちにしようかな・・・」
「まあ、どっちも買ってあと2つ選びなよ。払うから。」
「いいの?えーと、じゃあ、これとこれ。」
あー、とりあげていちいちこっちに見せなくてもいいから・・・。
それこそ20元くらいで(280円)喜んでくれるんだから、他愛のないもんです。
とはいえ、中にはTや、ほとんどスケスケのものもあったのが気になるところ。
試着の風景は見れないもんだろうか・・・・?

ひとしきり、見てまわったあと、静かな通りを抜けると川沿いに出た。
今日も暑かったけれど、夜でもあるし川をわたってくる風は意外と涼しい。

「いやあ、結構いいところだ! 金華。」
「でしょ。私は好きですよ、この街。人が親切だし、物価も安いし。マンションは高いけどね。」
「マンションが高いのか?」
「高いわよ。知ってる?金華市は中国の住みたい街ベスト10の中にはいってるのよ。」
「へええ・・・、そりゃまた何で?」
「レベルの高い学校がたくさんあるし、住みやすいからじゃない?」
「ほえーっ。浙江師範大学が有名なのは知ってるけど、他にもあるの?」
「浙江師範大学はいろんな学部があるし、金华广播电视大学なんか出た人は殆どテレビ局に入ってるし。
 就職率100%らしいよ。」
「あっ、それ。大学の近くだろ?前を通ったよ。」
「大きいでしょ。」
「確かに。まわりは何にもないけどね。」
「マンションが高い理由はね。」
「ふむ、ふむ。」
「上海はもちろん高いでしょ。」
「高くなっちゃったね。」
「上海のお金持ちは杭州や寧波でマンションを買ってるの。」
「なるほど。杭州の連中も言ってたよ。上海人だらけだって。」
「で、杭州のお金持ちは金華のマンションを買うの。」
「へえ。」
「金華に会社を作って、そこで買ってるみたい。」
「良く知ってるね。」
「お店にそういう人がたくさん来るから。」
「なーる。すると、杭州のお金持ちがエンちゃんのスポンサー?」
「残念。杭州の男たちは奥さんが怖くてあんまり遊んでないみたいよ。」
「とにかく食事にしよう。焼き肉?麺?」 本命は味千だが・・・。
「麺でも大丈夫?饂飩か何か?」
「饂飩?」
「この間食事した近くにうどんの専門店があるの。この近くにもあったはず。」
「らーめんにしない?他の料理もあるし。」
「いいけど。どこか知ってるお店あるの?」
「味千さあ。あそこは香港や上海で良く食べてた。」
「じゃあ、そこにしましょ。」

メニューは中国国内のものと同じ。
チャーシューメン
豚角煮ラーメン
キムチ
とりの唐揚げ
餃子
などを、あっしだけはネギ抜きで頼むと満腹。
焼き肉をセレクトしてくれなくて正解だった。

「お酒飲まないの?」
「あとでゆっくり飲もう。どこか知ってる?」
「うーん、向こう側だと結構あるんだけど・・・、こっちはよく知らない。」
「じゃあ、ちょっと行ってみたいホテルがあるから、そのホテルかその近くにしよう。」
「うん。どこのホテル?」
「ベストウエスタン。何でも地元の連中が言うには日本人や外国人はここに泊めるらしい。」
「近いわよ。歩いて行ける。」
「ええっ!結構ありそうだけど・・・」

結局歩いて行く羽目に。
確かに途中の道行きはいろんなお店、新しい店や、古くからの店や地元の居酒屋さん的なものがあって、退屈はしないものの、とにかく暑い!!

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 老八咏街 Part Ⅱ

2012-01-28 | 中国編



八咏楼外観


手前右は管理所。これがなかった頃はぽっかりと楼が見えたはず。


八咏楼碑


内部の様子
撮影禁止だったかも知れないけど、なにせあっし一人だけなので、ごめんあそばせ。









楼から望む街の景色





楼よりも大分古い台の様子






こちらが正門の様子





Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 老八咏街 Part Ⅰ

2012-01-27 | 中国編



これだけ古い一角が手入れされて残っているのは素晴らしい。

中国浙江省金華市老八咏楼の一角


昔ながらの商店街にある店舗のつくり


香港映画に出てくるような一階レストラン、二階は宿泊所



真昼間にもかかわらず暗い廊下


建物を抜けると・・・


これ、現在は茶屋になっています。
出入り口のサッシだけが現代風??


古い建物の数々



八咏楼に続く通り。まるで映画のセットだがそれぞれのお店は現役営業中



Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.293

2012-01-25 | 中国編


今日は八咏楼界隈を経由して江北(川の北側)を散策してみよう。

もうそろそろ夕方近くなるというのに、陽は高いし、とにかく暑い。
タクシーの運ちゃん曰く、
「ここいらが八咏街だあよ。楼は中に入ったところにあるさ。」
てなことで、古式ゆかしい建物が並ぶ街並みを歩いていると、何氏の家というのがあった。
中に入れるらしく、薄暗く涼しい家の中を徘徊していると、ちょうど裏手の中庭に出た。
典型的な昔の建物で、内部の廊下は暗く、狭く、地面には細かくしたタイルのようなものが縦に敷き詰められている。

「なにか?」
展示用のガラスケースや資料などが置いてあるだけだったので、
てっきり無人かと思っていたら、人が住んでたのね。
「いや、うろうろしてたらここに出ちゃったんだけど。八咏楼を見に行きたいんだ。」
「ああ、八咏楼ならここを右に出て一つ目の角をもう一度右に曲がってまっすぐいくと右側にありますよ。」
「ありがとう。」
「どちらから?」
「日本だけど・・」
「お一人ですか?」
「そう。」
「あら、まあ。」

最後のあら、まあ。の意味はあまり詮索せずに謝意を表して表に出る。
ひんやりと涼しい中とは大違いの暑さ。

八咏街の家はどれも古く、入口は相当足をもちあげてまたがないと入れない造りになっている。
直角に折れ曲る通路や、こんな入口を見ると、中国の幽霊キョンシー除けかと思ってしまう。
途中、大仰な櫓門のまわりには露天売りのおじちゃん、おばちゃんが雑貨や野菜、果物などを
所せましと台に並べて売っていた。
露天のおばちゃん達につかまり、スイカなんぞをごちそうになりつつ、お目当ての八咏楼に到着。
入場料は10元とあるが、ここまで来て入らないわけにもいかず、しぶしぶ払う。
入場料の徴収をしている人は、どうやらここに住み込みになっているようで、戸口の前の家には
鶏が放し飼いになっているし、奥からはなにやらおいしそうな料理のにおいもする。

「八咏楼」建物は省級文物保護単位になっている。

楼から見下ろす景色はなかなかのもの。
建った当時のことを考えると、相当な高さと感じたであろう。
今となっては、無粋な建築物がたくさんあるし、目の前も公園になってしまっているものの
建物が少なかった当時の絶景が偲ばれ、良い気持ちだ。
建物のぐるり、土台のほうはこれは建物よりもよほど古い。往時の雰囲気を色濃く残している。
聞けば楼がたったのはこの土台ができた相当あとのことらしい。

ここで歴史に残る詩を読んだのは、何度もお邪魔している山東省出身の李清照
(りせいしょう、1084年 - 1153年)北宋末期・南宋初期の詩人。
女性ながら、南宋十傑に指折られる大家。
男では李後主、女では李清照、と対照され、李白を加え詞家の三李と認められているとある。

千古风流八咏楼,江山留与后人愁。
水通南国三千里,气压江城十四州。
「千古の風流八詠楼、江山を後人に留して憂えさせる。水路が南国に通じ3千里、江城十四州を圧す。」

十四州というのがどこを指しているのかわからなかったが、当地で平江府、镇江府,杭、越、湖、婺、明、常、温、台、处、衢、严、秀州の
二府十二州の総称だということが判明。
実際にこの詞が描かれたのが1135年頃というから、日本ではまだ平安時代、崇徳天皇の頃になるんでしょうかねえ?

いけない、いけない。
あんまりボーッとしている時間はない。
次は法隆寺へ行かなければ。

さて行ってみると、
寺自体はとっくに壊れていて、経幢が残っているだけだった。
法隆寺経幢(は経文を刻みこんだ石柱の意味)、金銭寺の敷地内にある。

8辺からなる、高さ6.30メートルの石柱。
2006年5月25日に全国重要文化保護財に指定されている。
へーえ、こんなのがねえ・・・。

名前が法隆寺と同じなので、何かのつながりはないものか・・・、探って見ると・・・、
この石柱が出来上がったのは、857年。一方奈良県の法隆寺は607年の建立。
中国の石柱のほうが後にできあがっているのだが、石柱が出来た時代は遣唐使の往来華やかな頃。
奈良の法隆寺の名前がこの塔にもつけられたのかも・・・

それにもともとの名前金銭寺と言う名前だが、どうやらこちらは金光明経から来ているのでは?
「金光明経」は、「法華経」「仁王般若経」とともに、護国三部経として信仰されてきたはずだし、
西域諸国で四天王崇拝、中国で金光明懺法が流行し、日本では国分寺や四天王寺が建立され、
などしたのもたしかこのお経の教えに基づくもの云々、だったと思う・・・。
それとも、もっと最近の太平天国の頃の秘密結社金銭会から来てるのか、あるいは金銭会が
この寺の名前からとったのか・・・
うーむ、わからない。

唐代は日本と中国が本当の意味で一衣帯水だった時代。
ここ金華にも日本人が来ていた、ということにしておこう。

本日のたーさんの日程はこれにて終了。

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.292

2012-01-23 | 中国編


金華の三日目

今日も今日とて、朝から一社、午後にも一社を訪問予定。
大分ご当地の調査も完了し、脳内ナビゲーターで動けるようになってきてはいるが、念のため
地図で確認すると、それぞれ意外とホテルからは離れている様子なので、午後のほうを早めに切り上げて、
明日の自分へのご褒美の段取りをせねば。

午前中を一生懸命終わらせ、一緒に食事をという誘いを振り切って、
一昨日約束した”今日ホテル”という場所まで送ってもらう。
日本人が好きそうなホテルだが、宿泊客の多くは香港人が多い様子。レートもちょっとお高め。
到着してタバコを吸いつつ、のんびり涼んでいると携帯が鳴った。が、一回で終わり。
番号を見てみると、くだんのお嬢さんだったので早速お電話を。

「ウェイ?」
「こんにちはー。ホテルに着きました?」
「着いてるよ。」
「じゃあ、今から行きまーす。」
どうやら、この間の食事場所と言い、この近くに住んでいるらしい。
それにしてもワン切りするなんざあ、こんなところでも、電話代節約してるんですなあ。
確かに、彼女達からすれば、香港の携帯にかけるのはちとお高めかも知れない。

10分もしないうちに彼女達の到着。
タクシーにぎゅうぎゅうづめになってワンメーターで例のエビ村に到着。
今日も暑い!
こんな暑さじゃあ、水につかっているはずのエビ君達も殆ど自然茹でエビになってるんじゃないか?

予想にたがわず、香港の蛇レストランよろしく、蝦レストラン。 
全ての料理がエビづくしで、エビの種類も豊富だが、ここはクルマエビ君料理でまいりましょう。
レストランの中でも食事ができるようだが、暑いけれど皆さんと同様、ミストが出されている外でお食事。

まずは定番の蒸しエビだが、ここは龍井茶で蒸したものを。
えびせんべい付の椒盐龙虾
ちょいと辛めの串揚げにはニンニクをたっぷりと。
煮込みは高菜と一緒に甘辛で煮込んだものを。
そして、えびチャーハン。
スープはわがままを言って、卵とアオサのような海苔の入ったあっさりスープを。
箸休めには蕨ときのこの炒め。
デザートにはエビ風味のジャガイモの餅のようなもの。

頼んではみたものの、到底5人では食べきれない量が出てきてしまった。
いや、満腹。 午後は仕事になるかしら。 
残った料理は打包(お持ち帰り)に。

ホテルで待ち合わせの時に電話をくれた、ほっそりした美人は温州の出身。マイタイプだ。
他の三人はそれぞれ、福州と楊州の出身とのこと。(どうやら、一緒の部屋に住んでいるらしい)

みんながみんな地元ではないので、金華の面白いところや、昨日の永康街の
顛末などで盛り上がる。それによるとどうやら、江北側の商業街が面白そうだ。

「行ってみたら?」
「うーん、行ってみたいね。だけど、八咏楼と法隆寺が先かな?」
「一緒に行く?」と温州出身の美人エンちゃん。(字は燕という字かな?)
「皆さんは仕事でしょ?」
「大丈夫。エンは今日はお休みだもの。」 他の三人がニンマリと言う。
「ああ、そう。じゃあ、ご飯食べがてら行ってみるか。見学が終わったら電話しようか?」
「早めに電話下さいね。ちょっと身の回りのことをすませたらすぐ買物に行くから。」
「はいはい。6時頃には1回電話するよ。」

午後の仕事はサクサク終えてやっとシャワー。
やれやれ、やっと2日間の日程が終了。
今回はちょっと毛色の違う仕事だったので気は遣ったものの、契約も済ませ、まずまずの出来。
あとはメールのやりとりで暫くは大丈夫であろう。

ここのところ、連日ここ金華市は38度などというふざけた天気が続いている。
昨日なんぞは夜になってから雨が降ったものだから、まるで蒸し風呂だったし、
今日も朝ホテルを出た瞬間にはすでに30度を超えていた。

そういえば、昨日お会いした総経理、こんなことを言ってたな。

「しかし、金華市は暑いですね。いつもこんな様子で?」
「たーさん、ここは例えばこのようになっています。」
とお茶の湯呑を取り上げた。 
「回り八方を(中国は何故か四方と言わず、八方という言い方が多い)に山があります。そして真ん中に川がある。」
「ふむ」
「上から温められた空気は逃げ場がなく、雨でも降ろうものなら、川の湿気とあいまって常に蒸されているようなものです。」
「それでか。この暑さは・・・」

とはいえ、八方を山に囲まれ、水の手もあるということは地勢的に見ても古くから人が集まるということ。
ここ金華市も古くは春秋時代から続いている街だ。

Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.291

2012-01-22 | 中国編


さて、金華市の二日目。

昼は訪問先と一緒。夜ももうひとつの訪問先と会社近くのレストランでご馳走に
なってしまったので、食事の心配はなし。この日も金華ハムを堪能する。
これだけ食べていると、飽きるかと思ったけれど、そこはそれ、いろんな調理方法で飽きが来ない。

午前中訪問の会社は総経理が女性であった。
昼を食べて言って欲しいとのこと、会社内に設えられているなかなか豪華な賓客用食堂でビールまで。
さすがに女性だけあって、料理への注文は厳しく、おかげで思ったよりもおいしい料理を食べることができた。

「たーさんはいつまで金華に滞在ですか?」
「あと2日こちらにいて、帰国する予定です。」
「ご予定は?」
「や、実は仕事もさることながら、諸葛八卦村がメインです。」
「ああ、蘭渓市にある村ですね。まだ、行ったことはありませんが。」
「ええ?それは勿体ない。」
「でも、たーさん。今蘭渓市には行けませんよ。」
「えっ?それは・・・」
「今週の大雨で蘭渓市は洪水になってしまって、1F部分はほぼ水没したみたいで、収束するまで立ち入らないよう
 通達がでていますよ。」
「うーむ・・・」
「でも、他にも景勝地がありますから、そちらに行かれてはどうでしょう?当方で車を出しましょうか?」

そうと言われたからとて「はい、わかりました。仕方ないですね。」と諦めてしまうほど、たーさんは人間ができていない。
なんとかできないかの作戦をいろいろと組み立てて見よう。

午後の訪問先では、わざわざ東陽市から来てくれた方がいて、夕食はこの方も一緒にお食事。
かの横店集団の方だというので、出発前に言われたことを思い出した。

「たーさん、金華に行くなら東陽市というとこに映画村がある。時間があったら行ってみるといい。」
中国や香港の映画に詳しい、日頃お世話になっているI社長が言ってたところか?

「横店集団というと、あの横店映画城の持ち主の?」
「そうです。よくご存知ですね。」
「いや、金華まで行くんなら、時間があれば是非見たほうが良いと言われていたので。」
「すごいですよ。今回は時間ありませんか?お連れしますよ。」
「いやあ・・・、行きたいんですけどねえ・・・。丸一日かかるでしょ?」
「そうですね。たっぷりかかりますよ。」
「ですよねえ・・・・。 うーん。」

どう時間をやりくりしても、丸一日はとれそうにない。
自分へのご褒美の一日は、相当前から楽しみにしていたことなので、映画村は魅力的だが譲る気はない。
次回の訪問を堅く約して、今回はパスさせていただく。

夜のお誘いはあったものの、ホテル側の様子もわからないので、こちらはパス。
シャワーをとって、昨日教えてもらった永康街に行って見て、足マッサージをして帰ってこよう。
ホテル前にはタクシーは止まっていないので、通りまで歩いて出なければタクシーは捕まらない。
交通量自体も少ないし、なかなかつかまらないのが難儀なこっちゃ。
が、どうやら空車は客らしき人間を見ると、クラクションを鳴らしてくれるので、ボーッとしていても
空車はすぐにわかる。

5分ほどうろうろしていると、やっとつかまったのだが、先客あり。
お客を確保する意味でも、一旦乗せてしまうのがここいらの流儀らしい。
先客はとなりの浙江師範大学の学生で、寮のある入口まで同道。
先客が十数元払って、降りた後にメーターを戻す。

「永康街まで。」
「はいよ。」
到着してみると、なんてことはない通り。
バーか、それなりの食事ができる通りなのかと思ったのだが・・・
「あれえ?ここじゃないのかな?聞き間違えたかな?」
とりあえず通りを入って行くと、納得!
どうやらこの通りはいかがわしいほうの休閑があるところらしい。
いわゆる「紅灯区」というところだ。
暗い横道を覗いてみると、”激情按摩”などと書いてある店なども。
そうとわかれば一通り店を冷やかして楽しいやりとりを繰り返していく。
なかにはやり手ババアがいて、無理やり引きずり込もうとするが、そうはいかない。
レートとしてはベーシックの40分30元という表向きとプラス130-180元ほどでスペシャルサービスが
受けられるという。
9軒目くらいのところで、な、な、なんと上戸彩似のEカップを発見。ほんとうにそっくり。
スペシャルはともかく、30元をお願いして、身上調査とまいりましょう。

名前はフェイフェイちゃん。
出身は楊州で22歳。コロコロと良く笑う。
金華に着てからまだ4ヶ月しかたっていない。
なんでまた南に行かずに金華に来たのかというと、おじいちゃんが金華の出身なんだそうな。
小さい頃に来たことがあるので、知らない土地より比較的近い金華にしたんだと。
何せい、上戸彩似ですから・・・、しかもEカップですから・・・、残念ながら30元で終了というわけにはいきません・・・。

上戸彩に当たってしまったあとは、所詮有象無象。
興味も失って、にぎやかな通りを目指してみる。
すでに陽は落ちて、あたりは人通りとは裏腹に随分と暗い。 
が、店の看板は殆どがLEDでしつらえてあって、煌々としている。
日本みたいなフルカラーじゃなく、文字のみで店名と広告文を表現している。

とにかく暑い。
もう夜だというのに、風もなく街の気温表示には32度とある。じっとしていてもじんわり汗が滲んでくる。
一生懸命歩いては見たものの、ついに力つきた交差点で足マッサージ屋さんを発見。
薬湯に足をつけ、90分コースをお願い。
他の物価に比較すると、高いような気がするが、あたりはずれのある南とは違い、皆さん気合いが
入っていて、ずいぶん上手だ。
90分コースでは吸い玉もOKというので、早速お願いする。
90分を過ぎた頃には汗もひき、背中には茶色や赤の水玉模様ができ、足もすっかり軽くなっていた。
出されたお茶も結構モノが良いので、フルーツを食べながら、テレビを見つつ、20分ほど長居をして帰途につく。

ホテルには冷蔵庫がなかったので、今日はしっかりと凍っているペットボトルの水を買い込む。
これで朝飲んでも冷えてるだろう。


Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved

たーさんの裏街道を行く 中国編 No.290

2012-01-18 | 中国編


とりあえず、部屋に落ち着き、これから4日間生活する部屋をマイスタイルに変えて、シャワーを浴びて街へ繰り出す。
さて、何を食べようか?やっぱり世界三大ハムの金華ハムか?

タクシーでの道すがら、橋の端のたもとで見つけたフードコート。
"エビ村”
おおっ、どうやらエビを食べさせるところらしい。結構な広さだ。
が、初日の今日のところは、金華の家常菜&金華火腿のキーワードで食事をしておきましょう。

市内のほぼ真中を流れる川をはさんで、今日は南側から探索。
国貿賓館を起点にして(古いホテルだが、市のお偉いさんはこちらを利用する様子。当日も0001ナンバーのGMが
とまっていた。)街中を歩いて見る。 賑やかな金華商城界隈から、ぐるりと商業地域を回って見ると、
起点に近いところに露店がたくさんでている通りがひとつ。
どうやら、市民の一大食事処になっているらしい。
いろいろな料理が食べられるらしく、LEDの看板には「XX菜」の文字があちらこちら。
通りも終わろうかという近くにやっと、家常菜&火腿と大書してある店を発見。早速入ってみる。
一人でうろうろ食べに来ているのはあっしくらいで、皆さんお仲間での食事か、家族での食事が殆ど。
おばちゃんが注文をとりにきてくれたのだけれども、何を言っているのかさっぱりわからない。 あれえ・・・・

「火腿湯(ハムスープ)はありや?」
「あるよ。 xxxxxxx」
「えっ?」
「あんた、どっから来たの?」
「日本だけど。」
「ちょいとこの人日本人だってさ」 と言ったと思う・・・。けど日本人のところが、東莞で聞く日本人と同じ発音だ。
「おおーっ!」まわりからどよめきが・・・
「何を食べたいんだい?」右隣に座っていた家族連れの親父が聞いてきた。おお!これは普通語、わかる。
「金華ハムスープとあれば東坡肉、それにさやいんげんの炒めとチャーハンかな?葱抜きで・・・」
「xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx」
「xxxxxxxxxxxxxxxx」
「xxxxxxxxxxxxx」
「xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx」
何を言ってくれているのか、わからず・・・・。だけど、どうも広東語に似ている。しかも一部は寧波・上海あたりとも似ている。
「注文したけど、全部食べられないだろうから、少なめにしてもらったよ。」
「ホント?有難う。」
「ビールは?」
「いいねえ。」

注文を手伝ってくれた親父はなんと市政府の役人なんだそうな。今日は家族で食べに来ていたのだ。
注文をしてくれたお礼にビールを飲んでいる皆さんに注いでまわる。
一緒に来ていたおじいちゃん、おばあちゃんがいろいろ話しかけてくるのだが、何を言っているのかさっぱりわからない。

運ばれてきた料理はどれも珠玉の出来。
ああ、初日ということで、カメラを持ってきていないのが残念!
ハムスープは実にコクがあるし、久々に食べる東坡肉も実にうまい。
ちょっと変っているのはチャーハン。 具材を見て見ると、もやし、キャベツ、ハム、卵が入っていて、
味付けになんとたまり醤油が使われている。

「このチャーハンはおいしいねえ・・・」
「これは金華チャーハンさ。」
「へええ。」

お腹は一杯だが、残っているさやいんげんをつまみにビールを飲みつつ、通りを行き交う現地の人々を観察。
なにせい外なので、汗だくだくなんだが、なかなか面白い。

左隣のテーブルに若い女の子達4人が陣取った。
なんだか毛色の違うのがいるなあ的な怪訝な目つきで見られているようだけれど、気にしない、気にしない。

「じゃあ、先に帰るよ。金華を楽しんで。」 注文を手伝ってくれた役人。
「ああ、ありがとう。それじゃあ。」
「お嬢さんたち!この人は日本から来てるんだってさ。」
「ええーっ!」 ああ、余計なことを・・・
「何でこんなところで食事しているの?」 助かった、普通語。
「一人だからさ。」
「ホテルとか大きいレストランで食べるでしょ?日本人は」
「高いじゃあないの。」
「日本人はお金持ちでしょ?」
「貧乏な日本人もいるのさ。」
「これから何するんです?」
「お腹も一杯だし、足マッサージでもしてホテルに帰ってのんびりしようかな。」
「お店に来ません?」
「店って?」
「この近く。城市之星っていうカラオケよ。」
「いやあ、一人じゃあね。」
「大丈夫、大丈夫。 私達がお相手しまーす。」
「歌わないからねえ・・・、そうだ、昼に時間が取れるならご馳走するよ。エビが食べたいんだ。」
「橋のところの?」
「そう。」
「xxxxxxxx」 どうやら、どうする?的なご相談中。
「いいわよ。いつ?明日?」
「いや、明後日かな?1時から3時くらいまで」
「じゃあ、”今日ホテル”のロビーで待ってます。」
「どこだって?」
「国貿賓館の反対側にあるホテル。」
「OK.」
「携帯は?電話番号いれておきます。」
なかでも、ひときわほっそりした少女時代風の美人さんからのお申し出には逆らえません。

「それじゃあ、明後日。私達これからお仕事だから。」
「はーい、いってらっしゃい。」
「あっ!そうそう、時間があるのなら、永康街でも行ってみたら?」
「ああ、ありがとう。」 永康街?台北にもあったな。
きゃあ、きゃあ囀りながら、遠ざかって行く。元気がいいなあ。

異邦人のあっしにお役人はじめ、お店のおばちゃん、お嬢ちゃん達の暖かいおもてなし。
水を買い込んで、ホテルへ戻る道すがら、疲れてはいたものの、なかなかにいい気分。




Copyright © 2005-2012 Ta-san, All rights reserved