
3月14日
朝から献血をしたいからバスを申し込みたいという電話がひっきりなし。
血液センターには土日に献血したいという人が殺到し4時間待ちだった。
いつも献血をしてくれる人には「2ヶ月後にお願いします」と言って帰ってもらうが、今まで献血なぞしたことない善意丸出しの人が怒り出す。

今はいらないと言っても「血液が不足して困っている」と勝手に思い込んで是が非でも自分の血をあげたいらしい。
『今はこの状況で集まっているから後日連絡してから献血お願いします』
とてもかまってられないのでHPに「献血はあわてるな」と載せた。
職場内からも殺到したので社内掲示板にも載せる。
善意はありがたいが、断られたからって怒るのはナゼ?
結局、何かを「してあげた」という勝手な自己満足。
困った人を救うより自分の思い通りにならないことが嫌らしい。
「助けてやる」って上から目線でなく、ちったぁ謙虚になれよ。

世間の目が東北の悲惨さや原発事故に向いていたとき、震災とは関係ないココで死人がでるかも知れなかったのである。
とある医薬品が日本全国から無くなりかけていた。
普通は年寄りに使われることの多い薬であるが、甲状腺ガンで切除した人にとっては命綱となる薬だった。
それを1社でほとんど製造していた工場がいわき市にあったのである。
震災で工場は破損、ストックされた製品倉庫はゆがんで動かず、原発の危険も迫っていた。
至急調査したところ流通在庫は3日分程しかない。
病院や薬局にもたかが知れている。
医療機関相互での融通のシステムを作らなければならないが、それでもいつまで持つか。
日常は全く普通の生活ができている患者だが、命には代えられない。
緊急的に入院措置を取らなければならないか。
毎日、毎日、厚生労働省やメーカーから情報をかき集めた。

なんとか1ヶ月弱はもつ。
国も緊急輸入を即日認めた。
4月半ばまでなんとか持てば、供給量も増えるとのことで大事にならなくて済んだのである。
被災地ばかりでなく、命の危険はココにもあったのである。