遂に放送終了しました。賛否両論があり、「白い巨塔」の時のように視聴率も上がりませんでしたが、僕は毎週楽しみました。ロケが少ないとか、原作を削っているとか、いろんな文句が出ているようですが、僕は小説のテレビ化にあたっては、そんなことは当たり前ですので、そういうレベルの低いことは問題にしません。このドラマの場合はセットもしっかりしているし、脚本も悪くない。出演者も演技の出来る人を使っていることから、批判するには当たらないと思います。それはさておき、僕はテレビ化されたものを見る時は、原作とは違う視点で見ることにしています。原作は長い。それをテレビにするのに、そのまま出来る訳がない。
例えば三国志なら、原作では魏・呉・蜀の3国それぞれを描いていますが、テレビ化する際は、どうしても曹操や孔明にウエイトが置かれます。だから曹操や孔明を中心に見ることになってしまいます。これと同じ。「不毛地帯」を見るなら、どこにウエイトを置いて作っているのかを把握し、それなりに楽しむことにしています。原作を知らない人はそのまま見て、興味を持てば原作を読めばいい。1番良くないのは、原作を訳知り顔で語り、テレビ作品に酷評を浴びせることで、自分を高く見せようとする人達です。他者を引きずり落としてその椅子に座るという、レベルの低いサラリーマン根性の手法が僕は嫌いです。他者を立てた上で、自分を輝かせるということが実力と言うものです。権力はあっても、権威のないサラリーマンだらけの世の中に、そういうことを若者に教えることを日本はしない。そこがセコクて涙が出ます。
おっと、もう既に話題がそれています。問題はこの駅に貼られた番組ポスターです。これは放送中に貼っていたものですが、フジTVはこのように、まだ宣伝広告費を使っています。この写真は東京駅の次の駅、地下鉄・大手町の駅で撮影しました。さてその数日後、3月に撮影した同じ駅のホームの写真を見て頂きましょう。
どうですか?ポスターが無い!僕がブログ記事を書く為に剥がしたのではありません。(笑)これだけ広告欄を使わない企業が多くなったということ。それだけ企業が広告宣伝費を控えるか、出す媒体を変えているという動きがここから見て取れます。一時は爆発的に流行したフリーペーパーの雑誌も、広告収入が入らずドンドン廃刊が続いています。一方で、嘘でもお金を掛けてバンバン宣伝すれば売れるという、広告の成功事例もあちこちで見られます。いい加減、大手新聞社に掲載されたことでも、そこに広告が掲載されていても、それがイコール正しいということではないということを、日本人にはもっともっと強く認識して欲しいと心から願っています。
例えば大きな病気をすれば、健康を失えば、何とか治りたいと思うのが人間です。こういう時に広告や口コミが威力を発揮します。普段は何とも思わないものが、こちらの神経が普通ではないので、凄いものだと思ってしまう。自分の親しい人に「がんが絶対に治る水(キノコも多い?)があるから、それを送ります!」「ハワイのノニジュースなら絶対です」などと。こういうものは効くかも知れないし、全く効果がないかも知れない。もし、がんが絶対に治るというものがあれば、その存在はもっともっと世の中に知れ渡っていなければ嘘だと思います。そういう訳の分からないものを疑いもなく信じる人が多いのは、「考える」という行為が出来ないからではないでしょうか。ただ、そんなことはどうでもよく、そうやって心配してくれる人が友人にいるということを、素直に喜べばいいのではないでしょうか?