しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <ニネベの最後>

2023-07-06 | ナホム書
「追い散らす者が、おまえに向かって上って来る。塁を見守り、道を見張れ。腰を強くし、大いに力を奮い立たせよ。」(ナホム2:1新改訳)

ここはニネベの崩壊(ほうかい)をさながら実況中継(じっきょうちゅうけい)のように語っている章で、次の3章まで続く。バビロン兵は緋色(ひいろ)の軍服を着て、持っている盾(たて)も赤く染められている。おそらく敵を威嚇(いかく)するために、流血色を使っていると思われる。その兵士たちが市内になだれ込み、次々に市民やアッシリア軍を刺し殺していく。鋼鉄製の戦車は狂ったように通りや広場を走り回り、手あたり次第、破壊して行く。▼王宮に住んでいる貴人たちは男女区別なく捕らえられ、たくわえてきたぼう大な財宝は略奪(りゃくだつ)され、広場に山のように積み上げられる。獅子(しし、ライオンのこと)が獲物を引きさき、子獅子のため穴にたくわえるように、犠牲者たちは町中いたるところに横たわり、流血で道という道は赤く染まる。その残虐(ざんぎゃく)さで世界をふるえ上がらせたアッシリアが、ついに、神の復讐(ふくしゅう)を受ける日を迎えた。こうして都ニネベは崩壊(ほうかい)、ネブカドネザルに象徴されるバビロンが天下を取ったのである。▼殺されたアッシリア軍が死後にどうなったか、について、エゼキエルは預言した。「人の子よ、エジプトの大軍のために嘆け。その民と力強い国々の娘たちを、穴に下る者たちとともに地下の国に下らせよ。・・・そこにはアッシリアとその全集団がいる。周りには彼らの墓があり、みな、刺し殺された者、剣に倒れた者である。アッシリアの墓は穴の奥の方にあり、その集団はその墓の周りにいる。彼らはみな、刺し殺された者、剣に倒れた者で、生ける者の地に恐怖をもたらした者たちである。」(エゼキエル32:18~23同)