「私たちの神、主は彼らを私たちの手に渡された。私たちは彼とその子たちとそのすべての兵を討った。」(申命記2:33新改訳)
ヨルダン川を渡る前、占領戦(せんりょうせん)はすでに始まった。しかしただ無目的(むもくてき)にたたかったのではなく、神が占領(せんりょう)すべき地を定め、それに従ってモーセたちは戦闘(せんとう)を開始したのである。具体的にはアモリ人の土地だけを征服することがゆるされ、エドム人、モアブ人、アンモン人の土地をうばうことは禁じられた。それは彼らがイスラエルと親戚(しんせき)関係にあったからだ。▼もうひとつ大切なのは、モーセが戦いに勝った原因を自分たちの強さに帰(き)していないことである。「主は彼らを私たちの手に渡された」と、どこまでも主のおかげで勝ったと記している。これがたいせつなのだ。▼異邦帝国の戦勝碑文(せんしょうひぶん)が発掘(はっくつ)されるが、そこには王の偉大さについての賛辞(さんじ)が記され、全能の神への賛辞はない。偶像や王をほめたたえてもすべてはむなしいことを過去の歴史は物語る。私たちも人を賛美してはならない。どこまでもすべての栄光を主に帰すべきである。