酒のさかな

平凡な笑市民が日ごろの暮らしの中で出会ったこと
【縦横無尽探険隊別館】

山女リベンジ

2011-04-04 23:31:37 | のほほん日記系
あの釣堀みたいなヤマメのプールが気にかかる。
餌も残っているので、翌日リベンジに。
4月3日
いつもの橋の下を無視し、薄暗い谷を降りる。
『朝マズメにならいくらか釣れるだろう』
下流は無視して、一目散に昨日のプールに向かう。
そろそろ明るくなる頃、急いで竿を振る。
『いるいる、今日も魚はいる』
慎重に、辛抱強く流れにあわせて竿を動かす。
コツ、コ・コツ!うりゃ!しかし、かからない。
『こいつら、やっぱり警戒してる』
釣り人に相当すれたヤマメのようだが、昨日よりはいい。
何より餌にアタックする気配があるからだ。
コツ、コツ・・・ググッ!竿が引き込まれる。
ゆっくりあわせると、キレイな姿のヤマメが水に跳ねる。

『うっしゃー!釣れた』
あれだけ遅アワセなのに釣り針は飲み込まれずにキレイに口にかかっていた。
やはりガブッといかずに、ついばんで餌だけを食おうとしているようだ。
その後は慣れて、餌の流し方のコツも掴めたのか、順調に数を増やしていく。
不思議なことに、ここのヤマメは型がほぼ揃っているし、きれいな姿のものが多かった。
1時間ほどで全く釣れなくなった。
『ま、いいや。満足満足。してやったり^^;』
登リ口に戻ると、フィッシング装備バリバリの釣り人が一人。
上から降りてきた私に「ちっ、先がいたのか」という感じ。
すぐに上流に去って行ったが、上は私が釣った後で、実はここが私が全く触っていないポイントなのであった。
(私は満足したので、もう釣らなかったがね)


すれたヤマメ

2011-04-04 23:05:56 | のほほん日記系
4月1日
新しい職場で尻の落ち着く場所もないような感じ。
何を話題にしてもなんか掴み所がない。
まぁ、前のように「今日中、今すぐ、さっさと行くぞ」
みたいなことはないだろうから、いいけど。
何か仕事と自分の思いが別のところにあって、しくじらなければいい、仕事に思い入れは無いって感じ。

さて、土曜日は気晴らしにヤマメ釣りに行こう。
このところ今日明日に追われて疲れていたから。
うーん、癒される。
朝モヤに沢の音が轟々聞こえる以外は音はない。

いつもの橋の下でお手ごろサイズが4匹釣れ、前回のチビヤマメではなくかなり嬉しい。
『ここは毎回2匹しか釣れないポイントなんだがなぁ』
今日は、何度となく釣れた事のない深みでもデカイのが釣れた。
気をよくして谷に下りることにする。

いい感じの静けさ。
2匹ほど狭い流れで釣れた後、上流にあるゆったりとしたプールに登る。
いるいる!
魚の影がウヨウヨ・・・20匹は優に数えられる。
『よっしゃ、爆釣だぁ』
しかし、見える魚は釣れない。
本当に釣れない。
1匹も釣れない。
餌を追いかけて数匹が寄ってくるのに、餌を掠めるようにしてクルリとUターンするのである。
『こりゃ完全に餌を見切っている』
30分以上も挑戦し、釣堀のように魚が泳ぐプールなのに1匹も釣ることはできなかったのである。

震災まとめ【その4】

2011-04-03 09:36:49 | のほほん日記系
3月15日
職場のH野さんがイソジンうがい薬の濃度を聞いてくる。
「義理の兄が仙台にいるので、送ってやろうと思って」
確かにヨウ素は入っているが、原発事故のときのヨウ素剤はヨウ化カリウム丸だ。
代用になるんだろうか?
『ヨウ化カリウムならヨードチンキに入っているけど、エタノールだからねぇ。飲めないかも』
ネットで複方ヨードグリセリンを調べるが、その途中で国立放医研の警告文書に出会った。
###ヨウ素含有の消毒薬やうがい薬を飲まないでください ###
###効果がないばかりか有害物質が含まれており危険です###
###コンブなどの海藻類もヨウ素剤のかわりにはなりません###
そっかー
でも、テレビの報道番組でコンブやワカメで同じ働きがあるのでたくさん食べることを推奨していた。
『こんなん出てますけど~~』
「ありがとう、ダメみたいね」
ヨウ素剤自体が元々ヨウ素中毒になる恐れがあるので、結構危なかったりする。
仕方がない場合しか飲まないのはそのためで、代用として消毒効果の高い(つまりは細胞毒性のある)分子型ヨウ素を飲めばやはり具合が悪いだろう。
それよりもヨウ化カリウムを試験室からもらって分包したほうが安全かもしれない。

こんなやりとりをしてた途端、電話が殺到した。
「薬局にイソジンを買いに来る人が多くて説明に困る」
同じようにイソジンを求める人が街のあちらこちらの薬局に現れていたのである。
「説明に困るからHPに注意を載せてくれ」
今そんな話をしていたところだったが、すでに世の中ではデマが拡大していたようだ。
【ヨウ素の入った消毒薬は飲まないでください。】
ワカメもコンブも売り切れ。わけワカメ^^;




震災まとめ【その3】

2011-04-02 18:48:05 | のほほん日記系
週が明けた。
3月14日
朝から献血をしたいからバスを申し込みたいという電話がひっきりなし。
血液センターには土日に献血したいという人が殺到し4時間待ちだった。
いつも献血をしてくれる人には「2ヶ月後にお願いします」と言って帰ってもらうが、今まで献血なぞしたことない善意丸出しの人が怒り出す。
「震災被害に役に立ちたいから来たのになんだこの体制は」
今はいらないと言っても「血液が不足して困っている」と勝手に思い込んで是が非でも自分の血をあげたいらしい。
『今はこの状況で集まっているから後日連絡してから献血お願いします』
とてもかまってられないのでHPに「献血はあわてるな」と載せた。
職場内からも殺到したので社内掲示板にも載せる。
善意はありがたいが、断られたからって怒るのはナゼ?
結局、何かを「してあげた」という勝手な自己満足。
困った人を救うより自分の思い通りにならないことが嫌らしい。
「助けてやる」って上から目線でなく、ちったぁ謙虚になれよ。

実はこのときとんでもないことが起きていた。
世間の目が東北の悲惨さや原発事故に向いていたとき、震災とは関係ないココで死人がでるかも知れなかったのである。
とある医薬品が日本全国から無くなりかけていた。
普通は年寄りに使われることの多い薬であるが、甲状腺ガンで切除した人にとっては命綱となる薬だった。
それを1社でほとんど製造していた工場がいわき市にあったのである。
震災で工場は破損、ストックされた製品倉庫はゆがんで動かず、原発の危険も迫っていた。
至急調査したところ流通在庫は3日分程しかない。
病院や薬局にもたかが知れている。
医療機関相互での融通のシステムを作らなければならないが、それでもいつまで持つか。
日常は全く普通の生活ができている患者だが、命には代えられない。
緊急的に入院措置を取らなければならないか。
毎日、毎日、厚生労働省やメーカーから情報をかき集めた。

メーカーの決死隊が倒れた倉庫から少しづつ運び出すらしい。
なんとか1ヶ月弱はもつ。
国も緊急輸入を即日認めた。
4月半ばまでなんとか持てば、供給量も増えるとのことで大事にならなくて済んだのである。
被災地ばかりでなく、命の危険はココにもあったのである。

震災まとめ【その2】

2011-04-02 11:40:03 | のほほん日記系
3月12日
携帯が鳴った。
「献血のことで、職場に電話してくれ」
K課長から、山で芝刈り中だから代わりに対応するよう〔命令〕
非常事態だろうから、職場に電話してみる。
「社長のツイッターに献血の書き込みがあったので至急検討するよう」
なんでも、震災で輸血が足りないらしいから仕事帰りでも献血できるように血液センターの時間を延長しろとのことらしい。
なんて勝手な言い草!
支援したいのなら会社休んででも支援しろよ!
いいことしてやるんだから自分の都合に合わせろってことですかぁ!
『バカこけって回答したらどうです?』
「なぜ延長できんのか」
『延長して何になるんです?全く意味ないです。意味あるんなら言われんでもやってます』
「でも善意の人が・・・」
『無責任な善意は邪魔です。こんな非常時にテイサイなんか取り繕わないで、実だけとりましょう』
実は、血液は足りていた。
被災地直下の病院に運搬する機能が一時ストップしていたのである。
血液は短いもので4日しかもたない。
さらに、日常から普通の必要量の2倍近くがストックされるようになっている。
被災地で足りない分は、周辺からじゃんじゃん供給されるし、その連携は普段からうまくいっている。
足りないところへは順送り、少し時間をおけば九州からだって1日で輸送されるのである。
全国の余剰分を順繰りにかき集めれば突発的な対応に不足することはないのである。
ただし問題は被災地への運搬は困難だっただろうから輸血が不足しているという情報は現地からは発信されたかもしれない。
しかしそれは献血が足りないのではなく、運搬が困難だったのであり、たくさん献血してもしょうがないのである。
さらにこういう非常事態には必ず善意ぶったバカが横行する。
阪神大地震の時もボランティアという名のバカモノが迷惑ばかり起こし、本当の支援者や被災者の邪魔をしたのである。
「困っているから助けたい。いいことしてるんだから自分のやることが正しい」
善意って大切だ。
でも結果的に困っている人の迷惑になる行為を善意って呼ばないよ。
自分が被災地に独力で行って手を差し伸べてあげられないのなら、直接被災地を支援している者の言う事に協力するくらいしかできないじゃないか。
自分で最後まで責任を持てないのなら口だけ出すのはやめて欲しい。つくづくそう思う。
ツイッターとかに便所の落書きを書くヒキコモリよりも、お母さんとお年玉を募金箱に入れにきた小学生のほうがよっぽど現地の人の役に立ってるよ。

ちなみに、ネット上のツールは何よりも現地の生の情報が早く手に入ることは間違いない。
しかし、ツイッターなどに書き込む心境は「なにかを感じた」からこそ書かれる。
リアルタイムの生の情報ではあるけれど、悲痛な叫びがたくさんあるように見えるけれども、それは悲痛な叫びを集めたものにすぎず、印象深い事象にだけ極端なバイアスがかかった情報でしかないのである。
ツイッター信者はツイッターに世間一般の重要な情報が流れていると思っているが、一般の人は決して便所の落書きに重要な情報を書いたりしない。
なぜなら【自分を助けてくれる人がそこにいるとは思えないから】である。

震災まとめ【その1】

2011-04-02 10:52:35 | のほほん日記系
4月になった。
ここのところ、震災のドタバタで疲れ果てていた。
やっと一段落したので、まとめをしておこう。

3月11日
職場のI橋さんがメールを見てテレビをつけた。
「地震があったみたい。・・・あ、あ、あ、すごい!」
画面には家が車が押し流されていく映像。
農道を走る車に津波が迫りくる。
「あ、逃げて逃げて」
あっという間に車が消えた。
高台の道路に大型車が止まっているが、下の道に軽自動車が走っている。
大型車は孤立した道路に取り残されているが、今まで走っていた車は流されていく。
こりゃ助からん。

「東京もひどいらしい」
あ、K川さんとHさんは?
東京出張に行った同僚に電話するがつながらない。
『うーん、今電話使うのは迷惑だろうけど・・・』
そのうち、職場内で出張者の安否確認の指示。
何度かけてもつながらない電話。
十数回かけた後、固定電話からやっと呼び出し音が。
「よく繋がりましたねぇ」
K川さんは無事のようだ。
携帯は全くウンともスンとも言わないとのこと。
会議中に全員外に飛び出し、日比谷公園に避難したらしい。
会議を再開するというので、Hさんは戻り、K川さんは新橋周辺の様子を確認しにちょっとうろついていたという。
電車は不通、車は路肩で停車しており、信号や電気は大丈夫。
ビルのガラスも壁もなんともない。
戻ろうとしたその時、2度目の揺れが襲った。
「ビルがグニャグニャに曲がって、あんなに曲がるものなのかと思った」
あらゆるビルから人が飛び出して来て、日比谷公園が超混雑となった。

『とにかくHさんを探して一緒に行動すること!ホテルに戻りな!』
『電車は不通だから。歩いて数キロだからとにかくHさんと一緒に品川まで行くこと』
2人の家に連絡。
「K川さんは無事」
「崩壊等はないとのこと」
「Hさんは連絡取れないがおそらく無事」
「東京からは電話がほとんど通じない」
「電車が止まったので明日の帰りはどうなるかわからない」
2人の家どちらも「はぁ、そうですか」
事態が理解できていないようだ。
後で聞いたら、HさんはさっさとK川さんを探すのをあきらめ、徒歩で品川プリンスに到着。
ホテルも立ち入り禁止となっていたので、余裕で飯食って待っていたらしい。
K川さんはHさんを探していたため、品川へ歩き出すころは人に押されるように歩道をゾロゾロ蟻さん行列だったという。
まぁ、20時半にはチェックインでき、泊まることができたが、その頃は帰宅難民が街にあふれ、飲食店は大行列、コンビニはなにも無くなり、ホテルのロビーやエレベーターホールに雑魚寝する人がいっぱいだったそうな。

翌日、地獄のような帰路の果て、無事に着いたとの知らせ。
職場に電話したが「何で報告するの」ってな感じ。
『あのなぁ、安否確認は帰り着いて初めて安否だろ!現地で無事だからもういいってか!』
危機感のないバカどもが指揮をとるなよ!